(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】制御された把持及びエネルギ送達のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240220BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20240220BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2021566584
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(86)【国際出願番号】 US2020032037
(87)【国際公開番号】W WO2020231785
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-06
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラス,アドリット
(72)【発明者】
【氏名】ヘンフィル,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】カラジ,アイマン
(72)【発明者】
【氏名】マンゾー,スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】マリオン,ドゥアン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ヌスバウム,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ロス,アダム
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ジグネシュ
(72)【発明者】
【氏名】ショエットゲン,ベンジャミン ジェイ.
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-514009(JP,A)
【文献】特表2018-519918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0015632(US,A1)
【文献】国際公開第2017/187524(WO,A1)
【文献】特表2016-502416(JP,A)
【文献】特表2015-535435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/16
A61B 34/30-34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のジョーと、第2のジョーと、エネルギを送達するための複数の電極とを有する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに連結される1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1のジョーと前記第2のジョーとを用いて材料を把持し、
前記把持の1つ以上の特性を決定し、
前記材料の1つ以上の特性を決定し、
前記把持の前記決定される1つ以上の特性及び/又は前記材料の前記決定される1つ以上の特性に基づいて、デフォルトのエネルギ送達プロファイルを1つ以上のモデル
から決定されるエネルギ送達プロファイルと置き換え、
前記1つ以上のモデルと前記把持の前記決定される1つ以上の特性及
び前記材料の前記決定される1つ以上の特性とに基づいて、前記複数の電極によるエネルギ送達又は前記把持のうちの1つ以上を制御する、
ように構成される、
コンピュータ支援デバイス。
【請求項2】
前記エンドエフェクタは、前記1つ以上のプロセッサによって制御される切断機構を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項3】
前記エンドエフェクタは、1つ以上のセンサを含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項4】
前記把持の前記1つ以上の特性は、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる圧力、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる圧力の変化率、
前記第1及び第2のジョーの間の角度、
前記第1及び第2のジョーの間の角度の変化率、
前記第1のジョーの
把持面と前記第2のジョーの
把持面との間の分離
距離、
前記第1のジョーの前記
把持面と前記第2のジョーの前記
把持面との間の
前記分離
距離の変化率、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる力又はトルク、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる力又はトルクの変化率、
前記第1及び第2のジョーの一方又は両方を作動させるために使用されるアクチュエータによって加えられる力又はトルク、
前記アクチュエータによって加えられる前記力又はトルクの変化率、又は
前記エンドエフェクタをシャフトに連結する関節付きリストの関節作動の量
のうちの1つ以上を含む、
請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項5】
前記材料の前記1つ以上の特性は、
前記材料の温度、
前記材料の温度の変化率、
前記材料の剛性、
前記材料の剛性の変化率、
前記材料のインピーダンス、
前記材料のインピーダンスの変化率、
前記材料の誘電率、又は
前記材料の誘電率の変化率
のうちの1つ以上を含む、
請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項6】
前記把持又は前記エネルギ送達を制御するために、前記1つ以上のプロセッサは、
前記把持の前記特性のうちの1つ以上又は前記材料の前記特性のうちの1つ以上を1つ以上のモデルへの入力として提供し、且つ
前記1つ以上のモデルの1つ以上の出力を前記制御することへのパラメータとして使用する、
ように構成される、
請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項7】
前記エネルギ送達を制御するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のモデルと前記把持の前記特性のうちの前記決定される1つ以上の特性及び/又は前記材料の前記決定される1つ以上の特性とに基づいて、送達されるエネルギの量又はエネルギが送達される時間の量を制御するように構成される、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項8】
前記エネルギ送達を制御するために、前記1つ以上のプロセッサは、1つ以上の封止電極によって送達される封止エネルギの量及び1つ以上の切断電極によって送達される切断エネルギの量を独立して制御するように構成される、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項9】
前記把持又は前記エネルギ送達を制御するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記把持又は前記エネルギ送達を停止するための終了条件を決定するように構成される、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援デバイス。
【請求項10】
コンピュータ支援デバイス
の作
動方法であって、
前記コンピュータ支援デバイスの1つ以上のプロセッサが、前記コンピュータ支援デバイスのエンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーを制御することと、
前記1つ以上のプロセッサが、把持の1つ以上の特性を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサが、材料の1つ以上の特性を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記把持の前記決定される1つ以上の特性及び/又は前記材料の前記決定される1つ以上の特性に基づいて、デフォルトのエネルギ送達プロファイルを1つ以上のモデル
から決定されるエネルギ送達プロファイルと置き換えることと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のモデルと前記把持の前記決定される1つ以上の特性及
び前記材料の前記決定される1つ以上の特性とに基づいて、前記エンドエフェクタの複数の電極によるエネルギ送達又は前記第1のジョー及び前記第2のジョーによる前記材料の前記把持のうちの1つ以上を制御する
ための1つ以上の制御パラメータを決定することと、を含む、
作動方法。
【請求項11】
前記把持することの前記1つ以上の特性は、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる圧力、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる圧力の変化率、
前記第1及び第2のジョーの間の角度、
前記第1及び第2のジョーの間の角度の変化率、
前記第1のジョーの
把持面と前記第2のジョーの
把持面との間の分離
距離、
前記第1のジョーの前記
把持面と前記第2のジョーの前記
把持面との間の
前記分離
距離の変化率、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる力又はトルク、
前記第1及び第2のジョーによって前記材料に加えられる力又はトルクの変化率、
前記第1及び第2のジョーの一方又は両方を作動させるために使用されるアクチュエータによって加えられる力又はトルク、
前記アクチュエータによって加えられる前記力又はトルクの変化率、又は
前記エンドエフェクタをシャフトに連結する関節付きリストの関節作動の量
のうちの1つ以上を含む、
請求項10に記載の
作動方法。
【請求項12】
前記材料の前記1つ以上の特性は、
前記材料の温度、
前記材料の温度の変化率、
前記材料の剛性、
前記材料の剛性の変化率、
前記材料のインピーダンス、
前記材料のインピーダンスの変化率、
前記材料の誘電率、又は
前記材料の誘電率の変化率
のうちの1つ以上を含む、
請求項10に記載の
作動方法。
【請求項13】
前記エネルギ送達を制御することは、前記1つ以上のモデルと前記把持の前記特性のうちの前記決定される1つ以上の特定及び/又は前記材料の前記決定される1つ以上の特性とに基づいて、送達されるエネルギの量又はエネルギが送達される時間の量を制御することを含む、請求項10~12のうちのいずれか1項に記載の
作動方法。
【請求項14】
複数の機械可読命令を含む非一時的な機械可読媒体であって、
前記複数の機械可読命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに請求項10~13のうちのいずれか1項に記載の
作動方法を行わせるように構成される、
非一時的な機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、参照により本明細書に援用する2019年5月10日に出願された米国仮出願第62/846,387号に対する利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的には、エンドエフェクタを有するデバイスの動作に関し、より具体的には、材料を把持し且つ把持する材料にエネルギを加えることができるエンドエフェクタの動作に関する。
【背景技術】
【0003】
ますます多くのデバイスがコンピュータ支援電子デバイスに置き換えられている。これは産業、娯楽、教育、その他の場面で特に当て嵌まる。医療的な例として、大きなアレイの電子デバイスを備える今日の病院が、手術室、介入室、集中治療室、救急室、及び/又は同等のものに見出されている。例えば、ガラス体温計及び水銀体温計は、電子体温計に置き換えられており、静脈内点滴ラインは、現在、電子モニタ及び流量調整器を含み、従来のハンドヘルド外科器具及びその他の医療器具は、コンピュータ支援医療デバイスに置き換えられている。
【0004】
これらのコンピュータ支援デバイスは、患者の組織のような物質に対する手術及び/又は処置を行うのに有用である。多くのコンピュータ支援デバイスでは、外科医及び/又は他の医療従事者のようなオペレータは、典型的には、オペレータコンソール上の1つ以上の制御デバイスを使用して入力デバイスを操作することがある。オペレータがオペレータコンソールで様々な制御デバイスを操作すると、コマンドは、オペレータコンソールから作業空間内に配置されたコンピュータ支援デバイスに中継され、作業空間で、コマンドは、(例えば、再位置決め可能なアームを介して)コンピュータ支援デバイスに取り付けられる1つ以上のエンドエフェクタ及び/又はツールを位置決め及び/又は作動させるために使用される。このようにして、オペレータは、エンドエフェクタ及び/又はツールを使用して作業空間内の材料に対して1つ以上の処置を行うことができる。所望の処置及び/又は使用中のツールに応じて、所望の処置は、遠隔操作を用いたオペレータの制御下で及び/又はコンピュータ支援デバイスがオペレータによる1つ以上のアクティブ化(起動)アクションに基づいて一連の動作を実行することがある半自律的な制御下で部分的に又は全体的に行われることがある。
【0005】
コンピュータ支援デバイスは、手動で作動されるか、遠隔操作で作動されるか、及び/又は半自律的に作動されるかにかかわらず、様々な操作及び/又は処置において使用されることがあり、様々な構成を有することがある。多くのそのような器具は、再位置決め可能なアーム又は関節付きアームの遠位端に取り付けられることがあるシャフトの遠位端に取り付けられるエンドエフェクタを含む。多くの操作シナリオにおいて、シャフトは、作業空間にある開口を介して作業空間に挿入されるように構成されることがある。医療の例として、シャフトは、遠隔手術部位に到達するために開口(例えば、体壁切開部、自然オリフィス、及び/又は同等のもの)を通じて(例えば、腹腔鏡的に、胸腔鏡的に、及び/又は同等に)挿入されることがある。幾つかの器具では、器具のシャフトの遠位端に関節リスト機構を取り付けて、関節リストを用いてエンドエフェクタを支持して、シャフトの長手軸に対するエンドエフェクタの向きを変える能力を提供してよい。
【0006】
オペレータが材料上に対して様々な処置のうちのいずれかを行うことを可能にするために、異なる設計及び/又は構成のエンドエフェクタを使用して、異なるタスク、処置、及び機能を実行してよい。例は、焼灼、アブレーション、縫合、切断、ステープリング、融合、封止(シーリング)等、及び/又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。従って、エンドエフェクタは、これらの処置を行うために、様々なコンポーネント(構成要素)及び/又はコンポーネントの組み合わせを含むことができる。
【0007】
多くの実施形態において、エンドエフェクタのサイズは、典型的には、それがその意図されるタスクを行うことを依然として可能にしなら、可能な限り小さく維持される。エンドエフェクタのサイズを小さく保つための1つのアプローチは、典型的には、作業空間の外側及び/又は周辺に配置されるツールの近位端における1つ以上の入力の使用を通じてエンドエフェクタの作動を達成することである。その場合には、様々なギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、バンド、及び/又は同等のものを使用して、ツールのシャフトに沿って1つ以上の入力からの動作(actions)を伝達し、エンドエフェクタを作動させてよい。幾つかの実施形態では、ツールの近位端にある伝動機構が、コンピュータ支援デバイスの再位置決め可能なアームに設けられた様々なモータ、ソレノイド、サーボ、アクティブアクチュエータ、液圧学、空圧学、及び/又は同等物とインターフェース接続する。モータ、ソレノイド、サーボ、アクティブアクチュエータ、液圧、空圧、及び/又は同等物は、典型的には、マスタコントローラを通じて制御信号を受信し、伝動機構の近位端で力及び/又はトルクの形態の入力を提供し、様々なギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、バンド、及び/又は同等物は、最終的には、伝動機構の遠位端でエンドエフェクタを作動させるために入力を送信する。
【0008】
加えて、多くの実施形態において、ツール及び/又はエンドエフェクタは、超音波、高周波、電気、磁気、熱、光、及び/又は他のエネルギを、エンドエフェクタによって把持される及び/又はエンドエフェクタに近接する材料に送達するために使用されることがある、1つ以上のエネルギ送達コンポーネントを含むことがある。幾つかの実施形態において、エンドエフェクタは、エネルギ送達を監視(モニタリング)するための1つ以上のセンサを含むことがある。様々なワイヤ、ケーブル、光ファイバ、及び/又は同等物を使用して、(例えば、制御コンソール内で)エンドエフェクタに対して近位に配置される制御モジュールからエンドエフェクタにエネルギを送達してよく、且つ/或いは制御モジュールにセンサ情報を提供してよい。
【0009】
そのようなエンドエフェクタの操作の遠隔性の故に、幾つかの場合には、オペレータがエンドエフェクタ及び/又は材料へのエネルギ送達を直接的に監視することは困難なことがある。例えば、幾つかの場合には、エンドエフェクタ自体、及び/又は作業空間内の他の材料及び/又はアイテム(品目)を含む、コンピュータ支援デバイスの他の部分が、その操作中にエンドエフェクタの一部又は全部を視野から隠すことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、材料を把持し且つ/或いは材料にエネルギを送達するために使用されるエンドエフェクタを有するコンピュータ支援デバイスのような、コンピュータ支援デバイスの操作のための改良された方法及びシステムが望ましい。幾つかの例において、ツールが材料に対して所望の処置を成功裡に行い得ることがあるのを確実にすることを助けるために、コンピュータ支援デバイス及び/又はエンドエフェクタの自動化された制御を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幾つかの実施形態と一致して、コンピュータ支援デバイスが、エンドエフェクタと、1つ以上のプロセッサとを含む。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、エネルギを送達する複数の電極とを含む。1つ以上のプロセッサは、第1のジョーと第2のジョーとを用いて材料を把持し、把持の1つ以上の特性を決定し、材料の1つ以上の特性を決定し、且つ把持の決定される1つ以上の特性と材料の決定される1つ以上の特性とに基づいて複数の電極によるエネルギ送達及び把持のうちの1つ以上を制御する、ように構成される。
【0012】
幾つかの実施形態と一致して、方法が、1つ以上のプロセッサによって、エンドエフェクタの第1のジョーと第2のジョーとを用いて材料を把持すること、1つ以上のプロセッサによって、把持の1つ以上の特性を決定することと、1つ以上のプロセッサによって、材料の1つ以上の特性を決定することと、1つ以上のプロセッサによって、把持の決定される1つ以上の特性及び材料の決定される1つ以上の特性に基づいてエンドエフェクタの複数の電極によるエネルギ送達又は把持のうちの1つ以上を制御することとを含む。
【0013】
幾つかの実施形態と一致して、非一時的な機械可読媒体が、複数の機械可読命令を含み、複数の機械可読命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ以上のプロセッサに本明細書に記載される方法のうちのいずれかを行わせるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】幾つかの実施形態に従ったコンピュータ支援システムの簡略図である。
【0015】
【
図2】幾つかの実施形態に従った
図1のコンピュータ支援システムと共に使用するのに適したツールを示す簡略図である。
【0016】
【
図3A】幾つかの実施形態に従ったツールのジョーの簡略化された側面図である。
【
図3B】幾つかの実施形態に従ったツールのジョーの簡略化された頂面図である。
【0017】
【
図4】幾つかの実施形態に従った把持及びエネルギ送達のための方法の簡略図である。
【0018】
【
図5】幾つかの実施形態に従ったエネルギ送達のための方法の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図において、同じ呼称を有する要素は、同じ又は類似の機能を有する。
【0020】
発明の態様、実施形態、実装又はモジュールを例示する、この記述及び添付の図面は、限定的なものと解されるべきではない。すなわち、請求項が、保護される発明を定義する。様々な機械的、組成的、構造的、電気的、及び操作的な変更が、この記述及び請求項の精神及び範囲から逸脱することなく行われることがある。幾つかの事例では、本発明を不明瞭にしないために、よく知られている回路、構造、又は技術は、詳細に示されていないか、或いは記載されていない。2つ以上の図における同等の数字は、同じ又は類似の要素を表している。
【0021】
この記述では、本開示と矛盾しない幾つかの実施形態を記載する特定の詳細が示される。実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、幾つかの実施形態が、これらの具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに実施される場合があることが当業者には明らかであろう。本明細書に開示される特定の実施形態は、例示的であることが意図されているが、限定的であることは意図されていない。当業者は、本明細書に具体的に記載されていないが、この開示の範囲及び精神内にある、他の要素を認識することがある。加えて、不必要な繰り返しを避けるために、1つの実施形態に関連して示され且つ記載される1つ以上の構成は、他のことが特に記載されていない限り、或いは1つ以上の構成が実施形態を機能的でないものにしないならば、他の実施形態に組み込まれることがある。
【0022】
更に、この記載の用語は本発明を限定することを意図しない。例えば、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「上(above)」、「上方(upper)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」及び同等表現のような、空間的に相対的な用語を用いて、図に例示するような別の要素又は構成に対する1つの要素又は構成の関係を記述することがある。これらの空間的に相対的な用語は、図に示される位置及び向きに加えて、要素の異なる位置(すなわち、場所)及び向き(すなわち、回転配置)又はそれらの動作を包含することを意図している。例えば、図のうちの1つの内容が折り返されるならば、他の要素又は構成の「下方」又は「下」として記載された要素は、他の要素又は構成の「上方」又は「上」になる。従って、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の位置及び向きを包含することができる。デバイスは、別の方法で方向付けられてよく(90度回転させられてよく、或いは他の向きにあってよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述は、相応して解釈されてよい。同様に、様々な軸に沿う並びに様々な軸の周りの移動の記述は、様々な特別な要素の位置及び向きを含む。加えて、単数形の表現は、文脈上に他のことを示さない限り、複数の形態も含むことが意図されている。そして、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」及び同等表現は、記述される構成、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の構成、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又は群の存在又は追加を排除しない。結合されたものとして記載されるコンポーネントは、電気的又は機械的に直接的に結合されてよく、或いは1つ以上の中間コンポーネントを介して間接的に結合されてよい。
【0023】
1つの実施形態、実装又はモジュールを参照して詳細に記載される要素は、実際的であるときにはいつでも、それらが具体的に示されていない或いは記載されていない他の実施形態、実装又はモジュールに含まれることがある。例えば、ある要素が1つの実施形態を参照して詳細に記載されており、第2の実施形態を参照して記載されていないならば、その要素は、それにも拘わらず、第2の実施形態に含まれるものとして特許請求されることがある。よって、以下の記述における不必要な繰り返しを回避するために、1つの実施形態、実装又は用途と関連して示され且つ記載される1つ以上の要素は、他のことが特に記載されていない限り、1つ以上の要素が実施形態又は実装を機能的でないものにしない限り、或いは2つ以上の要素が矛盾する機能を提供しない限り、他の実施形態、実装又は態様に組み込まれてよい。
【0024】
幾つかの例において、よく知られている方法、手順、コンポーネント、及び回路は、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細に記載されていない。
【0025】
この開示は、コンピュータ支援デバイス及び要素の様々なデバイス、要素、及び部分を、三次元空間におけるそれらの状態に関して記載する。本明細書で使用するとき、「位置(position)」という用語は、三次元空間(例えば、デカルトx、y及びz座標に沿う3つの並進自由度)における要素又は要素の部分の場所を指す。本明細書で使用するとき、「向き(orientation)」という用語は、要素又は要素の部分の回転配置(3つの回転自由度、例えば、ロール、ピッチ及びヨー)を指す。本明細書で使用するとき、「形状(shape)」という用語は、要素に沿って測定されたセット位置又は向きを指す。本明細書で使用するとき、再位置決め可能なアームを有するデバイスについて、「近位(proximal)」という用語は、その運動連鎖に沿ったコンピュータ支援デバイスのベースに向かう方向を指し、「遠位(distal)」という用語は、運動連鎖に沿ったベースから離れる方向を指す。
【0026】
この開示の態様は、遠隔操作される、遠隔制御される、自律的である、半自律的である、ロボットである且つ/或いは同等のものである、システム及びデバイスを含むことがある、コンピュータ支援システム及びデバイスを参照して記載される。更に、この開示の態様は、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemのような外科システムを使用する実装に関して記載されている。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される発明的な態様が、ロボット式の実施形態及び実装を含み、適用可能であれば、非ロボット式の実施形態及び実装を含む、様々な方法で具現及び実装されること場合があることを理解するであろう。da Vinci(登録商標)Surgical Systemでの実装は、例示的であるにすぎず、本明細書に開示する発明的な態様の範囲を制限するものと考えられてならない。例えば、外科器具及び外科方法を参照して記載される技術は、他の状況で使用されることがある。よって、本明細書に記載する器具、システム及び方法は、ヒト、動物、ヒト又は動物の解剖学的構造の部分、産業システム、一般的なロボットシステム又は遠隔操作システムのために使用されることがある。さらなる例として、本明細書に記載する器具、システム及び方法は、工業用途、一般的なロボット用途、非組織ワークピースの感知又は操作、美容的改良、ヒト又は動物の解剖学的構造の撮像、ヒト又は動物の解剖学的構造からのデータの収集、システムの設定又は分解、医療従事者又は非医療従事者の訓練、及び/又は同等のものを含む、非医療目的のために使用されることがある。追加の例示的な用途は、(ヒト又は動物の解剖学的構造に戻らない)ヒト又は動物の解剖学的構造から取り出された組織に対する処置のための並びにヒト又は動物の死体に対する処置のための使用を含む。更に、これらの技術は、外科態様を含む或いは含まない医学的治療又は診断処置のために用いられることもできる。
【0027】
図1は、幾つかの実施形態に従ったコンピュータ支援システム100の簡略図である。
図1に示すように、コンピュータ支援システム100は、1つ以上の再位置決め可能なアーム120を備えるデバイス110を含む。1つ以上の再位置決め可能なアーム120の各々は、1つ以上のツール130を支持することがある。幾つかの例において、デバイス110は、コンピュータ支援医療デバイスと一致してよい。1つ以上のツール130は、ツール、撮像デバイス、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの医療的な例において、ツールは、クランプ、グリッパ、開創器、焼灼ツール、吸引ツール、縫合デバイス、及び/又は同等物のような、医療ツールを含んでよい。幾つかの医療的な例において、撮像デバイスは、内視鏡、カメラ、超音波デバイス、蛍光透視デバイス、及び/又は同等物を含むことがある。幾つかの例において、1つ以上のツール130の各々は、1つ以上の再位置決め可能なアーム120のそれぞれ1つに取り付けられるそれぞれのカニューレを通じて作業空間(例えば、患者、獣医学被験体、及び/又は同等物の解剖学的構造)に挿入されることがある。幾つかの例において、撮像デバイスの視野の方向は、撮像デバイスの挿入軸に対応することがあり、且つ/或いは撮像デバイスの挿入軸に対して角度をなすことがある。幾つかの例において、1つ以上のツール130の各々は、作業空間内に位置する材料(例えば、患者の組織)を把持することができることがある、並びに把持した材料にエネルギを送達することができることがある、エンドエフェクタを含むことがある。幾つかの例において、エネルギは、超音波、高周波、電気、磁気、熱、光、及び/又は同等のものを含むことがある。幾つかの実施形態において、コンピュータ支援システム100は、手術室及び/又は介入室において見出されることがある。
【0028】
デバイス110は、インターフェースを介して制御ユニット140に結合される。インターフェースは、1つ以上のケーブル、コネクタ、及び/又はバスを含むことがあり、1つ以上のネットワークスイッチングデバイス及び/又はルーティングデバイスを備える1つ以上のネットワークを更に含むことがある。制御ユニット140は、メモリ160に結合されたプロセッサ150を含む。制御ユニット140の動作は、プロセッサ150によって制御される。制御ユニット140は、1つだけのプロセッサ150で示されているが、プロセッサ150は、1つ以上の中央処理ユニット、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、テンソル処理ユニット(TPU)、及び制御ユニット140内の同等物を代表する場合があることが理解される。制御ユニット140は、スタンドアロンのサブシステムとして、及び/又はコンピュータデバイスに追加されたボードとして、又は仮想マシンとして実装されてよい。
【0029】
メモリ160は、制御ユニット140によって実行されるソフトウェア及び/又は制御ユニット140の動作中に使用される1つ以上のデータ構造を格納するために使用されてよい。メモリ160は、1つ以上のタイプの機械可読媒体を含んでよい。機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、及び/又はプロセッサもしくはコンピュータが読むように構成される任意の他の媒体を含むことがある。
【0030】
図示のように、メモリ160は、以下に更に詳細に記載するように、デバイス110の1つ以上のツール130のうちの1つを制御及び/又は監視するために使用されることがある、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び1つ以上のモデル190を含む。
図1は、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び1つ以上のモデル190を、同じ制御ユニット140の同じメモリ160内に格納された別個の要素として示しているが、他の構成も可能である。幾つかの例において、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び1つ以上のモデル190は、同じモジュール内に部分的に及び/又は完全に結合されてよい。幾つかの例において、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び1つ以上のモデル190は、代替的に、異なるメモリに格納されてよく、且つ/或いは異なる制御ユニットと関連付けられてよい。更に、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び1つ以上のモデル190は、ソフトウェアモジュールとして特徴付けられ、各ソフトウェアモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実装されてよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、把持制御モジュール170は、1つ以上のツール130の機械的動作を管理することに関与する。幾つかの例において、把持制御モジュール170は、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタの位置、向き、関節作動(articulation)及び/又は機械的作動、及び/又は1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタによって相互作用される材料の1つ以上の材料特性を追跡(トラッキング)するために使用される、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のエンコーダ、ポテンショメータ、光ファイバセンサ及び/又は同等物)を監視することがある。幾つかの例において、把持制御モジュール170は、監視及び/又は1つ以上のモデル190に基づいて1つ以上のアクチュエータを使用して、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタの位置、向き、関節作動、及び/又は機械的作動を制御することがある。幾つかの例において、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタの位置、向き、関節作動、及び/又は機械的作動の制御は、一例として、挿入深さ、ロール、ピッチ、ヨー、リスト関節、ジョー間の角度、加えられる力又はトルク、可動要素を用いる切断及び/又は処置(transaction)の量、ステープリングの量、及び/又は同等のものを含む、1つ以上の自由度を制御することを含むことがある。
【0032】
幾つかの実施形態において、エネルギ制御モジュール180は、1つ以上のツール130のエネルギ送達動作を管理することに関与する。幾つかの例において、エネルギ制御モジュール180は、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタによって送達されるエネルギ及び/又は1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタによって相互作用される材料の1つ以上の材料特性を追跡するために使用される、1つ以上のセンサを監視することがある。幾つかの例において、エネルギ制御モジュール180は、監視及び/又は1つ以上のモデル190に基づいて1つ以上の変換器(トランスデューサ)、信号生成器、及び/又は同等物を使用して、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタによって送達されるエネルギを制御することがある。
【0033】
幾つかの実施形態において、1つ以上のモデル190は、1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタの機械的及び/又はエネルギ送達をそれぞれ制御するために把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180によって使用されるモデルを含む。幾つかの例において、1つ以上のモデル190は、1つ以上の運動学モデル、1つ以上の材料モデル、及び/又は以下に更に詳細に記載するように1つ以上のツール130及びそれらのそれぞれのエンドエフェクタによる機械的制御及び/又はエネルギ送達に関する推奨を提供するために使用される1つ以上の予測モデルを含んでよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、1つ以上の関数、1つ以上のルックアップテーブル、1つ以上のマップ、1つ以上のパラメータ化された曲線、1つ以上の機械学習モデル(例えば、1つ以上のニューラルネットワーク)、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、1つ以上のパラメータ化された曲線は、直線関係(linear relationships)、ピース方向の直線関係(piece-wise linear relationships)、二次関係、高次関係、及び/又は、曲線近似(curve fitting)、回帰(regression)及び/又は以前の把握及び/又はエネルギ送達用途から収集されるデータからの同等のものを含んでよい。
【0034】
上記で議論したように、更にここで強調するように、
図1は、請求項の範囲を過度に制限すべきでない一例にすぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態によれば、コンピュータ支援システム100は、コンピュータ支援デバイス110と類似及び/又は異なる設計の関節付きアーム及び/又は器具を備える任意の数のコンピュータ支援デバイスを含んでよい。幾つかの例において、コンピュータ支援デバイスの各々は、より少ない又はより多い関節付きアーム及び/又は器具を含むことがある。
【0035】
幾つかの実施形態によれば、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び/又は1つ以上のモデル190の構成は、
図1に示すものと異なってもよい。幾つかの例において、把持制御モジュール170、エネルギ制御モジュール180、及び/又は1つ以上のモデル190は、1つよりも多くの制御ユニットに亘って分散されてよい。幾つかの例において、把持制御モジュール170及びエネルギ制御モジュール180は、単一の制御モジュールに含まれてよい。幾つかの例において、1つ以上のモデル190は、把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180に含まれてよい。
【0036】
図2は、幾つかの実施形態に従ったコンピュータ支援システム100と共に使用するのに適したツール200を示す簡略図である。幾つかの実施形態において、ツール200は、
図1のツール130のいずれかと一致してよい。
図2に示すときの並びに本明細書で使用するときの「近位」及び「遠位」という方向は、ツール200のコンポーネントの相対的な向き及び場所を記載するのに役立つ。
【0037】
図2に示すように、ツール200は、シャフト210の遠位端に位置するエンドエフェクタ220を、ツール200が再位置決め可能なアーム及び/又はコンピュータ支援デバイスにシャフト210の近位端で取り付けられる場所に結合するために使用される、長いシャフト210を含む。ツール200が使用されている特定の手順に依存して、シャフト210は、患者の解剖学的構造内に位置する遠隔手術部位のような作業空間に近接してエンドエフェクタ220を配置するために、開口(例えば、体壁切開部、自然オリフィス、及び/又は同等のもの)を通じて挿入されることがある。
図2に更に示すように、エンドエフェクタ220は、一般的には、2つのジョーを有するグリッパ型のエンドエフェクタと一致し、エンドエフェクタは、幾つかの実施形態において、
図3A、
図3B及び
図4に関して以下に更に詳細に記載するようなエネルギ送達機構を更に含むことがある。しかしながら、当業者は、異なるエンドエフェクタ220を有する異なるツール200が可能であり、本明細書中の他の箇所に記載するツール200の実施形態と一致してよいことを理解するであろう。
【0038】
エンドエフェクタ220を有するツール200のようなツールは、典型的には、その動作中に複数の自由度に依存する。ツール200及びそれが取り付けられる再位置決め可能なアーム及び/又はコンピュータ支援デバイスの構成に依存して、エンドエフェクタ220を位置決め、方向付け且つ/或いは操作するために使用されることがある、様々なDOFが可能である。幾つかの例において、シャフト210は、作業空間内のどれぐらいの深さにエンドエフェクタ220が配置されるかを制御するために使用されることがある挿入DOFを提供するために、遠位方向に挿入されてよく、且つ/或いは近位方向に後退させられてよい。幾つかの例において、シャフト210は、エンドエフェクタ220を回転させるために使用されることがあるロールDOFを提供するために、その長手軸の周りで回転可能であってよい。幾つかの例では、エンドエフェクタ220の位置及び/又は向きにおける追加的な柔軟性が、エンドエフェクタ220をシャフト210の遠位端に結合するために使用される関節付きリスト230によって提供されてよい。幾つかの例において、関節付きリスト230は、シャフト210の長手軸に対するエンドエフェクタ220の向きを制御するために使用されることがある、1つ以上の「ロール」、「ピッチ」及び「ヨー」DOFをそれぞれ提供することがある、1つ以上のロール、ピッチ又はヨージョイントのような、1つ以上の回転ジョイントを含んでよい。幾つかの例において、1つ以上の回転ジョイントは、ピッチ及びヨージョイント、ロール、ピッチ及びヨージョイント、ロール、ピッチ及びロールジョイント、及び/又は同等のものを含んでよい。幾つかの例において、エンドエフェクタ220は、更に、エンドエフェクタ220のジョーの開閉を制御するために使用される把持DOFを含んでよい。構成に依存して、エンドエフェクタ220は、エンドエフェクタ220の近位端付近に位置するヒンジ点について互いに対して関節作動させられる2つの可動ジョー、又は1つの固定ジョー及びヒンジ点について固定ジョーに対して関節作動させられる1つの可動ジョーを含んでよい。幾つかの例において、2つの可動ジョーは、2つの平行なジョー面を含んでよく、それらの間の距離は、ジョーを開閉するために、例えば、1つ以上のカムを使用することによって、調節される。
【0039】
ツール200は、シャフト210の近位端に配置される駆動システム240を更に含む。駆動システム240は、ツール200によって支持される様々なDOFを操作するために使用されることがある、ツール200に力及び/又はトルクを導入するための1つ以上のコンポーネントを含む。幾つかの例において、駆動システム240は、
図1の制御ユニット140のような制御ユニットから受信する信号に基づいて作動させられる1つ以上のモータ、ソレノイド、サーボ、アクティブアクチュエータ、液圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、駆動システム240は、様々なDOFのサブセットを操作してよく、様々なDOFの他のものは、例えば、オペレータによって手動で制御される。幾つかの例において、信号は、1つ以上の電流、電圧、パルス幅変調波形、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、駆動システム240は、ツール200が取り付けられる再位置決め可能なアーム120のうちのいずれかのような関節付きアームの一部である、対応するモータ、ソレノイド、サーボ、アクティブアクチュエータ、液圧装置、空圧装置及び/又は同等物に結合されることがある、1つ以上のシャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例では、シャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド及び/又は同等物のような1つ以上の駆動入力を使用して、モータ、ソレノイド、サーボ、アクティブアクチュエータ、液圧装置、空圧装置及び/又は同等物から力及び/又はトルクを受け取り、それらの力及び/又はトルクを適用してツール200の様々なDOFを調整しよてい。
【0040】
幾つかの実施形態において、駆動システム240によって生成される及び/又は駆動システム240によって受け取られる力及び/又はトルクは、駆動システム240から、シャフト210に沿って、1つ以上の駆動機構250を使用して、駆動システム240に対して遠位に位置するツール200の様々なジョイント及び/又は要素に伝達されてよい。幾つかの例において、1つ以上の駆動機構は、1つ以上のギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、バンド、及び/又は同等物を含むことがある。幾つかの例において、シャフト210は、中空であり、駆動機構250は、シャフト210の内側に沿って駆動システム240からエンドエフェクタ220及び/又は関節付きリスト230における対応するDOFに進む。幾つかの例において、駆動機構250の各々は、ボーデンケーブルのような構成で中空のシース又は管腔の内側に配置されるケーブル、その回転が対応するDOFを作動させるシャフト又はロッド、及び/又は同等物であってよい。幾つかの例において、ケーブル及び/又は管腔の内側は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は同等物のような低摩擦コーティングで被覆されることがある。幾つかの例では、各ケーブルの近位端が、例えば、キャプスタン又はシャフトの周りにケーブルを巻き付ける及び/又は巻き戻すことによって、駆動システム240の内側で引っ張られる及び/又は押されると、ケーブルの遠位端は、相応して移動し、適切な力及び/又はトルクを加えて、エンドエフェクタ220、関節付きリスト230及び/又はツール200のDOFのうちの1つを調整する。幾つかの例において、駆動システム240は、制御されることがあり、且つ/或いは把持制御モジュール170のような把持制御モジュールからの命令を受信することがある。
【0041】
幾つかの実施形態において、ツール200は、シャフト210の近位端に位置するエネルギシステム260を更に含む。エネルギシステム260は、ツール200による送達のためのエネルギを生成するための1つ以上のコンポーネントを含む。幾つかの例において、エネルギは、超音波、高周波、電気、磁気、熱、光及び/又は同等物を含む、1つ以上のエネルギモダリティであってよい。幾つかの例において、エネルギシステム260は、
図1の制御ユニット140のような制御ユニットから受信する信号に基づいて作動させられる1つ以上の変換器(トランスデューサ)、信号生成器及び/又は同等物を含んでよく、幾つかの例において、信号は、1つ以上の電流、電圧、パルス幅変調波形、光パターン及び/又は同等物を含んでよい。
【0042】
幾つかの実施形態において、エネルギシステム260によって生成される及び/又はエネルギシステム260によって受け取られるエネルギは、1つ以上のエネルギ送達機構270を使用して、エネルギシステム260からシャフト210に沿ってエネルギシステム260に対して遠位に位置するツール200の様々なジョイント及び/又は要素に伝達されてよい。幾つかの例において、1つ以上のエネルギ機構は、1つ以上のワイヤ、ケーブル、光ファイバ及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、シャフト210は中空であり、エネルギ送達機構270は、作業空間内の材料への送達のためにシャフト210の内側に沿ってエネルギシステム260からエンドエフェクタ220に進む。幾つかの例において、エネルギシステム260は、制御されることがあり、且つ/或いはエネルギ制御モジュール180のようなエネルギ制御モジュールから制御及び/又は命令を受信することがある。
【0043】
図3A及び
図3Bは、幾つかの実施態様に従ったツールのジョー300の簡略化された側面図及び頂面図である。幾つかの実施態様において、ジョー300は、エンドエフェクタ220のジョーの一方又は両方と一致する。
図3A及び
図3Bに示すように、ジョー300は、ジョー面310、1つ以上の封止電極320、及び1つ以上の切断電極330を含む。幾つかの例において、ジョー面310は、概ね平面的であり、ジョー300が対向するジョーに対して閉じられるときに対向するジョーのジョー面と平行であり、ジョー300が対向するジョーに対して開いているときに対向するジョーのジョー面に対して角度をなす。図示のように、1つ以上の封止電極320は、ジョー300の外側に沿って概ね配置され、1つ以上の切断電極は、ジョー300の中心線に概ね沿って配置される。幾つかの例において、この構成は、1つ以上の封止電極320が、1つ以上の切断電極330を使用して材料を切断するときに分離される材料の2つの端をシールすることを可能にする。加えて、1つ以上の封止電極320及び1つ以上の切断電極330の各々は、対向するジョー上で、1つ以上の対応する封止電極及び1つ以上の対応する切断電極と、概ね整列させられる。ジョー300、封止電極320、及び切断電極330についての可能な構成の追加的な例は、「Fusing and Cutting Surgical Instrument and Related Methods」を開示する共同所有の米国特許第9,055,961号明細書及び「Electrosurgical Instrument with Compliant Elastomeric Electrode」を開示する共同所有の国際出願第PCT/US2018/39912号に更に詳細に記載されており、それらの両方は参照により援用される。
【0044】
幾つかの実施形態によれば、(例えば、一方のジョー上の電極と対向するジョー上の電極との間の)一対の電極が切断及び/又はシールする能力は、一対の電極間に適切な電圧差を印加することによって制御されてよい。幾つかの例では、切断のための第1の電圧差が、封止(シーリング)のための第2の電圧電位と異なってよい。幾つかの例において、切断及び/又は封止のための電圧差は、切断及び/又はシールされる材料に基づいて選択される。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、約250V~400Vの範囲内の電圧差は、一般的に、切断を引き起こすことがあり、約50V~150Vの範囲内の電圧差は、一般的に、封止を引き起こすことがある。幾つかの例では、切断電圧差と封止電圧差との間の電圧差が、切断と封止との組み合わせをもたらすことがある。幾つかの例では、一対の電極によって送達されるエネルギの量が、例えば、適切な電流制限器の使用によって、一対の電極間の電流の流れを制限することによって更に制御されることがある。幾つかの例では、エネルギシステム260のようなエネルギシステムを使用して、一対の電極に印加される電圧差及び電流限界を制御してよい。幾つかの例において、エネルギは、電圧を異なって制御する及び/又は電流を一連のパルスとして制御することによって、一連のエネルギパルスとして送達されてよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、封止電極及び/又は切断電極としてのそれらの記述にもかかわらず、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330の両方は、対向するジョーにおける1つ以上の封止電極320と1つ以上の対応する封止電極330との間の及び/又は対向するジョーにおける1つ以上の切断電極330と1つ以上の対応する切断電極との間の電圧差を制御することによって、封止及び/又は切断の両方のために使用されてよい。幾つかの例において、切断は、ジョーのうちの1つのジョー上の切断電極330と対向するジョー上の封止電極320のうちの1つ以上の封止電極との間に切断エネルギを印加することによって行われてよい。
【0046】
上記で議論し、本明細書で更に強調するように、
図3A及び
図3Bは、請求項を過度に限定すべきでない例にすぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施態様によれば、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330の表面積の相対的な大きさは、
図3Bに示すものと異なってよい。幾つかの例において、1つ以上の封止電極320の各々は、1つ以上の切断電極330と同じ又はより小さい表面積を有してよい。幾つかの実施態様によれば、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330がジョー面310より上方に突出する相対的な高さは、
図3Aに示すものと異なってよい。幾つかの例において、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330のうちの1つ以上は、ジョー面310と面一であってよい、及び/又はジョー面310より下方に凹まされてよい。幾つかの例では、1つ以上の封止電極の相対的な高さが、1つ以上の切断電極の高さと同じでよく、且つ/或いはより短くてよい。幾つかの実施形態によれば、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330の各電極のジョー300に沿う(近位から遠位への)軸方向長さは、より長くてよく、より短くてよく、且つ/或いは異なる長さであってよい。
【0047】
幾つかの実施形態によれば、(例えば、対向するジョーを使用する)把持及び(例えば、1つ以上の封止電極320及び/又は1つ以上の切断電極330を使用する)エネルギ送達の両方をサポートするエンドエフェクタ220のようなエンドエフェクタの制御は、典型的には、別個のシステムを使用して制御される。例えば、駆動システム及び対応する把持制御モジュールは、把持を制御することがある一方で、エネルギシステム及び対応するエネルギ制御モジュールは、エネルギ送達を制御することがある。幾つかの例では、駆動システム/把持制御モジュールとエネルギシステム/エネルギ制御モジュールとの間の協調が殆どないか或いは又は全くないことがある。すなわち、駆動システム/把持制御モジュールは、封止及び/又は切断が成功裡に行われているかどうかを示す把持された材料の電気的特性ではなく、把持された材料の機械的及び/又は運動学的特性に基づいて把持を制御してよい。同様に、エネルギシステム/エネルギ制御モジュールは、良好な封止及び/又は切断をもたらす可能性が高い材料の把持が得られたかどうかを示す材料の機械的及び/又は運動学的特性ではなく、把持された材料の電気的特性に基づいてエネルギ送達を制御してよい。従って、把持及びエネルギ送達の両方が互いに補完するよう協働するよう、駆動システム/把持制御モジュール及びエネルギシステム/エネルギ制御モジュールが協働して把持及びエネルギ送達の両方を制御するときに、把持された材料のより良い封止及び切断が得られることがある。
【0048】
図4は、幾つかの実施形態に従った把持及びエネルギ送達のための方法400の簡略図である。方法400のプロセス410~460のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、1つ以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140内のプロセッサ150)によって実行されるときに、1つ以上のプロセッサにプロセス410~460のうちの1つ以上を行わせることがある、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能コードの形態で実装されてよい。幾つかの実施形態において、方法400は、把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180のような1つ以上のモジュールによって行われてよい。幾つかの実施形態において、把持(例えば、機械的及び/又は運動学的情報の感知及び把持ジョーの機械的制御)に関連する方法400の部分は、把持制御モジュール170によって行われてよく、エネルギ送達(例えば、電気的特性の感知及びエネルギ送達の制御)に関連する方法400の部分は、エネルギ制御モジュール180によって行われてよく、把持制御モジュール170及びエネルギ制御モジュール180は、把持された材料へのエネルギ送達を最適化するために、センサ及び制御情報を共有するよう協働する。幾つかの実施態様において、プロセス460は、任意的であり、省略されることがある。幾つかの実施形態において、方法400は、
図4によって示唆される順序と異なる順序で行われてよい。幾つかの例において、プロセス430は、プロセス420及び/又はプロセス420及び/又は430が同時に行われることがある前に行われてよい。幾つかの例において、プロセス420及び430は、プロセス440と同時に行われてよい。
【0049】
プロセス410で、材料が把持される。幾つかの例において、材料は、エンドエフェクタ220のようなエンドエフェクタのジョーの間に把持されてよい。幾つかの例において、ジョーの各々は、ジョー300と一致してよい。幾つかの例において、材料は、把持制御モジュール170のような把持制御モジュールの制御の下で、駆動システム240のような駆動システムを用いて把持されてよい。幾つかの例において、把握は、オペレータから受信するコマンドに基づいて行われてよい。幾つかの例において、把持は、ジョー間の所望の角度に達するまで、ジョー間の所望の分離に達するまで、及び/又は所望の把持強度を示す所望の力又はトルク限界に達するまで、ジョーの作動を含んでよい。幾つかの例において、把持は、上方の力及び/又はトルク限界にさらされる所望の位置設定点(例えば、ジョー間の所望の角度及び/又は分離)までジョーを作動させてよい。幾つかの例において、力又はトルク限界は、ジョーを作動させるために使用される1つ以上のアクチュエータに対する電流限界として実装されてよい。
【0050】
プロセス420で、1つ以上の把持特性が決定される。幾つかの例において、1つ以上の把持特性は、材料を把持している印加圧力及び/又は印加圧力の変化率を含んでよい。幾つかの例において、印加圧力は、ジョーの一方又は両方の面に沿って配置される1つ以上の圧力センサ(例えば、1つ以上のひずみ計、圧力変換器(圧力トランスデューサ)、感圧ファイバ光学センサ、及び/又は同等物)を使用して決定されてよい。幾つかの例において、印加圧力の変化率は、経時的に得られる2つ以上の印加圧力読取値から(例えば、分割差分法を用いて)数値微分技術を用いて決定されてよい。幾つかの例において、印加圧力は、1つ以上の他の把持特性から間接的に決定されてよい。
【0051】
幾つかの例において、1つ以上の把持特性は、1つ以上のジョー角(又は分離)センサから得られる現在のジョー角(又は分離)及び/又はジョー角(又は分離)の変化率の測定値を含んでよい。幾つかの例において、ジョー角(又は分離)の変化率は、経時的に得られる2つ以上のジョー角(又は分離)読取値から数値微分技術を用いて(例えば、分割差分法を用いて)決定されてよい。
【0052】
幾つかの例において、1つ以上の把持特性は、ジョーを作動させるために使用されるジョー及び/又は1つ以上のアクチュエータと関連付けられた1つ以上の力及び/又はトルクセンサから得られるジョーによって把持材料に加えられるような加えられる力及び/又はトルク及び/又は加えられる力及び/又はトルクの変化率を含んでよい。幾つかの例において、加えられる力及び/又はトルクの変化率は、経時的に得られる2つ以上の力及び/又はトルク読取値から数値微分技術を用いて(例えば、分割差分法を用いて)を用いて決定されてよい。幾つかの例において、力及び/又はトルクは、ジョーの一方又は両方を作動させるために使用される1つ以上のアクチュエータを作動させるために使用される1つ以上の電流に基づいて決定されてよい。
【0053】
幾つかの例において、1つ以上の把持特性は、材料を把持するためにジョーが使用されるツール及び/又はエンドエフェクタと関連付けられる追加の運動学的情報を含んでよい。幾つかの例において、追加の運動学的情報は、ツールの関節付きリスト(例えば、関節付きリスト230)の関節作動の量及び/又はタイプに関する情報を含んでよい。
【0054】
幾つかの例において、1つ以上の把持特性は、ジョー及び把持材料の撮像デバイスから得られた1つ以上の画像から決定されてよい。幾つかの例では、1つ以上の画像を用いて、ジョー角、ジョー分離、及び/又はリスト関節を測定してよい。幾つかの例において、撮像デバイスは、内視鏡及び/又は立体内視鏡であってよい。幾つかの例において、撮像デバイスは、1つ以上の再位置決め可能なアーム120のうちの1つのような再位置決め可能なアームにツールとして取り付けられてよい。
【0055】
プロセス430で、1つ以上の材料特性が決定される。幾つかの例において、1つ以上の材料特性は、把持された材料の温度及び/又は温度の変化率を含んでよい。幾つかの例において、材料の温度は、ジョーの一方又は両方の面のみに配置される、1つ以上の熱電対、熱抵抗器、及び/又は同等物のような、1つ以上の温度センサを使用して決定されてよい。幾つかの例において、材料の温度又は他の熱特性は、非治療的エネルギを材料に送達することによって決定されてよい。幾つかの例において、把持された材料の温度は、ジョー及び把持された材料に向けられた、撮像デバイスに取り付けられた赤外線センサのような赤外線センサを用いて決定されてよい。幾つかの例において、温度の変化率は、経時的に得られる2つ以上の温度読取値から数値微分技術を用いて(例えば、分割差分法を用いて)決定されてよい。幾つかの例において、把持された材料の温度は、把持特性のうちの1つ以上及び/又は他の材料特性のうちの1つ以上から間接的に決定されてよい。
【0056】
幾つかの例において、1つ以上の材料特性は、把持された材料をシール及び/又は切断するために使用される1つ以上のペアの封止電極及び/又は切断電極の間の電気的特性を測定することによって得られる把持された材料のインピーダンス及び/又は把持された材料のインピーダンスの変化率を含んでよい。幾つかの例において、1つ以上のペアの封止電極及び/又は切断電極の各々は、ジョー300上の1つ以上の封止電極320及び対向するジョー上の対応する封止電極、及び/又はジョー300上の1つ以上の切断電極330のうちの1つ及び対向するジョー上の対応する切断電極を含んでよい。幾つかの例において、インピーダンスの変化率は、経時的に得られる2つ以上のインピーダンス(又は分離)読取値から数値微分技術を用いて(例えば、分割差分法を用いて)決定されてよい。
【0057】
幾つかの例において、1つ以上の材料特性は、把持された材料の剛性を含んでよい。幾つかの例において、把持された材料の剛性は、プロセス420の間に決定されるジョー角及び/又は分離及び印加された力及び/又はトルクから決定されてよい。幾つかの例において、(例えば、1つ以上のモデル190からの)1つ以上のモデルは、ジョー角及び/又は分離及び加えられる力及び/又はトルクから材料剛性を決定するために使用可能な1つ以上の式、ルックアップテーブル、非線形マップ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、把持された材料の剛性を決定するために使用される1つ以上のモデルは、経験的研究、既知の剛性を有する材料の試験把持に基づいて訓練された1つ以上の機械学習メカニズム(例えば、1つ以上のニューラルネットワーク)、及び/又は同等のことから決定されてよい。
【0058】
幾つかの例において、1つ以上の材料特性は、把持された材料の誘電率を含んでよい。幾つかの例において、把持された材料の誘電率は、プロセス420の間に決定されるジョー角及び/又は分離、及びプロセス430の間に決定される把持された材料のインピーダンスから決定されてよい。幾つかの例において、誘電率は、材料に非治療的エネルギを送達することによって決定されてよい。幾つかの例において、(例えば、1つ以上のモデル190からの)1つ以上のモデルは、ジョー角及び/又は分離及びインピーダンスから把握された材料の誘電率を決定するために使用可能な1つ以上の式、ルックアップテーブル、非線形マップ、及び/又は同等のものを含んでよい。幾つかの例において、把持された材料の誘電率を決定するために使用される1つ以上のモデルは、経験的研究、試験把持及び/又は既知の誘電率を有する材料へのエネルギ送達に基づいて訓練された1つ以上の機械学習メカニズム(例えば、1つ以上のニューラルネットワーク)、及び/又は同等のものから決定されてよい。
【0059】
幾つかの例において、1つ以上の材料特性は、把持された材料の乾燥レベル(例えば、水分含有量)を含んでよい。幾つかの例において、乾燥レベルは、現在の材料封止のレベルの表示、材料が切断及び/又は封止の準備ができているかどうかの表示(例えば、切断及び/又は封止の前に把持することによって材料から水分を絞り出すことが有利である)を提供してよい。幾つかの例において、乾燥レベルは、ジョー角及び/又は分離、加えられた力及び/又はトルク、加えられた圧力、剛性、インピーダンス、誘電率、及び/又は把持された材料の温度から決定されてもよい。幾つかの例において、(例えば、1つ以上のモデル190からの)1つ以上のモデルは、ジョー角及び/又は分離、加えられた力及び/又はトルク、加えられた圧力、剛性、インピーダンス、誘電率、及び/又は温度から把持された材料の乾燥レベルを決定するために使用可能な1つ以上の式、ルックアップテーブル、非線形マップ、及び/又は同等のものを含んでよい。幾つかの例において、把持された材料の誘電率を決定するために使用される1つ以上のモデルは、経験的研究、試験把持及び/又は既知の乾燥レベルを有する材料へのエネルギ送達に基づいて訓練された1つ以上の機械学習メカニズム(例えば、1つ以上のニューラルネットワーク)、及び/又は同等のものから決定されてよい。
【0060】
プロセス440で、ツールによる把握及び/又はエネルギ送達は、プロセス420の間に決定される1つ以上の把握特性、及び/又は1つ以上のモデル190のような1つ以上のモデルを用いてプロセス430の間に決定される1つ以上の把握特性に基づいて制御される。幾つかの例では、1つ以上の把持特性及び/又は1つ以上の材料特性を1つ以上のモデルへの入力として適用して、材料の把持を制御するための及び/又は材料へのエネルギ送達を制御するための1つ以上の制御パラメータを決定してよい。幾つかの例において、1つ以上の制御パラメータは、把持設定点(例えば、把持角及び/又は分離)、把持設定点の変化率(例えば、把持速度)、力及び/又はトルク設定点、力又はトルク設定点、ジョーを作動させるために使用される1つ以上のアクチュエータのための電流設定点、圧力設定点、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。
【0061】
幾つかの例において、エネルギ送達を制御するための1つ以上のパラメータは、電極のペアの間の電圧差、電極のペアの間のエネルギ送達の電流限界、材料インピーダンスの目標設定点、誘電率、及び/又は成功裡の封止及び/又は切断を示す温度、把持された材料に送達された封止エネルギの量、把持された材料に送達された切断エネルギの量、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。
【0062】
幾つかの例において、材料の把握及び/又は材料へのエネルギ送達を制御するための1つ以上の制御パラメータは、制御戦略の間でいつ切り替えるべきか、異なるモデルの間でいつ切り替えるべきか、及び/又は同等のことを決定するための1つ以上の閾値を含んでよい。
【0063】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルを使用する目標は、把持及び/又はエネルギ送達の間に材料が滑る可能性を減少させる把持及び/又はエネルギ送達制御戦略、把持された材料の不十分な切断、把持された材料の不十分な封止、及び/又は同等のことを実装することである。幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルは、把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180のような、把持及び/又はエネルギ送達制御モジュールの間の情報及び共有知識を利用する、把持及び/又はエネルギ送達に使用される1つ以上の制御戦略へのガイダンスを提供するモデルを含んでよい。
【0064】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルは、プロセス420の間に決定される把持特性のうちの1つ以上に基づいて送達されるエネルギ量を制御するために使用されてよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、送達すべきエネルギの量がジョー角及び/又は分離に関係する場合があることを示してよい。幾つかの例において、ジョー角及び/又は分離がより大きいときには、より多くの材料が把持されるので、より多くのエネルギが送達され、ジョー角及び/又は分離がより小さいときには、より少ない材料が把持されるので、より少ないエネルギが送達される。幾つかの例において、ジョー角及び/又は分離と送達すべきエネルギとの間の関係は、線形であること、単調であること、最大及び最小エネルギ送達限界に従うこと、及び/又は同等のことのうちの1つ以上であってよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、送達すべきエネルギの量がジョー角及び/又は分離の変化率に反比例することを示してよい。幾つかの例において、ジョー角及び/又は分離の変化率がより小さいときには、より剛性の及び/又はより遅く乾燥する材料に対処するために、より多くのエネルギが送達され、ジョー角及び/又は分離の変化率がより大きいときには、より低い剛性の及び/又はより急速に乾燥する材料に対処するために、より少ないエネルギが送達される。幾つかの例において、ジョー角及び/又は分離の変化率と送達すべきエネルギとの間の関係は、単調なことがあり、最大及び最小エネルギ送達限界に従うことがあり、且つ/或いは同等のことである場合がある。
【0065】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルを使用して、プロセス430の間に決定される材料特性のうちの1つ以上に基づいて、把持をどのように制御するかを決定してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、把持の力及び/又はトルク限界が材料のインピーダンスに反比例することを示してよい。幾つかの例において、材料のインピーダンスがより低いときに(例えば、その水分含有量がより高く、より多くの乾燥が望まれるときに)、力及び/又はトルク限界は、乾燥を増加させるのを助けるはずのより強力な把持のために引き上げられ、インピーダンスがより高いときに、力及び/又はトルク限界は、乾燥及び/又は封止が完了に近づくにつれて引き下げられる。幾つかの例において、インピーダンスと力及び/又はトルク限界との間の関係は、単調であること、最大及び最小の力及び/又はトルク限界に従うこと、及び/又は同等のことのうちの1つ以上であってよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、力及び/又はトルク限界がインピーダンスの変化率に関係することを示してよい。幾つかの例では、インピーダンスの変化率がより小さいときに(例えば、切断及び封止操作の初期に)、力及び/又はトルク限界は、より剛性の及び/又はより遅く乾燥する材料に対処するために増加され、インピーダンスの変化率がより大きいときに(例えば、切断及び封止操作の中間部分の間に)、力及び/又はトルク限界は、より低い剛性の及び/又はより急速に乾燥する材料に対処するために低下され、インピーダンスの変化率がより小さいときに(例えば、切断及び封止操作の完了付近で)、力及び/又はトルク限界は、変化しないままである及び/又は低下される。幾つかの例において、インピーダンスの変化率と力及び/又はトルク限界との間の関係は、最大及び最小の力及び/又はトルク限界に従うことがある、及び/又は同等のことである場合がある。
【0066】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルを使用して、印加する封止エネルギの量と、良好な封止特性を有する材料のクリーンな切断の可能性を向上させるために切断エネルギに対する封止エネルギの所望の比を達成するように独立して加えられる切断エネルギの量とを決定してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、より高いジョー角及び/又は分離、ジョー角及び/又は分離のより低い変化率、より高い加えられる力及び/又はトルク、より高い加えられる圧力、加えられる圧力のより低い変化率、加えられる力及び/又はトルクのより高い変化率、より低い材料インピーダンス、より高い材料温度、材料温度のより低い変化率、及び/又は同等のことによって示されることがあるように、材料のより多くの圧縮が望まれるときに、材料のより多くの乾燥が望まれるときに、及び/又はより大きな材料剛性が検出されるときに、切断エネルギに対するより高い封止エネルギの比率が望ましいと決定することがある。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、より低いジョー角及び/又は分離、ジョー角及び/又は分離のより高い変化率、より低い加えられる力及び/又はトルク、加えられる力及び/又はトルクのより低い変化率、より高い加えられる圧力、加えられる圧力のより低い変化率、より高い材料インピーダンス、より高い材料温度、材料温度のより低い変化率、及び/又は同等のことによって示されることがあるように、材料のより少ない圧縮が望まれるときの材料のより少ない乾燥が生じなければならないときに、及び/又はより少ない材料の剛性が検出されるときに、切断エネルギに対する封止エネルギのより低い比率が望ましいと決定することがある。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、切断及び封止操作の開始時に切断エネルギに対する封止エネルギのより高い比を示してよく、切断及び封止操作の終了時に切断エネルギに対する封止エネルギのより低い比率を示してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、封止電極のペア及び/又は切断電極のペアによって送達されるエネルギを制御するために使用される電流限界のうちの1つ以上が上昇及び/又は下降されることを示し、封止電極のペア及び/又は切断電極のペアによって印加される電圧差が上昇及び/又は下降されること(例えば、封止電極のペアにより多くの切断エネルギを印加すること及び/又は切断電極のペアにより多くの封止エネルギを印加すること)を示すことによって、切断エネルギに対する封止エネルギの比を実施してよい。
【0067】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルは、エネルギ送達が完了したとき(例えば、切断及び/又は封止が完了したとき)を示す終了状態を決定するために使用されてよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、プロセス420の間に決定される1つ以上の把持特性及び/又はプロセス430の間に決定される1つ以上の材料特性のいずれかを入力として受信し、終了条件に対応する1つ以上のパラメータを決定してよい。幾つかの例において、終了条件に対応する1つ以上のパラメータは、把持された材料の閾値インピーダンス、把持された材料の閾値誘電率、把持された材料の閾値温度、及び/又は十分なエネルギが把持された材料に供給されたことを示す同等のものを含んでよい。幾つかの例において、閾値インピーダンスは、エネルギ送達が完了する前に到達されるべき最小インピーダンスに対応してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、1つ以上の把持特性及び/又は1つ以上の材料特性が、より多くの量の材料が把持されていること、乾燥が遅いこと、及び/又は同等のことを示唆する、把持の進行が遅いこと(例えば、より高いジョー角及び/又は分離、ジョー角及び/又は分離のより低い変化率、加えられる力及び/又はトルクのより高い変化率、より高い印加圧力、印加圧力のより低い変化率、より低い乾燥レベル、乾燥のより低い変化率、より高い材料温度、及び/又は同等のもの)を示すときに、閾値インピーダンスが増加すべきであることを示してよい。
【0068】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルは、エネルギ送達が終了されるべきであることを示してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、前述のように、終了条件に到達したときに、エネルギ送達が終了されるべきであることを示してよい。幾つかの例において、1つ以上のモデルは、プロセス420の間に決定される1つ以上の把持特性及び/又はプロセス430の間に決定される1つ以上の材料特性が値の所望の範囲の外側にあるときに、エネルギ送達が終了されるべきであることを示してよい。幾つかの例において、値の所望の範囲は、許容可能なジョー角及び/又は分離の範囲、加えられる力及び/又はトルクの範囲、加えられる圧力の範囲、材料誘電率の範囲、インピーダンスの範囲、材料温度の範囲、及び/又は同等のもの、及び/又はそれぞれの値の所望の範囲の外側の2つ以上の特性の任意の組み合わせに対応してよい。
【0069】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルは、プロセス420の間に決定される把持特性のうちの1つ以上及び/又はプロセス430の間に決定される1つ以上の材料特性に基づいてデフォルトのエネルギ送達プロファイルを置き換えるために使用されてよい。幾つかの例において、デフォルトのエネルギ送達プロファイルは、材料の把持が困難でないとき(例えば、ジョー角及び/又は分離が閾値未満である、加えられた力及び/又はトルクが閾値未満である、加えられた圧力が閾値未満である、及び/又は同等のことであるとき)に使用されてよく、1つ以上のモデルは、把持が困難であるとき(例えば、ジョー角及び/又は分離が閾値を上回る、加えられた力及び/又はトルクが閾値を上回る、加えられた圧力が閾値を上回る、及び/又は同等のことであるとき)に使用されてよい。
【0070】
次に、1つ以上のモデルの表示及び/又は出力を用いて、ツールの把持及び/又はエネルギ送達を制御する。幾つかの例において、表示及び/又は出力は、パラメータ、閾値、コマンド、及び/又は同等のものとして、把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180によって実装されるような、適切な把持制御及び/又はエネルギ送達制御アルゴリズムに提供される。次に、把持制御及び/又はエネルギ送達制御アルゴリズムは、1つ以上のコマンド、信号、及び/又は同等物を、駆動システム240及び/又はエネルギシステム260のような、把持及びエネルギ送達のためのシステムに提供する。
【0071】
プロセス450で、把持及び/又はエネルギ送達が停止されるべきかどうかが決定される。幾つかの例において、決定は、プロセス420の間に決定される把持特性及び/又はプロセス430の間に決定される1つ以上の材料特性のうちの1つ以上が、上記で議論したような終了条件にいつ達するかに基づいてよい。終了条件に到達せず、把持及び/又はエネルギ送達が継続すべきであるとき、プロセス420~440は、プロセス420に戻ることによって繰り返される。終了条件に到達し、把握及び/又はエネルギ送達が停止されるべきであるとき、1つ以上のモデルは、任意的なプロセス460を使用して更新されてよい。
【0072】
任意的なプロセス460において、1つ以上のモデルが更新される。幾つかの例において、プロセス420~440の間に収集されたデータ(例えば、1つ以上の把握特性、1つ以上の材料特性、及び/又は1つ以上のモデルからの表示)を使用して、把握及び/又はエネルギ送達の結果に基づいて1つ以上のモデルを更新してよい。幾つかの例において、データは、1つ以上のモデルを更新するために使用可能な追加のデータポイント及び/又は訓練データとして使用されてよい。幾つかの例では、追加のデータポイントを使用して、1つ以上のモデルのための基礎である曲線フィッティング、回帰分析、及び/又は同等のものを更新してよい。幾つかの例において、追加の訓練データは、後方伝搬訓練アルゴリズム、シミュレーションアニーリング訓練アルゴリズム、確率勾配降下訓練アルゴリズム、及び/又は同等のものにおいて使用される教師付き訓練データへの追加として、ニューラルネットワークのような機械学習システムを更新するために使用されてよい。
【0073】
幾つかの実施形態によれば、1つ以上のモデルが任意的なプロセス460によって更新されるかどうかにかかわらず、1つ以上のモデルは、方法400を繰り返すことによって再び使用されてよい。
【0074】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図4は、請求項の範囲を過度に制限すべきでない単なる例である。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態によれば、他の要因がプロセス440の間に考慮されてよく、把握された材料の把持及び/又は把持された材料へのエネルギ送達を制御するために使用される1つ以上のモデルへの1つ以上の入力を提供する。幾つかの例において、他の要因は、オペレータの好み、把持された材料の既知のタイプ、把持された材料に対して実施されている処置のタイプ、材料を把握し且つ把持した材料にエネルギを送達するために使用されるツールのタイプ及び/又はモデル、及び/又は同等のものを含んでよい。幾つかの例において、他の要因は、ツール内に格納される、且つ/或いは、ツール間の変動、1つ以上の使用に亘るツールの磨耗及び/又は変化、及び/又は同等のことを説明することがあるデータベース内に格納される、ツールのための較正パラメータを含んでよい。
【0075】
幾つかの実施形態によれば、プロセス440は、把持、切断、及び/又は封止に関する追加情報をオペレータに提供するように構成されてよい。幾つかの例において、追加的な情報は、切断及び/又は封止が成功する可能性が高いかどうかの予測、切断及び/又は封止が開始すべき前に追加の把持を伴う推奨遅延時間、切断及び/又は封止が完了する前の推定時間量、及び/又は同等のものを含んでよい。
【0076】
幾つかの実施形態によれば、方法400は、主として
図4に関して議論された電気及び/又は高周波モダリティ以外の他のエネルギモダリティと共に使用されてよい。幾つかの実施形態において、他のエネルギモダリティは、超音波、磁気、熱、光、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。
【0077】
幾つかの実施形態によれば、方法400は、1つ以上のペアの切断電極及び/又は封止電極を介したエネルギ送達以外のエネルギ送達用途に適合されてよい。幾つかの例において、他のエネルギ送達用途は、単一のペアの電極を用いた切断及び封止、アブレーション、超音波メスを用いた切断、及び/又は同等のことを含んでよい。幾つかの実施形態によれば、方法400は、エネルギ送達を用いてシールが行われ、ナイフのような機械的切断要素を介して切断が行われる場合に使用されてよい。
【0078】
幾つかの実施形態によれば、方法400は、ツールの較正をサポートするように構成されてよい。幾つかの例において、プロセス440の間に使用され、プロセス460の間に任意に更新される、1つ以上のモデルのパラメータのうちの1つ以上は、方法400の間に使用されるべき各々の個々のツールについての1つ以上のモデルのカスタマイズをサポートするために、ツールの識別子に基づいて照会されることがあるデータベース内及び/又はツール内に配置されたメモリ内に格納されてよい。幾つかの例において、1つ以上のパラメータは、1つ以上の係数、曲線及び/又は関数モデリングのための1つ以上の制御点、1つ以上のニューラル重み及び/又はバイアス、及び/又は同等のものを含んでよい。幾つかの例において、ツールのための1つ以上のパラメータは、ツールを使用して既知の特性(例えば、サイズ、剛性、誘電率、及び/又は同等のもの)を有する1つ以上の材料を把持し且つエネルギを印加することによって、並びに試験把持及び/又はエネルギ送達を使用してツールの実際の性能と1つ以上のモデルによって示される性能との間の差に基づいて1つ以上のパラメータをカスタマイズすることによって、製造時に最初に較正されてよい。幾つかの例において、1つ以上のパラメータは、ツールを使用して既知の特性を有する1つ以上の材料を把持し且つエネルギを送達することによって、各使用前に更に更新されてよい。幾つかの例において、プロセス460の間に1つ以上のモデルを更新することは、1つ以上のパラメータを更新するために使用されてよい。
【0079】
図5は、幾つかの実施形態に従ったエネルギ送達のための方法500の簡略図である。方法500のプロセス505~550のうちの1つ以上は、少なくとも部分的には、非一時的で有形の機械可読媒体に格納された実行可能なコードの形態で実装されてよく、実行可能なコードは、1つ以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140内のプロセッサ150)によって実行されると、1つ以上のプロセッサにプロセス505~550のうちの1つ以上を実行させることがある。幾つかの実施形態において、方法500は、把持制御モジュール170及び/又はエネルギ制御モジュール180のような、1つ以上のモジュールによって実行されてよい。幾つかの実施形態において、把持と関連付けられる方法400の部分(例えば、機械的及び/又は運動学的情報の感知、及び把持ジョーの機械的制御)は、把持制御モジュール170によって実行されてよく、エネルギ送達と関連付けられる方法400の部分(例えば、電気的特性の感知、及びエネルギ送達の制御)は、把握した材料へのエネルギ送達を最適化するためにセンサ及び制御情報を共有するように協働する把持制御モジュール170及びエネルギ制御モジュール180を有するエネルギ制御モジュール180によって実行されてよい。幾つかの実施形態によれば、方法500は、方法400のプロセス420~450と一致することがある。
【0080】
プロセス505で、コマンドが受信される。幾つかの例において、コマンドは、オペレータから受信されてよい。幾つかの例において、コマンドは、ユーザインターフェースのアクティブ化、1つ以上のボタン、スイッチ、レバー、及び/又は同等物のアクティブ化、音声コマンド、及び/又は同等のものの結果として受信されてよい。幾つかの例において、コマンドは、封止のみのためのコマンドであってよく、或いは、コマンドのタイプを示すために使用される異なるユーザインターフェース制御装置、ボタン、スイッチ、レバー、音声コマンド、及び/又は同等のもので切断及び封止するためのコマンドであってよい。
【0081】
プロセス510で、コマンドのタイプが決定される。コマンドのタイプが切断及び封止コマンドであるとき、切断及び封止コマンドは、プロセス515で開始して更に処理される。コマンドのタイプが封止のみコマンドであるとき、封止のみコマンドは、プロセス540で開始して更に処理される。
【0082】
プロセス515で、エネルギ送達デバイスのジョーが、構成可能な第1の閾値よりも大きな開口を有する材料を把持しているかどうかが決定される。幾つかの例において、各ジョーの各々は、ジョー300と一致してよい。幾つかの例において、第1の閾値は、ジョー角、ジョー分離、及び/又はジョー間の同等のものに対応してよい。幾つかの例において、第1の閾値は、切断及び/又は封止され得るよりも多くの材料が把持されていることを示すジョー開口に対応してよい。開口が第1の閾値より大きいとき、切断及び封止操作は、プロセス520を使用して中止される。開口が第1の閾値より大きくないとき場合、開口は、プロセス525で開始して更に分析される。
【0083】
プロセス520で、切断及び封止操作は中止され、エネルギは材料に送達されない。幾つかの例では、適切な切断及び/又は封止のためにあまりにも多い材料が把持されていることを示す警告及び/又は通知がオペレータに提供されてよい。幾つかの例において、警告は、視覚警告(例えば、点滅光、色変化、テキストメッセージ、及び/又は同等のもの)、音声警告(例えば、ビープ、一連のビープ、トーン、音声指示、及び/又は同等のもの)、触覚フィードバック、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。次に、方法500は、終了するか、代替的に、プロセス505に戻って、追加のコマンドを待つ。
【0084】
プロセス525で、エネルギ送達デバイスのジョーが、第1の閾値よりも小さい設定可能な第2の閾値よりも大きい開口で材料を把持しているかどうかが決定される。幾つかの例において、第2の閾値は、ジョー角、ジョー分離、及び/又はジョー間の同等のものに対応してよい。幾つかの例において、第2の閾値は、切断及び/又は封止にとって理想的であるよりも多くの材料が把持されていることを示すジョー開口に対応してよい。開口が第2の閾値を上回らないとき、切断及び封止操作は、プロセス530で開始して継続する。開口が第2の閾値よりも大きいとき、切断及び封止操作は、プロセス535で開始して継続する。
【0085】
プロセス530で、第1のシール及び切断処置が適用される。幾つかの例において、第1のシール及び切断処置は、1つ以上の封止電極を使用した封止エネルギの送達で開始してよい。幾つかの例において、封止エネルギは、材料のインピーダンスが第1の閾値を下回るまで及び/又は同等のときまで、第1の構成可能な時間期間に亘って送達されてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第1の閾値は、200~600オームの間であってよい。幾つかの例において、第1の閾値は、目標乾燥レベルに対応してよい。幾つかの例において、インピーダンスは、1つ以上の封止電極を通じる電流の量に基づいて間接的に決定されてよい。幾つかの例では、材料のインピーダンスが第1の閾値に達すると、及び/又は第1の構成可能な時間期間が満了すると、1つ以上の切断電極によって切断エネルギが送達されてもよく、且つ/或いは、材料を切断するために機械的切断が作動させられてよい。幾つかの例において、封止エネルギ及び/又は切断エネルギは、材料のインピーダンスが第2の閾値を超えて上昇するまで及び/又は第2の構成可能な時間期間が経過するまで送達され続けてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第2の閾値は、200~600オームの間であってよい。幾つかの例において、第2の時間期間は、10秒であってよい。
【0086】
幾つかの例において、第1のシール及び切断処置は、材料のインピーダンスが第2の期間が経過する前に第2の閾値を超えて上昇しないならば、中止されてよい。幾つかの例では、材料のインピーダンスが第3の閾値を上回るならば、第1のシール及び切断処置は中止されてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第3の閾値は、1000オームであってよい。幾つかの例では、材料中の高いインピーダンス及び/又は第2の時間期間の満了の故に、切断及び/又は封止が成功裡に完了しなかったことを示す警告及び/又は通知がオペレータに提供されてよい。幾つかの例において、警告は、視覚警告(例えば、点滅光、色変化、テキストメッセージ、及び/又は同等のもの)、音声警告(例えば、ビープ、一連のビープ、トーン、音声指示、及び/又は同等のもの)、触覚フィードバック、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。
【0087】
幾つかの例において、インピーダンス閾値、時間期間、送達するエネルギの量、及び/又は同等のもののうちの1つ以上は、材料のタイプ、実施されている処置、オペレータの好み、及び/又は同等のもののうちの1つ以上に基づいて選択されてよい。
【0088】
ひとたびプロセス530が完了する及び/又は中止されると、方法500は、次に、終了するか、代替的に、プロセス505に戻って、追加のコマンドを待つ。
【0089】
プロセス535で、第2のシール及び切断処置が適用される。幾つかの例において、プロセス535は、プロセス530の第1のシール及び切断処置に対して送達される封止エネルギ及び/又は切断エネルギの量を増加させること、封止エネルギ及び/又は切断エネルギがプロセス530の第1のシール及び切断処置に対して送達される時間の量を増加させること、プロセス530の第1のシール及び切断処置の封止エネルギ波形及び/又は切断エネルギ波形に対する封止エネルギ波形及び/又は切断エネルギ波形を変更すること、及び/又は同等のことののうちの1つ以上を含んでよい。幾つかの例において、第2のシール及び切断処置は、成功裡の封止及び/又は切断が得られたか或いは不成功の封止及び/又は切断が得られたかを決定するために、プロセス530の第1のシール及び切断処置によって使用されるのと類似のインピーダンス及び/又はタイミング試験を使用してよい。次に、方法500は、終了するか、代替的に、プロセス505に戻って、追加のコマンドを待つ。
【0090】
プロセス540で、エネルギ送達デバイスのジョーが、構成可能な第3の閾値よりも大きな開口で材料を把持しているかどうかが決定される。幾つかの例において、第3の閾値は、ジョー角、ジョー分離、及び/又はジョー間の同等のものに対応してよい。幾つかの例において、第3の閾値は、適切にシールされ得るよりも多くの材料が把持されていることを示すジョー開口に対応してよい。幾つかの例において、第3の閾値は、第1の閾値に等しい。開口が第3の閾値を上回らないとき、開口は、プロセス545で開始して更に分析される。開口が第3の閾値よりも大きいとき、封止操作は、プロセス550で開始して継続する。
【0091】
プロセス545で、第3のシール処置が適用される。幾つかの例において、第3のシール処置は、1つ以上の封止電極を使用してシールエネルギを送達することで開始してよい。幾つかの例において、封止エネルギは、材料のインピーダンスが第4の閾値を下回るまで、及び/又は同等のときまで、第3の構成可能な時間に亘って送達されてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第4の閾値は、200~600オームの間であってよい。幾つかの例において、第4の閾値は、目標乾燥レベルに対応してよい。幾つかの例において、インピーダンスは、1つ以上の封止電極を通じる電流の量に基づいて間接的に決定されてよい。幾つかの例では、材料のインピーダンスが第4の閾値に達するとき、及び/又は第3の構成可能な時間期間が満了するとき、第4の構成可能な時間期間が、1つ以上の封止電極によって依然として送達される封止エネルギで開始してよい。幾つかの例において、封止エネルギは、材料のインピーダンスが第5の閾値を上回るまで、及び/又は第4の時間期間が経過するまで、送達され続けてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第5の閾値は、200~600オームの間であってよい。幾つかの例において、第4の時間期間は、10秒であってよい。
【0092】
幾つかの例では、材料のインピーダンスが第4の期間が経過する前に第5の閾値を上回らないならば、第3のシール処置が中止されてよい。幾つかの例において、材料のインピーダンスが第6の閾値を上回るならば、第3のシール処置が中止されてよい。幾つかの例において、材料が解剖学的組織であるとき、第6の閾値は、1000オームであってよい。幾つかの例では、材料の高いインピーダンス及び/又は第4の時間期間の満了の故に切断及び/又は封止が成功裡に完了しなかったことを示す警告及び/又は通知がオペレータに提供されてよい。幾つかの例において、警告は、視覚警告(例えば、点滅光、色変化、テキストメッセージ、及び/又は同等のもの)、音声警告(例えば、ビープ、一連のビープ、トーン、音声指示、及び/又は同等のもの)、触覚フィードバック、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を含んでよい。
【0093】
幾つかの例において、インピーダンス閾値、時間期間、送達するエネルギの量、及び/又は同等のもののうちの1つ以上は、材料のタイプ、実施されている処置、オペレータの好み、及び/又は同等のもののうちの1つ以上に基づいて選択されてよい。
【0094】
ひとたびプロセス545が完了される及び/又は中止されると、方法500は、次に、終了し、代替的に、プロセス505に戻って、追加のコマンドを待つ。
【0095】
プロセス550で、第4のシール処置が適用される。幾つかの例において、プロセス550は、プロセス545の第3のシール処置に対して送達される封止エネルギの量を増加させること、封止エネルギがプロセス545の第3のシール処置に対して送達される時間を増加させること、プロセス545の第3のシール処置の封止エネルギ波形に対する封止エネルギ波形を変化させること、及び/又は同等のことのうちの1つ以上を含んでよい。幾つかの例において、第4のシール処置は、成功裡の封止が得られたかどうか或いは不成功の封止が得られたかどうかを決定するために、プロセス545の第3のシール処置によって使用されるのと類似のインピーダンス及び/又はタイミング試験を使用してよい。次に、方法500は、終了し、代替的に、プロセス505に戻って、追加のコマンドを待つ。
【0096】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図5は、請求項の範囲を過度に制限すべきではない単なる例である。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態によれば、方法500は、ジョー開口を測定するために使用される3つの図示の閾値よりも多くの閾値を含んでよい。幾つかの例では、任意の数の閾値を使用して、対応する数の別個のシール及び切断及び/又はシールアルゴリズムを作成してよく、シール及び切断及び/又はシールアルゴリズムのそれぞれは、それらの独自の組み合わせの送達される封止エネルギ、送達される切断エネルギ、封止エネルギが送達される時間、切断エネルギが送達される時間、送達エネルギ波形、切断エネルギ波形、インピーダンス閾値、タイミング閾値、及び/又は同等のものを使用する。
【0097】
幾つかの例において、閾値、時間期間、及び/又は同等のものは、送達される封止エネルギ、送達される切断エネルギ、封止エネルギが送達される時間、切断エネルギが送達される時間、シールエネルギ波形のパラメータ、切断エネルギ波形のパラメータ、インピーダンス閾値、時間期間、及び/又は同等のもののうちの1つ以上を決定するために使用されるジョー開口に基づく1つ以上の機能で省略されてよい。
【0098】
制御ユニット140のような制御ユニットの幾つかの例は、実行可能なコードを含む非一時的な有形の機械可読媒体を含んでよく、実行可能なコードは、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ150)によって実行されると、1つ以上のプロセッサに方法400のプロセスを実行させる。方法400のプロセスを含むことがある機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ又はコンピュータが読むように構成される任意の他の媒体である。
【0099】
例示的な実施形態を示し且つ記載したが、広範囲の修正、変更及び置換が、前述の開示において考えられ、幾つかの場合には、実施形態の幾つかの構成は、他の構成の対応する使用を伴わずに利用されてよい。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書に開示する実施形態の範囲と一致する方法において広義に解釈されることが適切である。