(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】新無線アンライセンスサービングセルを用いたチャネルアクセス
(51)【国際特許分類】
H04W 74/0833 20240101AFI20240220BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20240220BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20240220BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20240220BHJP
【FI】
H04W74/0833
H04W48/08
H04W72/54 110
H04W16/14
(21)【出願番号】P 2020563563
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2019031508
(87)【国際公開番号】W WO2019217670
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリー,ジョゼフ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】アジャクプレ,パスカル エム.
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー,ラクシュミ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】アワディン,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】リ,チン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,ジャン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】テリー,ステファン,イー.
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/214621(WO,A1)
【文献】特表2012-525723(JP,A)
【文献】LG Electronics,Remaining issues on DCI contents and formats[online],3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1719920,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719920.zip>,2017年12月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ、メモリ、および通信回路を備える装置であって、前記装置は、前記通信回路を介してネットワークに接続され、前記装置は、前記装置の前記メモリに格納されたコンピュータ実行可能命令をさらに備え、前記コンピュータ実行可能命令は、前記装置の前記プロセッサによって実行されたときに、前記装置に
フィールドを含むネットワーク支援情報を含むランダムアクセス応答(Random Access Response:RAR)を受信することであって、前記フィールドは、チャネルアクセスタイプを示すビットを2つ以上含む、ことと、
少なくとも部分的に前記ネットワーク支援情報に基づいて、上りリンクチャネルアクセス手順を決定することと、
上りリンクチャネルにアクセスするための前記上りリンクチャネルアクセス手順を実行することと、
上りリンク送信を前記上りリンクチャネルを介して送信することと、
を含む動作を実行させる、装置。
【請求項2】
前記上りリンクチャネルアクセス手順は、リッスンビフォートーク(listen-before-talk:LBT)手順を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャネルアクセスタイプは、ランダムバックオフを伴う前記LBT手順を示す、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記チャネルアクセスタイプは、デフォルト構成の使用を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記チャネルアクセスタイプは、前記装置が、LBTを実行せずに、前記上りリンク送信を実行できることを示す、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記RARは上りリンク認可をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記チャネルアクセスタイプは、ランダムバックオフのない前記LBT手順を示す、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記チャネルアクセスタイプは代替構成の使用を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記チャネルアクセスタイプは、定義された3以上のチャネルアクセスタイプのセットのうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
フィールドを含むネットワーク支援情報を含むランダムアクセス応答(Random Access Response:RAR)を受信することであって、前記フィールドは、チャネルアクセスタイプを示すビットを2つ以上含む、ことと、
少なくとも部分的に前記ネットワーク支援情報に基づいて、上りリンクチャネルアクセス手順を決定することと、
上りリンクチャネルにアクセスするための前記上りリンクチャネルアクセス手順を実行することと、
上りリンク送信を前記上りリンクチャネルを介して送信することと、
を含む上りリンクチャネルアクセス方法。
【請求項11】
前記上りリンクチャネルアクセス手順は、リッスンビフォートーク(listen-before-talk:LBT)手順を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記チャネルアクセスタイプは、ランダムバックオフを伴う前記LBT手順を示す、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記チャネルアクセスタイプは、ランダムバックオフのない前記LBT手順を示す、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記チャネルアクセスタイプは、デフォルト構成の使用を示す、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記チャネルアクセスタイプは代替構成の使用を示す、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記チャネルアクセスタイプは、LBTを実行しない前記上りリンク送信の実行を示す、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記RARは上りリンク認可をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項18】
前記チャネルアクセスタイプは、定義された3以上のチャネルアクセスタイプのセットのうちの1つである、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「新無線アンライセンスサービングセルを用いたチャネルアクセス」と題する2018年5月9日出願の米国仮出願第62/669,086号の利益を主張する。その内容全体は本明細書に参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
マシンツーマシン(Machine-To-Machine:M2M)、モノのインターネット(Internet-of-Things:IoT)、およびモノのウェブ(Web-of-Things:WoT)のネットワーク展開には、M2M/IoT/WoTサーバ、ゲートウェイ、M2M/IoT/WoTアプリケーションおよびサービスをホストするデバイスなどのノードが含まれ得る。このようなネットワーク展開には、例えば、制約付きネットワーク、無線センサネットワーク、無線メッシュネットワーク、モバイルアドホックネットワーク、および無線センサおよびアクチュエータネットワークなどが含まれ得る。このようなネットワークでのデバイスの動作は、以下のような規格および提案に準拠し得る。すなわち、3GPP TS36.300、概説、;ステージ2、(リリース15)、V15.0.0(3GPP TS 36.300, Overall Description; Stage 2 (Release 15), V15.0.0)、3GPP TS36.213、物理層手順(リリース15)、V15.0.0(3GPP TS 36.213, Physical layer procedures (Release 15), V15.0.0)、3GPP TS36.211、物理チャネルと変調(リリース15)、V15.0.0(3GPP TS 36.211, Physical Channels and Modulation (Release 15), V15.0.0)、3GPP TR38.913、次世代アクセス技術のシナリオおよび要件に関する検討、(リリース14)、V14.3.0(3GPP TR 38.913, Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies; (Release 14), V14.3.0)、R1-164013、ビームフォーミングによるアクセスのためのフレームワーク、サムスン(R1-164013, Framework for Beamformed Access, Samsung)、3GPP TS38.300、NR、NRおよびNG-RAN概説、ステージ2(リリース15)、V15.1.0(3GPP TS 38.300, NR; NR and NG-RAN Overall Description; Stage 2 (Release 15), V15.1.0)、3GPP TS38.331、無線リソース制御(RRC)プロトコル仕様(リリース15)、V15.1.0(3GPP TS 38.331, Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15), V15.1.0)、3GPP TS38.213、NR、制御のための物理層手順(リリース15)、V15.0.0(3GPP TS 38.213, NR; Physical Layer Procedures for Control (Release 15), V15.0.0)、3GPP TS38.101、ユーザ端末(UE)の無線送受信(リリース15)、V15.1.0(3GPP TS 38.101, User Equipment (UE) radio transmission and reception; (Release 15) V15.1.0)、および3GPP TS38.211、物理チャネルと変調(リリース15)、V15.1.0(3GPP TS 38.211, Physical channels and modulation (Release 15), V15.1.0)など。
【発明の概要】
【0003】
ネットワーク支援を用いてULチャネルアクセスを実行する方法は、以下の使用を含み得る。例えば、NR-U PDCCH命令、NR-U RAR認可、NR-U MAC RARなどのランダムアクセス手順実行時のUEへのNW支援情報をシグナリングするメカニズム、NW支援情報を使用してランダムアクセスを実行する手順、およびFR1および不対スペクトルに、60kHzおよび120kHzサブキャリア間隔を使用するNR-U PRACH構成。PRACH構成のいくつかのパラメータをシグナリングするための新しいメカニズムを使用して、PRACH送信オケージョンに、より大きな柔軟性を提供することができる。
【0004】
拡張されたクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment:CCA)手順は、UEサービングセルまたはサービングセルスケジューラ、チャネルリソース、およびチャネルアクセスタイプのうち少なくとも1つ、例えば、競合ベースランダムアクセスリソースまたは非競合ベースランダムアクセスリソースを一意に識別する送信タイプ識別コードを利用することができる。
【0005】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに記述される概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を制限するために使用されることも意図されていない。さらに、特許請求された主題は、本開示の任意の部分に記載された不利点のいずれかまたはすべてを解決する制限に限定されない。
【0006】
(図面の簡単な説明)
添付の図面と共に例として示される以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、セクタビームおよび複数の高利得ナロービームによるセルカバレッジを示す。
【
図2】
図2は、新無線(NR)ランダムアクセス手順の例を示す。
【
図3】
図3は、不対スペクトルのFR1 PRACH構成インデックス86の例のタイミング図である。
【
図4】
図4は、ランダムアクセス手順のためのL1とL2/3の間の相互作用モデル例のブロック図である。
【
図6】
図6は、例えば、ネットワーク支援情報のシグナリングに関するタイミング図である。
【
図7】
図7は、NR-Uランダムアクセス手順例のコールフローである。
【
図8】
図8は、ランダムアクセスプリアンブル送信のためのシグナリングネットワーク支援情報例の時間スケジュールである。
【
図9】
図9は、PDCCH命令を介したNW支援情報のシグナリング例の時間スケジュールである。
【
図10】
図10は、異なるCOTにおけるPDCCH命令およびプリアンブル送信のシグナリング例の時間スケジュールである。
【
図11】
図11は、異なるCOTにおけるハンドオーバーコマンドおよびプリアンブルの送信のためのシグナリング例の時間スケジュールである
【
図12】
図12は、NW支援情報を持つMAC RARの例を示す。
【
図13】
図13は、NW支援情報を用いたNR-U競合ベースランダムアクセス手順例のコールフローである。
【
図14】
図14は、ランダムアクセス(Random Access:RA)プリアンブル割り当てによってシグナリングされたNW支援情報を用いた、NR-U競合のないランダムアクセス手順例のコールフローである。
【
図15】
図15は、RAプリアンブル割り当てとは別個にシグナリングされたNW支援情報を用いた、NR-U競合のないランダムアクセス手順例のコールフローである。
【
図16】
図16は、RAプリアンブル割り当て(ハンドオーバ)とは別個にシグナリングされたNW支援情報を用いた、NR-U競合のないランダムアクセス手順例のコールフローである。
【
図17】
図17は、PRACHスロットを用いたLBTのオーバーレイの例のタイミング図である。
【
図18】
図18は、CCA期間とPRACH送信オケージョンの間の衝突例のタイミング図である。
【
図19】
図19は、UE自律拡張型CCAの例のフロー図である。
【
図20】
図20は、ネットワーク支援型拡張CCAの例のフロー図である。
【
図21】
図21は、ネットワーク支援型拡張CCAの別の変形例のフロー図である。
【
図22】
図22は、本明細書で説明され、特許請求される方法および装置を具現化し得る通信システム例の一実施形態を示す。
【
図23】
図23は、無線通信用に構成された装置またはデバイスの例のブロック図である。
【
図24】
図24は、無線アクセスネットワーク(RAN)およびコアネットワークの例のシステム図である。
【
図25】
図25は、RANおよびコアネットワークの別の例のシステム図である。
【
図26】
図26は、RANおよびコアネットワークのさらなる例のシステム図である。
【
図27】
図27は、
図23、25、26、および27に示す通信ネットワークの1つ以上の装置を具現化し得る例示的なコンピューティングシステム90のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
付録の表1は、本明細書で使用される頭字語の多くを含む。
【0009】
(LTEライセンスアシストアクセス)
アンライセンススペクトル中で動作する少なくとも1つのScellを備えたキャリアアグリゲーションは、ライセンスアシストアクセス(LAA)と呼ばれる。したがって、LAAにおいては、UEのために構成されたサービングセルのセットは、アンライセンススペクトル中で、LAA SCellとも呼ばれるフレーム構造タイプ3に従って動作する少なくとも1つのSCellを常に含む。特記しない限り、LAA SCellは通常のSCellとして機能する。3GPP TS36.300、概説、ステージ2(リリース15)、V15.0.0(3GPP TS 36.300, Overall Description; Stage 2 (Release 15), V15.0.0)を参照されたい。
【0010】
LAA eNBおよびUEは、LAA SCell上で送信を実行する前に、リッスンビフォートーク(LBT)を適用する。LBTが適用されると、トランスミッターはチャネルをリッスン/検知して、チャネルが空き状態かビジーかを判定する。チャネルが空き状態であると判定された場合、トランスミッターは送信を実行できるが、それ以外の場合、送信を実行しない。LAA eNBがLAAチャネルアクセスを目的として他の技術のチャネルアクセス信号を使用する場合、LAA eNBはLAAの最大エネルギー検出しきい値要件TS36.300を引き続き満たし得る。
【0011】
(ULチャネルアクセス手順)
ULの場合、UEは、タイプ1またはタイプ2のULチャネルアクセス手順、3GPP TS36.213、物理層手順(リリース15)、V15.0.0に従って、LAA SCellのUL送信が実行されるキャリアにアクセスすることができる。
【0012】
UEは、まず、延期期間Tdのスロット期間中チャネルがアイドル状態であると検知した後、および、下記手順のステップ4でカウンターNがゼロになった後、タイプ1チャネルアクセス手順を使用して送信を送ることができる。カウンターNは、以下に説明する手順に従って、追加のスロット期間中、チャネルを検知することによって調整される。
1.N=Ninitを設定する。ただし、Ninitは、0とCWpの間に均一に分布する乱数である。ステップ4に進む。
2.N>0であり、UEがカウンターをデクリメントすることを選択した場合、N=N-1を設定する。
3.追加のスロット期間中、チャネルを検知し、追加のスロット期間がアイドル状態の場合は、ステップ4に進み、それ以外の場合は、ステップ5に進む。
4.N=0であれば停止し、それ以外の場合は、ステップ2に進む。
5.追加の延期期間Td以内ビジースロットが検出されるか、追加の延期期間Td中のすべてのスロットがアイドル状態であると検出されるまで、チャネルを検知する。
6.追加の延期期間Td中のすべてのスロット期間中にチャネルがアイドル状態であると検知された場合は、ステップ4に進み、それ以外の場合は、ステップ5に進む。
【0013】
UL UEが、PUSCHを含む送信のためにタイプ2チャネルアクセス手順を使用する場合、UEは、チャネルが少なくとも検知間隔Tshоrt_ul=25usの間アイドル状態であると検知した直後に、PUSCHを含む送信を送ることができる。Tshоrt_ulは、直後に1つのスロット期間Tsl=9usが続く期間Tf=16usから構成され、Tfは、Tfの開始時のアイドルスロット期間Tslを含む。チャネルは、Tshоrt_ulのスロット期間中にアイドル状態であると検知された場合、Tshоrt_ulの間アイドル状態であると見なされる。
【0014】
本明細書に記載の解決策について、LBTという用語は、LTE LAAに使用されるタイプ1およびタイプ2のULチャネルアクセス手順と同じまたは類似のULチャネルアクセス手順に言及するために使用される。
【0015】
(LTEフレーム構造タイプ3)
フレーム構造タイプ3は、通常のサイクリックプレフィックスのみを有するLAAセカンダリセル動作に適用可能である。各無線フレームは、長さがTf=307200・Ts=10msであり、長さがTslоt=15360・Ts=0.5msで0から19までの番号が付けられた20個のスロットで構成される。サブフレームは、2つの連続したスロットとして定義され、サブフレームiはスロットiと2i+1から構成される。3GPP TS36.211、物理チャネルと変調(リリース15)、V15.0.0を参照されたい。
【0016】
無線フレーム内の10個のサブフレームが、下りリンクまたは上りリンク送信に利用可能である。下りリンク送信は、1つ以上の連続するサブフレームを占有し、サブフレーム内の任意の場所で開始され、完全に占有されているか、または、TS36.211の表4.2-1(Table 4.2-1)に規定されたDwPTS期間の1つに続く最後のサブフレームで終了する。上りリンク送信は、1つ以上の連続するサブフレームを占有する。
【0017】
(次世代(NextGen)ネットワーク要件)
3GPP TR38.913、次世代アクセス技術のシナリオおよび要件に関する検討、(リリース14)、V14.3.0には、次世代アクセス技術のシナリオおよび要件が定義されている。eMBB、URLLC、およびmMTCのデバイスのKPIを表22に要約する。
【0018】
(NRビームフォーミングによるアクセス)
現在、ビームフォーミングによるアクセスのためのフレームワークを設計するために、3GPP標準化の取り組みが進行中である。より高い周波数での無線チャネルの特性は、LTEが現在展開されているサブ6GHzチャネルとは大幅に異なる。より高い周波数用の新しい無線アクセス技術(RAT)を設計する際の主要な課題は、より高い周波数帯域でのより大きな経路損失を克服することであろう。このより大きな経路損失に加えて、より高い周波数は、回折の弱さによって引き起こされる閉塞のために、好ましくない散乱環境にさらされる。したがって、レシーバー側で十分な信号レベルを保証するために、MIMO/ビームフォーミングが不可欠である。R1-164013、ビームフォーミングによるアクセスのためのフレームワーク、サムスンを参照されたい。
【0019】
より高い周波数での追加の経路損失を補償するためにデジタルビームフォーミング(Beamforming:BF)によって使用されるMIMOデジタルプリコーディングのみに依存することは、6GHz未満と同様のカバレッジを提供するために十分ではないと考えられる。したがって、追加のゲインを達成するためのアナログビームフォーミングの使用は、デジタルビームフォーミングと併せて、代替となり得る。十分に狭いビームが、多くのアンテナ要素で形成される必要があり、それは、LTE評価で想定されているものとはかなり異なる可能性が高い。ビームフォーミングゲインが大きい場合、それに応じてビーム幅が狭くなる傾向があるため、指向性アンテナゲインが大きいビームは、特に3セクタ構成では水平セクタ領域全体をカバーできない。同時的高ゲインビーム数の制限要因として、トランシーバアーキテクチャのコストと複雑性が含まれる。
【0020】
上記のこれらの観察から、異なるサービングエリアをカバーするように操向される狭いカバレッジビームを用いた時間領域における複数の送信が必要である。本質的に、サブアレイのアナログビームは、OFDMシンボルの時間分解能で、またはセル内の異なるサービングエリアにわたるビーム操向のために定義された任意の適切な時間インターバル単位で、単一の方向に向かって操向されることができ、したがって、サブアレイの数は、OFDMシンボルごとに、またはビーム操向のために定義された時間インターバル単位で、ビーム方向の数および対応するカバレッジを決定する。いくつかの文献では、この目的のための複数の狭いカバレッジビームの提供は、「ビーム掃引」と呼ばれる。アナログおよびハイブリッドビームフォーミングの場合、ビーム掃引は、NRにおいて基本的カバレッジを提供するために不可欠と考えられる。この概念は、
図1に図示され、図中、セクタレベルセルのカバレッジは、セクタビームと複数の高ゲインで狭いビームとを用いて実現されている。また、大規模MIMOを使用したアナログおよびハイブリッドビームフォーミングの場合、NRにおいてサービングセル内の全カバレッジエリアをカバーするためには、異なるサービングエリアをカバーするように操向される狭いカバレッジビームを用いた時間領域における複数の送信が不可欠である。
【0021】
ビーム掃引に密接に関連する1つの概念は、ビームペアリングの概念である。ビームペアリングは、制御シグナリングまたはデータ送信に使用可能な、UEとそのサービングセルとの間の最良のビームペアを選択するために使用される。下りリンク送信の場合、ビームペアはUE RXビームとNRノードTXビームから構成され、上りリンク送信の場合、ビームペアはUE TXビームNRノードRXビームから構成される。
【0022】
別の関連する概念は、ビーム微調整に使用されるビームトレーニングの概念である。例えば、
図1に示すように、ビーム掃引およびセクタビームペアリングプロシージャ中は、より粗いセクタビームフォーミングが、適用され得る。次に、ビームトレーニングが続き、例えば、アンテナ重みベクトルが微調整され、続いて、UEとNRノードとの間の高ゲインで狭いビームのペアリングが実行され得る。
【0023】
(NRランダムアクセス手順)
ランダムアクセス手順は、例えば、以下のようないくつかのイベントによってトリガーされる。
・RRCアイドル(RRC_IDLE)からの初期アクセス。
・RRC接続の再確立手順。
・ハンドオーバ。
・UL同期状態が「非同期」であるときの、RRC接続(RRC_CONNECTED)中のDLまたはULデータ着信。
・RRC非アクティブ(RRC_INACTIVE)からの遷移。
・他のSIの要求。
・ビーム障害の回復。
【0024】
3GPP TS38.300、NR、NRおよびNG-RAN概説、ステージ2(リリース15)、V15.1.0を参照されたい。
【0025】
さらに、ランダムアクセス手順は、
図2に示すように、競合ベースおよび競合のない、2つの異なる形態をとる。通常のDL/UL送信は、ランダムアクセス手順の後に行うことができる。
【0026】
SULで構成されたセルにおける初期アクセスの場合、UEは、DLの測定された品質がブロードキャストしきい値よりも低い場合にのみ、SULキャリアを選択する。ランダムアクセス手順のすべての上りリンク送信は、開始されると、選択されたキャリアに残る。
【0027】
(ランダムアクセス構成)
通常のランダムアクセスおよびビーム障害回復の両方のために、RACH-ConfigGenericIEを使用して、セル固有のランダムアクセスパラメータが指定される。3GPP TS38.331、無線リソース制御(RRC)プロトコル仕様(リリース15)、V15.1.0を参照されたい。このIEには、使用中のPRACH構成を指定するprach-ConfigurationIndexフィールドが含まれる。
図3は、本明細書に記載の解決策の実施形態を例示するために使用される、PRACH構成インデックス86に対応する不対スペクトルのFR1 PRACH構成の図である。
【0028】
(ランダムアクセス手順のためのL1とL2/3の間の相互作用モデル)
上記のランダムアクセス手順は、L1とL2/3の相互作用の観点から、下記の
図4にモデル化されている。L2/L3は、ランダムアクセスプリアンブル送信のL1への指示の後、ACKが受信されたか、またはDTXが検出されたかのインジケーションをL1から受信する。L2/3は、必要に応じて、最初にスケジュールされたUL送信(初期アクセスの場合はRRC接続要求)か、または、L1からの指示に基づくランダムアクセスプリアンブルを送信するように、L1に指示する。
【0029】
(NR帯域幅適応)
帯域幅適応(BA)によれば、UEの受信および送信帯域幅は、セルの帯域幅と同程度に大きくする必要はなく、調整可能である。すなわち、幅を変更するように(例えば、電力を節約するために低活動の期間に縮小するように)指示することができ、位置は周波数領域で(例えば、スケジューリングの柔軟性を高めるために)移動することができ、そしてサブキャリアの間隔を(例えば、異なるサービスを可能にするために)変更するように指示することができる。セルの合計セル帯域幅のサブセットは帯域幅パート(BWP)と呼ばれ、UEをBWPで構成し、構成されたBWPのうちのどれが現在アクティブであるかをUEに知らせることによってBAが実現される。3GPP TS38.213、NR、制御のための物理層手順(リリース15)、V15.0.0を参照されたい。
【0030】
図5は、3つの異なるBWPが構成されているシナリオを説明している。
・幅が40MHzで、サブキャリア間隔が15kHzのBWP1。
・幅が10MHzで、サブキャリア間隔が15kHzのBWP2。
・幅が20MHzで、サブキャリア間隔が60kHzのBWP3。
【0031】
サービングセルは、最大4つのBWPで構成することができ、アクティブ化されたサービングセルの場合、任意の時点で常に1つのアクティブなBWPが存在する。サービングセルのBWPスイッチングは、一度に、非アクティブなBWPをアクティブ化し、アクティブなBWPを非アクティブ化するために使用され、下りリンク割り当てまたは上りリンク認可を示すPDCCHによって制御される。SpCell(スペシャルセル)の追加またはSCellのアクティブ化がなされると、下りリンク割り当てまたは上りリンク認可を示すPDCCHを受信することなく、1つのBWPが最初にアクティブになる。サービングセルのアクティブなBWPは、RRCまたはPDCCHによって示される。不対スペクトルの場合、DL BWPはUL BWPと対をなし、BWPスイッチングはULとDLの両方に共通である(TS38.213)。
【0032】
(課題)
UEは、NR-Uサービングセル上で送信を実行する前に、リッスンビフォートーク(LBT)を適用する。LBTが適用されると、UEはクリアチャネル評価(CCA)を実行して、チャネルが空き状態かビジーかを判定する。チャネルが空き状態であると判定された場合、UEは送信を実行できるが、それ以外の場合、UEは送信を実行しない。
【0033】
使用されている多重化技術(例えば、符号分割多重化(CDM)、周波数分割多重化(FDM)、時分割複信(TDM))が、隣接するUEに干渉を発生させることなく送信の実行を可能にする場合であっても、隣接するUE(例えば、PUSCH、PUCCH、SRS、RACHなど)からの送信がCCA期間と重複する場合、LBTは失敗し得る。
【0034】
例えば、ランダムアクセス設計によって、複数のUE(最大64個)が、PRACH送信オケージョン中に、同じPRACHリソースを共有することが可能になる。1つ以上の隣接するUEの送信がCCA期間と重複する場合、チャネルは「ビジー」と見なされ、使用されている多重化技術が、隣接するUEに干渉を発生させることなく送信の実行を可能にする場合であっても、UEがプリアンブル送信を開始できなくなる。したがって、ランダムアクセス手順を拡張して、隣接するUEからのULがUEによるプリアンブルの送信を妨げないことを確実にする必要がある。以下のシナリオが考えられる。
【0035】
シナリオ1:同じセルからの、チャネルの他のユーザによる競合ベースのプリアンブル送信のために、LBTが失敗する可能性がある。
【0036】
シナリオ2:同じセルからの、チャネルの他のユーザによる非競合ベースのプリアンブル送信のために、LBTが失敗する可能性がある。
【0037】
シナリオ3:例えば、同じセルからのチャネルの他のユーザによるPUSCH、PUCCH、SRSなどの、他のUL送信のために、LBTが失敗する可能性がある。
【0038】
シナリオ4:例えば、Wi-Fiユーザ、または同じPLMNまたは異なるPLMNの他のセルからのユーザなどの、チャネルの他のユーザによる送信のために、LBTが失敗する可能性がある。
【0039】
上記の可能なシナリオにより、UEがシナリオ1、2および3で送信を延期しない一方で、シナリオ4で送信を延期することを確実にするために、UEは、シナリオ4を他のシナリオから区別できなければならない。例えば、UEは、Wi-Fi送信の結果としてビジー状態であるチャネルを、PUSCH、PUCCH、SRS、またはRACHなどのセルラーデータ送信の結果としてビジー状態のチャネルから区別できなければならない。そのような区別を実行するための方法を調べる必要がある。
【0040】
(ネットワーク支援を用いたULチャネルアクセス)
本明細書に記載の課題の節で論じたように、同じスケジューラの制御下にあり、与えられたUEのUL送信と多重化することを意図された隣接するUEからの送信(例えば、PUSCH、PUCCH、SRS、RACHなどの送信)がCCA期間と重複する場合、UEによって実行される、例えば、LBTなどのチャネルアクセス手順は失敗する可能性がある。この問題に対処するために、gNBは、UL送信を実行する前に実行され得るチャネルアクセス手順の決定および適応の少なくとも一方を実行するためにUEによって使用されるネットワーク支援情報をUEに提供し得る。
【0041】
ネットワーク支援情報を受信したUEは、次に、UL送信を行う前にLBT手順の実行を見合わせてもよいし、あるいはLBT手順のための構成パラメータの異なるセット、例えば、異なるエネルギー検出しきい値(XThresh)、検知間隔/延期期間(Td)、コンテンションウィンドウ(CW)サイズなどを使用してもよい。
【0042】
NW支援情報は、少なくとも部分的に、gNBによって実行されたLBT手順の結果、または、同じスケジューラの制御下にある隣接するUEからの来たるべき送信と、2つのスケジューラ間に調整がある場合、異なるスケジューラの制御下にある隣接するUEからの来たるべき送信とのうちの少なくとも一方に基づくことができる。
【0043】
ネットワーク支援情報は、チャネルアクセスタイプおよびチャネルアクセス優先度クラスの少なくとも一方を含み得るチャネルアクセス情報から構成され得る。チャネルアクセス情報は、ULチャネルアクセス手順のタイプおよび使用され得る構成パラメータのセットを決定するために、UEによって使用され得る。例えば、チャネルアクセスタイプを使用して、無線環境に基づいてLBT手順を適応させることができ、チャネルアクセス優先度クラスを使用して、ULチャネルアクセス手順を実行する際のQoS差別化を提供することができる。ネットワーク支援情報には、LBT手順を実行するときに使用されるパラメータの明示的な値、例えば、エネルギー検出しきい値(XThresh)、検知間隔/延期期間(Td)、コンテンションウィンドウ(CW)サイズなどが含まれ得る。あるいは、与えられたチャネルアクセスタイプに使用する値は、規格通りに半静的に構成または事前定義され得る。
【0044】
以下は、例示的なチャネルアクセスタイプ、および対応する定義され得るULチャネルアクセス手順のリストである。
・タイプ1:デフォルト構成セットを使用したランダムバックオフを伴うLBT。
・タイプ2:デフォルト構成セットを使用したランダムバックオフのないLBT。
・タイプ3:デフォルト構成セットに対して、例えば、より高いXThreshやより短い検知間隔/延期期間(Td)などを有する代替構成セットを使用した、ランダムバックオフのないLBT。
・タイプ4:LBTなし。
【0045】
NR-Uの場合、タイプ1およびタイプ2のチャネルアクセスタイプのUEの動作は、タイプ1およびタイプ2のLAAチャネルアクセスに対して定義された動作と同じか類似するように定義され得る。
【0046】
タイプ3チャネルアクセスの動作は、チャネルにアクセスする際により積極的であるように定義され得る。例えば、検知間隔Tshort_ulは、単一のタイムスロット期間Tsl = 9usから構成されるように定義でき、エネルギー検出Xthreshは、タイプ2に使用される値と比較して高い値に設定され得る。チャネルは、検知間隔Tshоrt_ul中にXthreshを下回っていると検知された場合、Tshоrt_ulの間アイドル状態であると見なされる。
【0047】
タイプ4の動作は、UEが、LBTを実行せずに、直ちに送信を実行するようなものであり得る。
【0048】
必要に応じて、追加のチャネルアクセスタイプを定義することができる。
【0049】
あるいは、ネットワーク支援情報は、UEがLBT手順の実行を見合わせることができるかどうかを示すために使用され得る送信許可(CTS)から構成され得る。
【0050】
UEが、そのチャネルアクセス手順、例えば、LBTを実行するときに、NW支援情報が有効であることを確実にするため、DL送信を使用してネットワーク支援情報を送信することができ、UEによって実行されるUL送信は、
図6に示すように、同じチャネル占有時間(COT)中に発生する。
【0051】
ネットワーク支援情報は、例えば、送信期間および時間内の送信の機会または発生のためのリソース割り当て情報を含み得る。リソース割り当て情報は、周波数リソース割り当て情報を含み得る。この情報に基づいて、UEは、同じサービングセルのユーザがいつ送信しているか、およびいつ送信していないかを知る。UEは、自身の送信を延期するかどうかを判定するためにこの情報を使用することができる。例えば、UEは、サービング内セルチャネル信号の検出および復号化を目的とするクリアチャネル評価(CCA)のキャリアセンシング機能を実行しない可能性がある。UEは、CCAのエネルギーレベル検出機能のみに依存してもよい。この場合、LBT結果がチャネルビジーを示していれば、非サービングセル内、非サービングセルラーRAT内、またはWiFiなどの非セルラーシステム内のチャネル共有ユーザからの送信の結果としてチャネルがビジーであるため、UEは自身の送信を延期する可能性がある。
【0052】
ネットワーク支援アクセス情報は、L1シグナリング(例えば、DCI)または上位層シグナリング(例えば、MAC CE、RRCメッセージ)を介してUEにシグナリングされ得る。ネットワーク支援情報の送信には、専用、グループベース、またはブロードキャストシグナリングが使用され得る。さらに、支援情報がDCIシグナリングを使用してUEに設定される場合、サービングセルのUEは、グループPDCCHを使用してアドレス指定され得る。
【0053】
(ランダムアクセス)
NR-Uサービングセルは、展開シナリオに応じて、SCell、PSCell、またはPCellとして構成され得る。
【0054】
ライセンスバンドNR(PCell)とNR-U(SCell)の間のキャリアアグリゲーション(CA)の場合、以下のイベントのために、ランダムアクセスがNR-U SCellを用いて実行され得る。
・NR-U SCellとの時間的整合性を確立するため。
・ビーム障害回復。
【0055】
ライセンスバンドLTE(PCell)とNR-U(PSCell)の間のデュアルコネクティビティ(DC)の場合、以下のイベントのために、ランダムアクセスがNR-U PSCellを用いて実行され得る。
・SCG追加/変更。
・ULが「非同期」の場合、またはPUCCHリソースがない場合のUL/DLデータ着信。
・ULが「非同期」の場合、DLデータ着信により、NR-U PSCell上のRACHまたはSCGのNR-U SCellがトリガーされる。
・ULが「非同期」の場合、またはPUCCHリソースがない場合、ULデータ着信により、NR-U PSCell上のRACHがトリガーされる。
・ビーム障害回復。
【0056】
スタンドアローン(SA)NR-Uの場合、以下のイベントのために、ランダムアクセスがNR-U SAセルを用いて実行され得る。
・初期アクセス、
・RRC接続の再確立、
・ハンドオーバ、
・ULが「非同期」の場合、またはPUCCHリソースがない場合のUL/DLデータ着信、
・RRC非アクティブからの遷移、
・他のSIの要求、または
・ビーム障害回復。
【0057】
NR-Uサービングセルを用いてランダムアクセスを実行する場合、ランダムアクセス手順の各ステップは、例えば、LBTなどのチャネルアクセス手順が、送信ノードによって、
図7に示すように実行されることを必要とし得る。
【0058】
CCA期間と重複する隣接UEからの送信をUEが延期することを防ぐために、gNBは、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前に実行され得るチャネルアクセス手順の決定および適応の少なくとも一方を実行するためにUEによって使用される支援情報をUEに提供し得る。
【0059】
(信号NW支援情報のシグナリングのメカニズム)
UEが、そのチャネルアクセス手順、例えば、LBTを実行するときに、NW支援情報が有効であることを確実にするため、DL送信を使用してNW支援情報を送信することができ、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、
図8に示すように、同じCOT中に発生する。
【0060】
NW支援アクセス情報は、専用、グループベース、またはブロードキャストシグナリングを使用して送信され得るL1シグナリング(例えば、DCI)または上位層シグナリング(例えば、MAC CE、RRCメッセージ)を介してUEにシグナリングされ得る。
【0061】
表3は、NW支援情報をシグナリングするために使用され得るDCIフォーマットの例示的な定義である。DCIは、C-RNTIまたはネットワーク支援RNTI(NA-RNTI)によってスクランブルされ得る。NA-RNTIには、既存のRNTI値に対して一意的な値、例えば、0xFFFDが割り当てられる。
【0062】
この例では、NW支援情報は、ランダムアクセスプリアンブルの送信の前に実行され得るチャネルアクセス手順のタイプを示すために使用されるチャネルアクセスタイプフィールドから構成される。チャネルアクセスタイプフィールドは、値0がタイプ1に対応、値1がタイプ2に対応、等々となるように定義でき、アクセスタイプは、本明細書に記載の例示的なチャネルアクセスタイプに従って事前定義することができる。
【0063】
DCIフォーマットは、トリガーイベントに関連するサービスのQoSに基づいてチャネルアクセス手順を適応させるために使用され得るチャネルアクセス優先度クラスなどの追加のフィールドを含むように拡張され得る。
【0064】
NW支援情報は、NA-RNTIによってスクランブルされたグループ共通PDCCH上で送信され得る。あるいは、例えば、UEが競合のないランダムアクセス手順を実行する場合、NW支援情報は、UE固有のインジケーションのためにC-RNTIによってスクランブルされたDCIフォーマットを使用して送信され得る。
【0065】
このDCIは、PRACHリソースに先行するCORESET中で送信され得る。これは、タイプ0-PDCCH共通探索空間またはタイプ1-PDCCH共通探索空間に対するCORESETと同じであってもよい。あるいは、これは、例えば、nw-assistance-coreset-configurationなどの上位層パラメータによって構成された異なるCORESETであってもよい。
【0066】
UEは、例えば、C-RNTIによってスクランブルされている場合、共通探索空間(例えば、タイプ0-PDCCH共通探索空間、タイプ1-PDCCH共通探索空間)またはUE固有の探索空間におけるNW支援情報を監視し得る。UEは、また、例えば、nw-assistance-SearchSpaceなどの上位層パラメータによって構成され得るNW支援検索空間を監視するように構成され得る。
【0067】
このDCIを監視するように構成されたUEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前に実行され得るチャネルアクセス手順の決定および適応の少なくとも一方を実行するために後で使用されることになるNW支援情報を検出する。
【0068】
ネットワーク支援情報DCIがUEによって受信されないが、SSB、CSI-RS、グループ共通PDCCHまたは共通探索空間内の他のPDCCHのいずれかがUEによってDL上で検出される場合、検出されたSSB、CSI-RS、グループ共通PDCCH、または他のPDCCHは、COTの間、gNBからの暗黙の指示として使用され得る。この場合、UEは、チャネルアクセス手順のために構成されたか、またはフォールバックのチャネルアクセスタイプを使用することができる。ネットワーク支援情報DCIも、いかなるDL信号(例えば、SSBやCSI-RS)やPDCCHも、例えば、チャネル状態の不良やDL LBT障害が原因で検出されない場合、UEはデフォルトのチャネルアクセスタイプを仮定することができる。例えば、本明細書で説明したようなタイプ1を使用して、ランダムアクセスプリアンブルの送信の前にチャネルアクセス手順を実行することができる。あるいは、ネットワーク支援情報DCIが受信されない場合、UEはプリアンブル送信を「省く」ことができる。
【0069】
ネットワークトリガーされたランダムアクセス手順を実行する際、gNBは、ランダムアクセス手順をトリガーした、例えば、DLデータ着信、ハンドオーバなどのイベントに応答してNW支援情報をUEに送信することにより、NR-U SCell、SCG追加/変更などとの時間的整合性を確立することができる。これらのシナリオの場合、ランダムアクセスプリアンブルの送信に使用されるメッセージおよび対応するPRACH送信機会が同じCOT中に発生するならば、ランダムアクセス手順のトリガーに使用されるメッセージでNW支援情報がシグナリングされ得る。
【0070】
図9は、ランダムアクセス手順が、gNBによって、NW支援情報を含むPDCCH命令を使用してトリガーされるシナリオの時間スケジュールの図である。
【0071】
表8は、NW支援情報をシグナリングするために使用され得るNR-U PDCCH命令の例示的な定義である。この例では、NW支援情報は、ランダムアクセスプリアンブルの送信の前に実行され得るチャネルアクセス手順のタイプを示すために使用されるチャネルアクセスタイプフィールドから構成される。チャネルアクセスタイプフィールドは、値0がタイプ1に対応、値1がタイプ2に対応、等々となるように定義でき、アクセスタイプは、本明細書に記載の例示的なチャネルアクセスタイプに従って事前定義することができる。
【0072】
NR-U PDCCH命令は、トリガーイベントに関連するサービスのQoSに基づいてチャネルアクセス手順を適応させるために使用され得るチャネルアクセス優先度クラスなどの追加のフィールドを含むように拡張され得る。
【0073】
あるいは、NW支援情報は、ランダムアクセス手順をトリガーするために使用されるメッセージとは異なるメッセージでシグナリングされ得る。これにより、ランダムアクセス手順をトリガーするために使用されるメッセージと、NW支援情報を提供するために使用されるメッセージを、異なるCOT中に送信することができる。
【0074】
図10は、ランダムアクセス手順をトリガーするために使用されるPDCCH命令がCOT
x中に送信され、NW支援情報がCOT
y中に送信されるシナリオの図である。COT
xとCOT
yは連続する場合もしない場合もある。
【0075】
図11は、ランダムアクセス手順をトリガーするために使用されるハンドオーバーコマンドがCOT
x中にソースgNBによって送信され、NW支援情報がCOT
y中にターゲットgNBによって送信されるシナリオの図である。
【0076】
本明細書に記載のランダムアクセス手順中にシグナリングされるRARは、RAR UL認可によってスケジュールされたUL送信の前に実行され得るチャネルアクセス手順の決定および適応の少なくとも一方を実行するためにUEによって使用されるNW支援情報をも含み得る。
【0077】
例えば、NW支援情報は、RAR UL認可のフィールドとして含まれ得る。表8は、NW支援情報をシグナリングするために使用され得るNR-U RAR UL認可の例示的な定義である。この例では、NW支援情報は、スケジュールされたUL送信の前に実行され得るチャネルアクセス手順のタイプを示すために使用されるチャネルアクセスタイプフィールドから構成されている。チャネルアクセスタイプフィールドは、値0がタイプ1に対応、値1がタイプ2に対応、等々となるように定義でき、アクセスタイプは、本明細書に記載の例示的なチャネルアクセスタイプに従って事前定義することができる。
【0078】
NR-U RAR UL認可は、RAR UL認可によってスケジュールされたUL送信のQoSに基づいてチャネルアクセス手順を適応させるために使用され得るチャネルアクセス優先度クラスなどの追加のフィールドを含むように拡張され得る。
【0079】
あるいは、NW支援情報は、RARのMACペイロード内のフィールドとしてシグナリングされ得る。NW支援情報をシグナリングするために使用できる例示的なMAC RARを
図12に示す。この例では、NW支援情報はチャネルアクセスタイプから構成されている。MAC RARのフィールドは以下のように定義することができる。
・R:予約ビットで、「0」に設定される。
・チャネルアクセスタイプ:チャネルアクセスタイプフィールドは、スケジュールされたUL送信の前に実行され得るチャネルアクセス手順のタイプを示し、3ビットである。チャネルアクセスタイプフィールドは、値0がタイプ1に対応、値1がタイプ2に対応、等々となるように定義でき、アクセスタイプは、本明細書に記載の例示的なチャネルアクセスタイプに従って事前定義することができる。
・タイミングアドバンスコマンド:タイミングアドバンスコマンドフィールドは、MACエンティティがTS38.213において適用する必要のあるタイミング調整量を制御するために使用されるインデックス値T
Aを示す。タイミングアドバンスコマンドフィールドのサイズは12ビットである。
・UL認可:上りリンク認可フィールドは、TS38.213における上りリンク上で使用すべきリソースを示す。UL認可フィールドのサイズは25ビットである。
・一時的C-RNTI:一時的C-RNTIフィールドは、ランダムアクセス中にMACエンティティによって使用される一時的な識別を示す。一時的C-RNTIフィールドのサイズは16ビットである。
【0080】
NW支援情報を持つMAC RARは、RAR UL認可によってスケジュールされたUL送信のQoSに基づいてチャネルアクセス手順を適応させるために使用され得るチャネルアクセス優先度クラスなどの追加のフィールドを含むように拡張され得る。
【0081】
ランダムアクセスプリアンブル、およびRARを介してスケジュールされたUL送信が同じCOT中に発生するシナリオの場合、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前に実行され得るチャネルアクセス手順を決定/適応するために使用されるNW支援情報は、RAR UL認可によってスケジュールされた任意のUL送信を実行する前に実行され得るチャネルアクセス手順を決定/適応するためにも使用され得る。
【0082】
(NW支援情報を使用したランダムアクセス)
図13は、NW支援情報を用いたNR-U競合ベースランダムアクセス手順のためのシグナリングの図である。この例では、
図8に示すように、NW支援情報とランダムアクセスプリアンブルの送信が同じCOT中に発生する。残りのメッセージの送信は、このCOT中または異なるCOT中に発生する可能性がある。
【0083】
図14は、NW支援情報を用いたNR-U競合のないランダムアクセス手順のシグナリングの図であり、ここでは、NW支援情報とRAプリアンブル割り当ては、PDCCH命令を介してシグナリングされる。この例では、
図9に示すように、PDCCH命令とランダムアクセスプリアンブルを介したNW支援情報の送信は、同じCOT中に発生する。ランダムアクセス応答の送信は、PDCCH命令とランダムアクセスプリアンブルの送信と同じCOT中、または異なるCOT中に発生し得る。
【0084】
図15は、NW支援情報を用いたNR-U競合のないランダムアクセス手順のシグナリングの図であり、ここでは、RAプリアンブル割り当てはPDCCH命令を介してシグナリングされ、NW支援情報は別個にシグナリングされる。この例では、
図10に示すように、NW支援情報とランダムアクセスプリアンブルの送信は同じCOT中に発生するが、PDCCH命令を介したRAプリアンブル割り当ての送信は異なるCOT中に発生する。RARの送信は、NW支援情報およびランダムアクセスプリアンブルの送信と同じCOT中に発生しても、異なるCOT中に発生してもよい。
【0085】
図16は、NW支援情報を用いたNR-U競合のないランダムアクセス手順のシグナリングの図であり、ここでは、RAプリアンブル割り当てはハンドオーバーコマンドを介してシグナリングされ、NW支援情報は別個にシグナリングされる。
【0086】
この例では、
図11に示すように、NW支援情報とランダムアクセスプリアンブルの送信は同じCOT中に発生するが、RAプリアンブル割り当ての送信は異なるCOT中に発生する。RARの送信は、NW支援情報およびランダムアクセスプリアンブルの送信と同じCOT中に発生しても、異なるCOT中に発生してもよい。
【0087】
(NR-Uランダムアクセス構成)
NRにおいては、表8に定義されるように、2つの周波数範囲、FR1およびFR2が存在する。3GPP TS38.101、ユーザ端末(UE)の無線送受信(リリース15)、V15.1.0を参照されたい。
【0088】
NRにおけるPRACHでは、FR1に対して1.25、5、15、および30kHzのサブキャリア間隔が使用され、FR2に対して60および120kHzが使用される。
【0089】
LBTの時間位置および持続時間をより柔軟に選択することができ、PRACHリソースをより効率的に使用することができるため、FR1内のNR-Uに60kHzおよび120kHzのサブキャリア間隔を導入することは有益であろう。
図17に示すように、プリアンブルに60kHzのサブキャリア間隔を使用すると、PRACH送信オケージョンに使用可能なシンボルの数が多くなる可能性がある。各SF(1ミリ秒)内に存在するシンボルは、合計56個になるであろう。例示のため、LBT期間を、6個の60kHz OFDMシンボルと仮定すると、14シンボルのうち12個(85.7%)しかPRACH送信オケージョンに使用できない15kHzのサブキャリア間隔の場合と比較して、例えば、56シンボルのうち50個(89.3%)がPRACH送信オケージョンに使用可能である。
【0090】
FR1におけるNR-Uのための60および120kHzのRACH構成のサポートは、3GPP TS38.211、物理チャネルと変調(リリース15)、V15.1.0に定義されている既存のRACH構成テーブルを使用するか、または同じRACH-ConfigGenericIEを使用することによって行うことができる。TS38.331を参照されたい。
【0091】
NR-Uのための別個のRACH構成テーブルを導入することによって、NR-Uのためのより柔軟なRACH構成を使用することができる。
【0092】
一例を表7に示す。この例では、NRに対して定義されたRACH構成テーブル内の列「サブフレーム内のPRACHスロット数」が削除されている。コード例1では、その列に載せられる情報が、代わりに、RACH-ConfigGenericIEに移動されている。この変更により、PRACH送信オケージョンに対してより柔軟な構成が与えられる。
【0093】
第2の例を表8に示す。この例では、NRに対して定義されたRACH構成テーブル内の列(「開始シンボル」および「サブフレーム内のPRACHスロット数」)が削除されている。コード例2では、これら2つの列に載せられる情報が、代わりに、RACH-ConfigGenericIEに移動されている。これらの変更により、PRACH送信オケージョンに対してより柔軟な構成が与えられる。
【0094】
LBT(持続時間および時間位置)のいくつかの構成および構成されたPRACH送信オケージョンにおいて、衝突が発生する可能性がある。その場合、UEの動作は、LBTと衝突するPRACH送信オケージョンを無効と見なすことになる可能性がある。
図18の図では、PRACH送信オケージョン0は無効となるであろう。PRACH送信オケージョン1とPRACH送信オケージョン2だけが有効であり続ける。
【0095】
(拡張CCA)
送信タイプ識別コードを使用する拡張CCAを使用することができる。送信タイプ識別コードは、UEサービングセルまたはサービングセルスケジューラ、チャネルリソース、および、例えば、競合ベースランダムアクセスリソースまたは非競合ベースランダムアクセスリソースに対するチャネルアクセスタイプを一意に識別するコードまたはコードの組み合わせである。
【0096】
PRACH送信機会の開始時に、ランダムアクセス手順を実行することを意図する各UEは、実際のPRACHプリアンブルを送信する前に、時間間隔の短い期間にわたって、PRACHの送信タイプ識別信号を繰り返し送信する。同様に、ランダムアクセス手順を実行することを意図する各UEは、PRACH送信機会の開始時に、PRACHプリアンブルを送信する前の、例えば、送信タイプ識別信号の送信と同じ短期間などの短い時間間隔にわたって、チャネルの他のユーザからの送信タイプ識別信号を監視する。UEは、送信タイプ識別信号に関する自身の知識、またはそのサービングセル内での送信期間および時間内の送信の発生に関する自身の知識を用いて、チャネルの他のユーザに譲歩するかどうかの決定を行う。
【0097】
この拡張CCA手順を、以下のように要約することができる。手順の様々な変形例を
図19、
図20、および
図21にさらに示す。
【0098】
仮定:PRACH送信機会の開始時に、ランダムアクセス手順を実行することを意図する各UEは、実際のPRACHプリアンブルを送信する前に、短い時間間隔にわたって送信タイプ識別信号を繰り返し送信する。
【0099】
(キャリアセンシング)
PRACHを送信することを意図するUEは、PRACHの実際の送信に先立つ短い時間間隔の間にキャリアセンシングを実行する。キャリアセンシング中に、UEは、チャネルの他のユーザによって送信された送信タイプ識別信号またはコードを検出および復号化する。送信タイプ識別信号またはコードが、競合ベースPRACH送信または非競合ベースPRACH送信を示す場合、UEは延期しない可能性がある。しかし、検出された送信識別が、UEが延期し得ることを示す場合、チャネルはビジーであると見なされ、関連する送信期間中、ビジー状態に保持され得る。送信期間は、PRACH送信機会の期間であり得る。
【0100】
(エネルギー検出(ED))
ここでのエネルギー検出は、ノイズフロア、周囲エネルギー、干渉源、および破損している可能性があり、復号化されなくなった、未確認非サービングセル送信に基づいて、チャネル上に存在する(例えば、同じPLMN、異なるPLMN、またはWiFiからの)非サービングセルエネルギーレベルを検出するUEの能力を指す。事前定義されたEDしきい値は、サービングセル信号、(例えば、同じPLMNまたは異なるPLMNの)非サービングセル信号、または非セルラー信号、または、例えばWiFi信号のために、UE内に指定または構成され得る。UEは、非サービングセル信号または他の非セルラー信号に対して事前定義されたEDしきい値を使用して、検出されたエネルギーレベルが、チャネルがビジーまたはアイドルであると見なすのに十分に高いかどうかを判定する。
【0101】
UEが、CCAのキャリアセンシング機能の一部として、競合ベースPRACH送信または非競合ベースPRACH送信を示す送信識別信号またはコードを検出せず、そして、UEが、CCAのED機能の一部として、チャネル上に存在する、非サービングセルEDしきい値よりも高い非サービングエネルギーレベルを検出した場合、UEは、チャネルが関連する期間中ビジーであると見なし、延期する可能性がある。
【0102】
拡張CCAは、ネットワーク支援型またはUE自律拡張型であり得る。
【0103】
例えば、ネットワーク支援型スキームでは、支援情報は、例えば、競合ベースランダムアクセスリソースまたは非競合ベースランダムアクセスリソースに対する1つ以上の送信タイプ識別コードを含み得る。支援情報は、RRC共通シグナリング(例えば、ブロードキャストシグナリングまたはグループキャストシグナリング)またはRRC専用シグナリングを介して、UE内に構成され得る。支援情報は、DCIシグナリングを介してUE内に構成することもでき、そこでは、グループPDCCHを使用してUEのサービングセルをアドレス指定することができる。
【0104】
UE自律ベースの拡張CCA方法の場合、送信タイプ識別信号またはコードは、UE内に事前構成され得るか、または仕様で定義され得る。
【0105】
図19の例では、ステップ1で、UEは、事前定義された送信タイプ識別コードを含む。事前定義された送信タイプ識別コードは、例えば、事前構成、プロビジョニング、または仕様を通じてUEに提供された可能性がある。
【0106】
ステップ2では、UEは、それが、例えば、UEが送信することを意図するPRACHオケージョンなどの新しい送信機会の始まりであるかどうかをチェックする。そうでない場合、UEは、新しい送信機会を再度チェックする前に、他のタスクを実行することができる。
【0107】
ステップ2で、これが新しい送信機会の始まりである場合、ステップ3で、UEは、識別タイプコードを繰り返し送信する。
【0108】
ステップ4は、クリアチャネル評価(CCA)エネルギー検出(ED)である。UEは、自身のチャネルをリッスンして、非サービングセルEDしきい値を超える送信エネルギーレベルを有する非サービングセルユーザを検出する。
【0109】
ステップ4で適格な非サービングセルユーザが見つかった場合、ステップ5で、UEは、チャネルがビジーであると宣言し、送信を延期して、ステップ1に戻る。
【0110】
ステップ4で適格な非サービングセルユーザが見つからない場合、ステップ6で、UEは、CCAキャリアセンシングを実行して、そのサービングセルのチャネル共有ユーザからの異なる送信タイプ識別コードを検出して復号化する。UEのサービスセルのチャネル共有ユーザからの異なる送信タイプ識別コードを検出して復号化すると、UEは、ステップ1に戻る。
【0111】
ステップ6で、UEが異なる送信タイプ識別コードを検出および復号化しない場合、ステップ7で、UEは、チャネルがアイドル状態であると判定し、例えば、PRACHプリアンブル送信を伴う送信を続行する。
【0112】
図20の例における動作は、
図19における動作と類似する。しかし、
図20の例では、ステップ1で、RRCは1つ以上の送信タイプ識別コードを使用してUEを構成する。手順2~7の動作は、
図19の例の動作と類似する。
【0113】
図21の例では、ステップ1において、RRCは、1つ以上の送信タイプ識別コードおよびサービングセルの将来のリソースの予約を使用して、UEを構成する。
【0114】
図21のステップ2では、UEは、それが、例えば、UEが送信することを意図するPRACHオケージョンなどの新しい送信機会の始まりであるかどうかをチェックする。そうでない場合、UEは、新しい送信機会を再度チェックする前に、他のタスクを実行することができる。
【0115】
ステップ2で、これが新しい送信機会の始まりである場合、ステップ3で、UEは、識別タイプコードを繰り返し送信する。
【0116】
ステップ4は、クリアチャネル評価(CCA)エネルギー検出(ED)である。UEは、自身のチャネルをリッスンして、非サービングセルEDしきい値を超える送信エネルギーレベルを有する非サービングセルユーザを検出する。
【0117】
ステップ4で適格な非サービングセルユーザが見つかった場合、ステップ5で、UEは、チャネルがビジーであると宣言し、送信を延期して、ステップ1に戻る。
【0118】
ステップ4で適格な非サービングセルユーザが見つからない場合、ステップ8で、UEは、期間中に送信するサービングセルのチャネル共有ユーザが存在するかどうかをチェックする。
【0119】
ステップ8で、期間中に送信するサービングセルのチャネル共有ユーザが存在しない場合、ステップ9において、UEは、チャネルがアイドルであると宣言し、例えば、PRACHプリアンブル送信のような送信を続行する。
【0120】
ステップ8で、期間中に送信するサービングセルのチャネル共有ユーザが存在する場合、ステップ6で、UEは、CCAキャリアセンシングを実行して、そのサービングセルのチャネル共有ユーザからの異なる送信タイプ識別コードを検出して復号化する。ステップ6で、UEのサービングセルのチャネル共有ユーザからの異なる送信タイプ識別コードが検出および復号化されない場合、UEは、チャネルがアイドルであると判定し、そして、UEは、例えば、PRACHプリアンブル送信のような送信を続行する。それ以外の場合、UEはチャネルがビジーであると宣言し、ステップ1に戻る。
【0121】
第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、無線アクセス、コアトランスポートネットワーク、および、コーデック、セキュリティ、およびサービスの質に関する取り組みを含むサービス能力を含む、セルラー通信ネットワーク技術の技術規格を開発する。最近の無線アクセス技術(RAT)規格には、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access:WCDMA(登録商標))(一般に3Gと呼ばれる)、LTE(一般に4Gと呼ばれる)、およびLTEアドバンスト(LTE-Advanced)規格が含まれる。3GPPは、新無線(NR)と呼ばれ、「5G」とも呼ばれる次世代セルラー技術の標準化に取り組み始めた。3GPP NR規格の開発には、次世代無線アクセス技術(新しいRAT)の定義が含まれると予想され、これには、6GHz未満の新しいフレキシブル無線アクセスの規定、および6GHzを超える新しいウルトラモバイルブロードバンド無線アクセスの規定が含まれると予想される。フレキシブル無線アクセスは、6GHz未満の新しいスペクトルでの、新しい、後方互換性のない無線アクセスで構成されると予想され、要件の多様な広範囲の3GPP NRのユースケースに対処するために、同一スペクトル内で多重化可能な異なる動作モードを含むと予想される。ウルトラモバイルブロードバンドは、例えば、屋内用途やホットスポットのためのウルトラモバイルブロードバンドアクセスの機会を提供するセンチ波およびミリ波スペクトルを含むと予想される。特に、ウルトラモバイルブロードバンドは、センチ波およびミリ波に特有の設計最適化を施した共通設計枠組みを、6GHz未満のフレキシブル無線アクセスと共有すると予想される。
【0122】
3GPPは、NRがサポートすると予想される様々なユースケースを特定し、その結果、データ転送速度や待ち時間やモビリティに対する多様なユーザエクスペリエンス要件を定めた。ユースケースには、以下の一般的カテゴリが含まれる。すなわち、拡張モバイルブロードバンド(例えば、密集エリア内のブロードバンドアクセス、屋内超高ブロードバンドアクセス、人混みでのブロードバンドアクセス、あらゆる場所での50Mbps以上、超低コストブロードバンドアクセス、車内モバイルブロードバンド)、クリティカル通信、大規模マシンタイプ通信、ネットワークオペレーション(例えば、ネットワークスライシング、ルーティング、マイグレーションとインターワーキング、および省エネルギー)、および高度化ビークル・ツー・エブリシング(Enhanced Vehicle-to-Everything:eV2X)通信。これらのカテゴリ内の具体的なサービスおよびアプリケーションには、いくつか例を挙げると、監視およびセンサネットワーク、デバイスの遠隔制御、双方向遠隔制御、パーソナルクラウドコンピューティング、ビデオストリーミング、無線クラウドベースのオフィス、ファーストレスポンダへの接続性、自動車用eCall、災害警報、リアルタイムゲーム、多人数ビデオ通話、自律走行、拡張現実、タッチインターネット、仮想現実などが含まれる。本明細書は、これらすべてのユースケースおよびその他を想定している。
【0123】
図22は、本明細書で説明され、特許請求される方法および装置を具現化し得る通信システム100の例の一実施形態を示す。図示のように、通信システム100の例は、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)102a、102b、102c、および102dのうち、少なくとも1つ(一般的に、あるいは総称して、WTRU102と呼ばれることもある)と、無線アクセスネットワーク(RAN)103/104/105/103b/104b/105bと、コアネットワーク106/107/109と、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)108と、インターネット110と、その他のネットワーク112を含み得るが、開示された実施形態は任意の数のWTRUや、基地局や、ネットワークや、ネットワーク要素を想定していることは理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102d、102eの各々は、無線環境下で動作や通信を行うように構成された任意の種類の装置またはデバイスであってよい。WTRU102a、102b、102c、102d、102eの各々はハンドヘルド無線通信装置として
図22~
図26に図示されているが、5G無線通信に対する多様なユースケースを想定すれば、WTRUの各々は、ほんの一例として、ユーザ端末(UE)、モバイル局、固定または移動加入者ユニット、無線呼び出し装置、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ネットブック、ノートブックコンピュータ、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家庭用電化製品、スマートウォッチやスマートクロージングなどのウェアラブルデバイス、医療機器やeHealthデバイス、ロボット、産業機器、ドローン、乗用車やトラックや列車や航空機などの輸送機器などを含む、無線信号を送信や受信するように構成された任意の装置またはデバイスを含むか、または、その中に具現化されてもよいことが理解される。
【0124】
通信システム100は、基地局114aと基地局114bをさらに含むことができる。基地局114aは、WTRU102a、102b、102cのうちの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。基地局114bは、遠隔無線ヘッド(Remote Radio Head:RRH)118a、118bおよび送受信ポイント(Transmission and Reception Point:TRP)119a、119bのうち、少なくとも1つと有線や無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。RRH118a、118bは、WTRU102cの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。TRP119a、119bは、WTRU102dの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。一例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ基地局(Base Transceiver Station:BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(Access Point:AP)、無線ルータなどであってもよい。基地局114a、114bはそれぞれ単一要素として図示されているが、基地局114a、114bは任意の数の相互接続された基地局やネットワーク要素を含むことができることは理解されるであろう。
【0125】
基地局114aはRAN103/104/105の一部であってもよく、RAN103/104/105は、また、基地局コントローラ(Base Station Controller:BSC)、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller:RNC)、中継ノードなどの他の基地局やネットワーク要素(図示せず)を含んでもよい。基地局114bはRAN103b/104b/105bの一部であってもよく、RAN103b/104b/105bは、また、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどの他の基地局やネットワーク要素(図示せず)を含んでもよい。基地局114aは、セル(図示せず)と称することもある特定の地理的領域の中の無線信号を送信や受信するように構成され得る。基地局114bは、セル(図示せず)と称することもある特定の地理的領域内の有線や無線の信号を送受信するように構成され得る。セルは、さらにセルセクタに分割することができる。例えば、基地局114aに関連するセルを3つのセクタに分割することができる。一実施形態においては、基地局114aは、そのように、例えば、セルのセクタごとに1つとなる、3つのトランシーバを含むことができる。一実施形態においては、基地局114aは、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)技術を採用することができ、したがって、セルの各セクタ当たり複数のトランシーバを利用することができる。
【0126】
基地局114aは、WTRU102a、102b、102cのうちの1つ以上と、エアインターフェース115/116/117を介して通信してもよく、エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(Radio Frequency:RF)、マイクロ波、赤外線(Infrared:IR)、紫外線(Ultraviolet:UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を用いて構築することができる。
【0127】
基地局114bは、RRH118a、118bやTRP119a、119bのうち1つ以上と、有線またはエアインターフェース115b/116b/117bを介して通信してもよく、有線またはエアインターフェース115b/116b/117bは、任意の適切な有線(例えば、ケーブルや光ファイバなど)または無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115b/116b/117bは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使って構築することができる。
【0128】
RRH118a、118bやTRP119a、119bは、WTRU102c、102dのうち1つ以上と、エアインターフェース115c/116c/117cを介して通信してもよく、エアインターフェース115c/116c/117cは、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115c/116c/117cは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使って構築することができる。
【0129】
より具体的には、上記のように、通信システム100は多重アクセスシステムでもよく、例えば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access:TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access:FDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access:SC-FDMA)などの、1つ以上のチャネルアクセス方式を採用することができる。例えば、RAN103/104/105内の基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、ユニバーサルモバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access:UTRA)などの無線技術を実装してもよく、その技術によって、広帯域CDMA(WCDMA)を使ったエアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cをそれぞれ構築してもよい。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access:HSPA)や発展型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速下りリンクパケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access:HSDPA)や高速上りリンクパケットアクセス(High-Speed Uplink Packet Access:HSUPA)を含むことができる。
【0130】
一実施形態においては、基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、発展型UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実装してもよく、その技術によって、ロングタームエボリューション(LTE)やLTEアドバンスト(LTE-A)を使ったエアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cをそれぞれ構築してもよい。将来は、エアインターフェース115/116/117は3GPP NR技術を実装してもよい。
【0131】
一実施形態においては、RAN103/104/105内の基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、IEEE 802.16(例えば、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000進化データ最適化(Evolution-Data Optimized:EV-DO)、暫定規格(Interim Standard:IS)2000(IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、モバイル通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications:GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution:EDGE)、GSM EDGE(GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GSM EDGE Radio Access Network:GERAN))などの無線技術を実装してもよい。
【0132】
図22の基地局114cは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントでもよく、事業所、家庭、車両、キャンパスなどの局所的領域における無線接続性を円滑にするための任意の適切なRATを利用してもよい。一実施形態においては、基地局114cとWTRU102eは、IEEE 802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)を構築してもよい。一実施形態においては、基地局114cとWTRU102dは、IEEE 802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Network:WPAN)を構築してもよい。さらに別の実施形態においては、基地局114cとWTRU102eは、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用してピコセルまたはフェムトセルを構築してもよい。
図22に示すように、基地局114bはインターネット110と直接接続されてもよい。このように、基地局114cは、インターネット110にアクセスするためにコアネットワーク106/107/109を介する必要はない。
【0133】
RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bはコアネットワーク106/107/109と通信可能であり、コアネットワーク106/107/109は、音声、データ、アプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice Over Internet Protocol:VoIP)などサービスを、WTRU102a、102b、102c、102dのうち1つ以上に提供するように構成された任意の種類のネットワークであり得る。例えば、コアネットワーク106/107/109は、呼制御、ビリングサービス、モバイル位置情報サービス、プリペイドコーリング、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供したり、ユーザ認証などの高度セキュリティ機能を実行したりすることができる。
【0134】
図22には図示しないが、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bやコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと同一のRATまたは異なるRATを用いている他のRANと直接的または間接的に通信し得ることは理解されるであろう。例えば、コアネットワーク106/107/109は、E-UTRA無線技術を利用し得るRAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと接続されているだけでなく、GSM無線技術を採用している別のRAN(図示せず)とも通信することができる。
【0135】
コアネットワーク106/107/109は、WTRU102a、102b、102c、102d、102eがPSTN108やインターネット110やその他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能することもできる。PSTN108は、基本電話サービス(Plain Old Telephone Service:POTS)を提供する回路交換電話網を含み得る。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートの中の伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol:UDP)、インターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)などの共通通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークとデバイスのグローバルシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有や運用する有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと同一のRATまたは異なるRATを使用し得る1つ以上のRANと接続された別のコアネットワークを含むことができる。
【0136】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部はマルチモード能力を有し得る。例えば、WTRU102a、102b、102c、102d、および102eは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを有し得る。例えば、
図22に示すWTRU102eは、セルラーベースの無線技術を採用できる基地局114a、およびIEEE 802無線技術を採用できる基地局114cと通信するように構成され得る。
【0137】
図23は、本明細書に示す実施形態に従って無線通信用に構成された、例えば、WTRU102などの装置またはデバイスの例のブロック図である。
図23に示すように、例となるWTRU102は、プロセッサ118と、トランシーバ120と、送受信要素122と、スピーカ/マイクロフォン124と、キーパッド126と、ディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128と、非取り外し可能130と、取り外し可能メモリ132と、電源134と、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System:GPS)チップセット136と、その他の周辺機器138とを含むことができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら、上述の要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることは理解されるであろう。また、各実施形態では、基地局114a、114bや、基地局114a、114bが代表し得るノード(とりわけ、例えば、トランシーバ基地局(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、発展型ホームノードB(Evolved Home Node-B:eNodeB)、ホーム発展型ノードB(Home Evolved Node-B:HeNB)、ホーム発展型ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードなどであるが、これらに限らない)は、
図23に示し本明細書で述べる要素の一部または全部を含むことができるということを想定している。
【0138】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(Integrated Circuit:IC)、状態機械などであってもよい。プロセッサ118は、WTRU102の無線環境下での動作を可能にする信号符号化や、データ処理や、電源制御や、入出力処理や、任意のその他の機能などを実行することができる。プロセッサ118はトランシーバ120に接続されてもよく、トランシーバ120は送受信要素122に接続されてもよい。
図23はプロセッサ118とトランシーバ120を別々の構成要素として図示しているが、プロセッサ118とトランシーバ120を1つの電子パッケージまたはチップに一体化してもよいことは理解されるであろう。
【0139】
送受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を介して基地局(例えば、基地局114a)と信号の送受信を行うように構成され得る。例えば、一実施形態においては、送受信要素122はRF信号を送信や受信するように構成されたアンテナであってもよい。一実施形態においては、送受信要素122は、例えば、IRやUVや可視光の信号を送信や受信するように構成されたエミッタ/検出器であってもよい。さらに1つの実施形態においては、送受信要素122はRFと光信号のどちらも送受信するように構成されてもよい。送受信要素122は無線信号の任意の組み合わせを送信や受信するように構成され得ることは理解されるであろう。
【0140】
さらに、
図23には、送受信要素122は単一要素として図示されているが、WTRU102は任意の数の送受信要素122を含んでもよい。より具体的には、WTRU102はMIMO技術を採用してもよい。そのように、一実施形態においては、WTRU102は、無線信号をエアインターフェース115/116/117を介して送受信用の2つ以上の送受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含んでもよい。
【0141】
トランシーバ120は送受信要素122が送信する信号を変調し、送受信要素122が受信した信号を復調するように構成され得る。上述のように、WTRU102はマルチモード能力を有し得る。したがって、トランシーバ120は、WTRU102が、例えば、UTRAやIEEE 802.11などの複数のRATを介して通信できるように、複数のトランシーバを含むことができる。
【0142】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124やキーパッド126やディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128(例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)表示ユニットまたは有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)表示ユニット)に接続されかつ、そこからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124やキーパッド126やディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128に出力することもできる。さらに、プロセッサ118は、非取り外し可能130や取り外し可能メモリ132などの任意の種類の適切なメモリからの情報にアクセスし、そこにデータを保存することもできる。非取り外し可能130はランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory:RAM)、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)、ハードディスク、または任意のその他の種類の記憶装置を含み得る。取り外し可能メモリ132は加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(Secure Digital:SD)メモリカードなどを含み得る。一実施形態においては、プロセッサ118は、例えば、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)上の、WTRU102上に物理的に位置しないメモリからの情報にアクセスし、そこにデータを保存してもよい。
【0143】
プロセッサ118は電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他の構成要素に対して電力を分配したり制御したりするように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の適切なデバイスであり得る。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池、太陽電池、燃料電池などを含むことができる。
【0144】
プロセッサ118は、WTRU102の現在の位置に関する位置情報(例えば、経度と緯度)を提供するように構成され得るGPSチップセット136に接続されることもできる。WTRU102は、GPSチップセット136からの情報に加えて、またはそれに代えて、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース115/116/117を介して位置情報を受信したり、2つ以上の近隣の基地局から受信中の信号のタイミングに基づいて自身の位置を決定したりすることができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得してもよいことは理解されるであろう。
【0145】
プロセッサ118は、その他の周辺機器138にさらに接続されてもよく、その他の周辺機器138は、追加的特徴や機能性や、有線または無線接続性を提供する1つ以上のソフトウェアやハードウェアのモジュールを含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計や生体計測(例えば、指紋)センサなどの各種センサ、電子コンパス(e-Compass)、衛星トランシーバ、(写真またはビデオ用)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)ポートまたはその他の相互接続インターフェース、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、周波数変調(Frequency Modulated:FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。
【0146】
WTRU102は、センサ、家庭用電化製品、スマートウォッチやスマートクロージングのようなウェアラブルデバイス、医療機器やeHealthデバイス、ロボット、産業機器、ドローン、乗用車、トラック、列車、航空機などの輸送機器などの、他の装置またはデバイスの中に具現化されてもよい。WTRU102は、そのような装置またはデバイスのその他の構成要素、モジュール、またはシステムに、周辺機器138の1つを含み得る相互接続インターフェースなどの1つ以上の相互接続インターフェースを介して接続されてもよい。
【0147】
図24は、一実施形態に係るRAN103およびコアネットワーク106のシステム図である。上述のように、RAN103は、UTRA無線技術を採用して、エアインターフェース115を介してWTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN103はコアネットワーク106と通信することもできる。
図24に示すように、RAN103は、ノードB140a、140b、140cを含むことができ、ノードB140a、140b、140cは、それぞれ、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース115を介して通信するための1つ以上のトランシーバを含むことができる。ノードB140a、140b、140cは、それぞれ、RAN103内の特定のセル(図示せず)と関連付けられてもよい。RAN103はRNC142a、142bをさらに含むことができる。RAN103は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数のノードBやRNCを含み得ることは理解されるであろう。
【0148】
図24に示すように、ノードB140a、140bはRNC142aと通信可能である。さらに、ノードB140cはRNC142bと通信可能である。ノードB140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、RNC142a、142bのそれぞれと通信可能である。RNC142a、142bは、Iurインターフェースを介して相互に通信可能である。RNC142a、142bの各々は、それが接続されているノードB140a、140b、140cのそれぞれを制御するように構成され得る。さらに、RNC142a、142bの各々は、外部ループ電源制御、負荷制御、承認制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、データ暗号化などの、他の機能を実行またはサポートするように構成され得る。
【0149】
図24に示すコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(Media Gateway:MGW)144と、モバイルスイッチングセンタ(Mobile Switching Center:MSC)146と、サービング汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service:GPRS)サポートノード(Serving GPRS Support Node:SGSN)148と、ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node:GGSN)150のうち、少なくとも1つを含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク106の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体によって所有や運用されてもよいことは理解されるであろう。
【0150】
RAN103内のRNC142aは、IuCSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のMSC146に接続されてもよい。MSC146はMGW144に接続されてもよい。MSC146とMGW144は、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定有線通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
【0151】
RAN103内のRNC142aは、IuPSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のSGSN148にさらに接続されてもよい。SGSN148はGGSN150に接続されてもよい。SGSN148とGGSN150は、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
【0152】
上述のように、コアネットワーク106は、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線ネットワークを含み得るネットワーク112にさらに接続されてもよい。
【0153】
図25は、一実施形態に係るRAN104およびコアネットワーク107のシステム図である。上述のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を採用して、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN104は、コアネットワーク107と通信することもできる。
【0154】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数のeノードBを含み得ることは理解されるであろう。eノードB160a、160b、160cは、それぞれ、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116を介して通信するための1つ以上のトランシーバを含むことができる。一実施形態においては、eノードB160a、160b、160cはMIMO技術を実装してもよい。そのようにして、eノードB160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、そこから無線信号を受信することができる。
【0155】
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、無線リソース管理上の決定、ハンドオーバの決定、上りリンクや下りリンクにおけるユーザのスケジューリングなどの処理をするように構成されてもよい。
図25に示すように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して、相互に通信可能である。
【0156】
図25に示すコアネットワーク107は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)162と、サービングゲートウェイ164と、パケットデータネットワーク(Packet Data Network:PDN)ゲートウェイ166を含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク107の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体によって所有や運用されてもよいことは理解されるであろう。
【0157】
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてもよく、制御ノードとして機能してもよい。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ中における特定のサービングゲートウェイの選択などを司ってもよい。MME162は、さらに、RAN104と、GSMやWCDMAなどの他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための、制御プレーン機能を提供してもよい。
【0158】
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてもよい。サービングゲートウェイ164は、一般に、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cへ、またはそこからルーティングおよびフォワーディングすることができる。サービングゲートウェイ164は、さらに、eノードB間のハンドオーバ中におけるユーザプレーンのアンカリング、WTRU102a、102b、102cが下りリンクデータを利用可能な場合のページングのトリガリング、WTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理および記憶などの、他の機能を実行することができる。
【0159】
サービングゲートウェイ164は、さらに、PDNゲートウェイ166に接続されてもよく、PDNゲートウェイ166は、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
【0160】
コアネットワーク107は、他のネットワークとの通信を円滑にすることができる。例えば、コアネットワーク107は、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定有線通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。例えば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN108の間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)サーバ)を含むか、またはそれと通信してもよい。さらに、コアネットワーク107は、他のサービスプロバイダが所有や運用する有線または無線通信ネットワークを含み得るネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供することができる。
【0161】
図26は、一実施形態に係るRAN105およびコアネットワーク109のシステム図である。RAN105は、IEEE 802.16無線技術を採用して、エアインターフェース117を介して、WTRU102a、102b、102cと通信するアクセスサービスネットワーク(Access Service Network:ASN)であってもよい。後にさらに論じるように、WTRU102a、102b、102cと、RAN105と、コアネットワーク109との異なる機能エンティティ間の通信リンクを、基準点として定義することができる。
【0162】
図26に示すように、RAN105は基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182を含み得るが、RAN105は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数の基地局とASNゲートウェイを含み得ることは理解されるであろう。基地局180a、180b、180cは、それぞれ、RAN105内の特定のセルに関連付けられてもよく、エアインターフェース117を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含んでもよい。一実施形態においては、基地局180a、180b、180cはMIMO技術を実装してもよい。そのようにして、基地局180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、そこから無線信号を受信することができる。基地局180a、180b、180cは、さらに、ハンドオフトリガリング、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービスの質(QoS)ポリシーの施行などのモビリティ管理機能を提供することができる。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約点として機能することができ、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク109へのルーティングなどを司ることができる。
【0163】
WTRU102a、102b、102cとRAN105の間のエアインターフェース117を、IEEE 802.16仕様を実装したR1基準点と定義することができる。さらに、WTRU102a、102b、102cの各々は、コアネットワーク109との論理インターフェース(図示せず)を構築することができる。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク109の間の論理インターフェースを、認証や、認可や、IPホスト構成管理や、モビリティ管理のために使用され得るR2基準点として定義することができる。
【0164】
基地局180a、180b、180cの各々の間の通信リンクを、基地局間のWTRUハンドオーバおよびデータ転送を円滑にするためのプロトコルを含むR8基準点として定義することができる。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182の間の通信リンクをR6基準点として定義することができる。R6基準点は、WTRU102a、102b、102cの各々に関連付けられたモビリティイベントに基づくモビリティ管理を円滑にするためのプロトコルを含むことができる。
【0165】
図26に示すように、RAN105はコアネットワーク109に接続され得る。RAN105とコアネットワーク109の間の通信リンクを、例えば、データ転送およびモビリティ管理能力を促進するためのプロトコルを含むR3基準点として定義することができる。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(Mobile IP Home Agent:MIP-HA)184と、認証、認可、アカウンティング(Authentication, Authorization, Accounting:AAA)サーバ186と、ゲートウェイ188を含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク109の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体によって所有や運用されてもよいことは理解されるであろう。
【0166】
MIP-HAはIPアドレス管理を司ることができ、WTRU102a、102b、102cが異なるASNや異なるコアネットワークの間をローミングできるようにすることができる。MIP-HA184は、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。AAAサーバ186は、ユーザ認証およびユーザサービスのサポートを司ることができる。ゲートウェイ188は、他のネットワークとのインターワーキングを円滑にすることができる。例えば、ゲートウェイ188は、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定有線通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。さらに、ゲートウェイ188は、他のサービスプロバイダが所有や運用する有線または無線通信ネットワークを含み得るネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供することができる。
【0167】
図26には図示しないが、RAN105は他のASNに接続されてもよく、コアネットワーク109は他のコアネットワークと接続されてもよいことは理解されるであろう。RAN105と他のASNとの間の通信リンクをR4基準点として定義することができ、R4基準点は、RAN105と他のASNとの間のWTRU102a、102b、102cのモビリティを調整するためのプロトコルを含むことができる。コアネットワーク109と他のコアネットワークの間の通信リンクを、R5基準として定義することができ、R5基準は、ホームコアネットワークと訪問先コアネットワークの間のインターワーキングを円滑にするためのプロトコルを含むことができる。
【0168】
本明細書で説明され、
図22、24、25、26に示されたコアネットワークエンティティは、特定の既存の3GPP仕様においてそれらのエンティティに付けられた名前で識別されるが、それらのエンティティや機能性は、将来は、他の名前で識別される可能性があり、特定のエンティティまたは機能性は、3GPPが発行する、3GPP NR仕様を含む将来の仕様において組み合わされる可能性があることが理解される。したがって、説明され、
図22~
図26に示される特定のネットワークエンティティおよび機能性は、単に例として提示されたものであり、本明細書に開示され、特許請求される主題は、現在定義されているかまたは将来定義される任意の類似の通信システムの中に具現化または実装してもよいことが理解される。
【0169】
図27は、例えば、RAN103/104/105内の特定のノードまたは機能エンティティ、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、またはその他のネットワーク112などの、
図22、24、25、26に示す通信ネットワークの1つ以上の装置を具現化し得る、例示的なコンピューティングシステム90のブロック図である。コンピューティングシステム90は、コンピュータまたはサーバを含むことができ、主としてコンピュータ読み取り可能な命令によって制御されてもよく、命令はソフトウェアの形態であってもよく、ソフトウェアは任意の場所に、あるいは任意の手段によって保存またはアクセスされてもよい。そのようなコンピュータ読み取り可能な命令は、プロセッサ91内で実行されて、コンピューティングシステム90を作動させてもよい。プロセッサ91は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(IC)、状態機械などであってもよい。プロセッサ91は、コンピューティングシステム90の通信ネットワーク内での動作を可能にする信号符号化や、データ処理や、電源制御や、入出力処理や、任意のその他の機能などを実行することができる。コプロセッサ81は、メインプロセッサ91と別個の、追加的機能を実行するか、もしくはプロセッサ91をアシストするオプショナルプロセッサである。プロセッサ91とコプロセッサ81のうち、少なくとも一方は、本明細書に開示の方法と装置に関連するデータを受信、生成、および処理することができる。
【0170】
動作中、プロセッサ91は命令をフェッチし、解読し、実行して、コンピューティングシステムの主要データ転送経路であるシステムバス80を介して、他のリソースとの間で情報を転送する。そのようなシステムバスは、コンピューティングシステム90内の構成要素を接続し、データ交換の媒介を規定する。システムバス80は、通常、データを送信するためのデータラインと、アドレスを送信するためのアドレスラインと、割り込みを送信するためとシステムバスを動作させるための制御ラインを含む。そのようなシステムバス80の一例が、周辺コンポーネント相互接続(Peripheral Component Interconnect:PCI)バスである。
【0171】
システムバス80に接続されるメモリには、ランダムアクセスメモリ(RAM)82と読み出し専用メモリ(ROM)93が含まれる。そのようなメモリは、情報を保存し、読み出すことを可能にする回路を含む。ROM93は、一般に、容易に修正できない保存データを収納する。RAM82内に保存されたデータは、プロセッサ91または他のハードウェアデバイスによって読み取られるか、もしくは変更され得る。RAM82とROM93のうち、少なくとも一方へのアクセスは、メモリコントローラ92によって制御され得る。メモリコントローラ92は、命令が実行されるに従って仮想アドレスを物理アドレスに変換するアドレス変換機能を提供することができる。メモリコントローラ92は、さらに、システム内の各プロセスを隔離し、システムプロセスをユーザプロセスから隔離するメモリ保護機能を提供することができる。したがって、第1モードで実行中のプログラムは、それ自身のプロセス仮想アドレス空間によってマッピングされるメモリのみにアクセスすることができ、プロセス間のメモリ共有が設定されていない限り、別のプロセスの仮想アドレス空間内のメモリにアクセスすることはできない。
【0172】
さらに、コンピューティングシステム90は、プロセッサ91からの命令の、プリンタ94、キーボード84、マウス95、およびディスクドライブ85などの周辺機器への伝達を司る周辺機器コントローラ83を含むことができる。
【0173】
ディスプレイコントローラ96によって制御されるディスプレイ86は、コンピューティングシステム90によって生成される視覚的出力を表示するために使用される。そのような視覚的出力は、テキスト、グラフィックス、動画グラフィックス、およびビデオを含み得る。視覚的出力は、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の形で提示され得る。ディスプレイ86は、ブラウン管(Cathode-Ray Tube:CRT)ベースのビデオディスプレイ、LCDベースのフラットパネルディスプレイ、ガスプラズマベースのフラットパネルディスプレイ、またはタッチパネルを用いて実装され得る。ディスプレイコントローラ96は、ディスプレイ86に送信されるビデオ信号を生成するために必要な電子部品を含む。
【0174】
さらに、コンピューティングシステム90は、
図22~
図26のRAN103/104/105、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、またはその他のネットワーク112などの外部通信ネットワークにコンピューティングシステム90を接続するために使用され得る、例えば、ネットワークアダプタ97などの通信回路を含むことができ、それによって、コンピューティングシステム90がそれらのネットワークの他のノードまたは機能エンティティと通信できるようにすることができる。通信回路を、単独に、またはプロセッサ91と共に使用して、本明細書に記載された特定の装置、ノード、または機能エンティティの送信および受信ステップを実行することができる。
【0175】
本明細書に記載の装置、システム、方法、およびプロセスのいずれかまたはすべては、命令がプロセッサ118または91などのプロセッサによって実行されると、本明細書に記載のシステム、方法、およびプロセスをプロセッサに実行や実装させるコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令(例えば、プログラムコード)の形で具現化され得ることが理解される。具体的には、本明細書に記載のステップ、動作、または機能のいずれかは、無線および有線ネットワーク通信の少なくとも一方用に構成された装置またはコンピューティングシステムのプロセッサ上で実行される、そのようなコンピュータ実行可能命令の形で実装され得る。コンピュータ可読記憶媒体には、情報を記憶するための任意の非一時的(例えば、有形または物理的)方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブルメディアが含まれるが、そのようなコンピュータ可読記憶媒体には信号は含まれない。コンピュータ可読記憶媒体には、RAM、ROM、電気的消去可能ROM(Electrically Erasable Programmable ROM:EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(Compact Disc ROM:CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc:DVD)または他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、または所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングシステムによってアクセスすることができる他の任意の有形または物理的媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0176】
付録
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】