(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】安全開封キャップ(INJURY-PREVENTIVE CAN COVER)
(51)【国際特許分類】
B65D 17/50 20060101AFI20240220BHJP
B67B 7/40 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65D17/50
B67B7/40
(21)【出願番号】P 2020509478
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 KR2018009382
(87)【国際公開番号】W WO2019066248
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2017-0124991
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520052846
【氏名又は名称】キム,キョン マン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン マン
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0355583(KR,Y1)
【文献】特開2004-189338(JP,A)
【文献】特開2003-212264(JP,A)
【文献】実開昭58-061740(JP,U)
【文献】米国特許第06290084(US,B1)
【文献】実開昭49-038660(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0300922(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0232423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 17/50
B67B 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物が保管される缶の上部から突出するように形成された突出リムと、前記突出リムの内側に形成されて缶の上部を覆っている缶蓋と、前記缶蓋に一側が結合されているタブを含む缶において、前記缶の缶蓋を開封し、前記缶蓋を前記缶から取り外すための安全開封キャップであって、
本体を形成するキャップボディと、
前記キャップボディの外周面から下側に延びる外側壁と、
前記キャップボディの上部面に形成され、前記タブを引き起こすときに爪を保護するために、所定の厚さに突出形成される傾斜面形態のタブ起こし部であって、
前記上部面の一側に前記タブが起こされたときに前記タブの軸またはリベットに接触するか、所定の間隔離隔されるように位置されるタブ起こし部と、
前記キャップボディの上部面に形成され、前記キャップボディが下側に加圧されるときに前記タブの端部の一部が漸次挿入され得る空間が形成されるようにするためのタブ通過手段;を含み、
前記タブ通過手段は、前記キャップボディの一部が切り取られた切取部からなり、
前記切取部は、前記タブ起こし部と接触または前記タブ起こし部から所定の間隔離れた位置に形成される第1切取線と、前記第1切取線から延びるように形成されながら前記第1切取線とは異なる方向に形成される第2切取線を含み、
前記缶蓋の開封時に前記タブを引っ張るとき、前記タブの切れを防止しながら開封過程で前記キャップボディの撓みまたは曲折が容易になるようにするために前記タブ起こし部を基準に、左右側に対応される位置に少なくても1つ以上の屈折切取線
及び屈折切開孔が形成さ
れ、
前記キャップボディの中央部を基準に、前記タブ起こし部が形成された方向を前方と定義し、前記前方の反対方向を後方と定義すれば、前記キャップボディの前方側に
溝ではなく孔である前記屈折切開孔が形成され、前記キャップボディの後方側には前記屈折切取線が形成さ
れ、前記屈折切取線は、前記キャップボディの上部面を基準に
、鋭角になるように傾斜に形成され、
前記タブ通過手段は、前記キャップボディの外周に対して、前記タブ起こし部よりも近くに配置されている、安全開封キャップ。
【請求項2】
前記切取部は、前記切取部の開放される幅を拡張するために前記第2切取線の端部から伸びながら前記第2切取線とは異なる方向に前記突出リムに沿って前記突出リムに近接して所定の長さに切り取られるサブ切取線をさらに含む、請求項1に記載の安全開封キャップ。
【請求項3】
前記サブ切取線の一側端部には、前記キャップボディの加圧によって切取がそれ以上延びないように抑制するための孔構造の切取断絶孔が形成される、請求項2に記載の安全開封キャップ。
【請求項4】
前記タブ起こし部の後方の高さと同一に突出される起こし部支持壁が前記タブ起こし部の後方に隣接または接触するように形成される、請求項1に記載の安全開封キャップ。
【請求項5】
前記突出リムから前記外側壁が脱去されることを防止するために、前記外側壁の内周面に沿って内側方向に所定の厚さに突出形成される密着突起が構成され、
前記密着突起は、前記突出リムの外周面に沿って接するように形成され、前記タブ起こし部に近接する前記前方側の外側壁の内周面には前記密着突起が形成されない、請求項1に記載の安全開封キャップ。
【請求項6】
前記キャップボディの後面から下側に突出して延びる内側壁が形成され、
前記内側壁は、前記外側壁と所定の間隔離隔されることによって、前記内側壁の外側と前記外側壁との間に前記突出リムが密着され、前記内側壁の内側に前記缶蓋の開封時に前記缶蓋が挿入されるように形成される、請求項1に記載の安全開封キャップ。
【請求項7】
前記内側壁には、内側方向に突出形成され、前記缶蓋の開封過程で前記缶蓋が内側壁の内側位置から外側に露出されたり、離脱されたりすることを防止するための蓋引掛片が少なくても1つ以上形成され、
前記蓋引掛片は、前記タブ起こし部を基準に、両側に対応して位置される、請求項6に記載の安全開封キャップ。
【請求項8】
前記キャップボディの中央部を基準に、前記タブ起こし部が形成された方向を前方と定義し、前記前方の反対方向を後方と定義したとき、前記タブ起こし部は、前記キャップボディの前方から後方に移るほどに漸次厚い厚さを有するように形成される、請求項1に記載の安全開封キャップ。
【請求項9】
前記タブ起こし部の上部面の両側には、前記タブの移動をガイドするために所定の厚さに突出形成される1対のタブガイド段差が所定の間隔をおいて形成される、請求項8に記載の安全開封キャップ。
【請求項10】
飲食物が保管される缶の上部から突出するように形成された突出リムと、前記突出リムの内側に形成されて缶の上部を覆っている缶蓋と、前記缶蓋に一側が結合されているタブを含む缶において、前記缶の缶蓋を開封し、前記缶蓋を前記缶から取り外すための安全開封キャップであって、
本体を形成するキャップボディと、
前記キャップボディの外周面から下側に延びる外側壁と、
前記キャップボディの上部面に形成され、前記キャップボディが下側に加圧されるときに前記タブの端部の一部が漸次挿入され得る空間が形成されるようにするためのタブ通過手段と、
前記キャップボディの後面から下側に突出して延びて前記外側壁と所定の間隔離隔されるように形成された内側壁であって、前記内側壁の外側と前記外側壁との間に前記突出リムが密着され、前記内側壁の内側に前記タブの開封時に前記タブが挿入されるようにする内側壁を含み、
前記タブ通過手段は、前記キャップボディの一部が切り取られた切取部からなり、
前記切取部は、前記キャップボディの上部面の一側に前記タブが起こされたときに前記タブの軸またはリベットに接触または隣接して形成され、
前記切取部は、第1切取線と前記第1切取線
の両端のそれぞれから伸びるように形成されながら前記第1切取線
から前記一側に離隔するに連れて互いに間隔が広がるように形成される
2つの第2切取線が形成され、前記切取部の解放される幅を拡張するために前記
2つの第2切取線
それぞれの端部から伸びながら前記第2切取線
から離隔するに連れて前記外周面に沿って互いに間隔が更に広がるように前記突出リムに沿って前記突出リムに近接して所定の長さに切り取られる
2つのサブ切取線を含み、
前記タブ通過手段が、前記キャップボディの外周に隣接して配置されている、安全開封キャップ。
【請求項11】
前記キャップボディの上部面から所定の厚さに突出される傾斜面を有し、前記タブが起こされたときに前記タブの軸またはリベットに接触または所定の間隔離隔される位置に形成されるタブ起こし部をさらに含む、請求項1
0に記載の安全開封キャップ。
【請求項12】
前記突出リムから前記外側壁が脱去されることを防止するために、前記外側壁の内周面に沿って内側方向に所定の厚さに突出形成される密着突起が構成され、
前記密着突起は、前記突出リムの外周面に沿って接するように形成され、前記タブ起こし部に近接する前方側の外側壁の内周面には前記密着突起が形成されない、請求項1
1に記載の安全開封キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが安全に缶蓋が開封できるようにする安全開封キャップに関し、缶蓋を開封するためにタブ(tab)を起こす動作やタブを引っ張って缶蓋を開封する動作のいずれの場合にユーザの爪と指を傷めないようにする安全開封キャップを提案する。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲食物を長期間保管および流通するためには、別名、缶詰と呼ばれる缶を使用しており、このような缶は、大抵金属材質で構成されており、保管された飲食物を取り出すときには缶の上部を開封できるように缶蓋が備えられている。
【0003】
このような缶に保管された飲食物を取り出すためには、缶蓋に取り付けられているタブを缶蓋から起こした状態で指をタブに掛けた後、所定の力でタブを起こす動作を取ることによって缶蓋が破けられるようになっており、このとき、缶蓋はタブの起こす動作によって簡単に破けられるように缶蓋の周囲部に切断部が備えられている。
【0004】
たとえば、よく食べているツナ缶の場合、缶蓋を開けるための別途の道具がなくても缶蓋が開けられるように缶の上面に備えられる缶蓋の周囲部に沿って切取線が備えられており、これによってタブに指を掛けてタブを引っ張る動作により切取線に沿って缶蓋が破けられながら缶蓋が開けられるようにし、別途の道具なしでも缶を開封することができる。
【0005】
このとき、ユーザは、片手では缶の外部の周囲を把持して缶を固定させた状態で他の片手の指をタブに掛けた状態でタブを上方に引っ張って缶蓋を開封する。
【0006】
しかしながら、飲食物を長期間にわたり保管するようになっている缶の材質が金属材質からなり、また缶蓋も金属材質からなっているため、缶蓋の切断面が鋭くならざるを得ず、缶を開封するユーザの手が缶蓋の切断面に切られることになる身体的な安全事故が生ずる場合が頻繁に起きている。
【0007】
特許文献1の場合、缶蓋開封時に安全事故を防止するために安全キャップを提案しており、安全事故の発生を防止するための構成要素として平板のキャップ部と、タブが外部に露出されるようにする開口を開示している。
【0008】
しかし、特許文献1では、ユーザが缶蓋のタブを引っ張る前にタブを回転させるための引き起こし動作をするにおいてユーザの爪にスクラッチが加えられたり、爪が折れたりする危険を持っている。
【0009】
また、上記特許文献1では、タブを引っ張って缶蓋を開封する過程で缶蓋の鋭い縁がそのまま露出されてユーザの手や指に傷が生じる可能性が極めて高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、飲食物が保管される缶蓋を開封するにあたり、ユーザの安全に万全を期することのできる装置であり、缶蓋に構成されたタブを起こす動作、起こされたタブをユーザが引っ張る1次開封動作およびタブを継続して引っ張って缶蓋を完全に開封する2次開封動作のいずれにおいてもユーザの安全を配慮することのできる装置を提案する。
【0012】
特に、本発明の安全開封キャップは、ユーザが安全開封キャップの上部面を下側に加圧し、安全開封キャップを缶蓋に密着されたタブ側に密着移動させることによってタブが漸次起こされるようにすることにより、缶蓋に密着されて横たわっているタブを直接爪で引き起こす必要のない安全開封キャップを提案する。
【0013】
さらに、缶蓋の開封過程で缶蓋が安定的に曲折または撓むように案内することができ、鋭い面を有する缶蓋によって開封過程中に安全事故が生じないようにする安全開封キャップを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の安全開封キャップは、飲食物が保管される缶の上部から突出されるように形成された突出リムと、上記突出リムの内側に形成されて缶の上部を覆っている缶蓋と、上記缶蓋に一側が結合されているタブを含む缶において、上記缶の缶蓋を開封するための安全開封キャップであり、本体を形成するキャップボディと、上記キャップボディの外周面から下側に延びられる外側壁と、上記キャップボディの上部面から所定の厚さに突出されるように形成され、傾斜面を有するタブ起こし部と、上記キャップボディの上部面に形成され、上記キャップボディが下側に加圧されるときに上記タブが挿入され得る空間が形成されるようにするためのタブ通過手段を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の安全開封キャップにより、缶蓋に構成されたタブを起こす動作、起こされたタブをユーザが引っ張る1次開封動作およびタブを継続して引っ張って缶蓋を缶から完全に分離して開封する2次開封動作のいずれにおいてもユーザの安全を保障することができる。
【0016】
また、ユーザが爪でタブを直接引き起こす必要がないため、タブを引き起こすときに爪が折れることを未然に防止できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図5】本実施例の安全開封キャップの下面構造において
図4とは異なる構造を示す図である。
【
図6】本発明の第2実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図8】本実施例の安全開封キャップに適用され得る屈折切開線と屈折切取孔を説明するための図である。
【
図9】本実施例の安全開封キャップに適用され得る屈折切開線と屈折切取孔を説明するための図である。
【
図10】本実施例の安全開封キャップに適用され得る屈折切開線と屈折切取孔を説明するための図である。
【
図11】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【
図12】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【
図13】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【
図14】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【
図15】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【
図16】本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封するときの下面を示す図である。
【
図17】本発明の第3実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【
図18】本発明の第3実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【
図19】本発明の第4実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【
図20】本発明の第4実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【
図21】本実施例の安全開封キャップを構成する内側壁の様々な形状を示す図である。
【
図22】本実施例の安全開封キャップを構成する内側壁の様々な形状を示す図である。
【
図23】本実施例の安全開封キャップを構成する内側壁の様々な形状を示す図である。
【
図24】本実施例の安全開封キャップの下部面を示す図である。
【
図25】本発明の他の実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【
図26】本実施例の安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~
図4は、本発明の第1実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【0019】
まず
図1および
図2を参照し、本実施例の安全開封キャップの上部側の構成を説明すると、安全開封キャップ100は、缶に構成された缶蓋の形状と対応される形状からなるキャップボディ101と、上記キャップボディ101に形成された切取部140と、上記キャップボディ101に所定の厚さに突出された形状からなるタブ起こし部130と、上記キャップボディ101から下側に延びられるように形成されて缶10の突出リム40外側に密着固定される外側壁110を含む。
【0020】
上記キャップボディ101は、安全開封キャップの本体を形成する構成であり、図に円形状からなっているが、四角形状やその他の形状の缶に安全開封キャップが実施される場合であれば、その缶の形状ないしは缶蓋の形状に対応されるように模様が決定され得る。
【0021】
一般に缶蓋20を開封するとき、まず爪でタブ30を引き起こした後、タブ30を引っ張って開封をする。したがって、タブ30を引き起こすときには爪が折れたり、開封過程で缶蓋20の外周に指を切られる事故が生じたりもする。これを防止するために道具を用いて開封する場合もある。
【0022】
本発明は、缶10と一体型に結合されて流通保管し、缶10の飲食物を摂取するときに
図15のように上記切取部140に上記タブ30を挟んだ後、タブ30を引っ張って安全に開封できるようにするものである。
【0023】
すなわち、他の道具が必要なく、上記缶蓋20に密着されて横たわっている上記タブ30を爪を用いずに引き起こし得るようにし、開封過程で指が切られる事故を防止して安全に上記缶蓋20が開封できるようにする。
【0024】
さらに、開封時に安全開封キャップ100を用いることにより、安全開封キャップ100を引っ繰り返すなどの別途の作動行為なしにタブ30を上記切取部140に挿入させて開封する単純な動作によって、爪を保護して指に対する安全事故を防止して安全に上記缶蓋20が開封できるようにして簡便性と実效性を高める。
【0025】
本発明の安全開封キャップ100の構成分類は、タブ30を引き起こすときに爪を保護しながら引き起こし得るようにする構成部分と、開封過程で上記缶蓋20による事故を防止して安全に開封できる部分で構成される。
【0026】
爪を保護しながら上記タブ30を引き起こし得る構成要素は、上記で言及した上記キャップボディ101の上面に構成された切取部140とタブ起こし部130がある。
【0027】
そして開封過程で缶蓋20による事故を防止するための構成要素は、上記切取部140と、下記で各部分別に説明する上記外側壁110に形成される屈折切取線160および屈折切開孔170と、また上記キャップボディ101の下面に形成される内側壁120と蓋引掛片121がある。
【0028】
上記タブ30を上記切取部140に挿入することは、上記タブ30を爪で引き起こした後に上記切取部140をタブ30に挿入させることもでき、爪を保護しながら上記タブ30を引き起こすためには
図12のように、上記タブ30が上記缶蓋20に密着されて横たわっている状態で挿入させることができる。
【0029】
まず、爪を保護しながら上記タブ30を引き起こすようにする上記切取部140と、上記タブ起こし部130に対して詳細に説明する。
【0030】
上記切取部140は、上記で言及したように、上記缶蓋20を開封するとき、上記缶蓋20に密着されている上記タブ30を上記切取部140に通過させ、上記キャップボディ101の上面に露出させるためのタブ通過手段となる。以下で説明するが、本実施例でのタブ通過手段は、上記切取部140として構成されるか、
図19と
図20に例示されたタブ流入孔340のように、キャップボディに形成された孔として構成され得る。
【0031】
上記切取部140は、開封時に上記タブ30が起こされる位置であり、
図11~
図13のように爪を保護しながら上記タブ30を引き起こすときに上記缶蓋20と上記タブ30が密着されているのを隙間ができるようにする機能と、開封時に
図15のように、起こされた上記タブ30を引っ張って開封するとき、タブ30が起こされた位置から下方に(タブを引っ張る方向)押されて下がらないようにする支持台機能をして安全に開封できるようにする。
【0032】
上記切取部140は、上記キャップボディ101の一側端部(縁)と上記タブ起こし部130との間に切り取られる部位に該当する第1切取線141と、上記第1切取線141と上記キャップボディ101の一側端部との間に形成されてキャップボディの開放大きさを増加させるために上記第1切取線141とは異なる方向に切り取られる第2切取線142を含む。
【0033】
すなわち、上記第1切取線141が第1方向に切り取られる部位とすれば、第2切取線142は、上記第1切取線141から延びられる切取部位でありながら、上記第1方向とは異なる方向にその切取が形成される領域とすることができる。
【0034】
開封時、ユーザが
図11および
図12のように、上記キャップボディ101を下方に加圧しながら上記切取部140を上記タブ30の取っ手(ループ部分)端部の下に位置しておき、上記キャップボディ101を上記タブ30軸(リベット)方向に押して移動させると、上記タブ30が上記切取部140に挿入が始まりながら缶蓋20と隙間ができる。
【0035】
さらに、
図13のように、上記タブ30が上記切取部140に挿入になりながら上記タブ起こし部130によって缶蓋20から漸次広がることになる。上記キャップボディ101を下方に加圧するとき、上記キャップボディ101がスムーズに下降されるようにして、タブ30が上記切取部140に容易に挿入されるように、上記第1切取線141と第2切取線142とともに開放される幅を拡張するための第1サブ切取線143と第2サブ切取線144がさらに形成され得る。
【0036】
第1サブ切取線143は、上記第2切取線142の端部から延びられる切取部位であり、上記第2切取線142とは異なる方向に切り取られるように形成される。そして、上記第2サブ切取線144は、上記第1サブ切取線143の一側端部から延びられる形状で構成され、上記第1サブ切取線143と第2サブ切取線144も互いにその切り取られる方向が異なるように構成され得る。
【0037】
そして、その切取方向が異なるが、相互連結されている切取線の端部にはその切取が断絶されるようにするための切取断絶孔150が形成される。上記切取断絶孔150が形成されることにより、切取線によってキャップボディの一部領域が開放されるときに切取線が形成されない領域まで破けられたり、破損されたりすることが防止され得る。
【0038】
一方、上記切取部140によってキャップボディ101の一部が開放され、ユーザが安全開封キャップ100をタブ側に移動させる場合、上記タブの一側端部が缶蓋から広がる方向に該当する垂直方向に回転しながら浮き上がり動作が生ずるようにするためのタブ起こし部130に対してより詳細に考察する。
【0039】
上記タブ起こし部130は、上記キャップボディ101の上部面に所定の厚さに突出される形状からなりながら、上記タブ起こし部130の上部面には流入されるタブ30の移動をガイドするためのタブガイド段差132が突出して形成される。
【0040】
上記タブガイド段差132は、上記タブが漸次上記タブ起こし部130と接触する面積が増加されるにつれ、その移動方向を案内するためのものであり、たとえば、1対のタブガイド段差が間隔をおいて形成され得る。
【0041】
そして、上記タブ起こし部130は、その断面形状が
図3に示したように、一側から他側に移るほどにその高さが漸次増加する形状、すなわち、傾斜面131からなり、このような形状によってタブ30の流入面積が漸次増加するほどに自然にタブ30の垂直方向回転が行われるようになる。
【0042】
ここで、安全開封キャップの前方は、キャップボディ101の中央部を基準に、缶のタブ30がキャップボディの上面に挿入される領域側と定義することができ、安全開封キャップの後方は、上記キャップボディ101の中央部を基準に、上記前方と反対側位置と定義することができる。すなわち、キャップボディ101の中央部を基準に、タブ起こし部が形成されている方向を前方、その反対方向を後方と定義することができる。
【0043】
詳細に、上記切取部140とタブ起こし部130は、上記キャップボディ101の中心部から、ある一側に偏心される位置に構成される。上記切取部140は、上記キャップボディ101が缶の突出リム40に結合された状態から見たとき、上記タブ30軸(リベット)の中央部側に形成され、上記タブ起こし部130は、上記切取部140を通って入って来るタブを自然に起こすようにするために、
図1のように、第1切取線141に隣接されるようにするか、または接触するようにすることができる。このように、これらの構成は、キャップボディ101の中央部から一側方向に偏心された位置に配置される。
【0044】
上記タブ起こし部130は、一方向(長手方向)に延びられる形状である長方形に形成されてもよく、上記第1切取線141は、上記タブ起こし部130の長手方向と平行して形成されてもよい。また、上記第2切取線142は、上記第1切取線141とともにキャップボディ101の上面に上記タブ30が容易に挿入され得るように開放領域を拡張させるための役割をするものであり、上記第1切取線141の各端部から外側方向につながる形状を有する。
【0045】
ここで開封過程の実施例によってより詳細に説明する。
図11~
図15は、本発明の実施例にしたがって安全開封キャップを用いて缶蓋を開封する過程を示す図である。
【0046】
まず
図11に示したように、缶10と一体型に缶に結合されている安全開封キャップ100を分離した後、ユーザが爪を保護しながらキャップボディ101の上部面を加圧しながら缶蓋の開封が始まる。
【0047】
図12に示したように、缶10の上部を密閉するために設けられた缶蓋20を開封するために、安全開封キャップ100のキャップボディ101をユーザが指で加圧することになると、切取部140によって上記タブ起こし部130の一部が上記第1切取線141より低い位置に下降し、切取部140によってキャップボディ101に上記タブ30が挿入され得る隙間が形成される。
【0048】
そして安全開封キャップ100を上記タブ30側に押せば、タブ30の一側が缶蓋20に接した状態から切取部140の隙間に漸次挿入され、タブ30の他側は缶蓋20に結合状態となる。
【0049】
安全開封キャップ100の切取部140にタブ30の端部の一部が挿入されると、ユーザが安全開封キャップ100を徐々にタブ30側に押し入れることになり、このとき、キャップボディ101の上部面に構成されたタブ起こし部130がタブ30の下側に押されて入りながらタブ30の一側端部が漸次缶蓋20から離れて広がる回転動作が生ずる(
図11~
図13参照)。
【0050】
上記タブ起こし部130によってタブ30が漸次浮き上がることになり、缶蓋20に密着されたタブ30を引き起こす途中に爪や指を傷めることが防止できるものである。すなわち、
図13に示したように、タブ30が缶蓋20から所定の距離離隔されるように回転された状態では、爪を用いる必要がなく浮き上がっているタブ30を指で簡単に垂直に引き起こすことができる(
図14参照)。
【0051】
上記安全開封キャップ100を上記タブ30側に押して入れるとき、上記外側壁110に屈折切取線160が形成されているが、屈折切取線160が鋭角になっているために外側壁110が突出リム40に引っ掛かったり、妨げを受けたりしない。屈折切取線160に対しては、下記に説明する。
【0052】
図14のように、ユーザがタブ30を缶蓋20に対して直角に近く起こせば、タブ30が
図15のように、第1切取線141の位置に隣接または接触され(
図17の実施例の場合は、第2切取線242の位置に隣接または接触する)、上記タブ30を引っ張れば、タブ30が第1切取線141の切り取られた面(
図17の場合には、第2切取線242の切り取られた面)に支持になって押されて下がらずにタブ30の位置が固定される。したがって、タブ30を起こすとき、缶蓋20とキャップボディ101がともに対等に屈折されながら同伴開封になる。したがって、缶蓋20とキャップボディ101が並行して撓むか、曲折されて密着が向上される。これによって上記缶蓋20と上記キャップボディ101との間が浮き上がる現象が顕著に低下され、缶蓋20がキャップボディ101の外側に露出されることを防止して安全に開封することができる。
【0053】
次いで上記タブ30を起こして開封する過程で缶蓋20による事故を防止する、内側壁120と蓋引掛片121と屈折切取線160および屈折切開孔170に対して順次的に説明する。
【0054】
図4と
図5には、本実施例の安全開封キャップの下部構成が示されている。
【0055】
図4と
図5は、それぞれ他の実施例を示したものであり、
図5の場合には、内側壁120に蓋引掛片121が形成される場合である。
【0056】
まず
図4を参照すると、本実施例の安全開封キャップ100は、通常飲食物を保管する缶に形成される突出リム40(
図12参照)と結合されるようにするために、上記で言及した外側壁110と外側壁110の内側に形成した内側壁120を含む。
【0057】
上記内側壁120は、開封時に上記タブ30を起こすとき、安全開封キャップ100が缶の突出リム40から突然離脱されることを防止するために形成される。
【0058】
上記内側壁120は、屈曲がなく平面形状である上記キャップボディ101の下部面から延びられて垂直に突出される形状を有しながら、上記キャップボディ101の下部面全体または一部に形成される。
【0059】
すなわち、上記内側壁120は、上記外側壁110とは所定の距離離隔されるように配置され、上記内側壁120と外側壁110との間に缶の突出リム40が挿入されるようにし、また開封時に上記缶蓋20が上記内側壁120の内側に挿入されて入り得るようにする。
【0060】
上記内側壁120を形成しなければ、開封時に上記タブ30を引っ張って缶蓋20を開封するとき、上記タブ30を引っ張る張力によって安全開封キャップ100が缶の突出リム40から突然下方に摺動離脱される。それによって缶蓋の鋭い面がそのまま露出されて身体に対する事故が生ずることになる(
図15および
図26参照)。したがって、缶10から安全開封キャップ100の離脱を防止するように内側壁120を形成する。すなわち、缶蓋20を開封するときに、タブ30を引っ張る力が、上記タブ30が位置したキャップボディ101前方よりは反対位置であるキャップボディ101後方に力が集中されて安全開封キャップ100が上記突出リム40の後方に押されて離脱される力が加えられる。しかしながら、上記内側壁120が突出リム40の内側面に引っ掛かって抵抗を受けることになることにより、安全開封キャップが後方に押されて缶から離脱されるのを防止することができる。
【0061】
さらに、上記内側壁120は、開封過程中に鋭い缶蓋20の外周が露出されないように包む役割を行なう。これに対しては、以下で説明する。
【0062】
そして、上記内側壁120にも上記外側壁に形成された屈折切取線または屈折切開孔に対応される位置に屈折切取線と屈折切開孔が形成され得る。
【0063】
缶蓋開封時に缶蓋が撓むか、屈折される形状変形によって缶蓋の鋭い端部が露出されないようにするために、
図5および
図16に示したように、開封過程で缶の缶蓋20が位置される上記内側壁120の内周面に所定の厚さに突出形成された蓋引掛片121も構成され得る。
【0064】
上記蓋引掛片121を形成しなければ、上記タブ30を引っ張って開封するとき、上記缶蓋20が撓むか、屈折される形状変形が生じて安全事故の危険性が極めて高くなる。すなわち、上記タブ30を左右に揺らして引っ張るとき、引っ張る力が一定でなければ、撓んだり、屈折されたりした缶蓋20がキャップボディ101の下部面から離れて広がる缶蓋20の外周が露出されて指を痛める可能性がある。
【0065】
しかしながら、上記内側壁120の内周面に上記蓋引掛片121が構成されることにより、上記缶蓋20の開封過程で安全性を固めることができる。
【0066】
上記蓋引掛片121を構成し得るのは、上記内側壁120が屈曲なく平面形状である上記キャップボディ101から下側に垂直突出して形成されたために可能なことである。すなわち、上記内側壁120は、上記蓋引掛片121を構成し得る基盤になる。上記蓋引掛片121に対して詳細に説明する。
【0067】
図16には、本発明の実施例にしたがって安全開封キャップ100を用いて缶蓋20を開封するときの下面の模様が示されている。
図16のように、上記缶蓋20が開封されながら蓋引掛片121に届き、タブ30を引っ張る張力によって蓋引掛片121が撓んで屈折されながら上記缶蓋20がキャップボディ101の下面に入って来て上記内側壁120の内側に定着することになる。これによって上記缶蓋20の外周を内側壁120と外側壁110が二重に包み、開封過程でタブ30を左右に揺らして開封するとき、タブ30を引っ張る力が一定でなくても揺動される缶蓋20が蓋引掛片121に引っ掛かるため、缶蓋20が内側壁120から外側に露出されたり、離脱されたりせずに位置が維持される。また缶10と缶蓋20を完全に分離して開封を行なっても上記蓋引掛片121が缶蓋20の離脱を防止し、鋭い缶蓋20による安全事故を予防することができる。
【0068】
図21~
図23は、本実施例の安全開封キャップを構成する内側壁120の様々な形状を示す図である。
【0069】
図4と
図5に示した内側壁120の形状は、タブ起こし部130が形成されている位置近くには内側壁が形成されないため、全体的に内側壁120の形状が「C」字形状を有する。
【0070】
他の実施例では、
図21に示したように、キャップボディ101の外周面に沿って形成されている外側壁110と対応される形状であり、全体的に内側壁120が円形または楕円形の形状、より正確には缶の突出リムの形状と対応される形状からなり得る。
【0071】
さらに、他の実施例では、
図22に示したように、キャップボディ101の前方向の一部と、後方向の一部を除いて残りの領域に内側壁が形成され得、この場合に内側壁は、キャップボディ101の一側に形成される第1内側壁122と、キャップボディ101の他側に形成される第2内側壁123を含む。
【0072】
さらに、他の実施例では、
図23に示したように、キャップボディ101の後方向の一部にのみ内側壁が形成され得、この場合に内側壁は、後方内側壁124のみが形成される場合になり得る。
【0073】
上記外側壁110には、上記で言及した屈折切取線160および屈折切開孔170と密着突起111が形成され得る。
【0074】
上記屈折切取線160と屈折切開孔170は、缶蓋20による事故を防止し、また上記缶蓋20を開封するときに開封が容易になるように形成され、上記密着突起111は、流通過程中に缶10に結合された安全開封キャップ100が簡単に脱去されることを防止するために形成される。
【0075】
まず上記密着突起111に対し、詳細に説明する。上記密着突起111は、
図4のように、上記外側壁110の内周面に所定の厚さに突出形成され、缶の突出リム40の外側に密着されて固定される。
【0076】
このように、上記密着突起111が形成されることにより、流通過程中に安全開封キャップ100が缶10から簡単に脱去されることを防止することができる。上記密着突起111は、上記外側壁110の内周面全体に形成されるか、一部には形成されない場合がある。
【0077】
図24は、本発明の上記密着突起111を上記外側壁110の内周面一部にのみ形成したのを示す安全開封キャップの下部面の図である。
【0078】
上記密着突起111を
図24と異なって上記外側壁110の内周面全体に形成する場合には(円形形態)、開封時に上記タブ30を起こした後、タブ30を初期に引っ張るとき、
図4のように、突出形成された密着突起111が缶10の突出リム40に引っ掛かって安全開封キャップ100が上記突出リム40から簡単に外れないため、開封が困難になる。これによって上記タブ30に力を入れて引っ張ることになってタブ30が切れる可能性がある。
【0079】
したがって、第1切取線141の長手方向に横切る位置を基準に、タブ起こし部130の方向が後方とするとき、前方側(タブ起こし部130の反対方向)の外側壁110の内周面部分は、
図24のように密着突起111を形成しないようにする(第1切取線141とタブ起こし部130の位置は、
図1参照)。そうして上記タブ30を初期に引っ張るとき、安全開封キャップ100が缶10の突出リム40から容易に外れるようにしてタブ30の切れを防止するようにする。
【0080】
すなわち、密着突起111を「C」字形状にするか、また上記屈折切開孔170が位置された所にも一部分除去することもできる。
【0081】
上記屈折切開孔170が位置する外側壁110に上記密着突起111があれば、突出された密着突起111の厚さによって開封時に上記外側壁110の撓みおよび曲折作用に反発力が生ずる。したがって、上記屈折切開孔170が位置された所にも密着突起111を一部分除去し、開封時に外側壁110の撓みおよび曲折作用に反発力を低下させて開封が容易になるようにする。
【0082】
上記で言及した上記外側壁110に形成された屈折切取線160に対して説明する。上記屈折切取線160は、
図4および
図15のように、開封時に親指を支持する上記キャップボディ101の中央部周囲から左右に対称して上記外側壁110に形成される。
【0083】
上記屈折切取線160を形成するのは、上記缶蓋20の開封過程で生ずる上記外側壁110の反発力を消滅させ、上記缶蓋20と上記キャップボディ101の密着性が向上されるようにし、安全に缶蓋20を開封するために形成される。
【0084】
上記外側壁110に屈折切取線160を形成せずに安全開封キャップ100を開封する場合には、開封過程で窪んで撓みながら屈曲されて形状変形になった缶蓋20と、外側壁110の反発力で撓みおよび屈折が容易でない上記キャップボディ101が対等に撓んだり、屈曲されたりしない。したがって、缶蓋20を左右に揺らしながら開封するとき、上記缶蓋20と上記キャップボディ101が密着性を維持せずに浮き上がることになり、露出された鋭い缶蓋20に指を傷める事故が生じ得る。しかし、上記屈折切取線160が形成されることによって安全に開封することができる。
【0085】
上記外側壁110が開封過程で反発力が生ずるのは、外側壁110の形態が
図4および
図5のように、リング(ループ)状に上記キャップボディ101の外周面から下側に垂直突出されたためである。
【0086】
したがって、上記外側壁110に屈折切取線160を形成し、開封時に上記タブ30を引っ張るときに外側壁110に形成された上記屈折切取線160が自然に完全切開されるようにして外側壁110の反発力が消滅されるようにする。それによって外側壁110の反発力が消滅されて上記キャップボディ101が容易に屈曲されることになり、キャップボディ101と缶蓋20が対等に屈曲されて密着が向上される。したがって、開封過程でタブ30を左右に揺らして引っ張るとき、引っ張る力が一定でなくても缶蓋20の露出が防止されて安全に開封することができる(
図15、
図16および
図26参照)。参考ながら、
図26には、タブを引っ張るときに内側壁120が缶の突出リム40に密着されて安全開封キャップが下方に摺動離脱されることを防止する構成に対して部分拡大図として示されている。
【0087】
さらに、上記外側壁110に上記屈折切取線160を形成しなければ、上記外側壁110がリング(ループ)状に上記キャップボディ101から下側に垂直突出され、タブ30を引っ張るときに上記外側壁110が縮まる現象が生ずる。これによって安全開封キャップ100が缶10の突出リム40に結合された状態でタブ30を引っ張れば、外側壁110の内面に突出形成された上記密着突起111が缶の突出リム40にぴったりと当て嵌まり、開封が容易ではなくなる(
図4および
図24の密着突起参照)。
【0088】
したがって、タブ30に力を入れすぎて引っ張れば上記タブ30が切れる可能性があるが、上記屈折切取線160を構成すると、上記タブ30を引っ張るときに開封になりながらリング(ループ)状の上記外側壁110に形成された上記屈折切取線160が自然に完全切開になって縮まる現象が消滅される。これによってタブ30の切れを防止しながら容易に開封することができる。無論、上記キャップボディ101をユーザが開封前に人為的に上記屈折切取線160を完全に切開して用い得ることは当然である。
【0089】
上記屈折切取線160は、
図9および
図10のように、キャップボディ101から鋭角に形成されるか、または垂直に形成され得、開封過程で切取になるときに追加的な切取および破損が生ずることを防止するために切取断絶孔161が形成され得る。上記切取断絶孔161は、必要に応じて形成してもしなくてもよい。
【0090】
上記屈折切取線160は、一部分切開して一部分切り込みを入れ、流通過程ではキャップボディ101が缶10の突出リム40に堅固に結合されるようにし、開封時にタブ30を引っ張るときに自然に完全切開になるようにする。
【0091】
上記外側壁110には、缶10の大きさによって左右に対応される屈折切取線160のみで1つまたは追加して形成することができ、または
図11~
図15のように、屈折切取線160と屈折切開孔170を並行して形成することができる。
【0092】
屈折切取線160と屈折切開孔170を並行して形成するときに形成される位置は、一実施例として
図8および
図11のように、上記キャップボディ101の中央部位をCと示したとき、タブ起こし部130側を前方と定義し、反対側を後方と定義すれば、上記屈折切開孔170は、前方側に偏心された位置に形成され、上記屈折切取線160は、反対に後方側に偏心された位置に形成され得る。
【0093】
このように、上記屈折切開孔170と屈折切取線160を並行して形成することができ、または並行せずに屈折切取線160のみ追加して前方と後方いずれも屈折切取線160に形成するか、または前方と後方いずれも屈折切開孔を形成することができる。
【0094】
さらに説明すると、上記タブ起こし部130を基準に、左右側に対応される位置に少なくても1つ以上の屈折切取線160または少なくても1つ以上の屈折切開孔170が形成されるか、上記屈折切取線160と屈折切開孔170いずれも形成され得る。たとえば、上記キャップボディ101の中央部基準に、上記キャップボディ101の前方側に上記屈折切開孔170が形成され、上記キャップボディ101の後方側には上記屈折切取線160が形成され得る。反対に、上記キャップボディ101の前方側に上記屈折切取線160が形成され、上記キャップボディ101の後方側には上記屈折切開孔170が形成され得る。
【0095】
上記屈折切開孔170の形状は、四角、三角および円などの模様からなり得る。
【0096】
上述のように、上記キャップボディ101の前方と後方に屈折切開孔170と屈折切取線160を並行して形成したり、または前方と後方いずれも屈折切取線160または屈折切開孔170を形成したりしたとき、
図15のように、キャップボディ101を支持する親指の支持位置による開封過程を考察する。
【0097】
開封時にタブ30を引っ張るときに親指の支持する位置を
図15のようにキャップボディ101の後方に離れて行なう場合は、上記屈折切取線160が切開になって外側壁110と内側壁120の撓みおよび曲折作用に反発力が弱化されて開封が容易になる。そして、親指の支持する位置をタブ起こし部130に近くする場合には、タブ30と近い位置を親指で押さえながらタブ30を引っ張ることになるために開封が困難であるが、キャップボディ101の前方に屈折切開孔170(孔ないし溝形態)または屈折切取線160が形成され得るため、外側壁110と内側壁120の撓みおよび曲折作用の反発力が弱化されて開封が容易になる。したがって、親指が缶蓋20を支持する位置が自由になり得る。
【0098】
さらに開封過程でタブ30を引っ張るときに、缶蓋20が撓みおよび曲折されて形状変形になるが、缶蓋20の撓みおよび曲折が屈折切取線160または屈折切開孔170の周囲で行われ、缶蓋20とキャップボディ101が対等に撓むか、曲折されて密着が向上される。
【0099】
これにて開封過程でタブ30を左右に揺らして引っ張るとき、引っ張る力が一定でなくても缶蓋20とキャップボディ101との間が浮き上がる現象が顕著に低下されて安全に開封することができる。
【0100】
次いで、本発明の安全開封キャップ100を加圧しながら上記タブ30側に押し入れて移動させ、上記タブ30が缶蓋20から離れて広がるように起こされる動作の過程での上記屈折切取線160と上記屈折切開孔170に対して説明する。
【0101】
上記缶蓋20を開封するとき、上記外側壁110に屈折切取線160または屈折切取線160と屈折切開孔170を並行して形成すれば、開封の容易さと安全性を確保することができる。
【0102】
上記屈折切取線160と上記キャップボディ101上部面とのなる角度は様々に変更することができる。しかし、安全開封キャップ100を加圧しながら上記タブ30側に押し入れて移動させるとき、上記屈折切取線160が缶10の突出リム40に引っ掛かって安全開封キャップ100を押しながら移動させるのに妨げにならないようにする。
【0103】
図11~
図13を参照して説明すると、上記キャップボディ101の中央部位から前方(タブ起こし部130側の方向)に上記屈折切取線160が形成されれば、安全開封キャップ100を加圧しながらタブ30側に押して移動させるとき、上記屈折切取線160の隙間が缶10の突出リム40に引っ掛かって妨げになる。
【0104】
したがって、上記キャップボディ101の前方に、孔ないし溝で形成された屈折切開孔170を形成する。
【0105】
さらに、後方には、開封時に完全切開になる上記屈折切取線160を形成するものの、
図10のように、垂直に形成すれば、缶10の突出リム40に引っ掛かることになるため、
図9のように、鋭角に形成して安全開封キャップ100を上記タブ30側にスムーズに移動させ得るようにする。
【0106】
無論、
図12のように、開封を始める前に、まず上記屈折切取線160を手で切開させた後に、安全開封キャップ100を加圧しながらタブ30側に移動させて開封を始めることができ、この場合、上記外側壁110の反発力が弱化された状態のため、安全開封キャップ100を把持して加圧することとタブ30側に押して移動させることが容易になる。
【0107】
図6および
図7は、本発明の第2実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【0108】
図6および
図7に示される安全開封キャップの場合、キャップボディ101の中央を横切る切取線が形成される場合であり、安全開封キャップを用いて缶蓋を開封するときにキャップボディの撓みないしは屈曲を容易にして開封過程で上記キャップボディ101と上記缶蓋20の密着が向上されるようにするためのものである。
【0109】
すなわち、上記キャップボディ101には、缶蓋20開封時にキャップボディ101の中央部位が曲折されるようにするためのキャップボディ屈折切取線210が形成される。上記キャップボディ屈折切取線210は、キャップボディの中心部周囲を横切るように形成され、上記屈折切開孔170と上記屈折切取線160に連結されるように形成されるか、または上記屈折切開孔170と上記屈折切取線160に連結せずに形成され得る。上記キャップボディ屈折切取線210は、缶10の大きさによって1つまたは追加して形成されてもよく、上記キャップボディ屈折切取線210は、切り込みを入れるか、薄く形成されてもよい。
【0110】
図17および
図18は、本発明の第3実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【0111】
図17および
図18を参照すると、タブ通過手段が上記実施例で例示された切取部の構成と異なる切取線と、起こし部支持壁243が形成される場合が例示される。
【0112】
すなわち、示されているように、ユーザがキャップボディ101を下側に加圧するときに、上記タブ起こし部130の前方にタブ30が挿入され得るように隙間が形成され、安全開封キャップ100を上記タブ30側に押してタブが挿入されるときに、タブ起こし部130がタブ下側面に接触し得るようにするための切取部240が構成される。
【0113】
上記切取部240は、上記キャップボディ101を加圧するときに上記タブ起こし部130の一部が下降するように切り取られた第1切取線241が、上記タブ起こし部130から所定の間隔離れた位置に形成された第2切取線242と連結して形成される。
【0114】
上記キャップボディ101を下側に加圧しながら上記タブ30側に押して移動させると、上記タブ起こし部130の一部が第2切取線242より低い位置に下降することになり、上記第2切取線242とタブ起こし部130との間にタブ30が挿入になりながらタブ起こし部130によってタブ30の一側端部が缶蓋20から広がる回転動作が生ずる。
【0115】
このように、第3実施例の場合、
図17のように、上記タブ起こし部130を形成してタブ起こし部130によって缶蓋20から離れて広がったタブ30を爪を用いる必要がなく指で引き起こした後に開封することができる。また、上記タブ起こし部130の後方に
図18のように、傾斜面131を有するタブ起こし部130の後方(傾斜面の高い側)高さと同一に突出される起こし部支持壁243を上記タブ起こし部130に隣接または接触するように形成することができる。
【0116】
上記起こし部支持壁243は、開封時に上記タブ30を起こしながら引っ張るとき、タブ起こし部130が過度に上方に起こされることを防止するためのものである。
【0117】
すなわち、上記キャップボディ101またはタブ起こし部130を上記タブ30側に押しながら下側に加圧するときには、
図18のように、第1切取線241がタブ起こし部130まで形成されており、タブ起こし部130の一部のみ低い位置に下降され、上記起こし部支持壁243はそのままとなる。
【0118】
そして上記タブ30を起こしながら引っ張るときには、下降された上記タブ起こし部130が上昇することになるが、上記起こし部支持壁243がタブ起こし部130を支持してタブ起こし部130が過度に上方に起こされることを防止することができる。
【0119】
図19および
図20は、本発明の第4実施例による安全開封キャップの上部面の構成を示す図である。
【0120】
第4実施例の安全開封キャップ100は、キャップボディ101の上部面にタブ起こし部130が形成されるのは同一であるが、上記タブ起こし部130の前方には切取部または切取線の代わりに、タブ通過手段がタブ30の挿入が可能な大きさのタブ流入孔340で形成される場合である。
【0121】
図19および
図20には、上記タブ流入孔340が扇形状ないしは菱形状からなっているが、長方形状や楕円形状など、タブ30が挿入または流入され得る模様であれば、いかなる模様も可能であろう。
【0122】
第4実施例の場合にも、ユーザがキャップボディ101を下側に加圧することになれば、上記タブ起こし部130が下降することになり、ユーザが安全開封キャップ100をタブ側に押せば、タブ30が上記タブ流入孔340を通って挿入されながらタブ30の下面が上記タブ起こし部130によって起こされながら回転が行われる。
【0123】
そして、起こされた上記タブ30を爪ではなく指で垂直に引き起こせば、上記タブ30がタブ支持面341に隣接または接触する。
【0124】
したがって、開封時に起こされた上記タブ30を引っ張れば、タブ30が上記タブ支持面341に支持になって押されて下がらずにタブ30の位置が固定になる。そうして上記缶蓋20とキャップボディ101が同伴して開封になり、開封過程で缶蓋20とキャップボディ101が対等に撓むか、曲折されて密着が向上されるため、安全に開封することができる。
【0125】
第4実施例の場合、
図20のように、タブ流入孔340に接した外側壁110を除去することもできる。
【0126】
図25は、本発明のさらなる実施例による安全開封キャップの構成を示す図である。
【0127】
図25に示される安全開封キャップの上面の場合、タブ起こし部130を形成せずにタブ通過手段である切取部140の第1切取線141と第2切取線142、そして第1サブ切取線143と第2サブ切取線144と切取断絶孔150で構成され得る。
【0128】
上記で説明したように、上記第1サブ切取線143と上記第2サブ切取線144が切取部140とともに開放される幅を拡張することになる。これによって安全開封キャップ100を加圧することと上記切取部140に上記タブ30を挿入することを容易にすることができる。
【0129】
このように構成した上記安全開封キャップ100の使用は、安全開封キャップ100を下側に加圧しながらタブ30側に押して移動をさせ、上記タブ30が上記切取部140の隙間に挿入されれば、上記タブ30を爪または指で引き起こさずに安全開封キャップ100の後方下面に手を入れて安全開封キャップ100を起こしてタブ30を引き起こした後、タブ30を引っ張って開封することができる。
【0130】
上記第1サブ切取線143と上記第2サブ切取線144は、必要に応じて角をなさずに曲線からなり得ることは無論である。
【0131】
本発明は、飲食物が保管される缶蓋を安全に開封できるようにするためのものであり、その産業上の利用可能性がある。