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特許7440573ヘテロジニアスGaNレーザおよび能動構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ヘテロジニアスGaNレーザおよび能動構成要素
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20240220BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20240220BHJP
   H01S 5/343 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G02B6/12 301
G02B6/122 311
H01S5/343 610
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022105862
(22)【出願日】2022-06-30
(65)【公開番号】P2023165584
(43)【公開日】2023-11-16
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】17/738,608
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522194599
【氏名又は名称】ネクサス・フォトニクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・トラン
(72)【発明者】
【氏名】ティン・コムリェノヴィッチ
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0284979(US,A1)
【文献】特開2011-096981(JP,A)
【文献】特開平07-074341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0115496(US,A1)
【文献】特開2019-204904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
共通の基板上に製造される第1の要素、第2の要素、第3の要素、および第4の要素を備え、
前記第1の要素が第1の光モードをサポートする能動導波路構造物を備え、前記第2の要素が第2の光モードをサポートする受動導波路構造物を備え、前記第1の要素に少なくとも部分的に突き合わせ結合される、前記第3の要素が、中間光モードをサポートする中間導波路構造物を備え、第4の要素が、前記第1の要素に取り付けられるTCO材料を備え、かつ、電気的接触、電流拡散、および、前記第1の要素の表面と比較して改善した接触用の表面を提供し、かつ、前記第4の要素が前記第1の要素と前記第2の要素との間に配置され
前記第1の光モードが、所定の量を超えて前記第2の光モードと異なる場合、前記第2の要素および前記第3の要素のうちの少なくとも1つの先細導波路構造物が、前記第2の光モードと前記中間光モードのうちの1つとの間の効率的な断熱変換を容易にし、
前記中間光モードのいずれかと前記第1の光モードとの間で断熱変換が生じず、
前記第1の要素、前記第2の要素、および前記第3の要素の相互の位置合わせが、前記第1の要素、前記第2の要素、前記第3の要素、および前記第4の要素を製造する処理ステップの期間中に形成される層間の正確な位置合わせを容易にするリソグラフィ用位置合わせマークを使用して規定される、デバイス。
【請求項2】
前記第3の要素の下面が、平坦である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の要素と前記第3の要素との間の界面が、反射を最小化するように最適化された角度に傾けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
少なくとも1つの傾けられた前記界面上に堆積される反射防止コーティング層をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の要素が、GaNベースの半導体層を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2の要素の屈折率が、1.6と2.45の間である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2の要素が、SiNベースの材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第3の要素の屈折率が、1.55と2.15の間であり、前記第2の要素の前記屈折率より低い、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記能動導波路構造物を備える前記第1の要素が、少なくとも3つのサブレイヤを有し、
前記能動導波路構造物中の前記サブレイヤのうちの少なくとも1つがn型接触層を備え、前記能動導波路構造物中の前記サブレイヤのうちの少なくとも1つが能動領域を備え、前記能動導波路構造物中の前記サブレイヤのうちの少なくとも1つがp型接触層を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記サブレイヤのうちの少なくとも1つが、エッチング停止層を備える、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の要素が、光モード閉込め、及び、前記第4の要素上の金属接触を形成するようにエッチングされている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
共通の基板上に製造される第1の要素、第2の要素、第3の要素、および第4の要素を備え、
前記第1の要素が第1の光モードをサポートする能動導波路構造物を備え、前記第2の要素が第2の光モードをサポートする受動導波路構造物を備え、前記第1の要素に少なくとも部分的に突き合わせ結合される、前記第3の要素が、中間光モードをサポートする中間導波路構造物を備え、第4の要素が前記第1の要素に取り付けられるTCO材料を備え、かつ、電気的接触、電流拡散、および、前記第1の要素の表面と比較して改善した接触用の表面を提供し、かつ、前記第4の要素が前記第1の要素と前記第2の要素との間に配置され
前記第3の要素が前記第2の要素についてのクラッドを実現し、
前記第1の光モードが、所定の量を超えて前記第2の光モードと異なる場合、前記第2の要素中の先細導波路構造物が、前記第2の光モードと前記中間光モードのうちの1つとの間の効率的な断熱変換を容易にし、
前記中間光モードのいずれかと前記第1の光モードとの間で断熱変換が生じず、
前記第1の要素、前記第2の要素、および前記第3の要素の相互の位置合わせが、前記第1の要素、前記第2の要素、前記第3の要素、および前記第4の要素を製造する処理ステップの期間中に形成される層間の正確な位置合わせを容易にするリソグラフィ用位置合わせマークを使用して規定される、デバイス。
【請求項13】
前記第3の要素の下面が、平坦である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の要素と前記第3の要素との間の界面が、反射を最小化するように最適化された角度に傾けられている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの傾けられた前記界面上に堆積される反射防止コーティング層をさらに備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の要素が、GaNベースの半導体層を備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第2の要素の屈折率が、1.6~2.45である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第2の要素が、SiNベースの材料を備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第3の要素の屈折率が、1.55~2.15であり、前記第2の要素の前記屈折率より低い、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2の要素が、AlNベースの材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザ、増幅器、変調器、および光検出器に関する。より詳細には、本発明の一定の実施形態は、光学的に結合される異種の材料を使用して、ヘテロジニアスに統合されたレーザ、増幅器、変調器、および光検出器の性能改善に関する。本発明の開発は、米国政府財政援助DARPA契約#HR001120C0135によって、部分的に支援された。
【背景技術】
【0002】
フォトニック集積回路(PIC)または集積光回路は、複数のフォトニック機能を統合しており、そのため、電子集積回路に類似するデバイスである。その2つの間の主な違いは、フォトニック集積回路が、光学的搬送波に与えられる情報信号のための機能を提供することである。フォトニック集積回路で最も商業的に利用される材料プラットフォームは、リン化インジウム(InP)であって、これによって、同じチップ上で、様々な光学的に能動的および受動的な機能の統合が可能になる。多くの現行のPICがInPプラットフォームで実現されているが、電子集積回路のために既に行われていた投資を活用する、以前の材料についてのいくつかの優れた特性および優れた処理能力に起因して、過去十年で、PICを実現するためにInPではなくむしろシリコンを使用することにおいて、かなりの調査が行われてきた。
【0003】
PICにシリコンを使用することにおける最大の問題は、シリコンが、電気的にポンピングされる光源を提供するのを困難にさせる間接遷移型材料であるということである。この問題は、別個のプロセスにおいて異種の材料から作られた2つ以上のチップを備えるPICを組み立てることによって一般的に解決される。そのような手法は、パッケージング費用を増加させ、小型化の制限をもたらす、非常に精細な位置合わせが必要となることに起因して、困難である。遷移型問題を解決する別の手法は、2つの異種の材料を結合し、それらを一緒に処理して、異種の材料の大きな部片または全ウェハを結合する期間中に正確な位置合わせをする必要をなくすこと、および大量生産を可能にすることである。本開示では、「ハイブリッド」という用語を使用して、別個に処理した部品の正確な組立を含む第1の手法を記載し、「ヘテロジニアス(heterogeneous)」という用語を使用して、2つの材料を結合し、次いで、結合された構造物を処理して、導波路および対象の他の構成要素を規定する後者の手法を記載する。
【0004】
異種の材料間で光信号を伝達するため、ヘテロジニアス手法では、一般的に異種の材料の実効モード屈折率が一致して効率的なパワー伝達が実現するまで、徐々にその寸法が減少するテーパを利用する。この手法は、材料がシリコンおよびInPの場合と同様の屈折率を有するときに、一般的に良好に働く。たとえば、SiNとGaN間などといった、実効屈折率が大きく異なる場合に、テーパ端寸法の要件がより難しくなり、潜在的に効率的なパワー伝達を制限する。具体的には、良好な結合を実現するために、GaNの小さいテーパ端幅が必要になる場合がある。そのような寸法を達成するのは、複雑で、費用対効果的でない可能性がある。さらに、そのような狭いテーパの電気的なポンピングが難しく、不十分にポンピングされる場合、結合損失が増加する結果となる可能性がある。
【0005】
InPおよびシリコンベースのPICは多くの現在の要望に対処するが、それらにはいくつかの制限がある。とりわけ、材料の吸収が損失を増加させることにより動作波長範囲が制限されること、および、PICが取り扱うことができる最大光強度したがって光パワーの制限があることが挙げられる。これらの制限に対処するために、SiN、TiO、Ta、AlNなどといった、代替の導波路材料が考えられている。多くの現行のおよび新たな用途が、効率的な光生成を実現するためGaN材料システムによって一般的に対象とされる波長範囲である、可視波長(300nm~600nm)で、または可視波長近くでのPIC動作を活用することができる。
【0006】
一般的に、上記の誘電体導波路はより大きい遷移エネルギーを有し、このことによって、より短い波長でのより良好な大パワーの取扱いおよび透明度を実現するが、一般的にそのような材料は、より小さい屈折率も有する。たとえば、約5eVのバンドギャップを有するSiNは約2の屈折率を有し、AlNは約6eVのバンドギャップおよび約2の屈折率を有し、約8.9eVのバンドギャップを有するSiO2は約1.44の屈折率を有する。比較して、GaNの屈折率は、>2.4である。このことによって、テーパ手法が困難になる。
【0007】
代替のハイブリッド手法は、既に述べた欠点、すなわち、正確な位置合わせをする必要があり、それに対応して、複雑なパッケージングおよび小型化の制限がある。
【0008】
上記で議論した問題に対する最近の手法は、屈折率の差異が大きい場合でさえ、極度に小さいテーパ幅の必要がなく使用されるヘテロジニアスプロセスを可能にするように、モード変換器と組み合わされる突き合わせ結合を採用する特許文献1において提示された。特許文献1に提示される手法は、より高品質のp側接触を含んだ、成長するのに一般的によりフレキシビリティがあるInPとGaAsとの統合にとって好適である。可視波長中および可視波長の周りで放出するために使用されるGaN材料は、特にp側接触を成長するのがより難しく、成長によって、一般的に、修正ヘテロジニアス統合を必要とする成長欠陥の増加がもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第10,859,764号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、性能改善されたレーザ、増幅器、変調器、および光検出器を含む高性能導波路と統合したGaN能動素子を採用するPICに向けられている。特に、以下に記載される実施形態は、高性能レーザ、増幅器、変調器、および光検出器の作成に必要な、ヘテロジニアス統合、光結合構造物の詳細な設計およびモード制御に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるデバイスを示す、断面である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの上から見た断面図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの上から見た断面図である。
図2C】本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの上から見た断面図である。
図3A】本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの端面断面図である。
図3B】本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの端面断面図である。
図4】本発明の実施形態によるデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで記載されるのは、ウェハ結合および異種の材料の堆積を使用するフォトニック集積回路の実現のためのプラットフォームの実施形態が含まれ、ここでは、モード変換および突き合わせ結合方式の使用によって光結合が改善され、能動領域中の、強固で、製造に耐える結合およびモード制御用に性能が最適化される。
【0013】
以下の詳細な記載では、その部分を形成する添付の図面への参照が行われ、添付の図面では、全体を通して同様の数値は同様の部分を示しており、本開示の主題を実施できる実施形態が例として示される。他の実施形態を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的または論理的変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な記載は、限定する意味でとらえるべきでなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される。
【0014】
本記載は、頂部/底部、入/出、上/下などといった視点ベースの記載を使用する場合がある。そのような記載は、単に議論を容易にするために使用され、本明細書に記載される実施形態の用途を何らかの特定の向きに限定する意図はない。本記載は、「一実施形態では」、または「実施形態では」という語句を使用する場合があり、これらは、各々が、同じまたは異なる実施形態の1つまたは複数のことを言ってよい。さらに、本開示の実施形態で使用する「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同意語である。
【0015】
本開示の目的では、「Aおよび/またはB」という語句は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。本開示の目的では、「A、B、および/またはC」という語句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)を意味する。
【0016】
「と結合された」という用語ならびにその派生形が本明細書で使用される場合がある。「結合された」は、以下のうちの1つまたは複数を意味してよい。「結合された」は、2つ以上の要素が、直接的に物理、電気、または光学接触することを意味してよい。しかし、「結合された」は、2つ以上の要素が、互いに間接的に接触するが、依然として互いに協働する、または相互作用することも意味することができ、互いに結合すると言われる要素の間に1つまたは複数の他の要素が結合または接続されることを意味することができる。「直接的結合」という用語は、2つ以上の要素が、それらの表面の少なくとも部分で直接接触することを意味する。「突き合わせ」という用語は、「端面」または軸方向結合を意味する通常の意味で本明細書中で使用される。ここでは、対象の要素の間に、最小またはゼロの軸方向オフセットが存在する。軸方向オフセットは、たとえば、典型的には高反射性または反射防止機能を実現するために使用される薄いコーティング層などといった、何らかの種類の薄い介在層が要素間に形成される場合に、ゼロよりもわずかに大きくなってよい。2つの導波路構造または要素の軸は、それらが突き合わせ結合していると正確に記載するには、同一線上にある必要がないことに留意されたい。言い換えると、要素間に界面が、いずれかの軸に対して垂直となる必要がない。下で議論される図2の実施形態は、そのような可能性の例示である。
【0017】
「能動デバイス」という用語を本明細書で使用する場合がある。能動と呼ばれるデバイスまたはデバイスの一部は、光の発生、増幅、変調、および/または検出を行うことができる。これは、「受動デバイス」によって意味するものと対照的である。「受動デバイス」の原則的な機能は、光を閉じ込めるおよび導く、および/または、分割、組合せ、フィルタ処理を行う、および/または、受動デバイスに一般的に関連する他の機能性である。いくつかの受動デバイスは、たとえば、変調を実現できる熱効果または同様のものを使用して実装される位相調節などといった、能動デバイスの機能性と重複する機能を実現することができる。純粋に材料の組成またはデバイス構造に基づいた、「能動」と「受動」の間の絶対的な差異を考えるべきでなない。たとえば、シリコンデバイスは、変調または低波長の放射の検出のある種の条件下で能動と考えることができるが、ほとんどの他の状況で受動と考えることができる。
【0018】
図1は、異種の材料間の効率的な結合のために、突き合わせ結合およびモード変換を利用する統合フォトニックデバイス100の概略断面図である。点線A、B、C、およびDは、図3を用いてより詳細に記載される本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの端面断面図、より具体的には、端面図300A、300B、300C、および300Dに対応する。
【0019】
例示的な断面図は、Si、石英、サファイア、ガラス、または当技術分野で知られている他の材料などといった、半導体および誘電体処理用の任意の好適な基板であってよい基板105を含む。示される実施形態では、第2の材料の層104は、当技術分野で知られている技法を使用して、基板105の上面に、堆積、成長、転写、結合、または他の方法で取り付けられる。層104の主な目的は、光導波路を形成するのに必要な場合、(以下で記載される)材料102のための光学的クラッドを実現することである。光導波路は、光波を閉じ込めるために、2つのより低い屈折率の層間により高い屈折率のコアを置くことによって一般的に実現される。いくつかの実施形態では、層104は、SiO2である。いくつかの実施形態では、層104が省略され、基板105自体がクラッドとして働く。
【0020】
層102は、当技術分野で知られている技法を使用して、存在する場合には層104の上、および/または、基板105の上に、堆積、成長、転写、結合、または他の方法で取り付けられる。層102の屈折率は、存在する場合には層104の屈折率より大きく、層104が存在しない場合、層102の屈折率は、基板105の屈折率より大きい。一実施形態では、層102の材料は、限定しないが、SiN、TiO2、Ta2O5、SiO2、LiNbO3、およびAlNのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、たとえば層102がSiO2であるときに、屈折率を制御するために他の材料でドープすることができる。層104と層102のいずれかまたは両方を、当技術分野で一般的なように、パターン形成、エッチング、または再堆積することができる。
【0021】
その屈折率が層102の屈折率より低い層108が、層102を覆い、(以下でより詳細に記載される)層106および103の下になり、層102のパターン形成した面を平坦化する働きをする。いくつかの実施形態では、層108の上面の平面性は、化学機械研磨(CMP)または他のエッチング、化学的および/もしくは機械的研磨方法によって実現される。他の実施形態では、たとえば層108の材料がスピンオンガラス、ポリマ、フォトレジスト、または他の好適な材料である場合に、層108が堆積される方法の本質的な性質のために、平坦性が実現される。平坦化を制御して、(図1に示されるように)層102の上に、所望の、典型的には非常に低い薄さの層を残すこと、または層102の上面のレベルより上方のすべての材料を除去すること(図示せず)ができる。層108が層102の上に残される場合、目標の厚さは、数nmから数百nmの範囲にあって、実際の厚さは、平坦化プロセスの典型的な全ウェハ不均一性を含む。いくつかの実施形態では、スピンオン材料が使用されて平坦化を行い、次いで、エッチバックして、典型的なCMPプロセスと比較して改善した全ウェハ均一性がもたらされる。いくつかの実施形態では、図4を用いて記載されるように、層108が堆積されず、上面が平坦化されない。
【0022】
図3を用いて説明されるように、層101は、層106を使用して対応する(108、102)上面の全体または部分の上に結合される。というのは、中間層が、電気的接触、電流拡散、光モード閉込め、および/または、対応する(108、102)上面に結合するため使用される表面品質の改善のうちの少なくとも1つを実現するためである。一実施形態では、層106が透明導電酸化物(TCO)を含む。TCOは、可視波長での高い光透過率、および、金属のものに近い高い導電率を呈する金属酸化物材料である。一般的に使用されるTCOのいくつかの例として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)が挙げられる。いくつかの実施形態では、層101の底面は、層106の堆積の前に平坦化され、対応する(108、102)上面に結合する。他の実施形態では、層106の堆積は、結合の前の表面品質を改善するように働く。いくつかの実施形態では、層101の底面の両方が結合の前に平坦化され、層106は、表面品質をさらに改善する。
【0023】
前記結合は、直接の分子結合であってよく、または、当技術分野で知られているように、たとえばポリマフィルムなどといった結合を容易にする追加材料を使用することができる。層101は、一般的に能動領域と呼ばれるものを構成し、限定しないが、図3を用いてより詳細に記載されるように、GaNおよびGaNベースの三元および四元物質を含む材料から構成することができる。一実施形態の層101は、多層化され、能動デバイスについて当技術分野で知られているように、光学的閉込め、電気的閉込めおよび/または電気的接触を実現する層を備える。さらに別の実施形態では、層101は、光学的閉込めおよび/または1つもしくは複数の電気的接触を実現するために、より低い層106、108、102、104および/または105を使用する。
【0024】
いくつかの実施形態では、層101は、発光を行い増幅するため、効率的に電気的ポンピングをすることができる。本発明は、層101および層102中に形成される導波路間の効果的な光結合を可能にし、101と対応する(108/102)上面との間の中間層として層106を使用することによって、製造性と性能を改善することを容易にする。層102の前記の材料によって、広帯域の透明度、高強度の取扱い、温度による相偏移、歪みもしくは他の調整機構、組合せ、分割、フィルタ処理、および/または、当技術分野で知られている他のものなどのさらなる機能性を実現することができる。
【0025】
効果的な結合は層103によって容易にされ、層103は、中間導波路として働き、中間導波路は、いくつかの実施形態では、そのため層101がコアを実現する導波路によってサポートされる光モードの形状(線150によって描かれる)を受け入れ、層103が、モード形状151として効果的に形状を捕捉し、それをモード形状152、最終的に153に徐々に伝達する。モード形状153は、層102がコアを実現する導波路によって効果的にサポートされる。他の実施形態では、進行の方向を反転させることができ、層103が、層102がコアを実現する導波路によってサポートされる光モードを効率的に捕捉し、そのモード形状を、層101がコアを実現する導波路によってサポートされるモードのものへと徐々に変換する。
【0026】
層103の屈折率は、モード形状150の効率的な結合を容易にして、層102と103のうちの少なくとも1つに作られるテーパ構造物を利用することによって、モードをモード形状153を有するものに効率的に変形するように設計することができる。本発明以前、すなわち中間層103がない場合、テーパ端幅についての要件は、上記で議論したように、問題であった。しかし、中間層103を使用することによって、テーパ端幅への厳しい要件が著しく低減され、高い屈折率材料(層101中のたとえばGaNおよびその三元および四元物質など)と低い屈折率材料(層102中のたとえばSiN、SiNOx、ドープSiO2など)との間の効率的な伝達が可能になる。
【0027】
層101および102それぞれの中の導波路によってサポートされる光モード間の差異は、モード形状の観察によって明らかであっても明らかでなくともよいが、100%未満のモードの重ね合わせおよびモード150と153の間の垂直オフセットが(中間層103がない場合)著しい光損失をもたらす場合がある。いくつかの場合で、1dBまでの損失は許容できるが、それ以上の損失は許容できないと考えることができる。他の場合では、3dBの損失レベルが選択された基準であってよい。層103の機能は、不完全なモードの重ね合わせに起因する光損失を、所与の用途における許容可能レベルであると決定されるものより下に保つことである。
【0028】
103および/または102中に具体化される導波路用の上クラッド層107は周囲の空気であってよく(クラッド材料が実際には堆積されないことを意味する)、または、限定しないがポリマ、SiO2、SiN、SiONなどを含む、図1に示されるような任意の他の意図的に堆積した好適な材料であってよい。いくつかの実施形態では、層107と層108のために同じ材料が使用される。(図1には図示しない)いくつかの実施形態では、層107のクラッド機能性は複数の堆積で実現することができる。たとえば、1つの材料が、層102中に形成されるコアによって導かれるモード153用のクラッドを実現し、別の材料が、層103中に形成されるコアによって導かれるモード151用のクラッドを実現する。さらに別の実施形態では、当技術分野で知られているように、層107中の追加材料が、たとえば層101の表面を不動態化するように働く。すべての場合に、クラッド材料の屈折率は、モードを導くためのコアを実現する材料の屈折率より低い。さらに別の実施形態では、層103は、図2および統合フォトニックデバイス230を用いて説明されるような設計によって、その屈折率がより低いことにより、層102およびモード153に対してクラッド機能性を実現することができる。
【0029】
層109は、図3を用いてより詳細に記載される、層101の上に堆積される接触金属である。様々な処理ステップ期間中に形成される層間の正確な位置合わせを容易にするために、1つまたは複数のリソグラフィ用位置合わせマーク(この断面図には図示されないが、たとえば、下に記載される図2中の、220、250、および/または280を参照のこと)が存在する。
【0030】
いくつかの実施形態では、層108が存在せず、層101/106の両方が結合され、層103が、パターン形成した層102の上に堆積される。そのような実施形態では、図4を用いて記載されるような平坦化ステップがない。
【0031】
図2は、異種の材料間の効果的な結合のために、突き合わせ結合およびモード変換を利用する統合フォトニックデバイス200、230、および260のいくつかの実施形態の3つの上面図を提供する。
【0032】
統合フォトニックデバイス200は、能動デバイス201によってサポートされるモードを変換し、それを、層202に効率的に結合するためモードを変換する働きをする層203を通して導く。たとえば高反射性および/または反射防止コーティング層などといった任意選択のコーティング層(図示せず)を、層間の界面のいずれかで使用することができる。破線A、B、C、およびDは図3を用いてより詳細に記載される本発明のいくつかの実施形態によるデバイスの端面断面図、より具体的には、端面図300A、300B、300C、および300Dに対応する。
【0033】
層201および202によってサポートされるモード間の結合を容易にするため、図の最も左に示される層202の幅と比較して端部211の比較的狭い幅によって示されるように、層202の寸法は、層201に向かって先細にされる。
【0034】
テーパ寸法の要件は、層203が存在することに起因して、著しく緩和されることが計算されている。対照的に、層203がない場合、層201は、そのモードが層202の中に直接結合できるように、先細にされなければならず、層201のテーパ端(図示せず)の寸法は、同様の結合効率のためにはるかに小さくなければならない。さらに、そのような狭いテーパの電気的なポンピングが難しく、不十分にポンピングされる場合、結合損失が増加する結果となる可能性がある。
【0035】
別の実施形態では、テーパは、層202中の代わりに層203中に作成される(図示せず)。さらに別の実施形態では、テーパは、高度に効率的な結合のため、層202と203の両方の中で作成される(図示せず)。いくつかの実施形態では、層202および203中の前記テーパは、より効率的な結合を容易にするため、1つより多いエッチング深さを利用することを意味する多段テーパであってよい。層203中のテーパの場合、層203の幅は、より効率的な光モード伝達を容易にするために、図の左側に向かって、全体的に狭くなる。
【0036】
層209は、図3を用いてより詳細に記載される、層201の上に堆積される接触金属である。様々な処理ステップの間の正確な位置合わせのために、1つまたは複数のリソグラフィ用位置合わせマーク220が使用される(簡単にするためただ1つが示される)。
【0037】
統合フォトニックデバイス230は、能動デバイス231によってサポートされるモードを伝達し、それを、層232に効率的に結合するためモードを変換する働きをする層233を通して導く。たとえば高反射性および/または反射防止コーティング層などといった任意選択のコーティング層(図示せず)を、層間の界面のいずれかで使用することができる。統合フォトニックデバイス200とは対照的に、統合フォトニックデバイス230に示されるこの実施形態では、層232が画像の左側でコアを実現する導波路について、層233は、やはりクラッド材料として働く。
【0038】
層231および232によってサポートされるモード間の結合を容易にするため、図の最も左に示される層232の幅と比較して端部241の比較的狭い幅によって示されるように、層232の寸法は、層231に向かって先細にされる。
【0039】
テーパ寸法の要件は、層233が存在することに起因して、著しく緩和されることが計算されている。対照的に、層233がない場合、層231は、そのモードが層232の中に直接結合できるように、先細にされなければならず、層231のテーパ端(図示せず)の寸法は、同様の結合効率のためにはるかに小さくなければならない。さらに、そのような狭いテーパの電気的なポンピングが難しく、不十分にポンピングされる場合、結合損失が増加する結果となる可能性がある。
【0040】
層239は、図3を用いてより詳細に記載される、層231の上に堆積される接触金属である。様々な処理ステップの間の正確な位置合わせのために、1つまたは複数のリソグラフィ用位置合わせマーク250が使用される(簡単にするためただ1つが示される)。
【0041】
統合フォトニックデバイス260は本発明の実施形態を示しており、ここでは、透過率および背面反射を制御するため、異種の材料間の境界が角度を持っている。能動デバイス261によってサポートされる光学モードは、層262に効率的に結合するためモードを変換する働きをする層263を通して導かれる。たとえば高反射性および/または反射防止コーティング層などといった任意選択のコーティング層(図示せず)を、層間の界面のいずれかで使用することができる。統合フォトニックデバイス200および統合フォトニックデバイス230を用いて記載されたような両方のタイプの構造物は、統合フォトニックデバイス260を用いて記載されることになるように傾けられた境界を利用することができるが、統合フォトニックデバイス260は、統合フォトニックデバイス200を用いて記載したようなタイプのデバイスについて、傾いた変化を示す。
【0042】
層261および262によってサポートされるモード間の結合を容易にするため、図の最も左に示される層262の幅と比較して端部271の比較的狭い幅によって示されるように、層262の寸法は、層261に向かって先細にされる。テーパ寸法についての要件は、層263が存在することに起因して、最高で数百ナノメートルまで著しく緩和されることが計算されている。別の実施形態では、テーパは、層262の代わりに層263に作成される(図示せず)。さらに別の実施形態では、テーパは、高度に効率的な結合のため、層262と263の両方で作成される。いくつかの実施形態では、層262および263中の前記テーパは、より効率的な結合を容易にするため、1つより多いエッチング深さを利用することを意味する多段テーパであってよい。
【0043】
加えて、この実施形態では、層261および/または263間の界面のうちの1つまたは複数が、対応する背面反射を減らすために角度を持っている。コーティング層(図示せず)が利用される場合、複数の界面が存在する場合がある。
【0044】
角度285は、構造物261の内側の波の伝播の方向の接線と、小面(263に向いた界面)との間の角度を規定する。角度285は、モードが接合面263に達したとき、層261によってサポートされるモードの背面反射を制御するために主に利用される。一実施形態では、角度は、0°にほぼ等しい。さらに別の実施形態では、角度は、1°と45°の間である。さらに別の実施形態では、角度は、8°にほぼ等しい。さらに別の実施形態では、角度は、8°より大きく20°より小さい。さらに別の実施形態では、角度は、20°より大きい。
【0045】
角度290は、構造物261の内側の波の伝播の方向と、構造物263の内側の波の伝播の方向との間の角度を規定する。前記角度は、層261および263によってサポートされるモード間の結合効率のための最適化パラメータであり、角度285ならびに層261および263ならびにそれらそれぞれのクラッド中の使用される材料の屈折率の選択に関係する。一実施形態では、角度は、0°にほぼ等しい。さらに別の実施形態では、角度は、1°と45°の間である。さらに別の実施形態では、角度は、8°にほぼ等しい。さらに別の実施形態では、角度は、8°より大きく25°より小さい。さらに別の実施形態では、角度は、25°より大きい。
【0046】
構造物261の内側を伝播するときの光モードの中心によって規定される軸と、261/263間の界面における導波路263の中心との間の正確な垂直位置合わせ(図260における上下)が最適化パラメータであって、そのようなオフセットは、正(図260中の上)、負(図260中の下)、および/または0に実質的に等しい(オフセットなし)であってよい。そのような最適化は、角度290を最適化することとともに、変化の性能を最大化するため、数値ソフトウェアで実施するのが簡単である。
【0047】
層269は、図3を用いてより詳細に記載される、層261の上に堆積される接触金属である。様々な処理ステップの間の正確な位置合わせのために、1つまたは複数のリソグラフィ用位置合わせマーク280が使用される(簡単にするためただ1つが示される)。
【0048】
図3は、図1および図3(デバイス200および260)中のA、B、C、およびDとマーキングされた4つの特徴的な場所に対応する4つの断面図300A、300B、300C、および300Dを示す。同様の断面図を図3のデバイス230について描くことができ、主な違いは、Aでマーキングされる特徴的な場所となる(図示せず)。(明示的に異なって規定されない限り)機能層301から308は、図1に関して記載されたような機能層101から108に対応する。
【0049】
断面図300Aは、層302への光結合が完了した後の(光信号の流れは、図1中で右から左に生じると仮定する)、図1に示されるようなデバイスの左端の一実施形態を示す。断面図300Bは、層303中で支配的に存在するものから、層302中で支配的に存在するものへのモードの変化が容易である、一実施形態を示す。この変化は、層302および303のうちの少なくとも1つで実現されるテーパによって容易にされる。断面図300Cは、断面図300D中で導くのを実現する構造物から突き合わせ結合された後に、モードが主に層303中に存在する一実施形態を示す。層301、302、および303中に形成される導波路の典型的な高さおよび幅は、(20nmほどの小ささといった)サブミクロンから数ミクロンの範囲にわたることができるが、それらは、具体的な材料系、動作の波長、および実装形態に大いに依存する。効果的な結合を容易にするのに最適な寸法(幅、高さ、側壁角度など)は、たとえば、市販のシミュレーションツールまたは同様のものを使用して、すぐに計算することができる。いくつかの実施形態では、層302の厚さ(図3における垂直寸法)は、20nmと400nmの間であり、さらに他の実施形態では、400nmと2000nmの間である。
【0050】
断面図300Dは、能動デバイスを備える領域を通る例示的な断面を示す。層301は、能動デバイスを具体化するのに必要な機能性を提供する複数のサブレイヤを備える。(300Dに示されるような)一実施形態では、層306は、電気的接触、電流拡散、光モード閉込め、および/または、層301の表面品質と比較して改善した表面品質のうちの少なくとも1つを実現する一方で、層308は、結合のため平坦化した上面を実現する。別の実施形態(図示せず)では、層302の上で平坦化層308が完全に取り除かれたため、層306が層302の上にある。別の実施形態(図示せず、しかし図4を用いて記載される)では、層306が層302の上にあるが、平坦化層308がなく、その結果、層302がパターン形成される領域に空隙がもたらされる(図示せず)。さらに別の実施形態(図示せず)では、(層302が完全に取り除かれた場合)層306が層304の上にあり、かつ/または、(層302および304が完全に取り除かれた場合)層305の上にある。一実施形態では、層106がTCOを含む。
【0051】
層301(および、いくつかの実施形態では、層306)は、高性能能動デバイスを容易にするため、光学的閉込めおよび電気的閉込めを規定する働きをする。(図300Dにおける)垂直方向の光学的閉込めは、異なる屈折率に対応する材料組成によって実現され、水平方向の光学的閉込めは、屈折率を低下させたクラッド(312)を実現するための少なくとも1回のエッチングによって実現される。クラッド312は、複数の材料を含むことができ、そのいくつかは、エッチングした表面にパッシベーション機能を実現して、レーザ性能の改善をもたらすことができる。電気的閉込めは、材料組成およびエッチングまたは注入された電流チャネルによって実現される。
【0052】
一実施形態では、能動層301は、5つの別個の機能的サブレイヤ、301-1、301-2、301-3、301-4、および301-5を備える。いくつかの他の実施形態では、すべてのサブレイヤが存在する必要はないが、最低でも、301-1、301-3、および301-5が存在する。
【0053】
サブレイヤ301-1は、p型接触層である。そのような層は、一般的に、GaN材料系中で成長するのが難しく、そのため、一定の実施形態では、層306が利用されて、金属310aおよび310bに電気的接触および電流拡散機能性を実現する一方で、層301-1を比較的薄く保つ。サブレイヤ301-1は、前述したp型接触層の他に、エッチング停止層、バンドギャップ平滑化層、および/または、デバイスの性能を改善するためもしくは半導体処理の均一性を改善するために一般的に使用される他のものなどといった、複数のサブレイヤを備えることができる。
【0054】
サブレイヤ301-2は、それ自体の中に複数のサブレイヤを備えることができるp型クラッド層であって、サブレイヤ301-2の主な目的は、光モード350を制御して、能動領域中の最適化した閉込めを実現することである。層301-2は、エッチング停止層、バンドギャップ平滑化層、および/または他のものを備えることもできる。いくつかの実施形態では、閉込めの機能性は、少なくとも部分的に、層306を利用して実現することができる。
【0055】
サブレイヤ301-3は、一実施形態では、GaNベースの能動光学デバイスを設計する当業者には知られているような、量子井戸、量子障壁、および分離閉込めヘテロ構造(SCH)層のうちの少なくとも1つを備える能動領域である。いくつかの実施形態では、量子ドットが量子井戸の代わりに使用される。他の実施形態では、量子井戸の内側に埋め込まれた量子ドットが使用される。さらに別の実施形態では、たとえば、光検出器機能性またはバルク位相/強度変調器機能性を実現するため、能動領域中にバルクp(i)n接合が規定される。存在する場合には、1つまたは複数のSCH層は、傾斜してもよく、傾斜しなくてもよい。追加のエッチング停止層は、より良好な半導体処理制御を容易にするために組み込むことができる。
【0056】
サブレイヤ301-4は、それ自体の中に複数のサブレイヤを備えることができるn型クラッド層である。サブレイヤ301-4の厚さおよび屈折率は、能動領域中の閉込めを制御し、上の接触層中の吸収損失を減らすための最適化パラメータである。301-4は、1つまたは複数のエッチング停止層およびバンドギャップ平滑化層を備えることもできる。
【0057】
サブレイヤ301-5は、金属309に効率的な電気的接触を実現するn型接触層である。
【0058】
図300Dの場合にはそのうちの3つ(309、310a、および310b)が示されるが、少なくとも2つの金属接触が使用されて、能動領域へのキャリア注入、電場の印可、および/または両方を実現する。
【0059】
断面図300Dに示される実施形態では、2つのエッチングが利用される。1つは、典型的には能動領域上で停止するが、光モード350を規定するとともに、電流閉込め機能性を実現する。第2のものは、層306へのアクセスを開き、少なくとも1組の電気的接触310a/310bを実現する。他の実施形態では、単一の完全貫通エッチング層301が、すべての言及した機能性を実現することができる。さらに別の実施形態では、2つより多くのエッチングを利用して、プロセス品質をより良好に制御することができる。当技術分野で知られているように、(層301中の正確な場所で停止する意図をもつ)特定のエッチングが、品質を改善するためドライエッチングとウェットエッチングの両方、ならびに、複数のリソグラフィステップを含むことができることが理解されたい。
【0060】
図4は、図1に関して記載したような、平坦化層108がない異種の材料間の効率的な結合のために、突き合わせ結合およびモード変換を利用する統合フォトニックデバイス400の一実施形態の概略断面図である。(明示的に異なって規定されない限り)機能層401から409は、図1に関して記載されたような機能層101から109に対応し、モード450から453は、図1に関して記載されたような同様のモード150から153に対応する。平坦化層(図1中の108)がないことに起因して、層403の底面は平坦ではなく、図1に記載した平坦化の場合と比較して450から453への結合効率を一般的に低下させる。この手法の利点は、化学的機械的研磨(CMP)を行う、または行わない、平坦化を実現するための材料の堆積を必要としない、簡単な処理という点である。CMPを用いる主な問題は、ウェハにわたる良好な均一性を実現する能力であって、これがない場合、デバイス性能により大きいばらつきが存在する。いくつかの用途では、図4を用いて説明されるように、通常は結合効率が低下するにもかかわらず、簡単な処理によって恩恵を被ることができる。
【0061】
本発明は、性能改善されたレーザ、増幅器、変調器、および光検出器を含む高性能導波路と統合したGaN能動素子を採用するPICに関する。特に、下で記載される実施形態は、高性能レーザ、増幅器、変調器、および光検出器の作成に必要な、ヘテロジニアス統合光結合構造物の詳細な設計およびモード制御に関係する。
【0062】
本発明の実施形態は、多くの利点を提供する。統合プラットフォームによって、GaN材料を用いたPICを、ダイ-ウェハ結合またはウェハ-ウェハ結合を使用して大きいウェハ(現行では最大12インチ)にスケーラブルに製造することが可能になり、高性能導波路および受動構成要素も実現することが可能になる。
【0063】
他の手法は、予め製造した光能動デバイスの受動導波路へのダイ取付けに依拠している。これは、典型的なダイボンディング機が実現できるもの典型的には超えている、非常に厳しい位置合わせ精度を必要とする。この態様は、このプロセスのスループットならびに光結合の性能を制限する。
【0064】
異種の材料間の効率的な光伝達が、モード変換器(中間導波路)と組み合わせた突き合わせ結合手法を使用することによって容易になり、現行の従来技術の工具を用いて解決し製造するのが難しい能動材料中の狭いテーパ端の必要をなくす一方で、難しい光ポンピングも実現する。中間導波路と受動導波路の間の変化は、両方の中のテーパを利用して効率的な結合を容易にするが、一般的に、その幅が100nm以上を超えるテーパを用いてさえ高性能が実現される。
【0065】
能動層と受動層中のモード間の光結合が相互の関係であり、したがって、図1を例に取ると、構造物は、領域101から領域102への光の伝達を容易にするが、領域102から領域101に逆の方向への伝達も容易にするように構成できることを理解されたい。それらの数または向きに制限がない複数のそのような変化を、好適に構成したPIC上で実現できることを理解されたい。
【0066】
本明細書に記載される光デバイスの実施形態は、限定しないが、様々な計算用および/または家庭用電子デバイス/機器、通信システム、センサ、および検知システムを含む、様々な他のデバイスおよびシステムの中に組み込むことができる。
【0067】
本開示は例示的な実施形態のほんの少しの例を教示しており、本開示を読めば当業者が本発明の多くの変形形態を容易に考案できること、本発明の範囲は、以下の請求項によって規定されるべきであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0068】
101 層、機能層、領域
102 材料、層、機能層、領域
103 層、中間層、機能層
104 第2の材料の層、層、機能層、
105 基板、層、機能層
106 層、機能層
107 層、機能層
108 層、機能層、平坦化層
109 層、機能層
150 線、モード形状、モード
151 モード形状、モード
152 モード形状、モード
153 モード形状、モード
200 統合フォトニックデバイス、デバイス
201 能動デバイス、層
202 層
203 層
209 層
211 端部
220 リソグラフィ用位置合わせマーク
230 統合フォトニックデバイス
231 能動デバイス、層
232 層
233 層
239 層
241 端部
250 リソグラフィ用位置合わせマーク
260 統合フォトニックデバイス、デバイス
261 能動デバイス、層、構造物
262 層
263 層、構造物、導波路
269 層
271 端部
280 リソグラフィ用位置合わせマーク
285 角度
290 角度
301 機能層、層、能動層、完全貫通エッチング層
301-1 機能的サブレイヤ、層
301-2 機能的サブレイヤ、層
301-3 機能的サブレイヤ、層
301-4 機能的サブレイヤ
301-5 機能的サブレイヤ
302 機能層、層
303 機能層、層
304 機能層、層
305 機能層、層
306 機能層、層
307 機能層
308 機能層、層、平坦化層
309 金属、金属接触
310a 金属、金属接触、電気的接触
310b 金属、金属接触、電気的接触
312 クラッド
350 光モード
400 統合フォトニックデバイス
401 機能層
402 機能層
403 機能層
404 機能層
405 機能層
406 機能層
407 機能層
408 機能層
409 機能層
450 モード
451 モード
452 モード
453 モード
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4