(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】配索材の接続構造
(51)【国際特許分類】
H01R 4/58 20060101AFI20240220BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240220BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240220BHJP
H01R 4/38 20060101ALI20240220BHJP
H01R 13/621 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01R4/58 C
H01M50/50
H01M50/588 101
H01R4/38 C
H01R13/621
(21)【出願番号】P 2022022103
(22)【出願日】2022-02-16
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】向笠 博貴
(72)【発明者】
【氏名】青嶋 良樹
(72)【発明者】
【氏名】小池 弘訓
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014203128(DE,A1)
【文献】特開2018-200864(JP,A)
【文献】特開2019-9115(JP,A)
【文献】国際公開第2020/241412(WO,A1)
【文献】特開2021-72236(JP,A)
【文献】特開2021-77650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24- 4/46
H01R 4/48- 4/58
H01R13/56-13/72
H01M50/588
H01M50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する第1導電体、及び絶縁性を有し前記第1導電体を内部に収容する第1収容部材を有する第1配索材と、
導電性を有する第2導電体、及び絶縁性を有し前記第2導電体を内部に収容する第2収容部材を有する第2配索材と、
前記第1導電体と前記第2導電体とを締結して電気的に接続する締結部材と、を備え、
前記第1導電体は、
帯状に形成される第1本体部と、
前記第1本体部の延在方向の少なくとも一方の端部に形成される第1接続部と、を有し、
前記第2導電体は、
帯状に形成される第2本体部と、
前記第2本体部の延在方向の少なくとも一方の端部に形成される第2接続部と、を有し、
前記第1収容部材は、
前記第1本体部を収容する第1本体収容部と、
前記第1本体収容部に連結され、前記第1接続部を収容する第1接続収容部と、を有し、
前記第2収容部材は、
前記第2本体部を収容する第2本体収容部と、
前記第2本体収容部に連結され、前記第2接続部を収容する第2接続収容部と、を有し、
前記第1接続収容部は、
内部に収容された前記第1接続部の一部を外部に露出する第1開口部と、
少なくとも前記第1開口部と重なるように位置し、内部に収容された前記第1接続部に対する手指の接触を防止するように形成された第1触指防止部と、を有し、
前記第2接続収容部は、
内部に収容された前記第2接続部の一部を外部に露出する第2開口部と、
少なくとも前記第2開口部と重なるように位置し、内部に収容された前記第2接続部に対する手指の接触を防止するように形成された第2触指防止部と、を有し、
前記第1接続部は、
前記第1開口部を介して外部に露出し、かつ前記第2接続部の接続面に対して前記第1導電体の板厚方向に対向する第1接続面と、
前記第1接続面から前記板厚方向の裏面に向けて貫通し、前記締結部材の軸部が挿通される第1締結用貫通孔と、
前記第1締結用貫通孔とは異なる位置に設けられ、前記第1接続面から前記板厚方向の裏面に向けて貫通する第1触指防止部用貫通孔と、を有し、
前記第2接続部は、
前記第2開口部を介して外部に露出し、かつ前記第1接続面に対して前記第2導電体の板厚方向に対向する第2接続面と、
前記第2接続面から板厚方向の裏面に向けて貫通し、前記締結部材の軸部が挿通される第2締結用貫通孔と、
前記第2締結用貫通孔とは異なる位置に設けられ、前記第2接続面から板厚方向の裏面に向けて貫通する第2触指防止部用貫通孔と、を有し、
前記第1配索材及び前記第2配索材は、
前記締結部材の軸部が前記第1締結用貫通孔及び前記第2締結用貫通孔に挿通され、かつ前記第2導電体が前記第1導電体に対して前記締結部材により締結された締結状態において、前記第1触指防止部が前記第2触指防止部用貫通孔に挿通され、かつ前記第2触指防止部が前記第1触指防止部用貫通孔に挿通され、前記第1接続面と前記第2接続面とが前記板厚方向に接触して電気的に接続される、
ことを特徴とする配索材の接続構造。
【請求項2】
さらに、前記締結部材による締結方向に対して前記第2接続部と前記締結部材の軸部に設けられた座面との間に介在し、前記第2接続部と前記座面とに当接する金属製のカラーを備え、
前記第1触指防止部は、
筒状に形成され、前記締結状態において、前記第2触指防止部用貫通孔の内側に位置し、内周側に前記締結部材の軸部が挿通される円筒部を有し、
前記円筒部は、
前記締結状態において、前記第1接続部と前記座面との間に位置する、
請求項1に記載の配索材の接続構造。
【請求項3】
前記締結部材は、
ボルトと、ナットとで構成され、
前記ボルトは、
前記ナットが螺合する前記軸部と、
前記締結方向の一方の端部に形成され、前記座面を有する頭部と、を有し、
前記頭部、前記軸部のうち前記頭部と反対側の端部、及び、前記ナットは、
絶縁性を有する樹脂部材により覆われている、
請求項2に記載の配索材の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配索材の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やハイブリッド車等の車両では、例えば、高電圧のバッテリと駆動源となるモータとの間を複数の配索材により電気的及び物理的に接続している。複数の配索材は、例えば、当該配索材を構成する導電体の端部同士をボルトとナット等の締結部材で締結することにより接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1では、各配索材及び締結部材は、組立作業時や車両整備時の作業者の感電を防止するために、絶縁性の樹脂ケース等に収容され、作業時の安全性が確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、2つの導電体間が直接接触しておらず、電流ブリッジを介して接続されており、接続抵抗の増加等の観点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、作業者の安全性を確保した上で配索材間の適正な通電状態を確保することができる配索材の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る配索材の接続構造は、導電性を有する第1導電体、及び絶縁性を有し前記第1導電体を内部に収容する第1収容部材を有する第1配索材と、導電性を有する第2導電体、及び絶縁性を有し前記第2導電体を内部に収容する第2収容部材を有する第2配索材と、前記第1導電体と前記第2導電体とを締結して電気的に接続する締結部材と、を備え、前記第1導電体は、帯状に形成される第1本体部と、前記第1本体部の延在方向の少なくとも一方の端部に形成される第1接続部と、を有し、前記第2導電体は、帯状に形成される第2本体部と、前記第2本体部の延在方向の少なくとも一方の端部に形成される第2接続部と、を有し、前記第1収容部材は、前記第1本体部を収容する第1本体収容部と、前記第1本体収容部に連結され、前記第1接続部を収容する第1接続収容部と、を有し、前記第2収容部材は、前記第2本体部を収容する第2本体収容部と、前記第2本体収容部に連結され、前記第2接続部を収容する第2接続収容部と、を有し、前記第1接続収容部は、内部に収容された前記第1接続部の一部を外部に露出する第1開口部と、少なくとも前記第1開口部と重なるように位置し、内部に収容された前記第1接続部に対する手指の接触を防止するように形成された第1触指防止部と、を有し、前記第2接続収容部は、内部に収容された前記第2接続部の一部を外部に露出する第2開口部と、少なくとも前記第2開口部と重なるように位置し、内部に収容された前記第2接続部に対する手指の接触を防止するように形成された第2触指防止部と、を有し、前記第1接続部は、前記第1開口部を介して外部に露出し、かつ前記第2接続部の接続面に対して前記第1導電体の板厚方向に対向する第1接続面と、前記第1接続面から前記板厚方向の裏面に向けて貫通し、前記締結部材の軸部が挿通される第1締結用貫通孔と、前記第1締結用貫通孔とは異なる位置に設けられ、前記第1接続面から前記板厚方向の裏面に向けて貫通する第1触指防止部用貫通孔と、を有し、前記第2接続部は、前記第2開口部を介して外部に露出し、かつ前記第1接続面に対して前記第2導電体の板厚方向に対向する第2接続面と、前記第2接続面から板厚方向の裏面に向けて貫通し、前記締結部材の軸部が挿通される第2締結用貫通孔と、前記第2締結用貫通孔とは異なる位置に設けられ、前記第2接続面から板厚方向の裏面に向けて貫通する第2触指防止部用貫通孔と、を有し、前記第1配索材及び前記第2配索材は、前記締結部材の軸部が前記第1締結用貫通孔及び前記第2締結用貫通孔に挿通され、かつ前記第2導電体が前記第1導電体に対して前記締結部材により締結された締結状態において、前記第1触指防止部が前記第2触指防止部用貫通孔に挿通され、かつ前記第2触指防止部が前記第1触指防止部用貫通孔に挿通され、前記第1接続面と前記第2接続面とが前記板厚方向に接触して電気的に接続される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る配索材の接続構造によれば、作業者の安全性を確保した上で配索材間の適正な通電状態を確保することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る配索材の接続構造の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る配索材の接続構造の概略構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る第1配索材及び第2配索材の概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る第1配索材の概略構成を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1配索材の概略構成を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第1配索材の概略構成を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第2配索材の概略構成を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る第2配索材の概略構成を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る第2配索材の概略構成を示す断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る配索材の接続構造の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る配索材の接続構造の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。すなわち、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0011】
[実施形態]
本実施形態に係る配索材の接続構造を
図1~
図10を参照して説明する。配索材(後述する第1配索材2、第2配索材3)の接続構造1は、例えば、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載され、高電圧のバッテリと駆動源となるモータとの間や電池パック内の接続対象物間を電気的及び物理的に接続する複数の配索材を接続するものである。配索材の接続構造1は、第1配索材2と、第2配索材3と、締結部材4とを備える。第1配索材2は、例えば、車両に配索される場合、バッテリ側に向けて接続される。一方、第2配索材3は、車両に配索される場合、モータ側に向けて接続される。締結部材4は、第1配索材2と第2配索材3とを締結して電気的に接続するものである。
【0012】
なお、以下の説明では、図示のX方向は、便宜的に、本実施形態における第1配索材2及び第2配索材3のそれぞれの延在方向とする。図示のY方向は、便宜的に、本実施形態における第1配索材2及び第2配索材3の幅方向であり、延在方向と直交する方向とする。図示のZ方向は、便宜的に、本実施形態における第1配索材2及び第2配索材3の板厚方向であり、延在方向及び幅方向と直交する方向とする。特に、X方向のうち、X1方向を第1延在方向、X2を第2延在方向とする。また、Z方向のうち、Z1方向を装着方向とし、Z2方向を取り外し方向とする。また、以下の説明では、特に断りのない限り、第1配索材2及び第2配索材3が適正な位置関係で接続され、車両に搭載された状態での方向として説明する。また、上記各方向は、それぞれ「延在方向X」、「第1延在方向X1」、「第2延在方向X2」、「幅方向Y」、「板厚方向Z」、「装着方向Z1」、「取り外し方向Z2」と表記する。
【0013】
第1配索材2は、
図1~
図3に示すように、第1導電体10と、第1収容部材20とを有する。第1導電体10は、導電性を有する金属材料等により矩形の平板状に成形されたものである。第1導電体10は、延在方向Xに延在して帯状に形成される第1本体部11と、第1接続部12とを有する。
【0014】
第1接続部12は、第1本体部11の延在方向Xの少なくとも一方の端部に形成されるものである。第1接続部12は、その一部が第1配索材2の外部に露出し、第2配索材3における接続部(第2接続部42)と接続される。第1接続部12は、
図4に示すように、板厚方向Zから見た場合、延在方向Xの一方(第1延在方向X1)の端部側における幅方向Yの幅(長さ)が、延在方向Xの他方(第2延在方向X2)の第1本体部11側における幅方向Yの幅よりも狭い(短い)。第1接続部12は、第1接続面13と、第1締結用貫通孔14と、第1触指防止部用貫通孔15とを有する。
【0015】
第1接続面13は、後述する第1収容部材20の第1開口部23を介して外部に露出し、かつ第2接続部42の第2接続面43に対して第1導電体10の板厚方向Zに対向するものである。第1接続面13は、第1接続部12の板厚方向Zの一方(装着方向Z1)に形成される。
【0016】
第1締結用貫通孔14は、第1接続面13から板厚方向Zの裏面に向けて貫通し、締結部材4の軸部31が挿通されるものである。第1締結用貫通孔14は、板厚方向Zから見た場合、円形に形成される。
【0017】
第1触指防止部用貫通孔15は、第1締結用貫通孔14とは異なる位置に設けられ、第1接続面13から板厚方向Zの裏面に向けて貫通するものである。第1触指防止部用貫通孔15は、4つの第1導電体貫通孔16D,16E,16I,16Jにより構成される。各第1導電体貫通孔16D,16E,16I,16Jは、板厚方向Zから見た場合、略矩形(または略長方形)状に形成される。各第1導電体貫通孔16D,16E,16I,16Jは、第1締結用貫通孔14に対して第1本体部11側に配置されており、延在方向X及び幅方向Yにおいて間隔を空けて形成されている。
【0018】
第1収容部材20は、絶縁性を有する合成樹脂材料等により矩形の筐体状に成形されたものであり、第1導電体10を内部に収容するものである。第1収容部材20は、
図5、
図6に示すように、便宜上、アッパーケース20Aと、ロアケース20Bとで構成され、内部に第1導電体10が収容される。アッパーケース20Aと、ロアケース20Bとは、係止機構にて互いに係止される。第1収容部材20は、第1本体収容部21と、第1接続収容部22とを有する。
【0019】
第1本体収容部21は、第1導電体10の第1本体部11を収容するものである。第1本体収容部21は、内部に第1本体部11を収容した状態において、アッパーケース20A及びロアケース20Bにより第1本体部11の外面を覆うものである。
【0020】
第1接続収容部22は、第1導電体10における第1接続部12を収容するものである。第1接続収容部22は、第1開口部23と、第1触指防止部24と、複数の第1貫通孔27A~27Jと、第1収容壁部28とを有する。
【0021】
第1開口部23は、内部に収容された第1接続部12の一部を外部に露出するものである。第1開口部23は、
図5、
図6に示すように、ロアケース20Bに設けられ、板厚方向Zにおける一方(装着方向Z1)に向けて開口している。
【0022】
第1触指防止部24は、少なくとも第1開口部23と重なるように位置し、内部に収容された第1接続部12に対する手指の接触を防止するように形成されたものである。本実施形態の第1触指防止部24は、円筒部25と、連結部26とを有する。
【0023】
円筒部25は、筒状に形成され、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結された締結状態において、後述する第2触指防止部用貫通孔45の内側に位置し、内周側に締結部材4の軸部31が挿通されるものである。円筒部25は、内部空間25aを有する。内部空間25aは、ロアケース20B単体において、板厚方向Zの両端の開口を介して外部に連通している。円筒部25は、ロアケース20Bに対して第1導電体10が組み付けられた状態において、板厚方向Zの一方(取り外し方向Z2)の開口端が第1締結用貫通孔14の板厚方向Zの他方(装着方向Z1)の開口端に対向する。
【0024】
連結部26は、円筒部25の外周面の一部と第1収容壁部28とを連結するものである。連結部26は、円筒部25を中心に放射状に延在して第1収容壁部28の内周面に連結されている。連結部26は、板厚方向Zから見た場合、略X字状に形成される。円筒部25、連結部26、及び第1収容壁部28は、第1開口部23を形成する。すなわち、第1触指防止部24は、第1収容壁部28と共に、第1開口部23の大きさ、形状を規定し、第1接続部12に対する作業者の手指の接触を防止する。連結部26は、
図5に示すように、第1締結用貫通孔14及び第1触指防止部用貫通孔15に対して板厚方向Zに対向しない位置に形成される。第1触指防止部24は、円筒部25、及び、連結部26の間隔が、当該円筒部25、連結部26の間の隙間を介して第1接続部12に手指が到達しない間隔となるように当該円筒部25、連結部26が配置されている。
【0025】
複数の第1貫通孔27A~27Jは、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結された締結状態において、後述する第2触指防止部54が挿入されるものである。各第1貫通孔27A~27Jは、アッパーケース20Aの板厚方向に貫通している。各第1貫通孔27A~27Jは、板厚方向から見た場合、後述する各突出部55A~55Jの板厚方向から見た形状に合わせて略矩形状に形成される。
【0026】
第1収容壁部28は、板厚方向Zから見た場合、略矩形状に形成され、円筒部25の周囲を囲むように形成されている。第1収容壁部28は、板厚方向Zの高さ(長さ)が、円筒部25及び連結部26のそれぞれの板厚方向Zの高さと同一に形成されている。
【0027】
第2配索材3は、
図1~
図3に示すように、第2導電体40と、第2収容部材50とを有する。第2導電体40は、上記第1導電体10と同様に、導電性を有する金属材料により矩形の平板状に成形されたものである。第2導電体40は、延在方向Xに延在して帯状に形成される第2本体部41と、第2接続部42とを有する。
【0028】
第2接続部42は、第2本体部41の延在方向Xの少なくとも一方の端部に形成されるものである。第2接続部42は、その一部が第2配索材3の外部に露出し、第1配索材2における第1接続部12と接続される。第2接続部42は、
図7に示すように、板厚方向Zから見た場合、延在方向Xの他方(第2延在方向X2)の端部側における幅方向Yの幅が、延在方向Xの一方(第1延在方向X1)の第2本体部41側における幅方向Yの幅と同じである。第2接続部42は、第2接続面43と、第2締結用貫通孔44と、第2触指防止部用貫通孔45とを有する。
【0029】
第2接続面43は、後述する第2収容部材50の第2開口部53を介して外部に露出し、かつ第1接続部12の第1接続面13に対して第2導電体40の板厚方向Zに対向するものである。第2接続面43は、第2接続部42の板厚方向Zの一方(取り外し方向Z2)に形成される。
【0030】
第2締結用貫通孔44は、第2接続面43から板厚方向Zの裏面に向けて貫通し、締結部材4の軸部31が挿通されるものである。第2締結用貫通孔44は、板厚方向Zから見た場合、略円形に形成される。第2締結用貫通孔44は、一部が第2触指防止部用貫通孔45に連通して形成される。
【0031】
第2触指防止部用貫通孔45は、第2締結用貫通孔44とは異なる位置に設けられ、第2接続面43から板厚方向Zの裏面に向けて貫通するものである。第2触指防止部用貫通孔45は、
図8に示すように、第2配索材3において、後述する第2収容部材50に形成された第2触指防止部54が挿通される。第2触指防止部用貫通孔45は、4つの第2導電体貫通孔46A,46B,46C,46Dにより構成される。各第2導電体貫通孔46A~Dは、板厚方向Zから見た場合、略L字状に形成される。各第2導電体貫通孔46A~46Dは、第2締結用貫通孔44を中心に略放射状に配置されており、延在方向X及び幅方向Yにおいて間隔を空けて形成されている。
【0032】
第2収容部材50は、第1収容部材20と同様に、絶縁性を有する合成樹脂材料等により矩形の筐体状に成形されたものであり、第2導電体40を内部に収容するものである。第2収容部材50は、
図7~
図9に示すように、便宜上、アッパーケース50Aと、ロアケース50Bとで構成され、内部に第2導電体40が収容される。アッパーケース50Aと、ロアケース50Bとは、係止機構にて互いに係止される。第2収容部材50は、第2本体収容部51と、第2接続収容部52とを有する。
【0033】
第2本体収容部51は、第2導電体40における第2本体部41を収容するものである。第2本体収容部51は、内部に第2本体部41を収容した状態において、アッパーケース50A及びロアケース50Bにより第2本体部41の外面を覆うものである。
【0034】
第2接続収容部52は、第2導電体40における第2接続部42を収容するものである。第2接続収容部52は、第2開口部53と、第2触指防止部54と、第2収容壁部56とを有する。
【0035】
第2開口部53は、内部に収容された第2接続部42の一部を外部に露出するものである。第2開口部53は、
図8、
図9に示すように、アッパーケース50Aに設けられ、板厚方向Zにおける一方(取り外し方向Z2)に向けて開口している。
【0036】
第2触指防止部54は、少なくとも第2開口部53と重なるように位置し、内部に収容された第2接続部42に対する手指の接触を防止するように形成されたものである。本実施形態の第2触指防止部54は、複数の突出部55A~55Jにより構成される。各突出部55A~55Jは、ロアケース50Bから板厚方向の一方(取り外し方向Z2)に向けて突出し、板厚方向に延在して形成される。各突出部55A~55Jは、板厚方向Zから見た場合、略矩形(または略長方形)状に形成される。
【0037】
突出部55Aは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Aに挿通し、延在方向Xにおいて第2締結用貫通孔44を挟んで突出部55Dと対向し、かつ幅方向Yにおいて第2接続部42の一部を挟んで突出部55Hと対向する位置に形成される。突出部55Bは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Aに挿通し、延在方向Xにおいて第2接続部42の一部を挟んで突出部55Cと対向し、かつ幅方向Yにおいて第2締結用貫通孔44を挟んで突出部55Gと対向する位置に形成される。突出部55Cは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Bに挿通し、幅方向Yにおいて第2締結用貫通孔44を挟んで突出部55Fと対向する位置に形成される。突出部55Dは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Bに挿通し、幅方向Yにおいて第2接続部42の一部を挟んで突出部55Eと対向する位置に形成される。突出部55Eは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Cに挿通し、延在方向において第2締結用貫通孔44を挟んで突出部55Hと対向する位置に形成される。突出部55Fは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Cに挿通し、延在方向Xにおいて第2接続部42の一部を挟んで突出部55Gと対向する位置に形成される。突出部55G及び突出部55Hは、第2配索材3において、第2導電体貫通孔46Dに挿通する。また、第2触指防止部54は、各突出部55A~55Jの間隔が、当該各突出部55A~55Jの間の隙間を介して第2接続部42に手指が到達しない間隔となるように当該各突出部55A~55Jが配置されている。
【0038】
突出部55A~55Jは、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結された締結状態において、第1収容部材20に設けられた第1貫通孔27A~27Jに対して、第1開口部23を介して挿通する。この状態で、各突出部55A~55Jの取り外し方向Z2の端部が第1収容部材20から外側、つまり取り外し方向Z2側に突出する。この状態で、突出部55A~55Jのうち、突出部55D,55E,55I,55Jは、第1導電体10に設けられた第1導電体貫通孔16D,16E,16I,16Jに対して挿通し、かつ第1貫通孔27D,27E,27I,27Jに対して挿通する。突出部55Aは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1貫通孔27Aに挿通する。突出部55Bは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1貫通孔27Bに挿通する。突出部55Cは、第1開口部23を介して第1貫通孔27Cに挿通する。突出部55Dは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1導電体貫通孔16D及び第1貫通孔27Dに挿通する。突出部55Eは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1導電体貫通孔16E及び第1貫通孔27Eに挿通する。突出部55Fは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1貫通孔27Fに挿通する。突出部55Gは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1貫通孔27Gに挿通する。突出部55Hは、上記締結状態において、第1開口部23を介して第1貫通孔27Hに挿通する。突出部55Iは、上記締結状態において、第1導電体貫通孔16I及び第1貫通孔27Iに挿通する。突出部55Jは、上記締結状態において、第1導電体貫通孔16J及び第1貫通孔27Jに挿通する。
【0039】
第2収容壁部56は、板厚方向Zから見た場合、略矩形状に形成され、アッパーケース50Aとロアケース50Bとが互いに組み付けられた状態において、突出部55A~55Hの周囲を囲むように形成されている。第2収容壁部56は、第2延在方向X2側の壁部が欠けており、第2延在方向X2側に開口しているが、アッパーケース50Aとロアケース50Bとが互いに組み付けられた状態では、第2延在方向X2側の開口の一部を突出部55I,55Jが閉塞している。すなわち、第2触指防止部54は、第2収容壁部56と共に、第2開口部53の大きさ、形状を規定し、第2接続部42に対する作業者の手指の接触を防止する。
【0040】
締結部材4は、第1導電体10と第2導電体40とを締結して電気的に接続するものである。本実施形態の締結部材4は、ボルト30と、ナット70とで構成される。ボルト30は、ナット70が螺合する軸部31と、締結方向(板厚方向Z)の一方(装着方向Z1)の端部に形成された頭部32とを有する。頭部32は、板厚方向Zから見た場合、円形状に形成されている。頭部32は、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結された締結状態において、後述するカラー60に対して対向して接触する座面32aを有する。ボルト30は、軸部31のうち頭部32と反対側の端部32bに、円筒状のボルトキャップ58が装着される。ボルトキャップ58は、第1収容部材20と同様に、絶縁性を有する合成樹脂材料等により形成されている。ボルトキャップ58は、内側に端部32bが挿通されるようにして当該端部32bに装着される。ボルトキャップ58は、ボルト30の端部32bに当該ボルトキャップ58が装着された状態において、端部32bの取り外し方向Z2側の先端がボルトキャップ58の外側に突出しないように形成される。頭部32は、ロアケース50Bの一部により覆われている。ナット70は、ボルト30に螺合された状態において、外面が外部に露出しないように、絶縁性を有する合成樹脂材料等により形成されたナットキャップ29により覆われている。
【0041】
カラー60は、締結部材4による締結方向に対して第2接続部42と締結部材4の軸部31に設けられた座面32aとの間に介在し、第2接続部42と座面32aとに当接するものである。カラー60は、導電性を有する金属材料等により成形されている。カラー60は、板厚方向Zから見た場合、矩形状に形成されている。カラー60は、板厚方向Zから見て、第2接続部42に設けられた第2締結用貫通孔44及び第2触指防止部用貫通孔45と同形状の貫通孔61~65を有する。
【0042】
貫通孔61は、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結された締結状態において、締結部材4の軸部31が挿通されるものである。複数の貫通孔62~65は、上記締結状態において、第2触指防止部54の一部が挿入されるものである。各貫通孔62~65は、第1配索材2と第2配索材3とが締結部材4により締結されていない非締結状態において、突出部55A~55Hが挿通される。各貫通孔61~65は、非締結状態において、板厚方向Zにおいて第2触指防止部用貫通孔45に対向する位置に形成される。貫通孔61は、非締結状態において、板厚方向Zにて第2締結用貫通孔44に連通する。貫通孔62は、板厚方向Zにおいて第2導電体貫通孔46Aに連通する。貫通孔63は、板厚方向Zにおいて第2導電体貫通孔46Bに連通する。貫通孔64は、板厚方向Zにおいて第2導電体貫通孔46Bに連通する。貫通孔65は、板厚方向Zにおいて第2導電体貫通孔46Dに連通する。突出部55I,55Jは、上記非締結状態において、第2配索材3における貫通孔61~65及び第2導電体貫通孔46A~46Dのいずれにも挿通せず、上記締結状態において、第1導電体貫通孔16I,16J及び第1貫通孔27I,27Jに挿通する。
【0043】
次に、上記のように構成される第1配索材2及び第2配索材3の接続構造1の組み付けについて
図10を参照して説明する。
【0044】
第1配索材2は、第1導電体10が絶縁性を有する第1収容部材20に収容され、第2配索材3は、第2導電体40が絶縁性を有する第2収容部材50に収容される。これにより、第1配索材2及び第2配索材3は、第1導電体10、第2導電体40が通電状態であっても、作業者の手指が第1導電体10、第2導電体40に直接接触することができず、感電等を防止して作業者の安全性を確保することができる。
【0045】
第1配索材2は、ナットキャップ29が正六角形の部分を有し、ナットキャップ29が取付けられたナット70が第1収容部材20に対して容係止機構により板厚方向Zを軸方向として回転可能に係止されている。これにより、第1配索材2及び第2配索材3の接続構造1は、スパナや六角レンチ等の工具による締結作業を容易に行うことができる。また、第1配索材2は、第1触指防止部用貫通孔15、すなわち複数の第1貫通孔27A~27Hが第1締結用貫通孔14を囲むように周囲に配置され、ナットキャップ29の軸方向の回転を阻害しない位置に形成されている。これにより、第1配索材2及び第2配索材3の接続構造1は、組立作業性を損なうことなく、大型化を抑制することができる。
【0046】
第2配索材3は、カラー60の貫通孔61にボルト30の軸部31が挿通された状態で、第2収容部材50の内部にカラー60及びボルト30が収容され、ボルト30の軸部31が第2開口部53を介して外部に露出している。これにより、第1配索材2及び第2配索材3の接続構造1は、ボルト30の軸部31に対してナット70を容易に螺合することができ、作業性を向上させることができる。
【0047】
また、第1配索材2及び第2配索材3は、各第1導電体10、第2導電体40が2分割されたケース(アッパーケース20A,50A、ロアケース20B,50B)の内部に収容され、2分割されたケースが簡易な係止機構により互いに係止される。これにより、各第1導電体10、第2導電体40に対する第1収容部材20、第2収容部材50の組付け性を容易にし、組立作業性を向上させることができる。
【0048】
第1配索材2は、第1接続収容部22において、外部に露出した第1接続部12の第1接続面13上に、板厚方向Zにて第1開口部23と重なるように第1触指防止部24が形成されている。これにより、第1接続面13と第2接続面43との接触分を確保しつつ第1開口部23を狭くするので、作業者の手指が板厚方向Zの一方(装着方向Z1)から第1開口部23を介して第1接続面13に向けて差し入れることができず、作業者の手指と第1接続面13との直接接触を防止することができる。
【0049】
また、第1触指防止部24を含めて第1開口部23を囲むように第1収容壁部28が形成されているので、作業者の手指が幅方向Y及び延在方向Xから第1接続面13に向けて差し入れることができず、作業者の手指と第1接続面13との直接接触を防止することができる。また、第1触指防止部24及び第1収容壁部28は、板厚方向Zに一定の高さ(長さ)を有するので、第1接続面13と作業者の手指との位置を離間させて、作業者の手指と第1接続面13との直接接触を防止することができる。
【0050】
また、ナット70は、外面が絶縁性を有するナットキャップ29により覆われている。これにより、通電状態にある第1導電体10に接触しているナット70と作業者の手指との直接接触を防止することができる。
【0051】
第2配索材3は、第2接続収容部52において、外部に露出した第2接続部42の第2接続面43上に、板厚方向Zにて第2開口部53と重なるように第2触指防止部54が形成されている。これにより、第2接続面43と第1接続面13との接触分を確保しつつ第2開口部53を狭くするので、作業者の手指が板厚方向Zの他方(取り外し方向Z2)から第2開口部53を介して第2接続面43に向けて差し入れることができず、作業者の手指と第2接続面43との直接接触を防止することができる。
【0052】
また、第2触指防止部54を含めて第2開口部53を囲むように第2収容壁部56が形成されているので、作業者の手指が幅方向Y及び延在方向Xから第2接続面43に向けて差し入れることができず、作業者の手指と第2接続面43との直接接触を防止することができる。また、第2触指防止部54及び第2収容壁部56は、板厚方向Zに一定の高さ(長さ)を有するので、第2接続面43と作業者の手指との位置を離間させて、作業者の手指と第2接続面43との直接接触を防止することができる。
【0053】
また、ボルト30は、頭部32がロアケース50Bにより覆われており、端部32bがボルトキャップ58により覆われている。これにより、通電状態にある第2導電体40に接触しているボルト30と作業者の手指との直接接触を防止することができる。
【0054】
第1配索材2及び第2配索材3は、
図10に示すように、締結部材4の軸部31が第1締結用貫通孔14及び第2締結用貫通孔44に挿通され、かつ第2導電体40が第1導電体10に対して締結部材4により締結される。そして、第1配索材2及び第2配索材3は、締結部材4を構成するボルト30及びナット70により第1導電体10と第2導電体40とが締結された締結状態において、第1触指防止部24が第2触指防止部用貫通孔45に挿通され、かつ第2触指防止部54が第1触指防止部用貫通孔15に挿通される。これにより、第1配索材2単体、第2配索材3単体では、第1触指防止部24の板厚方向Zの高さ(長さ)を作業者の手指が第1接続面13と接触できない高さに維持することができる。さらに、第1配索材2と第2配索材3とを接続させた状態では、第1触指防止部24が第2触指防止部用貫通孔45に挿通し、かつ第2触指防止部54が第1触指防止部用貫通孔15することで、第1接続面13と第2接続面43との板厚方向Zの距離を短くし、第1接続面13と第2接続面43とが直接接触することが可能となる。
【0055】
本実施形態では、ボルト30にナット70を螺合させて第1導電体10と第2導電体40とを締結させる際に、ナット70の座面70aとボルト30の頭部32の座面32aとの間に、金属製のカラー60を追加している。カラー60がボルト30及びナット70による締結方向に対して第2接続部42とボルト30の座面32aとの間に介在することで、締結時に樹脂性の円筒部25がナット70と頭部32との間で座屈することを抑制することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る配索材の接続構造1は、第1接続収容部22が、内部に収容された第1接続部12の一部を外部に露出する第1開口部23と、少なくとも第1開口部23と重なるように位置し、内部に収容された第1接続部12に対する手指の接触を防止するように形成された第1触指防止部24とを有する。第2接続収容部52が、内部に収容された第2接続部42の一部を外部に露出する第2開口部53と、少なくとも第2開口部53と重なるように位置し、内部に収容された第2接続部42に対する手指の接触を防止するように形成された第2触指防止部54とを有する。
【0057】
上記構成により、例えば、作業者が、第1配索材2と第2配索材3とを接続する際に、第1配索材2及び第2配索材3が通電された状態であっても、第1触指防止部24及び第2触指防止部54により第1接続部12及び第2接続部42に対する手指の接触が防止できるので、作業者の安全性を確保することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る配索材の接続構造1は、第1配索材2及び第2配索材3が、締結部材4の軸部31が第1締結用貫通孔14及び第2締結用貫通孔44に挿通され、かつ第2導電体40が第1導電体10に対して締結部材4により締結された締結状態において、第1触指防止部24が第2触指防止部用貫通孔45に挿通され、かつ第2触指防止部54が第1触指防止部用貫通孔15に挿通され、第1接続面13と第2接続面43とが板厚方向Zに接触して電気的に接続される。
【0059】
上記構成により、従来技術において、第1接続部12と第2接続部42との間に介在していた電流ブリッジを利用することなく、第1配索材2と第2配索材3とを電気的及び物理的に接続することができる。この結果、例えば電流ブリッジ分の部品のコストアップを抑制することが可能となる。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る配索材の接続構造1は、安全性を確保した上で配索材間の適正な通電状態を確保することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る配索材の接続構造1は、さらに、締結部材4による締結方向(板厚方向Z)に対して第2接続部42と締結部材4の軸部31に設けられた座面32aとの間に介在し、第2接続部42と座面32aとに当接する金属製のカラー60を備える。これにより、締結状態において、第2接続部42と締結部材4の座面32aとの間に配置された金属製のカラー60が締結部材4の締付量を制限すると共に、締付による第1触指防止部24の一部である円筒部25の座屈を防止すること可能となる。
【0062】
また、本実施形態に係る配索材の接続構造1は、締結部材4において、ボルト30の頭部32、及び、ボルト30の軸部31のうち頭部32と反対側の端部32bが、絶縁性を有する樹脂部材、ここではボルトキャップ58により覆われている。また、ナット70は、絶縁性を有する樹脂部材、ここではナットキャップ29により覆われている。これにより、例えば、通電状態にある配索材の周辺で車両等の整備作業を行う際に、作業者が締結部材に触ってしまった場合でも、感電を防止することが可能となる。
【0063】
なお、上記実施形態では、第1配索材2及び第2配索材3は、それぞれが延在方向Xに直線状に形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1配索材2及び第2配索材3は、延在方向Xに延在する直線部分と、1つ以上の屈曲部や湾曲部とで構成されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、第1収容部材20は、アッパーケース20Aと、ロアケース20Bとで構成されるが、これに限定されるものではない。第2収容部材50は、アッパーケース50Aと、ロアケース50Bとで構成されるが、これに限定されるものではない。
【0065】
また、上記実施形態では、カラー60は、1つの独立した部品としているが、これに限定されるものではない。例えば、カラー60は、ボルト30の頭部32と一体的に構成されていてもよいし、第2導電体40の第2接続部42と一体的に構成されていてもよい。また、ボルト30の頭部32は、板厚方向Zから見た場合、円形を有するが、これに限定されるものではなく、多角形であってもよい。この場合、例えば、多角形の頭部32がロアケース50Bに設けられた多角形状の凹部にはめ込まれることで、ナット70とボルト30との供回りを防止することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 配索材の接続構造
2 第1配索材(配索材)
3 第2配索材(配索材)
4 締結部材
10 第1導電体
11 第1本体部
12 第1接続部
13 第1接続面
14 第1締結用貫通孔
15 第1触指防止部用貫通孔
20 第1収容部材
21 第1本体収容部
22 第1接続収容部
23 第1開口部
24 第1触指防止部
29 ナットキャップ(樹脂材料)
31 軸部
40 第2導電体
41 第2本体部
42 第2接続部
43 第2接続面
44 第2締結用貫通孔
45 第2触指防止部用貫通孔
50 第2収容部材
50A アッパーケース
50B ロアケース(樹脂材料)
51 第2本体収容部
52 第2接続収容部
53 第2開口部
54 第2触指防止部
58 ボルトキャップ(樹脂材料)