(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】液晶による可変の拡散を有する電気的に制御可能な装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/13 500
(21)【出願番号】P 2021516874
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019076247
(87)【国際公開番号】W WO2020065038
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク モンディオ
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141928(JP,A)
【文献】特開2017-223950(JP,A)
【文献】特表2010-531468(JP,A)
【文献】特表平07-507083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/137-1/141
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/1343-1/1345,1/135
G02F 1/136-1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置(100、200、300、400、500、600、700)であって、下記の順の層のスタックを含み:
-接合表面と呼ばれる第1の主面及び反対表面Sbと呼ばれる主面を有する、誘電体基板上の第1の電極(2)、
-前記接合表面の側の面と呼ばれる主面及び反対側面A2と呼ばれる主面を有し、以下を含む材料から形成されている、誘電体電気活性層(3):
-液晶
-ポリマーネットワークを形成するポリマー、ここで、前記液晶は、前記ポリマーネットワークによって安定されている、
-前記面A2の側の第2の接合表面と呼ばれる主面及び反対表面Scと呼ばれる面を有する、誘電体支持体上の第2の電極(2’)、
前記電気活性層が、前記第1の電極の側及び/又は前記第2の電極の側の透明性によって、可視的であり、
ここで、
前記材料が、T1と呼ばれる温度から開始する、Pと呼ばれるメソ相を示し、前記メソ相では、前記材料が、二次元のトポグラフィー欠陥を含むドメインの集合体を含み、
前記メソ相Pは、ネマティック
相であり、
前記材料が、T1未満の温度で、他のメソ相P’を示し、前記メソ相Pが、前記メソ相P’よりも結晶相からより離れており、前記メソ相Pの前記ドメインが、他のメソ相P’から残っているドメインであること、及び
T1以上の温度T’で、前記スタックが、可視領域の少なくとも1つの波長に対して少なくとも3つの散乱の状態を示すことができ、
第1の前記状態が、最も散乱しており、
第2の前記状態が、散乱であり、かつ前記第1の状態よりも散乱が少なく、かつ
第3の前記状態が、透明、又は散乱であり、かつ前記第2の状態よりも散乱が少なく、
3つの前記状態が切り替え可能であり、
3つの前記状態のうちの少なくとも2つが、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界を印加することによって得られること、
を特徴とする、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項2】
前記二次元のトポグラフィー欠陥が、ネマティック相中の非ネマティック相P’の欠陥であり、前記ポリマーネットワークによって動かなくなり、相Pで保存されることを特徴とする、請求項1に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項3】
前記二次元のトポグラフィー欠陥が、スメクティック相の欠陥であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項4】
前記ドメインの集合体が、サブセンチメートルドメインの集合体であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項5】
前記第1の状態が、前記印加電界が非存在下で達成可能であり、前記第2及び第3の状態が、前記印加電界の存在下で達成可能であり、前記第2の状態が、電圧V1に対して得られており、前記第3の状態が、V1よりも大きい電圧V2に対して得られることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項6】
前記電界下で及びT’において、前記スタックが、5~120Vの全部又は一部の電圧で変化する拡散透過率及び/又はヘイズを示すことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項7】
前記スタックが、550nm、更には400~600nmにおいて、少なくとも5%の全透過率TTを示し、最大全透過率と最小全透過率との差TTmax-TTminが400~600nmにおいて最大で5%であること、及び
5~120Vの電圧での前記電界下における全透過率TT’が、550nm、更には400~600nmにおいてTT’-TT(絶対値で)が2%未満であるようなものであり、また、電界下での最大全透過率TT’maxと最小全透過率TT’minとの差が、400~600nmにおいて最大で5%であるようなものであること
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項8】
前記メソ相Pが、前記材料の前記メソ相P’よりも低いポテンシャル的秩序を示し;P’がネマティック相ではなく;前記液晶が、平均して互いに平行であり、つまり少なくとも長距離の自発的な配向秩序を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項9】
前記メソ相Pが、ねじれネマティック相であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項10】
前記メソ相P’の前記欠陥が、スメクティック相欠陥であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項11】
前記T’において、前記電界なしで、及び/又は前記電界下で、PLMと呼ばれる偏光光学顕微鏡法によって前記ドメインを特徴付けたときに、それぞれの前記ドメインが、前記PLM画像上において、見かけの表面SDと呼ばれる表面によって画定され;見かけの表面SDの数によって決定されるドメインの密度が、少なくとも100ドメイン/mm2、又は少なくとも1000ドメイン/mm2であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項12】
前記メソ相Pが、液晶の層の、前記ポリマーネットワークによって与えられる構造を実質的に示すことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項13】
前記ドメインが、液晶の湾曲した層のゾーン、又は液晶の平坦な層のゾーンを示すことを特徴とする、請求項12に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項14】
前記ドメインが、前記スメクティック相の焦点円錐ドメインに相当することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項15】
前記焦点円錐ドメインが、トーリック、非トーリック、放物線、半円筒形、又は扇形の焦点円錐ドメインであることを特徴とする、請求項14に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項16】
前記欠陥が、円、楕円、正方形若しくは長方形等の規則的又は不規則的な閉じた輪郭、又は線形、楕円、放物線若しくは双極幾何から選択された線欠陥であることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項17】
以下を含むことを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置:
-前記面A1と接触している、前記液晶用の第1の表面アンカー層、ここで、この第1の表面アンカー層は、前記印加電界の非存在下で、第1の配向にしたがって、この第1のアンカー層と接触している前記液晶の少なくとも一部を固定することができ、この第1のアンカー層が、透明であり、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE
1を有している、
-前記面A2と接触している、第2の表面アンカー層、ここで、この第2の表面アンカー層は、前記印加電界の非存在下で、前記第1の配向と同様の又は異なる第2の配向にしたがって、この第2のアンカー層と接触している前記液晶の一部を、垂直の又は縮退した平面に、配向させることができ、第2のアンカー層が、透明であり、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE’
1を有する。
【請求項18】
前記第1のアンカー層が、一方向又は縮退平面の固定であり、かつ前記第2のアンカー層が、垂直又は縮退平面の固定であり、又は前記第1のアンカー層が、誘電体層であり、かつ/又は前記第2のアンカー層が、誘電体層であり、又は空気/ガス充填された空洞であることを特徴とする、請求項
17に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項19】
前記第1のアンカー層が、ポリマー層であることを特徴とする、請求項18に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項20】
前記第2のアンカー層が、ポリマー層であることを特徴とする、請求項18に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項21】
前記誘電体基板(1)が、透明であり、Sb側にあり、かつ前記第1の電極を担持しており、ここで、前記誘電体基板(1)が、透明であり、かつ任意のハードコートを備える透明ポリマーシート透又は明ガラスシートから選択されていること、かつ/又は
前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、S’b側にあり、かつ前記第2の電極を担持しており、ここで、前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、かつ任意のハードコートを備える透明ポリマーシート透又は明ガラスシートから選択されていること、
を特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項22】
前記誘電体基板(1)が、透明であり、Sb側にあり、かつ前記第1の電極を担持しており、ここで、前記誘電体基板(1)が、透明であり、かつ第1のガラスシートを含み、前記第1のガラスシートが、Sb側にあり、熱可塑性積層中間層を介して他のガラスシートに積層されていること、かつ/又は
前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、S’b側にあり、かつ前記第2の電極を担持しており、ここで、前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、ガラスシートを含み、前記ガラスシートが、熱可塑性積層中間層を介して他のガラスシートに積層されており、前記他のガラスシートが、前記第1のガラスシートの表面の全部又は一部を占めており、着色されており、かつ湾曲及び/又は強化されていること、
を特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項23】
以下を含む積層グレージングを含むことを特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置:
-第1の追加ガラスシート(8)、
-熱可塑性積層中間層、
-第2の追加ガラスシート(8’)又はプラスチックシート、
ここで、前記第1及び第2の追加ガラスシートの、F2及びF3と呼ばれる主内面が、互いに対面しており、前記スタックが、前記面F2及びF3の間にある。
【請求項24】
前記熱可塑性積層中間層が、EVA又はPVBであることを特徴とする、請求項23に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項25】
前記スタックが、前記積層中間層にあることを特徴とする、請求項23に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項26】
前記スタックが、前記積層中間層にあり、ポリマーである基板を有し、更にはポリマーである前記支持体を有することを特徴とする、請求項24に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項27】
グレージングを含み、前記スタックが、前記グレージングの主面の一部にわたってストリップを形成していることを特徴とする、請求項1~26のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項28】
積層されているグレージングを含み、かつ、前記スタックが、それぞれの「外部」及び「内部」グレージングである前記第1及び第2のグレージングの間にあり、前記積層グレージングの上部にわたって周辺ストリップを形成しており、前記スタックの前記「外部」端面が、前記外部グレージングの第1の不透明周辺層によって外側からマスクされており、かつ/又は前記スタックの「内部」端面が、前記内部グレージングの第2の不透明周辺層によって内側からマスクされていることを特徴とする、請求項1~27のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項29】
前記積層されているグレージングが、湾曲されているグレージングであることを特徴とする、請求項28に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項30】
前記グレージングが、積層及び/又は湾曲されており、自動車若しくは鉄道若しくは船舶用乗り物のグレージングから選択されていること、あるいは
前記グレージングが、グレージングドア、ショップの窓若しくはディスプレイケース、仕切り、街道若しくは家庭用家具のガラス部分であり、かつ/又は二重若しくは三重グレージングの一部を形成しており、あるいは
前記グレージングが、投影又は背面投影スクリーンとして、かつ/又は他の電気的に制御可能な装置と組み合わせて使用されること
を特徴とする、請求項1~
29のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項31】
前記他の電気的に制御可能な装置が、電気的に制御可能なエレクトロルミネセンス装置であることを特徴とする、請求項30に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項32】
前記電気的に制御可能なエレクトロルミネセンス装置が、LED、OLED、又はTFELであることを特徴とする、請求項31に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
【請求項33】
以下の工程を含む、請求項1~
32のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法:
-誘電体基板上において、第1の電極を提供すること、
-誘電体支持体上において、第2の電極を提供すること、
-以下を含む混合物を提供すること:
-少なくとも1つのポリマー前駆体、
-メソ相Pを示す少なくとも第1の液晶を含む液晶、
ここで、前記混合物は、メソ相P及びメソ相P’を示し、TAが、前記混合物の前記メソ相Pと前記メソ相P’との間の遷移温度であり、
-必要に応じて、重合開始剤、
-前記第1及び第2の電極の間において、前記混合物から出発して、ポリマーネットワークによって安定化された前記液晶を含む材料の電気活性層を形成することを含んで、層のスタックを形成すること、
ここで、前記形成が、以下を含む:
-TAよりも低い温度Tiで、メソ相P’において、紫外線又はUV放射下で、1又は複数の前記前駆体を重合させて、前記ポリマーネットワークを結果として得ること。
【請求項34】
前記液晶が、メソ相Pを示す少なくとも第1の液晶、及び少なくとも第2の液晶を含むことを特徴とする、請求項33に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項35】
前記重合が、光重合によって進行することを特徴とする、請求項33に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項36】
前記第1の液晶が、前記メソ相P及び前記メソ相P’を示し、前記第1の液晶が、前記メソ相Pと前記メソ相P’との間の遷移の温度Tpを有し、前記重合が、Tp又はTA未満の温度Tiで行われることを特徴とする、請求項33~35のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項37】
TAが、Tp以下であることを特徴とする、請求項36に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項38】
前記メソ相Pが、前記メソ相P’よりも前記結晶相から離れていることを特徴とする、請求項33~37のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項39】
前記メソ相Pが、ねじれネマティック相であることを特徴とする、請求項38に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項40】
メソ相P’において、実質的にメソ相Pに残っている二次元のトポグラフィー欠陥を伴うドメインの形成を含むことを特徴とする、請求項33~39のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項41】
前記メソ相P’が、スメクティック相であり、前記ドメインが、サブセンチメートルドメインであることを特徴とする、請求項40に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項42】
メソ相P’において、ドメインの前記形成を、以下のいずれかの工程によって行うことを特徴とする、請求項33~41のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法:
-前記混合物を、前記液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させること、
-応力を印加すること、
-
電界を印加すること、ここで、前記混合物は荷電粒子を含む。
【請求項43】
前記メソ相P’が、スメクティック相であることを特徴とする、請求項4
2に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項44】
前記電気活性層の前記形成が、前記混合物を、前記液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させることを含み、又は:
-層の液体経路による堆積、又は、前記第1の電極に結合されたサブミリメートルフィルム等の要素の提供
-層の液体経路による堆積、又は、前記第2の電極に結合されたサブミリメートルフィルム等の要素の提供、又は前記第2の電極と前記混合物との間での、空気充填された空洞等の、ガス充填された空洞の生成、
を含むことを特徴とする、請求項33~43のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項45】
前記第1の液晶が、スメクティック相であるメソ相P’、及びネマティックメソ相Pを有し、かつ、前記第2の液晶が、メソ相を有し、かつスメクティックメソ相がないことを特徴とする、請求項33~44のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項46】
前記メソ相P’が、スメクティックA相であることを特徴とする、請求項
45に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【請求項47】
1つ以上のシートを含むポリマー積層中間層を用いて、最大で140℃、更には最大で120℃の温度における積層で、2つのガラスシートの間に、前記スタックを積層する工程を含むことを特徴とする、請求項33~46のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界の印加によって2つの電極の間に液晶の層を有する液晶で変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
グレージングは、適切な電力供給の影響下で、その特定の特性、特に特定的には、ある特定の波長の電磁線放射線、特に可視光領域及び/若しくは赤外領域の電磁線放射線の、伝導、吸収、及び反射、又はあるいは光散乱を改変できることが知られる。
【0003】
液晶を含有する電気制御可能なグレージングは、建設及び自動車の両部門のどこでも、グレージングを通じて所与の瞬間に視界を妨げる必要がある場合に使用できる。
【0004】
液晶システムは、用語「PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)」(ポリマー分散型液晶)で、ポリマーマトリックス中に分散した液晶の液滴の形として知られ、又は「PSLC(Polymer Stabilized Liquid Crystal)」(ポリマー安定型液晶)で、均一に分散した液晶として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、特に適切に調整することができて、改善された電気工学特性を有するPSLCタイプの液晶を有する電気的に制御可能な装置の開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、本発明はまず、下記の順で層のスタック(空気充填された空洞を含みうる)を含む、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置(平坦又は湾曲した装置、特に可撓性の装置)を提供する:
【0007】
-第1の、好ましくは透明である、電極、この第1の電極は、特に自己支持型(任意選択で可撓性のフィルム)であり、又は好ましくは誘電体基板上にあり、この誘電体基板は、好ましくは透明(及び任意選択で可撓性)であり、特に、最大で1cm、5mm、3mmの厚さを有し、あるいは、サブセンチメートルであり、又は特にプラスチックフィルム又は薄い若しくは極薄(UTG)のガラスであり、サブミリメートルの厚さを有し、更には最大で200nmの厚さを有するフィルムであり、第1の電極は、(第1の基板上において)第1の導電層(単層又は複数層、特に(複数の)堆積層)、特に最大で200nmの無機層(実際には、からなり)を含み、第1の電極は、第1の接合表面と呼ばれる第1の主面及び反対表面Sbと呼ばれる表面を有し、特に、第1の電極が、第1の接合表面のエッジに沿って電流を伝達する第1の手段(ストリップ(バスバー)、特に金属、銅と銀で作られている金属等)を含む
【0008】
-誘電体電気活性層、この誘電体電気活性層は、接合表面側における面A1と呼ばれる主面及び反対側面A2と呼ばれる主面を有し、電気活性層は、サブミリメートル(submillimetric)であり、更には最大で100μmかつ少なくとも50nm、特に50nm~50μm、更には100nm~20μm、更に好ましくは少なくとも1μm又は5μmの厚さE0を有し、電気活性層は、特に(好ましくは)サーモトロピック及び/又はリオトロピックから形成されており、以下を含む(実際には以下からなり):
【0009】
-液晶(特にサーモトロピック及び/又はリオトロピック)、この液晶は、材料において好ましくは重量について主成分であり(好ましくは、前記液晶の重量の少なくとも50%、70%、80%、85%であり)、特に、液晶は、メソゲン(例えば、ポリマー鎖を有さない)、又は少なくともポリマーの主鎖又は側鎖に組み込まれたメソゲン基(「LCP」類)を含み、特に、液晶は、サイズがサブミリメートルであり、更には最大で100nm(かつE0未満、例えば長さLを有し、E0/L>10又は100)であり、特に複数の液晶(純粋の、非LCPの場合)(2以上)の混合物であり、好ましくは、その(好ましくは重量について主成分の)液晶の1つは、結晶相(ネマティック相、例えば、又は非スメクティック相、特に非スメクティックA相)に近い(又は隣接しさえする)他のメソ相P’を示す、
【0010】
-(三次元)ポリマーネットワークを形成するポリマー、液晶は、ポリマーネットワーク(すなわち、PSLC類)によって(物理的に)安定化され、好ましくはポリマー(又はポリマー及びポリマー前駆体)の重量の最大で20%、15%、10%、5%を有する、
【0011】
-任意選択で(前記)ポリマー又は非架橋ポリマーの前駆体、
【0012】
-好ましくはスペーサー、特にE0以下の高さを有し、周辺部(誘電体であり、透明又は不透明であり、任意選択で、例えばMylar等で形成されたフレームによってマスクされている)にあり、かつ/又は電気活性層(誘電体であり、透明であり、特にプラスチック、ガラス、シリカ、好ましくはサブセンチメートル、特にビーズである)に分散されている、
【0013】
-任意選択で添加剤、例えば粒子、好ましくは非荷電粒子(アニオン、及びカチオンを有さない)であり、好ましくはE0以下の高さ(更にはE0以下の最大寸法)を有する添加剤、
【0014】
-第2の、好ましくは透明である、電極、この第2の電極は、特に自己支持型(任意選択で可撓性のフィルム)であり、又は好ましくは誘電体基板上にあり、この誘電体基板は、好ましくは透明(及び任意選択で可撓性)であり、特に、最大で1cm、5mm、3mmの厚さを有し、あるいは、サブセンチメートルであり、特にプラスチックフィルムであり、又は薄い若しくは極薄(UTG)のガラスから形成されており、サブミリメートルの厚さを有し、更には最大で200nmの厚さを有するフィルムであり、特に、第2の電極は、(基板上において)第2の導電層(単層又は複数層、特に(複数の)堆積層)、特に最大で200nmの無機層(実際には、からなり)を含み、第2の電極は、面A2側における第2の接合表面と呼ばれる主面及び反対表面を有し、特に、第2の電極が、第2の接合表面のエッジに沿って、かつ更には好ましくは電流を伝達する第1の手段の反対側に、電流を伝達する第2の手段(ストリップ、特に金属、バスバー)を含む。
【0015】
透明状態において、電気活性層は、第1の電極の側及び/又は第1の電極の側、好ましくはその両側にいて、透明性によって可視的である。好ましくは、電気活性層は、誘電体シール、特にポリマーシールによって周辺で(結晶に基づく材料と接触するか、又は周辺スペーサーによって分離される、第1及び第2の接合表面のエッジに沿って)シールされる。
【0016】
更に、この材料は、T1と呼ばれる温度(かつ、等方性相転移温度でありうるTfと呼ばれる温度よりも低く)から開始し、好ましくは最大で120°C、90°C、50°C、40°C、かつ更に好ましくは少なくとも10℃、20℃、かつ更に好ましくは少なくとも5℃、10℃の温度範囲のT1から開始し、Pと呼ばれるメソ相を示す。特に、この材料は、(ポリマーネットワークによって安定化された液晶を含む)ドメインの集合体を(体積で、一般的に厚さで)含み、更には、材料は本質的には前記ドメイン又は体積の要素に分割され、ドメインは、好ましくは第1及び第2の電極の間に少なくとも厚さE0の一部に亘って延在し、かつドメインは、二次元のトポグラフィー欠陥、特に線欠陥、特に少なくとも2つの形態の線欠陥(例えば、1つの楕円(円を含む)、その他の直線又は曲線、双曲線等)を含む。
【0017】
T1以上の温度T’で、材料は、メソ相Pであり、スタック(又は(スタックによる)装置)は、可視領域の少なくとも1つの波長(例えば、380と780nm又は800nmとの間の値、特に550nm、更には380から780nm又は800nmまでの値)に対して、実際には近赤外領域(例えば、800nmと2.5μmとの間の値、更には800nmから2.5μmまでの値)の少なくとも1つの波長に対しても、少なくとも3つの(安定な)切り替え可能な散乱状態(互いに切り替え可能であるため、3つの状態の1つは、3つの状態の別の状態に可逆的に切り替え可能である)を示すことができる。
【0018】
第1の状態は、最も散乱しており、特に非ゼロのヘイズH0又は非ゼロの拡散浸透DT0によって定義される。
【0019】
第2の状態は、第1の状態よりも散乱が少なく、好ましくはH0よりも低いヘイズH1(又はDT0よりも低い拡散浸透DT1)及び非ゼロによって定義される。
【0020】
第3の状態は、透明でありかつ第2の状態よりも散乱が低く、特にH1よりも低いヘイズH2(又はDT1よりも低い拡散浸透DT2)によって定義される。
【0021】
3つの状態のうちの少なくとも2つは、第1及び第2の電極の間に電界(交互又は直接、好ましくは面A2に垂直)を印加することによって得られる。
【0022】
切り替えは、可逆的である。3つの状態は、可逆的であり、更には安定的である。
【0023】
これまでに、ネマティック状態のPSLCの層では、2つの安定かつ可逆的な状態のみを得ることができた:
-1つの散乱(オフ状態で)
-及びもう1つは、液晶の復元力に打ち勝つために必要なしきい値から開始して、印加された電界に平行な液晶の配列による透明状態(オン状態)である。
【0024】
更には、従来製造された装置には、スメクティックメソ相に電界が印加された場合、可逆的な切り替えはなかった。
【0025】
本発明によれば、ポリマーネットワーク及び二次元欠陥を有するドメインの形成は、特に液晶を配合させることができ、また最も散乱状態と最も透明状態との間の多数の中間位置において安定化することができ、また突然の方向における変化(「ライトスイッチ」型の)を引き起こすこともできる。
【0026】
用途に応じて、透明状態といくつかの散乱状態との間、又は2以上の散乱状態の間にも本発明を使用することができる。
【0027】
微視的な説明として、T1から開始し、メソ相Pの存在下で、液晶の少なくとも一部は移動可能であり、3つの位置にしたがって配向することができ、3つの安定状態を生成し、1つの状態から他の状態への移行が、可逆的である。より広義的には、液晶の少なくとも一部は移動可能であり、多数の位置にしたがって配向することができ、多数の安定状態を生成し、1つの状態から他の状態への移行が、可逆的である。
【0028】
本明細書において、P又はP’は、定義上、結晶相又は等方性相と異なるメソ相である。P又はP’に適用される場合、用語相(phase)は、より具体的にはメソ相(mesophase)を意味する。
【0029】
電界(面A1に垂直)が0~120Vの電圧範囲及び50Hz~1kHzの周波数範囲で交流又は直流のいずれであっても、結果は同様である。
【0030】
配向の変化は、好ましくは、面A1(スタックが湾曲している場合、例えば、可撓性であり、湾曲した基板の間、特にガラスの基板の間にある場合、平均平面内において)に垂直な電界の印加によってもたらされる。
【0031】
好ましくは、1つの状態から別の状態への緩和時間は、最大で1秒以下である。
【0032】
特に、0Vから任意の非ゼロ値に、特に220V又は120Vまで、更には最大で100V又は80Vに移行することによって、散乱状態から透明状態(可視領域の全部又は一部において)に移行することができる。
【0033】
散乱のレベルは管理することができ、特に、装置と通信する(電源を制御する)センサー(温度、光度、等)によって、収集されたデータの関数として調整することができる。
【0034】
ヘイズの変化を備える切り替え可能なミラー(第1若しくは第2の反射層、又はミラー層若しくは追加ミラーの追加)を設計することも可能である。
【0035】
装置の1つ又は複数の要素(電極、アンカー層、基板又は支持体、積層中間層、カウンターペイン(counterpane)、等)をカスタム着色することが可能である。
【0036】
本発明は、好ましくは、2Dであるトポグラフィー欠陥の存在に最初に依存する。
【0037】
有利には、第1の状態(最も散乱する)は、前記(面A1に垂直に印加される)印加電界が非存在下で達成可能であり、第2及び第3の状態は、前記印加電界の存在下で達成可能であり、第2の状態は、電圧V1に対して得られており、第3の状態は、特に、V2とV1との間の少なくとも5V、10V、20Vの差を有する、V1よりも大きい電圧V2に対して得られている。
【0038】
例えば、V1は、5V~30Vであり、V2は、30~120Vである。
【0039】
より広義には、電場/電圧Vの振幅が変化するとすぐに、ヘイズを生成することができ、各ヘイズは、例えば、全透過率TTに対する拡散透過率DTの比率として定義される、それは好ましくは%で表される。
【0040】
したがって、スタック(更には装置)は、ヘイズ(及び/又は拡散透過率)を示し、ここで、ヘイズ(及び/又は拡散透過率)は、5Vと120V又は220Vとの間の範囲(例えば、10V~50V)の全部又は一部で、かつ0.1V又は1Vから開始する電圧に伴い、少なくとも550nm又は500nm~600nm等の基準長さで、又は更には、好ましくは可視領域400~800nmにおける波長範囲にわたって、(特に、最大で12μmの電気活性層の厚さE0について)下記で変化する:
【0041】
-直流モードにおいて、10VのV1及び40VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で99%更には94%のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0042】
-直流モードにおいて、20VのV1及び70VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で98%(及び更には最大で90%又は80%又は67%)のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0043】
-直流モードにおいて、20VのV1及び100VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で97%(及び更には最大で70%又は47%)のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0044】
10VのV1に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で99%(及び更には最大で98%)のH1/H0(及び/又はDT2/DT1)、
【0045】
20VのV1に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で98%(及び更には97%)のH1/H0(及び/又はDT2/DT1)。
【0046】
特に、非TFCDドメイン(非TFCDタイプのドメイン)の場合において:
【0047】
-直流モードにおいて、10VのV1及び40VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で99%(及び更には最大で75%又は69%)のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0048】
-直流モードにおいて、20VのV1及び70VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で98%(及び更には最大で60%又は59%)のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0049】
-直流モードにおいて、20VのV1及び100VのV2に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で97%(及び更には最大で55%又は46%)のH2/H1(及び/又はDT2/DT1)、
【0050】
10VのV1に対して、550nm等の基準波長で又は更には500~700nm若しくは更には400~800nmの波長範囲にわたって、最大で99%(及び更には最大で92%)のH1/H0(及び/又はDT1/DT0)、
【0051】
20VのV1に対して、最大で98%(及び更には最大で90%又は80%)のH1/H0(及び/又はDT1/DT0)。
【0052】
ヘイズH0、H1又はH2(及び他の任意のヘイズ値)は、好ましくは、(温度T’での)全透過率TTに対する拡散透過率DTの比として定義される。
【0053】
T’において、ヘイズは、本発明による装置を、直径150mmの積分球の半径10mmの円形の入口窓(内部にスペクトラロン(Spectralon)として知られる材料でコーティングされた)に対して配置することによって、測定することができ、ここで、スペクトラロンは、Labsphereによって製造されたPTFEタイプのフルオロポリマーである。例えば、T’=T1+少なくとも5℃が選択される。
【0054】
積分球は、スペクトラロンで作られた出口窓を含み、入口窓の正反対にあり、円形で半径が10mmである。
【0055】
全透過率は、その一部として、積分球の出口窓で測定される。
【0056】
拡散透過率は、その一部として、積分球の出口窓を取り除くことによって測定される。
【0057】
各波長は、強度I0で前記積分球の前にある装置(装置に垂直なビーム)に送られる。
【0058】
T’において、電界が印加される(例えば、10Vの段階で変化できる電圧で)ときに、全透過率又は拡散透過率を測定することができる。
【0059】
次に、その透過率を推定するために、受信した信号(I_TT又はI_DT)をI0と比較する。
【0060】
(DTの)ヘイズの値は、サイズ又は二次元欠陥のタイプ、それらの密度、電気活性材料の厚さ、液晶の選択、ポリマーのネットワーク(架橋度、重合条件)の、関数として変化することができる。
【0061】
赤外線領域においても同様に測定可能である。
【0062】
全透過率TTは、その一部については、(印加される電界に関係なく)かなり一定であり、特に、第1及び第2の電極が透明である場合、それらが任意選択で基板及び支持体(及びアンカー層)である場合も、特に無着色の基板及び支持体である場合も、可視領域で少なくとも70%である。
【0063】
スタック(及び更には装置)は特に、(上記で定義されたように測定した)全透過率TTを以下のように示す:
【0064】
-550nm、及び更には500から600nm又は780nmまでにおいて、少なくとも5%、10%又は少なくとも70%及び更には少なくとも75%であり、
【0065】
-及び/又は500~600nm更には500~780nmにおいて、最大全透過率TTmaxと最小全透過率TTminとの差は、最大で5%であり、
【0066】
そして、前記電界下(電圧Vが何でもよく、特に5V~120Vの間のV)での全透過率TT’は、550nm更には500から600nm又は780nmまでにおいて、TT’-TTが2%未満であり、更には、電界下における最大全透過率TT’maxと最小全透過率TT’min(電界下において)との差は、500から600nm又は780nmまでにおいて、特に、10V~50V及び更には5V~120Vの電圧範囲で、最大で5%である。
【0067】
同様に、スタック(及び更には装置)は特に、(電界なしで)(上記で定義されたように測定した)全透過率TTを以下のように示す:
【0068】
-550nmにおいて、及び/又は800nmから1200nm又は1500nmまでの近赤外領域でさえにおいて、少なくとも5%、10%又は少なくとも70%及び更には少なくとも75%であり、
【0069】
-及び/又は800nmから1200nm又は1500nmまでにおいて、最大全透過率TTmaxと最小全透過率TTminとの差は、最大で5%であり、
【0070】
そして、前記電界下(電圧Vが何でもよく)での全透過率TT’は、900nm更には800から1500nmまでにおいて、TT’-TTが2%未満であり、更には、電界下における最大全透過率TT’maxと最小全透過率TT’min(電界下において)との差は、800nmから1200nm又は1500nmまでにおいて、最大で5%である。
【0071】
T’において、材料は、いくつかの相P、特にネマティック相(例えば、非ねじれネマティック相又はねじれネマティック相)を示すことができ、それぞれが、相P’(好ましくはスメクティック相、特にA)の欠陥を有する。
【0072】
材料は、T’未満の温度で、ただ1つのメソ相P’、特にスメクティック相、特にAを示すことが好ましい場合がある。
【0073】
相P,例えばネマティック相又は非スメクティック相、特に非スメクティックA相は、(メソ相P’の)二次元欠陥を本質的に生成しない可能性がある。
【0074】
これらの欠陥はまた、スメクティック相等、結晶のメソ相P’に近いメソ相P’で生成され、ポリマーネットワークによって動かなくなり、相Pで(多かれ少なかれ完全に)保存される。
【0075】
例えば、メソ相Pの前記ドメインは、他のメソ相P’からの残っているドメインであり、特に相Pはネマティック相であり、相P’はスメクティック相であり、かつメソ相P’の前記欠陥は、スメクティック相欠陥である。
【0076】
特に、ポリマーネットワークは、相P’(例えばスメクティック相)に液晶の組織及び配向を保存し(それらのインプリントであり)、したがって、欠陥のあるドメイン(例えばネマティック相)を形成するために、液晶を相P(例えばネマティック相)に順番に配向させることが言える。
【0077】
その結果、電気活性層は、好ましくは、少なくとも2つのメソ相P及びP’を依然として有しうる。示差走査熱量測定又はPLMによってPからP’への転移を決定することができる。
【0078】
分子の順序は、メソ相ごとに異なる。メソ相は、分子の自己組織化のタイプと程度が異なる。集合的な方向性のある行動は、メソゲンの性質及び構造に依存する。
【0079】
材料は、特に他のメソ相P’を示すことができる;メソ相Pは、メソ相P’(任意選択で隣接しており、よって第1のメソ相である)よりも結晶相から離れている;特にメソ相Pはネマティック相である。
【0080】
メソ相Pは、好ましくは、材料のメソ相P’よりも低いポテンシャル的秩序を示す;液晶は、特に平均して互いに平行であり、つまり少なくとも長距離の自発的な配向秩序を有する。
【0081】
メソ相Pは、実質的に液晶の湾曲した層のゾーン及び任意選択で液晶の平坦な層のゾーンを有する液晶の層(に対応する)である、特にポリマーネットワークによって課せられる構造を示す(採用する)ことができる。
【0082】
メソ相Pは、結晶の相から最も遠い場合があり、特に結晶により近いメソ相よりも自由度が低く、より低い固体秩序を有してよい。
【0083】
メソ相Pは、等方性液体のメソ相Pに最も近い可能性がある。
【0084】
更に、好ましくは、材料は、T1以下の温度T’1までのメソ相P’を含み、メソ相P’からメソ相Pへの変化は、可逆的、直接的又は間接的である。
【0085】
二次元欠陥は、アンカー層の使用によって、又は低周波電界の印加によって、相P’に加えられる応力によって形成することができる。
【0086】
欠陥を生成する1つの方法は、相P’での製造時に厚さE0を変化させることである。
【0087】
前記メソ相Pにおいて、ドメインは、サブメートル(特に10cm未満)、更にはサブセンチメートル及び更にはサブミリメートル、特に1~200μmのミクロン、実際にはサブミクロンであり、更には好ましくは少なくとも50nmの広いサイズ分布を有することができる。
【0088】
メソ相Pは、特にPLMと呼ばれる偏光光学顕微鏡法によって特徴付けられることが可能である。
【0089】
有利には、T’において、前記電界なしで、及び/又は前記電界下で、ドメインは、PLMと呼ばれる偏光光学顕微鏡法(例えば、少なくとも×20の倍率で)によって特徴付けられており、各ドメインは、見かけの表面SDと呼ばれる表面によって定義されており、この見かけの表面SDは、サブセンチメートル(特に10cm未満)、更にはサブセンチメートル及び更にはサブミリメートル、特に1~200μmのミクロン、実際にはサブミクロンであり、更には好ましくは少なくとも50nmと同等の直径を有することができる。
【0090】
見かけの表面SDは、ドメインのベースを形成する閉線欠陥の垂直投影を含むか、又はそれに対応することができる。
【0091】
この見かけの表面SDは、以下であることができる:
-不規則的である、楕円、円、長方形又は正方形に近い
-規則的である、円、円、長方形、正方形等。
【0092】
ドメインの密度は、少なくとも100ドメイン/mm2又は少なくとも1000ドメイン/mm2であり、特に見かけの表面SDの数によって決定されうる。
【0093】
例えば、画像上で、事前定義された寸法の長方形が定義され、見かけの表面SDの数がカウントされる。
【0094】
ドメインの配置は、規則的(周期的又は疑似周期的)、つまりドメインの繰り返しで行うことができる。
【0095】
ドメインの配置及び/又はドメイン内の配置はランダムである可能性があり、本質的にその製造方法に依存する。
【0096】
見かけの表面SDにはいくつかのサイズ、例えば少なくとも2つ又は3つのサイズがありうる。
【0097】
ドメインは、少なくとも2%、10%、50%、70%の占有度を有することができ、特に、見かけの表面SDの占有度による偏光光学顕微鏡(前記PLM)における画像処理によって測定される。
【0098】
直流電界下で、例えば25Vで、表面SDのドメインは、特に定義されうる。
【0099】
PLM画像では、線の欠陥があるドメインは、多葉(multilobal)の形(光度のコントラストを伴い)を有しうる。
【0100】
PLM画像では、非TFCDタイプの欠陥があるドメインは、四つ葉のクローバーに類似した4つのローブを有しうる。
【0101】
PLM画像では、非TFCDタイプの欠陥のあるドメインは、2つのローブを有することができ、テクスチャはジャージーニットのメッシュに類似する。
【0102】
見かけの表面SDの等価直径又は幅は、特にサブミリメートルであり、特に1~200μmでありうる。
【0103】
PLM画像では、見かけの表面SDの各ドメインは、幅Lnの閉じた黒い(少なくとも暗い)線で区切ることができ、ここで、幅Lnは、特に最大で5μm、及び/又は更には最大でLD/10又はLD/20である。
【0104】
更に、電気活性層は、前記電界下で流れに伴う荷電粒子(イオン、カチオン)を欠くことができる。
【0105】
液晶の層は、特にディスコティック液晶を有する柱状に組織化できることが知られている。柱状構造の中で、「球形」又はモザイクテクスチャ及びそれらの組み合わせが知られている。
【0106】
メソ相Pにおいて、電気活性層は、液晶の柱状に構造化することができる。
【0107】
従来技術の従来のネマティックメソ相とは対照的に、スメクティックメソ相の液晶の層は、層に組織化する(特にカラミティック又はディスコティック液晶を伴う)ことができることが知られている。これらの層の厚さはナノメートルのオーダーである。
【0108】
しかしながら、体積に制限されるため、これらの層はすべての点で平坦であるとは限らず、その結果、(液晶の分子と比較して)非常に大規模に大きく傾斜する可能性がある。これらの層は、例えば、ナノメートルのオーダーの厚さEcを有する。
【0109】
層状構造の中で、スメクティック相に焦点ドメインを有するテクスチャが知られている。
【0110】
類推により、メソ相Pにおいて、電気活性層は、ナノメートルのオーダーの厚さEc(例えば、最大で100nm)を有する液晶の層に構造化することができ、これまでに公表されていないが、それはスメクティック相ではない相でありうる。
【0111】
ドメインは、スメクティック(A)相の焦点円錐ドメイン(FCDsと呼ばれる)、特にトーリック焦点円錐ドメイン(TFCDs)、非トーリック(非TFCD、放物線、半円筒形(特に油性ストリーク))焦点円錐ドメイン又は扇形の焦点円錐ドメイン(扇形FCDs)に(類型によって)匹敵できる。
【0112】
例えば、電界なしで、TFCD類型のドメインは、以下を含み:
-中央ゾーンにおいて、液晶が垂直に配向し、互いに平行で、かつ電極に平行する平坦な層、
-及び、制限ゾーンにおいて、傾斜している(厚さEcを保持)。
【0113】
欠陥は、これらの高い曲率のゾーンを生成する。
【0114】
液晶は、散乱オフ状態では、平坦な層のゾーンにおいて、層(及び電極)に対して垂直の配向を有し、湾曲した層のゾーンにおいて、層に接するようにする(厚さEcの変化なしで)傾向がある。
【0115】
二次元欠陥は、例えば、規則的又は不規則的な円、規則的又は不規則的な楕円、正方形若しくは長方形等の規則的又は不規則的な閉じた輪郭、及び/又は線形、楕円、放物線若しくは双極幾何から選択された線欠陥であり、特に層は、第1の類型の閉じた欠陥及び第2の類型の欠陥を含む。
【0116】
焦点円錐ドメインの例として、「スメクティック液晶フィルムにおけるフラストレーションのある焦点円錐欠陥ドメインの周期的格子」と題された刊行物、B. Zappone et al., Soft Matter, 2012, 8, pp 4318-4326、及びこの文献から引用された刊行物に記載されているものについて言及することができる。
【0117】
好ましくは、印加された電界がない場合に、製造中の表面相互作用による液晶の固定に役立つアンカー層が使用される。
【0118】
アンカー層がある表面では、結晶は特定の電界(電圧)レベルまで表面に付着したままにできる。
【0119】
したがって、欠陥を含むドメインを形成するために、層のスタックは、以下を更に含みうる:
【0120】
-前記面A1と接触する液晶用の第1の表面アンカー層、これは、印加電界の非存在下で、第1の、好ましくは平面の、配向にしたがって、この第1のアンカー層と接触している液晶の少なくとも一部(ドメインにおいて)を固定することができ、第1のアンカー層は、好ましくは透明(任意選択で着色)であり、特に、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE1を有し、
【0121】
-面A2と接触する第2の表面アンカー層、特に垂直の又は縮退した平面、特に第1の配向と同様又は異なる第2の配向にしたがって、印加電界の非存在下で、この第2のアンカー層と接触している液晶の一部を配向することができ、第2のアンカー層は、好ましくは透明(任意選択で着色)であり、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE’1を有する。
特に拮抗的であるアンカー層は、上記の電気光学特性に寄与する2Dトポグラフィー欠陥を生成するのに役立つ。その中には、2つ以上(3つ以上)のアンカー層が存在する場合もある;そして、アンカー層によって間隔を空けて配置された液晶のいくつかの層がある。
【0122】
また、1つの同じ表面に、いくつかの異なるアンカーゾーンが存在する場合もありうる。これらの欠陥は、材料の構造の機械的変形によって生成され、2つのアンカー層によって加えられる応力によって得られ、液晶を特定の異なる方向でこれらの層と接触させる。
【0123】
層の1つは、最終的に、第2の電極と面A1との間の、好ましくは虹色を回避するために不変の厚さの、空気で充填された空洞(通常の固定機能)でありうる。空気で充填された空洞は、特に高さ(及び更に大きなサイズ)の周辺スペーサー及び/又は電気活性層から出現するスペーサー(透明、特にプラスチック、ガラス、特にビーズ)によって得ることができる。
【0124】
第1のアンカー層は、平面固定であってよく、かつ第2のアンカー層は、垂直固定であってよく、又は第1のアンカー層は、縮退平面の固定であってよく、かつ第2のアンカー層は、縮退平面の固定であってもよい。
【0125】
平面固定は、以下であることができる:
-優先方向なし(縮退と呼ばれる)
-又は一方向であり、液晶のダイレクタnの天頂及び方位角方向を固定し、例えば、テクスチャリング、例えばナノ又はマイクログルーブを含む平面アンカー層の研磨による固定
-又は、更には、テクスチャリング、平面アンカー層の研磨によって交差する(90°等で)いくつかの方向に沿って。
【0126】
研磨は、ベルベットの布を使用できる。
【0127】
特に親水性である第1のアンカー層は、例えば、以下のものである:
-誘電体(特にアモルファス、ポリマーの及び/又は無機の、ガラス)、表面Sbの機能化を有し、特にポリイミド上のポリビニルアルコール(PVA)に基づく層、例えば平面固定用
-又は二硫化モリブデンや硫化モリブデン(IV)等の半導体、
-電気的に導電性であり、特に第1の電極の厚さの一部である。
【0128】
一方向の平面固定の場合、ポリテトラフルオロエチレンPTFEやテフロン等のフルオロポリマーのフィルムを使用できる(ポリマーのチェーンは、堆積中にテフロンロッドの移動方向に沿って整列する)。
【0129】
第2のアンカー層は、例えば、以下のものである:
-誘電体(特にアモルファス、ポリマーの及び/又は無機の、ガラス)、表面S’bの機能化(垂直固定のためのシラン化)を有し、特にポリイミドのポリビニルアルコール(PVOH)の層、例えば平面固定用
-又は半導体、
-又は電気的に導電性であり、特に第2の電極の厚さの一部である。
【0130】
-ガス充填された空洞、空気充填された空洞(垂直固定が必要である場合)。
【0131】
アンカー層の1つは、任意のテクスチャリング又は研磨を備えたアモルファスポリマー(ポリ(メチルメタクリレート)PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン)であってよく、かつ他のアンカー層は、結晶性ポリマー(PET、ナイロン、ポリ(ブチレンテレフタレート)PBT、PVA)で形成された。
【0132】
垂直の固定では、最も一般的に使用される層は、オクチルトリクロロシラン(OTS)及びN,N-ジメチル-N-オクタデシル-3-アミノプロピルトリメトキシシリルクロリド(DMOAP)に基づいている。
【0133】
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)又はアルカンチオールの混合物に基づく層も、垂直の固定を生成できる。
【0134】
1つの又は第1及び第2のアンカー層は、例えば、液体経路によって、それぞれ第1及び第2の電極上に堆積される(自立又は堆積)。
【0135】
第1のアンカー層は、フィルム、好ましくは、例えば、最大200μm又は50μmの薄い(可撓性等の)フィルムであってよく、特に以下であってよい:
【0136】
-第1の電極(それ自体が、例えば外面又は複数のグレージングの内部空間に、あるいはその他の、特に可撓性でポリマー性の機能性フィルム(ハードコート、機能性コーティング、例えば太陽光制御、低放射率又は(オプト)電子装置用のフィード等と接触する自由表面を有する)、又は、後で詳細に説明するEVA又はPVB等の積層中間層(接着接触)を担持し、
【0137】
-又は光学接着剤によって第1の電極に接着されており(それ自体が、例えば特に可撓性及び/又はポリマー性の機能性フィルム(ハードコート、反対側に機能性コーティング、例えば太陽光制御、低放射率又は(オプト)電子装置用のフィード等)等の機能性フィルム等の支持体上にあり)、及びそれ自体が任意選択で(後で詳細に説明する)EVA又はPVB等の積層中間層に接着されており(接着接触)、
【0138】
第2のアンカー層は、フィルム、好ましくは、例えば、最大200μm又は50μmの薄い(可撓性等の)フィルムであってよく、特に以下である:
【0139】
-第2の電極(それ自体が、例えば外面又は複数のグレージングの内部空間に、あるいはその他の、特に可撓性及び/又はポリマー性の機能性フィルム(ハードコート、機能性コーティング、例えば太陽光制御、低放射率又は(オプト)電子装置用のフィード等と接触する自由表面を有する)、及びそれ自体が任意選択で(後で詳細に説明する)EVA又はPVB等の積層中間層に接着されており(接着接触)、
【0140】
-又は光学接着剤によって第2の電極に接着されており(それ自体が、例えば特に可撓性及び/又はポリマー性の機能性フィルム(ハードコート、反対側に機能性コーティング、例えば太陽光制御、低放射率又は(オプト)電子装置用のフィード)等の機能性フィルム等の支持体上にあり)、及びそれ自体が任意選択で(後で詳細に説明する)EVA又はPVB等の積層中間層に接着されており(接着接触)、
【0141】
サーモトロピックメソ相は、それらの秩序の程度に従って、そしてメソゲンの形態及び化学構造に従って分類される。
【0142】
好ましい実施形態では、相Pはネマティック相であり、これは任意選択でねじられてコレステリックとして知られており、相P’はスメクティック相である。
【0143】
ネマティックメソ相Pは、(二方向に配向秩序を有する)二軸性ネマティック相、又はネマティック「ひねり曲げ」相であるとしても知られている。
【0144】
スメクティック相中で知られているのは:
-スメクティックA相 SmA(好ましい)、
-スメクティックB相 SmB、
-スメクティックC相 SmC、
-スメクティックI相 SmI、及び
-スメクティック相 F、
-SmCのように、表記が非対称の中心を持つねじれ又はキラルスメクティック相
-及びスメクティックタイプの相:E、G、H、J、K。
【0145】
スメクティック相(ねじれ又は非ねじれ)とネマティック相の間の遷移は、温度を徐々に上げることによって直接的なものにすることができる。
【0146】
厳密に言えば、相J、G、E、K、及びHはスメクティックタイプ(「ソフト」結晶)相である。
【0147】
参照マニュアルとして、Goodby、Handbook of Visual Display Technology、2012を言及することができる。
【0148】
スメクティック相の大部分は、ネマティック相に向かって直接通過することはない。更に、化合物によっては、スメクティックC相は、徐々に温度を上げることにより、スメクティックA相、次にネマティック相に向かって移動中、又はスメクティックA相を通過せずに直接ネマティック相に向かって通過することができる。
【0149】
A相(スメクティック相)とネマティック相との間に、1つ又は複数の中間スメクティック相が存在する場合がある。例えば、一部の化合物はこの配列を持つことができる:G、J、SmI、SmC、SmA、N。
【0150】
円盤状体は、「ディスコティックネマティック」相又は「ディスコティックコレステリック」相を形成できるが、積み重ねて、垂直、斜め等の様々な形状の柱状相を形成することもできる(colH、ColR、ColOB1)。柱状体は、1つの同じ柱の2つの分子間の距離が多かれ少なかれ大きく変動し、長距離秩序がないという意味で流動的である。更に、2つの隣接する柱に属する分子間に位置相関は存在しない。スメクティック相の非常に豊富な多型により、可能なテクスチャのタイプが減少する。
【0151】
液晶は様々な形をとることができる:
-カラミティック:円筒形の細長い形状(異方性形状);長さL1及び幅W1、並びにL1/W1が定義される、
-及び/又はディスコティック:芳香族ボディ/複数のボディ(いくつかの隣接する芳香環)D、柱状スタック又は層状構造(スメクティック相)を有するディスク、
-湾曲したバナナ型のコア、例えばメソ相B7。
【0152】
液晶は、アルキル又はアルコキシ末端を含む異方性構造を有する分子でありうる。(CH2)x。
【0153】
好ましくは、液晶は、剛直な部分、芳香族コア(サーモトロピック液晶の場合)、及び1つ又は複数の可撓性部分、一般に脂肪族鎖を有する。中央部分は一般的にメソ相の形成のために硬いである。両端は可撓性である。
【0154】
リオトロピック液晶の場合、剛体部分はイオンに置き換えられる;これは、例えば、1つ又は複数のアルキル鎖がグラフトされているリン脂質の場合である。それらは、ラグビーボール又はディスクの形の異方性ミセルである可能性がある。
【0155】
硬い部分と可撓性部分がそれぞれ極性と非極性の場合、この幾何学的異方性に化学的異方性を追加できる;その場合、分子は両親媒性又は両親媒性であると言われる。
【0156】
化学構造は次のようである:
【化1】
ここで、
A:配向基(シアノ、ニトロ、メチル、ハロゲン等)
B:架橋基(多くの場合線形)(アルケン、エステル等)
C:C
nF
2n+1ペルフルオロ又はC
nH
2n+1ポリエーテルアルカン(A=Cの場合もある)
【0157】
特許GB0823013に記載されている液晶についても参照することができる。
【0158】
メタロトロピック液晶は、それ自体が分子構造に1つ又は複数の金属原子を有する液晶である。この分子は「鉱床生成」(metallogenic)と呼ばれる。
スメクティックA相及びネマティックメソ相を有する液晶が好ましい。
液晶の類として、以下について言及することができる:
-シアノビフェニル、例えば、4-オクチル-4’-シアノビフェニルである8CBは、単独で、又は4-シアノ-4’-ペンチルビフェニル(5CB)との混合物として
-シリコンを含むメソゲン、シロキサン、オルガノシロキサンを有するメソゲン
-安息香酸塩。
特許WO2010/070606に記載されている液晶を使用することができる。
【0159】
「What makes a liquid crystal? The effect of free volume on soft matter」と題された出版物Goodby et al。、Liquid Crystals、2015年6月に記載されているLC(単独で又は他のものとの混合物として)を使用することもできる。
-セキシフェニル(
図1)、
-キンクエフェニル、2’,3’’’’-ジメチルセキシフェニル、ウンデシルオキシ及びドデシルオキシシアノビフェニル(
図1)
-表3のもの、特に最初の3つ
-表5のもの
-TBN(ねじれ湾曲ネマティック相)。
【0160】
相PとP’の間の遷移のために温度T1を下げるために液晶の混合物を調製することができ、例えば、スメクティックA相とネマティック相との間で、例えばT1を下げるためのスメクティック相を持たない8CBと5CBの混合物。
【0161】
ポリマーは、例えば、以下のポリマー前駆体から得られる:
-ジアクリレート、ジメタクリレート
-文献GB0217907に記載されている重合性ジシクロヘキシルベンゼン
-文献DE10257711に記載されている重合性単環式化合物
-文献GB0308 987に記載されている、桂皮酸基、アセチレン基を含む重合性化合物
-文献GB0308984に記載されている重合可能なトラン
-文献GB0308990に記載されている重合性複素環式アセチレン。
【0162】
積層グレージングを製造するために、例えば少なくとも100℃、120℃、140℃の温度安定性を有するポリマーを選択することができる。液晶と層のスタックについても同様である。
【0163】
当然のことながら、液晶は、実質的に、第1の電極(及び/又は基板)の表面全体にわたって、又は(少なくとも)1つの制限されたゾーン上に広がることができる;液晶は、任意選択でいくつかのゾーンにまたがることができる。
【0164】
電気活性層は、(任意の形状、特に幾何学的な)完全な層であり得るか、又は識別マーク(記号、絵文字等)を形成することができる。
【0165】
電気活性層は、例えばエポキシ製、アクリレート製、例えばシアノアクリレート製のポリマーシーリング用の接着剤シールを取り囲み、接触させることさえできる。
【0166】
更に、好ましくは透明なプラスチック材料で作ることができるスペーサーが使用される。スペーサーは、電気活性層の厚さを(おおよそ)決定する。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で作られたスペーサーが好ましい。
【0167】
スペーサーは、好ましくは、層の光学屈折率に(実質的に)等しい光学屈折率を有する材料でできている。スペーサーは、例えば、ビーズの形態である。
【0168】
第1の電極(及び/又は第2の電極の支持体)の誘電体基板は、可撓性又は可撓性のないプラスチック材料で作ることができ、例えば、最大で300μm又は150μm又は少なくとも1mmの厚さを有する。特にポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリウレタン(PU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド又はポリビニルクロリド(PVC)、実際には、エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、フッ素化エチレン-プロピレンコポリマー(FEP)等のフルオロポリマーに基づく。
【0169】
吸収は、好ましくは、0.5%未満又は最大で0.2%であり、ヘイズは、1.5%未満、更には最大で1%である。
【0170】
PETは、その透明性、表面品質、機械的強度、及びすべてのサイズでの入手可能性、あるいはPC又はPMMAのために好適である。選択は、特に必要な可撓性に依存する。
【0171】
第1の電極の誘電体基板(及び/又は第2の電極の支持体)は、電気活性層よりもサイズを大きくすることができる。
【0172】
特に、前記基板(及び/又は前記支持体)は、その主面の全部又は一部(例えば、少なくとも50%又は80%)を覆う導電層でコーティングすることができ、その1つの領域が第1の電極(第2の電極)、特にこの層の別の領域から(1つ又は複数の絶縁線、レーザーエッチング等によって)電気的に絶縁されている。この導電層は、太陽制御層として機能する低放射率にすることができる。
【0173】
例えば、導電層でコーティングされた透明なPETフィルム、例えば、イーストマンからのXIRで示される透明なPETフィルム、例えば、SRF3M(登録商標)タイプのPET-PMMAで作られた共押出フィルム(太陽光反射フィルムのためのSRF)だけではなく、他の多くのフィルム(例えば、PC、PE、PEN、PMMA、PVC製)等もある。
【0174】
スタックの自由な外面の1つは、全面として、又は周辺フレームを形成する、被覆接着剤層(アクリル等)を備えた一時的な保護プラスチックフィルム(ライナー)を含むことができる。装置が切り替え可能なミラーである(そして、支持体に予定されている電極が反射性である)場合、この接着剤層を使用して、グレージングやプラスチックフィルム等の透明な、又は不透明な(壁)あらゆるタイプの平坦な又は湾曲した支持体にスタックを固定することができる。
【0175】
電極には、以下の類の少なくとも1つの導電性ポリマーを使用することができる:
-ポリチオフェンの類、例えば、PEDOTポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、PEDOT/PSS、すなわち、ポリスチレンスルホン酸と混合されたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、及び出願US2004253439に記載されている他の任意の誘導体、
-又は、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(3-アルキルチオフェン)、ポリテトラチアフルバレン、ポリナフタレン、ポリ(p-フェニレンスルフィド)及びポリ(パラ-フェニレンビニレン)。
【0176】
ポリチオフェンについては、例えば、HC StrackがBaytron(登録商標)の名前で、又はAgfaがOrgacon(登録商標)の名前で、又はOrgaconEL-P3040(登録商標)の名前で販売している製品を選択することができる。
【0177】
層のスタックをシートに結合するために、PSAを使用することができる。
【0178】
PSAは、一般に、適切な追加の接着剤又は「粘着性」剤(例えば、エステル樹脂)と結合されたエラストマーに基づく。
【0179】
エラストマーは以下に基づくことができる:
1/アクリレート、これは、追加の粘着剤を必要としないほど十分に粘着性を有することができる、
2/ニトリル、
3/シリコーン、特殊な粘着剤が必要であり、例えば四塩化ケイ素(「Q」)と反応した単官能性トリメチルシラン(「M」)からなる「MQ」タイプのケイ酸塩樹脂等。シリコーンに基づくPSAは、例えば、キシレン又はキシレンとトルエンとの混合物に分散されたポリジメチルシロキサンガム及び樹脂であり、
4/スチレンをベースにしたブロック共重合体、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン(SEP)又はスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体、
5/ビニルエーテル。
【0180】
有利には、感圧接着剤は、アクリレートに基づくPSA及びシリコーンに基づくPSAから選択される。
【0181】
これらの接着剤は、両面接着剤ロールの形で販売されている。
【0182】
シリコーンをベースにしたPSAとして、DowCorning(登録商標)接着剤について言及することができ、例えば、2013接着剤、7657接着剤、Q2-7735接着剤、Q2-7406接着剤、Q2-7566接着剤、7355接着剤、7358接着剤、280A接着剤、282接着剤、7651接着剤、7652接着剤、7356接着剤等がある。
【0183】
好ましい実装では、スタックは以下の(厳密又は非厳密)積層を含むことができる(括弧内の要素は任意選択的である):
スタックNo.1:(ハードコート又はライナー)/PET基板/第1の電極(ITO等)/(第1のアンカー層)/電気活性層/(第2のアンカー層)/第2の電極(ITO等等)/PET支持体/(ハードコート)
スタックNo.2:ガラス(例えば、着色及び/又は曲げ)/第1の積層中間層シート(PVB又はEVA)又は光学接着剤/PET基板/第1の電極(ITO等)/(第1のアンカー層)/電気活性層/(第2のアンカー層)/第2の電極(ITO等)/PET支持体/(ハードコート)/第2の積層中間層シート(第1のようなPVB又はEVA)又は光学接着剤/ガラス(例えば、着色及び/又は曲げ)。
【0184】
各フィルムは、好ましくは、可撓性、平坦又は湾曲しており、例えば、グレージング又は他の支持体の曲率又は複数の曲率に調整することができる。 各基板、支持体は、可撓性、平坦、又は湾曲することができ、例えば、追加のグレージング又は他の支持体の曲率又は曲率に調整することができる。
【0185】
各層(及び/又は各基板)の主面は、長方形、正方形、又は他の任意の形状(円形、楕円形、多角形等)にすることができる。各バリア層及び/又は基板は、例えば、0.02m2を超え、実際には0.5m2又は1m2でさえの表面積を有するように、サイズを大きくすることができる。
【0186】
各層-堆積物又はフィルム-(及び/又は各基板)は、透明であることができ、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、実際には90%以上の光透過率TLを示すことができる。
【0187】
各層-堆積物又はフィルム-は、例えば、青、緑、灰色、又は青銅で着色することができる。その場合、光透過率TLは、最大で55%、特に20%~50%になる可能性がある。
【0188】
しかしながら、特にガラス製の各基板は、例えば、青、緑、灰色、又は青銅で着色することができる。
【0189】
第1及び/又は第2の電極は、パターン化された層(穴及び/又は不連続線を有する)ではなく、完全な層でありうる。
【0190】
誘電体基板(又は支持体)に関しては、好ましくは透明である第1の電極(第2電極)は、無機であってもよい;特に、無機導電層は、1つ又は複数の透明導電性酸化物又は最大20nmの金属層に基づいており、好ましくは、金属又はシリコンの酸化物及び/又は窒化物の薄層のスタック内にある。
【0191】
第1の電極及び/又は第2の電極は、TCO層として知られる透明な導電性酸化物層でありうる。
【0192】
TCO層は、好ましくは、150Ω/□以下、好ましくは120Ω/□以下の(「固有の」)シート抵抗を有するのに適した厚さを有する。
【0193】
TCO層は、例えば、好ましくは金属(銀、銅等に基づく)である、好ましくは(金属)ストリップの形態で/エッジに沿った電流供給手段を介して電気的に供給される。
【0194】
TCO層を担持するバリアフィルム又は基板(支持体)は、例えば、出願WO2011/161391(
図1又は他の図)又はEP1653275のように作られた電気接続を促進するために、電気活性層を超えて突出することができる。
【0195】
透明な導電性酸化物の層は、好ましくは、インジウムスズ酸化物(ITO)の層である。薄層を含む他の層が可能である:
-インジウム酸化亜鉛(「IZO」と呼ばれる)に基づく、インジウムガリウム酸化亜鉛(IGZO)に基づく、
-ドープされた酸化亜鉛に基づく、好ましくはガリウム又はアルミニウム(AZO、GZO)でドープされ、ニオブでドープされた酸化チタンに基づく、スズ酸カドミウム又はスズ酸亜鉛に基づく、
-フッ素ドープ酸化スズ(SnO2:F)に基づく、アンチモンドープ酸化スズに基づく。
【0196】
アルミニウムドープ酸化亜鉛の場合、ドーピングレベル(すなわち、総重量に対する酸化アルミニウムの重量)は、好ましくは3%未満である。ガリウムの場合、ドーピングレベルはより高くなる可能性があり、通常は5~6%の範囲内である。
【0197】
ITOの場合、Snの原子百分率は、好ましくは5~70%、特に10~60%の範囲内である。
【0198】
フッ素ドープ酸化スズに基づく層の場合、フッ素の原子百分率は、好ましくは最大で5%、一般に1~2%である。
【0199】
特にITOが好ましく、更にはIZO、AZO、GZO、IGZOも好ましい。カソードスパッタリングプロセス、特にマグネトロンカソードスパッタリングプロセスによって容易に堆積されるこれらの層は、CVDよりも粗さが小さいという特徴がある。
【0200】
一般的に使用される電極は、混合インジウムスズ酸化物(ITO)でできている。電極間の距離以上の大きさの不純物を伝導することによって発生する短絡から保護するために、文献WO2014/072596に記載されているように、各ITO層は、Si3N4やSiO2等の酸化物又は窒化物の1つ又は複数の誘電体層、例えば、50~150nmの累積厚さでコーティングすることができる。
【0201】
一方、フッ素ドープ酸化スズの利点の1つは、化学蒸着(CVD)による堆積が容易であり、フロートフラットガラスの生産ラインに実装できることである。一実施形態では、スタックの層は、フロートガラス法によるガラスシートの製造のために、ライン上に直接化学蒸着することによって得られる。堆積は、熱いガラスのリボン上に、ノズルを通して前駆体を噴霧することによって実行される。異なる層の堆積は、ラインの異なるポイントで実行できる:フロートチャンバー内、フロートチャンバーとレールの間、又はレール内。前駆体は、一般に、有機金属分子又はハロゲン化物タイプの分子である。
【0202】
例として、フッ素ドープ酸化スズについて、四塩化スズ、三塩化モノブチルスズ(MBTC)、トリフルオロ酢酸又はフッ化水素酸について言及することができる。酸化ケイ素は、シラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、又はヘキサメチルジシロキサン(HDMSO)を使用して、場合によってはリン酸トリエチル等の促進剤を使用して得ることができる。
【0203】
基板とTCO層の間に中和層のスタックを配置することも可能である。そのような層(少なくとも2つの層)は、グレージングの反射の外観、特に反射の色に影響を与えることを可能にする。導電性支持体が液晶の層でコーティングされると(そして別の同一の導電性支持体が追加されたとしても)、色は、好ましくは中性、わずかに青みがかった、又は緑色であり、比色座標a*、b*が0に近い、a*、b*が負又はa*が負、b*がわずかに正であることを特徴とし、紫、ピンク、赤の色(a*がより正である)であることが好ましい。
【0204】
好ましい実施形態では、スタックは、この順で、主面上に、TCO層の下に、以下を含む:
-窒化ケイ素(SiNx、好ましくはSi3N4)に基づく第1の下層、任意選択で好ましくはアルミニウムでドープされ、厚さtyが5~50nm、又はより好ましくは更に10nm~35nmであり、好ましくは(直接)主面と接触し、好ましくは本質的に、任意選択で好ましくはアルミニウムでドープされた窒化ケイ素から構成される;
-酸化ケイ素(SiOx、好ましくはSiO2)に基づく第2の下層、厚さtzが10~50nm、更には20nm~50nmであり、好ましくは本質的に酸化ケイ素で構成され、下層が、ドープされていないか、又は任意選択で好ましくはアルミニウムでドープされ、好ましくはTCO層と接触している。
【0205】
より広義には、下層(特に単一)は、酸窒化ケイ素(SiON)に基づく層である可能性がある。
【0206】
第1の電極を形成する薄層のスタックのいくつかの例を以下に示す:
-SiNx/SiOx/TCO(好ましくはITO)/SiNx/(SnZnO)/SiOx
-SiNx/SiOx/TCO(好ましくはITO)/SiNx/SnZnO/SiOx
-SiNx/(SnZnO)/SiOx/TCO(好ましくはITO)/SiNx/(SnZnO)/SiOx
-SiOxNy/TCO(好ましくはITO)/SiOxNy/(SnZnO)/SiOx。
【0207】
薄層を堆積するための任意のタイプのプロセスによって、異なる層を基板上に堆積させることができる。それは、例えば、プロセス、(液体又は固体)熱分解、化学蒸着(CVD)、特にプラズマ化学気相成長(PECVD)、任意選択で大気圧下(APPECVD)、蒸発、実際にはゾルーゲルタイプも関連する可能性がある。
【0208】
本発明による装置は、以下を含む積層グレージングを含むことができる:
-第1の追加ガラスシート、特に0.7mm~4mmの厚さを有する、
-熱可塑性積層中間層、
-第2の追加ガラスシート、特に0.7mm~4mm又は0.7mm未満の厚さを有し、又はその他のプラスチックシート、例えばポリカーボネート又はPMMA(特にPU製の積層中間層を備えている)、
第1及び第2の追加のガラスシートのF2及びF3と呼ばれる主内面が、互いに対面しており、スタックが、面F2及びF3の間にあり、好ましくは前記積層中間層にある。
【0209】
好ましくは、熱可塑性積層中間層は、スタックのエッジを取り囲む。
【0210】
スタックの端面は、積層中間層(又は第1のシート)の最も外側の端面に対して後退させることができる。
【0211】
好ましくは、任意選択の第1及び/又は第2の基板は、好ましくは、最大で0.7mm、更には最大で0.3又は0.2mmの厚さを有する。ガラス基板又は基板に、薄い(1mm未満)のガラスとも極薄ガラス(UTG)を選択することが可能である。
【0212】
追加のガラスシートの1つは着色でき、もう1つはクリア又はエクストラクリアであってよい。熱可塑性積層中間層は、クリア、エクストラクリア、又は着色することができる。
【0213】
本発明による装置は、グレージング、特に積層及び/又は湾曲グレージングを含むことができ、スタックは、グレージングの主面の一部の上にストリップ、特に周辺ストリップを形成する。
【0214】
上述した晶によって変化させることができる散乱を有する装置は、乗り物又は建築物で使用することができる。特に以下のように使用できる:
【0215】
-建物、地上、鉄道、航海、又は航空機内(2つのコンパートメント間、タクシー、バス、電車等)の内部パーティション(2つの部屋の間又はスペース内)、特にシャワーやお風呂のガラス張りの壁として、
-グレージングドア(前面又は背面)、窓(シングル、ダブル、トリプルガラス)、天井、タイリング(床、天井)、トイレのドア、街路又は家庭用家具のガラス部分、
-自動車(自動車、トラック、バス等)のグレージング、したがって、地上、鉄道、又は航海用車両(ボート):ウィンドシールド、サイドウィンドウ、ルーフ等、
-プロジェクション又はバックプロジェクションスクリーン、
-ショーウィンドウ又は陳列ケース、特にカウンター。
【0216】
当然、ガラスの全部又は一部(欄間タイプの仕切りや窓等)を形成することができる。
【0217】
本発明による装置は、積層及び特に湾曲グレージングを含み、層のスタックは、第1及び第2のグレージングの間にあり、それぞれ「外部」及び「内部」グレージングであり、グレージングの上部に周辺ストリップを形成し、スタックの「外部」端面は、外部グレージング(好ましくは面F2上)の第1の不透明周辺層、特にエナメルによって外側からマスクされており、及び/又はスタックの「内部」端面は、内部グレージング(面F4上、例えば、実際には面F3上)の第2の不透明周辺層、特にエナメルによって内側からマスクされている。
【0218】
積層グレージングに組み込むために、以下を使用することができる:
-3つのシート(単層又は多層PVB、EVA、PU等)、特に、それぞれ2つのグレージングの1つと接触している2つの完全なシート、及びスタックを収納するためのストアを有する中央シート、
-2つのシート(単層又は多層PVB、EVA、PU等)、特にスタックがかなり薄い場合は、2つのシートをスタックのいずれかの側で流れによって結合する。
【0219】
基板及び/又は支持体又は他の場合、又は追加のガラスシート又は積層及び/又は複数のグレージングのグレージングについて、透明又は超透明のガラスを選択することが可能である。透明なガラスは通常、0.05から0.2%のオーダーの酸化鉄の含有量を含むが、超透明なガラスは一般に約0.005から0.03%の酸化鉄を含む。
【0220】
しかしながら、追加のガラスシート又は積層及び/又は複数のグレージングのグレージングは、例えば、青、緑、灰色、又は青銅で着色することができる。
【0221】
着色された追加ガラスシート又は積層及び/又は複数のグレージングの着色されたグレージングは、好ましくは、10%以上の光透過TLを示すことができる-例えば、基板の外面の側(電極のある面の反対側)の環境が高度に照明されている状況では、好ましくは40%以上である。
【0222】
ガラスは、好ましくはソーダ石灰シリカタイプであるが、ホウケイ酸塩又はアルミノホウケイ酸塩タイプのガラスであってもよい。ガラスの厚さは、一般に、0.5~19mm、好ましくは0.7~9mm、特に2~8mm、実際には4~6mmに及ぶ範囲内にある。
【0223】
ガラスは、好ましくはフロートガラスタイプであり、すなわち、溶融ガラスを溶融スズ浴(「フロート」浴)に注ぐことからなるプロセスによって得られることができる。この場合、スタックは、基板の「錫」面と「雰囲気」面の両方に堆積することができる。「雰囲気」及び「スズ」面という用語は、それぞれ、フロート浴内に広がる雰囲気と接触しており、溶融スズと接触している基板の面を意味すると理解される。スズ面には、ガラスの構造に拡散した少量のスズが含まれている。
【0224】
熱可塑性積層中間層は、剛性又は可撓性のある要素との結合を提供する。このポリマー積層中間層は、特に、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロリド(PVC)、熱可塑性ウレタン、ポリウレタンPU、イオノマー、ポリオレフィン、熱可塑性シリコーン、又は多成分又は一成分樹脂製の熱的に(エポキシ、PU)又は紫外線放射(エポキシ、アクリル樹脂)で架橋できるものに基づく接着剤に基づく層でであってよい。
【0225】
PVB中間層はくさび形にすることができるため、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の場合、特にウィンドシールド用の場合、二重画像を回避するために、積層グレージングの上部から下部に向かって断面がくさび形に減少する。
【0226】
PVB中間層は、任意選択で防音(acoustic)及び/又は着色される。
【0227】
防音PVB中間層は、振動音響減衰特性を備えた粘弾性プラスチックで作られた少なくとも1つの「中央」層を含むことができ、特にポリビニルブチラール(PVB)及び可塑剤に基づいており、更に標準のPVBで作られた2つの外層を含み、中央層は2つの外層の間にある。
【0228】
任意選択で、一方又は両方の外層は、積層グレージングの上から下に向かってくさび形に減少する断面を有し、この層は、積層グレージングの上から下に向かって不変の断面を有する振動音響減衰特性を備えた粘弾性プラスチックでできている層である。防音シートの例として、特許EP0844075について言及することができる。
【0229】
積層グレージングの第1及び/又は第2のグレージングは、(審美的結果又は所望の光学効果に応じて)透明なガラス(4mmの厚さに対して90%以上の光透過率TLを有する)であってよく、例えば、標準的なソーダライム組成のガラス、サンゴバンガラスのPlanilux(登録商標)、又は非常に透明なガラス(厚さ4mmで91.5%以上のTL)であってよく、例えば、Fe(III)又はFe2O3が0.05%未満のソーダライムシリカガラス、サンゴバンガラスのDiamant(登録商標)ガラス、PilkingtonのOptiwhite(登録商標)ガラス、又はSchottのB270(登録商標)ガラス、又は文献WO04/025334に記載されている別の組成物のガラスであってもよい。サンゴバンガラスからのPlaniclear(登録商標)ガラスを選択することも可能である。
【0230】
第1及び/又は第2のグレージングのガラスは、サンゴバンガラスからのTSAガラスのように、中性(着色なし)又は(わずかに)着色され、特に灰色又は緑色でありうる。第1及び/又は第2のグレージングのガラスは、硬化又は焼きなましタイプ又は焼戻し(特により良い機械的強度を得るために)の化学的又は熱処理を受けているか、又は半焼戻しされている可能性がある。
【0231】
光透過率TLは、光源D65を使用して標準ISO 9050:2003に従って測定でき、直接透過及び拡散透過の両方を考慮している、全透過率(特に、可視領域全体に統合され、人間の目の感度曲線によって重み付けされた)であり、測定は、例えば、積分球を備えた分光光度計を使用して実行され、所定の厚さでの測定値は、その後、必要に応じて、標準ISO 9050:2003に従って4mmの参照厚さに変換される。
【0232】
本発明による湾曲積層グレージング、特にウィンドシールド又はサイドウィンドウは、透明なガラス領域に、好ましくは少なくとも70%、更には少なくとも75%、更には少なくとも80%であるTLを有することができる。
【0233】
本発明による湾曲積層グレージング、特にサンルーフは、最大で10%、更には1~6%の光透過率TLを有することができる。
【0234】
自動車のルーフについて、以下の基準の少なくとも又は全てが好適である:
-最大で10%、更には4~6%のエネルギー伝達TE、
-最大で10%のエネルギー反射RE(好ましくはF1側に面する)、更には4~5%、
-及び太陽エネルギーの総透過率はTST<30%、更には<26%、更には20~23%
【0235】
以下の表Aは、出願会社が販売したガラスの例である。SGSThermocontrol(登録商標)吸収/ヴィーナスガラスは、ガラス本体のエネルギー負荷を吸収することにより、熱的快適性を向上させる。これらのガラスは、「ビジョン」(光透過率>70%)と「プライバシー」(光透過率<70%)の2つのカテゴリに分類される。
【0236】
【0237】
「ビジョン」ガラスは、車両内のすべてのタイプのグレージング(緑/青/灰色)に適しており、エネルギー伝達(TE)を低減する。この目的で最も人気のある色は緑色である。それは、車両の色の調和に影響を与えないニュートラルな外観のために選択されていた。
【0238】
「プライバシー」ガラスは、熱的快適性とプライバシーのためにバルク着色されたグレージングである。濃い緑色又は濃い灰色に染められたグレージングである。プライバシーを確保するために、このグレージングは70%未満、通常は約55%以下の光透過率を示す。このタイプのガラスは、その暗い色合いのために、UV透過率も低くなる(UV光線は皮膚の炎症を引き起こす可能性がある)。
【0239】
ほとんどの国では、ヴィーナス/プライバシーガラスがリアサイドウィンドウ(Bピラーの後)、リアウィンドウ、ルーフに適している。
【0240】
SGS Thermocontrol(登録商標)ヴィーナスは、色が濃い灰色又は濃い緑色の光沢のあるグレージングで構成されている。それらは、改善された太陽光保護を備えた「ビジョン」タイプ(SGS Thermocontrol(登録商標)タイプ)のガラスの全ての熱的利点を有している:
-(他の全てのガラスソリューションに関して)より低いエネルギー伝達値、
-その暗い色はまた、皮膚の炎症や車室内の変色の原因となる紫外線を遮断する、
-乗り物の乗客により大きなプライバシーを提供する(外側からガラス越しに見ることは困難である)。
【0241】
好ましくは、湾曲積層グレージングは、自動車又はトラック等の道路車両のウィンドシールドを形成する。
【0242】
第1及び第2のグレージング(特にウィンドシールド)の湾曲は、例えば、文献WO2010136702に記載されているように、1つ又は複数の方向に向けることができる。
【0243】
主面F1(特にウィンドシールド又はルーフ)の面積は、1.5m2より大きく、例えば、3m2未満でありうる。
【0244】
車室内の暖房を制限したり、エアコンの使用を制限したりするために、少なくとも1つのガラス(好ましくは外部ガラス)に着色し、積層グレージングはまた、好ましくは面F4又は面F2又はF3上で、太陽放射を反射又は吸収する層を含むことができ、特に、透明な導電性酸化物層、「TCO層」(面F4上)、又は少なくとも1つのTCO層を含む薄層のスタック、又は少なくとも1つの銀層を含む薄層のスタック(F2又はF3上)を含むことができ、各銀層は誘電体層の間に配置される。
【0245】
面F2及び/又はF3上に(銀含有)層及び面F4上にTCO層を同時に有することが可能である。
【0246】
TCO層(透明な導電性酸化物の層)は、記載されているように、第1又は第2の電極のために、又は面F4上に使用することができる。混合インジウムスズ酸化物(ITO)の層又はフッ素ドープ酸化スズ(SnO2:F)の層であることが好ましい。他の層も可能であり、その中で、混合インジウム亜鉛酸化物(「IZO」と呼ばれる)に基づく、ガリウムドープ又はアルミニウムドープ酸化亜鉛に基づく、ニオブドープ酸化チタンに基づく、スズ酸カドミウム又はスズ酸亜鉛に基づく、又はアンチモンドープ酸化スズに基づく薄層。アルミニウムドープ酸化亜鉛の場合、ドーピングレベル(すなわち、総重量に対する酸化アルミニウムの重量)は、好ましくは3%未満である。ガリウムの場合、ドーピングレベルはより高くなる可能性があり、通常は5~6%の範囲内である。
【0247】
ITOの場合、Snの原子百分率は、好ましくは5~70%、特に10~60%の範囲内である。フッ素ドープ酸化スズに基づく層の場合、フッ素の原子百分率は、好ましくは最大で5%、一般に1~2%である。ITOで作られた層の場合、厚さは一般に少なくとも40nm、実際には少なくとも50nm、更には少なくとも70nm、多くの場合最大で150nm又は最大で200nmになる。フッ素ドープ酸化スズで作られた層の場合、厚さは一般に少なくとも120nm、実際には少なくとも200nm、多くの場合最大で500nmになる。
【0248】
例えば、低放射率層は、以下の積層を含む:高屈折率下層/低屈折率下層/TCO層/任意選択の誘電体上層。
【0249】
低放射率層(焼戻し中に保護された)の好ましい例を選択することができ、高屈折率下層(<40nm)/低屈折率下層(<30nm)/ITO層/高屈折率上層(5~15nm)/低屈折率バリアオーバー層(<90nm)/最終層(<10nm)。
【0250】
特許US2015/0146286に記載されているものの、特に実施例1~3において、面F4上での低放射率層について言及することができる。
【0251】
特に、積層グレージングの面Feは、透明機能層、特に低放射率層でコーティングされており、好ましくは、(第1の発光表面を管理するための)タッチボタンを形成するゾーン(電気、したがって電極が供給される)を含むTCO層を含む。
【0252】
電極との電気的接続を提供することができる。例えば、第1の電極に沿って第1の周辺導電性(金属等)ストリップを使用し、第2の電極に沿って第2の周辺導電性ストリップを使用することができる。例えば、第1の導電性ストリップは、第1の横方向又は長手方向のエッジに沿っており、第2の導電性ストリップは、第2の反対側(横方向又は縦方向)及び/又は隣接するエッジに沿っている。
【0253】
導電性バンド、特に、例えば銅製で、例えば最大幅が2cmの金属導電性バンドは、例えば、電力の供給のために、電極の周辺に固定されている(電極ごとに1つのバンド、バンドは反対側のエッジにあることが好ましい)。
【0254】
これらの導電性ストリップに電気ケーブルを固定(溶接、接着)することが可能である。
【0255】
本発明による装置は、エレクトロルミネセンスシステム(特定の無機LEDダイオード、有機ダイオード又はOLED、TFEL(薄層を有する)の集合体)を備えた装置等の他の電気的に制御可能な装置と組み合わせて使用することができる。
【0256】
両者は、積層グレージング(積層中間層)内で対面又は隣接することができる。
【0257】
本発明による装置は、特に積層グレージングにおいて、電気的に制御可能なエレクトロルミネセント装置、特にLED、OLED、TFEL等の別の電気的に制御可能な装置と組み合わせて使用することができる。
【0258】
製造例では、液晶はモノマー及び少量の光開始剤(溶媒として作用する液晶)と混合され、重合は熱的又は光化学的に(より迅速に、分子スケールでポリマーネットワークに有利に働く)実行される。
【0259】
したがって、本発明は、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法、特に上記説明した装置の製造方法を対象とする:
-特に誘電体基板上において、第1の電極を提供すること
-特に誘電体支持体上において、第2の電極を提供すること
-以下を含む混合物を提供すること:
-少なくとも1つのポリマー前駆体
-メソ相Pを示す少なくとも第1の液晶、及び任意選択で少なくとも第2の液晶を含む液晶
混合物が、メソ相P及びメソ相P’を示し、TAが、混合物のメソ相Pとメソ相P’との間の遷移温度であり、
-必要に応じて、重合開始剤、好ましくは光開始剤
-第1及び第2の電極の間に、混合物から出発して、ポリマーネットワークによって安定化された液晶を含む材料から形成された電気活性層の形成を含む層のスタックを形成すること、前記形成が、以下を含み:
-TAよりも低い温度Tiで、メソ相P’において、好ましくは光重合によって、好ましくは紫外線又はUV放射下で、前記前駆体又は複数の前駆体を重合し、前記ポリマーネットワークを結果として得ること。
【0260】
第1の液晶は、メソ相P及びメソ相P’を示し、第1の液晶は、メソ相Pとメソ相P’との間の遷移の温度Tpを有し、TAは、好ましくはTp以下であり、重合は、Tp又はTA未満の温度Tiで行われる。
【0261】
メソ相Pは、(相P’において、好ましくは、又は相Pにおいて)混合物へのキラル剤の添加によってねじれたネマティックメソ相でありうる。したがって、キラル剤がなければ、最初の液晶のメソ相Pは、ねじれのないネマティック相である可能性がある。
【0262】
本発明は、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法、特に上記説明した装置の製造方法を対象とする:
-第1の電極の提供、特に、第1の任意選択で縮退した平面配向による液晶用の第1の表面アンカー層、特に誘電体基板上の第1の電極を含むか、又はそれでコーティングされる第1の電極
-第2の電極の提供、特に、第2の配向、特に縮退した又は垂直の平面配向による液晶用の表面アンカー層を含むか、又はそれでコーティングされる第2の電極、特に誘電体支持体上の第2の電極
-以下を含む混合物の提供:
-少なくとも1つのポリマー前駆体(モノマー等)
-メソ相P及びメソ相P’を示す第1の液晶を少なくとも含み、かつ任意選択で、第2の液晶を少なくとも含む液晶、第1の液晶は、メソ相Pとメソ相P’との間の遷移の温度Tpを有し、TAは、混合物のメソ相P及びメソ相P’の間の遷移温度であり、特にTp以下である
-必要に応じて、重合開始剤、好ましくは光開始剤
-層のスタックの形成は、第1及び第2の電極の間に、特に第1及び第2のアンカー層を含み、この形成は、中間層Pから中間層P’への温度T1(特にTp未満、実際にはTpに等しい)でポリマーネットワークによって安定化された前記液晶を含む材料からなる電気活性層の、前記混合物から出発することを含み、前記形成は、以下を含む:
Tp又はTAよりも低い温度Tiで(よってメソ相P’において)、前記前駆体を重合して、好ましくは光重合によって、UV放射下で、前記ポリマーネットワークを結果として得ること。
【0263】
好ましくは、工程は、ネマティック相ではなく、スメクティック相でさえもないメソ相P’において、ドメイン、特にメソ相Pに(実質的に)残っている二次元のトポグラフィー欠陥を伴うサブセンチメートルドメインの形成を含む。
【0264】
欠陥の形成は、以下の工程の(少なくとも又は選択による)1つによって実行される:
-前記混合物を、液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させることによること
-(基板と支持体との間に)応力の印加によること
-最大で100Hz、又は最大で10Hzの電界、特に低周波交流電界の印加によること、前記混合物が荷電粒子を含むこと。
【0265】
特に、電気活性層の前記形成は、好ましくは、前記混合物を、液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させることを含み、特に:
-(誘電体又は半導体)層の液体経路による堆積、又は、第1の電極に結合された(接着結合された)サブミリメートルフィルム等の(誘電体又は半導体)要素の提供(又は、ガス充填された空洞、例えば空気充填された空洞の生成(垂直固定のための))
-(誘電体又は半導体)層の液体経路による堆積、又は、第2の電極に結合された(接着結合された)サブミリメートルフィルム等の要素の提供、又は第2の電極と混合物との間に、空気充填された空洞等の、ガス充填された空洞(垂直固定のため)の生成。
【0266】
(平坦かつ一方向の固定を形成するために)第1及び/又は第2のアンカー層の表面研磨を(予め)提供することができる。
【0267】
相Pの温度T’>Tの温度で、電気活性層はそして、二次元トポグラフィー欠陥を持つドメインを示す(かつ可変の散乱の多状態を示す)。
【0268】
混合は、特に、サーモトロピック液晶を有する粉末前駆体(モノマー)から開始して攪拌しながら実施することができる。
【0269】
電気活性層は、「滴下充填」操作を使用して、又は前記混合物の毛細管現象によって生成することができる。
【0270】
好ましくは、露出された表面で受け取られる電力、したがって架橋の程度、重合の程度を可能な限り制御するために、UVランプの強度は制御される。
【0271】
更に、第1の液晶は、スメクティック相であるメソ相P’及びネマティックメソ相Pを有し、第2の液晶は、メソ相、特に特にネマティックメソ相を有し、かつスメクティックメソ相がないことを提供することができる。
【0272】
モノマー等のポリマー前駆体は、好ましくは、液晶材料と混和性である(必ずしも全ての比率である必要はない)。
【0273】
上限は、液晶とモノマーとの混合物に依存する(溶解度の限界は、更に、特定の混合物について、温度とこの混合物の液晶相の性質に依存する)。
【0274】
プロセスは、前記スタックの積層の工程を含むことができ、特に以下を含むことができる:
-基板(可撓性、ポリマー性、PET、UTG等)/第1の電極/(第1のアンカー層)/電気活性層/(第2のアンカー層)/第2の電極/支持体(可撓性、ポリマー、PET、UTG等)
-又は更には第1の電極/第1の基板形成アンカー層/電気活性層/第2の支持体形成アンカー層/第2の電極
これは2つのガラスシート、特に湾曲ガラスシートの間にあり、ポリマー積層中間層、特に熱可塑性中間層、例えばPVB又はEVA、を用い、積層中間層は、1つ以上のシートを含み、特に、最大で140℃、更には最大で120℃、110℃の温度における積層を用いる。
【0275】
したがって、積層を提供することができる。2つのガラスシート(例えば0.7mm~5mmの厚さを有するもの)の間に、前記スタック(プラスチック又はガラス、例えば、可撓性、支持体及び基板)を有する積層グレージングを形成するために、以下を用いることができる:
-3つのシート(単層又は多層PVB、EVA、PU等)、特に、それぞれ2つのグレージングの1つと接触している2つの完全なシート、及びスタックを収納するためのストアを有する中央シート、
-2つのシート(単層又は多層PVB、EVA、PU等)、特にスタックがかなり薄い場合は、2つのシートをスタックのいずれかの側で流れによって結合する。
【0276】
PVBは乗り物の世界で好適である。
【0277】
ガラスシートの1つに着色することができる。
【0278】
従来、積層は、真空下に置くこと(任意の吸引手段による)、加熱、及び任意選択の加圧を含む。ストーブ又はオートクレーブが用いられる。したがって、積層は、デガッシング、エッジのシーリングを含むことができ、及び適切な温度と圧力の使用に関与する;通常、オートクレーブ処理中、PVB等のシートは、比較的高温になり(PVBの場合は100°Cを超え、多くの場合90°Cから140°Cの間)、軟化して流動する。複数のシート、特にPVBシートを使用する場合、注目に値する効果が生ずる;様々なPVBシートの境界面は消失するであろう;PVBは、ある意味で、オートクレーブ処理の最後に、直って、単一の均質で連続的なフィルムを形成するであろう。
【0279】
積層グレージングを組み立てるための通常の条件下で、加熱を組み合わせて、異なる構成要素(加熱前に粗く不規則な積層中間層の表面)の間に存在する空気を排出する目的に、積層構造の内部を負圧(真空)下に置いて、任意選択で、集合体の接着結合と持続的な凝集を促進するために、積層構造の外側に圧力をかける。
【図面の簡単な説明】
【0280】
本発明の他の詳細及び特徴は、以下の添付の図面に関して与えられ、以下の詳細な説明から明らかになるであろう:
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置100の概略断面図を示す図である。
【
図2a】
図2aは、電界なし又は電界下の
図1のタイプの液晶によって変化することができる散乱を有する装置の電気活性層の概略的かつ詳細な断面図を示す図である。
【
図2b】
図2bは、電界下で、いくつかの液晶の配向を示す図である。
【
図2c】
図2cは、電界なし又は電界下の
図1のタイプの液晶によって変化することができる散乱を有する装置の電気活性層の概略的かつ詳細な断面図を示す図である。
【
図3a】
図3aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、電界がない場合の、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図4a】
図4aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、25Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図5a】
図5aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、50Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図6a】
図6aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、70Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図7a】
図7aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、電圧が0Vに戻った場合の、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図3b】
図3bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電界がない場合の、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図4b】
図4bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、25Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図5b】
図5bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、50Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図6b】
図6bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、70Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図7b】
図7bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電圧が0Vに戻った場合の、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図8】
図8は、
図1の装置に対して、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~110Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての全透過率TTに対応する曲線の集合A及び、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~110Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての拡散透過率DTに対応する曲線Bの集合を示す図である。
【
図9】
図9は、
図1の装置に対して、ほぼ電界がない場合、又は電気活性層に垂直な電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~2500nmの波長の関数としての全透過率に対応する曲線の集合A、及び
図1の装置に対して、ほぼ電界がない場合、又は電気活性層に垂直な電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線の集合Bを示す図である。
【
図10】
図10は、
図1の装置に対して、ヘイズH(%で表される)に対応する曲線の集合を示しており、これは、全透過率TTに対する拡散透過率DTの比率であり、ほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数として表されおり、及びほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線Bの集合を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置200の概略断面図を示す図である。
【
図12a】
図12aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、電界がない場合の、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図13a】
図13aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、20Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図14a】
図14aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、40Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図15a】
図15aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、70Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図16a】
図16aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、120Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図17a】
図17aは、20cmにおける背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内に、照明D65下で、電圧が0Vに戻った場合の、
図11の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す図である。
【
図12b】
図12bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電界がない場合の、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図13b】
図13bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、20Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図14b】
図14bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、40Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図15b】
図15bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、70Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図16b】
図16bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、120Vの電気活性層に垂直な電界下での、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図17b】
図17bは、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電圧が0Vに戻った場合の、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図18】
図18は、
図11の装置に対して、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての全透過率に対応する曲線の集合A1及び、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線B1の集合を示す図である。
【
図19】
図19は、
図11の装置に対して、ヘイズH(%で表される)に対応する曲線の集合を示しており、これは、全透過率TTに対する拡散透過率DTの比率であり、ほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数として表されおり、及びほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線Bの集合を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の第3の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置300の概略断面図を示す図である。
【
図21】
図21は、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電界がない場合の、
図20の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の第4の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置400の概略断面図を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の第5の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置500の概略断面図を示す図である。
【
図24a】
図24aは、本発明の第6の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置600の正面図を示す図である。
【
図24b】
図24bは、本発明の第6の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置600の断面図を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の第7の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置700の概略断面図を示す図である。
【0281】
図中の要素は一定の縮尺で示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0282】
実施例1
図1に示されている例示的な実施形態No.1は、本発明による液晶によって変化させることができる散乱を有する装置100を示し、以下の順での層のスタックを含む:
-透明誘電体基板1、ここで、この透明誘電体基板1は、端面10並びに主面11及び11を有し、接合表面と呼ばれる第1の主面及び反対表面Sbと呼ばれる表面並びに端面10を有する第1の透明電極2を含み、この例では、1.1mmのガラス-又は別の形式では、PET等のプラスチック-であり、シート抵抗が10オーム/スクェア、より広くは5~300オーム/スクェアのITO層を有し、そして色での中立のために、この電極又は各電極は、ITO層の下に少なくとも2つの薄い誘電体下層、及び更には1つ又は2つの(誘電体)オーバー層を含むこともできる、
-第1の電極2上の透明な(この場合は縮退した)平面の第1のアンカー層4、
-第1のアンカー層4と接触して、接合表面側の面と呼ばれると呼ばれる主面と反対側面A2と呼ばれる主面とを有する誘電体電気活性層3、この例では、6μmの厚さを有し、以下を含む材料からできている:
-液晶、
-ポリマーネットワークを形成するポリマー、ここで、液晶は、このポリマーネットワークによって安定化されている、
ここで、この材料は、T1と呼ばれる温度から始まり、Pと呼ばれるメソ相を示し、この材料は、ドメインの集合体を含み、この例では、ドメインは、サブミリメートルであり、線欠陥等の二次元トポグラフィー欠陥を含む、
-材料中に分散されているスペーサー、この例ではガラスビーズである、
-ポリマーシール5によって周辺がシールされている層、例えばエポキシ製、アクリレート製、この例ではシアノアクリレート製のポリマーシールである、
-透明な第2のアンカー層4’、この例では、垂直のアンカー層である、
-第2の電極2’、ここで、この第2の透明電極2’は、面A2の側において、第2の接合表面と呼ばれる主面及び反対表面Sc呼ばれる表面を有し、特に、この第2の電極は、特にシート抵抗が10オーム/スクェア、より広くは5~300オーム/スクェアのITO層である第2の電極であり、そして色での中立のために、この電極又は各電極は、ITO層の下に少なくとも2つの薄い誘電体下層、及び更には1つ又は2つのオーバー層を含むこともできる、
-第2の電極2’の透明誘電体支持体1’、端面10’並びに主面11’及び12’を有し、この例では、1.1mmのガラス-又は、代替の形式では、PET等のプラスチックである。
【0283】
供給源110を介して電力を供給するために、導電性バンド(図示せず)、特に、例えば銅製の金属導電性バンドが、例えば接着結合によって、周辺エッジに沿って、及び周辺エッジ上に固定され、電極2、2’と接触している(電極ごとに1つのバンド、バンドは反対側のエッジにあることが好ましい)。これらのバンドはその後、電源に接続される。
【0284】
電極2、2’の端面20、20’及び電気活性層のエッジは、好ましくは、ガラス1、1’のエッジ10、10’よりも後退することが好ましい。
【0285】
ガラス1,1'は長方形であるが、任意の形状、例えば円形又は正方形、及び任意のサイズ、例えば少なくとも1mの長さ及び少なくとも10cmの幅(ストリップ等)。厚さは、例えば、0.7mm~4mmでありうる。それらは、アセンブリの機械的強度を向上させるため、及び/又は処理又は取り扱いを容易にするために、好ましくは100μmを超え、最大で300μmの厚さを有することができるが、より大きな柔軟性が望まれる場合、例えば、50μmまでの厚さを有してよい。
【0286】
「オフ」状態、すなわち電圧を印加する前の状態では、液晶を有するこのグレージング100は散乱している、すなわち、それは光学的に透過するが透明ではない。2つの電極間に電圧が印加されるとすぐに、層3は、電圧に依存する可変レベルの散乱を伴い、より散乱の少ない状態に変化する。
【0287】
前記電界の下で、スタックは、電圧、この例では5Vから120Vの間の電圧に伴い変化する拡散透過及びヘイズを示す。
【0288】
ITOを単独で、又は多層で選択する代わりに、一方又は両方の電極に銀含有スタックを選択できる。電極の1つとして、TLが低い層、又は反射層を選択することもできる。
【0289】
第1及び第2の担持基板1,1’の1つ又は外面は、既知の1つ又は複数の機能層(反射防止等)を含むことができる。
【0290】
第1及び第2の担持基板1、1’の1つ、及び関連する電極でさえ、スタックの残りの部分よりもサイズを大きくすることができる。例えば、ITO(又は他の)等の導電層2又は2’は、太陽制御層として機能することができる。そして、電極として機能するITO領域を、例えば、ITOストリップを形成するために、レーザーエッチングによって分離することができる。
【0291】
ガラス1、1’の一方及び/又は他方は、その外面に層がある又はない場合に、ポリマーシートで置き換えることができ、例えば最大で500μm又は200μmのPETで置き換えることができ、又はその外面に層がある又はない場合に、プラスチックシートで置き換えることもでき、例えばより厚い(1~10mm等)、ポリカーボネート又はその他のPMMAで置き換えることができる。
【0292】
実施例1の製造工程を以下により正確に説明する。
【0293】
第1のアンカー層4は、約300nmのポリ(ビニルアルコール)(PVOH;シグマ-アルドリッチ;分子量Mw~27kDa)の層であり、表面での液晶の(縮退した)平面固定をもたらす(電界なしで)、
【0294】
PVOH層は、脱イオン水中のPVOHの溶液(9.1重量%)でスピンコーティングすることにより、第1のITO層2上に堆積される。堆積の前に、ITOはエタノールで洗浄され、窒素下で乾燥される。
【0295】
第2のアンカー層4’は、クチルトリクロロシラン(OTS)の層であり、表面(電界なし)での液晶の垂直の(ホメオトロピック)固定をもたらす。これは、ガラスを第2のITO2’と共にn-ヘプタン中のOTSの溶液に30分間浸漬し、脱イオン水ですすぎ、窒素下で乾燥させることによって得られる。
【0296】
電気活性層3を製造するために、2つのタイプの液晶5CB及び8CB、モノマー及び光開始剤との混合物が形成される。
【0297】
混合物は、以下を含む:
-98重量%の、1:4の比率の液晶5CB及び8CB
-2重量%の、モノマーのビスフェノールAジメタクリレートと光開始剤の2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンによって形成される組み合わせ。
【0298】
混合物は、17.5°C未満でスメクティックAメソ相を示し、17.5°C~38°Cでネマティックメソ相(及び上記の等方性相)を示す。
【0299】
この混合物の層は、アンカー層4と4’との間に形成される。
【0300】
続いて、組み合わせは、5°C(又は少なくとも17.5°C、したがってスメクティックA相)での重合のためにUV放射(λ=365nm)下で照射される。
【0301】
次に、電気活性層3は、ネマティック相において、スメクティックA相の焦点円錐ドメイン、特にこの場合、トーリック焦点円錐ドメイン又はTFCDに匹敵するドメインを含む。
【0302】
図2a及び2cは、電界なし又は電界下の
図1のタイプの液晶によって変化することができる散乱を有する装置の電気活性層の概略的かつ詳細な断面図を示し、
図2bは単に、電界下でいくつかの液晶の配向を示す。
【0303】
ネマティック相の層3は、TFCDタイプのスメクティック相欠陥を示す。
【0304】
図2aは、TFCDタイプの単一の焦点円錐ドメインを表していると考えられる。
【0305】
図2a及び2cは、ポリマーネットワーク(図示せず)によって課された液晶31、31a、31b、310の層33としての構造を示している。
【0306】
層は、中央ゾーン34内の(この場合は縮退した)平面アンカー層の方向に湾曲しており、層は平坦であり、多かれ少なかれ広範でありうるか又は存在しない可能性もある2つの側方ゾーン35、35’にわたって互いに平行である。
【0307】
ドメインは、円形タイプ(多かれ少なかれ不規則)の閉じた輪郭を有する表面等のガラス1の平面内の線欠陥、及び線形形状36を有する別の線欠陥を示す。
【0308】
平面アンカー層(下部)の側面では、いくつかの液晶(短いロッド)31aは、平面のすべての方向に沿ってこの層に平行である。
【0309】
垂直のアンカー層(上部)の側面では、いくつかの液晶31bがこの層に垂直である。
【0310】
電界なしで、平面アンカー層4との接触ゾーンの外側、例えば層3の厚さの中央で、液晶310は、層4及び4’に垂直な配向を有する。
【0311】
例えば、液晶は、湾曲したゾーンに電場がない状態で、軸Z(垂直場E内)に対して斜めの角度に沿って第1の配向を有し、次に、例えば25Vの電界が印加される(
図2bを参照)とき、(場の)軸Zに近づくようになる。
【0312】
図2cは、120V、実際に更には150Vから始まり、(事実上)すべての液晶が垂直に整列している場合を示す。
【0313】
図3a~7aは、電界がない場合(
図3a)、並びに電気活性層に垂直な電界が、25V(
図4a)の場合、50Vの場合(
図5a)、70Vの場合(
図6a)、及び0Vに戻った場合(
図7a)についての、背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内、照明D65下、20cmでの、
図1の電気的に制御可能な装置の画像(白黒)を示す。温度は21°Cであるため、スメクティックA相欠陥のあるネマティック相になる。
【0314】
図3b~7bは、電界がない場合(
図3b)、並びに電気活性層に垂直な電界が、25V(
図4a)の場合、50Vの(
図5b)の場合、70Vの場合(
図6b)、及び0Vに戻った場合(
図7b)の、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、
図1の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す。温度は21℃である。
【0315】
ドメインは、PLMと呼ばれる偏光光学顕微鏡法によって、前記PLMの画像上で特徴付けられ、各ドメインは、見かけの表面SDと呼ばれる表面によって定義される。
【0316】
ドメインは多分散表面SDである(低電圧電界、例えば25Vで輪郭がより見やすくなる)。
【0317】
1104個の欠陥は、長さが324μm、幅が167μm、つまり1922ドメイン.mm2の長方形でカウントされる。
【0318】
図7a及び7bは、最も透明な状態から最も散乱した状態(電界なし)への可逆性を証明している。
【0319】
電圧が増加すればするほど、書き込みは背景110とよりよく区別される。
【0320】
図8は以下を示す:
-
図1の装置に対して、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~110Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての全透過率TTに対応する曲線の集合A
-電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~110Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての拡散透過率DTに対応する曲線Bの集合
【0321】
この例では、スタックは、450~800nmで少なくとも70%(更には450~600nmで75%)の全透過率TTを示し、最大全透過率と最小全透過率との差TTmax-TTminが400~600nmにおいて最大で5%である。
【0322】
全透過率TTは、電界下で(及び任意の電圧レベルに対して)ほぼ一定に保たれる。
【0323】
400~2500nmの波長範囲での全透過率TTは、(実質的に)スイッチング電圧に依存しない。
【0324】
特にITO層による吸収を低減することが可能である。
【0325】
一方、拡散透過率DT(曲線B)は、波長ごとに電圧が増加するにつれて変化し、徐々に減少することがよく観察されている。したがって、拡散浸透は、電圧によって調整可能であることは、非常に定量的に示されている。例えば、DTは、120Vから0Vに移行するにつれて、600nmで約10%から55%に移行する。
【0326】
図9は、
図8と同じ曲線を示しているが、最大2500nmである。
【0327】
全透過率TTは、800nm~1500nmの電界(すべての電圧レベル)でもほぼ一定に保たれる。
【0328】
400~2500nmの波長範囲での全透過率TTは、(実質的に)スイッチング電圧に依存しない。
一方、拡散透過率DT(曲線B)は、波長ごとに電圧が増加するにつれて変化し、徐々に減少することも観察されている。
【0329】
図10は、
図1の装置に対して、ヘイズH(%で表される)に対応する曲線の集合を示しており、これは、全透過率TTに対する拡散透過率DTの比率であり、ほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数として表されおり、及びほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線Bの集合を示す。
【0330】
実施例2
図11は、本発明の第2の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置200の概略断面図を示し、平面第1のアンカー層PVOH4は、方向的の平面固定ためにベルベットで研磨されるという点で第1の実施形態100と異なる。
【0331】
線欠陥は、非TFCD又は正方形TFCDと呼ばれる。
【0332】
図12a~17aは、電界がない場合(
図12a)の場合、並びに電気活性層に垂直な電界が、20Vの場合(
図13a)、40Vの場合(
図14a)、70Vの場合(
図15a)、120Vの場合(
図16a)、及び電圧が0Vに戻った場合(
図17a)の、背景110(筆記線付きの紙)を備えたライトブース内、照明D65下、20cmでの、
図11の電気的に制御可能な装置の画像を白黒で示す。
【0333】
図12b~17bは、電界がない場合(
図12b)、並びに電気活性層に垂直な電界が、20Vの場合(
図13b)、40Vの場合(
図14b)、70Vの場合(
図15b)、120Vの場合(
図16b)、及び電圧が0Vに戻った場合(
図17b)の、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、
図11の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す。
【0334】
ドメインは、実施例1に比べてより規則的に配置されており、多分散性がより低い。
【0335】
散乱、拡散透過、及び全透過に対する、印加電界による影響の分析は、実施例1の分析と類似する。
【0336】
2400ドメイン/mm2がカウントされる。
【0337】
図18は、以下を示す:
-
図11の装置に対して、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~800nmの波長の関数としての全透過率に対応する曲線の集合A1
-
図11の装置に対して、電界なし又は電界下で、10Vのステップあたり10V~120Vの電圧で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線B1の集合
【0338】
図19は、以下を示す:
-
図11の装置に対して、ヘイズH(%で表される)に対応する曲線の集合を示しており、これは、全透過率TTに対する拡散透過率DTの比率であり、ほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数として表されおり
-
図11の装置に対して、ほぼ電界がない場合、又は10Vのステップあたり10V~120Vの電圧の電気活性層に垂直な電界下で、400~2500nmの波長の関数としての拡散透過率に対応する曲線Bの集合
【0339】
散乱、拡散透過、及び全透過に対する、印加電界による影響の分析は、実施例1の分析と類似する。
【0340】
実施例3
図20は、本発明の第3の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置300の概略断面図を示し、第2のアンカー層は、(縮退した)平面アンカー層4’になり、この例では、平面第1のアンカー層PVOHと同一であるという点で第1の実施形態100と異なる。
【0341】
図21は、偏光光学顕微鏡(PLM)によって倍率20(50μmの白い線の目盛り付き)で得られた画像(白黒)であり、電界がない場合の、
図20の電気的に制御可能な装置の電気活性層の線欠陥を有するドメインを示す画像を示す。
【0342】
線欠陥は、扇形のFCDタイプである。
【0343】
組立例
図22は、本発明の第4の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置400の概略断面図を示し、以下の点で第1の実施形態100と異なる:
-ガラス1及び1’は、PET1、1’に置き換えられている
-スタックは、光学接着剤60によって、例えばガラス7又は硬質プラスチック等の要素7に接着結合されている。
【0344】
例えば、パーティションが関係する(垂直位置)。
【0345】
アセンブリは、複数のグレージング(二重又は三重グレージング)の一部を形成できる。
【0346】
二重グレージングに対して、スタックは、面1(外面)、面2、面3;面4(内面)であってよい。
【0347】
装置400のスタックは、可撓性であり、追加された要素7の曲率に適合しうる。
【0348】
三重グレージングに対して、スタックは、面1(外面)、面2、面3;面4、面5、面6(内面)であってよい。
【0349】
要素7は、スタックと同じサイズ又はそれ以上のサイズでありうる。
【0350】
スタックは、以下でありうる:
-シャワーの壁の好ましくは外面上、
-乗り物、特に自動車のルーフ、サイドウィンドウ、ウィンドシールド、及びリアウィンドウの湾曲グレージングの好ましくは内面(面「F4」)上。
【0351】
特に、装置400は、投影スクリーンとして機能することができる。
【0352】
図23は、本発明の第5の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置500の概略断面図を示し、これは、積層グレージングにおける第1の装置100(ガラス1、1’、任意選択で、例えばPETフィルムで置換される)を含み、すなわち、例えばPVB又はEVAであり、サブセンチメートル又は最大で2mmの積層中間層7において、例えば、同一又は類似の寸法の長方形(又はより広く、四辺形、多角形)の一般的な形状の間、例えば、最大で5mm又は3mmの厚さを修し、中間層側に内部主面81、81’を有しかつ外部主面82、82’を有する第1及び第8のグレージング8、8’の間における第1の装置100を含む。
【0353】
製造時には、次の3つの中間層シートを使用することができる:グレージング8、8’の内面81、81’に対する2つの完全なシート71、72、及び
図1のスタックを収納するための開口部を有する中央シート。積層後、シート間の境界面(点線で示す)は必ずしも識別する必要がない。開口部が片側に完全に表れるよりも閉じている方が好ましい。したがって、スタックのエッジ全体が積層中間層7で囲まれている。当然のことながら、電力供給のために、接続は装置500から出て、グレージングのエッジの1つ又は複数の側面から突き出ることができる。
【0354】
あるいは、2つの中間層シート71、72を使用することが可能であり、スタックが十分に薄く、例えば、最大で0.2mmの厚さである場合、中央のくり抜かれたシートは必要ではない。
【0355】
第1のグレージング8又は8’は、着色(灰色、緑色、青銅色等)されてもよく、他のグレージング8’又は8は、クリア又はエクストラクリアであってよい。第1の中間シートは、着色(灰色、緑色、青銅色等)されてもよく、その他は、クリア又はエクストラクリアであってよい。
【0356】
第1のグレージング8又は8’の1つは、プラスチックシート、例えばポリカーボネート又はPMMA(特にPU製の積層中間層)に置換されてよい。
【0357】
積層中間層のエッジ70は、グレージング8、8’のエッジから(例えば最大で5mmによって)後退させることができる。
【0358】
装置500は、ガラス8の主面の全体を実質的に覆い、この例でも中央に配置されている。装置200のいずれかの側におけるPVB7a、7bの幅と同じである。
【0359】
グレージング8、8’は平坦又は湾曲であり、装置500は、グレージングの曲率又は複数の曲率に適合することが可能である。
【0360】
装置500は、パーティション又はその他の乗り物のルーフであってよい。例えば、自動車のルーフとして:
-グレージング8は、3mmの着色されたグレージングで、湾曲外部グレージングである
-グレージング8’は、3mm又はより透明なグレージングで、湾曲内部グレージングである
-積層中間層8は、PVBでできており、防音であることができ、特に2層又は3層(シート71又は72)であってよい。
【0361】
図24a及び24bは、それぞれ、本発明の第6の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置600の正面図及び断面図を示す。
【0362】
装置600は、装置600とは以下の点において異なり、それは、
図1のスタック100は、表面部分、特に周辺ストリップを、例えば自動車のウィンドシールドの上部長手方向縁部H(装置100で湾曲積層グレージング)に沿って、実質的にウィンドシールドの全長にわたって覆うことである。
【0363】
このストリップ100は、TL及びヘイズの欠如の基準が中央ゾーンZBよりも緩い辺縁帯にある。
【0364】
図24b(断面図)に示されるように、装置200と下部長手方向エッジBとの間の中央中間層73の幅7aは、装置600と上部長手方向エッジHとの間の中央中間層73の幅7bよりも大きい。
【0365】
別の形態で、又は同時に、それは、ウィンドシールドの下部長手方向縁部Bに沿って、全長又は長さの一部にわたって存在することができる。
【0366】
図24a(正面図、乗り物の内部側)に示されるように、ウィンドシールドは、例えばエナメル(黒又はその他)で作られており、内部グレージング8’の自由面(F4)82’の横方向及び長手方向のエッジの上に91’から94’である、第1の不透明フレームを含むことができ、及び例えば、エナメル(黒又はその他)でできており、外部グレージング8の自由面(F1)82の横方向及び縦方向のエッジ上に91から94である、第2の不透明フレームを含むことができる。
【0367】
装置600の端面は、下側の長手方向のエッジの側にあり、横方向のエッジの側にもあり、エナメルフレームの層92、92’、93、93’、94、94’の間に(反対に)ありうる。例えば、電流を伝達するための接続及び他のストリップは、これらの層92、92’、93、93’、94、94’によってマスクすることができる。
【0368】
図25は、本発明の第7の実施形態において液晶によって変化させることができる散乱を有する装置700の概略断面図を示し、以下の点で実施形態600と異なる。すなわち、それは自動車ルーフに関連しており、例えば、外部ガラス8が着色されており、及び/又はPVB71が着色されており、装置100は、実質的にガラス8、8’の主面全体を覆っていることである。
本開示に係る発明は、下記の態様を含む:
<態様1>
液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置(100、200、300、400、500、600、700)であって、下記の順の層のスタックを含み:
-接合表面と呼ばれる第1の主面及び反対表面Sbと呼ばれる主面を有する、第1の電極(2)、特に誘電体基板上の第1の電極(2)、
-前記接合表面の側の面と呼ばれる主面及び反対側面A2と呼ばれる主面を有し、以下を含む材料から形成されている、誘電体電気活性層(3):
-液晶
-ポリマーネットワークを形成するポリマー、ここで、前記液晶は、前記ポリマーネットワークによって安定されている、
-前記面A2の側の第2の接合表面と呼ばれる主面及び反対表面Scと呼ばれる面を有する第2の電極(2’)、特に誘電体支持体上の第2の電極(2’)、
前記電気活性層が、前記第1の電極の側及び/又は前記第2の電極の側の透明性によって、可視的であり、
ここで、
前記材料が、T1と呼ばれる温度から開始する、Pと呼ばれるメソ相を示し、前記メソ相では、前記材料が、二次元のトポグラフィー欠陥を含むドメインの集合体、特にサブセンチメートルドメインの集合体を含むこと、
T1以上の温度T’で、前記スタックが、可視領域の少なくとも1つの波長に対して少なくとも3つの散乱の状態を示すことができ、
第1の前記状態が、最も散乱しており、
第2の前記状態が、散乱であり、かつ前記第1の状態よりも散乱が少なく、かつ
第3の前記状態が、透明、又は散乱であり、かつ前記第2の状態よりも散乱が少なく、
3つの前記状態が切り替え可能であり、
3つの前記状態のうちの少なくとも2つが、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界を印加することによって得られること、
を特徴とする、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様2>
前記第1の状態が、前記印加電界が非存在下で達成可能であり、前記第2及び第3の状態が、前記印加電界の存在下で達成可能であり、前記第2の状態が、電圧V1に対して得られており、前記第3の状態が、V1よりも大きい電圧V2に対して得られることを特徴とする、態様1に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様3>
前記電界下で及びT’において、前記スタックが、5~120Vの全部又は一部の電圧で変化する拡散透過率及び/又はヘイズを示すことを特徴とする、態様1又は2に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様4>
前記スタックが、550nm、更には400~600nmにおいて、特に少なくとも5%の全透過率TTを示し、最大全透過率と最小全透過率との差TTmax-TTminが400~600nmにおいて最大で5%であること、及び
前記電界下における全透過率TT’、特に5~120Vの電圧での前記電界下における全透過率TT’が、550nm、更には400~600nmにおいてTT’-TT(絶対値で)が2%未満であるようなものであり、また、電界下での最大全透過率TT’maxと最小全透過率TT’minとの差が、400~600nmにおいて最大で5%であるようなものであること
を特徴とする、態様1~3のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様5>
前記メソ相Pが、スメクティック相ではなく、特にネマティック相であることを特徴とする、態様1~4のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様6>
前記メソ相Pが、前記材料のメソ相P’よりも低いポテンシャル的秩序を示し;P’が特にネマティック相ではなく;前記液晶が、特に平均して互いに平行であり、つまり少なくとも長距離の自発的な配向秩序を有することを特徴とする、態様1~5のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様7>
前記材料が、特にT1未満の温度で、他のメソ相P’を示し;前記メソ相Pが、前記メソ相P’よりも前記結晶相からより離れており;特に、前記メソ相Pが、ネマティック相であり、任意選択でねじれネマティック相であることを特徴とする、態様1~6のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様8>
前記メソ相Pの前記ドメインが、他のメソ相P’から残っているドメインであり、かつ、特に、前記相Pが、前記メソ相P’よりも前記結晶相からより離れており、好ましくはネマティック相であり、任意選択でねじれネマティック相であることを特徴とする、態様1~7のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様9>
前記メソ相Pの前記ドメインが、他のメソ相P’から残っているドメインであり;前記相P’が、ネマティック相ではなく;特に、前記相P’が、スメクティック相であり、かつ前記メソ相P’の前記欠陥が、スメクティック相欠陥であることを特徴とする、態様1~8のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様10>
前記メソ相Pの前記ドメインが、他のメソ相P’から残っているドメインであり、かつ特に前記相Pがネマティック相であることを特徴とする、態様1~9のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様11>
前記T’において、前記電界なしで、及び/又は前記電界下で、PLMと呼ばれる偏光光学顕微鏡法によって前記ドメインを特徴付けたときに、それぞれの前記ドメインが、前記PLM画像上において、見かけの表面SDと呼ばれる表面によって画定され;特に、特に見かけの表面SDの数によって決定されるドメインの密度が、少なくとも100ドメイン/mm2、又は少なくとも1000ドメイン/mm2であることを特徴とする、態様1~10のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様12>
前記メソ相Pが、液晶の層の構造、特に前記ポリマーネットワークによって与えられる構造を実質的に示し、特に、前記ドメインが、液晶の湾曲した層のゾーン、及び任意選択で液晶の平坦な層のゾーンを示すことを特徴とする、態様1~11のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様13>
前記ドメインが、前記スメクティック相の焦点円錐ドメイン、特に、トーリック、非トーリック、放物線、半円筒形、又は扇形の焦点円錐ドメインに相当することを特徴とする、態様1~12のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様14>
前記欠陥が、円、楕円、正方形若しくは長方形等の規則的又は不規則的な閉じた輪郭、又は線形、楕円、放物線若しくは双極幾何から選択された線欠陥であり、特に、前記層が、第1の類型の欠陥及び第2の類型の欠陥を含むことを特徴とする、態様1~13のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様15>
以下を含むことを特徴とする、態様1~14のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置:
-前記面A1と接触している、前記液晶用の第1の表面アンカー層、ここで、この第1の表面アンカー層は、前記印加電界の非存在下で、第1の、好ましくは平面の、配向にしたがって、この第1のアンカー層と接触している前記液晶の少なくとも一部を固定することができ、この第1のアンカー層が、好ましくは透明であり、任意選択で着色されており、特に、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE1を有している、
-前記面A2と接触している、第2の表面アンカー層、ここで、この第2の表面アンカー層は、前記印加電界の非存在下で、特に前記第1の配向と同様の又は異なる第2の配向にしたがって、この第2のアンカー層と接触している前記液晶の一部を、特に垂直の又は縮退した平面に、配向させることができ、第2のアンカー層が、好ましくは透明であり、任意選択で着色されており、最大でマイクロメートル、更にはサブマイクロメートルの厚さE’1を有する。
<態様16>
前記第1のアンカー層が、一方向又は縮退平面の固定であり、かつ前記第2のアンカー層が、垂直又は縮退平面の固定であり、又は前記第1のアンカー層が、誘電体層、特にポリマー層であり、かつ/又は前記第2のアンカー層が、誘電体層、特にポリマー層、又は空気/ガス充填された空洞であることを特徴とする、態様1~15のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様17>
前記誘電体基板(1)が、透明であり、Sb側にあり、かつ前記第1の電極を担持しており、ここで、前記誘電体基板(1)が、透明であり、かつ任意のハードコートを備える透明ポリマーシート透又は明ガラスシートから選択されていること、かつ/又は
前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、S’b側にあり、かつ前記第2の電極を担持しており、ここで、前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、かつ任意のハードコートを備える透明ポリマーシート透又は明ガラスシートから選択されていること、
を特徴とする、態様1~16のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様18>
前記誘電体基板(1)が、透明であり、Sb側にあり、かつ前記第1の電極を担持しており、ここで、前記誘電体基板(1)が、透明であり、かつ第1のガラスシートを含み、前記第1のガラスシートが、Sb側にあり、熱可塑性積層中間層を介して他のガラスシートに積層されていること、かつ/又は
前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、S’b側にあり、かつ前記第2の電極を担持しており、ここで、前記誘電体支持体(1’)が、透明であり、ガラスシートを含み、前記ガラスシートが、熱可塑性積層中間層を介して他のガラスシートに積層されており、前記他のガラスシートが、前記第1のガラスシートの表面の全部又は一部を占めており、任意選択で、着色されており、特に青、緑、灰色又は青銅色に着色されており、かつ湾曲及び/又は強化されていること、
を特徴とする、態様1~17のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様19>
以下を含む積層グレージングを含むことを特徴とする、態様1~18のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置:
-任意選択で着色されている、第1の追加ガラスシート(8)、
-熱可塑性積層中間層、特にEVA又はPVB、
-第2の追加ガラスシート(8’)又はプラスチックシート、
ここで、前記第1及び第2の追加ガラスシートの、F2及びF3と呼ばれる主内面が、互いに対面しており、前記スタックが、前記面F2及びF3の間にあり、好ましくは前記積層中間層にあり、特に、ポリマーである前記基板、更には前記第1のシートの全部又は一部の前記表面を占めているポリマーである前記支持体を有する。
<態様20>
グレージング、特に積層及び/又は湾曲グレージングを含み、前記スタックが、ストリップ、特に前記グレージングの主面の一部にわたって周辺ストリップを形成していることを特徴とする、態様1~19のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様21>
積層されており、かつ特に湾曲されているグレージングを含み、かつ、前記スタックが、それぞれの「外部」及び「内部」グレージングである前記第1及び第2のグレージングの間にあり、前記積層グレージングの上部にわたって周辺ストリップを形成しており、前記スタックの前記「外部」端面が、前記外部グレージングの第1の不透明周辺層によって外側からマスクされており、かつ/又は前記スタックの「内部」端面が、前記内部グレージングの第2の不透明周辺層によって内側からマスクされていることを特徴とする、態様1~20のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様22>
前記グレージングが、積層及び/又は湾曲されており、自動車若しくは鉄道若しくは船舶用乗り物のグレージングから選択されていること、あるいは
前記グレージングが、グレージングドア、ショップの窓若しくはディスプレイケース、仕切り、街道若しくは家庭用家具のガラス部分であり、かつ/又は二重若しくは三重グレージングの一部を形成しており、あるいは
前記グレージングが、投影又は背面投影スクリーンとして、かつ/又は、特に積層グレージングで、電気的に制御可能なエレクトロルミネセンス装置、特にLED、OLED、TFEL等の他の電気的に制御可能な装置と組み合わせて使用されること
を特徴とする、態様1~21のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置。
<態様23>
以下の工程を含む、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置、特に態様1~22のいずれか一項に記載の液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法:
-特に誘電体基板上において、第1の電極を提供すること、
-特に誘電体支持体上において、第2の電極を提供すること、
-以下を含む混合物を提供すること:
-少なくとも1つのポリマー前駆体、
-メソ相Pを示す少なくとも第1の液晶、及び任意選択で少なくとも第2の液晶を含む液晶、
ここで、前記混合物は、メソ相P及びメソ相P’を示し、TAが、前記混合物の前記メソ相Pと前記メソ相P’との間の遷移温度であり、
-必要に応じて、重合開始剤、好ましくは光開始剤、
-前記第1及び第2の電極の間において、前記混合物から出発して、ポリマーネットワークによって安定化された前記液晶を含む材料の電気活性層を形成することを含んで、層のスタックを形成すること、
ここで、前記形成が、以下を含む:
-TAよりも低い温度Tiで、メソ相P’において、好ましくは光重合によって、好ましくは紫外線又はUV放射下で、1又は複数の前記前駆体を重合させて、前記ポリマーネットワークを結果として得ること。
<態様24>
前記第1の液晶が、前記メソ相P及び前記メソ相P’を示し、前記第1の液晶が、前記メソ相Pと前記メソ相P’との間の遷移の温度Tpを有し、TAが、好ましくはTp以下であり、前記重合が、Tp又はTA未満の温度Tiで行われることを特徴とする、態様23に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
<態様25>
前記メソ相Pが、前記メソ相P’よりも前記結晶相から離れており;特に、前記メソ相Pが、任意選択でネマティック相、特にねじれネマティック相であることを特徴とする、態様23又は24に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
<態様26>
メソ相P’、好ましくはネマティックではなく、スメクティック相でさえもないメソ相P’において、実質的にメソ相Pに残っている二次元のトポグラフィー欠陥を伴うドメイン、特にサブセンチメートルドメインの形成を含むことを特徴とする、態様23~25のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
<態様27>
メソ相P’、好ましくはネマティック相ではなく、スメクティック相でさえもないメソ相P’において、ドメインの前記形成を、特に以下のいずれかの工程によって行うことを特徴とする、態様23~26のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法:
-前記混合物を、前記液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させること、
-応力を印加すること、
-電解、特に、最大で100Hz、又は最大で10Hzの低周波交流電界を印加すること、ここで、前記混合物は荷電粒子を含む。
<態様28>
前記電気活性層の前記形成が、前記混合物を、前記液晶を表面に固定するための第1及び第2の層と接触させることを含み、特に:
-層の液体経路による堆積、又は、前記第1の電極に結合されたサブミリメートルフィルム等の要素の提供
-層の液体経路による堆積、又は、前記第2の電極に結合されたサブミリメートルフィルム等の要素の提供、又は前記第2の電極と前記混合物との間での、空気充填された空洞等の、ガス充填された空洞の生成、
を含むことを特徴とする、態様23~27のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
<態様29>
前記第1の液晶が、スメクティック相であり、特にスメクティックA相であるメソ相P’、及びネマティックメソ相Pを有し、かつ、前記第2の液晶が、メソ相、特にネマティックメソ相を有し、かつスメクティックメソ相がないことを特徴とする、態様23~28のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。
<態様30>
1つ以上のシートを含むポリマー積層中間層、特に熱可塑性中間層、例えばPVB又はEVAを用いて、特に、最大で140℃、更には最大で120℃の温度における積層で、2つのガラスシート、特に、湾曲ガラスシートの間に、前記スタックを積層する工程を含むことを特徴とする、態様23~29のいずれか一項に記載の、液晶によって変化させることができる散乱を有する電気的に制御可能な装置の製造方法。