(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電気接続配列を生産するための方法、及び電気接続配列
(51)【国際特許分類】
B29C 65/08 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B29C65/08
(21)【出願番号】P 2022530273
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2020082338
(87)【国際公開番号】W WO2021104928
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-11
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ガッラ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・パイツ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0282431(US,A1)
【文献】特開平11-121084(JP,A)
【文献】中国実用新案第202454808(CN,U)
【文献】特表2017-533463(JP,A)
【文献】特表2019-503274(JP,A)
【文献】特開2009-273347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00 - 65/82
H01R 43/00 - 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続配列を製造するための方法において、
-
電気接続装置(120)を準備するステップであって、前記電気接続装置が、マーキングラベル(130)を収容するための凹所(122)を有しているベース本体(121)を備え
、前記ベース本体(121)が前記凹所(122)の領域に溝部を備えている、前記ステップと、
-
圧着部分(132)を有し、前記圧着部分(132)が、2つの突出したウェブ(133,134)を有している、前記マーキングラベル(130)を準備するステップと、
- 前記マーキングラベル(130)を前記凹所(122)に挿入
し、前記ウェブ(133,134)を前記溝部に係合させるステップと、
- 前記
ウェブ(133,134)と前記
溝部との間
の超音波溶着によって
、前記ウェブ(133,134)と前記溝部との間に一体接続部分及び/又は嵌合接続部分(123)を形成するステップと、
を
含んでなることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ベース本体(121)が、
前記凹所(122)の領域においてポリアミドを有しているか、又はポリアミドから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーキングラベル(130)がポリアミドを有しているか、又は前記マーキングラベル(130)がポリアミドから構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マーキングラベル(130)のレーザ刻印が、超音波溶着の後に実施されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マーキングラベル(130)が、刻印部分(13
1)を有
し、
前記刻印部分(131)が
、前記ベース本体(121)に当接し、且つ、前記ベース本体(120)に溶着されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マーキングラベル(130)が、超音波溶着の前に、嵌合及び/又は圧入により前記ベース本体(121)に接続されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数の前記マーキングラベル(130)が準備され、且つ、複数の前記凹所(122)に挿入され、
前記凹所(122)が、複数の前記ベース本体(121)に形成され、
前記マーキングラベル(130)それぞれの関連する前記ベース本体(121)に対する同時超音波溶着が実施されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
電気接続装置(120)及びマーキングラベル(130)を具備する電気接続配列において、
前記電気接続装置(120)が、ベース本体(121)を有しており、
前記ベース本体(121)が、前記マーキングラベル(130)を収容するための凹所(122)
と、前記凹所(122)の領域に溝部を有しており、
前記ベース本体(121)が、導電体を挿入するための開口部(110)を有しており、
前記マーキングラベル(130)が、圧着部分(132)を有し、前記圧着部分(132)が、2つの突出したウェブ(133,134)を有しており、
前記マーキングラベル(130)が、前記凹所に挿入されており、
前記ウェブ(133,134)が、前記溝部に係合しており
前記
ウェブ(133,134)と前記
溝部とが、超音波溶着によって一体的に結合された状態で及び/又は嵌合した状態で互いに接続されていることを特徴とする電気接続配列。
【請求項9】
前記マーキングラベル(130)が、刻印部分(131
)を有
し、
前記刻印部分(131)が、超音波溶着によってベース本体(121)に溶着されていることを特徴とする請求項8に記載の電気接続配列。
【請求項10】
複数の前記マーキングラベル(130)が、複数の前記凹所(122)に挿入されており、
前記凹所(122)が、複数の前記ベース本体(121)に形成されており、
前記マーキングラベル(130)がそれぞれ、超音波溶着によって関連する前記ベース本体(121)に溶着されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の電気接続配列。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続配列を生産するための方法、及び電気接続配列に関する。
【背景技術】
【0002】
制御盤の構造体では、例えば接続端子、端子ブロック、プラグコネクタ等(以下において、接続配列と総称する)の端子を示すためにマーキングラベルが利用される。マーキングラベルは、例えば端子ブロックのような接続配列に直接貼付されている。このために、マーキングラベルは、通常、接続配列の関連する凹所に嵌合(form-fitting)又は圧入(force-fitting)により収容されるように、圧着可能な形状を有している。
【0003】
従来技術に基づく圧着接続の、自動化生産に対する適合性は限定的であった。従って、自動操作の際に、例えば端子ブロックの自動操作の際に、振動、衝撃、又は他の動的影響に起因してマーキングラベルが剥離又は脱落する場合があった。そのために、刻印されたマーキングラベルが端子ブロックに取り付けられている場合には、マーキングラベルが欠損するか、又はマーキングラベルが誤った位置に配置されることがある。また、刻印されていないマーキングラベルが、その後に自動刻印される予定の端子ブロックに装着された場合には、自動刻印を実施することができない。記号が欠損若しくは欠落や位置ずれするか、又は自動刻印が誤作動するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景に基づいて、本発明の目的は、自動化生産の信頼性を高めることができる電気接続配列を生産するための方法、及び当該電気接続配列を提供することである。
【0005】
当該目的は、独立請求項に規定される特徴を具備する本発明によって達成される。本発明の適切な実施例及び優位な発展例は、従属請求項に規定されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における電気接続配列を製造するための方法は、例えば端子ブロック等のような電気接続装置を準備するステップであって、電気接続装置が、マーキングラベルを収容するための凹所を有しているベース本体を備えている、ステップと、マーキングラベルを準備するステップと、マーキングラベルを凹所に挿入するステップと、マーキングラベルとベース本体の間に、超音波溶着によって一体接続部分及び/又は嵌合接続部分を形成するステップとによって特徴づけられている。
【0007】
超音波溶着による一体結合された接続及び/又は嵌合接続を利用することによって、マーキングラベルをベース本体に確実に固定可能となるので、自動処理の際における輸送に関連する振動又は衝撃によってマーキングラベルがベース本体から脱離しなくなる。従って、例えば端子ブロックには、1つ以上のマーキングラベルが配設可能とされる。自動制御キャビネット生産において、当該マーキングラベルが最初に取り付けられ、その後に、マーキングラベル又は複数のマーキングラベルが損壊する恐れ無くラベル付けされる。
【0008】
超音波溶着によって、特に、ベース本体が支持体に固定され、音響伝送のためのソノトロードがベース本体に取り付けられたマーキングラベルに配置される。必要な振動エネルギは、ソノトロードを介してマーキングラベルに導かれ、マーキングラベルとベース本体との間の1つ以上の接触領域に伝達される。1つ以上の接触領域において、エネルギ入力の結果、マーキングラベルの材料とベース本体の材料とが局所的に溶融及び/又は融解される。ベース本体とマーキングラベルとの間の純粋に一体的に結合された接続の場合には、マーキングラベルの材料は溶融し、ベース本体の材料と融合される。純粋な嵌合接続の場合には、マーキングラベルの材料の領域が超音波溶着によって溶融し、溶融した材料がベース本体に形成された1つ以上の溝部に流れ込み、流れ込んだ場所においてマーキングラベルとベース本体との一体的な結合が形成される。
【0009】
電気接続装置としては、接続端子、端子ブロック、プラグコネクタ等が挙げられる。電気接続装置が端子ブロックである場合には、ベース本体が、導電体に挿入及び接触するための1つ以上の接続開口部を有している端子ブロックのいわゆる端子である。このようなターミナルは、例えば、1つ以上の導体端部を圧着するために、バネ装填式圧着機構及び/又はネジ接続部を有している。
【0010】
ベース本体の凹所の領域は、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)、例えばポリプロピレン(PP)。ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)ポリオキシメチレン(POM)又はポリエチレン(PE)、ポリアリールスルホン(PSU、PPSU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーンのうち一の樹脂材料を有している。
【0011】
マーキングラベルは、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)、例えばポリプロピレン(PP)。ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)ポリオキシメチレン(POM)又はポリエチレン(PE)、ポリアリールスルホン(PSU、PPSU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーンのうち一の樹脂材料を有しているか、当該一の樹脂材料から構成されている。
【0012】
マーキングラベルのプラスチック材料とベース本体のプラスチック材料とは、超音波溶着によって共に溶着可能とされるか、又は少なくとも部分領域で溶融可能とされることを条件にして選択される。良好な溶着性又は溶融性を実現するために、マーキングラベルのプラスチック材料とベース本体のプラスチック材料とは、好ましくは同様の融点、特に同一の融点を有することを条件にして選択される。
【0013】
例えば、非晶質プラスチック材料が超音波溶着によって共に溶着される。
【0014】
代替的には、半結晶性プラスチック材料が超音波溶着によって共に溶着される。
【0015】
代替的には、半結晶性プラスチック材料と非晶性プラスチック材料とが溶着される。
【0016】
例えば、ベース本体はポリアミドを有しているか、又は凹所の領域においてポリアミドから構成されている。
【0017】
例えば、マーキングラベルはポリアミドを有しているか、又はポリアミドから構成されている。
【0018】
さらに、ベース本体はポリカーボネートを有しているか、又は凹所の領域においてポリカーボネートから構成されている場合がある。
【0019】
さらに、マーキングラベルはポリカーボネートを有しているか、又はポリカーボネートから構成されている場合がある。
【0020】
超音波溶着の後に、マーキングラベルは、レーザ刻印される。レーザ刻印は、UVレーザ又はCO2レーザを用いて実施される。このようにして、電気接続装置にマーキングラベルを取り付け刻印するためのコスト効果に優れた堅牢な方法であって、マーキングラベルとベース本体との確実な接続に起因して自動大量生産に適している方法が確立される。
【0021】
特に、マーキングラベルのプラスチック材料は、超音波溶着とレーザ刻印との両方に適している。
【0022】
マーキングラベルは、超音波溶着の前に刻印される。結果として、既に刻印されたラベルはベース本体に接続される。
【0023】
さらなる実施例では、レーザ刻印の代わりに、インクジェット印刷、パッド印刷等の代替的な刻印方法又はマーキング方法が利用可能とされる。
【0024】
電気接続配列の電気接続装置は、使用されるマーキングラベルと共に、マーキングラベルが刻印される前に制御盤のための支持レールに事前に取り付けられる端子ブロックである。従って、電気接続装置は、マーキングラベルに刻印する前に支持レールに取り付け可能である。
【0025】
さらに好ましくは、マーキングラベルは刻印部分と圧着部分とを有しており、圧着部分は2つの突出したウェブを有しており、超音波溶着の際に、ウェブがベース本体に当接し、ベース本体に溶着可能とされるか、及び/又は、刻印部分がベース本体に当接し、ベース本体に溶着可能とされる。
【0026】
特に、刻印部分は、刻印される面、すなわち突出したウェブから及び/又はマーキングラベルとベース本体との間に形成された溶着接続部から離隔して配置された刻印面を有している。これにより、刻印のための利用可能な領域が溶着接続部によって縮小されることはない。
【0027】
マーキングラベルをベース本体に事前に固定するために、マーキングラベルは、超音波溶着の前に、嵌合及び/又は圧入によりベース本体に接続される。特に、マーキングラベルの突出したウェブが、凹所の溝部すなわち係止溝に係合し、及び/又は凹所に固定されるので、マーキングラベルをベース本体に嵌合及び/又は圧入により接続することができる。従って、マーキングラベルは、超音波溶着に加えて、嵌合及び/又は圧入によりベース本体に接続される。
【0028】
代替的な実施例では、マーキングラベルは、ウェブ等を具備する圧着部分を有していないので、凹所の領域には嵌合接続又は圧入接続が形成されていない。特に、マーキングラベルと凹所との間に平面的な接触が形成されるので、マーキングラベルとベース本体とは、超音波溶着によって互いに対して完全に一体的に結合される。例えば、刻印部分の刻印面の反対側に面している裏面はベース本体に溶着されている。代替的又は付加的には、刻印セクションに隣接する溶着セクションが凹所の領域で溶着され、溶着セクションは、溝部に係合しておらず、マーキングラベルが凹所に挿入される組立方向に沿って見ると、マーキングラベルと一体的に結合された接続部を形成していない。
【0029】
特にマーキングラベルは、接着剤によって、ベース本体に結合されていない。従って、好ましくは、接着剤は全く利用されていない。
【0030】
特に超音波溶着の場合には、マーキングラベルとベース本体との隣接するプラスチック材料同士が均質に融着される。
【0031】
マーキングラベルとベース本体との間に形成される溶着接続部の強度は、超音波溶着の溶着に関する設定値によって調整される。例えば、溶着接続部の強度は、マーキングラベルとベース本体との一体的な結合部が工具を利用しないで機械的に破壊されるように調整可能であり、これによりマーキングラベルを容易に交換することができる。代替的には、溶着接続部の強度は、マーキングラベルとベース本体との一体的な結合部が例えばドライバー等のような工具を利用して機械的に破壊されるように調整可能であり、これによりマーキングラベルを容易に交換することができる。
【0032】
単一のマーキングラベルが、ベース本体の凹所に挿入され、上述の態様の超音波溶着によってベース本体に接続されている場合がある。
【0033】
さらに、複数のマーキングラベルが幾つかの凹所に挿入され、凹所が幾つかのベース本体に形成され、マーキングラベルそれぞれが関連するベース本体それぞれと同時に超音波溶着される場合がある。
【0034】
例えば、端子ブロックは、最大50個のベース本体又は最大50個の端子を備えており、これらベース本体それぞれが、マーキングラベルを収容するための凹所を有している。これら凹所それぞれは、マーキングラベルを備えており、マーキングラベルは、個別に又は連結若しくは複合して配設されており、凹所に挿入可能とされる。
【0035】
次に、ソノトロードがマーキングラベルに配設及び配置されるので、マーキングラベルそれぞれがソノトロードに当接する。このようにして、マーキングラベルそれぞれと関連するベース本体それぞれとの接触点の領域に必要なエネルギが同時に入力されるので、複数のマーキングラベルが関連するベース本体それぞれと同時に溶着される。
【0036】
従って、本発明は、堅牢且つ効率的な自動化方法であって、端子ブロックにマーキングラベルを設けた後に、自動的な刻印が確実に実施される方法を提供する。1つ以上のマーキングラベルの損壊を回避することができるからである。
【0037】
さらに、本発明の目的は、電気接続装置及びマーキングラベルを具備する電気接続配列であって、電気接続装置がベース本体を有しており、ベース本体がマーキングラベルを収容するための凹所を有しており、ベース本体が導電体を挿入するための開口部を有しており、マーキングラベルが凹所に挿入され、超音波溶着によってマーキングラベルとベース本体が一体的に結合された状態及び/又は嵌合状態で互いに接続される、電気接続配列によって達成される。
【0038】
このようにして、自動組立方法について最適化されたコスト効率に優れた電気接続配列が特定されるので、マーキングラベルとベース本体との溶着された接続部によって、輸送に関連する衝撃又は振動に起因するマーキングラベルの損壊を確実に回避することができる。
【0039】
接続配列のさらなる実施例では、マーキングラベルは刻印部分と圧着部分とを有しており、圧着部分が2つの突出したウェブを有しており、ウェブは超音波溶着によってベース本体に溶着されているか、及び/又は、刻印部分は超音波溶着によってベース本体に溶着されている。
【0040】
特に、溶着接続部は、刻印部分に形成された刻印面から離隔して配置されているので、利用可能な銘板面は、設けられた溶着接続部によって縮小されたり、損なわれたりしない。
【0041】
マーキングラベルとベース本体と確実な接続を実現するために、電気接続配列のさらなる実施例におけるマーキングラベルは、ベース本体に嵌合及び/又は圧入により接続されている。このために、例えばマーキングラベルのウェブは、凹所に設けられたアンダーカット又は溝に係合可能とされ、及び/又は凹所に特に弾性的に支持されることができる。
【0042】
電気接続配列のさらなる実施例では、複数のマーキングラベルが幾つかの凹所に挿入され、凹所は幾つかのベース本体に形成されており、マーキングラベルそれぞれが超音波溶着によって関連するベース本体それぞれに溶着可能とされる。
【0043】
例えば、電気接続配列が、関連するマーキングラベルそれぞれを備えている複数のベース本体又は端子を具備する端子ブロックを有している。従って、電気接続配列は、自動刻印に適合した複数のマーキングラベルを具備する端子ブロックを有している。
【0044】
本発明について、例示的な実施例を概略的に表わす図面を参照しつつ、以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1A】超音波溶着を実施する前における、電気接続配列及びソノトロードの上方から見た斜視図である。
【
図1B】超音波溶着を実施している最中における、
図1Aに表わす電気接続配列及びソノトロードの断面図である。
【
図2A】超音波溶着を実施する前における、電気接続配列及びソノトロードを上方から見た斜視図である。
【
図2B】超音波溶着を実施している最中における、
図2Aに表わす電気接続配列を上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1Aは、本発明における電気接続配列100を表わす。接続配列100は、導電体を挿入するための開口部110を有している。接続配列100は、ベース本体121を具備する電気接続装置120を有しており、ベース本体121は、マーキングラベル130を収容するための凹所122を有している。
【0047】
図1Bから理解されるように、マーキングラベル130は、刻印部分131と圧着部分132とを有している。圧着部分132は、凹所122に係合するようになっている突出したウェブ133,134を有している。
【0048】
当該実施例では、マーキングラベル130はポリアミドから形成されている。同様に、ベース本体121も、凹所122の領域では、ポリアミドから形成されており、マーキングラベル130も、ポリアミドから形成されている。従って、マーキングラベル130とベース本体121との後述する溶着接続は均質である。マーキングラベル130とベース本体121との両方が、凹所の領域において同一の材料から形成されているからである。
【0049】
電気接続配列100を生産するために、方法ステップにおいて、電気接続装置120が最初に準備される。マーキングラベル130が凹所122に挿入される。この状態では、マーキングラベル130は凹所122に予め固定されている。ウェブ133,134を具備するマーキングラベル130が、凹所122に嵌合且つ圧入により保持されているからである。
【0050】
マーキングラベル130をベース本体121に溶着するために、超音波溶着装置のソノトロード200をマーキングラベル130の刻印部分131に向かって下降させる。ソノトロード200がマーキングラベル130に導入する音響エネルギによって、マーキングラベル130がベース本体121に局所的に溶融及び融着するので、ベース本体121とマーキングラベル130との間に溶着接続部123が形成される。当該実施例では、溶着接続部123は、ウェブ133,134とベース本体121との重なり表現によって図示されている。
【0051】
溶着後に、ソノトロード200を刻印部分131から離隔するように揚重又は移動させて、レーザ刻印によって刻印部分131の刻印面135にラベルを付ける。
【0052】
図2A及び
図2Bは、本発明におけるさらなる電気接続配列100を表わすが、
図2A及び
図2Bに表わす電気接続配列は、電気接続装置120が複数のベース本体121を有している点において、上述の典型的な実施例と相違する。当該実施例では、ベース本体121は、端子ブロックとして構成されている電気接続装置120の端子121である。
【0053】
マーキングラベル130は、ベース本体121の凹所122それぞれに配置されている。
図2Bに表わすように、ソノトロード200は、互いに隣接して配置されたマーキングラベル130の長さ全体を覆うので、すべてのマーキングラベル130がそれぞれ、関連するベース本体121と同時に溶着される。
【符号の説明】
【0054】
100 電気接続配列
110 開口部
120 電気接続装置/端子ブロック
121 ベース本体/端子
122 凹所
123 溶着部分
130 マーキングラベル
131 刻印部分
132 圧着部分
133 ウェブ
134 ウェブ
135 刻印面
200 ソノトロード