(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】付け替え容器、及びレフィル容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/22 20060101AFI20240220BHJP
B65D 43/04 20060101ALI20240220BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65D51/22 110
B65D43/04 100
B65D77/04 A
(21)【出願番号】P 2020214286
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】神村 千秋
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-095476(JP,A)
【文献】特開2018-140816(JP,A)
【文献】特開2018-140831(JP,A)
【文献】米国特許第05593055(US,A)
【文献】特開2018-002225(JP,A)
【文献】特開2020-178830(JP,A)
【文献】特開2013-119399(JP,A)
【文献】特開2016-222287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/22
B65D 43/04
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ねじ部を有する外装容器と、該第一ねじ部に螺合する第二ねじ部を有し該外装容器に装着される外装キャップと、内容物を収容し該外装容器に付け替えて使用されるレフィル容器とを備える付け替え容器であって、
前記レフィル容器は、内容物の収容空間を有し前記外装容器に装着される容器本体と、該容器本体に装着されて該収容空間を閉鎖する蓋体とを有し、
前記外装容器と前記容器本体との間に、該外装容器に対して該容器本体を回り止めする回り止め機構を備え、
前記蓋体は、前記収容空間を覆う天壁部と、前記容器本体に回り止め保持される外縁部と、該天壁部と該外縁部とを破断可能につなぐ弱化部とを有し、
前記外装キャップと前記天壁部との間に、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部が螺合する向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を許容する一方、該第一ねじ部と該第二ねじ部の螺合が解除される向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を規制するラチェット機構を備える付け替え容器。
【請求項2】
前記外装キャップは、前記天壁部を抜け止め保持する抜け止め部を有する請求項1に記載の付け替え容器。
【請求項3】
前記外装キャップは、力を付与すると弾性変形して前記抜け止め部に保持された前記天壁部を押圧して該天壁部を該外装キャップから脱離させる取り外し部を有する請求項2に記載の付け替え容器。
【請求項4】
前記ラチェット機構は、前記外装キャップに設けられる外装キャップ側ラチェット部と、前記天壁部に設けられ、該外装キャップ側ラチェット部の径方向内側又は外側に位置する蓋体側ラチェット部とで構成され、
前記天壁部は、径方向に隙間をあけて前記蓋体側ラチェット部を取り囲む保護壁を有する請求項1~3の何れか一項に記載の付け替え容器。
【請求項5】
内容物を収容し外装容器に付け替えて使用されるレフィル容器であって、
前記外装容器は、該外装容器に装着される外装キャップの第二ねじ部に螺合する第一ねじ部を有し、
前記レフィル容器は、内容物の収容空間を有し前記外装容器に装着される容器本体と、該容器本体に装着される蓋体とを有し、
前記容器本体は、前記外装容器に対して該容器本体を回り止めする容器本体側回り止め部を有し、
前記蓋体は、前記収容空間を覆う天壁部と、前記容器本体に回り止め保持される外縁部と、該天壁部と該外縁部とを破断可能につなぐ弱化部とを有し、
前記天壁部は、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部が螺合する向きに前記外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を許容する一方、該第一ねじ部と該第二ねじ部の螺合が解除される向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を規制する蓋体側ラチェット部を有するレフィル容器。
【請求項6】
前記天壁部は、径方向に隙間をあけて前記蓋体側ラチェット部を取り囲む保護壁を有する請求項5に記載のレフィル容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付け替え容器、及びレフィル容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばクリーム状やゲル状の内容物(化粧料など)を収容する容器においては、内容物を収容する内容器と、内容器を着脱可能に保持する外装容器と、外装容器に装着される外装キャップとを備える容器が既知である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種の容器において、内容器はレフィル容器として用いられていて、内容物を使い切った後、元の内容器は外装容器から取り外されて新たな内容器が外装容器に付け替えられる。すなわちこのような容器(付け替え容器)によれば、外装容器と外装キャップを再利用することができるため、省資源化等の点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこのようなレフィル容器には、特許文献1に示されているように、内容物の収容空間を閉鎖する蓋体(内容器用キャップ)が取り付けられているものがある。この蓋体は、例えば流通時における内容物の品質劣化等の不具合を防止するものであり、外装容器に付け替えて使用する際には取り外さなければならず、手間を要している。
【0006】
このような点に鑑み、本発明は、使用開始にあたって内容物の収容空間を閉鎖する蓋体を取り外す手間を省くことができる付け替え容器、及びレフィル容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第一ねじ部を有する外装容器と、該第一ねじ部に螺合する第二ねじ部を有し該外装容器に装着される外装キャップと、内容物を収容し該外装容器に付け替えて使用されるレフィル容器とを備える付け替え容器であって、
前記レフィル容器は、内容物の収容空間を有し前記外装容器に装着される容器本体と、該容器本体に装着されて該収容空間を閉鎖する蓋体とを有し、
前記外装容器と前記容器本体との間に、該外装容器に対して該容器本体を回り止めする回り止め機構を備え、
前記蓋体は、前記収容空間を覆う天壁部と、前記容器本体に回り止め保持される外縁部と、該天壁部と該外縁部とを破断可能につなぐ弱化部とを有し、
前記外装キャップと前記天壁部との間に、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部が螺合する向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を許容する一方、該第一ねじ部と該第二ねじ部の螺合が解除される向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を規制するラチェット機構を備える付け替え容器である。
【0008】
前記外装キャップは、前記天壁部を抜け止め保持する抜け止め部を有することが好ましい。
【0009】
前記外装キャップは、力を付与すると弾性変形して前記抜け止め部に保持された前記天壁部を押圧して該天壁部を該外装キャップから脱離させる取り外し部を有することが好ましい。
【0010】
前記ラチェット機構は、前記外装キャップに設けられる外装キャップ側ラチェット部と、前記天壁部に設けられ、該外装キャップ側ラチェット部の径方向内側又は外側に位置する蓋体側ラチェット部とで構成され、
前記天壁部は、径方向に隙間をあけて前記蓋体側ラチェット部を取り囲む保護壁を有することが好ましい。
【0011】
また本発明は、内容物を収容し外装容器に付け替えて使用されるレフィル容器であって、
前記外装容器は、該外装容器に装着される外装キャップの第二ねじ部に螺合する第一ねじ部を有し、
前記レフィル容器は、内容物の収容空間を有し前記外装容器に装着される容器本体と、該容器本体に装着される蓋体とを有し、
前記容器本体は、前記外装容器に対して該容器本体を回り止めする容器本体側回り止め部を有し、
前記蓋体は、前記収容空間を覆う天壁部と、前記容器本体に回り止め保持される外縁部と、該天壁部と該外縁部とを破断可能につなぐ弱化部とを有し、
前記天壁部は、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部が螺合する向きに前記外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を許容する一方、該第一ねじ部と該第二ねじ部の螺合が解除される向きに該外装キャップを回転する際は、該外装キャップと該天壁部との相対回転を規制する蓋体側ラチェット部を有するレフィル容器でもある。
【0012】
前記天壁部は、径方向に隙間をあけて前記蓋体側ラチェット部を取り囲む保護壁を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の付け替え容器によれば、蓋体を備えるレフィル容器を外装容器に装着し、第一ねじ部と第二ねじ部が螺合する向きに外装キャップを回転させると、外装容器に外装キャップが装着される。その後、第一ねじ部と第二ねじ部の螺合が解除される向きに外装キャップを回転させると、ラチェット機構によって天壁部が外装キャップとともに回転するため、弱化部が破断して、収容空間を閉鎖していた天壁部を取り除くことができる。すなわち、使用開始にあたって予め蓋体を取り外す作業が不要となり、手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るレフィル容器の一実施形態に関し、(a)は平面図であり、(b)は側面視での半断面図である。
【
図2】(a)は本発明に係る外装キャップの一実施形態を示した半断面図であり、(b)は本発明に係る外装容器の一実施形態を示した半断面図である。
【
図3】
図1に示したレフィル容器を
図2に示した外装容器に装着した状態を示した半断面図である。
【
図4】外装キャップを外装容器に装着した状態に関し、(a)はA-Aに沿う断面図であり、(b)は半断面図である。
【
図5】外装キャップを外装容器から取り外した状態に関し、(a)はB-Bに沿う断面図であり、(b)は半断面図である。
【
図6】外装容器からレフィル容器を取り外し、また外装キャップから天壁部を取り外した状態を示した半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明に係る付け替え容器、及びレフィル容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等において上下方向とは、図示した軸線Oに沿う方向である。また径方向とは、軸線Oに対して垂直な面内で軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で軸線Oを中心として周回する方向である。また後述する外装キャップ5を相対的に回転させる際の向きに関し、
図4に示すように第一ねじ部4dと第二ねじ部5gが螺合する向きを螺合方向R1と称し、
図5に示すように第一ねじ部4dと第二ねじ部5gの螺合が解除される向きを螺合解除方向R2と称する。
【0016】
本実施形態の付け替え容器は、
図1に示したレフィル容器1と、
図2に示した外装容器4と、外装キャップ5とで構成されている。
【0017】
まず、レフィル容器1について説明する。本実施形態のレフィル容器1は、
図1に示すように容器本体2と蓋体3で構成されている。
【0018】
容器本体2は、軸線Oを中心とする円板状の底部(容器本体側底部2a)と、容器本体側底部2aから上方に向けて延在する円筒状の周壁部(容器本体側周壁部2b)とを備えている。容器本体側底部2aと容器本体側周壁部2bで区画される内側の空間(収容空間S)には、例えばクリーム状になる化粧料等の内容物が収容される。
【0019】
容器本体側周壁部2bの上方における外周面には、径方向外側に向けて延在する円板状の下側フランジ部2cと、下側フランジ部2cの外縁部から下方に向けて延在する円筒部2dが設けられている。また円筒部2dの内周面には、
図3の部分拡大図に示すように、径方向内側に向けて突出する凸部(容器本体側凸部2e)が設けられている。そして円筒部2dに対向する容器本体側周壁部2bの外周面には、周方向に間隔をあけて設けられる複数の突起部(容器本体側第一突起部2f)が設けられている。なお容器本体側第一突起部2fは、後述するように外装容器4に対して容器本体2を回り止めする機能を有していて、本明細書等の「容器本体側回り止め部」に相当する。また容器本体側第一突起部2fは、本明細書等の「回り止め機構」を構成する部位でもある。
【0020】
下側フランジ部2cの上方には、容器本体側周壁部2bの外周面から径方向外側に向けて延在し、周方向に間欠状に配置される上側フランジ部2gが設けられている。上側フランジ部2gの上方における容器本体側周壁部2bの外周面には、周方向に間隔をあけて設けられる複数の突起部(容器本体側第二突起部2h)が設けられている。
【0021】
蓋体3は、収容空間Sを覆う天壁部3aを備えている。本実施形態の天壁部3aは、中央部において上方にむけて突出する突出壁3bを備えている。突出壁3bの径方向外側には、下方に向けて延在する内側環状壁3cと、内側環状壁3cの下端部から径方向外側に向けて延在する連結壁3dと、連結壁3dの外縁部から上方に向けて延在する環状の保護壁3eと、保護壁3eの上端部から径方向外側に向けて延在するフランジ壁3fが設けられている。保護壁3eは、容器本体側周壁部2bの内周面に当接し、フランジ壁3fは、容器本体側周壁部2bの上面に当接する。
【0022】
そして内側環状壁3cの外周面には、周方向に間隔をあけて設けられる複数の歯部3gが設けられている。本実施形態の歯部3gは、
図4(a)の部分拡大図に示すように平面視において略台形状に形成されている。より詳細に説明すると、歯部3gは、螺合方向R1の下流側に位置し、径方向に延在する係合面k1と、螺合方向R1の上流側に位置し、螺合方向R1に沿うように傾く非係合面k2とを備えている。また歯部3gは、
図1(b)に示すように径方向外側に位置する保護壁3eによって取り囲まれていて、指等で径方向外側からは触れられない状態になっている。なお歯部3gは、本明細書等の「蓋体側ラチェット部」に相当する。また歯部3gは、本明細書等の「ラチェット機構」を構成する部位でもある。そして
図4(b)の部分拡大図に示すように保護壁3eの内周面には、径方向内側に向けて突出する凸部(蓋体側凸部3h)が設けられている。
【0023】
図1(b)に示すようにフランジ壁3fの径方向外側には、円筒状をなし、容器本体側周壁部2bの上部を取り囲む外縁部3jが設けられている。外縁部3jには、これを径方向に貫通して上側フランジ部2gが挿入される嵌合穴3kが設けられている。また外縁部3jの内周面には、周方向に間隔をあけて設けられる複数の突起部(蓋体側突起部3m)が設けられている。
【0024】
そして天壁部3aと外縁部3jとは、薄肉状の弱化部3nを介して一体に連結している。
【0025】
このような容器本体2と蓋体3で構成されるレフィル容器1は、容器本体2に蓋体3を取り付けた際、収容空間Sは天壁部3aで閉鎖されるため、収容空間Sに収容した内容物の品質劣化等を防止することができる。また蓋体3は、嵌合穴3kに上側フランジ部2gが入り込んで、容器本体2に対して抜け止め保持される。更に蓋体3は、周方向に間欠状に設けられる嵌合穴3kと上側フランジ部2gが係合し、また容器本体側第二突起部2hと蓋体側突起部3mが係合しているため、容器本体2に対して回り止め保持される。
【0026】
ところで通常のレフィル容器は、外装容器に取り付けて使用されるものであり、レフィル容器単独での使用は本来的な使い方ではなく、使い方によっては倒れやすい等の不具合が生じるおそれがある。一方、本実施形態のレフィル容器1は、蓋体3が容器本体2に対して抜け止めされ、且つ回り止めされている。また蓋体3に設けた歯部3gは、径方向外側に位置する保護壁3eによって取り囲まれていて、指等で径方向外側からは触れられない状態になっている。従って、レフィル容器1が単独である状態で蓋体3を取り外すことができないため、このような不具合につながることがない。
【0027】
次に外装容器4について説明する。本実施形態の外装容器4は、
図2(b)に示すように円板状の底部(外装本体側底部4a)と、外装本体側底部4aから上方に向けて延在し、容器本体側周壁部2bよりも厚肉になる円筒状の周壁部(外装本体側周壁部4b)とを備えている。
【0028】
外装本体側周壁部4bの上部には、円筒状をなしていて、径方向外側にむけて突出して横断面形状が爪状になる爪状部4cが設けられている。外装本体側周壁部4bの外周面には、雄ねじ状になる第一ねじ部4dが設けられている。そして外装本体側周壁部4bの内周面には、周方向に間隔をあけて複数設けられる溝部4eが設けられている。溝部4eは、後述するように外装容器4に容器本体2を装着した際に容器本体側第一突起部2fが入り込む部位であり、これにより容器本体2は外装容器4に対して回り止めされる。なお溝部4eは、本明細書等の「回り止め機構」を構成する部位である。
【0029】
そして外装キャップ5は、
図2(a)に示すように、円板状になる頂壁5aを備えている。頂壁5aの中央部には、厚みが薄く、上下方向に弾性変形可能な薄肉部5bが設けられている。薄肉部5bは、後述するように外装キャップ5から天壁部3aを取り外す際に使用される部位であって、本明細書等の「取り外し部」に相当する。
【0030】
頂壁5aの下面には、下方に向けて延在する円環部5cと、円環部5cの外周面から径方向外側に向けて突出する凸部(外装キャップ側凸部5d)が設けられている。後述するように外装キャップ側凸部5dは、外装キャップ5に対して天壁部3aを抜け止め保持するものであり、本明細書等の「抜け止め部」に相当する。
【0031】
円環部5cの径方向内側には、歯止め片5eが設けられている。本実施形態の歯止め片5eは、
図4(a)の部分拡大図に示すように平面視において薄板状に形成されている。より詳細に説明すると、歯止め片5eは、円環部5cの内周面に対して一体に連結していて、径方向内側に向かうにつれて螺合方向R1とは反対側に傾くように直線状に延在している。なお歯止め片5eは、本明細書等の「外装キャップ側ラチェット部」に相当する。また歯止め片5eは、本明細書等の「ラチェット機構」を構成する部位でもある。
【0032】
図2(a)に示すように頂壁5aの外面部には、下方に向けて延在する円筒状の周壁部(外装キャップ側周壁部5f)が設けられている。外装キャップ側周壁部5fの内周面には、雌ねじ状になる第二ねじ部5gが設けられている。
【0033】
次に、このような外装容器4と外装キャップ5に対してレフィル容器1を取り付けて使用する方法について説明する。まず、
図3に示すように、外装容器4における外装本体側周壁部4bの内側にレフィル容器1を挿入し、容器本体側凸部2eと爪状部4cを係合させる。これにより、レフィル容器1は外装容器4に保持される。このとき、容器本体側第一突起部2fが溝部4eに入り込むため、外装容器4に対してレフィル容器1を回り止めすることができる。
【0034】
次いで、
図4に示すように、外装キャップ5をレフィル容器1に被せてこれを螺合方向R1に回転させる。これにより、第一ねじ部4dと第二ねじ部5gとを螺合させることができる。また第一ねじ部4dと第二ねじ部5gとを螺合させていくと、円環部5cと歯止め片5eが内側環状壁3cと保護壁3eとの間に入り込み、円環部5cに設けた外装キャップ側凸部5dと保護壁3eに設けた蓋体側凸部3hが係合する。なお、外装キャップ5を螺合方向R1に回転させることによって、歯止め片5eは天壁部3aの歯部3gに当たりながら回転していくが、歯止め片5eが当たる部分は歯部3gの非係合面k2であって、歯止め片5eは径方向外側に弾性変形するため、外装キャップ5とともに天壁部3aが共回りすることはない。
【0035】
その後、内容物を塗布するにあたっては、
図5に示すように外装キャップ5を螺合解除方向R2に回転させる。これにより、第一ねじ部4dと第二ねじ部5gとの螺合を解除させることができる。また外装キャップ5を螺合解除方向R2に回転させた際、歯止め片5eは歯部3gの係合面k1に押し当たるため、外装キャップ5の回転力が天壁部3aに伝達される。ここで天壁部3aは、薄肉状の弱化部3nを介して外縁部3jと連結している(
図1の部分拡大図参照)。また外縁部3jは、上述したように容器本体2に対して回り止め保持されている。このため、天壁部3aが回転することで弱化部3nが破断し、収容空間Sを開封することができる。また本実施形態の天壁部3aは、外装キャップ側凸部5dと蓋体側凸部3hが係合しているため(
図4(b)の部分拡大図参照)、第一ねじ部4dと第二ねじ部5gとの螺合解除に伴って上昇する外装キャップ5と一緒に天壁部3aを取り外すことができる。
【0036】
外装キャップ5に係合した天壁部3aは、そのまま外装キャップ5に保持された状態で使用することが好ましい。収容空間Sの内容物は、例えば付け替え容器を持ち運ぶ際に収容空間S内で流動することがあるが、外装キャップ5に天壁部3aを取り付けておくことによって、外装キャップ5の内側への内容物の付着を防止することができる。
【0037】
収容空間Sの内容物を使い切った後は、現在のレフィル容器1を取り外して新たなレフィル容器1に付け替えることができる。外装容器4に取り付けた容器本体2は、容器本体側凸部2eと爪状部4cが係合しているだけなので(
図3の部分拡大図参照)、容器本体2を引き上げることによって、
図6に示すように外装キャップ5から取り外すことができる。
【0038】
また
図6に示すように薄肉部5bを押圧すると、薄肉部5bは外装キャップ5の内側に向けて弾性変形する。これにより天壁部3aも押圧され、
図4(b)の部分拡大図に示した外装キャップ側凸部5dと蓋体側凸部3hとの係合が解除されて、天壁部3aを外装キャップ5から取り外すことができる。上述したように、天壁部3aには内容物が付着することがあるが、新たなレフィル容器1に付け替えることによって新たな天壁部3aが外装キャップ5に保持されるため、清潔性を保つことができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0040】
例えば外装容器4にレフィル容器1を装着した際に、外装容器4に対して容器本体2を回り止めする「回り止め機構」として、本実施形態では
図3に示した容器本体側第一突起部2fと溝部4eで具現化したが、例えば外装容器4と容器本体2との間に軟質材を設け、軟質材の摩擦力を利用した「回り止め機構」を採用してもよい。また「ラチェット機構」も上記の構成に限られない。例えば歯部3gは、上記の実施形態では歯止め片5eの径方向内側に位置して歯止め片5eに対向していたが、対向する向きと配置を入れ替えて、歯止め片5eの径方向外側に歯部3gを位置させてもよい。また「ラチェット機構」は、歯部と歯止め片の組み合わせに限られず、一方向への回転は許容される一方、逆方向への回転が規制される種々の構成が採用可能である。
【0041】
また本実施形態では、外装キャップ5に薄肉部5bを設け、薄肉部5bを弾性変形させることで天壁部3aを外装キャップ5から取り外すように構成したが、薄肉部5bに替えて頂壁5aに貫通孔を設け、また天壁部3aの突出壁3bがこの貫通孔に嵌まり込むように構成してもよい。このように構成する場合には、突出壁3bを直接押圧することによって天壁部3aを外装キャップ5から取り外すことができる。
【符号の説明】
【0042】
1:レフィル容器
2:容器本体
2a:容器本体側底部
2b:容器本体側周壁部
2c:下側フランジ部
2d:円筒部
2e:容器本体側凸部
2f:容器本体側第一突起部(回り止め機構、容器本体側回り止め部)
2g:上側フランジ部
2h:容器本体側第二突起部
3:蓋体
3a:天壁部
3b:突出壁
3c:内側環状壁
3d:連結壁
3e:保護壁
3f:フランジ壁
3g:歯部(蓋体側ラチェット部、ラチェット機構)
3h:蓋体側凸部
3j:外縁部
3k:嵌合穴
3m:蓋体側突起部
3n:弱化部
4:外装容器
4a:外装本体側底部
4b:外装本体側周壁部
4c:爪状部
4d:第一ねじ部
4e:溝部(回り止め機構)
5:外装キャップ
5a:頂壁
5b:薄肉部(取り外し部)
5c:円環部
5d:外装キャップ側凸部(抜け止め部)
5e:歯止め片(外装キャップ側ラチェット部、ラチェット機構)
5f:外装キャップ側周壁部
5g:第二ねじ部
O:軸線
S:収容空間
k1:係合面
k2:非係合面