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特許7440429プロジェクタコントローラおよび関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】プロジェクタコントローラおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240220BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240220BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240220BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G03B21/14 A
G03B21/14 F
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
H04N5/74 H
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020564346
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 US2019032293
(87)【国際公開番号】W WO2019222270
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】62/672,288
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】アートセン,ジョン フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ペルティエラ,ファン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ,マーティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リッペイ,バレット
(72)【発明者】
【氏名】オーリック,クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーニー,ダグラス ジェイ.
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-227083(JP,A)
【文献】特開2014-174194(JP,A)
【文献】特開2005-031527(JP,A)
【文献】特開2005-043868(JP,A)
【文献】特開2005-309162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン照明をスクリーンに出射するプロジェクタの前方において、光強度が目の安全のしきい値を超え得る除外ゾーンを課す強い光から、観客を保護するためのプロジェクタコントローラであって、
前記除外ゾーンの下かつ前記観客の上にある検出領域中の物体の存在を光学的に感知するように構成された物体検出器と、
前記物体検出器が前記検出領域中の前記物体の存在を示すとき、前記プロジェクタを制御するように構成された制御電子機器と、
を備え、
前記物体検出器は、
前記検出領域を規定するある俯角間隔およびある方位角間隔においてセンシング光を出射するように構成され、パルス化されたセンシング光を出射するパルス化レーザを備える、光源と、
前記物体から散乱された前記センシング光から発生する散乱光を受光するように構成された受光器と、
前記受光器の出力を受け取り、前記受光器上における前記散乱光の存在を示す信号を生成するように構成されたローカリゼーション電子機器であって、前記ローカリゼーション電子機器は、前記パルス化されたセンシング光と、前記パルス化されたセンシング光の前記物体からの散乱によって発生するパルス化された散乱光との飛行時間を測定するように構成されている、ローカリゼーション電子機器と、
を備え、
前記制御電子機器は、前記飛行時間が、除外距離未満であるような前記物体と前記プロジェクタとの間の距離に対応するとき、前記プロジェクタによって投射される光の強度を前記測定された飛行時間にもとづいて低減することによって、前記プロジェクタを制御するように構成されており、
前記除外ゾーンの遠位端は前記プロジェクタから前記除外距離に位置しており、
前記遠位端より向こうでは前記プロジェクタの光強度は前記目の安全のしきい値を超えず、
前記遠位端は前記プロジェクタと前記スクリーンとの間に位置し、
前記ローカリゼーション電子機器は、前記検出領域中の前記物体に対する角度または前記物体の位置情報を測定するように構成されており、
前記制御電子機器は、前記低減することを、前記角度または前記位置情報に対応する投射方向に適用するように構成されている
プロジェクタコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタコントローラであって、前記除外ゾーンの前記遠位端において、前記プロジェクタによって投射される光の強度は平方センチメートルあたり30から40ミリワットの間である、プロジェクタコントローラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプロジェクタコントローラであって、前記低減することは、
前記プロジェクタ内の前記光源を無効にすること、
前記プロジェクタの出力をシャットすること、
前記プロジェクタによって投射された出力画像のハイライトの生成を無効にすること、および
前記出力画像の最大強度を制限すること、
のうち少なくとも1つを含む、プロジェクタコントローラ。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載のプロジェクタコントローラであって、前記物体検出器は、前記プロジェクタによって出射されない波長において動作する、プロジェクタコントローラ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のプロジェクタコントローラであって、前記センシング光を前記方位角間隔にわたってあるビーム走査速度で走査するように構成されたビームステアリング要素をさらに備える、プロジェクタコントローラ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のプロジェクタコントローラであって、前記物体検出器は、前記検出領域中の前記物体が対向する方位角範囲を測定するように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項7】
請求項に記載のプロジェクタコントローラであって、前記制御電子機器は、前記プロジェクタによって投射される光の強度を前記方位角範囲内で低減することによって前記プロジェクタを制御するように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のプロジェクタコントローラであって、前記ローカリゼーション電子機器は、前記方位角間隔内における、前記物体が前記検出領域において感知される方位角を測定するように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項9】
請求項に記載のプロジェクタコントローラであって、前記制御電子機器は、前記方位角において前記プロジェクタによって投射される光の強度を低減することによって前記プロジェクタを制御するように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のプロジェクタコントローラであって、前記光源は赤外線光源または可視光源を備える、プロジェクタコントローラ。
【請求項11】
スクリーン照明をスクリーンに出射するプロジェクタの前方において、光強度が目の安全のしきい値を超え得る除外ゾーンを課す強い光から観客を保護するためのプロジェクタコントローラであって、
前記除外ゾーンの下かつ前記観客の上にある検出領域中の物体の存在を光学的に感知するように構成された物体検出器と、
前記物体検出器が前記検出領域中の前記物体の存在を示すとき、前記プロジェクタを制御するように構成された制御電子機器と、
を備え、
前記物体検出器は、
前記検出領域を規定するある俯角間隔およびある方位角間隔においてセンシング光を出射するように構成され、パルス化されたセンシング光を出射するパルス化レーザを備える、光源と、
前記物体から散乱された前記センシング光から発生する散乱光を受光するように構成された受光器と、
前記受光器の出力を受け取り、前記受光器上における前記散乱光の存在を示す信号を生成するように構成されたローカリゼーション電子機器と、
を備え、
前記受光器は、位置感応検出器およびレンズアセンブリを備え、前記位置感応検出器および前記レンズアセンブリは、前記散乱光の前記位置感応検出器上における位置を測定するような位置および向きに配置され
前記ローカリゼーション電子機器は、前記散乱光の前記位置感応検出器上における前記位置を処理することによって前記検出領域中の前記物体の位置情報を測定するように構成され、
前記制御電子機器は、前記位置情報に対応する方向における前記プロジェクタからの光の強度を低減することによって前記プロジェクタを制御するように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項12】
請求項11に記載のプロジェクタコントローラであって、前記位置感応検出器はフォトディテクタアレイを備えている、プロジェクタコントローラ。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のプロジェクタコントローラであって、前記ローカリゼーション電子機器は、前記散乱光の前記位置感応検出器上における前記位置を処理することによって前記物体についての位置情報を三角測量するように構成されており、前記位置情報は少なくとも、前記検出領域中の前記物体の前記方位角間隔内における方位角を含む、プロジェクタコントローラ。
【請求項14】
請求項13に記載のプロジェクタコントローラであって、前記制御電子機器は、前記方位角によって決定される方向において前記プロジェクタの出力を暗くするように構成されている、プロジェクタコントローラ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の前記プロジェクタコントローラと、
前記プロジェクタとを備える、
プロジェクタシステム。
【請求項16】
観客をプロジェクタからスクリーン上に出射される光から保護するための方法であって、
光強度が目の安全のしきい値を超え得る除外ゾーンであって前記観客の上かつ前記出射された光の中にある除外ゾーンと前記観客との間の検出領域における物体の存在を光学的に感知すること
前記物体の存在が前記検出領域において感知されたとき、前記プロジェクタを制御することと、
を含み、
前記物体の存在を光学的に感知することは、
センシング光を出射するように構成された光源を用いて、前記検出領域を規定するある俯角間隔およびある方位角間隔においてパルス化されたセンシング光を出射することと
受光器を用いて前記物体から散乱された前記センシング光から発生する散乱光を受光することと、
前記受光器の出力を受け取り、前記パルス化されたセンシング光と、前記パルス化されたセンシング光の前記物体からの散乱によって発生するパルス化された散乱光との飛行時間を測定することによって、前記受光器上における前記散乱光の存在を示す信号を生成することと、
前記検出領域中の前記物体に対する角度または前記物体の位置情報を測定することと、
を含み、
前記プロジェクタを制御することは、前記飛行時間が、除外距離未満であるような前記物体と前記プロジェクタとの間の距離に対応するとき、前記プロジェクタによって投射される光の強度を前記測定された飛行時間にもとづいて低減することを含み、
前記除外ゾーンの遠位端は前記プロジェクタから前記除外距離に位置しており、
前記遠位端より向こうでは前記プロジェクタの光強度は前記目の安全のしきい値を超えず、
前記遠位端は前記プロジェクタと前記スクリーンとの間に位置し、
前記低減することは、前記角度または前記位置情報に対応する投射方向に適用される
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記除外ゾーンの前記遠位端において、前記プロジェクタによって投射される光の強度は平方センチメートルあたり30から40ミリワットの間である、方法。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載の方法であって、前記出射することは、前記センシング光を前記方位角間隔にわたってあるビーム走査速度でビーム走査することを含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記光学的に感知することは、前記検出領域中の前記物体が対向する方位角範囲を示す電気信号を出力することをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記制御することは、前記プロジェクタによって投射される光の強度を前記方位角範囲内で低減することを含む、方法。
【請求項21】
観客をプロジェクタからスクリーン上に出射される光から保護するための方法であって、
光強度が目の安全のしきい値を超え得る除外ゾーンであって前記観客の上かつ前記出射された光の中にある除外ゾーンと前記観客との間の検出領域における物体の存在を光学的に感知することと、
前記物体の存在が前記検出領域において感知されたとき、前記プロジェクタを制御することと、
を含み、
前記物体の存在を光学的に感知することは、
センシング光を出射するように構成された光源を用いて、前記検出領域を規定するある俯角間隔およびある方位角間隔においてパルス化されたセンシング光を出射することと、
受光器を用いて前記物体から散乱された前記センシング光から発生する散乱光を受光することと、
前記受光器の出力を受け取り、前記受光器上における前記散乱光の存在を示す信号を生成することと、
を含み、
前記受光器は、位置感応検出器およびレンズアセンブリを備え、前記位置感応検出器および前記レンズアセンブリは、前記散乱光の前記位置感応検出器上における位置を測定するような位置および向きに配置され、
前記信号を生成することは、前記散乱光の前記位置感応検出器上における前記位置を処理することによって前記検出領域中の前記物体の位置情報を測定することを含み、
前記プロジェクタを制御することは、前記位置情報に対応する方向における前記プロジェクタからの光の強度を低減することを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年5月16日付けで出願された米国仮出願第62/672,288号の優先権を主張するものであり、その全体を本願において援用する。
【0002】
技術
本願は、映画館用プロジェクタと目の安全に関するものである。
【背景技術】
【0003】
映画館向けのランプ型のデジタルプロジェクタは、レーザ型のデジタルプロジェクタによって徐々に取って代わられてきている。レーザ型のデジタルプロジェクタは、設計と態様によっては、高画質、長寿命、信頼性の向上、低消費電力など、ランプ型のプロジェクタよりも利点を有する場合がある。
【0004】
レーザは、視聴者にダメージを与えるのに十分な強度レベルの光を発することがある。例えば、レーザビームを見つめることから、永久的な目のダメージが生じ得る。このような傷害を防ぐために、レーザは、それらが潜在的に引き起こす可能性があるダメージに応じて分類されており、レーザ型のデジタルプロジェクタなどの商用製品におけるレーザの使用は、これに従って規制されている。
【発明の概要】
【0005】
実施形態の要旨
第1の局面において、プロジェクタコントローラは、物体検出器および制御電子機器を有し、プロジェクタの前方において除外ゾーンを課す強い光から、観客を保護するように構成されている。前記物体検出器は、前記除外ゾーンの下かつ前記観客の上にある検出領域中の物体の存在を光学的に感知するように構成されている。前記制御電子機器は、前記物体検出器が前記検出領域中の前記物体の存在を示すとき、前記プロジェクタを制御するように構成されている。
【0006】
第2の局面において、観客をプロジェクタの出力の前方において除外ゾーンを課す強い光から保護するための方法が開示される。本方法は、除外ゾーンと前記観客との間の検出領域における物体の存在を光学的に感知することを含む。本方法はまた、前記物体の存在が前記検出領域において感知されたとき、前記プロジェクタを制御することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
図1図1は、プロジェクタの出力においてハザードゾーンの下にある座席が取り外された状態を示す劇場の側面図である。
図2図2は、実施形態では、高強度プロジェクタにプロジェクタコントローラが通信可能に接続されている、劇場の斜視図である。
図3A図3Aは、図2のプロジェクタコントローラおよびプロジェクタの側面図である。
図3B図3Bは、それぞれの実施形態における上面図の例である。
図3C図3Cは、それぞれの実施形態における上面図の例である。
図4図4は、図2のプロジェクタコントローラおよび、図2の高強度プロジェクタによって出射された照明内の除外ゾーンの側面図である。
図5図5は、図4の除外ゾーンの断面図である。
図6図6は、図4の除外ゾーンの断面図である。
図7図7は、一実施形態における、図2のプロジェクタを制御するように構成されたプロジェクタコントローラの模式図である。
図8図8は、一実施形態における、飛行時間測定に基づくプロジェクタコントローラの機能ブロック図である。
図9図9は、一実施形態における、光学的位相シフト測距にもとづいて制御されるプロジェクタの機能ブロック図である。
図10図10は、図8のビームステアリング機構を用いた場合の、図7~9のレーザビームの方位角の時間に対するプロット例である。
図11図11は、図8のビームステアリング機構を用いて2つの物体を検出する場合の、図7~9の物体検出器の出力信号の時間に対するプロット例である。
図12図12は、一実施形態における、1個の検出器アレイを用いた位置感応検出にもとづく、プロジェクタコントローラの機能ブロック図である。
図13図13は、一実施形態における、2個の検出器アレイを用いた位置感応検出にもとづく、プロジェクタコントローラの機能ブロック図である。
図14図14は、一実施形態における、図2のプロジェクタからのプロジェクタ照明をリダイレクトするように構成された第1の光学リレーの側面図である。
図15図15は、一実施形態における、図2のプロジェクタからのプロジェクタ照明をリダイレクトするように構成された第2の光学リレーの側面図である。
図16図16は、一実施形態における、図2のプロジェクタからのプロジェクタ照明をリダイレクトするように構成された部分反射型光学リレーの側面図である。
図17図17は、一実施形態における、補助プロジェクタを有するように構成された、図1の劇場の側面図である。
図18図18は、一実施形態における、プロジェクタの前方において除外ゾーンを課す強い光から、観客を保護するための方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の詳細な説明
図1は、劇場190の投影ブース192中のプロジェクタ180の側面図である。プロジェクタ180は、スクリーン195にスクリーン照明182を出射する。スクリーン照明182は、その強度が目の安全のしきい値を超えてしまう除外ゾーン184を含む。プロジェクタ180は、従来のプロジェクタ(除外ゾーン184よりも小さな、対応する従来の除外ゾーン124を有する)によって生成される照明よりも、大きな強度のスクリーン照明182を生成してもよい。したがって、除外ゾーン184は、劇場190がプロジェクタ180よりも低い明るさのプロジェクタを備えている場合に劇場の客を収容し得るエリアの上に延びている。劇場の客が誤って除外ゾーン184内からプロジェクタ180を見た場合に目のダメージを防ぐために、除外ゾーン184の下に着席禁止エリア197を設けることにより、客の着席が除外ゾーン184の下ではない列196に制限されるようにしてもよい。図1に示す例では、列196(1)に着席した観客198は、着席禁止エリア197に比較してよりプロジェクタから離れている。
【0009】
図2は、プロジェクタコントローラ200がプロジェクタ180の一例であるプロジェクタ280に通信可能に接続されている劇場190の斜視図である。座標系201は、方向x、yおよびzを表す。スクリーン195は、x-y平面に平行であってもよく、z方向は、プロジェクタ280のレンズの光軸に対応していてもよい。スクリーン195は、x-z平面に平行な平面内で測定した場合、プロジェクタ280からスクリーン距離195Dに位置する。本明細書において特段の記載がない限り、x、y、またはzのうち少なくとも1つによって示される方向または平面に言及するときは、座標系201を参照するものとする。プロジェクタ280は、投影ブース192内に位置されてもよい。
【0010】
プロジェクタ280は、光源281を含む。プロジェクタ280は、光源281によって生成された光の少なくとも一部を、スクリーン照明182の一例であるスクリーン照明282としてスクリーン195に向けて投射する。光源281は、少なくとも1つのレーザを含んでもよく、これにより、従来の除外ゾーン124よりも大きい除外ゾーン184が得られる。例えば、除外ゾーン184は複数の列193にわたって延びているのに対し、従来の除外ゾーン124はそうではない。
【0011】
除外ゾーン184に関連したリスクの増大を是正する1つの方法は、除外ゾーン184の下に着席禁止エリア197を設けることである。しかしながら、着席禁止エリア197の導入は、劇場190の着座キャパシティーを減少させ、したがって、その収益の可能性を減少させる。プロジェクタコントローラ200は、高強度プロジェクタ照明から客を保護しつつ、着座キャパシティーを維持するための代替的な手段を提供する。
【0012】
プロジェクタコントローラ200は、検出領域286を物体の存在について監視する。検出領域286は、列193から除外ゾーン184に向かって移動する物体(例えば、劇場の客の頭部)が除外ゾーン184に到達する前にプロジェクタコントローラ200によって検出されるように、除外ゾーン184の少なくとも下に延びている。プロジェクタコントローラ200は、検出領域286における物体の存在を検出したときに、プロジェクタ280を制御するように構成されている。プロジェクタコントローラ200は、検出領域286内の物体の存在を検出したことに応答して、スクリーン照明282をオフにするか、または低減させてもよい。
【0013】
プロジェクタコントローラ200は、プロジェクタ280に対して異なる位置に配置されてもよい。図3Aは、プロジェクタ280の下にあるプロジェクタコントローラ200の模式的な側面図であり、これは、図3Bおよび3Cの平面図のいずれか1つにおけるプロジェクタコントローラ200およびプロジェクタ280の位置関係に対応していてもよい。図3Bは、プロジェクタ280の真下に配置されたプロジェクタコントローラ200の平面図である。図3Cは、プロジェクタ280の下に配置されたプロジェクタコントローラ200の平面図であるが、横方向にオフセットされている。
【0014】
劇場190は、側壁291を含む。プロジェクタコントローラ200の少なくとも一部は、プロジェクタ280の下に無いように配置されてもよい。例えば、プロジェクタコントローラ200の受光器は、プロジェクタ280よりも側壁291に近い側の位置にあってもよい。
【0015】
図4は、座標系201の-z平面に平行な平面における劇場190の側面図である。図4は、図4の平面に直交する断平面5および6を示す。図5は、x-y平面に平行な断平面5におけるスクリーン照明282を示す図である。図6は、-z平面に平行な断平面6における劇場190の図である。プロジェクタ280およびプロジェクタコントローラ200は、断平面6内にある必要はないが、それらは、例示目的のためとして図6に含めている。以下の説明において図2および図4~6を共に参照するのが最適である。
【0016】
図5および図6は、それぞれ、x-y平面およびy-z平面に平行な平面における除外ゾーン184を例示している。図5は、除外ゾーン184が、スクリーン照明282よりも小さい高さ(方向)および小さい幅(方向)を有するように図示している。除外ゾーン184は、スクリーン照明282と同じ高さおよび/または同じ幅を有してもよい。
【0017】
プロジェクタコントローラ200は、プロジェクタ280と通信可能に接続されており、物体検出器210および制御電子機器(control electronics)220を含む。本実施形態の範囲から逸脱することなく、プロジェクタコントローラ200の少なくとも一部、例えば物体検出器210および/または制御電子機器220などは、プロジェクタ280に統合されていてもよく、またはプロジェクタ280を含んでいてもよく、その組み合わせがプロジェクタシステムである。物体検出器210および制御電子機器220は、例えば、共通の筐体内に同居してもよく、または、有線および/または無線通信チャネルによって通信可能に接続されつつ、空間的に分離していてもよい。
【0018】
物体検出器210は、検出領域286内の(図2および図4に図示されているように、少なくとも部分的に除外ゾーン184の下かつ観客198の上にあるかもしれない)物体の存在を、光学的に感知するように構成されている。観客198は、例えば、図2に図示された列193に居る。除外ゾーン184は、さらなる観客、例えば列193の観客198の隣に座っている観客などの上にあってもよい。
【0019】
x-z平面と平行な平面において、検出領域286は、除外ゾーン184の少なくとも一部の真下にある領域を占めてもよい。例えば、検出領域286は、図6で示されるZminとZmaxの間の値Zで、除外ゾーン184の真下の領域を占めてもよい。Zminの位置は、プロジェクタ280から人間がアクセス可能な最小距離に対応していてもよい。Zmaxの位置は、除外ゾーン184の正のZ方向における遠位端に対応してもよい。
【0020】
検出領域286は、物体検出器210が出射する光ビーム230によって定義されてもよい。図4は、例えば観客198の手または頭部である物体413を例示している。物体413が検出領域286にあるとき、物体413は、光ビーム230の一部を反射する場合があり、この光ビーム230は、プロジェクタコントローラ200によって検出され得る
【0021】
光ビーム230は、図4に示すように、-z平面内の俯角間隔を規定する下側境界230Lと上側境界230Uとの間において、発散角230Dまたは対応する走査範囲を有してもよい。光ビーム230は、-z平面内で広い発散角を有すること、および/または-z平面内で時間的に走査することによって、図6に例示される方位角間隔661にわたって(span)もよい。発散角230D(-z平面内)および方位角間隔661(-z平面内)は、検出領域286を規定する。-z平面内において、スクリーン照明282は、方位角間隔282Dを横切(traverse)ってもよいし、またそれにわたってもよい。方位角間隔661は、方位角間隔282D以下であってもよい。
【0022】
光ビーム230に平行な方向で、かつ光ビーム230が発生される物体検出器210内の位置を基準にして、除外ゾーン184の遠位端は、物体検出器210から除外距離287に位置する。除外距離287は、例えば、1メートルから2メートルの間、または10メートルまでである。プロジェクタ280から除外距離287に位置する除外ゾーン184の遠位端では、スクリーン照明282の強度は、1平方センチメートル当たり30~40ミリワットの間であってもよい。
【0023】
プロジェクタコントローラ200がスクリーン照明282の散乱部分を検出しないようにするために、光ビーム230は、スクリーン照明282には含まれない電磁波長を含んでもよい。例えば、光ビーム230は、スクリーン照明282には含まれない電磁波長のみを含んでもよい。例えば、光ビーム230は、赤外光を含みかつ可視光を含まないスペクトル構成(spectral content)を有してもよく、これにより、観客198には見えないという付加的な利点が得られる。赤外光は、0.8マイクロメートルから1.2マイクロメートルの間の波長を有してもよい。例えば、物体検出器210は、λ=905nmにスペクトルピークを有する光を発するレーザダイオードを含んでもよい。
【0024】
平面560は、図5および6に示すように、プロジェクタ280と交差し、-z平面と平行である。平面560は、プロジェクタ280の投影レンズの光軸を含む平面を含んでもよいし、またはこれに平行であってもよい。-z平面は、スクリーン195に垂直であり得る-z平面において、除外ゾーン184は、方位角間隔661にわたる角度範囲を有する。
【0025】
制御電子機器220は、少なくとも部分的に検出領域286内にある物体413の存在を物体検出器210が示すとき、プロジェクタ280を制御するように構成されている。物体検出器210は、複数の光ビーム230を出射してもよい。複数の光ビーム230は、物体413が除外ゾーン184内にある範囲を物体検出器210が決定することを可能にするために、垂直方向に(方向に)配列され得る。
【0026】
物体413は、図6に示すように、平面560に対し物体角662に位置している。物体413は、プロジェクタコントローラ200から物体距離664に位置しており、これは、物体413の対向方位角663を決定する。対向方位角663とは、平面560に関して測定された上限角663Uと下限角663Lとの間の差である。制御電子機器220は、物体角662、対向方位角663、および物体距離664のうちの少なくとも1つを測定するように構成されていてもよい。物体角662は、対応する頂点662Vを有する。頂点662Vは、例えば、プロジェクタ280の投影レンズの焦点に位置する。
【0027】
図5において、除外ゾーン184は、物体角662および対向方位角663によってそれぞれ決定される、水平方向位置562および幅504を有する領域502を含むことを示している。物体角662は、水平方向位置562を決定する。水平方向位置562は、平面560に関して定義され、かつ/または測定され得る。制御電子機器220は、プロジェクタ280によって投射されるスクリーン照明282の強度を低減することによって、プロジェクタ280を制御するように構成されてもよい。そのような強度の低減は、光源281を無効にすること、プロジェクタ280の出力をシャットすること、出力画像のハイライトの生成を無効にすること、および出力画像またはスクリーン照明282の最大強度を制限することのうちの少なくとも1つを含んでもよい。出力画像のハイライトとは、例えば、画像内のある表面からの鏡面反射、直射日光、発光物体、他の領域よりも実質的に輝度が高い1つの領域などの、高い明るさを持つ領域である。
【0028】
最大強度を制限することは、スクリーン照明282の強度を全体的(globally)に制限すること、またはスクリーン照明282の1つ以上の領域、例えば領域502だけの強度を制限することを含み得る。出力画像は、スクリーン照明282によって形成されてもよく、出力画像の内容は、例えば、プロジェクタ280によって受信された映像データによって決定される。
【0029】
制御電子機器220は、選択された伝搬角においてスクリーン照明282を減少させてもよい。例えば、制御電子機器220は、領域502内のスクリーン照明282が除外ゾーン184の他の領域と比較して暗くなるように、角度663Lと663Uの間の投射方向においてスクリーン照明282を減衰させてもよい。制御電子機器220が領域502内のスクリーン照明282を減衰させる程度は、物体距離664に依存してもよい。例えば、物体距離664におけるスクリーン照明282の強度を目のダメージの閾値以下に低下させるのに十分な減衰であるようにするため、減衰の程度は、物体距離664が減少するにつれて増加(例えば単調に)してもよい。
【0030】
制御電子機器220は、検出領域286に対する物体413の垂直方向位置(x方向)に対応する下部セクション503のような、領域502の一部だけでスクリーン照明282を減衰させてもよい。プロジェクタコントローラ200は、x方向に配列された複数の光ビーム230を出射する場合に、そのような機能を有してもよい。
【0031】
図6はまた、プロジェクタコントローラ200の特定の実施形態によって出射される走査光ビーム630を例示している。光ビーム630は、光ビーム230の一例であり、平面560に関して伝搬角632で伝搬する。プロジェクタコントローラ200は、伝搬角632が、除外ゾーン184の下方に向かって距離286Hにおいて方位角間隔661を横切るように、光ビーム630を走査するように構成されてもよい。走査は、例えば、除外ゾーン184の大きさがスクリーン照明282の時間依存の明るさに応じて時間的に変化する場合に、プロジェクタ280のフレームレートを超える走査周波数をもって周期的であってもよい。距離286Hは、例えば、0~50センチメートルの間である。
【0032】
一態様においては、プロジェクタコントローラ200は、除外ゾーン184の下方に向かっていくつかの異なる距離286Hにおいて方位角間隔661を順次横切るように、光ビーム630を走査する。この態様は、検出領域286に対する物体413の垂直方向位置(x方向)を決定することを可能にしてもよく、したがって、物体413の垂直方向位置に対応する下部セクション503のような、領域502の一部だけにおいてスクリーン照明282を減衰させることを可能にしてもよい。別の態様では、プロジェクタコントローラ200は、除外ゾーン184の下方に向かってそれぞれ異なる距離286Hで方位角間隔661をそれぞれ横切るように、複数の光ビーム630を走査する。この態様では、検出領域286に対する物体413の垂直方向位置(x方向)を決定することも可能であり、したがって、物体413の垂直方向位置に対応する下部セクション503のような、領域502の一部だけにおいてスクリーン照明282を減衰させることも可能である。一実施形態において、方位角間隔661は、方位角間隔282Dより大きい。例えば、プロジェクタコントローラ200は、プロジェクタコントローラ200が適切に機能しているかどうかをリアルタイムで監視することを可能にするような、方位角間隔282Dの外側に位置するテスト物体613を含んでもよい。テスト物体613は、例えば拡散反射板であり、図6に例示されているように、劇場190の側壁291に取り付けられてもよい。テスト物体613は、プロジェクタコントローラ200が、物体検出器210によって検出された光が物体413によって反射された光に対応するかテスト物体613によって反射された光に対応するかを区別できるように、伝搬角632の特定の値、すなわち方位角間隔282Dの外側の値に対応する固定位置に配置されてもよい。
【0033】
図7は、物体413を含む劇場190内で動作するプロジェクタ280を制御するように構成された、プロジェクタコントローラ700の模式図である。プロジェクタコントローラ700は、図2のプロジェクタコントローラ200の一例であり、物体検出器710および制御電子機器720を含む。これらはそれぞれ、物体検出器210および制御電子機器220の一例である。
【0034】
物体検出器710は、光源712、受光器714、およびローカリゼーション電子機器716を含む。光源712は、レーザであってもよく、赤外光源を含んでもよい。光源712は、例えば、パルスまたは連続波の少なくとも1つの動作モードで動作するように構成されている。受光器714は、シリコンフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、およびマルチフォトンピクセルカウンタのうちの少なくとも1つを含んでもよい。ローカリゼーション電子機器716は、シグナルコンディショニング電子機器(別名:シグナルコンディショナー)、トランスインピーダンス増幅器、時間差回路、ロックインアンプ、およびアナログ/デジタル変換器のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0035】
距離286Hは、受光器714の応答時間に依存してもよく、一実施形態において100±50msである。距離286Hの最小値は、例えば、物体413が光ビーム630を横切る速度によって決定される。距離286Hとこの速度との割り算の商は、時間間隔に対応する。この時間間隔は、物体413が到達する前にプロジェクタコントローラ700がスクリーン照明282を変更するのに十分な時間を有するように、受光器714の応答時間を超えていてもよい。
【0036】
光源712は、光ビーム630を出射するように構成されており、その一部は、物体413によって散乱光735として反射または散乱される。散乱光735は、受光器714に向かって伝搬する散乱光736を含む。受光器714は、散乱光735の少なくとも一部、例えば散乱光736を受光するように構成されている。ローカリゼーション電子機器716は、受光器714の出力を受信し、受光器714における散乱光736の存在を示す信号738を生成するように構成されている。信号738は、図6に示す対向方位角663、上限角663U、下限角663Lのうち少なくとも1つを示してもよい
【0037】
物体検出器710は、物体413によって反射されていない迷光の検出を防止するために、受光器714の前に光学フィルタ715を含んでもよい。光学フィルタ715は、スクリーン照明282の波長の光を遮断するように構成されてもよい。ある例では、光学フィルタ715は、赤外光を透過し、可視光を遮断する。光学フィルタ715は、光源712によって出射された1つ以上の波長域のみを透過し、かつ/またはスクリーン照明282の波長域を遮断するエッジフィルタまたはバンドパスフィルタであってもよい。
【0038】
制御電子機器720は、プロセッサ722およびそれに通信可能に接続されたメモリ750のうちの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ750は、一時的および/または非一時的であってもよく、揮発性メモリ(例えば、SRAM、DRAM、計算用RAM、他の揮発性メモリ、またはそれらの任意の組み合わせ)および不揮発性メモリ(例えば、FLASH、ROM、磁気媒体、光学媒体、他の不揮発性メモリ、またはそれらの任意の組み合わせ)のうちの1つまたは両方を含んでもよい。メモリ750の一部または全部は、プロセッサ722に統合されてもよい。メモリ750は、除外距離287およびソフトウェア752のうちの少なくとも1つを格納してもよい。
【0039】
物体検出器710は、伝搬角632を変化させることを介して、光ビーム630を方位角間隔661にわたってビーム走査速度で走査するように構成されたビームステアラ740を含んでもよい。ビームステアラ740は、回転多角形ミラー、走査型ガルバノミラー、およびMEMSミラーアレイのうちの少なくとも1つを含んでもよい。制御電子機器720は、ビームステアラ740に通信可能に接続され得る。制御電子機器720は、例えばソフトウェア752の機械読み取り可能な命令を介して(a)伝搬角632の時間依存性を制御または決定すること、(b)受光器714が散乱光736を受光するときに対応する伝搬角632の値を決定すること、および(c)物体角662を測定すること、の少なくとも1つを実行するように構成され得る
【0040】
図8は、プロジェクタコントローラ700の一例であるプロジェクタコントローラ800の機能ブロック図である。プロジェクタコントローラ800は、物体検出器810および制御電子機器820を含む。物体検出器810は、物体検出器710の一例であり、受光器714、ローカリゼーション電子機器816、レーザ812、およびビームステアラ740を含む。ローカリゼーション電子機器816は、ローカリゼーション電子機器716の一例であり、時間差回路817を含む。時間差回路817は、時間/デジタル変換器であってもよいし、時間/デジタル変換器を含むものであってもよい。レーザ812は、光源712の一例であり、米国国家規格協会(American National Standards Institute)によって定義されるクラス1レーザに準拠してもよい。制御電子機器820は、制御電子機器720の一例であり、メモリ750の一例であるメモリ850を格納する。メモリ850は、ソフトウェア752の一例であるソフトウェア852を含む。
【0041】
メモリ850のソフトウェア852は、除外距離287、伝搬角632、スキャン構成742、レンジ推定器854、距離比較器856スキャンディレクタ857方向推定器858および角度マッピング842のうちの少なくとも1つを記憶してもよい。レンジ推定器854は、飛行時間882および物体距離664のうちの少なくとも1つを生成してもよい。距離比較器856、スキャンディレクタ857、および方向推定器858は、ハザードインジケータ866、角度制御信号867、および物体角662をそれぞれ生成および/または決定してもよい。スキャンディレクタ857は、スキャン構成742に基づいて角度制御信号867を生成してもよく、この信号は、掃引周波数および掃引マグニチュードのうちの少なくとも1つを含んでもよい。スキャン構成742は、ビームステアラ740のメモリに格納されてもよい。
【0042】
例示的なケースでは、物体413は、受光器714の視野内にあり、平面860に関して物体角662に位置している。平面860は、図5および図6の平面560の一例である。したがって、平面860は、プロジェクタコントローラ800に通信可能に接続されたプロジェクタ280の光軸を含み得る
【0043】
動作、レーザ812は、光パルス830を出射し、時間差回路817によって受信される開始パルス831を生成するように構成されている。開始パルス831の生成は、光パルス830の出射と同時であってもよいし、光パルス830の出射から既知の値だけ時間的にオフセットされていてもよい。図8の例では、光パルス830には伝搬角632が関連付けられており、この伝搬角632が図6の除外ゾーン184の方位角間隔661にわたるように、ビームステアラ740が伝搬角632を時間的に変化させる。図8は、光パルス830が物体413に入射する結果となるような伝搬角632の場合を例示する。物体413は、光パルス830を散乱パルス835として反射する。これは、少なくとも一部が受光器714に向かって伝搬する散乱パルス836を含む。光パルス830は、光ビーム630の一例である。散乱パルス835および836は、それぞれ、散乱光735および736の一例である。
【0044】
伝搬角632は、対応する頂点632Vを有する。頂点632Vは例えば、ビームステアラ740を出る前に、例えば反射または屈折を介して光パルス830を操舵するビームステアラ740の最終的な光学面上またはその近傍に位置する。
【0045】
散乱パルス836を検出すると、受光器714は、時間差回路817によって受信される停止パルス837を生成し得る。開始パルス831および停止パルス837に基づいて、ローカリゼーション電子機器816は、例えば時間差回路817を介して、制御電子機器820によって受信される飛行時間信号838を生成する。レンジ推定器854は、飛行時間信号838を処理して、散乱パルス836の飛行時間882および、物体413と受光器714との間の物体距離664のうちの少なくとも1つを決定する。飛行時間882および物体距離664のそれぞれは、メモリ850に記憶され得る。飛行時間信号838は、図7の信号738の一例である。
【0046】
制御電子機器820は、測定された飛行時間882に基づいてスクリーン照明282の強度を低減することによってプロジェクタ280を制御するように構成されてもよい。例えば、制御電子機器820は、飛行時間882が除外距離287よりも小さい物体距離664に対応する場合に、スクリーン照明282の少なくともある空間領域、例えば領域502を低減するように構成されてもよい。ソフトウェア852は、物体距離664が除外距離287よりも小さい場合にハザードインジケータ866を出力する距離比較器856を含んでもよい。御電子機器820は、ハザードインジケータ866の値に基づいてスクリーン照明282の強度を低下させることによってプロジェクタ280を制御するように構成されてもよい。
【0047】
制御電子機器820はまた、散乱パルス836から物体角662の値を決定するように構成されてもよい。例えば、ビームステアラ740は、伝搬角632の更新された値を制御電子機器820に連続的に送信するように構成されてもよい。さらに、制御電子機器820は、角度制御信号867をビームステアラ740に送信してもよく、この信号は、任意の時刻における伝搬角632を制御する。
【0048】
制御電子機器820は、停止パルス837に対応するクロック時間に基づいて、物体角662を決定してもよい。例えば、伝搬角632の頂点が-z平面内で物体角662の頂点662Vと揃っているとき、物体角662は、停止パルス837の生成に要する時間に対応する伝搬角632の値と等しくなり得る
【0049】
より一般的には、そのような配置が当てはまらない場合、伝搬角632は、角度マッピング842を介して物体角662にマッピングされ得る。角度マッピング842は、例えば、可能な伝搬角632の範囲を、-z平面内の頂点662Vおよび632Vの相対位置に基づいて対応する測定された物体角662にマッピングするルックアップテーブルまたは関数である。例えば、伝搬角632は、平面幾何学および三角法の少なくとも1つを用いて、対応する物体角662にマッピングされてもよい。
【0050】
したがって、制御電子機器820は、方向推定器858によって決定された物体角662の値に基づいてスクリーン照明282の強度を減少させることによってプロジェクタ280を制御するように構成されてもよい。例えば、検出領域286(図5および図6)における物体413の検出に応答して、スクリーン照明282の強度は、物体角662を中心とする角度領域において低減されてもよい。その場合、領域502の少なくとも一部が一時的に暗くなる。
【0051】
図9は、物体検出器710の一例である物体検出器910の機能ブロック図である。物体検出器910は、光源912、受光器714、およびローカリゼーション電子機器916を含む。光源912およびローカリゼーション電子機器916は、それぞれ光源712およびローカリゼーション電子機器716の一例である。光源912は、例えば、レーザである。ローカリゼーション電子機器916は、位相検出器952、発振器953、およびローパスフィルタ954のうちの少なくとも1つを含んでもよく、これらの各々は、ロックインアンプ950の一部であってもよい。位相検出器952は、少なくとも1つの復調器を含んでもよい。
【0052】
光源912は、変調周波数953で振幅変調されたセンシング光930を出射するように構成されている。例えば、発振器953は、光源912が振幅変調されたセンシング光930を出射するように、発振器信号953Sで光源912を駆動する。
【0053】
物体413は、振幅変調されたセンシング光930を振幅変調された散乱光935として反射する。振幅変調された散乱光935は、群速度νgを有する。変調周波数953Fは、積 Tが図2のスクリーン距離195Dを超える距離であるような周期Tに対応してもよい。このような構成により、振幅変調されたセンシング光930のピーク振幅と、受光器714によって検出される振幅変調された散乱光935の反射成分との間の曖昧さのないマッチングが可能となる。
【0054】
振幅変調された散乱光935の位相は、振幅変調されたセンシング光930に対して位相Δφだけ遅延する。受光器714は、振幅変調された散乱光935の検出に応答して信号937を生成する。ローカリゼーション電子機器916は、信号953Sおよび937を受信し、例えば位相検出器952を介して、そこからの位相Δφを決定し、位相Δφを含む位相信号938を生成する。位相信号938は、図7の信号738の一例である。
【0055】
制御電子機器720は、位相信号938を受信し、物体距離664およびハザードインジケータ866のうちの少なくとも1つをそこから決定してもよい。したがって、制御電子機器720は、ハザードインジケータ866の値に基づいてスクリーン照明282の強度を減少させることによってプロジェクタ280を制御するように構成されてもよい。物体検出器910は、ビームステアラ740を含んでもよく、図8に関して説明したように、物体角662を決定するために制御電子機器720と通信するように構成されてもよい。
【0056】
図10は、開始時刻1010と終了時刻1019との間の方位角1032の時間依存性を示すプロットである。図11は、開始時刻1010と終了時刻1019との間の受光器信号1138の時間依存性を示すプロットである。以下の説明において、図10および11を共に参照するのが最適である。方位角1032は伝搬角632の一例である。受光器信号1138は、図7の信号738の一例である。
【0057】
図10の方位角間隔1061内の方位角1032の各値は、図6のプロジェクタコントローラ200によって生成された光ビーム630の伝搬角632の一例である。方位角1032の値は、方位角間隔661の一例である方位角間隔1061にわたる。受光器信号1138は、パルス1101および1102を含む。パルス1101は、時刻1011と1012の間に時間長1121を有する。パルス1102は、時刻1013と1014の間に時間長1122を有する。
【0058】
パルス1101および1102は、例えば図4に例示されているように、物体413の少なくとも一部が検出領域286に入るときに対応する。物体413は、プロジェクタ280に対向する人の頭部であり得るので、目のダメージを防止することは、プロジェクタコントローラ200が、パルス1101および1102に対応する時刻に、方位角1032に対応する物体角662においてスクリーン照明282の強度を減少させることを伴う。図10では、これらの対応する方位角を、それぞれパルス1101および1102に対応する角度範囲1001および1002と表記している。
【0059】
伝搬角632は、角度範囲1001および1002内の角度に等しくてもよい。方向推定器858は、角度マッピング842ごとに、角度範囲1001および1002のうちの少なくとも1つに対応する光ビーム630の伝搬角の間隔にわたるように、物体角662を決定してもよい。
【0060】
図12は、図2のプロジェクタコントローラ200の一例であるプロジェクタコントローラ1200の模式的なブロック図である。プロジェクタコントローラ1200は、物体検出器1210および制御電子機器1220を含む。これらはそれぞれ、物体検出器210および制御電子機器220の一例である。プロジェクタコントローラ1200は、散乱光の位置感応検出に基づいて、物体角662および物体距離664の両方を決定するように構成されている。プロジェクタコントローラ1200は、物体検出器810および910のそれぞれの飛行時間または位相検出技術や、それらに関連するプロジェクタコントローラ700を必要としない。
【0061】
物体検出器1210は、光源712と、ビームステアラ740と、受光器714の一例である受光器1214とを含む。受光器1214は、位置感応検出器1270およびレンズ1218を含む。位置感応検出器1270は、幅1271を有しており、-z平面内に配列された複数のフォトディテクタを含み得る。位置感応検出器1270の例としては、市販の多素子フォトダイオードアレイやマルチチャネルアレイフォトディテクタ(赤外光を検出するように構成されたものなど)が挙げられる。レンズ1218は、位置感応検出器1270の前面1270Fに垂直であり得る光軸1218Aを有する。-z平面内において、光軸1218Aは、受光器角1219で平面560と交差する。受光器1214は、そこに入射する散乱光に対する位置感応検出器1270の電気的応答を示す受光器信号1279を生成する。
【0062】
ビームステアラ740および受光器1214は、y軸に沿った方向1261に距離1272だけ隔てられている。説明を簡単にするため、以下の検討においては、方向1261は、平面560に対して垂直である。しかしながら、方向1261は、本明細書の範囲から逸脱することなく、平面560に対して斜めの角度であってもよい。レンズ1218は、その光軸1218Aが方向1261に対して受光器角1219Cをなすように配向されている。角度1219および1219Cは余角関係にある。
【0063】
距離1272は、位置感応検出器1270の幅1271より何倍も大きくてもよい。例えば、幅1271は10センチメートル未満であってもよく、距離1272は2メートルを超えてもよい。距離1272は、ビームステアラ740がプロジェクタ280の下および/または真下にある一方で、受光器1214が劇場190の側壁291(図2)に取り付けられ得るように、十分に大きくされてもよい。
【0064】
ビームステアラ740は、光源712によって出射された光ビーム630を操舵することによって、光ビーム630が平面560に関して伝搬角632で伝搬するように構成されている。図12の例では、光ビーム630は、ビームステアラ740の表面1241から反射される。表面1241は、例えば、回転多角形ミラー、走査型ガルバノミラー、またはMEMSミラーアレイの、平面状反射面である。光ビーム630は、平面560に対して伝搬角632で、かつ方向1261に対して角度1238で伝搬する。角度1238および632は、この例では余角関係にある。
【0065】
光ビーム630は、散乱光735として物体413から散乱する。受光器1214に向かって伝搬する散乱光735は、受光器1214に対して主光線1236を有することを特徴とする。主光線1236は、散乱光736の一例である。主光線1236と光ビーム630との伝搬方向は、角度1205だけ異なる。受光器1214に到達すると、主光線1236は、光軸1218Aに対して入射角1237でレンズ1218に入射する。角度1237と1219Cとの和は合成角1273になる。角度1238および伝搬角632は余角関係にある。角度1238、1273、および1205の和は、πラジアンになる。
【0066】
レンズ1218は主光線1236を透過させ、そこに入射した散乱光735を、位置感応検出器1270上の入射角1237によって決定される位置に屈折させる。したがって、入射角1237を決定するために、受光器信号1279が例えば制御電子機器1720によって処理され得る。位置感応検出器1270は、例えば、距離1272、角度1205、角度1237、および角度1238のうちの少なくとも1つから、正弦の法則のような三角関数関係を介して、物体距離664を決定することを可能にする。
【0067】
制御電子機器1220は、プロセッサ722およびそれに通信可能に接続されたメモリ1250のうちの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ1250のハードウェア特性は、メモリ750のハードウェア特性と同様である。メモリ1250は、入力1251、ソフトウェア1252、および出力1253を格納してもよい。
【0068】
入力1251は、スキャン構成742、伝搬角632、角度マッピング842、受光器キャリブレーション1278、受光器信号1279、距離1272、受光器角1219および除外距離287のうちの少なくとも1つを含む。メモリ1250は、ビームステアラ740から、または角度制御信号867から伝搬角632を受信してもよい。メモリ1250は、受光器1214から受光器信号1279を受信してもよい。受光器キャリブレーション1278は、位置感応検出器1270によって検出された光の位置を入射角1237にマッピングすることを含んでもよい。
【0069】
ソフトウェア1252は、スキャンディレクタ857、方向推定器858、および距離比較器856を含む。これらのそれぞれは、図8のソフトウェア852を参照して上述した。ソフトウェア1252はまた、方向推定器1258およびレンジ推定器1254を含む。
【0070】
プロセッサ722は、入力1251から出力1253を生成するためにソフトウェア1252を実行する。スキャンディレクタ857は、スキャン構成742から角度制御信号867を生成する。制御電子機器1220は、角度制御信号867を介してビームステアラ740を制御してもよい。方向推定器858は、伝搬角632、角度マッピング842、および角度制御信号867のうちの少なくとも1つから、物体角662を生成する。方向推定器1258は、受光器信号1279および受光器角1219から、合成角1273を生成する。
【0071】
レンジ推定器1254は、距離1272、物体角662、および合成角1273から、物体距離664を決定する。例えば、レンジ推定器1254は、正弦の法則を用いて角度1238、合成角1273、および距離1272から物体距離664を決定してもよい。ここで角度1238および632余角関係にある。距離比較器856は、物体距離664が除外距離287よりも小さい場合、ハザードインジケータ866を生成してもよい。
【0072】
様々な実施形態では、物体検出器(例えば、物体検出器1210)は、目に見えない赤外線信号に基づいてハザードゾーン内の物体を検出するように設計されていてもよい。目に見えない赤外光は、例えば、1つ以上の赤外線レーザによって出射されてもよい。赤外光検出に加えて、または赤外光検出に代えて、安全なレベルのパワーを有する可視光源が、警告として、ハザードゾーンに入った身体部分または物体を照らすようにしてもよい。人が安全ルールに違反してハザードゾーンに入ったり、物体をハザードゾーンに入れたりした場合、可視光は、ハザードゾーンの外に移動するか、または物体をハザードゾーンから取り除くように、その人に促す。
【0073】
例えば劇場においては、警告装置として、赤色レーザを、観客の頭の高さの上に平面状の赤色光(または他の任意の色)を生成するために使用することができる。いくつかの実施形態においては、赤色光は、赤外光と同じ平面(またはわずかに上または下)に配置されてもよい。赤色光は、身体部分または物体が赤外光の平面を横切って延びている場合に、警告として点灯してもよい。
【0074】
図13は、2つの検出器アレイによる位置感応検出に基づくプロジェクタコントローラ1300の機能ブロック図である。プロジェクタコントローラ1300は、プロジェクタコントローラ200の一例であり、物体検出器1310および制御電子機器1320を含む。
【0075】
物体検出器1310は、光源1312と、受光器1214と、第2の受光器1314とを含む。第2の受光器1314は、受光器1214と同様であり、位置感応検出器1370およびレンズ1318を含む。位置感応検出器1370およびレンズ1318は、それぞれ、位置感応検出器1270およびレンズ1218と類似している。第2の受光器1314は、受光器1214と同一であってもよい。レンズ1318は、光軸1218Aと類似する光軸1318Aを有する。
【0076】
制御電子機器1320は、プロセッサ722およびそれに通信可能に接続されたメモリ1350のうちの少なくとも1つを含み得る。メモリ1350のハードウェア特性は、メモリ750のハードウェア特性と同様である。メモリ1350は、入力1351、ソフトウェア1352、および出力1353を格納してもよい。
【0077】
光源1312は、-z平面内を伝搬する発散ビーム1330(光ビーム230の一例である)を出射するように構成されている。発散ビーム1330は、図6の方位角間隔661にわたり得るビーム発散角1331を有する。光源1312第2の受光器1314は、方向において方向1261の距離1372だけ隔てられている。距離1272および1372は、合計すると距離1377(入力1351に含まれていてもよい)になる図13は、平面560に関して伝搬角632で伝搬する発散ビーム1330の一部を横切る物体413の背後のプロジェクタコントローラ1300を描いている。
【0078】
図12のように、光器1214は、平面560に関して受光器角1219(図13には示されていない)で配向され、受光器角1219は角度1219Cと余角関係にある。第2の受光器1314は、平面560に関して、光軸1318Aと方向1261との間の角度1319Cと余角関係にあるような受光器角で配向される。入力1351は、角度1219Cおよび1319Cのうちの少なくとも1つ、または等価的にそれらのそれぞれの余角を含んでもよい。入力1351はまた、受光器キャリブレーション1278と同様な受光器キャリブレーション1378を含んでもよい。
【0079】
例示的な使用ケースにおいて、発散ビーム1330の一部は、散乱光735として物体413から散乱する。受光器1214および1314に向かって伝搬する散乱光735は、受光器1214および1314に対するそれぞれの主光線1236および1336によって特徴付けられる。主光線1336は、散乱光736の一例であり、方向1261に対して物体角1373を形成する。受光器1214および1314は、そこに入射するそれぞれの主光線1236および1336に対する位置感応検出器1270および1370の電気的応答を示す、それぞれの受光器信号1279および1379を生成する。入力1351は、受光器信号1279および1379のうちの少なくとも1つを含み得る
【0080】
主光線1236と1336との伝搬方向は角度1305だけ異なる。主光線1236は、第1受光器1214に到達すると光軸1218Aに対して入射角1237でレンズ1218に入射する。主光線1336は、第2の受光器1314に到達すると光軸1318Aに対して入射角1337でレンズ1218に入射する。角度1373および1337の和は、角度1319Cになる。角度1273、1373、および1305の和はπラジアンになる。
【0081】
レンズ1318は、主光線1336を透過させ、そこに入射した散乱光735を、位置感応検出器1370上の入射角1337によって決定される位置に屈折させる。入射角1337を決定するために、受光器信号1379が例えば制御電子機器1320によって処理され得る。位置感応検出器1270は、例えば、距離1272、角度1205、角度1237、および角度1238のうちの少なくとも1つから、正弦の法則のような三角関数関係を介して、物体距離664を決定することを可能にする。
【0082】
プロセッサ722は、入力1351から出力1353を生成するためのソフトウェア1352を実行する。ソフトウェア1352は、(a)受光器信号1279および受光器キャリブレーション1278からの入射角1237と、(b)受光器信号1379および受光器キャリブレーション1378からの入射角1337とを決定する方向推定器1354を含んでもよい。ソフトウェア1352は、(a)入射角1237と受光器角1219Cの合成角1273と、(b)入射角1337と受光器角1319Cからの物体角1373とを決定する方向推定器1355を含んでもよい。例えば、物体角1373は、受光器角1319Cから入射角1337を減算したものに等しい。
【0083】
ソフトウェア1352は、レンジ推定器1357、方向推定器1358、および物体角推定器1359を含み得る。レンジ推定器1357は、物体距離664を決定する。例えば、レンジ推定器1357は、物体413と位置感応検出器1270との間の距離D12と、物体413と位置感応検出器1370との間の距離D13との少なくとも一方を決定するために正弦の法則を適用し、そこから余弦の法則を適用して物体距離664を決定してもよい。方向推定器1358は、正弦の法則、距離D12、物体距離664、および角度1273を用いて、角度1238およびその余角(complement)である伝搬角632を決定してもよい。物体角推定器1359は、伝搬角862と角度マッピング842から物体角662を決定してもよい。
【0084】
図14は、劇場190内で動作するプロジェクタ280の側面図である。座席196と除外ゾーン184の一例である除外ゾーン1484との間の距離を増加させるように、光学リレー1400が、スクリーン照明282をリダイレクトされた照明1482として、座席196から離れてスクリーン195に向かってリダイレクトするように構成されている。光学リレー1400の少なくとも一部は、投影ブース192内に配置されてもよい。光学リレー1400の一部は、投影ブース192の外側に延びていてもよい。光学リレー1400は、ミラー、リレーレンズ、リレー撮像システム、リレーレンズアセンブリ、および光ファイバのうちの少なくとも1つを含んでもよい。光学リレー1400は、光がそこを伝搬する距離に対応するリレー長を有する。リレー長は、1メートルから10メートルの間であってもよい。
【0085】
図15は、劇場190内で動作するプロジェクタ280の側面図である。座席196と除外ゾーン184の一例である除外ゾーン1584との間の距離を増加させるように、光学リレー1500が、スクリーン照明282をリダイレクトされた照明1582として、座席196から離れてスクリーン195に向かってリダイレクトするように構成されている。光学リレー1500は、光学リレー1400の一例であり、座席196から離れてスクリーン195に向かってプロジェクタ照明をリダイレクトするように構成された、ペリスコープを含んでもよい。
【0086】
光学リレー1400、1500の各々は、部分反射ミラーを含んでもよい。図16は、劇場190で動作するプロジェクタ280の側面図であり、この例では、部分反射型の光学リレー1600を含む。光学リレー1600は、光学リレー1400および1500の一例である。光学リレー1600は、スクリーン照明282の一部を、リダイレクトされた照明1682として、座席196から離れてスクリーン195に向かってリダイレクトするように構成されている。部分反射型光学リレー1600は、ペリスコープとして機能するように構成された複数の光学素子を含んでもよい。例えば、光学リレー1600は、第1のミラー1610および第2のミラー1620を含む。第1のミラー1610は、スクリーン照明282の一部を透過照明282Tとしてスクリーン195に向けて透過させる一方で、スクリーン照明282の一部である照明282Rを、第2のミラー1620(照明282Rをリダイレクトされた照明1682として反射する)に向けて反射させるような、部分反射型であってもよい。第1のミラー1610は、第2のミラー1620による100パーセントの反射が与えられると、透過照明282Tとリダイレクトされた照明1682とが等しい光強度を有することになるような、50/50のビームスプリッタであってもよい。あるいは、リダイレクトされた照明1682の光強度は、透過照明282Tの光強度を超えてもよい。
【0087】
部分反射型光学リレー1600は、例えば、ミラー1610および1620の間隔設定を介して、リダイレクトされた照明1682および透過照明282Tを距離1602だけ垂直方向に分離するように構成されてもよい。距離1602は、例えば、1センチメートルと1メートルの間である。一実施形態において、部分反射型光学リレー1600は、例えばミラー1610および1620の間隔設定を介して、リダイレクトされた照明1682および透過照明282Tを垂直方向および/または水平方向に分離するように構成されている。
【0088】
図16は、リダイレクトされた照明1682が透過照明282Tと重なる領域に対応する除外ゾーン1684を示している。光学リレー1600がない場合、除外ゾーン1684は、座席196に向かって下方に延び、それゆえ、その下に着席している観客198にとって危険である。光学リレー1600の1つの利点は、距離1602が十分短く(かつ/またはx方向に平行な成分を有する)、除外ゾーン1684が立っているときの視聴者198の目の高さよりも下に延びる場合であっても、目の安全を高めることである。リダイレクトされた照明1682および透過照明282Tは空間的にオフセットされているので、リダイレクトされた照明1682および透過照明282Tのそれぞれの高強度領域も空間的にオフセットされている。したがって、プロジェクタ280が不均一な強度の画像を投射しているとき、光学リレー1600によって導入された空間的オフセットのために、視聴者の目に入射する有効最大強度が減少する。
【0089】
光学リレー1600はまた、除外ゾーン284が立っている視聴者、例えば除外ゾーン284の下から立ち上がっている任意の視聴者198の目の高さよりも十分に高くなるように、リダイレクトされた照明1882を透過照明282Tから垂直方向に分離してもよい。距離1602は、少なくとも部分的に、立っている視聴者、例えば、高さが所定のパーセンタイル高さを超える視聴者の目の高さによって決定されてもよい。そのような実施形態では、リダイレクトされた照明1682の光強度は、透過照明282Tの光学強度を超えてもよい。
【0090】
図17は、プロジェクタ180と補助プロジェクタ1780の両方を有するように構成された劇場190の側面図である。補助プロジェクタ1780は、例えばプロジェクタ280である。補助プロジェクタ1780は、投影ブース192の外側に配置され、プロジェクタ照明1782を出射するように構成されていてもよい。補助プロジェクタ1780の追加は、低強度(例えば、非レーザ型の)プロジェクタに付随するような小さな除外ゾーンを維持しながら、高強度(例えば、レーザ型の)プロジェクタのそれと同様な高品質の画像をレンダリングすることを可能にする。
【0091】
プロジェクタ照明1782は、スクリーン照明182と同じ映像データに対応し、スクリーン照明182と時間的に同期していてもよい。または、プロジェクタ照明1782は、例えば、ハイライトなどのグラフィカルなオーバーレイ画像および/または映像を含むことによって、スクリーン照明182に対し補完的なものであってもよい。補助プロジェクタ1780は、プロジェクタ照明1782がスクリーン195上のスクリーン照明182に合わせられるように整列されてもよい。
【0092】
図18は、プロジェクタから出射される強い光から観客を保護するための方法1800を示すフローチャートである。強い光プロジェクタの前方において除外ゾーンを課。方法1800は、本明細書に記載されたプロジェクタコントローラ200およびその実施例によって実施されてもよい。方法1800は、ステップ1810および1820のうちの少なくとも1つを含む。
【0093】
ステップ1810は、除外ゾーンと観客との間の検出領域における物体の存在を光学的に感知することを含む。ステップ1810の例では、物体検出器210は、除外ゾーン184と観客198との間の検出領域286において物体413を検出する。ステップ1810は、ステップ1812、1816、および1818のうちの少なくとも1つを含んでもよい。ステップ1812は、ステップ1813を含んでもよく、この場合、ステップ1818はステップ1819も含み得る。
【0094】
ステップ1812は、俯角間隔および方位角間隔内でセンシング光を出射することを含み、俯角間隔および方位角間隔は検出領域を定義している。ステップ1812の例では、物体検出器210は、固定の俯角間隔で、かつ方位角間隔282D内で光ビーム230を放射し、ここで、下側境界230Lおよび上側境界230Uは俯角間隔を定義している。ステップ1813は、方位角間隔にわたってセンシング光をビーム走査速度でビーム走査することを含む。ステップ1813の例では、ビームステアラ740は、プロジェクタ280のフレームレートを超えるビーム走査速度で、方位角間隔661にわたって光ビーム630を走査する。
【0095】
ステップ1816は、物体から散乱したセンシング光によって生成された散乱光を受光することを含む。ステップ1816の例では、受光器714は、物体413によって散乱された散乱光736を受光する。
【0096】
ステップ1818は、散乱光の存在を示す電気信号を出力することを含む。ステップ1819は、検出領域中の物体の対向方位角範囲を示す電気信号を出力することを含む。ステップ1818の例では、物体検出器710は、図7の信号738を出力する。
【0097】
ステップ1820は、物体の存在が検出領域内で感知されたときにプロジェクタを制御することを含む。ステップ1820の例では、プロジェクタコントローラ200は、物体検出器210が検出領域286および除外ゾーン184の中または下にある物体413を検出したときに、プロジェクタ280を制御する。ステップ1822は、プロジェクタによって投射される光の強度を減少させることを含む。ステップ1822の例では、プロジェクタコントローラ200は、スクリーン照明282の強度を低減する。ステップ1818がステップ1819を含む場合、ステップ1822は、ステップ1819の方位角範囲内でプロジェクタによって投射される光の強度を低減することを含むステップ1823を含んでもよい。ステップ1823の例では、プロジェクタコントローラ200は、スクリーン照明282の強度を方位角範囲663内で低減する。
【0098】
上記の方法およびシステムは、本明細書の範囲を逸脱することなく変更され得る。したがって、上記の説明に含まれる事項、または添付の図面に示されている事項は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味ではないことに留意すべきである。本明細書において、特段の記載がない限り、形容詞「例示的(exemplary)」とは、例(example)、実例(instance)、または例示(illustration)として述べられていることを意味する。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載されているすべての包括的な特徴および具体的な特徴、ならびに本発明の方法およびシステムの範囲のあらゆる記述(これは文言としてはその中間にあると言い得る)をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18