(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】位置決め装置
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20240220BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01D11/30 S
G01D5/12 Q
(21)【出願番号】P 2020102578
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小池 竜夫
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-210077(JP,A)
【文献】特開平09-159490(JP,A)
【文献】実開平04-123499(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/30
G01D 5/12
G08C 19/00
G12B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログメータの表示面を覆う略円形且つ透明なカバー部材の表面の中心に対して、センサユニットを位置決めする位置決め装置であって、
第1の方向において互いに対向して設けられ、前記カバー部材の外枠の外周面を挟持する一対の挟持部材と、
前記第1の方向に延在して設けられ、前記一対の挟持部材の離間距離を調整可能に、前記一対の挟持部材を連結するラックと、
前記カバー部材の裏面側において、前記一対の挟持部材の前記離間距離に依らず、前記一対の挟持部材の中間位置に位置するように設けられたセンターブロックと、
前記カバー部材の表面側において、前記一対の挟持部材の前記離間距離に依らず、前記一対の挟持部材の中間位置に位置するように設けられ、前記センサユニットを保持し、前記センサユニットを前記カバー部材の表面の中心に対して位置決めする位置決め部材と
を備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記センターブロックと前記位置決め部材との双方に係合することにより、前記位置決め部材を、前記一対の挟持部材の中間位置に位置させる係合部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記ラックは、一端が前記一対の挟持部材のうちの一方の挟持部材に固定され、他端が前記一対の挟持部材のうちの他方の挟持部材の貫通孔内を摺動することにより、前記一対の挟持部材の離間距離を調整可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
互いに平行な2本の前記ラックと、
2本の前記ラックの間に設けられ、2本の前記ラックの各々と噛み合うピニオンギヤと
を備え、
2本の前記ラックのうち、一方の前記ラックが前記一方の挟持部材に固定され、他方の前記ラックが前記他方の挟持部材に固定され、
前記2本のラックが前記ピニオンギヤを介して連動して、前記センターブロックに対して前記第1の方向に互いに同量移動することにより、前記一対の挟持部材が前記第1の方向に互いに同量移動する
ことを特徴とする請求項3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記位置決
め部材は、
前記センサユニットを保持する保持孔と、
前記保持孔から前記位置決
め部材の外側へと繋がる溝部と
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記センターブロックは、
前記前記一対の挟持部材によって挟持される前の前記カバー部材を載置可能である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記位置決め部材は、
前記センサユニットを、前記カバー部材の表面に対して押し込み可能に保持する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、指針の回転中心部に磁石を設置し、当該磁石と対向する位置に磁気センサを設置することにより、指針の回転角度を検出することが可能な圧力計において、圧力計の透明板を、磁気センサが予め装着された交換用透明板に交換することにより、磁気センサを磁石と対向する位置に設置することが可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、圧力計の透明板と同じ外形を有する交換用透明板を設ける必要があるため、そのための部品費、金型費等のコストが追加で必要となる。また、特許文献1に開示されている技術は、メータの外径に応じて、交換用透明板を用意する必要があるため、外径が異なる複数種類のメータに容易に対応することができない。他にも、従来、アナログメータの中心位置を求めて、その位置に磁気センサを取り付ける方法が用いられているが、この方法では、手間がかかるといった問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る位置決め装置は、アナログメータの表示面を覆う略円形且つ透明なカバー部材の表面の中心に対して、センサユニットを位置決めする位置決め装置であって、第1の方向において互いに対向して設けられ、カバー部材の外枠の外周面を挟持する一対の挟持部材と、第1の方向に延在して設けられ、一対の挟持部材の離間距離を調整可能に、一対の挟持部材を連結するラックと、カバー部材の裏面側において、一対の挟持部材の離間距離に依らず、一対の挟持部材の中間位置に位置するように設けられたセンターブロックと、カバー部材の表面側において、一対の挟持部材の離間距離に依らず、一対の挟持部材の中間位置に位置するように設けられ、センサユニットを保持し、センサユニットをカバー部材の表面の中心に対して位置決めする位置決め部材とを備える。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る位置決め装置によれば、外径が異なる複数種類のメータに対して、磁気センサをメータの中心に容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る位置決め装置の上方から見た外観斜視図
【
図2】一実施形態に係る位置決め装置の下方から見た外観斜視図
【
図3】一実施形態に係るセンサユニットのアナログメータへの設置例を示す平面図
【
図4】一実施形態に係るセンサユニットのアナログメータへの設置例を示す側面図
【
図5】一実施形態に係る位置決め装置の拡張例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(位置決め装置100の構成)
図1は、一実施形態に係る位置決め装置100の上方から見た外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係る位置決め装置100の下方から見た外観斜視図である。なお、以降の説明では、便宜上、アナログメータ200のカバーガラス210の表面210Aと直交する方向を上下方向(Z軸方向)とする。また、カバーガラス210の表面210A側を上側(Z軸正側)とし、カバーガラス210の裏面側を下側(Z軸負側)とする。
【0010】
図1に示す位置決め装置100は、アナログメータ200の表示面を覆う略円形且つ透明なカバーガラス210(「カバー部材」の一例)の表面210Aの中心に対して、センサユニット300を位置決めする装置である。
【0011】
図1に示すように、位置決め装置100は、一対の挟持部材111,112と、2本のラック121,122と、ピニオンギヤ123と、センターブロック130と、位置決めプレート140と、2本のピン151,152とを備える。なお、位置決め装置100が備えるすべての構成部品は、比較的硬質な素材(例えば、樹脂素材、金属素材)が用いられて形成される。
【0012】
一対の挟持部材111,112は、X軸方向(「第1の方向」の一例)において互いに対向して設けられている。一対の挟持部材111,112は、アナログメータ200が備えるカバーガラス210の外枠212の外周面212Aを挟持する。一対の挟持部材111,112は、いわゆるV字ブロックであり、上方からの平面視においてV字状をなす支持面111A,112Aを有する。支持面111A,112Aは、互いに対向している。
図1および
図2に示すように、一対の挟持部材111,112は、支持面111A,112Aの各々が外枠212の外周面212Aを圧接することにより、当該外周面212Aを挟持する。
【0013】
また、挟持部材111は、当該挟持部材111をX軸方向に貫通する互いに平行な第1の貫通孔111Bおよび第2の貫通孔111Cを有する。第1の貫通孔111Bは、挟持部材111のY軸正側に設けられており、ラック121のX軸正側の端部が挿通される。挟持部材111は、第1の貫通孔111Bの近傍に設けられた2本のねじ113がねじ締められることにより、第1の貫通孔111Bの内径が狭まり、ラック121のX軸正側の端部が固定される。第2の貫通孔111Cは、挟持部材111のY軸負側に設けられており、ラック122のX軸正側の端部が摺動可能に挿通される。
【0014】
また、挟持部材112は、当該挟持部材112をX軸方向に貫通する互いに平行な第1の貫通孔112Bおよび第2の貫通孔112Cを有する。第1の貫通孔112Bは、挟持部材112のY軸負側に設けられており、ラック122のX軸負側の端部が挿通される。挟持部材112は、第1の貫通孔112Bの近傍に設けられた2本のねじ113がねじ締められることにより、第1の貫通孔112Bの内径が狭まり、ラック122のX軸負側の端部が固定される。第2の貫通孔112Cは、挟持部材112のY軸正側に設けられており、ラック121のX軸負側の端部が摺動可能に挿通される。
【0015】
2本のラック121,122は、互いに平行に、X軸方向に延在して設けられている。2本のラック121,122は、一対の挟持部材111,112の離間距離を調整可能に、一対の挟持部材111,112を連結する。2本のラック121,122は、いずれも、X軸方向に直線状に延在する棒状の部材である。2本のラック121,122の各々には、当該2本のラック121,122の内側となる部分に、X軸方向に連続的に形成された複数のラック歯121A,122Aを有する。
【0016】
ラック121は、Y軸正側に設けられている。ラック121のX軸正側の端部は、挟持部材111の第1の貫通孔111Bを挿通した状態で、挟持部材111に固定される。ラック121のX軸負側の端部は、挟持部材112の第2の貫通孔112Cに摺動可能に挿通される。
【0017】
ラック122は、Y軸負側に設けられている。ラック122のX軸負側の端部は、挟持部材112の第1の貫通孔112Bを挿通した状態で、挟持部材112に固定される。ラック122のX軸正側の端部は、挟持部材111の第2の貫通孔111Cに摺動可能に挿通される。
【0018】
ピニオンギヤ123は、センターブロック130の裏側に形成された円形の収容空間131内、且つ、2本のラック121,122の間に設けられている。ピニオンギヤ123は、センターブロック130の収容空間131内において、回転可能である。ピニオンギヤ123は、ピニオンギヤ123は、ラック121のラック歯121Aと、ラック122のラック歯122Aとの各々に噛み合っている。これにより、ピニオンギヤ123は、回転に伴って、2本のラック121,122を、X軸方向における互いに異なる方向に、互いに同量移動させることができる。
【0019】
具体的には、ピニオンギヤ123は、
図2に示すように底面側から見て時計回り(矢印D1)に回転したとき、ラック121をX軸負方向に移動させるとともに、ラック122をX軸正方向にラック121と同量移動させることができる。この場合、ラック121に固定された挟持部材111と、ラック122に固定された挟持部材112とが、互いに近づく方向に、互いに同量移動する。したがって、センターブロック130は、一対の挟持部材111,112の間の中間位置にある状態を維持する。
【0020】
反対に、ピニオンギヤ123は、
図2に示すように底面側から見て反時計回り(矢印D2)に回転したとき、ラック121をX軸正方向に移動させるとともに、ラック122をX軸負方向にラック121と同量移動させることができる。この場合、ラック121に固定された挟持部材111と、ラック122に固定された挟持部材112とが、互いに離れる方向に、互いに同量移動する。したがって、センターブロック130は、一対の挟持部材111,112の間の中間位置にある状態を維持する。
【0021】
センターブロック130は、Y軸方向に延在するブロック状の部材である。センターブロック130は、2本のラック121,122の各々と直交し、さらに、2本のラック121,122の各々よりも外側まで延在している。センターブロック130の中心は、位置決め装置100の中心と重なる。センターブロック130の中心は、一対の挟持部材111,112の離間距離の変動に依らず、常に、位置決め装置100の中心と重なった状態にある。なお、「位置決め装置100の中心」とは、X軸方向においては、一対の挟持部材111,112の中間位置となり、Y軸方向においては、2本のラック121,122の中間位置となる位置である。
【0022】
図2に示すように、センターブロック130は、裏面側の中央に、円形の収容空間131を有する。収容空間131は、ピニオンギヤ123を、位置決め装置100の中心を回転中心とする回転可能に収容する。
【0023】
また、センターブロック130は、当該センターブロック130をX軸方向に貫通する互いに平行な第1の貫通孔132Aおよび第2の貫通孔132Bを有する。第1の貫通孔132Aは、センターブロック130のY軸正側に設けられており、ラック121が摺動可能に挿通される。第1の貫通孔132Aは、収容空間131側に開口を有している。これにより、ラック121の第1の貫通孔132Aに挿通されている部分のラック歯121Aが、ピニオンギヤ123に噛み合うことが可能となっている。第2の貫通孔132Bは、センターブロック130のY軸負側に設けられており、ラック122が摺動可能に挿通される。第2の貫通孔132Bは、収容空間131側に開口を有している。これにより、ラック122の第2の貫通孔132Bに挿通されている部分のラック歯122Aが、ピニオンギヤ123に噛み合うことが可能となっている。
【0024】
位置決めプレート140は、「位置決め部材」の一例である。位置決めプレート140は、センターブロック130の上面と対向して配置された、Y軸方向に延在する平板状の部材である。位置決めプレート140は、2本のラック121,122の各々と直交し、さらに、2本のラック121,122の各々よりも外側まで延在している。位置決めプレート140の中心は、位置決め装置100の中心と重なる。位置決めプレート140の中心は、一対の挟持部材111,112の離間距離の変動に依らず、常に、位置決め装置100の中心と重なった状態にある。
【0025】
位置決めプレート140の中心には、保持孔141が形成されている。保持孔141は、センサユニット300が備えるセンサケース301の突出部301Aの外形状と同形状を有する。位置決めプレート140は、保持孔141にセンサケース301の突出部301Aが嵌め込まれることにより、当該位置決めプレート140の中心と、センサケース301の中心とが一致するように、センサユニット300を保持することができる。すなわち、位置決めプレート140は、センサユニット300を保持することにより、センサユニット300の中心に設けられている磁気センサ302を、カバーガラス210の表面210Aの中心に対して位置決めすることができる。
【0026】
また、位置決めプレート140は、当該位置決めプレート140の外周縁部から保持孔141に至るまで切り欠かれた、溝部143を有する。溝部143は、センサユニット300をカバーガラス210の表面210Aに取り付けた後、センサユニット300から位置決めプレート140を取り外す際に、センサユニット300のケーブル303を、保持孔141から位置決めプレート140の外側へ引き抜くために設けられている。
【0027】
2本のピン151,152は、センターブロック130と位置決めプレート140との双方に係合することにより、位置決めプレート140を、一対の挟持部材111,112の中間位置に位置させる。既に説明したとおり、センターブロック130の中心は、一対の挟持部材111,112の離間距離の変動に依らず、常に、位置決め装置100の中心(すなわち、カバーガラス210の表面210Aの中心)と重なった状態にある。本実施形態の位置決め装置100は、2本のピン151,152によって、位置決めプレート140を、センターブロック130に対して位置決めする。これにより、本実施形態の位置決め装置100は、センターブロック130と同様に、位置決めプレート140の中心を、位置決め装置100の中心(すなわち、カバーガラス210の表面210Aの中心)と重なった状態にすることができる。
【0028】
本実施形態では、一例として、丸棒状の2本のピン151,152用いている。ピン151は、Y軸正側に設けられている。ピン151の下端部は、センターブロック130のY軸正側の端部に形成されている支持孔133Aに挿通された状態で固定される。ピン151の上端部は、位置決めプレート140のY軸正側の端部に形成されている支持孔142Aに挿通される。これにより、ピン151は、位置決めプレート140のY軸正側を位置決めする。
【0029】
ピン152は、Y軸負側に設けられている。ピン152の下端部は、センターブロック130のY軸負側の端部に形成されている支持孔133Bに挿通された状態で固定される。ピン152の上端部は、位置決めプレート140のY軸負側の端部に形成されている支持孔142Bに挿通される。これにより、ピン152は、位置決めプレート140のY軸負側を位置決めする。
【0030】
(センサユニット300の取り付け方法)
次に、位置決め装置100を用いたセンサユニット300の取り付け方法について説明する。
【0031】
(1)まず、作業者が、一対の挟持部材111,112を互いに離間する方向に引っ張ることにより、一対の挟持部材111,112の間隔を広げ、センターブロック130の上面に、カバーガラス210および外枠212を載置するスペースを形成する。この際、センターブロック130の中心は、位置決め装置100の中心と一致した状態を維持する。
【0032】
(2)次に、作業者が、センターブロック130の上面に、カバーガラス210および外枠212を載置する。一実施形態に係る位置決め装置100は、カバーガラス210および外枠212をセンターブロック130に載置可能であるため、以降の一対の挟持部材111,112による挟持を、比較的に容易に行うことができる。
【0033】
(3)次に、作業者が、一対の挟持部材111,112を互いに近づく方向に押し込むことにより、一対の挟持部材111,112の間隔を狭めて、支持面111A,112Aを、外枠212の外周面に当接させる。これにより、外枠212の外径に応じて、外枠212が一対の挟持部材111,112によって挟持され、位置決め装置100の中心と、カバーガラス210の表面210Aの中心とが一致する。
【0034】
(4)次に、作業者が、ピン151,152の上端部に、位置決めプレート140の支持孔142A,142Bを嵌め込む。これにより、位置決め装置100の中心と、カバーガラス210の表面210Aの中心と、位置決めプレート140の中心とが一致する。
【0035】
(5)次に、作業者が、センサケース301の底面に貼り付けられている両面テープの剥離紙をはがして、センサケース301の突出部301Aを、位置決めプレート140の保持孔141に嵌め込む。これにより、センサケース301の中心が、カバーガラス210の表面210Aの中心と一致する。
【0036】
(6)次に、作業者が、センサケース301を、カバーガラス210の表面210Aに対して押し付ける。これにより、センサケース301の中心と、カバーガラス210の表面210Aの中心と一致した状態で、センサケース301がカバーガラス210の表面210Aに固定される。
【0037】
(7)次に、作業者が、位置決めプレート140を上方に引き抜き、位置決めプレート140の保持孔141から溝部143を介してケーブル303を位置決めプレート140の外側に引き抜くことにより、位置決めプレート140を取り外す。
【0038】
(8)次に、作業者が、カバーガラス210および外枠212を、位置決め装置100から外し、アナログメータ200のケース201に取り付ける。
【0039】
(9)次に、作業者が、カバーガラス210が回転しないように、透明テープ等の固定手段によって、カバーガラス210と外枠212とを互いに固定する。
【0040】
以上の手順により、作業者は、アナログメータ200のカバーガラス210の表面210Aの中心と、センサケース301の中心とが一致した状態で、カバーガラス210の表面210Aに、センサユニット300を取り付けることができる。したがって、一実施形態に係る位置決め装置100によれば、外径が異なる複数種類のアナログメータ200に対して、磁気センサ302をアナログメータ200の中心に容易に位置決めすることができる。
【0041】
(センサユニット300の設置例)
図3は、一実施形態に係るセンサユニット300のアナログメータ200への設置例を示す平面図である。
図4は、一実施形態に係るセンサユニット300のアナログメータ200への設置例を示す側面図である。なお、
図4では、センサユニット300については、その断面が示されている。
【0042】
図3に示すアナログメータ200は、例えば、水道計、電力計、ガス計等である。
図3に示すように、アナログメータ200は、ケース201と、表示面202と、指針203と、磁石204と、カバーガラス210と、外枠212とを備える。ケース201は、アナログメータ200の外形状をなす、底面が閉塞された円筒状の部材である。表示面202は、ケース201の内部に設けられた、アナログメータ200の上方の空間に面した水平面である。表示面202は、平面視において円形状を有する。表示面202は、各種測定値を段階的に表す目盛りが、円周方向に沿って連続的に印刷されている。指針203は、回転軸203Aを有し、回転軸203Aを回転中心として回転することにより、各種測定値に応じて、表示面202に印刷されている目盛りを指し示す。磁石204は、円盤状を有し、指針203の回転中心に取り付けられている。磁石204は、平面視において、磁石204の中心を通る境界線を境界に、N極とS極とに磁化されている。カバーガラス210は、「略円形且つ透明なカバー部材」の一例であり、表示面202を覆う、透明且つ円盤状のガラス部材である。「略円形且つ透明なカバー部材」は、ガラス製に限らず、樹脂製であってもよい。外枠212は、円形枠状の部材であり、ケース201の上側(Z軸正側の)の開口縁部に嵌合して取り付けられている。外枠212は、その内側に配置されたカバーガラス210の外周縁部を保持する。
【0043】
図3および
図4に示すように、センサユニット300は、位置決め装置100が使用されて、アナログメータ200が備えるカバーガラス210の表面210Aの中心(すなわち、指針203の回転中心)に取り付けられる。センサユニット300は、センサケース301の内部における中心に、磁石204がアナログメータ200側(Z軸負側)を向いて設けられている。磁気センサ302は、センサユニット300がカバーガラス210の表面210Aの中心に取り付けられることにより、アナログメータ200の指針203の回転中心に取り付けられている磁石204と対向する。これにより、磁気センサ302は、指針203の回転角度を磁気的に検出することができる。そして、センサユニット300は、磁気センサ302によって検出された回転角度を示す回転角度検出信号を、ケーブル303および無線通信機220を介して、回転角度送信機230へ送信する。例えば、センサユニット300は、指針203の回転角度を所定の時間間隔(例えば、n秒間隔)で連続的に検出し、回転角度検出信号を所定の時間間隔(例えば、n秒間隔)で連続的に回転角度送信機230へ送信する。
【0044】
回転角度送信機230は、センサユニット300から送信された回転角度検出信号を受信し、当該回転角度検出信号によって示された指針203の回転角度を用いた所定の処理(例えば、モニタ表示、異常検出、記録、他の装置へのデータ送信等)を行う。例えば、回転角度送信機230は、検出された回転角度を示す回転角度検出信号を、無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)無線通信、Sigfox(登録商標)無線通信)を介して、ゲートウェイまたはクラウドへ送信する。
【0045】
(位置決め装置100の拡張例)
図5は、一実施形態に係る位置決め装置100の拡張例を示す図である。
図5に示す拡張例では、位置決め装置100は、一対のV字アダプタ161,162をさらに備える。一対のV字アダプタ161,162は、一対の挟持部材111,112の支持面111A,112Aに取り付けられることにより、各々のV字状の支持面161A,162Aにより、一対の挟持部材111,112によって挟持可能な外枠の最小径を小さくすることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0047】
なお、本書において、「略円形且つ透明なカバー部材」の「略円形」とは、完全なる円形に限らず、円形の一部に突起、凹凸、切り欠き等を有する場合も含む。要するに、「カバー部材」は、「位置決め装置」によって中心に「センサユニット」を位置決め可能な形状であればよい。
【符号の説明】
【0048】
100 位置決め装置
111,112 挟持部材
111A,112A 支持面
111B,112B 第1の貫通孔
111C,112C 第2の貫通孔
113 ねじ
121,122 ラック
121A,122A ラック歯
123 ピニオンギヤ
130 センターブロック
131 収容空間
132A 第1の貫通孔
132B 第2の貫通孔
133A,133B 支持孔
140 位置決めプレート
141 保持孔
142A,142B 支持孔
143 溝部
151,152 ピン
161,162 V字アダプタ
161A,162A 支持面
200 アナログメータ
201 ケース
202 表示面
203 指針
203A 回転軸
204 磁石
210 カバーガラス
210A 表面
212 外枠
212A 外周面
220 無線通信機
230 回転角度送信機
300 センサユニット
301 センサケース
302 磁気センサ
303 ケーブル