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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】時分割複信通信における干渉
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20240220BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240220BHJP
   H04K 3/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/0453
H04K3/00
【請求項の数】 62
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066468
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2021504405の分割
【原出願日】2019-07-17
(65)【公開番号】P2022095889
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】260726
(32)【優先日】2018-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】521031431
【氏名又は名称】ディ-フェンド・ソリューションズ・エイディ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】D-FEND SOLUTIONS AD LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ハナン・ライツェロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・モンサ・ヘルモン
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0139422(US,A1)
【文献】国際公開第2014/113818(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0167369(US,A1)
【文献】特開2012-175511(JP,A)
【文献】特開2004-015412(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0237289(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04K 3/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線時分割複信通信リンクを切断するための方法であって、
前記時分割複信通信リンクは、第1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信を行う第1のノードと、第2のノードに割り当てられた別個の時間スロットの間に送信を行う第2のノードとの間のリンクであり、
前記第1のノードは、前記第1のノードに割り当てられた前記時間スロットの各々の間、複数の周波数帯のうちの対応する1つにおいて送信を行い、
前記方法は、
前記第1のノードに割り当てられた1つの時間スロットを連続する時間インターバルに細分することと、
トランスミッタを用いて、前記時間スロットの前記時間インターバルの少なくとも幾つかの間に、それぞれの干渉信号を送信して、前記時間スロットの集約切断信号を提供することによって、前記第1のノードと前記第2のノードとの間の通信を妨害することと、を含み、
前記干渉信号の各々は前記複数の周波数帯の1つで送信され、前記時間インターバルの少なくとも2つにて、前記干渉信号は異なる周波数帯で送信される、
方法。
【請求項2】
前記第1のノードにより用いられることが予期される周波数帯に基づいて、前記複数の周波数帯を決定することを、含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間スロットの集約切断信号は、前記時間スロットの間の前記複数の周波数帯の全てをカバーし、別の時間スロットの集約切断信号は、前記複数の周波数帯の一部のみをカバーする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記時間インターバルの少なくとも1つに対して、前記周波数帯のそれぞれのものに少なくとも2つの干渉信号を並行して送信することを含み、並行して送信される干渉信号の数は、前記周波数帯の総数よりも少ない、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記周波数帯の総数が、前記時間スロットの時間インターバルの数を超える、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の連続する時間スロットの間、前記複数の周波数帯の順序付きリストを走査することを含み、前記複数の連続する時間スロットの集約切断信号の各1つは、前記順序付きリストのサブセットを含み、前記順序付きリストは送信順序によって順序付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(a)前記複数の連続する時間スロットの各ペアの第1の集約切断信号の、前記順序付きリストの第1の周波数帯のサブセットの値と、(b)前記各ペアの第2の集約切断信号の、前記順序付きリストの第2の周波数帯のサブセットの値との間に、一定の重複が存在する、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記連続する時間スロットのうちの少なくとも1つの時間スロットの、少なくとも1つの時間インターバルの間、前記順序付きリストのサブセットの、それぞれの周波数帯に、少なくとも2つの干渉信号が並行して送信される、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記連続する時間スロットのうちの少なくとも1つの時間スロットの、少なくとも1つの時間インターバルの間、単一の周波数帯のみが送信に使用される、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
(a)前記複数の連続する時間スロットの各ペアの第1の集約切断信号の、前記順序付きリストの第1の周波数帯のサブセットの値と、(b)前記各ペアの第2の集約切断信号の、前記順序付きリストの第2の周波数帯のサブセットの値との間に、一定の差異が存在する、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記走査することは、前記順序付きリストをスライディングウィンドウで走査することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記順序付きリストの現在の走査を停止し、前記現在の走査が切断に至らなかった場合に、前記順序付きリストの新たな走査を開始することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記新たな走査が、前記現在の走査が継続されていた場合の周波数帯のセットとは異なる新たな周波数帯のセットで開始される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数の連続する時間スロットの間に、前記複数の周波数帯の順序付きリストの少なくとも一部を走査することを含み、前記順序付きリストの終わりが、前記順序付きリストの始まりに仮想的に続いている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
異なる連続する時間スロットの間に、前記複数の周波数帯の順序付きリストから、異なる、周波数帯のセットを選択することを含み、前記選択することは、前記順序付きリスト内の選択される周波数帯に関連付けられる順序値が順序付きリストの長さを超えるときに、モジュロ演算を適用することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記時間スロットの前記集約切断信号の送信は、前記第1のノードの送信の、前記第2のノードによる、受信の信号対雑音比を低減する、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、変調された擬似乱数バイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、一定の包絡線を有する変調された擬似乱数バイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、一定の包絡線信号として変調された所定のバイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、ホワイトガウスノイズである、
請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、位相変位変調信号である、
請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のノードからの再接続リクエスト後の、前記時間スロットの開始を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のノードから前記第1のノードへの送信を分析し、前記時分割複信通信リンクによって使用されるプロトコルを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のノードの予測される送信の前に、前記集約切断信号を所定の時間送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のノードから前記第1のノードへの送信の開始および終了の少なくとも1つを検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のノードの送信の監視及び解析のうちの少なくとも1つを継続的に実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のノードの送信の監視及び解析のうちの少なくとも1つを断続的に実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のノードの幾つかの送信を収集し、前記幾つかの送信を一緒に分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記幾つかの送信を一緒に分析し、時間スロットパターンを学習し、前記第1のノードによる送信に割り当てられた次の時間スロットを予測することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記集約切断信号の送信は、前記第2のノードの予測された時間スロットの前に所定の時間実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、位相変位変調信号又は周波数変位変調信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
無線時分割複信通信リンクを切断するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記時分割複信通信リンクは、1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信する第1のノードと、2のノードに割り当てられた別個の時間スロットの間に送信する第2のノードとの間にあり、
前記第1のノードは、前記第1のノードに割り当てられた前記時間スロットの各々の間、複数の周波数帯の夫々の一つで送信しており、
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、
前記第1のノードに割り当てられた時間スロットを、連続した時間インターバルに細分化することと、
トランスミッタを用いて、前記時間スロットの前記時間インターバルの少なくとも幾つかの間に、それぞれの干渉信号を送信して、前記時間スロットの集約切断信号を提供することにより、前記第1のノードと前記第2のノードとの間の通信を妨害すること
のための命令を記憶しており、
前記干渉信号の各々は前記複数の周波数帯の1つで送信され、前記時間インターバルの少なくとも2つにて、前記干渉信号は異なる周波数帯で送信される、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
前記第1のノードにより用いられることが予期される周波数帯に基づいて、前記複数の周波数帯を決定すること
のための命令を記憶する、請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
前記時間スロットの前記集約切断信号は、前記時間スロットの間の前記複数の周波数帯の全てをカバーし、別の時間スロットの集約切断信号は、前記複数の周波数帯の一部のみをカバーする、請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
前記時間インターバルの少なくとも1つに対して、前記周波数帯のそれぞれのものに少なくとも2つの干渉信号を並行して送信することのための命令を記憶しており、
並行して送信される干渉信号の数は、前記周波数帯の総数よりも少ない、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項36】
前記周波数帯の総数が、前記時間スロットの時間インターバルの数を超える、
請求項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
複数の連続する時間スロットの間、前記複数の周波数帯の順序付きリストを走査することのための命令を記憶しており、
前記複数の連続する時間スロットの集約切断信号の各1つは、前記順序付きリストのサブセットを含み、前記順序付きリストは送信順序によって順序付けられる、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項38】
(a)前記複数の連続する時間スロットの各ペアの第1の集約切断信号の、前記順序付きリストの第1の周波数帯のサブセットの値と、(b)前記各ペアの第2の集約切断信号の、前記順序付きリストの第2の周波数帯のサブセットの値との間に、一定の重複が存在する、
請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項39】
前記連続する時間スロットのうちの少なくとも1つの時間スロットの、少なくとも1つの時間インターバルの間、前記順序付きリストのサブセットの、それぞれの周波数帯に、少なくとも2つの干渉信号が並行して送信される、
請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
前記連続する時間スロットのうちの少なくとも1つの時間スロットの、少なくとも1つの時間インターバルの間、単一の周波数帯のみが送信に使用される、
請求項38に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項41】
(a)前記複数の連続する時間スロットの各ペアの第1の集約切断信号の、前記順序付きリストの第1の周波数帯のサブセットの値と、(b)前記各ペアの第2の集約切断信号の、前記順序付きリストの第2の周波数帯のサブセットの値との間に、一定の差異が存在する、
請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
前記走査することは、前記順序付きリストをスライディングウィンドウで走査することを含む、
請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項43】
前記順序付きリストの現在の走査を停止し、前記現在の走査が切断に至らなかった場合に、前記順序付きリストの新たな走査を開始することための命令を記憶している、
請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項44】
前記新たな走査が、前記現在の走査が継続されていた場合の周波数帯のセットとは異なる新たな周波数帯のセットで開始される、
請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項45】
異なる連続した時間スロットの間に、前記複数の周波数帯の順序付きリストから、異なる、周波数帯のセットを選択することのための命令を記憶しており、
前記選択することは、前記順序付きリスト内の選択される周波数帯に関連付けられる順序値が順序付きリストの長さを超えるときに、モジュロ演算を適用することを含む、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項46】
複数の連続する時間スロットの間に、前記複数の周波数帯の順序付きリストの少なくとも一部を走査することのための命令を記憶しており、
前記順序付きリストの終わりが、前記順序付きリストの始まりに仮想的に続いている、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項47】
前記時間スロットの前記集約切断信号の送信は、前記第1のノードの送信の、前記第2のノードによる、受信の信号対雑音比を低減する、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項48】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、変調された擬似乱数バイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項49】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、一定の包絡線を有する変調された擬似乱数バイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項50】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、一定の包絡線信号として変調された所定のバイナリ列であるキャリア周波数である、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項51】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、ホワイトガウスノイズである、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項52】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、位相変位変調信号である、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項53】
前記第2のノードからの再接続リクエスト後の、前記時間スロットの開始を検出することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項54】
前記第2のノードから前記第1のノードへの送信を分析し、前記時分割複信通信リンクによって使用される通信プロトコルを決定することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項55】
前記第2のノードの予測される送信の前に、前記集約切断信号を所定の時間送信することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項56】
前記第2のノードから前記第1のノードへの送信の開始および終了の少なくとも1つを検出することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項57】
前記第2のノードの伝送の監視及び解析のうちの少なくとも1つを継続的に実行することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項58】
前記第2のノードの伝送の監視及び解析のうちの少なくとも1つを断続的に実行することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項59】
前記第2のノードの幾つかの送信を収集し、前記幾つかの送信を一緒に分析することのための命令を記憶している、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項60】
前記幾つかの送信を一緒に分析し、時間スロットパターンを学習し、前記第1のノードによる送信に割り当てられた次の時間スロットを予測することのための命令を記憶している、
請求項59に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項61】
前記集約切断信号の送信は、前記第2のノードの予測された時間スロットの前に所定の時間実行される、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項62】
前記連続する時間インターバルのうちの時間インターバルの少なくとも1つにおいて、前記集約切断信号を形成する前記それぞれの干渉信号の切断信号は、位相変位変調信号又は周波数変位変調信号である、
請求項32に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、時分割複信通信に関し、より具体的には、時分割複信通信との干渉に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
関連出願.
本出願は、2018年7月22日付のイスラエル特許出願第260726号に関する優先権を主張し、当該出願の内容は、参照により全体を通して本明細書に援用される。
【0003】
また、本出願は、本出願と共に出願された発明の名称「自分割複信通信における干渉」の米国特許出願(代理人ドケット番号78381)に関連し、当該出願の内容は、参照により全体を通して本明細書に援用される。
【0004】
背景.
時分割複信(TDD)通信において、ネットワークノードによる送信は、異なる時間スロットに分配される。いくつかの場合において、ノードは異なる送信スキームを用いる。例えば、それぞれに割り当てられた時間スロットにおいて、あるノードは周波数ホッピングパケットを送信する一方で、第2のノードは固定周波数パケットを送信する。
【0005】
時分割複信は、アップリンク及びダウンリンクのデータレートの間に非対称性が存在する場合に、強力なアドバンテージを有する。アップリンクデータが増加するにつれ、より多くの通信容量を動的に割り当て、トラヒック負荷がより軽くなると、容量を取り去ることができる。
【0006】
いくつかの場合において、通信アップリンク及び/又はダウンリンク通信を妨害するために、広帯域ジャミング信号が用いられる。ノードAからの送信をノードBが受信するのを干渉するために、ノードBに広帯域ジャミング信号が送信される。ジャミング信号は、高帯域(BW)ノイズ信号(ホワイトガウスノイズ等)であってよいし、又は任意の他の広帯域信号(実データ信号又はチャープ信号)であってもよい。
【0007】
広帯域ジャミングのソリューションの1つのディスアドバンテージに、エリア内の他の通信リンクに対する干渉の可能性がある。もう1つのディスアドバンテージは、パワーが全帯域にわたって分配されることによるパワー損失である。加えて、ジャミングのソリューションは切断コマンドを用いないため、ノードAからのノードBの受信におけるビット誤り率(BER)を上昇させることによって2つのノードを切断させることしかできない、ということである。
【0008】
この問題に対するもう1つのアプローチに、ノードAの時間スロットの間、ノードAにより使用されている全ての既知の周波数において、パルスジャミング信号を並行して送信する、というアプローチがある。上述のソリューションのディスアドバンテージは、依然として、ノードAの周波数レンジの全体にわたってパワーが分配されることによるパワー損失である。また、前のソリューションと同様、本ジャミング技術は切断コマンドを含まない。
【0009】
追加の背景技術は、以下を含む。
[1]「レシプロシティベースMIMOを用いたTDDポイント・ツー・ポイントリンクのジャミング」(M.Karlssonら、2017年6月11日、IEEE Transactions on Information Forensics and Security誌、12(12),pp.2957-2970)
[2]国際特許公開第93/26124号
[3]「無線ネットワークにおけるジャミング技術及びアンチジャミング技術:サーベイ」(K.Groverら、2014年12月、International Journal of Ad Hoc and Ubiquitous Computing誌、第17巻第4号、197~215ページ)
[4]国際特許公開第93/22850号
[5]「UAVリモートコントロールシステムに用いられるスペクトラム拡散通信のジャミング」(K.Parlin、2017年、タリン工科大学情報工学部)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態の意図は、割り当てられた異なる時間スロットの間に異なるそれぞれの周波数帯において(即ち周波数ホッピングで)少なくとも1つのノード(ノードAで示す)が送信を行うTDD通信リンク内のノード間の通信を切断及び/又は干渉することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ノードAによる送信は、ノードAに割り当てられた各時間スロットの間に、高パワーの短い切断信号の列を送信することで干渉される。各切断信号は、ノードAの時間スロット内の対応する時間インターバルの間に送信される。切断装置は任意の所与の時間インターバルにおける単一のノードA周波数帯の上でのみ送信を行うため、ノードA時間スロットの一部分の間、周波数帯の各々において、切断信号の送信パワーは最大化され得る。オプションで、切断信号は切断コマンドで変調され、ノードBが切断コマンドを受信すると、ノードBはノードAから切断する。オプションで、切断信号は、ノードA及びノードBの間の通信に干渉することを目的とした予め決められたパターン及び/又はノイズ信号であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、切断信号は、所与の時間インターバルの間、2つ以上の周波数帯上で送信される。この実施形態において、送信パワーは複数の周波数帯の間で分割されてしまうが、いずれにせよ、この送信パワーは切断信号がノードA周波数レンジの全体を覆う場合の送信パワーよりも高い。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の第1の態様によると、第1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信を行う第1のノードと、第2のノードに割り当てられた別個の時間スロットの間に送信を行う第2のノードとの間の無線時分割複信通信リンクを切断するための方法が提供される。第1のノードは、その時間スロットの間に、異なる対応する周波数帯において送信を行う。本方法は、前記第1のノードに割り当てられた時間スロットを連続する時間インターバルに細分することと、時間インターバルの間に対応する切断信号を送信することと、を含む。
【0014】
切断信号の各々は、第1のノードにより用いられている周波数帯上で送信される。切断信号は、時間インターバルの少なくとも2つの間、異なる周波数帯上で送信される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の第2の態様によると、第1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信を行う第1のノードと、第2のノードに割り当てられた別個の時間スロットの間に送信を行う第2のノードと、の間の無線時分割複信通信リンクを切断するための装置が提供される。第1のノードは、その時間スロットの間、異なる対応する周波数帯で送信を行う。本装置は、信号ジェネレータと無線トランスミッタを含む。信号ジェネレータは、第1のノードに割り当てられた時間スロットを連続した時間インターバルに細分し、複数の時間インターバルについて対応する切断信号を生成する。切断信号の各々は、複数の周波数帯のそれぞれの1つを占有する。切断信号は、時間インターバルのうちの少なくとも2つについて、異なる周波数帯上にある。無線トランスミッタは、対応する時間インターバルにおいて切断信号を送信する。
【0016】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、時間インターバルの少なくとも1つについて、切断信号はデータ変調されている。
【0017】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、時間インターバルの少なくとも1つについて、切断信号は、第2のノードに対する切断コマンドで変調されている。
【0018】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、時間インターバルの少なくとも1つについて、切断信号は、擬似乱数データ列により変調されている。
【0019】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、時間インターバルの少なくとも1つについて、切断信号は、予め決められたジャミング信号及びランダムノイズ信号のうちの1つである。
【0020】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、第2のノードによる送信が監視され、第1のノードの次の時間スロットが、監視された送信に基づいて予測される。本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、第2のノードの送信の終端が検出されたとき、切断信号の送信が開始される。
【0021】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、第2のノードによる送信は、第1及び第2のノードの間の通信の切断を識別するために分析される。当該切断が識別されたとき、第2のノードとの直接通信が確立される。
【0022】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、対応する周波数帯は、周波数帯の特定のリストから選択される。
【0023】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、ある単一の時間スロットの間、第1のノードにより用いられている周波数レンジの全体にわたって切断信号が送信される。
【0024】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、第1のノードは周波数帯の既知の順序で送信を行い、切断信号は当該既知の順序で送信される。既知の順序を外れた周波数帯で切断信号のうちの1つを送信し、その後の切断信号の送信を既知の順序で続行することにより、送信される切断信号の前記順序の位相が変化させられる。この位相変化は、送信に干渉している間、2回以上実行され得る。
【0025】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、第1のノードにより用いられる周波数レンジの全体は、第1のノードのある単一の時間スロットの間、切断信号により干渉される。
【0026】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、切断信号のための対応する周波数帯は、第1のノードにより用いられる周波数レンジ上の連続する周波数帯として選択される。
【0027】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、時間インターバルの少なくとも1つについて、少なくとも2つの切断信号が、周波数帯のうちの対応する1つずつの上で、並列に送信される。並列に送信される複数の切断信号の数は、周波数帯の総数よりも少ない。
【0028】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実施例によると、周波数帯域の第1のサブセットは、第1のノードの時間スロットの間に送信され、周波数帯域の第2のサブセットは、第1のノードの後続の時間スロットの間に送信される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態の第3の態様によると、無線時分割複信通信を干渉する装置を制御する方法が提供される。時分割複信通信は、第1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信する第1のノードと、第2のノードに割り当てられた別個の時間スロットの間に送信する第2のノードとの間で行われる。第1のノードは、その時間スロットの間、異なるそれぞれの周波数帯域で送信する。本方法は、受信機を使用して、第2のノードからの無線送信を受信することと、受信した送信に基づいて第1のノードに割り当てられた時間スロットを決定し、決定した時間スロットを連続した時間インターバルに細分化することと、複数の時間インターバルの間にそれぞれの切断信号を送信するように装置に指示することと、を含み、それぞれの切断信号は複数の周波数帯のそれぞれの1つの周波数帯で送信されるようになっており、時間間隔のうち少なくとも2つの時間インターバルでは、切断信号は異なる周波数帯で送信されるようになっている。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態の第4の態様によると、無線時分割複信通信リンクを干渉するための無線切断装置のためのコントローラが提供される。 時分割複信通信は、第1のノードに割り当てられた時間スロットの間に送信する第1のノードと、第2のノードに割り当てられた別々の時間スロットの間に送信する第2のノードとの間で行われる。第1のノードは、その時間スロットの間、異なるそれぞれの周波数帯で送信する。装置は、第2のノードからの無線送信を受信する受信機と、受信された送信に基づいて、第1のノードに割り当てられた時間スロットを決定し、時間スロットを連続した時間インターバルに細分化し、及び、前記切断装置に、複数の時間インターバルの間にそれぞれの切断信号を送信するように指示する、信号分析機と、を含む。ここで、各切断信号は、複数の周波数帯のそれぞれの1つの周波数帯で送信するためのものであり、前記時間インターバルのうち少なくとも2つについて、前記切断信号は、異なる周波数帯で送信される。
【0031】
本発明の第3の態様または第4の態様のいくつかの実施形態によれば、切断信号を生成するための少なくとも1つの信号パラメータが本装置に提供される。本発明の第3の側面または第4の側面のいくつかのさらなる実施形態によれば、信号パラメータは、送信する切断信号のタイプ、切断信号に変調するためのデータ、時間スロットの持続時間、時間インターバルのそれぞれの持続時間、切断信号のためのそれぞれの周波数帯域、切断信号のためのそれぞれの送信電力、および、並列に送信するための切断信号の数を含む。
【0032】
本発明の第3の態様または第4の態様のいくつかの実施形態によれば、装置は、切断信号の少なくとも1つに、第2のノードを第1のノードから切断するための切断コマンドを送信するように指示される。
【0033】
本発明の第3の態様または第4の態様のいくつかの実施形態によれば、第1のノードと第2のノードとの間の通信の切断が、受信した送信から検出され、装置は第2のノードとの直接通信を確立するように指示される。
【0034】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の方法および材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るが、例示的な方法および/または材料が以下に記載されている。矛盾が生じた場合、本特許明細書(定義を含む)が支配する。さらに、材料、方法、および例示は例示的なものに過ぎず、必ずしも限定的であることを意図しない。
【0035】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムの実施形態は、選択されたタスクを手動、自動、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含み得る。さらに、本発明の方法および/またはシステムの実施形態の実際の実装および装備によると、いくつかの選択されたタスクは、オペレーティングシステムを使用して、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実施され得る。
【0036】
例えば、本発明の実施形態に従って選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとしては、本発明の実施形態に従った選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装され得る。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法および/またはシステムの例示的な実施形態に従った1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。オプションとして、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、並びに/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性ストレージ、例えば磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブルメディアを含む。オプションとして、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイおよび/またはキーボードまたはマウスなどのユーザ入力装置もオプションで提供される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照しながら、専ら例示によってのみ、本明細書に説明される。図面への特定の詳細な参照について、図示された具体例は例示であり、かつ本発明の実施形態の明示的な議論を目的とする。この点について、図面とともになされる説明により、本発明の実施形態がいかに実現されるかが当業者にとって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ノードA,B間のTDD通信リンクに干渉するためのシナリオの例を示す図
図2】本発明の実施形態に係る、無線時分割複信通信リンクを切断するための方法を示す簡易フローチャート
図3A】本発明のある実施例に係る、TDD通信リンクに干渉するために用いられる集約切断信号を示す図
図3B】本発明のある実施例に係る、TDD通信リンクに干渉するために用いられる集約切断信号を示す図
図4】本発明のある実施例に係る、TDD通信リンクに干渉するために用いられる集約切断信号を示す図
図5】本発明のある実施例に係る、TDD通信リンクに干渉するために用いられる集約切断信号を示す図
図6】本発明の実施形態に係る、無線時分割複信通信リンクを切断するための切断装置を示す簡易ブロック図
図7A】TDD通信リンクのタイミングシナリオを示す図
図7B】TDD通信リンクのタイミングシナリオを示す図
図7C】TDD通信リンクのタイミングシナリオを示す図
図8】本発明の実施形態に係る、切断装置を制御するための方法を示す簡易フローチャート
図9】本発明の実施形態に係る、無線切断装置のためのコントローラを示す簡易ブロック図
図10】本発明のある実施例に係る、切断装置を示す簡易ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、時分割複信通信に関し、より詳細には、時分割複信通信への干渉に関するが、これに限定されない。
【0040】
TDD通信リンクは、コントローラとドローンなどの無人航空機(UAV)との間の無線通信によく使用される。TDDは、ダウンリンク(UAVからコントローラへ)に対するアップリンク通信(コントローラからUAVへ)の典型的な非対称性のため、この用途に特に適している。
【0041】
本発明の実施形態では、2つのノードを切断するために、2つのノード間の時分割二重通信リンクに干渉する。その目的は、エリア内の他の通信リンクへの干渉を最小限に抑えてこの切断を実行することである。
【0042】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明および/または図面および/または実施例に示された構成要素および/または方法の詳細な構成および/または配置への適用において、必ずしも限定されないことは理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、また、様々な方法で実施または実行可能である。
【0043】
本発明は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の側面を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(またはメディア)を含み得る。
【0044】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用するための命令を保持し、記憶することができる有形の装置であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、記録された命令を有するパンチカードまたは溝の中の隆起構造物といった機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。本明細書で使用されるようなコンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由に伝播する電磁波、導波管または他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を介して伝播する電磁波、またはワイヤを介して伝送される電気信号のような、それ自体が一過性の信号であると解釈されるべきではない。
【0045】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から対応するコンピューティング/処理デバイスにダウンロードされるか、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、及び/又は無線ネットワーク等のネットワークを通じて外部コンピュータ若しくは外部ストレージデバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅線トランスミッションケーブル、光トランスミッションファイバ、無線トランスミッション、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、各コンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するために転送する。
【0046】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全体的に実行されてもよいし、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行されてもよいし、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されてもよいし、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行されるとともにリモートコンピュータ上で部分的に実行されてもよいし、リモートコンピュータまたはサーバ上で全体的に実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)に行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の側面を実行するために、電子回路をパーソナライズするために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、コンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0047】
本発明の態様は、本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書に記載されている。フローチャート図示および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図示および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されるであろう。
【0048】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、若しくは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生産し得る。これにより、コンピュータ若しくは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の、単数又は複数のブロックに特定された機能/動作を実施するための手段を造出する。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、内部に命令を保有するコンピュータ可読記憶媒体がフローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックに特定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を構成するように、特定の方法で機能するようにコンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに命令することが可能なコンピュータ可読記憶媒体の中に格納もされ得る。
【0049】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、若しくは他のデバイスにロードされて、一連の動作ステップが当該コンピュータ、他のプログラマブル装置、若しくは他のデバイス上で実行されて、コンピュータ実装のプロセスを生産し、これにより、当該コンピュータ、他のプログラマブル装置、若しくは他のデバイスの上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックに特定された機能/動作を実装するようにしてもよい。
【0050】
ここで、2つのノード間のTDD通信リンクに干渉するための例示的なシナリオを示す図1を参照する。ノードA110は、ノードB120に周波数ホッピングパケットを送信する。ノードB120は、固定スフ端数パケットをノードA110に送信する。ノードB120及びノードA110は、異なる時間フレームにおいて送信を行う。切断装置130は、ノードB120により受信されかつノードB120をノードA110から切断するように設計された信号を送信する。典型的には、ノードB120からの送信は切断装置130により受信されるが、ノードA110からの送信は受信されず、従って切断装置130により分析され得ない。
【0051】
明確性のため、本明細書の説明は、TDD通信リンクが2つのノード(本明細書ではノードA及びノードBと表記する)の間にあり、ノードBをノードAから切断することが望まれる非限定的な実施例を示す。当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態は、2つ以上のノード(例えば複数のドローンを制御する単一のコントローラ、又は複数のドローンを制御する複数のコントローラ等)を有するTDD通信リンクに対して実装され得る。
【0052】
I.TDD通信リンクと干渉するための方法.
ここで、図2を参照する。図2は、本発明の実施形態に係る、無線時分割複信通信リンクを切断するための方法の簡単化されたフローチャートである。時分割複信(TDD)通信リンクは、第1のノード(本明細書ではノードAと表記)に割り当てられた時間スロットの間に送信を行うノードAと、第2のノード(本明細書ではノードBと表記)に割り当てられた別個の時間スロットの間に送信を行うノードBとの間にある。
【0053】
本明細書で用いられるに際し、「別個の時間スロット」の語は、ノードAの時間スロットがノードBの時間スロットとオーバーラップしないことを指す。
【0054】
ノードAは、複数の周波数帯において送信を行う。それぞれに割り当てられた時間スロットの間、ノードAは、これらの周波数帯のうちの対応する1つにおいて送信を行う。ノードAは固定のホップパターンで(即ち所定の反復順序で)送信を行っても良いし、ノードAの送信に用いられる周波数帯が異なる方法で変化してもよい。ノードBがノードAの送信を正しく受信できるように、ノードAにより用いられる周波数帯はノードBにより知られているか又は検出可能であるべきである。
【0055】
210において、第1のノードに割り当てられた時間スロットは、連続する時間インターバルに細分化される。ノードAの時間スロットを識別又は決定するための方法が以下で説明される。
【0056】
本明細書で用いられるに際し、「連続する時間インターバル」の語は、複数の時間インターバルがオーバーラップしない列であり、時間スロットの始点で開始し、時間スロットの終点で終了する、ということを指す。オプションで、時間インターバルの長さは、ノードAの各時間スロットについて同じである。代替的に、時間スロットの一部又は全部が、時間インターバルの長さの異なる列に分割される。
【0057】
220において、時間インターバルの一部又は全部の間に、それぞれの切断信号が送信される。各切断信号は、ノードAの周波数帯のうちの1つの上で送信される。時間インターバルのうちの少なくとも2つにおいて、切断信号は、異なる周波数帯上で送信される。オプションで、ノードAの周波数帯が正確に知られていない時、切断信号は、ノードAにより用いられることが予期される複数の周波数帯上で送信され得る。
【0058】
オプションで、単一のノードAの時間スロットの間、切断信号は、ノードAにより用いられる周波数レンジの全体をカバーする。
【0059】
オプションで、切断信号のためのそれぞれの周波数帯は、周波数帯の特定のリストから選択される。リストは、ノードAにより用いられることが知られている複数の周波数帯が含まれ得る。このアプローチは、ノードAが連続する周波数レンジにおいて送信を行うのでなく、全体周波数レンジ内の特定の複数の周波数帯において送信を行う時に有利である。
【0060】
本明細書で用いられるに際し、「集約切断信号」の語は、単一時間スロットにおいて送信される切断信号の全体を指す。集約切断信号は、単一の時間スロット内のそれぞれの時間インターバルの間に送信される複数の短い切断信号から構築される。集約切断信号は、全てのノードAの時間スロットに対して同じ方法で構築されてもよいし、異なる時間スロットに対して異なる方法で構築されてもよい。例えば、いくつかのノードAの時間スロットにおいて、集約切断信号はノードAの周波数レンジ全体をカバーする一方で、他の時間スロットにおいて、ノードAの周波数レンジの一部分又は複数部分のみが干渉される。
【0061】
オプションで、単一の切断信号(即ち単一の周波数帯の信号)が各時間インターバルにおいて送信され、従って、送信パワーは1つの周波数帯に集中する。
【0062】
図3Aは、ノードAの送信がノードA時間スロットの間の切断信号のずらし送信により干渉される実施形態の例を示す。ノードA時間スロットはN個の時間インターバルに細分化される。時間インターバルの各々の間に単一の切断信号が送信される。ノードAの周波数帯(F1-FN)が連続する周波数レンジをカバーする場合、集約切断信号はその周波数レンジの全体をカバーする。F1-FNがノードAの全体周波数レンジの部分である場合、集約切断信号はノードAにより用いられる全周波数帯に干渉する。図3Aにおいて、切断信号の周波数帯は、各ノードA時間スロットの間、同じ順序で送信される。
【0063】
図3Bは、ノードAが、異なる位相だが定常的なサイクルで、複数のパケットを送信する実施形態の例を示す。図3Aと同様に、ノードAの送信は、ノードA時間スロットの間の切断信号のずらし送信により干渉される。
【0064】
図4は、異なるノードA時間スロットにおいて集約切断信号中の周波数帯の順序が異なる、代替的な実施形態の例を示す。
【0065】
代替的に、時間インターバルの少なくとも1つの間、2つ以上の切断信号が並列に送信される。図5は、全ての時間インターバルの間に、異なる周波数帯における2つの切断信号が送信される例を示す。複数周波数帯における並列送信は、単一のノードA時間スロットにおける利用可能な時間インターバルの数がノードAの周波数帯の数よりも少ない時に有用であり得る。単一のノードA時間スロットの間のノードAの周波数帯の全てをカバーするためには、ある所与の時間インターバルにおいて2つ以上の周波数帯で送信を行うことが必須となる。この技術は、複数の周波数帯に並列に干渉を行うのに十分な高さの送信パワーが利用可能である時(例えば、ノードBの送信が高パワーで受信され、ノードBが近くにあることを示している時)にも有利であり得る。
【0066】
オプションで、単一のノードA時間スロットの間にノードA周波数帯のサブセットのみが干渉され、異なるノードA時間スロットの間にノードA周波数帯の第2のサブセットが干渉される。上述のように、これは、単一のノードA時間スロットにおいて利用可能な時間インターバルの数がノードA周波数帯の数よりも少ない時に有用であり得る。また、この実施形態は、ノードAが送信し得る周波数帯に関するある程度の知識がある時にも有用である。
【0067】
集約時間信号における時間インターバルにそれぞれの周波数帯を割り当てることは、当技術分野において知られている任意の手段によりなされ得る。それぞれの時間インターバルに周波数帯を割り当てることの実施形態は、
i)予め定められた順序、
ii)特定の規則に従って、及び、
iii)無作為に、
を含むが、これらに限定されない。
【0068】
この割り当ては、TDD通信リンクに関する既知の情報、及び/又はノードBから受信した送信を分析することにより収集された情報等の、追加の情報を考慮に入れてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、ノードAは既知のホップパターンで送信を行う。ノードAにより用いられる周波数帯の順序は既知であるが、ノードAの送信は受信されないため、現在どの周波数帯が用いられているかは既知ではない。この追加の情報は、干渉信号を選択するために用いられ得る。オプションの実施形態は、切断信号のパワーを追加的に増加させるために、リストから部分的な周波数を用いて、既知のホップパターンに基づいて、高速で変化する切断信号を送信することを含む。例えば、ノードAの周波数の順序がF,F,F,…,Fであることが知られているとする。この時、第1のノードAパケットと並列に、F,F,F,F及びFが、1つの集約切断信号において一緒に送信され得る。また、第2のノードAパケットと並列に、F,F,F,F及びFが、第2の集約切断信号において一緒に送信され得る。ある程度の時間の後、切断が達成されない場合、次の列は変更され得る。
【0070】
このようにして、切断を達成するために要求される切断信号の数が少ないため、最終的に、より高い電力で正しい位相が達成される。
【0071】
II.切断信号の種類.
多くのTDD通信リンクにおいて、1つのノードから他のノードに、「切断コマンド」が発行され得る。切断コマンドは、受信側に接続が終了したことを通知する。受信側のノードは、その後、自分の側の接続を終了する。場合によっては、ノードはその後、同じタイミング位相又は別のタイミング位相において接続を再確立しようとする。ノードBに切断コマンドを含む切断信号を送信することにより、この種の通信を妨害することが可能である。ノードBが切断信号をノードAのパケットよりも高い信号対雑音比(SNR)で受信した場合、ノードBは、ノードAにより送信されたパケットの代わりに、切断信号を復調し得る。これにより、ノードAとノードBとの間のリンクが切断される。
【0072】
オプションで、時間インターバルのうちの少なくとも1つの間、切断信号は、データ変調されたキャリア信号である。さらにオプションで、切断信号は、TDD通信リンクプロトコルに従って構築された1つ以上のデータパケットを搬送する。
【0073】
オプションで、1つ以上の切断信号は、ノードBに対する単一又は複数の切断信号で変調される。切断コマンドは、ノードAとノードBとの間の既知のプロトコルに従って構築される。切断信号は、典型的には短い信号であり、好ましくは、T/Nよりも短い(TはノードAスロット時間、Nは既知の周波数の数である)。最短の切断信号時間TdisがT/Nよりも長い場合、ノードAの周波数の全部をカバーするためには、k=floor(N・Tdis/T)個の並列な切断信号を送信することが必要となる。
【0074】
切断長さが長すぎる場合又はノードAとノードBとの間のプロトコルが不明な場合等、場合によっては、別種の切断信号が用いられ得る。この場合、切断は、ノードBによるノードアの信号の受信のSNRを低下させることで達成される。これは高いビットエラーレート(BER)を生じ、最終的にパケット又はフレームの全体が失敗する。
【0075】
別種の切断信号は、
a)所定のノイズパターン、ランダムノイズ、又はホワイトガウスノイズ信号等のノイズ信号
b)所定のジャミング信号
c)変調された疑似乱数バイナリ列、オプションで、BPSK等の定包絡線を用いるもの
d)定包絡線信号として変調された所定のバイナリ列(任意の位相変位変調信号等)
を含むが、これらに限定されない。
【0076】
ノイズ又はPSKの切断信号を用いることは、ノードAのパケットの並列受信によりノードBが切断信号からパケットを受信できない時に有益である。
【0077】
単一の時間スロットに対する集約切断信号は、以下で表現され得る。
【0078】
【数1】
【0079】
ただし、N(t)は集約切断信号、f(t)はキャリア周波数、φは定数又は乱数位相である。オプションで、N(t)は、
i)プロトコル固有の切断コマンドを含むM個のパケットの列、
ii)所定のパターン(ホワイトガウスノイズ、変調疑似乱数バイナリ列、任意の変調バイナリ列、又は任意の所定のジャミング信号等)、
のうちの1つである。
【0080】
ノードAの変化するキャリア周波数f(t)について、以下のA)B)が言える。
【0081】
A)切断信号キャリア周波数が線形列{f+n・Δf}である実施形態においては、以下が成り立つ。
【0082】
【数2】
【0083】
B)切断信号キャリア周波数がリスト{fn}から選択される実施形態においては、以下が成り立つ。
【0084】
【数3】
【0085】
図4に示すように、集約切断信号中の周波数の順序は、異なる時間スロットにおける送信について、異なっていてもよい。
【0086】
III.切断装置.
ここで、図6を参照する。図6は、本発明の実施形態に係る、無線時分割複信通信リンクを切断するための切断装置の簡単化されたブロック図である。上述のように、TDD通信リンクは、割り当てられた時間スロットの間に異なるそれぞれの周波数において送信を行うノードAと、ノードBの時間スロットの間に固定周波数で送信を行うノードBとの間のリンクである。
【0087】
切断装置600は、信号発生器610及び無線トランスミッタ620を含む。
【0088】
信号発生器610は、第1のノードに割り当てられた時間スロットを連続する時間インターバルに細分化し、複数時間インターバルに対してそれぞれの切断信号を生成することにより、各ノードA時間スロットに対して集約切断信号を生成する。切断信号の各々は、ノードアの周波数帯のそれぞれ1つを占有し、時間インターバルのうちの少なくとも2つの間、切断信号は異なる周波数帯を占有する。
【0089】
ノードAとノードBとの間の通信に干渉するために、信号発生器610により生成された集約切断信号は、それぞれのノードA時間スロットの間に、ノードAの送信と並列に、トランスミッタ620により送信される。
【0090】
当業者には理解される通り、信号発生器610は、特定の実施形態について要求されるように、本明細書に記載の切断信号及び集約切断信号のいずれかを生成するために用いられても良い。例えば、いくつかの実施形態において、1つの時間インターバルの間に1つ以上の(異なるそれぞれの周波数帯の)切断信号が送信される。
【0091】
オプションで、時間インターバルのうちの少なくとも1つについて、切断信号はそれぞれの周波数帯におけるキャリア周波数であり、ここで、キャリア信号は、以下のうちの1つで変調される。
a)第2のノードに対する切断コマンド(又は、複数存在する場合、切断信号の複数のオプションのうちの1つ)、
b)所定のノイズパターン、ランダムノイズ又はホワイトガウスノイズ信号等のノイズ信号、
c)所定のジャミング信号、
d)疑似乱数バイナリ列、オプションで、BPSK等の定包絡線を用いるもの
e)所定のバイナリ列(例えば任意の位相偏移変調信号等の、定包絡線信号として変調されたもの)
【0092】
オプションで、所与の時間スロットの間、信号発生器610は、切断信号のためのそれぞれの周波数帯を、ノードAにより用いられる既知の周波数帯のリストから選択する。代替的又は追加的に、所与の時間スロットの間、信号発生器610は、切断信号のためのそれぞれの周波数帯を、ノードAにより用いられる周波数レンジにわたる連続した周波数帯として選択する。
【0093】
オプションで、単一ノードA時間スロットの間、ノードAにより用いられる周波数レンジの全体が、切断信号により干渉される。
【0094】
図6の実施形態において、信号発生器610及びトランスミッタ620は、単一の装置である。代替の実施形態において、信号発生器610は、集約切断信号をスタンドアロントランスミッタに提供するアドオン装置である。
【0095】
IV.NodeB通信の監視.
オプションで、ノードAとノードBとの間の通信及び/又はTDD通信リンクのパラメータに関する情報を収集するために、ノードBの通信が監視及び分析される。ノードBの通信は、連続的又は断続的に監視及び/又は分析され得る。
【0096】
ノードBの複数の送信が収集及び分析され、次のノードA時間スロットが予測され得る。また、この予測は、ノードAが一定の周期で単一のパケットを送信していること、又はノードAが一定の周期で(例えば、10msecのサイクルでの2つの位相である10h[msec]及び10h+4[msec]に)複数のパケットを送信していることといった事前知識に基づいて行われ得る。
【0097】
この分析により得られる情報の種類は、以下のものを含むが、これらに限定されない。
1)ノードA及びBの間の切断を識別すること。オプションで、切断が識別された時、ノードBとの直接通信が(例えばノードBに接続リクエストを送信することで)確立される。
2)ノードA及び/又はノードBに割り当てられた(単一又は複数の)時間スロットを識別及び/又は予期すること。時間スロットの開始及び/又は停止時刻の知識により、正しい時刻に切断信号を送信することが可能となる。
3)ノードA及びBにより用いられている通信プロトコル。
4)ノードA及びノードBの時間スロットの管理(例えば、図7A図7Cを参照)。
【0098】
構築されたノードA時間スロットの間に、集約切断信号を送信することが望まれる。TDDにおける時間スロットを割り当てる多くの方法が当技術分野で知られている。本明細書で提示される実施形態は、TDD通信リンクによりスロット割り当てのいかなる特定の種類にも限定されない。
【0099】
代替的又は追加的に、ノードBが再接続リクエストを送信した時、ノードA時間スロットの開始が検出される。オプションで、TDD通信リンクで用いられるプロトコルを決定するためにノードB送信が分析され、これによりノードBの送信において再接続リクエストが識別され得る。
【0100】
いつ集約切断信号の送信を開始するかの決定は、以下のうちの少なくとも1つに基づき得る。
1)ノードBの送信の開始及び/又は終了の検出。時間スロットパターンを「学習」して次のノードA時間スロット(例えば送信パケット時刻)を前もって予期するために、複数のノードBの送信が一緒に収集及び分析され得る。これは、時間スロットの開始時においてノードAにより送信された信号(例えばACK応答)をブロックし得る。
2)ノードBより送られたデータの送信(再接続リクエスト、ACKパケット、切断コマンド等)の識別。
3)アクセススキームの事前知識。
【0101】
実施形態の例は、以下を含む。
1)集約切断信号は、ノードBの送信が終了して所定の時間後に送信される。このアプローチは、図7Aに示すように、ノードBがマスタとなって時間フレームを管理し、ノードAがノードBに応答する時に効果的である。
2)集約切断信号は、予期されたノードB時間スロットの所定の時間だけ前に送信される。このアプローチは、図7B及び図7Cに示すタイミングシナリオにおいて効果的である。図7Bにおいて、ノードAがマスタであり、典型的には比較的短いバッファ時間の後に、ノードBがノードAに応答する。図7Cは、サイクル時間(T)及びスロット時間(T及びT)が前もって(例えばリンク作成時に)決められているケースを示す。このパターンが既知の場合、一度ノードA又はノードBの時間スロットが識別されると、それ以降の時間スロットのタイミングが既知となる。
【0102】
V.切断装置の制御.
ここで、図8を参照する。図8は、本発明の実施形態に係る、無線時分割複信通信に干渉する切断装置を制御するための方法の簡単化されたフローチャートである。この制御は、ノードBにより送信される信号を受信及び分析することにより収集された情報に基づく。
【0103】
810において、無線送信がノードBから受信される。
【0104】
820において、受信された送信に基づいて、次のノードA時間スロットが決定される。この決定を実行するためのオプションの技術は、上述で説明されている(例えば、時間スロットのタイミングの事前知識によりノードB時間スロットの終点を識別すること)。
【0105】
830において、次のノードA時間スロットが、連続する時間インターバルに細分化される。
【0106】
840において、切断装置は、820で決定されたノードA時間スロットの間に、時間スロット内の時間インターバルに割り当てられたそれぞれの時間スロットに基づいて構築された集約切断信号を送信するように指示される。周波数帯の割り当ては、特定の実施形態に要求される通り、本明細書に説明された任意の単一又は複数の種類の集約切断信号を生じるように設計され得る。
【0107】
オプションで、切断信号を生成するための信号パラメータは、以下を含むが、これらに限定されない。
i)送信する切断信号の種類
ii)切断信号上に変調するデータ
iii)時間スロットの時間長
iv)時間インターバルのそれぞれの時間長
v)切断信号に対するそれぞれの周波数帯
vi)切断信号に対するそれぞれの送信パワー
vii)並列に送信する切断信号の数
【0108】
オプションで、切断装置は、切断信号のうちの少なくとも1つの上に切断コマンドを変調するように指示される。
【0109】
オプションで、方法はさらに、ノードA及びノードBの切断(例えば、TDD通信リンクが正常に干渉された等)を検出することを含む。切断装置はその後、ノードBとの直接通信を確立するように指示される。オプションで、ノードBとの通信は、高パワーでノードBとの接続リクエストを送信することにより確立される。
【0110】
VI.切断装置のためのコントローラ.
ここで、図9を参照する。図9は、本発明の実施形態に係る、無線切断装置のためのコントローラの簡単化されたブロック図である。コントローラ900は、協働して図8に示す方法を実装するレシーバ910及び信号アナライザ920を備える。
【0111】
レシーバ910は、ノードBからの無線送信を受信する。信号アナライザ920は、受信した信号を分析して、ノードAに割り当てられた次の時間スロットを決定し、ノードA時間スロットを連続する時間インターバルに細分化する。また、信号アナライザ920は、集約切断信号がどのように構築され、及びどのように送信されるべきかを、切断装置に指示する。
【0112】
オプションで、レシーバ910は、受信した信号を信号アナライザ920に提供する前に、受信した信号にアナログ及び/又はデジタル処理を実行する。例えば、レシーバ910は、受信したノードB信号を信号アナライザ920により分析されるデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータを含み得る。図9の実施形態では、レシーバ910及び信号アナライザ920は単一の装置である。
【0113】
代替の実施形態において、信号アナライザ920は、スタンドアロントランスミッタに集約切断信号を提供するアドオンユニットである。
【0114】
VII.切断装置の例.
ここで、図10を参照する。図10は、本発明の実施形態の例に係る、切断装置の簡単化されたブロック図である。切断装置1000は、図6及び図9に示す構成要素を含む。レシーバ1010は、ノードBにより送信された信号を受信する。信号アナライザ1020は、受信した信号を分析し、次のノードA時間スロットを決定し、及び/又は、ノードA時間スロットに対してどのように集約切断信号が構築されるべきかを決定する。これらの指示が信号発生器1030に提供される。信号発生器1030は、無線トランスミッタ1040による送信のための集約切断信号を生成する。
【0115】
信号アナライザ1020及び信号発生機1030の複合動作は、本明細書に記載された分析のうちのいずれかを実行し、本明細書に記載された切断信号及び集約切断信号のいずれかを生成し得る。簡潔性のため、可能な全ての実施形態の完全な詳細は繰り返されないが、それらは切断装置1000に含まれる。
【0116】
図10に示す実施形態において、レシーバ1010、信号アナライザ1020、信号発生器1030、及びトランスミッタ1040は、単一の装置を形成する。代替の実施形態において、レシーバ及び/又はトランスミッタは外部装置である。
【0117】
上述の方法は、組み込み回路チップの製作において用いられる。
【0118】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施形態の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点について、フローチャート若しくはブロック図における書くブロックは、記述された論理機能(単数・複数問わず)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、若しくはコードの一部分を示し得る。いくつかの代替的な実装において、ブロックに記述された機能は、図面に記述された順序を外れて発生し得るにも注意すべきである。例えば、含まれる機能に依存して、連続して示された2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得るし、時には2つのブロックが逆順で実行され得る。また、ブロック図及び/又はフローチャートに図示された各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートに図示された複数のブロックの組み合わせが、特定の機能又は動作を実行する特殊用途向けハードウェアベースシステムによって実装され得るし、又は、特殊用途向けハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることには注意すべきである。本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されており、開示される実施形態を列挙又は限定することを意図しない。説明された実施形態の保護範囲及び精神から逸脱することなく、多くの変更及びバリエーションが当業者にとって明らかとなる。本明細書で用いられる用語は、実施形態の原理、実用的な適用例、若しくは市場で見つかる技術に対する技術的進歩を最善に説明するために、又は、本明細書に開示される実施形態を当業者が理解できるように、選択した。
【0119】
本出願から発する特許の有効期間の間、多くの関連するTDD通信リンク、通信プロトコル、並びに、TDD通信リンク上で通信するノードが開発されることが予想されるが、TDD、TDD通信リンク、TDD通信プロトコル、TDD通信ノードの語の範囲は、そのような新しい技術を包含することが意図されている。
【0120】
「~を含む」、「~を備える」、「~を包含する」、「~を有する」、若しくはそれらの活用形は、「~を含むが、それに限定されない」を意味する。
【0121】
「~から構成される」の語は、「~を含み、それに限定される」を意味する。
【0122】
「」の語は、構成、方法、若しくは構造が追加の材料、ステップ、及び/若しくは部分を含んでもよいが、当該追加の材料、ステップ、及び/若しくは部分が、特許請求された構成、方法、若しくは構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に置き換えてしまうのでない場合に限る。
【0123】
本明細書で用いるに際し、「ある~」「1つの~」及び「当該~」の単数形は、文脈でそうでないと明確に記載されない限り、複数への参照を含む。例えば、「ある化合物」若しくは「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物、ひいてはその混合物を含んでもよい。
【0124】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態が、範囲の形で提示されることがある。範囲の形の説明は、利便性及び簡潔性のためでしかなく、本発明の保護範囲の融通不可能な限定として構築されるべきではない。従って、範囲の説明は、具体的に開示された全ての部分範囲に加え、当該範囲内の単独の数値をも有すると判断されるべきである。例えば、「1~6」のような範囲の説明は、具体的に開示された「1~3」、「1~4」、「1~6」、「2~4」、「2~6」、「3~6」等の部分範囲に加え、例えば「1」、「2」、「3」、「4」、「6」等の、当該範囲内の単独の数値を有すると判断されるべきである。これは当該範囲の広さに関わらず適用される。
【0125】
本明細書に数値の範囲が示されたとき、それは示された範囲内の任意の引用された数値(分数又は整数)を含むことを意味する。「A及びBの間の範囲に及ぶ」並びに「A~Bの範囲に及ぶ」の句は、本明細書では交換可能に用いられており、示されたA及びBの値及びその間の全ての分数及び整数を含むことが意図されている。
【0126】
本発明の特定の特徴は、明確性のために個別の実施形態の文脈で説明されているが、単一の実施形態に組み合わせられて提供もされ得る。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔性のために単一の実施形態の文脈で説明されているが、個別に、又は適切な部分組み合わせにより、又は本発明の任意の他の説明された実施形態に適切であるとして、も提供され得る。様々な実施形態の文脈において説明された特定の特徴は、当該実施形態がそれらの要素を欠くと動作不可能な場合を除き、それらの実施形態の必須特徴であると判断されるべきではない。
【0127】
本発明を、その特定の実施形態を交えて説明してきたが、当業者にとって多数の代替、変更、及び変形が明らかとなるのは間違いない。従って、全てのそのような代替、変更、及び変形は、添付の特許請求の範囲の精神及び広い保護範囲に包含されるとして受け入れられることを意図している。
【0128】
本明細書で言及された全ての公報、特許、及び特許出願は、個別の公報、特許、及び特許出願の各々が「参照により本明細書に援用される」と具体的かつ個別に明示された場合と同じ程度に、参照により全体を通して本明細書に援用される。加えて、本出願における任意の参照の引用又は識別は、それらの参照が本発明の先行技術として利用可能であることを承認していると解釈してはならない。節見出しが用いられている範囲では、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【0129】
加えて、本出願の任意の優先文書(単数複数問わず)は、参照によりその全体を通して本明細書に援用される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10