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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】粒子検出センサおよび粒子検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/53 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G01N21/53 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020166199
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057774
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 大貴
(72)【発明者】
【氏名】藤山 利也
(72)【発明者】
【氏名】佐々部 博一
(72)【発明者】
【氏名】増田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】岡見 光敏
(72)【発明者】
【氏名】竹内 昇
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-088399(JP,A)
【文献】国際公開第2004/104959(WO,A1)
【文献】特開2020-041906(JP,A)
【文献】特開2002-352347(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067495(WO,A1)
【文献】特開2019-158721(JP,A)
【文献】中国実用新案第207081658(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0228171(US,A1)
【文献】米国特許第4616928(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01N 15/00 - G01N 15/1492
G01N 1/00 - G01N 1/44
G08B 17/00 - G08B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置され、気体中の粒子を検出する粒子検出センサであって、
上記基板に設けられた発光源と、
上記発光源の出射光の光軸と上記基板との間に設けられた集光レンズと、
上記集光レンズの下側において、上記基板に設けられた光検出器と、
上記集光レンズと、上記光検出器とに覆設されるホルダと、
を備え
上記ホルダは、上記ホルダの上部に穿設され上記集光レンズを通過する光を制限する穴部を有し、
上記集光レンズは、上記穴部から突出していることを特徴とする粒子検出センサ。
【請求項2】
上記基板には、貫通孔が設けられ、
上記光検出器は、上記貫通孔に貫設される
ことを特徴とする請求項1に記載の粒子検出センサ。
【請求項3】
上記基板には、凹部が設けられ、
上記光検出器は、上記凹部に埋設される
ことを特徴とする請求項1に記載の粒子検出センサ。
【請求項4】
上記集光レンズと、上記光検出器とは、一体化して形成される
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の粒子検出センサ。
【請求項5】
上記集光レンズは、取り外し可能である
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の粒子検出センサ。
【請求項6】
上記集光レンズは、球面状である
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の粒子検出センサ。
【請求項7】
上記ホルダは、金属を含んでいる
ことを特徴とする請求項に記載の粒子検出センサ。
【請求項8】
上記基板に垂設された投光レンズをさらに備え、
上記集光レンズは、上記投光レンズを挟んで上記発光源の反対側であって、かつ、上記発光源から発して上記投光レンズを通過した光の下側に設けられる
ことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の粒子検出センサ。
【請求項9】
少なくとも、上記集光レンズの上側にあり、かつ、上記光が通過する空間を含む、上記気体を通過させる経路をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の粒子検出センサ。
【請求項10】
基板上に配置され、気体中の粒子を検出する粒子検出センサであって、
上記基板に設けられた発光源と、
上記基板に垂設された投光レンズと、
上記投光レンズを挟んで上記発光源の反対側であって、かつ、上記発光源から発して上記投光レンズを通過した光の光軸の下側において、上記基板に平行に設けられる集光レンズと、
上記集光レンズの下側において、上記基板に設けられた光検出器と、
少なくとも、上記集光レンズの上側にあり、かつ、上記光が通過する空間を含む、上記気体を通過させる経路と、
上記集光レンズと、上記光検出器とに覆設されるホルダと、
を備え
上記ホルダは、上記ホルダの上部に穿設され上記集光レンズを通過する光を制限する穴部を有し、
上記集光レンズは、上記穴部から突出していることを特徴とする粒子検出センサ。
【請求項11】
少なくとも、上記集光レンズの上側にあり、かつ、上記光が通過する空間を含む、上記気体を通過させる経路を備えた請求項1から10の何れか1項に記載の粒子検出センサと、
上記気体を上記経路に通過させるための気流を発生させる気流生成機構と、
を備えることを特徴とする粒子検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子検出センサおよび粒子検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、気体に含まれる粒子を検出する粒子検出センサが知られている。例えば、特許文献1には、粒子の検出精度を向上させることができる粒子検出センサが開示されている。特許文献1の図4に示されるように、粒子検出センサ1において、光学系20は、筐体10に覆われた検知領域DAに互いの光軸(光軸P及び光軸Q)が交差するように配置された投光系120及び受光系130を有する。そして、受光系130が、検知領域DAを通過する粒子2を、投光系120が出力する光を用いて検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-090349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、投光系120及び受光系130は、それらの光軸が所定の角度で交差するように、筐体10の内側面に設けられている。このような構成を実現する場合、粒子検出センサ1の構造が大掛りになるので、小型化できないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、粒子検出センサを小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る粒子検出センサは、基板上に配置され、気体中の粒子を検出する粒子検出センサであって、上記基板に設けられた発光源と、上記発光源から発した光と上記基板との間に設けられた集光レンズと、上記集光レンズの下側において、上記基板に設けられた光検出器と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、粒子検出センサを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る粒子検出装置の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る粒子検出装置の構造を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態1に係る粒子検出装置の基板、気流生成機構、および、検出機構の平面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る検出機構の構成を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態1に係る検出機構の断面図である。
図6】本発明の実施形態2に係る検出機構の構成を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態2に係る検出機構の断面図である。
図8】本発明の実施形態3に係る検出機構の構成を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態3に係る検出機構の断面図である。
図10】本発明の実施形態4に係る粒子検出装置の断面図である。
図11】本発明の実施形態4に係る粒子検出装置の平面図である。
図12】本発明の実施形態4に係る検出機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
【0010】
(粒子検出装置1)
図1は、本実施形態に係る粒子検出装置1の外観を示す斜視図である。粒子検出装置1は、気体中の粒子を検出する装置である。
【0011】
図2は、本実施形態に係る粒子検出装置1の構造を示す分解斜視図である。図2に示すように、粒子検出装置1は、表カバー2、内カバー3、基板4、気流生成機構5、検出機構(粒子検出センサ)6、および、裏カバー7を備えている。
【0012】
表カバー2は、上側に位置するカバーであり、流入口21と、流出口22とを備えている。流入口21は、粒子検出装置1の外部にある気体を内部に吸い込む口である。流出口22は、粒子検出装置1の内部にある気体を外部に吐き出す口であり、気流生成機構5の排出口に対応した形状をなす。
【0013】
内カバー3は、表カバー2と、裏カバー7との間(中間)に位置するカバーであり、流入口31と、流出口32とを備えている。流入口31は、粒子検出装置1の外部にある気体を内部に吸い込む口と、当該気体を検出機構6に導く角柱内側面とを備えている。流出口32は、粒子検出装置1の内部にある気体を外部に吐き出す口であり、気流生成機構5の外形に対応した形状をなす。
【0014】
基板4は、気流生成機構5、検出機構6などを搭載する台板である。気流生成機構5は、基板4に搭載され、外部にある気体を経路9(図3参照)に通過させるための気流を発生させる機構である。それにより、粒子検出装置1の外部にある気体を内部に吸い込んで、当該気体を通過させて、さらに外部に吐き出すことができる。気流生成機構5は、ファン、温度調節器、圧力調節器などを備えている。なお、気流生成機構5は、必ずしも内蔵されていなくてもよく、外付けされていてもよい。
【0015】
検出機構6は、基板4上に配置され、流入口21および流入口31から吸い込んだ気体中の粒子を検出する機構である。詳細は、後記する。
【0016】
裏カバー7は、下側に位置するカバーである。図2に示すように、内カバー3と、裏カバー7とが、基板4、気流生成機構5、および、検出機構6に覆設される。詳細には、内カバー3は、気流生成機構5、検出機構6などを覆う。裏カバー7の内平面にはネジ8が立設され、当該ネジ8が基板4を支持する。
【0017】
(基板4、気流生成機構5、および、検出機構6の概要)
図3は、本実施形態に係る粒子検出装置1の基板4、気流生成機構5、および、検出機構6の平面図である。図3に示すように、基板4の上に、気流生成機構5と、検出機構6とが搭載されている。
【0018】
気流生成機構5がファンを回転させることにより、粒子検出装置1の外部、流入口21、31から吸い込まれ、検知部材62の上側を通過し、さらに気流生成機構5を通って、流出口32、22から粒子検出装置1の外部に吐き出されるという、気体の流れ(図3の斜線矢印が示す流れ)が発生する。
【0019】
検出機構6は、光源部材61と、検知部材62とを備えている。光源部材61は、基板4の面に平行であり、かつ、検知部材62の上側への方向(図3の破線矢印が示す方向)に発光する。検知部材62は、光源部材61からの光の放出方向に設けられ、当該光による、気体中の粒子の散乱光を検出する。
【0020】
粒子検出装置1は、少なくとも、検知部材62(集光レンズ)の上側にあり、かつ、光源部材61(発光源)が発した光が通過する空間を含む、外部からの気体を通過させる経路9を備えている。
【0021】
上記の構成において、気流生成機構5の動作により、粒子検出装置1の外部から取り込まれた気体は、検知部材62の上側を通過するときに、光源部材61から発せられた光を受ける。そのとき、気体に含まれる粒子は、光源部材61からの光を散乱させる。検知部材62は、その散乱光の一部を検出する。これにより、気体中の粒子を検出することができる。
【0022】
なお、この切断線A-Aによる断面図が、後述する各実施形態に相当する。
【0023】
(検出機構6)
図4は、本実施形態に係る検出機構6の構成を示す斜視図である。検出機構6は、光源部材61と、検知部材62とを備えている。
【0024】
図4に示すように、光源部材61は、基板4上に設けられており、壁部611と、溝部612と、光源(発光源)613と、投光レンズ614とを備えている。壁部611は、光源部材61の筐体である。溝部612は、壁部611の内側面に施された溝状の部分であり、投光レンズ614を挟持する。光源613は、基板4に設けられた発光源であり、少なくとも投光レンズ614側に向けて発光する。投光レンズ614は、光源613から発せられた光を集めて検知部材62の上側を照らすためのレンズである。投光レンズ614は、溝部612に挟持されることにより、基板4に対して垂設される。
【0025】
検知部材62は、光源部材61に隣接して設けられており、集光レンズ621、光検出器622、ホルダ623、および、穴部624を備えている。
【0026】
(集光レンズ621)
集光レンズ621は、集光レンズ621の上側から受ける光を集めて光検出器622に当てるためのレンズである。集光レンズ621は、光源613から発した光と、基板4との間に設けられている。すなわち、集光レンズ621は、投光レンズ614を挟んで光源613の反対側であって、かつ、光源613から発して投光レンズ614を通過した光の下側において、基板4に平行に設けられる。詳細には、集光レンズ621の集光面は、基板4の表面に略平行に配置されている。
【0027】
集光レンズ621は、取り外し可能であってもよい。集光レンズ621が、取り外し可能である場合、掃除ができるし、劣化した場合に交換することができる。
【0028】
集光レンズ621は、球面状であってもよい。ほこりが落下してきたとしても、集光レンズ621が球面状なので、ほこりが集光レンズ621に対して付着しにくく、堆積しにくい。
【0029】
(光検出器622)
光検出器622は、ほこり(粒子)に照射された光が、集光レンズ621を介して集光レンズ621の上側から下側に進むことで光を検出する。光検出器622は、集光レンズ621の下側において、基板4上(基板4)に設けられる。図5は、本実施形態に係る検出機構6の断面(図3のA-A断面)を示す断面図である。図5に示すように、集光レンズ621および光検出器622が基板4の上に配置されている。
【0030】
光検出器622は連続稼働のため汚れやすいが、上記によれば、光検出器622の上側に集光レンズ621が設けられるので、光検出器622を保護することができる。
【0031】
なお、集光レンズ621と、光検出器622とは、一体化して形成されていてもよい。上記によれば、集光レンズ621と、光検出器622との位置関係が固定されるので、粒子検出の精度が向上する。また、集光レンズ621と、光検出器622とを組合せる工程がなくなるので、検出機構6の製造工程を簡素化することができる。
【0032】
(ホルダ623)
ホルダ623は、集光レンズ621と、光検出器622とに覆設されるカバーである。穴部624は、ホルダ623の上部に穿設され、集光レンズ621を通過する光を制限する。
【0033】
上記によれば、ホルダ623の設置により、集光レンズ621を通過する光を絞り込むことができるので、迷光を低減することができる。これにより、集光レンズ621により集光し切れなかった光を遮断することができるので、検出精度を上げることができる。また、ホルダ623上にほこりが堆積されていたとしても、ホルダ623の内部に入りにくくなるので、測定誤差にはなりにくい。言い換えると、ホルダ623は集光レンズ621および光検出器622のカバーの役目も担っている。
【0034】
ホルダ623は、金属を含んでいてもよい。これによれば、ホルダ623は、金属を含むことによりシールド効果を有するので、粒子検出時に電磁波ノイズの影響を低減することができる。
【0035】
(ホルダ623の効果)
検知部材62がホルダ623を備えることの効果について、以下に説明する。
【0036】
ます、検知部材62を固定することができる。これにより、位置決め精度の向上を図ることができるので、製造上のズレを防止し、また、稼働時のブレ(振動)を抑制することが可能になる。また、気体の流路(経路9)と、検知部材62とが明確に分離するので、気体の流れが円滑な流路を形成することができる。
【0037】
次に、検知部材62の指向性をさらに限定することができる。例えば、穴部624を、集光レンズ621および光検出器622の指向性(例えば、±60°)よりも狭くすることにより、指向性をさらに絞ることが可能になる。また、集光レンズ621を介さずに側面から光検出器622に入射する迷光を遮断することが可能になる。さらに、ホルダ623の上面を凹部にすることで、光源613からの光を垂直な面の指向性だけに絞ることもできる。なお、水平な面の指向性はできる限り広い方がよい。
【0038】
そして、ホルダ623の電位をグランドにすることにより、シールド効果を得られるので、外乱ノイズによる影響を抑制することができる。
【0039】
ホルダ623の穴部624から集光レンズ621が突出していない場合、光が直接集光レンズ621に当たらないので、迷光を抑制することができる。
【0040】
一方、ホルダ623の穴部624から集光レンズ621が突出している場合、ホルダ623の穴部624による集光レンズ621の指向性が制限されない(すなわち、集光レンズ621の視野角を広げることができる)との効果を奏する。また、その場合、集光レンズ621が穴部624を塞ぐので、ホルダ623内へのほこりの堆積(ひいては、受光量の低下)を防ぐことができるとの効果を奏する。
【0041】
(ホルダ623を備えない構成)
なお、検知部材62は、ホルダ623を備えていなくてもよい。これによれば、粒子の検知エリアをホルダ623ではなく、集光レンズ621によって限定するため、取り付け精度を緩和することができる。取り付け精度には、光源613の位置および角度、ホルダ623と、光検出器622との位置関係などが含まれる。
【0042】
(粒子濃度の検出方法)
検出機構6の基板4は、制御部(図示せず)をさらに備えている。制御部は、光検出器622から信号を取得して、気体中の粒子濃度を検出する。粒子濃度の検出方法には、いくつかの例が挙げられる。例えば、制御部は、粒子からの散乱光をカウントすることにより、粒子濃度を検出してもよい。また、制御部は、粒子からの散乱光を、任意の波高値範囲毎にカウントすることにより、粒子径別の粒子濃度を検出してもよい。さらに、制御部は、粒子からの散乱光の受光信号を平均化することにより、粒子濃度を検出してもよい。
【0043】
(実施形態1の効果)
本実施形態によれば、光源部材61と、検知部材62との位置関係がシンプルなため、粒子検出装置1および検出機構6を小型化することができる。検知部材62において、集光レンズ621が光検出器622の上側に配置されるので、光検出器622の保護が可能である。また、集光レンズ621が取り外し可能な場合、メンテナンスを容易に行うことができる。さらに、集光レンズ621が基板4と平行に配置することにより、検知領域外の信号を検知しないようにすることができる。
【0044】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
図6は、本実施形態に係る検出機構6の構成を示す斜視図である。検出機構6は、光源部材61と、検知部材62とを備えている。
【0046】
図7は、本実施形態に係る検出機構6の断面(図3のA-A断面)を示す断面図である。
【0047】
図6図7に示すように、基板4aには、凹部4a1が設けられている。そして、光検出器622は、凹部4a1に埋設されている。この場合、光検出器622としては、面実装タイプが使用されてもよいし、他のタイプが使用されてもよい。
【0048】
(実施形態2の効果)
本実施形態によれば、光検出器622が基板4aの凹部4a1に埋設されているので、粒子検出装置1および検出機構6の薄型化を図ることができる。これにより、気体の流路を確保することができる。次に、光検出器622が確実に固定されるので、光検出器622の位置精度の向上を図ることができる。そして、ホルダ623が存在しない場合であっても、基板4aから上側の凸部が小さくなるので、ほこりが堆積し難くなる。
【0049】
さらに、スペーサを追加することにより、光検出器622の高さを自在に調整することができる。
【0050】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0051】
図8は、本実施形態に係る検出機構6の構成を示す斜視図である。検出機構6は、光源部材61と、検知部材62とを備えている。
【0052】
図9は、本実施形態に係る検出機構6の断面(図3のA-A断面)を示す断面図である。
【0053】
図8図9に示すように、基板4bには、貫通孔4b1が設けられている。そして、光検出器622は、貫通孔4b1に貫設されている。この場合、光検出器622としては、面実装タイプが使用されてもよいし、他のタイプが使用されてもよい。
【0054】
(実施形態3の効果)
本実施形態によれば、光検出器622が基板4bの貫通孔4b1に貫設されているので、さらに粒子検出装置1および検出機構6の薄型化を図ることができる。これにより、気体の流路を確保することができる。次に、光検出器622が確実に固定されるので、光検出器622の位置精度の向上を図ることができる。光検出器622が基板4bの貫通孔4b1に誘い込まれるので、容易に、かつ、精度よく光検出器622を実装することができる。
【0055】
そして、ホルダ623が存在しない場合であっても、基板4bから上側の凸部が小さくなるので、ほこりが堆積し難くなる。さらに、光検出器622のリード線を基板4bの下側から出すことができるので、電気的な接続が容易になり、かつ、フレキシブルになる。
【0056】
製造工程において、光検出器622を基板4bの裏側から貼り付けて、集光レンズ621だけを貫通孔4b1から突出させてもよい。これにより、リードタイプの光検出器622の取り付けが可能になり、生産性の向上を図ることができる。なお、リードタイプの光検出器622は、リード線があるため、当該リード線と、基板4bの裏面とがはんだ付けされる。従って、光検出器622が面実装品でないパッケージの実装を行うことができる。
【0057】
なお、図9では、集光レンズ621と、光検出器622とが一体化されている構成を示したが、一体化されていない構成でもよく、適宜選択可能である。なお、光検出器622と、集光レンズ621とが一体化されている構成では、一体化されていない構成よりも、検出機構6を薄型化することができる。
【0058】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1~3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0059】
図10は、本実施形態に係る粒子検出装置1の水平断面を示す断面図である。
【0060】
図11は、本実施形態に係る粒子検出装置1の平面図である。
【0061】
図12は、本実施形態に係る検出機構6の断面(図11のB-B断面)を示す断面図である。
【0062】
例えば、図12に示すように、ホルダ623の上部をなくしてもよい。ホルダ623の上部をなくすことにより、シンプルな構造になり、メンテナンスが容易になる。また、光検出器622の視野角が広がり、散乱光の検出範囲(領域)が広がるという効果を奏する。
【0063】
次に、図10に示すように、気流生成機構5の壁、および、光源部材61の壁部611と、ホルダ623とは、高さが異なる。詳細には、ホルダ623は、気流生成機構5の壁、および、光源部材61の壁部611よりも低い。これにより、気体の流路(経路9)が形成され、円滑な気体の流れを実現することができる。また、光の散乱(迷光)を防止することができる。
【0064】
さらに、光検出器622の周りを導電性樹脂、板金などで覆ってもよい。これにより、外来ノイズの影響を弱めることができる。
【0065】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る粒子センサは、基板上に配置され、気体中の粒子を検出する粒子検出センサであって、上記基板に設けられた発光源と、上記発光源から発した光と上記基板との間に設けられた集光レンズと、上記集光レンズの下側において、上記基板に設けられた光検出器と、を備えている。
【0066】
上記の構成によれば、基板に構成部品を設けるので、粒子検出センサを小型化することができる。
【0067】
本発明の態様2に係る粒子検出センサは、上記態様1において、上記基板には、貫通孔が設けられ、上記光検出器は、上記貫通孔に貫設されることとしてもよい。
【0068】
上記の構成によれば、光検出器が基板の貫通孔に貫設されるので、さらに粒子検出センサの薄型化を図ることができる。
【0069】
本発明の態様3に係る粒子検出センサは、上記態様1において、上記基板には、凹部が設けられ、上記光検出器は、上記凹部に埋設されることとしてもよい。
【0070】
上記の構成によれば、光検出器が基板の凹部に埋設されるので、粒子検出センサの薄型化を図ることができる。
【0071】
本発明の態様4に係る粒子検出センサは、上記態様1から3の何れかにおいて、上記集光レンズと、上記光検出器とは、一体化して形成されることとしてもよい。
【0072】
上記の構成によれば、集光レンズと、光検出器との位置関係が固定されるので、粒子検出の精度向上を図ることができる。
【0073】
本発明の態様5に係る粒子検出センサは、上記態様1から4の何れかにおいて、上記集光レンズは、取り外し可能であることとしてもよい。
【0074】
上記の構成によれば、集光レンズは、取り外し可能なので、掃除が可能であり、劣化した場合に交換することができる。
【0075】
本発明の態様6に係る粒子検出センサは、上記態様1から5の何れかにおいて、上記集光レンズは、球面状であることとしてもよい。
【0076】
上記の構成によれば、集光レンズは、球面状なので、落下してくるほこりが付着しにくく、堆積しにくい。
【0077】
本発明の態様7に係る粒子検出センサは、上記態様1から6の何れかにおいて、上記集光レンズと、上記光検出器とに覆設されるホルダをさらに備えていることとしてもよい。
【0078】
上記の構成によれば、集光レンズを通過する光を絞り込むことができるので、迷光を低減することができる。
【0079】
本発明の態様8に係る粒子検出センサは、上記態様7において、上記ホルダが、金属を含んでいることとしてもよい。
【0080】
上記の構成によれば、ホルダが金属を含むことによりシールド効果を有するので、粒子検出時に電磁波ノイズを低減することができる。
【0081】
本発明の態様9に係る粒子検出センサは、上記態様1から8の何れかにおいて、上記基板に垂設された投光レンズをさらに備えており、上記集光レンズは、上記投光レンズを挟んで上記発光源の反対側であって、かつ、上記発光源から発して上記投光レンズを通過した光の下側に設けられることとしてもよい。
【0082】
上記の構成によれば、粒子検出センサを小型化しつつ、より効率的に光を検出することができる。
【0083】
本発明の態様10に係る粒子検出センサは、上記態様1から9の何れかにおいて、少なくとも、上記集光レンズの上側にあり、かつ、上記光が通過する空間を含む、上記気体を通過させる経路をさらに備えることとしてもよい。
【0084】
上記の構成によれば、集光レンズ上を気体が通過するので、より効率的に光を検出できる。
【0085】
本発明の態様11に係る粒子検出センサは、基板上に配置され、気体中の粒子を検出する粒子検出センサであって、上記基板に設けられた発光源と、上記基板に垂設された投光レンズと、上記投光レンズを挟んで上記発光源の反対側であって、かつ、上記発光源から発して上記投光レンズを通過した光の下側において、上記基板に平行に設けられる集光レンズと、上記集光レンズの下側において、上記基板に設けられた光検出器と、少なくとも、上記集光レンズの上側にあり、かつ、上記光が通過する空間を含む、上記気体を通過させる経路と、を備えている。
【0086】
上記構成によれば、基板上に各部材を設けるので、粒子検出センサを小型化できる。
【0087】
本発明の態様12に係る粒子検出装置は、上記態様1から11の何れかの粒子検出センサと、上記気体を上記経路に通過させるための気流を発生させる気流生成機構と、を備える。
【0088】
上記の構成によれば、粒子検出装置を小型化することができる。
【0089】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 粒子検出装置
4、4a、4b 基板
4a1 凹部
4b1 貫通孔
5 気流生成機構
6 検出機構(粒子検出センサ)
9 経路
613 光源(発光源)
614 投光レンズ
621 集光レンズ
622 光検出器
623 ホルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12