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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240220BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20240220BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20240220BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H04N1/00 567H
H04N1/10
G03B27/62
G03G21/00 386
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022168552
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2018212044の分割
【原出願日】2018-11-12
(65)【公開番号】P2023009072
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 数馬
(72)【発明者】
【氏名】廣 英幸
(72)【発明者】
【氏名】川野 雅央
(72)【発明者】
【氏名】古澤 真之
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-084403(JP,A)
【文献】特開2018-026053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/10
G03B 27/62
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する原稿載置と、前記原稿載置上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備え、複数の原稿面を1面ずつ読み取り可能な画像形成装置であって、
表示部と、
前記原稿の取り忘れを報知する報知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記原稿を読み取って得られた画像データに対応する画像を、画像の印刷処理に先立って前記表示部に表示するプレビュー機能を実行し、
前記プレビュー機能を実行している場合において、前記画像の読み取り開始キーを前記表示部に表示させ、
前記複数の原稿面のうち最終の原稿面の読み取り後、前記報知部を作動させ
前記複数の原稿面の読み取りモードが設定された状態において、最初の原稿面の読み取りを完了しても前記報知部を作動させないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
原稿を載置する原稿載置と、前記原稿載置上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備え、複数の原稿面を1面ずつ読み取り可能な画像形成装置であって、
前記原稿の取り忘れを報知する報知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の原稿面のうち最終の原稿面の読み取り後、前記報知部を作動させ、
前記原稿の読み取りを中止するためのキャンセルキーが操作された場合、前記報知部を作動させ
前記複数の原稿面の読み取りモードが設定された状態において、最初の原稿面の読み取りを完了しても前記報知部を作動させないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記原稿の読み取り中にキャンセルキーが操作された場合、前記報知部を作動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記報知部を作動させているときに、次のジョブが開始されると、前記報知部の作動を終了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記報知部を作動させているときに、次のジョブが開始されると、前記報知部の作動を維持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記原稿の取り忘れを報知する前記報知部を作動させる制御と、前記報知部を作動させない制御とを切り換え可能にしたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複写機、複合機、プリンタ装置及びファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の原稿を1枚ずつ順次搬送する原稿搬送装置を備えた画像読取装置は、原稿搬送装置により搬送される複数枚の原稿を1枚ずつ順次読み取る。また、原稿を載置する原稿載置台と、原稿載置台上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備えた画像読取装置は、複数の原稿面を1面ずつ読み取る。かかる画像読取装置では、従来、複数の原稿のうち最終原稿を読み取った否かが認識されていなかったために、次のような不都合があった。
【0003】
すなわち、従来の画像読取装置として、例えば、原稿排出トレイと、原稿排出トレイに原稿が排出されているか否かを検知する原稿排出検知部と、原稿排出トレイに排出されている原稿の取り忘れを報知する報知部(例えばLED等の発光素子や表示パネル)とを備えたものがある。
【0004】
このような画像読取装置では、画像形成動作終了後、原稿排出検知部で原稿を検知した場合(原稿排出トレイに原稿が残っている場合)に報知部で報知(例えば発光素子の発光や表示パネルの表示)を行っていた。また、原稿排出検知部で原稿を検知しなくなると(原稿排出トレイの原稿が取り除かれると)に報知部での報知を解除(例えば発光素子の発光や表示パネルの表示を解除)していた(例えば特許文献1参照)。
【0005】
ところが、従来の画像読取装置では、報知部での報知に関して、ジョブの実行後すぐ(原稿1枚目)に報知させるため、実際に原稿を原稿排出トレイから取り除く(ジョブ完了)まで報知したままの状態になり変化がないことからユーザーが気付きにくいという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-312106号公報
【文献】特開2012-231305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この点に関し、特許文献2には、読み取る前の原稿を載置する原稿載置トレイに載置された複数枚の原稿が搬送されて読取部に搬送されて原稿載置トレイに原稿がなくなったことを検知した場合に報知部での報知(ランプを発光)することが開示されている。
【0008】
しかしながら、複数枚の原稿のうちの最終原稿の読み取り後が認識されていないため、最終原稿の読み取り後を確実に認識した状態で、報知部にて原稿の取り忘れを報知することができない。
【0009】
そこで、本開示は、複数枚の原稿のうちの最終原稿面の読み取り後を確実に認識した状態で、報知部にて原稿の取り忘れを報知することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本開示は、次の第1態様及び第2態様の画像形成装置を提供する。
【0011】
(1)第1態様の画像形成装置
本開示に係る第1態様の画像形成装置は、原稿を載置する原稿載置と、前記原稿載置上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備え、複数の原稿面を1面ずつ読み取り可能な画像形成装置であって、表示部と、前記原稿の取り忘れを報知する報知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記原稿を読み取って得られた画像データに対応する画像を、画像の印刷処理に先立って前記表示部に表示するプレビュー機能を実行し、前記プレビュー機能を実行している場合において、前記画像の読み取り開始キーを前記表示部に表示させ、前記複数の原稿面のうち最終の原稿面の読み取り後、前記報知部を作動させ、前記複数の原稿面の読み取りモードが設定された状態において、前記制御部は、最初の原稿面の読み取りを完了しても前記報知部を作動させないことを特徴とする。
(2)第2態様の画像形成装置
本開示に係る第2態様の画像形成装置は、原稿を載置する原稿載置と、前記原稿載置上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備え、複数の原稿面を1面ずつ読み取り可能な画像形成装置であって、前記原稿の取り忘れを報知する報知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の原稿面のうち最終の原稿面の読み取り後、前記報知部を作動させ、前記原稿の読み取りを中止するためのキャンセルキーが操作された場合、前記報知部を作動させ、前記複数の原稿面の読み取りモードが設定された状態において、前記制御部は、最初の原稿面の読み取りを完了しても前記報知部を作動させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
開示によると、複数枚の原稿のうちの最終原稿の読み取り後を確実に認識した状態で、報知部にて原稿の取り忘れを報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
図2】本実施の形態に係る画像形成装置の一例の外観を示す斜視図である。
図3図1に示す画像形成装置における操作装置を示す平面図である。
図4図1に示す画像形成装置における制御系のシステムブロック図である。
図5図1に示す原稿搬送装置を示す斜視図である。
図6図1に示す原稿搬送装置の平面図である。
図7図1に示す原稿搬送装置の正面図である。
図8図1に示す原稿搬送装置の側面図である。
図9】光源収納部近傍を示す拡大底面図である。
図10】原稿排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。
図11】原稿の取り忘れの報知の制御動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
図12】通常モードのサブルーチンを示すフローチャートである。
図13】プレビューモードのサブルーチンを示すフローチャートである。
図14】大量原稿読取モードのサブルーチンを示すフローチャートである。
図15】次ジョブ動作のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成を透視的に示す正面図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置100の一例の外観を示す斜視図である。図3は、図1に示す画像形成装置100における操作装置120を示す平面図である。また、図4は、図1に示す画像形成装置100における制御系のシステムブロック図である。なお、図1及び図2において、符号Xは、横方向(左右方向)を、符号Yは、幅方向(前後方向)を、符号Zは、高さ方向(上下方向)を示している。
【0017】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102によって読み取られた原稿の画像を外部に送信する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102にて読み取った原稿の画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で用紙(シート)に画像形成する。
【0018】
画像読取部130の上側には、画像読取部130に対して開閉自在に支持された原稿搬送装置160〔原稿自動送り装置(ADF)〕が設けられている。画像読取装置102は、原稿搬送装置160を備えている。原稿搬送装置160は、複数枚の原稿を1枚ずつ順に搬送する。画像読取装置102は、原稿搬送装置160により複数枚の原稿のうち1枚ずつ搬送される原稿を読み取る。画像読取装置102は、原稿を載置する原稿載置台130aと、原稿載置台130a上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備えている。画像形成装置100は、原稿搬送装置160が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿を手置きで置くことができるようになっている。また、原稿搬送装置160は、原稿を載置する原稿載置トレイ161と、外部に排出された原稿を積載する原稿排出トレイ162とを備えている。画像読取装置102は、原稿搬送装置160にて搬送された原稿を読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿搬送装置160は、原稿載置トレイ161に載置された原稿を画像読取部130における原稿読取部130b上に搬送する。画像読取部130は、走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿を読み取るか又は原稿搬送装置160にて搬送される原稿を読み取って画像データを生成する。
【0019】
画像形成装置100は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、中間転写ベルト7、定着装置12、用紙搬送路S、給紙カセット18、胴内排出トレイ141を備えている。
【0020】
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置100の画像転写部50には、4種類のトナー像を形成するための現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0021】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0022】
感光体ドラム3の上側には、中間転写ベルト7を介して中間転写ローラ6が配置されている。中間転写ベルト7は、転写駆動ローラ7a及び転写従動ローラ7bに張架され、矢符Cの方向へ周回移動する。画像形成装置100では、ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収し、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写ベルト7の表面にカラーのトナー像を形成する。
【0023】
2次転写部11の転写ローラ11aは、中間転写ベルト7との間にニップ域が形成されており、用紙搬送路Sを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト7の表面のトナー像が転写されて定着装置12に搬送される。
【0024】
定着装置12は、用紙を挟んで回転する定着ローラ31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ローラ31及び加圧ローラ32の間にトナー像が転写された用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像を用紙に定着させる。
【0025】
給紙カセット18は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。用紙は、用紙ピックアップローラ16によって給紙カセット18から引き出されて、用紙搬送路Sに搬送される。用紙搬送路Sに搬送された用紙は、2次転写部11や定着装置12を経由し、排出ローラ17に搬送され、胴内排出トレイ141に排出される。用紙搬送路Sには、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ17が配置されている。搬送ローラ13は、用紙の搬送を促す。レジストローラ14は、用紙を一旦停止させて、用紙の先端を揃える。レジストローラ14は、一旦停止した用紙を中間転写ベルト7上のカラートナー像とタイミングに合わせて搬送する。中間転写ベルト7上のカラートナー像は、中間転写ベルト7と転写ローラ11aとの間のニップ域で用紙に転写される。
【0026】
なお、図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成とし、それぞれに異なる種類の用紙を積載してもよい。
【0027】
また、画像形成装置100は、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排出ローラ17から用紙反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送された用紙の表裏を反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれた用紙を表面と同様にして裏面に画像形成し、胴内排出トレイ141に搬出する。
【0028】
画像形成装置100は、画像形成部110と、操作装置120(操作パネル)と、画像読取部130と、排出部140と、支持部150と、原稿搬送装置160と、制御部170とを備えている。排出部140は、画像形成部110及び画像読取部130の間に用紙を排出する。支持部150は、画像形成部110及び画像読取部130の間に空間SPを設けるように画像読取部130を支持する。
【0029】
画像形成装置本体101は、略直方体形状とされている。画像形成装置本体101の上面には、画像読取部130が設けられ、画像読取部130上には、原稿搬送装置160が取り付けられている。また、操作装置120は、画像読取部130に隣接しており、画像形成装置本体101の上面に設けられた画像読取部130の前面側に設けられている。ここで、前面側は、操作者が操作装置120を操作する操作側である。
操作装置120は、画像読取部130の横方向Xにおける端部(具体的には右側端部)に設けられている。操作装置120は、画像読取部130に対して高さ方向Zに揺動(チルト)する構成とされている。
【0030】
(各種キー)
操作装置120には、操作者に操作される各種キー121と表示部122(液晶表示装置)とが設けられている。各種キー121及び表示部122は、制御部170に電気的に接続されている。各種キー121(ハードウェアキー)は、電源キー121a及び節電キー121bを含んでいる。電源キー121aは、機械的なメイン電源スイッチ(図示省略)がオンされた状態で画像形成装置100への電力供給をオンオフするためのキーである。詳しくは、電源キー121aは、電気的なサブ電源スイッチであり、オフされているときには、特定の構成要素、例えば、電話回線によるファクシミリやインターネットファックシミリ機能以外は機能しない。節電キー121bは、画像形成装置100が待機状態のときにオンオフするためのキーであり、オンされたときには、画像形成装置100の待機中の消費電力を抑える省エネルギーモードに入り、オフされたときには、省エネルギーモードが解除される。
【0031】
また、表示部122の表示画面上には、ジョブ(複写ジョブ、スキャンジョブ、ファクシミリジョブ)を実行するためのジョブ実行キー122a(ソフトウェアキー)(図3及び図4参照)が入力操作可能に表示される。ここで、「ジョブ」とは、ユーザーが目的の画像形成操作を行って画像形成動作が終了するまでの一連の動作を言う。また、表示部122の表示画面上には、原稿を読み取り中に原稿の読み取りを中止するためのキャンセルキー122b(図4参照)や、大量原稿読取機能で複数回の読み取り動作のうち最終回の読み取りを指示するための原稿読取終了キー122c(図4参照)が表示されることもある。
【0032】
なお、図3に示す操作装置120において、符号121cは、ハードウェアキーであって、ホーム画面(初期画面)に移行するホーム画面キーである。符号122d~122iは、ソフトウェアキーであって、それぞれ、カラーモードを選択するカラーモードキー、原稿サイズを選択する原稿サイズキー、用紙サイズを選択する用紙選択キー、両面コピーを選択する両面コピーキー、倍率を選択する倍率選択キー、コピー濃度を選択するコピー濃度キーである。
【0033】
(操作部)
画像形成装置100において、画像読取部130の前面、支持部150の前面、操作装置120で操作部103を構成している。
【0034】
(制御部)
制御部170は、CPU等のマイクロコンピュータからなる処理部171と、ROM等の不揮発性メモリー、RAM等の揮発性メモリーを含む記憶部172とを有している。制御部170は、処理部171が記憶部172のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部172のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。
【0035】
画像形成装置100は、報知部(この例では光源180)をさらに備えている。光源180は、制御部170の出力系に電気的に接続されており、制御部170からの作動信号により、点灯又は消灯することができる。
【0036】
<原稿取り忘れの報知>
制御部170は、複数枚の原稿のうちの最終原稿の読み取り後を判定する判定部171aを備える。
【0037】
本実施の形態によれば、判定部171aにより複数枚の原稿のうちの最終原稿の読み取り後(原稿の読み取りの完了)を判定するので、最終原稿の読み取り後を確実に認識した状態で、報知部(光源180)にて原稿排出トレイに排出されている原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0038】
図5は、図1に示す原稿搬送装置160を示す斜視図である。図6は、図1に示す原稿搬送装置160の平面図である。図7は、図1に示す原稿搬送装置160の正面図である。図8は、図1に示す原稿搬送装置160の側面図である。図9は、光源収納部168近傍を示す拡大底面図である。また、図10は、原稿排出トレイ162に対する光源180の位置を模式的に示す模式側面図である。
【0039】
原稿排出トレイ162は、原稿排出口163から排出方向Hに沿って排出された原稿を積載する。原稿搬送装置160では、正面に沿った横方向Xにおいて、一方の端部側(図6では、左側)に搬送部164が設けられ、他方の端部側(図6では、右側)に原稿載置トレイ161及び原稿排出トレイ162が設けられている。原稿載置トレイ161と原稿排出トレイ162とは、高さ方向Zで並べて設けられ、原稿載置トレイ161が上段に配置され、原稿排出トレイ162が下段に配置されている。つまり、原稿載置トレイ161は、搬送部164の上部に設けられた原稿挿入口165から他方の端部側へ延伸して設けられている。原稿排出トレイ162は、搬送部164の下部に設けられた原稿排出口163から他方の端部側へ延伸して設けられている。従って、原稿載置トレイ161から原稿が挿入される方向(図6では、左向き)は、原稿排出トレイ162に対する原稿の排出方向H(図6では、右向き)に対して、向きが逆になっている。
【0040】
原稿搬送装置160では、原稿載置トレイ161に載置された原稿を、原稿挿入口165を介して搬送部164の内部に取り入れる。そして、搬送部164の内部において、画像読取装置102で読み取られた原稿は、原稿排出口163に設けられた原稿排出ローラ166を介して、搬送部164から排出されて原稿排出トレイ162に積載される。この例では、排出方向Hと直交する方向は、幅方向Y(図6では、上下方向)としている。
【0041】
原稿載置トレイ161は、原稿挿入口165と反対側の端部(原稿載置トレイ延伸端161a)よりも、原稿挿入口165に面する側の端部の方が、低くなるように傾斜している。すなわち、原稿載置トレイ161に原稿を載置した際、原稿は、自重によって、原稿挿入口165の側へ滑って移動するように傾斜が設けられている。
【0042】
原稿排出トレイ162は、原稿載置トレイ161と略同じように、原稿排出口163と反対側の端部(原稿排出トレイ延伸端162a)の方が、高くなるように傾斜している。原稿排出口163から原稿を排出する際、原稿は、原稿排出ローラ166によって、排出方向Hへ少し勢いが付けられる。この勢いによって原稿が原稿排出トレイ162から落下しないように、原稿排出口163の側へ滑って移動させることで、原稿排出トレイ162上の原稿が整頓される。なお、原稿載置トレイ161と原稿排出トレイ162とで傾斜の角度が同じ又は略同じであってもよいし、違っていてもよい。
【0043】
また、原稿載置トレイ161には、排出方向Hにおける下流側(図6では、右端)であって、幅方向Yで原稿搬送装置160の手前側(図6では、下方)の端部に、切欠部167が設けられている。原稿載置トレイ161と原稿排出トレイ162とは、平面視した状態(例えば、図6)で重なるように配置されているが、切欠部167に対応する部分では、原稿排出トレイ162が露出している。なお、以下では説明のため、幅方向Yにおいて、原稿搬送装置160(画像形成装置100)の正面の側を手前側と呼び、原稿搬送装置160の背面の側を奥側(図6では、上方)と呼ぶことがある。
【0044】
図6に示すように、原稿載置トレイ161は、平面視において、略矩形状に形成されており、切欠部167は、原稿載置トレイ161の角に対応する部分に設けられている。切欠部167を設けた部分における原稿載置トレイ161の外縁部について、比較的、横方向Xに沿った側辺を切欠第1側辺167aと呼び、比較的、幅方向Yに沿った側辺を切欠第2側辺167bとを呼ぶ。つまり、切欠第1側辺167aは、原稿載置トレイ161自体の横方向Xに沿った側辺(図6では、下辺)よりも奥側(図6では、上方)に位置し、切欠第2側辺167bは、原稿載置トレイ161自体の幅方向Yに沿った側辺(図6では、右辺)よりも上流側(図6では、左方)に位置している。図6では、切欠第1側辺167a及び切欠第2側辺167bに基づいて、排出方向Hで切欠部167が設けられている範囲(切欠部領域KR)を示している。
【0045】
画像形成装置100では、通常、ユーザーが正面の側に立って操作することを想定しており、正面の側に操作装置120(操作パネル)などが設けられている。また、原稿や用紙を回収する際も、正面の側から手を差し入れ易いように設計されている。
【0046】
原稿載置トレイ161の下面であって、切欠部167の近傍には、光源180を収納する光源収納部168が設けられている。光源収納部168は、切欠部167に沿った原稿載置トレイ161の外縁部であって、切欠部167よりも少し奥側に設けられている。光源収納部168近傍の構造については、図9を参照しながら説明する。
【0047】
原稿排出トレイ162は、原稿排出トレイ延伸端162aの側が高くなるように傾斜しており、この傾斜に基づいて傾斜面が設定されている。そして、原稿排出トレイ162では、傾斜面に対して、部分的に高さ方向Zでの位置が異なるように、凸部162b及び凹部162cが設けられている。なお、凸部162b及び凹部162cの形状については、図10を参照して、詳細に説明する。
【0048】
また、原稿排出トレイ162は、外縁に沿って設けられた立ち壁162dを有する。立ち壁162dは、頂面の高さが一致しており、横方向X及び幅方向Yに平行な面となっている。つまり、原稿排出トレイ162のうち、立ち壁162dの部分では、傾斜しておらず、水平になっている。
【0049】
図9は、原稿載置トレイ161を下方から見た状態であって、切欠第1側辺167aに沿う位置に設けられた光源収納部168近傍を拡大して示している。原稿載置トレイ161の内部であって、光源収納部168に面する部分には、光源180が設けられている。また、光源収納部168には、原稿載置トレイ161の下面側の筐体を開口する開口部169が設けられており、光源180の一部が開口部169を介して露出している。光源180は、例えば、LEDなどの発光素子を備えており、光源180から照射された光が開口部169から出射する。原稿載置トレイ161の切欠部167は、ユーザーが、原稿載置トレイ161と原稿排出トレイ162との間に手を差し入れやすくするために設けられており、原稿を取り出す際に注目されやすい。そこで、その近傍に光源180を配置することで、ユーザーの視界に入りやすくなり、光の照射が容易にわかる。
【0050】
図10は、原稿搬送装置160について、原稿排出トレイ延伸端162aが設けられている側の側面から見た状態を模式的に示している。なお、原稿排出トレイ162だけは、凹凸を強調するため、光源180に面する部分での断面を示し、ハッチングしている。また、図10では、図面の見易さを考慮して、原稿排出トレイ162上に積載された1枚の原稿Gを示しているが、これに限定されず、原稿排出トレイ162上には、複数の原稿Gが積載されてもよい。さらに、図10に示す原稿Gは、原稿搬送装置160で搬送される原稿Gのうち、幅方向Yの長さが最大サイズの原稿Gを示している。
【0051】
原稿排出トレイ162の幅方向Yでの略中央には、周囲よりも上方へ突出した凸部162bが設けられており、凸部162bの手前側(図10では、左方)に隣接して凹部162cが設けられている。そして、原稿搬送装置160の外縁であって、手前側の端部には、立ち壁162dが設けられている。つまり、立ち壁162dと凸部162bとの間の部分に、凹部162cが存在している。図10に示す断面では、高さ方向Zにおいて、凸部162bが最も高く、立ち壁162dが二番目に高く、凹部162cが最も低くなっている。
【0052】
本実施の形態において、凸部162bは、原稿排出トレイ162のうち、幅方向Yで広い部分に設けられており、側面視では、台形状に隆起している。図10に示す断面において、凸部162bは、頂上の高さが略揃っており、幅方向Yの端部に急峻な段差が設けられている。互いに隣接する凸部162bと凹部162cとの境界では、両者の高低差が合わさって、さらに大きな段差となっており、高さ方向Zに立設した壁部162eが設けられている。なお、壁部162eは、凸部162bの頂面に対して、境界を明確にする傾斜となっていればよく、完全な垂直でなくてもよい。また、上端や下端においては、原稿Gの引っ掛かりを防ぐために、丸みを帯びた形状となっていてもよい。
【0053】
凸部162bは、幅方向Yにおいて、原稿排出トレイ162の略中央よりも少し奥側に位置しており、幅方向Yでの長さが、最大原稿サイズよりも短い。原稿排出トレイ162上の原稿Gは、幅方向Yにおいて、大凡の部分が凸部162bと重なっており、凸部162bの外側に端部が少しはみ出している。原稿Gのうち、凸部162bより手前側にはみ出した部分は、壁部162e及び凹部162cの上方に位置しており、凸部162bとの高低差によって、下方へ垂れ下がり、原稿Gが山状に湾曲している。
【0054】
切欠部167において、切欠第1側辺167aは、幅方向Yで壁部162eと略同じ位置に設けられている。光源180は、切欠第1側辺167aの近傍に設けられ、原稿排出トレイ162(下方)に向かって光を照らす。図10の一点鎖線は、光源180からの光が照射される範囲(照射範囲SR)を示しており、幅方向Yにおいて、凸部162bと凹部162cとの境界付近が、照射範囲SRに含まれている。なお、排出方向Hに対する照射範囲SRは、適宜設定すればよく、積載された原稿Gと原稿排出トレイ162との両方を含むように設定されていることが好ましい。
【0055】
(原稿の取り忘れの報知に関する制御例)
次に、原稿の取り忘れの報知について説明する。原稿の取り忘れを報知する報知部としては、原稿の取り忘れを光源の点灯、アラーム音、音声のうち何れか1つ又は少なくとも2つの組み合わせにより行う態様を例示できる。この例では、原稿Gの取り忘れの報知を光源180の点灯により行う。
【0056】
ところで、原稿の取り忘れを報知する際に、ユーザーが原稿を取り除くまで光源180を点灯させると、ユーザーが原稿を取り除かない限り光源180が点灯することになり、従って、過度な警報となってしまう。この点、本実施の形態では、制御部170は、原稿の取り忘れを報知するときには、光源180を点灯した時点から所定時間経過後に消灯する。例えば、制御部170は、所定の点灯パターンで点灯する。所定の点灯パターンとしては、所定時間(例えば12秒間)内で複数回(例えば3回)の点滅(例えば2秒間の点灯、2秒間の消灯)を繰り返す点灯パターンを例示できる。こうすることで、ユーザーが原稿Gを取り除かない限り光源180が点灯するといった過度な警報を回避することができる。
【0057】
画像読取装置102は、原稿載置検知部191と、原稿排出検知部192とをさらに備えている。原稿載置検知部191は、原稿載置トレイ161に載置される原稿の有無を検知する。原稿排出検知部192は、原稿排出トレイ162に原稿が排出されているか否か、すなわち、原稿排出トレイ162に排出される原稿の有無を検知する。原稿載置検知部191及び原稿排出検知部192は、制御部170の入力系に電気的に接続されている。原稿載置検知部191は、原稿載置トレイ161に原稿が載置されたか否かを示す信号を制御部170に送信する。これにより、制御部170は、原稿載置トレイ161に原稿が載置されたか否かを認識(検出)することができる。また、原稿排出検知部192は、原稿排出トレイ162に原稿が排出されたか否かを示す信号を制御部170に送信する。これにより、制御部170は、原稿排出トレイ162に原稿が排出されたか否かを認識(検出)することができる。原稿載置検知部191及び原稿排出検知部192は、従来公知のものを用いることができ、代表的には、原稿からの光を検知する光反射型センサや、原稿の有無によりオンオフするアクチュエータを備えた光透過型センサを挙げることができる。
【0058】
ところで、画像読取装置102は、原稿載置トレイ161に原稿を載置する最大枚数(所定の許容枚数)が予め決められており、その最大枚数を超えて載置することができず、大量原稿読取機能がないと、1つのジョブにおいて最大枚数を超えて原稿を読み取ることができない。この点、画像読取装置102は、大量原稿読取機能をさらに備えている。大量原稿読取機能は、1つのジョブにおいて複数枚の原稿を複数回に分けて読み取る機能である。これにより、1つのジョブにおいて最大枚数を超えても原稿を読み取ることができる。また、画像読取装置102は、表示部122と、プレビュー機能とをさらに備えている。プレビュー機能は、原稿を読み取って得られた画像データに対応する画像(サムネイル画像)をジョブの実行に先立って表示部122に表示する機能である。制御部170は、操作部103にてユーザーの操作を選択的に受け付けることにより、大量原稿読取機能及びプレビュー機能を実行する。
【0059】
図11から図15は、原稿の取り忘れの報知の制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートにおいて、制御部170は、原稿の読み取る際には、“原稿の読み取りを中止する場合には「キャンセルキー」を押下して下さい”といったメッセージを表示部122に表示すると共に、キャンセルキー122bを入力操作可能に表示部122に表示する。
【0060】
<メインルーチン>
図11は、原稿の取り忘れの報知の制御動作のメインルーチンを示すフローチャートである。図11に示すように、メインルーチンでは、先ず、制御部170は、原稿載置検知部191にて原稿載置トレイ161に原稿が載置されているか否かを判断し(S1)、原稿が載置されていない場合には(S1:No)、載置原稿読取機能を行うまで待機する(S2:No)。制御部170は、ユーザーにより原稿載置台130aに原稿が載置されてジョブ実行キー122a(所謂スタートキー)が押下(オン)されると、載置原稿読取機能を実行し(S3)、S1に移行する。
【0061】
一方、制御部170は、原稿載置トレイ161に原稿が載置されている場合には(S1:Yes)、大量原稿読取機能が有効であるか否かを判断し(S4)、大量原稿読取機能が無効である場合には(S4:No)、プレビュー機能が有効であるか否かを判断する(S5)。次に、制御部170は、プレビュー機能が無効である場合には(S5:No)、通常モードのサブルーチンを実行し(S10)、S6へ移行する。また、制御部170は、プレビュー機能が有効である場合には(S5:Yes)、プレビューモードのサブルーチンを実行し(S20)、S6へ移行する。一方、制御部170は、大量原稿読取機能が有効である場合には(S4:Yes)、大量原稿読取モードのサブルーチンの実行し(S30)、S6へ移行する。
【0062】
次に、制御部170は、原稿排出トレイ162に原稿が排出されて原稿排出検知部192がオンしているか否かを判断し(S6)、原稿排出検知部192がオンしている場合には(S6:Yes)、光源180を所定の点灯パターンで点灯させ(S7)、次ジョブ動作のサブルーチンを実行し(S40)、処理を終了する。一方、制御部170は、原稿排出検知部192がオフしている場合には(S6:No)、光源180を所定の点灯パターンで点灯させずに、次ジョブ動作のサブルーチンを実行し(S40)、処理を終了する。
【0063】
<通常モードのサブルーチン>
図12は、通常モードのサブルーチンを示すフローチャートである。図12に示すように、通常モードのサブルーチンでは、先ず、制御部170は、原稿の読み取りを開始するが(S11)、このとき、ユーザーによりキャンセルキー122bが押下(オン)されずに(S12:No)、原稿の読み取りが完了するまで(S13:No)、S11~S13の処理を行い、キャンセルキー122bが押下されると(S12:Yes)、原稿の読み取りを中止し(S14)、図11に示すS6に戻る。一方、制御部170は、原稿の読み取りが完了すると(S13:Yes)、ジョブを開始するためのジョブ開始信号をオンし(S15)、図11に示すS6に戻る。
【0064】
<プレビューモードのサブルーチン>
図13は、プレビューモードのサブルーチンを示すフローチャートである。図13に示すように、プレビューモードのサブルーチンでは、先ず、制御部170は、原稿の読み取りを開始するが(S21)、このとき、ユーザーによりキャンセルキー122bが押下されずに(S22:No)、原稿の読み取りが完了するまで(S23:No)、S21~S23の処理を行い、キャンセルキー122bが押下されると(S22:Yes)、原稿の読み取りを中止し(S24)、図11に示すS6に戻る。ここまでは通常モードと同様である。一方、制御部170は、原稿の読み取りが完了すると(S23:Yes)、プレビュー画像表示を行い(S25)、ユーザーによりキャンセルキー122bが押下されずに(S26:No)、ユーザーによりジョブ実行キー122aが押下されるまで(S27:No)、S25~S27の処理を行い、キャンセルキー122bが押下されると(S26:Yes)、図11に示すS6に戻る。一方、制御部170は、ジョブ実行キー122aが押下されると(S27:Yes)、ジョブ開始信号をオンし(S28)、図11に示すS6に戻る。
【0065】
<大量原稿読取モードのサブルーチン>
図14は、大量原稿読取モードのサブルーチンを示すフローチャートである。図14に示すように、大量原稿読取モードのサブルーチンでは、先ず、制御部170は、原稿の読み取りを開始するが(S31)、このとき、ユーザーによりキャンセルキー122bが押下されずに(S32:No)、原稿の読み取りが完了するまで(S33:No)、S31~S33の処理を行い、キャンセルキー122bが押下されると(S32:Yes)、原稿の読み取りを中止し(S34)、図11に示すS6に戻る。ここまでは通常モードと同様である。一方、制御部170は、原稿の読み取りが完了すると(S33:Yes)、ユーザーにより原稿読取終了キー122cが押下(オン)されるか(S35:No)、さらにはジョブ実行キー122aが押下されるまで(S36:No)、S35~S36の処理を行う。このとき、制御部170は、“原稿の読み取りを続ける場合には「ジョブ実行キー」を押下し、読み取りを終了する場合には、「原稿読取終了キー」を押下して下さい”といったメッセージを表示部122に表示すると共に、ジョブ実行キー122a及び原稿読取終了キー122cを入力操作可能に表示部122に表示する。制御部170は、ジョブ実行キー122aが押下されると(S36:Yes)、S31に移行する。一方、制御部170は、原稿読取終了キー122cが押下されると(S35:Yes)、ジョブ開始信号をオンし(S37)、図11に示すS6に戻る。
【0066】
<次ジョブ動作のサブルーチン>
図15は、次ジョブ動作のサブルーチンを示すフローチャートである。図15に示すように、次ジョブ動作のサブルーチンでは、先ず、制御部170は、光源180の点灯パターンの点灯が完了すると(S41:Yes)、図11に示すS6に戻るが、光源180の点灯パターンが完了していないときに(S41:No、S42:No)、次のジョブが開始すると(S42:Yes)、載置原稿読取機能(原稿載置台130aに載置された原稿の読み取り)が実行されたか否か(載置原稿読取機能のジョブ実行キー122aが押下されたか否か)を判断する(S43)。次に、制御部170は、載置原稿読取機能が実行された場合には(S43:Yes)、載置原稿読取機能が終了するまで(S45:No)、光源180の点灯パターンの点灯を維持し(S44、S45:No)、載置原稿読取機能が終了すると(S45:Yes)、S41に移行する。一方、制御部170は、載置原稿読取機能が実行されていない場合には(S43:No)、光源180の点灯パターンの点灯を終了し(S46)、図11に示すS6に戻る。
【0067】
(第1実施形態)
第1実施形態において、制御部170は、大量原稿読取機能を実行している場合において、複数回の読み取り動作のうち最終回の読み取り動作で最後に読み取った最終原稿の読み取り後を判定する。こうすることで、大量原稿読取機能を実行している場合においても、最終原稿を読み取ったか否かを確実に認識した状態で、報知部(光源180)にて原稿の取り忘れをユーザーに報知する(光源180の点灯により知らせる)ことができる。
【0068】
(第2実施形態)
第2実施形態において、制御部170は、最終原稿の読み取り後を判定し、かつ、原稿が原稿排出トレイ162に排出されていることを原稿排出検知部192にて検出したときに報知部(光源180)を作動(点灯)させる。こうすることで、最終原稿を読み取ったか否かを確実に認識した状態で、原稿排出トレイ162に排出された原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0069】
(第3実施形態)
第3実施形態において、制御部170、プレビュー機能を実行している場合において、ジョブの実行キーをオンしたときに(光源180)を作動(点灯)させる。こうすることで、プレビュー機能を実行する場合においても原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0070】
(第4実施形態)
第4実施形態において、制御部170は、原稿の読み取り中にキャンセルキー122bをオンしたときに(光源180)を作動(点灯)させる。こうすることで、原稿の読み取り中にキャンセルキー122bをオンしたときでも原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0071】
(第5実施形態)
第5実施形態において、制御部170は、ジョブを終了した後、報知部(光源180)を作動(点灯)させているときに、次のジョブが開始されると、報知部(光源180)の作動(点灯)を終了する。こうすることで、次のジョブの開始により、現在のジョブの原稿の取り忘れのユーザーへの報知を終了することができ、その状態で次のジョブでの原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0072】
(第6実施形態)
第6実施形態において、制御部170は、ジョブを終了した後、報知部(光源180)を作動(点灯)させているときに、載置原稿読取機能を実行すると、報知部(光源180)の作動(点灯)を維持する。こうすることで、載置原稿読取機能の実行中において、原稿搬送装置160により搬送される複数枚の原稿を読み取る搬送原稿読取機能での原稿の取り忘れの報知部(光源180)の作動(点灯)を維持することができる。これにより、搬送原稿読取機能の次に載置原稿読取機能を実行しても、搬送原稿読取機能での原稿の取り忘れをユーザーに報知することができる。
【0073】
開示は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0074】
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 画像読取装置
103 操作部
110 画像形成部
120 操作装置
122 表示部
122a ジョブ実行キー
122b キャンセルキー
122c 原稿読取終了キー
130 画像読取部
130a 原稿載置台
130b 原稿読取部
130c 走査光学系
160 原稿搬送装置
161 原稿載置トレイ
162 原稿排出トレイ
170 制御部
171 処理部
171a 判定部
172 記憶部
180 光源
191 原稿載置検知部
192 原稿排出検知部
G 原稿
H 排出方向
SR 照射範囲
X 横方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15