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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】認証システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20240221BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240221BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 510F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020152838
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022047102
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】堀江 済
【審査官】金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-086320(JP,A)
【文献】特開2001-256501(JP,A)
【文献】特開平11-272816(JP,A)
【文献】特開2006-175125(JP,A)
【文献】特開2007-213369(JP,A)
【文献】国際公開第2009/016846(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって携帯される携帯端末と、
前記利用者を特定可能な固有情報が記録される情報コードと、
前記利用者の認証を行う認証装置と、
を備える認証システムであって、
前記携帯端末は、
前記利用者の顔を撮像可能な端末側撮像部と、
前記端末側撮像部の撮像結果から得られた認証用情報を前記認証装置に送信可能な送信部と、
を備え、
前記認証装置は、
前記利用者の顔を撮像可能な装置側撮像部と、
前記情報コードの前記固有情報を光学的に読み取り可能な読取部と、
前記携帯端末から送信される前記認証用情報を受信可能な受信部と、
前記読取部により読み取られた前記固有情報に基づいて前記利用者の顔画像を利用した認証処理を行う認証部と、
を備え、
前記認証部は、前記読取部により前記固有情報が読み取られた際に、前記受信部により前記認証用情報が受信される場合に当該認証用情報と前記固有情報とに基づいて前記認証処理を行い、前記受信部により前記認証用情報が受信されない場合に前記装置側撮像部の撮像結果から得られた情報と前記固有情報とに基づいて前記認証処理を行い、
前記情報コードには、前記認証処理において、受信された前記認証用情報と前記装置側撮像部の撮像結果から得られた情報とのいずれを用いるかを選択するための選択情報が記録されることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記固有情報には、前記利用者の顔画像から抽出される顔特徴点が含まれることを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記認証用情報には、前記端末側撮像部により撮像されて前記利用者の顔特徴点を抽出可能な顔画像が含まれ、
前記認証装置は、前記受信部により前記認証用情報が受信される場合に当該認証用情報に含まれる顔画像から顔特徴点を抽出する装置側抽出部を備え、
前記認証部は、前記読取部により前記固有情報が読み取られた際に、前記受信部により前記認証用情報が受信される場合に前記装置側抽出部により抽出された顔特徴点と前記固有情報に含まれる顔特徴点とに基づいて前記認証処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記認証装置は、前記装置側抽出部による顔特徴点の抽出が成功することで前記携帯端末に対して前記認証用情報の送信を中止するための送信中止指示を行う指示部を備え、
前記送信部は、前記指示部による前記送信中止指示を受けるまで前記認証装置への前記認証用情報の送信を継続することを特徴とする請求項3に記載の認証システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、前記端末側撮像部により撮像された前記利用者の顔画像から顔特徴点を抽出する端末側抽出部を備え、
前記送信部は、前記端末側抽出部により抽出された顔特徴点を含めるように前記認証用情報を前記認証装置に送信し、
前記認証部は、前記読取部により前記固有情報が読み取られた際に、前記受信部により前記認証用情報が受信される場合に当該認証用情報に含まれる顔特徴点と前記固有情報に含まれる顔特徴点とに基づいて前記認証処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項6】
前記認証部は、受信された前記認証用情報を用いることを選択する前記選択情報が前記固有情報とともに前記読取部により読み取られた際、当該読み取りから所定時間が経過するまでに前記受信部により前記認証用情報が受信されない場合には、前記認証処理を中止することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の認証システム。
6に記載の認証システム。
【請求項7】
前記端末側撮像部は、前記認証装置が前記送信部による送信可能な範囲に位置している場合に前記認証用情報を得るための撮像処理を開始することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項8】
前記認証処理による認証結果を受けて、扉に設けられた電気錠の施解錠を行う入退管理装置をさらに備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔認証を利用した認証システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顔認証を利用した認証システムとして、例えば、下記特許文献1に開示される顔認証ゲート装置が知られている。この顔認証ゲート装置では、パスポートに埋め込まれたICチップから取得した被認証者の顔画像と、パスポートを所持する被認証者をカメラで撮像して取得した顔画像とを照合し、この顔照合処理の結果によって本人確認が行われる。特に、被認証者の顔画像を取得するために、配置される高さが異なる4つの顔認証カメラが設けられており、これらの4つの顔認証カメラによって撮像範囲を拡大させることにより、身長が低い被認証者の顔画像や身長が高い被認証者の顔画像だけでなく、車椅子を利用する被認証者の顔画像をも撮像できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-109935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような顔認証ゲート装置の構成では、利用者の体形や利用者が座る車椅子の形状等によってはその利用者の顔が撮像範囲外になる可能性があり、認証可能な顔画像が撮像されるまでに時間がかかるためにシステムとしての利便性が低下する場合がある。特に、利用者の顔が撮像範囲外になる可能性を低くするために顔認証用のカメラの個数を増やすと、制御が煩雑になりシステム導入コストも増大してしまうという問題がある。
【0005】
また、上述のように複数のカメラを用いることで撮像範囲を広くすると、その撮像画像から利用者の顔が撮像されている領域を探索する処理に時間がかかってしまうという問題がある。さらに、各カメラにはそれぞれ顔認証画像の撮像に適した撮像範囲がある一方で、利用者は、どのカメラが自分の顔認証画像の撮像に適しているか認識できないので、撮像に適していないカメラに顔を向けたために顔認証に利用し難い画像が撮像されてしまうと、顔認証精度が低下してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、顔認証に適した顔画像を利用して認証処理を行うことができる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
利用者(M)によって携帯される携帯端末(10)と、
前記利用者を特定可能な固有情報が記録される情報コード(C)と、
前記利用者の認証を行う認証装置(20)と、
を備える認証システム(1)であって、
前記携帯端末は、
前記利用者の顔を撮像可能な端末側撮像部(13)と、
前記端末側撮像部の撮像結果から得られた認証用情報を前記認証装置に送信可能な送信部(16)と、
を備え、
前記認証装置は、
前記利用者の顔を撮像可能な装置側撮像部(24)と、
前記情報コードの前記固有情報を光学的に読み取り可能な読取部(23)と、
前記携帯端末から送信される前記認証用情報を受信可能な受信部(27)と、
前記読取部により読み取られた前記固有情報に基づいて前記利用者の顔画像を利用した認証処理を行う認証部(21)と、
を備え、
前記認証部は、前記読取部により前記固有情報が読み取られた際に、前記受信部により前記認証用情報が受信される場合に当該認証用情報と前記固有情報とに基づいて前記認証処理を行い、前記受信部により前記認証用情報が受信されない場合に前記装置側撮像部の撮像結果から得られた情報と前記固有情報とに基づいて前記認証処理を行い、
前記情報コードには、前記認証処理において、受信された前記認証用情報と前記装置側撮像部の撮像結果から得られた情報とのいずれを用いるかを選択するための選択情報が記録されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、利用者によって携帯される携帯端末の端末側撮像部の撮像結果から得られた認証用情報が送信部により認証装置に送信される。認証装置の認証部では、読取部により情報コードから固有情報が読み取られた際に、受信部により認証用情報が受信される場合に当該認証用情報と上記固有情報とに基づいて認証処理が行われ、受信部により認証用情報が受信されない場合に装置側撮像部の撮像結果から得られた情報と上記固有情報とに基づいて認証処理が行われる。
【0009】
これにより、認証装置では、携帯端末からの認証用情報が受信される場合には、この認証用情報と情報コードから読み取った固有情報とに基づいて利用者の顔画像を利用した認証処理が行われる。上記認証用情報は、利用者が自分の顔を携帯端末で撮像することで得られるため、利用者の体形や利用者が座る車椅子の形状等に関わらず、顔認証に適した顔画像を撮像した際に得られる情報となる。したがって、顔認証に適した顔画像を利用して認証処理を行うことができるので、認証精度の向上及び認証処理時間の短縮を図ることができる。
【0010】
請求項2の発明では、固有情報には、利用者の顔画像から抽出される顔特徴点が含まれるため、顔特徴点を利用した認証処理を行う認証装置が、認証対象となる全ての利用者の顔特徴点を予め取得する必要をなくすことができる。
【0011】
請求項3の発明では、認証用情報には、端末側撮像部により撮像されて利用者の顔特徴点を抽出可能な顔画像が含まれる。また、認証装置には、受信部により認証用情報が受信される場合に当該認証用情報に含まれる顔画像から顔特徴点を抽出する装置側抽出部が設けられる。そして、認証部では、読取部により固有情報が読み取られた際に、受信部により認証用情報が受信される場合に、装置側抽出部により抽出された顔特徴点と固有情報に含まれる顔特徴点とに基づいて認証処理が行われる。
【0012】
このように、受信部にて受信した顔画像から装置側抽出部にて顔特徴点が抽出されるため、携帯端末では顔特徴点の抽出処理を行う必要が無いので、携帯端末に求められる処理能力を軽減することができる。
【0013】
請求項4の発明では、認証装置には、装置側抽出部による顔特徴点の抽出が成功することで携帯端末に対して認証用情報の送信を中止するための送信中止指示を行う指示部が設けられる。そして、指示部による送信中止指示を受けるまで送信部による認証装置への認証用情報の送信が継続される。
【0014】
これにより、認証部での認証が成功するまで携帯端末にて撮像された画像を連続して送信する場合でも、その送信中止を適切なタイミングで行うことができる。
【0015】
請求項5の発明では、携帯端末には、端末側撮像部により撮像された利用者の顔画像から顔特徴点を抽出する端末側抽出部が設けられ、この端末側抽出部により抽出された顔特徴点を含めるように送信部により認証用情報が認証装置に送信される。そして、認証部では、読取部により固有情報が読み取られた際に、受信部により認証用情報が受信される場合に、当該認証用情報に含まれる顔特徴点と固有情報に含まれる顔特徴点とに基づいて認証処理が行われる。
【0016】
このように、認証装置に送信される認証用情報に顔特徴点が含められることで、顔画像そのものが認証装置に送信されることもないので、携帯端末と認証装置との間の送受信に要するデータ通信量を削減することができる。特に、顔特徴点を抽出できないような顔画像が認証装置に送信されることもないため、この点においてもデータ通信量を削減することができる。
【0017】
請求項の発明では、情報コードには、認証処理において、受信された認証用情報と装置側撮像部の撮像結果から得られた情報とのいずれを用いるかを選択するための選択情報が記録される。
【0018】
これにより、認証部では、読取部により固有情報が読み取られた際に、装置側撮像部の撮像結果から得られた情報を利用した認証処理を行うか、携帯端末からの認証用情報の受信を待ってその認証用情報を利用した認証処理を行うかを、容易に判断することができる。このため、例えば、携帯端末からの認証用情報の受信を待っている間に装置側撮像部による撮像処理がなされることもないので、不要な処理をなくすことができる。
【0019】
請求項の発明では、認証部は、受信された認証用情報を用いることを選択する選択情報が固有情報とともに読取部により読み取られた際、当該読み取りから所定時間が経過するまでに受信部により認証用情報が受信されない場合には、認証処理が中止される。
【0020】
これにより、誤って情報コードが読み取られたような場合でも上記所定時間に応じて認証処理が中止されるので、不要な認証処理を早期に中止することができる。
【0021】
請求項の発明では、認証装置が送信部による送信可能な範囲に位置している場合に認証用情報を得るための撮像処理が端末側撮像部により開始される。これにより、認証装置から離れた場所で事前に撮像された撮像画像が認証装置に送信されることもないので、偽造等された顔画像が認証装置に送信される不正行為を防止することができる。
【0022】
請求項の発明では、認証処理による認証結果を受けて、扉に設けられた電気錠の施解錠を行う入退管理装置をさらに備えるように構成される。これにより、認証精度の向上及び認証処理時間の短縮を図り得る入退管理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に係る認証システムを概略的に説明する説明図である。
図2図1の携帯端末の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図3】撮像された顔画像データから顔特徴点を抽出する箇所の一部を例示する説明図である。
図4図4(A)は、情報コードが携帯端末の表示部に画面表示された状態を説明する説明図であり、図4(B)は、撮像部の撮像画像が表示部に画面表示された状態を説明する説明図である。
図5図1の認証装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図6図1のサーバの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図7】第1実施形態において携帯端末にて行われる認証情報送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図8】第1実施形態において認証装置にて行われる認証処理の流れを例示するフローチャートである。
図9】第1実施形態において第1選択情報が記録された情報コードを使用する場合の認証の流れを説明するシーケンス図である。
図10】第2選択情報が記録された情報コードを使用する場合の認証の流れを説明するシーケンス図である。
図11】第2実施形態において携帯端末にて行われる認証情報送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図12】第2実施形態において認証装置にて行われる認証処理の流れを例示するフローチャートである。
図13】第2実施形態において第1選択情報が記録された情報コードを使用する場合の認証の流れを説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る認証システムを具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す認証システム1は、利用者Mによって携帯される携帯端末10を利用してその利用者Mの認証を行う認証装置20とこの認証装置20における認証履歴を管理するサーバ30とを備えるシステムとして構成されている。本実施形態では、認証システム1は、入退室が制限される特定の部屋に関する入退管理を行う入退管理システムに採用されており、上記特定の部屋への出入口に設置される認証装置20にて利用者Mの認証が成功することで、上記特定の部屋への入室が許可される。具体的には、認証装置20から認証成功に応じた解錠信号が出入口の扉2に設けられる電気錠の施解錠を制御する施解錠制御装置3に送信されて、施解錠制御装置3によって電気錠が解錠状態になることで、上記特定の部屋への入室が許可される。このため、認証装置20は、入退管理装置としての機能をさらに備えるように構成される。
【0025】
利用者Mによって携帯される携帯端末10は、認証時に用いられる携帯型の情報処理端末であり、後述する認証用のアプリケーションプログラム(以下、認証用アプリともいう)がインストールされたスマートフォン等により構成することができる。この携帯端末10は、図2に示すように、CPU等からなる制御部11、ROM、RAMなどの半導体メモリ等からなる記憶部12、カメラとして構成される撮像部13、制御部11によって表示内容が制御されるタッチパネル式の表示部14、タッチパネルに対するタッチ操作やキー操作に信号を制御部11に出力する操作部15、認証装置20等の外部機器と通信するための通信部16などを備えている。
【0026】
記憶部12には、上記認証用アプリがインストールされる際に、その利用者Mを特定可能な固有情報として、従業員番号などの所定の識別番号と利用者Mの顔特徴点とを記録した情報コードC等が用意されて記憶される。なお、本実施形態では、情報コードCとしてQRコード(登録商標)が採用されている。また、本実施形態では、個人認証に用いる顔特徴点として、目、眉、鼻、耳、口などの顔器官のそれぞれの大きさや形状、輪郭や顔器官同士の配置位置等の項目が採用されている。そして、公知の顔特徴点を抽出するための顔特徴点抽出処理に応じて、例えば、図3に例示するように取得した顔画像データDについて、項目ごとの特徴、例えば、「D1:目が切れ長」や「D2:口が大きめ」等のデータが顔特徴点としてそれぞれ算出されて抽出される。
【0027】
このように構成される携帯端末10では、上記特定の部屋への入室時に、上記認証用アプリを起動することで制御部11にてなされる認証情報送信処理において、図4(A)に例示するように、記憶部12に記憶される情報コードCを表示部14に画面表示した後、利用者Mが撮像部13にて撮像した利用者自身の顔画像を認証装置20に送信するように機能する。なお、本実施形態では、利用者自身の顔画像を撮像部13にて撮像する際、図4(B)に例示するように、その撮像結果が表示部14にて画面表示される。これにより、顔特徴点を抽出される可能性が高い顔画像を認証装置20に送信することができる。なお、撮像部13は、「端末側撮像部」の一例に相当し得る。
【0028】
次に、認証装置20について、図1及び図5を用いて説明する。
認証装置20は、携帯端末10を利用して利用者Mの認証を行う装置として構成されるものであり、図1及び図5に示すように、制御部21、記憶部22、コードリーダ23、撮像部24、表示部25、操作部26、通信部27などを備えている。なお、図1では、認証装置20に関して、便宜上、表示部25等の図示を省略している。
【0029】
制御部21は、マイコンを主体として構成されて、認証装置20の全体的制御や各種演算を行うものであり、後述する認証処理等を実行するように機能する。記憶部22は、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリなどの公知の記憶媒体によって構成されており、認証処理を実行するためのアプリケーションプログラムや所定のデータベース等が、制御部21により利用可能に予め格納されている。
【0030】
コードリーダ23は、情報コードC等の情報コードを光学的に読み取り可能な公知の情報コード読取装置であって、扉2の近傍の壁面に配置されている。このコードリーダ23は、情報コードを撮像する撮像部や、この撮像部で撮像された情報コードのコード画像に対してデコード処理を行うデコード部等を備え、制御部21により制御されて、デコード結果を制御部21に出力するように構成されている。
【0031】
撮像部24は、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラであって、コードリーダ23に対して情報コードをかざす者の顔を撮像範囲とするように配置されている。この撮像部24は、制御部21により制御されて、撮像した画像データを制御部21に出力するように構成されている。
【0032】
表示部25は、公知の液晶表示パネル等によって構成されており、制御部21によって表示内容が制御されるようになっている。操作部26は、入力操作に応じた操作信号を制御部21に対して出力する構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて入力操作に応じた処理を行うようになっている。通信部27は、携帯端末10や施解錠制御装置3、サーバ30などの外部装置との間で有線通信又は無線通信にてデータ通信を行うための通信インタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行うように構成されている。
【0033】
このように構成される認証装置20では、制御部21にてなされる認証処理において、コードリーダ23により認証対象となる所定の識別番号が読み取られた際に、携帯端末10から通信部27を介して受信した情報から得た顔特徴点を用いた照合処理(以下、第1照合処理ともいう)と、撮像部24の撮像画像から抽出した顔特徴点を用いた照合処理(以下、第2照合処理ともいう)とのいずれかの照合処理がなされる。特に、本実施形態の第1照合処理では、受信した撮像画像から抽出した顔特徴点が用いられる。
【0034】
第1照合処理及び第2照合処理の選択には、情報コードに識別番号等とともに記録される選択情報が利用される。具体的には、第1照合処理を選択する選択情報(以下、第1選択情報ともいう)がコードリーダ23により読み取られた場合には、第1照合処理が選択され、第2照合処理を選択する選択情報(以下、第2選択情報ともいう)がコードリーダ23により読み取られた場合には、第2照合処理が選択される。本実施形態では、携帯端末10に記憶される情報コードCには、第1選択情報が記録され、社員証等の紙媒体に印刷された情報コードであって認証対象となる所定の識別番号が記録された他の情報コードには、第2選択情報が記録される。なお、認証処理を行う制御部21は、「認証部」の一例に相当し、コードリーダ23は、「読取部」の一例に相当し、撮像部24は、「装置側撮像部」の一例に相当し、通信部27は、「受信部」の一例に相当し得る。
【0035】
次に、サーバ30について、図6を用いて説明する。
サーバ30は、認証装置20における認証履歴等を管理するコンピュータとして構成されており、社内LAN等のネットワークNを介して認証装置20と通信可能に接続されている。このサーバ30は、図6に示すように、サーバ30全体を統括的に制御する制御部31、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部32、液晶モニタ等によって構成される表示部33、マウスやキーボード等によって構成される操作部34、LANインタフェース等として構成される通信部35などを備えている。
【0036】
そして、記憶部32には、認証装置20から受信した認証成功情報や認証失敗情報等が逐次記憶される認証履歴用のデータベースが格納されている。この認証履歴用データベースを解析等することで、認証装置20が設けられる部屋に関する入室履歴等を含めた認証履歴を把握することができる。
【0037】
次に、上述のように構成される認証システム1において、携帯端末10を所持した利用者Mが上記特定の部屋に入室する際に、携帯端末10の制御部11にてなされる認証情報送信処理と認証装置20の制御部21にてなされる認証処理とについて、図面を参照して説明する。
【0038】
携帯端末10を所持した利用者Mが上記特定の部屋に入室する際に、記認証用アプリを起動することで制御部11にて認証情報送信処理が開始されると、図7のステップS101に示す情報コード表示処理がなされ、記憶部12に記憶される情報コードCが表示部14に画面表示される(図4(A)参照)。
【0039】
この画面表示された情報コードCが認証装置20のコードリーダ23にかざされることで、後述するようにペアリングされた認証装置20から撮像指示が受信されると(S103でYes)、撮像部13にて撮像可能な状態になり(S105:図4(B)参照)、この撮像部13による撮像画像のデータが認証用情報として通信部16を介して認証装置20に送信される(S107)。すなわち、認証装置20が通信部16による送信可能な範囲に位置している場合に撮像部13にて撮像処理が行われる。そして、認証装置20から後述するように送信中止指示が受信されるまで(S109でNo)、撮像画像を送信する処理が継続され、認証装置20から送信中止指示が受信されると(S109でYes)、本認証情報送信処理が終了する。なお、通信部16は、認証用情報(撮像画像のデータ)を認証装置20に送信可能な「送信部」の一例に相当し得る。
【0040】
認証装置20では、制御部21にて認証処理が開始されると、図8のステップS201に示すデコード処理がなされ、コードリーダ23にかざされた情報コードをデコード(解読)するための処理がなされる。続いて、ステップS203の判定処理にて、認証対象となる所定の識別番号がデコードされているか否かについて判定され、認証対象となる所定の識別番号がデコードされるまでNoと判定されて、上記ステップS201からの処理が繰り返される。
【0041】
そして、情報コードCがコードリーダ23にかざされたことから認証対象となる所定の識別番号や顔特徴点等が読み取られると(S203でYes)、ステップS205の判定処理にて、第1選択情報が読み取られているか否かについて判定される。ここで、上述のように、情報コードCには、識別番号等とともに第1選択情報が記録されているため、ステップS205にてYesと判定される。
【0042】
続いて、ステップS207の撮像指示処理がなされ、ペアリングされた携帯端末10に対して、上記撮像指示を送信するための処理がなされる。この撮像指示の送信に応じて携帯端末10から撮像画像のデータが通信部27を介して受信されると(S209)、ステップS211に示す顔特徴点抽出処理がなされて、受信した撮像画像から顔特徴点を抽出するための処理がなされる。そして、この抽出処理にて顔特徴点が抽出されるまでステップS213の判定処理にてNoとの判定が繰り返される。なお、上記顔特徴点抽出処理を行う制御部21は、「装置側抽出部」の一例に相当し得る。
【0043】
そして、受信した撮像画像からの顔特徴点の抽出処理が成功すると(S213でYes)、携帯端末10に対して送信中止指示が送信されることで(S215)、携帯端末10からの撮像画像のデータの送信が中止される。なお、送信中止指示を行う制御部21は、「指示部」の一例に相当し得る。
【0044】
続いて、ステップS217に示す第1照合処理がなされ、上述のように受信した撮像画像から抽出された顔特徴点と情報コードCから読み取った顔特徴点とを照合するための処理がなされる。この照合結果から認証成功と判定されると(S219でYes)、解錠信号が施解錠制御装置3に送信される(S231)。これにより、利用者Mは、解錠状態となった扉2を開けて上記特定の部屋へ入室することができる。一方、上記照合結果から認証失敗と判定された場合には(S219でNo)、解錠信号が施解錠制御装置3に送信されず、施解錠制御装置3による施錠状態が維持される。
【0045】
すなわち、図9に示すように、利用者Mが認証対象となる所定の識別番号及び第1選択情報が記録された情報コードCを携帯端末10にて画面表示して(F101)、その情報コードCをかざす場合には(F103)、認証装置20にて、その情報コードCが読み取られて(F105)、認証対象と判定されると(F107)、認証装置20と携帯端末10とでペアリングされる(F109)。このペアリングの際に撮像指示を受信した携帯端末10が撮像可能な状態になり(F111)、その撮像画像が認証装置20に送信される(F113)。認証装置20では、受信した撮像画像から顔特徴点を抽出し(F115)、その抽出結果を利用した第1照合処理がなされて(F117)、認証成功と判定されると(F119)、解錠信号が送信されて扉2が解錠状態になる(F121)。
【0046】
次に、社員証等に印刷された他の情報コードを利用して上記特定の部屋に入室する際に、認証装置20の制御部21にてなされる認証処理について、図8を参照して説明する。
上記他の情報コードがコードリーダ23にかざされることで、認証対象となる所定の識別番号や顔特徴点等が読み取られると(図8のS203でYes)、ステップS205の判定処理にて、第1選択情報が読み取られているか否かについて判定される。ここで、上述のように、他の情報コードには、識別番号等とともに第2選択情報が記録されているため、ステップS205にてNoと判定される。
【0047】
この場合には、撮像部24にて撮像可能な状態になり(S221)、この撮像部24による撮像画像から顔特徴点を抽出するための処理がなされる(S223)。そして、撮像部24による撮像画像からの顔特徴点の抽出処理が成功すると(S225でYes)、ステップS227に示す第2照合処理がなされ、撮像部24による撮像画像から抽出された顔特徴点と情報コードCから読み取った顔特徴点とを照合するための処理がなされる。そして、この照合結果から認証成功と判定されると(S229でYes)、解錠信号が施解錠制御装置3に送信されることで(S231)、解錠状態となった扉2を開けて上記特定の部屋へ入室することが可能な状態になる。
【0048】
すなわち、図10に示すように、他の利用者が認証対象となる所定の識別番号及び第2選択情報が記録された他の情報コードをかざす場合には(F201)、認証装置20にて、その情報コードCが読み取られて(F203)、認証対象と判定されると(F205)、認証装置20が撮像可能な状態になる(F207)。そして、他の利用者がその顔を撮像部24に向けることで撮像部24による撮像画像から顔特徴点が抽出され(F209)、その抽出結果を利用した第2照合処理がなされて(F211)、認証成功と判定されると(F213)、解錠信号が送信されて扉2が解錠状態になる(F215)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る認証システム1では、利用者Mによって携帯される携帯端末10の撮像部13による撮像画像が認証用情報として認証装置20に送信される。認証装置20の制御部21にてなされる認証処理では、コードリーダ23により情報コードから認証対象となる所定の識別番号及び顔特徴点(固有情報)が読み取られた際に、撮像部13による撮像画像が受信されることでこの撮像画像から抽出される顔特徴点と情報コードから読み取った顔特徴点とに基づいて第1照合処理(認証処理)が行われ、撮像画像が受信されない場合に撮像部24の撮像画像から抽出される顔特徴点と情報コードから読み取った顔特徴点とに基づいて第2照合処理(認証処理)が行われる。
【0050】
これにより、認証装置20では、携帯端末10からの撮像画像が受信される場合には、この撮像画像から抽出される顔特徴点と情報コードから読み取った顔特徴点とに基づいて利用者の顔画像を利用した認証処理が行われる。受信した撮像画像は、利用者Mが自分の顔を携帯端末10で撮像することで得られるため、利用者Mの体形や利用者Mが座る車椅子の形状等に関わらず、顔認証に適した顔画像を撮像した際に得られる情報となる。したがって、顔認証に適した顔画像を利用して認証処理を行うことができるので、認証精度の向上及び認証処理時間の短縮を図ることができる。そして、本実施形態に係る認証システム1は、入退室が制限される特定の部屋に関する入退管理を行う入退管理システムに採用されており、認証装置20は、入退管理装置としての機能をさらに備えるように構成される。これにより、認証精度の向上及び認証処理時間の短縮を図り得る入退管理装置を実現することができる。
【0051】
特に、情報コードに記録される固有情報として、利用者Mの顔画像から抽出される顔特徴点が含まれるため、顔特徴点を利用した認証処理を行う認証装置20が、認証対象となる全ての利用者の顔特徴点を予め取得する必要をなくすことができる。
【0052】
また、携帯端末10から送信される撮像画像には、撮像部13により撮像されて利用者Mの顔特徴点を抽出可能な顔画像が含まれ、認証装置20では、受信した撮像画像に含まれる顔画像から顔特徴点が抽出される。このように、受信した顔画像から顔特徴点が抽出されるため、携帯端末10では顔特徴点の抽出処理を行う必要が無いので、携帯端末10に求められる処理能力を軽減することができる。
【0053】
さらに、認証装置20の制御部21においてなされる認証処理では、顔特徴点の抽出が成功することで(S213でYes)、携帯端末10に対して撮像画像の送信を中止するための送信中止指示が行われる(S215)。そして、携帯端末10では、上記送信中止指示を受けるまで通信部16を介した認証装置20への撮像画像の送信が継続される(S107)。
【0054】
これにより、認証装置20での認証が成功するまで携帯端末10にて撮像された画像を連続して送信する場合でも、その送信中止を適切なタイミングで行うことができる。
【0055】
また、認証対象となる所定の識別番号が記録される情報コードには、認証処理において、第1照合処理(携帯端末10から受信された情報を用いて照合する処理)と第2照合処理(撮像部24の撮像画像を用いて照合する処理)とのいずれを用いるかを選択するための選択情報が記録される。
【0056】
これにより、認証処理では、コードリーダ23により認証対象となる所定の識別番号が読み取られた際に、撮像部24の撮像結果から得られた情報を利用した認証処理(第2照合処理)を行うか、携帯端末10からの情報(撮像画像)の受信を待ってその撮像画像を利用した認証処理(第1照合処理)を行うかを、容易に判断することができる。このため、例えば、携帯端末10からの撮像画像の受信を待っている間に撮像部24による撮像処理がなされることもないので、不要な処理をなくすことができる。
【0057】
また、携帯端末10では、ペアリングされた認証装置20から撮像指示が受信される場合、すなわち、認証装置20が通信部16による送信可能な範囲に位置している場合に撮像処理が撮像部13により開始される。これにより、認証装置20から離れた場所で事前に撮像された撮像画像が認証装置20に送信されることもないので、偽造等された顔画像が認証装置20に送信される不正行為を防止することができる。
【0058】
なお、上記認証処理では、第1選択情報が読み取られた際(S205でYes)、この読み取りから所定時間が経過するまでに通信部27を介して撮像画像が受信されない場合には、当該認証処理を中止することができる。これにより、誤って情報コードCが読み取られたような場合でも上記所定時間に応じて認証処理が中止されるので、不要な認証処理を早期に中止することができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る認証システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、携帯端末10にて抽出された顔特徴点が認証装置20に送信される点が、上記第1実施形態等と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
本実施形態における携帯端末10では、撮像部13にて撮像された利用者Mの顔画像から顔特徴点を抽出するための抽出処理がなされ、抽出に成功した顔特徴点が認証装置20に送信される。
【0061】
以下、本実施形態において、携帯端末10を所持した利用者Mが上記特定の部屋に入室する際に、携帯端末10の制御部11にてなされる認証情報送信処理と認証装置20の制御部21にてなされる認証処理とについて、図面を参照して説明する。
【0062】
携帯端末10では、制御部11にて認証情報送信処理が開始されると、図11のステップS101に示す情報コード表示処理がなされ、上記第1実施形態と同様に、記憶部12に記憶される情報コードCが表示部14に画面表示される。
【0063】
この画面表示された情報コードCが認証装置20のコードリーダ23にかざされることで、後述するようにペアリングされた認証装置20から顔特徴点抽出指示が受信されると(S111でYes)、撮像部13にて撮像可能な状態になる(S113)。そして、ステップS115に示す顔特徴点抽出処理にて、撮像部13の撮像画像から顔特徴点を抽出するための処理がなされ、この抽出処理にて顔特徴点が抽出されるまでステップS117の判定処理にてNoとの判定が繰り返される。なお、上記顔特徴点抽出処理を行う制御部11は、「端末側抽出部」の一例に相当し得る。
【0064】
そして、撮像部13の撮像画像からの顔特徴点の抽出処理が成功すると(S117でYes)、この抽出された顔特徴点が通信部16を介して認証装置20に送信されることで(S119)、本認証情報送信処理が終了する。
【0065】
認証装置20では、制御部21にて認証処理が開始されると、図12のステップS201に示すデコード処理にて、コードリーダ23にかざされた情報コードCがデコードされることで、認証対象となる所定の識別番号及び第1選択情報が読み取られると(S203,S205でYes)、ステップS233に示す顔特徴点抽出指示処理にて、ペアリングされた携帯端末10に対して、上記顔特徴点抽出指示を送信するための処理がなされる。
この顔特徴点抽出指示の送信に応じて携帯端末10から顔特徴点データが通信部27を介して受信されると(S235)、上述したステップS217の第1照合処理にて、上述のように受信した顔特徴点と情報コードCから読み取った顔特徴点とを照合するための処理がなされる。この照合結果から認証成功と判定されると(S219でYes)、解錠信号が施解錠制御装置3に送信される(S231)。これにより、利用者Mは、解錠状態となった扉2を開けて上記特定の部屋へ入室することができる。
【0066】
すなわち、図13に示すように、利用者Mが認証対象となる所定の識別番号及び第1選択情報が記録された情報コードCを携帯端末10にて画面表示して(F101)、その情報コードCをかざす場合には(F103)、認証装置20にて、その情報コードCが読み取られて(F105)、認証対象と判定されると(F107)、認証装置20と携帯端末10とでペアリングされる(F109)。このペアリングの際に顔特徴点抽出指示を受信した携帯端末10が撮像可能な状態になり(F111)、その撮像画像から顔特徴点が抽出されると(F123)、その抽出された顔特徴点が認証装置20に送信される(F125)。認証装置20では、受信した顔特徴点を利用した第1照合処理がなされて(F117)、認証成功と判定されると(F119)、解錠信号が送信されて扉2が解錠状態になる(F121)。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る認証システム1では、携帯端末10にてなされる認証情報送信処理において、撮像部13により撮像された利用者Mの顔画像から顔特徴点が抽出され、この抽出された顔特徴点が通信部16を介して認証装置20に送信される。そして、認証装置20では、コードリーダ23により情報コードから認証対象となる所定の識別番号及び顔特徴点(固有情報)が読み取られた際に、携帯端末10にて抽出された顔特徴点が受信されることで、このように受信された顔特徴点と情報コードから読み取った顔特徴点とに基づいて第1照合処理(認証処理)が行われる。
【0068】
このように、携帯端末10にて抽出された顔特徴点が認証装置20に送信されることで、顔画像そのものが認証装置20に送信されることもないので、携帯端末10と認証装置20との間の送受信に要するデータ通信量を削減することができる。特に、顔特徴点を抽出できないような顔画像が認証装置20に送信されることもないため、この点においてもデータ通信量を削減することができる。
【0069】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明は、認証装置20の認証結果を受けて、入退室が制限される特定の部屋に関する入退管理を行う入退管理システムに採用されることに限らず、例えば、決済システムなど、顔認証を利用した他のシステムにも採用することができる。
【0070】
(2)情報コードCには、利用者を特定可能な固有情報として、従業員番号などの所定の識別番号や利用者Mの顔特徴点が記録されることに限らず、さらに、他の認証に利用可能な情報等が記録されてもよい。また、情報コードCに記録される情報(認証対象となる所定の識別番号や顔特徴点等)を暗号化することで、顔特徴点等に対するセキュリティ性を向上させてもよい。
【0071】
(3)認証対象となる全ての利用者の顔特徴点が識別番号に関連付けられたデータベースが構築されていることを前提に、情報コードCに顔特徴点を記録せず、認証装置20にて、情報コードから読み取った識別番号に関連付けれる顔特徴点を上記データベースから取得するように構成されてもよい。
【0072】
(4)上記第1実施形態において認証装置20にてなされる認証処理では、撮像画像に付加されるその画像を撮像した撮像位置情報を利用することで、携帯端末10から受信した撮像画像の撮像位置情報が当該認証装置20の設置場所を基準に設定される所定のエリア外を示す場合に、認証処理を中止してもよい。また、認証装置20にてなされる認証処理では、撮像画像に付加されるその画像を撮像した撮像時刻を利用することで、携帯端末10から受信した撮像画像の撮像時刻が受信時刻よりも一定時間以上前である場合に、認証処理を中止してもよい。
【0073】
(5)認証対象となる所定の識別番号が記録される情報コードには、第1選択情報及び第2選択情報のいずれか一方が記録されることに限らず、第1選択情報及び第2選択情報が記録されることなく、識別番号に応じて第1照合処理又は第2照合処理が選択されることで、識別番号自体が選択情報として機能してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…認証システム
10…携帯端末
11…制御部(端末側抽出部)
13…撮像部(端末側撮像部)
16…通信部(送信部)
20…認証装置
21…制御部(認証部,装置側抽出部,指示部)
23…コードリーダ(読取部)
24…撮像部(装置側撮像部)
27…通信部(受信部)
C…情報コード
M…利用者
図1
図2
図3
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