(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】フッ化水素及びフルオロカーボンを含む共沸組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20240220BHJP
C07C 19/10 20060101ALI20240220BHJP
C07C 19/08 20060101ALI20240220BHJP
C07C 17/38 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C09K5/04 D
C09K5/04 C
C09K5/04 E
C07C19/10
C07C19/08
C07C17/38
(21)【出願番号】P 2020510546
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018050232
(87)【国際公開番号】W WO2019051390
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-10
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ション ペン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ナップ
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-501579(JP,A)
【文献】特許第5256040(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0094911(US,A1)
【文献】特表2002-533302(JP,A)
【文献】特表2013-509409(JP,A)
【文献】特表2013-523638(JP,A)
【文献】特表平9-501676(JP,A)
【文献】特表2009-543787(JP,A)
【文献】特表2009-513719(JP,A)
【文献】特表2014-510062(JP,A)
【文献】特表2018-522908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/00- 5/20
C07B 31/00- 61/00
C07B 63/00- 63/04
C07C 1/00-409/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
i)フッ化水素と、
ii)
2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、及び、
1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンからなる群から選択される化合物と、を含み、
前記化合物が、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンであるとき、前記組成物は77~97モルパーセントのフッ化水素と、23~3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンとを含み、前記フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成し、且つ、前記組成物は、1psia~510psiaの圧力で-30℃~140℃の沸点を有する組成物であり、そして、
前記化合物が、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンであるとき、前記組成物は68~89モルパーセントのフッ化水素と、32~11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンとを含み、前記フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成し、且つ、前記組成物が、1psia~665psiaの圧力で-30℃~140℃の沸点を有する組成物。
【請求項2】
前記化合物が、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンである、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンである、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、2017年9月11日出願の米国特許仮出願第62/556,783号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、フッ化水素と、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)又はヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)化合物と、を含む組成物に関し、ヒドロフルオロオレフィン、ヒドロフルオロカーボン又はヒドロクロロフルオロカーボンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で組成物中に存在する。
【背景技術】
【0003】
過去数十年間にわたり、多くの産業でオゾン破壊性のクロロフルオロカーボン(CFC)類及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類に代わる代替物を見つける取り組みがなされてきた。CFC及びHCFCは、エアゾール噴射剤、冷媒、洗浄剤、熱可塑性及び熱硬化性発泡剤用の膨張剤、伝熱媒体、ガス状誘電体、消火剤及び抑火剤、動力サイクル作動流体、重合媒質、粒子除去流体、キャリア流体、バフ磨き研磨剤、並びに置換乾燥剤としての使用を含む、幅広い用途において使用されてきた。これら多用途の化合物に代わる代替物の探索において、多くの産業でヒドロフルオロカーボン(HFC)類及びヒドロフルオロオレフィン(HFO)類の使用が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、とりわけ、
i)フッ化水素と、
ii)式(I)の化合物であって、
【0006】
【化1】
式中、構成要素は本明細書に定義される、式(I)の化合物と、を含み、式Iの化合物は、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、組成物を提供する。
【0007】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本発明で使用するための方法及び材料が本明細書に記載されるが、当該技術分野において既知の他の好適な方法及び材料も使用することができる。材料、方法、及び実施例は、単なる例証であり、限定することを意図するものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、及び他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合は、定義を含め、本明細書が優先される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】不均一共沸混合物の特性を表す例示的な気液平衡プロットを示す。
【
図2】式Iの化合物によって形成された不均一共沸混合物を、共沸蒸留を介してフッ化水素から分離するのに有用な例示的なシステムを示す。
【
図3】第1の最低沸点の不均一HF共沸混合物を利用して、第2のより高い沸点のHF共沸混合物からHFを除去し、続いて、
図2の共沸蒸留と同様の方法によって第1のHF共沸混合物の分離を行う、式Iの化合物をフッ化水素から分離するのに有用な第2の例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
HFCは、成層圏オゾンの破壊には寄与しないが、「温室効果」への寄与、即ち、地球温暖化に寄与するので懸念がもたれている。地球温暖化に寄与することから、HFCにも厳しい視線が注がれるようになっており、その広範な使用も将来的には制限される可能性がある。したがって、成層圏オゾンの破壊に寄与することなく、地球温暖化計数(GWP)も低い組成物が必要とされている。1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(CF3CH=CHCF3、HFO-1336mzz)などの特定のヒドロフルオロオレフィンは、両方の目標を達成する。例えば、(Z)-HFO-1336mzz(すなわち、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)及び(E)-HFO-1336mzz(即ち、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)は、その低いGWP、不燃性、高効率、及び熱安定性に起因して、多くの用途(例えば、発泡膨張剤又は冷媒)において有用である。
【0010】
フッ化水素及び本明細書に記載の化合物(例えば、式Iの化合物)を含む共沸組成物又は共沸様組成物の形成は、上記化合物が、例えば、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン及び/又は(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの合成において形成された、他のより高い沸点の副生成物から、より容易にかつより低い温度で除去されることを可能にし、その結果、より低いエネルギー及びより低いコストでの所望の生成物の精製を改善することができる。加えて、上記の共沸組成物は、フッ化水素を、フッ化水素と共沸混合物を形成するより高い沸点の化合物から除去するために、共沸蒸留で使用することができる。(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン及び/又は(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを調製するための例示的なプロセスは、例えば、米国特許出願第15/124,738号、及び2017年9月11日に出願された、参照番号FL1789の、The Chemours Company FC LLCに関連する米国特許出願に見出すことができ、これらのそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
定義及び略語
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素に必ずしも限定されるものではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に対して明示的に記載されていない、又はこれらに固有のものではない、他の要素も含む場合がある。更に、明示的にこれに反する記載がない限り、「又は」は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下、即ち、Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)のいずれか1つにより満たされる。
【0012】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載された要素及び成分を記述するために採用される。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるためのものである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、単数形は、別の意味を有することが明白でない限り、複数形も含む。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「約」は、実験誤差による変動(例えば、示された値のプラスマイナス約10%)を考慮することを意味する。本明細書で報告される全ての測定値は、特に明記しない限り、用語「約」が明示的に使用されているかどうかに関わらず、用語「約」によって修飾されるものと理解される。
【0014】
量、濃度、又はその他の値若しくはパラメータが、ある範囲、好ましい範囲、又は好ましい上方値及び/若しくは好ましい下方値のリストのいずれかとして与えられている場合に、これらは、範囲が別個に開示されているかにかかわらず、任意の範囲上限値又は好ましい上方値及び任意の範囲下限値又は好ましい下方値の任意の対から形成される全ての範囲を、具体的に開示するものとして、理解されるものとする。本明細書に数値範囲が記述されている場合、特に指示しない限り、この範囲は、その端点を包含し、かつその範囲内の全ての整数及び分数を包含することが意図されている。
【0015】
地球温暖化係数(GWP)は、1キログラムの二酸化炭素の排出と比較した、1キログラムの特定の温室効果ガスの大気排出に起因する相対的な地球温暖化への寄与を推定するための指数である。地球温暖化係数(GWP)は、様々な対象期間について計算することができ、所与のガスの大気寿命の効果を示す。100年間を対象期間とする地球温暖化係数(GWP)が、一般的に参照される値である。
【0016】
当該技術分野において認識されるように、共沸組成物は、2つ以上の異なる成分の混合物であり、液体形態にあるとき、(1a)所与の一定圧力下において、実質的に一定の温度で沸騰するか(この温度は、個々の成分の沸騰温度よりも高くても低くてもよい)、又は(1b)所与の一定温度において、実質的に一定の圧力で沸騰し(この圧力は、個々の成分の沸騰圧力よりも高くても低くてもよい)、かつ(2)実質的に一定の組成で沸騰する(この相組成は、一定であるが、必ずしも等しいわけではない)。(例えば、M.F.Doherty and M.F.Malone,「Conceptual Design of Distillation Systems」,McGraw-Hill(New York),2001,185を参照されたい)。
【0017】
単一の気相が単一の液相と平衡状態にある、均一共沸混合物は、上記の特性(1a)、(1b)、及び(2)に加えて、各成分の組成が共存平衡相のそれぞれにおいて同じであるという特性を有する。一般用語「共沸混合物」は、均一共沸混合物に一般的に使用される代替名である。
【0018】
単一の気相が2つの液相と平衡状態にある、不均一共沸混合物は、上記の特性(1a)、(1b)、及び(2)を有し、一定ではあるが、3つの共存平衡相がそれぞれ異なる組成を有する(例えば、M.F.Doherty and M.F.Malone,「Conceptual Design of Distillation Systems」,McGraw-Hill(New York),2001,352を参照されたい)。不均一共沸混合物では、全体的な液相の組成(即ち、2つの平衡液相を組み合わせることによって得られる液相組成)は、平衡気相の組成と同一である。
【0019】
不均一共沸混合物の特性は、例えば、
図1に記載されている。
図1に示すように、温度T
*は、気相及び液相の両方が発生する最低温度である。T
*より下では、組成に応じて、液相α、液相β、又はαとβの両方が存在することになる。液体組成が(α+β)領域内にあるとき、液体組成は、点A及びBで開始し、
図1の底部に向かって続く実線と、指定温度での水平線との交点によって組成が定められる2つの別個の液相に分割される(
図1)。T
*より上では、領域(α+ν)及び(β+ν)において、単一の液相は、混合組成に応じて、領域(α+ν)又は(β+ν)の境界を定めている実線と、指定温度での水平線との交点によって組成が示される気相と平衡状態にある。温度T
*では、
図1中のA、B、及びCによって示される、異なる組成の3つの相は、互いに平衡状態にある。
図1に示すような(x
1
α)
*と(x
1
β)
*との間の液相組成を有する任意の混合物は、(I)(x
1
α)
*及び(x
1
β)
*に等しい組成を有する2つの液相に分離し、(II)組成y
1
*の気相と平衡状態になり、(III)同じ温度T
*で沸騰する。
図1の点A、B、及びC並びに温度T
*は、不均一共沸混合物の3つの平衡相を構成する。共沸組成物では、全体的な液相の組成はy
1
*と等しい。
【0020】
本明細書で使用するとき、「共沸様」組成物は、共沸組成物のように挙動する組成物を指す(即ち、一定の沸騰特性又は沸騰若しくは蒸発時に分留しない傾向を有する)。したがって、沸騰又は蒸発中、蒸気及び液体の組成は、変化する場合でも、最小限又は無視できる程度しか変化しない。対照的に、非共沸様組成物の蒸気及び液体の組成は、沸騰又は蒸発中に実質的に変化する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「共沸様」又は「共沸様挙動」は、事実上圧力差がない露点圧力及び気泡点圧力を呈する組成物を指す。いくつかの実施形態では、所与の温度における露点圧力と気泡点圧力との差は、3%以下である。いくつかの実施形態では、気泡点圧力と露点圧力との差は、5%以下である。
【0022】
本明細書で使用するときの用語「化合物」は、示される構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体を含むことを意味する。本明細書において1つの特定の互変異性形態として名称又は構造によって識別される化合物は、特に指定のない限り、他の互変異性形態を含むことが意図される。
【0023】
定義の全体を通して、用語「Cn~m」は、端点を含む範囲を示し、n及びmは整数であり、炭素の数を示す。例としては、C1~4、C1~6などが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「Cn~mアルキル」は、n~m個の炭素を有する、直鎖状又は分枝状であり得る飽和炭化水素基を指す。アルキル部分の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの化学基、2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピルなどの高級ホモログ、などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6、1~4、1~3、又は1~2個の炭素原子を有する。
【0025】
本明細書で使用するとき、「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。いくつかの実施形態では、ハロは、クロロ又はフルオロである。いくつかの実施形態では、ハロはクロロである。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「Cn~mハロアルキル」は、同じ種類であっても異なる種類であってもよい1個のハロゲン原子から2s+1個のハロゲン原子を有するアルキル基を指し、「s」はアルキル基中の炭素原子の数であり、アルキル基はn~m個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、フッ素化のみである(即ち、部分フッ素化アルキル又はペルフルオロ化アルキル)。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、1~6、1~4、1~3、又は1~2個の炭素原子を有する。
【0027】
化学物質、略語、及び頭字語
HCFC-346mdf又は346mdf:2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン
347mef:1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン
356mff:1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン
HFIB又は1336ft:3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン
HFO-(E)-1336mzz又はE-1336mzz:(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン
HFO-(Z)-1336mzz又はZ-1336mzz:(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン
CFC:クロロフルオロカーボン
HCFC:ヒドロクロロフルオロカーボン
HFC:ヒドロフルオロカーボン
HFO:ヒドロフルオロオレフィン
NRTL:非ランダム二液
VLE:気液平衡
【0028】
組成物
本出願は、
i)フッ化水素と、
ii)式(I)の化合物であって、
【0029】
【0030】
【化3】
は、単結合又は二重結合を指し、
R
1は、H、ハロ、又はC
1~3ハロアルキルであり、
R
2は、H又はC
1~3ハロアルキルであり、
R
3及びR
4は、各々Hであるか、又は代替的に、R
3及びR
4は、
【0031】
【化4】
が二重結合を形成する場合に存在しない、式(I)の化合物と、を含み、
式Iの化合物が、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、組成物を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、R1は、H、ハロ、又はC1~3ハロアルキルである。
【0033】
いくつかの実施形態では、R1は、H、ハロ、又はC1~3フルオロアルキルである。
【0034】
いくつかの実施形態では、R1は、H、クロロ、フルオロ、又はC1~3フルオロアルキルである。
【0035】
いくつかの実施形態では、R1は、H、クロロ、フルオロ、又はトリフルオロメチルである。
【0036】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はC1~3ハロアルキルである。
【0037】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はC1~3フルオロアルキルである。
【0038】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はトリフルオロメチルである。
【0039】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物である。
【0040】
【0041】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ib又は式Icの化合物である。
【0042】
【0043】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、
2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、
1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、及び
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン
からなる群から選択され、式Iの化合物は、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0044】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、
(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、
2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、
1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、及び
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン
からなる群から選択され、式Iの化合物は、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0045】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンであり、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンは、フッ化水素と共沸混合物を形成するのに有効な量で存在する。
【0046】
いくつかの実施形態では、組成物は、約52~約76モルパーセントのフッ化水素、例えば、約52~約70、約52~約65、約52~約60、約52~約55、約55~約76、約55~約70、約55~約65、約55~約60、約60~約76、約60~約70、約60~約65、約65~約76、約65~約70、又は約70~約76モルパーセントのフッ化水素と、約48~約24モルパーセントの(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、例えば、約48~約30、約48~約35、約48~約40、約48~約45、約45~約24、約45~約30、約45~約35、約45~約40、約40~約24、約40~約30、約40~約35、約35~約24、約35~約30、又は約30~約24モルパーセントの(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンと、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンとを含む組成物は、約-30℃~約110℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約110℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約110℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約110℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約110℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約110℃の沸点を、約3psia~約812psia、例えば、約3psia~約700psia、約3psia~約500psia、約3psia~約300psia、約3psia~約100psia、約100psia~約812psia、約100psia~約700psia、約100psia~約500psia、約100psia~約300psia、約300psia~約812psia、約300psia~約700psia、約300psia~約500psia、約500psia~約812psia、約500psia~約700psia、又は約700psia~約812psiaの圧力において有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンであり、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は、約59~約92モルパーセントのフッ化水素、例えば、約59~約85、約59~約75、約59~約65、約65~約92、約65~約85、約65~約75、約75~約92、約75~約85、又は約85~約92モルパーセントのフッ化水素と、約41~約8モルパーセントの(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、例えば、約41~約15、約41~約25、約41~約35、約35~約8、約35~約15、約35~約25、約25~約8、約25~約15、又は約15~約8モルパーセントの(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンと、を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンとを含む組成物は、約-30℃~約130℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約130℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約130℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約130℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約130℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約130℃の沸点を、約2psia~約836psia、例えば、約2psia~約800psia、約2psia~約600psia、約2psia~約400psia、約2psia~約200psia、約2psia~約100psia、約100psia~約836psia、約100psia~約800psia、約100psia~約600psia、約100psia~約400psia、約100psia~約200psia、約200psia~約836psia、約200psia~約800psia、約200psia~約600psia、約200psia~約400psia、約400psia~約836psia、約400psia~約800psia、約400psia~約600psia、約600psia~約836psia、約600psia~約800psia、又は約800psia~約836psiaの圧力において有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンであり、3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物は、約45~約72モルパーセントのフッ化水素、例えば、約45~約65、約45~約55、約55~約72、約55~約65、又は約65~約72モルパーセントのフッ化水素と、約55~約28モルパーセントの3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、例えば、約55~約35、約55~約45、約45~約28、約45~約35、又は約35~約28モルパーセントの3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンと、を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンとを含む組成物は、約-30℃~約140℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約140℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約140℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約140℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約140℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約140℃の沸点を、約3psia~約800psia、例えば、約3psia~約700psia、約3psia~約500psia、約3psia~約300psia、約3psia~約100psia、約100psia~約800psia、約100psia~約700psia、約100psia~約500psia、約100psia~約300psia、約300psia~約800psia、約300psia~約700psia、約300psia~約500psia、約500psia~約800psia、約500psia~約700psia、又は約700psia~約800psiaの圧力において有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンであり、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、約77~約97モルパーセントのフッ化水素、例えば、約77~約95、約77~約90、約77~約85、約85~約97、約85~約95、約85~約90、約90~約97、約90~約95、又は約95~約97モルパーセントのフッ化水素と、約23~約3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、例えば、約23~約5、約23~約10、約23~約15、約15~約3、約15~約5、約15~約10、約10~約3、約10~約5、又は約5~約3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンと、を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンとを含む組成物は、約-30℃~約140℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約140℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約140℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約140℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約140℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約140℃の沸点を、約1psia~約510psia、例えば、約1psia~約400psia、約1psia~約300psia、約1psia~約200psia、約1psia~約100psia、約1psia~約50psia、約50psia~約510psia、約50psia~約400psia、約50psia~約300psia、約50psia~約200psia、約50psia~約100psia、約100psia~約510psia、約100psia~約400psia、約100psia~約300psia、約100psia~約200psia、約200psia~約510psia、約200psia~約400psia、約200psia~約300psia、約300psia~約510psia、約300psia~約400psia、又は約400psia~約510psiaの圧力において有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンであり、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0058】
いくつかの実施形態では、組成物は、約68~約89モルパーセントのフッ化水素、例えば約68~約85、約68~約80、約68~約75、約75~約89、約75~約85、約75~約80、約80~約89、約80~約85、又は約85~約89モルパーセントのフッ化水素と、約32~約11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、例えば、約32~約15、約32~約20、約32~約25、約25~約11、約25~約15、約25~約20、約20~約11、約20~約15、又は約15~約11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンと、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンとを含む組成物は、約-30℃~約140℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約140℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約140℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約140℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約140℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約140℃の沸点を、約1psia~約665psia、例えば、約1psia~約600psia、約1psia~約400psia、約1psia~約200psia、約1psia~約100psia、約1psia~約50psia、約50psia~約665psia、約50psia~約600psia、約50psia~約400psia、約50psia~約200psia、約50psia~約100psia、約100psia~約665psia、約100psia~約600psia、約100psia~約400psia、約100psia~約200psia、約200psia~約665psia、約200psia~約600psia、約200psia~約400psia、約400psia~約665psia、約400psia~約600psia、又は約600psia~約665psiaの圧力において有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンであり、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンは、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する。
【0061】
いくつかの実施形態では、組成物は、約57~約84モルパーセントのフッ化水素、例えば、約57~約80、約57~約75、約57~約70、約57~約65、約65~約84、約65~約80、約65~約75、約65~約70、約70~約84、約70~約80、約70~約75、約75~約84、約75~約80、又は約80~約84モルパーセントのフッ化水素と、約43~約16モルパーセントの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、例えば、約43~約20、約43~約25、約43~約30、約43~約35、約35~約16、約35~約20、約35~約25、約35~約30、約30~約16、約30~約20、約30~約25、約25~約16、約25~約20、又は約25~約16モルパーセントの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンと、を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、フッ化水素と1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンとを含む組成物は、約-30℃~約140℃、例えば、約-30℃~約100℃、約-30℃~約75℃、約-30℃~約50℃、約-30℃~約25℃、約-30℃~約0℃、約0℃~約140℃、約0℃~約100℃、約0℃~約75℃、約0℃~約50℃、約0℃~約25℃、約25℃~約140℃、約25℃~約100℃、約25℃~約75℃、約25℃~約50℃、約50℃~約140℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、約75℃~約140℃、約75℃~約100℃、又は約100℃~約140℃の沸点を、約1psia~約600psia、例えば、約1psia~約400psia、約1psia~約200psia、約1psia~約100psia、約1psia~約50psia、約50psia~約600psia、約50psia~約400psia、約50psia~約200psia、約50psia~約100psia、約100psia~約600psia、約100psia~約400psia、約100psia~約200psia、約200psia~約600psia、約200psia~約400psia、又は約400psia~約600psiaの圧力において有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、組成物は、
組成物が約3psia~約812psiaの圧力で約-30℃~約110℃の沸点を有する、約52~約76モルパーセントのフッ化水素及び約48~約24モルパーセントの(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、又は
組成物が約2psia~約836psiaの圧力で約-30℃~約130℃の沸点を有する、約59~約92モルパーセントのフッ化水素及び約41~約8モルパーセントの(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、又は
組成物が約3psia~約800psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約45~約72モルパーセントのフッ化水素及び約55~約28モルパーセントの3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、又は
組成物が約1psia~約510psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約77~約97モルパーセントのフッ化水素及び約23~約3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、又は
組成物が約1psia~約665psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約68~約89モルパーセントのフッ化水素及び約32~約11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、又は
組成物が約1psia~約600psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約57~約84モルパーセントのフッ化水素及び約43~約16モルパーセントの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、均一共沸混合物である。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、不均一共沸混合物である。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、共沸様組成物である。
【実施例】
【0067】
本発明を、具体的な実施例によって、より詳細に説明する。以下の実施例は、例示目的のために提供され、いかなる意味でも、本発明を限定することを意図するものではない。当業者は、本質的に同じ結果を得るために変更又は修正することができる様々な、死活的に重要とは言えないパラメータを、容易に認識するであろう。
【0068】
実施例1.気液平衡分析
PTx法は、混合物の気相-液相平衡(VLE)データを実験的に測定する既知の方法である。測定は、等温又は等圧のいずれかで行うことができる。等温法は、一定温度で公知の組成の混合物の全圧を測定することを必要とする。この方法では、公知の体積のセル内の総絶対圧力を、2つの化合物の様々な公知の組成について一定温度で測定する。等圧法は、一定圧力で公知の組成の混合物の温度を測定することを必要とする。この方法では、公知の体積のセル内の温度を、2つの化合物の様々な公知の組成について一定圧力で測定する。PTx法の使用については、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Phase Equilibrium in Process Design」、Wiley-Interscience Publisher、1970年、Harold R.Null著、124~126頁に詳細に記載されている。
【0069】
測定したデータ点は、非ランダム二液(NRTL)式などの活量係数式モデルを用いることによって、PTxセル中の平衡状態の蒸気と液体の組成に変換して液相非理想系を表すことができる。NRTL式などの活量係数式の使用については、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「The Properties of Gases and Liquids」、第4版、McGraw Hill発行、Reid、Prausnitz、及びPoling著、241~387頁、及び「Phase Equilibria in Chemical Engineering」、Butterworth Publishers発行、1985年、Stanley M.Walas著、165~244頁に詳細に記載されている。いかなる理論又は説明にも束縛されることを望むものではないが、NRTL式は、PTxセルデータと併せて、本発明の様々な組成物の気相-液相平衡挙動、及び蒸留塔などの多段階式分離装置内におけるこれらの混合物の挙動を充分に予測すると考えられる。
【0070】
実施例2.フッ化水素及びE-1336mzzの共沸組成物
HF及びE-HFO-1336mzzの実験PTx相平衡データを29.78℃、76.71℃、及び79.34℃で測定した。データは、NRTL(非ランダム二液)活量係数モデルを使用して適合させ、得られたパラメータは、混合物相平衡をモデリングするために使用した。29.78℃一定で、混合物中のE-1336mzz及びHFの濃度を少しずつ変化させ、各液体組成物において対応する平衡圧力を計算した。表1は、純粋なE-1336mzzから開始し、HFをゆっくりと添加した、代表的な計算点を示す。表2は、純粋なHFから開始し、E-1336mzzをゆっくりと添加した、選択した計算点を示す。
【0071】
【0072】
【0073】
表1及び表2は、純粋なHF及び純粋なE-1336mzzの両方から開始して、平衡圧力が50.85psiaの最大圧力に達するまで上昇し、到達後は、50.85psiaの圧力が広い組成範囲にわたって継続的に存在したことを明確に示している。一定温度での混合物気相-液相平衡における圧力最大の存在は、最大圧力の又は、同等に、最低沸点の共沸混合物が存在することを示した。広い組成範囲にわたっての最大平衡圧力(一定温度)の存在は、共沸混合物が不均一であることを示した。確認として、相平衡実験中に、2つの液相の存在を目視で観察した。表1及び表2に基づくと、29.78℃では、共沸性及び/又は共沸様挙動は、約51.0~87.0モルパーセントのHF(49.0~13.0モルパーセントのE-1336mzz)で存在し、平衡圧力は約50.85psiaである。
【0074】
均一及び不均一の共沸混合物の両方において、平衡状態の気相の組成及び液相の組成(不均一共沸混合物の場合は全体的な液相の組成)は等しいので、共沸組成物は、(1)気液平衡データを全組成範囲にわたって、好ましくは、2つ以上の温度又は圧力で測定し、(2)Peng-Robinson状態方程式及び/又はNRTL式などの気液平衡モデルの調節可能なパラメータを実験データに適合させ、(3)得られたモデルパラメータを使用して気相-液相平衡を計算し、気相及び液相の組成が等しい点を決定することによって、温度又は圧力の範囲にわたって決定することができる。この方法を使用して、以下の表3~表4及び実施例全体にわたって記載される共沸組成物を生成した。不均一共沸混合物を形成する混合物の場合、別途記載のない限り、報告された液相組成は、全体的な液相の組成である。
【0075】
【0076】
【0077】
実施例3.フッ化水素及びZ-1336mzzの共沸組成物
-30℃~130℃のHF/Z-1336mzz混合物に対して計算した共沸範囲を表5~表6に要約する。
【0078】
【0079】
【0080】
実施例4.フッ化水素及びHFIBの共沸組成物
-30℃~140℃のHF/HFIB(即ち、1336ft又は3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン)混合物に対して計算した共沸範囲を表7~表8に要約する。
【0081】
【0082】
【0083】
実施例5.フッ化水素及び346mdfの共沸組成物
-30℃~140℃のHF/346mdf混合物に対して計算した共沸範囲及び共沸様範囲を表9~表10に要約する。
【0084】
【0085】
【0086】
実施例6.フッ化水素及び347mefの共沸組成物
-30℃~140℃のHF/347mef混合物に対して計算した共沸範囲及び共沸様範囲を表11~表12に要約する。
【0087】
【0088】
【0089】
実施例7.フッ化水素及び356mffの共沸組成物
-30℃~140℃のHF/356mff混合物に対して計算した共沸範囲を表13~表14に要約する。
【0090】
【0091】
【0092】
実施例8.共沸蒸留を利用したHFからのHCFC-346mdfの分離
上記の実施例5に記載されるように、HCFC-346mdf及びHFは、最低沸点の共沸混合物を形成する。以下のデータは、HF/HCFC-346mdf共沸混合物が不均一であるため、HFは共沸蒸留によってHCFC-346mdfから分離され得ることを実証する。
図2を参照すると、HFとHCFC-346mdfとを含む組成物は、ストリーム100を介して第1の塔110に供給される。第1の塔110は、10個の理論段を含み、低沸点HF/HCFC-346mdf共沸混合物に近づくための適切な条件下で操作される。HCFC-346mdfは、HFと共沸混合物を形成するのに必要な濃度を超えて第1の塔110に供給されているため、HF/HCFC-346mdf共沸混合物に近い組成物が、ストリーム130を介して留出物として回収されると同時に、HFを実質的に含まないHCFC-346mdfが塔の底部からストリーム120を介して生成物ストリームとして回収される。ストリーム130は、凝縮器140内で凝縮され、第2の塔からストリーム250を介して再循環された近共沸組成物と混合され、この合成ストリームは、冷却器160内で過冷却されて、デカンタ180に送られ、合成ストリーム170は、別個のHCFC-346mdfリッチのストリーム190及びHFリッチのストリーム200に分離する。ストリーム190は、還流として第1の塔に再循環される。ストリーム200は、20個の理論段を含む第2の蒸留塔210の最上段に供給され、HF/HCFC-346mdf共沸混合物に近づくための条件下で操作される。HFは、低沸点HF/HCFC-346mdf共沸混合物を形成するのに必要な濃度を超えてこの第2の塔に供給されているため、HF/HCFC-346mdf共沸混合物に近い組成物が、ストリーム230を介して留出物として回収されると同時に、HCFC-346mdfを実質的に含まないHFが塔の底部からストリーム220を介して生成物ストリームとして回収される。ストリーム230は、凝縮器240内で凝縮され、第1の塔からの近共沸組成物とストリーム150を介して混合されて、冷却器160に供給され、次いでデカンタ180に供給される。
【0093】
表15のデータは、測定及び計算された熱力学特性を使用して計算した。
【0094】
【0095】
本明細書で上述した実施例に記載の他の不均一共沸混合物は、類似の手順によって分離することができる。
【0096】
実施例9.共沸蒸留を利用したHFからのHFO-E-1336mzz及びHFO-Z-1336mzzの分離
この実施例は、第1の最低沸点HF共沸混合物を使用して、第2のより高い沸点のHF共沸混合物からHFを除去し、それにより、HFを実質的に含まない第2のHF共沸混合物中の第2の非HF化合物を回収することができる方法について記載する。第1及び第2のHF共沸混合物はそれぞれ均一又は不均一であり得るが、好ましくは、第1のより低い沸点の共沸混合物は不均一である。
図3に示されるプロセス構成は、第1のHF共沸混合物が不均一であると仮定する。第1のHF共沸混合物を形成する化合物は、分離システムの第1の蒸留塔に分離されるか、又は添加されるかのいずれかの混合物中に存在し得る。
【0097】
図3を参照すると、HF、HFO-E-1336mzz(E-1336mzz)、及びHFO-Z-1336mzz(Z-1336mzz)を含むストリームは、ストリーム10を介して、40個の理論段を含む第1の蒸留塔20の頂部から32番目の理論段に供給される。E-1336mzz及びHFによって形成されたより低い沸点の共沸混合物を使用して、この第1の蒸留塔20内に存在するZ-1336mzzが分離される。供給混合物が、全てのHFを塔頂に蒸留させるのに十分なE-1336mzzを含有していない場合、還流として第1の塔20の頂部に添加されるE-1336mzzリッチ化ストリーム95の流量を増加させることによって、全てのHFをZ-1336mzzから蒸留させるのに十分な量の追加のE-1336mzzが添加される。塔20は、塔の頂部においてより低い沸点のHF/E-1336mzz共沸混合物に近づく条件下で操作され、塔の頂部の混合物は、ストリーム40を介して留出物として除去される。実質的にHFを含まない、Z-1336mzzを含む混合物は、ストリーム30を介して塔20の底部から除去される。留出物ストリーム40は、第1の凝縮器50内で凝縮され、任意選択的に更に第1の冷却器60内で冷却され、次いで、現在の液体留出物が、デカンタ内でHF-リッチ及びE-1336mzzリッチの液相留分に分離するように操作された第1のデカンタ70に送られ、これらの液相留分は、それぞれストリーム80及び90を介して除去される。E-1336mzzリッチストリーム90の一部は、還流として、かつ前述した追加のE-1336mzzの供給源として、ストリーム95を介して第1の塔の頂部に戻される。残りの部分は、ストリーム100を介して第2の蒸留塔110に供給され、HFを実質的に含まないE-1336mzz底部生成物ストリーム120と、HF/E-1336mzz共沸混合物に近い組成を有する留出物130とに分離される。還流ストリーム95はE-1336mzz/HF共沸組成物に対してE-1336mzzリッチ化されているため、このストリームは、第1の塔からHFを実質的に含まないZ-1336mzz底部生成物30を作製するのに必要な追加のE-1336mzzを供給することができる。この実施例で使用される供給組成物では、供給に対する還流の質量流量比4.0は、ストリーム30がHFを実質的に含まないことを確実にする。
【0098】
第1のデカンタからのHFリッチ相留分は、ストリーム80を介して第3の蒸留塔210に供給される。第3の塔への両方の供給(80及び200)は、E-1336mzz及びZ-1336mzzを実質的に含まないHF底部生成物220が塔210内で生成されることを可能にする、HF/E-1336mzz共沸混合物に対して過剰なHFを含有する組成を有する。第3の塔留出物は、HF/E-1336mzz共沸混合物に近い組成を有し、ストリーム230を介して除去される。塔110及び210からの第2及び第3の留出物ストリーム130及び230は、それぞれ凝縮器140及び240内で凝縮され、ストリーム150及び250を形成し、一緒に混合され、最初に任意選択の第2の冷却器160に送られ、次いで別個のE-1336mzzリッチ及びHFリッチの液相留分が形成される第2のデカンタ180に送られる。ストリーム190を介してデカンタ180から除去されたE-1336mzzリッチ留分は、還流として及び更なる分離のために第2の塔110の頂部に戻される。ストリーム200を介してデカンタ180から除去されたHFリッチ留分は、還流として及び更なる分離のために第3の塔210の頂部に供給される。
【0099】
表16のデータは、測定及び計算された熱力学特性を使用して計算によって得られた。
【0100】
【0101】
他の実施形態
1.いくつかの実施形態では、本出願は、
i)フッ化水素と、
ii)式(I)の化合物であって、
【0102】
【0103】
【化8】
は、単結合又は二重結合を指し、
R
1は、H、ハロ、又はC
1~3ハロアルキルであり、
R
2は、H又はC
1~3ハロアルキルであり、
R
3及びR
4は、各々Hであるか、又は代替的に、R
3及びR
4は、
【0104】
【化9】
が二重結合を形成する場合に存在しない、式(I)の化合物と、を含み、
式Iの化合物が、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、組成物を提供する。
【0105】
2.R1が、H、ハロ、又はC1~3フルオロアルキルである、実施形態1に記載の組成物。
【0106】
3.R1が、H、クロロ、フルオロ、又はトリフルオロメチルである、実施形態1に記載の組成物。
【0107】
4.R2が、H又はC1~3フルオロアルキルである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0108】
5.R2が、H又はトリフルオロメチルである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0109】
6.式Iの化合物が、式Iaの化合物である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0110】
【0111】
7.式Iの化合物が、式Ib又は式Icの化合物である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0112】
【0113】
8.式Iの化合物が、
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、
2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、
1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、及び
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンからなる群から選択され、
式Iの化合物が、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1、6、及び7のいずれか1つに記載の組成物。
【0114】
9.式Iの化合物が、
(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、
3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、
2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、
1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、及び
1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンからなる群から選択され、
式Iの化合物が、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1、6、及び7のいずれか1つに記載の組成物。
【0115】
10.式Iの化合物が、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンであり、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は7に記載の組成物。
【0116】
11.組成物が、約52~約76モルパーセントのフッ化水素と、約48~約24モルパーセントの(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンと、を含む、実施形態10に記載の組成物。
【0117】
12.組成物が、約3psia~約812psiaの圧力で約-30℃~約110℃の沸点を有する、実施形態10又は11に記載の組成物。
【0118】
13.式Iの化合物が、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンであり、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は7に記載の組成物。
【0119】
14.組成物が、約59~約92モルパーセントのフッ化水素と、約41~約8モルパーセントの(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンと、を含む、実施形態13に記載の組成物。
【0120】
15.組成物が、約2psia~約836psiaの圧力で約-30℃~約130℃の沸点を有する、実施形態13又は14に記載の組成物。
【0121】
16.式Iの化合物が、3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンであり、3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は7に記載の組成物。
【0122】
17.組成物が、約45~約72モルパーセントのフッ化水素と、約55~約28モルパーセントの3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エンと、を含む、実施形態16に記載の組成物。
【0123】
18.組成物が、約3psia~約800psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、実施形態16又は17に記載の組成物。
【0124】
19.式Iの化合物が、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンであり、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は6に記載の組成物。
【0125】
20.組成物が、約77~約97モルパーセントのフッ化水素と、約23~約3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンと、を含む、実施形態19に記載の組成物。
【0126】
21.組成物が、約1psia~約510psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、実施形態19又は20に記載の組成物。
【0127】
22.式Iの化合物が、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンであり、1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は6に記載の組成物。
【0128】
23.組成物が、約68~約89モルパーセントのフッ化水素と、約32~約11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタンと、を含む、実施形態22に記載の組成物。
【0129】
24.組成物が、約1psia~約665psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、実施形態22又は23に記載の組成物。
【0130】
25.式Iの化合物が、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンであり、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンが、フッ化水素と共沸組成物又は共沸様組成物を形成するのに有効な量で存在する、実施形態1又は6に記載の組成物。
【0131】
26.組成物が、約57~約84モルパーセントのフッ化水素と、約43~約16モルパーセントの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタンと、を含む、実施形態25に記載の組成物。
【0132】
27.組成物が、約1psia~約600psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、実施形態25又は26に記載の組成物。
【0133】
28.組成物は、
組成物が約3psia~約812psiaの圧力で約-30℃~約110℃の沸点を有する、約52~約76モルパーセントのフッ化水素及び約48~約24モルパーセントの(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、又は
組成物が約2psia~約836psiaの圧力で約-30℃~約130℃の沸点を有する、約59~約92モルパーセントのフッ化水素及び約41~約8モルパーセントの(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン、又は
組成物が約3psia~約800psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約45~約72モルパーセントのフッ化水素及び約55~約28モルパーセントの3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパ-1-エン、又は
組成物が約1psia~約510psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約77~約97モルパーセントのフッ化水素及び約23~約3モルパーセントの2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、又は
組成物が約1psia~約665psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約68~約89モルパーセントのフッ化水素及び約32~約11モルパーセントの1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロブタン、又は
組成物が約1psia~約600psiaの圧力で約-30℃~約140℃の沸点を有する、約57~約84モルパーセントのフッ化水素及び約43~約16モルパーセントの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、を含む、実施形態1、6、又は7のいずれか1つに記載の組成物。
【0134】
29.組成物が、均一な共沸組成物又は共沸様組成物である、実施形態1~18及び25~28のいずれか1つに記載の組成物。
【0135】
30.組成物が、不均一な共沸組成物又は共沸様組成物である、実施形態1~15、19~24、及び28のいずれか1つに記載の組成物。
【0136】
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を例示することを意図し、かつ限定するものではないことを理解すべきである。その他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。本発明が、本発明の任意の特定の態様及び/又は実施形態に関して本明細書に記載される特徴のいずれも、本明細書に記載される任意のその他の態様及び/又は本発明の実施形態のいずれかのその他の特徴のうちの1つ以上と組み合わせることができ、組み合わせの適合性を確実にするために適宜変更することができることが、当業者により理解されるべきである。このような組み合わせは、本開示により企図される本発明の一部であると見なされる。