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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】車載用ロッドホルダー
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/10 20060101AFI20240221BHJP
   A01K 87/00 20060101ALI20240221BHJP
   A01K 97/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A01K97/10 Z
A01K87/00 640Z
A01K97/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020218577
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103750
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000114709
【氏名又は名称】槌屋ヤック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100162754
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 真樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 輝記
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-202758(JP,A)
【文献】登録実用新案第3066447(JP,U)
【文献】実開昭53-152062(JP,U)
【文献】登録実用新案第3010725(JP,U)
【文献】特表2007-520673(JP,A)
【文献】特開2000-227179(JP,A)
【文献】実開昭57-141211(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/10
A01K 87/00
A01K 97/00
B60R 7/00
B60R 9/08
F16B 2/00 - 2/26
F16B 7/00 - 7/22
F16B 45/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の天井部分近傍に横架されたバー部材(12)に装着されて釣竿(14)を抱持する車載用ロッドホルダーであって、
第1クリップエレメント(16)と第2クリップエレメント(18)とを組み合わせてピンチ型に形成し、上部に上記バー部材(12)を挟持する挟持部(20a)が設けられ、下部に上記の挟持部(20a)を開閉させる際に操作する把持部(20b)が設けられたクリップ本体(20)、
上記の挟持部(20a)で挟持した上記バー部材(12)の軸方向に沿うように上記クリップ本体(20)の下部に延設され、且つ先端部が上向き鉤状に突出して上記の釣竿(14)を抱持する釣竿抱持部(22)、および
上記の釣竿抱持部(22)の上側にてループ状に配設されたゴム弾性を有する帯状部材(24a)からなり、上記の釣竿抱持部(22)に抱持させた上記の釣竿(14)が当該釣竿抱持部(22)から脱落しないように抵抗となる脱落ストッパー(24)を具備する、ことを特徴とする車載用ロッドホルダー。
【請求項2】
請求項1の車載用ロッドホルダーにおいて、
前記の脱落ストッパー(24)を形成する前記ループ状の帯状部材(24a)は、前記クリップ本体(20)における前記の釣竿抱持部(22)の先端部内面に対向する表面と、矩形の付勢板材(26)とで挟持・固定されており、
上記の帯状部材(24a)で形成されたループの中心を通る水平軸(H1)は、上記の釣竿抱持部(22)の上端よりも上方に配置され、且つ上記の付勢板材(26)が上端よりも下方に配置される、ことを特徴とする車載用ロッドホルダー。
【請求項3】
請求項1又は2の車載用ロッドホルダーにおいて、
前記の第1クリップエレメント(16)又は前記の第2クリップエレメント(18)の何れか一方の上部先端に、他方側へ向けて鉤状に延出してバー部材(12)の上部に引っ掛けられるフック部(28)が形成される、ことを特徴とする車載用ロッドホルダー。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかの車載用ロッドホルダーにおいて、
前記の第1クリップエレメント(16)の下部及び前記の第2クリップエレメント(18)の下部のそれぞれに前記の釣竿抱持部(22)が設けられる、ことを特徴とする車載用ロッドホルダー。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車室内の天井部分に横架されたバー部材に取り付けられ、釣竿を着脱自在に保持する車載用ロッドホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車載用ロッドホルダーには、従来では、下記の非特許文献1や非特許文献2に記載されたクリップ式のものがある。このクリップ式の車載用ロッドホルダーは、自動車などの車室内の天井部分にアシストグリップなどを利用して予め横架されている「マルチグリップバー」や「インテリア・バー」等と称される汎用のバー部材に、簡単に取り付けて使用することが出来る。このように従来のクリップ式の車載用ロッドホルダーは、汎用のバー部材を流用しているため、車室内にロッドホルダーを廉価に設置することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社クレトム,同社2020スタンダード商品カタログ・「2020 STANDARD CATALOG」,p.5
【0004】
【文献】タカ産業株式会社,同社ホームページ・PRODUCTS取扱商品“A-0095P ロッドバーホルダー”、[令和2年12月8日検索]、インターネット<URL:http://takasangyo.co.jp/6395/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術には次の問題がある。
すなわち、従来のクリップ式の車載用ロッドホルダーのうち、下部に設けられた上向きの鉤状部に釣竿を載置する形態のものでは、悪路や段差などを走行する際の大きな揺れ等によってロッドホルダーから釣竿が脱落すると言う問題が生じていた。また、下部に設けられた下向きに開閉するピンチ部分で釣竿を挟持する形態のものでは、ロッドホルダーへの釣竿の取り付け或いは取り外し作業が片手では行えず必ず両手を使う必要が有ると共に、釣竿のグリップ部に重たいリールを装着した状態で悪路や段差を走行した際にはその衝撃でロッドホルダーから釣竿が脱落すると言った問題も生じていた。このような釣竿の脱落は、当該釣竿の破損にも繋がるばかりでなく、安全運転の妨げにもなる。
それゆえに、本発明の主たる目的は、汎用のバー部材に簡単に装着できるのに加え、釣竿を片手で簡単に取り付け及び取り外しすることができ、しかも取り付けた釣竿が不所望に脱落するのを効果的に防止することができる、経済性に優れた車載用ロッドホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1から図6に示すように、車室内の天井部分近傍に横架されたバー部材12に装着されて釣竿14(ランディングシャフトを含む)を抱持する車載用ロッドホルダーを次のように構成した。
すなわち、第1クリップエレメント16と第2クリップエレメント18とを組み合わせてピンチ型に形成し、上部に上記バー部材12を挟持する挟持部20aが設けられ、下部に上記の挟持部20aを開閉させる際に操作する把持部20bが設けられたクリップ本体20を有する。このクリップ本体20の下部には、先端部が上向き鉤状に突出して上記の釣竿14を抱持する釣竿抱持部22が、上記の挟持部20aで挟持した上記バー部材12の軸方向に沿うように延設される。また、この釣竿抱持部22の上側には、ループ状に配設されたゴム弾性を有する帯状部材24aからなり、上記の釣竿抱持部22に抱持させた上記の釣竿14が当該釣竿抱持部22から脱落しないように抵抗となる脱落ストッパー24が設けられる。
【0007】
本発明の車載用ロッドホルダーでは、ピンチ型に形成したクリップ本体20の把持部20bを操作して挟持部20aを開閉するだけで、既設のバー部材12にこの車載用ロッドホルダーを簡単に装着させることができる。
また、クリップ本体20の下部には、先端部が上向き鉤状に突出した釣竿抱持部22が設けられているので、この釣竿抱持部22に片手で簡単に釣竿14を載置する(抱持させる)ことができる。
そして、この釣竿抱持部22の上側には、ループ状に配設されたゴム弾性を有する帯状部材24aからなる脱落ストッパー24が設けられているので、釣竿14を釣竿抱持部22に載置させる際には、この脱落ストッパー24が邪魔にはならず、釣竿14を釣竿抱持部22に抱持させた後には、この脱落ストッパー24が抵抗となって釣竿抱持部22から釣竿14が脱落するのを効果的に防止することができる。
【0008】
本発明においては、前記の脱落ストッパー24を形成する前記ループ状の帯状部材24aが、前記クリップ本体20における前記の釣竿抱持部22の先端部内面に対向する表面と、矩形の付勢板材26とで挟持・固定されており、その帯状部材24aで形成されたループの中心を通る水平軸H1が、上記の釣竿抱持部22の上端よりも上方に配置され、且つ上記の付勢板材26が上端よりも下方に配置されるのが好ましい。
この場合、脱落ストッパー24を形成する帯状部材24aの弾発力を対面する釣竿抱持部22の方向に向けて集中させることができ、脱落ストッパー24による釣竿抱持部22に抱持させた釣竿14の脱落防止効果を極大化させることができる。
【0009】
また、本発明においては、前記の第1クリップエレメント16又は前記の第2クリップエレメント18の何れか一方の上部先端に、他方側へ向けて鉤状に延出してバー部材12の上部に引っ掛けられるフック部28を形成するのが好ましい。
この場合、ピンチ型に形成したクリップ本体20のバー部材12に対するクリップ力が低下した場合や、車載用ロッドホルダーでホールドした釣竿14に重たいリールが装着されている場合などであっても、バー部材12から車載用ロッドホルダーが脱落するのを防止することができる。
【0010】
さらに、本発明においては、前記の第1クリップエレメント16の下部及び前記の第2クリップエレメント18の下部のそれぞれに前記の釣竿抱持部22を設けるのが好ましい。
この場合、例えば釣竿14にスピニングリールが装着されているような場合には、当該スピニングリールのリールフットを前後の釣竿抱持部22間に配設することによって、そのリール付きの釣竿14を安定して保持することができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、汎用のバー部材に簡単に装着できるのに加え、釣竿を片手で簡単に取り付け及び取り外しすることができ、しかも取り付けた釣竿が不所望に脱落するのを効果的に防止することができる、経済性に優れた車載用ロッドホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明における一実施形態(第1実施形態)の車載用ロッドホルダーを示す斜視図であり、図1Aは背面、左側面及び平面を表す図、図1Bは背面、右側面及び底面を表す図である。
図2】本発明における一実施形態(第1実施形態)の車載用ロッドホルダーのバー部材への取付態様を示す右側面図であり、図2Aは挟持部を開操作した状態を示し、図2Bはバー部材に取り付けられた状態を示す。
図3】本発明における一実施形態(第1実施形態)の車載用ロッドホルダーへの釣竿の取り付け態様を示す正面図であり、図3Aは釣竿取付前の状態を示し、図3Bは釣竿取り付け後の状態を示す。
図4】本発明における他の実施形態(第2実施形態)の車載用ロッドホルダーを示す斜視図であり、図4Aは背面、左側面及び平面を表す図、図4Bは背面、右側面及び底面を表す図である。
図5】本発明における他の実施形態(第2実施形態)の車載用ロッドホルダーのバー部材への取付態様を示す左側面図である。
図6】本発明における他の実施形態(第2実施形態)の車載用ロッドホルダーへの釣竿の取り付け態様を示す正面図であり、図6Aは釣竿取付前の状態を示し、図6Bは釣竿取り付け後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に従って詳述する。本発明の車載用ロッドホルダー10は、自動車などの車室内の天井部分近傍に横架されたバー部材12に装着されて釣竿14(ランディングシャフトを含む)を抱持するためのものである。とりわけ、図1から図3に示す第1実施形態の車載用ロッドホルダー10A(10)は、主として車室内後ろ側の天井部分に横架された汎用のバー部材12に装着され、主に釣竿14の太径側やランディングシャフトを抱持するためのものであり、クリップ本体20,釣竿抱持部22及び脱落ストッパー24で大略構成される。
【0014】
クリップ本体20は、車載用ロッドホルダー10Aをバー部材12に固定するためのものであり、第1クリップエレメント16と第2クリップエレメント18とを組み合わせて構成される。このクリップ本体20を構成する第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18は、例えば、ポリカーボネートやABS樹脂などのエンジニアリング・プラスチック或いはアルミニウム合金やステンレスなどの金属材料と言った剛性に優れた材料で形成されている。
【0015】
ここで、この第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18の内面側には、それぞれブラケット30及びブラケット32が設けられており、両ブラケット30,32の重なり部分を枢軸として第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18が回動するようになっている。第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18の外面側におけるブラケット30及びブラケット32よりやや上の位置には、かかる部分を押圧する角型のバネ体34が1又は複数本(図示実施形態の場合は2本)取着されている。このため、クリップ本体20は、第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18の先端部(上端部)が、バネ体34の作用で閉じられたピンチ型に形成されている。
【0016】
以上のように構成されたクリップ本体20の上部には、外側の左右方向(幅方向)に延出してバー部材12を挟持する挟持部20aが設けられ、同下部には、その挟持部20aを開閉させる際に操作する把持部20bが設けられる。
この第1実施形態の車載用ロッドホルダー10Aでは、挟持部20aを形成する第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18上部の内面側に、シリコーンゴムなどからなるクッションシート36が貼着されている。また、第1クリップエレメント16の上部には、その先端が第2クリップエレメント18側へ向けて鉤状に延出してバー部材12の上部に引っ掛けられるフック部28を形成されている。さらに、第1クリップエレメント16における右側面の中央部分が第2グリップエレメント18側へ向けて板状に突出し、後述する脱落ストッパー24が取り付けられるストッパー取付け部38が形成されている。
【0017】
釣竿抱持部22は、クリップ本体20の下部において、挟持部20aで挟持した上記バー部材12の軸方向に沿うように当該クリップ本体20下部に一体的に延設され、先端部が上向き鉤状に突出して釣竿14を抱持するパーツである。第1実施形態の車載用ロッドホルダー10Aでは、この釣竿抱持部22が、第1クリップエレメント16の下部及び第2クリップエレメント18の下部のそれぞれに設けられている。
また、この釣竿抱持部22の内面側には、シリコーンゴムなどからなるクッションシート40が貼着されている。
【0018】
脱落ストッパー24は、シリコーンゴムなどのゴム弾性を有する帯状部材24aを、釣竿抱持部22の上側にてループ状に配設し、釣竿抱持部22に抱持させた釣竿14が当該釣竿抱持部22から脱落しないように抵抗を与える部材である。この第1実施形態の車載用ロッドホルダー10Aでは、この脱落ストッパー24を形成するループ状の帯状部材24aが、釣竿抱持部22の先端部内面に対向するクリップ本体20の表面に設けられたストッパー取付け部38と、矩形の付勢板材26とで挟持・固定されており、その帯状部材24aで形成されたループの中心を通る水平軸H1が、釣竿抱持部22の上端(h2)よりも上方に配置され、且つ付勢板材26が上端(h3)よりも下方に配置されている(図3A参照)。
【0019】
以上のように構成された車載用ロッドホルダー10Aを使用する際には、まず始めに、図2Aに示すように、クリップ本体20の把持部20bを手に取って白抜き矢印の方向に力を加え、挟持部20aを開操作する。そして、開操作された挟持部20aを、車室内後ろ側の天井部分に横架されたバー部材12の所定位置にあてがい、力を加えていた把持部20bから手を放す。すると、図2Bに示すように、挟持部20aが閉操作され、バー部材12への車載用ロッドホルダー10Aの取り付けが完了する。
【0020】
次いで、例えば、図3に示すように、釣竿14としてルアー用のセンターカット2ピースロッドをこの車載用ロッドホルダー10Aに取り付けて保持(抱持)させる際には、バットセクション14a及びティップセクション14bの太径側が、釣竿抱持部22と脱落ストッパー24とで挟まれるように配置するだけで車載用ロッドホルダー10Aへの釣竿14の取り付けが完了する(図3B参照)。なお、車載用ロッドホルダー10Aで保持した釣竿14を取り出す際には、釣竿抱持部22で抱持された釣竿14を片手で掴んで簡単に取り出すことができる。
【0021】
本実施形態の車載用ロッドホルダー10Aによれば、ピンチ型に形成されたクリップ本体20を有するため、或る所定範囲内の太さを有する様々なサイズのバー部材12に対して片手で簡単に取り付けることができる。
また、脱落ストッパー24が、その配設位置と付勢板材26との相乗的な作用によって、帯状部材24aの弾発力を対面する釣竿抱持部22の方向(とりわけ図3中の白抜き矢印の方向)に向けて集中させることができ、その結果、当該脱落ストッパー24による釣竿抱持部22からの釣竿14の脱落防止効果を極大化させることができる。
さらに、第1クリップエレメント16の下部及び第2クリップエレメント18の下部のそれぞれに釣竿抱持部22が設けられているので、この車載用ロッドホルダー10Aで例えばスピニングリールが装着された釣竿14を抱持する際に(図示せず)、当該スピニングリールのリールフットを前後の釣竿抱持部22間に配設することによって、車載用ロッドホルダー10Aに取り付けた釣竿14が前後方向へ滑動するのを防止することができる。
【0022】
なお、上述の実施形態では、第1クリップエレメント16の上部先端にフック部28を形成する場合を示したが、これに代えて、第2クリップエレメント18の上部先端にフック部28を設けるようにしてもよい。
【0023】
また、上述の実施形態では、ストッパー取付け部38への脱落ストッパー24の固定に付勢板材26を用いる場合を示したが、付勢板材26を用いず帯状部材24aのみでも必要な弾発力を十分に確保できる場合には、かかる固定に際し、この付勢板材26を省略するようにしてもよい。
【0024】
次に、図4から図6に示す第2実施形態の車載用ロッドホルダー10B(10)について説明する。この第2実施形態の車載用ロッドホルダー10B(10)は、主として車室内中央・後部座席側の天井部分に横架された汎用のバー部材12に装着され、主に釣竿14の細径側を抱持するために使用するものである。このため、上述した第1実施形態の車載用ロッドホルダー10Aとペアで使用することにより、車室内にて様々な種類の釣竿14、とりわけ仕舞寸法が比較的長尺であって車室内での置き場に苦労するタイプのものを収まりよく安全且つ効率的に車内収納することができる。
【0025】
この第2実施形態の車載用ロッドホルダー10Bが、上述した第1実施形態の車載用ロッドホルダー10Aと大きく異なる点は、第1に釣竿抱持部22が第1クリップエレメント16側のみに設けられている点、第2に第1クリップエレメント16及び第2クリップエレメント18の何れの上部先端にもフック部28が形成されていない点、第3に脱落ストッパー24の取付位置とその態様が異なる点である。なお、これら以外の部分については、上述した第1実施形態のものと同じであるため、上述の第1実施形態の説明を援用して本実施形態の説明に代える。
【0026】
この実施形態の第1クリップエレメント16は、図4に示すように、左側面が、第2クリップエレメント18側(正面側)に向けて拡大されており、この拡大された表面16aの先端側(正面側)下部に釣竿抱持部22が設けられる。
【0027】
また、第1クリップエレメント16の挟持部20aと把持部20bとで挟まれた中央部分やや上方寄り(挟持部20a寄り)であって、釣竿抱持部22と上下方向で離間して対面する位置に、挟持部20aで挟持したバー部材12の軸方向に沿うように当該第1クリップエレメント16から延設され、下面に脱落ストッパー24が取り付けられるストッパー取着部42が設けられる。
【0028】
上記のストッパー取着部42に取り付けられる脱落ストッパー24は、釣竿抱持部22と上下方向で対面するよう下向きループ状にて形成される。また、この脱落ストッパー24を構成する帯状部材24aの略中央部分であって釣竿抱持部22の先端上部に対応する位置には、釣竿抱持部22の幅よりも若干広幅で且つ帯状部材24aの長手方向に延ばされた切欠部44が設けられる。そして、この切欠部44内に位置する釣竿抱持部22の先端上部は、常態において脱落ストッパー24のループ内に配置されるようになっている(図6A参照)。
【0029】
この第2実施形態の車載用ロッドホルダー10Bによれば、釣竿抱持部22の先端上部が、常態において脱落ストッパー24のループ内に配置されるようになっているので、釣竿抱持部22で抱持される釣竿14が、例えば直径数ミリメートル或いはそれ以下のように極めて細径の物(具体的には、ルアー用のセンターカット2ピースロッドにおけるティップセクション14bのティップ[穂先]部分)であっても、当該釣竿14が釣竿抱持部22から脱落するのを効果的に防止することができる。
【0030】
なお、上述の実施形態では、第1クリップエレメント16側に釣竿抱持部22やストッパー取着部42を設ける場合を示したが、これに代えて(図示しないが)第2グリップエレメント18側に釣竿抱持部22やストッパー取着部42を設けるようにしてもよいし、第1クリップエレメント16側及び第2グリップエレメント18側のそれぞれに、釣竿抱持部22又はストッパー取着部42の何れかを設けるようにしてもよい。
【0031】
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
10:車載用ロッドホルダー,12:バー部材,14:釣竿,16:第1クリップエレメント,18:第2クリップエレメント,20:クリップ本体,20a:挟持部,20b:把持部,22:釣竿抱持部,24:脱落ストッパー,24a:帯状部材,26:付勢板材,28:フック部.
図1
図2
図3
図4
図5
図6