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特許7440979ファイル振分システム、ファイル振分方法及びファイル振分プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】ファイル振分システム、ファイル振分方法及びファイル振分プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/10 20190101AFI20240221BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240221BHJP
【FI】
G06F16/10
G06Q10/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023168475
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523372215
【氏名又は名称】AIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園田 葉二朗
(72)【発明者】
【氏名】長尾 和也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】日村 駿介
(72)【発明者】
【氏名】高坂 大樹
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-163447(JP,A)
【文献】特開2015-075970(JP,A)
【文献】特開2011-015348(JP,A)
【文献】特開2022-162908(JP,A)
【文献】特開2017-054469(JP,A)
【文献】特開2019-128715(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0242079(US,A1)
【文献】米国特許第07961986(US,B1)
【文献】ドキュワークス DocuWorks 9,富士ゼロックス Smart Work Seminar 2019 ,富士ゼロックス,2019年07月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル振分システムであって、
ファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定するためのルールである付加情報ルール、及び振分先の決定を行う振分ルール、利用可能な付加情報の属性の設定に関して、属性の名称である属性名と付加情報のデータの形式に関する付加形式を含む付加属性情報、及び文書種別ごとに付与する付加情報の属性に関する付与属性を記憶する記憶部と、
ファイルを受け付ける受付部と、
受け付けたファイルに付与する付加情報を決定する付加情報決定部と、
前記付加情報、及び前記振分ルールに基づいて振分先を決定し、受け付けたファイルを振分先に格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報、及び付与される前記付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う振分部と、
を備え、
前記付加情報の決定において、前記付加情報決定部は、受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容、並びに前記付加情報ルール、前記付加属性情報に含まれる前記付加形式、及び前記付与属性に基づいて、ファイルの文書種別に対応した属性のファイルに付与する前記付加情報を決定し、前記振分部は、ファイルに付与すると決定された前記付加情報をそれぞれの属性に関する前記属性名と関連付けて記憶し、
前記ファイルの前記文書種別は、ユーザにより選択され、もしくは、付加情報決定部により受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいて決定される、
ファイル振分システム。
【請求項2】
ファイル振分システムは、更に、名称変更部を備え、
前記記憶部は、複数の同義語と代表名を含み、同義語を統一するための名寄せ辞書を記憶し、
前記付加情報決定部は、ファイル名及び/又はファイル内容と前記名寄せ辞書に基づいて、ファイル名及び/又はファイル内の同義語を判定し、判定した同義語に基づいて、代表名を付与する付加情報として決定し、
前記名称変更部は、前記付加情報決定部が同義語を判定した場合、代表名としてファイル名を変更する、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項3】
取得したファイルは、画像ファイル、または電子文書ファイルであって、
前記受付部は、ファイル内容に基づいて付加情報として付与するテキストを取得する為のファイル上の範囲を示す範囲情報、及び付与する付加情報の属性に関する付与属性を文書種別ごとに事前に受け付け、
前記付加情報ルールは、範囲情報及び付与属性に基づいて決定されるルールであって、前記付加情報決定部は、文書種別の判定を行い、判定された文書種別に基づいて決定される事前に設定された前記付加情報ルールに基づいてファイル上の前記範囲におけるテキスト部分を取得して、ファイルに付与する付加情報を決定する、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項4】
前記振分ルールは、付加情報に基づいてファイルの振分先を決定する為の、付加情報の属性と保管場所の階層が関連付けられた、振分先を決定するためのルールであって、
前記振分部は、振分処理を行う際に、振分先のフォルダが存在しないとき、付与された付加情報とその属性に基づいて、上位の階層のフォルダも含め振分先のフォルダを作成する処理を行う、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項5】
ファイル振分システムは、更に表示処理部を備え、
前記表示処理部は、ファイル振分画面を表示処理し、
前記ファイル振分画面は、振分けるファイルの入力を受け付ける画面であって、振分に利用する付加情報ルール及び振分ルールを指定する複数の文書種別よりいずれかを選択する文書種別選択部を複数備え、
前記ファイル振分画面は、ファイルを前記文書種別選択部に重畳するように移動させることで文書種別の選択及びファイルの入力を行うことができる画面であり、
前記受付部は、ファイル振分画面を介してファイルの入力と文書種別の選択を受け付け、
前記振分部は、文書種別の選択に基づいて選択された文書種別に対応した付加情報ルール及び振分ルールに基づいてファイルの振分処理を行う、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項6】
前記付加情報ルールは、文書種別を判定し、付与する付加情報を特定するための文書種別判別ルールを含み、
前記付加情報決定部は、前記付加情報ルールに含まれる前記文書種別判別ルールに基づいて文書種別を判定し、特定した文書種別に基づく付加情報の付与を行う、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項7】
ファイル振分システムは、更に検索部と表示処理部を備え、
前記検索部は、ファイルに付与された付加情報に基づいてファイルの検索を行い、
前記表示処理部は、検索結果表示画面を表示処理し、
前記検索結果表示画面は、抽出されたファイルと、ファイルに付与された付加情報とを対応付けて表示する画面である、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項8】
前記受付部は、更にファイルの登録を行った登録者又は更新者に関するユーザ情報を受け付け、
前記記憶部は、受け付けたユーザ情報を文書種別、文書に付与された付加情報及び振り分け日時とファイルと関連付けて記憶する、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項9】
前記振分部は、前記受付部がファイルを受け付けると、振分許可を受け付ける前であるとき、
作業フォルダの場所を特定するための作業フォルダ情報を受け付けたファイルと関連付けて記憶し、
前記作業フォルダは複数のユーザによりアクセス可能なフォルダであって、
前記受付部は、ユーザ端末より振分先及び/又は付加情報の入力を受け付け、作業フォルダのファイルと関連付けて記憶する、
前記振分部は、振分許可を受け付けると、振分処理を行う、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項10】
ファイル振分システムは、更に、検索部を備え、
付加情報に関して、一つの付加形式に対して複数の属性名が設定され、
前記検索部は、属性名及び付加形式が設定された付加情報及び検索条件に基づいて、条件を満たす付加情報が付与されたファイルの検索を行う、
請求項1に記載のファイル振分システム。
【請求項11】
ファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定するためのルールである付加情報ルール、及び振分先の決定を行う振分ルール、利用可能な付加情報の属性の設定に関して、属性の名称である属性名と付加情報のデータの形式に関する付加形式を含む付加属性情報、及び文書種別ごとに付与する付加情報の属性に関する付与属性を記憶するコンピュータが実行するファイル振分方法であって、
ファイルを受け付ける受付工程と、
受け付けたファイルに付与する付加情報を決定する付加情報決定工程と、
前記付加情報、及び前記振分ルールに基づいて振分先を決定し、受け付けたファイルを振分先に格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報、及び付与される前記付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う振分工程と、
を備え、
前記付加情報の決定において、前記付加情報決定工程では、受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容、並びに前記付加情報ルール、前記付加属性情報に含まれる前記付加形式、及び前記付与属性に基づいて、ファイルの文書種別に対応した属性のファイルに付与する前記付加情報を決定し、前記振分工程では、ファイルに付与すると決定された前記付加情報をそれぞれの属性に関する前記属性名と関連付けて記憶し、
前記ファイルの前記文書種別は、ユーザにより選択され、もしくは、付加情報決定工程において受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいて決定される、
ファイル振分方法。
【請求項12】
ファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定するためのルールである付加情報ルール、及び振分先の決定を行う振分ルール、利用可能な付加情報の属性の設定に関して、属性の名称である属性名と付加情報のデータの形式に関する付加形式を含む付加属性情報、及び文書種別ごとに付与する付加情報の属性に関する付与属性を記憶するコンピュータが実行するファイル振分プログラムであって、
ファイルを受け付ける受付部と、
受け付けたファイルに付与する付加情報を決定する付加情報決定部と、
前記付加情報、及び前記振分ルールに基づいて振分先を決定し、受け付けたファイルを振分先に格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報、及び付与される前記付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う振分部と、
としてコンピュータを機能させ、
前記付加情報の決定において、前記付加情報決定部は、受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容、並びに前記付加情報ルール、前記付加属性情報に含まれる前記付加形式、及び前記付与属性に基づいて、ファイルの文書種別に対応した属性のファイルに付与する前記付加情報を決定し、前記振分部は、ファイルに付与すると決定された前記付加情報をそれぞれの属性に関する前記属性名と関連付けて記憶し、
前記ファイルの前記文書種別は、ユーザにより選択され、もしくは、付加情報決定部により受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいて決定される、
ファイル振分プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル振分システム、ファイル振分方法及びファイル振分プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各会社は扱っている文書を紙ベースで保存していたが、長期保存による劣化や突発時の資料閲覧時に劣化が生じていることなど、保存状態や閲覧に関する問題を抱えている。そのため、近年、電子帳簿保存法への対応など、書類を電子データとして保存することが進められている。
【0003】
特許文献1は、一度仕分けした電子文書を属性が変更となった場合に再振分するシステムに関する文献であり、電子文書に付与された属性を利用してルールを設定することで電子文書を格納することに関して開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-51388号公報
【0005】
ここで、特許文献1に記載の発明には、電子文書の属性や内容に基づいて電子文書に分類等のために利用する付加情報を付与する処理を行い、付与した付加情報に基づいて分類をする技術については開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ファイルに関して付加情報を付与し、付与した付加情報を利用してファイルの振分を行う新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ファイル振分システムであって、
ファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定するためのルールである付加情報ルール、及び振分先の決定を行う振分ルールを記憶する記憶部と、
ファイルを受け付ける受付部と、
受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容、並びに付加情報ルールに基づいてファイルに付与する付加情報を決定する付加情報決定部と、
前記付加情報、及び前記振分ルールに基づいて振分先を決定し、受け付けたファイルを振分先に格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報、及び付与される前記付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う振分部と、
を備える。
【0008】
このような構成とすることで、ファイル名やファイル内容に基づいて付加情報を付与し、分類するなど、電子文書等のファイルの振分を容易に行い、業務を効率化することができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、ファイル振分システムは、更に、名称変更部を備え、
前記記憶部は、複数の同義語と代表名を含み、同義語を統一するための名寄せ辞書を記憶し、
前記付加情報決定部は、ファイル名及び/又はファイル内容と前記名寄せ辞書に基づいて、ファイル名及び/又はファイル内の同義語を判定し、判定した同義語に基づいて、代表名を付与する付加情報として決定し、
名称変更部は、前記付加情報決定部が同義語を判定した場合、代表名としてファイル名を変更する。
【0010】
このような構成とすることで、付加情報とファイル名に関して名寄せを行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、
取得したファイルは、画像ファイル、または電子文書ファイルであって、
前記受付部は、ファイル内容に基づいて付加情報として付与するテキストを取得する為のファイル上の範囲を示す範囲情報、及び付与する付加情報の属性に関する付与属性を受け付け、
前記付加情報ルールは、範囲情報及び付与属性に基づいて決定されるルールであって、
前記付加情報付与部は、前記付加情報ルールに基づいてファイル上の前記範囲におけるテキスト部分を取得して、ファイルに付与する付加情報を決定する。
【0012】
このような構成とすることで、電子文書等のファイルに関して、ファイルの表示される場合における範囲を指定して読み取った情報を利用して付加情報を付与し、ファイルの振分を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記振分ルールは、付加情報に基づいてファイルの振分先を決定する為の、付加情報の属性と保管場所の階層が関連付けられた、振分先を決定するためのルールであって、
前記振分部は、振分処理を行う際に、振分先のフォルダが存在しないとき、付与された付加情報とその属性に基づいて、上位の階層のフォルダも含め振分先のフォルダを作成する処理を行う。
【0014】
このような構成とすることで、ファイルに付与されている付加情報と付加情報の属性に基づいて、ファイルの振分先を決定し、決定した振分先がない場合にはフォルダを作成することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、ファイル振分システムは、更に表示処理部を備え、
前記表示処理部は、ファイル振分画面を表示処理し、
前記ファイル振分画面は、振分けるファイルの入力を受け付ける画面であって、振分に利用する付加情報ルール及び振分ルールを指定する複数の文書種別よりいずれかを選択する文書種別選択部を複数備え、
前記ファイル振分画面は、ファイルを前記文書種別選択部に重畳するように移動させることで文書種別の選択及びファイルの入力を行うことができる画面であり、
前記受付部は、ファイル振分画面を介してファイルの入力と文書種別の選択を受け付け、
前記振分部は、文書種別の選択に基づいて選択された文書種別に対応した付加情報ルール及び振分ルールに基づいてファイルの振分処理を行う。
【0016】
このような構成とすることで、画面上で文書種別の選択及びファイルの入力を受け付け、指定した文書種別に対応した方法で容易に付加情報の付与及び振分を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記付加情報ルールは、文書種別を判定し、付与する付加情報を特定するための文書種別判別ルールを含み、
前記付加情報決定部は、前記付加情報ルールに含まれる前記文書種別判別ルールに基づいて文書種別を判定し、特定した文書種別に基づく付加情報を付加情報の付与を行う。
【0018】
このような構成とすることで、ファイル名やファイル内容に基づいて文書種別を判定し、判定した文書種別に対応する方法で付加情報の付与及び振分を行うことができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、ファイル振分システムは、更に検索部と表示処理部を備え、
前記検索部は、ファイルに付与された付加情報に基づいてファイルの検索を行い、
前記表示処理部は、検索結果表示画面を表示処理し、
前記検索結果表示画面は、抽出されたファイルと、ファイルに付与された付加情報とを対応付けて表示する画面である。
【0020】
このような構成とすることで、付加情報を利用してファイルの検索を行うことができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、更にファイルの登録を行った登録者又は更新者に関するユーザ情報を受け付け、
前記記憶部は、ユーザ情報及び文書種別、文書に付与された付加情報及び振り分け日時とファイルと関連付けて記憶する。
【0022】
このような構成とすることで振分を行ったユーザとファイルの振分の履歴を記録し、誰が、いつ、どのファイルに対し、どのような振り分けルールを適用して振り分けを行ったかの記録を把握することができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記振分部は、前記受付部がファイルを受け付けると、振分許可を受け付ける前であるとき、
作業フォルダの場所を特定するための作業フォルダ情報を受け付けたファイルと関連付けて記憶し、
前記作業フォルダは複数のユーザによりアクセス可能なフォルダであって、
前記受付部は、ユーザ端末より振分先及び/又は付加情報の入力を受け付け、作業フォルダのファイルと関連付けて記憶する、
前記振分部は、振分許可を受け付けると、振分処理を行う。
【0024】
このような構成とすることで、振分途中であっても記録を行い、複数のユーザが同時に作業を行い、更に、作業の途中から再開することができる。また、ユーザ端末より振分許可が送信されると、ユーザにより入力された付加情報等も含め、ユーザによる作業が反映された振り分けが行われる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ファイルに関して付加情報を付与し、付与した付加情報を利用してファイルの振分を行う新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】システム全体の構成を示すブロック図
図2】システムのハードウェア構成図
図3】データ構成の例
図4】画面表示例
図5】画面表示例
図6】画面表示例
図7】画面表示例
図8】画面表示例
図9】画面表示例
図10】画面表示例
図11】画面表示例
図12】画面表示例
図13】処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明をよりに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されるが、本発明は、異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本実施形態ではファイル振分装置の構成、動作などについて説明するが、装置などにより実行される方法、コンピュータプログラムなどによっても、同様の作用効果を奏することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよい。
【0028】
ファイル振分システムは、ユーザがアップロードした電子文書等のファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいてファイルに付加情報を付与し、付与した付加情報に基づいてファイルの振分を行う。
【0029】
以下、説明する実施形態において、ユーザは、例えば、企業等の団体に所属する社員等であって、業務等で電子文書を利用する者である。
【0030】
また、本実施形態において、ファイル振分システムが振分管理を行うファイルは、電子文書であって、見積もり、請求書、送り状、注文書、納品書、領収書、契約書、作業日報、稟議書、等ユーザが業務で使用する電子文書であるが、業務で利用されるような電子文書であればどのような電子文書であってもよい。また、ファイルは、電子文書であればどのような形式であってもよく、ワードファイルやテキストファイル、エクセルファイルやPDF、JPEG等のいずれの形式のファイルであってもよい。
【0031】
本実施形態において、ファイル振分装置1は、振分られたファイルをインターネット上に格納するクラウド保存を行うが、ユーザ端末2等の端末内に保存するローカル保存を行ってもよい。
【0032】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、ファイル振分システム0は、ファイル振分装置1と、ユーザ端末2と、を備え、各構成部は、ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。本実施形態においてネットワークNWはIP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0033】
ファイル振分装置1は、振分られたファイルを管理するためのサーバ装置である。図1に示す図では、ファイル振分装置1は、1つのみ図示されるが、ファイルを振分ける機能を有するサーバ装置と振分けられたファイルを格納するためのサーバ装置とで複数の情報処理装置を利用して構成されていてもよい。
【0034】
ユーザ端末2は、ネットワークNWを介してファイル振分装置1と通信可能に構成される、当該システムを利用して電子文書の管理を行うユーザが利用する端末装置である。本実施形態では、ユーザ端末2は、ユーザの所持するPC、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータ端末である。また、本実施形態において、当該システムに利用の登録を行ったユーザの利用する端末装置であり、通常のユーザや管理者等のユーザの有する権限に応じて対応する処理を行うことができる。また、図1においてユーザ端末2は、1つのみ図示されるが、複数存在してもよい。
【0035】
<ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、ファイル振分装置1は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。また、図2(b)に示すように、ユーザ端末2は、処理部201、記憶部202、通信部203、入力部204、及び出力部205を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0036】
ファイル振分装置1としては、汎用のサーバやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を1又は複数利用することができる。また、ファイル振分装置1は、後述する機能構成を備えているが、ファイル振分装置1の備えた機能構成の一部が、ファイル振分装置1と通信可能に構成された別の装置に配置されてもよい。
【0037】
処理部101及び処理部201は、命令セットを実行可能なCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、OS(Operating System)並びに、ファイル振分プログラムなどを実行する。また、本実施形態において、ユーザ端末2の処理部201は、ブラウザアプリケーションや専用のアプリケーションなどのファイル振分システム0を利用するためのプログラムを実行する。
【0038】
記憶部102及び記憶部302は、命令セットを記憶可能なRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、OSなどを記録可能な、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記録媒体を有する。ファイル振分装置1の記憶部102は、ファイル振分プログラムなどの必要なデータを記憶する。また、ユーザ端末2の記憶部202は、ブラウザアプリケーションや専用のアプリケーションなどのファイル振分システム0を利用するためのプログラムを記憶する。
【0039】
ユーザ端末2の記憶部202に記憶される専用のウェブページにアクセスするためのブラウザアプリケーション等の各種データを利用して処理部201が各種処理を行うことで、PCやスマートフォン等の任意のコンピュータ装置が本発明におけるユーザ端末2として機能する。また、スマートフォン等の端末装置は、記憶する専用のアプリケーションを利用して処理を行うことでユーザ端末2として機能する。
【0040】
通信部103及び通信部203は、ネットワークに接続するためのインタフェースを有し、ネットワークとの通信制御を実行して、他の情報処理装置や端末装置との通信を行う。
【0041】
入力部204は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイスなどを備えていてもよい。出力部205は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを備えていてもよい。
【0042】
<データ構成>
図3において、本実施形態において、記憶部102に記憶され、ファイルの振分に利用されるデータ構成の一例を示す。図に示すデータは例であって、データ構成をこの構成に限定するものではない。
【0043】
付加情報は、付加情報ルールに基づいてファイルに付与される情報であり、ファイル及び付加情報の属性と関連付けて記憶される。本実施形態において、付加情報の属性として、取引先の会社名や請求金額、請求日や取引日、見積発行日等を含む。付加情報の属性は、その付加情報がどのような情報を表しているかを示す属性であって、例えば、付加情報が「A株式会社」であれば付加情報の属性は「会社名」である。また、本実施形態において、付加情報は、文書種別に対応する付加情報ルールに基づいて付与されるため、ファイルに付与されている付加情報の内容が同じ「2023年09月19日」等の日付であっても、文書種別が異なる場合などでは「請求日」や「見積発行日」など、異なる属性の付加情報としてファイルに付与される。また、本実施形態において、テキスト(文字列)や日付、金額などの数値等、付加情報のデータ形式を示す付加形式がユーザによって設定される。
【0044】
図3(a)において、ファイルに付与される付加情報の属性の設定に関する付加属性情報の例を示す。付加属性情報は、ファイル振分システム0において利用可能な付加情報の属性に関する情報である。本実施形態において、付加属性情報は、ユーザ端末2を介して設定された情報であるが、その一部が当該システムの管理者によって予め設定された情報であってもよい。ファイル振分装置1は、付加属性情報に基づいてユーザにより選択されたいずれかの属性をファイルに付与する付加情報の属性として付加情報と関連付けて記憶部102に記憶する。付加属性情報は、ファイルに付与される付加情報の属性に関する情報であって、付加情報の属性を管理する一意なIDである属性IDと、属性の名称である属性名と、付加形式と、を含む。また、本実施形態において、付加属性情報は、一意な属性IDにより付加情報に紐づけられる。
【0045】
図3(b)において、記憶部102に記憶される、付加情報ルール及び振分ルールを指定するための文書の分類に関する文書種別情報についてのデータ構成の例を示す。図3(b)に示す文書種別情報は、文書種別を管理するための一意なIDである文書IDと、文書種別名、ファイルを識別する際の識別方法と、識別に利用するキーワードと、付与する付加情報の属性に関する情報である付与属性と、振分先を指定するための振分先指定情報と、を含む。本実施形態において、ファイル振分装置1は、文書種別情報に含まれる識別方法及びキーワードに基づいて設定される文書種別判別ルールを利用して、ファイル名及び/又はファイル内容より文書種別を判定する。付加情報ルールは、付与属性に基づいて生成される付加情報を付与するためのルールであって、記憶部102に記憶される。振分先ルールは、振分先指定情報に基づいて生成される振分先を決定するためのルールであって、記憶部102に記憶される。本実施形態において、図3(b)に示す[会社名]のように[]で囲む情報は変数であって、実際の振分先は付与された付加情報により決定される。例えば、振分先指定情報が「請求書/[会社名]/[請求日]」であるとき、ファイルに付与された付加情報が「A株式会社」(属性:会社名)と「2023年09月19日」(属性:請求日)であれば、そのファイルの振分先となるフォルダは、「請求書/A株式会社/2023年09月19日」という請求書フォルダ内のA株式会社フォルダの中の2023年09月19日フォルダである。
【0046】
文書種別は、付加情報ルール及び振分ルールを特定するための文書の種別であって、例えば、文書種別が請求書であるとき、ファイル振分システム0は、請求書という文書種別に紐づいた請求書用の付加情報ルール及び振分ルールに基づいて付加情報の付与及び振分に関する処理を行う。本実施形態において、文書種別は、業務で利用する文書の種別であって、請求書や見積書、契約書等を含む。また、取引先や当該電子文書を扱う部門によって付与する必要がある付加情報や振分先が異なる場合において、請求書等の同じ電子文書に対して会社ごとや部門ごとで異なる文書分類が設定されていてもよい。本実施形態において、文書種別に一意に付加情報ルール及び振分ルールが紐づき、文書種別が指定されると、ファイル振分システム0は、文書種別と紐づいた付加情報ルール及び振分ルールを利用して付加情報の付与及びファイルの振分処理を行う。
【0047】
図3(c)において、ファイルと関連付けて格納される付加情報を含む文書情報の例を示す。文書情報は、振分られ、保存される電子文書に関する情報であって、ファイル名やファイルサイズ、文書種別や付与された付加情報、ファイルの格納される保管場所(フォルダ)に関する格納情報を含む。本実施形態において、文書情報は、文書種別に関する情報として文書種別名を含むが、文書種別を特定するための一意なIDである文書NO等を含んでいてもよい。また、ファイルと関連付けて記憶される付加情報は、それぞれの属性に関する情報と関連付けて記憶される。図3(c)に示す例では、文書情報は、属性に関する情報として属性名を含むが、付加情報の属性を特定可能な情報であれば、属性を示す一意なIDである属性IDであってもよい。
【0048】
格納情報は、ファイルの振分先として決定された、ファイルが格納されるフォルダを特定するための情報である。格納情報は、ファイルの格納されているフォルダの階層を示す情報であって、本実施形態では、ファイルが格納されるフォルダの場所を指定するパスであるが、ファイルがクラウド上に格納される場合などファイルに直接アクセスできる情報としてURL(Uniform Resource Locator)を含んでいてもよい。
【0049】
また、文書情報は、図3(c)に図示されないが、ファイル名が変更される前の元のファイル名である元ファイル名と、ファイルが登録された登録日と、ファイルを登録したユーザに関する登録者と、ファイルの最終更新日と、ファイルを更新したユーザに関する更新者と、を含む。本実施形態において、登録者及び更新者に関する情報は、ユーザに関するユーザ情報であって、本実施形態では、ユーザを特定する一意なユーザIDである。
【0050】
付加情報ルールは、ファイルに付与する付加情報を設定するためのルールであって、付与される付加情報の属性(付与属性)とファイルの識別方法に基づいて決定される。また、ファイル内容に基づいて識別される場合、付加情報ルールは、ファイル内容に基づいて識別を行うための読み取りを行う範囲に関する範囲情報も用いて決定される。
【0051】
振分ルールは、ファイルの振分先を決定するためのルールであって、ユーザ端末2より受け付けた振分先の設定に基づいて生成される。本実施形態において、振分先ルールは、ユーザ端末2より受け付けた付加情報の属性とフォルダの階層の関連性に関する情報を含む。
【0052】
<機能構成>
ファイル振分装置1は、図1に示すように機能構成として、受付部11と、付加情報決定部12と、振分部13と、名称変更部14と、検索部15と、表示処理部16と、を備える。これは、ソフトウェア(記憶部などに一過的又は非一過的に記憶されたプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部など)によって具体的に実現されたものである。
【0053】
受付部11は、振分けるファイルと振分に関する設定を含む各種情報を受け付け、記憶部102に記憶する処理を行う。本実施形態において、受付部11は、ユーザ端末2より振分けるファイルを受け付ける処理を行うが、ファイルを他の情報処理装置より受け付ける処理を行ってもよい。例えば、受付部11は、メールサーバなどにおいて送信したファイルや受信したファイル、ファイルの格納場所等、外部の情報処理装置よりAPI(Application Programming Interface)経由で送信されるファイル、又はファイルの格納場所に関する情報を受け付けてもよい。API経由で送信される際のAPIのリクエストは、ファイル(又はその格納場所)とともにユーザを識別するためのトークンやユーザID等の識別情報を含むと共に、後述する付加属性情報、付加情報ルール等の振分けに利用する設定情報が識別情報に紐づけられることで参照可能に構成され、受付部11は、ユーザの識別情報に基づいて選択される設定情報を用いて、以降の処理を行うことができる。
【0054】
まず、振分に関する設定を受け付ける処理に関して説明を行う。受付部11は、ユーザ端末2より付加情報の属性を含む付加属性情報を受け付け、記憶部102に記憶する。
【0055】
受付部11は、付加情報ルール及び振分ルールの設定前にファイル振分システム0において利用する付加情報の属性の設定に関する情報である付加属性情報を受け付ける。本実施形態において、受付部11は、付加情報の属性と、付加形式と、を含む付加属性情報を受け付ける。本実施形態において、受付部11は、更に、「A株式会社」という単語の付加情報としての属性は「会社名」であるなど、ファイルの振分前の設定として付加情報として利用する単語とその単語の付加情報としての属性を受け付ける。
【0056】
また、受付部11は、ファイルの振分前に名寄せ処理に利用される名寄せ辞書に関する設定を受け付ける。本実施形態において、受付部11は、名寄せ辞書に関する設定として複数の同義語(例えば、「A社」「株式会社A」等)とそれを統一するための代表名(例えば、「A株式会社」)を受け付け、名寄せ辞書として登録する。また、名寄せ辞書に関する設定として、受付部11は、同義語の代表名が「A株式会社」など会社名を示す場合には付加情報の属性として「会社名」を受け付けるなど、代表名に基づいて統一される同義語に関する付加情報の属性を受け付ける。
【0057】
また、受付部11は、ユーザ端末2より文書種別及びそれに紐づく付加情報ルール及び振分ルールに関する設定として、文書種別情報を受け付ける。受付部11は、ファイル名およびファイル内容に基づいて付加情報を付与する場合の両方に関して、付与属性を受け付ける。付与属性は、ファイルに付与する付加情報の属性である。本実施形態において、受付部11は、振分ルール及び付加情報ルールの設定の際に、付加属性情報の選択を受けつけ、付与属性を記憶する。
【0058】
また、本実施形態において、受付部11は、ファイル内容に基づいて文書種別及び付加情報が選択される場合、ファイルを読み取り、付加情報の付与に利用するファイル上の範囲を指定する範囲情報を受け付ける。本実施形態において、範囲情報は、画面上でファイルを表示した際の表示画面上における座標である。本実施形態において、受付部11は、文書種別の判定のために利用される範囲情報をキーワードと関連付けて受け付け、付加情報の付与に利用される範囲情報を付加情報の属性と関連付けて受け付ける。
【0059】
受付部11は、振分先を決定するための振分ルールに関して、振分先指定情報を受け付ける。受付部11は、振分先指定情報として、ファイル名や付加情報の属性をフォルダの階層と関連付けて受け付ける。
【0060】
更に、受付部11は、ファイルを検索する際の条件に関する検索条件を受け付ける。検索条件は、ファイルの検索に利用される条件であって、キーワードや更新日等の日付、金額等の数値を含む。また、本実施形態において、受付部11は、属性ごとの検索に関する条件を受け付ける際、例えば、付加形式がテキストであればキーワードを受け付け、付加形式が日付であれば期間を受け付け、金額等の数値であれば数値範囲を受け付けるなど、付加形式に基づいて条件を受け付ける。
更に、受付部11は、登録時又はファイルの更新時に、更にファイルの登録を行った登録者又は更新者に関するユーザ情報を受け付け、受け付けたユーザ情報を、文書種別、文書に付与された付加情報及び振り分け日時とファイルと関連付けて記憶部102に記憶する。
【0061】
また、本実施形態において、受付部11は、ユーザ端末2より振り分けに関する許可である振分許可を受け付ける。振分許可を受け付ける前であるとき、受付部11は、付加情報及び/又は付加情報ルール及び振り分け先ルールを生成するための文書種別情報を受け付けると、作業記録として記憶部102に記憶してもよい。
【0062】
付加情報決定部12は、ファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、文書種別の判定及びファイルに付与する付加情報を決定する。本実施形態において、付加情報決定部12は、ユーザにより選択された付加情報の識別方法に基づいてファイルを識別し、文書種別の判定及び付加情報の決定を行うが、ファイルの形式やファイル名の等に基づいて識別方法を決定し、文書種別の判定及び付加情報の決定を行ってもよい。
【0063】
以下、ファイル名に基づいて付加情報を決定する際の処理について説明を行う。例えば、付加情報決定部12は、文書種別に基づいて決定された付加情報ルールにおいて、属性が「会社名」と「取引日」である付加情報を付与することが設定されている場合、ファイル名に含まれる会社名及び日付(取引日)を判定して付加情報を決定するなど、ファイル名に含まれる単語を判定し、付加情報ルールに基づいて付与する付加情報を決定する。また、本実施形態において、付加情報決定部12は、ユーザにより受け付けた単語とその付加情報としての属性に関する設定(付与属性)に基づいて付与する付加情報を決定する。
【0064】
また、本実施形態において付加情報決定部12は、付加情報ルール及び付加属性情報に含まれる付加形式に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定する。付加情報決定部12は、付与する付加情報の付加形式が日付である場合、ファイル名に含まれる「2023年09月19日」や「20230919」のような日付を判定して「取引日」を属性とする付加情報としてファイルに付与する。また、付加情報決定部12は、付加情報ルールに基づいて、付加情報の付加形式が日付である付加情報が一つである場合は、ファイル名に含まれる日付を「取引日」や「請求日」等の付加形式が日付である属性を付与する付加情報の属性として決定するが、ファイル名に日付が複数含まれる場合などは、その並び順や日付の前後に基づいて、例えば、「契約開始日」と「契約終了日」など、いずれの属性として付加情報を付与するか決定してもよい。
【0065】
本実施形態において、付加情報決定部12は、ファイル名に含まれる単語に基づいて付与する付加情報を決定するが、記憶部102がそれぞれの属性に対応する付加情報を付与するためのテーブルを記憶し、テーブル及びファイル名に含まれる所定の単語に基づいて特定の付加情報を付与する付加情報として決定してもよい。また、付加情報決定部12は、また、「会社名_取引日」等、ファイル名が所定の形式である場合、その形式に基づいて、付与する付加情報及びその属性を決定してもよい。また、付加情報決定部12は、ファイル名に「株式会社」という単語が含まれる場合、その前後のテキストを付与する付加情報として決定する等、ファイル名に含まれる所定の単語に基づいて付与する付加情報を決定してもよい。
【0066】
以下、ファイル内容に基づいて付与する付加情報を決定する際の処理について説明を行う。本実施形態において、付加情報決定部12は、画像化されたファイル上の所定の位置に配置されるテキスト(文字列)を取得し、付与する付加情報を決定する。
【0067】
本実施形態において、付加情報決定部12は、付加情報ルールに含まれる範囲情報に基づいて、画像化されたファイル上の指定される範囲内に表示されるテキストを読み取り、付与する付加情報を決定するものとするが、ファイル内の文字列に基づいて付加情報を決定してもよい。本実施形態において、付加情報決定部12は、活字や手書きテキスト等の画像データを読み取り、文字データに変換する技術であるOCR(Optical character recognition)技術を用いて実現される。本実施形態において、付加情報決定部12は、読み取ったテキストを利用して付与する付加情報を決定するが、読み取った会社ロゴや社判などの画像に基づいて付与する付加情報を決定してもよい。
【0068】
また、付加情報決定部12は、ファイル名及び/又はファイル内容と名寄せ辞書に基づいて同義語を判定し、判定した同義語に基づいて、代表名として付加情報を付与する処理を行う。本実施形態において、付加情報決定部12は、ファイル名及び/又はファイル内容とユーザにより設定された名寄せ辞書に基づいて、例えば、ファイル名に含まれる「A」や「株式会社A」などを同義語として判定すると、代表名の「A株式会社」を付与する付加情報として決定するなど、判定した同義語に基づいて付与する付加情報を決定する。
【0069】
振分部13は、ファイルに付与された付加情報及び振分ルールに基づいてファイルの振分先を決定する。例えば、ファイルに「会社名」という属性の「A株式会社」、「請求日」という属性の「2023年09月19日」という2つの付加情報が付与され、振分ルールとして、ファイルの属性に関して、「会社名/請求日」というフォルダに振分けることが設定されている場合、振分部13は、付加情報とその属性に基づいて「A株式会社/2023年09月19日」という「A株式会社フォルダ」内の「2023年09月19日フォルダ」を振分先として決定する。
【0070】
振分部13は、ファイルの振分先として決定されたフォルダが存在しない場合、文書種別情報に含まれる振分先指定情報とファイルに付与された付加情報及びその属性に基づいて振分先となる階層に上位の階層のフォルダも含めてフォルダを作成する。また、振分部13は、一つの付加情報に基づいて複数の階層のフォルダを作成してもよい。本実施形態において、振分部13は、「請求日」という属性の「2023年09月19日」という付加情報に基づいて、「請求書/A株式会社」というフォルダに格納された「/2023年09月19日」というフォルダだけでなく、「/2023年/09月/19日」というフォルダや、「/2023年09月/19日」というフォルダ、「/2023年/09月19日」というフォルダを振分先として決定すると共に、生成してよい。また、例えば、振分部13は、「会社名」という属性の「A株式会社」という付加情報に基づいて、「請求書/A株式会社」というフォルダだけでなく、「請求書/株式会社/A株式会社」というフォルダを振分先として決定すると共に、生成してよい。
【0071】
また、振分部13は、振分先を決定し、振分先として決定されたフォルダに格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報及び付与される付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う。本実施形態において、振分部13は、受付部11がユーザ端末2より受け付けたファイルのコピーを作成し、振分先として決定されたフォルダにコピーのファイルを格納することで振分に関する処理を行う。
【0072】
本実施形態において、振分部13は、文書種別に基づいて決定される上位フォルダの内部の付加情報によって決定されるサブフォルダを格納先として決定する。本実施形態において、上位フォルダは、複数の文書種別情報が対応付けられ、複数の文書種別のファイルが格納される。振分先ルールは、複数の文書種別の条件に対応している場合、複数の文書種別に対して優先順位が指定され、振分先が一意に決定するようになることが望ましい。付加情報決定部12は、付加情報の付与に関しては、複数の文書種別のうち優先順位の高い文書種別の付加情報ルールに従い、付加情報を付与してもよいが、条件を満たすすべての文書種別の付加情報ルールに従い、付加情報を付与してもよい。
【0073】
振分許可を受け付ける前であるとき、振分部13は、受付部11がファイルを受け付けると、作業フォルダのパス等、作業フォルダの場所を特定するための作業フォルダ情報を、受付部11が受け付けたファイルと関連付けて記憶する。このとき、受付部11は、受け付けたファイルを作業フォルダに格納する。作業フォルダは、付加情報決定部12が付加情報を付与すると共に、振分部13が振分先を決定して、振分先として決定されたフォルダへの格納前のファイルを格納するためのフォルダである。受付部11は、作業フォルダに格納された振分先への格納先のファイルに対する振分先及び/又は付加情報の入力、変更、削除等を受け付け、作業フォルダのファイルと関連付けて記憶することで、付加情報の変更や振分先の変更に関する情報を一時的に記録する。そして、受付部11が、振分許可を受けつけると、振分部13が振分先として決定されたフォルダにファイルを格納し、ファイルと格納情報及び付与された付加情報を関連付けて記憶部102に記憶する格納処理を行う。
【0074】
作業フォルダは、複数のユーザによりアクセス可能であってもよい。本実施形態において、作業フォルダにアクセスする複数のユーザは、同じ企業に属する複数の社員や、企業の同じ部門に所属する複数の社員等、グループに属する複数のユーザである。複数のユーザは、作業フォルダに格納された同じファイルを確認すことが可能である。
【0075】
名称変更部14は、ファイルに付与されている付加情報に基づいて、ファイル名の変更を行う。本実施形態において、「請求書_[会社名]_[請求日]」等、付加情報の属性と関連付けてファイル名に関する設定が記憶部102に記憶されている。名称変更部14は、受付部11が受け付けたファイル名に関する設定とファイルに付与されている付加情報に基づいて、例えば、ファイル名に関する設定が「請求書_[会社名]_[請求日]」であり、ファイルに付与された付加情報が「A株式会社」(属性:会社名)と、「2023年09月19日」(属性:請求日)であるとき、「請求書_A株式会社_2023年09月19日」として、ファイル名を変更してもよい。このとき、[]で囲われた属性は、変数である。そのため、実際のファイル名は、付与されている付加情報に基づいて決定される。名称変更部14は、付加情報決定部12が決定した付加情報とその属性を参照して、ファイル名を決定する。
【0076】
名称変更部14は、付加情報決定部12が名寄せ辞書に基づいて同義語を判定した場合、代表名を利用してファイル名の変更を行う。
【0077】
検索部15は、ユーザ端末2より受け付けた検索条件と、ファイルに付与された付加情報に基づいて、フォルダに格納されているファイルの検索を行う。検索条件は、ユーザ端末2より受付部11が受け付ける検索のための条件であって、本実施形態において、付与される付加情報や文書種別等に関する条件を含む。本実施形態において、検索部15は、検索条件に基づいて、特定のキーワードを含むファイル等、条件を満たすファイルを抽出する処理を検索処理として行う。本実施形態において、検索部15は、付加情報の属性及びキーワードを検索条件として受け付け、指定された属性の付加情報に指定されたキーワードを含むファイルを抽出するなど、付加情報の属性を指定して設定された条件に基づいて、条件を満たす付加情報が付与されたファイルを抽出する処理を検索処理として行う。また、検索部15は、ユーザに選択された文書種別に基づいて、画面上に付加情報の属性別の検索欄を表示させ、属性別の検索欄に入力された1又は複数の属性に関する検索条件を利用して、ファイルの検索を行ってもよい。また、本実施形態において、検索部15は、受付部11が検索に利用する付加情報の属性の指定を受け付けると、例えば、付加形式がテキストであれば所定のキーワードを含む付加情報を付与されたファイルを抽出し、付加形式が日付であれば所定の期間内の日付である付加情報を付与されたファイルを抽出し、金額等の数値であれば所定の数値範囲の付加情報を付与されたファイルを抽出するなど、指定された属性における付加形式に基づいて決定する検索方法を利用して検索を行う。
【0078】
更に、検索部15は、付加情報の付加形式とキーワードや数値範囲等の条件を検索条件として受けつけ、指定された付加形式の付加情報に指定されたキーワードを含むなど、付加情報の付加形式を指定して設定された条件に基づいて、指定された付加形式の付加情報であり、条件を満たす付加情報を付与されたファイルを抽出する処理を検索処理として行う。例えば、検索部15は、付加形式の指定を「年月日」、条件を「2023年1月1日から2023年9月30日」として受け付けると、付加形式が「年月日」である付加情報を付与されたファイルより2023年1月から9月までの条件を満たす付加情報が付与されたファイルの抽出を行う。
【0079】
また、検索部15は、付加情報の属性のカテゴリと条件を受け付け、指定されたカテゴリに含まれる属性の付加情報を付与されたファイルより条件を満たす付加情報が付与されたファイルを抽出する処理を検索処理として行ってもよい。例えば、「請求先会社」と「支払先会社」という属性を含む属性のカテゴリ「社名」が設定されているとき、振分部13は、カテゴリとして「社名」の選択を受け付けると、指定されたカテゴリに含まれる「請求先会社」及び「支払先会社」という属性の付加情報が付与されているファイルより、指定されたカテゴリに含まれる属性に関して条件を満たす付加情報が付与されているファイルを抽出する。
【0080】
表示処理部16は、ユーザ端末2において、ファイル振分画面と検索結果表示画面を含む各種画面を表示するための表示処理を行う。
【0081】
ファイル振分画面は、振分けるファイルの入力を受け付ける画面であって、複数の文書種別よりいずれかを選択する文書種別選択部を複数備える画面である。本実施形態において、画面上に表示される文書種別選択部に重畳するようにファイルを移動するドラッグアンドドロップ操作を行うことでファイルの入力及び文書種別の選択を受け付ける画面である。また、検索結果表示画面は、検索部15における検索の結果を表示するための画面であって、検索処理により抽出された検索条件を満たすファイルとそのファイルに付与された付加情報が対応付けて表示される画面である。本実施形態において、表示処理部16は、ファイルの横にそのファイルに付与された付加情報を表示するように表示処理を行うが、ファイルとそのファイルに付与された付加情報の関連性がわかる表示画面であればどのような画面で表示処理を行ってもよい。
【0082】
<画面表示例の説明>
以下、図面を用いて表示処理部16により表示処理される画面の例を示す。
【0083】
図4において、付加情報を設定するための付加情報作成画面の画面表示例を示す。本実施形態において、受付部11は、付加情報作成画面W1を介して入力された付加属性情報を受け付ける。
【0084】
図4に示す、付加情報作成画面W1は、付加情報に関する設定として付加属性情報の入力を受け付ける画面であって、付加情報の属性を受け付ける属性入力部W11と、付加情報の形式である付加形式を受け付ける付加形式入力部W12と、を備える画面である。また、本実施形態において、付加情報は、画面に表示される際に、属性に対応して着色された図形によって囲まれて表示される。付加情報作成画面W1は、着色する際の色に関する入力を受け付ける。
【0085】
図5から図8を用いて付加情報ルール及び振分ルールを受け付けるための振分設定画面W2の画面表示例を示す。本実施形態において、振分設定画面W2は、付加情報ルール又は振分ルールの入力を行い、「次へ」と記載されているボタンを押下することで入力可能な情報が切り替わる画面であるが、画面表示の切り換えの無い一つの画面であってもよい。
【0086】
図5に示す振分設定画面W2は、文書種別を受け付けるための文書種別入力部W21を含む。また、本実施形態に示す振分設定画面W2は、文書種別とともに文書種別を管理するための文書番号を受け付けているが、文書番号が文書種別の登録時に自動的に付与されるID等であってもよい。また、本実施形態において、振分設定画面W2は、今までに登録された文書種別の表示を行う。本実施形態において、受付部11は、振分設定画面W2を介して入力された文書種別名を受け付け、記憶する。
【0087】
図6に示す振分設定画面W2’は、図5に示す振分設定画面W2の「次へ」と記載されるボタンが押下されることで切り換わった画面の表示例である。図6に示す振分設定画面W2’は、文書種別を判定するための識別方法を含む文書種別情報を受け付けるための画面であって、ファイルを識別する方法に関する選択を受け付ける識別方法選択部W22と、文書種別を識別するためのキーワードを受け付けるキーワード入力部W23と、を備える。本実施形態において、識別方法選択部W22は、ファイル名又はファイル内容のいずれを用いて文書種別の判定及び付加情報の付与を行うかの選択を受け付けることが可能であるが、両方を用いることが選択可能であってもよい。また、キーワード入力部W23は、文書種別を識別するためのキーワードを含む文書種別を識別するための条件を入力するための入力部である。本実施形態において、振分設定画面W2’において入力された識別方法とキーワードによって構成される文書種別判別ルールに基づいて、特定のキーワードをファイル名及び/又はファイル内容に含むファイルが、特定の文書種別として判定される。文書種別を識別するためのキーワードとして入力される単語は、一又は複数であってもよく、また、複数の単語をファイル名又はファイル内容に含むことをキーワード入力部W23において入力可能であってもよい。本実施形態において、受付部11は、振分設定画面W2’を介して、文書種別情報に含まれる識別方法及びを受け付ける。
【0088】
図7に示す、振分設定画面W2’’は、図6に示す振分設定画面W2’の「次へ」と記載されるボタンが押下されることで切り換わった画面の表示例である。振分設定画面W2’’は、振分先を指定するための振分先フォルダ入力部W24を備える。振分先フォルダ入力部W24は、振分ルールを受け付けるための入力部である。本実施形態において、図7に示す振分先フォルダ入力部W24は、振分先として指定される最も上の階層のフォルダ(上位フォルダ)に関する設定を受け付けるための入力部である。本実施形態において、上位フォルダは、文書種別に対応する最も上の階層のフォルダであって、文書種別情報の入力の際に入力されたフォルダである。
本実施形態において、振分られたファイルは、振分先フォルダ入力部W24において「請求書フォルダ」が選択されると、「請求書フォルダ」内や「請求書/会社名フォルダ」内のように、振分先フォルダ入力部W24において入力されたフォルダ又はその下の階層のフォルダに格納される。また、振分先フォルダ入力部W24において入力されたフォルダの下の階層は、付加情報の属性に基づいて決定される。本実施形態において、ファイルが振分られる振分先のフォルダは、振分先フォルダを決定することで決定される上位フォルダとその下位のサブフォルダを含む。更に、上位フォルダは、本実施形態において、文書種別に基づいて決定されるフォルダであって、ファイルの振分に関する設定の前に設定されたフォルダである。
【0089】
図8に示す、振分設定画面W2’’’ は、図7に示す振分設定画面W2’’の「次へ」と記載されるボタンが押下されることで切り換わった画面の表示例である。振分設定画面W2’’’は、付加情報ルールを受け付ける付加情報ルール設定部W25と、振分ルールを受け付ける、サブフォルダ入力部W26を備える。付加情報ルール設定部W25は、図5に示す文書種別入力部W21において入力された文書種別と判定されたファイルに付与される付加情報に関する設定である付加情報ルールを受け付ける入力部である。ここで入力された属性を有する付加情報がファイルに付与される。
【0090】
サブフォルダ入力部W26は、振分先フォルダ入力部W24において入力されたフォルダの下の階層のフォルダを指定するための設定を受け付ける入力部である。本実施形態において、サブフォルダ入力部W26は、ファイルに付与される付加情報より、いずれの付加情報を用いて振分先フォルダ入力部W24において指定されるフォルダの下の階層のフォルダを指定するかに関する設定を受け付ける。例えば、サブフォルダ入力部W26は、付加情報ルール設定部W25において、付加情報として「取引年月日」、「会社名」という属性を有する付加情報を付与することが設定されている場合、「会社名」フォルダ内の「取引年月日」フォルダに格納する等、格納先のフォルダの階層とその名称に関する設定を受け付ける。また、サブフォルダ入力部W26は、格納先のフォルダの名称に関する設定を受け付ける。本実施形態において、振分先フォルダ入力部W24及びサブフォルダ入力部W26において入力された情報が、ファイルの振分先を指定する振分先ルールとして利用される。また、本実施形態において、サブフォルダ入力部W26は、振分先のフォルダを特定するための情報として付加情報の属性を受け付けるが、付加情報自体を設定として受け付けてもよい。本実施形態において、受付部11は、振分設定画面W2-W2’’’ に表示される入力部を介して、付加情報ルール及び振分ルールの生成に用いられる文書種別情報を受け付ける。
【0091】
図9において、ファイル内容に基づいて文書種別の判定及び付与する付加情報と決定する場合における設定を受け付けるための設定受け付け画面W3を示す。受付部11は、設定受け付け画面W3を介して入力された読取を行う位置の範囲に関する範囲情報を受け付け、記憶する。設定受け付け画面W3は、電子文書のテンプレートを表示し、表示したテンプレート上のいずれの部分を読み取って文書種別の判定及び付与する付加情報を決定するかの設定を受け付けるための画面であって、テンプレート表示部W31と、電子文書上の読み取りを行う範囲の設定を開始するためのボタンである座標設定ボタンW32と、を備える。テンプレート表示部W31は、電子文書のテンプレートを表示する表示部である。座標設定ボタンW32は、押下されるとテンプレート表示部W31上に枠が表示され、表示された枠の座標が文書種別の判定又は付加情報の設定に利用される座標として入力される。
【0092】
本実施形態において、ファイル内容に基づいて文書種別の判定及び/又は付加情報の決定が行われる際の電子文書上で読み取られる範囲の座標は、テンプレート上に表示される枠の座標に基づいて入力されるが、ピクセル座標等、電子文書上の縦軸と横軸における座標が数値で直接入力されてもよい。本実施形態において、付加情報決定部12は、表示されるテンプレート上の選択された範囲より読み取ったテキストに基づいて文書種別の判定及び付加情報の付与を行う。また、受付部11は、設定受け付け画面W3上で入力された座標を含む読み取り範囲情報を受け付け、記憶部102に記憶する。
【0093】
図10において、ファイルの振分前に表示されるファイル振分画面W4の画面表示例を示す。ファイル振分画面W4は、振分けるファイルを入力するための画面であって、ファイル入力部W41と、複数の文書種別選択部W42と、を含む。受付部11は、ファイル振分画面W4を介して入力されたファイルを受け付け、記憶部102に記憶する。
【0094】
ファイル入力部W41は、ファイルを入力するための入力部である。本実施形態において、受付部11は、ドラッグアンドドロップ操作を利用してファイル入力部W41に重畳するように移動されたファイルを振分けるファイルとして受け付けるが、ファイル名やファイルのアイコンを押下することで選択されたファイルを振分けるファイルとして受け付けてもよい。また、本実施形態において、ファイル入力部W41に入力されたファイルは、ファイル名やファイル内容に基づいて文書種別の判定が行われる。
【0095】
文書種別選択部W42は、文書種別を選択するための選択部である。本実施形態において、受付部11は、ドラッグアンドドロップ操作で文書種別選択部W42に重畳するように移動されたファイルを振分けるファイルとして受け付ける。また、ファイル振分画面W4に表示される複数の文書種別選択部W42は、それぞれ異なる文書種別に対応するため、ドラッグアンドドロップ操作によりファイルと重畳された文書種別選択部W42に対応する文書種別が受け付けたファイルの文書種別として選択される。文書種別選択部W42においてファイルが入力された場合、付加情報決定部12及び振分部13は、選択された文書種別に基づいて付加情報の付与及びファイルの振分を行う。
【0096】
図11において、振分部13により決定されたファイルの振分先を表示する振分先表示画面W5の画面表示例を示す。本実施形態において、振分先表示画面W5は、ファイルに付与された付加情報及び振分先を確認するための画面であって、ファイルの振分先及びファイルに付与された付加情報がファイルと対応付けて表示される画面である。ファイルと対応付けて表示される付加情報は、ユーザが直感的に付加情報の属性を認識しやすくするため、付加情報の属性に応じて設定された有彩色又は無彩色で着色された図形(本実施形態では角丸四角形)で囲われて表示される。本実施形態において、振分部13は、右上に表示される「アップロード」と記載されるボタンが押下されると、ユーザ端末2より振分に関する許可が送信され、ファイルを振分先であるフォルダに格納し、ファイルの振分先、及び付与された付加情報を関連付けて記憶部102に記憶する。
【0097】
本実施形態において、表示処理部16は、振分先表示画面W5において、ファイルの右側に表示される吹き出しの形をしたアイコンが押下されると、付加情報の修正及び新たな付加情報の入力を行うことが可能な入力画面を表示することができる。また、受付部11は、振分先表示画面W5において選択された振分けるファイル及び振分けないファイルの選択を受け付けてもよい。
【0098】
図12において、ファイルの検索を行うための検索画面W6の例を示す。検索画面W6は、文書種別選択部W61と、複数の付加情報条件入力部W62と、を備える。文書種別選択部W61は、文書種別情報に基づいて、設定された文書種別よりいずれかの文書種別を選択することが可能な選択部である。付加情報条件入力部W62は、それぞれの属性に関して付加情報の検索に関する検索条件を入力可能な入力部である。付加情報条件入力部W62は、それぞれの属性の付加形式に基づいて入力可能な情報が異なる。本実施形態において、付加情報条件入力部W62は、付加形式がテキスト(文字列)であれば、検索のキーワードが入力可能な入力部であり、付加形式が日付であれば期間が入力可能な入力部であり、付加形式が金額等の数値であれば、数値の範囲が入力可能な入力部である。また、図12に示す例では、検索画面W6は、文書種別選択部W61において選択された文書種別のファイルに付与されるものとして設定されている属性に関する付加情報条件入力部W62を表示する画面であるが、ユーザにより検索に利用する付加情報の属性として選択された属性に関する付加情報条件入力部W62を表示する画面であってもよい。受付部11は、検索画面W6を介して入力された、選択された文書種別及びそれぞれの属性に係る検索のための条件を検索条件として受け付ける。
【0099】
<処理のフロー>
図13を用いて、ファイル振分システム0における処理の流れの説明を行う。表示処理部16は、ファイル振分画面を表示処理する(S101)。ファイル表示画面が表示されているユーザ端末2は、振分けるファイルの入力を受け付け、入力されたファイルをファイル振分装置1に送信する(S201)。ファイル振分画面において文書種別が選択されている場合、ユーザ端末2は、ファイルとともに選択された文書種別を送信する。受付部11は、ユーザ端末2より送信されたファイルを受け付ける(S102)。文書種別が選択されている場合、受付部11は、ファイルとともに文書種別を受け付ける。ユーザ端末2において文書種別が選択されていない場合、付加情報決定部12は、受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容に基づいてファイルの文書種別を決定する。付加情報決定部12は、ファイルの文書種別に対応する付加情報ルールとファイル名及び/又はファイル内容に基づいてファイルに付与する付加情報を決定する(S103)。振分部13は、決定された付加情報と文書種別に対応する振分ルールに基づいてファイルの振分先を決定する(S104)。表示処理部16は、決定された振分先と決定された付加情報に基づいて振分先表示画面を表示処理する(S105)。ユーザが振分先や付加情報を確認すると、ユーザ端末2は、振分に関する許可の入力を受け付け、受け付けた許可をファイル振分装置1に送信する(S202)。受付部11がユーザ端末2より許可を受け付けると、振分部13は、ファイルを振分先として決定されたフォルダに格納するとともに、ファイルをファイルの振分先、及び付与された付加情報と関連付けて記録する振分処理を行う(S106)。
【符号の説明】
【0100】
0 ファイル振分システム
1 ファイル振分装置
2 ユーザ端末
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ファイルに関して付加情報を付与し、付与した付加情報を利用してファイルの振分を行うファイル振分システム、ファイル振分方法及びファイル振分プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】ファイル振分システムにおいて、ファイル振り分け装置は、ファイル名及び/又はファイル内容に基づいて、ファイルに付与する付加情報を決定するためのルールである付加情報ルール及び振分先の決定を行う振分ルールを記憶する記憶部と、ファイルを受け付ける受付部と、受け付けたファイルのファイル名及び/又はファイル内容、並びに付加情報ルールに基づいてファイルに付与する付加情報を決定する付加情報決定部と、付加情報及び振分ルールに基づいて振分先を決定し、受け付けたファイルを振分先に格納するとともに、ファイルの振分先に関する格納情報及び付与される付加情報を関連付けて記録する振分処理を行う振分部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13