(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】信頼性の改善のための導電性ポリマー分散液
(51)【国際特許分類】
H01G 9/00 20060101AFI20240221BHJP
C08F 12/30 20060101ALI20240221BHJP
C08L 25/18 20060101ALI20240221BHJP
C08L 65/00 20060101ALI20240221BHJP
C08G 61/12 20060101ALI20240221BHJP
H01B 1/12 20060101ALI20240221BHJP
H01B 1/20 20060101ALI20240221BHJP
H01G 9/15 20060101ALI20240221BHJP
H01G 9/028 20060101ALI20240221BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20240221BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240221BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240221BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H01G9/00 290H
C08F12/30
C08L25/18
C08L65/00
C08G61/12
H01B1/12 F
H01B1/12 E
H01B1/12 Z
H01B1/20 A
H01G9/15
H01G9/028 G
H01G9/028 F
B32B7/025
B32B27/20 Z
B32B27/00 B
B32B27/30 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020074630
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511231986
【氏名又は名称】ケメット エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブンハ アジャイクマル
(72)【発明者】
【氏名】チャッコ アントニー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】シー ヤールー
(72)【発明者】
【氏名】チェン チンピン
(72)【発明者】
【氏名】レスナー フィリップ エム.
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/079002(WO,A1)
【文献】特表2020-537350(JP,A)
【文献】特開2008-258307(JP,A)
【文献】特表2019-505993(JP,A)
【文献】特開2013-058807(JP,A)
【文献】特表2019-533304(JP,A)
【文献】特開2015-048370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/00
C08F 12/30
C08L 25/18
C08L 65/00
C08G 61/12
H01B 1/12
H01B 1/20
H01G 9/15
H01G 9/028
B32B 7/025
B32B 27/20
B32B 27/00
B32B 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層の形成は、前記第1の粒子及び前記第2の粒子を含む分散液を塗布することを含み、かつ、前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法。
【請求項2】
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記ポリアニオンは、式2:
A
xB
yC
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7CH
2O)
b-R
8
からなる群から選択される
(R
7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6H
4-R
10
{ここで、R
10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11CH
2O)
d-R
12
から選択される
(R
11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6H
4-O-R
13
{ここで、R
13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14CH
2O)
e-R
15
から選択される
(R
14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、
前記第1の粒子及び前記第2の粒子は、1つの分散液中に存在し、
前記分散液の第1の部分は、モノマー溶液の高剪断重合により形成され、前記分散液の第2の部分は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法。
【請求項3】
前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、請求項
2に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
【請求項4】
前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、請求項
2に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
【請求項5】
前記アノード酸化されたアノードと前記予備重合された導電性ポリマーとの間に有機金属化合物を塗布することを更に含む、請求項
2に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
【請求項6】
分散液であって、
少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、
少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子と、を含み、
前記導電性ポリマーは、式1:
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
1及びR
2は、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン又はOR
3により置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1とR
2とは一緒になって、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1~C
4アルキルフェニル、C
1~C
4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1~C
4アルキルベンジル、C
1~C
4アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1~C
6アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員又は7員のヘテロ環式構造であり、
R
3は、水素、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
3は、非置換の又はC
1~C
6アルキルにより置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、かつ、
Xは、S、N又はOである)の構造を有する共役基を含み、かつ、
前記ポリアニオンは、式2:
A
xB
yC
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7CH
2O)
b-R
8
からなる群から選択される
(R
7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6H
4-R
10
{ここで、R
10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11CH
2O)
d-R
12
から選択される
(R
11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6H
4-O-R
13
{ここで、R
13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14CH
2O)
e-R
15
から選択される
(R
14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化又は高剪断均質化に更に供される、分散液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、2017年10月18日付けで出願された係属中の米国特許出願第15/787,126号の分割出願でもある2018年10月19日付けで出願された係属中の米国特許出願第16/165,649号の一部継続出願であり、その両方は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、導電性ポリマーカソードを備える改善された固体電解コンデンサに関する。特に、本発明は、ポリマー組成物の改善により、特に縁部(edge)及び隅部(corner)に対する被覆率(coverage)の改善がもたらされ、それによりコンデンサに湿潤環境でのESRの改善及び漏洩安定性の改善がもたらされる導電性ポリマーにおける改善に関する。
【背景技術】
【0003】
固体電解コンデンサは、エレクトロニクス産業全体にわたって広く使用されている。高電圧用途において、導電性ポリマー分散液により形成された固体電解質を含むコンデンサは、in-situで形成された導電性ポリマーカソードと比較して優れた高電圧性能を示す。これらの導電性ポリマー分散液は、重合、精製、濾過、均質化、蒸発等を含む多数の方法工程により調製される。これらの方法の説明は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5、特許文献6、並びにPCT公開公報の特許文献7に示されており、該文献のそれぞれは、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0004】
コンデンサ及びコンデンサの作製方法は、特許文献8、特許文献9及び特許文献10に示されており、該文献のそれぞれは、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0005】
カソードとして導電性ポリマーを備える固体電解コンデンサは、幾つかの不利点を有する。1つの不利点は、誘電体の縁部及び隅部の被覆に関連する難点である。アノード酸化されたアノードの隅部及び縁部に対する導電性ポリマーの不十分な被覆率は、高い直流漏洩電流を引き起こし、湿潤雰囲気中で信頼性の問題を生ずる。
【0006】
コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の安定には、カソード層と、カソード導電層と、導電性接着剤と、リードフレームとの間の界面が、熱機械応力時に良好な機械的完全性を有することが必要とされる。固体電解コンデンサは、組み立て、モールド成形、基板実装のリフロー等に際して様々な熱機械応力に曝される。基板実装に際して、コンデンサは250℃を上回る温度に曝される。これらの高温は、界面間の熱膨張係数(CTE)のミスマッチにより界面に応力を発生させる。結果として生ずる応力により界面の機械的脆弱化が引き起こされる。場合によっては、この機械的脆弱化により層間剥離が引き起こされる。界面間のいかなる物理的分離も界面間の電気抵抗の増加を引き起こし、こうして、完成したコンデンサにおいてESRの増加が引き起こされる。この界面の脆弱化はまた高湿潤環境に際してより高いESRシフトをもたらす。
【0007】
特許文献11の欧州特許出願は、特許文献12の固体電解コンデンサの形成方法を、0.7μm~20μmの範囲の直径を有する固体粒子を分散液に添加することにより改善している。この固体粒子は、炭酸塩、ケイ酸塩、シリカ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラス球、木粉、セルロース粉末、カーボンブラック、酸化ケイ素又は二酸化ケイ素等の導電性ポリマー又はフィラーの粒子である。この特許は、導電性高分子ポリアニオン分散液に上述の粒子を添加することにより縁部及び隅部の被覆率が改善されることを主張している。しかしながら、導電性ポリマーの固体粒子は、それを水に非分散性又は不溶性にするポリアニオンを含まない。したがって、導電性ポリマー:ポリアニオン分散液に導電性ポリマーの固体粒子を添加することで、分散液の安定性に影響が与えられ得ることから、その分散液は非常に高い粘度を有し、分散液中の固体粒子の沈降が引き起こされ、性能の再現性が不十分となる。さらに、特許文献13で述べられているように、この固体粒子は高分子の外部被膜を脆くし、それにより外層が局所的に剥離し、結果的に残余電流及びESRが増加する場合がある。
【0008】
ポリマー外層被膜の強度に影響を与えずに被覆率を改善するために、特許文献7(該文献は、引用することにより本明細書の一部をなす)では、架橋剤又はプライマーと呼称される主として多価カチオン性塩又はアミンである一群の化合物を使用することが報告された。アノード酸化されたアノードに架橋剤を塗布した後にポリマースラリーを塗布することで、アノード酸化されたアノードの隅部及び縁部に対して良好なポリマー被覆率が達成される。架橋剤を使用することで、被覆率の改善のために導電性ポリマー分散液に固体粒子は不要となった。架橋剤の有効性は、多価カチオン性塩又はアミンがスラリー/分散液の粒子に架橋し得ることに起因する。架橋剤は、アノード酸化されたアノードの隅部及び縁部に対するコーティング被覆率を改善するために有利であるが、これらの主としてイオン的性質である架橋剤の添加は、完成製品での高ESRシフト及び直流漏洩の増大等の湿潤下での性能を低下させるという意図しない結果を招く。
【0009】
湿潤条件でのESR及び漏洩信頼性の性能を低下させることなく、固体電解コンデンサの隅部及び縁部のより良い被覆率を達成することができる改善された導電性ポリマー及びコンデンサの形成方法について継続的な要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第5,300,575号
【文献】米国特許第7,990,684号
【文献】米国特許第7,270,871号
【文献】米国特許第6,000,840号
【文献】米国特許第9,030,806号
【文献】米国特許出願公開第2011/0049433号
【文献】国際公開第2010/089111号
【文献】米国特許第7,990,683号
【文献】米国特許第7,754,276号
【文献】米国特許第7,563,290号
【文献】欧州特許出願公開第1746613号
【文献】欧州特許出願公開第1524678号
【文献】米国特許出願公開第2015/0140203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、コンデンサにおける隅部及び縁部のより良い被覆率をもたらすことができる改善された導電性ポリマーを提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの課題は、特に湿潤条件で使用するための改善された特性を有する改善されたコンデンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの利点及びその他の利点は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
上記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、上記導電性ポリマー層が、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、上記導電性ポリマー及び上記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、上記第1の粒子が少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、上記第2の粒子が少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有する、方法において実現される。
【0014】
別の実施の形態は、固体電解コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
上記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、上記導電性ポリマー層が、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、上記導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、上記第1の粒子が少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、上記第2の粒子が少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有する、固体電解コンデンサによって提供される。
【0015】
更に別の実施の形態は、分散液を形成する方法であって、
モノマー及びポリアニオンを、少なくとも3重量%から10重量%以下の固体のモノマー及びポリアニオンを含む溶液において準備することと、
上記モノマーを高剪断重合により重合させることと、
を含み、上記分散液が、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、上記導電性ポリマー及び上記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、上記第1の粒子が少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、上記第2の粒子が少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有する、方法によって提供される。
【0016】
更に別の実施の形態は、分散液であって、
少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、
少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2の粒子と、を含み、
前記導電性ポリマーは、式1:
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
1及びR
2は、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン又はOR
3により置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1とR
2とは一緒になって、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1~C
4アルキルフェニル、C
1~C
4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1~C
4アルキルベンジル、C
1~C
4アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1~C
6アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員又は7員のヘテロ環式構造であり、
R
3は、水素、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
3は、非置換の又はC
1~C
6アルキルにより置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、かつ、
Xは、S、N又はOである)の構造を有する共役基を含み、かつ、
前記ポリアニオンは、式2:
A
xB
yC
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7CH
2O)
b-R
8
からなる群から選択される
(R
7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6H
4-R
10
{ここで、R
10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11CH
2O)
d-R
12
から選択される
(R
11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6H
4-O-R
13
{ここで、R
13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14CH
2O)
e-R
15
から選択される
(R
14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表される、分散液において提供される。
【0017】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、方法において提供される。
【0018】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に有機金属化合物を含む層を塗布することと、
前記有機金属化合物層上に予備重合された導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、方法において提供される。
【0019】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電層の形成は、前記第1の粒子及び前記第2の粒子を含む分散液を塗布することを含み、かつ、
前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法において提供される。
【0020】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記ポリアニオンは、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、
前記第1の粒子及び前記第2の粒子は、1つの分散液中に存在し、
前記分散液の第1の部分は、モノマー溶液の高剪断重合により形成され、前記分散液の第2の部分は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法において提供される。
【0021】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを更に含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、
前記ポリアニオンは、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでであり、
yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、zは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
により表され、
前記外側ポリマー層は、前記ポリアニオンを含む、固体電解コンデンサにおいて提供される。
【0022】
更に別の実施の形態は、分散液であって、
少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、
少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子と、を含み、
前記導電性ポリマーは、式1:
【化2】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
1及びR
2は、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン又はOR
3により置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1とR
2とは一緒になって、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1~C
4アルキルフェニル、C
1~C
4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1~C
4アルキルベンジル、C
1~C
4アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1~C
6アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員又は7員のヘテロ環式構造であり、
R
3は、水素、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
3は、非置換の又はC
1~C
6アルキルにより置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、かつ、
Xは、S、N又はOである)の構造を有する共役基を含み、かつ、
前記ポリアニオンは、式2:
A
xB
yC
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7CH
2O)
b-R
8
からなる群から選択される
(R
7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6H
4-R
10
{ここで、R
10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11CH
2O)
d-R
12
から選択される
(R
11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6H
4-O-R
13
{ここで、R
13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14CH
2O)
e-R
15
から選択される
(R
14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化又は高剪断均質化に更に供される、分散液において提供される。
【0023】
更に別の実施の形態は、電解コンデンサを形成する方法であって、有機金属化合物でコーティングされた誘電体を備えるアノードを準備することと、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1の導電性ポリマー層を形成することと、第2の導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2のポリマースラリーを塗布することとを含み、上記ポリアニオンがPSSコポリマーである、方法において提供される。
【0024】
更に別の実施の形態は、電解コンデンサを形成する方法であって、有機金属化合物でコーティングされた誘電体を備えるアノードを準備することと、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1の導電性ポリマー層を形成することと、ポリアニオンを含む第2のポリマースラリーを塗布することとを含み、上記第2のスラリーがPEDOT:ポリアニオンの多峰性粒子を含む、方法において提供される。
【0025】
更に別の実施の形態は、電解コンデンサを形成する方法であって、有機金属化合物でコーティングされた誘電体を備えるアノードを準備することと、ポリアニオン及び導電性ポリマーを含む第1の導電性ポリマー層を形成することと、ポリアニオンを含む第2のポリマースラリーを塗布することとを含み、上記第2のスラリーがPEDOT:ポリアニオンの少なくとも二峰性の粒子サイズを含み、上記ポリアニオンがPSSコポリマーである、方法において提供される。
【0026】
更に別の実施の形態は、電解コンデンサを形成する方法であって、有機金属化合物でコーティングされた誘電体を備えるアノードを準備することと、予備重合されたポリマーである第1の導電性ポリマー層を形成することと、第2の導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第2のポリマースラリーを塗布することとを含み、上記ポリアニオンがPSSコポリマーである、方法において提供される。
【0027】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、方法において提供される。
【0028】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に有機金属化合物を含む層を塗布することと、
前記有機金属化合物層上に予備重合された導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、方法において提供される。
【0029】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電層の形成は、前記第1の粒子及び前記第2の粒子を含む分散液を塗布することを含み、かつ、
前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法において提供される。
【0030】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記ポリアニオンは、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、
前記第1の粒子及び前記第2の粒子は、1つの分散液中に存在し、
前記分散液の第1の部分は、モノマー溶液の高剪断重合により形成され、前記分散液の第2の部分は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法において提供される。
【0031】
更に別の実施の形態は、固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを更に含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、
前記ポリアニオンは、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでであり、
yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、zは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
により表され、
前記外側ポリマー層は、前記ポリアニオンを含む、方法において提供される。
【0032】
更に別の実施の形態は、コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、コンデンサにおいて提供される。
【0033】
更に別の実施の形態は、コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の有機金属化合物を含む層と、
前記有機金属化合物層上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、コンデンサにおいて提供される。
【0034】
更に別の実施の形態は、コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを更に含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、
前記ポリアニオンは、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでであり、
yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、zは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
により表され、
前記外側ポリマー層は、前記ポリアニオンを含む、コンデンサにおいて提供される。
【0035】
更に別の実施の形態は、分散液であって、
少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、
少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子と、を含み、
前記導電性ポリマーは、式1:
【化3】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
1及びR
2は、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン又はOR
3により置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1とR
2とは一緒になって、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1~C
4アルキルフェニル、C
1~C
4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1~C
4アルキルベンジル、C
1~C
4アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1~C
6アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員又は7員のヘテロ環式構造であり、
R
3は、水素、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
3は、非置換の又はC
1~C
6アルキルにより置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、かつ、
Xは、S、N又はOである)の構造を有する共役基を含み、かつ、
前記ポリアニオンは、式2:
A
xB
yC
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7CH
2O)
b-R
8
からなる群から選択される
(R
7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6H
4-R
10
{ここで、R
10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11CH
2O)
d-R
12
から選択される
(R
11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6H
4-O-R
13
{ここで、R
13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14CH
2O)
e-R
15
から選択される
(R
14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14CH
2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化又は高剪断均質化に更に供される、分散液において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、固体電解コンデンサに使用される改善された導電性ポリマー分散液、カソードとして該導電性ポリマーを含む改善された固体電解コンデンサ、該導電性ポリマーを含むスラリー及び改善された固体電解コンデンサを作製する方法に関する。特に、本発明は、少なくとも部分的にアノード酸化されたアノード上での隅部及び縁部の被覆率の改善並びにカソード層における界面接着の改善により改善が引き起こされる、改善された固体電解コンデンサに使用するのに適した導電性ポリマー分散液のための改善された重合方法に関する。
【0038】
驚くべきことに、固体電解コンデンサにおける完全な隅部及び縁部の被覆率並びに界面接着の改善は、導電性ポリマー:ポリアニオン複合粒子の少なくとも二峰性のサイズ分布を有する導電性ポリマーの溶剤中の分散液を含む混合物を塗布することにより達成され得ることが判明した。第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下である中央粒子サイズ(D50)を有する。より好ましくは、第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから5ミクロン以下、更により好ましくは少なくとも2ミクロンから4ミクロン以下であるD50を有する。第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下、より好ましくは少なくとも100nmから500nm以下、更により好ましくは少なくとも200nmから400nm以下のD50を有する。D50として報告される平均直径という用語は、質量中央径又は質量基準平均粒子径である。二峰性と記載されているが、3つ以上の異なる粒子サイズを有する分散液が考慮される。
【0039】
ポリマー及びアニオンの粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下のD50を有する第1の粒子を少なくとも5重量%から95重量%以下、より好ましくは少なくとも25重量%から75重量%以下、更により好ましくは少なくとも40重量%から60重量%以下で有することが好ましい。ポリマー及びアニオンの粒子は、少なくとも1nmから600nm以下のD50を有する第2の粒子を少なくとも5重量%から95重量%以下、より好ましくは少なくとも25重量%から75重量%以下、更により好ましくは少なくとも40重量%から60重量%以下で有することも好ましい。
【0040】
驚くべきことに、分散液の一部の後処理による導電性ポリマー分散液中の第1の粒子及び第2の粒子の比率調整がポリマー被膜品質に影響を与えることが判明した。後処理技術は、高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化又は高剪断均質化混合であり得る。導電性ポリマー:ポリアニオン粒子の少なくとも二峰性のサイズ分布は、単峰性の粒子サイズ分布を有する従来技術の分散液と比較して大幅に改善された隅部及び縁部の被覆率につながる。その結果として、湿潤条件における大幅に改善されたESR及び改善された漏洩信頼性を有する固体電解コンデンサがもたらされる。本発明は、85℃及び85%の相対湿度で1000時間の負荷後にESRシフトが100%未満であり、かつ漏洩が0.1CV未満である固体電解コンデンサを提供する。
【0041】
特に好ましい実施形態では、内側ポリマー層はより小さい粒子を含み、外側ポリマー層は少なくとも二峰性のサイズ分布の導電性ポリマー:ポリアニオン粒子を含む。
【0042】
本発明を、本開示の不可欠の非限定的な要素を構成する図面を参照して説明する。
【0043】
本発明のコンデンサを、固体電解コンデンサが横断面概略図で図示される
図1を参照して説明する。
図1において、固体電解コンデンサ1はアノード2を備え、その上に誘電体3を有する。完成後に、導電性ポリマー層4は、本質的に連続的な、好ましくは筋が入っていない層であるが、該層は複数の方法工程により形成されるため、本明細書では、例示及び明瞭化のために層ごとに別々に論じて説明する。リードを導電性ポリマー層に接合することが困難であることはよく知られているため、典型的に導電性ポリマー層上に導電性炭素を含む層を含み、該炭素含有層上に銀含有層を含む接合層5を塗布することは、当該技術分野において標準的である。カソードリード7は、導電性接着剤により接合層に接合される。アノードリード6は、典型的に溶接によりリード線8に接合され、カソードリード及びアノードリードの部分を除く全集成体は、樹脂等の非導電性材料9内に封止される。
【0044】
塗布される第1の導電性ポリマー層41は、内側ポリマー層と呼称され、多孔質誘電体の間隙領域を十分にコーティングし得るのに十分であるように形成される。第1の導電性ポリマー層は、典型的に好ましくは多孔質誘電体の間隙領域をコーティングするのに適した一般的な条件下で一般的な成分から逐次形成される副層(sub-layer)を含む。第1の導電性ポリマー層は、典型的にそれぞれ共役系導電性ポリマーを含む1層~5層を含む。
【0045】
第1の導電性ポリマー層は、後続の層と同じ導電性ポリマー及びポリアニオンを有し得るが、第1の導電性ポリマー層は、好ましくは、1種以上のモノマーと、酸化剤と、1種以上のドーパントとの溶液から形成されるin-situ重合により形成される導電性ポリマーの少なくとも1回の塗布によって、又は小さな平均粒子サイズを有することにより十分な浸透が可能である導電性ポリマー溶液又は分散液の少なくとも1回の塗布によって形成される。一実施形態では、内側ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子を含む分散液から形成され、その粒子サイズは10nm~50nmのD50である。より好ましくは、内側ポリマーは、10nm~30nm、より好ましくは10nm~20nmのD50の粒子サイズを有する。一実施形態では、内側ポリマー層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない。
【0046】
誘電体と導電性ポリマー層との間の接着を改善するために、更に接着促進層上に内側ポリマー層がコーティングされ得る。接着促進剤の例は、有機金属化合物又は有機官能性シラン若しくは加水分解物、又は弱酸及びそのホスフェートを含む有機官能性シラン、例えば3-グリシドキシプロピル-トリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシ-プロピルトリメトキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニル(β-メトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン等、又は酸、アルコール、フェノール、アミン、エポキシ、アクリレート等の反応基を含有する水溶性モノマー/オリゴマー/ポリマー等である。有機官能性シラン内の弱酸の例は酢酸、リン酸等であり得る。内側ポリマー層は、本明細書の他所に記載されるポリアニオンを含む小分子対イオン又は高分子対イオンを更に含み得る。一実施形態では、誘電体又はアノード酸化されたアノードの表面へと有機金属化合物が塗布され、その上に内側ポリマー層が形成される。別の実施形態では、導電性ポリマーの層間に有機金属化合物が塗布される。
【0047】
後続の導電性ポリマー副層42~4n(ここで、nは約10まで)は、まとめて外側ポリマー層と呼称され、典型的には分散液又は溶液の形で塗布され、その際、それぞれの副層の形成に使用される導電性ポリマーを含有する分散液又は溶液は同一又は異なっていてもよく、それにより組成的に同一又は異なる層が得られるが、製造の便宜のためには共通することが好ましい。少なくとも1層の外側層は本発明によるポリマー分散液を含み、好ましくは外側層のそれぞれは本発明によるポリマー分散液を含む。一実施形態では、外側層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない。
【0048】
外側層もまた、独立して界面活性物質、例えばイオン性及び/又は非イオン性界面活性剤;接着促進剤、例えば有機官能性シラン若しくはその加水分解物、ホスフェート、例えば3-グリシドオキシプロピル-トリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシ-プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン若しくはオクチルトリエトキシシラン、ポリウレタン、ポリアクリレート若しくはポリオレフィン分散液、又は更なる添加剤を含んでもよい。
【0049】
外側層は更に独立して、伝導度を高める添加剤、例えばエーテル基を含有する化合物、例えばテトラヒドロフラン;ラクトン基を含有する化合物、例えばγ-ブチロラクトン、バレロラクトン;アミド若しくはラクタム基を含有する化合物、例えばカプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-アセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-ホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドン(NMP)、N-オクチルピロリドン、ピロリドン;スルホン及びスルホキシド、例えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、ジメチルスルホキシド(DMSO);糖若しくは糖類縁体、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール;イミド、例えばスクシンイミド若しくはマレイミド;フラン類縁体、例えば2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、及び/又はジアルコール若しくはポリアルコール、例えばエチレングリコール、グリセロール若しくはジエチレングリコール若しくはトリエチレングリコールを含んでもよい。伝導度を高める添加剤として、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、又はソルビトールを使用するのが好ましい。
【0050】
外側ポリマー層は、層間接着を改善するために隣接する導電性ポリマー副層間にプライマー層又は架橋剤層を有し得る。好ましい実施形態では、導電性ポリマー副層42~4nは、間にプライマーを伴わずに堆積されたプライマー又は架橋剤である。プライマー化合物の例は、少なくともアミン基を含むようなモノアミン化合物又はジアミン化合物であり、一実施形態では、該化合物は、好ましくは少なくとも2個のアミン基を含む。特に適切なアミンであるジアミンは、米国特許第8,882,856号(該文献は、引用することにより本明細書の一部をなす)に列挙されている。特に好ましいアミンとして、架橋剤が挙げられ、架橋剤は、ジアミン、トリアミン、オリゴアミン、又はポリマーアミン若しくはそれらの類縁体(これらには、以下のアミン、脂肪族アミン、特に脂肪族α~オメガ-ジアミン、例えば1,4-ジアミノシクロヘキサン又は1,4-bis(アミノ-メチル)シクロヘキサン;直鎖脂肪族α~オメガ-ジアミン、例えばエチレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン又は1,12-ドデカンジアミン;脂肪族α~オメガ-ジアミンの類縁体、例えばN,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、二臭化N,N,N,N’,N’,N’-ヘキサメチルヘキサメチレン-ジアンモニウム、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、又は1,4-bis(3-アミノプロピル)ピペラジン;アミド、例えばN,N’-ジアセチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレン-ジアミン、1,4-ジホルミルピペラジン又はN,N’-エチレンbis(ステアロアミド);少なくとも3つのアミノ基を有する脂肪族アミン、例えば1,4-bis(3-アミノプロピル)ピペラジン;少なくとも3つのアミノ基を有する直鎖脂肪族アミン、例えばN-(6-アミノヘキシル)-1,6-ジアミノヘキサン又はN-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン;少なくとも3つのアミノ基を有する直鎖脂肪族アミンの類縁体、例えば3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン;少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミン、アミノ基を有する有機官能性シラン、例えば3-アミノプロピルトリエトキシシランが含まれる)の少なくとも1つを含む。主要な化合物は対イオンとしての強酸又は弱酸、例えばp-トルエンスルホン酸、酢酸、リン酸を更に含んでもよい。
【0051】
導電性ポリマーは、それぞれ置換されていてよいポリアニリン、ポリピロール及びポリチオフェンからなる群から選択される。特に好ましいポリマーは、式1:
【化4】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
1及びR
2は、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン又はOR
3により置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1とR
2とは一緒になって、非置換の又はC
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1~C
4アルキルフェニル、C
1~C
4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1~C
4アルキルベンジル、C
1~C
4アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1~C
6アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員7員のヘテロ環式構造であり、R
3は、好ましくは、水素、直鎖状又は分岐状のC
1~C
16アルキル又はC
2~C
18アルコキシアルキルを表す、又はR
3は、非置換の又はC
1~C
6アルキルにより置換された、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
Xは、S、N又はOであり、最も好ましくは、Xは、Sである)の構造を有する共役基を含む。
式1のR
1及びR
2は、好ましくは、環のβ位での重合を禁止するように選択される。それというのも、α位の重合だけを進行させることが最も好ましいからである。R
1及びR
2が水素ではないことがより好ましく、より好ましくは、R
1及びR
2はα配向体(directors)であり、その際、アルキル結合よりもエーテル結合の方が好ましく、R
1及びR
2が小さくて立体障害が避けられることが最も好ましい。
【0052】
特に好ましい実施形態では、式1のR1及びR2は一緒になって、-O-(CHR4)n-O-を表すべきであり、ここで、
nは1~5の整数、最も好ましくは2であり、
R4は、独立して、水素;任意にカルボン酸、ヒドロキシル、アミン、置換アミン、アルケン、アクリレート、チオール、アルキン、アジド、スルフェート、スルホネート、スルホン酸、イミド、アミド、エポキシ、無水物、シラン及びホスフェートから選択される官能基で置換された直鎖状又は分岐状のC1~C18アルキル基、C5~C12シクロアルキル基、C6~C14アリール基、C7~C18アラルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基;ヒドロキシル基から選択される、又はR4は、-(CHR5)a-R16、-O(CHR5)aR16、-CH2O(CHR5)aR16、-CH2O(CH2CHR5O)aR16から選択される、又は、
R4は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、アミド、イミド、無水物、ヒドロキシメチル、アルケン、チオール、アルキン、アジド、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルフェート、SO3M、無水物、シラン、アクリレート及びホスフェートからなる群から選択される官能基であり、
R5は、H又は任意にカルボン酸、ヒドロキシル、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、エポキシ、アクリレート及び無水物から選択される官能基で置換された炭素数1~5のアルキル鎖であり、
R16は、H又はSO3M又は任意にカルボン酸、ヒドロキシル、アミン、置換アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジド、アミド、イミド、スルフェート、SO3M、アミド、エポキシ、無水物、シラン、アクリレート及びホスフェートから選択される官能基で置換された炭素数1~5のアルキル鎖であり、
aは、0~10の整数であり、かつ、
Mは、H又は好ましくはアンモニア、ナトリウム又はカリウムから選択される陽イオンである。
【0053】
導電性ポリマーは、水溶性化合物又は水分散性化合物のいずれかであり得る。そのようなπ共役系導電性ポリマーの例には、ポリピロール又はポリチオフェンが含まれる。特に好ましい導電性ポリマーとして、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシアルコール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)、等が挙げられる。
【0054】
少なくとも2種類の共重合された異なるモノマーから構成されるコポリマーが意図される。コポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-ブタン-スルホン酸、塩)、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ)-1-メチル-1-プロパン-スルホン酸、塩)、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、及びポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択される少なくとも1種類の重合されたモノマーを含む。
【0055】
特に好ましいポリマーは、ポリ-3,4-ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)である。
【0056】
少なくとも二峰性の導電性粒子におけるポリアニオンは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩のホモポリマー、及び/又は、式2:
AxByCz
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR6
{ここで、R6は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR7CH2O)b-R8
からなる群から選択される
(R7は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、好ましくは水素又はメチルであり、
bは、1から、-CHR7CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R8は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR9
(ここで、R9は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C6H4-R10
{ここで、R10は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR11CH2O)d-R12
から選択される
(R11は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルであり、
dは、1から、-CHR11CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R12は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C6H4-O-R13
{ここで、R13は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR14CH2O)e-R15
から選択される
(R14は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、好ましくは水素又はメチルであり、
eは、1から、-CHR14CH2O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R15は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、かつy/xは、0~100、より好ましくは0.01~100であり、zは、0から、100以下の比z/xまでであり、より好ましくは、xは、x+y+zの総和の50%~99%を表し、yは、x+y+zの総和の1%~50%を表し、かつzは、x+y+zの総和の0%~49%を表し、更により好ましくは、xは、x+y+zの総和の70%~90%を表し、yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、かつzは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
の比率により表される基A、基B及び基Cを含むランダムコポリマーである。
【0057】
本発明の特有の特徴は、表面積及びサイズが違うため異なる粒子サイズについて導電性ポリマー対ポリアニオンの比率を調整することができることである。より小さい方の粒子サイズ部分及びより大きい方の粒子サイズ部分のそれぞれについての導電性ポリマー対ポリアニオンのモル比は、1:0.1~0.1:1、より好ましくは1:1~0.2:1、更により好ましくは0.8:1~0.25:1の範囲内であることが好ましい。一実施形態では、導電性ポリマー対ポリアニオンのモル比は、より大きい平均直径を有する第1の粒子の方が、より小さい平均直径を有する第2の粒子よりも高い。より好ましくは、導電性ポリマー対ポリアニオンのモル比は、より小さい方の粒子サイズ部分の方が、より大きい粒子サイズ部分よりも10%大きい。理論に限定されるものではないが、より小さい方の粒子サイズについてのモル比を高めることで、コーティングにおける粒子間充填が改善され、それにより、特に縁部及び隅部に対するコーティングの品質が改善される。
【0058】
本発明の別の特有の特徴は、異なる粒子サイズを有する分散液の2つの部分についてポリアニオンの分子量を調整することができることである。分散液のより小さい方の粒子サイズ部分及び分散液のより大きい方の粒子サイズ部分のそれぞれについてのポリアニオンの好ましい分子量は、少なくとも約600から約500000以下である。一実施形態では、ポリアニオンは、大きい粒子サイズ部分について小さい粒子サイズ部分とは異なる分子量を有し得る。
【0059】
複数の粒子サイズを有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子の分散液は、好ましくは、モノマーとポリアニオンとの混合物の約3重量%を上回るような高い固体含量でローター・ステーターシステムを用いて高剪断重合により形成される。理論に限定されるものではないが、モノマー濃度と高剪断動力学との組み合わせにより、混ざった粒子サイズを有する粒子の成長が促進されると仮定される。高剪断ローター・ステーター重合は、特許文献5(該文献は、引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されている。一実施形態では、分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される。
【0060】
しかしながら、混ざったサイズを有する導電性ポリマー及びポリアニオンの粒子を有する分散液の調製は、混合を含む他の方法により行うことができ、ローター・ステーターでの高剪断重合に限定され得ない。
【0061】
本発明による分散液の特有の特徴は、分散液についての所与のパーセントの固体負荷量での単峰性の分散液に対する粘度の低下である。より高い固体含量でより粘度が低いことで、特にアノード酸化されたアノードの縁部及び隅部でのコーティング品質が改善される。複数の粒子サイズを有する本発明による分散液は、重合の間にモノマーとポリアニオンとの混合物の3.56%の固体投入量で重合させた場合に、6rpmで少なくとも2000cPから6rpmで5000cP以下の粘度を有する。単峰性のサイズの粒子では、モノマー及びポリアニオンの2.1%の固体投入量で重合させた場合に、粘度は6rpmで6000cPを超え、固体投入量の%を高めると増加する。低い粘度でより高い固体パーセントを有する分散液を塗布し得ることは、コーティング品質の改善に有利である。
【0062】
少なくとも二峰性の粒子サイズ分布を有する導電性ポリマーの分散液は、高分子ドーパントを更に含み得る。好ましい高分子ドーパントは、ポリスチレンスルホネート(PSS)である。ポリスチレンスルホン酸(PSSA)コポリマーは、特にポリエチレングリコールモノアクリレートとのコポリマーとして、特に好ましいドーパントである。
【0063】
導電性ポリマー溶液又は分散液は、好ましくは、被膜を乾燥させるとポリマー被膜強度を改善することができる被膜形成剤として反応性モノマーを含む。反応性モノマー又はオリゴマーは、イオン系界面活性剤/非イオン系界面活性剤の使用により水中又は有機溶剤中で可溶性となり得る、又は水中で分散性となり得る。反応性モノマーは、少なくとも2又はそれより大きな平均官能価を有し得る。モノマーの硬化過程は、熱、放射線又は化学的触媒作用により触媒され得る。例示的なモノマーとして、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(ソルビトール-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミド-エポキシ化合物、ジグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化ビスフェノールAノボラック修飾エポキシ、ウレタン修飾ビスフェノールAエポキシ、エポキシ化o-クレゾールノボラック等を含む1つより多いエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
【0064】
更なる被膜形成剤は、酸性基を含有するモノマーである。例示的な酸性モノマーとして、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、マレイン酸、ムコン酸、クエン酸、トリメシン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。特に好ましい有機酸は、フタル酸等の芳香族酸、特にオルトフタル酸である。
【0065】
アルコール/アクリレート基を含有する被膜形成モノマーを使用することができる。例示的なモノマーとして、ジエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリエチレングリコール、オリゴ/ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノクロロヒドリン、ジエチレングリコールモノクロロヒドリン、オリゴエチレングリコールモノクロロヒドリン、トリエチレングリコールモノブロモヒドリン、ジエチレングリコールモノブロモヒドリン、オリゴエチレングリコールモノブロモヒドリン、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、ポリエチレンオキシド、トリエチレングリコール-ジメチルエーテル、テトラエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジメチルエーテル、ジエチレングリコール-ジエチルエーテル-ジエチレングリコール-ジブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンジオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブトキシエチルメタクリレート、n-ブトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、n-ブトキシエチルアクリレート、n-ブトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等;二官能性(メタ)アクリレート化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等;グリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリシジルエーテル、トリプロピレングリシジルエーテル、ポリプロピレングリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等;グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド修飾トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド修飾ペンタエリトリトールトリアクリレート、エチレンオキシド修飾ペンタエリトリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
【0066】
外側ポリマー層はまた、独立して反応性基、例えばエポキシ、アルコール、シラン、ホスフェート、アミン、アルケン、チオール、アルキン、アジドカルボン酸を含有する被膜形成ポリアニオンを含んでもよい。
【0067】
外側ポリマー層はまた、独立して、米国特許第9,378,898号に記載される鎖状-超分岐型ポリマー(linear hyperbranched polymers)を被膜形成剤として含み得る。外側ポリマー層は、鎖状ブロックがヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ、アクリレート、酸等から選択される少なくとも2つの反応性末端官能基を有し、超分岐ブロックがポリエーテル-エポキシ、ポリエステル-エポキシ、ポリエステル-シラノール、ポリエステル-酸、ポリエーテル-アルコール、ポリアミド-酸、ポリエーテル-アクリレート、ポリエーテル-シラノール及びポリエステル-アミンペンダント基を含む鎖状-超分岐型ポリマーを含んでもよい。
【0068】
外側ポリマー層は、独立して、米国特許出願公開第20150348715号に記載される仕事関数改変剤(work function modifiers)を更に含み得る。例示的な仕事関数改変剤として、好ましくはジ-アルコキシアシルチタン酸塩、トリ-アルコキシアシルチタン酸塩、アルコキシトリアシルチタン酸塩、アルコキシチタン酸塩、ネオアルコキシチタン酸塩、チタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)ブタノラト、トリスネオデカノアト-O;チタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)ブタノラト、iris(ドデシル)ベンゼンスルホナト-O;チタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)ブタノラト、トリス(ジオクチル)ホスファト-O;チタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)トリス(ジオクチル)ピロホスファトブタノラト-O;チタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)ブタノラト、トリス(2-エチレンジアミノ)エチラト;及びチタンIV2,2(bis2-プロペノラトメチル)ブタノラト、代表的なネオアルコキシチタン酸塩であるトリス(3-アミノ)フェニラト並びにそれらの類縁体からなる群から選択される有機チタン酸塩類縁体が挙げられる。さらに、仕事関数改変剤は、脂環式脂肪族エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミンエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(ソルビトール-DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、マレイミド-エポキシ化合物、及びそれらの類縁体からなる群から選択される化合物であり得る。
【0069】
外側ポリマー層は、独立して、ヒドロキシ官能性非イオン性ポリマー等の非イオン性ポリマーを更に含み得る。「ヒドロキシ官能性」という用語は一般的に、化合物が少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有することを意味する。ヒドロキシ官能性ポリマーの分子量は、約100g/mol~10000g/mol、幾つかの実施形態では、約200g/mol~2000g/mol、幾つかの実施形態では、約300g/mol~約1200g/mol、幾つかの実施形態では、約400g/mol~約800g/molであり得る。
【0070】
様々なヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーのいずれかが一般的に使用され得る。一実施形態では、例えば、ヒドロキシ官能性ポリマーは、ポリアルキレンエーテルである。ポリアルキレンエーテルとして、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエピクロロヒドリン;ポリオキセタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン等が挙げられ得る。ポリアルキレンエーテルは典型的にはほぼ鎖状の、末端ヒドロキシ基を有する非イオン性ポリマーである。特に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)が好適である。ジオール成分は、特に、飽和又は不飽和の、分岐鎖又は非分岐鎖の、5~36個の炭素原子を有する脂肪族ジヒドロキシ化合物、又は芳香族ジヒドロキシ化合物、例えばペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、bis-(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、ビスフェノールA、二量体ジオール、水素化二量体ジオール、又は更には上述のジオールの混合物から選択され得る。
【0071】
上記に加えて、他のヒドロキシ官能性非イオン性ポリマーも使用され得る。かかるポリマーの幾つかの例として、例えば、エトキシ化アルキルフェノール;エトキシ化又はプロポキシ化C6~C24脂肪族アルコール;一般式CH3-(CH2)10~16-(O-C2H4)1~25-OHを有するポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル(例えばオクタエチレングリコールモノドデシルエーテル及びペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル);一般式CH3-(CH2)10~16-(O-C3H6)1~25-OHを有するポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル;下記の一般式C8-H17-(C6H4)-(O-C2H4)1~25-OHを有するポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(例えばTriton(商標)X-100);下記の一般式C9-H19-(C6H4)-(O-C2H4)1~25-OHを有するポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル(例えばノノキシノール-9);C8~C24脂肪酸のポリオキシエチレングリコールエステル、例えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアリン酸、PEG-80ヒマシ油、及びPEG-20ヒマシ油、PEG-3ヒマシ油、PEG600ジオレート、及びPEG400ジオレート)及びポリオキシエチレングリセロールアルキルエステル(例えば、ポリオキシエチレン-23グリセロールラウリン酸及びポリオキシエチレン-20グリセロールステアリン酸);C8~C24脂肪酸のポリオキシエチレングリコールエーテル(例えば、ポリオキシエチレン-10セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-20セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン-15トリデシルエーテル、及びポリオキシエチレン-6トリデシルエーテル);ポリエチレングリコールのブロックコポリマー等が挙げられる。
【0072】
導電性ポリマー溶液又は分散液は、25℃でpHを測定して、1~14のpHを有し得て、1~10のpHが好ましく、1~8のpHが特に好ましい。pHの調整のために、溶液又は分散液に、例えば塩基又は酸が添加され得る。使用される塩基は無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム若しくはアンモニア、又は有機塩基、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリイソブチルアミン、1-メチルプロピルアミン、メチルエチルアミン、bis(1-メチル)プロピルアミン、1,1-ジメチルエチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2-ペンチルアミン、3-ペンチルアミン、2-メチル-ブチルアミン、3-メチルブチルアミン、bis(3-メチル-ブチルアミン)、トリス(3-メチルブチルアミン)、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、デシルアミン、N-メチル-ブチルアミン、N-エチルブチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジメチルプロピル、N-エチルジイソプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチル-ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチル-エタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノール-アミン、ジブチルエタノールアミン、シクロヘキシルエタノールアミン、シクロヘキシルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-プロピルエタノールアミン、tert-ブチルエタノールアミン、tert-ブチル-ジエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン若しくはベンジルアミン、二官能性、三官能性、若しくは四官能性アミンでもよい。使用される酸は無機酸でもよく、例えば硫酸、リン酸若しくは硝酸、又は有機酸、例えばカルボン酸若しくはスルホン酸でもよい。
【0073】
コンデンサの形成方法を、その方法が概略的に表されている
図2を参照して説明する。
図2において100で、少なくとも3重量%のモノマー及びポリアニオンから10重量%以下のモノマー及びポリアニオンを含むモノマー溶液中で、好ましくは、ステーター・ローターによってモノマー液滴が形成される。その液滴は次に102で、好ましくはポリアニオンの存在下で高剪断重合により重合され、それにより、少なくとも二峰性のサイズ分布の導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を含むポリマー分散液が形成される。104で、導体、好ましくはバルブ金属であるアノードが作製される。106で、アノード上に誘電体が形成され、その際、好ましい誘電体はそのアノードの酸化物である。108で、誘電体上にポリマーの導電性ポリマー層が形成され、それにより、間に誘電体を有する導電体対が形成される。導電性ポリマー層の少なくとも1層は、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を少なくとも二峰性のサイズ分布で含む分散液を塗布することにより形成される。分散液は、好ましくは浸漬により塗布される。好ましい実施形態では、導電性ポリマー/ポリアニオン粒子を少なくとも二峰性のサイズ分布で含む分散液を塗布する前に、内側ポリマー層が形成される。110では、コンデンサの最終仕上げが行われる。その際、最終仕上げは、限定されるものではないが、試験、外部終端の形成、封止等を含み得る。
【0074】
アノード材料は本明細書では限定されない。特に好ましいアノード材料は金属であり、特に好ましい金属はバルブ金属又はバルブ金属の導電性酸化物である。特に好ましいアノードには、限定されるものではないが、ニオブ、アルミニウム、タンタル及びNbOが含まれる。
【0075】
誘電体は本明細書では特に限定されない。特に好ましい誘電体は、製造を考慮すればアノードの酸化物である。
【0076】
本明細書全体を通して、「アルキル」、「アリール」、「アルキルアリール」、「アリールアルキル」等の用語は、非置換基又は置換された基を指し、「アルキルアルコール」のように既に置換されて記載される場合に、更に置換されていない又は更に置換されていてよい基を指す。
【0077】
試験方法
隅部及び縁部の被覆率測定
固体電解コンデンサにおけるアノード酸化されたアノード上での導電性ポリマー分散液の隅部及び縁部の被覆率を顕微鏡下で検査し、以下の基準に従って段階評価した:隅部及び縁部は被覆されていない(85%)、縁部は被覆されているが、隅部は被覆されていない(90%)、縁部は被覆されており、隅部の半分が被覆されている(95%)、隅部及び縁部が完全に被覆されているように見える(100%)。
【0078】
粒子サイズ分析
導電性ポリマー:ポリアニオン複合粒子の粒子サイズを、CPS instruments社製のディスク遠心式粒子サイズ分析装置を使用して測定した。粒子の直径分布は、粒子径に対する分散液中の粒子の重量分布に関連する。この文脈において、直径分布のD10値は、分散液中の導電性ポリマー:ポリアニオンの複合粒子全ての全重量の10%がD10値以下の直径を有する粒子に該当し得ることを示す。直径分布のD50値は、分散液中の導電性ポリマーの粒子全ての全重量の50%がD50値以下の直径を有する粒子に該当し得ることを示す。直径分布のD90値は、分散液中の導電性ポリマーの粒子全ての全重量の90%がD90値以下の直径を有する粒子に該当し得ることを示す。
【実施例】
【0079】
実施例1
ポリ(4-スチレンスルホン酸-co-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)ナトリウム塩を合成した。500ml容のフラスコに、溶剤として33mlの脱イオン水を初充填した。8gのスチレンスルホン酸ナトリウム塩、2gのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(Mn 480)及び1gの過硫酸アンモニウムを添加した後に、ガス入口管を用いてその混合物を窒素で飽和させた。15分間にわたり混合物に窒素を通過させ、この時間の間に混合物を80℃に加熱した。フラスコをゴム隔膜で密封し、溶液を16時間重合させた。得られたポリアニオンコポリマーを希硫酸で酸性化し、導電性ポリマー分散液の調製のために直接使用した。
【0080】
実施例2
導電性ポリマー分散液を、高剪断重合により合成した。1740gの脱イオン水及び166gの30%PSSA(Alfa Aesar社)を4L容のポリエチレン製ボトル中に装入した。反応溶液を0.5時間~1時間にわたり窒素でパージした。1.5mmの丸穴径を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター・ステーター混合システムを使用して、内容物を混合した。引き続き、57gの1%の硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを、次いで反応混合物中に加えた後に、22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(Heraeus社製のBaytron M)を滴加した。3.56%の固体のモノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmの剪断速度で連続的に24時間剪断した。スラリー中に600gのLewatit S108H及び600gのLewatit MP62WSのイオン交換樹脂を添加し、約60rpmで一晩揺すった。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散液は、350nmのD50粒子サイズを有する第2の粒子及び3.50ミクロンのD50粒子サイズを有する第1の粒子を有する二峰性の粒子サイズ分布を有していた。
【0081】
実施例2-1
実施例2の手順に従って調製された導電性ポリマー分散液を、超音波処理器で更に均質化した。得られた分散液はまた、25nm及び75nmのD50を有する二峰性の粒子サイズ分布を有する。
【0082】
実施例3
1740gの脱イオン水及び166gの実施例1からのポリアニオンコポリマー(30%)を4L容のポリエチレン製ボトル中に装入した。反応溶液を0.5時間~1時間にわたり窒素でパージした。1.5mmの丸穴径を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター・ステーター混合システムを使用して、内容物を混合した。引き続き、57gの1%の硫酸第二鉄溶液及び43gの過硫酸ナトリウムを、次いで反応混合物中に加えた後に、22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(Heraeus社製のBaytron M)を滴加した。3.56%の固体のモノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmの剪断速度で連続的に24時間剪断した。スラリー中に600gのLewatit S108H及び600gのLewatit MP62WSのイオン交換樹脂を添加し、約60rpmで一晩揺すった。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-co-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散液は、250nmのD50粒子サイズを有する第2の粒子及び3.50ミクロンのD50粒子サイズを有する第1の粒子を有する二峰性の粒子サイズ分布を有していた。
【0083】
実施例3-1
実施例3の手順に従って調製された導電性ポリマー分散液を、超音波処理器で更に均質化した。得られた分散液はまた、20nm及び65nmのD50を有する二峰性の粒子サイズ分布を有する。
【0084】
実施例4
2805gの脱イオン水及び336gの実施例1からのポリアニオンコポリマー(40%)を4L容のポリエチレン製ボトル中に装入した。反応溶液を0.5時間~1時間にわたり窒素でパージした。1.5mmの丸穴径を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター・ステーター混合システムを使用して、内容物を混合した。引き続き、141.3gの1%の硫酸第二鉄溶液及び106.65gの過硫酸ナトリウムを、次いで反応混合物中に加えた後に、22.5gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(Heraeus社製のBaytron M)を滴加した。5.20%の固体のモノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmの剪断速度で連続的に24時間剪断した。スラリー中に1486gのLewatit S108H及び1486gのLewatit MP62WSのイオン交換樹脂を添加し、約60rpmで一晩揺すった。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-co-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散液は、3.50ミクロンのD50粒子サイズを有する第1の粒子及び300nmのD50粒子サイズを有する第2の粒子を有する二峰性の粒子サイズ分布を有していた。
【0085】
比較例1
2531gの脱イオン水及び125gの30%PSSA(Alfa Aesar社)を4L容のポリエチレン製ボトル中に装入した。反応溶液を0.5時間~1時間にわたり窒素でパージした。1.5mmの丸穴径を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター・ステーター混合システムを使用して、内容物を混合した。引き続き、28.5gの1%の硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを、次いで反応混合物中に加えた後に、11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(Heraeus社製のBaytron M)を滴加した。1.79%の固体のモノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmの剪断速度で連続的に24時間剪断した。スラリー中に300gのLewatit S108H及び300gのLewatit MP62WSのイオン交換樹脂を添加し、約60rpmで一晩揺すった。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸分散液は、110nmのD50粒子サイズを有する単峰性の粒子サイズ分布を有していた。
【0086】
比較例2
2531gの脱イオン水及び125gの実施例1からのポリアニオンコポリマー(30%)を4L容のポリエチレン製ボトル中に装入した。反応溶液を0.5時間~1時間にわたり窒素でパージした。1.5mmの丸穴径を有する有孔ステータースクリーンを備えたローター・ステーター混合システムを使用して、内容物を混合した。引き続き、28.5gの1%の硫酸第二鉄溶液及び21.5gの過硫酸ナトリウムを、次いで反応混合物中に加えた後に、11.25gの3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)(Heraeus社製のBaytron M)を滴加した。1.79%の固体のモノマー及びポリアニオンを含有する反応混合物を、4200rpmの剪断速度で連続的に24時間剪断した。スラリー中に300gのLewatit S108H及び300gのLewatit MP62WSのイオン交換樹脂を添加し、約60rpmで一晩揺すった。導電性ポリマー分散液を濾過により樹脂から分離した。得られたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸-co-ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)分散液は、80nmのD50粒子サイズを有する単峰性の粒子サイズ分布を有していた。
【0087】
実施例5
実施例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び少なくとも3個のエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合した後、ローラー上で一晩混合した。
【0088】
実施例6
実施例3からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び少なくとも3個のエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合した後、ローラー上で一晩混合した。
【0089】
実施例6-1
実施例3及び実施例3-1からの導電性ポリマー分散液の2:8の比率の混合物を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、導電性ポリマー分散液を形成した。
【0090】
比較例3
比較例1からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び2個のエポキシ基及び2個のカルボン酸基を含む反応性モノマーと混合した後、ローラー上で一晩混合した。
【0091】
比較例4
比較例2からの導電性ポリマー分散液を、DMSO、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び少なくとも3個のエポキシ基を含む反応性モノマー/オリゴマーと混合した後、ローラー上で一晩混合した。
【0092】
実施例7
固体電解コンデンサを標準的な技術により作製した。一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。実施例5からの導電性ポリマー分散液を塗布した後に乾燥させることで、外側ポリマー層を形成させた。この過程を4回繰り返した。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0093】
本発明による実施例8
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。実施例6からの導電性ポリマー分散液を塗布した後に乾燥させることで、外側ポリマー層を形成させた。この過程を4回繰り返した。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0094】
本発明による実施例8-1
実施例6-1からの導電性ポリマー分散液を使用したこと以外は、本発明による実施例8に示されるのと同様にして、固体電解コンデンサを製造した。
【0095】
本発明による実施例8-2
予備重合された導電性ポリマーにより内側層を形成したこと以外は、本発明による実施例8-1に示されるのと同様にして、固体電解コンデンサを製造した。
【0096】
本発明による実施例8-3
誘電体と予備重合された導電性ポリマーとの間に有機金属化合物を塗布したこと以外は、本発明による実施例8-2に示されるのと同様にして、固体電解コンデンサを製造した。
【0097】
本発明による実施例8-4
外側ポリマー層間に架橋剤溶液を塗布したこと以外は、本発明による実施例8-3に示されるのと同様にして、固体電解コンデンサを製造した。
【0098】
本発明による実施例8-5
内側ポリマー層と外側ポリマーとの間に架橋剤又はプライマー溶液を塗布したこと以外は、本発明による実施例8-3に示されるのと同様にして、固体電解コンデンサを製造した。
【0099】
比較例5
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。比較例3からの導電性ポリマー分散液を塗布した後に乾燥させることで、外側ポリマー層を形成させた。この過程を4回繰り返した。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0100】
比較例6
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。比較例4からの導電性ポリマー分散液を塗布した後に乾燥させることで、外側ポリマー層を形成させた。この過程を4回繰り返した。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0101】
比較例7
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。市販の導電性ポリマー分散液Clevios(商標)KV2を塗布した後に乾燥させることで、外側ポリマー層を形成させた。この過程を4回繰り返した。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0102】
比較例8
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。比較例4からの導電性ポリマー分散液を塗布することで、外側ポリマー層を形成させた。乾燥後に、市販の架橋剤溶液と、Clevios(商標)Kプライマーと、比較例2からの導電性ポリマー分散液とが交互に重なった層を塗布し、それを4回繰り返した。その部品を熱水で洗浄して過剰のClevios(商標)Kプライマーを除去した後に炉内で乾燥させた。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした
【0103】
比較例9
一連のタンタルアノード(33マイクロファラッド、35V)を作製した。タンタルをアノード酸化させることで、タンタルアノード上に誘電体を形成させた。こうして形成されたアノードをトルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に1分間浸漬させ、引き続きエチルジオキシチオフェンモノマー中に1分間浸漬させることで、アノード酸化されたアノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄層を形成させた。60分間の重合の完了後に、アノード酸化されたアノードを洗浄して、過剰のモノマー及び反応の副生成物を除去した。十分な厚さに至るまでこの過程を繰り返した。市販の導電性ポリマー分散液Clevios(商標)KV2を塗布することで、外側ポリマー層を形成させた。乾燥後に、市販の架橋剤溶液と、Clevios(商標)Kプライマーと、比較例2からの導電性ポリマー分散液とが交互に重なった層を塗布し、それを4回繰り返した。その部品を熱水で洗浄して過剰のClevios(商標)Kプライマーを除去した後に炉内で乾燥させた。それらの部品を顕微鏡下で隅部及び縁部の被覆率について検査した。黒鉛層及び銀層のコーティングを順次塗布することで、固体電解コンデンサを製造した。部品を組み立てて、パッケージングした。
【0104】
固体電解コンデンサにおける本発明による導電性ポリマー分散液の性能結果を表1及び表2にまとめる。
【0105】
【0106】
【0107】
少なくとも二峰性のサイズ分布を有する分散液の利点は、コーティング品質及び固体電解コンデンサの性能に改善が現れることである。本発明を好ましい実施形態を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。当業者は、本明細書に添付された特許の範囲でより具体的に示される本発明の保護の境界内にある更なる実施形態及び改善を理解するであろう。
項1.
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、方法。
項2.
前記外側ポリマー層は、前記第1の粒子を含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項3.
前記外側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項4.
前記内側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項5.
前記外側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項6.
前記内側ポリマー層及び前記外側ポリマー層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項7.
有機金属化合物を含む層を形成することを更に含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項8.
前記有機金属化合物を含む層は、前記アノード酸化されたアノード上に形成される、項7に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項9.
前記有機金属化合物を含む層は、少なくとも1層の前記導電性ポリマー層上に形成される、項7に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項10.
プライマー層を塗布することを更に含む、項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項11.
前記外側ポリマー層は、前記プライマー層上に形成される、項10に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項12.
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に有機金属化合物を含む層を塗布することと、
前記有機金属化合物層上に、予備重合された導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、方法。
項13.
前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表される、項12に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項14.
前記有機金属化合物は、有機官能性シラン、加水分解物又はホスフェートから選択される、項12に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項15.
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層の形成は、前記第1の粒子及び前記第2の粒子を含む分散液を塗布することを含み、かつ、
前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法。
項16.
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、
前記第1の粒子及び前記第2の粒子は、1つの分散液中に存在し、
前記分散液の第1の部分は、モノマー溶液の高剪断重合により形成され、前記分散液の第2の部分は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧ホモジナイザー又は高剪断ホモジナイザーに更に供される、方法。
項17.
前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、項16に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項18.
前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、項16に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項19.
前記アノード酸化されたアノードと前記予備重合された導電性ポリマーとの間に有機金属化合物を塗布することを更に含む、項16に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項20.
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
アノード酸化されたアノードを準備することと、
前記アノード酸化されたアノード上に導電性ポリマー層を形成することと、
を含み、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを更に含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、
前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでであり、
yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、zは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
により表され、
前記外側ポリマー層は、前記ポリアニオンを含む、方法。
項21.
前記外側ポリマー層は、前記第1の粒子を含む、項20に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項22.
前記外側ポリマー層は、前記第2の粒子を含まない、項20に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項23.
前記内側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項20に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項24.
前記外側ポリマー層は、前記内側ポリマー層上にコーティングされる、項20に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項25.
前記内側ポリマー層又は前記外側ポリマー層の少なくとも1層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、項24に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項26.
前記内側ポリマー層及び外側ポリマー層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない、項25に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項27.
有機金属化合物を含む層を塗布することを更に含む、項20に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項28.
前記有機金属化合物を含む層は、前記アノード酸化されたアノードと予備重合された導電性ポリマー層との間に塗布される、項27に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項29.
前記有機金属化合物を含む層は、予備重合された導電性ポリマー層上に塗布される、項27に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項30.
前記有機金属化合物は、有機官能性シラン、加水分解物又はホスフェートから選択される、項27に記載の固体電解コンデンサを形成する方法。
項31.
コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、前記内側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、コンデンサ。
項32.
前記外側ポリマー層は、前記第1の粒子を含む、項31に記載のコンデンサ。
項33.
前記外側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項31に記載のコンデンサ。
項34.
前記内側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項31に記載のコンデンサ。
項35.
前記外側ポリマー層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、項31に記載のコンデンサ。
項36.
前記内側ポリマー層及び前記外側ポリマー層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない、項31に記載のコンデンサ。
項37.
有機金属化合物を含む層を形成することを更に含む、項31に記載のコンデンサ。
項38.
前記有機金属化合物を含む層は、前記アノード酸化されたアノード上に形成される、項37に記載のコンデンサ。
項39.
前記有機金属化合物を含む層は、少なくとも1層の前記導電性ポリマー層上に形成される、項37に記載のコンデンサ。
項40.
コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の有機金属化合物を含む層と、
前記有機金属化合物層上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含む、コンデンサ。
項41.
前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表される、項40に記載のコンデンサ。
項42.
前記有機金属化合物は、有機官能性シラン、加水分解物又はホスフェートから選択される、項40に記載のコンデンサ。
項43.
コンデンサであって、
アノード酸化されたアノードと、
前記アノード酸化されたアノード上の導電性ポリマー層と、
を含み、前記導電性ポリマー層は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含み、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子とを更に含み、前記第1の粒子は、少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、前記第2の粒子は、少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、
前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでであり、
yは、x+y+zの総和の10%~30%を表し、zは、x+y+zの総和の0%~20%を表す〕
により表され、
前記外側ポリマー層は、前記ポリアニオンを含む、コンデンサ。
項44.
前記外側ポリマー層は、前記第1の粒子を含む、項43に記載のコンデンサ。
項45.
前記外側ポリマー層は、前記第2の粒子を含まない、項43に記載のコンデンサ。
項46.
前記内側ポリマー層は、前記第2の粒子を含む、項43に記載のコンデンサ。
項47.
前記外側ポリマー層は、前記内側ポリマー層上にコーティングされる、項43に記載のコンデンサ。
項48.
前記内側ポリマー層又は前記外側ポリマー層の少なくとも1層は、予備重合された導電性ポリマーを含む、項47に記載のコンデンサ。
項49.
前記内側ポリマー層及び外側ポリマー層は、in-situ重合された導電性ポリマーを含まない、項48に記載のコンデンサ。
項50.
有機金属化合物を含む層を塗布することを更に含む、項43に記載のコンデンサ。
項51.
前記有機金属化合物を含む層は、前記アノード酸化されたアノードと予備重合された導電性ポリマー層との間に塗布される、項50に記載のコンデンサ。
項52.
前記有機金属化合物を含む層は、予備重合された導電性ポリマー層上に塗布される、項50に記載のコンデンサ。
項53.
前記有機金属化合物は、有機官能性シラン、加水分解物又はホスフェートから選択される、項50に記載のコンデンサ。
項54.
分散液であって、
少なくとも1ミクロンから10ミクロン以下の平均粒子径を有し、導電性ポリマー及びポリアニオンを含む第1の粒子と、
少なくとも1nmから600nm以下の平均粒子径を有し、前記導電性ポリマー及び前記ポリアニオンを含む第2の粒子と、を含み、
前記導電性ポリマーは、式1:
【化5】
(式中、
R
1
及びR
2
は、独立して、直鎖状又は分岐状のC
1
~C
16
アルキル又はC
2
~C
18
アルコキシアルキルを表す、又はR
1
及びR
2
は、非置換の又はC
1
~C
6
アルキル、C
1
~C
6
アルコキシ、ハロゲン又はOR
3
により置換された、C
3
~C
8
シクロアルキル、フェニル又はベンジルである、又はR
1
とR
2
とは一緒になって、非置換の又はC
1
~C
6
アルキル、C
1
~C
6
アルコキシ、ハロゲン、C
3
~C
8
シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C
1
~C
4
アルキルフェニル、C
1
~C
4
アルコキシフェニル、ハロフェニル、C
1
~C
4
アルキルベンジル、C
1
~C
4
アルコキシベンジル又はハロベンジルにより置換された直鎖状のC
1
~C
6
アルキレンか、2個の酸素元素を含む5員、6員又は7員のヘテロ環式構造であり、
R
3
は、水素、直鎖状又は分岐状のC
1
~C
16
アルキル又はC
2
~C
18
アルコキシアルキルを表す、又はR
3
は、非置換の又はC
1
~C
6
アルキルにより置換された、C
3
~C
8
シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり、かつ、
Xは、S、N又はOである)の構造を有する共役基を含み、かつ、
前記ポリアニオンは、式2:
A
x
B
y
C
z
式2
〔式中、
Aは、ポリスチレンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸塩であり、
B及びCは、個別に、
-カルボキシル基;
-C(O)OR
6
{ここで、R
6
は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、ホスフェート、アクリレート、無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキル、及び、
-(CHR
7
CH
2
O)
b
-R
8
からなる群から選択される
(R
7
は、水素又は炭素数1~7のアルキルから選択され、
bは、1から、-CHR
7
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
8
は、
水素、シラン、ホスフェート、アクリレート、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C(O)-NHR
9
(ここで、R
9
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~20のアルキルである);
-C
6
H
4
-R
10
{ここで、R
10
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換されたアルキル、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、イミド、アミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート、無水物からなる群から選択される反応性基、並びに、
-O(CHR
11
CH
2
O)
d
-R
12
から選択される
(R
11
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
dは、1から、-CHR
11
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、
R
12
は、水素、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、ホスフェート、アジド、アクリレート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
-C
6
H
4
-O-R
13
{ここで、R
13
は、
水素、又は、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される反応性基で任意に置換されたアルキル、
エポキシ、シラン、アルケン、アルキン、アクリレート、ホスフェートからなる群から選択される反応性基、並びに、
-(CHR
14
CH
2
O)
e
-R
15
から選択される
(R
14
は、水素又は炭素数1~7のアルキルであり、
eは、1から、-CHR
14
CH
2
O-基に関して200,000以下の分子量を与えるのに十分な数までの、整数であり、かつ、
R
15
は、水素、並びに、
ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、エポキシ、シラン、アミド、イミド、チオール、アルケン、アルキン、アジド、アクリレート、ホスフェート及び無水物からなる群から選択される官能基で任意に置換された炭素数1~9のアルキル
からなる群から選択される)};
から選択される基で置換された重合単位を表し;
x、y及びzは合わさって、少なくとも100から500,000以下の分子量を有するポリアニオンを形成するのに十分であり、
y/xは、0~100であり、かつ、
zは、0から、100以下の比z/xまでである〕
により表され、前記分散液の一部は、ローター・ステーターでの高剪断混合、超音波混合、音響混合、高圧均質化又は高剪断均質化に更に供される、分散液。