(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ナンバープレート認識装置、ナンバープレート認識方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/015 20060101AFI20240220BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20240220BHJP
G06V 30/12 20220101ALI20240220BHJP
【FI】
G08G1/015 C
G08G1/04 D
G06V30/12 C
(21)【出願番号】P 2021028096
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-189598(JP,A)
【文献】特開2000-163694(JP,A)
【文献】特開2002-344952(JP,A)
【文献】特開2020-030574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0134931(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108694399(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06V 30/00 - 30/12
G06V 30/18 - 30/222
G06V 30/226 - 30/32
G06V 30/42 - 30/424
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得する画像取得部と、
前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る情報読取部と、
前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する特定部と、
車軸検知器の検知信号に基づいて前記車両の車軸数を取得する車軸数取得部と、
を備え、
前記特定部は、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記車軸数に基づいて前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できない場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する、
ナンバープレート認識装置。
【請求項2】
車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得する画像取得部と、
前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る情報読取部と、
前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する特定部と、
を備え、
前記特定部は、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記第1ナンバープレート情報および前記第2ナンバープレート情報の少なくとも一方に、前記車両が被牽引車を牽引する連結車両である可能性が高いことを示す情報が含まれている場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する、
ナンバープレート認識装置。
【請求項3】
前記情報読取部は、前記前方側ナンバープレートおよび前記後方側ナンバープレートから読み取った複数の文字または文字列それぞれのスコアを合計して、前記第1ナンバープレート情報および前記第2ナンバープレート情報それぞれの前記評価値を求める、
請求項
1又は2に記載のナンバープレート認識装置。
【請求項4】
前記情報読取部は、前記前方側ナンバープレートおよび前記後方側ナンバープレートから読み取った複数の文字または文字列それぞれのスコアを前記評価値として求め、
前記特定部は、前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できた場合に、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の対応する文字または文字列同士のスコアを比較し、スコアが高い方の文字または文字列を採用してつなぎ合わせた情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する、
請求項
1又は2に記載のナンバープレート認識装置。
【請求項5】
車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、
前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、
前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、
車軸検知器の検知信号に基づいて前記車両の車軸数を取得するステップと、
を有
し、
前記車両のナンバープレート情報を特定するステップにおいて、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記車軸数に基づいて前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できない場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する、
ナンバープレート認識方法。
【請求項6】
車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、
前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、
前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、
車軸検知器の検知信号に基づいて前記車両の車軸数を取得するステップと、
をナンバープレート認識装置のコンピュータに実行させるプログラム
であって、
前記車両のナンバープレート情報を特定するステップにおいて、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記車軸数に基づいて前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できない場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナンバープレート認識装置、ナンバープレート認識方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車種判別、個体識別などを行うため、車両のナンバープレートを読み取る技術が用いられている。たとえば、特許文献1には、前方カメラと後方カメラとにより、車両の前方および後方のそれぞれに付されたナンバープレートを読み取る認識装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナンバープレートが車体の凹凸の影響で隠れている場合、ナンバープレート上に汚れが付着している場合など、前後の何れかのナンバープレートが正常に読み取れないことがある。そうすると、前後のナンバープレートの認識結果が一致しなくなる。また、車両が被牽引車を牽引している場合、被牽引車には車両と異なるナンバープレートが付されている。このため、牽引車および被牽引車からなる連結車両については、連結車両の前方側ナンバープレート(すなわち、牽引車のナンバープレート)と、後方側ナンバープレート(すなわち、被牽引車のナンバープレート)とでは、認識結果が異なってしまう。このように、車両の前後のナンバープレートの認識結果が異なる場合、認識装置は何れか一方の認識結果を採用しなければならない。したがって、車両の前後のナンバープレートの両方を認識する場合には、車両の車種判別または個体識別を正しく行えるように、いずれかの認識結果を採用するかを適切に判断することが求められている。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、車両の前後のナンバープレートの認識結果が異なる場合に、より適切な認識結果を車両のナンバープレート情報として特定することができるナンバープレート認識装置、ナンバープレート認識方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ナンバープレート認識装置は、車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得する画像取得部と、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る情報読取部と、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する特定部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、ナンバープレート認識方法は、車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、を有する。
【0008】
本開示の一態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、をナンバープレート認識装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係るナンバープレート認識装置、ナンバープレート認識方法、およびプログラムによれば、前後のナンバープレートの読み取り結果が異なる場合に、より適切な認識結果を車両のナンバープレート情報として特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識装置の機能構成を示す図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識装置の処理の一例を示す図である。
【
図4】本開示の第2の実施形態に係るナンバープレート認識装置の処理の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るナンバープレート認識装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識システム1について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
【0012】
(全体構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す図である。
ナンバープレート認識システム1は、有料道路の入口または出口の料金所、違反取締地点等において、車線Lを走行する車両Aのナンバープレート情報を特定する。ナンバープレート情報には、プレートサイズ(大板、中板、小板)、分類番号、一連番号等が含まれる。特定された車両Aのナンバープレート情報は、たとえば車種判別装置(不図示)により、車両Aの車種を判別する処理に用いられる。また、ナンバープレート情報は、違反取締装置(不図示)により、車両Aを個々に識別する処理に用いられてもよい。
【0013】
本実施形態では、ナンバープレート認識システム1が出口料金所に設けられている態様を例として説明する。以下、車線Lの延びる方向(±X方向)を「車線方向」と記載する。また、車線方向の有料道路側(-X側)を「上流側」、一般道路側(+X側)を「下流側」とも記載する。更に、車線Lの幅方向(±Y方向)を「車線幅方向」と記載する。
【0014】
ナンバープレート認識システム1は、
図1に示すように、車両検知器2と、車軸検知器3と、ナンバープレート認識装置10とを備えている。
【0015】
車両検知器2は、車線方向の所定位置である車両検知位置X1の路側に設置され、車両Aの進入及び通過を検出する。車両検知器2は、たとえば
図1に示すような透過型の車両検知器であり、車線Lを挟んで対向設置される投光器及び受光器の対を有している。車両検知器2は、投光器から投光された光を受光器が受光したか否かに基づいて、車両検知位置X1における車両の存在の有無を区別可能な車両検知信号を出力する。車両検知器2は、受光器が光を受光している間は、車両検知位置X1に車両が存在していないことを示す車両検知信号(OFF)を出力する。一方、車両検知器2は、受光器が光を受光していない間は、車両検知位置X1に車両が存在することを示す車両検知信号(ON)を出力する。
【0016】
図1の例では、ある時間t1において車両Aの先端が車両検知位置X1に進入すると、車両検知器2は「ON(車両が存在)」を示す車両検知信号を出力する。また、時間t2において車両Aの後端が車両検知位置X1を通過すると、車両検知器2は「OFF(車両が非存在)」を示す車両検知信号を出力する。
【0017】
車軸検知器3は、車両Aの車軸数を検出する。本実施形態に係る車軸検知器3は、
図1に示すように、車両検知位置X1において、車線Lの路面に埋設された踏板である。車軸検知器3は、車両検知器2が車両Aの存在を検出している期間(
図1の時間t1~t2)、当該車両Aのタイヤによる踏み付けを検出して、車両Aの車軸数を検出可能な車軸検知信号を出力する。
【0018】
なお、他の実施形態では、車軸検知器3は、車線Lの路側に設置されたカメラまたはレーザスキャナであってもよい。この場合、車軸検知器3は、カメラにより撮影された画像に画像処理を行うことにより、または、レーザスキャナのスキャン結果から車両Aのタイヤを検出して、車両Aのタイヤの数(車軸数)を計測する。
【0019】
ナンバープレート認識装置10は、前撮カメラ11と、後撮カメラ12とを備えている。ナンバープレート認識装置10は、前撮カメラ11により撮影された画像(第1画像)から、車両Aの前方側ナンバープレートNP1の情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取る。また、ナンバープレート認識装置10は、後撮カメラ12により撮影された画像(第2画像)から、車両Aの後方側ナンバープレートNP2の情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る。
【0020】
前撮カメラ11は、車両検知位置X1よりも車線方向の下流側(+X側)のガントリG1上において、車線方向の上流側(-X側)を向くように設置される。前撮カメラ11は、車両検知器2により車両Aが車両検知位置X1に進入したことが検出されたタイミング(たとえば、
図1の時間t1において車両検知信号が「OFF」から「ON」に切り替わったタイミング)で、車両Aの前方側ナンバープレートNP1を撮影する。
【0021】
後撮カメラ12は、車両検知位置X1よりも車線方向の上流側(-X側)のガントリG2上において、車線方向の下流側(+X側)を向くように設置される。後撮カメラ12は、車両検知器2により車両Aが車両検知位置X1を通過したことが検出されたタイミング(たとえば、
図1の時間t2において車両検知信号が「ON」から「OFF」に切り替わったタイミング)で、車両Aの後方側ナンバープレートNP2を撮影する。
【0022】
なお、他の実施形態では、前撮カメラ11および後撮カメラ12は、車線Lの路側に設置されてもよい。
【0023】
(機能構成)
図2は、本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、ナンバープレート認識装置10は、前述の前撮カメラ11および後撮カメラ12に加え、CPU13と、インタフェース14と、記憶媒体15とをさらに備えている。
【0024】
CPU13は、ナンバープレート認識装置10の動作全体を司るプロセッサである。CPU13は、所定のプログラムに従って動作することにより、画像取得部130、情報読取部131、車軸数取得部132、特定部133としての機能を発揮する。
【0025】
画像取得部130は、車線Lを走行する車両Aを前撮カメラ11で撮影した第1画像、および、当該車両Aを後撮カメラ12で撮影した第2画像を取得する。
【0026】
情報読取部131は、第1画像に対する画像認識処理により第1ナンバープレート情報を読み取り、第2画像に対する画像認識処理により第2ナンバープレート情報を読み取る。
【0027】
車軸数取得部132は、車軸検知器3の車軸検知信号に基づいて車両Aの車軸数を取得する。
【0028】
特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、情報読取部131による画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を、車両Aのナンバープレート情報として特定する。
【0029】
また、特定部133は、車軸数取得部132が取得した車両Aの車軸数に基づいて、車両Aが単独車両(被牽引車を牽引していない車両)であると特定できない場合には、車両Aが連結車両(牽引車および被牽引車からなる車両)である可能性があると判断する。連結車両については牽引車側のナンバープレート情報を、正規のナンバープレート情報(車種判別処理、個体識別処理等に用いる情報)として採用している。このため、特定部133は、牽引車のナンバープレート情報、すなわち、車両Aの前方側ナンバープレートNP1の情報である第1ナンバープレート情報を、車両Aのナンバープレート情報として特定する。
【0030】
インタフェース14は、外部機器である車両検知器2、車軸検知器3等との接続インタフェースである。ナンバープレート認識装置10は、インタフェース14を介して、車両検知器2および車軸検知器3から検知信号を受信する。
【0031】
記憶媒体15は、ナンバープレート認識装置10の各部の処理で用いられるデータ、取得、生成したデータ等を記憶する。
【0032】
(処理フロー)
図3は、本開示の第1の実施形態に係るナンバープレート認識装置の処理の一例を示す図である。
以下、
図3を参照しながら、ナンバープレート認識装置10による車両Aのナンバープレート認識処理の流れについて説明する。
【0033】
まず、前撮カメラ11は、車両検知器2の車両検知信号に基づいて、車両Aが車両検知位置X1に進入したタイミングで、車両Aを撮影する。画像取得部130は、前撮カメラ11が撮影した第1画像を取得する(ステップS100)。
【0034】
次に、情報読取部131は、前撮カメラ11が撮影した第1画像に所定の画像認識処理を行い、車両Aの前方側ナンバープレートNP1の情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取る(ステップS101)。
【0035】
本実施形態に係る情報読取部131は、たとえばテンプレートマッチングの技術を利用して第1ナンバープレート情報を読み取る。記憶媒体15には、予めナンバープレートに用いられる文字または文字列に関する複数のテンプレートが記憶されている。テンプレートは、ナンバープレートの分類番号、一連番号等に用いられる文字の画像である。また、テンプレートは、ナンバープレートの地名を表す文字列(「神戸」等)の画像であってもよい。情報読取部131は、第1画像と複数のテンプレートそれぞれとを対比して、第1画像の前方側ナンバープレートNP1の文字または文字列に対応する各領域について、テンプレートの類似度を計算する。情報読取部131は、各領域について最も類似度(スコア)の高いテンプレートから文字または文字列を特定することにより、分類番号、一連番号等を読み取る。なお、他の実施形態では、情報読取部131は、機械学習(深層学習を含む)の技術を利用してナンバープレート上の情報を読み取るようにしてもよい。
【0036】
また、情報読取部131は、特定された文字または文字列それぞれのスコアを合計した評価値を求める。情報読取部131は、読み取った分類番号等を含む第1ナンバープレート情報と、評価値とを特定部133に出力する。
【0037】
また、後撮カメラ12は、車両検知器2の車両検知信号に基づいて、車両Aが車両検知位置X1を通過したタイミングで、車両Aを撮影する。画像取得部130は、後撮カメラ12が撮影した第2画像を取得する(ステップS102)。
【0038】
次に、情報読取部131は、後撮カメラ12が撮影した第2画像に所定の画像認識処理を行い、車両Aの後方側ナンバープレートNP2の情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る(ステップS103)。当該処理は、ステップS101の処理と同様である。情報読取部131は、第2画像から読み取った分類番号等を含む第2ナンバープレート情報と、評価値とを特定部133に出力する。
【0039】
次に、特定部133は、前方側ナンバープレートNP1および後方側ナンバープレートNP2の認識結果が同じであるか判断する(ステップS104)。
【0040】
第1ナンバープレート情報と、第2ナンバープレート情報とが一致する(認識結果が同じ)場合(ステップS104:YES)、特定部133は、ナンバープレート認識処理を終了する。
【0041】
一方、第1ナンバープレート情報と、第2ナンバープレート情報とが一致しない(認識結果が異なる)場合、特定部133は車両Aのナンバープレート情報として、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報のいずれを採用するか決定する処理を更に行う。
【0042】
具体的には、まず、車軸数取得部132は、車軸検知器3から受信した車軸検知信号に基づいて、車両Aの車軸数を取得する。そして、特定部133は、車軸数取得部132により取得された車軸数に基づいて、車両Aが単独車両であるか判断する(ステップS105)。
【0043】
車軸数が「2」のとき、車両Aは必ず単独車両である。単独車両である車両Aの前後には同一のナンバープレートが付されるので、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレートのいずれかが誤認識の可能性がある。このため、特定部133は、第1ナンバープレート情報の評価値と、第2ナンバープレート情報の評価値とを比較して、評価値が高いナンバープレート情報を採用する(ステップS106)。
【0044】
たとえば、車両Aの後方側ナンバープレートNP2に汚れが付着しており、第2ナンバープレート情報の認識率(評価値)が低下していたとする。この結果、第1ナンバープレート情報の評価値は、第2ナンバープレートの評価値よりも高くなったとする。この場合、特定部133は、評価値の高い第1ナンバープレート情報を車両Aのナンバープレート情報として採用する。
【0045】
また、車軸数が「2」のとき、車両Aは二輪車であり、後方側ナンバープレートNP2のみを有している場合がある。この場合、情報読取部131は、第1ナンバープレート情報を読み取ることができないため、第1ナンバープレート情報の評価値をなし(または最低値)に設定する。そうすると、第1ナンバープレート情報に対し、第2ナンバープレート情報の評価値の方が高くなるので、特定部133は、第2ナンバープレート情報を車両Aのナンバープレート情報として採用する。
【0046】
一方、車軸数が「2」以外である場合、車両Aは連結車両の可能性がある。上記したように、連結車両については、牽引車側のナンバープレート情報を正規のナンバープレート情報として採用している。したがって、特定部133は、車軸数が「2」ではない場合(ステップS105:NO)、牽引車側のナンバープレート情報に相当する第1ナンバープレート情報を、車両Aのナンバープレート情報として採用する(ステップS107)。
【0047】
なお、特定部133により特定されたナンバープレート情報は、車種判別装置、違反取締装置等の外部機器に出力され、外部機器における各種処理に用いられる。
【0048】
ナンバープレート認識装置10は、車両Aが車両検知位置X1に進入する度に、
図3の一連の処理を繰り返し実行する。
【0049】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るナンバープレート認識装置10では、情報読取部131は、前撮カメラ11が撮影した第1画像から画像認識処理により第1ナンバープレート情報を読み取り、後撮カメラ12が撮影した第2画像から画像認識処理により第2ナンバープレート情報を読み取る。特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、これらのうち評価値が高い方を車両Aのナンバープレート情報として特定する。
【0050】
たとえば、車両Aの車体の凹凸等によりナンバープレートが隠れてしまった場合、ナンバープレート上に汚れが付着していた場合には、ナンバープレート情報が正しく読み取れない場合がある。しかしながら、本実施形態に係るナンバープレート認識装置10は、車両Aの前後のナンバープレートの認識結果が異なる場合に、二つの認識結果のうち画像認識処理の評価値の高い方を適切に採用することができる。
【0051】
また、ナンバープレート認識装置10において、車軸数取得部132は、車軸検知器3の検知信号に基づいて車両Aの車軸数を取得する。特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、車両Aの車軸数に基づいて前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できない場合には、第1ナンバープレート情報を車両Aのナンバープレート情報として特定する。
【0052】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置10は、車軸数から判断して車両Aが連結車両の可能性がある場合は、第1ナンバープレート情報を採用することにより、牽引車側のナンバープレート情報を適切に特定できる。
【0053】
また、ナンバープレート認識装置10において、情報読取部131は、前方側ナンバープレートNP1および後方側ナンバープレートNP2それぞれから読み取った文字または各文字列のスコアを合計して、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の評価値を求める。
【0054】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置10は、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報それぞれに含まれる文字または文字列のスコアから、これら二つの認識結果の確からしさを表す評価値を求めることができる。これにより、ナンバープレート認識装置10は、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報のうち、評価値、すなわち、認識精度の高い方を採用することが容易となる。
【0055】
なお、本実施形態では、情報読取部131が文字または文字列それぞれのスコアを合計した値を評価値とする例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、情報読取部131は、文字または文字列それぞれのスコアをそのまま評価値として、特定部133に出力してもよい。この場合、特定部133は、車両Aが単独車両であると特定できる場合(ステップS105:YES)、すなわち、車両Aの前方側ナンバープレートNP1と後方側ナンバープレートNP2の内容が同一であることが確定している場合に、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の対応する文字または文字列同士を比較して、スコアが高い方の文字または文字列を採用してつなぎ合わせた情報を、車両Aのナンバープレート情報を特定するようにしてもよい。たとえば、特定部133は、第1ナンバープレート情報の1文字目の方が、第2ナンバープレート情報の1文字目よりもスコアが高い場合、第1ナンバープレート情報の1文字目を採用する。また、特定部133は、第2ナンバープレート情報の2文字目の方が、第1ナンバープレート情報の2文字目よりもスコアが高い場合、第2ナンバープレート情報の2文字目を採用する。特定部は、以降の文字(または文字列)についても同様にどちらの文字を採用するか判断して、車両Aのナンバープレート情報を特定する。これにより、特定部133は、単独車両である車両Aのナンバープレート情報の認識精度を向上させることができる。
【0056】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係るナンバープレート認識システム1について説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。第1の実施形態に係るナンバープレート認識装置10は、車両Aの第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、車両Aの車軸数が「2」であるか否かに基づいていずれのナンバープレート情報を採用するか判断していた。これに対し、本実施形態に係るナンバープレート認識装置10は、車両Aの車軸数に代えて、車両Aのナンバープレートに表示された分類番号に基づいて判断する。
【0057】
(処理フロー)
図4は、本開示の第2の実施形態に係るナンバープレート認識装置の処理の一例を示す図である。
以下、
図4を参照しながら、ナンバープレート認識装置10による車両Aのナンバープレート認識処理の流れについて説明する。なお、ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。
【0058】
本実施形態において、ステップS200~S204の処理は、それぞれ第1の実施形態(
図3)のS100~S104と同じである。
【0059】
特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが一致しない場合(ステップS204:NO)、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の少なくとも一方に、連結車両の可能性が高いことを示す情報が含まれているか否かをさらに判断する(ステップS205)。
【0060】
連結車両の可能性が高いことを示す情報として、たとえば、ナンバープレートのプレートサイズおよび分類番号が用いられる。第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報のプレートサイズおよび分類番号の先頭番号が「大板」および「1」の場合、車両Aは大型トレーラー等である。また、第1ナンバープレート情報のプレートサイズおよび分類番号の先頭番号が「大板」および「1」であり、第2ナンバープレート情報のプレートサイズおよび分類番号の先頭番号が「大板」および「8」である場合、車両Aはタンクローリー等である。このようなナンバープレート情報を有する車両Aは、他の車両と比較して、被牽引車を牽引する連結車両である可能性が高い。このため、本実施形態に係る特定部133は、このように、プレートサイズおよび分類番号の組み合わせが所定の組み合わせであった場合に、連結車両である可能性が高い車両であると判断する。上記したように、連結車両については、牽引車側のナンバープレート情報を正規のナンバープレート情報として採用している。したがって、特定部133は、プレートサイズおよび分類番号の組み合わせが上記した例のいずれかである場合、連結車両である可能性が高いと判断し(ステップS205:YES)、牽引車側のナンバープレート情報に相当する第1ナンバープレート情報を、車両Aのナンバープレート情報として採用する(ステップS206)。
【0061】
一方、分類番号の先頭数字が「1」ではない場合(ステップS205:NO)、特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とのうち何れか評価値が高い方を採用する(ステップS207)。
【0062】
ナンバープレート認識装置10は、車両Aが車線Lに進入する度に、
図4の一連の処理を繰り返し実行する。
【0063】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るナンバープレート認識装置10において、特定部133は、第1ナンバープレート情報と第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の少なくとも一方の分類番号が「1」である場合には、第1ナンバープレート情報を車両Aのナンバープレート情報として特定する。
【0064】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置10は、分類番号から判断して車両Aが連結車両の可能性がある場合は、第1ナンバープレート情報を採用することにより、牽引車側のナンバープレート情報を適切に特定できる。
【0065】
<ハードウェア構成>
図5は、本開示の一実施形態に係るナンバープレート認識装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示すように、コンピュータ900は、CPU901(CPU13)、主記憶装置902、補助記憶装置903(記憶媒体15)、インタフェース904(インタフェース14)を備える。
【0066】
上述の各実施形態に係るナンバープレート認識装置10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902に確保する。
【0067】
プログラムは、コンピュータ900に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。たとえば、プログラムは、補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ900は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、CPU901によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0068】
補助記憶装置903の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904または通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部記憶装置910であってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0069】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0070】
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形例は、発明の要旨および技術的範囲に含まれる。
【0071】
<付記>
上述の実施形態に記載のナンバープレート認識装置、ナンバープレート認識方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0072】
本開示の第1の態様によれば、ナンバープレート認識装置(10)は、車線を走行する車両を前撮カメラ(11)で撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラ(12)で撮影した第2画像を取得する画像取得部(130)と、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取る情報読取部(131)と、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する特定部(133)と、を備える。
【0073】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置は、車両の前後のナンバープレートの認識結果が異なる場合に、二つの認識結果のうち画像認識処理の評価値の高い方、すなわち、読取精度の高い方を採用することにより、より正確に車両のナンバープレート情報を特定することができる。
【0074】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係るナンバープレート認識装置(10)は、車軸検知器(3)の検知信号に基づいて前記車両の車軸数を取得する車軸数取得部(132)をさらに備え、前記特定部(133)は、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記車軸数に基づいて前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できない場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する。
【0075】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置は、車軸数から判断して車両が連結車両の可能性がある場合は、第1ナンバープレート情報を採用することにより、牽引車側のナンバープレート情報を適切に特定できる。
【0076】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様に係るナンバープレート認識装置(10)において、前記特定部(133)は、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合、且つ、前記第1ナンバープレート情報および前記第2ナンバープレート情報の少なくとも一方に、前記車両が被牽引車を牽引する連結車両である可能性が高いことを示す情報が含まれている場合には、前記第1ナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する。
【0077】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置は、分類番号から判断して車両が連結車両の可能性がある場合は、第1ナンバープレート情報を採用することにより、牽引車側のナンバープレート情報を適切に特定できる。
【0078】
本開示の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係るナンバープレート認識装置(10)において、前記情報読取部(131)は、ナンバープレートに用いられる文字又は文字列に関する複数のテンプレートを用いたテンプレートマッチングを行うことにより、前記前方側ナンバープレートおよび前記後方側ナンバープレートに表示された複数の文字または文字列を認識するとともに、認識した文字または文字列それぞれと前記テンプレートとの類似度を合計して、前記第1ナンバープレート情報および前記第2ナンバープレート情報それぞれの前記評価値を求める。
【0079】
このようにすることで、ナンバープレート認識装置は、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報それぞれに含まれる文字または文字列の類似度から、これら二つの認識結果の確からしさを表す評価値を求めることができる。これにより、ナンバープレート認識装置は、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報のうち、評価値、すなわち、認識精度の高い方を採用することが容易となる。
【0080】
本開示の第5の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係るナンバープレート認識装置(10)において、前記情報読取部(131)は、前記前方側ナンバープレートおよび前記後方側ナンバープレートから読み取った複数の文字または文字列それぞれのスコアを前記評価値として求め、前記特定部(133)は、前記車両が被牽引車を牽引していない単独車両であると特定できた場合に、第1ナンバープレート情報および第2ナンバープレート情報の対応する文字または文字列同士のスコアを比較し、スコアが高い方の文字または文字列を採用してつなぎ合わせた情報を前記車両のナンバープレート情報として特定する。
【0081】
これにより、ナンバープレート認識装置は、単独車両である車両のナンバープレート情報の認識精度を向上させることができる。
【0082】
本開示の第5の態様によれば、ナンバープレート認識方法は、車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、を有する。
【0083】
本開示の第6の態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両を前撮カメラで撮影した第1画像、および、当該車両を後撮カメラで撮影した第2画像を取得するステップと、前記第1画像に対する画像認識処理により前記車両の前方側ナンバープレートの情報を示す第1ナンバープレート情報を読み取り、前記第2画像に対する画像認識処理により前記車両の後方側ナンバープレートの情報を示す第2ナンバープレート情報を読み取るステップと、前記第1ナンバープレート情報と前記第2ナンバープレート情報とが異なっている場合に、前記画像認識処理における評価値が高いナンバープレート情報を前記車両のナンバープレート情報として特定するステップと、をナンバープレート認識装置のコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0084】
1 ナンバープレート認識システム
2 車両検知器
3 車軸検知器
10 ナンバープレート認識装置
11 前撮カメラ
12 後撮カメラ
13 CPU
130 画像取得部
131 情報読取部
132 車軸数取得部
133 特定部
14 インタフェース
15 記憶媒体
900 コンピュータ
901 CPU
902 主記憶装置
903 補助記憶装置
904 インタフェース
910 外部記憶装置