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  • 特許-油圧装置 図1
  • 特許-油圧装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】油圧装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/00 20060101AFI20240221BHJP
   F04B 53/08 20060101ALI20240221BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240221BHJP
【FI】
F04B53/00 J
F04B53/08 E
H02M7/48 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020029950
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021134691
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000241267
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 哲平
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203409(JP,A)
【文献】特開2008-263078(JP,A)
【文献】実開平04-124806(JP,U)
【文献】特開2019-052619(JP,A)
【文献】特開2001-242964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 23/00-23/14、
F04B 53/00-53/22
F04D 1/00-13/16、
17/00-19/02、
21/00-25/16、
29/00-35/00
H02M 7/42- 7/98
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に作動油を貯蔵する油タンクと、貯蔵作動油を吸入吐出して負荷側に供給する油圧ポンプと、油圧ポンプを回転駆動する電動機と、電動機の回転数を制御するインバータと、インバータを格納する制御ボックスとを備え、インバータには回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファンを有し、制御ボックスにはインバータの冷却ファンの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口と、内部の空気を外部に排出する排出口とを形成し、各口には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフィルター部材を設け、制御ボックスには排出口を開閉する蓋部材を設け、蓋部材は冷却ファンの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動し、電動機は上部に端子箱を有し、端子箱の内部には端子台を配置し、制御ボックスは電動機の端子箱に載置して取付け、端子箱の端子台と制御ボックスに格納するインバータとの間を電気接続することを特徴とする油圧装置。
【請求項2】
内部に作動油を貯蔵する油タンクと、貯蔵作動油を吸入吐出して負荷側に供給する油圧ポンプと、油圧ポンプを回転駆動する電動機と、電動機の回転数を制御するインバータと、インバータを格納する制御ボックスとを備え、インバータには回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファンを有し、制御ボックスにはインバータの冷却ファンの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口と、内部の空気を外部に排出する排出口とを形成し、各口には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフィルター部材を設け、制御ボックスには排出口を開閉する蓋部材を設け、蓋部材は冷却ファンの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動し、排出口を垂直方向の最上部に位置して制御ボックスを油タンクの上板に係合して取付けたことを特徴とする油圧装置。
【請求項3】
前記制御ボックスには前記インバータと前記排出口との間を接続するダクト部材を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の油圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ポンプを回転駆動する電動機を制御するインバータを備える油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧装置は、電動冷却ファンの風下に、油圧ポンプを回転駆動する電動機を制御するインバータを密閉して格納した制御ボックスを配置し、制御ボックスは作動油を貯蔵する油タンクの上板よりも高さを高くし、制御ボックスの背面と油タンクとの間に隙間を有している。そして、電動冷却ファンの空気流が制御ボックスの表面を流れて制御ボックス内部の温度を下げ、内部に格納したインバータからの発熱を放熱してインバータの寿命を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-8252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる従来の油圧装置では、制御ボックスの表面から放熱して制御ボックス内部の温度を下げるようにしているため、制御ボックスは放熱を助長するために表面積を大きくして大型化し、さらに、制御ボックスの背面と油タンクとの間に隙間を有するよう制御ボックスを油タンクから離間して配置するため、装置全体が大型化する問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、インバータからの発熱を良好に放熱して装置全体を小型化し得る油圧装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
内部に作動油を貯蔵する油タンクと、貯蔵作動油を吸入吐出して負荷側に供給する油圧ポンプと、油圧ポンプを回転駆動する電動機と、電動機の回転数を制御するインバータと、インバータを格納する制御ボックスとを備え、インバータには回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファンを有し、制御ボックスにはインバータの冷却ファンの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口と、内部の空気を外部に排出する排出口とを形成し、各口には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフィルター部材を設け、制御ボックスには排出口を開閉する蓋部材を設け、蓋部材は冷却ファンの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動し、電動機は上部に端子箱を有し、端子箱の内部には端子台を配置し、制御ボックスは電動機の端子箱に載置して取付け、端子箱の端子台と制御ボックスに格納するインバータとの間を電気接続することを特徴とする油圧装置がそれである。
また、内部に作動油を貯蔵する油タンクと、貯蔵作動油を吸入吐出して負荷側に供給する油圧ポンプと、油圧ポンプを回転駆動する電動機と、電動機の回転数を制御するインバータと、インバータを格納する制御ボックスとを備え、インバータには回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファンを有し、制御ボックスにはインバータの冷却ファンの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口と、内部の空気を外部に排出する排出口とを形成し、各口には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフィルター部材を設け、制御ボックスには排出口を開閉する蓋部材を設け、蓋部材は冷却ファンの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動し、排出口を垂直方向の最上部に位置して制御ボックスを油タンクの上板に係合して取付けたことを特徴とする油圧装置がそれである。
【0007】
この場合、前記制御ボックスには前記インバータと前記排出口との間を接続するダクト部材を設けてもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上詳述したように、請求項1および請求項2に記載の発明は、インバータには回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファンを有し、制御ボックスにはインバータの冷却ファンの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口と、内部の空気を外部に排出する排出口とを形成し、各口には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフルター部材を設けた。このため、インバータは冷却ファンで発生する空気流で直接冷却できるから、従来装置に比し、制御ボックスの表面積を大きく設ける必要がなく、インバータからの発熱を良好に放熱して装置全体を小型化することができる。また、吸入口と排出口にはフルター部材を設けているため、空気流の吸入排出に伴い、塵埃が外部から制御ボックス内部に侵入することを阻止でき、塵埃によるインバータの不具合発生を良好に防止することができる。また、制御ボックスには排出口を開閉する蓋部材を設け、蓋部材は冷却ファンの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動する。このため、作業者が蓋部材の開閉作動を視認できるから、蓋部材が開作動しないことによるフルター部材の目詰まりを容易に察知することができる。また、冷却ファンの停止により蓋部材が排出口を閉じるから、外部からの塵埃の侵入をより良好に阻止することができる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明は、制御ボックスは電動機の端子箱に載置して取付けた。このため、制御ボックスを電動機の端子箱に容易に取付けることができるから、既存に設置した油圧ユニットに制御ボックスを後から追加して取付けることができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、制御ボックスは油タンクの上板に係合して取付けた。このため、制御ボックスを油タンクの上板に容易に取付けることができるから、既存に設置した油圧ユニットに制御ボックスを後から追加して取付けることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、制御ボックスにはインバータと排出口との間を接続するダクト部材を設けた。このため、冷却ファンの回転により発生する空気流をインバータから排出口に確実に流通することができるから、インバータからの発熱を一層良好に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示し、油圧装置の一部を断面で示した正面図である。
図2】他の実施形態を示した油圧装置の一部を断面で示した右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、1は内部に作動油を貯蔵する油タンクで、上部を開口した略直方体形状に形成し、上部開口を着脱自在の上板2で閉塞している。3は油圧ポンプ4を回転駆動し自己を空気冷却する冷却ファン5を有する電動機で、上板2上に複数の緩衝部材6、基板部材7を介して載置固定している。油圧ポンプ4は可変容量型で、上板2上で電動機3の一側面に固定し、電動機3の回転駆動で油タンク1の貯蔵作動油を吸入管路4Aより吸入して吐出管路4Bに吐出する。吐出管路4Bに吐出した作動油は負荷側としての図示しないアクチュエータに供給する。8は油圧ポンプ4に備えた圧力センサで、油圧ポンプ4の吐出圧力が設定値に達すると信号を出力する。9は作動油の貯蔵量を外部から視認する油面計で、油タンク1の一側面上方に配置している。10は油タンク1の貯蔵作動油を排出する排出口を着脱自在に閉塞する栓部材で、油タンク1の一側面下方に配置している。油タンク1の上板2上には、作動油を油タンク1内部に注油する注油口兼エアブリーザ11と、装置を吊り上げて移動するための複数のフック部材12と、油タンク1に貯蔵する作動油を冷却する空冷式の熱交換器13を設けている。熱交換器13は、略直方体形状で、電動機3の冷却ファン5と対向して配置している。14は油圧ポンプ4の内部からのドレンを排出するドレン管路で、油圧ポンプ4に有し、熱交換器13に接続している。15は熱交換器13で冷却したドレンを油タンク1に流入するドレン管路で、熱交換器13に有し、油タンク1に接続している。
【0014】
電動機3は、油圧ポンプ4を固定した一側面と軸方向反対の他側面へカバー16を取付け、カバー16の内部に冷却ファン5を収装している。カバー16は、電動機3への取付個所に隙間を有すると共に、熱交換器13と対向する一端面に複数の開口16Bを貫通形成している。冷却ファン5は、回転により熱交換器13側からカバー16内部に吸込んだ冷却空気を、電動機3の外周側へ送風する。
【0015】
電動機3は、上部に端子箱3Aを有し、端子箱3Aの内部には端子台3Bを配置している。17は略直方体形状の制御ボックスで、端子箱3Aに載置して図示しないねじ部材で取付け、インバータ18を内部に格納して底板となる第1板17Aに取付けている。第1板17Aには端子箱3A内部に接続する挿通口3Cを開口形成する。インバータ18は、電動機3の回転数を制御するもので、本体18Aの下方に複数のフィン18Bを図1紙面の直交方向に複数形成し、さらにフィン18Bの図1水平方向の左端部に、図示しないモータで回転して空気流を発生する冷却ファン18Cを有している。
【0016】
制御ボックス17は、第1板17Aと直交して図1水平方向の右側板となる第2板17Bに吸入口19を開口形成し、吸入口19は冷却ファン18Cの回転で外部より内部に吸入する空気が流通する。17Cは制御ボックス17の第3板で、第1板17Aと直交して第2板17Bと対向する図1水平方向の左側板となり、排出口20を開口形成する。排出口20は、冷却ファン18Cの回転で制御ボックス17内部より外部に排出する空気が流通する。17Dは制御ボックスの第4板で、第1板17Aと対向して第2板17B、第3板17Cと直交する上板となり、インバータ18を出し入れ可能な大口の出し入れ口21を開口形成する。
【0017】
22はフィルター部材で、制御ボックス17に取付けて吸入口19と排出口20とをそれぞれ覆い、空気を流通して制御ボックス17内部への塵埃の侵入を阻止する。23は板状の蓋部材で、排出口20を開閉する。蓋部材23は、制御ボックス17の第3側板17Cに枢動自在に取付け、冷却ファン18Cからの空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動する。24は閉塞部材で、制御ボックス17に取付けて出し入れ口21を閉塞する。25はゴム材の弾性材から形成したダクト部材で、制御ボックス17の第3板17C内面に固着し、インバータ18の冷却ファン18C配置側と排出口20との間を接続している。
【0018】
26は電動機3の端子箱3Aの端子台3Bとインバータ18との間を電気接続する電気配線で、第1板17Aの挿通口3Cを挿通する。27は圧力センサ8とインバータ18との間を電気接続する電気配線、28はインバータ18と図示しない外部電源との間を電気接続する電気配線で、両電気配線27、28は制御ボックス17に有する配線コネクタ29、30をそれぞれ密封して挿通する。
【0019】
次に、かかる構成の作動を説明する。
電動機3によって油圧ポンプ4を高速で回転駆動すると、油圧ポンプ4は吸入管路4Aより油タンク1に貯蔵した作動油を吸入して吐出管路4Bに吐出し、この吐出した作動油は図示しないアクチュエータに供給される。そして、吐出圧力が圧力センサ8で設定した設定圧力に達すると、圧力センサ8からインバータ18に圧力信号を出力し、インバータ18は電動機3の回転数を高速の回転数から低速の回転数に低下する。そして、吐出圧力が圧力センサ8で設定した設定圧力まで低下すると、圧力センサ8は圧力信号の出力を停止し、インバータ18は電動機3の回転数を低速の回転数から高速の回転数に上昇する。
【0020】
このとき、インバータ18の作動に伴い、冷却ファン18Cが回転し、空気流が矢印Aに示す如き、制御ボックス17の吸入口19からフィルター部材22を介して吸入され、インバータ18のフィン18B、ダクト部材25を流通して排出口20からフィルター部材22を介して排出され、インバータ18を冷却する。そして、蓋部材23は矢印Aの空気流が作用して開作動している。
【0021】
この状態で、フィルター部材22が塵埃により目詰まりすると、蓋部材23に作用していた矢印Aの空気流が弱まり非作用となり、蓋部材23が閉作動する。蓋部材23の閉作動により、作業者がフィルター部材22の目詰まりを視認し、新しいフィルター部材22に交換する。
【0022】
電動機3を停止すると、油圧ポンプ4は作動油の吸入吐出を停止する。また、インバータ18の停止により冷却ファン18Cが回転を停止し、矢印Aの空気流が発生しなくなり、蓋部材23は自重により閉作動して排出口20を閉じる。
【0023】
かかる作動で、インバータ18には回転により発生する空気流で自己を冷却する冷却ファン18Cを有し、制御ボックス17にはインバータ18の冷却ファン18Cの回転で外部より内部に空気を吸入する吸入口19と、内部の空気を外部に排出する排出口20とを形成し、各口19、20には空気を流通して塵埃の侵入を阻止するフイルター部材22を設けた。このため、インバータ18は冷却ファン18Cで発生する矢印Aで示す空気流で直接冷却できるから、従来装置に比し、制御ボックス17の表面積を大きく設ける必要がなく、インバータ18からの発熱を良好に放熱して装置全体を小型化することができる。また、吸入口19と排出口20にはフイルター部材22を設けているため、空気流の吸入排出に伴い、塵埃が外部から制御ボックス17内部に侵入することを阻止でき、塵埃によるインバータ18の不具合発生を良好に防止することができる。
【0024】
また、制御ボックス17には排出口20を開閉する蓋部材23を設け、蓋部材23は冷却ファン18Cの矢印Aで示す空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動する。このため、作業者が蓋部材23の開閉作動を視認できるから、蓋部材23が開作動しないことによるフイルター部材22の目詰まりを容易に察知することができる。また、冷却ファン18Cの停止により蓋部材23が排出口20を閉じるから、外部からの塵埃の侵入をより良好に阻止することができる。
【0025】
また、制御ボックス17は電動機3の端子箱3Aに載置して取付けた。このため、制御ボックス17を電動機3の端子箱3Aに容易に取付けることができるから、既存に設置した油圧ユニットに制御ボックス17を後から追加して取付けることができる。
【0026】
また、制御ボックス17にはインバータ18と排出口20との間を接続するダクト部材25を設けた。このため、冷却ファン18Cの回転により発生する矢印Aで示す空気流をインバータ18から排出口20に確実に流通することができるから、インバータ18からの発熱を一層良好に放熱することができる。
【0027】
図2は、本発明の他実施形態を示し、一実施形態と同一個所には同符号を付して説明を省略し、異なる個所についてのみ説明する。
図2において、制御ボックス17は、油タンク1の上板2に取付部材31により係合して取付けている。取付部材31は略L字形状で、図2左右方向に延びる水平部をフック部材12とともに上板2に固定し、図2上下方向に延びる垂直部を油タンク1の側壁と略平行に配置している。制御ボックス17は、図1の状態より略90°回転して配置し、第1板17Aを右側板として取付部材31の垂直部に図示しないねじ部材で取付け、挿通口3Cを第1板17Aと取付部材31の垂直部との間に介在するパッキン部材32で密封閉塞している。この配置で、第2板17Bが底板となり、第3板17Cが上板となり、第4板17Dが左側板となる。制御ボックス17の内部には、上から順にダクト部材25、インバータ18の冷却ファン18C、フィン18Bが配置される。
【0028】
第2板17Bに開口形成する吸入口19は、垂直方向の最下部に位置し、第3板17Cに開口形成する排出口20は、垂直方向の最上部に位置する。冷却ファン18Cの回転により発生する矢印Aで示す空気流は、図2下方向から上方向に流通し、蓋部材23の下面に作用する。電動機3の端子箱3Aは上部を蓋部材3Dで閉塞し、インバータ18との間を電気接続する電気配線26は、端子箱3Aの側壁を密封して挿通する。また、電気配線26は、制御ボックス17に配線コネクタ29、30と対向する位置に有する図示しない配線コネクタを密封して挿通する。
【0029】
作動は、一実施形態と同様に、電動機3によって油圧ポンプ4を回転駆動し、油圧ポンプ4は作動油を吸入吐出する。インバータ18は電動機3の回転数を高速の回転数と低速の回転数に制御する。
【0030】
インバータ18の作動に伴い、冷却ファン18Cが回転し、図2下方向から上方向に矢印Aで示す空気流が発生してインバータ18を冷却する。
【0031】
かかる作動で、インバータ18は冷却ファン18Cで発生する矢印Aで示す空気流で直接冷却できるから、一実施形態と同様に、従来装置に比し、制御ボックス17の表面積を大きく設ける必要がなく、インバータ18からの発熱を良好に放熱して装置全体を小型化することができる。また、吸入口19と排出口20にはフイルター部材22を設けているため、空気流の吸入排出に伴い、塵埃が外部から制御ボックス17内部に侵入することを阻止でき、塵埃によるインバータ18の不具合発生を良好に防止することができる。
【0032】
また、制御ボックス17には排出口20を開閉する蓋部材23を設け、蓋部材23は冷却ファン18Cの矢印Aで示す空気流の作用により開作動すると共に、空気流の非作用により閉作動する。このため、作業者が蓋部材23の開閉作動を視認できるから、蓋部材23が開作動しないことによるフイルター部材22の目詰まりを容易に察知することができる。また、冷却ファン18Cの停止により蓋部材23が排出口20を閉じるから、外部からの塵埃の侵入をより良好に阻止することができる。
【0033】
また、制御ボックス17は油タンク1の上板2に取付部材31で係合して取付けた。このため、制御ボックス17を油タンク1の上板2に容易に取付けることができるから、既存に設置した油圧ユニットに制御ボックス17を後から追加して取付けることができる。
【0034】
また、制御ボックス17にはインバータ18と排出口20との間を接続するダクト部材25を設けた。このため、冷却ファン18Cの回転により発生する矢印Aで示す空気流をインバータ18から排出口20に確実に流通することができるから、インバータ18からの発熱を一層良好に放熱することができる。
【0035】
なお、前述の各実施形態では、蓋部材23の開閉作動を作業者が視認したが、蓋部材の開閉作動をリミットスイッチ等で検知してもよい。また、制御ボックス17を電動機3の端子箱3Aや油タンク1の上板2に取付けたが、制御ボックスを油タンクの側壁に取付けてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1:油タンク
3:電動機
4:油圧ポンプ
17:制御ボックス
18:インバータ
18C:冷却ファン
19:吸入口
20:排出口
22:フィルター部材
23:蓋部材
図1
図2