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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】血液中の細菌感染を判定する医療装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/569 20060101AFI20240220BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240220BHJP
   A61M 1/14 20060101ALI20240220BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240220BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N33/569 B
G01N33/53 D
A61M1/14 110
G01N33/543 501P
A61M1/36 185
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022518952
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2019053560
(87)【国際公開番号】W WO2021061156
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】グーチ、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ホー、エイミー
(72)【発明者】
【氏名】ニールソン、チャド ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】サンダース、スコット ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】パッセージ、ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン、ジェフ ブイ.
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-193676(JP,A)
【文献】特開平06-285164(JP,A)
【文献】特開2019-000195(JP,A)
【文献】特開2015-215355(JP,A)
【文献】Gwangseong Kim,A Novel Pathogen Capturing Device for Removal and Detection,Scientific Reports,2017年07月17日,Vol.7,Page.5552
【文献】Daniela Rascher,Total internal reflection (TIRF)-based quantification of procalcitonin for sepsis diagnosis -A point-of-care testing application,Biosensors and Bioelectronics,2014年04月01日,Vol.59,Page.251-258
【文献】Xiang-Yang Shao,Rapid and Sensitive Lateral Flow Immunoassay Method for Procalcitonin(PCT) Based on Time-Resolved Immonochromatography,Sensors,2017年02月08日,Vol.17,Page.480
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/569
G01N 33/53
A61M 1/14
G01N 33/543
A61M 1/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリ用の延長セットであって、
動脈ラインであって、
コーティングで覆われた動脈内腔を有する第1チュービングであって、前記コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている、第1チュービングと、
前記第1チュービングの遠位端部分に連結された第1コネクタと、
前記第1チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと
を含む動脈ラインと、
静脈ラインであって、
前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する第2チュービングと、
前記第2チュービングの遠位端部分に連結された第3コネクタと、
前記第2チュービングの近位端部分に連結された第4コネクタと
を含む静脈ラインと
を備える延長セット。
【請求項2】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成されリフレクチンタンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項1に記載の延長セット。
【請求項3】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される蛍光タンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項に記載の延長セット。
【請求項4】
少なくとも前記第1チュービングは無色透明である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の延長セット。
【請求項5】
前記第1コネクタおよび前記第3コネクタはルアーコネクタである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の延長セット。
【請求項6】
前記第2コネクタおよび前記第4コネクタは、ルアーコネクタを備えた三方活栓である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の延長セット。
【請求項7】
カテーテルアセンブリであって、
少なくとも一対のハブ内腔を含むハブであって、前記ハブ内腔は、動脈内腔および静脈内腔を含む前記カテーテルアセンブリを通る一対の流体経路のハブ部分を形成する、ハブと、
前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記流体経路のカテーテルチューブ部を形成する少なくとも一対のカテーテルチューブ内腔を含むカテーテルチューブと、
前記ハブに連結された少なくとも一対の延長レッグであって、各拡張レッグが、前記流体経路の延長レッグ部分を形成する延長レッグ内腔を含む、拡張レッグと、
患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成された、前記動脈内腔上のコーティングと
を備えるカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成されリフレクチンタンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される蛍光タンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記動脈内腔上に設けられたコーティングは、前記延長レッグ内腔に限定される、請求項乃至のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記延長レッグのうち各延長レッグは、無色透明のチュービングを含む、請求項乃至10のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
動静脈瘻針セットであって、
動脈ラインであって、
コーティングで覆われた動脈内腔を有する第1チュービングであって、前記コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている、第1チュービングと、
第1針を含む第1針ハブであって、前記第1針は、前記第1針ハブから延びるとともに、前記第1チュービングの遠位端部分に連結されている、第1針ハブと、
前記第1チュービングの近位端部分に連結された第1コネクタと
を含む動脈ラインと、
静脈ラインであって、
前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する第2チュービングと、
第2針を含む第2針ハブであって、前記第2針は、前記第2針ハブから延びるとともに、前記第2チュービングの遠位端部分に連結されている、第2針ハブと、
前記第2チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと
を含む静脈ラインと
を備える動静脈瘻針セット。
【請求項13】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成されリフレクチンタンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項12に記載の動静脈瘻針セット。
【請求項14】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される蛍光タンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項12に記載の動静脈瘻針セット。
【請求項15】
少なくとも前記第1チュービングは透明で無色透明である、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の動静脈瘻針セット。
【請求項16】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタはルアーコネクタである、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の動静脈瘻針セット。
【請求項17】
血液透析チューブセットであって、
動脈ラインであって、
複数の第1コネクタによって一緒に連結された複数の第1チュービングであって、該複数の第1チュービングのそれぞれは動脈内腔を有する、複数の第1チュービングと、
コーティングであって、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に該コーティングの抗体が結合したことを示すように構成され、複数の第1チュービングのうち少なくとも1つのチュービングの前記動脈内腔は、前記コーティングで覆われている、コーティングと
を含む動脈ラインと、
複数の第2コネクタによって一緒に連結された複数の第2チュービングを含む静脈ラインであって、前記複数の第2チュービングのそれぞれは前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する、静脈ラインと
を備える血液透析チューブセット。
【請求項18】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成されリフレクチンタンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項17に記載の血液透析チューブセット。
【請求項19】
前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体であり、前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されかつ蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される蛍光タンパク質であるレポータータンパク質にコンジュゲートする、請求項17に記載の血液透析チューブセット。
【請求項20】
前記少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、無色透明である、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の血液透析チューブセット。
【請求項21】
前記少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、前記動脈ラインの遠位端部分に連結された末端コネクタと、ポートを含み近位側に続く内部コネクタとの間に設けられる、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の血液透析チューブセット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血液中の細菌感染を判定する医療装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国では、中心静脈カテーテル関連の血流感染(CLABSI:central line-associated bloodstream infection)が原因で、毎日約50人の患者が亡くなっている。CLABSIを治療して生き延びた場合でも、患者にはCLABSIの感染ごとに約45,000ドルの費用がかかる。さらに、CLABSIは、血液培養の結果を得るのに最低6日間のリードタイムがあるため、広域スペクトル抗生物質の使用量が増加する。広域スペクトル抗生物質の過度の使用は抗菌薬耐性につながることが知られており、その結果、CLABSIなどの感染症の治療がより困難になる。現在、CLABSIは完全に発症するまで対処されないのが一般的である。このため、経済的負担が高まるだけではなく、死亡率と抗生物質による負担も高まっている。
【0003】
本明細書は、血液中の細菌感染を判定するための医療装置およびその方法を開示する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書は、いくつか実施形態において、動脈ラインおよび静脈ラインを含むカテーテルアセンブリ用の延長セットを開示する。動脈ラインは、第1チュービングと、第1チュービングの遠位端部分に連結された第1コネクタと、第1チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと、を含む。第1チュービングは、コーティングで覆われた動脈内腔を有し、コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている。静脈ラインは、コーティングで覆われていない静脈内腔を有する第2チュービングと、第2チュービングの遠位端部分に連結された第3コネクタと、第2チュービングの近位端部分に連結された第4コネクタと、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、抗体は、抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする(conjugated)。
【0006】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、色の変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質である。
【0007】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光タンパク質である。
【0008】
いくつかの実施形態において、抗原はプロカルシトニン(PCT:procalcitonin)であり、抗体は抗PCT抗体である。
いくつかの実施形態では、少なくとも第1チュービングは無色透明である。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1コネクタおよび第3コネクタはルアーコネクタである。
いくつかの実施形態では、第2コネクタおよび第4コネクタは、ルアーコネクタを備えた三方活栓である。
【0010】
また、本明細書は、いくつか実施形態において、ハブと、ハブに連結されたカテーテルチューブと、ハブに連結された少なくとも一対の延長レッグと、それを覆うコーティングと、を備えるカテーテルアセンブリを開示する。コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている。ハブは、少なくとも一対のハブ内腔を含む。ハブ内腔は、動脈内腔および静脈内腔を含むカテーテルアセンブリを通る一対の流体経路のハブ部分を形成する。カテーテルチューブは、流体経路のカテーテルチューブ部を形成する少なくとも一対のカテーテルチューブ内腔を含む。各延長レッグは、流体経路の延長レッグ部分を形成する延長レッグ内腔を含む。コーティングは、流体経路の動脈内腔に設けられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、抗体は、抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、色の変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質である。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光タンパク質である。
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
いくつかの実施形態では、動脈内腔に設けられたコーティングは、延長レッグ内腔に限定される。
【0014】
いくつかの実施形態では、各延長レッグは、無色透明のチュービングを含む。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、動脈ラインおよび静脈ラインを含む動静脈(AV:arteriovenous)瘻針セットを開示する。動脈ラインは、第1チュービングと、第1チュービングの遠位端部分に連結された第1針ハブと、第1チュービングの近位端部分に連結された第1コネクタと、を含む。第1チュービングは、コーティングで覆われた動脈内腔を有し、コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原にコーティングの抗体が結合したことを示すように構成されている。第1針ハブは、第1針ハブから延びる第1針を含む。静脈ラインは、第2チュービングと、第2チュービングの遠位端部分に連結された第2針ハブと、第2チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと、を含む。第2チュービングは、コーティングで覆われていない静脈内腔を有する。第2針ハブは、第2針ハブから延びる第2針を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、抗体は、抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、色の変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質である。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光タンパク質である。
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
いくつかの実施形態では、少なくとも第1チュービングは無色透明である。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1コネクタおよび第2コネクタはルアーコネクタである。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、動脈ラインおよび静脈ラインを含む血液透析チューブセットを開示する。動脈ラインは、複数の第1コネクタによって一緒に連結された複数の第1チュービングを含む。複数の第1チュービングのそれぞれは動脈内腔を有する。複数の第1チュービングのうち、少なくとも1つの第1チュービングの動脈内腔は、コーティングで覆われ、コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている。静脈ラインは、複数の第2コネクタによって一緒に連結された複数の第2チュービングを含む。複数の第2チュービングのそれぞれはコーティングで覆われていない静脈内腔を有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、抗体は、抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、色の変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質である。
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によってコンフォメーション変化を示すように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、レポータータンパク質は、蛍光タンパク質である。
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、無色透明である。
【0022】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、動脈ラインの遠位端部分に連結された末端コネクタと、ポートを含み近位側に続く内部コネクタと、の間に設けられる。
【0023】
また、本明細書は、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するための医療装置を開示する。いくつかの実施形態では、医療装置は、吸収試験片を含む。吸収試験片は、吸収試験片の原点に初期帯を有する。初期帯は、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合するように構成された抗体を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために色素にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために蛍光色素を有する分子にコンジュゲートする。
【0025】
いくつかの実施形態では、抗原が患者の血液中に存在しない場合、初期帯は、吸収試験片の展開(developing)後も単一帯のままである。吸収試験片は、患者の血液の毛細管現象によって原点から離れる方向へ展開するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、抗原が患者の血液中に存在する場合、吸収試験片の展開後、初期帯は、異なる保持因子を有する2つの帯に分離する。吸収試験片は、患者の血液の毛細管現象によって原点から離れる方向へ展開するよう構成される。2つの帯のうちの1つの帯において、抗体が抗原に結合しているため、2つの帯は異なる保持因子を有する。
【0027】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するための医療装置を開示する。いくつかの実施形態では、医療装置は、シリンダと、シリンダ内に取り外し可能に設けられたプランジャと、シリンダに連結されたサイドカー(side car)と、サイドカー内に配置された吸収試験片と、を含む。シリンダは、シリンダのシリンダハブ側端部にシリンダハブを含み、シリンダのシリンダフランジ側端部にシリンダフランジを含む。サイドカーは、シリンダハブ側端部とシリンダフランジ側端部との間でシリンダに流体接続される。吸収試験片は、シリンダに隣接する吸収試験片の起点に初期帯を有する。初期帯は、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合するように構成された抗体を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために色素にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために蛍光色素を有する分子にコンジュゲートする。
【0029】
いくつかの実施形態では、抗原が患者の血液中に存在しない場合、初期帯は、吸収試験片の展開後に単一帯のままである。吸収試験片は、患者の血液の毛細管現象によって原点から離れる方向へ展開するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、抗原が患者の血液中に存在する場合、吸収試験片の展開後、初期帯は、異なる保持因子を有する2つの帯に分離する。吸収試験片は、患者の血液の毛細管現象によって原点から離れる方向へ展開するよう構成される。2つの帯のうちの1つの帯において、抗体が抗原に結合しているため、2つの帯は異なる保持因子を有する。
【0031】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、延長セットを取得する取得ステップを含む、カテーテルアセンブリ用の延長セットの方法を開示する。延長セットは、動脈ラインと静脈ラインを含む。本方法は更に、動脈ラインの第1チュービングの遠位端部分に連結された第1コネクタを、カテーテルアセンブリの動脈ラインに対応する第1延長レッグコネクタに接続する第1接続ステップを含む。第1チュービングは、コーティングで覆われた動脈内腔を有し、コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すよう構成される。本方法は更に、第1チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタを、血液透析チューブセットの動脈ラインに対応する第1端子コネクタに接続する第2接続ステップを含む。本方法は更に、透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1チュービングの側壁を通して動脈内腔のコーティングを観察する観察ステップを含む。本方法は更に、コーティングが患者の細菌感染を示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、上記方法は更に、静脈ラインの第2チュービングの遠位端部分に連結された第3コネクタを、カテーテルアセンブリの静脈ラインに対応する第2延長レッグコネクタに接続する第3接続ステップを含む。第2チュービングにはコーティングは設けられていない。本方法は更に、第2チュービングの近位端部分に連結された第4コネクタを、血液透析チューブセットの静脈ラインに対応する第2端子コネクタへ接続する第4接続ステップを含み、これにより血液回路が完成する。
【0033】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される色にコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される蛍光発光ピークにコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、カテーテルアセンブリを取得する取得ステップを含む、カテーテルアセンブリの方法を開示する。カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリを通る一対の流体経路のハブ部分を形成する少なくとも一対のハブ内腔を含むハブを含む。流体経路は、動脈内腔と静脈内腔を含む。本方法は更に、カテーテルアセンブリのカテーテルチューブを患者の中心静脈に挿入する挿入ステップを含む。カテーテルチューブは、流体経路のカテーテルチューブ部を形成する少なくとも一対のカテーテルチューブ内腔を含む。本方法は更に、カテーテルアセンブリの少なくとも一対の延長レッグのうちの第1延長レッグに連結された第1延長レッグコネクタを、血液透析チューブセットの動脈ラインに対応する第1端子コネクタに接続する第1接続ステップを含む。各延長レッグは、流体経路の延長レッグ部分を形成する延長レッグ内腔を含む。本方法は更に、透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1延長レッグの側壁を通して動脈内腔のコーティングを観察する観察ステップを含む。コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている。本方法は更に、コーティングが患者の細菌感染を示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記方法は、カテーテルアセンブリの延長レッグのうち第2延長レッグに連結された第2延長レッグコネクタを、血液透析チューブセットの静脈ラインに対応する第2端子コネクタに接続する第2接続ステップをさらに含み、これにより、血液回路が完成する。
【0037】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される色にコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される蛍光発光ピークにコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、AV瘻針セットを取得する取得ステップを含む、AV瘻針セットの方法を開示する。本方法は更に、患者の静脈または移植血管に第1針を挿入する第1挿入ステップを含む。第1針は、動脈内腔を有する第1チュービングの遠位端部分に連結された第1針ハブから延びる。本方法は更に、第1チュービングの近位端部分に連結された第1コネクタを、血液透析チューブセットの動脈ラインに対応する第1端子コネクタに接続する第1接続ステップを含む。本方法は更に、透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1チュービングの側壁を通して動脈内腔のコーティングを観察する観察ステップを含む。コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成される。本方法は更に、コーティングが患者の細菌感染を示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、上記方法は更に、第2針を患者の静脈または移植血管に挿入する第2挿入ステップを含む。第2針は、静脈内腔を有する第2チュービングの遠位端部分に連結された第2針ハブから延びる。上記方法は更に、第2チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタを、血液透析チューブセットの静脈ラインに対応する第2端子コネクタに接続する第2接続ステップを含み、これにより、血液回路が完成する。
【0041】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される色にコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される蛍光発光ピークにコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、いくつか実施形態において、血液透析チューブセットを取得する取得ステップを含む、血液透析チューブセットの方法を開示する。本方法は更に、血液透析チューブセットの第1チュービングに連結された第1端子コネクタを介して、血液透析チューブセットの動脈ラインを、カテーテルアセンブリ、AV瘻針セット、および、カテーテルアセンブリまたはAV瘻針セットとの間に設けられた延長セットのうちの対応する動脈ラインに接続する第1接続ステップを含む。本方法は更に、透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、コーティングで覆われた第1チュービングの側壁を通して動脈内腔のコーティングを観察する観察ステップを含む。コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原にコーティングの抗体が結合したことを示すように構成される。本方法は更に、コーティングが患者の細菌感染を示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、上記方法は更に、血液透析チューブセットの第2チュービングに連結された第2端子コネクタを介して、血液透析チューブセットの静脈ラインを、カテーテルアセンブリ、AV瘻針セット、および、延長セットのうちの対応する静脈ラインに接続する第2接続ステップを含み、これにより、血液回路が完成する。
【0045】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される色にコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化の結果、予想される蛍光発光ピークにコーティングが変化するかどうかを判定することを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
また、本明細書は、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するための医療装置の方法を開示する。いくつかの実施形態では、本方法は、吸収試験片を患者の血液に接触(exposing)させる接触ステップを含む。吸収試験片は吸収試験片の起点に初期帯を含み、初期帯は、患者の血液中に細菌感染を示す抗原が存在する場合、抗原に結合するように構成された抗体を含む。本方法は更に、患者の血液の毛細管現象によって吸収試験片を吸収試験片の起点から離れる方向に展開させる展開ステップを含む。本方法は更に、患者が細菌感染しているかを判定する判定ステップを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、上記方法は、医療装置のシリンダからプランジャを少なくとも部分的に引き出すことによって、患者の血液をシリンダに取り込むことで吸収試験片を患者の血液に接触させる取込みステップをさらに含む。吸収試験片は、シリンダに流体接続されたサイドカーに設けられる。
【0049】
いくつかの実施形態において、上記判定ステップは、展開ステップ中または展開ステップ後に、初期帯が単一帯のままであるかまたは2つの帯に分離するかを判定することを含む。単一帯は、抗原が患者の血液に存在しないことを示し、2つの帯は、抗原が患者の血液に存在することを示す。
【0050】
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために色素にコンジュゲートする。
いくつかの実施形態において、抗体は、可視化のために蛍光色素を有する分子にコンジュゲートする。
【0051】
いくつかの実施形態において、抗原はPCTであり、抗体は抗PCT抗体である。
本明細書で提供される概念の上述の特徴およびその他の特徴は、当業者が、添付図面および各概念の実施形態をより詳細に説明した以下の説明を参照することで、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1A】いくつかの実施形態におけるカテーテルアセンブリを示す。
図1B】いくつかの実施形態におけるカテーテルアセンブリのコーティングを示す。
図2A】いくつかの実施形態におけるAV瘻針セットを示す。
図2B】いくつかの実施形態におけるAV瘻針セットのコーティングを示す。
図3A】いくつかの実施形態における延長セットを示す。
図3B】いくつかの実施形態における延長セットのコーティングを示す。
図4A】いくつかの実施形態における透析システムの血液透析チューブセットを示す。
図4B】いくつかの実施形態における血液透析チューブセットのコーティングを示す。
図5A】いくつかの実施形態における未展開の免疫クロマトグラフィー用吸収試験片を示す。
図5B】いくつかの実施形態における展開した吸収試験片を示す。
図5C】いくつかの実施形態における別の展開した吸収試験片を示す。
図6】いくつかの実施形態における免疫クロマトグラフィー用医療装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0054】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数のステップのグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値制限を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、または他の同様の用語などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、および「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0055】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0056】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0057】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
上述のように、現在、CLABSIは完全に発症するまで対処されないのが一般的である。これは、経済的負担を高めるだけではなく、死亡率と抗生物質による負担も高めている。
【0058】
本明細書では、血液中の細菌感染を判定するための医療装置およびその方法を開示する。いくつかの医療装置およびその方法は、患者の血液中の細菌感染を示すように構成されたコーティングを使用する。上記医療装置は、カテーテルアセンブリと、AV瘻針セットと、カテーテルアセンブリ用またはAV瘻針セット用の延長セットと、血液透析チューブセットと、を備えるが、これらに限定されない。いくつかの医療装置とその方法は、免疫クロマトグラフィーを利用して、患者の血液中の細菌感染を示す。本明細書では、特定の概念を説明するために、医療装置およびその方法の特定の実施形態が提供されることを理解されたい。そのような概念は、各概念を説明するために使用される特定の実施形態に限定されない。例えば、患者の血液中の細菌感染を示すように構成されたコーティングは、本明細書に記載のカテーテルアセンブリ、AV瘻針セット、延長セット、または血液透析チューブセットに利用することができるが、コーティングは試験管にも利用できる。
【0059】
カテーテルアセンブリ
図1Aは、いくつかの実施形態におけるカテーテルアセンブリ100を示す。図1Bは、いくつかの実施形態におけるカテーテルアセンブリ100のコーティング140を示す。
【0060】
図示されるように、カテーテルアセンブリ100は、ハブ110と、ハブ110に連結されたカテーテルチューブ120と、ハブ110に連結された少なくとも一対の延長レッグ130と、延長レッグ130に設けられたコーティング140と、を備える。コーティング140は、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したときに示すよう構成される。
【0061】
図示されていないが、ハブ110は、少なくとも一対のハブ内腔を含む。すなわち、ハブ110は、少なくとも、二管腔カテーテル用の分岐ハブである。カテーテルアセンブリの他の実施形態は、三管腔カテーテルや、四管腔カテーテルなどを含み、ハブ110は対応するように分岐している。ハブ内腔は、動脈内腔および静脈内腔を含み、カテーテルアセンブリ100を通る一対の流体経路のハブ部分を形成する。
【0062】
カテーテルチューブ120は、少なくとも一対のカテーテルチューブ内腔を含む。すなわち、カテーテルチューブの内腔は、ハブ110の分岐部と合致する。カテーテルチューブ内腔は、カテーテルアセンブリ100を通る流体経路のカテーテルチューブ部を形成する。
【0063】
延長レッグ130の各延長レッグ(例えば、動脈ライン延長レッグ130aおよび静脈ライン延長レッグ130v)は、カテーテルアセンブリ100を通る流体経路の延長レッグ部分を形成する延長レッグ内腔131を含む。延長レッグ130の各延長レッグは、無色透明のチュービングを含み、臨床医がチュービングを通して見ることができる。
【0064】
延長レッグ130の各延長レッグは、延長レッグコネクタ150a、150vなどの、延長レッグに連結された延長レッグコネクタを含む。このような延長レッグコネクタは、延長レッグの近位端部分に連結されるオス型ルアーコネクタであってもよい。
【0065】
コーティング140は、カテーテルアセンブリ100を通る流体経路の少なくとも動脈内腔上に設けられる。しかし、カテーテルアセンブリが血液透析に使用される場合、精製された血液のみが静脈内腔を通ると予想されるため、コーティング140を流体経路の静脈内腔上に設ける必要はない。いくつかの実施形態では、流体経路の動脈内腔上に設けられたコーティング140は、延長レッグ内腔131またはその一部に限定される。
【0066】
コーティング140は、患者の血液中の細菌感染を示す抗原にコーティング140の抗体が結合したことを示すように構成される。このような抗体には、抗原としてのPCTに結合するように構成された抗PCT抗体が含まれる。
【0067】
PCTは、116個のアミノ酸残基と約13kDaの分子量を持つカルシトニンのペプチド前駆体である。PCTは、甲状腺の濾胞傍細胞と、肺と腸の両方の神経内分泌細胞によって産生される。健康な人の血中のPCTの平均レベルは非常に低く(<0.05ng/mL)、PCTはカルシトニンに変換される前の血中での半減期は約25乃至30時間である。
【0068】
細菌感染に反応すると、ほぼ全ての細胞組織がPCTを血中に放出する。このような細菌感染の結果、血中のPCTのレベルは100μg/mLまで増加することがある。そのため、PCTが適切なバイオマーカーとなる。実際には、臨床的に関わるレベルの血中のPCTは、細菌感染後わずか3時間で検出可能である。PCTの半減期は比較的短いため、細菌感染が解消すると、PCTも体内から素早く消える。
【0069】
前述の抗PCT抗体として、ab166963(英国ケンブリッジ(Cambridge、United Kingdom)所在のアブカム社(Abcam Plc.))や、27A3、6F10、44d9、または38F11(カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad CA)所在のインビトロジェン社(Invitrogen))などの抗PCT抗体が適しており、PCTに非常に特異的である。実際には、0.5μg/Lを超えるPCTの分析では、細菌感染に対して90%の特異性と98%の感度の結果が得られた。
【0070】
コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)は、抗体が抗原(例えば、PCT)に結合するとコンフォメーション変化するように構成されたレポータータンパク質にコンジュゲートする。レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質、蛍光タンパク質、または前述のいずれかの変性タンパク質であってもよい。少なくとも研究環境において、LYNX Rapid Conjugation Kit(登録商標)またはLYNX Rapid Plus Conjugation Kit(登録商標)(カリフォルニア州ハーキュリーズ(Hercules、CA)所在のバイオ・ラッド・ラボラトリーズ社(Bio-Rad Laboratories,Inc.))などのコンジュゲーションキットを使用して、抗体をレポータータンパク質に迅速にコンジュゲートさせることができる。より大きな規模では、Bioconjugate Techniquesに示された1つまたは複数のコンジュゲーション技術を使用して、抗体をレポータータンパク質にコンジュゲートさせることができる。(Greg T.Hermanson、Bioconjugate Techniques、Academic press 2013年 参照)。
【0071】
リフレクチンタンパク質は、抗体が抗原に結合すると、色の変化(たとえば、抗体が抗原に結合するときに予想される色の変化)によってコンフォメーション変化を示すように構成される。実際は、リフレクチンタンパク質は、特定の頭足動物で進化したもので、入射光を屈折して様々な色の変化による擬装やシグナル伝達を行う。
【0072】
蛍光タンパク質は、抗体が抗原に結合すると、蛍光発光ピークの変化(例えば、抗体が抗原に結合するときの予想される蛍光発光ピークへの変化)によってコンフォメーション変化を示すように構成される。抗原が蛍光タンパク質に結合していない場合、蛍光タンパク質は特定の波長の第1励起ピークを有し、特定の波長の第1発光ピークを有する。抗原が結合してレポータータンパク質がコンフォメーション変化すると、蛍光タンパク質は特定の波長の第2励起ピークを有し、特定の波長の第2発光ピークを有する。第2発光ピークの特定の波長自体が変化を示すため、第1発光ピークから第2発光ピークへの特定の波長の変化を検出する必要はない。
【0073】
コーティング140は、カテーテルアセンブリ100を通る流体経路の少なくとも動脈内腔に共有結合する、抗体または抗体にコンジュゲートするレポータータンパク質を含んでもよい。すなわち、前述の抗体-レポータータンパク質コンジュゲートの一部は、カテーテルアセンブリ100を通る流体経路の少なくとも動脈内腔に共有結合してもよい。あるいは、抗体-レポータータンパク質コンジュゲートは、プレコーティング混合物中の懸濁物の一部である。プレコーティング混合物がカテーテルアセンブリ100を通る流体経路の少なくとも動脈内腔に設けられることで、動脈内腔にコーティング140が形成される。
【0074】
カテーテルアセンブリ100の方法は、カテーテルアセンブリ100を取得する取得ステップを含む。本方法は更に、カテーテルアセンブリ100のカテーテルチューブ120を患者の中心静脈に挿入する挿入ステップを含む。本方法は更に、カテーテルアセンブリ100の少なくとも一対の延長レッグ130の第1延長レッグ(例えば、延長レッグ130a)に連結された第1延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150a)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の動脈ラインに対応する第1端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410a)に接続する第1接続ステップを含む。本方法は更に、図4Aに示されるような透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1延長レッグの側壁を通して動脈内腔(例えば、動脈延長レッグ内腔131)のコーティング(例えば、コーティング140)を観察する観察ステップを含む。前述のように、コーティング140などのコーティングは、コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)が、患者の血液中の細菌感染を示す抗原(例えば、PCT)に結合したことを示すように構成される。本方法は更に、患者が細菌感染していることをコーティング140が示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0075】
第1接続ステップに加えて、上記方法は更に、カテーテルアセンブリ100の延長レッグ130の第2延長レッグ(例えば、延長レッグ130v)に連結された第2延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150v)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の静脈ラインに対応する第2端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410v)に接続する第2接続ステップを含む。これにより、血液透析の血液回路が完成する。
【0076】
判定ステップに関して、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化によって予期される色にコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。あるいは、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化によって予期される蛍光発光ピークにコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。
【0077】
AV瘻針セット
図2Aは、いくつかの実施形態におけるAV瘻針セット200を示す。
図2Bは、いくつかの実施形態における、AV瘻針セット200のコーティング140を示す。
【0078】
図示されるように、AV瘻針セット200は、動脈ライン202aおよび静脈ライン202vを含む。
動脈ライン202aは、針ハブ210aと、遠位端部分の周囲で針ハブ210aに連結された1本のチュービング230aと、該チュービング230aの近位端部分に連結されたコネクタ250aと、を含む。
【0079】
針ハブ210aは、針ハブ210aから延びる針212aを含み、該針212aは、患者の静脈または移植血管に挿入するように構成されている。針ハブ210aは、針ハブ210aを安定化するために針ハブ210aを患者に固定するように構成された安定翼を有してもよい。針212aは、針212aへの最適な血流のために、バックアイを含む斜角を有してもよい。
【0080】
チュービング230aは、コーティング140で覆われた動脈内腔231aを有し、コーティング140は、コーティング140の抗体が患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成されている。いくつかの実施形態では、コーティング140は、チュービング230aの遠位端部分またはチュービング230aの近位端部分など、チュービング230aの一部に限定される。チュービング230aは、臨床医がチュービング230aを通して見ることができるように、無色透明のチュービングを含む。
【0081】
チュービング230aの近位端部分に連結されるコネクタ250aはオス型ルアーコネクタであってもよい。
同様に、静脈ライン202vは、針212vを有する針ハブ210vと、遠位端部分の周囲で針ハブ210vに連結された1本のチュービング230vと、該チュービング230vの近位端部分に連結されたコネクタ250vと、を含む。針ハブ210v、チュービング230v、およびコネクタ250vは、チュービング230aはコーティング140のない静脈内腔を有することを除いて、動脈ライン202aに関する記載と同様である。
【0082】
カテーテルアセンブリ100に関して上で述べたように、コーティング140は、コーティング140の抗体が、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成される。このような抗体には、抗原としてのPCTに結合するように構成された抗PCT抗体が含まれる。
【0083】
コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)は、抗体が抗原(例えば、PCT)に結合するとコンフォメーション変化するように構成されたレポータータンパク質にコンジュゲートする。レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質、蛍光タンパク質、または前述のいずれかの変性タンパク質であってもよい。
【0084】
AV瘻針セット200の方法は、AV瘻針セット200を取得する取得ステップを含む。本方法は更に、第1チュービング(例えば、チュービング230a)の遠位端部分に連結された第1針(例えば、針212a)を患者の静脈または移植血管に挿入する第1挿入ステップを含む。本方法は更に、第1チュービングの近位端部分に連結された第1コネクタ(例えば、コネクタ250a)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の動脈ラインに対応する第1端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410a)に接続する第1接続ステップを含む。本方法は更に、図4Aに示されるような透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1チュービングの側壁を通して動脈内腔(例えば、動脈内腔231a)のコーティング(例えば、コーティング140)を観察する観察ステップを含む。前述のように、コーティング140などのコーティングは、コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)が患者の血液中の細菌感染を示す抗原(例えば、PCT)に結合されたことを示すように構成される。本方法は更に、患者が細菌感染していることをコーティング140が示すかどうかを判定する判定ステップを含む。
【0085】
第1挿入ステップに加えて、上記方法は更に、第2チュービング(例えば、チュービング230v)の遠位端部分に連結された第2針(例えば、針212v)を患者の静脈または移植血管に挿入する第2挿入ステップを含む。第1接続ステップに加えて、本方法は更に、第2チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタ(例えば、コネクタ250v)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の静脈ラインに対応する第2端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410v)に接続する第2接続ステップを含む。これにより、血液透析用の血液回路が完成する。
【0086】
判定ステップに関して、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化によって予期される色にコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。あるいは、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化によって予期される蛍光発光ピークにコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。
【0087】
延長セット
図3Aは、いくつかの実施形態における延長セット300を示す。図3Bは、いくつかの実施形態における、延長セット300のコーティング140を示す。
【0088】
図示されるように、延長セットは、動脈ライン302aおよび静脈ライン302vを含む。
動脈ライン302aは、第1コネクタ310aと、遠位端部分の周囲で第1コネクタ310aに連結された1本さのチュービング330aと、該チュービング330aの近位端部分に連結された第2コネクタ350aと、を含む。
【0089】
チュービング330aは、コーティング140で覆われた動脈内腔331aを有し、コーティング140は、コーティング140の抗体が患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成されている。いくつかの実施形態では、コーティング140は、チュービング330aの遠位端部分またはチュービング330aの近位端部分など、チュービング330aの一部に限定される。チュービング330aは、臨床医がチュービング330aを通して見ることができるように、無色透明のチュービングを含む。
【0090】
チュービング330aの遠位端部分に連結された第1コネクタ310aはメス型ルアーコネクタであってもよい。チュービング330aの近位端部分に連結された第2コネクタ350aは、オス型ルアーコネクタ、または、一対の直交するオス型ルアーコネクタを含む三方活栓であってもよい。
【0091】
同様に、静脈ライン302vは、第1コネクタ310vと、遠位端部分の周囲で第1コネクタ310vに連結された1本のチュービング330vと、該チュービング330vの近位端部分に連結された第2コネクタ350vと、を含む。第1コネクタ310v、チュービング230v、およびコネクタ250vは、該チュービング330aがコーティング140に覆われていない静脈内腔を有することを除いて、動脈ライン302aに関する説明と同様である。
【0092】
カテーテルアセンブリ100に関して上で述べたように、コーティング140は、コーティング140の抗体が患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成される。このような抗体には、抗原としてのPCTに結合するように構成された抗PCT抗体が含まれる。
【0093】
コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)は、抗体が抗原(例えば、PCT)に結合するとコンフォメーション変化するように構成されたレポータータンパク質にコンジュゲートする。レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質、蛍光タンパク質、または前述のいずれかの変性タンパク質であってもよい。
【0094】
延長セット300は、患者が細菌感染しているかを判定するように主として構成される一方で、カテーテルアセンブリ(例えば、コーティング140を有するまたは有しないカテーテルアセンブリ100)またはAV瘻針セット(例えば、コーティング140を有するまたは有しないAV瘻針セット200)に対して、必要に応じて血液透析機器用の追加の長さを提供することができる。延長セット300をカテーテルアセンブリ100またはAV瘻針セット300に接続することに関して、これらの装置を直列に接続する場合、患者が細菌感染しているかの判定に冗長性を与える。
【0095】
延長セット300の方法は、延長セット300を取得する取得ステップを含む。本方法は更に、動脈ライン(動脈ライン302a)の第1チュービング(例えば、チュービング330a)の遠位端部分に連結された第1コネクタ(例えば、第1コネクタ310a)を、カテーテルアセンブリ(例えば、カテーテルアセンブリ100)の動脈ラインに対応する第1延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150a)に接続する第1接続ステップを含む。なお、前述のカテーテルアセンブリはコーティング140を含む必要はないが、カテーテルアセンブリは、冗長性を与えるためにコーティング140を含んだカテーテルアセンブリ100であってもよい。本方法は更に、第1チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタ(例えば、第1コネクタ310v)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の動脈ラインに対応する第1端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410a)に接続する第2接続ステップを含む。本方法は更に、図4Aに示されるような透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、第1チュービングの側壁を通して動脈内腔(例えば、動脈内腔331a)のコーティング(例えば、コーティング140)を観察する観察ステップを含む。前述のように、コーティング140などのコーティングは、コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)が患者の血液中の細菌感染を示す抗原(例えば、PCT)に結合したことを示すように構成される。本方法は更に、患者が細菌感染していることをコーティング140が示しているかを判定する判定ステップを含む。
【0096】
第1接続ステップに加えて、上記方法は更に、静脈ライン(例えば、静脈ライン302v)の第2チュービング(例えば、チュービング330v)の遠位端部分に連結された第3コネクタ(例えば、第1コネクタ310v)を、カテーテルアセンブリの静脈ラインに対応する第2延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150v)に接続する第3接続ステップを含む。第2接続ステップに加えて、本方法は更に、第2チュービングの近位端部分に連結された第4コネクタ(例えば、第2コネクタ350v)を、血液透析チューブセット(例えば、図4Aの血液透析チューブセット410)の静脈ラインに対応する第2端子コネクタ(例えば、図4Aの端子コネクタ410v)に接続する第4接続ステップを含む。これにより、血液透析用の血液回路が完成する。
【0097】
判定ステップに関して、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化によって予期される色にコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。あるいは、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化によって予期される蛍光発光ピークにコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。
【0098】
前述の方法は、延長セット300をカテーテルアセンブリ300などのカテーテルアセンブリに接続することを含む。その他の方法では、延長セット300は、AV瘻針セット200などのAV瘻針セットに接続してもよい。例えば、延長セット300の第1コネクタ(例えば、第1コネクタ310a)をカテーテルアセンブリ(例えば、カテーテルアセンブリ100)の第1延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150a)に接続する第1接続ステップに代えて、第1接続ステップは、延長セット300の第1コネクタをAV瘻針セット(例えば、AV瘻針セット200)の第1コネクタ(例えば、コネクタ250a)に接続することを含む。同様に、延長セット300の第3コネクタ(例えば、第1コネクタ310v)をカテーテルアセンブリ(例えば、カテーテルアセンブリ100)の第2延長レッグコネクタ(例えば、延長レッグコネクタ150v)に接続する第3接続ステップに代えて、第3接続ステップは、延長セット300の第3コネクタを、AV瘻針セット(例えば、AV瘻針セット200)の第2コネクタ(例えば、コネクタ250v)に接続することを含む。第1および第3接続ステップ以外の方法は概ね同じである。すなわち、各方法は、それぞれの方法に応じて、本明細書に記載されるカテーテルアセンブリ100またはAV瘻針セット200に関する1つまたは複数のステップ(例えば、挿入ステップ)をさらに含んでもよい。
【0099】
血液透析チューブセット
図4Aは、いくつかの実施形態における、透析システムにおける血液透析チューブセット400を示す。図4Bは、いくつかの実施形態における、血液透析チューブセット400のコーティング140を示す。
【0100】
図示されるように、血液透析チューブセット400は、動脈ライン402aおよび静脈ライン402vを含む。
動脈ライン402aは、複数の第1チュービング(例えば、第1チュービング430a、第2チュービング432a、第3チュービング434aなど)を含む。複数の第1チュービングは、複数の第1コネクタ(例えば、端子コネクタ410a、第1中間コネクタ412a、第2中間コネクタ414a、透析装置コネクタ450a)のうち少なくともいくつかのコネクタによって一緒に連結される。動脈ライン402aは、血液透析チューブセットの動脈ラインの一例であることを理解されたい。動脈ライン402aは、図示されたよりも多いまたは少ない数のチュービングを含んでもよく、また、図示されたよりも多いまたは少ない数のコネクタを含んでもよい。
【0101】
複数の第1チュービングのそれぞれは、動脈内腔を有する。例えば、第1チュービング430aは、動脈内腔431aを有する。複数の第1チュービングのうち、少なくとも1つのチュービングの動脈内腔は、コーティング140で覆われている。コーティング140は、コーティングの抗体が患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成される。いくつかの実施形態では、コーティング140は、第1チュービング430aの遠位端部分に連結された端子コネクタ410aと、第1チュービング430aの近位端部分に連結された第1中間コネクタ412aとの間の、第1チュービング430aに限定される。更に、コーティング140は、第1チュービング430aの遠位端部分または第1チュービング430aの近位端部分など、第1チュービング430aの一部に限定されてもよい。コーティング140を含む少なくとも1つのチュービングは、無色透明のチュービングを含み、臨床医がチュービングを通して見ることができる。なお、複数の第1チュービングのそれぞれが、無色透明のチュービングを含んでもよい。
【0102】
チュービング330aの遠位端部分に連結された端子コネクタ410aは、メス型ルアーコネクタであってもよい。第1中間コネクタ412aおよび第2中間コネクタ414aの各中間コネクタは、治療注射用に構成されたポートを含んでもよい。例えば、中間コネクタ414aは、凝固を防止するためのヘパリン注射用に構成されたポートを含む。チュービング434aの近位端部分に連結された透析装置コネクタ450aは、メス型ルアーコネクタであってもよい。
【0103】
同様に、静脈ライン302vは、複数の第2チュービングを含む(例えば、第1チュービング430v、第2チュービング432vなど)。複数の第2チュービングは、複数の第2コネクタのうち少なくともいくつかのコネクタ(例えば、端子コネクタ410v、第1中間コネクタ412v、透析装置コネクタ450v)によって一緒に連結される。複数の第2チュービングおよび複数の第2コネクタは、チュービング430vがコーティング140に覆われていない静脈内腔を有する以外は、動脈ライン302aの複数の第1チュービングおよび複数の第1コネクタについての説明と同様である。
【0104】
カテーテルアセンブリ100に関して上で述べたように、コーティング140は、コーティング140の抗体が患者の血液中の細菌感染を示す抗原に結合したことを示すように構成される。このような抗体には、抗原としてのPCTに結合するように構成された抗PCT抗体が含まれる。
【0105】
コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)は、抗体が抗原(例えば、PCT)に結合するとコンフォメーション変化するように構成されたレポータータンパク質にコンジュゲートする。レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質、蛍光タンパク質、または前述のいずれかの変性タンパク質であってもよい。
【0106】
血液透析チューブセット400の方法は、血液透析チューブセット400を取得する取得ステップを含む。本方法は更に、複数の第1チュービングのうちの第1チュービング430aに連結された複数の第1コネクタのうちの第1端子コネクタ410aを介して、血液透析チューブセット400の動脈ライン402aを、カテーテルアセンブリ(例えば、カテーテルアセンブリ100)、AV瘻針セット(例えば、AV瘻針セット200)、およびカテーテルアセンブリまたはAV瘻針セットとの間に設けられた延長セット(例えば、延長セット300)のうち対応する動脈ラインに接続する第1接続ステップを含む。本方法は更に、透析システムを用いて血液透析を開始する開始ステップを含む。本方法は更に、複数の第1チュービングのうちの第1チュービング430aの側壁を通して動脈内腔431aのコーティング140を観察する観察ステップを含む。前述のように、コーティング140は、コーティング140の抗体(例えば、抗PCT抗体)が、患者の血液中の細菌感染を示す抗原(例えば、PCT)に結合されたことを示すように構成される。本方法は更に、患者が細菌感染していることをコーティング140が示すかどうかを判定する判定ステップを含む。
【0107】
第1接続ステップに加えて、上記方法は更に、複数の第2チュービングのうちの第1チュービング430vに連結された複数の第2コネクタのうちの第1端子コネクタ410vを介して、血液透析チューブセット400の静脈ライン402vを、カテーテルアセンブリ、AV瘻針セット、または延長セットのうちの対応する静脈ラインに接続する第2接続ステップを含む。これにより、血液透析のための血液回路が完成する。
【0108】
判定ステップに関して、判定ステップは、抗体がコンジュゲートするリフレクチンタンパク質のコンフォメーション変化によって予期される色にコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。あるいは、判定ステップは、抗体がコンジュゲートする蛍光タンパク質のコンフォメーション変化によって予期される蛍光発光ピークにコーティング140が変化するかどうかを判定することを含む。
【0109】
前述の方法は、複数の第1チュービングのうちの第1チュービング430aがコーティング140で覆われた動脈内腔431aを有する。複数の第1チュービングのうちの他のチュービングが、代替的または追加的に、本明細書に記載されるようなコーティング140を含んでもよい。結果として、前述の方法の観察ステップは、代替的または追加的に、複数の第1チュービングのうち、他の1つまたは複数のチュービングの側壁を通してコーティング140を観察することを含んでもよい。
【0110】
上記のすべての医療装置は、不純な血液がコーティング140に付着しないよう使い捨て医療装置として意図されている。
免疫クロマトグラフィー装置
図5Aは、いくつかの実施形態における、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するよう構成された未展開の吸収試験片500Aを示す。図5Bは、いくつかの実施形態における、展開した吸収試験片500Bを示す。図5Cは、いくつかの実施形態における、別の展開した吸収試験片500Cを示す。
【0111】
図示されるように、患者の血液中の細菌感染の免疫クロマトグラフィー判定のための医療装置は、吸収試験片500Aを含む。
吸収試験片500Aは、原点502と、吸収試験片500Aの原点502に初期帯504と、を含む。初期帯504は、患者の血液中の細菌感染を示す抗原(例えば、PCT)に結合するように構成された抗体(例えば、抗PCT抗体)を含む。
【0112】
初期帯504の抗体(例えば、抗PCT抗体)は、視覚化のために色素または蛍光分子にコンジュゲートしている。少なくとも研究環境において、LYNX Rapid Conjugation Kit(登録商標)やLYNX Rapid Plus Conjugation Kit(登録商標)(カリフォルニア州ハーキュリーズ(Hercules、CA)所在のバイオ・ラッド・ラボラトリーズ社(Bio-Rad Laboratories,Inc.))などのコンジュゲーションキットを使用して、抗体を色素または蛍光分子にすばやくコンジュゲートできる。より大きな規模では、Bioconjugate Techniquesに示された1つまたは複数のコンジュゲーション技術を使用して、抗体を色素または蛍光分子にコンジュゲートすることができる。(Greg T.Hermanson、Bioconjugate Techniques、Academic press 2013年 参照)。あるいは、抗体は別の分子にコンジュゲートしない。代わりに、吸収試験片500Aが、統合された蛍光指示薬(例えば、マンガンをドープしたケイ酸亜鉛)を含む。初期帯504などの抗体の帯は、蛍光インジケーターのピーク励起波長またはその近くの波長の光によって蛍光インジケーターに蛍光が誘導されると、吸収試験片500Aに対して暗く見える。
【0113】
吸収試験片500Aは、患者の血液の毛細管現象によって原点502から離れる方向へ展開するように構成される。患者の血液が抗体に対する抗原を含むかによって、吸収試験片500Aは、吸収試験片500Bまたは吸収試験片500Cのように展開し得る。抗原が患者の血液中に存在しない場合、吸収試験片500Aの展開後、保持因子がゼロでないものの、初期帯504は単一帯のままである。これは、抗体の帯506または展開した吸収試験片500Bの色素または蛍光分子にコンジュゲートする抗体によって示されている。抗原が患者の血液中に存在する場合、吸収試験片500Aの展開後、初期帯504は、異なる保持因子を有する2つの帯に分離する。これは、帯506および抗原-抗体複合体の帯508または展開した吸収試験片500Cの色素または蛍光分子にコンジュゲートする抗原-抗体複合体によって示されている。図5Cに示すように、抗体の抗原への結合により、帯508の保持因子は、帯506の保持因子よりも小さい。
【0114】
図5Cは、展開した吸収試験片500Cを図示すると共に、保持因子Rfの計算を示す。保持因子Rfは、溶媒先端510によって示される溶媒が移動した距離に対する帯506または帯508が移動した距離の比である。
【0115】
図6は、いくつかの実施形態における、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するよう構成された医療装置600を示す。
図示されるように、医療装置600は、シリンダ610と、シリンダ610内に取り外し可能に配置されたプランジャ620と、シリンダ610に流体接続されたサイドカー630と、サイドカー630内に配置された吸収試験片500Aと、を含む。
【0116】
シリンダ610は、シリンダ610のシリンダハブ側端部にシリンダハブ612を含み、シリンダ610のシリンダフランジ側端部にシリンダフランジ614を含む。
プランジャ620は、プランジャ620のシール側端部にシール622を含み、プランジャ620のプランジャフランジ側端部にプランジャフランジ624を含む。シール622は、患者の血液に不純物が混入したり、血液が臨床医に触れたりしないよう、シリンダ610内に血液を密閉するように構成される。シリンダフランジ614およびプランジャフランジ624の組み合わせは、患者の血液をシリンダ610に取り込むことを容易にするように構成されたグリップを提供する。
【0117】
サイドカー630は、シリンダ610のシリンダハブ側端部とシリンダフランジ側端部との間でシリンダ610に流体接続される。シリンダ610に流体接続されることで、サイドカー630は、シリンダ610から患者の血液の一部を取り込むことが可能である。患者の血液は毛細管現象による吸収試験片500Aの展開に使用される。吸収試験片500Aを展開するのに十分な量の患者の血液がシリンダ610からサイドカー630に取り込まれる。吸収試験片500Aは、吸収試験片500Aの起点端に位置する吸収試験片500Aの先端がシリンダ610に隣接するようにサイドカー630内に配置される。
【0118】
吸収試験片500A、500B、500Cに関する上記の説明の通り、吸収試験片500Aは、患者の血液の毛細管現象によって原点502から離れる方向に展開するように構成される。患者の血液が初期帯504の抗体に対する抗原を含むかに応じて、吸収試験片500Bまたは吸収試験片500Cのように展開し得る。展開した試験片500Bは、帯506のみを含む。帯506は、抗体または色素または蛍光分子にコンジュゲートする抗体のみを含む。すなわち、展開した試験片500B上に1つの帯(すなわち、帯506)のみが存在することは、抗原が存在せず、患者が細菌感染していないことを示す。一方、展開した試験片500Cは、帯506および帯508の両方を含む。帯508は、抗原-抗体複合体または色素または蛍光分子にコンジュゲートする抗原-抗体複合体を含む。すなわち、展開した試験片500C上に両方の帯(すなわち、帯506および帯508)が存在することは、抗原が存在し、患者が細菌感染していることを示す。
【0119】
吸収試験片500Aまたは医療装置600などの医療装置の方法は、患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するために、患者の血液を吸収試験片500Aに接触させる接触ステップを含む。本方法は更に、患者の血液を用いて、毛細管現象により吸収試験片500Aの原点502から離れる方向に吸収試験片500Aを展開する展開ステップを含む。本方法は更に、患者が細菌感染しているかを判定する判定ステップを含む。
【0120】
医療装置600が使用される場合、上記方法は更に、プランジャ620をシリンダ610から少なくとも部分的に引き出すことによって、患者の血液をシリンダ610に取り込んで、サイドカー630に配置された吸収試験片500Aに血液を接触させる、取込みステップを含む。
【0121】
判定ステップに関して、判定ステップは、初期帯504が単一帯(例えば、帯506)のままであるか、または、展開中または展開後に2つの帯(例えば、帯506および帯508)に分離するか、を判定することを含む。上述の通り、単一帯は、抗原が患者の血液に存在せず、患者が細菌に感染していないことを示す。一方、2つの帯は、抗原が患者の血液に存在し、患者が細菌に感染していることを示す。
【0122】
現在、細菌感染は、既に症状が現れている患者を観察することによって検出される。その症状が細菌感染によるものであることを確認する血液培養の結果を取得するのに最低6日間のリードタイムが必要である。そのため、本明細書に記載の医療装置および方法によるPCT、ひいては、細菌感染の視覚的検出は、臨床医が、前述のように細菌感染が進行し生命を脅かす前に、細菌感染を対処する機会を得るのに有効である。このような早期対処により、CLABSIに関連する多額の経済的負担、およびCLABSIに関連する死亡率と抗生物質の重い負担を大幅に軽減できる。
【0123】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書で提供される概念の範囲を制限することは意図されていない。当業者は、より広い態様において、付加的な適応をおこなったり、または改変を行ったりすることを理解することができ、これらの適応または改変も包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から外れて実施されてもよい。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]カテーテルアセンブリ用の延長セットであって、
動脈ラインであって、
コーティングで覆われた動脈内腔を有する第1チュービングであって、前記コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている、第1チュービングと、
前記第1チュービングの遠位端部分に連結された第1コネクタと、
前記第1チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと
を含む動脈ラインと、
静脈ラインであって、
前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する第2チュービングと、
前記第2チュービングの遠位端部分に連結された第3コネクタと、
前記第2チュービングの近位端部分に連結された第4コネクタと
を含む静脈ラインと
を備える延長セット。
[付記2]前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする、付記1に記載の延長セット。
[付記3]前記レポータータンパク質は、色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記2に記載の延長セット。
[付記4]前記レポータータンパク質はリフレクチンタンパク質である、付記3に記載の延長セット。
[付記5]前記レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記2に記載の延長セット。
[付記6]前記レポータータンパク質は蛍光タンパク質である、付記5に記載の延長セット。
[付記7]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記1乃至6のいずれか一つに記載の延長セット。
[付記8]少なくとも前記第1チュービングは無色透明である、付記1乃至7のいずれか一つに記載の延長セット。
[付記9]前記第1コネクタおよび前記第3コネクタはルアーコネクタである、付記1乃至8のいずれか一つに記載の延長セット。
[付記10]前記第2コネクタおよび前記第4コネクタは、ルアーコネクタを備えた三方活栓である、付記1乃至9のいずれか一つに記載の延長セット。
[付記11]カテーテルアセンブリであって、
少なくとも一対のハブ内腔を含むハブであって、前記ハブ内腔は、動脈内腔および静脈内腔を含む前記カテーテルアセンブリを通る一対の流体経路のハブ部分を形成する、ハブと、
前記ハブに連結されたカテーテルチューブであって、前記流体経路のカテーテルチューブ部を形成する少なくとも一対のカテーテルチューブ内腔を含むカテーテルチューブと、
前記ハブに連結された少なくとも一対の延長レッグであって、各拡張レッグが、前記流体経路の延長レッグ部分を形成する延長レッグ内腔を含む、拡張レッグと、
患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成された、前記動脈内腔上のコーティングと
を備えるカテーテルアセンブリ。
[付記12]前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする、付記11に記載のカテーテルアセンブリ。
[付記13]前記レポータータンパク質は、色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記12に記載のカテーテルアセンブリ。
[付記14]前記レポータータンパク質はリフレクチンタンパク質である、付記13に記載のカテーテルアセンブリ。
[付記15]前記レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記12に記載のカテーテルアセンブリ。
[付記16]前記レポータータンパク質は蛍光タンパク質である、付記15に記載のカテーテルアセンブリ。
[付記17]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記11乃至16のいずれか一つに記載のカテーテルアセンブリ。
[付記18]前記動脈内腔上に設けられたコーティングは、前記延長レッグ内腔に限定される、付記11乃至17のいずれか一つに記載のカテーテルアセンブリ。
[付記19]前記延長レッグのうち各延長レッグは、無色透明のチュービングを含む、付記11乃至18のいずれか一つに記載のカテーテルアセンブリ。
[付記20]動静脈瘻針セットであって、
動脈ラインであって、
コーティングで覆われた動脈内腔を有する第1チュービングであって、前記コーティングは、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に抗体が結合したことを示すように構成されている、第1チュービングと、
第1針を含む第1針ハブであって、前記第1針は、前記第1針ハブから延びるとともに、前記第1チュービングの遠位端部分に連結されている、第1針ハブと、
前記第1チュービングの近位端部分に連結された第1コネクタと
を含む動脈ラインと、
静脈ラインであって、
前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する第2チュービングと、
第2針を含む第2針ハブであって、前記第2針は、前記第2針ハブから延びるとともに、前記第2チュービングの遠位端部分に連結されている、第2針ハブと、
前記第2チュービングの近位端部分に連結された第2コネクタと
を含む静脈ラインと
を備える動静脈瘻針セット。
[付記21]前記抗体は、該抗体が前記抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする、付記20に記載の動静脈瘻針セット。
[付記22]前記レポータータンパク質は、色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記21に記載の動静脈瘻針セット。
[付記23]前記レポータータンパク質はリフレクチンタンパク質である、付記22に記載の動静脈瘻針セット。
[付記24]前記レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記21に記載の動静脈瘻針セット。
[付記25]前記レポータータンパク質は蛍光タンパク質である、付記24に記載の動静脈瘻針セット。
[付記26]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記21乃至25のいずれか一つに記載の動静脈瘻針セット。
[付記27]少なくとも前記第1チュービングは透明で無色透明である、付記21乃至26のいずれか一つに記載の動静脈瘻針セット。
[付記28]前記第1コネクタおよび前記第2コネクタはルアーコネクタである、付記21乃至27のいずれか一つに記載の動静脈瘻針セット。
[付記29]血液透析チューブセットであって、
動脈ラインであって、
複数の第1コネクタによって一緒に連結された複数の第1チュービングであって、該複数の第1チュービングのそれぞれは動脈内腔を有する、複数の第1チュービングと、
コーティングであって、患者の血液中の細菌感染を示す抗原に該コーティングの抗体が結合したことを示すように構成され、複数の第1チュービングのうち少なくとも1つのチュービングの前記動脈内腔は、前記コーティングで覆われている、コーティングと
を含む動脈ラインと、
複数の第2コネクタによって一緒に連結された複数の第2チュービングを含む静脈ラインであって、前記複数の第2チュービングのそれぞれは前記コーティングで覆われていない静脈内腔を有する、静脈ラインと
を備える血液透析チューブセット。
[付記30]前記抗体は、該抗体が抗原に結合するとコンフォメーション変化するよう構成されるレポータータンパク質にコンジュゲートする、付記29に記載の血液透析チューブセット。
[付記31]前記レポータータンパク質は、色の変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記30に記載の血液透析チューブセット。
[付記32]前記レポータータンパク質は、リフレクチンタンパク質である、付記31に記載の血液透析チューブセット。
[付記33]前記レポータータンパク質は、蛍光発光ピークの変化によって前記コンフォメーション変化を示すように構成される、付記30に記載の血液透析チューブセット。
[付記34]前記レポータータンパク質は蛍光タンパク質である、付記33に記載の血液透析チューブセット。
[付記35]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記29乃至34のいずれか一つに記載の血液透析チューブセット。
[付記36]前記少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、無色透明である、付記29乃至35のいずれか一つに記載の血液透析チューブセット。
[付記37]前記少なくとも1つのコーティングで覆われたチュービングは、前記動脈ラインの遠位端部分に連結された末端コネクタと、ポートを含み近位側に続く内部コネクタとの間に設けられる、付記29乃至36のいずれか一つに記載の血液透析チューブセット。
[付記38]患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するための医療装置であって、吸収試験片を備え、前記吸収試験片は、該吸収試験片の起点に初期帯を含み、前記初期帯は、前記患者の血液中の前記細菌感染を示す抗原に結合するように構成された抗体を含む、医療装置。
[付記39]前記抗体は、可視化のために色素にコンジュゲートする、付記38に記載の医療装置。
[付記40]前記抗体は、可視化のために蛍光色素を有する分子にコンジュゲートする、付記38に記載の医療装置。
[付記41]前記抗原が前記患者の血液中に存在しない場合、前記初期帯は、前記起点から離れた毛細管現象によって前記患者の血液を用いた前記吸収試験片の展開後も単一帯のままである、付記38乃至40のいずれか一つに記載の医療装置。
[付記42]前記抗原が前記患者の血液中に存在する場合、前記起点から離れた毛細管現象によって前記患者の血液を用いて前記吸収試験片を展開させた後、前記初期帯が2つの帯に分離し、前記2つの帯のうちの1つの帯において、前記抗体が前記抗原に結合しているため、前記2つの帯は異なる保持因子を有する、付記38乃至41のいずれか一つに記載の医療装置。
[付記43]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記38乃至42のいずれか一つに記載の医療装置。
[付記44]患者の血液中の細菌感染を免疫クロマトグラフィーで判定するための医療装置であって、
シリンダであって、該シリンダのシリンダハブ側端部に位置するシリンダハブと、前記シリンダのシリンダフランジ側端部に位置するシリンダフランジとを含む、シリンダと、
前記シリンダ内に取り外し可能に設けられたプランジャと、
前記シリンダハブ側端部と前記シリンダフランジ側端部との間で前記シリンダに流体接続されたサイドカーと、
前記サイドカー内に配置された吸収試験片と、を備え、前記吸収試験片は、前記シリンダに隣接する該吸収試験片の起点に初期帯を含み、前記初期帯は、前記患者の血液中の前記細菌感染を示す抗原に結合するように構成された抗体を含む、医療装置。
[付記45]前記抗体は、可視化のために色素にコンジュゲートする、付記44に記載の医療装置。
[付記46]前記抗体は、可視化のために蛍光色素を有する分子にコンジュゲートする、付記44に記載の医療装置。
[付記47]前記抗原が前記患者の血液中に存在しない場合、前記初期帯は、前記起点から離れる方向への毛細管現象による前記患者の血液を用いた前記吸収試験片の展開後も単一帯のままである、付記44乃至46のいずれか一つに記載の医療装置。
[付記48]前記抗原が前記患者の血液中に存在する場合、前記起点から離れる方向への毛細管現象による前記患者の血液を用いた前記吸収試験片の展開後、前記初期帯が2つの帯に分離し、前記2つの帯のうちの1つの帯において、前記抗体が前記抗原に結合しているため、前記2つの帯は異なる保持因子を有する、付記44乃至47のいずれか一つに記載の医療装置。
[付記49]前記抗原はプロカルシトニン(PCT)であり、前記抗体は抗PCT抗体である、付記44乃至48のいずれか一つに記載の医療装置。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6