(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】放射線撮像装置および放射線撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/32 20230101AFI20240221BHJP
H04N 25/40 20230101ALI20240221BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20240221BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20240221BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240221BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H04N5/32
H04N25/40
H04N25/77
H01L27/144 K
H01L27/146 C
G01T7/00 A
(21)【出願番号】P 2019204879
(22)【出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大藤 将人
(72)【発明者】
【氏名】川鍋 潤
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 実
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-205136(JP,A)
【文献】特開2019-091969(JP,A)
【文献】特開2011-097409(JP,A)
【文献】特開2014-075377(JP,A)
【文献】特開2014-020880(JP,A)
【文献】特開2013-219408(JP,A)
【文献】特開2002-343953(JP,A)
【文献】特開2012-100081(JP,A)
【文献】特開2016-201749(JP,A)
【文献】特開2005-147958(JP,A)
【文献】特開2011-174908(JP,A)
【文献】特開2010-268171(JP,A)
【文献】特開2011-010870(JP,A)
【文献】特開2010-212925(JP,A)
【文献】特開2019-106648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/32
H04N 25/40
H04N 25/77
H01L 27/144
H01L 27/146
G01T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を電荷に変換する変換素子およびスイッチ素子をそれぞれ含む複数の画素が行列状に配された画素部と、行方向に延在する複数の駆動線を介して前記スイッチ素子を制御する駆動回路と
、バイアス線を介して
前記変換素子にバイアス電位を与えるバイアス電源と、前記複数の画素から前記スイッチ素子を介して信号が出力される複数の列信号線と、検出部と、を含む放射線撮像装置であって、
前記複数の画素は、行方向に互いに隣り合
う第1画素および第2画素であって、前記複数の列信号線のうち共通の列信号線に接続された第1画素
および第2画
素を含み、
前記第1画素の前記スイッチ素子および前記第2画素の前記スイッチ素子は、前記複数の駆動線のうち互いに異なる駆動線にそれぞれ接続され、
前記画素部に対する正射影において、前記複数の駆動線および前記バイアス線の幅のうちの少なくとも一方は、前記複数の駆動線と前記バイアス線とが交差する部分における幅が他の部分の幅よりも細くなっており、
前記検出部は、前記バイアス線を流れる電流に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記画素部に対する正射影において、前記第1画素の前記変換素子と前記第2画素の前記変換素子とが、前記共通の列信号線を挟んで線対称または点対称の位置に配されることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記画素部に対する正射影において、前記第1画素の前記スイッチ素子と前記第2画素の前記スイッチ素子とが、前記共通の列信号線を挟んで線対称または点対称の位置に配されることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
基板に配された前記変換素子および前記スイッチ素子によって形成される段差を抑制するための平坦化層が、前記変換素子および前記スイッチ素子を覆うように配され、
前記複数の駆動線は、前記平坦化層よりも前記基板の側に配され、
前記バイアス線は、前記平坦化層よりも前記基板から離れた側に配されることを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
基板に配された前記スイッチ素子によって形成される段差を抑制するための平坦化層が、前記スイッチ素子を覆うように配され、
前記複数の駆動線は、前記平坦化層よりも前記基板の側に配され、
前記変換素子および前記バイアス線は、前記平坦化層よりも前記基板から離れた側に配されることを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記画素部に対する正射影において、前記複数の画素のそれぞれの画素において、前記変換素子と前記スイッチ素子との少なくとも一部が、互いに重なって配されることを特徴とする請求項
5に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記画素部に対する正射影において、前記バイアス線が、前記複数の画素のそれぞれの画素の前記変換素子と重なるように配されることを特徴とする請求項
5または
6に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
前記検出部が、前記駆動回路が前記複数の画素のうち何れかの画素の前記スイッチ素子を導通状態にしたときに前記バイアス線を流れる電流を表す第1信号値に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至
7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項9】
前記検出部が、前記第1信号値と、前記駆動回路が前記複数の画素の前記スイッチ素子を非導通状態にしたときに前記バイアス線を流れる電流を表す第2信号値と、に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項
8に記載の放射線撮像装置。
【請求項10】
前記バイアス電源は、第1バイアス電源と第2バイアス電源とを含み、
前記バイアス線は、前記第1バイアス電源に接続された第1バイアス線と、前記第2バイアス電源に接続され、前記第1バイアス線とは電気的に独立した第2バイアス線と、を含み、
前記第1画素の前記変換素子は、前記第1バイアス線を介して前記第1バイアス電源に接続され、
前記第2画素の前記変換素子は、前記第2バイアス線を介して前記第2バイアス電源に接続されることを特徴とする請求項1乃至
7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項11】
前記第1バイアス電源が供給するバイアス電位と、前記第2バイアス電源が供給するバイアス電位と、が互いに異なる電位であることを特徴とする請求項
10に記載の放射線撮像装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記複数の画素のうち前記第1バイアス電源に前記変換素子が接続された画素のうち何れかの画素の前記スイッチ素子が導通状態のときに前記第1バイアス線を流れる電流を表す第1信号値と、前記複数の画素のうち前記第2バイアス電源に前記変換素子が接続された画素の前記スイッチ素子が非導通状態のときに前記第2バイアス線を流れる電流を表す第2信号値と、を、サンプリングするタイミングの少なくとも一部が重なるように取得し、前記第1信号値および前記第2信号値に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項
10または
11に記載の放射線撮像装置。
【請求項13】
前記検出部は、前記第1信号値と前記第2信号値との差分に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項
9または
12に記載の放射線撮像装置。
【請求項14】
請求項1乃至
13の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
【請求項15】
放射線を電荷に変換する変換素子およびスイッチ素子をそれぞれ含む複数の画素が基板上に行列状に配された画素部と、行方向に延在する複数の駆動線を介して前記スイッチ素子を制御する駆動回路と、バイアス線を介して前記変換素子にバイアス電位を与えるバイアス電源と、前記複数の画素から前記スイッチ素子を介して信号が出力される複数の列信号線と、検出部と、を含む放射線撮像装置であって、
前記複数の画素は、行方向に互いに隣り合う第1画素および第2画素であって、前記複数の列信号線のうち共通の列信号線に接続された第1画素および第2画素を含み、
前記第1画素の前記スイッチ素子および前記第2画素の前記スイッチ素子は、前記複数の駆動線のうち互いに異なる駆動線にそれぞれ接続され、
前記基板上には、前記変換素子および前記スイッチ素子を覆うように平坦化層が形成され、
前記複数の駆動線は、前記平坦化層よりも前記基板の側に配され、
前記バイアス線は、前記平坦化層よりも前記基板から離れた側に配され、
前記検出部は、前記バイアス線を流れる電流に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項16】
前記画素部に対する正射影において、前記第1画素の前記変換素子と前記第2画素の前記変換素子とが、前記共通の列信号線を挟んで線対称または点対称の位置に配されることを特徴とする請求項15に記載の放射線撮像装置。
【請求項17】
前記画素部に対する正射影において、前記第1画素の前記スイッチ素子と前記第2画素の前記スイッチ素子とが、前記共通の列信号線を挟んで線対称または点対称の位置に配されることを特徴とする請求項15または16に記載の放射線撮像装置。
【請求項18】
前記検出部が、前記駆動回路が前記複数の画素のうち何れかの画素の前記スイッチ素子を導通状態にしたときに前記バイアス線を流れる電流を表す第1信号値に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項15乃至17の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項19】
前記検出部が、前記第1信号値と、前記駆動回路が前記複数の画素の前記スイッチ素子を非導通状態にしたときに前記バイアス線を流れる電流を表す第2信号値と、に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項18に記載の放射線撮像装置。
【請求項20】
前記バイアス電源は、第1バイアス電源と第2バイアス電源とを含み、
前記バイアス線は、前記第1バイアス電源に接続された第1バイアス線と、前記第2バイアス電源に接続され、前記第1バイアス線とは電気的に独立した第2バイアス線と、を含み、
前記第1画素の前記変換素子は、前記第1バイアス線を介して前記第1バイアス電源に接続され、
前記第2画素の前記変換素子は、前記第2バイアス線を介して前記第2バイアス電源に接続されることを特徴とする請求項15乃至19の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項21】
前記第1バイアス電源が供給するバイアス電位と、前記第2バイアス電源が供給するバイアス電位と、が互いに異なる電位であることを特徴とする請求項20に記載の放射線撮像装置。
【請求項22】
前記検出部は、前記複数の画素のうち前記第1バイアス電源に前記変換素子が接続された画素のうち何れかの画素の前記スイッチ素子が導通状態のときに前記第1バイアス線を流れる電流を表す第1信号値と、前記複数の画素のうち前記第2バイアス電源に前記変換素子が接続された画素の前記スイッチ素子が非導通状態のときに前記第2バイアス線を流れる電流を表す第2信号値と、を、サンプリングするタイミングの少なくとも一部が重なるように取得し、前記第1信号値および前記第2信号値に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項20または21に記載の放射線撮像装置。
【請求項23】
前記検出部は、前記第1信号値と前記第2信号値との差分に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする請求項19または22に記載の放射線撮像装置。
【請求項24】
請求項15乃至23の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮像装置および放射線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子やスイッチ素子などを含む画素が2次元行列状に配されたセンサ基板に、画素を駆動させ信号を読み出すための駆動回路や読出回路を接続した平面検出器(FPD)を用いた放射線撮像装置が広く使用されている。読出回路に用いられる集積回路(IC)チップは、アナログ増幅器やアナログ/デジタル(A/D)変換器などが高密度に集積されるため高価であり、放射線撮像装置の部材コストにおいて大きな割合を占める。特許文献1には、互いに隣り合う2つの画素間で信号を出力する信号線を共有させ、信号線に接続される読出回路に用いられるICチップを削減できることが示されている。また、特許文献1には、放射線発生装置と放射線撮像装置とを同期させるために、センサ基板の背面に放射線の照射の有無を検出するための線量センサを配することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成において、センサ基板、駆動回路、読出回路に追加して、放射線の照射を検出するための線量センサや線量フィードバック出力ユニットが配されるため、部材コストが上昇しうる。また、特許文献1の構成において、線量センサは、センサ基板の背面の一部の領域にしか配されないため、線量センサが配されない領域から放射線の照射に関する情報を得られない。
【0005】
本発明は、部材コストの上昇を抑制しつつ放射線の照射の有無をより高い精度で検出するのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置は、放射線を電荷に変換する変換素子およびスイッチ素子をそれぞれ含む複数の画素が行列状に配された画素部と、行方向に延在する複数の駆動線を介してスイッチ素子を制御する駆動回路と、バイアス線を介して変換素子にバイアス電位を与えるバイアス電源と、複数の画素からスイッチ素子を介して信号が出力される複数の列信号線と、検出部と、を含む放射線撮像装置であって、複数の画素は、行方向に互いに隣り合う第1画素および第2画素であって、複数の列信号線のうち共通の列信号線に接続された第1画素および第2画素を含み、第1画素のスイッチ素子および第2画素のスイッチ素子は、複数の駆動線のうち互いに異なる駆動線にそれぞれ接続され、画素部に対する正射影において、複数の駆動線およびバイアス線の幅のうちの少なくとも一方は、複数の駆動線とバイアス線とが交差する部分における幅が他の部分の幅よりも細くなっており、検出部は、バイアス線を流れる電流に基づいて、放射線の照射の有無を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記手段によって、部材コストの上昇を抑制しつつ放射線の照射の有無をより高い精度で検出するのに有利な技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る放射線撮像装置を用いた放射線撮像システムの構成例を示す図。
【
図3】
図2の放射線撮像装置の動作を説明するフロー図。
【
図4】
図2の放射線撮像装置の動作を説明するタイミング図。
【
図5】
図2の放射線撮像装置の電流-電圧変換回路の構成例を示す図。
【
図6】
図2の放射線撮像装置の画素の構成例を示す平面図および断面図。
【
図7】
図2の放射線撮像装置の相関二重サンプリング駆動の動作を説明するタイミング図。
【
図8】
図2の放射線撮像装置のバイアス線を流れる電流を説明する図。
【
図9】
図2の放射線撮像装置の画素の構成例を示す平面図および断面図。
【
図10】
図2の放射線撮像装置の画素の構成例を示す断面図。
【
図11】
図2の放射線撮像装置の画素の構成例を示す平面図および断面図。
【
図13】
図12の放射線撮像装置の相関二重サンプリング駆動の動作を説明するタイミング図。
【
図14】比較例の放射線撮像装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
【0011】
図1~14を参照して、本実施形態における放射線撮像装置について説明する。
図1は、本実施形態における放射線撮像装置100を用いた放射線撮像システムSYSの構成例を示す図である。本実施形態の放射線撮像システムSYSは、放射線撮像装置100、制御用コンピュータ120、放射線発生装置130、放射線制御装置140を含み構成される。
【0012】
放射線発生装置130は、放射線制御装置140からの制御に従って放射線撮像装置100に放射線を曝射する。制御用コンピュータ120は、放射線撮像システムSYSの全体を制御しうる。また、制御用コンピュータ120は、放射線発生装置130から被写体を介して放射線撮像装置100に照射される放射線によって生成される放射線画像の取得を行う。
【0013】
放射線撮像装置100は、画素部101、読出回路102、基準電源103、バイアス電源104を含む撮像部110と、電源部105と、検出部106と、制御部107と、を含む。画素部101には、放射線を検出するための複数の画素が、二次元アレイ状に配される。読出回路102は、画素部101から電荷情報を読み出す。基準電源103は、読出回路102に基準電圧を供給する。バイアス電源104は、画素部101に配される画素の変換素子にバイアス電位を供給する。電源部105は、基準電源103、バイアス電源104を含む各電源に電力を供給する。検出部106は、バイアス電源104から電流情報を取得する。より具体的には、検出部106は、バイアス電源104が画素部101の各画素にバイアス電位を供給するためのバイアス線を流れる電流の情報を、バイアス電源104から取得する。検出部106は、バイアス電源から出力された電流情報を演算し、画素部101に入射する放射線の強度の時間変動を含む放射線情報を出力する。検出部106として、FPGAやDSP、プロセッサなどの、デジタル信号処理回路が用いられうる。また、検出部106は、サンプルホールド回路やオペアンプなどのアナログ回路を用いて構成されてもよい。また、
図1に示される構成において、放射線撮像装置100に検出部106が配されるが、制御用コンピュータ120が、検出部106の機能を有していてもよい。この場合、
図1に示される放射線撮像装置100と制御用コンピュータ120のうち検出部106として機能する部分とを含み、本実施形態の「放射線撮像装置」といえる。撮像部110については、
図2を用いて後述する。制御部107は、放射線撮像装置100の駆動など、放射線撮像装置100全体を制御する。制御部107は、ユーザの設定などに従って制御用コンピュータ120から送信された駆動方法で撮像部110を制御する。また、検出部106が出力した放射線情報を用いて、撮像部110の駆動方法を変更してもよい。
【0014】
図2は、
図1に示される放射線撮像装置100の撮像部110の構成例を示す等価回路図である。撮像部110は、画素部101、駆動回路214、バイアス電源104、読出回路102、出力バッファアンプ209、アナログ/デジタル(A/D)変換器210を含む。画素部101は、放射線を検出するための複数の画素200を2次元行列状に配したセンサであり、入射した放射線に応じた画像情報を出力する。
図2では、説明の簡便化のために、画素部101に配される画素200のうち一部の画素のみを示す。しかしながら、実際の放射線撮像装置100の画素部101は、より多画素でありうり、例えば、17インチの放射線撮像装置100は、約2800行×約2800列の画素200を有しうる。
【0015】
画素部101は、行列状に複数配置された画素200を有する二次元検出器である。画素200は、放射線を電荷に変換する変換素子202と、変換素子202を列信号線Sigに接続し、電荷に応じた電気信号を出力するスイッチ素子201と、を含む。変換素子202は、照射された放射線を電荷に変換する。変換素子202が、光を電荷に変換する光電変換素子を備える間接型の変換素子の場合、画素部101は、例えば、シンチレータなどの放射線を光に変換する波長変換体をさらに含む。直接型の変換素子は、放射線を直接、電荷に変換する。本実施形態において、画素部101は、光電変換素子の放射線の入射側に放射線を光電変換素子が感知可能な波長帯域の光に変換する波長変換体を備え、変換素子202は、波長変換帯によって変換された光を検出する間接型の変換素子である。光電変換素子には、例えば、アモルファスシリコンを主材料とするPIN型ダイオードが用いられる。スイッチ素子201は、制御電極と2つの主電極を有するトランジスタを用いることができる。例えば、スイッチ素子201として、薄膜トランジスタ(TFT)が用いられてもよい。
【0016】
変換素子202は、それぞれ、一方の電極がスイッチ素子201の2つの主電極の一方に電気的に接続され、他方の電極がそれぞれの画素200に共通のバイアス線Bsを介してバイアス電源104と電気的に接続される。
図2に示される最も上側の0行目において、偶数列目(0、2、4、・・・列目)の画素200のスイッチ素子201の制御電極は、行方向に延在する駆動線Vg(0)にそれぞれ電気的に接続される。また、0行目において、奇数列目(1、3、5、・・・列目)の画素200のスイッチ素子201の制御電極は、駆動線Vg(1)にそれぞれ電気的に接続される。以降、同様に、k行目の奇数列目の画素200のスイッチ素子201の制御電極は駆動線Vg(2k)、偶数列目の画素200のスイッチ素子201の制御電極は駆動線Vg(2k+1)に電気的に接続される。また、行方向に互いに隣り合う2つの画素200は、複数の列信号線Sigのうち共通の列信号線に接続される。例えば、複数の画素200は、行方向に互いに隣り合い、複数の列信号線Sigのうち共通の列信号線Sig(0)に接続された画素200aと画素200bとを含む。ここで、画素200aのスイッチ素子201および画素200bのスイッチ素子201は、複数の駆動線Vgのうち互いに異なる駆動線Vg(0)、Vg(1)にそれぞれ接続される。すなわち、2k列目と2k+1列目(k=0、1、2、・・・)の画素200のスイッチ素子201は、それぞれ、一方の主電極が変換素子202に接続され、他方の主電極が共通の列信号線Sig(k)に電気的に接続されている。
【0017】
画素200の各行に対して2本ずつ設けられた駆動線Vgは、各行において偶数列目の画素グループまたは奇数列目の画素グループのスイッチ素子201を駆動するように、スイッチ素子201の制御電極に接続されている。駆動回路214は、例えばシフトレジスタであり、駆動線Vgを介して、駆動信号をスイッチ素子201に供給することによって、スイッチ素子201の導通状態を制御する。駆動回路214の制御によって、駆動線Vg(2k)の駆動信号を導通電圧、駆動線Vg(2k+1)の駆動信号を非導通電圧とすることによって、偶数列目の画素200に蓄積された信号が列信号線Sig(k)に出力される。また、駆動線Vg(2k)の駆動信号を非導通電圧、駆動線Vg(2k+1)の駆動信号を導通電圧とすることによって、奇数列目の画素200に蓄積された信号が列信号線Sig(k)に出力される。
【0018】
読出回路102は、画素200から信号線Sigに出力される電気信号をそれぞれ増幅する増幅回路206を信号線Sigごとに設けている。増幅回路206は、積分アンプ205、可変ゲインアンプ204、サンプルホールド回路207を含む。積分アンプ205は、画素200から信号線Sigに出力された電気信号を増幅する。可変ゲインアンプ204は、積分アンプ205から出力される電気信号を可変ゲインで増幅する。サンプルホールド回路207は、可変ゲインアンプ204で増幅された電気信号をサンプルしホールドする。積分アンプ205は、画素200から信号線Sigに出力された電気信号を増幅して出力する演算増幅器221、積分容量222、リセットスイッチ223を含む。積分アンプ205は、積分容量222の値を変化させることによって、ゲイン(増幅率)を変更することが可能である。
【0019】
また、読出回路102は、それぞれの増幅回路206に対応して配されたスイッチ226、および、マルチプレクサ208をさらに含む。マルチプレクサ208は、スイッチ226を順次導通状態にすることによって、それぞれの増幅回路106から並列に出力される電気信号を順次、出力バッファアンプ209にシリアル信号として出力する。出力バッファアンプ209は、電気信号をインピーダンス変換して出力する。アナログ/デジタル(A/D)変換器210は、出力バッファアンプ209から出力されたアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換し、画像情報として
図1に示される制御用コンピュータ120に出力する。
【0020】
駆動回路214は、制御部107から出力される制御信号D-CLK、OE、DIOに応じて、スイッチ素子201を導通状態にする導通電圧および非導通状態にする非導通電圧を含む駆動信号を、それぞれの駆動線Vgに出力する。これによって、駆動回路214は、スイッチ素子201の導通状態/非導通状態を制御し、画素部101を駆動する。
【0021】
図1に示される電源部105は、バッテリや外部からの電力を基準電源103やバイアス電源104などの各電源に応じて変圧し電力を供給する。基準電源103は、演算増幅器221の正転入力端子に基準電位Vrefを供給する。バイアス電源104は、バイアス配線Bsを介してそれぞれの画素200の変換素子202にバイアス電位Vs_refを与えると共に、バイアス配線Bsに供給した電流量の時間変動を含む電流情報を検出部106に出力する。バイアス電源104は、電流情報を出力する回路の一例として、
図2に示されるように、オペアンプを有する電流-電圧変換回路215を含むことができる。しかしながら、電流情報を出力する回路は、電流-電圧変換回路215の構成に限定されるものではない。例えば、バイアス電源104は、シャント抵抗を用いた電流-電圧変換回路を含んでいてもよい。また、例えば、バイアス電源104と検出部106との間に、電流-電圧変換回路215の出力電圧をデジタル値に変換するA/D変換回路が配され、電流情報が、デジタル値として検出部106に出力されてもよい。また、バイアス電源104は、バイアス線Bsに供給した(流れた)電流量に対応する適当な物理量を検出部106に出力してもよい。電流-電圧変換回路215の詳細な構成例については
図5を用いて後述する。
【0022】
図3は、本実施形態における放射線撮像装置100の動作例を示すフロー図である。上述のように、放射線撮像装置100の各構成要素は、制御部107によって制御される。ユーザによって、放射線画像の撮像条件の設定などが行われると、まず、S301において、検出部106は、バイアス電源104から取得するバイアス線Bsを流れる電流情報から放射線情報を取得して、放射線の照射の開始の判定を行う。より具体的には、検出部106は、バイアス線Bsを流れる電流に基づいて、放射線の照射の有無を判定する。放射線の照射の開始の判定としては、放射線情報から画素PIXの変換素子202において蓄積される電荷の量を取得し、電荷の量から求められる放射線の強度が、予め定めた閾値を上回った場合、放射線の照射が開始されたと判定する方法が用いられてもよい。検出部106が放射線の照射が開始されていないと判定した場合(S301においてNO)、放射線撮像装置100はS302に遷移し、制御部107は、駆動回路214に、暗電流によって画素200の変換素子202に蓄積された電荷を除去するリセット駆動(以後、空読みと称する場合がある。)を行わせる。空読みは、先頭行(0行目)から最終行(Y-1行目)まで順番に行われ、最終行に到達した場合は先頭行に戻る。
【0023】
検出部106が、放射線の照射が開始されたと判定した場合(S301においてYES)、放射線撮像装置100はS303に遷移し、制御部107は、放射線の照射の終了の判定を行う。放射線の照射の終了の判定として、放射線の照射の開始が判定されてから予め定められた時間が経過した場合に放射線の照射が終了したと判定する方法が用いられてもよい。また、制御部107は、検出部106で取得する放射線情報から200の変換素子202において蓄積される電荷の量を取得し、電荷の量から求められる放射線の強度が、予め定めた閾値を下回る場合に放射線の終了を判定してもよい。放射線の照射の終了が判定されない場合(S303においてNO)、放射線撮像装置100はS304において、駆動回路214は、放射線画像を取得するための画素200のスイッチ素子201を非導通状態にさせ、放射線から変換される信号を蓄積する駆動(以後、蓄積と称する場合がある。)が行われる。放射線の照射の終了が判定された場合(S303におけるYES)、放射線撮像装置100はS305に遷移し、駆動回路214および読出回路102は、画素200の変換素子202に生じた電荷を読み出す駆動(以後、本読みと称する場合がある。)を行う。本読みは、画素部101に配された画素200の先頭行(0行目)から最終行(Y-1行目)まで順番に行われうる。本読みが最終行に到達した場合、一連の撮像動作が終了する。
【0024】
図4は、放射線撮像装置100の駆動タイミングの概略図である。制御部107は、放射線の照射が開始されるまでの間、画素部101の先頭行(0行目)から最終行(Y-1行目)まで順番にスイッチ素子201を導通状態にさせる駆動(空読み)を駆動回路214に繰り返し行わせる。放射線の照射が開始されるまでの間、空読みが最終行(Y-1行目)に到達した場合、先頭行(0行目)に戻って空読みが、繰り返される。
【0025】
検出部106が放射線の照射の開始を検出(判定)した場合、制御部107は、駆動回路214を介して、放射線画像を取得するための全ての画素200が接続された行のスイッチ素子201を非導通状態にする駆動(蓄積)に移行する。放射線の照射の有無の判定の詳細については後述する。蓄積は、放射線の照射が終了したと判定されるまで継続する。放射線の照射が終了すると、制御部107は、駆動回路214および読出回路102を制御し、先頭行(0行目)から最終行(Y-1行目)まで順次、スイッチ素子201を導通させ、画素200から信号の読み出す本読みを行う。
【0026】
図5は、電流-電圧変換回路215として適用可能な検知回路500の構成例を示す透過回路図である。検知回路500は、バイアス線Bsを流れる電流を検知して、バイアス線Bsを流れる電流を示すバイアス電流信号VSDを検出部106に提供する。検知回路500は、例えば、電流電圧変換アンプ310、電圧増幅アンプ320、フィルタ回路330を含みうる。電流電圧変換アンプ310は、バイアス線Bsを流れる電流を電圧に変換する。電圧増幅アンプ320は、電流電圧変換アンプ310から出力される信号(電圧信号)を増幅する。電圧増幅アンプ320は、例えば、計装アンプなどで構成されうる。フィルタ回路330は、電圧増幅アンプ320から出力された信号の帯域を制限するフィルタであり、例えば、ローパスフィルタでありうる。ローパスフィルタを通過後した電流情報が、検出部106に供給される。
【0027】
電流電圧変換アンプ310は、バイアス線Bsを流れる電流を検知するほか、電源部105からバイアス電源104に供給される基準バイアス電位Vs_refに応じた電位をバイアス線Bsに供給する。電流電圧変換アンプ310には、トランスインピーダンスアンプなどが用いられうる。電流電圧変換アンプ310は、例えば、演算増幅器311と、演算増幅器311の反転入力端子と出力端子との間に配置されたフィードバック経路312と、を含む。演算増幅器311の非反転入力端子には、基準バイアス電位Vs_refが与えられる。電流電圧変換アンプ310は、フィードバック経路312を有することによって、演算増幅器311の非反転入力端子に与えられる基準バイアス電位Vs_refに応じた電位を反転入力端子に発生するように機能する。より具体的には、電流電圧変換アンプ310は、演算増幅器311の非反転入力端子に供給される基準バイアス電位Vs_refとほぼ同一の電位を反転入力端子に発生するように機能する。
【0028】
図5に示されるように、フィードバック経路312に複数の経路が配され、スイッチSWA、SWB、SWCなどによって、有効にする経路が、適宜切り替えられる構成としてもよい。制御部107は、制御信号VSXを検知回路500に供給することによって、フィードバック経路312が備える複数の経路のうち有効にする経路を選択し、電流電圧変換アンプ310のフィードバック経路312のインピーダンス(以下、フィードバックインピーダンス)を制御してもよい。例えば、以下のように、放射線撮像装置100の駆動状態に応じてフィードバックインピーダンスを制御してもよい。
【0029】
空読み駆動中において、画素部101への放射線の照射の開始を速やかに検出するためには、バイアス線Bsを流れる電流を高い感度で検知する必要がある。そこで、空読み駆動中においては、フィードバックインピーダンス(電流電圧変換アンプ310のゲイン)を大きくしてもよい。一方、本読み駆動中において、変換素子202に蓄積された電荷を信号線Sigに転送する際、フィードバックインピーダンスが大きいと、変換素子202へのバイアス線Bsからの電流供給が遅くなる。特に、画素部101に対して、部分的に強い放射線が入射している場合、変換素子202へのバイアス線Bsからの電流供給の遅れによって、画像にアーチファクト(クロストーク)が生じやすい。そこで、本読み駆動中においては、フィードバックインピーダンスを小さくしてもよい。
【0030】
上述の検知回路500をはじめ、有限のフィードバックインピーダンスを有するような電流-電圧変換回路215を本実施形態の撮像部110に組み合わせることによって、以下のような効果が得られる。本実施形態の撮像部110を、例えば、
図14に示されるような比較例の撮像部111と比較すると、本読み駆動中に1本の駆動線Vgの電圧を導通電圧にした際に、導通するスイッチ素子201の数は半分である。従って、本読み駆動時に電流-電圧変換回路215が、バイアス線Bsから変換素子202に供給すべき電流の総量も略半分となる。すなわち、電流-電圧変換回路215のフィードバックインピーダンスが同じであれば、クロストークの発生量は比較例の撮像部111と比べて略半減するという効果がある。また、本実施形態の撮像部110を用いることによって、電流-電圧変換回路215のフィードバックインピーダンスを略倍まで大きくしても、許容されるクロストーク量が比較例の撮像部111と同等に保たれるため、電流-電圧変換回路215の回路設計上の選択肢が広がるという効果もある。
【0031】
図6(a)は、画素部101の(n行目、2m列目)付近の8つの画素200の構成例を示す平面図である。
図6(a)に示される構成において、偶数列に配された変換素子202と奇数列に配された変換素子202とは、共通の列信号線Sigを挟んで点対称の位置に配されている。また、偶数列に配されたスイッチ素子201と奇数列に配されたスイッチ素子201とは、共通の列信号線Sigを挟んで点対称の位置に配されている。しかしながら、これに限られることはない。例えば、偶数列に配された変換素子202と奇数列に配された変換素子202とは、共通の列信号線Sigを挟んで線対称の位置に配されていてもよい。同様に、偶数列に配されたスイッチ素子201と奇数列に配されたスイッチ素子201とは、共通の列信号線Sigを挟んで線対称の位置に配されていてもよい。
【0032】
図6(b)は、
図6(a)に示されるA-A’間の断面図である。
図6(b)に示される構成において、基板400は、ガラスまたはプラスチックなどの絶縁性基板である。スイッチ素子201は、基板400の上に形成され、制御電極401、主電極402、主電極403、絶縁層404を含む。制御電極401と駆動線Vg、主電極402と信号線Sigは、それぞれ共通の導電膜で一体的に形成されうり、絶縁層404はスイッチ素子201のゲート絶縁膜として機能する。スイッチ素子201は、スイッチ素子201の上に遮光層(不図示)を有していてもよい。変換素子202は、光電変換素子であるPIN型フォトダイオードを含み、PIN型フォトダイオードは、電極411、半導体層412、電極414をこの順に積層して形成する。このうち半導体層412は、不純物半導体層4121、真性半導体層4122、不純物半導体層4123がこの順に積層されたものである。本実施形態において、スイッチ素子201の主電極403と変換素子202の電極411は共通の導電膜で一体的に形成されうるが、別の導電材料で構成されていてもよい。
【0033】
スイッチ素子201と変換素子202は、電極414の上の一部に設けられた開口部450を除き、共通の絶縁層420によって覆われている。バイアス線Bsは、絶縁層420の上に設けられている。導電層430は、開口部450を通り、バイアス線Bsと電極414を電気的に接続する。バイアス線Bsは、例えば、金属膜によって、導電層430は、例えば、ITOなどの透明導電膜によって、それぞれ形成することができる。保護層440は、上述の各構成の全体を被覆している。絶縁層404や絶縁層420、保護層440は、窒化シリコンなどの無機絶縁材料によって形成されうる。さらに、保護層440の上に、放射線を変換素子202として機能するPIN型フォトダイオードが検出可能な波長の光に変換するシンチレータ(不図示)が設けられる。
【0034】
本実施形態において、互いに隣り合う2つの列に配された画素200が、信号を出力する列信号線Sigを共有する。これによって、読出回路102の増幅回路206の数を半減できるため、増幅回路206に用いられるICチップなどの部材コストを削減できる。さらに、放射線画像を得るための画素200の変換素子202にバイアス電位を供給するためのバイアス線Bsを流れる電流に基づいて、検出部106は、放射線の照射の有無を判定する。これによって、放射線撮像装置100の他に、放射線の照射を検出するための線量センサなどを設ける場合と比較して、部材コストを上昇させることなく放射線の照射の有無を判定できる。また、バイアス線Bsは画素部101の全体に配されるため、放射線が画素部101の何れの領域に照射された場合であっても、放射線の照射の有無を判定することができる。
【0035】
図7(a)は、検出部106において、放射線の照射の開始を判定する際に相関二重サンプリング(CDS)駆動を行う場合のタイミング図を示している。検出部106は、駆動回路214が複数の画素200のうち何れかの画素のスイッチ素子201を導通状態にしたときにバイアス線Bsを流れる電流を表す信号値のみに基づいて、放射線の照射の有無を判定してもよい。しかしながら、CDSを行うことによって、より高精度に放射線の照射の有無を判定することが可能となる。バイアス線Bsを流れる電流の情報を取得するため、画素部101に配された何れかの画素200のスイッチ素子201を導通状態にしたときにバイアス線Bsを流れる電流をサンプリングし、これを信号値Sとする。また、画素部101に配された画素200のスイッチ素子201が非導通状態のときのバイアス線Bsを流れる電流をサンプリングし、これを信号値Nとする。信号値Sと信号値Nとに基づいて、検出部106が、放射線の照射の有無を判定する。例えば、連続する信号値Sと信号値Nとの差分を用いてノイズ成分を除去することによって、検出部106は、放射線の照射の有無を精度よく判定することができる。
【0036】
図7(b)は、
図7(a)の変形例のタイミング図である。
図7(a)に示される構成において、先頭行(0行目)から最終行(Y-1行目)まで順番に空読みする場合を説明した。一方、
図7(b)に示される構成において、駆動線Vg(0)、Vg(2)、Vg(4)、・・・を順次導通電圧とし、偶数列の画素200のスイッチ素子201を順次導通状態にさせる第1サブフレームと、駆動線Vg(1)、Vg(3)、Vg(5)、・・・を順次導通電圧とし、奇数列の画素200のスイッチ素子201を順次導通状態にさせる第2サブフレームと、を繰り返す。この駆動であっても、
図7(a)と同様に信号値Sと信号値Nとを用いてCDSを行うことによってノイズ成分が除去し、精度よく放射線の照射の有無を検出することができる。
【0037】
加えて、
図7(b)に示される動作は、放射線の照射の開始判定の誤検知(放射線の照射がないにもかかわらず照射開始と判定してしまう事象)の発生確率を抑えることができる。一般に、放射線の照射が始まってから照射開始判定が行われるまでには遅れ(時間差)がある。このため、
図4に示される放射線の照射の開始が判定されるYs行付近の画素200の信号電荷の一部が、空読み期間中に読出回路102に流出し、本読みで出力される画像情報にアーチファクト(欠損)が生じる場合がある。この欠損は、
図1の制御用コンピュータ120などで画像補正を行うことによって除去されうる。しかしながら、放射線が高線量率で照射された場合など、欠損量が多くなり、補正に失敗し欠損を除去しきれないことがある。この事象を避けるため、上述の放射線の照射の開始の判定閾値Th1は通常、低め(放射線の照射に対し高感度)に設定される。この場合、外来ノイズによる誤検知の発生頻度が増加してしまう。すなわち、欠損除去の確実性と、誤検知の発生頻度の抑制にはトレードオフの関係がある。一方、
図2の等価回路をもつ撮像部110を、
図7(b)のタイミング図を用いて駆動すると、例えば、第1サブフレーム期間中に偶数列のYs行付近の画素200の信号電荷が一部失われたとしても、奇数列の画素200の信号電荷を用いて、偶数列の画素200の欠損を補正することができる。すなわち、判定閾値Th1を高め(放射線照射に対し低感度)に設定し、誤検知を抑制することができるようになる。
【0038】
また、空読み駆動中において、駆動線Vgの電位を1本ずつ導通電位とする(1度に1行の半数ずつの画素が駆動される。)代わりに、1度に複数の駆動線Vgを導通電位としてもよい。駆動線Vgの電位を1本ずつ導通電位とする場合と比較して、1度に駆動される画素200の数が増え、バイアス線Bsを流れる電流の量が増加するため、放射線の照射開始の判定の感度を高めることができる。
【0039】
例えば、1度に2本の駆動線Vg導通電位とする場合、連続する2本の駆動線(例えば、駆動線Vg(0)および駆動線Vg(1)、駆動線Vg(2)および駆動線Vg(3)、・・・)が、同時に順次、導通電圧とされてもよい。また、例えば、連続する偶数本目の2本の駆動線(例えば、駆動線Vg(0)および駆動線Vg(2)、駆動線Vg(4)および駆動線Vg(6)、・・・)が同時に順次、導通電圧とされ、最終行に到達する。次いで、連続する奇数本目の2本の駆動線(例えば、駆動線Vg(1)および駆動線Vg(3)、駆動線Vg(5)および駆動線Vg(7)、・・・)が同時に順次、導通電圧とされてもよい。また、例えば、1度に4本の駆動線Vgを導通電位とする場合、連続する4本の駆動線(例えば、駆動線Vg(0)から駆動線Vg(3)、駆動線Vg(4)から駆動線Vg(7)、・・・)が同時に順次、導通電圧とされてもよい。あmた、例えば、連続する偶数本目の4本の駆動線(例えば、駆動線Vg(0)、(2)、(4)、(6)・・・)が同時に順次、導通電圧とされ、最終行に到達する。次いで、連続する奇数本目の4本の駆動線(例えば、駆動線Vg(1)、(3)、(5)、(7)・・・)が同時に順次、導通電圧とされてもよい。
【0040】
空読み駆動中、画素部101に配されたそれぞれの画素200において駆動線Vgとバイアス線Bsとの配線間容量を低減することによって、放射線の照射開始の判定をより高い感度で行うことが可能となる。
図8は、画素200においてバイアス線Bsを流れる電流I_Bsの説明するための図である。変換素子202の容量がCsであり、駆動線Vgとバイアス線Bsとが配線間容量Cvg-bsを有するとして説明する。また、駆動線Vgに印加される非導通電圧をVoff、導通電圧をVonとする。駆動線Vgの電位をVoffからVonに切り替えた場合、バイアス線Bsに流れる電流I_Bsには以下の成分I1、I2が含まれる。
成分I1:変換素子202で放射線から変換されて発生した電荷が、バイアス線Bsを介してバイアス電源104に流れ込む電流。
成分I2:駆動線Vgとバイアス線Bsとの容量性結合に起因し、Cvg-bs×(Von-Voff)に比例する電流。
成分I1は、放射線撮像装置100に放射線が照射されているときのみ発生する。成分I2は、放射線の照射有無にかかわらず、駆動線Vgの電位をVoffからVon(またはVonからVoff)に切り替える際に発生する。放射線撮像装置100において、放射線の照射の有無を感度よく検出するためには、バイアス線Bsに流れる電流のSN比(成分I2に対する成分I1の比)を高める必要がある。つまり、配線間容量Cvg-bsを低減することが有効である。
【0041】
また、本読み駆動中に、クロストークを低減するためにも画素200における配線間容量Cvg-bsを低減することが有効である。なぜならば、配線間容量Cvg-bsを低減することによって、バイアス線BsのRC時定数が小さくなり、変換素子202へのバイアス線Bsからの電流の供給が速やかに行われるようになるからである。
【0042】
図9(a)は、配線間容量Cvg-bsの低減を考慮した画素200の平面図、
図9(b)は、
図9(a)に示されるA-A’間の断面図である。本実施形態において、駆動線Vgとバイアス線Bsとの交差部460において、駆動線Vgおよびバイアス線Bsの線幅を他の部分より細くする。
図9(a)に示されるように、本実施形態において、駆動線Vgおよびバイアス線Bsの両方の線幅が、交差部460付近で狭くなっているがこれに限られることはない。画素部101に対する正射影において、駆動線Vgの幅およびバイアス線Bsの幅のうち少なくとも一方が、駆動線Vgとバイアス線Bsとが交差する部分(交差部460)において、他の部分よりも細くなっていればよい。これによって、
図6(a)に示される構成よりも、配線間容量Cvg-bsを低減することが可能となる。
【0043】
図9(a)、9(b)に示される構成を有する画素200を備えた放射線撮像装置100においても、部材コストを上昇させることなく、また、画素部101の何れの領域に放射線の照射のされた場合でも放射線の照射の有無を判定できる。さらに、
図9(a)、9(b)に示される構成によって、空読み駆動中の放射線の照射の有無の判定の検出感度が
図6(a)、6(b)に示される構成よりも向上すると同時に、本読み駆動中のクロストークが低減する。
【0044】
次いで、
図10を用いて、配線間容量Cvg-bsを低減する別の方法について説明する。
図10は、画素200の
図6(a)に示されるA-A’間の断面図である。
図10に示される画素200において、駆動線Vgとバイアス線Bsとの間に平坦化層470を挿入することによって、駆動線Vgとバイアス線Bsとが、
図6(b)に示される構成と比較して高さ方向に離間している。これによって、配線間容量Cvg-bsが低減される。
【0045】
図10に示される構成において、基板400に配された変換素子202およびスイッチ素子201によって形成される段差を抑制するための平坦化層470が、変換素子202およびスイッチ素子201を覆うように配される。駆動線Vgは、平坦化層470よりも基板400の側に配され、バイアス線Bsは、平坦化層470よりも基板400から離れた側に配される。スイッチ素子201の構造は、
図6(b)に示される構成と同様であってよい。
図10に示される構成において、変換素子202の上方(絶縁層420と導電層430との間)に平坦化層470が挿入されているが、これに限られることはない。平坦化層470は、駆動線Vgとバイアス線Bsとの間の任意の部分に配されれば、配線間容量Cvg-bsを低減する効果が得られる。
【0046】
平坦化層470は、感光性アクリルやポリイミドなどの比誘電率が低い(例えば、ε/ε0=2~5)材料が用いられてもよく、膜厚は、1~5μm程度と比較的厚く形成できる。このため、駆動線Vgとバイアス線Bsとが交差する交差部460における容量結合を低減するのに効果的である。開口部450は、絶縁層420および平坦化層470に設けられ、導電層430は、開口部450を通り、バイアス線Bsと電極414を電気的に接続する。
【0047】
図10に示される構成を有する画素200を備えた放射線撮像装置100においても、部材コストを上昇させることなく、また、画素部101の何れの領域に放射線の照射のされた場合でも放射線の照射の有無を判定できる。さらに、
図10に示される構成によって、配線間容量Cvg-bsが低減され、空読み駆動中の放射線の照射の有無の判定の検出感度が
図6(a)、6(b)に示される構成よりも向上すると同時に、本読み駆動中のクロストークが低減する。
【0048】
次いで、
図11を用いて、配線間容量Cvg-bsを低減するさらに別の方法について説明する。
図11(a)は、画素部101の(n行目、2m列目)付近の8つの画素200の構成例を示す平面図、
図11(b)、11(c)は、
図11(a)に示されるA-A’間、B-B’間のそれぞれ断面図である。
図11に示される構成において、平坦化層470が、スイッチ素子201と変換素子202との間に挿入される。
【0049】
図11(a)~11(c)に示される構成において、基板400に配されたスイッチ素子201によって形成される段差を抑制するための平坦化層470が、スイッチ素子201を覆うように配される。駆動線Vgは、平坦化層470よりも基板400の側に配され、変換素子202およびバイアス線Bsは、平坦化層470よりも基板400から離れた側に配される。スイッチ素子201の構造は、
図6(b)に示される構成とほぼ同様であるが、スイッチ素子201は、主電極403の上の一部に設けられた開口部451を除き、絶縁層420、平坦化層470によって覆われている。絶縁層420は、窒化シリコンなどの無機絶縁膜で、平坦化層470は、感光性アクリルやポリイミドなどでそれぞれ形成されうる。平坦化層470の上に、変換素子202であるフォトダイオードの電極416が形成されている。電極416は、スイッチ素子201の主電極403とは別の導体膜から形成されており、たとえばITOなどの透明導電膜などを用いることができる。電極416と主電極403とは、開口部451に形成される導電体を介して電気的に接続されている。本実施形態において、変換素子202であるフォトダイオードはMIS型フォトダイオードであり、電極416、絶縁層417、半導体層418、電極419をこの順に積層して形成する。このうち半導体層418は、真性半導体層4181、不純物半導体層4182をこの順に積層したものである。電極419の上に、バイアス線Bsが列方向に延在して設けられており、電極419とバイアス線Bsとは電気的に接続している。保護層440は、これらの各構成を全体に被覆している。
【0050】
図11に示される構成において、平坦化層470が、スイッチ素子201と変換素子202との間に配される。これによって、画素部101に対する正射影において、複数の画素200のそれぞれの画素において、変換素子202とスイッチ素子201との少なくとも一部が、互いに重なって配することができるようになる。結果として、画素開口率(画素のレイアウト面積におけるフォトダイオードの受光面積の割合)を高めることができる。さらに、
図11(a)に示されるように、画素部101に対する正射影において、バイアス線Bsが、複数の画素200のそれぞれの画素の変換素子202と重なるように配されていてもよい。バイアス線Bsが、変換素子202の下部電極(
図11(b)において電極416。)によって駆動線Vgから静電遮蔽されるため、配線間容量Cvg-bsをさらに低減することができる。
【0051】
図11に示される構成を有する画素200を備えた放射線撮像装置100においても、部材コストを上昇させることなく、また、画素部101の何れの領域に放射線の照射のされた場合でも放射線の照射の有無を判定できる。さらに、
図11(a)~11(c)に示される構成によって、バイアス線Bsが、変換素子202の下部電極によって駆動線Vgから静電遮蔽されるため、配線間容量Cvg-bsを低減することができる。結果として、空読み駆動中の放射線の照射の有無の判定の検出感度が
図6(a)、6(b)に示される構成よりも向上すると同時に、本読み駆動中のクロストークが低減する。
【0052】
図12は、
図2に示す撮像部110の変形例を示す撮像部110’の構成例を示す等価回路図である。撮像部110’において、バイアス電源104は、バイアス電源104aとバイアス電源104bとを含む。また、バイアス線Bsは、バイアス電源104aに接続されたバイアス線Bsaと、バイアス電源104bに接続され、バイアス線Bsaとは電気的に独立したバイアス線Bsbと、を含む。偶数列目の画素200(例えば、画素200a)の変換素子202は、一方の電極がスイッチ素子201の2つの主電極の一方に電気的に接続され、他方の電極がバイアス線Bsaを介してバイアス電源104aと電気的に接続される。同様に、奇数列目の画素200(例えば、画素200b)の変換素子202は、一方の電極がスイッチ素子201の2つの主電極の一方に電気的に接続され、他方の電極がバイアス線Bsbを介してバイアス電源104bと電気的に接続される。バイアス電源104aは、バイアス配線Bsaを介して画素200の変換素子202にバイアス電位Vs_refaを与えると共に、バイアス配線Bsaに供給した電流量の時間変動を含む電流情報を検出部106に出力する。同様に、バイアス電源104bは、バイアス配線Bsbを介して画素200の変換素子202にバイアス電位Vs_refbを与えると共に、バイアス配線Bsbに供給した電流量の時間変動を含む電流情報を検出部106に出力する。バイアス電源104aおよびバイアス電源104bは、互いに相関なくそれぞれ独立して動作しうる。例えば、電源部105を、2つの互いに独立な電圧出力バッファを有するように構成し、それぞれから出力される基準電源Vs_refa、Vs_refbをバイアス電源104aおよび104bにそれぞれ入力する構成としてもよい。あるいは、電源部105を、2つの互いに独立なDC/DCコンバータを有するように構成し、それぞれに接続された電圧出力バッファからの基準電源Vs_refa、Vs_refbをバイアス電源104aおよび104bにそれぞれ入力する構成としてもよい。このDC/DCコンバータは、例えば発振周波数が同じで位相が異なるように構成することができる。バイアス電位Vs_refaおよびバイアス電位Vs_refbは、個別に設定可能である。バイアス電源104aが供給するバイアス電位Vs_refaと、バイアス電源104bが供給するバイアス電位Vs_refbと、が互いに異なる電位であってもよい。画素200の構造は、
図6(a)、6(b)、
図9(a)、9(b)、10、11(a)~(c)に示す何れの構成を用いてもよい。
【0053】
図13(a)は、
図12に示される撮像部110’を備える放射線撮像装置100において、検出部106がCDS駆動を行う場合のタイミング図を示している。ここで、バイアス電源104aに接続されたバイアス線Bsaとバイアス電源104bに接続されたバイアス線Bsbとを流れる電流をそれぞれ個別にサンプリングできる構成であるとする。
【0054】
駆動線Vg(0)を導通電圧、他の駆動線Vgを非導通電圧とすると、0行目・奇数列目の画素200のスイッチ素子201が信号線Sigと導通する。このとき、放射線が照射されていれば、上述の放射線から変換された電荷に基づく電流の成分I1が、バイアス線Bsaを介してバイアス電源104aの電流に流入する。他方、バイアス線Bsbを介してバイアス電源104bに接続された画素200のスイッチ素子201は導通していないため、成分I1が流入することはない。そこで、検出部は、バイアス電源104aに変換素子202が接続された画素200のうち何れかの画素のスイッチ素子201が導通状態のときにバイアス線Bsaを流れる電流を表す信号値Sと、バイアス電源104bに変換素子202が接続された画素200のスイッチ素子201が非導通状態のときにバイアス線Bsbを流れる電流を表す信号値Nと、を、サンプリングするタイミングの少なくとも一部が重なるように取得する。検出部106は、信号値Sと信号値Nとを同時にサンプリングしてもよい。検出部106は、サンプリングした信号値Sと信号値Nに基づいて、例えば、信号値Sと信号値Nとの差分をとることによってノイズ成分を除去し、放射線の照射の有無を判定することができる。
【0055】
例えば、
図13(a)に示されるように、駆動線Vg(4)を導通電圧としている間だけ、外来ノイズが入力した場合を考える。例えば、被写体が動いてしまい、放射線撮像装置100に衝撃が加わるなどした場合が考えられる。この場合、駆動線Vg(4)を導通電圧として信号値Sを取得し、次いで、駆動線Vg(5)を導通電圧として信号値Nを取得すると、検出部106が、信号値Sと信号値Nとの差分を算出した際に、放射線の照射が開始されたと誤判定する可能性がある。一方、
図13(a)に示されるように、検出部106が、信号値Sと信号値Nとを同時にサンプリングすることによって、外来ノイズの成分を
図7(a)、7(b)に示される駆動よりも高精度に除去できる。これによって、放射線の照射の有無を判定の精度が、より向上しうる。また、
図13(b)に示されるように、上述の
図7(b)と同様に、偶数列の画素200のスイッチ素子201を順次導通状態にさせる第1サブフレームと、奇数列の画素200のスイッチ素子201を順次導通状態にさせる第2サブフレームと、を交互に繰り返してもよい。
【0056】
図12に示される構成を有する撮像部110’を備えた放射線撮像装置100においても、部材コストを上昇させることなく、また、画素部101の何れの領域に放射線の照射のされた場合でも放射線の照射の有無を判定できる。さらに、2系統のバイアス線Bsを流れる電流を同時にサンプリングすることによって、上述の撮像部110よりも高精度に放射線の照射の有無を判定することができる。
【0057】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0058】
100:放射線撮像装置、101:画素部、104:バイアス電源、106:検出部、200:画素、201:スイッチ素子、202:変換素子、214:駆動回路、Bs:バイアス線、Sig:列信号線、Vg:駆動線