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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】高所可変式速度規制標識目隠し装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/00 20160101AFI20240220BHJP
【FI】
E01F9/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020095970
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021188408
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】508001431
【氏名又は名称】西日本高速道路メンテナンス九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506192803
【氏名又は名称】大東金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】中石 隆博
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3167387(JP,U)
【文献】登録実用新案第3107148(JP,U)
【文献】特開2018-040108(JP,A)
【文献】特開2018-040107(JP,A)
【文献】特開2008-156923(JP,A)
【文献】特開2008-150797(JP,A)
【文献】登録実用新案第3086301(JP,U)
【文献】特開2003-096722(JP,A)
【文献】特開2007-023611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所可変式速度規制標識取付け支柱に対し取付け金具を介して高所可変式速度規制標識の前面を覆う状態で取り付け固定される開閉自在な目隠し部材と、該目隠し部材の開閉を操作する遠隔開閉操作手段とを備え、
前記目隠し部材は、高所可変式速度規制標識の前面を覆う広さの目隠しシートと、該目隠しシートを上方に巻き取り及び下方に引き戻し可能な巻き取り軸を収容した巻き取り収納筒と、上端を巻き取り収納筒の両端部にそれぞれ固定され下端を横バーで連結した左右一対の案内バーと、を備え、
前記目隠しシートの下端縁部には錘バーを備え、該錘バーの両端には前記両案内バーにそれぞれ沿って上下昇降可能な案内リングを備え、
前記遠隔開閉操作手段は、上端を前記巻き取り軸の一端に連結されたフィレキシブルシャフトと、該フィレキシブルシャフトの下端に連結され前記取付け支柱の低い位置に取り付け固定される巻上げ装置と、を備えることを特徴とする高所可変式速度規制標識目隠し装置。
【請求項2】
請求項1記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置において、
前記目隠しシートには工事中などにおける50等の規制速度表示を備えることを特徴とする高所可変式速度規制標識目隠し装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置において、
前記巻上げ装置は、巻き上げハンドルに連結された大歯車とフィレキシブルシャフトに連結された小歯車とからなる加速歯車装置を備えていることを特徴とする高所可変式速度規制標識目隠し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所可変式速度規制標識目隠し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所可変式速度規制標識目隠し装置として特許文献1に記載の技術が公知になっている。
この従来例の高所可変式速度規制標識目隠し装置は、略四角形の板状であって、溝付フレームをU字状に配し、上部裏面には引掛けフックと、下部にはスプリング開閉アームと、背後に背板とからなる構成であり、引掛けフックを対象となる高所可変式速度規制標識の表示板上部に引掛けてスプリング開閉アームを下方に引くことにより、高所可変式速度規制標識目隠し板が対象となる高所可変式速度規制標識の表示板に装着され、装着後、規制速度に応じた表示パネルを挿入するというものであった。
即ち、特許文献1の高所可変式速度規制標識目隠し装置は、従来、高所可変式速度規制標識の速度表示を隠すために単に袋を被せていたため、速度規制表示が無表示となる点を改良し、速度規制表示ができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3077329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高所可変式速度規制標識は、地上高い位置に設置されているため、従来の袋を被せる方式でも、特許文献1の方式でも、袋や高所可変式速度規制標識目隠し装置を取り付けるために、梯子の昇降や身を乗り出して高い位置で行う危険性を伴った手間を要する作業が必要であるという問題があった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、高速道路の工事中などに、梯子の昇降や身を乗り出すなどの行為を行わず安全かつ簡単な作業で高所可変式速度規制標識を目隠しすることができると共に、必要に応じ「50」等の安全な規制速度を表示させることができる高所可変式速度規制標識目隠し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置は、高所可変式速度規制標識取付け支柱に対し取付け金具を介して高所可変式速度規制標識の前面を覆う状態で取り付け固定される開閉自在な目隠し部材と、該目隠し部材の開閉を操作する遠隔開閉操作手段とを備え、
前記目隠し部材は、高所可変式速度規制標識の前面を覆う広さの目隠しシートと、該目隠しシートを上方に巻き取り及び下方に引き戻し可能な巻き取り軸を収容した巻き取り収納筒と、上端を巻き取り収納筒の両端部にそれぞれ固定され下端を横バーで連結した左右一対の案内バーと、を備え、
前記目隠しシートの下端縁部には錘バーを備え、該錘バーの両端には前記両案内バーにそれぞれ沿って上下昇降可能な案内リングを備え、
前記遠隔開閉操作手段は、上端を前記巻き取り軸の一端に連結されたフィレキシブルシャフトと、該フィレキシブルシャフトの下端に連結され前記取付け支柱の低い位置に取り付け固定される巻上げ装置と、を備えることを特徴とする手段とした。
【0007】
また、請求項2記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置は、請求項1記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置において、
前記目隠しシートには工事中などにおける50等の規制速度表示を備えることを特徴とする手段とした。
【0008】
また、請求項3記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置は、請求項1又は2に記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置において、
前記巻上げ装置は、巻き上げハンドルに連結された大歯車とフィレキシブルシャフトに連結された小歯車とからなる加速歯車装置を備えていることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置では、上述のように、目隠し部材は、高所可変式速度規制標識の前面を覆う広さの目隠しシートと、目隠しシートを上方に巻き取り及び下方に引き戻し可能な巻き取り軸を収容した巻き取り収納筒と、上端を巻き取り収納筒の両端部にそれぞれ固定され下端を横バーで連結した左右一対の案内バーと、を備え、
前記目隠しシートの下端縁部には錘バーを備え、該錘バーの両端には前記両案内バーにそれぞれ沿って上下昇降可能な案内リングを備え、
前記遠隔開閉操作手段は、上端を前記巻き取り軸の一端に連結されたフィレキシブルシャフトと、該フィレキシブルシャフトの下端に連結され、前記取付け支柱の低い位置に取り付け固定される巻上げ装置を備えるため、低い位置に取り付け固定された巻上げ装置を操作して目隠しシートを下方へ引き下して高所可変式速度規制標識を目隠しすることができる。なお、目隠しシートの下端縁部には錘バーを備えることで、目隠しシートの引き下しをスムーズに行うことができる。
従って、高速道路の工事中などに、梯子の昇降や身を乗り出すなどの行為を行わず安全かつ簡単な作業で高所可変式速度規制標識を目隠しすることができる。

【0010】
請求項2記載の高所可変式速度規制標識目隠し装置では、上述のように、前記目隠しシートには「50」等の規制速度表示を備えることで、高所可変式速度規制標識を単に目隠しするだけでなく、工事中などにおける安全な規制速度を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の高所可変式速度規制標識目隠し装置の取り付け状態を示す正面図である。
図2】実施例1の高所可変式速度規制標識目隠し装置の取り付け状態を示す平面図である。
図3】実施例1の高所可変式速度規制標識目隠し装置の取り付け状態を示す側面図である。
図4】目隠しシートで高所可変式速度規制標識を目隠しした状態を示す正面図である。
図5】目隠し部材の要部拡大断面図である。
図6】目隠しシートを示す正面図である。
図7】巻き上げ装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、この実施例1の高所可変式速度規制標識目隠し装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
この高所可変式速度規制標識目隠し装置は、図1~5に示すように、高所可変式速度規制標識取付け支柱1に対し取付け金具2を介して高所可変式速度規制標識3の前面を覆う状態で取り付け固定される開閉自在な目隠し部材4と、該目隠し部材4の開閉を操作する遠隔開閉操作手段5とを備えている。
【0015】
さらに詳述すると、前記目隠し部材4は、高所可変式速度規制標識3の前面を覆う広さの目隠しシート41と、目隠しシート41を上方に巻き取り及び下方に引き戻し可能な巻き取り軸42を収容した巻き取り収納筒43と、上端を巻き取り収納筒43の両端部にそれぞれ固定され下端を横バー44で連結した左右一対の案内バー45、45と、を備え、前記目隠しシート41の下端縁部には錘バー46を備え、該錘バー46の両端には前記両案内バー45、45にそれぞれ沿って上下昇降可能な案内リング47、47を備えている。
なお、前記目隠しシート41としては、防水性を有し風や汚れに強く強度がある「ターポリン」を用いることが望ましい。
【0016】
また、前記遠隔開閉操作手段5は、上端を前記巻取り軸の一端に連結されたフィレキシブルシャフトと51、該フィレキシブルシャフト51の下端に連結され、前記取付け支柱1の低い位置に取り付け固定される巻上げ装置52を備えている。
【0017】
前記巻上げ装置52は、巻き上げハンドル52aに連結された大歯車とフィレキシブルシャフト51に連結された小歯車とからなる加速歯車装置52bを備えている。
【0018】
また、前記目隠しシート41には工事中などにおける50等の規制速度表示48を備えている。
【0019】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の高所可変式速度規制標識目隠し装置では、上述のように、目隠し部材4は、高所可変式速度規制標識3の前面を覆う広さの目隠しシート41と、目隠しシート41を上方に巻き取り及び下方に引き戻し可能な巻き取り軸42を収容した巻き取り収納筒43と、上端を巻き取り収納筒43の両端部にそれぞれ固定され下端を横バー44で連結した左右一対の案内バー45、45と、を備え、
前記目隠しシート41の下端縁部には錘バー46を備え、該錘バー46の両端には前記両案内バー45、45にそれぞれ沿って上下昇降可能な案内リング47、47を備え、
前記遠隔開閉操作手段5は、上端を前記巻取り軸42の一端に連結されたフィレキシブルシャフト51と、該フィレキシブルシャフト51の下端に連結され、前記取付け支柱1の低い位置に取り付け固定される巻上げ装置52を備えるため、低い位置に取り付け固定された巻上げ装置52を操作して目隠しシート41を下方へ引き下して高所可変式速度規制標識3を目隠しすることができる。なお、目隠しシート41の下端縁部には錘バー46を備えることで、目隠しシート41の引き下しをスムーズに行うことができる。
従って、高速道路の工事中などに、梯子の昇降や身を乗り出すなどの行為を行わず安全かつ簡単な作業で高所可変式速度規制標識3を目隠しすることができる。
【0020】
また、前記目隠しシート41には「50」等の規制速度表示48を備えることで、高所可変式速度規制標識3を単に目隠しするだけでなく、工事中などにおける安全な規制速度を表示させることができる。
【0021】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0022】
1 高所可変式速度規制標識取り付け支柱
2 取付け金具
3 高所可変式速度制限標識
4 目隠し部材
41 目隠しシート
42 巻き取り軸
43 巻き取り収納筒
44 横バー
45 案内バー
46 錘バー
47 案内リング
5 遠隔開閉操作手段
51 フィレキシブルシャフト
52 巻き上げ装置
52a 巻き上げハンドル
52b 加速歯車装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7