(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】駆動バックプレーン、表示パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240220BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240220BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 352
G09F9/33
G09F9/00 338
(21)【出願番号】P 2023509823
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2021113847
(87)【国際公開番号】W WO2022095549
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】202011211454.5
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521036621
【氏名又は名称】成都辰顯光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chengdu Vistar Optoelectronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.146,Tianying Road,High-tech Zone,Chengdu,Sichuan 611731,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】王岩
(72)【発明者】
【氏名】黄飛
(72)【発明者】
【氏名】夏継業
(72)【発明者】
【氏名】盛翠翠
(72)【発明者】
【氏名】銭先鋭
(72)【発明者】
【氏名】王程功
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-215564(JP,A)
【文献】特開2020-154117(JP,A)
【文献】特開2020-025033(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0172760(US,A1)
【文献】特開平02-165125(JP,A)
【文献】特開2005-173523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00-1/26
G01R 31/00-31/01
G01R 31/24-31/25
G01R 31/50-31/74
G02F 1/13-1/141
G09F 9/00-9/46
G09F 13/00-13/46
G09G 3/12-3/14
G09G 3/30-3/3291
H01L 21/336
H01L 27/15
H01L 29/786
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
H04N 13/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備える駆動バックプレーンであって、
複数のピクセル駆動ユニットのうちの少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、マイクロ発光ダイオードチップと結合するようにそれぞれ構成される主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、
前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、前記主電極対の第2電極、前記主電極対の第1電極、前記冗長電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第2電極は順に並べられ、
前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、前記第1方向に沿って延伸し、且つ前記主電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、前記接続線は、切割部を備え、前記接続線における信号が前記冗長電極対と前記切割部との間の部分に入力されるものであ
り、
前記駆動バックプレーンは、前記ピクセル駆動ユニットに一対一対応して前記冗長電極対の第1電極に電気的接続される複数のピクセル駆動回路を更に備える、
駆動バックプレーン。
【請求項2】
前記複数のピクセル駆動ユニットは前記第1方向に沿ってピクセル列に並べられ、前記複数のピクセル駆動ユニットは第2方向に沿ってピクセル行に並べられ、
前記駆動バックプレーンは、前記第2方向に沿って延伸する複数本の第1電極導線及び前記第1方向に沿って延伸する複数本の第2電極導線を更に備え、
同一行に位置するピクセル駆動ユニットの接続線は同一第1電極導線に接続され、異なる行に位置するピクセル駆動ユニットの接続線は異なる第1電極導線に接続され、前記冗長電極対の第1電極は前記第1電極導線に電気的接続され、前記接続線における信号は前記第1電極導線から入力され、
同一列に位置するピクセル駆動ユニットにおける前記主電極対の第2電極及び前記冗長電極対の第2電極はいずれも同一前記第2電極導線に電気的接続され、異なる列に位置するピクセル駆動ユニットにおける前記主電極対の第2電極は異なる第2電極導線に電気的接続され、異なる列に位置するピクセル駆動ユニットにおける前記冗長電極対の第2電極は異なる第2電極導線に電気的接続される、
請求項1に記載の駆動バックプレーン。
【請求項3】
前記駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、前記接続線の正投影と同一前記接続線に隣り合う2本の前記第2電極導線の正投影のそれぞれとの間の距離の比の値の範囲は0.1~10である、
請求項2に記載の駆動バックプレーン。
【請求項4】
前記第1電極導線の一部は前記第1電極導線に電気的接続される前記冗長電極対の第1電極として併用される、
請求項2に記載の駆動バックプレーン。
【請求項5】
同一層に設けられた前記第1電極導線と前記第2電極導線との間の重なり位置に位置する絶縁層を更に備える、
請求項2に記載の駆動バックプレーン。
【請求項6】
前記駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、前記接続線の正投影及び前記ピクセル駆動回路の正投影は少なくとも一部が重ならない、
請求項
1に記載の駆動バックプレーン。
【請求項7】
前記第1方向に沿って延伸する複数本の信号線を備え、
前記駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、前記接続線の正投影と同一前記接続線に隣り合う2本の前記信号線の正投影のそれぞれとの間の距離の比の値の範囲は0.1~10である、
請求項
1に記載の駆動バックプレーン。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の駆動バックプレーン及び複数のマイクロ発光ダイオードチップを備える表示パネルであって、
前記複数のマイクロ発光ダイオードチップのうちのいずれか1つは前記主電極対と結合されるか、又は前記冗長電極対と結合される、
表示パネル。
【請求項9】
複数のマイクロ発光ダイオードチップを駆動バックプレーンにおける主電極対とそれぞれ結合し、前記駆動バックプレーンが、アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備え、複数のピクセル駆動ユニットのうちの少なくとも1つのピクセル駆動ユニットが、主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、前記主電極対、前記少なくとも1つの冗長電極対が、マイクロ発光ダイオードチップと結合するように構成され、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、前記主電極対の第2電極、前記主電極対の第1電極、前記冗長電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第2電極が順に並べられ、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットが、前記第1方向に沿って延伸し、且つ前記主電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、前記接続線が、切割部を備え、前記接続線における信号が前記冗長電極対と前記切割部との間の部分に入力されるものであることと、
前記複数のマイクロ発光ダイオードチップに発光信号を出力することと、
マイクロ発光ダイオードチップの発光異常に応答し、発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する切割部を切断し、前記発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する冗長電極対を他の1つのマイクロ発光ダイオードチップと結合することとを含
み、
前記駆動バックプレーンは、前記ピクセル駆動ユニットに一対一対応して前記冗長電極対の第1電極に電気的接続される複数のピクセル駆動回路を更に備える、
表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年11月03日に中国専利局に出願された、出願番号が202011211454.5である中国特許出願の優先権を主張し、上記の出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、表示技術に関し、例えば、駆動バックプレーン、表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の発展に伴い、表示パネル、例えば、マイクロ発光ダイオード(Micro-LED、Micro Light-Emitting-Diode)表示パネルの使用はますます広くなり、相応して表示パネルの歩留まりへの要求がますます高くなっている。
【0004】
マイクロ発光ダイオード表示パネルは、駆動バックプレーン及びマイクロ発光ダイオードチップを備え、マイクロ発光ダイオードチップの歩留まりは低く、表示パネルを製造する時、通常に、冗長救済の方式を採用し、即ち、駆動バックプレーンにおける各サブピクセルに2つのマイクロ発光ダイオードチップの位置を事前に留保し、1つ目の第1マイクロ発光ダイオードチップに欠陥が存在すると、1つ目のマイクロ発光ダイオードチップの導線を切断し、冗長位置に1つの同じマイクロ発光ダイオードチップを補充する。
【0005】
しかしながら、冗長救済の方式が採用される駆動バックプレーンにおいては、各サブピクセルが占める面積が大きく、即ち、冗長救済の方式は低PPI(Pixels Per Inch、ピクセル密度)の駆動バックプレーンにしか適用されず、高PPIの駆動バックプレーンには適用されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、駆動バックプレーンにおける各ピクセル駆動ユニットの面積を減少させ、冗長救済の方式を高PPIの駆動バックプレーンに適用可能にするための駆動バックプレーン、表示パネル及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本願の実施例は、
アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備える駆動バックプレーンを提供し、
複数のピクセル駆動ユニットのうちの少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、マイクロ発光ダイオードチップと結合するようにそれぞれ構成される主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、
前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、前記主電極対の第2電極、前記主電極対の第1電極、前記冗長電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第2電極は順に並べられ、
前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、前記第1方向に沿って延伸し、且つ前記主電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、前記接続線は、切割部を備え、前記接続線における信号が前記冗長電極対と前記切割部との間の部分に入力されるものである。
【0008】
第2態様では、本願の実施例は、第1態様に記載の駆動バックプレーン及び複数のマイクロ発光ダイオードチップを備える表示パネルを更に提供し、前記複数のマイクロ発光ダイオードチップのうちのいずれか1つは前記主電極対と結合されるか、又は前記冗長電極対と結合される。
【0009】
第3態様では、本願の実施例は、
複数のマイクロ発光ダイオードチップを駆動バックプレーンにおける主電極対とそれぞれ結合し、そのうち、前記駆動バックプレーンが、アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備え、複数のピクセル駆動ユニットのうちの少なくとも1つのピクセル駆動ユニットが、主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、前記主電極対、前記少なくとも1つの冗長電極対が、マイクロ発光ダイオードチップと結合するように構成され、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、前記主電極対の第2電極、前記主電極対の第1電極、前記冗長電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第2電極が順に並べられ、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットが、前記第1方向に沿って延伸し、且つ前記主電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、前記接続線が、切割部を備え、前記接続線における信号が前記冗長電極対と前記切割部との間の部分に入力されるものであることと、
前記複数のマイクロ発光ダイオードチップに発光信号を出力することと、
マイクロ発光ダイオードチップの発光異常に応答し、発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する切割部を切断し、前記発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する冗長電極対を他の1つのマイクロ発光ダイオードチップと結合することとを含む、表示パネルの製造方法を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】関連技術における駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る駆動バックプレーンとマイクロ発光ダイオードチップとの結合の構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る駆動バックプレーンの膜層構造模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願を説明する。
【0012】
上記に言及したような、関連技術における冗長救済の方式は、高PPIの駆動バックプレーンに適用されない。
【0013】
図1は関連技術における駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図1を参照すると、駆動バックプレーンはアレイ配列された複数のピクセル駆動ユニット101’を備え、各ピクセル駆動ユニット101’は主電極対105’及び冗長電極対104’を備え、駆動バックプレーンは複数本の第1電極導線102’及び複数本の第2電極導線103’を更に備え、冗長電極対104’は第1電極1041’及び第2電極1042’を備え、主電極対105’は第1電極1051’及び第2電極1052’を備え、
図1に示すように、関連技術の駆動バックプレーンにおいて、冗長電極対の第1電極1041’及び主電極対の第1電極1051’はいずれも第1電極導線102’に電気的接続され、主電極対の第2電極1052’及び冗長電極対の第2電極1042’はいずれも第2電極導線103’に電気的接続される。主電極対の第1電極1051’、主電極対の第2電極1052’、冗長電極対の第1電極1041’及び冗長電極対の第2電極1042’は順に並べられ、例えば、第1方向Xに順に並べられる。駆動バックプレーンがマイクロ発光ダイオードチップと結合される時、先にマイクロ発光ダイオードチップを主電極対105’と結合し、そして、マイクロ発光ダイオードチップをテストし、マイクロ発光ダイオードチップが欠陥ピクセルであれば、冗長修復を実現するために、主電極対105’と第1電極導線102’との間の第1接続線106’及び/又は主電極対105’と第2電極導線103’との間の第2接続線107’を切断し、そして、冗長電極対104’に1つの同じタイプのマイクロ発光ダイオードチップを結合し、しかしながら、駆動バックプレーンにおける主電極対105’及び冗長電極対104’は低PPIの場面にしか適用されず、理由は、ピクセル駆動ユニット101’に対応する領域に2つのマイクロ発光ダイオードが結合可能であるように、主電極対105’と冗長電極対104’との間に一定の距離を空ける必要があるからであり、従って、接続線の位置を事前に留保するために、主電極対105’と第1電極導線102’との間の第1接続線106’が十分に長くなるように、ピクセル駆動ユニット101’の第1方向Xでの長さを大きくするか、又は、主電極対105’と第2電極導線103’との間の第2接続線107’が十分に長くなるように、ピクセル駆動ユニット101’の第1方向Xに垂直な方向での幅を大きくする必要があり、これにより、ピクセル駆動ユニット101’は、面積が大きくなり、高PPIの場面に適用されない。
【0014】
上記関連技術における駆動バックプレーンが遭遇する作動状況に対して、本願は、以下のような駆動バックプレーン、表示パネル及び表示パネルの製造方法を提出する。
【0015】
図2は本願の実施例に係る駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図2を参照すると、駆動バックプレーンはアレイ配列された複数のピクセル駆動ユニット101を備え、複数のピクセル駆動ユニット101のうちの少なくとも1つのピクセル駆動ユニット101は、マイクロ発光ダイオードチップと結合するようにそれぞれ構成される主電極対102及び少なくとも1つの冗長電極対103を備え、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニット101の主電極対102及びいずれかの冗長電極対103からなる構造において、第1方向Xに沿って、主電極対102の第2電極1022、主電極対102の第1電極1021、冗長電極対103の第1電極1031及び冗長電極対103の第2電極1032が順に並べられ、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニット101は、第1方向Xに沿って延伸し、且つ主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031にそれぞれ電気的に接続された接続線104を備え、接続線104は、切割部1040を備え、接続線104における信号が前記冗長電極対103と前記切割部1040との間の部分に入力されるものである。
【0016】
図2において、接続線104における信号は冗長電極対103の第1電極1031と切割部1040との間の部分に入力されるものである。
【0017】
例えば、駆動バックプレーンはマイクロ発光ダイオード表示パネルの駆動バックプレーンであってもよく、マイクロ発光ダイオード表示パネルの駆動バックプレーンはベース及び複数層の機能層を備えてもよく、機能層は、例えば、金属層、絶縁層又は半導体層等であってもよく、駆動バックプレーンは複数のアレイ配列されたピクセル駆動ユニットを備え、本実施例におけるピクセル駆動ユニットとは駆動バックプレーンにおけるマイクロ発光ダイオードチップに対応して結合する領域であり、主電極対102は主電極対102に接続する導線の一部であってもよく、冗長電極対103は冗長電極対103に接続する導線の一部であってもよく、例えば、主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031は接続線の一部であり、主電極対102及び冗長電極対103はマイクロ発光ダイオードチップと結合するために、いずれも駆動バックプレーンの外部に露出し、他のいくつかの実施態様において、マイクロ発光ダイオードチップとの結合を容易にするために、主電極対102及び冗長電極対103の表面にパットを設けてもよく、又は、電極対の電極と電極に繋がる導線とは同一導線ではなく、例えば、主電極対102の第1電極1021は接続線104に属せず、接続線104の外に独立した構造である。本実施例において、主電極対102及び冗長電極対103がいずれも電極対に繋がる導線の一部であるように設定可能であり、製造工程のフローが少なく、工程コストの節約に有利である。
【0018】
1つのピクセル駆動ユニットは、主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031がピクセル駆動ユニットの内側に位置し、主電極対102の第2電極1022及び冗長電極対103の第2電極1032がピクセル駆動ユニットの外側に位置し、即ち、主電極対102の第2電極1022が、主電極対102の第1電極1021の冗長電極対103の第1電極1031から離れる側に位置し、冗長電極対103の第2電極1032が、冗長電極対103の第1電極1031の主電極対102の第1電極1021から離れる側に位置する。主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031は、接続線104の両端の併用により得られる。主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031にはいずれも同じ信号が入力され、例えば、いずれもマイクロ発光ダイオードチップのアノードに要る信号が入力され、又は、いずれもマイクロ発光ダイオードチップのカソードに要る信号が入力され、主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031はマイクロ発光ダイオードチップの同じ電極と結合し、例えば、いずれもアノードと結合するか、又はいずれもカソードと結合するように構成される。
【0019】
図3は本願の実施例に係る駆動バックプレーンとマイクロ発光ダイオードチップとの結合の構造模式図であり、
図3に示すように、表示パネルを製造する時、先にマイクロ発光ダイオードチップ201を主電極対102と結合する。接続線104における切割部1040は、主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201の作動が異常であることが検出されると切断されるように構成され、主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201の作動の継続、例えば異常発光による表示品質の低下が回避される。本願の実施例は切割部1040の位置及びサイズについて制限しないが、接続線104における信号が切割部1040と冗長電極対103との間の部分に入力されるものであることを保証する必要があり、切割部1040が切断されると、接続線104における信号は主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201に出力不可となり、表示の異常が回避され、同時に、接続線104における信号は依然として冗長電極対103に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201に出力可能であり、これにより、冗長電極対103に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201が正常に作動可能であることが保証される。表示パネルを製造する時、先にマイクロ発光ダイオードチップ201を主電極対102と結合し、この時、接続線104には導電通路が存在し、接続線104における信号は主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201に伝送可能であり、当該マイクロ発光ダイオードチップ201が欠陥ピクセルであれば、接続線104を切断し、この時、接続線104における信号は主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201に伝送不可であり、同じタイプのマイクロ発光ダイオードチップ201を対応する冗長電極対103と結合することで、冗長修復を実現する。主電極対102と冗長電極対103との間には一定の間隔が設けられなければならないため、本実施例において、主電極対102の第2電極1022に対応する位置(例えば、
図3における黒点の四角枠内の第2電極1022の近隣領域)又は冗長電極対103の第2電極1032に対応する位置(例えば、
図3における黒点の四角枠内の第2電極1032の近隣領域)に接続線を設けるために、第1方向Xに沿ってピクセル駆動ユニット101の長さを大きくする必要がなく、同時に、主電極対102の第2電極1022に対応する位置(例えば、
図3における黒点の四角枠内の第2電極1022の左側位置)又は冗長電極対103の第2電極1032に対応する位置(例えば、
図3における黒点の四角枠内の第2電極1032の左側位置)に接続線を設けるために、第1方向に垂直な方向に沿ってピクセル駆動ユニットの幅を大きくする必要もなく、接続線104を主電極対102と冗長電極対103との間に設け、これにより、ピクセル駆動ユニット101は、面積が小さくなり、高PPIの場面に適用可能である。
【0020】
本実施例において、主電極対102の第2電極1022、主電極対102の第1電極1021、冗長電極対103の第1電極1031及び冗長電極対103の第2電極1032は同一直線に位置してもよいし、一定の位置ずれを有してもよい。マイクロ発光ダイオードチップ201は、赤光マイクロ発光ダイオードチップ、緑光マイクロ発光ダイオードチップ又は青光マイクロ発光ダイオードチップであってもよく、同じタイプのマイクロ発光ダイオードチップは即ち、発光色が同じであるマイクロ発光ダイオードチップである。
【0021】
本願に採用される駆動バックプレーンは、アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備え、少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、マイクロ発光ダイオードチップと結合するようにそれぞれ構成される主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、主電極対の第2電極、主電極対の第1電極、冗長電極対の第1電極及び冗長電極対の第2電極は順に並べられ、少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、第1方向に沿って延伸し、且つ主電極対の第1電極及び冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、接続線は、切割部を備え、接続線における信号が冗長電極対と切割部との間の部分に入力されるものである。主電極対の第2電極に対応する位置又は冗長電極対の第2電極に対応する位置に接続線を設けるために、第1方向に沿ってピクセル駆動ユニットの長さを大きくする必要がなく、同時に、主電極対の第2電極に対応する位置又は冗長電極対の第2電極に対応する位置に接続線を設けるために、第1方向に垂直な方向に沿ってピクセル駆動ユニットの幅を大きくする必要もなく、接続線を主電極対と冗長電極対との間に設け、これにより、ピクセル駆動ユニットは、面積が小さくなり、高PPIの場面に適用可能である。同時に、駆動バックプレーンにおける配線の複雑度も低く、駆動バックプレーンの製造の難度の低減に有利である。
【0022】
図2及び
図3において、上記した少なくとも1つのピクセル駆動ユニットに1つの主電極対及び1つの副電極対が備えられることを例として説明する。
図4に示すように、
図4は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図4において、上記した少なくとも1つのピクセル駆動ユニット101には1つの主電極対102及び複数の冗長電極対103が備えられ、例えば、第1冗長電極対及び第2冗長電極対が備えられ、第1冗長電極対は対応する第1電極1031及び第2電極1032を備え、第2冗長電極対は対応する第1電極1033及び第2電極1034を備え、各冗長電極対103は1本の接続線104に対応し、これにより、主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップ201が欠陥ピクセルである場合、冗長修復を実現するために、1つの冗長電極対103を任意に選択し、対応する切割部1040を切断して、他の1つのマイクロ発光ダイオードチップ201に結合することができる。
図4において、第1冗長電極対及び第2冗長電極対に対応する接続線104がいずれも主電極対102の第1電極として併用されていることを例にとるが、これに限定されず、例えば、
図5は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、第2冗長電極対に対応する接続線104は第1冗長電極対に対応する接続線104に接続され、例えば、第2冗長電極対に対応する接続線104は、第1冗長電極対に対応する接続線104における主電極対102と第1冗長電極対との間に位置する部分に接続される。本願の実施態様において、少なくとも1つのピクセル駆動ユニット101には主電極対102及び冗長電極対103の設定が行われており、1つのピクセル駆動ユニット101に設定が行われるか、又は複数のピクセル駆動ユニット101に設定が行われるか、又は各ピクセル駆動ユニット101に設定が行われてもよいことを理解できる。本願の他の実施態様において、修復をよりよく行う及び工程の浪費を回避するように、欠陥ピクセルが出やすいピクセル駆動ユニット101のみに設定してもよい。
【0023】
1つの実施例において、
図6は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図6を参照すると、複数のピクセル駆動ユニット101は第1方向Xに沿ってピクセル列に並べられ、複数のピクセル駆動ユニット101は第2方向Yに沿ってピクセル行に並べられ、駆動バックプレーンは第2方向Yに沿って延伸する複数本の第1電極導線301及び第1方向Xに沿って延伸する複数本の第2電極導線302を備え、同一行に位置するピクセル駆動ユニット101の接続線104は同一第1電極導線301に接続され、異なる行に位置するピクセル駆動ユニット101の接続線104は異なる第1電極導線301に接続され、そのうち、冗長電極対103の第1電極1031は第1電極導線301に電気的接続され、接続線104における信号は第1電極導線301から入力され、同一列に位置するピクセル駆動ユニット101における主電極対102の第2電極1022及び冗長電極対103の第2電極1032はいずれも同一第2電極導線302に電気的接続され、異なる列に位置するピクセル駆動ユニット101における主電極対102の第2電極1022は異なる第2電極導線302に電気的接続され、異なる列に位置するピクセル駆動ユニット101における冗長電極対103の第2電極1032は異なる第2電極導線302に電気的接続される。
【0024】
例えば、本実施例において、第1電極導線301は第2方向Yに沿って延伸し、第2電極導線302は第1方向Xに沿って延伸し、各行のピクセル駆動ユニット101は1本の第1電極導線301に対応し、各列のピクセル駆動ユニット101は1本の第2電極導線302に対応し、第1電極導線301は各行のピクセル駆動ユニット101の第1電極に駆動信号を提供し、各行のピクセル駆動ユニット101の第1電極は主電極対102の第1電極1021及び冗長電極対103の第1電極1031を備え、第2電極導線302は各列のピクセル駆動ユニット101の第2電極に駆動信号を提供し、各列のピクセル駆動ユニット101の第2電極は各ピクセル駆動ユニット101における主電極対102の第2電極1022及び冗長電極対103の第2電極1032を備える。ある第1電極導線301及びある第2電極導線302にいずれも駆動信号が提供される場合、相応して、ピクセル駆動ユニット101に対応するマイクロ発光ダイオードチップは発光し、即ちPM(Passive Matrix、パッシブマトリックス)駆動方式を実現する。接続線104及び第1電極導線301は一体構造であってもよく、第2電極及び第2電極導線302は一体構造であってもよい。
【0025】
1つの実施例において、
図6を引き続き参照すると、駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、接続線104の正投影と、接続線104に隣り合う2本の第2電極導線302の正投影のそれぞれとの間の距離の比の値の範囲は0.1~10である。
【0026】
例えば、接続線104の両側にいずれも第2電極導線302がある場合、接続線104と右側の第2電極導線302との間の距離D1と、接続線104と左側の第2電極導線302との間の距離D2との比の値の範囲を0.1~10に設定可能であり、このように設定すると、接続線104の両側の第2電極導線302からの距離はいずれも遠くなり、切割時に第2電極導線302は切割されにくく、これにより、駆動バックプレーンの歩留まりを上げ、同時にD1及びD2の精度への要求は低くなり、作製コストの低下に有利である。
【0027】
1つの実施例において、駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、接続線104の正投影と、同一接続線104に隣り合う2本の第2電極導線302の正投影のそれぞれとの間の距離の比の値の範囲を0.3~10/3に設定可能であり、D1とD2との差が小さいため、接続線104における切割部1040を切割する時、両側の第2電極導線302はより切割されにくくなり、また、接続線104の正投影と同一接続線104に隣り合う2本の第2電極導線302の正投影のそれぞれとの間の距離が等しいように設定可能であり、これにより、D1とD2とが同じになり、切割時に接続線104の左側の第2電極導線302も切割されにくいし、接続線104の右側の第2電極導線302も切割されにくい。D1およびD2の具体的数値は技術レベルに応じて設定可能であり、技術レベルが高ければ、D1及びD2が同じであるように設定可能であり、技術条件が悪ければ、できるだけD1とD2との比の値の範囲を小さく設定可能である。
【0028】
駆動バックプレーンのエッジに位置するピクセル列は、片側のみに第2電極導線302が存在する可能性があることを理解でき、この時、対応する接続線104と第2電極導線302との間の距離も距離D1と同じであるように設定可能である。
【0029】
1つの実施例において、
図7は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図7を参照すると、第1電極導線301の一部は第1電極導線301に電気的接続される第1電極として併用される。
【0030】
例えば、冗長電極対103の第1電極1031と第1電極導線301との間の部分は切割できず、本実施例は、ピクセル駆動ユニット内の領域を最大限に利用し、接続線104の長さを最大にさせ、更に、切割時に相応する第1電極がより破壊されにくくなり、駆動バックプレーンの歩留まりを上げ、更に、表示パネルの歩留まりを上げることができる。
【0031】
1つの実施例において、
図8は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図8を参照すると、第1電極導線301は第2電極導線302と同一層に設けられ、駆動バックプレーンは第1電極導線301と第2電極導線302との重なり位置に位置する絶縁層401を更に備える。絶縁層401は第1電極導線301と第2電極導線302とのショートの発生を回避することに使用可能である。
【0032】
図9は本願の実施例に係る他の駆動バックプレーンの構造模式図であり、
図9を参照すると、駆動バックプレーンはピクセル駆動ユニット101に一対一対応する複数のピクセル駆動回路501を更に備え、ピクセル駆動回路501は冗長電極対103の第1電極1031に電気的接続される。
【0033】
例えば、駆動バックプレーンとマイクロ発光ダイオードチップとの結合により形成される表示パネルは、AM(Active Matrix、アクティブマトリックス)駆動の方式を採用してもよく、即ち、各マイクロ発光ダイオードチップはいずれも連続で独立に発光することができ、ピクセル駆動回路501は、例えば、1つの駆動トランジスタ、1つのスイッチングトランジスタ及び1つのストレージキャパシタを備えるピクセル駆動回路であってもよく、本分野では、「2T1C」ピクセル駆動回路ともよく称され、他のいくつかの実施態様において、7つのトランジスタ及び1つのストレージキャパシタがあるピクセル駆動回路を採用してもよく、閾値補償の機能があり、本分野では、「7T1C」ピクセル駆動回路ともよく称され、ピクセル駆動回路の具体的な回路構造及び作動方法は当業者に詳しく知られているため、ここでは説明しない。本実施例において、接続線104は第1電極がピクセル駆動回路501により提供された駆動信号を受信するように、ピクセル駆動回路501に電気的接続され、第1電極は、例えば、マイクロ発光ダイオードチップのアノードと結合するように構成され、第2電極は駆動バックプレーンにおける共通電極に電気的接続可能であり、第2電極はマイクロ発光ダイオードチップのカソードと結合するように構成され、駆動バックプレーンの製造が完成した後、先に主電極対102をマイクロ発光ダイオードチップと結合し、ピクセル駆動回路501により出力された信号を、冗長電極対103における第1電極1031を通過した後に主電極対102における第1電極1021に入力させることができ、これにより、ピクセル駆動回路501により出力された信号は主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップに伝送可能であり、当該マイクロ発光ダイオードチップに欠陥ピクセルが存在すれば、接続線104を切断して、対応する冗長電極対103の位置に1つの同じタイプのマイクロ発光ダイオードチップを結合し、ピクセル駆動回路501により出力された駆動信号は依然として冗長電極対103の第1電極1031を通過して冗長電極対103に対応するマイクロ発光ダイオードチップに入力可能であるが、接続線104を通過して主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップに入力不可であり、これにより、主電極対102に対応するマイクロ発光ダイオードチップの発光が表示パネルに影響を与えることを回避する。
【0034】
ピクセル駆動ユニットに複数の冗長電極対103が備えられる場合、各ピクセル駆動ユニットには1つのピクセル駆動回路のみが設けられてもよく、各冗長電極対103とピクセル駆動回路501との接続方式はいずれも同じである。
【0035】
1つの実施例において、
図10は本願の実施例に係る駆動バックプレーンの膜層構造模式図であり、
図10に示す駆動バックプレーンの膜層構造は
図9に示す駆動バックプレーンに対応することができ、
図9及び
図10を参照すると、駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、接続線104の正投影及びピクセル駆動回路501の正投影は少なくとも一部が重ならない。
【0036】
例えば、
図9に示すように、本実施例において、本行のピクセル駆動回路501の正投影と本行の接続線104の正投影とは完全に重なるわけではなく、言い換えれば、本行のピクセル駆動回路501の正投影と本行の電極対の正投影とは完全に重なるわけではなく、一定の「位置ずれ」が存在し、駆動バックプレーンとマイクロ発光ダイオードチップとが結合されて表示パネルが形成された後、電極対の位置がマイクロ発光ダイオードチップの位置に対応しているため、本実施例における本行のピクセル駆動回路501の正投影及び本行の電極対の正投影には「位置ずれ」が存在してもよく、即ち、本行のピクセル駆動回路501の正投影及びマイクロ発光ダイオードチップの正投影には「位置ずれ」が存在してもよい。接続線104の正投影とピクセル駆動回路501の正投影とが完全に重なれば、レーザ切断時に、ピクセル駆動回路501が切割されるリスクも大きくなるため、駆動バックプレーンが損壊される。本実施例において、接続線104の正投影及びピクセル駆動回路501の正投影は少なくとも一部が重ならないように設定可能であり、切割時に重ならない領域に対して切割を行うことができ、駆動バックプレーンが損壊されないため、駆動バックプレーンの歩留まりを上げ、更に表示パネルの歩留まりを上げる。また、接続線104における冗長電極対103の第1電極1031とされない部分の正投影とピクセル駆動回路501の正投影とが重ならないように設定可能であり、接続線104における切割に使用可能な部分は多く、切割の難度の低減に有利である。
【0037】
1つの実施例において、駆動バックプレーンは第1方向Xに沿って延伸する複数本の信号線を備え、駆動バックプレーンの厚さ方向に沿った、接続線104の正投影と同一接続線104に隣り合う2本の信号線の正投影のそれぞれとの間の距離の比の値の範囲は0.1~10である。
【0038】
例えば、
図9に示すように、駆動バックプレーンは第1方向Xに沿って延伸する複数本の信号線を備えてもよく、第1方向が列方向であれば、信号線は例えば、第1電源線Vdd及びデータ線Vdata等を含んでもよく、駆動バックプレーンは第2方向Yに沿って延伸する複数本の信号線を更に備えてもよく、第2方向が行方向であれば、行方向に沿って延伸する信号線は例えば、第2電源線Vss又は走査線Vscan等であってもよく、第1電源線Vddはピクセル駆動回路501に第1電源信号を提供するように構成され、第2電源線Vssはマイクロ発光ダイオードチップに第2電源信号を提供するように構成され、そのうち、第2電源信号は共通電源信号であり、例示的には、第1電源信号の電圧値と第2電源信号の電圧値とは異なり、走査線Vscanはピクセル駆動回路501に走査信号を提供するように構成され、データ線Vdataはピクセル駆動回路501にデータ信号を提供するように構成される。本実施例において、接続線104の正投影と同一接続線104に隣り合う2本の信号線の正投影のそれぞれとの間の距離が等しいように設定可能であり、接続線104の左側が第1電源線Vddと隣り合い、接続線104の右側がデータ線Vdataと隣り合えば、接続線104の正投影と第1電源線Vddの正投影との間の距離D3と、接続線104の正投影とデータ線Vdataの正投影との間の距離D4との比の値の範囲を0.1~10に設定可能であり、これにより、接続線104に対して切割を行う時、第1電源線Vddも切割されにくいし、データ線Vdataも切割されにくく、駆動バックプレーンの歩留まりの上げ、ひいては表示パネルの歩留まりの上げに有利である。また、D3とD4との比の値の範囲は0.3~10/3であってもよく、これにより、第1電源線Vddもより切割されにくくなるし、データ線Vdataもより切割されにくくなり、また、D3はD4と同じでもよい。D1及びD2の具体的数値は技術レベルに応じて設定可能であり、技術レベルが高ければ、D3とD4とが同じであるように設定可能であり、技術条件が悪ければ、できるだけD3とD4との比の値の範囲を小さく設定可能である。
【0039】
図9に示すように、表示パネルの厚さ方向において、本行のピクセル駆動ユニットの正投影及び次の行のピクセル駆動ユニットに対応するピクセル駆動回路の正投影には一定の重なりが存在してもよく、例えば、本行のピクセル駆動ユニットに対応する主電極対の第2電極の正投影と次の行のピクセル駆動ユニットに対応する駆動回路の正投影とは重なり、このように設定すると、駆動バックプレーンにおけるピクセル駆動ユニット及びピクセル駆動回路の配列をよりコンパクトにすることができ、高PPIの表示の実現により有利である。
【0040】
図11は本願の実施例に係る表示パネルの構造模式図であり、
図11を参照すると、表示パネルは本願の任意の実施例に係る駆動バックプレーン及び複数のマイクロ発光ダイオードチップを備え、マイクロ発光ダイオードチップは主電極対と結合されるか又は冗長電極対と結合される。
【0041】
表示パネルは、携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、車載ディスプレイ、MP3、MP4、又は他のウェアラブルデバイスにおける表示パネル等であってもよく、表示パネルは、本願の任意の実施例に係る駆動バックプレーンを備えるため、同じ有益な効果も有し、ここでは説明しない。マイクロ発光ダイオードチップは、表示パネルにフルカラー表示を実現させるために、赤光マイクロ発光ダイオードチップ、緑光マイクロ発光ダイオードチップ及び青光マイクロ発光ダイオードチップ等を備えてもよい。他のいくつかの実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップは、青光マイクロ発光ダイオードチップのみを備えてもよく、対応する位置に量子ドット材料を設けることにより、青光マイクロ発光ダイオードチップから発せられる光を赤光又は緑光に変化させ、更にフルカラー表示を実現する。
【0042】
図12は本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートであり、
図12を参照すると、前記の方法は以下を含む。
【0043】
ステップS601は、複数のマイクロ発光ダイオードチップをそれぞれ駆動バックプレーンにおける主電極対と結合する。
【0044】
そのうち、前記駆動バックプレーンは、アレイ配列された複数のピクセル駆動ユニットを備え、少なくとも1つの前記ピクセル駆動ユニットは、主電極対及び少なくとも1つの冗長電極対を備え、前記主電極対、前記少なくとも1つの冗長電極対はマイクロ発光ダイオードチップと結合するように構成され、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットの主電極対及びいずれかの冗長電極対において、第1方向に沿って、前記主電極対の第2電極、前記主電極対の第1電極、前記冗長電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第2電極は順に並べられ、前記少なくとも1つのピクセル駆動ユニットは、前記第1方向に沿って延伸し、且つ前記主電極対の第1電極及び前記冗長電極対の第1電極にそれぞれ電気的に接続された接続線を備え、前記接続線は、切割部を備え、前記接続線における信号が前記冗長電極対と前記切割部との間の部分に入力されるものである。
【0045】
駆動バックプレーンの作動方法は本願の駆動バックプレーンに係る部分の説明を参照することができ、ここでは説明しない。
【0046】
ステップS602は、前記複数のマイクロ発光ダイオードチップに発光信号を出力する。
【0047】
例えば、第1電極に駆動信号を出力するように駆動バックプレーンを制御するとともに、第2電極に駆動信号を出力するように駆動バックプレーンを制御してもよく、相応するマイクロ発光ダイオードチップは正常な状態にあれば、正常に発光する。
【0048】
ステップS603は、マイクロ発光ダイオードチップの発光異常に応答し、発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する接続線を切断し、前記発光異常のマイクロ発光ダイオードチップに対応する冗長電極対を他の1つのマイクロ発光ダイオードチップと結合する。
【0049】
例えば、主電極対に対応するマイクロ発光ダイオードチップの発光が異常で、例えば、発光せず、発光輝度が不十分であれば、当該マイクロ発光ダイオードチップが欠陥ピクセルであることを示し、対応する接続線を切断して、発光異常のマイクロ発光ダイオードチップと一緒に同一ピクセル駆動ユニットにある対応する冗長電極対に1つの同じタイプのマイクロ発光ダイオードチップを結合することにより、冗長修復の機能を実現することができる。冗長修復が完成した後、更に、表示パネルに対してパッケージ等の工程を行ってもよく、具体的なパッケージ過程は本分野で詳しく知られているので、ここでは説明しない。
【0050】
本実施例は、採用された表示パネルの製造方法で製造される表示パネルの歩留まりが高く、且つ高PPIを実現することができる。