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特許7440476情報処理方法、プログラム、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240220BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240220BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q50/40
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021181253
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2023069419
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2023-03-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500119961
【氏名又は名称】昭和リース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】塚田 円
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 兼暖
(72)【発明者】
【氏名】石井 政博
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6476407(JP,B1)
【文献】特開2018-077733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0004589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リース契約を結んでいる運送車両における単位期間あたりの走行距離を取得し、
取得した前記走行距離に基づき、リース料金を算出し、
算出した前記リース料金を前記運送車両の利用者の利用者端末へ出力し、
前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記運送車両に取り付けた制御装置に対し前記運送車両の利用停止命令を出力する処理であって、
前記運送車両の総走行距離が所定距離を超えた場合に前記利用者端末へ通知し、
通知後に、前記運送車両とは異なるリース対象の別の運送車両を識別するための車両識別情報と、前記利用者を識別するための利用者識別情報とを対応付けて記憶し、
前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記別の運送車両に取り付けた制御装置に対し前記別の運送車両の利用停止命令を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
取得した前記走行距離が所定距離を超えるか否かを判定し、
所定距離を超える場合、リース基本料金に走行距離から前記所定距離を超えた距離に応じた料金を加算してリース料金を算出し、所定距離を超えない場合、リース基本料金をリース料金とする
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記利用者が入金すべきリース料金がリース基本料金を超えた場合に、利用者端末に前記リース基本料金を超えた旨を通知する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
リース契約を結んでいる運送車両における単位期間あたりの走行距離を取得し、
取得した前記走行距離に基づき、リース料金を算出し、
算出した前記リース料金を前記運送車両の利用者の利用者端末へ出力し、
前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記運送車両に取り付けた制御装置に対し前記運送車両の利用停止命令を出力する処理であって、
前記運送車両の総走行距離が所定距離を超えた場合に前記利用者端末へ通知し、
通知後に、前記運送車両とは異なるリース対象の別の運送車両を識別するための車両識別情報と、前記利用者を識別するための利用者識別情報とを対応付けて記憶し、
前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記別の運送車両に取り付けた制御装置に対し前記別の運送車両の利用停止命令を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
リース契約を結んでいる運送車両における単位期間あたりの走行距離を取得する取得部と、
取得した前記走行距離に基づき、リース料金を算出する算出部と、
算出した前記リース料金を前記運送車両の利用者の利用者端末へ出力する第一出力部と、
前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記運送車両に取り付けた制御装置に対し前記運送車両の利用停止命令を出力する第二出力部と、
前記運送車両の総走行距離が所定距離を超えた場合に前記利用者端末へ通知する通知部と、
通知後に、前記運送車両とは異なるリース対象の別の運送車両を識別するための車両識別情報と、前記利用者を識別するための利用者識別情報とを対応付けて記憶する記憶部とを備え、
前記第二出力部は、前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記別の運送車両に取り付けた制御装置に対し前記別の運送車両の利用停止命令を出力する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リース会社が利用者と契約を結び、一定期間にわたって車両を貸し出すカーリースがある。リース会社は、利用者との契約内容に基づき、リース料金を算出する必要がある。そこで、車両代金、リース期間および自動車税などに基づいて、リース料金を算出するプログラムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-242733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カーリースにおいて、リース料金の未納が発生した場合には、貸し出した車両が利用されないようにしたい。しかし、特許文献1に開示された発明では、リース料金を算出するにとどまり、貸し出した車両の利用を停止させるには至っていない。そのため、信用を得るのが難しい利用者(低所得者など)とのリース契約が成立しにくいという問題点があった。
【0005】
一つの側面では、リース料金の未納が発生した場合に、運送車両の利用を停止できる情報処理方法などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理方法は、リース契約を結んでいるリース対象の運送車両における単位期間あたりの走行距離を取得し、取得した前記走行距離に基づき、リース料金を算出し、算出した前記リース料金を前記運送車両の利用者の利用者端末へ出力し、前記利用者から前記リース料金の入金がない場合に、前記運送車両に取り付けた制御装置に対し前記運送車両の利用停止命令を出力し、前記運送車両の総走行距離が所定距離を超えた場合に、前記利用者端末に、前記運送車両とは異なるリース対象の運送車両に交換するよう促す旨を通知する処理をコンピュータが実行する
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、リース料金の未納が発生した場合に、運送車両の利用を停止できる情報処理方法などを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態における運送車両の利用停止システムの構成例を示す模式図である。
図2】本実施の形態におけるサーバの構成例を示すブロック図である。
図3】本実施の形態における端末の構成例を示すブロック図である。
図4】本実施の形態における制御装置の構成例を示すブロック図である。
図5】運送車両DBのデータレイアウトを示す説明図である。
図6】端末が表示する画面を示す説明図である。
図7】端末が表示する画面を示す説明図である。
図8】サーバが実行するプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
図9】端末が表示する画面を示す説明図である。
図10】運送車両DBのデータレイアウトを示す説明図である。
図11】サーバが実行するプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態では、運送車両に取り付けた制御装置を用いて当該運送車両の利用を停止するシステムについて説明する。リース会社は、当該システムを運用することでリスクを軽減し、リース契約が成立しにくかった利用者とも契約できるようになる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態における運送車両の利用停止システムの構成例を示す模式図である。運送車両の利用停止システムは、情報処理装置10、端末30、30、30…、および制御装置70が取り付けてある運送車両50、50、50…を含む。情報処理装置10および端末30は、インターネットなどの通信ネットワークNWに接続されている。運送車両50は、制御装置70を介して情報処理装置10と通信する。
【0012】
情報処理装置10は、運送車両50の利用停止システムを管理するサーバ装置(以下、サーバという)である。サーバ10は、運送車両50をリースするリース会社が運用しており、リース料金の未納が発生した場合に、当該運送車両の利用を停止するシステムを提供する。
【0013】
なお、本実施の形態では、一つのコンピュータが処理をおこなうものとして説明するが、複数のコンピュータが分散して処理をおこなってもよい。
【0014】
端末30は、運送車両50を利用する利用者が操作する情報処理端末であり、スマートフォン、パソコンまたはタブレット端末などである。端末30には、サーバ10から配信されるアプリケーションプログラムがインストールされている。利用者は、当該アプリケーションを実行することにより、リース契約をした運送車両50の利用状況(走行距離など)を確認できる。
【0015】
運送車両50は、リース会社が利用者に対して提供する自動車または原動機付自転車などである。運送車両50には、制御装置70が取り付けられる。
【0016】
制御装置70は、運送車両50を管理するサーバ10と通信可能に接続されている。制御装置70は、リース料金の未納が発生した場合に、運送車両50の利用を停止させる。具体的には、制御装置70が車載ネットワーク(CAN(Controller Area Network)など)を介して、運送車両50の車載ECU(Electronic Control Unit)に所定の処理をおこなわせる。たとえば、運送車両50がガソリン車の場合、停止命令を受け付けたエンジンECUがエンジンの起動を停止する。また、運送車両50が電気自動車の場合、電力の供給停止命令を受け付けたECUがバッテリの起動を停止する。
【0017】
図2は、サーバ10の構成例を示すブロック図である。サーバ10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、および通信部14を含む。
【0018】
制御部11は、一または複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、もしくは量子プロセッサなどのプロセッサであり、種々の情報処理を実行する。
【0019】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)またはDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの一時記憶領域であり、制御部11が処理を実行するうえで必要なデータを一時的に記憶する。
【0020】
補助記憶部13は、SSD(Solid State Drive)またはHDD(Hard Disk Drive)などのメモリであり、サーバ10に処理を実行させるプログラム130(プログラム製品)、運送車両DB131、およびその他のデータを記憶している。
【0021】
補助記憶部13は、リース基本料金および加算料金を記憶している。リース基本料金とは、所定の走行距離までは固定額として算出される料金である。加算料金とは、所定の走行距離以上に走行した際に、当該走行距離に応じて算出される料金である。また、補助記憶部13は、車両の交換が必要となる所定の総走行距離を車種ごとに記憶している。
【0022】
なお、サーバ10は可搬型記憶媒体10aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体10aからプログラム130を読み込んでもよい。
【0023】
通信部14は、通信ネットワークNWに接続するための通信インターフェイスである。
【0024】
図3は、端末30の構成例を示すブロック図である。端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、および表示部35を含む。
【0025】
制御部31は、一または複数のCPU、MPU、GPU、もしくは量子プロセッサなどのプロセッサであり、種々の情報処理を実行する。
【0026】
記憶部32は、SRAMまたはDRAMなどの一時記憶領域であり、制御部31が処理を実行するうえで必要なデータを一時的に記憶する。
【0027】
通信部33は、通信ネットワークNWに接続するための通信インターフェイスである。
【0028】
入力部34は、タッチパネルまたは機械式操作ボタンなどの入力インターフェイスであり、利用者から操作入力を受け付ける。なお、入力部34は、利用者の音声指令を収集するマイクロフォンであってもよい。
【0029】
表示部35は、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示画面であり、画像を表示する。
【0030】
図4は、制御装置70の構成例を示すブロック図である。制御装置70は、制御部71、主記憶部72、補助記憶部73、第一通信部74、第二通信部75、および測位センサ76を含む。
【0031】
制御部71は、一または複数のCPU、MPU、GPU、もしくは量子プロセッサなどのプロセッサであり、種々の情報処理を実行する。
【0032】
主記憶部72は、SRAMまたはDRAMなどの一時記憶領域であり、制御部71が処理を実行するうえで必要なデータを一時的に記憶する。
【0033】
補助記憶部73は、SSDまたはHDDなどのメモリであり、制御装置70に処理を実行させるプログラム、運送車両50の利用状況に関する情報、およびその他のデータを記憶している。
【0034】
第一通信部74は、通信ネットワークNWに接続するための通信インターフェイスである。
【0035】
第二通信部75は、車載ネットワークに接続するための通信インターフェイスである。
【0036】
測位センサ76は、衛星測位システムにより、運送車両50の走行距離および現在位置を検出する。サーバ10は、測位センサ76が検出した走行距離および現在位置を取得できる。なお、サーバ10は、運送車両50の車載ネットワークを通じて走行距離を取得してもよい。
【0037】
図5は、運送車両DB131のデータレイアウトを示す説明図である。運送車両DB131は、車両ID(Identifier)、利用者ID、入金、走行距離、および総走行距離のフィールドを記憶するDBである。
【0038】
車両IDフィールドには、リース契約中の運送車両50に対応したIDが記憶されている。利用者IDフィールドには、リース契約中の利用者に対応したIDが記憶されている。入金フィールドには、所定のリース料金が入金されているか否かが記憶されている。入金の有無は、利用者の口座からリース料金を引き落とすことができたか否かを記憶してもよい。走行距離フィールドには、運送車両50の現在の走行距離が記憶されている。総走行距離フィールドには、運送車両50の現在の総走行距離が記憶されている。
【0039】
以下、サーバ10が制御装置70に対し運送車両50の利用停止命令を出力する際の詳細について説明する。なお、利用停止命令は、サーバ10からの出力に限定されず、運送車両50を管理する管理者のサーバコンピュータから出力されてもよい。
【0040】
サーバ10は、リース料金の入金の有無について、運送車両DB131に記憶してある入金フィールドを読み出して判定する。リース料金の入金があると判定した場合、サーバ10は、制御装置70に対し運送車両50の利用停止命令を出力しない。一方、リース料金の入金がないと判定した場合、サーバ10は、制御装置70を通じて運送車両50の利用状況を取得する。
【0041】
補助記憶部73は、測位センサ76により取得した運送車両50の利用状況(現在位置など)を記憶してある。制御装置70の制御部71は、運送車両50の利用状況をサーバ10に送信する。サーバ10は、受信した運送車両50の利用状況に基づき、利用停止命令を出力するか否かを判定する。利用状況次第では、制御装置70を作動させることは危険を伴うためである。運送車両50が路上を走行中、急に制御装置70が作動すると、乗員もしくは後方車両などの安全が確保されない。
【0042】
運送車両50の利用状況が安全ではないと判定した場合、サーバ10は、図示はしないが、当該車両を停車させるよう促す旨を端末30に通知する。端末30の通知を確認した利用者は、運送車両50を安全な場所に停車させる。サーバ10は、再度、制御装置70を通じて運送車両50の利用状況を取得する。
【0043】
一方、運送車両50の利用状況が安全であると判定した場合、サーバ10は、制御装置70に対し運送車両50の利用停止命令を出力する。第一通信部74を介して利用停止命令を受け付けた制御部71は、第二通信部75を介して車載ネットワークに接続し、エンジンまたはバッテリを起動できないようにする。
【0044】
制御部71は、利用を停止させた運送車両50に対応する車両IDをサーバ10に送信する。車両IDを受信したサーバ10は、図示はしないが、端末30に運送車両50が利用できない状態になった旨と、リース料金の入金を促す旨とを通知する。
【0045】
以上、利用者からリース料金の入金がない場合、制御装置70を用いた遠隔操作により、運送車両50の利用を停止することができる。
【0046】
なお、入金フィールドのレコードが「なし」から「あり」に書き換えられた場合、サーバ10は、制御装置70に出力している利用停止命令を解除してもよい。利用停止命令の解除により、利用者は、運送車両50の利用を再開できる。利用再開の際には、サーバ10が第一通信部74を介して、制御装置70に解除命令を出力する。解除命令を受け付けた制御装置70の制御部71は、第二通信部75を介して車載ネットワークに接続し、エンジンまたはバッテリを起動できるようにする。
【0047】
図6は、端末30が表示する画面を示す説明図である。図6に例示するように、端末30は、月間走行距離、リース基本料金、加算料金、およびリース料金を含む画面を表示する。
【0048】
リース料金は、定額であるリース基本料金と、走行距離に応じて加算される加算料金とがある。端末30は、利用者の操作を受け付け、サーバ10に現在のリース料金を表示するよう要求する。
【0049】
利用者がサーバ10の運送車両DB131にログインする場合、サーバ10は車両IDおよび利用者IDを確認し、当該利用者が本人であることを認証する。本人認証の後、サーバ10は、当該利用者のログインを許可する。
【0050】
サーバ10は、運送車両DB131から単位期間あたり(たとえば1ヶ月間)の走行距離を車両IDに対応付けて読み出す。サーバ10は、補助記憶部13に記憶してあるリース基本料金(たとえば500kmまで固定で6,000円)に設定された距離に基づき、運送車両50の走行距離が所定距離を超えたか否かを判定する。
【0051】
サーバ10が所定距離を超えたと判定した場合は、超過分の距離に応じた加算料金をリース基本料金に加算する。当該加算の際には、1kmあたりの料金(たとえば12円/km)に走行距離を乗じた値をリース基本料金に加算し、リース料金として算出する。一方、サーバ10が所定距離を超えていないと判定した場合は、リース基本料金をリース料金として算出する。
【0052】
図6の例では、固定料金が500kmまでの範囲で6,000円、加算料金が1kmあたり12円と設定されている。当該設定の場合、現在の月間走行距離が4,000kmであるため、サーバ10は、リース基本料金の6,000円に加算料金の42,000円を加算し、リース料金を48,000円と算出する。
【0053】
リース基本料金および加算料金の値は、サーバ10を管理する管理者側の端末(図示省略)を通じて設定できる。サーバ10は、リース基本料金および加算料金の値の設定を受け付け、補助記憶部13に記憶する。
【0054】
なお、リース料金は、リース基本料金と加算料金とに基づいて算出されることに限定されず、従量課金制で算出されてもよい。
【0055】
また、単位期間は月単位であることに限定されず、日単位、週単位または年単位などであってもよい。
【0056】
図7は、端末30が表示する画面を示す説明図である。図7に例示するように、端末30は、現在の走行距離、現在の日付、走行距離の累計グラフ、基本料金ライン、警告ライン、通知欄、および現在のリース料金を含む画面を表示する。
【0057】
図7Aは、端末30が表示する警告通知の画面例である。端末30は、運送車両50の走行距離が所定の警告ラインの走行距離を超過した際に、基本料金の範囲内まで残りわずかである旨を表示する。図7Aでは、たとえば現在の走行距離が450kmであることが表示されている。走行距離が450kmである場合、走行距離が警告ライン(400km)を超えていて、かつ基本料金ライン(500km)以下であるため、端末30は「500kmまで残りわずかです」という通知を表示する。また、端末30は、現在のリース料金としてリース基本料金(6,000円)を表示する。
【0058】
図7Bは、端末30が表示する距離超過通知の画面例である。端末30は、運送車両50の走行距離が基本料金に設定されている所定距離を超過した旨を表示する。図7Bでは、たとえば現在の走行距離が520kmであることが表示されている。走行距離が520kmである場合、走行距離が基本料金ライン(500km)を超えているため、端末30は「500kmを超過しました」という通知を表示する。また、端末30は、サーバ10が超過分の距離に基づき算出した現在のリース料金(6,240円)を表示する。
【0059】
図8は、サーバ10が実行するプログラム130の処理手順を示すフローチャートである。サーバ10の制御部11は、プログラム130に基づき以下の処理を実行する。
【0060】
制御部11は、運送車両50における単位期間あたりの走行距離を取得する(ステップS101)。制御部11は、補助記憶部13に記憶してある所定距離に基づき、当該運送車両の走行距離が所定距離を超えたか否かを判定する(ステップS102)。
【0061】
所定距離を超えたと判定した場合(ステップS102:YES)、制御部11は、超過分の距離に応じた料金をリース基本料金に加算する(ステップS103)。一方、所定距離を超えていないと判定した場合(ステップS102:NO)、制御部11は、リース基本料金をリース料金として算出する(ステップS104)。制御部11は、算出したリース料金を端末30に表示する(ステップS105)。
【0062】
制御部11は、運送車両DB131の入金の有無を読み出し、利用者が入金したか否かを判定する(ステップS106)。利用者が入金していると判定した場合(ステップS106:YES)、制御部11は、ステップS101の処理に戻る。
【0063】
一方、利用者が入金していないと判定した場合(ステップS106:NO)、制御部11は、運送車両50の利用状況を取得する(ステップS107)。
【0064】
制御部11は、運送車両50の利用状況に基づき、運送車両50の利用状況が安全か否かを判定する(ステップS108)。安全であると判定した場合(ステップS108:YES)、制御部11は、運送車両50に取り付けられた制御装置70を作動させる(ステップS109)。一方、安全でないと判定した場合(ステップS108:NO)、制御部11は、ステップS107の処理に戻る。
【0065】
以上、実施の形態1によれば、運送車両50の走行距離に基づいてリース料金を算出できる。また、リース料金の未納が発生した場合に、制御装置70により遠隔で運送車両50の利用を停止できる。
【0066】
[実施の形態2]
実施の形態2では、最初にリース契約を結んだ運送車両50を、別の運送車両50に交換して利用する形態について説明する。なお、実施の形態1と重複する内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
図9は、端末30が表示する画面を示す説明図である。図9に例示するように、端末30は、現在の総走行距離、現在の日付、総走行距離の累計グラフ、交換ライン、警告ライン、および通知欄を含む画面を表示する。
【0068】
図9Aは、端末30が表示する警告通知の画面例である。端末30は、運送車両50の総走行距離が所定の警告ラインの総走行距離を超過した際に、交換対象となる総走行距離まで残りわずかである旨を表示する。図9Aでは、たとえば現在の総走行距離が99,500kmであることが表示されている。総走行距離が99,500kmである場合、警告ライン(99,000km)を超え、かつ交換ライン(100,000km)以下であるため、端末30は「100,000kmまで残りわずかです」という通知を表示する。
【0069】
図9Bは、端末30が表示する車両交換通知の画面例である。端末30は、運送車両50の総走行距離が車両交換を必要とする所定距離を超過した旨を表示する。図9Bでは、たとえば現在の総走行距離が100,100kmであることが表示されている。総走行距離が100,100kmである場合、交換ライン(100,000km)を超えているため、端末30は「100,000kmを超過しました」および「車両交換が必要です」という通知を表示する。
【0070】
図10は、運送車両DB131のデータレイアウトを示す説明図である。
【0071】
以下の説明では、車両ID:A01に対応する運送車両50が所定の総走行距離に達した車両であり、車両ID:A02に対応する運送車両50が利用者に新たに貸し出された車両であるものとする。
【0072】
サーバ10は、運送車両DB131から総走行距離を車両IDに対応付けて読み出す。サーバ10は、補助記憶部13に記憶してある所定の総走行距離に基づき、運送車両50の総走行距離が所定距離を超えたか否かを判定する。所定距離を超えたと判定した場合、サーバ10は、運送車両50の交換が必要である旨を端末30に通知した後、利用者ID:101に対応する車両IDをA01からA02に変更する。サーバ10は、変更した車両IDを利用者IDに対応付けて運送車両DB131に記憶する。
【0073】
サーバ10は、車両ID:A02を利用する利用者から入金がない場合には、車両ID:A02に取り付けてある制御装置70を作動させ、当該運送車両の利用を停止させる。
【0074】
図11は、サーバ10が実行するプログラム130の処理手順を示すフローチャートである。サーバ10の制御部11は、プログラム130に基づき以下の処理を実行する。
【0075】
制御部11は、運送車両50の総走行距離を取得する(ステップS201)。制御部11は、補助記憶部13に記憶してある所定距離に基づき、当該運送車両の総走行距離が所定距離を超えたか否かを判定する(ステップS202)。
【0076】
所定距離を超えたと判定した場合(ステップS202:YES)、制御部11は、端末30に運送車両50の交換が必要である旨を表示する(ステップS203)。一方、所定距離を超えていないと判定した場合(ステップS202:NO)、制御部11は、ステップS201の処理に戻る。
【0077】
制御部11は、運送車両50の交換が済んでいるか否かを判定する(ステップS204)。車両交換済みでないと判定した場合(ステップS204:NO)、ステップS203の処理に戻る。一方、車両交換済みであると判定した場合(ステップS204:YES)、運送車両DB131にて利用者IDと対応付けて記憶してある車両IDを、異なる車両IDに変更する(ステップS205)。
【0078】
以上、実施の形態2によれば、最初にリース契約を結んだ運送車両50を、別の運送車両50に交換して利用できる。
【0079】
以上の通り、実施の形態1および実施の形態2によれば、リース料金の未納が発生した場合に、運送車両50の利用を停止できる情報処理方法などを提供できる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点において例示であり、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は上記のように開示された意味ではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて定められ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内において、すべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10 情報処理装置
10a 可搬型記憶媒体
11 制御部
12 主記憶部
13 補助記憶部
130 プログラム
131 運送車両DB
14 通信部
30 端末
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 表示部
50 運送車両
70 制御装置
71 制御部
72 主記憶部
73 補助記憶部
74 第一通信部
75 第二通信部
76 測位センサ
NW 通信ネットワーク
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11