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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】樹脂ガラス板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20240221BHJP
   B32B 38/18 20060101ALI20240221BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20240221BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20240221BHJP
   B32B 27/28 20060101ALI20240221BHJP
   B05D 1/18 20060101ALI20240221BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20240221BHJP
   B05D 1/30 20060101ALI20240221BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B32B27/00 101
B32B27/00 C
B32B38/18 F
B32B27/30 102
B32B27/40
B32B27/28 101
B05D1/18
B05D1/02 Z
B05D1/30
B05D5/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019212497
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2021084237
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399034253
【氏名又は名称】株式会社レニアス
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】宮田 達哉
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171280(JP,A)
【文献】特許第4536824(JP,B2)
【文献】特開平11-058612(JP,A)
【文献】特開平08-156212(JP,A)
【文献】特開平10-305528(JP,A)
【文献】特開2017-114028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B05D 1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の樹脂シートの間に接着層を有する合わせガラスの製造方法であって、
前記各樹脂シートにシロキサン樹脂によるハードコート層を湿式法により形成して熱硬化し、
接着すべき側の面を被覆した前記ハードコート層に対して、波長が200nm以下の真空紫外光を照射して二酸化ケイ素に改質した改質膜を形成し、
前記改質膜同士を対向させて、両者の間で両者に直接接着する接着層を形成することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記改質膜の厚さは142nm以上であることを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記接着層はポリビニルブチラール中間膜であり、前記ポリビニルブチラール中間膜の表裏面に前記改質膜を合わせて、オートクレーブによる合わせ加工することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記接着層は熱可塑性ポリウレタンエラストマー中間膜であり、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー中間膜の表裏面に前記改質膜を合わせて、オートクレーブによる合わせ加工することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記接着層として液状接着剤を前記対向させた改質膜の間に注入して硬化させることを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記ハードコート層を形成する湿式法は、ディップコーティング法、フローコート法、スプレーコート法のうち、いずれか1つであることを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の合わせガラスの製造方法において、前記接着層はエチレン-ビニルアセテート中間膜であり、前記エチレン-ビニルアセテート中間膜の表裏面に前記改質膜を合わせて、オートクレーブによる合わせ加工することを特徴とする合わせガラスの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓、又は建築材として窓、扉、屋根、壁、床などの透視用材料、採光用材料として使用できる樹脂ガラス板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等には合わせガラスが広く用いられている。合わせガラスは、複数枚の無機ガラスを、エチレン-ビニルアセテート(EVA) や、ポリビニルブチラール(PVB)、ウレタン中間膜(熱可塑性ポリウレタンエラストマー、TPU)等の中間膜を接着層として合わせ加工したものであり、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を有している。中間膜はシート状であり、無機ガラスに挟まれた状態で、オートクレーブによる高温高圧下の合わせ加工により無機ガラスを接着する。
【0003】
合わせガラスとして軽量化や施工性の観点から、無機ガラスをメタクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂板を用いたものに変更する検討がなされている。例えば、特許文献1には、無機ガラスとポリカーボネートシートとを中間層により接着した自動車用窓ガラスが開示されている。また、特許文献2には、ポリカーボネートシートをPVB中間膜、EVA中間膜、又はTPU中間膜で挟んで接着した透明防音板が開示されている。
【0004】
合成樹脂板の中では、ポリカーボネートは、透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸安定性などにおいて、高い物性を示すが、接着剤の選択が難しい。PVB中間膜は、価格、透明性においてEVA中間膜、TPU中間膜よりもすぐれている。しかし、特許文献3においてPVB中間膜は、無機ガラスに対し、優れた接着性を持っているものの、ポリカーボネートシートに対する接着性が劣るとされている。特許文献3は、PVB中間膜とEVA中間膜を重ね合わせ、EVA中間膜側をポリカーボネートに接着し、PVB中間膜側を無機ガラスに接着する構成を開示している。一方で、特許文献4では、PVB中間膜、EVA中間膜、TPU中間膜ですらも、ポリカーボネートとの接着力は不十分であるとしている。さらに、これらの中間膜は接着力を高める為に層内に可塑剤が添加されており、透明樹脂板を貼り合わせ加工をしたときに、樹脂シートとの界面に可塑剤がブリードアウトし、製造した合わせガラスが白化する問題も指摘されている。
【0005】
特許文献5には、樹脂シートをPVB中間膜で接着した場合に生じる白化の問題をEVA中間膜の利用により対処した高透明な透明樹脂積層体について開示している。この記述の中で、透明樹脂シート(例えば、ポリカーボネートの例示有り)の表面には、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐光性などを高める目的で、アクリル系、シリコーン系、無機粒子系のハードコートなどの表面保護層が設けられていてもよく、また、飛散防止性能をさらに高めるために樹脂フィルムなどを貼ってもよいとの言及がある。また、透明樹脂シートの表面には、中間層との接着性を制御する目的で、プライマー層が設けられ、プライマー層としては、中間層の樹脂成分と化学的親和性の高い樹脂組成物や反応性の官能基を有する樹脂組成物を使用することができるとされ、また、コロナ処理やプラズマ処理等により極性基をシート表面に導入してもよいとの言及もある。
【0006】
また、TPU中間膜やEVA中間膜、PVB中間膜等のシート状の中間層の他に、液状の接着剤を接着層として用いることもある。例えば、特許文献6には、無機ガラス同士、プラスチック板同士、若しくは無機ガラスとプラスチック板を液状接着剤により貼り合わせる技術が示されている。接着剤としては、光重合型、熱重合型などのアクリル樹脂、ウレタン樹脂系接着剤等が知られている。
【文献】実開昭62-178140号公報
【文献】特開平7-89015号公報
【文献】特開2002-180019号公報
【文献】特開2013-10854号公報
【文献】特開2017-114028号公報
【文献】特開平2-185430号公報
【文献】特許第4536824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
合わせガラスの接着方法については、上記特許文献においては、中間層や接着剤が列記されている。これらを纏めると、専ら素材自体の性能や重ね方により樹脂シートと接着層との接着強度を高めており、他の手法についてもプラズマ処理等による極性基を利用したりプライマー層を設けたりすることは開示されているのである。
【0008】
その特許文献5において、透明樹脂シート(ポリカーボネートシートを例示に含む)に対して、透明樹脂シートの表面に中間層との接着性をよくするために、プライマー層を設けることは、一つの解決策である。言及されているハードコート層に関しても接着性をよくする観点でハードコート層の材質を選択すれば、プライマー層と同じである。一方で、透明樹脂シートの表面にコロナ処理やプラズマ処理等により極性基を導入する場合、極性基は1日を過ぎると極性基が消失するため、連続して貼り合わせの工程を組む必要がある。
【0009】
また、液状接着剤については、樹脂シートの材質により適合する接着剤が選定される。接着剤メーカは、接着適合性について公表している。一方で、樹脂シートは無機ガラスとは違い、表面の硬度は高く無く非常に傷がつきやすいため、樹脂シート上に、ハードコート層を形成し、耐擦傷性の向上を図ることが行われている。ハードコート層を塗布すると、接着性は樹脂シートの生材よりも低下するため、ハードコート層を施した樹脂シート同士を合わせて接着することは常識的に考えられない。
【0010】
本発明は、樹脂シートと接着層を利用した合わせガラスについて、その接着強度を改善した合わせガラス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の合わせガラスの製造方法は、2枚の樹脂シートの間に接着層を有する合わせガラスの製造方法であって、
前記各樹脂シートシロキサン樹脂によるハードコート層を湿式法により形成して熱硬化し、
着すべき側の面を被覆した前記ハードコート層に対して、波長が200nm以下の真空紫外光を照射して二酸化ケイ素に改質した改質膜を形成し、
前記改質膜同士を対向させて、両者の間で両者に直接接着する接着層を形成することを特徴とする。
【0012】
接着層として、ポリビニルブチラール中間膜、熱可塑性ポリウレタンエラストマー中間膜が利用できる。また、接着層として液状接着剤も利用してもよい。


【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、貼り合わせる樹脂シートの接着強度を目標接着強度以上、若しくは必要接着強度以上にすることができる。また、優れた外観・光学特性(透明性)や耐久性(耐熱性、ヒートサイクル、耐寒性、耐湿熱性)を有する合わせガラスを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1に係る合わせガラスを模式的に示した図である。
図2】改質膜の厚さに関して示しており、図2Aはエキシマランプの照射エネルギーと二酸化ケイ素の膜厚との関係を示し図2BはPVB中間膜を介した合わせ加工を行った段階での外観検査の結果を示し、図3は合わせ加工を行った外観を示している。
図3】実施例1における接着強度の評価結果を示す図であり、図3Aは数値を示し、図3Bは折れ線グラフを示す。
図4】光学特性比較を示した図である。
図5】耐熱性試験を行った結果を示した図である。
図6】-30℃を保った状態で420時間経過後について評価した耐寒性試験の結果を示した図である。
図7】温度50℃、湿度98%、240時間経過後について評価した耐湿熱性試験の結果を示した図である。
図8】ヒートサイクル試験の結果を示した図である。
図9】実施例2における接着強度の評価結果を示す図であり、図9Aは数値を示し、図9Bは折れ線グラフを示す。
図10】改質膜にクラックが生じる温度と改質膜の厚さの関係を示した図である。
図11】生材接着後ハードコート品の剥離状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[目標とする接着強度]
本発明を説明する前に、まず樹脂シートと接着層を利用した合わせガラスについて、目標とする接着強度について述べる。本発明の目標を達成するためには、目標接着強度は、接着層を介して樹脂シートの生材同士を接着した場合よりも高い値とする。また、製品とする上で具体的な必要接着強度として、以下の3つの数値目標を示す。
自動車用窓ガラス用接着剤の規格として、JASO基準M338-89(1989制定)がある。この規格は,自動車の塗装ボディに,窓ガラスを直接接着するために使用する一液ウレタン接着剤(以下,接着剤という。)について規定であるが、この規格によれば接着力は、せん断力15Kgf/cm(1.47MPa相当)以上と規定されている。
また、出願人による現製品の合わせガラスは、2枚のポリカーボネートシートをアクリル系接着剤にて接着したものであり、そのせん断力は3.0MPaである。
【0016】
さらに、米国連邦自動車安全基準(FMVSS)においては、衝突の際のフロントガラスの保持率を試験する基準(212/208基準)が規定されている。この基準に基づく正面衝突試験は、30mph(48km/h)で実施され、車輌が固定されたコンクリート壁に衝突する状況でのフロントウインドの保持程度から結論付ける。助手席側のエアバッグ装置が作動してもガラスを保持するためには、接着力はせん断力35Kgf/cm(3.43MPa相当)以上が必要であるといわれている。よって、JASO基準、現行製品又はFMVSSに従い、中間膜を用いた場合の接着強度については、少なくとも、せん断力15Kgf/cm(1.47MPa相当、以降「下限の必要接着強度」と称する)以上とし、さらに中間膜若しくは接着剤を用いた接着強度については、現製品を上回る3.0MPa以上とする。さらに好ましくは、せん断力35Kgf/cm(3.43MPa相当、以降「好ましい必要接着強度」と称する)を製品とする上で必要な接着強度とすることにする。
【0017】
[合わせガラスの作成手順]
次に、樹脂シートを用いた合わせガラスの作成手順について検討する。
既述のように、樹脂シートは表面の硬度は高く無く非常に傷がつきやすいため、樹脂シート上に、ハードコート層を形成し、耐擦傷性の向上を図ることが行われている。また、ハードコート層を塗布する前に必要に応じてプライマー層を設けることも行われる。プライマー層とハードコート層は、それぞれディップコーティング法により形成する方が、湿式法として知られる他のフローコートやスプレーコート等よりも作業性が良い。その一方で、樹脂シートの表裏面全体にプライマー層とハードコート層が付着する。ハードコート層としては、シリコーンポリマーからなり、具体的には、アルコキシシランをベースとして、縮合反応を経由して得られたシロキサンゾルを、加水分解して得られるシロキサン樹脂を用いることが知られている。また、プライマー層としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の各樹脂を使用する。
【0018】
樹脂シートで接着層を挟んで合わせガラスを作成する場合には、以下の方法がある。接着層としてPVB中間膜やEVA中間膜、ウレタン中間膜等の中間膜を利用して合わせガラスを作成する場合は、以下の通りである。尚、一般的に利用されているオートクレーブによる高温加圧下において行うものとする。
1).生の樹脂シートの間に中間膜を挟んで接着し、その後、プライマー層とハードコート層は、それぞれディップコーティング法により形成する。
2).樹脂シートにプライマー層をディップコーティング法により形成した後、樹脂シートの間に中間膜を挟んで接着し、最後に、ハードコート層をディップコーティング法により形成する。
3).樹脂シートにプライマー層及びハードコート層をディップコーティング法により形成した後、樹脂シートの間に中間膜を挟んで接着する。
【0019】
1)の方法においては、特許文献3、4に示されるようにPVB中間膜、EVA中間膜、TPU中間膜等を利用した合わせガラスはポリカーボネートシートと組み合わせると下限の接着強度1.47MPaに達しない。また、2)においては、中間膜と接着しない側の樹脂シートの面(合わせガラスの表裏面側)が、オートクレーブによる高温加圧下に晒されることから、後工程におけるハードコート層の付着における接着性能が変質しないような処理が必要である。尚、中間膜と接着する側のみにプライマー層を設けるには、ディップコーティング法よりも寄りコストのかかるフローコートやスプレーコート等を用いなければならない。
【0020】
また、3)においては、中間膜と接着しない側の樹脂シートの面(合わせガラスの表裏面側)は既にハードコート層により被覆されているため、2)の場合のようなオートクレーブによる高温加圧下に晒される影響は無いと言えるが、ハードコート層に対して目標接着強度に達するような中間膜の材質を選択するのは難しい。
【0021】
次に、接着層として液状接着剤を利用して合わせガラスを作成する場合は、以下の通りである。
4).生の樹脂シートの間に接着剤を塗布して接着し、その後、プライマー層とハードコート層は、それぞれディップコーティング法により形成する。
5).樹脂シートにプライマー層をディップコーティング法により形成した後、樹脂シートの間に接着剤を塗布して接着し、最後に、ハードコート層をディップコーティング法により形成する。
6).樹脂シートにプライマー層及びハードコート層をディップコーティング法により形成した後、樹脂シートの間に接着剤を注入して接着する。
【0022】
まず、4)の方法においては、樹脂シートの生材に対する接着であるので、接着強度は接着剤メーカの基準による。しかし、後述するように、ハードコート層を乾燥させる際に加える熱(120℃程度)を加えた後、自然冷却すると、合わせガラスの表面と接着層の間に温度差が生じて樹脂シートが反ってしまい、周囲に剥離が生じるという問題が観測された(図10図11参照)。5)においても上記と同様に、あとからハードコート層を形成するため剥離の問題がある。また、6)においては、接着層は、ハードコート層同士の接着を行うことになるため、目標接着強度に達するようなハードコート層の材質を選択するのは難しい。
【0023】
中間膜若しくは液状接着剤により上記のようにして作成された合わせガラスに対し、自動車の窓ガラス表面のようにワイパーによりワイプされるなど、さらに高い硬度が必要とされる用途においては、ワイプされる表面側に対してのみにさらに強度を持たせるため、特許文献7に示されるようにシリコーンポリマーに含まれるSi-O-Si結合を、波長が200nm以下の真空紫外光(Xeランプ等)を照射することによって二酸化ケイ素に改質してもよい。
【0024】
[本発明により適正化された作成手順]
本発明においては、上記の作成手順3)及び6)において、ハードコート層を形成した後に、1つの手順を加える。この手順は、本来、高い硬度が必要とされる外側の表面に対して、必要に応じて施される処理である。
すなわち、樹脂シートをシロキサン樹脂によるハードコート層をディップコーティング法により形成し、接着すべき側の面を被覆した前記ハードコート層に対して、波長が200nm以下の真空紫外光を照射して二酸化ケイ素を主成分とする改質膜に改質し、改質膜同士を対向させて、両者の間で両者に直接接着する接着層を形成する
【0025】
樹脂シートとしては、メタクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂等の樹脂シートを利用出来る。接着層に用いる中間膜としては、EVA中間膜や、PVB中間膜、TPU中間膜等の中間膜を接着層として利用できる。また、接着層に用いる液状接着剤としては、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系の接着剤が利用できる。
【実施例1】
【0026】
以下、実施例1について図面を参照して説明する。
まず、樹脂シートで接着層を挟んで合わせガラスを作成する場合として、樹脂シートとしてポリカーボネートシート、接着層としてPVB中間膜を例として示す。
図1は、実施例1に係る合わせガラスを模式的に示した図である。図1は、合わせガラス100の製造過程を示している。ポリカーボネートシート1、10は、その夫々の両面にプライマー層2a、2bがディップコーティング法より形成される。ディップコーティング法においては、プライマー層2a、2bは、液状のプライマー樹脂にポリカーボネートシート1、10を浸けて、乾燥させることにより形成されるため、プライマー層2a、2bは必然的に同材料である。
【0027】
プライマー層2a、2bを乾燥させた後、さらにその外側にハードコート層3a、3bを形成する。ハードコート層、シリコーンポリマーからなり、具体的には、アルコキシシランをベースとして、縮合反応を経由して得られたシロキサンゾルを、加水分解して得られる液状のシロキサン樹脂にポリカーボネートシート1、10を浸けて、乾燥させるディップコーティング法を用いる。あるいは、光開始剤を含有した光硬化型アクリル・シリコーンハイブリッドポリマーを用いてもよく、さらに硬度や耐擦傷性を高めるために、コロイダルシリカ等の硬質の粒子を適量添加してもよい。また、上記プライマー層の機能とハードコートの機能を包括した1層構成のシリコーンポリマーを用いることも、実施例1の効果を損なうものではない。形成されたハードコート層3a、3bも必然的に同材料である。
【0028】
プライマー層2b及びハードコート層3bが合わせガラスの内側、すなわちPVB中間膜6と対向する側であり、プライマー層2a及びハードコート層3aが合わせガラスの表裏面側である。実施例では、プライマー層2a、2b、ハードコート層3a、3bいずれも4μm程度の厚さとしたが、ポリカーボネートシート1、10の間で異なっていても良い。
【0029】
次に、PVB中間膜6に接着される側のハードコート層3bにシロキサン樹脂由来の二酸化ケイ素の改質膜(硬質薄膜)4を形成する。改質膜4は、ハードコート層3bに波長が200nm以下の真空紫外光として波長172nmのエキシマランプ光5を直に照射することによって形成される。改質膜4は、エキシマランプ光5により改質したものであり、二酸化ケイ素を主成分とする薄膜からなる。エキシマランプとしては、その波長が126nm(Ar)、146nm(Kr)、172nm(Xe)が使用可能である。図では、ポリカーボネートシート10側のみを一部拡大して示した。ポリカーボネートシート1側も同様に改質膜4が形成されている。ポリカーボネートシート1、10の間に、PVB中間膜を挟み、改質膜4に対して改質膜4を合わせて、改質膜4とPVB中間膜とを直接接着する。この合わせ加工は、オートクレーブを用いて行う。
【0030】
図2Aは、エキシマランプの照射エネルギーと二酸化ケイ素の膜厚との関係を示している。エキシマランプとしては、波長172nmのキセノン(Xe)エキシマランプを用いた。
【0031】
300mJ/cmで104nm、600mJ/cmで142nm、900mJ/cmで159nm、1200mJ/cmで219nm、1500mJ/cmで268nm、1800mJ/cmで295nm、2100mJ/cmで411nm、2700mJ/cmで460nmの膜厚の二酸化ケイ素膜が形成される。さらに膜厚が厚くなるに従って、二酸化ケイ素に改質するための大気中から酸素を取り込めず、ハードコート層3内の酸素が欠乏してくるため、膜厚の成長の速度は鈍化する傾向がある。また二酸化ケイ素膜の光吸収係数は、波長172nmにおいて1×10cm-1程度であるため、1.3μm程度でその膜厚は飽和する。波長が短くなるに従い、二酸化ケイ素膜の光源波長に対する透過率は低下し、波長146nm(Kr)の場合は約0.8μm、波長126nm(Ar)の場合は約0.4μmで二酸化ケイ素の膜厚が飽和する。
【0032】
改質膜4が形成された面同士を対向させてPVB中間膜6を挟んで積層する。よって、改質膜4がハードコート層3bとPVB中間膜6との間に介在することになる。このような積層構造を持つ資料を、改質膜4の厚さを変えて作成して、オートクレーブによる合わせ加工を行う。PVB中間膜6による合わせ加工は、一般的には温度120~150℃で、圧力約0.98~1.47MPaで行うが、本実施例においては、120℃、0.98MPaにて行った。資料は、エキシマランプの照射が無いもの(表面はハードコート層3b)、エキシマランプの照射エネルギー300mJ/cmから、照射エネルギーを300mJ/cmずつ増やすことにより、ハードコート層3bに改質膜4が形成されたものを用意した。尚、比較の為、ハードコート層3a、3b及び改質膜4を形成しない場合も検討した。
【0033】
図2Bは、照射エネルギーを変えることで改質膜4の膜厚が異なる複数の試料に対して、PVB中間膜を介した合わせ加工を行った段階での外観検査の結果を示した図である。照射エネルギー2100mJ/cmの試料(以降、接着試料と称する)については、接着試料の改質膜4にクラックが観測された(図2C)。一方で、改質膜4の厚さがより薄い試料については、クラックは観測されなかった。改質処理の体積収縮による応力が改質膜4に残っており、比較的厚い改質膜4ではそこに熱による伸びと圧力が加わる事でクラックが発生するのではないかと考えられる。
【0034】
図3は、目標接着強度に達しているかの評価結果である。評価は、照射エネルギーの異なる各接着試料から幅25mmで切り出し、PVB中間膜6による接着の長さが25mmになる様に切断する。このときのPVB中間膜6による接着面積は、25mm×25mmである。引張速度を10mm/分に設定して、破壊試験を行った。接着面の剥離時または、破断時の荷重を接着面積で割り、応力値(MPa)を算出した。図3Bに示す折れ線グラフのように、照射量が多くなるほど接着強度が高くなり、照射エネルギー1200mJ/cmまでは、ほぼ直線的に接着強度が上昇し、その後は接着強度の延びが鈍る傾向が観察された。そして、照射エネルギー300mJ/cmでの接着強度は、2.90MPaに達し、下限の必要接着強度1.47MPaを超えたことが観察された。また、照射エネルギー600mJ/cmでの接着強度は、3.47MPaに達し、好ましい必要接着強度3.43MPaを超えたことが観察された。一方、改質処理無しのハードコート層に直接接着した場合は、接着強度は0.93MPaであり改質処理有に比べ密着力が極端に低く、いずれの必要接着強度にも到達しなかった。尚、ハードコート層3a、3b及び改質膜4を形成しない場合(ポリカーボネート生材)に対する接着強度は0.78MPaであり、下限の必要接着強度にも達しない。
【0035】
よって、改質膜4を形成することで、ポリカーボネートシートの生材に接着するよりも接着強度を高めることができ、目標接着強度を達成できる。また、必要接着強度に達するには、少なくとも、照射エネルギー300mJ/cm以上が必要であり、好ましくは照射エネルギー600mJ/cm以上が必要であり、接着強度及びクラック発生を考慮すると、照射量の範囲は300mJ/cm以上1800mJ/cm以下若しくは、照射量の範囲は600mJ/cm以上1800mJ/cm以下である。
【0036】
[透明性、耐久性についての評価]
ポリカーボネートシート同士をアクリル系接着剤により接着したラミネート品は、現状、建機用の窓としても使用されている。建機用の窓は、車内のオペレータを加工物の飛来事故から守る為に強い衝撃に耐えるように自動車用の規格JIS R3212の落球試験に準拠して作られており、ラミネート品は3MPaのせん断接着強度を有している。外観・光学特性(透明性)や耐久性(耐熱性、ヒートサイクル、耐寒性、耐湿熱性)についても、実施例の合わせガラスはこのように現用されているアクリル接着剤のラミネート品と同等である必要がある。
【0037】
そこで、比較例として、アクリル系接着材で接着したラミネート品(以下、比較試料と称する)を3つ用意した、ポリカーボネートシートは、厚さ10mmライトグレーと厚さ10mmクリアのものを2mmの厚さのアクリル系接着剤で接着した。一方、実施例による試料(以下、PVB接着試料と称する)は、厚さ10mmライトグレーと厚さ10mmクリアのポリカーボネート(ハードコート層の改質済み)を、0.76mmの厚さのPVB中間膜で接着している。尚、以降の試料について、各試料において個体差があり、若干の数値のバラツキがある。
【0038】
図4は、光学特性比較を示した図である。全光線透過率は、PVB接着試料の平均で52.80であり、一方、比較試料では平均51.46であった。この数値は、大きい方が良いとされており、PVB接着試料がやや良いと言える。
【0039】
また、ヘイズ(Haze)については、PVB接着試料の平均で0.50であり、一方、比較試料では平均0.65であった。この数値は、小さい方が良いとされており、PVB接着試料の方がやや良いと言える。
黄変度については、PVB接着試料の平均で7.85であり、一方、比較試料では平均9.23であった。この数値は、小さい方が良いとされており、PVB接着試料の方がやや良いと言える。以上、外観・光学特性(透明性)については、ほぼ同等と言える。
【0040】
次に耐久性試験を行った結果を図5に示す。まず、耐熱試験は、80℃を保った状態で336時間経過後について評価をした。結果を図5に示す。PVB接着試料(図中、「PVB」の側)には、全光線透過率の変化ΔTT、ヘイズの変化ΔHaze、黄変度の変化ΔYIにおいて、比較試料とほぼ同等となった。しかし、比較試料の外観検査において、外周の5mm以下の範囲にわたって、白濁剥離が生じたため、耐熱性において比較試料はPVB接着試料に対して劣っていると言える。
【0041】
図6は、-30℃を保った状態で420時間経過後について評価した耐寒試験の結果を示している。全光線透過率の変化ΔTT、ヘイズの変化ΔHaze、黄変度の変化ΔYIにおいて、PVB接着試料は比較試料とほぼ同等となった。外観においても、変化は認められなかった。
【0042】
図7は、温度50℃、湿度98%、240時間経過後について評価した耐湿熱試験の結果を示している。全光線透過率の変化ΔTT、ヘイズの変化ΔHaze、黄変度の変化ΔYIにおいて、PVB接着試料は比較試料とほぼ同等となった。一方、比較試料の外観検査において、4コーナーにおいて若干白濁剥離が生じたため、耐湿熱性において比較試料は劣っていると言える。
【0043】
図8は、ヒートサイクル試験の結果を示している。ヒートサイクル試験は、温度80℃×3時間、温度-30℃×3時間、温度23℃×1時間、温度50℃×15時間、温度23℃×1時間を1つのセットとして、10サイクル実施した。外観における両者の変化は観測できず、PVB接着試料および比較試料は、同等と言える。
【0044】
以上、実施例1によれば、改質膜4の厚さを104nm以上295nm以下の範囲にすることにより、接着強度を目標接着強度以上にすることができる。また、優れた外観・光学特性(透明性)や耐久性(耐熱性、ヒートサイクル、耐寒性、耐湿熱性)を有する合わせガラスを提供することができるという効果がある。
【0045】
また、ポリカーボネートシートの段階で、ディップコーティング法により、シロキサン樹脂によるハードコート層を被覆するので、本実施例の合わせガラスの表裏面には既に合わせ加工をした段階でハードコート層が設けられている。このため、自動車の窓ガラス表面のようにワイパーによりワイプされるなど、さらに高い硬度が必要とされる用途においては、ワイプされる方の面に対してのみにさらに強度を持たせるため、ハードコート層に含まれるSi-O-Si結合を、波長が200nm以下の真空紫外光を照射することによって二酸化ケイ素の改質膜を形成してさらに硬度を高めることが出来る。一方、車室内側になる面については、ハードコート層のままにしておいても良いし、改質膜を形成しても良い。
【0046】
尚、実施例1において、2枚のポリカーボネートシートの間にPVB中間膜を挟んだ構成であるが、3枚若しくはそれ以上の枚数のポリカーボネートシートの間に夫々PVB中間膜を挟んでも良い。また、プライマー層2bを設けずに、ハードコート層3bを直接ポリカーボネートシート1、10に塗布しても良い。
【実施例2】
【0047】
次に、樹脂シートで接着層を挟んで合わせガラスを作成する場合として、樹脂シートとしてポリカーボネートシート、接着層としてTPU中間膜を実施例2として示す。実施例2に係る合わせガラスも、実施例1と同様に、図1に示された合わせガラス100の製造過程に従い、プライマー層2a、2bの外側にハードコート層3a、3bを形成し、さらに改質膜4を形成した。尚、比較の為、ハードコート層3a、3b及び改質膜4を形成しない場合も検討した。
【0048】
図9は、目標接着強度に達しているかの評価結果である。評価方法も実施例1と同様である。図9Bに示す折れ線グラフのように、300mJ/cmで好ましい必要接着強度/せん断接着強度3.43MPaを若干超える結果となった。又、600mJ/cm以上ではせん断接着強度はほぼ変化は無い結果となった。一方、改質処理無しのハードコート層に直接接着した場合は、接着強度は1.43MPaであり必要接着強度に到達しなかった。又、ハードコート層3a、3b及び改質膜4を形成しない場合(ポリカーボネイト生材)との接着強度は1.03MPaであり、下限の必要接着強度にも達しなかった。
【0049】
よって、改質膜を形成することで、ポリカーボネートシートの生材に接着するよりも接着強度を高め、目標接着強度を達成することができる。また、必要接着強度に達するには、少なくとも、300mJ/cm以上が必要である。
【0050】
実施例1、2の接着層として、PVB中間膜、TPU中間膜を用いたが、EVA中間膜においても接着する際に加熱(90℃-120℃)を必要としており、これに圧力(EVA中間膜については0.2-0.9MPa、TPU中間膜については0.2-1MPa)が加わることにより、改質膜の厚さの上限はPVB中間膜と同様若しくは、それよりも厚くても良い。
【0051】
図10は、改質膜にクラックが生じる温度と改質膜の厚さの関係を示した図である。この図によると、例えば、改質膜の膜厚を0.43μmまでは温度120℃でクラックが生じないが、それ以上だとクラックが生じる。一方で、実施例1によれば、改質膜の厚さが0.411μmのときにクラックが生じている。中間膜により接着する際には、温度に圧力が加わるが、クラックは主に接着時の加熱の温度によって生じ、圧力によって若干加速されていると考えられる。
【0052】
例えば、中間層としてEVA中間膜やTPU中間膜を選択し、90℃までの加熱に止めたときには、改質膜の膜厚は0.6μm程度の厚さまで厚くすることができる。
【実施例3】
【0053】
次に、接着層として液状のウレタン系接着剤を用いた場合の例を示す。ウレタン系接着剤は、合わせガラスの飛散防止の為の接着剤として望ましい。また、一般的にウレタン系接着剤は、ポリカーボネートの生材は密着する事から、ポリカーボネート生材での密着評価を実施した。
【0054】
液状のウレタン系接着剤を用いた合わせガラス100の製造過程は実施例1と同様であり、接着層の作成方法のみ異なる。図1において、ディップコーティング法により15mm厚のポリカーボネートシート1、10にプライマー層2a、2bおよび、ハードコート層3a、3bを形成する。そして、ハードコート層3bに波長が200nm以下のエキシマランプを照射(900mJ/cm、膜厚159nm)、シロキサン樹脂由来の二酸化ケイ素の改質膜(硬質薄膜)4を形成する。次に、ポリカーボネートシート1、10の2mmの間隔を均一に保ち、ウレタン系接着剤を注入接着させる。ポリカーボネートシート1、10とウレタン系接着剤は、2-3時間の間50℃を保って硬化させる。
【0055】
比較例として、比較例1と2を用意した。
比較例1は、ポリカーボネートシート1、10に対してプライマー層2a、2bおよび、ハードコート層3a、3bを形成せずに、ポリカーボネートの生材を直接ウレタン系接着剤により接着した。
比較例2は、ポリカーボネートシート1、10に対してプライマー層2a、2bおよび、ハードコート層3a、3bを形成して、ウレタン系接着剤により接着した。改質膜4は形成していない。
【0056】
比較例1のせん断接着強度は2.8MPaであった。この値は、好ましい必要目標強度に届かない。この値は、ポリカーボネートシートをアクリル系接着剤にて接着した現製品の合わせガラスが持つ接着強度3.0MPaとほぼ同じである。
比較例2のせん断接着強度は0.3MPaであり、比較例1に対して低下した。
実施例3のせん断接着強度は5.89MPaであり、比較例1に対して向上した。この値は、好ましい必要目標強度を超えている。
【0057】
また、比較例1に対しては、樹脂シートを用いた合わせガラスを製品として完成させるためには、ハードコート層を形成することが必要な為、ウレタン接着したものについてハードコート層の形成を行ったところ、周囲に剥離が生じるという問題が観測された(図10図11参照)。原因はハードコート硬化時の加熱後自然冷却があるが、厚さが厚い為、冷却時の表面と接着面の温度差が大きすぎてポリカーボネートシートが大きく反り、その反りによって剥離が発生したと考えられる。この問題に対する対策としては片面コートした板の貼り合わせも考えられるが、片面コートは作業性、効率も悪く、コストもかかることになる。
【0058】
本実施例3のウレタン系接着剤の加熱温度は50℃であり、また接着時の加圧を必要としていないので、図9に従い、改質膜の膜厚は0.6μmまで厚くできる。上記実施例2においては、ウレタン系接着剤を用いたが、アクリル系接着剤の場合も同様の接着強度の強化が期待できる。アクリル系接着剤は、接着は常温で行い、加圧も必要ないので改質膜の膜厚は0.6μmまで厚くできる。
尚、ハードコートを行わない場合は、改質処理を行っても改質膜4が形成されない事が分かっている。
【符号の説明】
【0059】
1,10 ポリカーボネートシート
2a、2b プライマー層
3a、3b ハードコート層
改質膜
5 エキシマランプ光
6 PVB中間膜(接着層)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11