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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】シェード装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20240220BHJP
   B60J 3/00 20060101ALI20240220BHJP
   E06B 9/42 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
E06B9/58 A
B60J3/00 H
E06B9/42 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020171514
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022063132
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 新
(72)【発明者】
【氏名】青木 健朗
(72)【発明者】
【氏名】奥村 拓也
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-212878(JP,A)
【文献】特開2007-261336(JP,A)
【文献】特開2003-13680(JP,A)
【文献】特開2014-84618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/58
B60J 3/00
E06B 9/42
E06B 9/264
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する凹形状に形成された一対のガイドレールと、
前記一対のガイドレールの間に配置されるシート状のシェードと、
前記一対のガイドレールの長手方向一端側に設けられ、前記シェードにおける前記一対のガイドレールの長手方向一端側が係止され、前記シェードを巻取る巻取部と、
前記シェードにおける前記ガイドレールの長手方向他端側に係止されて前記一対のガイドレールの各々の内側に設けられると共に、付勢力によって前記一対のガイドレールの対向方向とは反対方向に付勢されて、前記一対のガイドレールの各々の底部へ圧接される圧接部と、
前記シェードにおける前記ガイドレールの長手方向他端側に係止されて前記ガイドレールの内側に設けられると共に、前記一対のガイドレールの対向方向に前記ガイドレールと対向され、前記ガイドレールへ当接することで前記ガイドレールに対する傾斜が抑制される抑制部と、
を備えるシェード装置。
【請求項2】
前記抑制部は、前記一対のガイドレールの各々の内側に設けられる請求項1に記載のシェード装置。
【請求項3】
前記ガイドレールの内側に配置され、前記一対のガイドレールの対向方向中央側へ開口された前記圧接部と、
前記ガイドレールの内側に配置され、前記一対のガイドレールの対向方向外側へ開口して前記圧接部の内側又は外側に配置にされた前記抑制部と、
一端が前記圧接部の内側に係止され、他端が前記抑制部の内側に係止され、前記抑制部が前記圧接部に対して離れる方向へ付勢する付勢部材と、
を備える請求項1又は請求項2に記載のシェード装置。
【請求項4】
前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方の前記ガイドレールの長手方向に沿った寸法は、前記ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の間隔よりも大きい請求項3に記載のシェード装置。
【請求項5】
前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方における前記ガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向に沿った寸法は、前記ガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向寸法よりも十分に小さい請求項3又は請求項4に記載のシェード装置。
【請求項6】
前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方に設けられて、前記ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の一方へ圧接する付勢機構を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載のシェード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に開示されたシェード装置は、車両左右方向の両側にラックが配置されている。これらのラックにはそれぞれピニオンが噛み合っている。これらのピニオンは、シェードの巻取装置側とは反対側の端部の両側にそれぞれ設けられ、シェードの展開時においてシェードの両側を均等に引き出せるようになっている。
【0003】
しかしながら、このようなラックやピニオンを設けることで装置が大型化し、構成が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-088624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、シェードの一方のガイドレールの側が他方のガイドレールの側に対してずれることを抑制できるシェード装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のシェード装置は、互いに対向する凹形状に形成された一対のガイドレールと、前記一対のガイドレールの間に配置されるシート状のシェードと、前記一対のガイドレールの長手方向一端側に設けられ、前記シェードにおける前記一対のガイドレールの長手方向一端側が係止され、前記シェードを巻取る巻取部と、前記シェードにおける前記ガイドレールの長手方向他端側に係止されて前記一対のガイドレールの各々の内側に設けられると共に、付勢力によって前記一対のガイドレールの対向方向とは反対方向に付勢されて、前記一対のガイドレールの各々の底部へ圧接される圧接部と、前記シェードにおける前記ガイドレールの長手方向他端側に係止されて前記ガイドレールの内側に設けられると共に、前記一対のガイドレールの対向方向に前記ガイドレールと対向され、前記ガイドレールへ当接することで前記ガイドレールに対する傾斜が抑制される抑制部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載のシェード装置によれば、巻取部に巻取られたシェードにおけるガイドレールの長手方向他端側が引っ張られることでシェードが巻取部から引き出される。シェードにおいてガイドレールの長手方向他端側における一対のガイドレールの各々の内側には圧接部が設けられている。圧接部は、付勢力によって一対のガイドレールの対向方向とは反対方向に付勢されており、圧接部は、一対のガイドレールの各々の底部へ圧接される。これによって、シェードを一対のガイドレールの長手方向の任意の位置で止めることができる。
【0008】
また、ガイドレールの内側には抑制部が設けられる。抑制部は、一対のガイドレールの対向方向にガイドレールと対向され、抑制部がガイドレールに対して傾斜されると、抑制部がガイドレールに当接されて、抑制部の傾斜が抑制される。
【0009】
請求項2に記載のシェード装置は、請求項1に記載のシェード装置において、前記抑制部は、前記一対のガイドレールの各々の内側に設けられる。
【0010】
請求項2に記載のシェード装置によれば、抑制部は、一対のガイドレールの各々の内側に設けられる。このため、抑制部がガイドレールに対して傾斜された際に各抑制部が各ガイドレールに当接される。これによって、抑制部がガイドレールに当接された際の荷重を軽減できる。
【0011】
請求項3に記載のシェード装置は、請求項1又は請求項2に記載のシェード装置において、前記ガイドレールの内側に配置され、前記一対のガイドレールの対向方向中央側へ開口された前記圧接部と、前記ガイドレールの内側に配置され、前記一対のガイドレールの対向方向外側へ開口して前記圧接部の内側又は外側に配置にされた前記抑制部と、一端が前記圧接部の内側に係止され、他端が前記抑制部の内側に係止され、前記抑制部が前記圧接部に対して離れる方向へ付勢する付勢部材と、を備えている。
【0012】
請求項3に記載のシェード装置によれば、ガイドレールの内側には圧接部と抑制部とが配置される。圧接部は、一対のガイドレールの対向方向中央側へ開口される。これに対して、抑制部は、一対のガイドレールの対向方向外側へ開口され、しかも、抑制部は、圧接部の内側又は外側に配置にされる。
【0013】
圧接部の内側には、付勢部材の一端が係止され、抑制部の内側には、付勢部材の他端が係止される。これによって、抑制部は、圧接部から離れる方向、すなわち、一対のガイドレールの対向方向外側へ付勢されてガイドレールの底部へ押し付けられる。
【0014】
請求項4に記載のシェード装置は、請求項3に記載のシェード装置において、前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方の前記ガイドレールの長手方向に沿った寸法は、前記ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の間隔よりも大きい。
【0015】
請求項4に記載のシェード装置によれば、圧接部及び抑制部のうち、外側に配置される方のガイドレールの長手方向に沿った寸法は、ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の間隔よりも大きい。このため、一対のガイドレールの対向方向を軸方向とする軸周り方向への圧接部及び抑制部の回転を抑制できる。
【0016】
請求項5に記載のシェード装置は、請求項3又は請求項4に記載のシェード装置において、前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方における前記ガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向に沿った寸法は、前記ガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向寸法よりも十分に小さい。
【0017】
請求項5に記載のシェード装置によれば、圧接部及び抑制部のうち、外側に配置される方におけるガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向に沿った寸法は、ガイドレールの互いに対向する壁部の対向方向寸法よりも十分に小さい。このため、一対のガイドレールの対向方向を軸方向としてガイドレールを曲げても、圧接部及び抑制部のうち、外側に配置される方は、この曲がった部分を通過できる。
【0018】
請求項6に記載のシェード装置は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のシェード装置において、前記圧接部及び前記抑制部のうち、外側に配置される方に設けられて、前記ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の一方へ圧接する。
【0019】
請求項6に記載のシェード装置によれば、付勢機構が圧接部及び抑制部のうち、外側に配置される方に一体的に設けられる。付勢機構は、ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の一方へ圧接される。これによって、ガイドレールにおいて互いに対向する壁部の対向方向へのガタを吸収できる。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本シェード装置では、シェードの一方のガイドレールの側が他方のガイドレールの側に対してずれることを簡単な構成で抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態に係るシェード装置の正面図である。
図2図1の2-2線に沿った断面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係るシェード装置の要部を拡大した分解斜視図である。
図4】本発明の一実施の形態に係るシェード装置の要部を拡大した平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を図1から図4の各図に基づいて説明する。なお、各図において適宜に示される矢印FRは、シェード装置10の装置前側を示し、矢印LHは、シェード装置10の装置左側を示し、矢印UPは、シェード装置10の装置上側を示す。なお、これらの方向は、本シェード装置10が車両等に搭載された際の車両等の前後方向、左右方向、上下方向とは関係ない。また、本シェード装置10は、車両等の進行方向左側に設けられる。車両等の進行方向右側に本シェード装置10が設けられる場合には、以下に説明する本シェード装置10の構成が左右逆になる。
【0023】
<本実施の形態の構成>
図1及び図2に示されるように、本実施の形態に係るシェード装置10は、巻取部12を備えている。巻取部12は、ケース14を備えている。ケース14は、中空の直方体形状とされ、ケース14の装置下端が開口されている。また、ケース14の長手方向は、装置前後方向とされており、図2に示されるように、ケース14には、巻取軸16が設けられている。
【0024】
巻取軸16の長手方向は、装置前後方向とされ、ケース14の中心に配置されている。巻取軸16にはシェード18が設けられている。シェード18は、布等の可撓性を有する矩形のシート状の部材で、シェード18の一端部は、巻取軸16に係止されている。
【0025】
巻取軸16が巻取軸16の長手方向周りの一方の巻取方向へ回転されると、シェード18は、一端側からケース14の内側へ入って巻取軸16に巻取られて格納される。これに対して、シェード18を他端側へ引っ張ると、巻取軸16が巻取方向とは反対の引出方向へ回転されると共に、巻取軸16に巻き取られて格納されていたシェード18が巻取軸16から引き出される。また、巻取軸16は、渦巻ばね等による第1付勢手段(図示省略)によって巻取方向へ付勢されている。
【0026】
図3に示されるように、シェード18の他端には厚肉部20が形成されている。厚肉部20は、シェード18の他端に略一様に形成されており、厚肉部20は、シェード18における厚肉部20以外の部位よりも厚肉とされている。一方、シェード18の他端部には、プレート22が設けられている。プレート22の長手方向は、装置前後方向とされ、プレート22の幅方向は、装置上下方向とされている。
【0027】
プレート22は、装置前後方向に貫通した中空形状とされている。また、プレート22の装置下側には、取付部24が形成されている。取付部24は、孔部26を備えている。孔部26は、プレート22を装置前後方向に貫通している。孔部26の内径寸法は、シェード18の厚肉部20の外径に略等しい(厳密には、孔部26の内径寸法は、シェード18の厚肉部20の外径よりも僅かに大きい)。
【0028】
また、孔部26に隣接してプレート22には連通部28が形成されている。連通部28の一端は、孔部26に連通しており、連通部28の他端は、孔部26とは反対側で開放されている。連通部28の開口幅(連通部28におけるプレート22の厚さ方向寸法)は、孔部26の直径寸法よりも小さく、シェード18の厚肉部20以外の部位の厚さ寸法よりも大きい。
【0029】
シェード18の他端部は、プレート22の長手方向何れか一方の端部から、プレート22の取付部24の孔部26及び連通部28に挿入される。この状態でプレート22がシェード18に対して装置前後方向へ相対的にスライドされ、プレート22の装置前側端がシェード18の装置前側端の位置へ到達することで、プレート22がシェード18の他端部に取り付けられる。
【0030】
一方、プレート22の取付部24よりも装置下側の部分は、本体部30とされている。本体部30には中空部32が形成されている。中空部32は、装置前後方向(すなわち、プレート22の長手方向)にプレート22の本体部30を貫通されている。さらに、中空部32には、中底34が形成されている。中底34は、中空部32を装置上下方向に2つに仕切っている。
【0031】
また、プレート22の長手方向両側(装置前後方向両側)には、スライダ36が設けられている。スライダ36は、インナホルダ38と圧接部としてのアウタホルダ40を備えている。インナホルダ38の外周形状は、直方体形状とされ、インナホルダ38の長手方向は、装置上下方向とされている。インナホルダ38には連結部42が設けられている。連結部42は、直方体形状とされ、インナホルダ38における装置前後方向内側の面から装置前後方向内側へ突出形成されている。
【0032】
また、連結部42は、装置前後方向中央側へ向けて開口された筒形状とされている。また、連結部42の外周形状は、プレート22の本体部30に形成された中空部32において中底34の取付部24側の部分の内周形状よりも僅かに小さくされている。連結部42は、プレート22の中空部32において中底34の取付部24側の部分の内側へ挿入されている。
【0033】
一方、インナホルダ38は、プレート22の長手方向外側(装置前後方向外側)へ向けて開口されており、図4に示されるように、インナホルダ38の内側には、第1突起44が設けられている。第1突起44は、インナホルダ38の内部における装置前後方向中央側の壁部から装置前後方向外側へ向けて突出形成されている。
【0034】
さらに、インナホルダ38の装置前後方向外側には、アウタホルダ40が設けられている。アウタホルダ40の外周形状は、インナホルダ38の外周形状よりも大きな直方体形状とされており、アウタホルダ40の長手方向は、装置上下方向とされている。また、アウタホルダ40は、装置前後方向中央側へ向けて開口している。アウタホルダ40の内周形状は、インナホルダ38の外周形状よりも僅かに大きく、インナホルダ38は、アウタホルダ40の開口側からアウタホルダ40の内側へ入っている。
【0035】
アウタホルダ40の内側には、第2突起46が設けられている。第2突起46は、アウタホルダ40の内部における装置前後方向外側の壁部から装置前後方向中央側へ向けて突出形成されており、第2突起46には、付勢部材としての第2付勢部材48の一端が係止されている。第2付勢部材48は、圧縮コイルばね等によって構成されており、第2付勢部材48の他端は、インナホルダ38の第1突起44に係止されている。これによって、アウタホルダ40は、第2付勢部材48の付勢力によって装置前後方向外側へ向けて付勢されている。
【0036】
一方、本シェード装置10は、一対のガイドレール50を備えている。これらのガイドレール50の長手方向は、ガイドレール50の長手方向中間部よりも長手方向下側で装置上下方向とされている。これに対して、ガイドレール50の長手方向中間部よりも長手方向上側ではガイドレール50の長手方向は、装置右下側から側装置左上側とされ、ガイドレール50の上端部には、巻取部12の長手方向端部が係止されている。
【0037】
ガイドレール50は、中板52を備えている。中板52の長手方向は、ガイドレール50の長手方向とされ、中板52の厚さ方向は、装置前後方向とされている。中板52の幅方向両端にはそれぞれ側板54が設けられており、中板52と両側板54における中板52よりも装置前後方向中央側は、レール部56とされ、このレール部56内に上述したスライダ36が入っている。ガイドレール50の両側板54の間隔は、スライダ36のアウタホルダ40における長手方向寸法よりも十分に小さい。また、スライダ36のアウタホルダ40は、第2付勢部材48の付勢力によって中板52へ圧接されている。
【0038】
また、ガイドレール50の一方の側板54と他方の側板54との間の間隔は、アウタホルダ40の装置左右方向の長さよりも大きく、ガイドレール50の両側板54間の間隔と、アウタホルダ40の装置左右方向の長さとの差は、ガイドレール50の側板54の厚さ寸法よりも大きい。さらに、アウタホルダ40の装置左側の側壁には、付勢機構としての板ばね58が設けられている。板ばね58は、固定部60を備えており、固定部60は、アウタホルダ40の装置右側の側壁に固定されている。固定部60の装置下側端からは連続してばね部62が形成されている。ばね部62の固定部60側は、アウタホルダ40の装置右側の側壁に接近しており、ばね部62の装置上下方向中央側でアウタホルダ40の装置右側の側壁から最も離間されている。
【0039】
ばね部62に外力が付与されていない状態でのアウタホルダ40の装置左側の側壁と、ばね部62においてアウタホルダ40の装置右側の側壁から最も離間されている部分との装置左右方向の間隔は、ガイドレール50の一対の側板54の装置左右方向の間隔以上とされている。このため、アウタホルダ40の装置右側の側壁は、ガイドレール50の装置右側の側壁へ当接し、ばね部62においてアウタホルダ40の装置右側の側壁から最も離間されている部分は、ガイドレール50の装置左側の側壁へ当接している。
【0040】
一方、図4に示されるように、ガイドレール50における両側板54の装置前後方向中央側端からは連続して当接部64が形成されている。当接部64は、ガイドレール50における両側板54から装置左右方向中央側へ延出され、更に、装置前後方向外側へ曲がっている。これに対して、インナホルダ38における装置前後方向中央側の側壁の装置前後方向中央側の面は、抑制部66とされている。抑制部66は、装置前後方向に当接部64と対向されている。ガイドレール50の長手方向に対してインナホルダ38の抑制部66が傾斜すると、抑制部66が当接部64へ接近され、当接される。
【0041】
<本実施の形態の作用、効果>
以上の構成の本実施の形態では、プレート22が装置下側へ引っ張られると、巻取部12のから巻取軸16からシェード18が引き出される。また、プレート22には連結部42によってスライダ36へ連結されており、スライダ36のアウタホルダ40は、ガイドレール50のレール部56の内側に入っており、アウタホルダ40は、ガイドレール50に沿って移動できる。このため、プレート22は、ガイドレール50に沿って移動され、シェード18の装置下側端は、ガイドレール50に沿って移動される。
【0042】
プレート22を所望の位置で停止させると、アウタホルダ40が第2付勢部材48の付勢力によってガイドレール50の中板52へ押し付けられる。このときのアウタホルダ40における装置前後方向外側の壁部とガイドレール50の中板52との間の摩擦力は、巻取部12の第1付勢部材の巻取方向側への付勢力に抗する。このため、プレート22が停止された位置までシェード18が引き出されて停止される。このように、本実施の形態は、シェード18を任意の位置まで引き出して停止させることができる。
【0043】
ところで、本実施の形態では、一方のスライダ36が他方のスライダ36に対して装置上下方向にずれると、スライダ36がガイドレール50内で装置左右方向を軸方向とする軸周り方向へ回転されて傾けられる。これにより、スライダ36のインナホルダ38の抑制部66がガイドレール50の一方の当接部64の先端へ接近される。
【0044】
このようにガイドレール50の両側板54の当接部64の先端がスライダ36のインナホルダ38の抑制部66へ接近されて当接されることによって、装置左右方向を軸方向とする軸周り方向のインナホルダ38(スライダ36)の傾き、ひいては、プレート22の傾きを抑制できる。このように装置左右方向を軸方向とする軸周り方向のプレート22の傾きを抑制できることで、第2付勢部材48の付勢力を特に大きくしてなくても、アウタホルダ40における装置前後方向外側の壁部とガイドレール50の中板52との間の摩擦力を巻取部12の第1付勢部材の巻取方向側への付勢力に抗することができる。
【0045】
また、スライダ36のアウタホルダ40は、直方体とされ、アウタホルダ40の長手方向寸法は、ガイドレール50の両側板54間の間隔よりも十分に大きい。このため、装置前後方向を軸方向とする軸周り方向へのスライダ36の回転は、制限される。これにより、スライダ36を装置下側の限界まで移動させた際に、シェード18を十分に展開させることができる。
【0046】
さらに、ガイドレール50の装置上下方向中間部よりも装置下側では、ガイドレール50の長手方向が装置上下方向に沿っており、ガイドレール50の装置上下方向中間部よりも装置上側では、ガイドレール50の長手方向が装置左上方向へ曲がっている。ここで、本実施の形態では、ガイドレール50の両側板54の間隔が、スライダ36のアウタホルダ40の装置左右方向の長さよりも十分に大きい。
【0047】
このため、スライダ36がガイドレール50の装置上下方向中間部における曲部に到達した際に、スライダ36のアウタホルダ40における装置左側の壁部(曲率半径外側の壁部)がガイドレール50における装置左側の側板54(曲率半径外側の側板54)に大きく干渉されることがない。このため、ガイドレール50が装置左右方向に曲がっていてもスライダ36は、ガイドレール50における曲部を通過できる。
【0048】
また、本実施の形態では、両ガイドレール50の内側にスライダ36、すなわち、インナホルダ38及びアウタホルダ40が設けられている。このため、スライダ36の停止のために必要な第2付勢部材48の付勢力を一方のガイドレール50の側と他方のガイドレール50の側とに分散できる。
【0049】
さらに、本実施の形態では、ガイドレール50の両側板54の間隔が、スライダ36のアウタホルダ40の装置左右方向の長さよりも十分に大きく、ガイドレール50の両側板54間の間隔と、アウタホルダ40の装置左右方向の長さとの差は、ガイドレール50の側板54の厚さ寸法よりも大きい。ここで、本実施の形態では、アウタホルダ40の装置左側に板ばね58が設けられ、この板ばね58によってアウタホルダ40の装置左側の壁部とガイドレール50の装置左側の側板54との間の隙間が埋められている。このため、スライダ36のアウタホルダ40とガイドレール50との装置左右方向のガタを吸収できる。
【0050】
なお、本実施の形態では、アウタホルダ40は、直方体とされ、アウタホルダ40の長手方向寸法は、ガイドレール50の両側板54間の間隔よりも十分に大きくされていた。しかしながら、アウタホルダ40は、装置前後方向を軸方向とする円筒形状であってもよく、直方体に限定されることなく広く適用できる。
【0051】
また、本実施の形態では、アウタホルダ40と板ばね58とが別体で構成されていた。しかしながら、アウタホルダ40の装置前後方向側の一方の壁部を板ばねにしてもよい。
【0052】
さらに、本実施の形態では、アウタホルダ40をインナホルダ38よりも装置前後方向外側に配置したが、アウタホルダ40をインナホルダ38よりも装置前後方向中央側に配置してもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、インナホルダ38及びアウタホルダ40を両ガイドレール50の内側に設けた構成であった。しかしながら、インナホルダ38及びアウタホルダ40を一方のガイドレール50の内側に設ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 シェード装置
12 巻取部
18 シェード
40 アウタホルダ(圧接部)
48 第2付勢部材(付勢部材)
50 ガイドレール
58 板ばね(付勢機構)
66 抑制部
図1
図2
図3
図4