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特許7440373情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240220BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G08G1/14 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020137838
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034172
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】北村 竜義
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184820(JP,A)
【文献】特開2019-145014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得部と、
前記車両情報に基づき、前記所定の範囲内で駐車している駐車車両と、前記駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定部と、
前記所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定部と、
前記車両の駐車位置と、前記駐車場の位置と、に基づいて、前記位置特定部が特定した前記駐車車両のうちから、前記駐車場特定部が特定した前記複数の駐車場に駐車している駐車車両を除外することで、前記駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定部と、
前記車両特定部が特定した車両のうち、当該車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定部と、
前記推定部による推定に基づき、前記所定の範囲内における前記複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成部と、
前記需要情報を出力する出力部と、を備え情報処理装置。
【請求項2】
前記車両情報は、当該車両情報が対応する車両の乗員により駐車場を検索する操作が行われたか否かを示す情報を含み、
前記推定部は、前記車両情報が、駐車場を検索する操作を行ったことを示す情報を含む場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記車両情報は、当該車両情報が示す車両が駐車に至るまでの位置情報と当該位置情報が測定された時刻情報を含み、
前記推定部は、前記車両特定部が特定した車両の前記車両情報に含まれる前記位置情報に基づく移動経路が、前記複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を走行していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記移動経路が、前記複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を所定回数走行していた場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記移動経路が、前記複数の駐車場に入車可能な道路のうち、複数の異なる道路を走行していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記移動経路が、前記複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路上で所定時間以上停車していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記車両特定部が特定した車両の前記車両情報が示す車両の移動速度が、前記車両情報が示す車両の位置情報に基づく移動経路を走行する他の車両の移動速度よりも所定以上遅い場合に、当該車両情報に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記車両特定部が特定した車両の前記車両情報が示す車両の移動速度が、前記車両情報が示す車両の位置情報に基づく前記移動経路を走行する複数の他の車両の移動速度の平均値よりも所定以上遅い場合に、当該車両に対応する車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記駐車場特定部は、さらに、駐車場の時間毎の当該駐車場が満車であるか否かを示す満空情報と、駐車場を利用するための料金情報と、を特定し、
前記車両情報は、当該車両情報が示す車両が駐車に至るまでの位置情報と当該位置情報が測定された時刻情報を含み、
前記推定部は、前記車両特定部が特定した車両の前記車両情報に含まれる前記位置情報に基づく移動経路が、前記複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を走行している場合であって、当該駐車場の満空情報が満車でないことを示していたときに、利用料金が当該駐車場の前記料金情報で示される料金よりも安ければ、当該駐車場を利用する可能性があったと推定する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得ステップと、
前記車両情報に基づき、前記所定の範囲内で駐車している駐車車両と、前記駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定ステップと、
前記所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定ステップと、
前記車両の駐車位置と、前記駐車場の位置と、に基づいて、前記位置特定ステップにおいて特定された前記駐車車両のうちから、前記駐車場特定ステップにおいて特定された前記複数の駐車場に駐車している駐車車両を除外することで、前記駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定ステップと、
前記車両特定ステップが特定した車両のうち、当該車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定ステップと、
前記推定ステップによる推定に基づき、前記所定の範囲内における前記複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成ステップと、
前記需要情報を出力する出力ステップと、
を含む情報処理装置が実行する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得機能と、
前記車両情報に基づき、前記所定の範囲内で駐車している駐車車両と、前記駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定機能と、
前記所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定機能と、
前記車両の駐車位置と、前記駐車場の位置と、に基づいて、前記位置特定機能が特定した前記駐車車両のうちから、前記駐車場特定機能が特定した前記複数の駐車場に駐車している駐車車両を除外することで、前記駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定機能と、
前記車両特定機能が特定した車両のうち、当該車両が前記複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定機能と、
前記推定機能による推定に基づき、前記所定の範囲内における前記複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成機能と、
前記需要情報を出力する出力機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の需要を特定する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムを利用して、駐車場を探索する技術がある。特許文献1には、地図のデータ上に登録されていない駐車場を探索する技術が開示されている。また、特許文献2には、駐車場の需要を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-181024号公報
【文献】特開2016-212587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献2の場合、目的地を既存の駐車場とした車両の行先情報の件数に基づき、駐車場の需要を特定しているが、これは、新規駐車場の需要があるかについて正確にはわからないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、駐車場の需要を特定することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得部と、車両情報に基づき、所定の範囲内で駐車している駐車車両と、駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定部と、所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定部と、車両の駐車位置と、駐車場の位置と、に基づいて、駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定部と、車両特定部が特定した車両のうち、当該車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定部と、推定部による推定に基づき、所定の範囲内における複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成部と、需要情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得ステップと、車両情報に基づき、所定の範囲内で駐車している駐車車両と、駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定ステップと、所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定ステップと、車両の駐車位置と、駐車場の位置と、に基づいて、駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定ステップと、車両特定ステップが特定した車両のうち、当該車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定ステップと、推定ステップによる推定に基づき、所定の範囲内における複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成ステップと、需要情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得機能と、車両情報に基づき、所定の範囲内で駐車している駐車車両と、駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定機能と、所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定機能と、車両の駐車位置と、駐車場の位置と、に基づいて、駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定機能と、車両特定機能が特定した車両のうち、当該車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定機能と、推定機能による推定に基づき、所定の範囲内における複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成機能と、需要情報を出力する出力機能と、を実現させる。
【0009】
また、上記情報処理装置において、車両情報は、当該車両情報が対応する車両の乗員により駐車場を検索する操作が行われたか否かを示す情報を含み、推定部は、車両情報が、駐車場を検索する操作を行ったことを示す情報を含む場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0010】
また、上記情報処理装置において、車両情報は、当該車両情報が示す車両が駐車に至るまでの位置情報と当該位置情報が測定された時刻情報を含み、推定部は、車両特定部が特定した車両の車両情報に含まれる位置情報に基づく移動経路が、複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を走行していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0011】
また、上記情報処理装置において、推定部は、移動経路が、複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を所定回数走行していた場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0012】
また、上記情報処理装置において、推定部は、移動経路が、複数の駐車場に入車可能な道路のうち、複数の異なる道路を走行していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0013】
また、上記情報処理装置において、推定部は、移動経路が、複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路上で所定時間以上停車していたことを示す場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0014】
また、上記情報処理装置において、推定部は、車両特定部が特定した車両の車両情報が示す車両の移動速度が、車両情報が示す車両の位置情報に基づく移動経路を走行する他の車両の移動速度よりも所定以上遅い場合に、当該車両情報に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0015】
また、上記情報処理装置において、推定部は、車両特定部が特定した車両の車両情報が示す車両の移動速度が、車両情報が示す車両の位置情報に基づく移動経路を走行する複数の他の車両の移動速度の平均値よりも所定以上遅い場合に、当該車両に対応する車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【0016】
また、上記情報処理装置において、駐車場特定部は、さらに、駐車場の時間毎の当該駐車場が満車であるか否かを示す満空情報と、駐車場を利用するための料金情報と、を特定し、車両情報は、当該車両情報が示す車両が駐車に至るまでの位置情報と当該位置情報が測定された時刻情報を含み、推定部は、車両特定部が特定した車両の車両情報に含まれる位置情報に基づく移動経路が、複数の駐車場のうちのいずれかに入車可能な道路を走行している場合であって、当該駐車場の満空情報が満車でないことを示していたときに、利用料金が当該駐車場の料金情報で示される料金よりも安ければ、当該駐車場を利用する可能性があったと推定することとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、駐車場を利用していない車両が、駐車場を利用した可能性があったか否かに基づいて、駐車場の需要を特定することができる。駐車場を利用した可能性があったか否かを推定することで、情報処理装置は、より正確に、駐車場の需要があるか否かを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
図2】駐車車両の種別を説明するための概念図である。
図3】車両による駐車場の利用可能性を説明するための概念図である。
図4】車両による駐車場の利用可能性を説明するための概念図である。
図5】車両情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図6】駐車場情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図7】情報処理装置による駐車場の需要を特定する処理を示すフローチャートである。
図8】情報処理装置による車両が駐車場を利用する可能性があったかを推定する処理を示すフローチャートである。
図9】情報処理装置による車両が駐車場を利用する可能性があったかを推定する他の処理を示すフローチャートである。
図10】情報処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施態様に係る情報処理装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
<実施の形態>
<情報処理装置の構成>
本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定の範囲内に存在する車両に関する車両情報を取得する取得部(図1の105参照)と、車両情報に基づき、所定の範囲内で駐車している駐車車両と、駐車車両の駐車位置と、を特定する位置特定部と、所定の範囲内の複数の駐車場の位置を特定する駐車場特定部(図1の105参照)と、車両の駐車位置と、駐車場の位置と、に基づいて、駐車場に駐車していない車両を特定する車両特定部(図1の105参照)と、車両特定部が特定した車両のうち、当該車両が複数の駐車場のうちのいずれかを利用する可能性があったかを推定する推定部(図1の105参照)と、推定部による推定に基づき、所定の範囲内における複数の駐車場以外の駐車場の需要を示す需要情報を生成する生成部(図1の105参照)と、需要情報を出力する出力部(図1の103参照)と、を備える。以下、詳細に説明する。
【0021】
図1は、情報処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置100は、受信部101と、受付部102と、出力部103と、記憶部104と、CPU105とを備える。
【0022】
情報処理装置100は、サーバ装置、PCなどにより実現されるが、これらに限定するものではなく、スマートフォン等の携帯端末などにより実現されるものであってもよい。以下、各機能部について詳細に説明する。
【0023】
受信部101は、他の装置から通信により情報を受信する機能を有する。受信部101は、例えば、実際に自動車が走行した位置や車速などの情報を用いて生成された車両の走行履歴である走行履歴情報、所謂プローブ情報(プローブ交通情報)を受信することとしてよい。この走行履歴情報には、少なくとも、車両が存在した位置を示す位置情報(経度、緯度)及びその位置情報で示される位置を存在した時刻を示す時刻情報を含む。また、走行履歴情報は、どの車両によるものかを特定し、車両の識別情報である車両IDや、車両の状態(例えば、車両の速度、ライトの点灯の有無、ワイパーの稼働の有無、ブレーキの作動状態、など)を示す状態情報なども含まれてもよい。状態情報は、所謂CAN(Controller Area Network)情報であってもよい。また、受信部101は、例えば、ユーザのPCやウェブ、フラッシュメモリ等から車両の走行時に撮像された撮像画像を受信することとしてもよい。受信部101は、受信した各種の情報をCPU105に伝達する。
【0024】
受付部102は、情報処理装置100のユーザからの入力を受け付けて、CPU105に伝達する機能を有する。受付部102は、例えば、情報処理装置100に備えられたハードウェアキーや、タッチキーなどのソフトキーなどにより実現することができる。なお、受付部102に対する入力は音声による入力であってもよい。受付部102は、例えば、情報処理装置100のユーザから、駐車場の需要を特定した範囲を示す範囲情報の指定を受け付けて、CPU105に伝達する。
【0025】
出力部103は、CPU105からの指示に従って、指示されたデータを出力する機能を有する。出力部103は、例えば、指定された範囲内における駐車場の需要に関する需要情報を出力する。出力部103は、需要情報を、情報処理装置100に接続されたモニタに画像情報(テキストデータでもよい)として出力することとしてもよいし、需要情報を示す音声データを情報処理装置100に接続されたスピーカに出力することとしてもよいし、外部の装置に対して、通信により需要情報を送信することとしてもよい。即ち、出力部103は、CPU105から指定された情報を、指定された宛先に出力する通信インターフェースとして機能する。
【0026】
記憶部104は、情報処理装置100が動作するうえで必要とする各種のプログラム及び地図情報を含む各種のデータを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0027】
記憶部104は、車両情報141と、駐車場情報142と、を記憶していてもよい。車両情報141は、受信部101が受信した特定の範囲に含まれる各車両に関する情報である。駐車場情報142は、駐車場の位置や料金に関する情報である。車両情報141及び駐車場情報142の詳細については、後述する。
【0028】
CPU105は、記憶部104に記憶されている各種のプログラム及び各種のデータを利用して、情報処理装置100が実行すべき処理を実行するプロセッサである。
【0029】
CPU105は、情報処理装置100の各部を制御し、特定の範囲の指定を受け付け、その範囲内で駐車した車両の情報を用いて、駐車場の需要を特定する。
【0030】
CPU105は、取得部、位置特定部、駐車場特定部、車両特定部、推定部、生成部、として機能する。
【0031】
取得部は、受付部102を介してユーザにより指定された、駐車場の需要があるかどうかを特定したい地域を含む、所定の範囲の指定を受け付ける。所定の範囲の指定は、例えば、表示されている地図に対して、ユーザによる直接入力により指定される(地図上に表示されるカーソルを動かして範囲を指定する)こととしてもよいし、所定の範囲を示す経度緯度により指定される(例えば、指定される複数の地点(経度、緯度)を結んで囲われる範囲)こととしてもよい。この範囲は、情報処理装置100の外部の装置から通信により指定されることとしてもよい。
【0032】
位置特定部は、取得部が取得した所定の範囲内に含まれる駐車車両と、その駐車位置とを、記憶部104に記憶されている車両情報141を参照して特定する。位置特定部は、所定の範囲内に含まれる駐車車両と、その駐車位置について、所定期間内(例えば、過去3ヶ月)の車両情報141に基づいて特定することとしてもよいし、過去に所定の範囲内で駐車したことが特定できる全ての駐車車両とその駐車位置とを特定することとしてもよい。
【0033】
駐車場特定部は、取得部が取得した所定の範囲内に含まれる駐車場を、記憶部104に記憶されている駐車場情報142を参照して、特定する。
【0034】
車両特定部は、位置特定部が特定した駐車車両のうち、駐車場特定部が特定した駐車場に駐車している車両群Aと、駐車場に駐車していない車両群Bと、のうち、車両群Bを特定する。図2を用いて説明する。図2が、取得部が取得した所定の範囲内の模式的な地図であるとする。図2に示すように、所定の範囲内には、駐車場20a、20b、20cが含まれる。これらの駐車場に含まれる車両は、車両群Aとなる。一方、これらの駐車場で駐車していない車両10a、10b、10c、10d、10eは、車両群Bとなる。即ち、図2の例で言えば、車両特定部は、車両10a、10b、10c、10d、10eを特定する。
【0035】
推定部は、車両特定部が特定した車両群Bの各車両について、それぞれの車両が駐車場特定部により特定されている各駐車場のいずれかを利用する可能性があったか否かを推定する。推定部により、推定の手法は様々であり、それらの手法のいずれかのみを用いてもよいし、複数を用いてもよいし、全てを用いてもよい。推定部は、一例として、車両が駐車するに至るまでの、得られる車両情報141を用いて、駐車場を利用する可能性があったかを推定する。以下に、推定部が、車両が駐車場を利用する可能性がある場合の条件について説明する。
【0036】
(i)駐車前(例えば、駐車した時間から過去に遡って所定時間内(例えば、30分以内))に、車両に接続されたナビゲーションシステムにおいて駐車場を検索した形跡がある。この場合に、この操作履歴は、車両情報141に含まれる。ナビゲーションシステムで駐車場を検索した形跡がある場合には、明らかに駐車場を利用する意思があったと推定することができる。
【0037】
(ii)駐車前に、駐車場が面する道路を走行した形跡がある。駐車場が面する道路を走行していた場合には、その駐車場に入ることができることを意味し、駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0038】
(iii)駐車前に、複数の異なる駐車場が面する道路を走行した形跡がある。例えば、図3に示すように、車両10cが駐車に至るまでの走行経路が矢印301で示されるとして、その走行経路は、駐車場20a、駐車場20c、駐車場20bの前を通過した上で駐車に至っている。複数の駐車場が面する道路を走行していることで、より確定的に駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0039】
(iv)駐車前に、同じ駐車場に入ろうとした形跡がある。例えば、図4(a)に示すように、同じ駐車場20cに入るために、車両10dの走行経路が、駐車場20cの入り口が面する道路を含む道路を数回走行している場合に、駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0040】
(v)駐車前に、駐車場の入り口前で、入庫待ちをしていた形跡がある。例えば、図4(b)に示すように、駐車場20cに入庫するために、他の車両10f、10gの車両情報があることで、車両10d1が、それらの車両に続いて、入庫待ちをしており、その後に、車両10d2(車両10d1と同一の車両)で示される位置に、駐車した場合には、駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0041】
(vi)駐車前に、同じ経路を走行している他の車両の走行速度よりも遅い速度で走行している形跡がある。他の車両の走行速度よりも遅いということは、車両の運転手が運転しながら駐車場を探していた可能性があることを意味し、駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0042】
生成部は、推定部が推定した結果に基づき、駐車場の需要を示す需要情報を生成する。需要情報は、推定部が、駐車場を利用する可能性があると推定した場合に、所定の範囲内において、駐車場の需要があることを示す需要情報を生成してもよい。また、生成部は、車両特定部が特定した車両のうち、推定部が、駐車場を利用した可能性があったと推定した車両が、所定割合以上であれば、所定の範囲内において駐車場の需要があることを示す需要情報を生成してもよい。また、生成部は、車両特定部が特定した車両のうち、推定部が、駐車場を利用した可能性があったと推定した車両が、所定台数以上あれば、所定の範囲内において駐車場の需要があることを示す需要情報を生成してもよい。また、生成部は、駐車場を利用した可能性があったと推定した車両の割合や台数を示す数値を需要情報として生成してもよい。また、生成部は、所定の範囲内を複数の領域に分割し、各領域について、駐車場を利用していた可能性がある車両の台数や割合に基づく駐車場の需要を示すヒートマップ(領域ごとに駐車場の需要の大きさ(台数の多さ)をバブルや棒グラフ、あるいは、色調の濃淡で表現してもよい)を需要情報として生成してもよい。
【0043】
以上が情報処理装置100の構成例である。
【0044】
<データ>
ここで、情報処理装置100が利用する各種の情報について説明する。
【0045】
図5は、車両情報141のデータ構成例を示すデータ概念図である。図5に示すように、車両情報141は、車両ID501と、日時502と、位置503とが対応付けられた情報である。
【0046】
車両ID501は、車両を一意に特定するための識別情報である。
【0047】
日時502は、対応する車両IDの車両情報を取得された日時を示す情報である。
【0048】
位置503は、対応する車両ID501が対応する日時502において、どこに存在したのかの位置を示す情報である。ここでは、位置503は、経度と、緯度で、記憶されていることとする。
【0049】
車両情報141は、走行車両情報、即ち、所謂プローブ情報を、プローブ情報を収集、蓄積しているサーバ装置あるいは車両から直接取得することで、蓄積される。
【0050】
なお、図5において、車両情報141には、車両に関する他の情報が対応付けられてもよく、例えば、車両に設けられているナビゲーションシステムでの検索の実行履歴や、車両の走行速度、車両の車種、車両のCAN情報などが対応付けられてもよく、それらの情報も、車両が駐車料を利用した可能性があったかを推定するための情報源として利用されてよい。車両の走行速度は、車両情報間の位置503の差分と、日時502の差分とから、算出することもできる。
【0051】
以上が、車両情報141の構成例である。
【0052】
図6は、駐車場情報142のデータ構成例を示すデータ概念図である。図6に示すように、駐車場情報142は、駐車場ID601と、駐車場名602と、駐車場位置603と、駐車料金604とが、対応付けられた情報である。
【0053】
駐車場ID601は、駐車場を一意に特定するための識別情報である。
【0054】
駐車場名602は、対応する駐車場ID601の駐車場の名称である。駐車場名602は、駐車場情報142として含まれていなくてもよい。
【0055】
駐車場位置603は、対応する駐車場ID601で示される駐車場が実際に存在する範囲を示す情報であり、ここでは、経度と緯度の範囲で示す例を示している。
【0056】
駐車料金604は、対応する駐車場ID601を利用するために、利用者が支払う必要がある単位時間当たりの料金を示す情報である。ここでは、1時間当たりの料金を示しているが、これは、その他の単位時間であってもよく、例えば、10分毎や20分毎の利用料金であってもよい。また、駐車料金は時間帯によって変化してもよく、例えば、日中と、夜とで、異なってもよい。
【0057】
なお、図6において、駐車場情報142には、駐車場に関する他の情報が対応付けられてもよく、例えば、駐車場の満空情報や、駐車場の入り口が面する道路の名称の情報などが含まれてもよい。駐車場の満空情報は、駐車場が「満(全ての駐車可能位置に車両が駐車されている)」になった日時と、「空(駐車可能位置に余剰がある)」つまり、「満」でなくなった日時と、を示す情報であってもよいし、単位時間毎(例えば、5分毎)の日時情報に「満」であるか、「空」であるか、を示す情報が対応付けられたものであってもよい。
以上が、駐車場情報の構成例である。
【0058】
<情報処理装置の動作>
次に、情報処理装置100の動作について説明する。図7は、情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。図7は、情報処理装置100による駐車場の需要を特定するためのメインフローを示している。
【0059】
図7に示すように情報処理装置100の受付部102は、駐車場の需要を特定したい地域を含む所定の範囲の指定を受け付ける(ステップS701)。受付部102は、受け付けた所定の範囲を示す情報を、CPU105に伝達する。
【0060】
CPU105は、伝達された所定の範囲内において駐車している車両の情報を、車両情報141から取得する(ステップS702)。駐車している車両の情報は、車両情報141の日時502と位置503とを参照して、位置503による示される情報が一定時間(例えば、5分)以上、変化していない車両情報を有する車両であって、位置503で示される位置が所定の範囲内に入っている車両の情報を取得する。
【0061】
CPU105は、指定された範囲内に含まれる駐車場を、駐車場情報142の駐車場位置603を参照して特定する(ステップS703)。なお、ここで特定する駐車場は、指定された所定の範囲に完全に含まれなくともよく、その位置について、一部が重複するだけであってもよい。
【0062】
CPU105は、ステップS702において特定した各車両について、その駐車位置と、ステップS703において特定した駐車場の位置とに基づいて、駐車場で駐車している車両群Aと、駐車場以外で駐車している車両群Bと、に分類する(ステップS704)。
【0063】
CPU105は、車両群Bに含まれる各車両について、駐車場を利用していた可能性があったか否かを推定する(ステップS705)。ステップS705の処理の詳細については、図8を参照して、後述する。
【0064】
CPU105は、各車両が駐車場を利用していた可能性があるか否かの推定結果に基づいて、指定された所定の範囲内における既存の駐車場以外の駐車場の需要情報を生成する(ステップS706)。
【0065】
そして、CPU105は、生成した需要情報を、出力部103から出力させて(ステップS707)、処理を終了する。
【0066】
次に、図8を用いて、ステップS705の処理について詳述する。図8は、図7におけるステップS704の処理、即ち、車両が駐車場を利用していた可能性があったかを推定する処理の例を示すフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、CPU105は、車両群Bに含まれる各車両について、その車両においてナビゲーションシステムを利用して駐車場が検索されたかどうかを特定する(ステップS801)。これは、車両情報141に、ナビゲーションシステムによる駐車場の検索が、駐車前の所定時間内に行われたことを示す情報が対応付けられている場合に、ナビゲーションシステムで駐車場が検索されたと判定する。駐車場が検索されていた場合には(ステップS801のYES)、ステップS807の処理に移行し、駐車場が検索されていなかった場合には(ステップS801のNO)、ステップS802の処理に移行する。
【0068】
CPU105は、駐車前に、駐車場に面する道路に所定時間以上駐車しているか否かを判定する(ステップS802)。即ち、駐車場への入庫待ちをしていたかどうかを判定する。車両が駐車前に、駐車場に面する道路に所定時間以上駐車していた場合には(ステップS802のYES)、ステップS807の処理に移行し、所定時間以上駐車していなかった場合には(ステップS802のNO)、ステップS803の処理に移行する。
【0069】
CPU105は、駐車前に、車両が所定より遅い速度で走行しているか否かを判定する(ステップS803)。所定より遅い速度とは、予め定められた速度であってもよいし、車両が駐車前に走行している道路を走行する他の車両の平均速度であってもよい。駐車前に、車両が所定より遅い速度で走行していた場合には(ステップS803のYES)、ステップS807の処理に移行し、所定より遅い速度で走行していなかった場合には(ステップS803のNO)、ステップS804の処理に移行する。
【0070】
CPU105は、駐車前に、車両が駐車場に面する同一の道路を複数回走行しているか否かを判定する(ステップS804)。即ち、車両が駐車場に何度も入庫を試みたかを判定する。車両が駐車場に面する鵜同一の道路を複数回走行していた場合には(ステップS804のYES)、ステップS807の処理に移行し、車両が駐車場に面する鵜同一の道路を複数回走行していなかった場合には(ステップS804のNO)、ステップS805の処理に移行する。
【0071】
CPU105は、駐車前に、車両が駐車場に面する複数の異なる道路を走行しているか否かを判定する(ステップS805)。即ち、車両が、駐車場を探し回って走行していたか否かを判定する。車両が駐車場に面する複数の異なる道路を走行していた場合には(ステップS805のYES)、ステップS807の処理に移行し、車両が駐車場に面する複数の異なる道路を走行していなかった場合には(ステップS805のNO)、ステップS806の処理に移行する。
【0072】
CPU105は、駐車前に、車両が駐車場に入車可能な道路を走行しているか否かを判定する(ステップS806)。車両が駐車場に入車可能な道路を走行していた場合には(ステップS806のYES)、ステップS807の処理に移行し、車両が駐車場に入車可能な道路を走行していなかった場合には(ステップS806のNO)、ステップS808の処理に移行する。
【0073】
CPU105は、ステップS801~S806に示される条件のいずれかが満たされた場合に、その車両は駐車場を利用していた可能性があると推定し、処理を終了する。一方、いずれの条件も満たされない場合に、CPU105は、車両が駐車場を利用していた可能性はないと推定する(ステップS808)。
【0074】
以上が、情報処理装置100による、車両が駐車場を利用していた可能性があるかを判定する処理内容である。なお、図8に示すステップS801~S806までの処理は、前述の通り、全て実行する必要はなく、一部を実行しなくてもよいし、情報処理装置100のユーザによりいずれの条件を使用するかを適宜取捨選択できてもよい。また、ステップS801~S806の処理を並列に実行することとしてもよく、その場合に複数の条件を満たした場合に、駐車場を利用していた可能性があると推定するように構成してもよい。
【0075】
<実施の形態まとめ>
本実施の形態1に係る情報処理装置100は、所定の範囲において、駐車場以外の場所で駐車していた車両に基づいて、その所定の範囲内での駐車場の需要を特定して出力することができる。したがって、新たな駐車場が必要かどうかを特定することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、駐車場事業を行う業者に、駐車場の需要に関する情報を提供することができる。
【0076】
<補足>
上記実施の形態に係る情報処理装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0077】
(1)上記実施の形態においては、上記(i)~(vi)に示す手法のうち、少なくともいずれか1つを用いて、車両が駐車場を利用する可能性があったかを推定することとした。ところで、車両によって、駐車場を利用する意思があり、駐車場に空きがあるにも関わらず、駐車場を利用しない可能性もある。即ち、通常「空」がある駐車場を通過していればその車両には駐車場を利用する可能性がなかったと推定できるところ、車両の運転手にとって、駐車場を利用したいにも関わらず、料金が高くて駐車場を利用できない場合がある。ここでは、そのような場合にも駐車場を利用する可能性があったと推定することができる情報処理装置100による処理の一例について説明する。
【0078】
図9は、図8のステップS804のように駐車場に入車可能な道路を走行している場合の処理に続いて実行される。図9に示すように、CPU105は、走行した道路から入車可能な駐車場の、車両が通過した時間帯の満空情報を、駐車場情報142から特定する(ステップS902)。
【0079】
CPU105は、車両が走行した時間帯において、駐車場に空きがあったかを判定する(ステップS903)。空きがなかった場合には(ステップS903のNO)、処理を終了する。空きがあった場合には(ステップS903のYES)、CPU105は、その駐車場の利用料金を、駐車場情報142を用いて特定する(ステップS904)。
【0080】
CPU105は、駐車料金が所定の条件を満たすかを判定する(ステップS905)。ここで、所定の条件とは、駐車場を利用するにあたって、利用者が利用したくないと思える条件であり、ここでは、一定以上高い料金であることが該当する。ここで、一定以上高い料金は、予め定められた金額であってもよいし、所定の範囲内に含まれる駐車場の利用料金の平均金額であってもよいし、その平均金額よりも所定のマージンだけ高い金額であってもよい。駐車料金が所定の条件を満たさない場合には(ステップS905のNO)、処理を終了する。
【0081】
駐車料金が所定の条件を満たした場合には(ステップS905のYES)、CPU105は、車両は駐車料金が高いために駐車場を利用しなかったのであって、駐車場を利用する可能性はあったと推定し(ステップS906)、処理を終了する。即ち、図8のステップS807の処理に続く。
【0082】
情報処理装置100は、このような場合にも、車両が駐車場を利用する可能性があったと推定することができる。
【0083】
(2)上記実施の形態においては、指定された所定の範囲内において新たな駐車情報が必要かどうかという観点に基づいて、需要情報を生成することとした。一方で、逆に需要情報が、駐車場の需要がないことを示す場合には、情報処理装置100のCPU105は、逆に、既存の駐車場が不要であることを示す不要情報を出力部103から出力することとしてもよい。例えば、駐車場の需要がなく、所定の範囲内に常時、「空」の多い駐車場を不要な駐車場として特定して出力することとしてもよい。また、例えば、「空」の多い駐車場があり、駐車場に駐車していない車両がある場合には、情報処理装置100は、その駐車場の貸し手に対して、料金を安くすることを提案することとしてもよい。
【0084】
(3)上記実施の形態においては、特に記載していないが、情報処理装置100のCPU105は、駐車場の需要があると判定した場合に、更に、その駐車場の利用料金を提案する提案部を備えていてもよい。
【0085】
提案部は、例えば、指定されている範囲内に含まれる駐車場それぞれの駐車料金604を、駐車場情報142から取得し、その平均を、新規駐車場の利用料金として提案してもよいし、平均よりも安い額面を提案してもよい。また、提案部は、逆に、平均よりも高い料金を提案してもよい。また、あるいは、提案部は、一番安い料金と同額かそれよりも安い料金を提案することとしてもよい。
【0086】
(4)上記実施の形態においては、情報処理装置における駐車場の需要を特定する手法として、情報処理装置のプロセッサが情報処理プログラム等を実行することにより、作成することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能は1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。すなわち、図10に示すように、情報処理装置100は、受信回路101a、受付回路102a、出力回路103a、記憶回路104a、制御回路105a、とから構成されてよく、それぞれ、受信部101、受付部102、出力部103、記憶部104、CPU105、に相当する。
【0087】
また、上記情報処理プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記情報処理プログラムは、当該情報処理プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。つまり、例えば、スマートフォン等の情報処理機器を利用して、ネットワーク上から情報処理プログラムをダウンロードして実行する構成としてもよい。本発明は、上記情報処理プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0088】
なお、上記情報処理プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、C++、Python、Rなどのオブジェクト指向プログラミング言語などを用いて実装できる。
【0089】
(5)上記実施の形態に示した各種の実施例や、<補足>に示した各種の例は適宜組み合わせることとしてもよい。また、各フローチャートに示した各動作は、結果として矛盾がなければその実行順序を入れ替えたり、並列に実行したりすることとしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
100 情報処理装置
101 受信部
102 受付部
103 出力部
104 記憶部
105 CPU(取得部、位置特定部、駐車場特定部、車両特定部、推定部、生成部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10