(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】X線防護具
(51)【国際特許分類】
A61B 6/10 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
A61B6/10 503
(21)【出願番号】P 2020008627
(22)【出願日】2020-01-22
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五月女 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】西墻 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】福崎 武宏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勘成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘明
(72)【発明者】
【氏名】酒井 泰
(72)【発明者】
【氏名】猪野 保
(72)【発明者】
【氏名】工藤 工
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-065794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0029720(US,A1)
【文献】特表2018-534982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0320246(US,A1)
【文献】登録実用新案第3181434(JP,U)
【文献】特開昭63-049141(JP,A)
【文献】特開2008-104491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
前記シャフトの長軸に垂直な方向に位置変更可能に前記X線防護シートを前記シャフトに取付けるシートレールと、
を有するX線防護具。
【請求項2】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
連結用ベースと連結用シャフトとから成るユニット連結部と、
を備え、
前記X線防護シートの一端は前記連結用シャフトに固定され、前記X線防護シートの他端は前記シャフトに固定される、
X線防護具。
【請求項3】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記X線防護シートは、前記X線防護シートの下部に止め部を有し、
前記X線防護シートの上部は前記シャフトに取付けられ、前記X線防護シートの下部は前記止め部を介して前記シャフトに取付けられる、
X線防護具。
【請求項4】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記X線防護シートは、前記X線防護シートのたわみを防止する骨部をさらに有する、
X線防護具。
【請求項5】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記シャフトは、湾曲可能に構成される、
X線防護具。
【請求項6】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記シャフトは、湾曲可能に構成され、
前記X線防護シートは、前記シャフトの形状に沿って湾曲する、
X線防護具。
【請求項7】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記X線防護シートは、前記X線防護シートの一部を折り曲げることで、前記X線防護シートの有効領域の大きさを調整可能に前記シャフトに取付けられる、
X線防護具。
【請求項8】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記X線防護シートは、蛇腹状に折りたたまれることで前記X線防護シートの有効領域の大きさを調整可能に前記シャフトに取付けられる、
X線防護具。
【請求項9】
天板に着脱可能に取付けられるベースと、
前記ベースに取付けられるシャフトと、
前記シャフトに取付けられるX線防護シートと、
を備え、
前記シャフトは前記シャフトの長軸方向に伸縮可能であり、
前記X線防護シートをロール状に巻き取る巻取り部と、
前記巻取り部に巻き取られた前記X線防護シートを引き出して前記X線防護シートの有効領域の大きさを調整する引出し部と、
前記シャフトの上方に取付けられた前記巻取り部と前記天板との距離を測定するセンサと、
前記センサで検出された前記距離に応じて前記X線防護シートの前記有効領域の大きさを自動で調整する調整部と、
をさらに有する、
X線防護具。
【請求項10】
前記X線防護シートは、前記シャフトの長軸を中心に回転可能に前記シャフトに取付けられる、
請求項1
乃至9のいずれか1項に記載のX線防護具。
【請求項11】
前記ベースは、前記天板の長手方向に位置変更可能に前記天板に取付けられる、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線防護具。
【請求項12】
前記ベースは、前記天板の側面に設けられたレールに着脱可能に取付けられる、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のX線防護具。
【請求項13】
前記X線防護シートは、シート連結部をさらに備え、
2つのX線防護シートが前記シート連結部を介して連結される、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のX線防護具。
【請求項14】
前記X線防護シートは、前記天板を横断して取付け可能で、前記天板側の一部に切欠きを有する、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のX線防護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書等に開示の実施形態は、X線防護具に関する。
【背景技術】
【0002】
X線を用いた検査では、X線源から被検体に直接照射されたX線(1次X線)によって発生する2次X線から、医療従事者や被検体の介助者の被ばくを防ぐことが求められている。2次X線は、例えば、被検体に入射した1次X線が被検体内で光電効果やコンプトン散乱を起こすことで生じる。また、被検体に入射した1次X線は入射方向とは異なった方向へ散乱するため、2次X線は1次X線が照射された周囲に散乱し、被検体の周囲に位置する医療従事者や介助者の被ばくの原因となる。
【0003】
医療従事者や介助者は、X線を防護する衣服を装着することで2次X線からの被ばくを低減できる。また、医療従事者や介助者は、眼球や甲状腺などのX線感受性の高い部位を保護するため、メガネや頸部のプロテクタなども合わせて装着する。しかしながら、これらはX線を遮蔽する素材が使用されているため重量があり、治療中ずっと身に着けていることは装着者の負担となりうる。
【0004】
そこで、従来、被検体が載置される天板に置くことができるX線防護具が知られている。しかしながら、天板に置くことができるX線防護具は、天板の側面に設置されるため、被検体の頭側や足側の医療従事者や介助者の被ばくを防止できない。また、床置き式のX線防護具や天井吊り下げ式のX線防護具が知られている。しかしながら、床置き式のX線防護具や天井吊り下げ式のX線防護具のX線防護具は、いずれも被検体が載置された天板やX線照射装置の移動に応じて設置位置を再調整する手間が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、容易に設置可能で、位置ずれが生じないX線防護具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るX線防護具は、ベースと、シャフトと、X線防護シートとを有する。ベースは、天板に着脱可能に取付けられる。シャフトは、ベースに取付けられる。X線防護シートは、シャフトに取付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るX線防護具が設置されたX線診断装置の概念的な構成図。
【
図2】
図2(a)は、X線防護具の模式的分解図、
図2(b)は、X線防護具を付属品取付けレールに取付けた状態の模式図。
【
図3】
図3(a)は、X線防護具の模式的分解図、
図3(b)は、X線防護具を天板に取付けた状態の模式図。
【
図4】
図4(a)は、
図3(b)のIVa-IVa断面の模式図、
図4(b)は、
図3(b)のIVb-IVb断面の模式図。
【
図5】
図5(a)は、ユニット連結部の模式図、
図5(b)は、ユニット連結部1cの変形例の模式図、
図5(c)は、ユニット連結部が2つのX線防護具を連結した状態を示す模式図。
【
図6】
図6は、第2の実施形態に係るX線防護具のシート連結部の例を説明する模式図。
【
図7】
図7は、X線防護シートの骨部を説明する模式図。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係るX線防護具の止め部の例を説明する模式図。
【
図9】
図9(a)は、フレキシブルシャフトを湾曲させる前のX線防護具の模式図、
図9(b)は、フレキシブルシャフトを湾曲させたX線防護具の模式図。
【
図10】
図10(a)は、ロール状に巻き取られたX線防護シートの方側がシャフトに固定されたX線防護具の例を説明する模式図、
図10(b)は、ロール状に巻き取られたX線防護シート上部の略中央の位置がシャフトに固定されたX線防護具の例を説明する模式図。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係るX線防護シートの有効領域を自動調整可能なX線防護具の概念的な構成図。
【
図12】
図12(a)は、蛇腹状のX線防護シートの設置例、
図12(b)は、ロール状のX線防護シートの設置例。
【
図13】
図13(a)は、調整用部材を有するX線防護シートが取付けられたX線防護具の模式図、
図13(b)は、調整用部材によるX線防護シートの調整方法を示す模式図。
【
図14】
図14(a)は、注腸検査の模式的な斜視図、
図14(b)は、注腸検査を受ける被検体を足側から観察した模式図。
【
図15】
図15(a)は、シート面の一部に切欠きを有するX線防護シートの例を示す模式図、
図15(b)は、シート面の一部に切り込みを有するX線防護シートの例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、X線防護具の実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係るX線防護具1が設置されたX線診断装置100の概念的な構成図である。
図1に示すように、X線診断装置100は、寝台装置50、撮像装置60、制御装置70を有する。X線防護具1は、X線診断装置100の寝台装置50に着脱可能に取付けられる。
【0011】
撮像装置60は、X線発生部61、X線可動絞り62を有する。X線発生部61は、X線を発生させるX線管を備え、制御装置70の制御に基づいて高圧電源のから電圧を印加されることによりX線を発生する。
【0012】
X線可動絞り62は、例えば、複数の絞り羽根をスライドさせることで被検体の撮像領域に選択的にX線が照射されるようにX線の照射範囲を絞り込む。また、絞り装置は、絞り羽根の開度を調整することで被検体に照射されるX線照量を調整する。
【0013】
X線検出部63は、寝台装置50の内部に設けられ、X線発生部61と対向した位置に設置される。X線検出部63は、平面検出器(FPD:flat panel detector)、A/D(analog to digital)変換器を有する。FPDは、2次元に配列された複数の検出素子を有する。さらに、X線透視撮影を行うためのX線検出部63は、X線TVカメラを有してもよい。A/D変換器は、FPDから出力される時系列的なアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御装置70に送信する。制御装置70は、デジタル信号からX線画像を生成する。
【0014】
制御装置70は、処理回路、記憶回路、画像処理回路など制御回路を有し、X線診断装置100全体の制御を担う。これらの制御回路は、夫々プロセッサを具備し、プロセッサが記憶回路に記憶されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。例えば、画像処理回路のプロセッサは、記憶回路に記憶された画像処理プログラムを実行し、X線画像を生成し、不図示のディスプレイに表示する。
【0015】
記憶回路は、磁気的もしくは光学的記録媒体又は半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体を含んだ構成を有する。記憶回路の記憶媒体内のプログラム及びデータの一部又は全部は電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路に与えられてもよい。なお、記憶回路に記憶される情報の一部又は全部は、外部の記憶回路や図示しないX線診断装置100が有する別の記憶回路などの記憶媒体の少なくとも1つに分散されて記憶され、或いは複製されて記憶されてもよい。
【0016】
ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、制御装置70の制御に従ってX線画像を表示する。
【0017】
寝台装置50は、天板51、付属品取付けレール52、寝台起倒部64、支持台、支持台内に配置される天板駆動装置を有する。天板51上には、被検体が載置される。
【0018】
支持台は、天板51を水平方向(装置座標系のZ軸方向)に移動可能に支持する。天板駆動装置は、天板51を装置座標系のZ軸方向に移動させる。また、天板駆動装置は、天板51をY軸方向と平行に移動させ、天板51を昇降させる。さらに、寝台起倒部64は、寝台装置50を起倒させる。寝台装置50は、寝台起倒部64を回転軸として回転することで起倒する。起倒とは、例えば、天板51に載置された被検体の頭部が足よりも高くなる方向に天板51をX軸回りに回転さて、天板51上面の床に対する角度を変えることである。
【0019】
以下、本明細書では、特に断りのない限り、上記装置座標系のX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。まず、鉛直方向をY軸とし、天板51は、その上面の法線方向がY軸方向となるように配置される。天板51の水平移動方向をZ軸とし、天板51は、その長手方向がZ軸方向となるように配置される。X軸は、Y軸及びZ軸に直交する。
【0020】
付属品取付けレール52は、寝台装置50の側面に設けられたレールである。付属品取付けレール52は、寝台装置50の両側面に設けられている。付属品取付けレール52には、例えば、フットレスト、コントローラ、ハンドグリップなどのX線診断装置100の付属品が着脱可能に取付けられる。これらの付属品は、例えば、寝台装置50が移動又は起倒する場合でも、取付けられた位置から動かないように付属品取付けレール52に取付けられる。これらの付属品と同様に、X線防護具1も付属品取付けレール52に着脱可能に取付けられる。
【0021】
図1に示すように、X線防護具1は、寝台装置50に複数取付けられる。なお、
図1では、天板51の上面側にX線防護シート12が配置される例を示したが、X線防護シート12は、天板51の下側に取付けられてもよい。X線防護具1を天板51の下側に取付けた場合、被検体の天板51への載置面から下向きに放出されるX線による医療従事者や被検体の介助者の下半身への被ばくを低減できる。
【0022】
X線防護具1は、ベース10、シャフト11、X線防護シート12を有する。ベース10は、寝台装置50に着脱可能に取付けられる。例えば、ベース10は、天板51側面の付属品取付けレール52に着脱可能に取付けられる。なお、ベース10は、付属品取付けレール52が設けられていない天板にも取付け可能である。例えば、ベース10は天板51を挟んで固定するクランプ構造を有し、天板51に着脱可能に取付けられてもよい。
【0023】
シャフト11は、ベース10に取付けられる。X線防護シート12は、シャフト11に取付けられる。
【0024】
X線防護シート12は、X線を遮蔽する繊維、樹脂、ゴム、金属などの材料で構成される。また、X線防護シート12は、可撓性のシートであってもよいし、非可撓性のシートであってもよい。即ち、X線防護シート12は、X線を遮蔽する機能を有していればどのような素材、材質でもよい。
【0025】
以下、第1の実施形態から第4の実施形態に係るX線防護具1について、
図2から
図15をそれぞれ参照して詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、X線防護シート12の位置が変更可能なX線防護具1に関する。
【0027】
図2(a)及び
図2(b)は第1の実施形態に係るX線防護具1の模式図である。
【0028】
図2(a)は、X線防護具1aの分解図を模式的に示している。
図2(a)に示すように、X線防護具1aは、ベース10a、シャフト11、X線防護シート12を有する。ベース10aは、シャフト挿入穴14を有し、シャフト11はベース10aのシャフト挿入穴14に取付けられる。
【0029】
シャフト11の下部には、挿入部21が設けられている。挿入部21は、例えば、シャフト11をベース10aに固定する突起を有してもよい。また、挿入部21の表面及びシャフト挿入穴14の壁に溝が設けられ、シャフト11がねじのようにベース10aに対して回転できても良い。また、シャフト挿入穴14に挿入される挿入部21の長さに応じてシャフト11の長さが調整できても良い。
【0030】
シャフト11は、シャフトの長軸を回転軸20として矢印Aの方向に回転可能にベース10aに取付けられる。これにより、シャフト11に固定されたX線防護シート12は、回転軸20の周りを回転可能となる。このように、シャフト11をベース10aに対して回転可能に取付けることで、X線防護シート12の長手方向(シャフト11の長軸と垂直な方向)が天板51の短手方向と平行になるようにX線防護具1aを設置することもできる。また、X線防護シート12の長手方向が天板51の長手方向と平行になるようにX線防護具1aを設置することもできる。即ち、天板51の外周を取り囲むようにX線防護具1aを設置することができる。
【0031】
なお、以下の説明では、X線防護シート12において、シャフト11の長軸と垂直な方向をX線防護シート12の長手方向と定義し、X線防護シート12の長手方向に直交する方向(シャフト11の長軸と平行な方向)をX線防護シート12の短手方向と定義する。
【0032】
例えば、ベース10aの位置が天板51の角にくるよう、ベース10aを付属品取付けレール52の端に取付けた時、X線防護シート12の長手方向は、天板51の長手方向及び短手方向のいずれの方向にも平行になるよう配置できる。これにより、被検体の両脇だけではなく頭側及び足側で作業する医療従事者や介助者の被ばくをX線防護シート12により低減できる。
【0033】
X線防護シート12の上部は、シート固定部13を介してシート保持部17に取付けられている。シート保持部17は、例えば、X線防護シート12が可撓性を有する場合、X線防護シート12が自重でたわまないようにシート面を支持する板状の部材である。シート固定部13は、例えばねじである。X線防護シート12は、シート固定部13を介してシート保持部17に取付けられる。
【0034】
シート保持部17には、X線防護シート12をシャフト11に取付けるための取付け穴16が設けられている。また、シャフト11は、シート取付け部15を有する。シート取付け部15は、例えばねじやタップなどの締結具である。
図2(a)に示すように、シート取付け部15は、シャフト11に設けられた板状の突起に設けられてもよいし、シャフト11自体に設けられてもよい。
【0035】
X線防護シート12は、シート保持部17に設けられた取付け穴16とシャフト11に設けられたシート取付け部15とを介してシャフト11に取付けられる。なお、X線防護シート12が自重でたわむことが無い素材で構成される場合、X線防護シート12自体に取付け穴16を設けてもよい。
【0036】
また、シート保持部17には複数の取付け穴16が設けられてもよい。シート取付け部15に取付ける取付け穴16の場所を変えることで、シャフト11に対するX線防護シート12の取付け位置を変更できる。このように、シャフト11に対するX線防護シート12の設置位置が変更可能に取付けられることで、例えば、天板51の長手方向にX線防護具1aを取付けた後、被検体を天板51に載置し、必要に応じて被検体の体格や天板51に載置された位置に合わせてX線防護シート12の位置を調整できる。この場合、ベース10aを天板51から取り外して再度付け直す場合と比較して、X線防護シート12によるX線の遮蔽領域を容易に調整できる。
【0037】
図2(b)は、X線防護具1aのベース10aを付属品取付けレール52に取付けた状態を模式的に示している。
図2(b)に示すように、ベース10aは、付属品取付けレール52に設けられた溝53と噛み合う形状を有する。ベース10aは、付属品取付けレール52上を矢印Bの方向にスライドさせることで、天板51の長手方向(Z軸方向)に位置変更可能に取付けられる。このように、ベース10aの位置が変更できることで、X線防護具1aを天板51に取付ける位置を被検体が載置される位置や被検体の体形などに合わせて設置位置を調整できる。
【0038】
図2(a)及び
図2(b)では、X線防護シート12上部に設けられた複数の取付け穴16の位置を変更することでX線防護シート12のシャフト11に対する取付け位置を変更可能な例を示したが、X線防護シート12の位置変更は
図2(a)及び
図2(b)の例には限定されない。例えば、X線防護シート12をシャフト11に対してスライド可能に取付けることで、X線防護シート12の位置を変更できても良い。
【0039】
図3(a)及び
図3(b)は、第1の実施形態に係るX線防護シート用のレールを有するX線防護具1bを説明する模式図である。
【0040】
図3(a)は、X線防護具1bの分解図を模式的に示している。
図3(a)に示すように、シャフト11の上部には、シートレール19が設けられている。また、X線防護シート12の上端にはレールガイド18が設けられている。レールガイド18が、シートレール19に沿ってスライドすることで、X線防護シート12は、X線防護シート12の長手方向(
図3(b)の矢印Cの方向)に位置変更可能に取付けられる。
【0041】
また、
図3(a)に示すように、シャフト11の下部には、ベアリング22が設けられ、シャフト11はベース10bに対して回転可能に取付けられてもよい。
【0042】
図3(b)は、X線防護具1bを天板51に取付けた状態を模式的に示している。
図3(b)に示すように、X線防護具1bのベース10bは、クランプ構造を有し、天板51を挟んで固定する。ベース10bは、矢印Bの方向に位置変更可能に取付けられる。即ち、ベース10bは、天板51外周の任意の位置に取付けられる。また、ベース10bは、固定具挿入穴232を有し、ベース固定具23を用いて天板51に固定されてもよい。ベース固定具23は、例えばねじである。なお、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ベース固定具23のベース10bへの取り付け軸とシャフト11の取り付け軸とは別であることが好ましい。
【0043】
図4(a)は、
図3(b)のIVa-IVa断面の模式図である。
【0044】
図4(a)に示すように、シャフト11の下端の挿入部21は、ベース10bに設けられたシャフト挿入穴14に挿入されている。挿入部21の天板51側の一端にはベアリング22が設けられ、シャフト11は、ベース10bに対して回転可能に取付けられる。
【0045】
図4(b)は、
図3(b)のIVb-IVb断面の模式図である。
【0046】
図4(b)に示すように、ベース10bは、ベース10bの下部とベース固定具23とで天板51を挟むようにして取付けられる。ベース固定具23と天板51との間にはすべり止め又は天板51の保護材としてクッション231が設けられてもよい。ベース10bに設けられた固定具挿入穴232の内壁には、例えば溝が設けられ、ベース固定具23を固定具挿入穴232にねじ込むことで、ベース固定具23の締結力によりベース10bが天板51に固定される。また、
図4(a)及び
図4(b)では、天板51にベース10bを固定する例を示したが、ベース10bは、付属品取付けレール52に取付けられてもよい。
【0047】
なお、
図4ではベース10bの上部とベース固定具23とで天板51やレールを挟んで固定するクランプ構造を例示したがこれには限定されない。また、ベース10は、ねじ止めにより天板51や付属品取付けレール52に固定されなくてもよい。例えば、ベース10は、クリップのようにばねの力で天板51を挟んで固定される構造を有してもよい。また、ベース10に磁石を設け、ベース10は、磁力で天板51や付属品取付けレール52に固定されてもよい。
【0048】
第1の実施形態に係るX線防護具1によれば、X線防護具1を容易に天板51に着脱できる。また、X線防護具1は、天板51の外周の所望の位置に取付けることができる。また、複数のX線防護具1を自由に並べて配置でき、天板51の外周全てをX線防護シート12で囲むようにX線防護具1を配置できる。したがって、被検体の頭側や足側にいる医療従事者や介助者の被ばくを低減できる。さらに、ベース10が天板51に固定されるため、天板51の移動や天板51の起倒動作によるベース10の位置ずれを防止できる。
【0049】
第1の実施形態では、複数のX線防護具1を天板51に並べて設置できる例を示したが、並べて設置されたX線防護具1同士を連結できても良い。
【0050】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、複数のX線防護具1を連結できるX線防護具1に関する。
【0051】
図5(a)から
図5(c)は、第2の実施形態に係るX線防護具1のユニット連結部の例を説明する模式図である。
【0052】
図5(a)は、ユニット連結部1cの模式図を示している。
図5(a)に示すように、ユニット連結部1cは、連結用シャフト11cとベース10a(連結用ベース)とを有する。ユニット連結部1cの連結用シャフト11cは、シート取付け部15を2つ有する。シート取付け部15は、可動取付け部24に設けられた板状の突起に設けられてもよいし、可動取付け部24自体に設けられてもよい。可動取付け部24は、連結用シャフト11cの長軸方向に位置変更可能で、連結用シャフト11cに着脱可能に取付けられる。このように可動取付け部24を連結用シャフト11cに取付ける位置を調整可能とすることで、ユニット連結部1cは、シート取付け部15の位置を調整でき、複数のX線防護シート12を取付けることができる。
【0053】
図5(c)は、ユニット連結部1cが2つのX線防護具1aを連結した状態の模式図を示している。
図5(c)に示すように、左側のX線防護具1aのX線防護シート12の一端は左側のX線防護具1aのシャフト11に固定され、他端はユニット連結部1cの連結用シャフト11cに固定される。同様に、右側のX線防護具1aのX線防護シート12の一端は右側のX線防護具1aのシャフト11に固定され、他端はユニット連結部1cの連結用シャフト11cに固定される。このように、連結用シャフト11cは2つのシート取付け部15を有し、2つのX線防護シート12が同時に取付けられる。
【0054】
また、可動取付け部24は、連結用シャフト11cの長軸を回転軸として回転できても良い。連結用シャフト11cの長軸を回転軸として可動取付け部24を回転させることで、2つのX線防護具1aのX線防護シート12のシート面により形成される角度が180度以外の角度になるよう夫々のX線防護具1aを配置してもよい。
【0055】
例えば、天板51の角にユニット連結部1cを設置し、ユニット連結部1cを介して2つのX線防護具1aを連結し、X線防護シート12の長手方向が天板51の長手及び短手に夫々平行になるよう2つのX線防護シート12を取付けることができる。即ち、2つのX線防護シート12のシート面が成す角度が該90度になるようにX線防護シート12を配置できる。
【0056】
このように、複数のX線防護具1を連結できることで、X線防護具1を単体で配置するよりも効率的に広い範囲にX線防護具1を設置できる。また、X線防護具1を単体で配置する場合と比較して、X線防護シート12がシャフト11に固定されている箇所が多いため、X線防護シート12のたるみや揺れを防止できる。
【0057】
なお、ユニット連結部1cは、
図5(a)の例には限定されない。
図5(b)は、ユニット連結部1cの変形例であるユニット連結部1dの模式図を示している。
図5(b)に示すユニット連結部1dは、ベース10a、連結用シャフト11d、可動取付け部25、可動取付け部抜け止め26、抜け止めリング27、軸受28、抜け止め板29、板止めねじ30を有する。
【0058】
ユニット連結部1dの連結用シャフト11dは、上部と下部に夫々切欠き部を有する。具体的には、連結用シャフト11dの上部及び下部の軸径は、連結用シャフト11dの他の部分の軸径より小さい。突起状のシート取付け部を有する可動取付け部25は、連結用シャフト11dの上部の切欠き部に複数取付けられる。また、可動取付け部25は、連結用シャフト11dの長軸を中心軸として回転可能に取付けられる。
【0059】
例えば、X線防護シート12の有する取付け穴16に可動取付け部25の有する突起状のシート取付け部に挿入されることでX線防護シート12が連結用シャフト11dに取付けられてもよい。
【0060】
可動取付け部抜け止め26は、連結用シャフト11dの上端に取付けられる。可動取付け部抜け止め26は、例えば、可動取付け部25の軸径と同じかそれよりも長い突起を有する。可動取付け部抜け止め26の突起が可動取付け部25の上端を鉛直下向きに押さえるように連結用シャフト11dに取付けられることで、連結用シャフト11dから可動取付け部25が脱落することを防止する。
【0061】
なお、
図5(b)では、可動取付け部抜け止め26は、ねじにより連結用シャフト11dの上端に取付けられる例を示したが、可動取付け部抜け止め26は連結用シャフト11dの上端を覆うキャップであってもよい。
【0062】
抜け止めリング27は、連結用シャフト11dの下部に設けられた切欠き部に取付けられ、連結用シャフト11dがベース10aから抜けることを防止する。
【0063】
軸受28は、連結用シャフト11dの下端に取付けられ、連結用シャフト11dをベース10aに固定する。また、軸受28は、例えばベアリングである。ベアリング28により、連結用シャフト11dは、連結用シャフト11dの長軸を回転軸として回転可能にベース10aに取付けられる。
【0064】
抜け止め板29及び板止めねじ30は、連結用シャフト11dがベース10aから脱落しないように連結用シャフト11dの下端を覆う部材である。
【0065】
なお、
図5(a)から
図5(c)に示したユニット連結部1c及び1dは一例であり、この例に限定されるものではない。ユニット連結部は、少なくともシャフト11、ベース10、2つのX線防護シート12が同時に取付けられるシート取付け部15を有する構成であれば、どのような構成でもよい。
【0066】
なお、X線防護具1の連結部材は、ユニット連結部には限定されない。X線防護シート12に設けられたシート連結部32によりX線防護シート12自体が連結されてもよい。
【0067】
図6は、第2の実施形態に係るX線防護具1eのシート連結部32の例を説明する模式図である。
【0068】
図6に示すように、X線防護具1eのX線防護シート12は、シート連結部32を有する。シート連結部32は、例えば、シャフト11に固定されていないほうのX線防護シート12の短手側の一端に設けられる。
【0069】
シート連結部32は、例えば、ボタン、ホック、面ファスナー、磁石などの部材で構成される。例えば、シート連結部32が面ファスナーの場合、X線防護シート12の短手側の一端にフック面、他端にループ面を設け、1のX線防護シート12のフック面と他のX線防護シート12のループ面と順に張り合わせていけば、複数のX線防護シート12を連続して連結できる。また、シート連結部32は、X線防護シート12の短手側に、短手方向に沿って所定の間隔離間した位置に複数取付けられてもよいし、短手側の一面に連続して取付けられてもよい。
【0070】
なお、シート連結部32は、2つのX線防護シート12を連結できれば良く、例えば、2つのX線防護シート12を挟んで止めるクリップのような部材であってもよい。
【0071】
このように、X線防護シート12にシート連結部32を設けることで、より簡単に複数のX線防護シート12を連結できる。また、連結用のシャフト11を設けることなく複数のX線防護シート12を連続して連結することで、X線防護シート12の有効領域を容易に広げることができる。
【0072】
図7は、X線防護シート12の骨部31の例を説明する模式図である。
【0073】
図7に示すように、X線防護具1fのX線防護シート12は、そのシート面のたわみを防止する骨部31を有する。骨部31は、X線防護シート12のシート面の長手方向に設けられてもよいし、短手方向に設けられてもよい。骨部31は、X線防護シート12に複数設けられてもよい。骨部31は、X線防護シート12の対角線上に設けられてもよい。骨部31は、X線防護シート12のシート面のたわみを防止できればどのような態様でもよい。
【0074】
また、X線防護シート12のたわみを防止するため、骨部31に替えて、X線防護シート12を容易に折れ曲がらない素材で構成してもよい。例えば、X線防護シート12は、X線を遮蔽する機能を有する薄い樹脂板やX線を遮蔽する機能を有する薄い金属板のような非可撓性を有する材料で構成されてもよい。
【0075】
図7では、X線防護シート12の面内にシート面のたわみを防止する骨部31を設ける例を説明したが、シート面のたわみを防止する方法は、シート面に設けられた骨部31には限定されない。
【0076】
図8は、第2の実施形態に係るX線防護具1gの止め部34の例を説明する模式図である。
【0077】
図8に示すように、X線防護具1gは、X線防護シート12の下部に止め部34を有する。X線防護シート12の上部はシャフト11に取付けられ、X線防護シート12の下部は止め部34を介してシャフト11に取付けられる。
【0078】
止め部34は、ひも部33の両端に設けられる。止め部34は、ボタン、ホック、面ファスナー、磁石などの部材で構成される。ひも部33は、可撓性のある素材で構成される。また、ひも部33は、ゴムなどの弾力性のある素材で構成されてもよい。
【0079】
止め部34は、X線防護シート12の下部を挟みこんで取付けられる。例えば、止め部34がスナップボタンの場合、ひも部33の一端はX線防護シート12に取付けられ、ひも部33とX線防護シート12とが重なる部分にスナップボタンの凹部が取付けられる。ひも部33の他端にはボタンの凸部が取付けられる。スナップボタンの凸部と凹部とが嵌め合うことで、X線防護シート12の下端がシャフト11に固定される。
【0080】
また、止め部34を有するひも部33をシャフト11に巻き付ることで、X線防護シート12の下部はシャフト11に固定される。例えば、ひも部33がゴムである場合、ひも部33とシャフト11との間に生じる摩擦力に加えて、ひも部33の伸縮力によりX線防護シート12の下部はシャフト11に固定される。
【0081】
なお、
図8では、ひも部33と止め部34とを有する例を示したが、X線防護シート12の下部に設けたひもをシャフト11に結び付けることでX線防護シート12をシャフト11に固定されてもよい。このように、X線防護シート12の下部をシャフト11に固定できれば止め部34はどのような態様でもよい。
【0082】
X線防護シート12の下部をシャフト11に固定することで、X線防護シート12のシート面のたわみに加えて、X線防護シート12の揺動を防止できる。さらに、天板51が起倒する場合において、X線防護シート12の下端が鉛直方向に垂れることを防止できる。また、止め部34を有するX線防護具1gは、天板51を起倒させた状態でも天板51を起倒させない場合と同様に医療従事者や介助者の被ばくを低減できる。
【0083】
図1から
図8では、X線防護シート12のシート面が天板51の上面に対して垂直に設けられる例を説明したが、この例には限定されない。
【0084】
図9(a)及び
図9(b)は、第2の実施形態に係るフレキシブルシャフト35を有するX線防護具1hの例を説明する模式図である。
図9(a)は、フレキシブルシャフト35を湾曲させる前のX線防護具1hの模式図である。また、
図9(b)は、フレキシブルシャフト35を湾曲させたX線防護具1hの模式図である。
【0085】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、X線防護具1hは、可撓性及び可逆性のあるフレキシブルシャフト35を有する。フレキシブルシャフト35は、可撓性を有し自在に湾曲可能であり、所望の形状に湾曲させた後その形状を維持できる。また、フレキシブルシャフト35は可逆性を有し、湾曲させる前の形状に容易に戻すことができる。
【0086】
また、X線防護シート12は、可撓性を有し、フレキシブルシャフト35の形状に沿って湾曲する。例えば、
図9(a)に示すように、X線防護シート12の長手方向の端部が筒状になっている場合、この筒状の部分にフレキシブルシャフト35が挿入されてX線防護シート12がフレキシブルシャフト35に取付けられる。このような取付け方により、
図9(b)に示すように、フレキシブルシャフト35が湾曲すると、X線防護シート12はフレキシブルシャフト35の形状に応じて変形する。
【0087】
なお、
図9(a)及び
図9(b)では、X線防護シート12の両端に筒状に設けられた穴にフレキシブルシャフト35が挿入されることで、フレキシブルシャフト35がX線防護シート12に覆われるように取付けられる例を示した。しかしながら、
図9(a)及び
図9(b)の例には限定されない。例えば、
図8に示した止め部34をX線防護シート12の短手側に複数箇所設け、X線防護シート12をフレキシブルシャフト35に複数箇所で止めることで、X線防護シート12をフレキシブルシャフト35の湾曲に応じた形状に変形できてもよい。このように、X線防護シート12がフレキシブルシャフト35の形状に合わせて変形可能にフレキシブルシャフト35に取付けられていれば、X線防護シート12の取付け方は限定されない。
【0088】
X線防護具1hは、フレキシブルシャフト35を有することで、X線防護シート12で被検体を立体的に覆うことができる。これにより、天板51に載置された被検体の側面から発生するX線だけでなく、天板51の上面と接している被検体の面とこの面に対向する被検体の面から放出されるX線による医療従事者や介助者の被ばくを低減できる。また、天板51の側面にX線防護具1を取付ける場合において、X線防護シート12の上部(シャフト11がベース10に接続している部分とは反対側)を天板51の上面側に曲げることで、天板51側面に立って被検体に医療行為を行う医療従事者が被検体の治療部位にアプローチしやすくなる。
【0089】
なお、
図9(a)及び
図9(b)では、フレキシブルシャフト35を備え、X線防護シート12が天板51の上面側に湾曲することで、X線防護シート12のシート面と天板51の上面との角度を可変にできるX線防護具1hを例示したが、この例には限定されない。例えば、シャフト11の下部や中部に角度調整部を設け、天板51に対するシャフト11の角度を所望の角度に調整できても良い。このように、天板51の上面とX線防護シート12のシート面との角度が90度以外の角度になるようにX線防護シート12を設置すれば、X線防護具1hと同等の効果を得られる。
【0090】
このように、第2の実施形態は、第1の実施形態と同等の効果を有する。さらに、第2の実施形態は、複数のX線防護具1を連結でき、効率的にX線防護シート12を天板51に設置できる。また、X線防護シート12の有効領域を容易に拡大できる。なお、ここで、有効領域とは、X線防護シート12のX線を遮蔽可能なシート面の面積のことである。さらに、X線防護シート12のたわみや垂れを防止する構成を有し、天板51が起倒しても邪魔にならずに利用できる。また、天板51を起倒させた状態でも医療従事者や介助者の被ばくを低減できる。
【0091】
第2の実施形態では、X線防護具1を連結してX線防護シート12の有効領域を大きくする場合を説明したが、X線防護シート12の有効領域の大きさを所望の大きさに調整できても良い。
【0092】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、X線防護シート12の有効領域の大きさが調整可能なX線防護具1に関する。
【0093】
図10(a)及び
図10(b)は、第3の実施形態に係るロール状に巻取り可能なX線防護シート12を有するX線防護具1の例を説明する模式図である。
【0094】
図10(a)は、ロール状に巻き取られたX線防護シート12の片側がシャフト11に固定されたX線防護具1jの例を説明する模式図である。
図10(a)に示すように、X線防護具1jは、ベース10b、シャフト11、ロール軸固定部36、ロール軸37、引出し調整部38、引出し部39を有する。X線防護シート12は、一端がロール軸37に、他端が引出し部39に取付けられている。X線防護シート12は、ロール軸37に巻取り可能に構成される。即ち、ロール軸37は、X線防護シート12の巻取り部である。ロール軸37に巻き取られたX線防護シート12は、矢印Eの方向に出し引き出される。
【0095】
具体的には、引出し部39又は引出し調整部38を下方に動かすと、ロール軸37が回転軸40を中心に矢印Fの方向に回転する。これにより、ロール状に巻き取られたX線防護シート12はロール軸37から引き出され、X線防護シート12の有効領域が大きくなる。一方、ロール軸37を矢印Fとは逆方向に回転させると、X線防護シート12がロール軸37に巻き取られ、X線防護シート12の有効領域が小さくなる。このように、X線防護シート12のロール軸37への巻取り量を変えることで、X線防護シート12の有効領域の大きさが自由に調整できる。
【0096】
引出し部39のシャフト11側の一端に設けられた引出し調整部38は、X線防護シート12が引き出された位置でシャフト11に固定される。なお、引出し調整部38は、シャフト11の長軸方向にスライドするように取付けられ、引出し部39と共にシャフト11をスライドしてもよい。引出し調整部38は、X線防護シート12の有効領域を調整した後に引出し部39をシャフト11に固定可能な構成であればどのようなものでもよい。また、ロール軸37が固定されたロール軸固定部36がシャフト11の長軸方向にスライドできてもよい。
【0097】
なお、ロール軸37へのX線防護シート12の巻取りは、手動には限定されない。例えば、ロール軸37に設けられたぜんまいバネにより自動で行えてもよい。ロール軸37にぜんまいバネを設けることで、引出し部39を引っ張るとX線防護シート12が引き出され、かつ、引出し部39が引き出された位置でX線防護シート12は固定される。さらに、X線防護シート12が引き出された状態で引出し部39を再度引っ張ると、ぜんまいバネによりX線防護シート12が自動的にロール軸37に巻き取られる。このように、ロール軸37にX線防護シート12がロール状に巻き取られ、引き出されることでX線防護シート12の有効領域の大きさを調整できれば、X線防護シート12の巻取り方法はどのような態様でもよい。
【0098】
このように、X線防護シート12をロール状に巻取り可能とすることで、X線防護シート12の有効領域の大きさを所望の大きさに変更できる。また、使用時はX線防護シート12を広げて使用できる一方、使用しない時はX線防護シート12を巻き取ってコンパクトにできる。
【0099】
図10(b)は、ロール状に巻き取られたX線防護シート12上部の略中央の位置がシャフト11に固定されたX線防護具1kの例を説明する模式図である。
図10(b)は、ロール軸43から引き出されたX線防護シート12のシート面がシャフト11の回転軸20の周りを回転可能なX線防護具1kを示している。X線防護具1kは、ベース10a、シャフト11、フレーム取付け部41、フレーム42、ロール軸43、引出し部39を有する。
【0100】
フレーム取付け部41は、シャフト11の長軸方向に位置変更可能にシャフト11に取付けられる。即ち、フレーム取付け部41は、シャフト11を長軸方向にスライド可能に取付けられる。また、フレーム取付け部41は、フレーム42を支持する。
【0101】
フレーム42は、シャフト11の長軸に垂直な方向にスライド可能にフレーム取付け部41に取付けられる。また、フレーム取付け部41は、X線防護シート12が巻き取られるロール軸43を支持する。
【0102】
X線防護シート12は、矢印Eの方向に出し入れされる。X線防護シート12の一端はロール軸43に取付けられ、他端は引出し部39に取付けられている。即ち、ロール軸43は、X線防護シート12の巻取り部である。ロール軸43に巻き取られたX線防護シート12の引出し部39を引っ張ると、ロール軸43が回転軸40を中心に矢印Fの方向に回転し、X線防護シート12がロール軸43から引き出される。一方、ロール軸43が回転軸40を中心に矢印Fとは逆の方向に回転すると、X線防護シート12がロール軸43に巻き取られる。
【0103】
なお、シャフト11が回転軸20を中心に矢印A方向に回転することで、フレーム取付け部41、フレーム42、ロール軸43は一体となってシャフト11の回転軸20の周りを回転する。これにより、X線防護シート12のシート面を回転軸20の周りを回転させることができる。
【0104】
図10では、ロール状に巻き取られたX線防護シート12を引き出して、X線防護シート12の有効領域の大きさを手動で調整する例を示した。しかしながら、X線防護シート12の有効領域の大きさの調整は自動でもよい。
【0105】
図11は、第3の実施形態に係るX線防護シート12の有効領域を自動調整可能なX線防護具1mの概念的な構成図である。
【0106】
図11に示すようにX線防護具1mは、ベース10a、シャフト11m、ロール軸43、調整部44、センサ45を有する。
【0107】
ロール軸43は、X線防護シート12をロール状に巻き取る巻取り部である。調整部44は、図示しないモータ、電源、処理回路を内蔵する。モータの回転軸はロール軸43に巻き取られる。モータは電源からの電力供給を受けて回転する。モータは、ロール軸43を矢印Fの方向に回転させ、X線防護シート12はロール軸43に巻き取られる。一方、モータを逆回転させると、ロール軸43は矢印Fと逆の方向に回転し、X線防護シート12はロール軸43から送り出される。
【0108】
処理回路は、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、センサ45の信号を処理し、モータの動作時間や回転方向などのモータの動作を統括制御する。
【0109】
センサ45は、シャフト11mの上方に取付けられたロール軸43から天板51上面までの距離を測定する。なお、センサ45は、ロール軸43と天板51との距離を測定することができればどのようなセンサでもよい。また、センサ45は、ロール軸43と天板51との距離に替えて、シャフト11mの長軸方向における調整部44の位置を検出するものでもよい。
【0110】
調整部44の処理回路は、センサ45で検出された信号に基づいてX線防護シート12の有効領域の大きさを決定する。例えば、処理回路は、センサ45で検出されたロール軸43と天板51との距離に基づいて、X線防護シート12の引出し量を決定する。ここで、X線防護シート12の引出し量とは、X線防護シート12のロール軸43から引出し部39までのX線防護シート12の短手方向(シャフト11と平行な方向)の長さのことである。
【0111】
さらに、処理回路は、X線防護シート12の引出し量に応じてモータを動作させ、X線防護シート12を引き出したり巻き取ったりする。調整部44のメモリには、X線防護シート12の現在の引出し量が記憶されており、処理回路は、現在の引出し量と算出された引出し量との差に応じて、モータの回転方向及びモータの回転時間を決定する。
【0112】
なお、センサ45は、引出し部39と天板51との距離を測定し、処理回路は、引出し部39と天板51との距離がゼロになるようモータを制御してもよい。
【0113】
また、調整部44は、シャフト11mの長軸方向に位置変更可能に取付けられる。さらに、シャフト11mは、長軸方向に伸縮可能に構成され、シャフト11mの長さが調整できても良い。
【0114】
このように、天板51からロール軸43までの長さに応じて、ロール状に巻き取られたX線防護シート12をロール軸43から自動で引き出せることで、X線防護シート12の有効領域の大きさを自動で調整できる。したがって、シャフト11mの長さや調整部44の位置を調整した後にX線防護シート12の有効領域の大きさを調整する手間を省くことができる。また、天板51とX線防護シート12との間に隙間ができることを防止できる。
【0115】
図10及び
図11では、X線防護シート12がロール状に巻き取られることでX線防護シート12の有効領域の大きさを調整できるX線防護具1の例を説明した。しかしながら、X線防護シート12の巻取りの態様は、ロール状には限定されない。例えば、ロール状に替えて、X線防護シート12が蛇腹状に折りたたまれた態様でもよい。
【0116】
また、
図10及び
図11では、矢印Eの方向(シャフト11の長軸方向)に引出し部39を動かしてX線防護シート12の有効領域を変更する例を示したが、X線防護シート12の引出し方向はシャフト11の長軸方向には限定されない。
【0117】
図12(a)及び
図12(b)は、第3の実施形態に係るX線防護具1の設置例を説明する模式図である。
【0118】
図12(a)及び
図12(b)は、
図10及び
図11と異なり、シャフト11の長軸方向と垂直な方向に引出し部39を動かして、X線防護シート12の有効領域を調整できる例を示している。
【0119】
図12(a)は、蛇腹状のX線防護シート12pの設置例である。
図12(a)に示すように、X線防護具1pは、ベース10a、シャフト11、蛇腹状に折りたたまれたX線防護シート12pを有する。X線防護具1pは、2つのベース10aと2本のシャフト11を有し、蛇腹状に折りたたまれたX線防護シート12pの両端は、2本のシャフト11に夫々取付けられている。ベース10aは、天板51の長手方向に位置変更可能に取付けられている。例えば、一方のベース10aの位置を天板51の長手方向にスライドさせることで、蛇腹状のX線防護シート12pが伸縮し、X線防護シート12pの有効領域の大きさを調整できる。
【0120】
X線防護シート12pを蛇腹状にすることで、X線防護シート12pのたわみや折れ曲がりを防止できる。また、蛇腹状のX線防護シート12pを伸縮させることで容易にX線防護シート12pの有効領域の大きさを調整できる。
【0121】
図12(b)は、ロール状のX線防護シート12qの設置例である。
図12(b)は、蛇腹状に折りたたまれたX線防護シート12pに替えて、ロール状に巻き取られたX線防護シート12qを有するX線防護具1pを示す。
図12(b)の例では、一方のシャフト11は、巻取り部46を有し、他方のシャフト11は、ロール状に巻き取られたX線防護シート12qの引出し部として機能する。引出し部として機能するシャフト11が取付けられているベース10aは、天板51の長手方向に位置変更可能に取付けられている。当該ベース10aを天板51の長手方向にスライドさせることで、ロール状に巻き取られたX線防護シート12qが引き出されたり、巻き取られたりする。これにより、X線防護シート12pの有効領域の大きさを調整できる。
【0122】
このように、ロール状や蛇腹状のX線防護シート12を有するX線防護具1により、使用時はX線防護シート12の有効領域の大きさを容易に調整でき、使用しない時はX線防護シート12を縮めることでコンパクトにできる。
【0123】
図10から
図12では、ロール状や蛇腹状のX線防護シート12を伸縮させて有効領域の大きさを調整する例を示したが、X線防護シート12の有効領域の大きさの変更は、X線防護シート12を伸縮させる方法には限定されない。
【0124】
図13(a)及び
図13(b)は、第3の実施形態に係るX線防護シート12の有効領域のその他の調整方法を説明する模式図である。
【0125】
図13(a)は、調整用部材を有するX線防護シート12が取付けられたX線防護具1rの模式図である。
図13(a)に示すように、X線防護具1rのX線防護シート12は、調整用部材47、調整用部材48を有し、X線防護シート12の有効領域の大きさを調整可能にシャフト11に取付けられる。
【0126】
図13(b)は、調整用部材によるX線防護シート12の調整方法を示す模式図である。
図13(b)に示すように、調整用部材47と調整用部材48とが結合することで、X線防護シート12は折りたたまれた状態で固定される。このように、調整用部材47及び調整用部材48は、X線防護シート12の一部を折り曲げ、X線防護シートの有効領域の大きさを調整する。なお、調整用部材47と調整用部材48は、例えばボタン、ホック、面ファスナー、磁石などの部材で構成される。
図13(b)のように、X線防護シート12の下部両端にそれぞれ設けられてもよいし、X線防護シート12の下部に所定の間隔離間させて3個以上設けられてもよい。なお、調整用部材は、X線防護シート12の有効領域の大きさを変更した状態を維持できれば、どのような部材でもよい。
【0127】
また、X線防護シート12の下部にシャフト11の長軸方向に沿った切り込みを入れ、切り込みを入れた領域ごとに調整用部材を設けてもよい。こうすることで、X線防護シート12の切り込みで分離された領域ごとに大きさを調整できてもよい。即ち、切り込みで分離された領域をめくりあげて(折り曲げて)調整用部材で固定することで、矩形状のX線防護シート12の形状を、切欠きを有する多角形のX線防護シート12に変形できる。このようにすれば、例えば、被検体の胴体部に治療部位がある場合、被検体の腕や足を上述の調整用部材により調整された部分から出すことができる。これにより、被検体の腕や足の被ばくを低減することができる。また、治療部位だけを覆うようにX線防護シート12を天板51に設置できる。
【0128】
このように、第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同等の効果を有する。さらに、第3の実施形態は、X線防護シート12の有効領域の大きさを自在に調整できる。
【0129】
第3の実施形態では、X線防護シート12の有効領域の大きさを可変とする例を示したが、X線防護シート12は初めから所望の形状を有していてもよい。
【0130】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、被検体に応じた形状のX線防護シート12を有するX線防護具1に関する。
【0131】
図14(a)及び
図14(b)は、注腸検査を説明する模式図である。
【0132】
図14(a)は、注腸検査の模式的な斜視図である。注腸検査は、被検体PにX線を照射しつつ、被検体Pの肛門から消化管内に造影剤を注入し、消化管を撮影する検査である。この際、消化管の壁に造影剤を付着させるためや、所望の部位を撮影するために天板51を起倒させる。
【0133】
注腸検査でX線が照射される範囲は被検体Pの腹部である。しかしながら、被検体Pの腹部以外の部位、例えば、被検体の下半身や腹部より上の部分は2次X線により被ばくする。そこで、
図14(a)に示すように、X線防護シート12が天板51を横断するようにX線防護具1fを設置することで、被検体Pの下半身への被ばくを低減できる。
【0134】
図14(b)は、注腸検査を受ける被検体Pを足側から(
図14(a)を矢印Gから)観察した模式図である。
図14(b)に示すように、X線防護具1fを天板51を横断するように設置したとしても、X線防護シート12と天板51との間に被検体Pを載置するための隙間があり、当該隙間からの被ばくを低減できない。
【0135】
そこで、X線防護シート12の形状を被検体Pに応じた形状とすることで、隙間からの被検体Pの治療部位以外の部位の被ばくを低減できるX線防護具を提供できる。
【0136】
図15(a)及び
図15(b)は、第4の実施形態に係るX線防護シート12の形状を説明する模式図である。
【0137】
図15(a)は、シート面の一部に切欠きを有するX線防護シート12sの例を示している。
図15(a)に示すように、X線防護シート12sは、シート面の下部(天板51の上面側)に扇形の切欠きを有する。切欠きの外縁を被検体Pの体に沿わせてX線防護具1sを設置することで、X線防護シート12と天板51との間の隙間を限りなく小さくすることができる。
【0138】
図15(a)は、天板51に横臥位に載置された被検体Pの腰部に沿った形状のX線防護シート12sの例を示したが、X線防護シート12の切欠きの態様は
図15(a)には限定されない。X線防護シート12sは、被検体Pの体勢や体の部位に応じた形状の切欠きを有する。
【0139】
図15(b)は、シート面の一部に切り込みを有するX線防護シート12tの例を示している。
図15(b)に示すように、X線防護シート12tは、複数のシート面121t及びシート面122tを有してもよい。X線防護シート12tは、X線防護シート12tの短手側の一端からX線防護シート12tの長手方向に沿ってX線防護シート12tの反対側の短手側の手前まで切り込みを有する。なお、切り込みの位置及び長さは
図15(b)に例には限定されない。
【0140】
また、この切り込みにより、シート面122tは、シャフト11の長軸の周りを回転できる。このようにシート面の一部を別方向に向けられることで、被検体Pの体に併せてX線防護シート12tを設置できるだけでなく、1つのX線防護シート12tで複数の方向からの被ばくを低減できる。
【0141】
なお、シート面122tの形状は矩形には限定されない。また、シート面122tの回転方向は、シャフト11の長軸の周りには限定されない。また、シート面122tのたわみを予防するため、シート面122tは骨部31を有してもよい。
【0142】
このように、第4の実施形態は、第3の実施形態と同等の効果を有する。さらに、X線防護シート12が被検体の体勢や部位に応じた形状の切欠きを有することで、X線防護シート12の切欠きの縁を被検体の体に沿わせてX線防護具1を設置できる。これにより、医療従事者や介助者だけでなく、被検体の治療部位以外の部位への被ばくを低減できる。
【0143】
以上説明した少なくともひとつの実施形態のX線防護具1によれば、容易に設置可能で、位置ずれが生じないX線防護具1を提供できる。
【0144】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU (Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該プログラムに相当する機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。
【0145】
なお、プロセッサは、単一の回路によって構成されてもよいし、複数の独立した回路を組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数の回路の回路ごとに個別にメモリが設けられてもよいし、複数の回路の機能に対応するプログラムを単一のメモリが記憶するものであってもよい。
【0146】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組合せを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0147】
1…X線防護具
10…ベース
11…シャフト
11c、11d…連結用シャフト
12…X線防護シート
18…レールガイド
19…シートレール
31…骨部
32…シート連結部
33…ひも部
34…止め部
35…フレキシブルシャフト
45…センサ
46…巻取り部
50…寝台装置
51…天板
52…付属品取付けレール
60…撮像装置
100…X線診断装置