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特許7440931漢方薬ゲル組成物及びその調製方法と用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】漢方薬ゲル組成物及びその調製方法と用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20240221BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240221BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/55
A61K8/46
A61K8/86
A61Q19/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021517885
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2019078711
(87)【国際公開番号】W WO2019233158
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】201810588243.X
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520483419
【氏名又は名称】蘇州黛澤堂健康科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU DAIZETANG NATURAL PRODUCT R&D CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Peiyuan Road 11, Scientist City Suzhou, Jiangsu 215163 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 麗華
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1907328(CN,A)
【文献】特開2008-037819(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105168118(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101152231(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107320442(CN,A)
【文献】特開2004-010526(JP,A)
【文献】特開2014-131965(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104288041(CN,A)
【文献】特表2018-508503(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1775243(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1745843(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K47/32,47/36
A61K 9/00-9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル組成物の調製方法であって、以下の工程:
a)漢方薬のエッセンスと界面活性剤を混合し、均一に攪拌する工程;
b)高分子ヒドロゲルを添加し、均一に攪拌する工程;
c)2-20時間膨潤し、均一に攪拌する工程;
d)pHを5-7に調整する工程;および、
e)グリセロールを添加し、ゲルを形成するように、十分に混合する工程、
を含み
前記ゲル組成物は、前記ゲル組成物の重量に対して、30~95重量パーセントの前記漢方薬の前記エッセンスと、0.1~1重量パーセントの前記界面活性剤、0.5~3重量パーセントの前記高分子ヒドロゲル、を含有し、
前記漢方薬は、野生菊、ローズ、クチナシ、ビャクシ、当帰、ベニバナ、オタネニンジンから選ばれ、
前記漢方薬の前記エッセンスは、セラムおよび澄ましペーストにより構成され、
前記セラムは、70~100℃の温度、-0.01~0.01MPaの圧力、の条件で水蒸気蒸留凝縮器を用いて、前記漢方薬を、10~20倍の重量の水で1~5時間煎じて得た混合物を蒸留することにより集めた、油水混合物であり、
前記澄ましペーストは、前記漢方薬を水で煎じて得た前記混合物を蒸留後、取得した残留物である煎じ薬液から、以下の工程:
i)前記煎じ薬液を濾過し、濾液を、スチレン骨格を有する樹脂であるマクロポーラス吸着樹脂に吸着させる工程;
ii)前記工程i)からの生成物を50~95%エタノールで溶出し、溶出液を得る工程;および
iii)前記溶出液からエタノールを回収して、濃縮し、前記澄ましペーストである上清を得るために静置する工程、
によって取得される、
とを特徴とするゲル組成物の調製方法
【請求項2】
前記高分子ヒドロゲルは、カルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガムから選べられる、
ことを特徴とする請求項1に記載されたゲル組成物の調製方法
【請求項3】
記界面活性剤は、Tween(登録商標)80、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチンから選ばれる、
ことを特徴とする請求項1に記載されたゲル組成物の調製方法
【請求項4】
前記組成物は、さらに化粧品に許容可能な添加剤と担体を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載されたゲル組成物の調製方法
【請求項5】
前記ゲル組成物は美容製品の調製に使用される、ことを特徴とする請求項1に記載されたゲル組成物の調製方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、化粧品分野に関わり、特に、漢方薬ゲル組成物、その調製方法及び当該のゲル組成物で製造されるフェイスパックに関わる。
【背景技術】
【0002】
化粧品の分野では、フェイスパックが一般的なスキンケア製品であり、近年、美容ケアにフェイスパックを使用することに慣れているユーザーが増えている。いろいろな種類があるが、洗顔不要のフェイスパックは、通常、就寝前に塗りつけられるため、便利で時間の節約になり、人気がある;その中でも、保湿成分や植物成分を有するものが一層人気である。現在、漢方薬による美容スキンケアは人々の心に深く根付いており、人々は漢方薬の美容効果があるフェイスパックを望んでいるが、既存の漢方薬を含むフェイスパックは、通常に抽出物と生の薬材の粉末しか少量に添加しなく、生薬量を記載してなく、漢方薬の効能を反映できず、安全性を保証できない。洗顔不要フェイスパックには、通常、1回の使用量は約5gであり、担持できる薬物や有効成分が少ないため、製造される漢方薬フェイスパックにおけるの有効成分の量も少なく、効果は著しくない。
【0003】
ヒドロゲルは、含水ゲルとも呼ばれ、水で膨潤し、大量の水を吸収して保持できつつ、水に溶けない親水性ネットワークポリマー膨潤体である;それが、溶解性、離液性、透過性、粘性を有し、徐放性および経皮吸収性の優れた薬物担体である。ヒドロゲルは化学物質の調製に一般的に使用されており、それが担持できる薬物の量は比較的大きく、最大約5%である。しかし、漢方薬の分野では、その製造プロセスは精確しなく、かつその成分も複雑であるので、多くの成分がゲル形成を妨げる;特に、大量の酸や塩はゲルの形成を妨げる(《外部ヒドロゲルの研究進歩》、高艷など、中国医薬ガイド、2007年11月第5巻、第11号、ページ0226-0228を参照する;当該文献には、使用量は約3から4%であると記載される[18]。)。現在の漢方薬のヒドロゲル含有量は比較的低く、例えば、李偉澤などの《漢方薬ヒドロゲルパップ剤の工業化に関する産業技術研究》、漢方薬ジャーナル、第43巻、第10号、2012年10月、ページ1928-1933には、含有量が15%のヒドロゲルを含むパップ剤開示しているが、当該製剤は乾燥粉末で製造され、かつセラミック粉末、架橋剤、架橋調整剤などの成分が添加され、製造プロセスには設備を高度に管理と制御することが必要になる。製造には、溶液の代わりに乾燥粉末を使用するため、有効成分は完全に溶解できず、吸収されにくい;さらに、粉末が多くかつ架橋剤を有するので、ペーストは不透明で粘性があり、経皮吸収を不利になる。別の例としては、李永霞などの《複方烏黄ヒドロゲルの調製プロセス》、中国薬剤師、2011年第14巻、第2号、ページ192-193によると、得られた烏黄ヒドロゲルの含有量は、ただ0.2%である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】外部ヒドロゲルの研究進歩、高艷など、中国医薬ガイド、2007年11月第5巻、第11号、ページ0226-0228
【文献】漢方薬ヒドロゲルパップ剤の工業化に関する産業技術研究、李偉澤など、漢方薬ジャーナル、第43巻、第10号、2012年10月、ページ1928-1933
【文献】複方烏黄ヒドロゲルの調製プロセス、李永霞など、中国薬剤師、2011年第14巻、第2号、ページ192-193
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、化粧品分野では、より効率的で、便利で、衛生的で安全な漢方美容製品を提供するために、漢方薬の有効成分を大量に担持することができるヒドロゲルが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明の一つは、ゲル組成物を提供し、ゲル組成物の重量で、当該ゲル組成物が、30-98重%の漢方薬のエッセンス、0.1-1重の界面活性剤、及び0.5-3重の高分子ヒドロゲルを含有する。漢方薬のエッセンスは、セラムおよび澄ましペーストにより構成され、セラムは、70~100℃の温度、-0.01~0.01MPaの圧力、の条件で水蒸気蒸留凝縮器を用いて、前記漢方薬を10~20倍の重量の水で1~5時間煎じて得た混合物を蒸留することにより集めた、油水混合物であり、澄ましペーストは、煎じ薬液をマクロポーラス吸着樹脂にて精製することにより得られる。
【0007】
一つの実施例において、漢方薬は、野生菊、ローズ、ビャクシ、当帰、ベニバナ、オタネニンジン、クチナシから得られる。
【0008】
別の実施例において、高分子ヒドロゲルは、カルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガムから選べられる。好ましい高分子ヒドロゲルは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボマーとヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる。
【0009】
別の実施例において、界面活性剤は、Tween(登録商標)、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチンから選べられる。好ましい界面活性剤は、Tween(登録商標)とドデシル硫酸ナトリウムから選ばれる。
【0010】
もう一つ実施例において、前記の組成物は、さらに化粧品的に納得される添加剤と担体を含んでも良く、当該添加剤和担体は、保湿剤、香料、着色料、防腐剤、賦形剤、発泡剤、増粘剤、消泡剤などから選ばれ、ただし、保湿剤は、グリセリンであっても良く、好ましくに、グリセリンが、組成物の1-10%の重量の量で存在する。
【0011】
別の実施例において、本発明に記載されたゲル組成物の調製方法を提供し、以下のステップを含む:
a)漢方薬のエッセンスと界面活性剤と混合し、均一に攪拌する;
b)高分子ゲル粉末を添加し、均一に攪拌する;
c)2-20時間膨潤し、均一に攪拌する;
d)pHを5-7に調節する;及び
e)グリセリンを添加し、均一に混合し、ゲルになる。
【0012】
一つの実施例において、組成物を調製する前、10-20倍の重量の水で漢方薬薬草を1-5時間抽出し、蒸留・凝縮でセラムを調製するステップを含む。
一つの実施例において、蒸留後残留された煎じ薬液から澄ましペーストを得るステップを含み、前記の澄ましペーストは、以下のステップで調製される:
i) 煎じ薬液を濾過し、マクロポーラス吸着樹脂で濾液を吸着する;
ii) 50-95%のエタノールで溶離し、溶離液を得る;
iii) 溶離液中のエタノールを回収し、濃縮して静置し、上清(すなわち、澄ましペースト)を得る。
【0013】
一つの実施例において、マクロポーラス樹脂は、好ましにスチレン骨格の樹脂である。好ましく、西安藍曉テクノロジーニューマテリアルズ株式会社のLSA-7、LSA-10、LSA-33、XDA-1などであっても良い。
【0014】
本発明のもう一つは、本発明のゲル組成物の用途を開示し、美容製品を調製することを含み、好ましく、フェイスパック、クリーム、ローション、ボディローション、ハンドマスク、フットマスクなどから選ばれる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
慎重な研究を通じて、出願人は、効果的に高負荷の漢方薬ゲル組成物を調製する方法を発見した。この方法には、操作が簡単で、補助原料が少なく、漢方薬の含有量が高く、配合における漢方薬液が90重量%以上、生薬が30重量%超を占め、すなわち、約10gのゲルを塗るのは、3-9gの漢方薬を使用することに相当する。当該ゲル組成物は、外部化粧品組成物、例えばフェイスパックに製造することができる。その利点と進歩は次のとおりです。
【0016】
(1)安全性:その使用量は、漢方薬の通常の投与量の範囲内にあり、生薬の量はフェイスパックの使用量に関連し、ユーザーにとってより確実で安全である。本発明のゲルは、非刺激性で非感作性である。
(2)便利な生産性 ゲルの成分はシンプルで、プロセスは手軽で、簡単に製造できる。現在、より簡単なゲルフェイスパック配合を見つけない。
(3)漢方薬の含有量が高い 現在、漢方薬の量を示す、かつ、生薬の含有量は30%を超えるゲルフェイスパックを見つけなく、ただし、漢方薬薬液は、重量比で、90%以上を占める。通常の漢方薬フェイスパックは、少量の抽出物を添加し、完全の漢方薬から抽出することではない。
【0017】
本明細書および請求の範囲で使用されるように、「含む」(あらゆる形式の「含む」、例えば含む、含むなど、)、「含有する」(あらゆる形式の「含有する」、例えば「備える」と「持つ」)、「含まれる」(あらゆる形式の「含まれる」、例えば「くるみ包む」と「取り入れる」)または「包含する」(あらゆる形式の「包含する」、例えば「含める」と「囲む」)という用語は、すべて包括的または開放的であり、他の言及されていない要素または方法やステップを除外しない。
【0018】
本明細書で検討される任意の実施形態は、本発明の任意の方法または組成物で実施することができ、逆もまた同様であると考えられる。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を実施するために用いられても良い。
【0019】
本文に記載された「漢方薬」とは、いずれか文献、記載又は先行技術に公知される、美容効能を有する、ローズ、野生菊、クチナシ、ビャクシ、当帰、ベニバナ、オタネニンジンなど由来の漢方薬のことを指す。本明細書の記載の方法、特に具体的な実施形態の内容によって、当業者にとって、他の漢方薬薬草も本文に記載された方法によりセラムと澄ましペーストを製造し、ゲル組成物に添加することができる。美容製品として、漢方薬の精油が有する肌に潤いを与える効果を希望すると同時に、肌のキメを整える効果的な成分を保持する必要があり、そして、澄ましペーストと精油を合併し、ゲル組成物の漢方薬活性成分になることは、その有効成分の保持と完全な利用に特別な利点がある。
【0020】
ここで、前記のセラムとは、水蒸気蒸留凝縮器によって収集された油水混合物を指し、その温度範囲は70~100℃、圧力範囲は-0.01から0.01MPaである。
【0021】
前記澄ましペーストは、マクロポーラス樹脂で濾過・精製され、収集される。マクロポーラス樹脂は、極性又は非極性であっても良く、例えばLSA-7、また、スチレン骨格を有する他の一般的なマクロポーラス樹脂、例えばLSA-33、D101、LS-300などを使用しても良い。当該マクロポーラス樹脂の洗浄で、漢方薬原料における有機酸、塩、大分子不純物を除去し、ゲルの安定性と活性成分を担持する能を増強する。
【0022】
ユーザーの安全のために、本発明の組成物のすべての成分は食品添加物グレードのものである。
【0023】
本文に記載された高分子ヒドロゲルは、カルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガムなどから選ばれる。本文において、「高分子ヒドロゲル」とは、分子量が10000を超えるヒドロゲルポリマーのことを指す。当業者にとって、他の同様の特性を持つヒドロゲルを使用できることを理解すべきである。
【0024】
本文に記載された界面活性剤は、一般的に化粧品分野によく使われる界面活性剤、例えばTween(登録商標)、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチン等である。界面活性剤の含有量は、0.1-1%にあることで、界面活性剤をできるだけ少なくしても薬物含有ミセルを形成することができる。
【0025】
本文に記載されたゲル組成物には、さらに化粧品に納得される添加剤を追加してもよく、例えば保湿剤、香料、着色剤、防腐剤などである。
【0026】
本文に記載されたゲル組成物を、美容用フェイスパックにすること以外に、クリーム、ローション、ボディ製品などにしても良い。当業者にとって、当該製品は、紙の顔用マスク、直接塗布の顔用マスク、洗顔不要の顔用マスクなどの様々な形態のフェイスパックの組成部に製造できることを理解すべきである。
【0027】
フェイスパック製品として、本発明のフェイスパックは以下の特徴を有する:
(1)良い効果 漢方薬が精製されているため、当該フェイスパックは、透明で保湿性があり、手触りが良く、見た目も良く、ユーザーに愛用され、漢方フェイスパックのざらつき感を避ける。
(2)簡単で科学的な配合 漢方薬の成分の作用効果(精油での浸透栄養、水溶性セラムでのローカルケア)を最大限に活用し、ホルモンやビタミンなどの人工合成有効成分は添加されていない。また、バクテリアの栄養素が添加されておらず、漢方薬の成分が自然に抗菌性であるため、抗菌剤や防腐剤は配合されていない。
(3)使いやすくかつ衛生的に プライマーなしで、クレンジングの直後に適用する。一回の使用量は約5gで、約5分で自然乾燥し、洗顔不要である。ゲルには潤いと保湿のための精油とグリセリンが含まれているので、これ以上のスキンケア製品は必要ない。小さなスプーンで汚れのない状態で取り出する。
【0028】
以下の実施例は、本発明をさらに説明し、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0029】
実施例1:ゲル組成物の調製:
1、原材料由来
グリセリン(マレーシア、ブランド名:ココナッツの木、食品グレード)
野生菊、ビャクシ、ローズ(亳州利健薬業株式会社、薬局方基準に準拠する)
マクロポーラス吸着樹脂LSA-7、LSA-33、XDA-1(西安藍曉テクノロジーニューマテリアルズ株式会社、食品グレード)
カルボマー(青島益維康バイオロジカルテクノロジー株式会社、薬品グレード)
Tween(登録商標)80(江蘇四新界面剤テクノロジー株式会社、食品グレード)
ヒドロキシエチルセルロース(深セン盛海生物エンジニアリング株式会社、食品グレード)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(深セン盛海生物エンジニアリング株式会社、食品グレード)
【0030】
2、配合:
(1)野生菊のエッセンス(セラム+澄ましペースト)100部(生薬含有量0.3g生薬/ml)、カルボマー粉末1部、Tween(登録商標)0.6部、グリセリン4部(食品添加剤)。
漢方薬の含有量はゲルの重量比で32%を占め、即、10gゲルごとに、3.2g野生菊の成分を含有し、エッセンス液が、ゲルの重量比で94%を占める。
(2)ローズのエッセンス(セラム+澄ましペースト)100部(生薬含有量1.0g生薬/ml)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース粉1.5部、Tween(登録商標)0.2部、グリセリン2部。
漢方薬の含有量はゲルの重量比で96%を占め、即、10gゲルごとに、9.6gローズ成分を含有し、エッセンス液が、ゲルの重量比で96%を占める。
(3)ビャクシのエッセンス(セラム+澄ましペースト)100部(生薬含有量0.7g生薬/ml)、ヒドロキシエチルセルロースなど2部、ドデシル硫酸ナトリウム1部、グリセリン6部。
漢方薬の含有量はゲルの重量比で64%を占め、即、10gゲルごとに、6.4gビャクシ成分を含有し、エッセンス液が、ゲルの重量比で92%を占める。
【0031】
3、ゲル調製プロセス:
(1)多機能抽出槽で60kgの野生菊を水で煎じ、16倍量の水を加えて3時間抽出し、120Lのセラムを集め、煎じ薬液をマクロポーラス吸着樹脂LSA-33カラムで精製し、濃縮された60Lの澄ましペーストを得た。漢方薬のエッセンス(セラム+澄ましペースト、生薬含有量0.3生薬/ml)100部を取り、Tween(登録商標)0.6部を加えて30分間均一に混合し、次にカルボマー粉末1部を加え、均一に攪拌し、3時間膨潤させ、PH値を6に調整するように攪拌し、グリセリン4部を加え、均一になるまで10分間混合し、均一なゲルを得、サブパッケージして、例1を得た。
(2)多機能抽出槽で60kgのローズを水で煎じ、14倍量の水を加えて3時間抽出し、30Lのセラムを集め、煎じ薬液をマクロポーラス吸着樹脂XDA-10カラムで精製し、濃縮された30Lの澄ましペーストを得た。漢方薬のエッセンス(セラム+澄ましペースト、生薬含有量1.0生薬/ml)100部を取り、Tween(登録商標)0.2部を加えて25分間均一に混合し、次にヒドロキシプロピルメチルセルロース粉末2部を加え、均一に攪拌し、20時間膨潤させ、PH値を5に調整するように攪拌し、グリセリン2部を加え、均一になるまで30分間混合し、均一なゲルを得、サブパッケージして、例2を得た。
(3)多機能抽出槽で60kgのビャクシを水で煎じ、12倍量の水を加えて3時間抽出し、30Lのセラムを集め、煎じ薬液をマクロポーラス吸着樹脂LSA-7カラムで精製し、濃縮された60Lの澄ましペーストを得た。漢方薬のエッセンス(セラム+澄ましペースト、生薬含有量0.7生薬/ml)100部を取り、ドデシル硫酸ナトリウム1部を加えて20分間均一に混合し、次にヒドロキシエチルセルロース粉末2部を加え、均一に攪拌し、20時間膨潤させ、PH値を7に調整するように攪拌し、グリセリン6部を加え、均一になるまで60分間混合し、均一なゲルを得、サブパッケージして、例3を得た。
【0032】
4.有効成分の検出
薬局方法または国家標準試験基準に従って、3つの配合の有効成分が検測し、結果は次のとおり:
【表1】
【実施例2】
【0033】
実施例2ゲル組成物の効果の測定:
実施例1、2、3の3つのサンプルを調製、観察し、結果は以下の通り:
(1)安全性
(1)ウサギの皮膚刺激性試験:
皮膚刺激性試験では、雄雌半分ずつの6匹のウサギを選択し、試験の24時間前に、投与領域(左側と両側に1つずつ)を脱毛し、脱毛領域は3cm×3cmである。損傷した皮膚のグループでは、無菌の注射針を使用し、出血のように投与部位に「井」を描きいた。左側の脱毛部に0.5mlの薬を塗布し、右側に同量の補助原料を塗布してコントロールとする。フェイスパックを皮膚に塗布し、1日1回14日間連続で投与し、1匹あたり0.5gの量で投与し、各塗布の前後1時間に塗布部位に紅斑と浮腫があるかどうかを観察し、ポイントを付け、最後の塗布後3日間継続して観察した。試験の結果、3つの例のゲル組成物は刺激性がないことがわかった。
【0034】
【表2】
【0035】
実験の結果、ウサギの刺激に対する反応の平均累積ポイントはゼロである。
【0036】
(1)モルモットの皮膚刺激性試験:
50匹のモルモットを選択し、ランダムに5つのグループに分け、補助原料コントロールグループを設置し、ブランク製剤を投与する;3つの試験製品グループにフェイスパックを投与し、陽性コントロールグループに2-メルカプトベンゾチアゾールを与えた;各グループには10匹の動物があり、雄雌半分ずつになる。投与の24時間前にモルモットの背中の両側の皮膚の毛を剃り、脱毛領域は約3cm×3cmである;感作期間中、左の脱毛領域に試験物質またはコントロール物質を均一に塗布し、適切な方法で固定し、塗抹後の6時間に、水で試験製品を取り除いた;励起段階では、右側の剃毛領域に試験製品またはコントロール物質を均一に塗布し、適切な方法で固定し、塗抹後の6時間に、水で試験製品を取り除いた。各グループの動物は感作されるために、7日に1回程度の3回投与された。励起段階では、1回投与した。投与方法は皮膚塗抹であり、投与量は動物あたり0.2gである。一般に、感作後1時間と24時間、及び励起後24時間と48時間の時点で、皮膚紅斑、浮腫、その他の異常反応を観察し、対応する基準に従って紅斑と浮腫を記録し、試験物質とブランク製剤の感作効果を判断した。試験結果は、3つの例のゲル組成物にアレルギーがないことを示している。
【0037】
【表3】
【0038】
実験結果は、これらのゲル組成物もモルモットを刺激しないことをわかった。
【0039】
(2)微生物学的検出結果:
細菌の検出は、「化粧品微生物学の標準試験方法」(GB7918.1-5)に従って実施され、3つの例の製品はすべて無菌である。
【0040】
【表4】
【0041】
(3)ゲル組成物の試用効果
3つの例にはそれぞれを20人(女性、平均年齢30歳)で試用し、クレンジング後の夜に2日に1回適用し、5回の結果は次の通り。
【0042】
【表5】
【0043】
つまり、本発明の方法および配合によって調製されたゲル組成物は、漢方薬の有効成分の高い負荷量を有し、安全かつ衛生的であり、そして良好な使用体験を有する。
【0044】
上記の開示は、本発明の範囲を限定するのではなく説明するために使用される。本発明の変形は、当業者には自明なものであり、添付の請求の範囲に含まれる。本文で引用されるすべての出版物、データベース、ネットワークリソース、特許、特許出願、および登録番号は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。