(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】殺真菌性ニトロアニリノ置換ピラゾール
(51)【国際特許分類】
C07D 231/38 20060101AFI20240220BHJP
A01N 43/58 20060101ALI20240220BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240220BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20240220BHJP
A01G 13/00 20060101ALI20240220BHJP
A01C 1/08 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C07D231/38 B CSP
A01N43/58 C
A01P3/00
A01M1/20 A
A01G13/00 A
A01C1/08
(21)【出願番号】P 2021512675
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(86)【国際出願番号】 US2019049861
(87)【国際公開番号】W WO2020051402
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-30
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァス・チッタボイーナ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・キース・ロング
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス・チャンドラー・マクマホン
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-519693(JP,A)
【文献】特表2017-522334(JP,A)
【文献】特表平07-500116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
[式中、
R
1は、C
1~C
2アルキルであり;
R
2は、シアノ、ハロゲン、C
1~C
2アルキルまたはC
1~C
2ハロアルキルであり;
R
3は、ハロゲンまたはメチルであり;
各R
4は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルキルまたはC
2~C
6アルコキシアルコキシであり;
各R
5は、独立して、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシまたはC
2~C
6アルコキシアルコキシであり
;
mは1であって、R
4
はパラ位にあり;または、mは1であって、R
4
はオルソ位にあり:または、mは2であって、R
4
のひとつはパラ位に、他はオルソ位にあり:
nは、0、1、2または3であり;
R
6
は、HまたはC
1~C
3アルキ
ルであり;
ただし、式1の化合物は、
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-エチル-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-ブロモ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロペン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
3-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[4-メチル-2-ニトロフェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;および
N-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
でない]、互変異性体、N-オキシド、およびそれらの塩から選択される化合物。
【請求項2】
R
1は、メチルであり;
R
2は、シアノ、ハロゲンまたはC
1~C
2アルキルであり;
R
3は、ハロゲンであり;
各R
4は、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4アルキニルオキシまたはC
2~C
4シアノアルコキシであり;
各R
5は、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4アルキニルオキシまたはC
2~C
4シアノアルコキシであり;
R
6は、
HまたはC
1~C
2アルキ
ルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2は、メチルまたはエチルであり;
R
3は、Br、ClまたはFであり;
各R
4は、独立して、ハロゲン、シアノ、メチルまたはメトキシであり
;
各R
5は、独立して、ハロゲン、メチルまたはメトキシであり;
nは、1であり、R
5は、パラ位にあり;またはnは、1であり、R
5は、オルト位にあり;またはnは、2であり、一方のR
5は、パラ位にあり、他方は、オルト位にあり;
R
6は、Hまたはメチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
2は、メチルであり;
各R
4は、独立して、Br、Cl、F,シアノまたはメトキシであり;
各R
5は、独立して、Br、Cl、F、メチルまたはメトキシであり;
R
6は、Hである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
各R
4は、独立して、Br、ClまたはFであり;
mおよびnは、それぞれ1であり、R
4は、パラ位にあり、R
5は、オルト位にあり;またはmが、1であり、R
4が、パラ位にあり、nが、2であり、一方のR
5は、パラ位にあり、他方は、オルト位にあり;またはmは、2であり、一方のR
4は、パラ位にあり、他方は、オルト位にあり、nは、1であり、R
5は、オルト位にある、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R
4は、ClまたはFであり;
各R
5は、独立して、Cl、Fまたはメチルであり;
mおよびnは、それぞれ1であり、R
4は、パラ位にあり、R
5は、オルト位にあり;またはmは、1であり、R
4は、パラ位にあり、nは、2であり、一方のR
5は、パラ位にあり、他方は、オルト位にある、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R
1は、メチルであり;
R
2は、メチルまたはエチルであり;
R
3は、ハロゲンであり;
各R
4は、独立して、Br、Cl、F、シアノまたはメトキシであり
;
nは、0であり;
R
6は、Hまたはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
2は、メチルであり;
R
3は、Br、ClまたはFであり;
各R
4は、独立して、Br、ClまたはFであり
;
R
6は、Hである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
次の群:
4-(2-ブロモ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
3-クロロ-4-[5-[(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]ベンゾニトリル、
N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-3-エチル-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
N-(4-クロロ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミンおよび
3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]ベンゾニトリル
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
次の群:
4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-3-エチル-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミンおよび
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
殺真菌性組成物であって、
(a)請求項1に記載の化合物;および
(b)少なくとも1種の他の殺菌剤
を含む、前記殺真菌性組成物。
【請求項12】
殺真菌性組成物であって、
(a)請求項1に記載の化合物;および
(b)界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分
を含む、前記殺真菌性組成物。
【請求項13】
真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法であって、請求項1に記載の化合物または
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-エチル-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-ブロモ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロペン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
3-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[4-メチル-2-ニトロフェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;および
N-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
から選択される化合物の殺菌剤として有効な量を、植物もしくはその部分、または植物の種子に施用する工程を含む、前記方法。
【請求項14】
セプトリア病から植物を保護するための方法であって、請求項1に記載の化合物の殺菌剤として有効な量を、植物もしくはその部分、または植物の種子に施用する工程を含む、前記方法。
【請求項15】
R
1
は、メチルであり;
R
2
は、メチルであり;
R
3
は、ClまたはFであり;
各R
4
は、独立して、ClまたはFであり;
各R
5
は、独立して、Fまたはメチルであり
nは、0、1、または2であり;
R
6
は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン:
【化2】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン:
【化3】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン:
【化4】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン:
【化5】
である、請求項1に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある特定のピラゾール、それらのN-オキシド、塩および組成物、ならびに殺菌剤としてのそれらの使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除は、高い作物効率を達成する上で極めて重要である。花卉、野菜、田畑、穀物、および果物農作物への植物病害は、生産性の有意な低下を引き起こし、それにより、消費者の負担を大きくするおそれがある。多くの製品がこれらの目的のために市販されているが、より有効で、低コストで、低毒性で、環境の点からより安全であるまたは作用点が異なる新たな化合物が引き続き必要である。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4では、殺真菌性ピラゾールおよび農業におけるそれらの使用が開示されている。特許文献5では、ピラゾール、イソチアゾールおよびイソオキサゾール誘導体ならびに農業におけるそれらの使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】PCT特許公開WO2018/052838
【文献】PCT特許公開WO2013/192126
【文献】PCT特許公開WO2012/031061
【文献】PCT特許公開WO2010/101973
【文献】PCT特許公開WO2019/020981
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(すべての立体異性体を含めた)式1:
【化1】
[式中、
R
1は、C
1~C
2アルキルであり;
R
2は、シアノ、ハロゲン、C
1~C
2アルキルまたはC
1~C
2ハロアルキルであり;
R
3は、ハロゲンまたはメチルであり;
各R
4は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルキルまたはC
2~C
6アルコキシアルコキシであり;
各R
5は、独立して、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシまたはC
2~C
6アルコキシアルコキシであり;
mおよびnは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり;
R
6は、Hであり;またはC
1~C
3アルキルもしくはC
1~C
3ハロアルキルであり、R
6aから独立して選択される2つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはアミノ、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、CH(=O)、S(=O)
2OM、S(=O)
uR
7、(C=W)R
8またはOR
9であり;
各R
6aは、独立して、シアノ、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルチオ、C
1~C
3アルキルスルフィニルまたはC
1~C
3アルキルスルホニルであり;
Mは、KまたはNaであり;
uは、0、1または2であり;
R
7は、C
1~C
3アルキルまたはC
1~C
3ハロアルキルであり;
Wは、OまたはSであり;
R
8は、C
1~C
3アルキル、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルアミノアルキル、C
3~C
6ジアルキルアミノアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3アルキルチオまたはC
2~C
4アルキルチオアルキルであり;
R
9は、Hであり;またはC
1~C
3アルキルもしくはC
1~C
3ハロアルキルであり、R
9aから独立して選択される2つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはCH(=O)、C
3~C
6シクロアルキル、S(=O)
2OMもしくは(C=W)R
10であり;
各R
9aは、独立して、シアノ、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルチオ、C
1~C
3アルキルスルフィニルまたはC
1~C
3アルキルスルホニルであり;
R
10は、C
1~C
3アルキル、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
2~C
4アルキルアミノアルキル、C
3~C
6ジアルキルアミノアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3アルキルチオまたはC
2~C
4アルキルチオアルキルであり;
ただし、式1の化合物は、
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-エチル-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-メチル-N-(2-ニトロフェニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(2-ブロモ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[2-ニトロ-4-(2-プロペン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
N-(4-クロロ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
3-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-N-[4-メチル-2-ニトロフェニル]-1H-ピラゾール-5-アミン;
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-N-(4-メチル-2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン;および
N-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
でない]の化合物、N-オキシド、およびそれらの塩、それらを含有する農業用組成物ならびに殺菌剤としてのそれらの使用を対象とする。
【0006】
より詳細には、本発明は、(すべての立体異性体を含めた)式1の化合物、N-オキシドまたはその塩に関係する。
【0007】
本発明はまた、(a)(すなわち、殺菌剤として有効な量で)本発明の化合物;および(b)界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分を含む、殺真菌性組成物に関する。
【0008】
本発明はまた、(a)本発明の化合物;および(b)少なくとも1種の他の殺菌剤(例えば、異なる作用点を有する少なくとも1種の他の殺菌剤)を含む、殺真菌性組成物に関する。
【0009】
本発明はさらに、(例えば、本明細書に記載の組成物として)本発明の化合物の殺菌剤として有効な量を、植物もしくはその部分、または植物の種子に施用する工程を含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法に関する。
【0010】
本発明はまた、式1の化合物、N-オキシド、またはその塩、および少なくとも1種の無脊椎有害生物駆除用化合物または薬剤を含む組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含める(includes)」、「含めた(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「により特徴付けられる」または任意の他のその変形法は、明示的に示される任意の限定を前提として、非排他的な組み入れを包含することを意図している。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されないが、かかる組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に明確に列挙されないまたは固有な他の要素を含み得る。
【0012】
移行句「からなる(consisting of)」は、指定されない任意の要素、工程、または成分を除外する。クレームにおける場合、かかる句は、通常そこに関連する不純物を除いて、列挙したもの以外の材料を含めるために、クレームを閉鎖するはずである。語句「からなる」は、プレアンブル直後ではなく、クレームの特徴部分の節に現れる場合、この語句は、その節に記載の要素だけを限定し;他の要素は、全体としてそのクレームから除外されない。
【0013】
移行句「から本質的になる」は、文字により開示されているものに加え、材料、工程、特徴、構成成分、または要素を含む、組成物、方法または装置を定義するために用いられる、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、構成成分、または要素は、ここに請求する発明の基本的なおよび新規な特徴(複数可)に物質的に影響しない。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」および「からなる」との間で中立的な立場を保つ。
【0014】
出願人が、「含む(comprising)」のようなオープンエンドな用語を用いて、発明またはその部分を定義している場合、(別段の記載がない限り)説明が、用語「から本質的になる」または「からなる」を用いて、そのような発明をやはり説明すると解釈されるべきであるということが容易に理解されるべきである。
【0015】
さらに、それとは反対に別段明確に示されない限り、「または」とは、包含的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味しない。例えば、条件AまたはBは、次のうちのいずれか1つを満たす:Aは、真であり(または存在し)、Bは、偽であり(または存在せず)、Aは、偽であり(または存在せず)、Bは、真であり(または存在し)、AおよびBは、いずれも真である(または存在する)。
【0016】
やはり、本発明の要素または構成成分に先行する、不定冠詞「a」および「an」は、要素または構成成分の実例(すなわち、発生)の数に関して、非制限的であることが意図される。したがって、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを含むことが読み取られるべきであり、要素または構成成分の単数の単語の形態はまた、数が、明らかに単数を意味しない限り、複数形を含む。
【0017】
本開示およびクレームにおいて述べられる通り、「植物」には、若い植物(例えば、発芽種子が、苗になる)および成熟した、生殖生長期(例えば、植物が、花および種子をつける)を含めた、すべての生活環で、植物界、特に、種子植物(種子植物目(Spermatopsida))のメンバーが含まれる。植物の一部には、根、塊茎、鱗茎および球茎のような、生育培地(例えば、土壌)の表面下で通常育つ屈地性メンバー、また、(茎および葉を含めた)群葉、花、果物および種子のような、生育培地の上に育つメンバーが含まれる。
【0018】
本明細書において述べられる通り、単独でまたは単語の組合せで用いられる、用語「苗」とは、種子の胚から発生する若い植物を意味する。
【0019】
本明細書において述べられる通り、「広葉農作物」のような、単独でまたは複数の単語で用いられる、用語「広葉」とは、2枚の子葉を有する胚により特徴付けられる被子植物のグループを記載するために用いられる用語である、双子葉植物または双子葉類を意味する。
【0020】
本開示において述べられる通り、用語「真菌病原体」および「真菌植物病原体」には、花卉、芝土、野菜、田畑、穀物および果物農作物に影響を及ぼしている、経済的に重要である広範囲の植物病害の原因因子である、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)および接合菌門(Zygomycota)、ならびに真菌様卵菌(Oomycota)クラスにおける、病原体が含まれる。本開示の文脈において、「植物を病害から保護する」または「植物病害の防除」には、予防的処置(感染、コロニー形成、症状の発現および胞子の産生の真菌サイクルの妨害)および/または治癒的処置(植物宿主組織のコロニー形成の抑制)が含まれる。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「作用機序」(MOA)は、殺菌剤耐性菌対策委員会(FRAC:Fungicide Resistance Action Committee)により定義され、植物病原体の生合成経路のそれらの生化学的作用機序、およびそれらの耐性リスクに従って、殺菌剤を識別するために用いられる。FRACによって定義された作用機序には、(A)核酸合成、(B)有糸分裂および細胞分裂、(C)呼吸、(D)アミノ酸およびタンパク質合成、(E)シグナル伝達、(F)脂質合成および膜の完全性、(G)膜中のステロール生合成、(H)細胞壁生合成、(I)細胞壁中のメラニン合成、(P)宿主植物防衛誘導、(U)未知の作用機序、(NC)分類されていない、(M)多部位の接触活性および(BM)複数の作用機序を有する生物学的製剤が含まれる。各作用機序(すなわち、文字AからBMまで)は、個々の検証された標的作用点に基づいた、または正確な標的部位が、知られていない場合には、グループ内のまたは他のグループに対する交差耐性プロフィールに基づいた、1つまたはそれ以上のサブグループ(例えば、Aは、サブグループA1、A2、A3およびA4が含まれる)を含む。これらのサブグループ(例えば、A1、A2、A3およびA4)のそれぞれは、FRACコード(数字および/または文字)に割り付けられる(asigned)。例えば、サブグループA1についてのFRACコードは、4である。標的部位およびFRACコードに関する追加の情報は、例えば、FRACにより維持された公的に利用可能なデータベースから得ることができる。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「交差耐性」は、病原体が、1種の殺菌剤に対して耐性を生じ、同時に、1つまたはそれ以上の他の殺菌剤に耐性を持つようになる場合に起こる現象を意味する。これらの他の殺菌剤は、通常、しかしながら必ずしも、同じ化学クラスでない、または同じ標的作用点を有する、または同じ機構により解毒することができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「交差耐性」は、病原体が、1種の殺菌剤に対して耐性を生じ、同時に、1つまたはそれ以上の他の殺菌剤に耐性を持つようになる場合に起こる現象を意味する。これらの他の殺菌剤は、通常、しかしながら必ずしも、同じ化学クラスでない、または同じ標的作用点を有する、または同じ機構により解毒することができる。
【0024】
一般に、分子フラグメント(すなわち、基)が、一連の原子記号(例えば、C、H、N、OおよびS)により示される場合、1つまたはそれ以上の潜在的な結合点は、当業者により容易に認識される。本明細書中のいくつかの場合では、特に、代替的な結合点があり得る場合、1個またはそれ以上の結合点は、ハイフン(「-」)により明示的に示すことができる。例えば、「-NCS」は、結合点が、窒素原子(すなわち、イソチオシアナト、チオシアナトでない)であることが示される。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル化剤」は、炭素含有基が、炭素原子を通して、ハロゲン化物またはスルホネートのような脱離基に結合される化学物質を意味し、これは、求核試薬を前記炭素原子に結合することにより置換可能である。別段の指示がない限り、用語「アルキル化する」は、炭素含有基を、アルキルに限定せず;アルキル化剤中の炭素含有基には、例えば、R5として、指定される、様々な炭素-結合置換基が含まれる。
【0026】
上記の詳述では、単独でまたは複合語で用いられる、「アルキルチオ」または「ハロアルキル」のような、用語「アルキル」には、メチル、エチル、n-プロピルおよびi-プロピルのような直鎖または分枝アルキル、または異なるブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体が含まれる。「アルケニル」には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニルのような、直鎖または分枝アルケンならびに異なるブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体が含まれる。「アルケニル」はまた、1,2-プロパジエニルおよび2,4-ヘキサジエニルのようなポリエンが含まれる。「アルキニル」には、1-プロピニル、2-プロピニルのような直鎖または分枝アルキンならびに異なるブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体が含まれる。「アルキニル」はまた、複数の三重結合、例えば、2,5-ヘキサジイニルからなる部分を含むこともできる。
【0027】
「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、i-プロピルオキシならびに異なるブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキルにおけるアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例には、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が含まれる。「アルケニルオキシ」には、酸素原子に結合されるおよび酸素原子によって連結される直鎖または分枝アルケニルが含まれる。「アルケニルオキシ」の例には、H2C=CHCH2O、(CH3)2C=CHCH2O、CH3CH=CHCH2O、CH3CH=C(CH3)CH2OおよびCH2=CHCH2CH2Oが含まれる。「アルキニルオキシ」には、酸素原子に結合されるおよび酸素原子によって連結される直鎖または分枝アルキニルが含まれる。「アルキニルオキシ」の例には、HC≡CCH2O、CH3C≡CCH2OおよびCH3C≡CCH2CH2Oが含まれる。「アルコキシアルコキシ」は、他のアルコキシ部分におけるアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルコキシ」の例には、CH3OCH2O、CH3OCH2OおよびCH3CH2OCH2Oが含まれる。
【0028】
「アルキルチオ」には、メチルチオ、エチルチオ、および異なるプロピルチオ異性体のような、分枝または直鎖アルキルチオ部分が含まれる。「アルキルチオアルキル」は、アルキルにおけるアルキルチオ置換を示す。「アルキルチオアルキル」の例には、CH3SCH2、CH3SCH2CH2、CH3CH2SCH2およびCH3CH2SCH2CH2が含まれる。「アルキルスルフィニル」には、アルキルスルフィニル基の両方の鏡像異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」の例には、CH3S(=O)、CH3CH2S(=O)、CH3CH2CH2S(=O)および(CH3)2CHS(=O)が含まれる。「アルキルスルホニル」の例には、CH3S(=O)2、CH3CH2S(=O)2、CH3CH2CH2S(=O)2および(CH3)2CHS(=O)2が含まれる。
【0029】
「アルキルアミノアルキル」は、アルキルにおけるアルキルアミノ置換を示す。「アルキルアミノアルキル」の例には、CH3NHCH2、CH3NHCH2CH2、CH3CH2NHCH2、CH3CH2CH2CH2NHCH2およびCH3CH2NHCH2CH2が含まれる。「ジアルキルアミノアルキル」の例には、(CH3)2NCH2、(CH3CH2)2NCH2CH2およびCH3CH2(CH3)N CH2CH2が含まれる。
【0030】
用語「シクロアルキル」は、単結合により互いに連結される3~6個の間の炭素原子からなる飽和炭素環を示す。「シクロアルキル」の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基におけるシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例には、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、および直鎖または分枝アルキル基に結合される他のシクロアルキル部分が含まれる。
【0031】
単独でまたは「ハロアルキル」のような複合語で、または「ハロゲンで置換されるアルキル」のような記述で用いられる場合、用語「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が含まれる。さらに、「ハロアルキル」のような複合語において用いられる場合、または「ハロゲンで置換されるアルキル」のような記述において用いられる場合、前記アルキルは、ハロゲン原子と部分的にまたは完全に置換することができ、これは、同じでも異なっていてもよい。「ハロアルキル」または「ハロゲンで置換されるアルキル」の例には、F3C、ClCH2、CF3CH2およびCF3CCl2が含まれる。用語「ハロアルコキシ」などは、用語「ハロアルキル」と同じように定義される。「ハロアルコキシ」の例には、CF3O、CCl3CH2O、F2CHCH2CH2OおよびCF3CH2Oが含まれる。
【0032】
「シアノアルコキシ」は、1つのシアノ基で置換されるアルキルオキシ基を示す。「シアノアルコキシ」の例には、NCCH2O、NCCH2CH2OおよびCH3CH(CN)CH2Oが含まれる。
【0033】
置換基中の炭素原子の総数は、接頭辞「Ci~Cj」により示され、iおよびjは、1~6までの数字である。例えば、C1~C3アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからプロピルスルホニルまでを指定し;C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2を指定し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3OCH2CH2またはCH3CH2OCH2を指定し;C4アルコキシアルキルは、例として、CH3CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2を含めた、合計4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されるアルキル基の様々な異性体を指定する。
【0034】
環のような基と関連して、用語「非置換の」とは、その基が、式1の残基へのその1つまたはそれ以上の結合以外に、いかなる置換基も有さないことを意味する。用語「場合により置換される」とは、置換基の数がゼロであり得ることを意味する。別段の指示がない限り、場合により置換される基は、任意の利用可能な炭素または窒素原子における非-水素置換基と水素原子を置き換えることにより、調整することができるだけの任意選択の置換基の数で置換することができる。一般に、(存在する場合は)任意選択の置換基の数は、1~3の範囲である。本明細書で使用される場合、用語「場合により置換される」は、語句「置換または非置換の」または用語「(非)置換の」と同義的に用いられる。
【0035】
任意選択の置換基の数は、表される限界により制限することができる。例えば、語句「R6aから独立して選択される2つまでの置換基で場合により置換される」とは、0、1または2つの置換基が存在し得るということを意味する。
【0036】
化合物が、前記置換基の数を示す下付き文字を有する置換基で置換される場合、変わることがあり(例えば、式1中の(R4)m(式中、mは、0~3である))、その場合、前記置換基は、別段の指示がない限り、定義された置換基の群から独立して選択される。可変の基が、ある位置、例えば、(R4)m(式中、mは、0であり得る)に場合により結合されることが示される場合、その場合、水素は、可変の基の定義において列挙されなくても、その位置であり得る。
【0037】
本開示における置換基の呼称は、一般に認められた用語法を用い、化学構造を当業者に正確に伝える上で簡潔さを与える。簡潔さを考えて、位置番号の記述は、省略してもよい。本明細書中のいくつかの場合では、置換基(例えば、R4およびR5)の1個またはそれ以上の結合点は、位置番号の数字により示され、これらは、相違がその意味に影響を与えない場合、Chemical Abstract命名システムと異なることがある。
【0038】
本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の立体異性体として存在し得る。立体異性体は、同一の構造であるが、空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体であり、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-およびtrans-異性体(幾何異性体としても知られる)ならびにアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、回転障壁が、異性体種の単離を可能にするほど高い場合、単結合についての束縛回転から生じる。当業者は、ある立体異性体が、より活性があってもよいおよび/または他の立体異性体(複数可)に対して強化された場合または他の立体異性体(複数可)から分離される場合、有益な効果を示し得るということを理解している。さらに、当業者は、前記立体異性体を分離する、強化する、および/または選択的に製造する方法を知っている。立体異性のすべての態様の包括的な考察について、Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen、Stereochemistry of Organic Compounds、John Wiley & Sons、1994年を参照のこと。
【0039】
本発明の化合物は、式1中のアミド結合(例えば、C(=O)-N)についての束縛回転による1つまたはそれ以上の立体配座異性体として存在することができる。本発明は、立体配座異性体の混合物を含む。さらに、本発明は、他に対して一方の配座異性体で強化される化合物が含まれる。
【0040】
本発明は、すべての割合において、すべての立体異性体、立体配座異性体およびそれらの混合物ならびに重水素化化合物のような同位体の形態を含む。
【0041】
当業者は、窒素が、酸化物に酸化するために、利用可能な孤立電子対を必要とするため、すべての窒素含有複素環が、N-オキシドを形成することができるわけではないということを理解しており;当業者は、N-オキシドを形成することができるその窒素含有複素環を認識している。当業者は、第三級アミンが、N-オキシドを形成することができるということもやはり認識している。複素環および第三級アミンのN-オキシドの製造のための合成方法は、過酢酸およびm-クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t-ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、およびジメチルジオキシランのようなジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含めて、当業者により非常に良く知られている。N-オキシドの製造のためのこれらの方法は、文献に広範に記載され、その総説がある、例えば:T.L.Gilchrist in Comprehensive Organic Synthesis、7巻、pp748~750、S.V.Ley編、Pergamon Press;M.Tisler and B.Stanovnik in Comprehensive Heterocyclic Chemistry、3巻、pp18~20、A.J.Boulton and A.McKillop編、Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene in Advances in Heterocyclic Chemistry、43巻、pp149~161、A.R.Katritzky編、Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik in Advances in Heterocyclic Chemistry、9巻、pp285~291、A.R.Katritzky and A.J.Boulton編、Academic Press;およびG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk in Advances in Heterocyclic Chemistry、22巻、pp390~392、A.R.Katritzky and A.J.Boulton編、Academic Pressを参照のこと。
【0042】
当業者は、環境でおよび生理条件下で、化学物質の塩が、これらの対応する無塩の形態と平衡状態にあるため、塩は、無塩の形態の生物学的有用性を共有することを認識している。したがって、式1の化合物の広範囲の塩は、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除のために有用である(すなわち、農業的に適している)。式1の化合物の塩には、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸または吉草酸のような、無機または有機酸との酸-付加塩が含まれる。式1の化合物が、カルボン酸のような酸性部分を含む場合、塩には、ピリジン、トリエチルアミンもしくはアンモニア、またはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムもしくはバリウムのアミド、水素化物、水酸化物もしくは炭酸塩のような、有機または無機塩基で形成されるものがやはり含まれる。したがって、本発明は、式1から選択される化合物、N-オキシドおよび農業的に適当なそれらの塩を含む。
【0043】
式1から選択される化合物、立体異性体、N-オキシド、およびそれらの塩は、通常、1つを超える形態で存在し、したがって、式1には、式1が表す化合物のすべての結晶形および非結晶形が含まれる。非結晶形には、ワックスおよびゴムのような固体である実施形態ならびに液剤および溶融液のような液体である実施形態が含まれる。結晶形には、本質的に単結晶タイプを表す実施形態および多形(すなわち、異なる結晶質タイプ)の混合物を表す実施形態が含まれる。用語「多形」は、異なる結晶形で結晶化することができる化学物質の特定の結晶形を意味し、これらの形態は、結晶格子中の分子の異なる配置および/または立体配座を有する。多形が同じ化学組成を有し得るが、これらは、結晶格子に弱くもしくは強く結合することができる、共に結晶化した水または他の分子の存在または非存在により組成物とやはり異なり得る。多形は、結晶の形状、密度、硬さ、色、化学安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度および生物学的利用能としての、かかる化学的、物理的および生物学的特性が異なり得る。当業者は、式1によって表される化合物の多形が、別の多形または式1によって表される同じ化合物の多形の混合物に対して、有益な効果(例えば、有用な配合物の製造のための適合性、生物学的性能の改善)を示すことができるということを理解している。式1によって表される化合物の特定の多形の製造および単離は、例えば、選択された溶媒および温度を用いた結晶化を含めて、当業者に公知の方法により達成することができる。
【0044】
発明の概要に記載される本発明の実施形態には、以下に記載されるものが含まれる。次の実施形態では、式1には、立体異性体、N-オキシド、およびそれらの塩が含まれ、「式1の化合物」への参照には、本実施形態においてさらに定義されない限り、発明の概要において指定された置換基の定義が含まれる。
【0045】
実施形態1.R1が、メチルである、式1の化合物。
【0046】
実施形態2.R1が、エチルである、式1の化合物。
【0047】
実施形態3.R2が、シアノ、ハロゲンまたはC1~C2アルキルである、式1の化合物または実施形態1もしくは2。
【0048】
実施形態4.R2が、シアノ、Br、Cl、F、C1~C2アルキルまたはC1~C2ハロアルキルである、式1の化合物または実施形態1もしくは2。
【0049】
実施形態5.R2が、シアノ、Br、Cl、F、C1~C2アルキルまたはハロメチルである、実施形態4の化合物。
【0050】
実施形態6.R2が、シアノ、Br、Cl、F、C1~C2アルキルまたはCF3である、実施形態5の化合物。
【0051】
実施形態7.R2が、シアノ、Br、Cl、FまたはC1~C2アルキルである、実施形態6の化合物。
【0052】
実施形態8.R2が、シアノまたはC1~C2アルキルである、実施形態7の化合物。
【0053】
実施形態9.R2が、C1~C2アルキルである、実施形態8の化合物。
【0054】
実施形態10.R2が、シアノまたはメチルである、実施形態8の化合物。
【0055】
実施形態11.R2が、メチルである、実施形態10の化合物。
【0056】
実施形態12.R2が、Br、Clまたはメチルである、実施形態7の化合物。
【0057】
実施形態13.R3が、ハロゲンまたはメチルである、式1の化合物または実施形態1から12のうちのいずれか1つ。
【0058】
実施形態13a.R3が、ハロゲンである、実施形態13の化合物。
【0059】
実施形態13b.R3が、Br、Cl、Fまたはメチルである、実施形態13の化合物。
【0060】
実施形態14.R3が、Br、ClまたはFである、実施形態13の化合物。
【0061】
実施形態15.R3が、ClまたはFである、実施形態14の化合物。
【0062】
実施形態16.R3が、Clである、実施形態15の化合物。
【0063】
実施形態17.R3が、Fである、実施形態15の化合物。
【0064】
実施形態18.R3が、Cl、Fまたはメチルである、実施形態13の化合物。
【0065】
実施形態19.R3が、Clまたはメチルである、実施形態18の化合物。
【0066】
実施形態20.R3が、メチルである、実施形態19の化合物。
【0067】
実施形態21.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C2アルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、C2~C4シアノアルコキシ、C2~C4アルコキシアルキルまたはC2~C4アルコキシアルコキシである、式1の化合物または実施形態1から20のうちのいずれか1つ。
【0068】
実施形態22.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、C2~C4シアノアルコキシ、C2~C4アルコキシアルキルまたはC2~C4アルコキシアルコキシである、実施形態21の化合物。
【0069】
実施形態23.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシである、実施形態22の化合物。
【0070】
実施形態24.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、メトキシ、ハロメトキシまたはC2~C4シアノアルコキシである、実施形態23の化合物。
【0071】
実施形態25.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチルまたはメトキシである、実施形態24の化合物。
【0072】
実施形態25a.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノまたはメトキシである、実施形態25の化合物。
【0073】
実施形態25b.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノまたはメチルである、実施形態25の化合物。
【0074】
実施形態26.各R4が、独立して、Br、Cl、F、シアノ、メチルまたはメトキシである、実施形態25の化合物。
【0075】
実施形態27.各R4が、独立して、Br、Cl、F、シアノまたはメトキシである、実施形態26の化合物。
【0076】
実施形態28.各R4が、独立して、Cl、F、シアノまたはメトキシである、実施形態27の化合物。
【0077】
実施形態29.各R4が、独立して、Br、ClまたはFである、実施形態27の化合物。
【0078】
実施形態30.各R4が、独立して、ClまたはFである、実施形態29の化合物。
【0079】
実施形態31.各R4が、Clである、実施形態30の化合物。
【0080】
実施形態32.各R4が、Fである、実施形態30の化合物。
【0081】
実施形態33.各R4が、独立して、ハロゲン、シアノまたはC1~C2アルコキシである、式1の化合物または実施形態1から32のうちのいずれか1つ。
【0082】
実施形態34.各R4が、独立して、ハロゲンである、実施形態33の化合物。
【0083】
実施形態35.各R4が、独立して、Br、ClまたはFまたはシアノである、実施形態33の化合物。
【0084】
実施形態36.mが、0、1または2である、式1の化合物または実施形態1から35のうちのいずれか1つ。
【0085】
実施形態37.mが、1または2である、実施形態36の化合物。
【0086】
実施形態38.mが、1である、実施形態37の化合物。
【0087】
実施形態39.mが、2である、実施形態38の化合物。
【0088】
実施形態40.各R5が、独立して、ハロゲン、C1~C2アルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、C2~C4シアノアルコキシまたはC2~C4アルコキシアルコキシである、式1の化合物または実施形態1から39のうちのいずれか1つ。
【0089】
実施形態41.各R5が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシである、実施形態40の化合物。
【0090】
実施形態42.各R5が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシである、実施形態41の化合物。
【0091】
実施形態43.各R5が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメトキシまたはC2~C4シアノアルコキシである、実施形態42の化合物。
【0092】
実施形態44.各R5が、独立して、ハロゲン、メチルまたはメトキシである、実施形態43の化合物。
【0093】
実施形態45.各R5が、独立して、Br、Cl、F、メチルまたはメトキシである、実施形態44の化合物。
【0094】
実施形態46.各R5が、独立して、Br、Cl、Fまたはメトキシである、実施形態45の化合物。
【0095】
実施形態46a.各R5が、独立して、Br、ClまたはFである、実施形態46の化合物。
【0096】
実施形態47.各R5が、独立して、Cl、Fまたはメトキシである、実施形態46の化合物。
【0097】
実施形態48.各R5が、独立して、ClまたはFである、実施形態47の化合物。
【0098】
実施形態49.各R5が、独立して、Br、Cl、Fまたはメチルである、実施形態45の化合物。
【0099】
実施形態50.各R5が、独立して、Fまたはメチルである、実施形態49の化合物。
【0100】
実施形態51.各R5が、Fである、実施形態50の化合物。
【0101】
実施形態52.nが、0、1または2である、式1の化合物または実施形態1から51のうちのいずれか1つ。
【0102】
実施形態53.nが、1または2である、実施形態52の化合物。
【0103】
実施形態54.nが、1である、実施形態53の化合物。
【0104】
実施形態55.nが、2である、実施形態53の化合物。
【0105】
実施形態56.R6が、Hであり;またはC1~C3アルキルもしくはC1~C3ハロアルキルであり、R6aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはアミノ、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル、シクロプロピル、CH(=O)、S(=O)2OM、S(=O)uR7、(C=W)R8またはOR9である、式1の化合物または実施形態1から55のうちのいずれか1つ。
【0106】
実施形態57.R6が、Hであり;またはC1~C3アルキルまたはC1~C3ハロアルキルであり、R6aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはシクロプロピル、S(=O)2OM、S(=O)uR7、(C=W)R8またはOR9である、実施形態56の化合物。
【0107】
実施形態58.R6が、Hであり;またはC1~C2アルキルまたはC1~C2ハロアルキルであり、R6aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはS(=O)uR7またはOR9である、実施形態57の化合物。
【0108】
実施形態59.R6が、Hであり;またはC1~C2アルキルまたはC1~C2ハロアルキルであり、R6aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換される、実施形態58の化合物。
【0109】
実施形態60.R6が、H、C1~C2アルキルまたはC1~C2ハロアルキルである、実施形態59の化合物。
【0110】
実施形態61.R6が、H、メチルまたはハロメチルである、実施形態60の化合物。
【0111】
実施形態62.R6が、H、メチルまたはトリフルオロメチルである、実施形態61の化合物。
【0112】
実施形態63.R6が、Hまたはメチルである、実施形態62の化合物。
【0113】
実施形態64.R6が、Hである、実施形態63の化合物。
【0114】
実施形態65.各R6aが、独立して、シアノ、C3~C6シクロアルキルまたはC1~C3アルコキシである、式1の化合物または実施形態1から64のうちのいずれか1つ。
【0115】
実施形態66.各R6aが、独立して、シアノ、シクロプロピルまたはメトキシである、実施形態65の化合物。
【0116】
実施形態67.各R6aが、独立して、シアノまたはシクロプロピルである、実施形態66の化合物。
【0117】
実施形態68.uが、0である、式1の化合物または実施形態1から58のうちのいずれか1つ。
【0118】
実施形態69.R7が、メチルまたはハロメチルである、式1の化合物または実施形態1から58のうちのいずれか1つ。
【0119】
実施形態70.Wが、Oである、式1の化合物または実施形態1から57のうちのいずれか1つ。
【0120】
実施形態71.R8が、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC1~C3アルキルチオである、式1の化合物または実施形態1から57のうちのいずれか1つ。
【0121】
実施形態72.R8が、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオまたはエチルチオである、実施形態71の化合物。
【0122】
実施形態73.R8が、メチル、メトキシまたはメチルチオである、実施形態72の化合物。
【0123】
実施形態74.R9が、Hであり;またはC1~C3アルキルもしくはC1~C3ハロアルキルであり、R9aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはCH(=O)、シクロプロピル、S(=O)2OMもしくは(C=W)R10である、式1の化合物または実施形態1から58のうちのいずれか1つ。
【0124】
実施形態75.R9が、Hであり;またはC1~C2アルキルもしくはC1~C2ハロアルキルであり、R9aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換される、実施形態74の化合物。
【0125】
実施形態76.各R9aが、独立して、シアノ、C3~C6シクロアルキルまたはC1~C3アルコキシである、式1の化合物または実施形態1から75のうちのいずれか1つ。
【0126】
実施形態77.各R9aが、独立して、シアノ、シクロプロピルまたはメトキシである、実施形態76の化合物。
【0127】
実施形態78.各R9aが、独立して、シアノまたはシクロプロピルである、実施形態77の化合物。
【0128】
実施形態79.R10が、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC1~C3アルキルチオである、式1の化合物または実施形態1から78のうちのいずれか1つ。
【0129】
実施形態80.R10が、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオまたはエチルチオである、実施形態79の化合物。
【0130】
実施形態81.R10が、メチル、メトキシまたはメチルチオである、実施形態80の化合物。
【0131】
実施形態82.mが、1であり、R4が、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、4-位(またはパラ位)にある、式1の化合物または実施形態1から81のうちのいずれか1つ。
【0132】
実施形態83.mが、1であり、R4が、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から81のうちのいずれか1つ。
【0133】
実施形態84.mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、1であり、R4が、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から81のうちのいずれか1つ。
【0134】
実施形態85.mが、2であり、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から81のうちのいずれか1つ。
【0135】
実施形態86.mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、1であり、R4が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、2であり、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から81のうちのいずれか1つ。
【0136】
実施形態86a.mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、2であり、式1の残基へのフェニル環の接続に対して、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態86の化合物。
【0137】
実施形態87.nが、1であり、R5が、式1の残基へのニトアニリノ(nitoanilino)環の接続に対して、4-位(またはパラ位)にある、式1の化合物または実施形態1から86aのうちのいずれか1つ。
【0138】
実施形態88.nが、1であり、R5が、式1の残基へのニトアニリノ環の接続に対して、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から86aのうちのいずれか1つ。
【0139】
実施形態89.nが、2であり、式1の残基へのニトアニリノ環の接続に対して、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から86aのうちのいずれか1つ。
【0140】
実施形態90.nが、1であり、R5が、4-位(またはパラ位)にあり;または
nが、1であり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;または
nが、2であり、式1の残基へのニトアニリノ環の接続に対して、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から86aのうちのいずれか1つ。
【0141】
実施形態91.mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、2であり、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり、nが、1であり、R5が、式1の残基へのフェニルおよびニトアニリノ環の接続に対して、6-位(またはオルト位)にある、式1の化合物または実施形態1から90のうちのいずれか1つ。
【0142】
実施形態92.mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;mが、2であり、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり、nが、1であり、R5が、式1の残基へのフェニルおよびニトアニリノ環の接続に対して、6-位(またはオルト位)にある、実施形態91の化合物。
【0143】
実施形態93.mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、式1の残基へのフェニルおよびニトアニリノ環の接続に対して、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態92の化合物。
【0144】
実施形態94.mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態93の化合物。
【0145】
実施形態95.mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態93の化合物。
【0146】
上記の実施形態1~95ならびに本明細書中に記載される任意の他の実施形態を含めた、本発明の実施形態は、任意の方式で組み合わせることができ、実施形態における変数の記述は、式1の化合物だけでなく、式1の化合物を製造するために有用な出発化合物および中間化合物にも関係する。さらに、上記の実施形態1~95ならびに本明細書中に記載される任意の他の実施形態および任意のその組合せを含めた、本発明の実施形態は、本発明の組成物および方法に関係する。
【0147】
実施形態1~95の組合せを、次により例示する:
実施形態A.
R1が、メチルであり;
R2が、シアノ、ハロゲンまたはC1~C2アルキルであり;
R3が、ハロゲンであり;
各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシであり;
各R5が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメトキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシであり;
R6が、Hであり;またはC1~C2アルキルもしくはC1~C2ハロアルキルであり、R6aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはS(=O)uR7またはOR9であり;
R6aが、シアノ、C3~C6シクロアルキルまたはC1~C3アルコキシであり;
R7が、メチルまたはハロメチルであり;
R9が、Hであり;またはC1~C2アルキルもしくはC1~C2ハロアルキルであり、R9aから選択される1つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;
R9aが、シアノ、C3~C6シクロアルキルまたはC1~C3アルコキシである、式1の化合物。
【0148】
実施形態B.
R2が、メチルまたはエチルであり;
R3が、Br、ClまたはFであり;
各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチルまたはメトキシであり;
mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、1であり、R4が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、2であり、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;
各R5が、独立して、ハロゲン、メチルまたはメトキシであり;
nが、1であり、R5が、4-位(またはパラ位)にあり;またはnが、1であり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはnが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;
R6が、Hまたはメチルである、実施形態Aの化合物。
【0149】
実施形態C.
R2が、メチルであり;
各R4が、独立して、Br、Cl、F,シアノまたはメトキシであり;
各R5が、独立して、Br、Cl、F、メチルまたはメトキシであり;
R6がHである、実施形態Bの化合物。
【0150】
実施形態D.
各R4が、独立して、Br、ClまたはFであり;
各R5が、独立して、Br、Cl、Fまたはメトキシであり;
mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、2であり、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり、nが、1であり、R5が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態Cの化合物。
【0151】
実施形態E.
R4が、ClまたはFであり;
各R5が、独立して、Cl、Fまたはメトキシであり;
mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にある、実施形態Dの化合物。
【0152】
実施形態F.
R1が、C1~C2アルキルであり;
R2が、シアノ、ハロゲン、C1~C2アルキルまたはC1~C2ハロアルキルであり;
R3が、ハロゲンまたはメチルであり;
各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C2~C6シアノアルコキシ、C2~C6アルコキシアルキルまたはC2~C6アルコキシアルコキシであり;
各R5が、独立して、ハロゲン、C1~C3アルキル、C2~C6アルコキシアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C2~C6シアノアルコキシまたはC2~C6アルコキシアルコキシであり;ただし、少なくとも1つのR5は、ハロゲンから選択され;
mおよびnが、それぞれ独立して、1、2または3であり;
R6が、Hであり;またはC1~C3アルキルもしくはC1~C3ハロアルキルであり、R6aから独立して選択される2つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはアミノ、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C3~C6シクロアルキル、CH(=O)、S(=O)2OM、S(=O)uR7、(C=W)R8またはOR9であり;
各R6aが、独立して、シアノ、C3~C6シクロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C1~C3アルキルチオ、C1~C3アルキルスルフィニルまたはC1~C3アルキルスルホニルであり;
Mが、KまたはNaであり;
uが、0、1または2であり;
R7が、C1~C3アルキルまたはC1~C3ハロアルキルであり;
Wが、OまたはSであり;
R8が、C1~C3アルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C2~C4アルキルアミノアルキル、C3~C6ジアルキルアミノアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3アルキルチオまたはC2~C4アルキルチオアルキルであり;
R9が、Hであり;またはC1~C3アルキルもしくはC1~C3ハロアルキルであり、R9aから独立して選択される2つまでの置換基でそれぞれ場合により置換され;またはCH(=O)、C3~C6シクロアルキル、S(=O)2OMまたは(C=W)R10であり;
各R9aが、独立して、シアノ、C3~C6シクロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C1~C3アルキルチオ、C1~C3アルキルスルフィニルまたはC1~C3アルキルスルホニルであり;
R10が、C1~C3アルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C2~C4アルキルアミノアルキル、C3~C6ジアルキルアミノアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3アルキルチオまたはC2~C4アルキルチオアルキルであり;
ただし、
N-(2-ブロモ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン;または
3-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,4-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾル-5-アミンでない、式1の化合物。
【0153】
実施形態G.
R1が、メチルであり;
R2が、シアノ、ハロゲンまたはC1~C2アルキルであり;
R3が、ハロゲンであり;
各R4が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、C1~C2アルコキシまたはC1~C2ハロアルコキシであり;
mが、1であり、R4が、4-位(またはパラ位)にあり;またはmが、1であり、R4が、6-位(またはオルト位)にあり;またはmが、2であり、一方のR4が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;
各R5が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ、ハロメチル、C2~C4アルケニルオキシまたはC2~C4シアノアルコキシであり;
nが、1であり、R5が、4-位(またはパラ位)にあり;またはnが、1であり、R5が、6-位(またはオルト位)にあり;またはnが、2であり、一方のR5が、4-位(またはパラ位)にあり、他方が、6-位(またはオルト位)にあり;
R6が、Hまたはメチルである、実施形態Fの化合物。
【0154】
実施形態H.
R2が、メチルであり;
各R4が、独立して、Br、Cl、F,シアノまたはメトキシであり;
各R5が、独立して、Br、Cl、F、メチルまたはメトキシであり;
R6が、Hである、実施形態Gの化合物。
【0155】
実施形態I.
R4が、Br、ClまたはFであり;
各R5が、独立して、Br、Cl、Fまたはメトキシであり;
mおよびnが、それぞれ1であり、R4が、4-位にあり、R5が、6-位にあり;またはmが、1であり、R4が、4-位にあり、nが、2であり、一方のR5が、4-位にあり、他方が、6-位にある、実施形態Hの化合物。
【0156】
実施形態J.
R4が、ClまたはFであり;
各R5が、独立して、Cl、Fまたはメトキシである、実施形態Iの化合物。
【0157】
特定の実施形態には、
4-(2-ブロモ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物1)、
3-クロロ-4-[5-[(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリル(化合物18)、
N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物19)、
4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物23)、
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メトキシ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物57)、
4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物60)、
4-(2-クロロ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物68)、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-3-エチル-1-メチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物72)、
N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物73)、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物93)、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物111)、
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物112)、
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物118)、
N-(4-クロロ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物121)および
3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリル(化合物127)からなる群から選択される式1の化合物が含まれる。
【0158】
本発明は、(すべての立体異性体、N-オキシド、およびそれらの塩を含めた)式1の化合物、および少なくとも1種の他の殺菌剤を含む、殺真菌性組成物を提供する。かかる組成物の実施形態として注目すべきは、上記に記載した化合物の実施形態のうちのいずれかに対応する化合物を含む、組成物である。
【0159】
本発明は、(すなわち、殺菌剤として有効な量で)(すべての立体異性体、N-オキシド、およびそれらの塩を含めた)式1の化合物、ならびに界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分を含む、殺真菌性組成物を提供する。かかる組成物の実施形態として注目すべきは、上記に記載した化合物の実施形態のうちのいずれかに対応する化合物を含む、組成物である。
【0160】
本発明は、(すべての立体異性体、N-オキシド、およびそれらの塩を含めた)式1の化合物の殺菌剤として有効な量を、植物もしくはその部分、または植物の種子に施用する工程を含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法を提供する。かかる方法の実施形態として注目すべきは、上記に記載の化合物の実施形態のうちのいずれかに対応する化合物の殺菌剤として有効な量を施用する工程を含む方法である。特に注目すべきは、本化合物が、本発明の組成物として施用される実施形態である。
【0161】
注目すべきは、(すべての幾何異性体および立体異性体を含めた)式1Aの化合物、N-オキシド、水和物およびそれらの塩である式1の化合物、ならびにそれらを含有する農業用組成物および殺菌剤としてのそれらの使用であり、
【化2】
式中、
R
2が、シアノ、ハロゲンまたはC
1~C
2アルキルであり;
R
3が、ハロゲンであり;
R
4aおよびR
4bが、それぞれ独立して、Hまたはハロゲンであり、ただし、少なくとも1つは、ハロゲンであり;
R
5aおよびR
5bが、それぞれ独立して、H、ハロゲン、メチルまたはメトキシであり、ただし、少なくとも1つは、ハロゲンであり;
ただし、R
3が、Clである場合、R
4aは、Fであり、R
4bは、Hであり、次いで、R
5aは、H、Br、Cl、I、メチルまたはメトキシである、式1の化合物である。
【0162】
実施形態A1.
R2が、メチルまたはエチルであり;
R3が、Br、ClまたはFであり;
R4aおよびR4bが、それぞれ独立して、H、Br、ClまたはFであり;
R5aおよびR5bが、それぞれ独立して、H、Br、Cl、Fまたはメチルである、式1Aの化合物。
【0163】
実施形態B1.
R2が、メチルであり;
R4aが、ClまたはFであり;
R4bが、H、ClまたはFであり;
R5aが、H、Cl、Fまたはメチルであり;
R5bが、HまたはFである、実施形態A1の化合物。
【0164】
やはり注目すべきは、殺菌剤として有効な量の(すべての幾何異性体および立体異性体、N-オキシド、ならびにそれらの塩を含めた)式1Aの化合物または実施形態1から95までおよび実施形態AからJまで対応する実施形態である対応実施形態のいずれか1つ、ならびに界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分を含む、殺真菌性組成物である。さらに注目すべきは、殺菌剤として有効な量の(すべての幾何異性体および立体異性体、N-オキシド、ならびにそれらの塩を含めた)式1Aの化合物または前記対応実施形態のうちのいずれか1つを、植物もしくはその部分、または植物の種子に施用する工程を含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法である。特に注目すべきは、式1Aの化合物が、本発明の組成物として施用される実施形態である。
【0165】
スキーム1~12に記載される次の方法および変形方法のうちの1つまたはそれ以上は、式1の化合物を製造するために用いることができる。以下の式1~21の化合物におけるR1、R2、R3、R4、R5、m、nおよびR6の定義は、別段示されない限り、発明の概要で上記で定義した通りである。式1aおよび1bは、式1のサブセットである。サブセット式についての置換基は、別段示されない限り、その親式について定義される通りである。
【0166】
スキーム1に示す通り、式1の化合物は、式2の5-アミノピラゾールの式3のニトロフェニル化合物との反応により製造することができ、L1は、場合により、金属触媒の存在下で、一般に、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムのような塩基およびテトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、トルエン、エタノール、メタノールまたはジメチルスルホキシドのような溶媒の存在下で、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)またはスルホネート(例えば、メシレート、トリフレートまたはp-トルエンスルホン酸塩)のような脱離基である。ある特定の場合では、触媒的量から超化学量論的量までの金属触媒を用いることによって、所望の反応を容易にすることができる。典型的な反応条件には、例えば、銅塩錯体(例えば、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、プロリンまたはビピリジルとのCuI)、パラジウム錯体(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))またはパラジウム塩(例えば、酢酸パラジウム)のような金属触媒の存在下で、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルまたは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)1,1’-ビナフタレンのようなリガンドと、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムフェノキシドまたはナトリウムtert-ブトキシドのような塩基およびN,N-ジメチルホルムアミド、1,2-ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサンまたはトルエンのような溶媒、エタノールのようなアルコールを場合により含有する溶媒と反応を行うことが含まれる。関連する参考文献について、PCT特許公開WO2013/126283、合成例1、工程C;およびWO2010/020363、実施例2Aを参照のこと。やはり、スキーム1の方法は、本実施例1、工程C;実施例5、工程C;および実施例3において例示される。式3の化合物は、市販されている、またはそれらの製造は、当技術分野で公知である。
【0167】
【0168】
式2の5-アミノピラゾールを製造するために有用な一般的な方法は、当技術分野で周知であり;例えば、Journal fur Praktische Chemie(Leipzig)1911年、83巻、171頁およびJ.Am.Chem.Soc.1954年、76巻、501頁を参照のこと。かかる1つの方法は、以下のスキーム2において例示され、式2の5-アミノピラゾールは、当技術分野で公知の一般的な手順に従って、エタノールまたはメタノールのような溶媒でおよび場合により、酢酸のような酸の存在下で、式5のヒドラジン(例えば、メチルヒドラジンまたはエチルヒドラジン)と式4の化合物を縮合することにより製造され;例えば、PCT特許公開WO2012/031061 合成例1、工程A;および合成例2、工程Cを参照のこと。やはり、スキーム2の方法は、本実施例1、工程Bにおいて例示される。
【0169】
【0170】
あるいは、スキーム3に示す通り、式2の5-アミノピラゾールはまた、周知の遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応条件を用いて、式6の4-ブロモまたは4-ヨードピラゾールを式7のボロン酸化合物と反応させることにより製造することもできる。
【0171】
【0172】
式6の化合物を製造するために有用な方法は、当技術分野で公知である。
【0173】
式1aの化合物(すなわち、R6が、Hである、式1)は、スキーム4に示す通り製造することができる。本方法では、式8の化合物は、当技術分野で公知の一般的な手順に従って、エタノールまたはメタノールのような溶媒でおよび場合により、酢酸、ピペリジンまたはナトリウムメトキシドのような酸または塩基触媒の存在下で、式5のヒドラジン(例えば、メチルヒドラジンまたはエチルヒドラジン)と縮合させる。反応条件について、PCT特許公開WO2013/116251、合成例1、工程Cおよび実施例2、工程Bを参照のこと。やはり、Raが、メチルである式8の化合物を用いたスキーム4の方法は、本発明の実施例2、工程Cにおいて例示される。
【0174】
【0175】
スキーム5に示す通り、式8の化合物は、場合により、水素化ナトリウムまたはエチルマグネシウムクロリドのような塩基の存在下で、トルエン、テトラヒドロフランまたはジメトキシメタンのような溶媒で、約-10℃から溶媒の沸点までの温度で、式9のケテンジチオアセタール誘導体を、式10の化合物と反応させることにより製造することができる。関連する参考文献について、例えば、J.Heterocycl.Chem.1975年、12巻(1号)、139頁を参照のこと。式9の化合物を製造するために有用な方法は、当技術分野で公知である。
【0176】
【0177】
さらに、スキーム6に示す通り、Raが、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル)である式8および式8a(すなわち、RaがHである場合、式8の互変異性体)の化合物は、式11のイソチオシアネート化合物の式12のカルボニル化合物との縮合反応によって製造して、式13の中間化合物を得ることができ、これは、式8aのチオアミドの塩である。式13の中間化合物は、in situで(WO2013/116251、合成例1、工程C;および本実施例2、工程Cに例示される通り)または単離されたもの(WO2013/116251、実施例2、工程Aに例示される通り)で用いることができる。式13の化合物を製造するために有用な塩基には、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような、ナトリウムまたはカリウムの水素化物、アルコキシド、水酸化物または炭酸塩が含まれる。アミン塩基(例えば、トリエチルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミン)を用いて、式11および12から式13の化合物の縮合を行うことができる。テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、アルコール(例えば、エタノール)、エステル(例えば、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル)、またはそれらの混合物のような、様々な溶媒が有用である。溶媒は、当業者により理解される通り、塩基との相溶性のために選ばれる。反応温度は、-78℃から溶媒の沸点までの範囲であり得る。塩基および溶媒の組合せの有用な1つの混合物は、テトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシドまたはカリウムtert-ペントキシドであり、それに、式11のイソチオシアネートおよび式12のカルボニル化合物の溶液を加えることができ、これらを1つの溶液に合わせる、または好ましくは、カルボニル化合物を加え、その後、イソチオシアネートを加えることにより、別々に加えることができる。通常、この反応は、-70~0℃までで行われる。式13の塩は、酸性化させて式8aのケトチオアミド化合物を形成させることができる、またはRaX1(式14)[式中、Raは、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル)であり、X1は、核脱離(すなわち、Br、I、OS(O)2CH3のような求核反応脱離基)である]でアルキル化して、式8の対応する化合物を形成することができる。この一般的な方法は、化学文献において公知であり;例えば、Zhurnal Organicheskoi Khimii 1982年、18巻(12号)、2501頁を参照のこと。Raが、式13の中間化合物から得られたメチルであり、これが、単離されない、式8の化合物を製造するための、スキーム6の方法は、PCT特許公開WO2013/116251 合成例1、工程Cに例示される。やはり、本実施例2、工程Cは、式8の化合物の製造を例示する。
【0178】
【0179】
式8aのケトチオアミドはまた、対応するケトアミドを、Lawesson試薬またはP2S5のような、硫化剤と反応させることによりにより製造することもでき;例えば、Helv.Chim.Act.1998年、81巻(7号)、1207頁を参照のこと。
【0180】
スキーム7に示す通り、式1の化合物は、好ましくは、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムのような塩基、およびN,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエンまたは水のような溶媒の存在下で、式15の1H-ピラゾール化合物を、式R1-L2[式中、R1は、メチルまたはエチルであり、L2は、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、スルホネート(例えば、メシレート、トリフレートまたはp-トルエンスルホン酸塩)またはリン酸塩(例えば、リン酸ジメチル)のような脱離基である]のメチル化剤と反応させることにより製造することもできる。このタイプのメチル化のための一般的な手順は、当技術分野で周知であり、本発明の化合物を製造するために容易に適合することができる。特に有用なメチル化剤には、Canada Journal of Chemistry 1986年、64巻、2211~2219頁およびHeterocycles 2000年、53巻(12号)、2775~2780頁に記載されるものなど、当技術分野で公知の一般的な手順を用いた、ジアゾメタンおよびヨードメタンが含まれる。
【0181】
【0182】
式15の化合物は、スキーム4の方法と類似した方式で、式8の化合物を、ヒドラジンと共に縮合することにより製造することができる。この方法は、Chemistry of Heterocyclic Compounds 2005年、41巻(1号)、105~110頁に記載されている。
【0183】
代替方法では、スキーム8に示す通り、式1の化合物は、遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応条件下で、適当なパラジウム、銅またはニッケル触媒の存在下で、式16の4-ブロモまたは4-ヨードピラゾールの、式17の有機金属化合物との反応により製造することができる。本方法では、式17の化合物は、有機ボロン酸(例えば、M1は、B(OH)2である)、有機ボロン酸エステル(例えば、M1は、B(-OC(CH2)3O-である)、有機トリフルオロボレート(例えば、M1は、BF3Kである)、有機スズ試薬(例えば、M1は、Sn(n-Bu)3、Sn(Me)3である)、グリニャール試薬(例えば、M1は、MgBrまたはMgClである)または有機亜鉛試薬(例えば、M1は、ZnBrまたはZnClである)である。適当な金属触媒には、それだけには限らないが、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロニッケル(II)および銅(I)塩(例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(I)、シアン化銅(I)または銅(I)トリフレート)が含まれる。最適な条件は、当業者により理解される通り、用いられる触媒およびカップリング試薬(すなわち、M1)に結合される対イオンに依存する。一部の場合において、置換ホスフィンまたは置換ビスホスフィノアルカンのようなリガンドを加えると、反応性が促進される。やはり、アルカリ炭酸塩、第三級アミンまたはアルカリフッ化物(alkali fluoride)のような塩基の存在は、式17の有機ホウ素試薬を使用するいくつかの反応のために必要であり得る。このタイプの反応の総説について、以下を参照のこと:E.Negishi、Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis、John Wiley and Sons, Inc.、New York、2002年;N.Miyaura、Cross-Coupling Reactions:A Practical Guide、Springer、New York、2002年;H.C.Brownら、Organic Synthesis via Boranes、3巻、Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、WI、2002年;Suzukiら、Chemical Review 1995年、95巻、2457~2483頁およびMolanderら、Accounts of Chemical Research 2007年、40巻、275~286頁。やはり、スキーム8の方法は、PCT特許公開WO2010/101973およびWO2012/031061に例示されている。
【0184】
【0185】
スキーム9に示す通り、式16のピラゾール中間体は、ハロゲン化試薬による処理により、式18の対応するピラゾールから容易に製造される。本方法のための適当なハロゲン化試薬には、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、N-ヨードスクシンイミド(NIS)、臭素、亜臭素酸ナトリウム、塩化チオニル、塩化オキサリル、フェニルホスホニルジクロリド(phenylphosphonic dichloride)またはホスゲンが含まれる。特に有用なのは、N-ブロモスクシンイミド(NBS)およびN-ヨードスクシンイミド(NIS)である。本反応のための適当な溶媒には、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、p-ジオキサン、アセトニトリルなどが含まれる。場合により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリンなどのような有機塩基を、加えることができる。典型的な反応温度は、約周囲温度から200℃までの範囲である。代表的な手順については、Synthesis 2006年、17巻、2855~2864頁;Journal of Medicinal Chemistry 2005年、48巻、6843~6854頁;Journal of Medicinal Chemistry 2007年、50巻、3086~3100頁およびJournal of Medicinal Chemistry 2005年、48巻、4420~4431頁を参照のこと。
【0186】
【0187】
スキーム10に示す通り、式18の化合物は、スキーム1の方法のために用いられたものと類似した手順により、式19の対応する化合物から製造することができる。式19の化合物は、市販されているまたは当技術分野で公知の方法により製造することができる。
【0188】
【0189】
本明細書中に記載される式1の化合物およびそれらの中間体は、様々な求電子、求核、有機金属、酸化および還元反応にかけて、置換基を加えるまたは既存の置換基を修飾することができ、したがって、式1の他の官能基化化合物を提供する。例えば、スキーム11に示す通り、式1bの化合物(すなわち、(R5)nが、CH3である、式1)は、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]塩化パラジウム(II)ジクロロメタン付加体のような触媒の存在下で、好ましくは、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、炭酸セシウムまたは水酸化カリウムのような塩基の存在下でおよびN,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エタノール、トルエンまたは水のような溶媒中で、L3が、ハロゲン(例えば、Br、I)またはスルホネート(例えば、メシレート、トリフレート、p-トルエンスルホン酸塩)のような脱離基である、式20の化合物の、2,4,6-トリメチルボロキシンまたはテトラメチルスタンナンのような試薬との反応により製造することができる。スキーム11の方法は、PCT特許公開WO2013/192126実施例4、工程A、および本実施例4、工程Bに例示されている。
【0190】
式20の化合物は、PCT特許公開WO2010/101973およびWO2012/031061に記載されている方法により製造することができる。当業者は、いくつかの場合では、官能基の相互変換前の式20のNにより保護された化合物の製造が、所望の生成物を得る助けになることを認識している。適当なN-保護基の選択および使用は、当業者に明らかであり;代表的な例については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991年を参照のこと。やはり、本実施例4の工程Aは、式20のN-Bocによって保護された化合物の製造を例示している。
【0191】
【0192】
スキーム11の方法と類似して、式20の化合物は、カリウム(トリフルオロメチル)トリメトキシボレートで処理して、式1bのトリフルオロメチル類似体を提供することができる。
【0193】
別の例では、スキーム12に示す通り、R6が、H以外である、式1の化合物は、R6を含む求電子試薬(すなわち、式21)との反応により、R6が、Hである、式1の対応する化合物から製造することができる。通常、反応は、水素化ナトリウムのような塩基の存在下でおよびN,N-ジメチルホルムアミドのような極性溶媒中で行われる。この文脈において、「R6を含む求電子試薬」という表現は、R6部分を求核試薬(すなわち、R6がHであるとき、式1中の窒素原子)に移すことが可能である化学物質を意味する。しばしば、R6を含む求電子試薬は、式R6X2[式中、X2は、核脱離(すなわち、求核反応中の脱離基)である]を有する。典型的な核脱離には、ハロゲン化物(例えば、Br、Cl、I)またはスルホネート(例えば、メシレート、トリフレート、p-トルエンスルホン酸塩)が含まれる。しかしながら、R6を含むいくつかの求電子試薬は、核脱離を含まず;一例としては、三酸化硫黄(SO3)であり、これは、R6がHである場合、式1中の窒素原子の(式M+H-[式中、M+は、陽イオンである]の塩基によるような)脱プロトン化後、-SO3M置換基として窒素原子に結合することができる。
【0194】
【0195】
式1の化合物を製造するための上記に記載したいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在するある特定の官能基との適合性がないことがあるということが認識されている。これらの場合では、合成への保護/脱保護シークエンスまたは官能基の相互変換の組み入れは、所望の生成物を得る助けになる。保護基の使用および選択は、化学合成の当業者に明らかである(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991年を参照のこと)。当業者は、一部の場合において、任意の個別のスキームに図示される通り、所与の試薬の導入後、詳細に記載されない追加のルーチンの合成工程を行って、式1の化合物の合成を完了する必要があり得るということを認識している。当業者は、式1の化合物を製造するために提示されている特定のシークエンスにより示されるもの以外の順序で、上記スキームに例示される工程の組合せを行う必要があり得るということも認識している。
【0196】
当業者は、本明細書中に記載される式1の化合物および中間体が、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化、および還元反応にかけて、置換基を加えるまたは既存の置換基を修飾することができることもやはり認識している。
【0197】
さらなる同化作用もなく、前述の説明を用いた当業者は、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、次の実施例は、単に例示的なものとして解釈されるべきであり、これがいかなるものであっても、いかなる方法においても本開示を限定するものと解釈されるべきではない。次の実施例中の工程は、合成変換全体における各工程の手順を例示し、各工程についての出発原料は、手順が他の実施例または工程に記載される、特定の予備の実行(preparative run)により、必ずしも製造されなくてもよい。百分率は、クロマトグラフィー用の溶媒混合物を除いてまたは別段示される場合、重量によるものとする。クロマトグラフィー用の溶媒混合物についての部および百分率は、別段示されない限り、体積によるものである。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランを0ppmとした時の低磁場シフトで報告され;「s」は、一重線を意味し、「d」は、二重線を意味し、「t」は、三重線を意味し、「m」は、多重線を意味し、「br s」は、広幅の一重線を意味し、「dd」は、二重の二重線を意味する。
【実施例1】
【0198】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物112)の製造
工程A:α-アセチル-2-クロロ-4-フルオロベンゼンアセトニトリルの製造
トルエン(400mL)中のナトリウムメトキシド溶液(メタノール中の30%、85mL、0.47mol)の混合物を、メタノールの共沸除去のためにディーン-スタークトラップを用いて、120℃まで加熱した。90℃まで冷却した後、酢酸エチル(200mL)中の2-クロロ-4-フルオロベンゼンアセトニトリル(40.0g、0.24mol)を、反応混合物に滴加した。反応混合物を、90℃で1h撹拌し、次いで、塩酸(1N、30mL)を加えた。得られた混合物を、酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(酢酸エチル-石油エーテル3:7を溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体(35g)として表題化合物を生成した。
1H NMR (CDCl3): δ7.49 (dd, 1H), 7.24 (dd, 1H), 7.14-7.09 (m, 1H), 5.13 (s, 1H), 2.36 (s, 3H).
【0199】
工程B:4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミンの製造
α-アセチル-2-クロロ-4-フルオロベンゼンアセトニトリル(すなわち、工程Aの生成物)(28g、0.13mol)のエタノール(400mL)中の混合物に、メチルヒドラジン硫酸塩(28.6g、0.20mol)および酢酸ナトリウム(21.7g、0.27mol)を加えた。反応混合物を、120℃で12h加熱し、次いで、減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。得られた混合物を、氷-水(500mL)に注ぎ、ろ過し、白色固体を収集した。その固体を、水およびペンタンですすぎ、次いで、乾燥して、オフホワイト色の固体(24g)として表題化合物を生成した。
1H NMR (CDCl3): δ7.45 (dd, 1H), 7.27 (t, 1H), 7.23-7.12 (m, 1H), 4.89 (s, 2H), 3.49 (s, 3H).
【0200】
工程C:4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミンの製造
0℃のテトラヒドロフラン(40mL)中の4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(すなわち、工程Bの生成物)(1.2g、5.0mmol)の混合物に、カリウムtert-ブトキシド(THF中の1M、10mL、10mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を、0℃で1h撹拌し、次いで、1,2-ジフルオロ-3-ニトロベンゼン(0.85g、5.3mmol)を滴加した。0℃で30分後、飽和塩化アンモニウム水溶液を、反応混合物に加え、得られた混合物を、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水層を、酢酸エチル(2×40mL)でさらに抽出し、合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の40%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である表題化合物を黄色固体(1.1g)として生成した。
1H NMR (CDCl3): δ8.59 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.2 (d, 1H), 7.09 (t, 1H), 7.04-7.01 (m, 1H), 6.82-6.86 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 1.97 (s, 3H).
【実施例2】
【0201】
3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリル(化合物113)の製造
工程A:3-クロロ-4-(2-オキソプロピル)ベンゾニトリルの製造
-10℃のジエチルエーテル(500mL)中の4-アミノ-3-クロロベンゾニトリル(50.0g、0.33mol)の混合物に、三ふっ化ホウ素ジエチルエーテレート(61mL、0.50mol)を加えた。反応混合物を、-10℃で10分間撹拌し、次いで、亜硝酸tert-ブチル(48mL、0.4mol)を加えた。-10℃で20分後、反応混合物を、放置して室温まで加温し、2h撹拌し、次いで、ろ過し、白色固体を収集した。白色固体を、ジエチルエーテルおよびペンタン(1:1、300mL)で摩砕し、ろ過し、乾燥して、オフホワイト色の固体(72g)として中間化合物2-クロロ-4-シアノベンゼンジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩を生成した。
【0202】
-10℃のジメチルホルムアミド(500mL)中の2-クロロ-4-シアノベンゼンジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩(72g、0.33mol)の混合物に、酢酸イソプロペニル(354mL、3.2mol)を加えた。反応混合物を、-10℃で20分撹拌し、次いで、ジメチルスルホキシド(40mL)中の4-アミノモルホリン(1.0mL)を加えた。1h後、氷冷水(1000mL)を加え、得られた混合物を、酢酸エチル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(酢酸エチル-石油エーテル1:4を溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体(52g)として表題化合物を生成した。
1H NMR (CDCl3): δ 7.69 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 3.93 (s, 2H), 2.28 (s, 3H).
【0203】
工程B:1-フルオロ-2-イソチオシアナト-3-ニトロベンゼンの製造
0℃の1,2-ジクロロベンゼン(10mL)中の2-フルオロ-6-ニトロベンゼンアミン(1.0g、6.4mmol)の混合物に、ジメチルホルムアミド2滴、その後、チオホスゲン(1.46mL、19mmol)を加えた。反応混合物を、160℃で1h加熱し、室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(酢酸エチル-石油エーテル1:9を溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、油状物(0.91g)として表題化合物を生成した。
1H NMR (CDCl3) δ 7.88 (d, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.36 (m,1H).
【0204】
工程C:3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリルの製造
-10℃のテトラヒドロフラン(20mL)中の3-クロロ-4-(2-オキソプロピル)ベンゾニトリル(すなわち、工程Aの生成物)(1.0g、5.2mmol)の混合物に、カリウムtert-ブトキシド(0.7g、6.2mmol)を加えた。-10℃で30分後、テトラヒドロフラン(10mL)中の1-フルオロ-2-イソチオシアナト-3-ニトロベンゼン(すなわち、工程Bの生成物)(0.99g、5.0mmol)を、反応混合物に加え、撹拌を約15分間続けて、中間化合物4-[1-[[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)アミノ]メルカプトメチレン]-2-オキソプロピル]-3-クロロ-ベンゾニトリルカリウム塩を含有する反応混合物を生成し、これは、α-アセチル-N-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-2-クロロ-4-シアノ-ベンゼン-エタン-チオアミドのカリウム塩である。ヨードメタン(1.2mL、19mmol)を、反応混合物に加えた。-10℃で20分後、反応温度を0℃にし、酢酸(5.0mL)およびメチルヒドラジン(水中の85%、0.5g、10mmol)を加えた。反応混合物を、放置して室温まで加温し、還流下で2h加熱し、次いで、氷冷水(30mL)および酢酸エチル(20mL)に注いだ。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(酢酸エチル-石油エーテル2:3を溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である表題化合物を、淡黄色の固体(0.850g)として生成した。
1H NMR (CDCl3) δ 8.71 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.64-7.58 (m, 2H), 7.34-7.25 (m, 2H), 6.87-6.81 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 1.99 (s, 3H).
【実施例3】
【0205】
N-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物61)の製造
0℃のテトラヒドロフラン(30mL)中の4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(すなわち、実施例1、工程Bの生成物)(0.5g、2.1mmol)の混合物に、カリウムtert-ブトキシド(THF中の1M、4.2mL、4.2mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を、0℃で1h撹拌し、次いで、5-ブロモ-1,2-ジフルオロ-3-ニトロベンゼン(0.54g、2.3mmol)を滴加した。0℃で30分後、飽和塩化アンモニウム水溶液を、反応混合物に加え、得られた混合物を、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水層を、酢酸エチル(2×40mL)でさらに抽出し、合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の40%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である表題化合物を黄色固体(0.45g)として生成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.69 (br s, 1H), 7.77 (t, 1H), 7.66 (dd, 1H), 7.27 (dd, 2.0 Hz, 1H), 7.09-7.06 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 1.97 (s, 3H).
【実施例4】
【0206】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(化合物93)の製造
工程A:1,1-ジメチルエチルN-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-N-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-イル]カルバメートの製造
0℃のジクロロメタン(20mL)中のN-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミン(すなわち、実施例3の生成物)(1g、2.2mmol)およびトリエチルアミン(1.24mL、8.9mmol)の混合物に、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.46g、6.7mmol)を加えた。反応混合物を、放置して室温まで加温し、終夜撹拌し、次いで、水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の40%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を、黄色固体(750mg)として生成した。
1H NMR (CDCl3): δ 7.85 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.52-7.47 (m, 1H), 7.17-7.19 (m, 1H), 6.97-6.88 (m, 1H), 3.8 (s, 3H), 1.96 (s, 3H), 1.49 (s, 9H).
【0207】
工程B:4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミンの製造
1,4-ジオキサン(20mL)中の1,1-ジメチルエチルN-(4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-N-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-イル]カルバメート(すなわち、工程Aの生成物)(600mg、1.07mmol)、炭酸カリウム(372mg、2.7mmol)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1:1)(40mg、0.05mmol)およびトリメチルボロキシン(0.54mL、3.9mmol)の混合物を、還流下で3h加熱した。反応混合物を、水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム水溶液(3×5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、ジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸(3:1;4mL)に溶解し、室温で16h撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、得られた材料を、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)で洗浄した。水層を、ジクロロメタン(3×10mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の40%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である表題化合物を黄色固体(210mg)として生成した。
1H NMR (CDCl3) δ 8.41 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.24-7.15 (m, 2H), 7.1-7.01 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.95 (s, 3H).
【実施例5】
【0208】
3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリル(化合物113)の代替の製造
工程A:1-メチル-ヒドラジンカルボニトリルの製造
臭化シアン(13.5g、127.5mmol)およびジクロロメタン(250mL)の溶液を、0℃まで冷却し、次いで、メチルヒドラジン(85%水溶液、6.0g、127.5mmol)、炭酸ナトリウム(7.5g、63.9mmol)および水(60mL)の混合物を、激しくかき混ぜながら滴加した。ガス発生の明らかな兆候が停止した後、水層を分離し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、油状物(6.0g)として表題化合物を生成した。
【0209】
工程B:4-(5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル)-3-クロロ-ベンゾニトリルの製造
3-クロロ-4-(2-オキソプロピル)ベンゾニトリル(13.7g、71.4mmol)および1-メチルヒドラジンカルボニトリル(すなわち、工程Aの生成物)(6.0g、86mmol)の混合物を、撹拌しながら60℃で加熱した。48h後、反応混合物を、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)に溶解し、これらの層を分離し、水層を、ジクロロメタン(3×)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の60%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、浅黄色の固体(8.1g)として表題化合物を生成した。
LCMS:247(M+1)
【0210】
工程C:3-クロロ-4-[5-[(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル]ベンゾニトリルの製造
0℃のテトラヒドロフラン(40mL)中の4-(5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-4-イル)-3-クロロベンゾニトリル(すなわち、工程Bの生成物)(1.2g、4.8mol)の混合物に、カリウムtert-ブトキシド(9.7mL、テトラヒドロフラン中の1M)を滴加した。反応混合物を、0℃で1h撹拌し、次いで、1,2-ジフルオロ-3-ニトロベンゼン(0.85g、5.3mmol)を滴加し、0℃でさらに30分間撹拌を続けた。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチル(100mL)で希釈し、これらの層を分離した。水層を、酢酸エチル(40mL×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた材料を、(石油エーテル中の40%酢酸エチルを溶離液とする)シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を生成した。黄色固体をエタノールから結晶化して、本発明の化合物である表題化合物を、浅黄色の固体(560mg)として生成した。
1H NMR (CDCl3) δ 8.71 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.33-7.25 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 1.99 (s, 3H).
LCMS: 386 (M+1).
【0211】
当技術分野で公知の方法と共に本明細書中に記載される手順により、次に示される表に開示される化合物は、製造することができる。次の略語は、次に示される表中で用いられる。Meは、メチルを意味し、MeOは、メトキシを意味し、EtOは、エトキシを意味し、CNは、シアノを意味する。
【0212】
【0213】
本開示はまた、表1Aから表46Aまでを含み、表1中の列の見出し(すなわち、「R2は、CH3であり、R3は、Clであり、(R4)mは、4-Fである」)が、以下に示されるそれぞれの列の見出しと置き換えられることを除いて、そのそれぞれは、上記表1と同じもので構成される。
【0214】
【0215】
【0216】
配合物/有用性
(N-オキシド、水和物、およびそれらの塩を含めた)本発明の式1の化合物は、一般に、担体として働く、界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分と共に、組成物、すなわち、配合物中の殺真菌性有効成分として用いられる。配合物または組成物成分は、有効成分の物理的特性、施用のモードならびに土壌タイプ、水分および温度のような環境因子と整合するように選択される。
【0217】
有用な配合物には、液体組成物および固体組成物が含まれる。液体組成物には、(乳濁液を含めた)溶液、懸濁液、(マイクロエマルションおよび/またはサスポエマルション剤を含めた)エマルションなどが含まれ、これらは、場合により、ゲルに濃縮することができる。水性液体組成物の一般的なタイプは、可溶性濃縮物、懸濁濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルション、マイクロエマルションおよびサスポエマルション剤である。非水性液体組成物の一般的なタイプは、乳濁液、マイクロ乳濁液、分散性濃縮物および油性懸濁性剤(oil dispersion)である。
【0218】
固体組成物の一般的なタイプは、粉剤、粉末、粒剤、ペレット、丸薬、芳香錠、錠剤、(種子粉衣を含めた)充填フィルムなどであり、これらは、水分散性(「湿潤性」)でも水溶性でもよい。フィルム形成性液剤またはフロアブル懸濁剤から形成されたフィルムおよびコーティングは、種子の処理のために特に有用である。有効成分は、(マイクロ)カプセルの中に入れ、さらに懸濁液または固体配合物に形成させることができ;あるいは、有効成分の配合物全体は、カプセルの中に入れる(または「上塗りする」)ことができる。カプセル充填は、有効成分の放出を防除するまたは遅延させることができる。乳化可能粒剤は、乳濁液配合物および乾燥粒状配合物の両方の利点を組み合わせている。高力組成物は、さらなる配合物のための中間体として主に用いられる。
【0219】
噴霧可能な配合物は、噴霧する前に適当な媒体に通常希釈される。かかる液体および固体配合物は、噴霧用媒体に容易に希釈されるよう配合され、通常、水であるが、時折、芳香族もしくはパラフィン系炭化水素または植物油のような別の適当な媒体である。散布量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルまでの範囲であり得るが、より一般的には、1ヘクタール当たり約10~数百リットルまでの範囲内である。噴霧可能な配合物は、空中施用または地上施用による葉の処理用に、または植物の生育培地への施用用に、水または別の適当な媒体と混合したタンクであり得る。液体および乾燥配合物は、点滴灌漑システムに直接計量しながら供給するまたは栽植中に畝間に計量しながら供給することができる。液体および固体配合物は、浸透性農薬の取込みを通して、根および他の地下植物部分および/または群葉の成長を保護するために、農作物の種子および栽植前の種子の処理として他の所望の植生に施用することができる。
【0220】
本配合物は、通常、次のおおよその範囲内で、有効成分、賦形剤および界面活性剤の有効量を含有し、これは、100重量パーセントまで加える。
【0221】
【0222】
固体賦形剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンのような粘土、セッコウ、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、および硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体賦形剤は、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、第2版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
【0223】
液体賦形剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、リン酸アルキル(例えば、リン酸トリエチル)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン、ブチレンカルボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、三酢酸グリセリン、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノンのようなケトン、2-ヘプタノン、イソホロンおよび4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルのようなアセテート、アルキル化乳酸エステル(alkylated lactate ester)のような他のエステル、二塩基酸エステル、アルキルベンゾエート、アリールベンゾエートならびにγ-ブチロラクトン、およびメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾールおよびベンジルアルコールのような、直鎖、分枝、飽和または不飽和であり得るアルコールが含まれる。液体賦形剤には、植物種子および果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ゴマ油、コーン(トウモロコシ)油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、グレープシード油、ベニバナ油、綿実油、ダイズ油、ナタネ油、ヤシ油およびパーム核油)、動物起源の脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、肝油、魚油)、およびそれらの混合物のような、飽和および不飽和脂肪酸(通常、C6~C22)のグリセリンエステルも含まれる。液体賦形剤には、アルキル化された脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化された)も含まれ、脂肪酸は、植物および動物起源から得られたグリセリンエステルの加水分解により得ることができ、蒸留により精製することができる。典型的な液体賦形剤は、Marsden、Solvents Guide、第2版、Interscience、New York、1950年に記載されている。
【0224】
本発明の固体および液体組成物はしばしば、1種またはそれ以上の界面活性剤を含む。液体に加える場合、界面活性剤(「表面活性剤」としても知られる)は、液体の表面張力を、一般に修正し、低下させることが多い。界面活性剤分子中の親水基および親油基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であり得る。
【0225】
界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性または陽イオン性に分類することができる。本組成物のために有用な非イオン性界面活性剤には、それだけには限らないが、天然および合成アルコール(分枝状でも直鎖でもよい)に基づいたならびにアルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造したアルコールアルコキシレートのようなアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシ化アルカノールアミド;エトキシ化ダイズ油、ヒマシ油およびナタネ油のような、アルコキシ化トリグリセリド;(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造される)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレートのようなアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから製造されるブロックポリマーおよび末端のブロックがプロピレンオキシドから製造されるリバースブロックポリマー;エトキシ化脂肪酸;エトキシ化脂肪エステルおよび油;エトキシ化メチルエステル;(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造されるものを含めた)エトキシ化トリスチリルフェノール;脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ラノリン-系誘導体、ポリエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシ化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシ化グリセリン脂肪酸エステルのようなポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルのような他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー,アルキルpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトポリマーまたは櫛型ポリマーおよび星型ポリマーのようなポリマー界面活性剤;ポリエチレングリコール(pegs);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;ならびにスクロースエステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキルポリサッカリドのような糖-誘導体が含まれる。
【0226】
有用な陰イオン性界面活性剤には、それだけには限らないが、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニンおよびリグノスルホネートのようなリグニン誘導体;マレイン酸またはコハク酸またはそれらの無水物;オレフィンスルホン酸塩;アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルのようなリン酸エステル;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルサルフェート;油および脂肪酸のサルフェートおよびスルホネート;エトキシ化アルキルフェノールのサルフェートおよびスルホネート;アルコールのサルフェート;エトキシ化アルコールのサルフェート;N,N-アルキルタウリン塩のようなアミンスルホン酸塩およびアミドスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、ならびにドデシルスルホン酸およびトリデシルベンゼンスルホン酸;縮合されたナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸塩およびアルキルナフタレンスルホン酸塩;分画された石油スルホン酸塩;スルホスクシナメート;およびスルホコハク酸塩およびジアルキルスルホコハク酸塩のようなそれらの誘導体が含まれる。
【0227】
有用な陽イオン性界面活性剤には、それだけには限らないが、アミドおよびエトキシ化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラミン、およびエトキシ化アミン、エトキシ化ジアミンおよびプロポキシ化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造される)のようなアミン;アミン酢酸塩およびジアミン塩のようなアミン塩;四級塩、エトキシ化第四級塩およびジ第四級塩のような第四級アンモニウム塩;およびアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシドが含まれる。
【0228】
本組成物のためにやはり有用なのは、非イオン性および陰イオン性界面活性剤の混合物または非イオン性および陽イオン性界面活性剤の混合物である。非イオン性、陰イオン性および陽イオン性界面活性剤ならびにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Divisionにより刊行されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、annual American and International Editions、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.、Inc.、New York、1964年;およびA.S.Davidson and B.Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987年を含めた、様々な刊行された参考文献に開示されている。
【0229】
本発明の組成物はまた、配合物助剤として当業者に公知の配合物補助剤および添加物を含有することもできる。かかる配合物補助剤および添加物は、pH(緩衝剤)、処理中の起泡(かかるポリオルガノシロキサン(例えば、Rhodorsil(登録商標)416)のような、泡止め)、有効成分の沈降(懸濁化剤)、粘性(チキソトロープ増粘剤)、容器中の微生物の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(凍結防止)、色(色素/顔料分散(例えば、Pro-lzed(登録商標)着色剤赤色))、洗い落とし(フィルム形成剤またはステッカー)、蒸発(蒸発遅延剤)、および他の配合物の特質を制御することができる。フィルム形成剤には、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが含まれる。配合物補助剤および添加物の例には、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.により刊行されたMcCutcheon’s Volume 2:Functional Materials、annual International and North American editions;およびPCT国際公開WO03/024222に示されるものが含まれる。
【0230】
式1の化合物および任意の他の有効成分は、有効成分を溶媒に溶解することによりまたは液体もしくは乾燥賦形剤中で粉砕することにより、通常、本組成物に取り込まれる。乳濁液を含めた液剤は、これらの成分を単に混合することにより製造することができる。乳濁液としての使用を目的とした液体組成物の溶媒が、水不溶性である場合、乳化剤を、通常、加えて、水により希釈後、活性剤含有溶媒を乳化させる。粒径が、2,000μmまでの有効成分スラリを、媒体ミルを用いて湿式摩砕して、平均直径が、3μm未満である粒子を得ることができる。水性スラリは、最終懸濁濃縮物になってもよく(例えば、U.S.3,060,084を参照のこと)または噴霧乾燥して、水分散性粒剤を形成させることによりさらに加工することもできる。乾燥配合物は、通常、乾燥粉砕プロセスを要し、これは、平均粒径2~10μmの範囲で生成する。粉剤および粉末は、(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどにより)ブレンドするおよび通常、粉砕することにより、製造することができる。粒剤およびペレットは、予形成された粒状担体に活物質を噴霧することによりまたは凝集技法により製造することができる。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、pp147~48、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw-Hill、New York、1963年、pp8~57および下記、ならびにWO91/13546を参照のこと。ペレットは、U.S.4,172,714に記載される通り製造することができる。水分散性および水溶性粒剤は、U.S.4,144,050、U.S.3,920,442およびDE3,246,493に教示される通り製造することができる。錠剤は、U.S.5,180,587、U.S.5,232,701およびU.S.5,208,030に教示される通り製造することができる。フィルムは、GB2,095,558およびU.S.3,299,566に教示される通り製造することができる。
【0231】
本発明の一実施形態は、本発明の殺真菌性組成物(界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤と共に配合された式1の化合物または式1の化合物および少なくとも1種の他の殺菌剤の配合された混合物)を水で希釈する工程、場合により、アジュバントを加えて、希釈した組成物を形成させる工程、および真菌病原体またはその環境を有効量の前記希釈した組成物と接触させる工程を含む、真菌病原体を防除するための方法に関する。
【0232】
スプレー用組成物が、水で希釈することにより形成されるが、本殺真菌性組成物の十分な濃度は、真菌病原体を防除するために十分な効能を示すことができ、別々に配合されたアジュバント生成物はまた、スプレータンク混合物に加えることができる。これらの追加のアジュバントは、「スプレーアジュバント」または「タンク混合アジュバント」として一般に知られており、農薬の性能を改善するまたはスプレー用混合物の物理的特性を変更するために、スプレータンク中で混合した任意の物質が含まれる。アジュバントは、陰イオン性または非イオン性界面活性剤、乳化剤、石油系農作物油、農作物由来種子油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤または消泡剤であり得る。アジュバントは、効能(例えば,生物学的利用能、付着、浸透、被覆の均一性および保護の持続性)を高める、または不適合性、起泡、ドリフト、蒸発、揮発および分解に関連する噴霧施用の問題を最小限にするもしくは取り除くために用いられる。最適な性能を得るために、アジュバントは、有効成分、配合物および標的(例えば、農作物、害虫)の特性に対して選択される。
【0233】
スプレー用混合物に加えられるアジュバントの量は、一般に、約2.5容量%~0.1容量%の範囲である。スプレー用混合物に加えられるアジュバントの施用量は、通常、1ヘクタール当たり約1~5Lの間である。スプレーアジュバントの代表的な例には、次が含まれる:液状の炭化水素類中のAdigor(登録商標)(Syngenta社)47%メチル化ナタネ油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサンおよび83%パラフィン系鉱油中のAssist(登録商標)(BASF)17%界面活性剤ブレンド。
【0234】
種子の処理の一方法は、播種する前に、本発明の化合物を(すなわち、配合された組成物として)種子に噴霧するまたは散布することによるものである。種子の処理のために配合された組成物は、一般に、フィルム形成剤または接着剤を含む。したがって、通常、本発明の種子粉衣組成物は、生物学的有効量の式1の化合物およびフィルム形成剤または接着剤を含む。種子は、種子の回転床(tumbling bed)に、フロアブル懸濁剤濃縮物を、直接噴霧し、次いで、種子を乾燥することによりコーティングすることができる。あるいは、湿った粉末、液剤、サスポエマルション剤、乳濁液および乳濁剤(emulsions in water)のような他の配合物タイプは、種子に噴霧することができる。本方法は、種子にフィルムコーティングを適用するために特に有用である。様々なコーティングマシンおよび方法は、当業者に利用可能である。適当な方法には、P.Kostersら、Seed Treatment:Progress and Prospects、1994年 BCPC Mongraph No.57に示されるもの、およびそこに示される参照が含まれる。
【0235】
配合物の分野に関するさらなる情報について、T.S.Woods、「The Formulator’s Toolbox - Product Forms for Modern Agriculture」 in Pesticide Chemistry and Bioscience、The Food-Environment Challenge、T.BrooksおよびT.R.Roberts編、Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999年、pp.120~133を参照のこと。U.S.3,235,361、第6欄、16行から第7欄、19行および実施例10~41;U.S.3,309,192、第5欄、43行から第7欄、62行ならびに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167および169~182;U.S.2,891,855、第3欄、66行から第5欄、17行および実施例1~4;Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons, Inc.、New York、1961年、pp81~96;Hanceら、Weed Control Handbook、第8版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989年;およびDevelopments in formulation technology、PJB Publications、Richmond、UK、2000年をやはり参照のこと。
【0236】
次の実施例では、すべての百分率は、重量によるものであり、すべての配合物は、従来のやり方で製造される。化合物番号は、インデックス表A~B中の化合物を指している。さらなる同化作用もなく、前述の説明を用いた当業者は、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、次の実施例は、単に例示的なものとして解釈されるべきであり、これがいかなるものであっても、いかなる方法においても本開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
水溶性および水分散性配合物を、通常、水で希釈して、施用前に水性組成物を形成する。植物またはその部分への直接施用のための水性組成物(例えば、スプレータンク組成物)は、通常、本発明の化合物(複数可)を少なくとも約1ppmまたはそれ以上(例えば、1ppm~100ppm)含有する。
【0250】
種子は、普通は、種子1キログラム当たり約0.001g(より一般的には、約0.1g)~約10g(すなわち、処理前の種子約0.0001~1重量%)の率で処理される。種子の処理のために配合されたフロアブル懸濁剤は、通常、有効成分約0.5~約70%、フィルム形成性接着剤約0.5~約30%、分散化剤約0.5~約20%、増粘剤0~約5%、顔料および/または色素0~約5%、泡止め剤0~約2%、保存剤0~約1%、および揮発性液体賦形剤0~約75%を含む。
【0251】
本発明の化合物は、植物病害の防除剤として有用である。したがって、本発明は、保護される植物もしくはその部分に、または保護される植物の種子に、本発明の化合物または前記化合物を含有する殺真菌性組成物の有効量を施用する工程を含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法をさらに含む。本発明の化合物および/または組成物は、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、および真菌様卵菌クラスにおける広範囲の真菌植物病原体により引き起こされる病害の防除を提供する。これらは、広範囲の植物病害、特に、花卉、芝土、野菜、田畑、穀物および果物農作物の葉の病原体を防除するのに有効である。これらの病原体には、それだけには限らないが、表1-1に示すものが含まれる。子嚢菌類および担子菌類の場合、有性/完全世代/完全期についての名称ならびに無性/不完全世代/不完全期についての名称(括弧内)を、知られている場合示す。病原体についての同義の名称を、等号により示す。例えば、有性/完全世代/完全期名フェオスフェリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)は、それに続いて、対応する無性/不完全世代/不完全期名スタゴノスポラ・ノドラム(Stagnospora nodorum)および同義のより旧名セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)である。
【0252】
【0253】
それらの殺真菌活性の他に、組成物または組合せはまた、火傷病菌(Erwinia amylovora)、ザントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)、および他の関連種のような細菌に対する活性を有する。有害な微生物を防除することにより、本発明の化合物は、農作物植物もしくはそれらの栄養繁殖体(例えば、種子、球茎、鱗茎、塊茎、切り枝)と接触してまたは農作物植物もしくはそれらの栄養繁殖体の農学的な環境において、有害な微生物に対する有益な微生物の比を改善する(すなわち、増加させる)ために有用である。
【0254】
本発明の化合物は、すべての植物、植物部分および種子を処置するのに有用である。植物および種子の変種および品種は、従来の繁殖および育種法または遺伝子工学法により得ることができる。遺伝子改変植物または種子(遺伝子導入植物または種子)は、非相同的な遺伝子(導入遺伝子)が、植物のまたは種子のゲノムに、安定に組み込まれているものである。植物ゲノムにおけるその特定の位置により定義される導入遺伝子は、形質転換または遺伝子導入イベントと呼ばれる。
【0255】
本発明に従って処置することができる遺伝子改変植物品種は、1種もしくはそれ以上の生物ストレス(線虫、昆虫、ダニ、真菌などのような有害生物)または非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分など)に対して耐性があるもの、または他の所望の特徴を含むものが含まれる。植物は、例えば、除草剤許容量耐性、昆虫-抵抗性、変性油プロフィールまたは干ばつ耐性の形質を示す遺伝子改変であり得る。
【0256】
本発明の化合物による遺伝子改変された植物および種子の処理は、優加法的なまたは強化された効果をもたらし得る。例えば、施用量の減少、活性スペクトルの広幅化、生物/非生物的ストレスに対する耐性の増加または貯蔵安定性の強化は、遺伝子改変された植物および種子に対する、本発明の化合物の施用の単なる相加作用からの予想を上回り得る。
【0257】
本発明の化合物は、植物病害から種子を保護するための種子の処理に有用である。本開示およびクレームの文脈において、種子を処理するとは、本発明の組成物として、通常、配合される、本発明の化合物の生物学的有効量と種子を接触させることを意味する。この種子の処理は、土壌伝染病病原体から種子を保護し、一般に、出芽種子から成長する実生の土壌と接触させて、根および他の植物部分を保護することもできる。種子の処理はまた、成長する植物内で本発明の化合物または第2の有効成分のトランスロケーションにより、群葉を保護することもできる。種子の処理は、分化した形質を発現するために遺伝子的に形質転換された植物が、出芽するものを含めた、種子のすべてのタイプに適用することができる。代表的な例には、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素のような無脊椎有害生物への毒性があるタンパク質を発現するものまたはグリフォセートへの抵抗性を示すグリホセートアセチルトランスフェラーゼのような除草剤抵抗性を発現するものが含まれる。本発明の化合物による種子の処理は、種子から成長する植物の活力を高めることもできる。
【0258】
本発明の化合物およびそれらの組成物は、単独でならびに他の殺菌剤、殺線虫剤および殺虫剤と組み合わせて、それだけには限らないが、メイズまたはトウモロコシ、ダイズ、綿花、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライムギおよびイネ)、ジャガイモ、野菜およびアブラナを含めた、農作物の種子の処置において特に有用である。
【0259】
さらに、本発明の化合物は、真菌および細菌により引き起こされる果物および野菜の貯蔵病害を処置するのに有用である。これらの感染は、収穫前、収穫中および収穫後に起こり得る。例えば、感染は、収穫前に起こり、次いで、熟成中(例えば、宿主は、感染が進行することができるようなやり方で、組織の変化を始める)ある時点まで、休眠状態のままであり得る;また、感染は、機械的または昆虫による損傷により創出された表面の傷から生じ得る。この点において、本発明の化合物は、収穫から消費までの任意の期間に発生し得る貯蔵病害による損失(すなわち、量および品質に起因する損失)を減らすことができる。本発明の化合物による貯蔵病害を処置することによって、腐敗しやすい食用植物部分(例えば、果物、種子、群葉、茎、鱗茎、塊茎)が、収穫後に冷蔵でまたは冷蔵せずに保存できる期間を増加することができ、食用のままであり、真菌または他の微生物による注目すべきまたは有害な分解もしくは汚染がない。本発明の化合物による収穫前または収穫後の食用植物部分を処置することによって、真菌または他の微生物の有毒な代謝産物、例えば、アフラトキシンのようなマイコトキシンの形成を減らすこともできる。
【0260】
植物病害防除は、感染前または感染後、根、茎、群葉、果実、種子、塊茎または鱗茎のような、保護される植物の部分に、または保護される植物が成長している培地(土壌または砂)に、本発明の化合物の有効量を施用することにより、普通は達成される。本化合物はまた、種子および種子から成長している実生を保護するために、種子に施用することもできる。本化合物はまた、植物を処理するために灌漑用水によって施用することもできる。収穫前の生産物に感染する収穫後の病原体の防除は、本発明の化合物のフィールド施用により、通常、達成され、感染が収穫後に起こる場合には、本化合物は、ディップ、噴霧、燻蒸剤、処理されたラップおよびボックスライナーとして、収穫された農作物に施用することができる。
【0261】
本化合物は、作付面積に対する本明細書に開示された組成物のディスペンション(dispension)のために、無人航空機(UAV)を用いて施用することもできる。いくつかの実施形態では、作付面積は、農作物を含む面積である。いくつかの実施形態では、農作物は、単子葉植物または双子葉植物から選択される。いくつかの実施形態では、農作物は、イネ、トウモロコシ、オオムギ、ダイズ、コムギ、野菜、タバコ、ティーツリー、果樹およびサトウキビから選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された組成物は、超微量で噴霧するために配合される。ドローンにより施用される生成物は、噴霧用担体として水または油を用いてもよい。(生成物を含む)典型的な散布量は、世界的規模でドローン施用の場合に用いられる。1ヘクタール当たり5.0リットル~1ヘクタール当たり100リットル(およそ0.5~10gpa)。これには、超微量散布量(ULV)から低散布量(LV)の範囲が含まれる。一般的でないが、さらに低い散布量が、1ヘクタール当たり1.0リットル(0.1gpa)まで用いられ得る状況があり得る。
【0262】
これらの化合物についての施用量(すなわち、殺菌剤として有効な量)は、防除される植物病害、保護される植物種、周囲の水分および温度のような、因子により影響を及ぼされることがあり、実際の使用条件下で決定すべきである。当業者は、植物病害防除の所望のレベルのために必要な殺菌剤として有効な量を、単純な実験によって容易に決定することができる。群葉は、有効成分1ヘクタール当たり約1g未満~1ヘクタール当たり約5,000gの率で処理される場合、普通は保護することができる。種子が、種子1キログラム当たり約0.001g(より一般的には、約0.1g)~約10gの率で処置される場合、種子および実生は、普通は、保護することができる。
【0263】
本発明の化合物は、さらに一層広範囲の農業保護を与える多成分性農薬を形成するために、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤薬害軽減剤、昆虫脱皮阻害剤および発根刺激剤のような成長調節剤、化学不妊剤、情報物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、植物養分、他の生物活性化合物または昆虫病原性細菌、ウイルスもしくは真菌を含めた、1種もしくはそれ以上の他の生物活性化合物または薬剤と混合することもできる。したがって、本発明はまた、(殺菌剤として有効な量で)式1の化合物および(生物学的有効量で)少なくとも1種の追加の生物活性化合物または薬剤を含む、組成物に関係し、界面活性剤、固体賦形剤または液体賦形剤のうちの少なくとも1種をさらに含むことができる。他の生物活性化合物または薬剤は、界面活性剤、固体もしくは液体賦形剤のうちの少なくとも1種を含む、組成物に配合することができる。本発明の混合物の場合、1種もしくはそれ以上の他の生物活性化合物または薬剤は、式1の化合物と一緒に配合して、予混合物を形成することができる、または1種もしくはそれ以上の他の生物活性化合物または薬剤は、式1の化合物から別々に配合することができ、配合物は、(例えば、スプレータンク中で)施用前に一緒に合わせる、あるいは、連続して施用される。
【0264】
発明の概要において挙げられた通り、本発明の一態様は、式1の化合物、N-オキシド、またはその塩(すなわち、構成成分a)、および少なくとも1種の他の殺菌剤(すなわち、構成成分b)(すなわち、その混合物または組合せ)を含む、殺真菌性組成物である。注目すべきは、他の殺真菌性有効成分が、式1の化合物と異なる作用点を有する場合、そのような組合せである。ある特定の場合では、防除の類似のスペクトルを有するが、異なる作用点を有する少なくとも1種の他の殺真菌性有効成分との組合せは、抵抗性の管理について、特に有利である。したがって、本発明の組成物は、防除の類似のスペクトルを有するが、異なる作用点を有する、少なくとも1種の追加の殺真菌性有効成分の殺菌剤として有効な量を、さらに含むことができる。
【0265】
注目すべきは、構成成分(a)の式1の化合物に加えて、構成成分(b)として、FRAC-によって定義された作用機序(MOA)クラス(A)核酸合成、(B)有糸分裂および細胞分裂、(C)呼吸、(D)アミノ酸およびタンパク質合成、(E)シグナル伝達、(F)脂質合成および膜統合性、(G)膜中のステロール生合成、(H)膜中の細胞壁生合成、(I)細胞壁中のメラニン合成、(P)宿主植物防衛誘導、多部位の接触活性および未知の作用機序からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、組成物である。
【0266】
上記MOAクラスに属するそれらのFRAC標的部位コードと共に、FRAC-によって認められるまたは提案される標的作用点は、(A1)RNAポリメラーゼI、(A2)アデノシンデアミナーゼ、(A3)DNA/RNA合成(提案される)、(A4)DNAトポイソメラーゼ、(B1~B3)有糸分裂中のβ-チューブリン集合体、(B4)細胞分裂(提案される)、(B5)スペクトリン-様タンパク質の非局在化、(C1)複合体I NADH酸化還元酵素、(C2)複合体II:コハク酸デヒドロゲナーゼ、(C3)複合体III:Qo部位におけるチトクロムbc1(ユビキノールオキシダーゼ)、(C4)複合体III:Qi部位におけるチトクロムbc1(ユビキノン還元酵素)、(C5)酸化的リン酸化の脱共役剤、(C6)酸化的リン酸化の阻害剤、ATP合成酵素、(C7)ATP産生(提案される)、(C8)複合体III:Qx(未知の)部位におけるチトクロムbc1(ユビキノン還元酵素)、(D1)メチオニン生合成(提案される)、(D2~D5)タンパク質合成、(E1)シグナル伝達(未知の機序)、(E2~E3)浸透圧シグナル伝達におけるMAP/ヒスチジンキナーゼ、(F2)リン脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ、(F3)脂質過酸化反応(提案される)、(F4)細胞膜の透過性、脂肪酸(提案される)、(F6)病原体細胞膜の微生物撹乱物質(microbial disrupter)、(F7)細胞膜破壊(提案される)、(G1)ステロール生合成中のC14-デメチラーゼ、(G2)ステロール生合成中のΔ14-還元酵素およびΔ8→Δ7-イソメラーゼ、(G3)3-ケト還元酵素、C4-脱メチル化、(G4)ステロール生合成中のスクワレンエポキシダーゼ、(H3)トレハラーゼおよびイノシトール生合成、(H4)キチン合成酵素、(H5)セルロース合成酵素、(I1)メラニン生合成中の還元酵素および(I2)メラニン生合成中のデヒドラターゼである。
【0267】
特に注目すべきは、構成成分(a)の式1化合物に加えて、構成成分(b)として、クラス(b1)メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌剤;(b2)ジカルボキシイミド殺菌剤;(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺菌剤;(b4)フェニルアミド殺菌剤;(b5)アミン/モルホリン殺菌剤;(b6)リン脂質生合成阻害剤殺菌剤;(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺菌剤;(b8)ヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺菌剤;(b9)アニリノピリミジン殺菌剤;(b10)N-カルバミン酸フェニル殺菌剤;(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺菌剤;(b12)フェニルピロール殺菌剤;(b13)アザナフタレン殺菌剤;(b14)脂質過酸化反応阻害剤殺菌剤;(b15)メラニン生合成阻害剤-還元酵素(MBI-R)殺菌剤;(b16)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺菌剤;(b17)ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIII殺菌剤;(b18)スクワレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤;(b19)ポリオキシン殺菌剤;(b20)フェニル尿素殺菌剤;(b21)キノン内部阻害剤(QiI)殺菌剤;(b22)ベンゾアミドおよびチアゾールカルボキサミド殺菌剤;(b23)エノピランウロン酸(enopyranuronic acid)抗生物質殺菌剤;(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺菌剤;(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌剤;(b26)グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌剤;(b27)シアノアセトアミドオキシム殺菌剤;(b28)カルバメート殺菌剤;(b29)酸化的リン酸化脱共役殺菌剤;(b30)有機スズ殺菌剤;(b31)カルボン酸殺菌剤;(b32)複素芳香族殺菌剤;(b33)ホスホン酸塩殺菌剤;(b34)フタラミン酸殺菌剤;(b35)ベンゾトリアジン殺菌剤;(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺菌剤;(b37)ピリダジノン殺菌剤;(b38)チオフェン-カルボキサミド殺菌剤;(b39)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤殺菌剤;(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺菌剤;(b41)テトラサイクリン抗生物質殺菌剤;(b42)チオカルバメート殺菌剤;(b43)ベンゾアミド殺菌剤;(b44)微生物殺菌剤;(b45)QxI殺菌剤;(b46)植物エキス殺菌剤;(b47)宿主植物防衛誘導殺菌剤;(b48)多部位の接触活性殺菌剤;(b49)クラス(b1)から(b48)までの殺菌剤以外の殺菌剤;およびクラス(b1)から(b48)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、組成物である。
【0268】
殺真菌性化合物のこれらのクラスのさらなる説明を、以下に示す。
【0269】
(b1)「メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌剤」(FRACコード1)は、微小管集合中にβ-チューブリンに結合することにより有糸分裂を阻害する。微小管集合を阻害することによって、細胞分裂を妨害し、細胞および細胞構造内に運搬することができる。メチルベンゾイミダゾールカルバメート殺菌剤には、ベンゾイミダゾールおよびチオファネート殺菌剤が含まれる。ベンゾイミダゾールは、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾールおよびチアベンダゾールが含まれる。チオファネートには、チオファネートおよびチオファネート-メチルが含まれる。
【0270】
(b2)「ジカルボキシイミド殺菌剤」(FRACコード2)は、浸透圧シグナル伝達においてMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する。例としては、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが含まれる。
【0271】
(b3)「脱メチル化阻害剤(DMI)殺菌剤」(FRACコード3)(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスI)は、ステロール産生においてある役割を果たすC14-デメチラーゼを阻害する。エルゴステロールのようなステロールは、これらが機能的な細胞壁の成長にとって不可欠になる膜構造および機能に必要である。したがって、これらの殺菌剤への曝露によって、異常な成長をもたらし、感受性真菌を最終的に死亡させる。DMI殺菌剤は、いくつかの化学クラス:(トリアゾールおよびイミダゾールを含めた)アゾール、ピリミジン、ピペラジン、ピリジンおよびトリアゾリンチオンの間で分かれる。トリアゾールには、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール(quinconazole)、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、およびrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールが含まれる。イミダゾールには、エコナゾール、イマザリル、オキスポコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエートおよびトリフルミゾールが含まれる。ピリミジンには、フェナリモル、ヌアリモルおよびトリアリモルが含まれる。ピペラジンには、トリホリンが含まれる。ピリジンには、ブチオベート、ピリフェノックス、ピリソキサゾール(3-[(3R)-5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチル3-イソオキサゾリジニル]ピリジン、3R,5R-および3R,5S-異性体の混合物)ならびに(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノールが含まれる。トリアゾリンチオンには、プロチオコナゾールおよび2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオンが含まれる。生化学的調査では、上記に挙げた殺菌剤のすべては、K.H.Kuckら.in Modern Selective Fungicides - Properties、Applications and Mechanisms of Action、H.Lyr(編)、Gustav Fischer Verlag:New York、1995年、205~258頁により記載されるDMI殺菌剤であることが示されている。
【0272】
(b4)「フェニルアミド殺菌剤」(FRACコード4)は、卵菌真菌におけるRNAポリメラーゼの特異的な阻害剤である。これらの殺菌剤に曝露される感受性真菌には、ウリジンをrRNAに取り込む能力の低下を示す。感受性真菌の増殖および成長は、殺菌剤のこのクラスへの曝露により防止される。フェニルアミド殺菌剤には、アシルアラニン、オキサゾリジノンおよびブチロラクトン殺菌剤が含まれる。アシルアラニンには、ベナラキシル、ベナラキシル-M(キララキシルとしても知られている)、フララキシル、メタラキシルおよびメタラキシル-M(メフェノキサムとしても知られている)が含まれる。オキサゾリジノンには、オキサジキシルが含まれる。ブチロラクトンには、オフレイス(ofurace)が含まれる。
【0273】
(b5)「アミン/モルホリン殺菌剤」(FRACコード5)(SBI:クラスII)は、ステロール生合成経路、Δ8→Δ7イソメラーゼおよびΔ14還元酵素内の2つの標的部位を阻害する。エルゴステロールのようなステロールは、これらが機能的な細胞壁の成長にとって不可欠になる膜構造および機能に必要である。したがって、これらの殺菌剤への曝露によって、異常な成長をもたらし、感受性真菌を最終的に死亡させる。アミン/モルホリン殺菌剤(非-DMIステロール生合成阻害剤としても知られている)には、モルホリン、ピペリジンおよびスピロケタール-アミン殺菌剤が含まれる。モルホリンには、アルディモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが含まれる。ピペリジンには、フェンプロピジンおよびピペラリンが含まれる。スピロケタール-アミンには、スピロキサミンが含まれる。
【0274】
(b6)「リン脂質生合成阻害剤殺菌剤」(FRACコード6)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の増殖を抑制する。リン脂質生合成殺菌剤には、ホスホロチオレートおよびジチオラン殺菌剤が含まれる。ホスホロチオレートには、エディフェンホス、イプロベンホスおよびピラゾホスが含まれる。ジチオランには、イソプロチオランが含まれる。
【0275】
(b7)「コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺菌剤」(FRACコード7)は、コハク酸デヒドロゲナーゼと名付けられたクレブス回路(TCA回路)において最重要な酵素を妨害することにより、複合体II真菌の呼吸を抑制する。呼吸を抑制することにより、真菌が、ATPを産生するのを防ぎ、したがって、増殖および繁殖を抑制する。SDHI殺菌剤には、フェニルベンゾアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、ピリジンカルボキサミド、フェニルオキソエチルチオフェンアミドおよびピリジニルエチルベンゾアミドが含まれる。ベンゾアミドには、ベノダニル、フルトラニルおよびメプロニルが含まれる。フランカルボキサミドには、フェンフラムが含まれる。オキサチインカルボキサミドには、カルボキシンおよびオキシカルボキシンが含まれる。チアゾールカルボキサミドには、チフルザミドが含まれる。ピラゾール-4-カルボキサミドには、ベンゾビンジフルピル(N-[9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド(3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(3’,4’,5’-トリフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、フラメトピル、イソピラザム(3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ペンフルフェン(N-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ペンチオピラド、ピジフルメトフェン、セダキサン(N-[2-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドおよびN-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[[2-(1-メチルエチル)フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが含まれる。ピリジンカルボキサミドには、ボスカリドが含まれる。フェニルオキソエチルチオフェンアミドには、イソフェタミド(N-[1,1-ジメチル-2-[2-メチル-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-2-オキソエチル]-3-メチル-2-チオフェンカルボキサミド)が含まれる。ピリジニルエチルベンゾアミドには、フルオピラムが含まれる。
【0276】
(b8)「ヒドロキシ-(2-アミノ-)ピリミジン殺菌剤」(FRACコード8)は、アデノシンデアミナーゼで干渉することにより核酸合成を阻害する。例には、ブピリメート、ジメチリモールおよびエチリモールが含まれる。
【0277】
(b9)「アニリノピリミジン殺菌剤」(FRACコード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害するおよび感染中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌を妨害することを提案する。例には、シプロジニル、メパニピリムおよびピリメタニルが含まれる。
【0278】
(b10)「N-カルバミン酸フェニル殺菌剤」(FRACコード10)は、β-チューブリンに結合するおよび微小管集合を分裂させることにより、有糸分裂を阻害する。微小管集合を阻害することによって、細胞分裂を妨害し、細胞および細胞構造内に運搬することができる。例には、ジエトフェンカルブが含まれる。
【0279】
(b11)「キノン外部阻害剤(QoI)殺菌剤」(FRACコード11)は、ユビキノールオキシダーゼに作用することにより、真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を抑制する。ユビキノールの酸化は、真菌の内部ミトコンドリア膜に配置される、チトクロムbc1複合体の「キノン外部」(Qo)部位で遮断される。ミトコンドリア呼吸を抑制することにより、正常な真菌の増殖および成長を防ぐ。キノン外部阻害剤殺菌剤には、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、オキシミノアセテート(oximinoacetate)、オキシミノアセトアミドおよびジヒドロジオキサジン(dihydrodioxazine)殺菌剤(集合的に、ストロビルリン殺菌剤としても知られている)、およびオキサゾリジンジオン、イミダゾリノンおよびベンジルカルバメート殺菌剤が含まれる。メトキシアクリレートには、アゾキシストロビン、クモキシストロビン(coumoxystrobin)(メチル(αE)-2-[[(3-ブチル-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-7-イル)オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、エノキサストロビン(メチル(αE)-2-[[[(E)-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)(エネストロブリンとしても知られている)、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピコキシストロビン、およびピラオキシストロビン(メチル(αE)-2-[[[3-(4-クロロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾル-5-イル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)が含まれる。メトキシカルバメートには、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)(メチルN-[2-[[(1,4-ジメチル-3-フェニル-1H-ピラゾル-5-イル)オキシ]メチル]フェニル]-N-メトキシカルバメート)およびトリクロピリカルブ(triclopyricarb)(メチルN-メトキシ-N-[2-[[(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジニル)オキシ]メチル]フェニル]カルバメート)が含まれる。オキシミノアセテートには、クレソキシム-メチルおよびトリフロキシストロビンが含まれる。オキシミノアセトアミドには、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン((αE)-2-[[[(E)-[(2E)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシイミノ)-N-メチルベンゼンアセトアミド)、メトミノストロビン、オリサストロビンおよびα-[メトキシイミノ]-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミドが含まれる。ジヒドロジオキサジンには、フルオキサストロビンが含まれる。オキサゾリジンジオンには、ファモキサドンが含まれる。イミダゾリノンには、フェンアミドンが含まれる。ベンジルカルバメートには、ピリベンカルブが含まれる。クラス(b11)はまた、マンデストロビン(2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]-α-メトキシ-N-ベンゼンアセトアミド)が含まれる。
【0280】
(b12)「フェニルピロール殺菌剤」(FRACコード12)は、真菌において浸透圧シグナル伝達に関連するMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する。フェンピクロニルおよびフルジオキソニルは、この殺菌剤クラスの例である。
【0281】
(b13)「アザナフタレン殺菌剤」(FRACコード13)は、まだ知られていない機構によりシグナル伝達を阻害することが提案される。それらは、ウドンコ病を引き起こす真菌における発芽および/または付着器形成に干渉することが示されている。アザナフタレン殺菌剤には、アリールオキシキノリンおよびキナゾリノンが含まれる。アリールオキシキノリンには、キノキシフェンが含まれる。キナゾリノンには、プロキナジドが含まれる。
【0282】
(b14)「脂質過酸化反応阻害剤殺菌剤」(FRACコード14)は、真菌において膜合成に作用する脂質過酸化反応を阻害することが提案される。エトリジアゾールのような、このクラスのメンバーはまた、呼吸およびメラニン生合成のような、他の生物学的過程に作用し得る。脂質過酸化反応殺菌剤には、芳香族炭化水素および1,2,4-チアジアゾール殺菌剤が含まれる。芳香族炭化水素殺菌剤には、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼンおよびトルクロホス-メチルが含まれる。1,2,4-チアジアゾールには、エトリジアゾールが含まれる。
【0283】
(b15)「メラニン生合成阻害剤-還元酵素(MBI-R)殺菌剤」(FRACコード16.1)は、メラニン生合成においてナフタル還元工程を阻害する。メラニンは、いくつかの真菌により宿主植物感染症に必要である。メラニン生合成阻害剤-還元酵素殺菌剤には、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノンおよびトリアゾロベンゾチアゾール殺菌剤が含まれる。イソベンゾフラノンには、フサライド化物が含まれる。ピロロキノリノンには、ピロキロンが含まれる。トリアゾロベンゾチアゾールには、トリシクラゾールが含まれる。
【0284】
(b16)「メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺菌剤」(FRACコード16.2)は、メラニン生合成においてシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、いくつかの真菌により宿主植物感染症に必要である。メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺菌剤には、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミドおよびプロピオンアミド殺菌剤が含まれる。シクロプロパンカルボキサミドには、カルプロパミドが含まれる。カルボキサミドには、ジクロシメットが含まれる。プロピオンアミドには、フェノキサニルが含まれる。
【0285】
(b17)「ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIII殺菌剤(FRACコード17)は、ステロール産生におけるC4-脱メチル化中に3-ケト還元酵素を阻害する。SBI:クラスIII阻害剤には、ヒドロキシアニリド殺菌剤およびアミノ-ピラゾリノン殺菌剤が含まれる。ヒドロキシアニリドには、フェンヘキサミドが含まれる。アミノ-ピラゾリノンには、フェンピラザミン(S-2-プロペン-1-イル5-アミノ-2,3-ジヒドロ-2-(1-メチルエチル)-4-(2-メチルフェニル)-3-オキソ-1H-ピラゾール-1-カルボチオエート)が含まれる。
【0286】
(b18)「スクワレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤」(FRACコード18)(SBI:クラスIV)は、ステロール生合成経路においてスクワレン-エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールのようなステロールは、これらが機能的な細胞壁の成長にとって不可欠になる膜構造および機能に必要である。したがって、これらの殺菌剤への曝露によって、異常な成長をもたらし、感受性真菌を最終的に死亡させる。スクワレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤には、チオカルバメートおよびアリルアミン殺菌剤が含まれる。チオカルバメートには、ピリブチカルブが含まれる。アリルアミンには、ナフチフィンおよびテルビナフィンが含まれる。
【0287】
(b19)「ポリオキシン殺菌剤」(FRACコード19)は、キチン合成酵素を抑制する。例には、ポリオキシンが含まれる。
【0288】
(b20)「フェニル尿素殺菌剤」(FRACコード20)は、細胞分裂に作用することが提案される。例には、ペンシクロンが含まれる。
【0289】
(b21)「キノン内部阻害剤(QiI)殺菌剤」(FRACコード21)は、ユビキノン還元酵素に作用することにより、真菌において複合体IIIミトコンドリア呼吸を抑制する。ユビキノンの還元は、真菌の内部ミトコンドリア膜に配置される、チトクロムbc1複合体の「キノン内部」(Qi)部位で遮断される。ミトコンドリア呼吸を抑制することにより、正常な真菌の増殖および成長を防ぐ。キノン内部阻害剤殺菌剤には、シアノイミダゾールおよびスルファモイルトリアゾール殺菌剤が含まれる。シアノイミダゾールには、シアゾフアミドが含まれる。スルファモイルトリアゾールには、アミスルブロムが含まれる。
【0290】
(b22)「ベンゾアミドおよびチアゾールカルボキサミド殺菌剤」(FRACコード22)は、β-チューブリンに結合するおよび微小管集合を分裂させることにより、有糸分裂を阻害する。微小管集合を阻害することによって、細胞分裂を妨害し、細胞および細胞構造内に運搬することができる。ベンゾアミドには、ゾキサミドが含まれる。チアゾールカルボキサミドには、エタボキサムが含まれる。
【0291】
(b23)「エノピランウロン酸抗生物質殺菌剤」(FRACコード23)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の増殖を抑制する。例には、ブラストサイジン-Sが含まれる。
【0292】
(b24)「ヘキソピラノシル抗生物質殺菌剤」(FRACコード24)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の増殖を抑制する。例には、カスガマイシンが含まれる。
【0293】
(b25)「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌剤」(FRACコード25)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の増殖を抑制する。例には、ストレプトマイシンが含まれる。
【0294】
(b26)「グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌剤」(FRACコード26)は、トレハラーゼおよびイノシトール生合成を阻害する。例には、バリダマイシンが含まれる。
【0295】
(b27)「シアノアセトアミドオキシム殺菌剤(FRACコード27)には、シモキサニルが含まれる。
【0296】
(b28)「カルバメート殺菌剤」(FRACコード28)は、真菌の増殖の多部位阻害剤と考えられる。これらは、細胞膜における脂肪酸の合成に干渉し、次いで、細胞膜の透過性を妨げることが提案される。プロパマカルブ(Propamacarb)、ヨードカルブ、およびプロチオカルブは、この殺菌剤クラスの例である。
【0297】
(b29)「酸化的リン酸化脱共役殺菌剤」(FRACコード29)は、脱共役酸化的リン酸化による真菌の呼吸を抑制する。呼吸を抑制することにより、正常な真菌の増殖および成長を防止する。このクラスには、フルアジナムのような2,6-ジニトロアニリン、ならびにジノカップ、メプチルジノカップおよびビナパクリルのようなジニトロフェニルクロトネートが含まれる。
【0298】
(b30)「有機スズ殺菌剤」(FRACコード30)は、酸化的リン酸化経路においてアデノシン三リン酸(ATP)合成酵素を阻害する。例には、酢酸トリフェニルスズ(fentin acetate)、塩化トリフェニルスズ(fentin chloride)および水酸化トリフェニルスズ(fentin hydroxide)が含まれる。
【0299】
(b31)「カルボン酸殺菌剤」(FRACコード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)II型トポイソメラーゼ(ギラーゼ)に作用することにより真菌の増殖を抑制する。例には、オキソリン酸が含まれる。
【0300】
(b32)「複素芳香族殺菌剤」(殺菌剤耐性菌対策委員会(FRAC:Fungicide Resistance Action Committee)コード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に作用することが提案される。複素芳香族殺菌剤には、イソオキサゾールおよびイソチアゾロンが含まれる。イソオキサゾールには、ヒメキサゾールが含まれ、イソチアゾロンには、オクチリノンが含まれる。
【0301】
(b33)「ホスホン酸塩殺菌剤」(FRACコード33)には、亜リン酸およびホセチル-アルミニウムを含めた、その様々な塩が含まれる。
【0302】
(b34)「フタラミン酸殺菌剤」(FRACコード34)には、テクロフタラム(teclofthalam)が含まれる。
【0303】
(b35)「ベンゾトリアジン殺菌剤」(FRACコード35)には、トリアゾキシドが含まれる。
【0304】
(b36)「ベンゼン-スルホンアミド殺菌剤」(FRACコード36)には、フルスルファミドが含まれる。
【0305】
(b37)「ピリダジノン殺菌剤」(FRACコード37)には、ジクロメジンが含まれる。
【0306】
(b38)「チオフェン-カルボキサミド殺菌剤」(FRACコード38)は、ATP産生に作用することが提案される。例には、シルチオファムが含まれる。
【0307】
(b39)「複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤殺菌剤」(FRACコード39)は、ミトコンドリアにおける電子伝達を阻害し、ジフルメトリムのようなピリミジンアミンおよびトルフェンピラドのようなピラゾール-5-カルボキサミドが含まれる。
【0308】
(b40)「カルボン酸アミド(CAA)殺菌剤」(FRACコード40)は、セルロース合成酵素を阻害し、これは、増殖を防止し、標的真菌の死をもたらす。カルボン酸アミド殺菌剤には、ケイ皮酸アミド、バリンアミドおよび他のカルバメート、ならびにマンデル酸アミド殺菌剤が含まれる。ケイ皮酸アミドには、ジメトモルフ、フルモルフおよびピリモルフ(3-(2-クロロ-4-ピリジニル)-3-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-1-(4-モルホリニル)-2-プロペン-1-オン)が含まれる。バリンアミドおよび他のカルバメートには、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ(2,2,2-トリフルオロエチルN-[(1S)-2-メチル-1-[[(4-メチルベンゾイル)アミノ]メチル]プロピル]カルバメート)およびバリフェナレート(メチルN-[(1-メチルエトキシ)カルボニル]-L-バリル-3-(4-クロロフェニル)-β-アラニネート)(バリフェナール(valiphenal)としても知られている)が含まれる。マンデル酸アミドには、マンジプロパミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドおよびN-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが含まれる。
【0309】
(b41)「テトラサイクリン抗生物質殺菌剤」(FRACコード41)は、タンパク質合成に作用することにより真菌の増殖を抑制する。例には、オキシテトラサイクリンが含まれる。
【0310】
(b42)「チオカルバメート殺菌剤」(FRACコード42)には、メタスルホカルブが含まれる。
【0311】
(b43)「ベンゾアミド殺菌剤」(FRACコード43)は、スペクトリン-様タンパク質の非局在化により真菌の増殖を抑制する。例には、フルオピコリド(現在FRACコード7、ピリジニルエチルベンゾアミド)のようなピリジニルメチルベンゾアミド殺菌剤が含まれる。
【0312】
(b44)「微生物殺菌剤」(FRACコード44)は、真菌病原体細胞膜を妨害する。微生物殺菌剤には、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)菌株QST 713、FZB24、MB1600、D747のようなバチルス種およびそれらが産生する殺真菌性リポペプチドが含まれる。
【0313】
(b45)「QxI殺菌剤」(FRACコード45)は、チトクロムbc1複合体の未知の(Qx)部位で、ユビキノン還元酵素に作用することにより、真菌において複合体IIIミトコンドリア呼吸を抑制する。ミトコンドリア呼吸を抑制することにより、正常な真菌の増殖および成長を防ぐ。QxI殺菌剤には、アメトクトラジン(5-エチル-6-オクチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン)のような、トリアゾロピリミジルアミンが含まれる。
【0314】
(b46)「植物エキス殺菌剤」は、細胞膜破壊により作用することが提案される。植物エキス殺菌剤には、メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)(ティーツリー)から得られた抽出物のような、テルペン系炭化水素およびテルペンアルコールが含まれる。
【0315】
(b47)「宿主植物防衛誘導殺菌剤」(FRACコードP)は、宿主植物防御機構を誘導する。宿主植物防衛誘導殺菌剤には、ベンゾチアジアゾール、ベンゾイソチアゾールおよびチアジアゾール-カルボキサミド殺菌剤が含まれる。ベンゾチアジアゾールには、アシベンゾラル-S-メチルが含まれる。ベンゾイソチアゾールには、プロベナゾールが含まれる。チアジアゾール-カルボキサミドには、チアジニルおよびイソチアニルが含まれる。
【0316】
(b48)「多部位の接触殺菌剤」は、複数の作用点によって真菌の増殖を抑制し、接触/予防的活性を有する。殺菌剤のこのクラスには、以下が含まれる:(b48.1)「銅殺菌剤」(FRACコードM1)」、(b48.2)「硫黄殺菌剤」(FRACコードM2)、(b48.3)「ジチオカルバメート殺菌剤」(FRACコードM3)、(b48.4)「フタルイミド殺菌剤」(FRACコードM4)、(b48.5)「クロロニトリル殺菌剤」(FRACコードM5)、(b48.6)「スルファミド殺菌剤」(FRACコードM6)、(b48.7)多部位の接触「グアニジン殺菌剤」(FRACコードM7)、(b48.8)「トリアジン殺菌剤」(FRACコードM8)、(b48.9)「キノン殺菌剤」(FRACコードM9)、(b48.10)「キノキサリン殺菌剤」(FRACコードM10)および(b48.11)「マレイミド殺菌剤」(FRACコードM11)。「銅殺菌剤」は、通常、銅(II)酸化状態で、銅を含有する、無機化合物であり;例には、ボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)のような組成物を含めた、オキシ塩化銅、硫酸銅および水酸化銅が含まれる。「硫黄殺菌剤」は、硫黄原子の環または鎖を含有する無機化学薬品であり;例には、元素硫黄が含まれる。「ジチオカルバメート殺菌剤」は、ジチオカルバメート分子部分を含有し;例には、マンコゼブ、メチラム、プロピネブ、フェルバム、マンネブ、チラム、ジネブおよびジラムが含まれる。「フタルイミド殺菌剤」は、フタルイミド分子部分を含有し;例には、ホルペット、キャプタンおよびカプタホールが含まれる。「クロロニトリル殺菌剤」は、クロロおよびシアノで置換される芳香環を含有し;例には、クロロタロニルが含まれる。「スルファミド殺菌剤」には、ジクロフルアニドおよびトリルフルアニドが含まれる。多部位の接触「グアニジン殺菌剤」には、グアザチン、イミノクタジンアルベシル酸塩およびイミノクタジン三酢酸塩が含まれる。「トリアジン殺菌剤」には、アニラジンが含まれる。「キノン殺菌剤」には、ジチアノンが含まれる。「キノキサリン殺菌剤」には、キノメチオネート(quinomethionate)(キノメチオネート(chinomethionate)としても知られている)が含まれる。「マレイミド殺菌剤」には、フルオルイミドが含まれる。
【0317】
(b49)「クラス(b1)から(b48)までの殺菌剤以外の殺菌剤」には、作用機序が、未知であり得るある特定の殺菌剤が含まれる。これらには、以下が含まれる:(b49.1)、「フェニル-アセトアミド殺菌剤」(FRACコードU6)、(b49.2)「アリール-フェニル-ケトン殺菌剤」(FRACコードU8)、(b49.3)「グアニジン殺菌剤」(FRACコードU12)、(b49.4)「チアゾリジン殺菌剤」(FRACコードU13)、(b49.5)「ピリミジノン-ヒドラゾン殺菌剤」(FRACコードU14)および(b49.6)PCT特許公開WO2013/009971に記載される通り、オキシステロール-結合タンパク質に結合する化合物。フェニル-アセトアミドには、シフルフェナミドおよびN-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]-メチレン]ベンゼンアセトアミドが含まれる。アリール-フェニルケトンには、メトラフェノンのようなベンゾフェノン、およびピリオフェノン(5-クロロ-2-メトキシ-4-メチル-3-ピリジニル)(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルフェニル)メタノン)のようなベンゾイルピリジンが含まれる。クアニジン(quanidine)には、ドジン(dodine)が含まれる。チアゾリジンには、フルチアニル((2Z)-2-[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]-2-[3-(2-メトキシフェニル)-2-チアゾリジニリデン]アセトニトリル)が含まれる。ピリミジノンヒドラゾンには、フェリムゾンが含まれる。(b49.6)クラスには、オキサチアピプロリン(1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]エタノン)およびそのR-鏡像異性体が含まれ、R-鏡像異性体は、1-[4-[4-[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]エタノン(登録番号1003319-79-6)である。(b49)クラスはまた、ベトキサジン、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカルボネート)、フルオルイミド、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸鉄)、ピカルブトラゾクス(1,1-ジメチルエチルN-[6-[[[[((Z)1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート)、ピロールニトリン、キノメチオネート、テブフロキン(6-(1,1-ジメチルエチル)-8-フルオロ-2,3-ジメチル-4-キノリニルアセテート)、トルニファニド(N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、3-ブチン-1-イル、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、(N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミンおよび4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、ペンチルN-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、ペンチルN-[4-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-チアゾリル]カルバメートおよびペンチルN-[6-[[[[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメートが含まれる。(b46)クラスは、上記に記載した特定のクラスのもの(例えば、(b1)、(b10)および(b22))の他に、有糸分裂-および細胞分裂-阻害殺菌剤がさらに含まれる。
【0318】
作用機序が、未知であり得る、またはまだ分類することができない、追加の「クラス(1)から(46)の殺菌剤以外の殺菌剤」には、以下に示す通り、構成成分(b49.7)から(b49.12)までから選択される、殺真菌性化合物が含まれる。
【0319】
構成成分(b49.7)は、式b49.7
【化15】
[式中、R
b1は、
【化16】
である]の化合物に関する。
【0320】
式b49.7の化合物の例には、(b49.7a)(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボキシレート(登録番号1299409-40-7)および(b49.7b)(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニル2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボキシレート(登録番号1299409-42-9)が含まれる。式b46.2の化合物を製造するための方法は、PCT特許公開WO2009/132785およびWO2011/051243に記載されている。
【0321】
構成成分(b49.8)は、式b49.8
【化17】
[式中、R
b2は、CH
3、CF
3またはCHF
2であり;R
b3は、CH
3、CF
3またはCHF
2であり;R
b4は、ハロゲンまたはシアノであり;nは、0、1、2または3である]の化合物に関する。
【0322】
式b49.8の化合物の例には、(b49.8a)1-[4-[4-[5-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル(piperdinyl)]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]エタノンが含まれる。式b49.8の化合物を製造するための方法は、PCT特許出願公開PCT/US11/64324に記載されている。
【0323】
構成成分(b4799)は、式b49.9
【化18】
[式中、R
b5は、-CH
2OC(O)CH(CH
3)
2、-C(O)CH
3、-CH
2OC(O)CH
3、-C(O)OCH
2CH(CH
3)
2または
【化19】
である]の化合物に関する。
【0324】
式b49.9の化合物の例には、(b49.9a)[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル2-メチルプロパノエート(登録番号517875-34-2)、(b49.9b)(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(登録番号234112-93-7)、(b49.9c)(3S,6S,7R,8R)-3[[[3[(アセチルオキシ)メトキシ]-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(登録番号517875-31-9)、(b49.9d)(3S,6S,7R,8R)-3-[[[4-メトキシ-3-[[(2-メチルプロポキシ)カルボニル]オキシ]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(登録番号328256-72-0)、および(b49.9e)N-[[3-(1,3-ベンゾジオキソル-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-O-[2,5-ジデオキシ-3-O-(2-メチル-1-オキソプロピル)-2-(フェニルメチル)L-アラビノノイル]-L-セリン、(1→4’)-ラクトン(登録番号1285706-70-8)が含まれる。式b49.9の化合物を製造するための方法は、PCT特許公開WO99/40081、WO2001/014339、WO2003/035617およびWO2011044213に記載されている。
【0325】
構成成分(b49.10)は、式b49.10
【化20】
[式中、R
b6は、HまたはFであり、R
b7は、-CF
2CHFCF
3または-CF
2CF
2Hである]の化合物に関する。式b49.10の化合物の例は、(b49.10a)3-(ジフルオロメチル)-N-[4-フルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(登録番号1172611-40-3)および(b49.10b)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール4-カルボキサミド(登録番号923953-98-4)である。式49.10の化合物は、PCT特許公開WO2007/017450に記載されている方法により製造することができる。
【0326】
構成成分b49.11は、式b49.11
【化21】
[式中、
R
b8は、ハロゲン、C
1~C
4アルコキシまたはC
2~C
4アルキニルであり;
R
b9は、H、ハロゲンまたはC
1~C
4アルキルであり;
R
b10は、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12ハロアルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
2~C
12アルコキシアルキル、C
2~C
12アルケニル、C
2~C
12アルキニル、C
4~C
12アルコキシアルケニル、C
4~C
12アルコキシアルキニル、C
1~C
12アルキルチオまたはC
2~C
12アルキルチオアルキルであり;
R
b11は、メチルまたは-Y
b13-R
b12であり;
R
b12は、C
1~C
2アルキルであり;
Y
b13は、CH
2、OまたはSである]の化合物に関する。
【0327】
式b49.11の化合物の例には、(b49.11a)2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11b)2[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-N-[1-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-2-プロピン-1-イル]-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11c)N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11d)2-[(3-ブロモ-8-メチル-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-プロピン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミドおよび(b49.11e)2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチルエチル)ブタンアミドが含まれる。式b49.11の化合物、殺菌剤としてのそれらの使用および製造の方法は、一般に知られており;例えば、PCT特許公開WO2004/047538、WO2004/108663、WO2006/058699、WO2006/058700、WO2008/110355、WO2009/030469、WO2009/049716およびWO2009/087098を参照のこと。
【0328】
構成成分49.12は、N’-[4-[[3-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,2,4-チアジアゾル-5-イル]オキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミドに関し、これは、ステロールの生合成に関与するC24-メチルトランスフェラーゼを阻害すると考えられる。
【0329】
したがって、注目すべきは、式1の化合物および上記クラス(1)から(49)からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、混合物(すなわち、組成物)である。やはり注目すべきは、(殺菌剤として有効な量で)前記混合物を含み、界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分をさらに含む、組成物である。特に注目すべきは、式1の化合物およびクラス(1)から(49)と関連して、上記に示される特定の化合物の群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、混合物(すなわち、組成物)である。やはり特に注目すべきは、(殺菌剤として有効な量で)前記混合物を含み、界面活性剤、固体賦形剤および液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の界面活性剤をさらに含む、組成物である。
【0330】
構成成分(b)殺菌剤の例には、アシベンゾラル-S-メチル、アルディモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、(ベナラキシル-Mを含めた)ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含めた)ベンチアバリカルブ、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、水酸化銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾフアミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、(ジニコナゾール-Mを含めた)ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エディフェンホス、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られている)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェナミンストロビン、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホル、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソフェタミド、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド(mandepropamid)、マンデストロビン、マンネブ、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカップ、(メタラキシル-M/メフェノキサムを含めた)メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオアソジン、ヌアリモル、オクチリノン、オフレイス、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、(それらの塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含めた)亜リン酸、ピカルブトラゾクス、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパマカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリソキサゾール、ピロキロン、ピロールニトリン、キンコナゾール、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トルニファニド、トルプロカルブ、トリルフルアニド(tolyfluanid)、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリチコナゾール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリシクラゾール、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリモルファミド、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしても知られている)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-[(アセチルオキシ)メトキシ]-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート、(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-((アセチルオキシ))-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート、N-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-O-[2,5-ジデオキシ-3-O-(2-メチル-1-オキソプロピル)-2-(フェニルメチル)-L-アラビノノイル]-L-セリン、(1→4’)-ラクトン、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチルエチル)ブタンアミド、2-[(3-ブロモ-8-メチル-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-プロピン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、3-ブチン-1-イルN-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチル-3-イソオキサゾリジニル]ピリジン、(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボキシレート、N’-[4-[[3-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,2,4-チアジアゾール-5-イル]オキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチル-メタンイミドアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[[2-(1-メチルエチル)フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3’,4’-ジフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)-2-ピラジンカルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4-フルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5,8-ジフルオロ-N-[2-[3-メトキシ-4-[[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]フェニル]エチル]-4-キナゾリンアミン、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、
1-[4-[4-[5R-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペルジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-2-(メチルチオ)アセトアミド、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン、2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-N-[1-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-2-プロピン-1-イル]-2-(メチルチオ)アセトアミド、4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、(3S,6S,7R,8R)-3-[[[4-メトキシ-3-[[(2-メチルプロポキシ)カルボニル]オキシ]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル-2-メチルプロパノエート、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミド、[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル2-メチルプロパノエート、ペンチルN-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、ペンチルN-[4-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-チアゾリル]カルバメート、およびペンチルN-[6-[[[[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメートおよび(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニル2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボキシレートが含まれる。したがって、注目すべきは、構成成分(a)として、式1の化合物(またはN-オキシドもしくはその塩)および構成成分(b)として、前述のリストから選択される少なくとも1種の殺菌剤を含む、殺真菌性組成物である。
【0331】
特に注目すべきは、式1の化合物(またはN-オキシドもしくはその塩)(すなわち、組成物中の構成成分(a))の、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、キャプタン、カルプロパミド、クロロタロニル、水酸化銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、エポキシコナゾール、エタボキサム、フェナリモル、フェンヘキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルオピラム、フルシラゾール、フルチアニル、フルトリアホル、フルキサピロキサド、ホルペット、イプロジオン、イソフェタミド、イソピラザム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデストロビン、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メトコナゾール、メトラフェノン、ミクロブタニル、オキサチアピプロリン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、亜リン酸(それらの塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含む)、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリメタニル、セダキサンスピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、チオファネート-メチル、トリフロキシストロビン、ゾキサミド、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、2-[2-(1クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]エタノン、1,1-ジメチルエチルN-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾル-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、およびrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール(すなわち、組成物中の構成成分(b)として)との組合せである。
【0332】
本発明の化合物を配合することができる他の生物活性化合物または薬剤の例は、次の通りである:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメト(S-1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロール(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-α]アゼピン)、シフルメトフェン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、λ-シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、フルエンスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルピプロール(flupiprole)(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、tau-フルバリネート、フルフェネリム(UR-50701)、フルフェノクスロン、ホノホス、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メパーフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトフルトリン、ミルベマイシンオキシム、モンフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル-3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、モノクロトホス、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE-007)、オキサミル、ピフルブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(BSN2060)、スピロテトラマト、スルホキサフロル、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメチルフルスリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート(triazamate)、トリクロルホンおよびトリフルムロンのような無脊椎有害生物防除化合物または薬剤;およびバチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスターキ(kurstaki)、およびバチルス・チューリンゲンシスの被包性のδ-内毒素(例えば、セルキャップ、MPV、MPVII)のような昆虫病原性細菌;黒きょう病真菌のような昆虫病原性真菌;ならびにバキュロウイルス、HzNPV、AfNPVのような核多角体病ウイルス(NPV);およびCpGVのような顆粒病ウイルス(GV)を含めた昆虫病原性ウイルスを含めた、生物学的製剤。
【0333】
本発明の化合物およびそれらの組成物は、遺伝子的に形質転換された植物に施用して、(バチルス・チューリンゲンシスδ-内毒素のような)無脊椎有害生物への毒性があるタンパク質を発現することができる。外因的に施用される、本発明の殺真菌性化合物の効果は、発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
【0334】
農業用保護剤(すなわち、殺虫剤、殺菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤および生物学的製剤)についての一般的な参考文献には、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2003年およびThe BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2001年が含まれる。
【0335】
これらの様々な混合パートナーのうちの1つまたはそれ以上が用いられる実施形態の場合、(全体で)これらの様々な混合パートナー対式1の化合物の重量比は、通常、約1:3000~約3000:1の間である。注目すべきは、重量比が約1:300~約300:1の間(例えば、約1:30~約30:1の間の比)である。当業者は、単純な実験によって、生物活性の所望のスペクトルに必要な有効成分の生物学的有効量を容易に決定することができる。これらの追加の構成成分を含めることは、式1の化合物単独により防除されたスペクトル以上に防除される病害のスペクトルを拡大するおそれがあることは明らかである。
【0336】
ある特定の場合では、他の生物活性(特に、殺真菌性)化合物または薬剤(すなわち、有効成分)との本発明の化合物の組合せは、相加(すなわち、相乗)効果を上回る効果をもたらすことができる。有効な有害生物防除を保証しながら、環境に放出される有効成分の量を減らすことは、常に望ましい。殺真菌性有効成分の相乗作用が、真菌防除の農学的に満足できるレベルを与える施用量で起こる場合、かかる組合せは、農作物生産コストを減らすおよび環境負荷を減少させるために有利であり得る。
【0337】
やはり、ある特定の場合では、他の生物活性化合物または薬剤との本発明の化合物の組合せは、農学的な環境に有益な生物に対する相加(すなわち、安全にする)効果を下回る効果をもたらすことができる。例えば、本発明の化合物は、農作物植物において除草剤を安全にすることも殺虫剤から有益な昆虫種(例えば、昆虫捕食者、ミツバチのような花粉媒介者)を保護することもできる。
【0338】
種子の処理において有用な混合物を提供するための式1の化合物を含む配合物についての注目すべき殺菌剤には、それだけには限らないが、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホル、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、チラム、トリフロキシストロビンおよびトリチコナゾールが含まれる。
【0339】
式1の化合物が、種子の処理において有用な混合物を提供するために配合することができる無脊椎有害生物防除化合物または薬剤には、それだけには限らないが、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、γ-シハロトリン、λ-シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフィプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン(heptafluthrin)、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メパーフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、モンフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリミノストロビン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルスリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスδ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシスの菌株およびヌクレオ・ポリヒドロシス(Nucleo polyhydrosis)ウイルスの菌株が含まれる。
【0340】
種子の処理のために有用な式1の化合物を含む組成物は、植物病原性真菌または細菌および/または線虫のような土壌動物の有害な影響からの保護を提供する能力を有する細菌および真菌をさらに含むことができる。殺線虫特性を示す細菌は、それだけには限らないが、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・サブチルス(Bacillius subtiliis)およびパスツーリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)を含むことができる。適当なバチルス・フィルムス菌株は、BioNem(商標)として市販されているCNCM I-1582(GB-126)菌株である。適当なバチルス・セレウス菌株は、NCMM I-1592菌株である。バチルス菌株は、US6,406,690に開示されている。殺線虫活性を示す他の適当な細菌は、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937aおよびB.サブティリス菌株GB03である。殺真菌性特性を示す細菌は、それだけには限らないが、B.プミルス(B.pumilus)菌株GB34を含むことができる。殺線虫特性を示す真菌種は、それだけには限らないが、ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)、パエキロミケス・リラキヌス(Paecilomyces lilacinus)およびプルプレオシルリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)を含むことができる。
【0341】
種子の処理は、火傷病菌のような、ある特定の細菌性植物病原体から単離されるハーピンと呼ばれる、エリシタータンパク質のような、天然起源の1種またはそれ以上の殺線虫剤を含むこともできる。一例としては、N-Hibit(商標)Gold CSTとして利用可能なハーピン-N-Tek種子の処理技術である。
【0342】
種子の処理は、微小共生窒素固定細菌ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)のような、マメ科植物根粒細菌の1種またはそれ以上の種を含むこともできる。これらの接種材料は、場合により、マメ科植物の根における根粒形成の開始中、根粒菌細菌により産生される根粒形成(Nod)因子である、1種またはそれ以上のリポキチンオリゴ糖(LCO)を含むことができる。例えば、Optimize(登録商標)ブランド種子の処理技術は、接種材料と組み合わせて、LCO Promoter Technology(商標)を組み込む。
【0343】
種子の処理はまた、菌根真菌により根の定着のレベルを増加させることができる、1種またはそれ以上のイソフラボンを含むこともできる。菌根真菌は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩および金属のような、栄養分の根取込みを促進することにより、植物の成長を改善する。イソフラボンの例には、それだけには限らないが、ゲニステイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニンおよびプラテンセインが含まれる。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGのような、菌根接種材料製品において、有効成分として入手可能である。
【0344】
種子の処理はまた、病原体による接触後、植物における全身獲得抵抗性を誘導する、1種またはそれ以上のプラントアクチベーターを含むこともできる。かかる防御機構を誘導するプラントアクチベーターの例は、アシベンゾラル-S-メチルである。
【0345】
次の試験は、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除の効能を実証している。しかしながら、本化合物により生じた病原体防除保護は、これらの種に限定されない。化合物の説明について、以下のインデックス表A~Bを参照のこと。次の略語は、インデックス表Aにおいて用いられる。Meは、メチルを意味し、i-Prは、iso-プロピルを意味し、MeOは、メトキシを意味し、-NO2は、ニトロを意味する。略語「Cmpd.」は、「化合物」を表し、略語「Ex.」は、「例」を表し、それに続いて、数字を示し、その例において、化合物は、製造される。インデックス表Aにおいて、置換基R4およびR5について示されるロカント番号は、表の上部の構造で示される通りである。置換基R4およびR5を示す順番は、相違がその意味に影響を与えない場合、Chemical Abstracts命名システムと異なることがある。例えば、インデックス表A中の化合物1は、置換基R5は、6-位にあり(すなわち、6-F)、化合物1についてのCAS名は、4-(2-ブロモ-4,6-ジフルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾル-5-アミンである。「AP+(M+1)」列において報告された数値は、H+(分子量が1)を最も高い同位体存在度を有する分子(すなわち、M)に加えることにより形成される、観察された分子イオンの分子量であり;「AP-(M-1)」列において報告された数値は、最も高い同位体存在度を有する分子(すなわち、M)からH+(分子量が1)を喪失することにより形成される、観察された分子イオンの分子量である。より低い存在度の1つまたはそれ以上のより高い原子量同位体(例えば、37Cl、81Br)を含有する分子イオンの存在は、報告されていない。報告されたM+1およびM-1ピークは、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)または大気圧化学イオン化法(APCI)を用いた、質量分析により観察された。
【0346】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【0347】
【0348】
本発明の生物学的例
試験A~Fについての試験懸濁液を製造するための一般的プロトコール:試験化合物は、最終体積の3%に等しい量でアセトンに最初に溶解し、次いで、所望の濃度(ppm)でアセトンおよび界面活性剤PEG400(多価アルコールエステル)250ppmを含有する純水(体積により50/50混合)に懸濁した。次いで、得られた試験懸濁液を、試験A~Fにおいて用いた。
【0349】
試験A
試験液剤を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、セプトリア・トリティキ(コムギ葉枯病(wheat leaf blotch)の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で24℃で48hインキュベートし、次いで、20℃で17日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間病害評点(time disease rating)を行った。
【0350】
試験B
試験液剤を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、プクキニア・レコンジタf.sp.トリティキ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ赤さび病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で20℃で24hインキュベートし、次いで、20℃で7日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間病害評点を行った。
【0351】
試験C
試験懸濁液を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、ブルメリア・グラミニスf.sp.トリティキ(Blumeria graminis f.sp.tritici)(エリシフェ・グラミニスf.sp.トリティキとしても知られている、コムギウドンコ病の原因因子)の胞子細粉を接種し、飽和雰囲気下で20℃で8日間インキュベートし、その後、時間可視病害評点(time visual disease rating)を行った。
【0352】
試験D
試験液剤を、ダイズ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、プクキニア・グラミニス(ダイズさび病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で22℃で24hインキュベートし、次いで、22℃で8日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間可視病害評点を行った。
【0353】
試験E
試験懸濁液を、トマト実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、ボトリティス・シネレア(トマトボトリチス属の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で20℃で48hインキュベートし、次いで、24℃で3日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間可視病害評点を行った。
【0354】
試験F
試験懸濁液を、トマト実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、アルテルナリア・ソラニ(トマト輪紋病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で27℃で48hインキュベートし、次いで、20℃で3日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間可視病害評点を行った。
【0355】
試験A~Fの結果を、以下の表Aに示す。100の評点は、100%病害防除を示し、0の評点は、(防除に対して)病害防除なしを示す。ダッシュ(-)は、化合物が試験されなかったことを示す。
【0356】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【0357】
生物学的比較例
試験A1~F1についての試験懸濁液を製造するための一般的プロトコール:試験化合物を、最終体積の3%に等しい量でアセトンに最初に溶解し、次いで、所望の濃度(ppm)でアセトンおよび界面活性剤PEG400(多価アルコールエステル)250ppmを含有する純水(体積により50/50混合)に懸濁した。次いで、得られた試験懸濁液を、試験A1~F1において用いた。
【0358】
試験A1
試験液剤を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、セプトリア・トリティキ(コムギ葉枯病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で24℃で48hインキュベートし、次いで、20℃で17日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間病害評点を行った。
【0359】
試験B1
試験液剤を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、プクキニア・レコンジタf.sp.トリティキ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ赤さび病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で20℃で24hインキュベートし、次いで、20℃で7日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間病害評点を行った。
【0360】
試験C1
試験懸濁液を、コムギ実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、ブルメリア・グラミニスf.sp.トリティキ(エリシフェ・グラミニスf.sp.トリティキとしても知られている、コムギウドンコ病の原因因子)の胞子細粉を接種し、20℃で8日間インキュベートし、その後、時間可視病害評点を行った。
【0361】
試験E1
試験懸濁液を、トマト実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、ボトリティス・シネレア(トマトボトリチス属の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で20℃で48hインキュベートし、次いで、24℃で3日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間可視病害評点を行った。
【0362】
試験F1
試験懸濁液を、トマト実生に流出点まで噴霧した。翌日、その実生に、アルテルナリア・ソラニ(トマト輪紋病の原因因子)の胞子懸濁液を接種し、飽和雰囲気下で27℃で48hインキュベートし、次いで、20℃で3日間グロースチャンバーに移動させ、その後、時間可視病害評点を行った。
【0363】
試験A1~F1の結果を、以下の表Bに示す。100の評点は、100%病害防除を示し、0の評点は、(防除に対して)病害防除なしを示す。データを、次の化合物について示す。
【0364】
【0365】