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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
A47B13/00 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019195383
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021065613
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】富樫 駿輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-061088(JP,A)
【文献】特開2003-009364(JP,A)
【文献】米国特許第06647900(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00-13/02
A47G 5/00
H02G 3/22、3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に固定された仕切板支持部材と、
該仕切板支持部材に支持され、空間を区画する仕切板と、を備える仕切構造と、
床面上に設置され、前記天板を支持する支持構造体と、を備えた天板付什器であって、
前記仕切板支持部材は、
前記天板に固定された固定部と、
前記固定部に設けられ、前記仕切板を、該仕切板で区画する空間が対向する方向に揺動可能に支持する仕切板支持部と、
前記固定部に設けられ、配線ケーブルを支持するケーブル支持部と、を有し、
前記仕切板支持部材の前記固定部は、前記天板の下面に固定され、
前記仕切板は、前記天板の下方の空間を区画する幕板であり、
該幕板は、上端部を中心として、前記幕板で区画される両側の空間が対向する対向方向に下端部が移動するように揺動可能とされ、
前記仕切板支持部は、
前記固定部から垂下する垂下部と、
該垂下部に設けられ、前記対向方向に延出する係止部と、を有し、
前記幕板には、前記対向方向に貫通する係止孔が形成され、
前記係止孔は、前記係止部に係止され、
前記係止部における前記対向方向の一方側の端部と前記固定部の基台底部との間には空間部が形成され、
前記係止部における前記対向方向の一端部側の端部に、前記係止孔が通過可能である天板付什器。
【請求項2】
前記ケーブル支持部は、前記仕切板支持部よりも上方に配置されている請求項1に記載の天板付什器。
【請求項3】
前記ケーブル支持部は、前記幕板における前記対向方向の両側に配置されている請求項1または2に記載の天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや公共施設、医療施設等の執務空間においては、利用者が作業面(天板上面)を使用可能な天板付什器が設置されている。
【0003】
天板付什器として、離間して配置された複数の脚体と、複数の脚体に支持された天板と、天板の下方に配置された仕切板と、を備えた構成が知られている。仕切板によって、利用者側の空間と外部空間とが区画されている。
【0004】
下記の特許文献1には、仕切板が仕切板の板厚方向に揺動可能に設けられた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4168913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の仕切板が設けられた構成で、仕切板の両側の空間に電子機器の配線ケーブルが配置される場合には、仕切板が揺動すると仕切板と配線ケーブルとが干渉してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仕切板が揺動しても仕切板と配線ケーブルとが干渉することがない天板付什器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る天板付什器は、天板に固定された仕切板支持部材と、該仕切板支持部材に支持され、空間を区画する仕切板と、を備える仕切構造と、床面上に設置され、前記天板を支持する支持構造体と、を備えた天板付什器であって、前記仕切板支持部材は、前記天板に固定された固定部と、前記固定部に設けられ、前記仕切板を、該仕切板で区画する空間が対向する方向に揺動可能に支持する仕切板支持部と、前記固定部に設けられ、配線ケーブルを支持するケーブル支持部と、を有し、前記仕切板支持部材の前記固定部は、前記天板の下面に固定され、前記仕切板は、前記天板の下方の空間を区画する幕板であり、該幕板は、上端部を中心として、前記幕板で区画される両側の空間が対向する対向方向に下端部が移動するように揺動可能とされ、前記仕切板支持部は、前記固定部から垂下する垂下部と、該垂下部に設けられ、前記対向方向に延出する係止部と、を有し、前記幕板には、前記対向方向に貫通する係止孔が形成され、前記係止孔は、前記係止部に係止され、前記係止部における前記対向方向の一方側の端部と前記固定部の基台底部との間には空間部が形成され、前記係止部における前記対向方向の一端部側の端部に、前記係止孔が通過可能である
【0009】
このように構成された天板付什器では、固定対象物に固定部が固定された仕切板支持部材の仕切板支持部によって、仕切板は仕切板で区画する空間が対向する方向に揺動する。仕切板支持部材のケーブル支持部によって、配線ケーブルは支持されている。よって、仕切板が揺動しても、配線ケーブルはケーブル支持部で支持されているため、仕切板と配線ケーブルとが干渉することがない。
また、固定対象物に固定部が固定された仕切板支持部材の仕切板支持部によって、仕切板は仕切板で区画する空間が対向する方向に揺動する。仕切板支持部材のケーブル支持部によって、配線ケーブルは支持されている。よって、仕切板が揺動しても、配線ケーブルはケーブル支持部で支持されているため、仕切板と配線ケーブルとが干渉することがない。
また、幕板の係止孔を仕切板支持部の係止部に係止させればよいため、幕板を仕切板支持部に容易に取り付けることができる。
【0012】
また、本発明に係る天板付什器では、前記仕切板支持部は、前記固定部から垂下する垂下部と、該垂下部に設けられ、前記対向方向に延出する係止部と、を有し、前記幕板には、前記対向方向に貫通する係止孔が形成され、前記係止孔は、前記係止部に係止されている。
【0013】
このように構成された天板付什器では、幕板の係止孔を仕切板支持部の係止部に係止させればよいため、幕板を仕切板支持部に容易に取り付けることができる。
【0014】
また、本発明に係る天板付什器では、前記ケーブル支持部は、前記仕切板支持部よりも上方に配置されていてもよい。
【0015】
このように構成された天板付什器では、ケーブル支持部は仕切板支持部よりも上方に配置されているため、ケーブル支持部に支持された配線ケーブルと幕板との干渉をより確実に抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る天板付什器では、前記ケーブル支持部は、前記幕板における前記対向方向の両側に配置されていてもよい。
【0017】
このように構成された天板付什器では、ケーブル支持部は幕板における対向方向の両側に配置されているため、幕板の対向方向の両側で配線ケーブルを支持することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る天板付什器によれば、仕切板が揺動しても仕切板と配線ケーブルとが干渉することがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る天板付什器の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る天板付什器を正面から見た図である。
図3】本発明の一実施形態に係る天板付什器を側面から見た図である。
図4】本発明の一実施形態に係る天板付什器の幕板を正面から見た図である。
図5】本発明の一実施形態に係る天板付什器の幕板支持部材の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る天板付什器の幕板支持部材を上方から見た図である。
図7図5のA-A断面図である。
図8図4のB-B断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る天板付什器の幕板が揺動する状態を示す図である。
図10】本発明の一実施形態の変形例に係る支持構造を正面から見た図である。
図11図10のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、床面Fに直交する方向を上下方向(矢印UPが上側)とし、上下方向に直交する2方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前側)及び左右方向(矢印LHが左側)として説明する。
【0023】
[天板付什器]
図1は、天板付什器の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の支持構造の一例の天板付什器100は、例えばオフィスや公共施設の会議室等に設置されたテーブルである。天板付什器100は、天板ユニット1と、支持構造体5と、一対の幕板支持部材(仕切板支持部材)6(図2参照。以下同じ。)と、幕板(仕切板)7と、を備えている。
【0024】
<天板ユニット>
天板ユニット1は、天板(固定対象物)10と、配線接続システム20と、を有している。
【0025】
天板10は、例えば平面視正方形状に形成されている。但し、天板10の平面視外形は、正方形状に限らず、長方形状や円形状、三角形状等、適宜変更が可能である。天板10は、例えば木材や金属等により形成されている。
【0026】
天板10上には、各種電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ等)が載置可能である。本実施形態では、電子機器D1,D2は、天板10上において、配線接続システム20を間に挟んで前後方向で対向する位置に載置されている。
【0027】
天板10の中央部(前後方向及び左右方向の中央部)には、天板10を上下方向に貫通する配線挿通孔10hが形成されている。配線挿通孔10hは、平面視正方形状に形成されている。但し、配線挿通孔10hの平面視外形は、正方形状に限らず、長方形状や円形状、三角形状等、適宜変更が可能である。天板10における配線挿通孔10hの位置は、中央部に限らず、天板10の中央部に対して前後方向及び左右方向にずれた位置に形成されていてもよい。配線挿通孔10hは、少なくとも一部が天板10の外周縁で開放されていてもよい。
【0028】
配線接続システム20は、例えば天板10上に載置される電子機器から引き出される配線を、外部電源やインターネット等に接続したり、天板10の下方に案内したりするためのものである。
【0029】
配線接続システム20は、配線受けユニット21(図2及び図3参照。以下同じ。)と、接続ユニット31と、第1配線カバー41と、第2配線カバー46と、を有している。
【0030】
図2は、天板付什器100を前方から見た図である。図3は、天板付什器100を左側から見た図である。
図2及び図3に示すように、配線受けユニット21は、天板10における配線挿通孔10hに対応する位置に、天板10の下方から取り付けられる。換言すると。配線受けユニット21は、天板10から下方に突出するように設けられている。
【0031】
配線受けユニット21は、配線トレー22を有している。配線トレー22は、底壁部221と、前壁部222と、後壁部223(図3参照。以下同じ。)と、左壁部224と、右壁部225(図2参照。以下同じ。)と、を有している。
【0032】
底壁部221は、天板10の下方において、配線挿通孔10hに対向配置されている。なお、底壁部221には、テーブルタップ等を載置してもよい。
【0033】
図3に示すように、前壁部222は、底壁部221の前端縁から上方に延設されている。後壁部223は、底壁部221の後端縁から上方に延設されている。なお、後壁部223は、前壁部222と前後対称の構成とされ、説明を省略する。
【0034】
図2に示すように、前壁部222は、底壁部221における左右方向の全長にわたって形成されている。前壁部222には、前壁部222を前後方向に貫通する配線通過口22aが形成されている。
【0035】
配線通過口22aは、前壁部222の上端縁で開口している。配線通過口22aは、前壁部222の左右方向の中央に形成されている。但し、配線通過口22aは、前壁部222の一部を前後方向で貫通していれば、位置や数、形状等は適宜変更が可能である。例えば、配線通過口22aは、前壁部222によって全周が取り囲まれていてもよく、前壁部222の下端縁や左右方向を向く端縁で開口していてもよい。
【0036】
図3に示すように、左壁部224は、底壁部221における左側端縁から上方に立設されている。配線トレー22のうち、前壁部222、後壁部及び右壁部で囲まれた部分は、配線トレー22の内外を連通させる配線通過口22bを画成している。なお、右壁部225は、左壁部224と左右対称の構成とされ、説明を省略する。
【0037】
図1に示すように、接続ユニット31は、配線受けユニット21(図2参照。以下同じ。)に着脱可能に取り付けられている。接続ユニット31は、配線ボックス32と、配線ボックス32から引き出された配線ケーブルG(図3参照。以下同じ。)と、を有している。
【0038】
配線ボックス32は、左右方向を長手方向とする箱型とされている。配線ボックス32の上面には、電子機器D1,D2から引き出された配線C1,C2を接続可能な電気的接続部が開口している。電気的接続部は、例えばコンセントプラグやUSB(Universal Serial Bus)コネクタ、LAN(Local Area Network)コネクタ等の受けである。
【0039】
第1配線カバー41は、第1カバー本体42と、第1弾性カバー43と、を有している。
【0040】
第1カバー本体42は、配線挿通孔10hの前部を上方から覆っている。第1カバー本体42の上面は、天板10の上面と同一面上に配置されている。第1カバー本体42は、配線受けユニット21に設けられた左右方向の向く第1回動軸(不図示。以下同じ)に回動可能に連結されている。
【0041】
第1配線カバー41の閉位置において、第1カバー本体42のうち配線ボックス32と平面視で重なる位置には、第1カバー本体42を上下方向に貫通する露出部42hが形成されている。
【0042】
露出部42hは、配線ボックス32の上面を外部に露出させている。これにより、第1配線カバー41が閉位置においても、電子機器D1,D2の配線C1,C2を電気的接続部122に接続することができる。
【0043】
第1弾性カバー43は、第1カバー本体42の左右両端部及び前端部から外方に張り出している。第1弾性カバー43は、ゴム等の弾性変形可能な板状の部材である。
【0044】
第1弾性カバー43は、配線挿通孔10h内において、第1カバー本体42の前端縁と配線挿通孔10hにおける前端開口縁との間の隙間を上下方向で仕切っている。第1弾性カバー43は、第1カバー本体42における左右の両端縁と配線挿通孔10hにおける左右の開口縁との間を上下方向で仕切っている。
【0045】
第2配線カバー46は、第2カバー本体47と、第2弾性カバー48と、を有している。
【0046】
第2カバー本体47は、配線挿通孔10hの後部を上方から覆っている。第2カバー本体47の上面は、天板10の上面と同一面上に配置されている。第2カバー本体47は、配線受けユニット21に設けられた左右方向の向く第2回動軸(不図示。以下同じ)に回動可能に連結されている。
【0047】
第2弾性カバー48は、第2カバー本体47の左右両端部及び後端部から外方に張り出している。第2弾性カバー48は、ゴム等の弾性変形可能な板状の部材である。
【0048】
第2弾性カバー48は、配線挿通孔10h内において、第2カバー本体47の後端縁と配線挿通孔10hにおける後端開口縁との間の隙間を上下方向で仕切っている。第2弾性カバー48は、第2カバー本体47における左右の両端縁と配線挿通孔10hにおける左右の開口縁との間を上下方向で仕切っている。
【0049】
第1弾性カバー43及び第2弾性カバー48を変形させて、第1弾性カバー43及び第2弾性カバー48と配線挿通孔10hとの間の隙間を形成して、当該隙間に配線C1,C2を挿通することができる。
【0050】
<支持構造体>
支持構造体5は、4本の脚部51と、2本の第1フレーム53と、2本の第2フレーム55と、を有している。支持構造体5は、天板ユニット1を下方から支持している。
【0051】
各脚部51は、床面Fから上方に立設されている。脚部51は、例えば天板10の下面における各角部に対応する位置に、それぞれブラケット51aを介して取り付けられている。なお、脚部51の本数は、4本に限られず、適宜変更が可能である。
【0052】
脚部51の下端部には、床面F上を走行可能なキャスタ51bが取り付けられている。但し、脚部51は、キャスタ51bを有さない構成でもよく、キャスタ51bに代えてアジャスタ等を有する構成であってもよい。
【0053】
各第1フレーム53は、前後方向に延びている。第1フレーム53は、前後方向を長手方向とする直方体状をなしている。2本の第1フレーム53は、左右方向に離間して配置されている。但し、第1フレーム53の形状は、直方体状に限らず、円柱状等、適宜変更が可能である。
【0054】
各第1フレーム53の長さ方向の端部は、脚部51の上部に設けられたブラケット51aに連結されている。換言すると、前後方向に離間して配置された脚部51どうしを連結している。
【0055】
各第2フレーム55は、左右方向に延びている。第1フレーム53は、左右方向を長手方向とする直方体状をなしている。2本の第2フレーム55は、前後方向に離間して配置されている。但し、第2フレーム55の形状は、直方体状に限らず、円柱状等、適宜変更が可能である。
【0056】
各第2フレーム55の長さ方向の端部は、第1フレーム53の長さ方向の途中部分に連結されている。換言すると、第1フレーム53と第2フレーム55とは、連結され、枠状に形成されている。
【0057】
<幕板支持部材>
図4は、一対の幕板支持部材6及び幕板7を前方から見た図である。
図4に示すように、一対の幕板支持部材6は、天板10の下面に左右方向に離間して取り付けられている。
【0058】
図5は、幕板支持部材6の斜視図である。
図5に示すように、各幕板支持部材6は、基台部(固定部)61と、幕板支持部(仕切板支持部)63と、一対のケーブル支持部65と、を有している。
【0059】
基台部61は、基台底部611と、基台周壁部621と、を有している。基台底部611は、基台部61の下面を形成している。基台底部611は、左右方向に長い形状をなしている。基台底部611の左右端部は、外方に膨らんだ半円状をなしている。基台周壁部621は、基台底部611の外縁の全周から上方に立設されている。
【0060】
図6は、幕板支持部材6を上方から見た図である。
図6に示すように、基台底部611には、上下方向に貫通する取付孔612が形成されている。取付孔612は、左右方向に離間して2箇所に形成されている。図7に示すように、取付孔612の下部は、拡径して形成されている。
【0061】
図5に示すように、基台部61には、取付孔612の外縁から上方に立設された取付壁部614が設けられている。取付壁部614は、取付孔612の外縁の全周にわたって設けられている。
【0062】
図7は、図5のA-A断面図である。
図7に示すように、取付孔612から取付壁部614に挿通された螺子615が天板10に螺合されて、幕板支持部材6は天板10に固定されている。
【0063】
図5に示すように、基台周壁部621における前後方向に対向する部分どうしは、縦リブ622で連結されている。縦リブ622は、左右方向に離間して2箇所に設けられている。縦リブ622は、2箇所の取付壁部614の間に配置されている。
【0064】
各縦リブ622と当該縦リブ622に近い方の取付壁部614とは、第1横リブ623で連結されている。取付壁部614と基台周壁部621の左端部及び右端部とは、第2横リブ624で連結されている。
【0065】
図8は、図4のB-B断面図である。
図8に示すように、幕板支持部63は、垂下部631と、幕板係止部(係止部)641と、を有している。
【0066】
垂下部631は、基台部61の基台底部611における後端部且つ左右方向の中央から垂下している。幕板係止部641は、垂下部631の下端部から前方に向かって延出している。
【0067】
幕板係止部641の後部642は、前方に向かうにしたがって次第に下方に向かうように形成されている。幕板係止部641の前部643は、前方に向かうにしたがって次第に上方に向かうように形成されている。換言すると、幕板係止部641は、下方に凸となる形状をなしている。
【0068】
幕板係止部641の前端部644と基台部61の基台底部611との間には、空間部S1が形成されている。
【0069】
図5に示すように、ケーブル支持部65は、基台部61の基台周壁部621の前後それぞれに設けられている。前側のケーブル支持部65は、基台周壁部621の前端部且つ左右方向の中央から前方に突出している。後側のケーブル支持部65は、基台周壁部621の後端部且つ左右方向の中央から後方に突出している。
【0070】
ケーブル支持部65は、下方に凸となる形状をなしている、ケーブル支持部65は、前後方向に沿う鉛直断面で、略半円状をなしている。図8に示すように、ケーブル支持部65は、配線ボックス32に接続された配線ケーブルG等を支持可能とされている。
【0071】
ケーブル支持部65は、幕板支持部63よりも上方に配置に配置されている。前側のケーブル支持部65は、幕板支持部63よりも前方に配置されている。後側のケーブル支持部65は、幕板支持部63よりも後方に配置されている。
【0072】
<幕板>
図1に示すように、幕板7は、天板10に支持され、天板10の下方の空間を区画するものである。幕板7は、平板状に形成されている。幕板7の板厚方向は、前後方向とされている。図4に示すように、前方から見て、幕板7は左右方向に長い略長方形状をなしている。
【0073】
幕板7は、多孔質状の部材からなる柔軟な板状部材である。例えば、幕板7は、繊維(例えばポリエステル繊維)が互いに絡み合った状態で多孔質状の形状とされた不織布によって形成されている。但し、幕板7は、不織布に限らず、フェルト、スポンジ、板材等によって構成されていてもよい。
【0074】
幕板7の上端部には、左右方向の中央にダクト凹部71が形成されている。ダクト凹部71は、幕板7の上端部に上方に開口するように切り欠かれている。ダクト凹部71は、配線受けユニット21と対応した形状をなしている。本実施形態では、ダクト凹部71は、長方形状をなしている。
【0075】
ダクト凹部71には、配線接続システム20の配線受けユニット21の前後方向の略中央部分が配置されている。換言すると、配線受けユニット21は、幕板7で区画される前後両側の空間にまたがって配置されている。
【0076】
幕板7の上端部には、左右方向の両端部にフレーム凹部72が形成されている。フレーム凹部72は、幕板7の上端部から下方に且つ左右方向の端部から左右方向の中央側に切り欠かれている。フレーム凹部72は、第1フレーム53よりも大きな形状をなしている。本実施形態では、フレーム凹部72は、長方形状をなしている。
【0077】
フレーム凹部72の左右方向の中央側寄りには、第1フレーム53の前後方向の略中央部分が配置されている。換言すると、第1フレーム53は、幕板7で区画される前後両側の空間にまたがって配置されている。
【0078】
図8に示すように、幕板7における上端面よりわずかに下方位置には、前後方向に貫通する幕板取付孔(係止孔)73が形成されている。幕板取付孔73は、幕板支持部材6が配置される位置に対応した位置に形成されている。
【0079】
幕板取付孔73には、幕板支持部材6の幕板係止部641が挿通され、係止されている。幕板7は、上端部を中心として、前方及び後方(幕板7で区画される両側の空間が対向する方向)に下端部を移動させるように揺動可能とされている。
【0080】
上記の天板付什器100において、幕板7の幕板取付孔73を、天板10の下面に固定された幕板支持部材6の幕板係止部641に係止させる際には、幕板係止部641の前端部644に幕板取付孔73を通して、幕板7を左右方向及び鉛直方向に沿う状態(初期位置)まで移動させればよい。
【0081】
上記の天板付什器100では、図8に実線で示すように、通常の状態(初期位置)E0では、幕板7の板面が鉛直方向且つ左右方向に沿うように、幕板7は配置されている。幕板7は、幕板7よりも前方の空間SFと後方SBの空間とを区画している。
【0082】
利用者が幕板7に前方に力を加えると、幕板取付孔73が幕板支持部材6の幕板係止部641に係止された状態で、幕板7は、上端部を中心に下端部を前方に向けるように揺動する(二点鎖線E1参照)。
【0083】
図9は、天板付什器100の幕板7が揺動する状態を左側から見た図である。
図9に二点鎖線E1で示すように、幕板7が下端部を前方に向けるような位置(アクセス位置)に変位すると、利用者は、配線受けユニット21の直下及び配線受けユニット21の後方から、配線受けユニット21の配線トレー22の配線通過口22bに手を入れてアクセス可能となる。利用者は、配線通過口22bから配線ボックス32に接続された配線ケーブルGや配線ボックス32にアクセス可能となる。この状態で、幕板7のダクト凹部71には配線受けユニット21が配置され、幕板7と配線受けユニット21とは干渉していない。
【0084】
また、図8に示すように、利用者が幕板7に後方に力を加えると、幕板取付孔73が幕板支持部材6の幕板係止部641に係止された状態で、幕板7は、上端部を中心に下端部を後方に向けるように揺動する(二点鎖線E2参照)。
【0085】
図9に二点鎖線E2で示すように、幕板7が下端部を後方に向けるよう位置(アクセス位置)に変位すると、利用者は、配線受けユニット21の直下及び配線受けユニット21の前方から、配線トレー22の配線通過口22bに手を入れてアクセス可能となる。利用者は、配線通過口22bから配線ボックス32に接続された配線ケーブルGや配線ボックス32にアクセス可能となる。この状態で、幕板7のダクト凹部71には配線受けユニット21が配置され、幕板7と配線受けユニット21とは干渉していない。
【0086】
このように構成された天板付什器100では、天板10の下面に基台部61が固定された幕板支持部材6の幕板支持部63によって、幕板7は上端部を中心として前後方向(幕板7で区画される両側の空間が対向する対向方向)に下端部が移動するように揺動する。幕板支持部材6のケーブル支持部65によって、配線ケーブルGは支持されている。よって、幕板7が揺動しても、配線ケーブルGはケーブル支持部65で支持されているため、天板10の下方において幕板7と配線ケーブルGとが干渉することがない。
【0087】
また、幕板7の幕板取付孔73を幕板支持部63の幕板係止部641に係止させればよいため、幕板7を幕板支持部63に容易に取り付けることができる。
【0088】
また、ケーブル支持部65は幕板支持部63よりも上方に配置されているため、ケーブル支持部65に支持された配線ケーブルGと幕板7との干渉をより確実に抑制することができる。
【0089】
また、ケーブル支持部65は幕板7における前後方向の両側に配置されているため、幕板7の前後方向の両側で配線ケーブルGを支持することができる。
【0090】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。以下の変形例において、上述した実施形態と同一または同様な部品や部材等には同一の符号を用いて説明を行う。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、仕切構造として天板付什器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図10に示すように、壁W1の開口部W2に設けられた建具100Aであってもよい。
【0092】
建具100Aは、建具枠体101と、扉支持部材(仕切板支持部材)6Aと、扉本体102と、を有している。
【0093】
建具枠体101は、四方枠状に形成されている。建具枠体101は、吊元側縦枠(固定対象物)103と、戸先側縦枠104と、上枠105と、下枠106と、を有している。吊元側縦枠103及び戸先側縦枠104は、上下方向に延びている。上枠105及び下枠106は、左右方向に延びている。上枠105は、吊元側縦枠103の上端部と戸先側縦枠104の上端部とを連結している。下枠106は、吊元側縦枠103の下端部と戸先側縦枠104の下端部とを連結している。
【0094】
図11に示すように、扉支持部材6Aの基台部61は吊元側縦枠103に固定されている。扉本体102は、左右方向及び上下方向に沿って配置されている。扉本体102における吊元側縦枠103側の部分には、板厚方向に貫通する扉取付孔73が形成されている。扉取付孔73には、扉支持部材6Aの扉支持部63の扉係止部641が係止されている。
【0095】
基台部61には、扉係止部641の前端部644と基台部61の基台底部611との間の空間部S1を閉塞するように閉塞部645が設けられている。これにより、扉本体102が空間部S1から抜け落ちることがない。例えば、閉塞部645は弾性変形可能とされ、扉係止部641の前端部644に扉取付孔73を通す際には、閉塞部645を外側に変形(空間部S1を開口するように変形)させるようにしてもよい。
【0096】
このように構成された建具100Aでは、吊元側縦枠103に基台部61が固定された扉支持部材6Aの扉支持部63によって、扉本体102は吊元側を中心として前後方向(扉本体102で区画される両側の空間が対向する対向方向)に戸先側が移動するように揺動する。扉支持部材6Aのケーブル支持部65によって、配線ケーブルGは支持されている。よって、扉本体102が揺動しても、配線ケーブルGはケーブル支持部65で支持されているため、扉本体102と配線ケーブルGとが干渉することがない。
【0097】
また、上述した実施形態では、ケーブル支持部65は幕板支持部63よりも上方に配置されているが、本発明はこれに限られない。ケーブル支持部65が幕板支持部63と同じ高さや、幕板支持部63よりも下方に配置されていてもよい。
【0098】
また、上述した実施形態では、ケーブル支持部65は幕板7における前後方向の両側に配置されているが、本発明はこれに限られない。ケーブル支持部65は、幕板7の前後方向の一方側に配置されていてもよい。
【0099】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…天板ユニット
5…支持構造体
6…幕板支持部材(仕切板支持部材)
7…幕板(仕切板)
10…天板(固定対象物)
10h…配線挿通孔
20…配線接続システム
21…配線受けユニット
22…配線トレー
22a,22b…配線通過口
31…接続ユニット
32…配線ボックス
41…第1配線カバー
46…第2配線カバー
51…脚部
53…第1フレーム
61…基台部(固定部)
63…幕板支持部(仕切板支持部)
65…ケーブル支持部
71…ダクト凹部
72…フレーム凹部
73…幕板取付孔(係止孔)
100…天板付什器
631…垂下部
641…幕板係止部(係止部)
E0…初期位置
E1,E2…アクセス位置
F…床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11