(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】異常情報表示装置、画像形成システム、異常情報表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240221BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240221BHJP
B65H 43/04 20060101ALI20240221BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240221BHJP
B65H 29/62 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
B41J29/393 105
B65H43/04
G03G15/00 480
B65H29/62 Z
(21)【出願番号】P 2022201911
(22)【出願日】2022-12-19
(62)【分割の表示】P 2019049684の分割
【原出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】下野 一成
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-191979(JP,A)
【文献】特開2014-094519(JP,A)
【文献】特開2018-157350(JP,A)
【文献】特開2018-086799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/393
B65H 43/04
G03G 15/00
B65H 29/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される用紙を画像形成部の下流で光学的に読み取って
出力された読取画像を解析して画像異常を検出する画像異常検出部と、
前記画像異常検出部で解析された前記読取画像及び操作部を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御
する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記操作部が操作され
る度に、前記表示部に表示
されている読取画像を
、表示されている読取画像とは別の頁
であって、且つ前記画像異常検出部で解析された読取画像に切り替え
る異常情報表示装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記表示部に表示する読取画像を、操作されたときに表示している読取画像よりも前の頁を読み取って出力された読取画像に切り替える操作部と、前記表示部に表示する読取画像を、操作されたときに表示している読取画像よりも後ろの頁を読み取って出力された読取画像に切り替える操作部とを含む請求項1に記載の異常情報表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、請求項1又は2に記載の異常情報表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、請求項1~3のいずれか一項に記載の異常情報表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の異常情報表示装置。
【請求項6】
前記画像異常検出部によって異常が検出された各用紙についての異常原因と、前記読取画像とを関連付けて記憶する記憶部を更に備えた請求項1~
5のいずれか一項に記載の
異常情報表示装置。
【請求項7】
給紙部と、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記給紙部から給紙された用紙を、前記画像形成部を経由して排紙先へ搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される用紙を画像形成部の下流で光学的に読み取って読取画像を出力する読取部と、
前記読取画像を解析して画像異常を検出する画像異常検出部と、
前記画像異常検出部で解析された前記読取画像及び操作部を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記操作部が操作される度に、前記表示部に表示されている読取画像を、表示されている読取画像とは別の頁であって、且つ前記画像異常検出部で解析された読取画像に切り替える画像形成システム。
【請求項8】
前記読取部を通過した用紙を排出する排紙先を切り替える切替部を更に備えた請求項
7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記切替部は、画像異常が検出された異常紙より前の用紙と、前記異常紙及びその後続紙とが、異なる排紙先に排出されるように切り替える請求項
8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記異常紙及びその後続紙が排出される排紙先は予め定められている請求項
9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記後続紙は、前記異常紙を検出した時点で前記切替部よりも上流側の搬送経路上にある全ての用紙を含む請求項
9又は
10に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記読取部は、前記搬送される用紙の両面を読み取る、請求項7~11のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
搬送される用紙を画像形成部の下流で読み取って読取画像を出力するステップと、
前記読取画像を解析して画像異常を検出するステップと、
前記
解析がされた読取画像及び操作部を表示部に表示するステップと、
前記操作部が操作され
る度に、前記表示部に表示
されている読取画像を
、表示されている読取画像とは別の頁を読み取って出力され
、且つ前記解析がされた読取画像に切り替えるステップと、
を有する異常情報表示方法。
【請求項14】
前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、請求項13に記載の異常情報表示方法。
【請求項15】
前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、請求項13又は14に記載の異常情報表示方法。
【請求項16】
前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、請求項13~15のいずれか一項に記載の異常情報表示方法。
【請求項17】
搬送される用紙を画像形成部の下流で読み取って出力された読取画像を解析して画像異常を検出するステップと、
前記
解析がされた読取画像及び操作部を表示部に表示するステップと、
前記操作部が操作され
る度に、前記表示部に表示
されている読取画像を
、表示されている読取画像とは別の頁を読み取って出力され
、且つ前記解析がされた読取画像に切り替えるステップと、
を異常情報表示装置の制御部に実行させるプログラム。
【請求項18】
前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、請求項17又は18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、請求項17~19のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される用紙を画像形成部の下流で読み取って出力された読取画像を解析して画像異常を検出すると共に、表示部に表示する読取画像を操作部の操作に応じて別の頁の読取画像に切り替える異常情報表示装置、画像形成システム、異常情報表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロダクションプリント用の印刷装置等では、画像に異常のある用紙を、正常に印刷された用紙とは別の排紙先に排紙する制御が行われる。たとえば、下記特許文献1には、給紙口切り替え、満載、紙なし、紙ジャム、消耗品の寿命等の画像に影響を与える特定事象が画像出力プロセス中に発生したかどうかを検知し、該検知結果に基づいて、影響を受けた用紙を通常排紙先とは異なるエスケープ排紙先に排紙させる印刷装置が開示されている。また、この印刷装置では、エスケープ排紙された用紙に関する情報、たとえば、ジョブ名、要因、時刻、ページ数等を印刷したヘッダページをエスケープ排紙先に印刷出力することで、異常内容の確認の容易化を図っている。
【0003】
下記特許文献2には、印刷装置が出力した印刷物を、印刷装置と別体の検査装置で読み取って欠陥を検出し、欠陥のある用紙について、その用紙に係るジョブ名、部、ページ番号、表裏、欠陥個数、読取画像、詳細情報等を一覧表示したり、欠陥情報を、実際の印刷物の欠陥箇所の上に位置合わせして投影したりする装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-144797号公報
【文献】特開2016-61603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷装置において異常紙を検出した場合、異常紙を通常の排紙トレイとは別の排紙トレイ(第2排紙トレイとする)に排出するだけではなく、異常紙とその後続紙を第2排紙トレイに排出することが行われる。
【0006】
このように、第2排紙トレイに異常紙が積み重なってしまうと、特許文献1、2のように異常紙に関する欠陥情報が一覧表示されたり印刷出力されたりしたとしても、第2排紙トレイに積載されている用紙の中から目的の異常紙を見つけて取り出すことは難しい。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、排紙トレイに排紙された異常紙と後続紙の中から目的の異常紙を容易に見つけて取り出すことのできる異常情報表示装置、画像形成システム、異常情報表示方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0009】
[1]搬送される用紙を画像形成部の下流で光学的に読み取って出力された読取画像を解析して画像異常を検出する画像異常検出部と、
前記画像異常検出部で解析された前記読取画像及び操作部を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記操作部が操作される度に、前記表示部に表示されている読取画像を、表示されている読取画像とは別の頁であって、且つ前記画像異常検出部で解析された読取画像に切り替える異常情報表示装置。
【0010】
[2]前記操作部は、前記表示部に表示する読取画像を、操作されたときに表示している読取画像よりも前の頁を読み取って出力された読取画像に切り替える操作部と、前記表示部に表示する読取画像を、操作されたときに表示している読取画像よりも後ろの頁を読み取って出力された読取画像に切り替える操作部とを含む[1]に記載の異常情報表示装置。
【0011】
[3]前記制御部は、前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、[1]又は[2]に記載の異常情報表示装置。
【0012】
[4]前記制御部は、前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の異常情報表示装置。
【0013】
[5]前記制御部は、前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の異常情報表示装置。
【0015】
[6]前記画像異常検出部によって異常が検出された各用紙についての異常原因と、前記読取画像とを関連付けて記憶する記憶部を更に備えた[1]~[5]のいずれか一項に記載の異常情報表示装置。
【0016】
[7]給紙部と、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記給紙部から給紙された用紙を、前記画像形成部を経由して排紙先へ搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される用紙を画像形成部の下流で光学的に読み取って読取画像を出力する読取部と、
前記読取画像を解析して画像異常を検出する画像異常検出部と、
前記画像異常検出部で解析された前記読取画像及び操作部を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記操作部が操作される度に、前記表示部に表示されている読取画像を、表示されている読取画像とは別の頁であって、且つ前記画像異常検出部で解析された読取画像に切り替える画像形成システム。
【0017】
[8]前記読取部を通過した用紙を排出する排紙先を切り替える切替部を更に備えた[7]に記載の画像形成システム。
【0018】
[9]前記切替部は、画像異常が検出された異常紙より前の用紙と、前記異常紙及びその後続紙とが、異なる排紙先に排出されるように切り替える[8]に記載の画像形成システム。
【0019】
[10]前記異常紙及びその後続紙が排出される排紙先は予め定められている[9]に記載の画像形成システム。
【0020】
[11]前記後続紙は、前記異常紙を検出した時点で前記切替部よりも上流側の搬送経路上にある全ての用紙を含む[9]又は[10]に記載の画像形成システム。
【0021】
[12]前記読取部は、前記搬送される用紙の両面を読み取る、[7]~[11]のいずれか一項に記載の画像形成システム。[13]搬送される用紙を画像形成部の下流で読み取って読取画像を出力するステップと、
前記読取画像を解析して画像異常を検出するステップと、
前記解析がされた読取画像及び操作部を表示部に表示するステップと、
前記操作部が操作される度に、前記表示部に表示されている読取画像を、表示されている読取画像とは別の頁を読み取って出力され、且つ前記解析がされた読取画像に切り替えるステップと、
を有する異常情報表示方法。
【0022】
[14]前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、[13]に記載の異常情報表示方法。
【0023】
[15]前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、[13]又は[14]に記載の異常情報表示方法。
【0024】
[16]前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、[13]~[15]のいずれか一項に記載の異常情報表示方法。
【0025】
[17]搬送される用紙を画像形成部の下流で読み取って出力された読取画像を解析して画像異常を検出するステップと、
前記解析がされた読取画像及び操作部を表示部に表示するステップと、
前記操作部が操作される度に、前記表示部に表示されている読取画像を、表示されている読取画像とは別の頁を読み取って出力され、且つ前記解析がされた読取画像に切り替えるステップと、
を異常情報表示装置の制御部に実行させるプログラム。
【0026】
[18]前記表示部に表示されている読取画像の中の異常箇所を表示する、[17]に記載のプログラム。
【0027】
[19]前記表示部に表示している読取画像の異常の原因を前記表示部に表示する、[17]又は[18]に記載のプログラム。
【0028】
[20]前記表示部に表示している読取画像のページを示す番号を前記表示部に表示する、[17]~[19]のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る異常情報表示装置、画像形成システム、異常情報表示方法およびプログラムによれば、排紙先に排紙された異常紙と後続紙の中から目的の異常紙を容易に見つけて取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムを示す図である。
【
図2】画像形成システムの電気的な概略構成を示すブロック図である。
【
図3】画像形成システムにおいて検出された異常紙およびその後続紙が第2排紙先へ排出される動作の一例を示す図である。
【
図4】印刷時における画像形成システムの概略動作を示す流れ図である。
【
図5】用紙起動判断処理(
図4のステップS101)の詳細を示す流れ図である。
【
図7】第2排紙トレイに排紙された用紙の排紙情報を表示する処理を示す流れ図である。
【
図8】第2排紙先に排紙された用紙の排紙情報をリスト形式にした排紙情報一覧の一例を示す図である。
【
図9】ページめくり方式の確認画面(ページ毎画面)の一例を示す図である。
【
図10】
図9の状態から表示対象を次のページに進めたページ毎画面の一例を示す図である。
【
図11】サムネイル方式の確認画面(サムネイル画面)の一例を示す図である。
【
図12】選択された用紙の読取画像を大きく表示したサムネイル画面の一例を示す図である。
【
図13】ジョブ単位のサムネイル画面の一例を示す図である。
【
図14】調整用チャートを表示するページ毎画面の一例を示す図である。
【
図15】確認排紙トレイ選択画面一例を示す図である。
【
図16】両面印刷時のサムネイル画面の一例を示す図である。
【
図17】両面印刷時のページ毎画面であって、おもて面正常・うら面異常の異常紙の排紙情報を表示した例を示す図である。
【
図18】両面印刷時のページ毎画面であって、後続紙の排紙情報を表示した場合の一例を示す図である。
【
図19】排紙情報を削除する処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5とその接続環境を示している。画像形成システム5は、外部装置から印刷データを受信し、該印刷データに基づいて用紙に画像を形成(印刷)して出力する画像形成装置本体10と、画像形成装置本体10の前段に接続されて画像形成装置本体10に給紙する給紙装置11と、画像形成装置本体10の後段に接続され、画像形成装置本体10から到来する用紙を光学的に読み取る画像読取装置12と、画像読取装置12の後段に接続されて用紙の排紙先を切り替える第1用紙仕分け装置13および第2用紙仕分け装置14を備えて構成される。
【0033】
画像形成システム5では、上記の各装置を直列に接続することで、画像形成システム5内に、給紙装置11から給紙された用紙を画像形成装置本体10および画像読取装置12を経由して排紙先(第1用紙仕分け装置13、第2用紙仕分け装置14)まで搬送する搬送経路が構成される。
【0034】
画像形成装置本体10は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介してPC(パーソナルコンピュータ)等の外部端末3と通信可能に接続されている。
【0035】
画像形成装置本体10は、無端で環状に掛け渡された中間転写ベルトと、この中間転写ベルトに沿って配置されたC,M,Y,K各色の像形成ユニットを備え、像形成ユニットによって中間転写ベルト上にC,M,Y,K各色のトナー像を重畳してフルカラーのトナー像を形成する。そして、中間転写ベルト上に形成したトナー像を、給紙装置11から給紙され搬送されてきた用紙に転写し、さらに定着器で用紙に熱定着させた後、該用紙を後段の画像読取装置12へ送り出す。なお、画像形成装置本体10が用紙に画像を形成する方式は上記したタンデム式の電子写真方式に限定されず、インクジェット方式等、任意でよい。
【0036】
画像読取装置12は、画像形成装置本体10から受け入れた用紙を自装置の後段の第1用紙仕分け装置13へ搬送する機能と、その用紙の両面を読取部61で光学的に読み取って読取画像を取得する機能を果たす。
【0037】
第1用紙仕分け装置13は、画像読取装置12から搬送されてきた用紙を、後段の第2用紙仕分け装置14へ排出するか、自装置が有する第1サブトレイ16へ排出するかを切り替える切替部の機能を果たす。第2用紙仕分け装置14は、第1用紙仕分け装置13から搬送されてきた用紙を、自装置が有するメイントレイ18へ排出するか、自装置が有する第2サブトレイ17へ排出するかを切り替える切替部の機能を果たす。
【0038】
図2は、画像形成システム5の電気的な概略構成を示すブロック図である。画像形成システム5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする制御部20を備える。詳細には、制御部20は、操作パネル30における表示および操作の受け付けに関する制御を行う操作パネル制御部21、画像形成システム5全体の動作を統括制御するシステム制御部23、給紙装置11および画像形成装置本体10における給紙・搬送・画像形成動作を制御するエンジン制御部25、画像読取装置12での読み取り動作を制御する画像読み取り制御部27、第1用紙仕分け装置13および第2用紙仕分け装置14における排紙先の切り替え制御等を行うフィニッシャ制御部29で構成される。なお、システム制御部23は、操作パネル制御部21、エンジン制御部25、画像読み取り制御部27、フィニッシャ制御部29を統括制御する。
【0039】
操作パネル制御部21には、操作パネル30の表示部31および操作部32が接続される。表示部31は液晶ディスプレイ等で構成され、各種の操作画面や設定画面、後述する排紙情報等を表示する。操作部32は、ハードスイッチおよび表示部31の画面上に設けられたタッチスクリーンなどで構成され、各種のユーザ操作を受け付ける。
【0040】
システム制御部23には、画像処理部41、通信部42、記憶部43、異常検出部44などが接続されている。画像処理部41は、外部端末3から受信した印刷データをイメージデータに展開するRIP処理のほか、イメージデータ等に対して拡大縮小、画像補正等の画像処理を施す。通信部42はネットワーク2を通じて外部端末3やサーバ等と通信して各種のデータを送受信する。
【0041】
記憶部43は、正常な用紙が排紙される通常の排紙先とは異なる第2排紙先(第1サブトレイ16や第2サブトレイ17)に排紙された各用紙に関する情報や読取画像、その他の各種の情報を記憶する。
【0042】
異常検出部44は、読取部61が用紙を光学的に読み取って得た読取画像を解析して、その用紙が異常紙であるか否かを判定する。
【0043】
エンジン制御部25には、給紙部51、搬送部52、画像形成部53等が接続される。
図1の画像形成システム5では、給紙装置11が給紙部51に該当する。なお、画像形成装置本体10内に給紙トレイを有し、該給紙トレイから給紙する給紙部51を備えても良い。搬送部52は、画像形成システム5内の搬送経路を通じて用紙を搬送する機能を果たし、搬送ローラ、ガイド、搬送ローラを駆動するモータ等で構成される。
【0044】
画像読み取り制御部27は、画像読取装置12の読取部61による読み取り動作を制御する。
【0045】
フィニッシャ制御部29は、第1用紙仕分け装置13、第2用紙仕分け装置14における排紙先の切り替え動作や搬送動作を制御する。フィニッシャ制御部29には、排紙先の切り替え機構である排紙先切替部71、第1サブトレイ16や第2サブトレイ17から用紙が取り出されたことを検出する取り出し検出部72、第1サブトレイ16や第2サブトレイ17が満杯になったことを検出する満杯検出部73などが接続されている。
【0046】
画像形成システム5では、画像形成装置本体10から出力された用紙を画像読取装置12で光学的に読み取り、その読取画像を解析することでその用紙が異常紙(ヤレ紙)であるか否かを判定する。検出する異常には、汚れ、スジ、ホタル、といったものがある。ホタルは点状に現れる濃度ムラ等の異常であり、スジは、ホタルが線状に連続して現れる画像異常などである。
【0047】
上記判定の結果、異常紙でなければ、該用紙を通常の排紙先であるメイントレイ18へ排紙し、異常紙ならば該異常紙とその後続紙を通常の排紙先とは異なる第2排紙先(第1サブトレイ16もしくは第2サブトレイ17)へ排紙する。後続紙には、少なくとも、異常紙を検出した時点で既に給紙されて機内の搬送経路上にある全ての用紙が含まれる。
【0048】
第2排紙先は、異常紙とその後続紙の排紙先として予め定められた排紙先である。なお、第2排紙先が複数ある場合には、それらの中から実際に異常紙および後続紙を排出する排紙先を自動的もしくはユーザの指示に基づいて選択する。
【0049】
図3は、画像形成システム5において異常紙およびその後続紙が第2排紙先へ排出される動作の一例を示している。この例は、全10枚のジョブ1の途中の3枚目(1-3)と4枚目(1-4)の用紙で異常が検出され、さらにそれに続くジョブ2の1枚目(2-1)で異常が検出された場合を示している。
【0050】
ジョブ1の1枚目(1-1)と2枚目(1-2)の用紙は通常の排紙先であるメイントレイ18に排紙する。異常紙であるジョブ1の3枚目(1-3)、4枚目(1-4)は第2排紙先(たとえば第1サブトレイ16)に排紙され、さらにその後続紙(1-5~1-10)も第2排紙先に排紙される。また、異常紙であるジョブ2の1枚目(2-1)およびその後続紙(2-2、2-3…)も第2排紙先に排紙される。
【0051】
このように、異常紙とその後続紙が同じ第2排紙先に排紙されると、第2排紙先に積み重なっている多数の用紙の中のどの用紙が目的の異常紙であるかを見つけて取り出すことが難しく、たとえば、異常紙の情報のみをディスプレイに表示しても、第2排紙先から異常紙を見つけ出すための支援(手掛かり)として不十分である。
【0052】
そこで、本実施の形態に係る画像形成システム5は、第2排紙先に用紙を排紙する毎に、その用紙が異常紙であるか否かを示す用紙情報と、その用紙の読取画像と、その用紙の第2排紙先での積載順とを関連付けた排紙情報を記憶部43に記憶する。すなわち、異常紙とその後続紙のそれぞれについて、用紙情報と積載順と読取画像を関連付けて記憶部43に記憶する。
【0053】
画像形成システム5では、ユーザが第2排紙先から異常紙を取り出す際に、異常紙のみならず、後続紙についても、読取画像を含む排紙情報が提供される。これにより、たとえば、異常紙の次の後続紙に特徴のある画像が印刷されていれば、ユーザは、該後続紙の読取画像を操作パネル30に表示して確認してから、該特徴のある画像を手掛かりに該当の後続紙を第2排紙先に積み重なる多数の用紙の中から見つけ出すことができ、その結果、該後続紙の1枚下にある異常紙を容易に特定して取り出すことができる。
【0054】
図4は、画像形成システム5が印刷時に行う動作の概略を示す流れ図である。最初に制御部20は、次の用紙を給紙すべきか否かを判断する用紙起動判断処理を行う(ステップS101)。
【0055】
図5は、用紙起動判断処理(
図4のステップS101)の詳細を示している。設定枚数の給紙を完了している場合は(ステップS201;Yes)、「給紙なし」を返り値として(ステップS205)、本処理を終了する。
【0056】
設定枚数の給紙が完了していなければ(ステップS101;No)、先行紙の中に異常紙(画像異常の検出された用紙)があるか否かを確認する(ステップS202)。先行紙の中に異常紙があれば(ステップS202;Yes)、「給紙なし」を返り値として(ステップS205)、本処理を終了する。
【0057】
先行紙の中に異常紙がなければ(ステップS202;No)、次の用紙の給紙開始タイミングの到来を待ち(ステップS203;No)、次の用紙の給紙開始タイミングが到来したら(ステップS203;Yes)、「給紙あり」を返り値として(ステップS204)本処理を終了する。
【0058】
図4のステップS102では、用紙起動判断処理(ステップS101)の返り値が「給紙あり」か否かを判定する(ステップS102)。返り値が「給紙あり」ならば(ステップS102;Yes)、新たな用紙を給紙して(ステップS103)、ステップS104へ移行する。返り値が「給紙なし」ならば(ステップS102;No)、新たな用紙を給紙せずにステップS104へ移行する。
【0059】
画像形成装置本体10の画像形成部53は、画像形成部53まで搬送されてきた用紙に画像形成する(ステップS103)。画像読取装置12は画像形成装置本体10から到来する用紙の画像を読み取り(ステップS105)、システム制御部23の異常検出部44はその読取画像を解析して、該読取画像に係る用紙が異常紙(画像異常があるか)か否かを判定する(ステップS106)。
【0060】
異常紙でなければ(ステップS106;No)、先行紙の中に異常紙(画像異常のあった用紙)があるか否かを判断する(ステップS107)。先行紙の中に異常紙がなければ(ステップS107;No)、正常紙の排紙先であるメイントレイ18(通常排紙先)に用紙を搬送する(ステップS108)。そして、この用紙の排紙により、設定枚数の排紙が完了したか否かを判断し(ステップS109)、設定枚数排紙完了ならば(ステップS109;Yes)本処理を終了する。設定枚数排紙完了でなければ(ステップS109;No)、ステップS101に戻って処理を継続する。
【0061】
異常検出部44で読取画像を解析した結果、該読取画像に係る用紙が画像異常のある異常紙であった場合(ステップS106;Yes)、もしくは、この用紙は異常紙でないが(ステップS106;No)先行紙の中に異常紙が有る場合は(ステップS107;Yes)、通常排紙先とは異なる第2排紙先(第1サブトレイ16もしくは第2サブトレイ17)に用紙を搬送する(ステップS110、排紙先切替制御)。そして、この第2排紙先に排紙した用紙の用紙情報と排紙先における積載順と該用紙の読取画像とを関連付けた排紙情報を記憶部43に記憶する(ステップS111、記憶制御)。
【0062】
この用紙の後ろに後続紙がなければ(ステップS112;No)、本処理を終了し、後続紙があれば(ステップS112;Yes)、ステップS105に戻って処理を継続する。
【0063】
以上の処理により、異常紙より前の用紙(正常紙)については通常排紙先に排紙される。また、異常紙とその後続紙については、第2排紙先に排紙されると共にその用紙の用紙情報と第2排紙先での積載順と読取画像とを関連付けた排紙情報が記憶部43に記憶される。ここでは、第2排紙先に排出される後続紙については、画像形成部53で画像が形成されていなくても、全て、読取部61で読み取って排紙情報を記憶する。なお、後続紙については、全てではなく、異常紙に続く所定枚数についてのみ排紙情報を記憶部43に記憶するようにしても良い。
【0064】
図6は、第2排紙先に排紙された各用紙についての排紙情報が登録される排紙情報テーブル80の一例を示している。排紙情報テーブル80には、第2排紙先に排紙されたそれぞれの用紙の排紙情報として、その用紙の排紙先(ここでは、第1サブトレイ16または第2サブトレイ17)、その排紙先における積載順、その用紙の用紙情報およびその用紙の読取画像が関連付けて記憶される。
【0065】
詳細には、用紙情報として、その用紙が異常紙であるか否かを示す情報(たとえば、異常紙/後続紙/調整紙(テストチャート)のいずれかであるかを示す情報)、排出日時、ジョブ名、ジョブ内のページ番号、異常の原因、給紙トレイ番号などを記憶する。なお、排紙情報テーブル80に読取画像の実体を登録してもよいが、ここでは、排紙情報テーブル80とは別の場所に読取画像の実体を保存し、排紙情報テーブル80には読取画像の保存場所(アドレス、パス名やファイル名など)を登録する。
【0066】
図7は、第2排紙トレイに排紙された用紙の排紙情報を表示する処理を示す流れ図である。画像形成システム5は、操作パネル30等を通じてユーザから排紙情報の表示指示を受けた場合(ステップS301;Yes)、もしくは、第2排紙先が満杯になったことが満杯検出部73によって検出された場合(ステップS302;Yes)に、第2排紙トレイに排紙した用紙に関する情報を表示する表示制御を行う(ステップS303)。
【0067】
以下、排紙情報を表示する確認画面の各種態様を例示する。
【0068】
<リスト表示方式>
図8は、第2排紙先に排紙された用紙の排紙情報をリスト形式(一覧)で表示した排紙情報一覧90の一例を示している。排紙情報一覧90は確認画面の一部に表示される。排紙情報一覧90の横一行には1枚の用紙の排紙情報が列挙される。排紙情報一覧90には、それぞれの用紙について、異常紙であるか/後続紙であるかを示す情報、排紙先の排紙トレイ名(この例では、第1サブトレイ16)、排紙先における積載順、排紙日時、ジョブ名、該ジョブ内での頁番号、異常原因、読取画像の表示を指示するためのアイコンが表示される。アイコンを指等で押下すると、その用紙の読み取り画像がポップアップ画面等に表示される。
【0069】
ユーザは、排紙情報一覧90に表示された情報から異常紙の積載順を把握し得ると共に、該当のアイコンを押下することで、異常紙の読取画像や異常紙の次に積載されている後続紙の読取画像等を容易に比較して確認することができる。
【0070】
<ページめくり方式>
第2排紙先に排紙された用紙の排紙情報が用紙一枚単位に表示される。
図9は、排紙情報をページめくり方式で表示する確認画面(ページ毎画面92)の一例を示している。画面中央にはそのページの読取画像が表示され、読取画像の下方には、そのページの読取画像以外の排紙情報が列挙表示される。読取画像の左にある前頁釦93を押下すると、表示対象が、積載順が1つ前の用紙に切り替わり、読取画像の右にある次頁釦94を押下すると、表示対象が、積載順が次の用紙に切り替わる。
【0071】
図9は、表示対象の用紙が異常紙の場合であり、異常箇所はハッチング等を施して強調表示される。これにより、ユーザは用紙の中のどの箇所で異常が発生しているかを容易に把握することができる。また、ユーザは、前頁釦93や次頁釦94を操作することで、異常紙とその前後の後続紙との重なり関係を把握することができ、第2排紙先に積載された用紙の中から目的の異常紙を容易に見つけ出すことができる。たとえば、
図9の状態で次頁釦94を押下すると、ページ毎画面92の表示内容が
図10に示すものに切り替わる。
図10は、異常紙の次に第2排紙先へ排紙された後続紙(正常紙)の排紙情報を表示している。
【0072】
<サムネイル方式>
図11は、第2排紙先に排紙された複数枚の用紙の縮小した読取画像(サムネイル画像)を積載順に並べて表示するサムネイル方式の確認画面(サムネイル画面100)の一例を示している。異常紙のサムネイル画像は、太枠の付加やハッチングなどで強調表示される(図ではグレーかつ太枠を施してある)。ユーザは列挙されたサムネイル画像の中の任意の1つを押下することで、そのサムネイル画像に対応する用紙を選択することができ、サムネイル画面100の下部には、選択された1つのサムネイル画像に対応する用紙の読取画像以外の排紙情報が表示される。
図11では、選択中のサムネイル画像には、その外周を囲む破線が表示される。
【0073】
ユーザは、サムネイル画面100の積載順に配列されたサムネイル画像を見ることで、異常紙とその前後の後続紙との重なり関係を把握することができ、第2排紙先に積載された用紙の中から目的の異常紙を容易に見つけ出すことができる。
【0074】
また、サムネイル画面100において、任意の1つのサムネイル画像に対して長押し等の操作を行うことで、そのサムネイル画像に対応する用紙の読取画像を、
図12に示すように、大きく表示することができる。
【0075】
<ジョブ単位でのサムネイル方式>
図13は、第2排紙先に排紙された複数枚の用紙のサムネイル画像をジョブ単位に積載順に並べて表示する確認画面(ジョブ単位サムネイル画面103)の一例を示している。ジョブ単位サムネイル画面103は、第2排紙先に複数ジョブ分の異常紙および後続紙が排紙されている場合に、その中の任意の1つのジョブに係る異常紙および後続紙のサムネイル画像のみを列挙して表示する。画面の下部にある前ジョブ釦104を押下すると、表示対象のジョブが、積載順で1つ前のジョブに切り替わり、次ジョブ釦105を押下すると、表示対象のジョブが、積載順で次のジョブに切り替わる。
【0076】
図11と同様に、
図13のジョブ単位サムネイル画面103では、異常紙のサムネイル画像は、太枠の付加やハッチングなどで強調表示される。ユーザは列挙されたサムネイル画像の中の任意の1つを押下することで、そのサムネイル画像に対応する用紙を選択することができ、選択された1つのサムネイル画像に対応する用紙の読取画像以外の排紙情報がジョブ単位サムネイル画面103に表示される。選択中のサムネイル画像にはその外周を囲む破線が表示される。
【0077】
第2排紙先に複数のジョブに係る用紙が排紙されている場合に、確認画面において排紙情報をジョブ単位に表示するか否かは、ユーザからの選択操作に従って切り替える。
【0078】
・調整用チャートの排紙について
これまでは、第2排紙先に排紙される用紙を異常紙とその後続紙であるとして説明したが、調整用チャートなどを含めても良い。すなわち、第2排紙先には、異常紙、後続紙のほかに調整モードで出力したテストチャート(調整用チャート)も排出される。画像形成システム5は、第2排紙先に排紙される調整用チャートについても画像読取装置12で画像を読み取って排紙情報を作成し記憶部43に記憶する。すなわち、調整用チャートを第2排紙先に排紙したとき、その排紙した用紙が調整用チャートであることを示す情報と第2排紙先での積載順とこの用紙の読取画像とを関連付けた排紙情報を記憶部43に記憶する。
【0079】
画像形成システム5は、第2排紙先に排紙された用紙の排紙情報を一覧、ページめくり、サムネイルの各方式の確認画面に表示する際に、調整用チャートも含めて、積載順に表示する。これにより、ユーザは、異常紙とその前後の後続紙や調整用チャートとの重なり関係を把握することができ、第2排紙先に積載された用紙の中から目的の異常紙を容易に見つけ出すことができる。
図14は、ページめくり方式で排紙情報を表示するページ毎画面92において、調整用チャートの排紙情報が表示された状態を例示している。
【0080】
画像形成システム5は、第2排紙先となり得る排紙トレイが複数ある場合、確認画面に、排紙トレイ別に排紙情報を表示することができる。
図1に示す画像形成システム5の場合、第1サブトレイ16、第2サブトレイ17が第2排紙先になり得る排紙トレイである。画像形成システム5は、排紙先切替制御において第2排紙先を複数の排紙トレイに切り替えた場合は、その切り替えた排紙トレイ毎に、排紙情報の表示を行う。
【0081】
図15は、排紙情報の表示対象となる排紙トレイの選択操作をユーザから受ける確認排紙トレイ選択画面110の一例を示している。確認排紙トレイ選択画面110は、排紙動作中に第2排紙先を複数の排紙トレイに切り替えた場合に表示される。
【0082】
たとえば、確認排紙トレイ選択画面110内のサブトレイ選択釦112でサブトレイ1が選択されると、画像形成システム5は、記憶部43に記憶されている排紙情報のうち第1サブトレイ16に排紙された用紙の排紙情報のみを抽出して、排紙情報一覧90やページ毎画面92、サムネイル画面100等の確認画面に表示する。
【0083】
次に、両面印刷時の確認画面について説明する。
両面印刷時には用紙のうら面に画像異常が発生している場合がある。この場合、ユーザは、画像異常のあるうら面の読取画像を確認画面で確認することを望む。一方、後続紙については、異常紙との重なり関係が分かればよいので、うら面を確認する必要はない。そこで、うら面に画像異常のある異常紙については、おもて面とうら面の読取画像を確認画面に表示し、その他の用紙(おもて面のみに異常のある異常紙および後続紙)については、おもて面の読取画像のみを確認画面に表示する。
図16は、両面印刷時のサムネイル画面100の一例を示している。
【0084】
図17は、両面印刷時のページ毎画面92であって、おもて面正常・うら面異常の異常紙の排紙情報を表示した場合の一例を示している。この場合、おもて面とうら面の双方の読取画像がページ毎画面92に表示される。
図18は、両面印刷時のページ毎画面92であって、後続紙の排紙情報を表示した場合の一例を示している。この場合、読取画像はおもて面のみ表示される。
【0085】
図19は、記憶部43に記憶されている排紙情報を削除する処理を示す流れ図である。画像形成システム5の制御部20は、第2排紙先である排紙トレイから、積載されている用紙が取り除かれたか否かを検出する取り出し検出部72の検出値を監視し(ステップS401;No)、用紙の取り出しが検出されたら(ステップS401;Yes)、予め定めた加重要件である第2条件の成立を待つ(ステップS402;No)。
【0086】
第2条件は、ユーザから排紙情報を削除する旨の指示・操作を受けたこと、もしくは、用紙の取り出しが検出された第2排紙先に画像形成システム5が新たな用紙を排紙したこと、もしくは、用紙の取り出しが検出された後に新たな印刷を開始したことなどで成立する。
【0087】
第2条件が成立したら(ステップS402;Yes)、用紙の取り出しが検出された排紙先に係る排紙情報を記憶部43から削除する(ステップS403)。
【0088】
通常、ユーザは、第2排紙先に積載されている全ての用紙を第2排紙先から取り出し手元に置いてから、確認画面に表示された読取画像やサムネイル画像と各用紙の印刷内容とを比較して異常紙を特定する、といった作業を行う。そのため、第2排紙先から用紙が取り出されたことのみを条件に排紙情報を削除すると、ユーザが読取画像と印刷物とを比較対比する前に排紙情報が消えてしまい、ユーザが必要とする確認画面を表示できなくなる。そこで、前述した第2条件の成立を待って排紙情報を削除する。
【0089】
上記を第2条件とするのは以下の理由による。ユーザが削除指示を行うのは異常紙の取り出し確認作業を終えてからであると考えられる。また、ユーザは異常紙の取り出し確認作業を終えてから次の印刷を再開すると考えられるので、次の印刷が再開されたとき、あるいはその再開した印刷で新たに異常紙が検出されて第2排紙先に排紙されたことを条件に以前の排紙情報を削除する。
【0090】
なお、画像形成システム5は、記憶部43に記憶した排紙情報を、通信部42により、ネットワーク2を通じて外部端末3へ送信することも可能になっている。外部端末3は、画像形成システム5から受信した排紙情報に基づいて、リスト形式、ページめくり方式、サムネイル方式等による確認画面を表示する。
【0091】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0092】
実施の形態では、排紙情報として記憶部43に記憶する情報には、少なくとも、異常紙か否かを示す情報、第2排紙先での積載順、読取画像が含まれればよく、ジョブ名等の情報は任意であり、適宜に増減させてよい。
【0093】
排紙情報の表示態様は、実施の形態で例示した各種確認画面に限定されるものではない。また、第2排紙先に排紙される用紙は異常紙、後続紙、調整用チャートに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0094】
2…ネットワーク
3…外部端末
5…画像形成システム
10…画像形成装置本体
11…給紙装置
12…画像読取装置
13…第1用紙仕分け装置
14…第2用紙仕分け装置
16…第1サブトレイ
17…第2サブトレイ
18…メイントレイ
20…制御部
21…操作パネル制御部
23…システム制御部
25…エンジン制御部
27…画像読み取り制御部
29…フィニッシャ制御部
30…操作パネル
31…表示部
32…操作部
41…画像処理部
42…通信部
43…記憶部
44…異常検出部
51…給紙部
52…搬送部
53…画像形成部
61…読取部
72…取り出し検出部
73…満杯検出部
80…排紙情報テーブル
90…排紙情報一覧
92…ページ毎画面
93…前頁釦
94…次頁釦
100…サムネイル画面
103…ジョブ単位サムネイル画面
104…前ジョブ釦
105…次ジョブ釦
110…確認排紙トレイ選択画面
112…サブトレイ選択釦