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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】レーザレーダ装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20240221BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/481 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020068139
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165644
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂部 向志
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205825(JP,A)
【文献】特開2007-121307(JP,A)
【文献】特開2020-041926(JP,A)
【文献】特開2018-115943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0309957(US,A1)
【文献】特開2014-024507(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3308803(EP,A1)
【文献】独国実用新案第202012101007(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
17/00 - 17/95
G01B 11/00 - 11/30
G01C 3/00 - 3/32
G01J 1/00 - 1/60
11/00
G01N 21/00 - 21/01
21/17 - 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザレーダ装置であって、
パルス状のレーザ光を射出する発光部と、前記レーザ光の反射光を受光する受光部とを有するレーザレーダ光学系と、
前記レーザレーダ光学系を収容し、開口部を有するケースと、
前記開口部を塞ぐように配置され、前記レーザ光と前記反射光を通過可能な透光板であって、他の部分よりも厚みのない薄肉部を有する透光板と、
前記レーザ光を反射した物体までの距離を測定する距離測定部と、
前記透光板の前記薄肉部における前記距離測定部の測定結果を用いて前記透光板に結露が生じたか否かを判定する結露判定部と、
を備えるレーザレーダ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザレーダ装置であって、
前記結露判定部は、前記透光板に結露が生じている場合に、当該レーザレーダ装置に結露が生じていることを外部装置に通知する、レーザレーダ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレーザレーダ装置であって、更に、
前記透光板を加熱する加熱部を備え、
前記結露判定部は、前記透光板に結露が生じている場合に、前記加熱部に加熱を開始させる加熱指令を送信する、レーザレーダ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置であって、
前記結露判定部は、前記薄肉部の少なくとも一部における前記距離測定部の前記測定結果が、外部に物体が存在することを示す有効距離値から、外部に物体が存在しないことを示す無効距離値に変わった場合に、前記透光板に結露が生じたものと判定する、レーザレーダ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザレーダ装置であって、
前記結露判定部は、予め定められた期間内に前記無効距離値が継続的に検出された場合に、前記透光板に結露が生じたものと判定する、レーザレーダ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置であって、
前記薄肉部は、前記レーザレーダ装置の距離測定角度範囲外で、かつ、前記レーザ光の射出角度範囲内である位置に設けられている、レーザレーダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パルス状のレーザ光を射出して反射光を受信することにより、レーザ光を反射した物体までの距離を検出するレーザレーダ装置が開示されている。レーザレーダ装置には、レーザ光の射出と反射光の受信を行うための窓が設けられている。かかる窓は、レーザレーダ装置の前面に形成された開口部を、ガラスや樹脂などにより形成されてレーダ光の透過性を有する透光板により塞ぐことにより形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-012759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レーザレーダ装置は、防塵・防水を満足する密閉構造の筐体に収納されていることが多い。この理由は、屋外で使用することを想定しているためである。レーザレーダ装置の筐体内部には、電気回路や回転ミラーを駆動するモータがあり、筐体の外部に比べて筐体の内部の温度が高くなる傾向にある。筐体外の気温が天候の変化等で急に低下すると、透光板が冷やされて透光板の内面に結露が発生する。結露によってレーザレーダ装置の測定性能が低下する。従って、結露の発生を可能な限り早期に検出することが望ましい。しかしながら、従来は、結露の発生を早期に検出することに関する検討が十分になされていなかった。このような問題は、屋外用のレーザレーダ装置に限らず、屋内用のレーザレーダ装置にも共通する問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、レーザレーダ装置が提供される。このレーザレーダ装置は、パルス状のレーザ光を射出する発光部と、前記レーザ光の反射光を受光する受光部とを有するレーザレーダ光学系と、前記レーザレーダ光学系を収容し、開口部を有するケースと、前記開口部を塞ぐように配置され、前記レーザ光と前記反射光を通過可能な透光板であって、他の部分よりも厚みのない薄肉部を有する透光板と、前記レーザ光を反射した物体までの距離を測定する距離測定部と、前記透光板の前記薄肉部における前記距離測定部の測定結果を用いて前記透光板に結露が生じたか否かを判定する結露判定部と、を備える。
このレーザレーダ装置において、透光板の薄肉部には外気温が伝わりやすいため、薄肉部の温度が他の部分よりも低くなり、薄肉部が他の部分よりも早く結露する。このレーザレーダ装置によれば、薄肉部における距離測定部の測定結果を用いて透光板に結露が生じたか否かを判定するので、透光板に結露が発生したことを早期に検出することができる。
(2)上記形態のレーザレーダ装置において、前記結露判定部は、前記透光板に結露が生じている場合に、当該レーザレーダ装置に結露が生じていることを外部装置に通知するものとしてもよい。
この形態のレーザレーダ装置によれば、外部装置に対して結露の発生を早期に通知できる。
(3)上記形態のレーザレーダ装置は、更に、前記透光板を加熱する加熱部を備え、前記結露判定部は、前記透光板に結露が生じている場合に、前記加熱部に加熱を開始させる加熱指令を送信するものとしてもよい。
この形態のレーザレーダ装置によれば、結露が生じている場合に、加熱部で透光板を加熱することによって結露を解消できる。特に、透光板の全域が結露する前に加熱部で透光板を加熱することにより、透光板全域での測定性能の低下を防止できる。更に、結露が発生したときのみ加熱部を動作させることにより、不要な電力消費を減らすことができる。
(4)上記形態のレーザレーダ装置において、前記結露判定部は、前記薄肉部の少なくとも一部における前記距離測定部の前記測定結果が、外部に物体が存在することを示す有効距離値から、外部に物体が存在しないことを示す無効距離値に変わった場合に、前記透光板に結露が生じたものと判定するものとしてもよい。
本開示の構成では、結露が生じると距離判定部の測定結果が有効距離値から無効距離値に変化する。そこで、薄肉部の特定の位置における距離測定部の測定結果を利用して、結露の有無を判定できる。
(5)上記形態のレーザレーダ装置において、前記結露判定部は、予め定められた期間内に前記無効距離値が継続的に検出された場合に、前記透光板に結露が生じたものと判定するものとしてもよい。
この形態のレーザレーダ装置によれば、ノイズや誤判定により結露と判定する可能性を低減できる。
(6)上記形態のレーザレーダ装置において、前記薄肉部は、前記レーザレーダ装置の距離測定角度範囲外で、かつ、前記レーザ光の射出角度範囲内である位置に設けられているものとしてもよい。
この形態のレーザレーダ装置によれば、レーザレーダ装置の距離測定に影響を与えることなく結露の発生を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】レーザレーダ装置の外観形状を示す側面図。
図2】レーザレーダ装置の外観形状を示す正面図。
図3】レーザレーダ装置の内部構成の説明図。
図4】第1実施形態における透光板の断面図。
図5】第1実施形態における結露判定に関連する構成を示すブロック図。
図6】結露がない場合の距離測定結果の一例を示す説明図。
図7】結露がある場合の距離測定結果の一例を示す説明図。
図8】レーザレーダ装置の設置例を示す説明図。
図9】第2実施形態における透光板の断面図。
図10】透光板を加熱する加熱部の構成を示す斜視図。
図11】加熱部の構成を示す説明図。
図12】可変抵抗器の詳細構成を示す平面図。
図13】第2実施形態における結露判定に関連する構成を示すブロック図。
図14】透光板に雪が局所的に付着した状態における導電膜を流れる電流を模式的に示す説明図。
図15】第3実施形態における透光板の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、本開示の一実施形態としてのレーザレーダ装置500の側面図であり、図2はその正面図である。図1には、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が表わされている。本実施形態において、X-Y平面は、水平方向と平行な平面である。また、+Z方向は鉛直上方を示す。本実施形態では、+X方向および-X方向を「X軸方向」と総称する。同様に、+Y方向および-Y方向を「Y軸方向」と、+Z方向および-Z方向を「Z軸方向」と、それぞれ総称する。他の図面に示すX軸、Y軸およびZ軸は、図1に示すX軸、Y軸およびZ軸に対応する。
【0009】
レーザレーダ装置500は、センサ部200を収容する。センサ部200は、パルス状のレーザ光を照射光R1として射出し、その反射光R2を受信することにより、物体の位置および大きさを特定する。本実施形態において、レーザ光は赤外線である。
【0010】
レーザレーダ装置500は、上部ケース部510と、下部ケース部520と、透光板100とを備える。上部ケース部510と下部ケース部520は、本開示における「ケース」に相当する。上部ケース部510は、レーザレーダ装置500の最上部に位置し、センサ部200を上方から覆う。上部ケース部510は、半ドーム状の外観形状を有する。本実施形態において、上部ケース部510は、樹脂により形成されている。樹脂としては、例えば、ポリエチレンやエンジニアリングプラスチックやアクリル樹脂などが用いられる。なお、樹脂に代えて、アルミニウムやステンレス鋼などの金属により形成されてもよい。
【0011】
図1および図2に示すように、下部ケース部520は、レーザレーダ装置500の中央部および最下部に位置し、センサ部200を側方および下方から覆う。下部ケース部520の最上部は、上部ケース部510の最下部と接続されている。本実施形態において、下部ケース部520は、上部ケース部510と同じ材料により形成されている。下部ケース部520の上部には、開口部530が形成されている。開口部530は、照射光R1を、透光板100を介して外部へと射出し、また、外部から届く反射光R2をセンサ部200へと透過する。開口部530を「窓530」とも呼び、開口部530の周囲を取り囲む部分を「窓枠部532」と呼ぶ。
【0012】
透光板100は、開口部530を塞いでいる。透光板100は、レーザ光の透過性を有する。したがって、センサ部200は、透光板100を介して外部へと照射光R1を照射可能であり、また、外部から届く反射光R2を、透光板100を介して受信可能である。本実施形態において、透光板100は、ガラスにより形成されている。なお、ガラスに代えて、ポリエチレンやエンジニアリングプラスチックやアクリル樹脂などの樹脂により形成されてもよい。透光板100は、略扇状の展開平面形状を有する。組み付け状態、すなわち使用状態において、透光板100における鉛直上方側の辺と、鉛直下方側の辺とは互いに対向する。換言すると、これら2つの辺はZ軸方向に互いに対向する。Z軸方向は対向方向とも呼ぶ。透光板100は、この対向方向と交差する方向(以下、「交差方向」とも呼ぶ)に湾曲する。具体的には、透光板100は、X軸方向の中央に向かうにつれてセンサ部200から遠ざかる方向(-Y方向)に突出するように湾曲する。使用状態において、透光板100の鉛直下方側の辺は、鉛直上方側の辺に比べて短い。このため、透光板100に付着して自重で透光板100の表面を滑り落ちた雪や水は、比較的狭い範囲に集まって溜まることとなる。透光板100の外側表面には、反射防止および撥水のための薄膜が形成されていることが好ましい。
【0013】
図3は、レーザレーダ装置500の内部構成の説明図である。レーザレーダ装置500は、レーザレーダ光学系60と、制御装置70とを備える。レーザレーダ光学系60は、発光部10と、受光部20と、ミラー30と、回動偏向装置40とを含んでいる。レーザレーダ光学系60は、レーザ光を外部に射出させながら、外部の物体によって反射されたレーザ光の反射光を受光することでスキャンを行う光学装置である。
【0014】
発光部10は、レーザ光を発生させるレーザダイオード11と、コリメートレンズ12とを有する。レーザダイオード11は、制御装置70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を供給され、パルスレーザ光(照射光R1)を射出する。コリメートレンズ12は、レーザダイオード11から射出されるレーザ光R1の光軸上に設置されており、レーザ光R1を平行光に変換する。
【0015】
ミラー30は、発光部10から射出されるレーザ光R1の光軸上に設置され、反射面30aによってレーザ光R1を回動偏向装置40に反射する。回動偏向装置40は、平坦な反射面41aを有するミラー41と、ミラー41を支持する支持台43と、支持台43に連結された回動軸42と、回動軸42を回動させる駆動装置44とを有する。回動軸42は、中心軸42aを中心として回動可能である。ミラー41は、ミラー30の反射面30aによって反射されたレーザ光R1がミラー41の反射面41aに入射した後、再びレーザ光R1を反射し、透光板100を介して外部に射出させる。また、ミラー41は、回動軸42とともに中心軸42aを中心として回動することによって、外部に射出されるレーザ光R1をスキャンさせる。なお、中心軸42aを中心としたレーザ光R1のスキャン角度範囲、すなわち、レーザレーダ装置500によって距離測定を行う角度範囲は、180°~200°とすることが好ましい。
【0016】
受光部20は、フォトダイオード21と、集光レンズ22と、光学フィルタ23とを有する。フォトダイオード21は、レーザ光R1が外部の物体によって反射された反射光R2を受光する。集光レンズ22は、フォトダイオード21の下方に設置されており、反射光R2を集光してフォトダイオード21に案内する。光学フィルタ23は、フォトダイオード21と集光レンズ22との間に設置されており、反射光R2を透過させ且つ反射光R2以外の波長の光を除去する。なお、フォトダイオード21は、反射光R2を受光した後、反射光R2を電気信号に変換して制御装置70に供給する。制御装置70はこの電気信号を用いて、例えば外部の物体までの距離や、物体の大きさ、位置、速度等を判定することが可能である。なお、上述したレーザレーダ光学系60の構成は一例であり、これ以外の種々の構成を採用可能である。
【0017】
図4は、第1実施形態における透光板100の断面図である。透光板100の一部には、透光板100の他の部分よりも厚みの小さな薄肉部110が設けられている。薄肉部110には外気温が伝わりやすいため、薄肉部110の温度が他の部分よりも低くなり、薄肉部110の内面が他の部分よりも早く結露する。そこで、この薄肉部110における距離の測定結果を用いて結露の有無を判定することによって、透光板100の全体に結露が発生するよりも前に、結露の発生を早期に検出することができる。具体的な結露の判定方法については後述する。
【0018】
図4には、レーザレーダ装置500の距離測定角度範囲Rgとレーザ光R1の射出角度範囲Rrとが示されている。距離測定角度範囲Rgは、レーザレーダ装置500の仕様において、距離を測定できる角度範囲として定められている範囲に相当する。射出角度範囲Rrは、レーザレーダ光学系60がレーザ光R1をスキャンする角度範囲である。第1実施形態では、距離測定角度範囲Rgと射出角度範囲Rrとは一致している。但し、射出角度範囲Rrは、距離測定角度範囲Rgよりも広い範囲に設定されていてもよい。第1実施形態において、薄肉部110は、距離測定角度範囲Rg内に設けられている。
【0019】
薄肉部110のサイズは、レーザレーダ光学系60から射出されるレーザ光R1が透光板100を通過する際のレーザ光R1のサイズよりも大きいことが好ましい。透光板100を通過する際のレーザ光R1の直径は、典型的には0.5cm~1.5cmの範囲である。例えば、レーザ光R1の直径が1cmの場合には、薄肉部110は、直径が1cmの円を包含する面積を有することが好ましい。なお、「レーザ光R1の直径」は、ガウシアンビーム半径(強度がピーク値の13.5%に減少する半径)の2倍を意味する。
【0020】
図5は、第1実施形態における結露判定に関連する構成を示すブロック図である。ここでは、レーザレーダ装置500の制御装置70及びレーザレーダ光学系60と、管理装置300とが示されている。管理装置300は、レーザレーダ装置500による測定結果を受信する外部装置であり、レーザレーダ装置500の測定結果を利用して他の装置の管理を実行する。管理装置300は、表示部310を備えている。
【0021】
レーザレーダ装置500の制御装置70は、距離測定部72と、結露判定部74とを含んでいる。距離測定部72は、反射光R2の飛行時間から、レーザ光R1を反射した物体までの距離を測定する。結露判定部74は、透光板100の薄肉部110における距離測定部72の測定結果を用いて、薄肉部110に結露が生じているか否かを判定する。ここで、「薄肉部110における距離測定部72の測定結果」とは、薄肉部110に相当する視野範囲における測定結果を意味する。結露判定部74は、更に、薄肉部110に結露が生じている場合に、結露があることを外部装置である管理装置300に通知する。管理装置300の表示部310には、レーザレーダ装置500に結露が生じていることを示す通知が表示される。この表示を見た管理者は、レーザレーダ装置500に結露が生じていることを知ることができるので、それに応じた適切な措置を講じることができる。
【0022】
図6は、結露がない場合の距離測定結果の一例を示す説明図であり、図7は、結露がある場合の距離測定結果の一例を示す説明図である。これらの図は、透光板100に薄肉部110が設けられていない場合の一般的な場合の例を示している。図6及ぶ図7において、中央の射出中心から外部に向かって伸びた後に、途中で屈曲して射出中心に戻っている線は、外部に物体が存在することを示す。このとき、レーザレーダ装置500の距離測定部72は、外部に物体が存在することを示す有効距離値を測定結果として出力する。この有効距離値は、レーザレーダ装置500の測定可能距離の最大値よりも小さな値である。一方、図6図7において、図の外側に向けて放射状に伸びている直線は、その測定箇所において、外部に物体が存在しないことを示す。このとき、レーザレーダ装置500の距離測定部72は、外部に物体が存在しないことを示す無効距離値を測定結果として出力する。この無効距離値は、例えば、レーザレーダ装置500の測定可能距離の最大値に設定される。なお、レーザレーダ装置500の測定可能距離の最大値は、例えば100m~200mの範囲である。距離測定部72が無効距離値を出力する場合には、その出力を受けた他の装置は、外部に物体が存在しないものと判定することができる。また、本実施形態の構成では、透光板100に結露が生じている場合にも、距離測定部72が無効距離値を出力するように構成されている。
【0023】
図6の例のように、結露がない場合には、レーザレーダ装置500の距離測定結果は、レーザレーダ装置500の外部に物体が存在することを示す有効距離値が、複数の測定箇所で発生しているものとなる。一方、図7の例のように、結露が生じた場合には、レーザレーダ装置500の距離測定結果は、レーザレーダ装置500の外部に物体が存在しないことを示す無効距離値に変化する。
【0024】
結露判定部74は、薄肉部110における距離の測定結果が、外部に物体が存在することを示す有効距離値から、外部に物体が存在しないことを示す無効距離値に変わった場合に、透光板100に結露が生じたものと判定する。この結露判定を行うために、結露のない場合に、薄肉部110における距離の測定結果が、外部に物体が存在することを示す有効距離値を示すものとなるようにレーザレーダ装置500が設置又は構成されていることが好ましい。
【0025】
図8は、レーザレーダ装置500の設置例を示す説明図である。この例では、レーザレーダ装置500で物体の有無の監視を行う監視範囲R0が、距離測定角度範囲Rgよりも狭い範囲である。監視範囲R0は、例えば、鉄道の踏切に自動車や人などの物体が存在するか否かを監視する範囲として設定される。この場合に、この監視範囲R0の外側、かつ、距離測定角度範囲Rgの内側であって、透光板100の薄肉部110から射出されるレーザ光が到達する位置に、基準物体550が設置される。この基準物体550は、薄肉部110に結露がない場合に、薄肉部110の特定の位置における距離測定結果が、外部に物体が存在することを示す有効距離値を示すものとなるようにするための物体である。このような基準物体550を設置しておくことにより、結露判定部74が結露の有無を判定することが可能となる。なお、基準物体550は、レーザレーダ装置500から離れた位置に設置する必要は無く、透光板100から離れた位置において、レーザレーダ装置500のケースに設置されるようにしても良い。
【0026】
結露判定部74は、上述した方法とは異なる方法で結露の有無を判定するようにしてもよい。例えば、以下のような方法を採用可能である。
<他の結露判定方法1>
・「予め定められた期間内に無効距離値が継続的に検出された場合に、結露と判定する。」
この方法は、ノイズや誤判定で結露判定をすることを避けるために、連続した期間中に無効距離値が検出され続けた場合に結露判定をする方法である。
<他の結露判定方法2>
・「予め定められた期間内に無効距離値が所定回数以上検出された場合に、結露と判定する。」
この方法では、微妙な温度で結露が出現したり消えたりというように結露が連続して出現し続けない曖昧な状態でも結露判定をすることができるという利点がある。この場合に、結露判定とは異なり、結露準備期間が存在していたことを判定するという構成としても良い。
<他の結露判定方法3>
・「薄肉部110の範囲において、距離測定部72の測定結果が有効距離値から無効距離値に変わる位置の数が徐々に又は一定速度で増加していくことを検出した場合に、結露と判定する。」
この方法は、結露という自然現象的に徐々に領域が増えていくということに着目した判定方法である。
<他の結露判定方法4>
・「薄肉部110における距離の測定結果を入力とし、結露の有無を出力とする学習済みのニューラルネットワークを用いて、結露の有無を判定する。
この方法は、ニューラルネットワークの学習によって、結露の判定を正しく行うことが可能である。この場合には、上述した基準物体550は省略してもよい。
【0027】
以上のように、第1実施形態では、透光板100に薄肉部110を設け、薄肉部110における距離測定部72の測定結果を用いて薄肉部110に結露が生じたか否かを判定するので、透光板100の全体に結露が生じる前に、透光板100に結露が発生したことを早期に検出することが可能である。
【0028】
B.第2実施形態:
図9は、第2実施形態における透光板100の断面図である。図4と比較すれば理解できるように、第2実施形態では、透光板100の内面に、ヒータとして機能する導電膜410が設置されている。
【0029】
図10は、透光板100を加熱する加熱部400の構成を示す斜視図である。加熱部400は、透光板100の内側表面S2に形成された導電膜410と、一対の電極421、422と、3つの可変抵抗器431、432、433とを備える。なお、3つの可変抵抗器431、432、433を、「可変抵抗器430」と総称する。可変抵抗器430は省略可能である。
【0030】
本実施形態において、導電膜410は、導電膜410の鉛直上方側の辺が透光板100の鉛直上方側の辺と平行となり、且つ、導電膜410の鉛直下方側の辺が透光板100の鉛直下方側の辺と平行となるように形成されている。透光板100の内側表面S2には、ヒータとして機能する導電膜410が形成されている。この導電膜410は、通電により発熱し、結露や着雪を解消するために利用される。導電膜410は、透光板100と同様な形状と、透光板100よりも小さな大きさを有する。導電膜410は、透光板100の内側表面S2に沿って面状に配置されている。導電膜410は、導電性とレーザ光透過性とを有する。本実施形態において、導電膜410は、ITO膜(酸化インジウムと酸化錫の混合物の膜)である。なお、ITO膜に限らず、銀ナノワイヤ膜や、導電性ポリマー膜など、レーザ光透過性を有する任意の導電膜を用いてもよい。導電膜410は、透光板100の内側表面S2に、例えば、スパッタリングやフィルム蒸着やCVD(化学的気相法)等により形成することができる。あるいは、導電膜410を透光板100の内側表面S2に貼り付けても良い。
【0031】
図11は、導電膜410、一対の電極421、422、および可変抵抗器430の電気的接続を模式的に示す説明図である。一対の電極421、422は、導電膜410に電圧を印加するために用いられる。図10および図11に示すように、上部電極421は、透光板100の内側表面S2のうち、導電膜410の上方に配置され、導電膜410の鉛直上方側の辺の全体と電気的に接続されている。下部電極422は、透光板100の内側表面S2のうち、導電膜410の下方において導電膜410から離れて配置されている。下部電極422は、ライン状の外観形状を有し、導電膜410の鉛直下方側の辺と平行に配置されている。一対の電極421、422は、電源440及びスイッチ450に接続されている。
【0032】
図10および図11に示すように、可変抵抗器430は、導電膜410の鉛直下方側の辺と下部電極422との間に配置され、導電膜410および下部電極422にそれぞれ電気的に接続されている。3つの可変抵抗器431、432、433は、導電膜410の鉛直下方側の辺と平行な方向Dに互いに離れて配置されている。可変抵抗器431は、方向Dに沿った導電膜410の中央部に対応する位置に配置されている。他の2つの可変抵抗器432、433は、方向Dに沿った導電膜410の両端に近い位置に配置されている。
【0033】
図12は、可変抵抗器430の詳細構成を示す平面図である。可変抵抗器430は、いずれも同じ構成を有する。可変抵抗器430は、フィルム基板435と、電気抵抗部436とを有する。
【0034】
フィルム基板435は、樹脂製のフィルム部材により形成されている。かかる樹脂としては、例えば、ポリイミドやPETやPEN等が用いられる。なお、樹脂に代えて、ガラスやSi(ケイ素)基板によりフィルム基板435が形成されてもよい。
【0035】
電気抵抗部436は、方向Dに折り返しながらZ軸方向に向かう折れ線状の配線パターンを有する。電気抵抗部436は導電性部材により形成される。本実施形態では、電気抵抗部436は、銅により形成されている。具体的には、電気抵抗部436は、フィルム基板435の表面に上記配線パターンとなるように銅が成膜されて、形成されている。なお、銅に代えて、銀や鉄といった温度が低い場合に高い場合に比べて電気抵抗が低い任意の種類の導電材料を用いてもよい。このような構成を有する可変抵抗器430の電気抵抗は温度特性を有する。具体的には、可変抵抗器430は、可変抵抗器430の電気抵抗値は、温度が低い場合に、温度が高い場合に比べて小さい特性を有する。可変抵抗器430の電気抵抗が上述のような温度特性を有するため、低温環境下においては、可変抵抗器430の電気抵抗が低減し、導電膜410を流れる電流が大きくなる。このため、導電膜410において発生するジュール熱の熱量が増大し、透光板100をより加熱できる。したがって、透光板100の結露を解消することができ、また、透光板100に付着した雪を融解することができる。
【0036】
図13は、第2実施形態における結露判定に関連する構成を示すブロック図である。図13は、第1実施形態で説明した図5に、加熱部400を追加したものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。但し、第2実施形態において、管理装置300は省略可能である。
【0037】
結露判定部74は、薄肉部110に結露が生じている場合に、加熱部400に加熱指令を送信する。加熱部400のスイッチ450は、結露判定部74から与えられる加熱指令に応じてオフからオンに切り替わり、導電膜410への通電を開始する。導電膜410が通電されると、透光板100の結露が解消される。透光板100の結露が解消された場合には、結露判定部74からの指令に応じて、加熱部400による加熱を終了することが好ましい。
【0038】
このように、第2実施形態では、透光板100を加熱する加熱部400を設け、結露判定部74は、透光板100の薄肉部110に結露が生じている場合に、加熱部400に加熱を開始させる加熱指令を送信する。この結果、透光板100に結露が生じている場合に、加熱部400で透光板100を加熱することによって結露を解消することが可能である。特に、透光板100の全域が結露する前に加熱部400で透光板100を加熱できるので、透光板100全域での測定性能の低下を防止できる。更に、結露が発生したときのみ加熱部400を動作させることにより、不要な電力消費を減らすことができる。
【0039】
なお、加熱部400は、透光板100に付着した雪を融解することも可能である。以下に詳述するように、加熱部400の可変抵抗器430は、雪が付着した透光板100の部位を優先的に加熱して雪を融解できるという機能を有する。
【0040】
前述した図11に示すように、透光板100に雪が付着していない状態や、透光板100の全域に雪が均一に付着している状態では、上部電極421から下部電極422に流れる電流は、破線矢印により示すように、方向Dに分散して導電膜410を流れて、3つの可変抵抗器430を通って下部電極422に向かう。一方、透光板100に雪が局所的に付着した状態では、電流の流れ方がこれとは異なる。
【0041】
図14は、透光板100に雪が局所的に付着した状態における導電膜410を流れる電流を模式的に示す説明図である。図14では、透光板100に付着した雪Snが二点鎖線により表わされている。図1及び図2で説明したように、透光板100は、X軸方向の中央に向かうにつれてセンサ部200から遠ざかる方向(-Y方向)に突出するように湾曲しているため、+Y方向の風に乗って透光板100に雪が付着する場合、図14の方向Dの中央部の鉛直下方により多くの雪が付着する。このような状況においては、中央部にある可変抵抗器431の近傍の温度は、他の2つの可変抵抗器432、433の近傍の温度よりも低くなる。このため、可変抵抗器431の電気抵抗値は、他の2つの可変抵抗器432、433の電気抵抗値よりも小さくなる。その結果、図14において破線矢印に示すように、上部電極421から可変抵抗器431に向かう電流が増大する。したがって、透光板100において方向Dの中央部の鉛直下方を局所的に優先的に加熱でき、雪Snを融解できる。また、このとき、可変抵抗器431に流れるほどの大きさの電流は可変抵抗器432、433を流れないので、透光板100の方向Dの両端において過度に加熱されて透光板100が変形することを抑制できる。
【0042】
上述のように、可変抵抗器430の抵抗値は、温度が低い場合に温度が高い場合に比べて小さい特性を有するので、低温時に可変抵抗器430を流れる電流を増大させることができ、導電膜410において可変抵抗器430が接続されている部位を他の部位に比べて優先的に昇温させることができる。また、可変抵抗器430は、下部電極422と導電膜410との間に配置されているので、導電膜410におけるレーザ光の透過面積が狭くなることを抑制できる。この結果、透光板100におけるレーザ光の透過可能面積が狭くなることを抑制しつつ、加熱が必要な部位を優先的に加熱できる。
【0043】
また、3つの可変抵抗器431~433は、下部電極422と導電膜410との間において2つの辺と平行な方向に互いに離れて配置されているので、可変抵抗器430が接続された複数の部位において、互いに温度が異なる場合においても、それぞれの温度に応じた電流、具体的には温度が低いほど多くの電流を流すことができ、部分的に雪に覆われて局所的に低温であるといった透光板100における温度分布が存在する場合に、各部位を適切に加熱できる。
【0044】
また、可変抵抗器430は、電磁波の透過性を有するフィルム基板435と、フィルム基板435に導電性材料で形成された配線パターンと、により構成されているので、可変抵抗器430により透光板100における電磁波の透過面積が狭くなることを抑制できる。
【0045】
また、透光板100は、交差方向に湾曲しているので、例えば、レーザレーダ装置500が屋外で用いられた場合に、風向きなどの環境条件によって雪や霜などが透光板100に局所的に付着し易い。しかし、このような状況であっても、雪が局所的に付着する部位に可変抵抗器430が配置されているので、かかる部位を局所的に加熱して雪を溶解できる。
【0046】
また、レーザレーダ装置500では、透光板100のうちの鉛直下方側の辺の近傍は、透光板100の上方に付着した雪が自重により滑り落ちて集まりやすく、部分的に低温になり易い。しかし、このような状況においても、低温になり易い部位に可変抵抗器430が配置されているので、かかる部位を局所的に加熱して雪を除去できる。
【0047】
また、可変抵抗器430は、下部電極422と導電膜410との間に配置されているので、透光板100の上方に付着した雪が自重により滑り落ちて集まり低温になり易い鉛直下方部分の温度に応じて導電膜410に流れる電流を制御でき、雪をより確実に除去できる。
【0048】
なお、透光板100に着雪があるか否かは、距離測定部72による距離測定結果から制御装置70が判定することが可能である。例えば、距離測定角度範囲内の少なくとも一カ所における距離測定結果が、発光部10から透光板100の表面までのレーザ光の光路の長さに相当する値となった場合に、着雪があるものと判定することが可能である。あるいは、距離の測定結果を入力とし、着雪の有無を出力とする学習済みのニューラルネットワークを用いて、着雪の有無を判定することも可能である。なお、着雪判定の際にも、薄肉部110における距離の測定結果のみを用いるようにすれば、透光板100の全域における距離の測定結果を用いる場合に比べて、着雪判定をより簡易に行うことが可能である。着雪判定の判定条件としては、図示しない外気温センサで測定された外気温が予め定められた降雪基準温度よりも低い、という条件を満たすことを追加してもよい。降雪基準温度としては、例えば0℃~2℃の範囲の値が使用される。制御装置70は、上述のようないずれかの着雪判定を行う着雪判定部を含むようにしてもよい。
【0049】
C.第3実施形態:
図15は、第3実施形態における透光板100aの断面図である。この透光板100aは、薄肉部110の位置が図9に示した第2実施形態と異なる。具体的には、薄肉部110は、レーザレーダ装置500の距離測定角度範囲Rg外で、かつ、レーザ光の射出角度範囲Rr内である位置に設けられている。レーザ光の射出角度範囲Rrは、レーザレーダ装置500の距離測定角度範囲Rgよりも大きな範囲である。図13で説明した第2実施形態における各装置の動作は、第3実施形態においても同様である。
【0050】
このように、第3実施形態では、薄肉部110が、レーザレーダ装置500の距離測定角度範囲Rg外で、かつ、レーザ光の射出角度範囲Rr内である位置に設けられているので、レーザレーダ装置500の距離測定に影響を与えることなく結露の発生を検出できる。
【0051】
D.他の実施形態:
(1)各実施形態では、薄肉部110は透光板100の外面に設けられていたが、薄肉部110を透光板100の内面に設けるようにしても良い。但し、薄肉部110を透光板100の外面に設けるようにすれば、透光板100の内面にヒータとしての導電膜410を形成しやすいという利点がある。また、薄肉部110を透光板100の外面に設けた場合には、透光板100の他の部分よりも薄肉部110に雪が付着し易くなるので、薄肉部110における距離測定結果から、雪の付着を早期に検出しやすくなるという利点がある。一方、薄肉部110を透光板100の外面に設けるようにすれば、透光板100の内面に導電膜410を形成しやすいという利点がある。
【0052】
(2)各実施形態では、薄肉部110は透光板100の一カ所にのみ設けられていたが、複数の薄肉部110を透光板100に設けるようにしても良い。
【0053】
(3)上記第2実施形態では、可変抵抗器430の数は3つであったが、任意の数であってもよい。具体的には、1つでも2以上の任意の複数であってもよい。また、複数の可変抵抗器430は、互いに方向Dに離れて配置されていたが、これに代えて、互いに接して配置されていてもよい。
【0054】
(4)可変抵抗器430の構成としては、図12に示したものに代えて、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタを用いてもよい。すなわち、一般には、電気抵抗値が、温度が低い場合に温度が高い場合に比べて小さい特性を有する任意の種類の可変抵抗器を、本開示のレーザレーダ装置に用いることができる。
【0055】
(5)上記第2実施形態において、可変抵抗器430は、導電膜410と下部電極422との間に配置されていたが、これに代えて、または、これに加えて、導電膜410と上部電極421との間に配置されていてもよい。
【0056】
(6)各実施形態において、透光板100は、交差方向に湾曲していたが、湾曲することに代えて、屈曲してもよい。或いは、平面状であってもよい。また、各実施形態において、透光板100の鉛直下方側の辺は、鉛直上方側の辺に比べて短かったが、本開示はこれに限定されない。透光板100の鉛直下方側の辺が鉛直上方側の辺に比べて長くてもよく、また、これら2つの辺の長さが互いに等しくてもよい。
【0057】
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
10…発光部、11…レーザダイオード、12…コリメートレンズ、20…受光部、21…フォトダイオード、22…集光レンズ、23…光学フィルタ、30…ミラー、30a…反射面、40…回動偏向装置、41…ミラー、41a…反射面、42…回動軸、42a…中心軸、43…支持台、44…駆動装置、60…レーザレーダ光学系、70…制御装置、72…距離測定部、74…結露判定部、100…透光板、100a…透光板、110…薄肉部、200…センサ部、210…駆動部、300…管理装置、310…表示部、400…加熱部、410…導電膜、421…上部電極、422…下部電極、430…可変抵抗器、431…可変抵抗器、432…可変抵抗器、433…可変抵抗器、435…フィルム基板、436…電気抵抗部、440…電源、450…スイッチ、500…レーザレーダ装置、510…上部ケース部、520…下部ケース部、530…開口部、532…窓枠部、550…基準物体
図1
図2
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図4
図5
図6
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図10
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図15