IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-両側サブマージアーク溶接装置及び方法 図1
  • 特許-両側サブマージアーク溶接装置及び方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】両側サブマージアーク溶接装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/18 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
B23K9/18 A
B23K9/18 C
B23K9/18 D
B23K9/18 F
B23K9/18 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020102289
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021194678
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳満 優
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀樹
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/208131(WO,A1)
【文献】実開昭54-095528(JP,U)
【文献】特開昭52-033849(JP,A)
【文献】実開昭50-083318(JP,U)
【文献】特開2009-172632(JP,A)
【文献】特開昭61-049779(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109773311(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に突き合わされた板材の第1主面に設けられた第1側開先と第2主面に設けられ且つ前記第1側開先にルート間隙を通じて連通された第2側開先とに同時に初層を形成する両側サブマージアーク溶接方法であって、
先行溶接領域及び当該先行溶接領域よりも溶接進行方向の後方に規定された後続溶接領域を両者の間隔を保持しながら溶接線に沿って前記溶接進行方向へ移動させ、
前記先行溶接領域において前記第1側開先に第1フラックスを供給するとともに前記第2側開先に第2フラックスを供給し、
前記先行溶接領域において裏当板で前記第2側開先へ前記第2フラックスを押し付けながら前記第1側開先のアーク溶接を行うと同時に、前記後続溶接領域において前記第2側開先のアーク溶接を行う、
両側サブマージアーク溶接方法。
【請求項2】
前記裏当板は前記第2側開先に対して進退移動可能であって、前記裏当板を前記第2側開先へ向けて付勢する、
請求項1に記載の両側サブマージアーク溶接方法。
【請求項3】
前記裏当板を所定周期で前記第2側開先から強制的に後退させたのち復帰させる、
請求項1又は2に記載の両側サブマージアーク溶接方法。
【請求項4】
上下に突き合わされた板材の第1主面に設けられた第1側開先と第2主面に設けられ且つ前記第1側開先にルート間隙を通じて連通された第2側開先とに同時に初層を形成する両側サブマージアーク溶接装置であって、
溶接時に前記第1側開先が通る第1側先行溶接領域及び前記第2側開先が通る第2側先行溶接領域からなる先行溶接領域と、前記先行溶接領域から溶接進行方向の後方へ離れ且つ溶接時に前記第2側開先が通る後続溶接領域とが規定され、
前記第1側先行溶接領域へ先行電極となる第1溶接ワイヤを供給する先行溶接トーチと、
前記第1側先行溶接領域の前記先行電極よりも前記溶接進行方向の前方へ第1フラックスを散布する第1散布口を有する第1フラックス供給装置と、
前記後続溶接領域へ後続電極となる第2溶接ワイヤを供給する後続溶接トーチと、
前記第2側先行溶接領域の前記先行電極よりも前記溶接進行方向の前方へ第2フラックスを散布する第2散布口を有する第2フラックス供給装置と、
前記第2側先行溶接領域の前記第2フラックスを前記第1側先行溶接領域へ向けて押圧する裏当板を有するバッキング装置と、
前記先行溶接トーチ、前記第1フラックス供給装置、前記後続溶接トーチ、前記第2フラックス供給装置、及び前記バッキング装置を溶接線に沿って前記溶接進行方向へ移動する送り装置とを備える、
両側サブマージアーク溶接装置。
【請求項5】
前記裏当板は、前記溶接進行方向と略直交し且つ前記第1側先行溶接領域へ向かう進出方向と、前記進出方向と反対の後退方向とへ変位可能に構成されている、
請求項4に記載の両側サブマージアーク溶接装置。
【請求項6】
前記バッキング装置は、前記裏当板を前記進出方向へ付勢する付勢部材を有する、
請求項5に記載の両側サブマージアーク溶接装置。
【請求項7】
前記裏当板の前記進出方向を向いた押圧面は、前記溶接進行方向の後側部分の後部押圧面と、前記後部押圧面よりも前記溶接進行方向の前側部分の前部押圧面とを有し、
前記前部押圧面が前記後部押圧面よりも後退するように、前記前部押圧面と前記後部押圧面とに前記進出方向の位置差が設けられている、
請求項5又は6に記載の両側サブマージアーク溶接装置。
【請求項8】
前記第2散布口は、前記前部押圧面の前記進出方向の前方に位置する、
請求項7に記載の両側サブマージアーク溶接装置。
【請求項9】
前記バッキング装置は、前記裏当板を前記後退方向と前記進出方向とへ移動させる進退移動アクチュエータを有し、
前記進退移動アクチュエータは、前記裏当板を前記後退方向へ強制的に移動させて前記第2フラックスの押圧状態を一旦解除したのち、前記裏当板を前記進出方向へ強制的に移動させて前記第2フラックスの押圧状態を復帰させる動作を行うように構成されている、
請求項5~8のいずれか一項に記載の両側サブマージアーク溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側サブマージアーク溶接装置及びこれを用いた溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サブマージアーク溶接法は、溶接箇所に予め粒状のフラックスを散布しておき、フラックスの中にワイヤ(溶接材料)を連続的に供給し、フラックスに覆われた状態の母材とワイヤとの間にアークを発生させてそれらを溶融して接合させるものである。フラックスの一部はアーク熱によって溶融してスラグとなる。このスラグによってアーク及び溶融金属が大気から保護されることから、シールドガスが不要である。また、アーク光がフラックスによって遮蔽されることから、遮光保護具が不要である。このような作業上のメリットから、サブマージアーク溶接法は、例えば低温液体の貯蔵タンクの側板溶接などといった、屋外の現場で行われる溶接に採用されている。
【0003】
従来、サブマージアーク溶接法で板材を突合せ溶接する際には、先ず、突き合わされた一対の板材の表裏両側の開先底部に初層をそれぞれ形成し、次いで、これらの初層に溶接ビードを重ねて複数の階層を作り、開先を溶かしていく。表裏両側の開先底部に初層を形成する際には、表側から開先底部に溶接を施して初層を形成し、裏側の開先底部をガウジングやグラインダにより裏ハツリした後に、裏側から開先底部に溶接を施して初層を形成する。この工法によれば、裏ハツリにより裏側の開先底部の欠陥を除去できるが、裏ハツリ工程に長時間を要する。これに対し、裏ハツリを省略するために、表裏両側から同時に溶接する方法もある。
【0004】
特許文献1では、上下に並ぶNi鋼板の端部同士をフラックスで覆いながら両側から溶接する両側同時サブマージアーク溶接方法が開示されている。この方法は、Ni基合金からなる第1ワイヤ及び第2ワイヤを電極として用い、Ni鋼板の接合領域に向けて第1ワイヤを繰り出す第1トーチと、第1トーチと反対側から接合領域に向けて第2ワイヤを繰り出す第2トーチとを、所定距離だけ離間しながら接合領域に沿って移動させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開WO2016/208131
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、板材の表裏一側に配置された溶接トーチを先行溶接トーチとし、表裏他側に配置された溶接トーチを後続溶接トーチとして、先行溶接トーチと後続溶接トーチとを溶接線に沿ってずらして配置する場合には、板材の表側の開先を溶接しているときに裏側の開先へ溶融金属の抜けが生じる可能性がある。溶融金属の抜けが生じると、それが後続溶接トーチの溶接に悪影響を及ぼし、溶接品質を低下させるおそれがある。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、板材の突合せ部を両側同時サブマージアーク溶接するにあたり、溶接進行方向に離間して配置された先行溶接トーチ及び後続溶接トーチを溶接線に沿って同時に進行させて表裏の開先を同時溶接する場合に、溶融金属の抜けに起因する溶接欠陥を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る両側サブマージアーク溶接方法は、上下に突き合わされた板材の第1主面に設けられた第1側開先と第2主面に設けられ且つ前記第1側開先にルート間隙を通じて連通された第2側開先とに同時に初層を形成する両側サブマージアーク溶接方法であって、
先行溶接領域及び当該先行溶接領域よりも溶接進行方向の後方に規定された後続溶接領域を両者の間隔を保持しながら溶接線に沿って前記溶接進行方向へ移動させ、
前記先行溶接領域において前記第1側開先に第1フラックスを供給するとともに前記第2側開先に第2フラックスを供給し、
前記先行溶接領域において裏当板で前記第2側開先へ前記第2フラックスを押し付けながら前記第1側開先のアーク溶接を行うと同時に、前記後続溶接領域において前記第2側開先のアーク溶接を行うことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の一態様に係る両側サブマージアーク溶接装置は、
上下に突き合わされた板材の第1主面に設けられた第1側開先と第2主面に設けられ且つ前記第1側開先にルート間隙を通じて連通された第2側開先とに同時に初層を形成する両側サブマージアーク溶接装置であって、
溶接時に前記第1側開先が通る第1側先行溶接領域及び前記第2側開先が通る第2側先行溶接領域からなる先行溶接領域と、前記先行溶接領域から溶接進行方向の後方へ離れ且つ溶接時に前記第2側開先が通る後続溶接領域とが規定され、
前記第1側先行溶接領域へ先行電極となる第1溶接ワイヤを供給する先行溶接トーチと、
前記第1側先行溶接領域の前記先行電極よりも前記溶接進行方向の前方へ第1フラックスを散布する第1散布口を有する第1フラックス供給装置と、
前記後続溶接領域へ後続電極となる第2溶接ワイヤを供給する後続溶接トーチと、
前記第2側先行溶接領域の前記先行電極よりも前記溶接進行方向の前方へ第2フラックスを散布する第2散布口を有する第2フラックス供給装置と、
前記第2側先行溶接領域の前記第2フラックスを前記第1側先行溶接領域へ向けて押圧する裏当板を有するバッキング装置と、
前記先行溶接トーチ、前記第1フラックス供給装置、前記後続溶接トーチ、前記第2フラックス供給装置、及び前記バッキング装置を溶接線に沿って前記溶接進行方向へ移動する送り装置とを備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成の両側サブマージアーク溶接装置では、先行溶接領域において裏当板が第2側先行溶接領域にある第2フラックスを第1側先行溶接領域へ向けて押圧することによって、板材の第2側開先に第2フラックスが押し付けられて、第2側開先に第2フラックスが加圧された状態で充填される。このように、上記構成の両側サブマージアーク溶接装置及び方法では、第1側開先でアーク溶接が行われている間は、その反対側の第2側開先に第2フラックスが加圧された状態で充填されている。これにより、第1側開先からルート間隙を通じて溶融金属が第2側開先へ抜け出ることが阻止される。そして、第1側開先が溶接された後の第2側開先は、開先底部の酸化物除去や抜け出た金属の除去などのハツリ作業を行わずとも開先底部の形状が整えられた状態にあることから、第2側開先が溶接されるときに健全な溶融金属が生成される。その結果、溶融金属の抜けに起因する溶接欠陥を抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、板材の突合せ部を両側同時サブマージアーク溶接するにあたり、溶接進行方向に離間して配置された先行溶接トーチ及び後続溶接トーチを溶接線に沿って同時に進行させて表裏の開先を同時溶接する場合に、溶融金属の抜けに起因する溶接欠陥を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置の概略構成を示す平面図である。
図2図2は、溶接進行方向から見た両側サブマージアーク溶接装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の両側サブマージアーク溶接装置は、例えば、LNG等の低温液体を収容する貯蔵タンクを製造する際に使用される。低温液体の貯蔵タンクは、一般に、ドーム状の天井部と、その天井部から下方に延びる円筒状の胴部と、胴部を下方から覆う底部とで構成される。これらのうち胴部を形成する複数の板材(側板)は、周方向にリング状に並べられるとともに上下方向に重ねられて全体として円筒状に組み合わされる。側板の周方向の端部(垂直継手)が溶接されてリング体が形成され、上下方向に積み重ねられたリング体の上下方向の端部(水平継手)が、一段ごとに周方向に沿って横向き溶接される。この横向き溶接において初層を形成するために、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置が使用され得る。
【0014】
〔両側サブマージアーク溶接装置1の概略構造〕
図1は、両側サブマージアーク溶接装置1の概略構成を示す平面図であり、図2は、溶接進行方向Xから見た両側サブマージアーク溶接装置1の概略構成を示す図である。
【0015】
図2に示すように、両側サブマージアーク溶接装置1で溶接される板材(母材)7の突合せ部には、X字状の開先8が形成されている。開先8はX字状ではなく、V字状であってもよい。開先8は、板材7の第1側7Aの主面に形成された第1側開先81と、板材7の第2側7Bの主面に形成された第2側開先82とからなる。第1側開先81と第2側開先82とは、ルート間隙83を通じて連通されている。開先8の或る箇所においては、第1側開先81の溶接後に第2側開先82の溶接が行われる。上記貯蔵タンクに適用する場合には、側板の内面側が第1側7Aとなり、側板の外面側が第2側7Bとなる。
【0016】
図1及び図2に示すように、両側サブマージアーク溶接装置1は、先行溶接ユニット2と、後続溶接ユニット3と、バッキング装置4と、送り装置5とを備える。先行溶接ユニット2は、板材7の第1側7Aに配置される。後続溶接ユニット3及びバッキング装置4は、板材7の第2側7Bに配置される。
【0017】
先行溶接ユニット2、後続溶接ユニット3、及びバッキング装置4は、送り装置5によって溶接線Lに沿って溶接進行方向Xへ一体となって送られる。送り装置5は、例えば、先行溶接ユニット2、後続溶接ユニット3、及びバッキング装置4が搭載された台車と、台車が走行するレールとから構成される。但し、送り装置5の構成はこれに限定されない。なお、上記において「溶接線L」は、板材7の突合せ溶接される端部に沿った仮想のラインである。上記貯蔵タンクに適用する場合には、下のリング体の上縁と、上のリング体の下縁との間に規定される環状のラインが溶接線Lとなる。
【0018】
両側サブマージアーク溶接装置1には、先行溶接領域Aと後続溶接領域Bとが規定されている。後続溶接領域Bは、先行溶接領域Aから溶接進行方向Xの後方へ離間されている。先行溶接領域Aは、第1側先行溶接領域A1と第2側先行溶接領域A2とからなる。板材7を溶接する際に、第1側先行溶接領域A1を第1側開先81が通り、第2側先行溶接領域A2及び後続溶接領域Bを第2側開先82が通るように、板材7と両側サブマージアーク溶接装置1とが位置決めされる。
【0019】
〔先行溶接ユニット2〕
先行溶接ユニット2は、板材7の第1側開先81にサブマージアーク溶接を施す。先行溶接ユニット2は、先行溶接トーチ23と、溶接電源24と、第1フラックス供給装置25と、制御装置26とを備える。
【0020】
先行溶接トーチ23は、第1溶接ワイヤ21を保持して、第1溶接ワイヤ21を第1側先行溶接領域A1へ案内する。第1溶接ワイヤ21は、ワイヤ送給装置22によって先行溶接トーチ23へ送給される。先行溶接トーチ23には、第1溶接ワイヤ21を保護・案内するコンジットチューブ、溶接電源24から延びる給電ケーブル、第1溶接ワイヤ21へ電流を供給する給電チップなどが設けられている。
【0021】
第1溶接ワイヤ21は溶接材料であり、第1溶接ワイヤ21の先端部分は先行電極20となる。先行電極20は、第1側先行溶接領域A1に配置される。溶接時には、先行電極20の先端は、溶接線Lと略同じ高さであって第1側開先81内に位置決めされる。板材7である側板が耐低温性に優れたNi鋼板である場合に、例えば、第1溶接ワイヤ21として高Ni合金製のワイヤが採用され得る。但し、板材7と第1溶接ワイヤ21との素材の組み合わせは上記に限定されない。
【0022】
ワイヤ送給装置22は、例えば、第1溶接ワイヤ21がコイル状に巻き付けられたワイヤリール、ワイヤリールから第1溶接ワイヤ21を引き出す送給ローラ、送給ローラを回転駆動する送給モータ、第1溶接ワイヤ21の矯正ガイドなどから構成される。ワイヤ送給装置22による第1溶接ワイヤ21の送給量は、制御装置26によって制御される。
【0023】
溶接電源24は、先行溶接トーチ23(より詳細には、先行溶接トーチ23に保持された第1溶接ワイヤ21)と板材7に接続されて、溶接電流を供給する。これにより、先行電極20と板材7との間に電位差が生じて、先行電極20と板材7との間にアークが発生する。
【0024】
第1フラックス供給装置25は、先行溶接ユニット2の溶接個所に予め第1フラックスF1を散布する。第1フラックス供給装置25は、例えば、粒状の第1フラックスF1が収容されたホッパと、ホッパに収容されている第1フラックスF1を溶接箇所へ供給するフラックス供給管28と、フラックス供給管28を通じて供給された第1フラックスF1を溶接箇所に保持するためのフラックスベルト29と、そのフラックスベルト29から第1フラックスF1を吸引して回収するための回収ブロワとを有する。回収ブロワは、フラックスベルト29から回収した第1フラックスF1をホッパへ戻すべくホッパと接続されている。
【0025】
フラックス供給管28の出口である第1散布口28Aは、第1側先行溶接領域A1において先行電極20よりも溶接進行方向Xの前方であってフラックスベルト29の上方に位置する。第1フラックス供給装置25によるフラックス供給量は制御装置26によって制御される。
【0026】
制御装置26は、送り装置5、ワイヤ送給装置22、溶接電源24、及び第1フラックス供給装置25の各々と電気的に接続されている。制御装置26は、送り装置5へ溶接速度のための制御信号を与える。制御装置26は、ワイヤ送給装置22へワイヤ供給速度のための制御信号を与える。制御装置26は、溶接電源24へ溶接電流及び溶接電圧のための制御信号を与える。制御装置26は、第1フラックス供給装置25へフラックス供給量のための制御信号を与える。
【0027】
〔後続溶接ユニット3〕
後続溶接ユニット3は、板材7の第2側開先82へサブマージアーク溶接を施す。後続溶接ユニット3は、後続溶接トーチ33と、溶接電源34と、第2フラックス供給装置35と、制御装置36とを備える。制御装置36は、先行溶接ユニット2の制御装置26と共用されてもよい。後続溶接トーチ33は、第2溶接ワイヤ31を保持して、第2溶接ワイヤ31を後続溶接領域Bへ案内する。第2溶接ワイヤ31は、ワイヤ送給装置32によって後続溶接トーチ33へ送給される。第2溶接ワイヤ31の先端部分は後続電極30となる。第1溶接ワイヤ21と第2溶接ワイヤ31とは、同じワイヤ材であってよい。
【0028】
後続溶接トーチ33の後続電極30は、先行溶接トーチ23の先行電極20よりも溶接進行方向Xの後方に配置されている。先行電極20と後続電極30との溶接線Lに沿った距離は、特に限定されないが、10mm以上60mm以下であってよい。このような先行電極20と後続電極30の配置によって、開先8の同一箇所に対しては、先行溶接ユニット2によって板材7の第1側開先81の溶接が行われた後で、後続溶接ユニット3によって第2側開先82の溶接が行われる。
【0029】
第2フラックス供給装置35は、第1フラックス供給装置25と同様に、ホッパと、フラックス供給管38と、フラックスベルト39と、回収ブロワとを有する。フラックス供給管38からの第2フラックスF2の出口である第2散布口38Aは、第2側先行溶接領域A2において先行電極20よりも溶接進行方向Xの前方であってフラックスベルト39の上方に位置する。なお、第2フラックスF2と第1フラックスF1とは同じフラックス材であってよい。
【0030】
後続溶接ユニット3の構成要素は、実質的に先行溶接ユニット2の構成要素と同じ又は類似の構成を有する。よって、後続溶接ユニット3の構成要素についてのこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0031】
〔バッキング装置4〕
バッキング装置4は、第1側先行溶接領域A1において第1側開先81の或る箇所の溶接が行われている間に、当該箇所の反対側の第2側開先82へ第2フラックスF2を押し付ける。バッキング装置4は、第2フラックスF2を第2側開先82へ加圧するので、第2フラックスF2は第2側開先82に加圧された状態で安定して充填される。バッキング装置4は、裏当板41と、付勢部材44と、進退移動アクチュエータ45とで構成される。
【0032】
裏当板41は、第2側先行溶接領域A2に配置され、第1側先行溶接領域A1へ向かう進出方向D1と、進出方向D1の反対の後退方向D2とへ変位可能である。進出方向D1と後退方向D2は溶接進行方向Xと略直交する。裏当板41が進出方向D1へ変位することによって裏当板41は第1側先行溶接領域A1へ近づき、裏当板41が後退方向D2へ変位することによって裏当板41は第1側先行溶接領域A1から離れる。板材7に両側サブマージアーク溶接装置1がセットされている状態において、裏当板41が進出方向D1へ変位することによって裏当板41は第2側開先82の底部へ近づき、裏当板41が後退方向D2へ変位することによって裏当板41は第2側開先82の底部から離れる。裏当板41の少なくとも一部分が、第2側開先82に嵌り込んでいてもよい。
【0033】
裏当板41は銅製の板状部材であって、進出方向D1へ向いた押圧面48を有する。板材7に両側サブマージアーク溶接装置1がセットされている状態において、板材7の主面と押圧面48とは略平行である。押圧面48の上下の角は、第2側開先82の開先面の傾きに応じた面取りが成されている。これにより、裏当板41の一部分が第2側開先82に嵌り込むことができる。
【0034】
裏当板41の押圧面48は、溶接進行方向Xの後側部分にあたる後部押圧面48aと、後部押圧面48aよりも溶接進行方向Xの前側部分にあたる前部押圧面48bとを有する。前部押圧面48bが後部押圧面48aよりも第1側先行溶接領域A1(第2側開先82)から後退しているように、前部押圧面48bと後部押圧面48aとに進出方向D1の位置差が設けられている。後部押圧面48aと前部押圧面48bとは、滑らかな斜面で接続されている。
【0035】
後続溶接ユニット3の第2フラックス供給装置35の第2散布口38Aは、前部押圧面48bの進出方向D1の前方に配置されていることが望ましい。これにより、第2側開先82と前部押圧面48bとの間に第2フラックスF2が散布される。
【0036】
進退移動アクチュエータ45は、裏当板41を進出方向D1と後退方向D2とへ強制的に移動させる。本実施形態において、進退移動アクチュエータ45は、裏当板41と接続されたロッド42と、ロッド42を収容したシリンダ43とで構成されている。ロッド42は溶接線Lと直交するように配置される。シリンダ43は、流体圧シリンダ又は電動シリンダであってよい。裏当板41とロッド42との間には、裏当板41を進出方向D1へ付勢する付勢部材44が設けられている。付勢部材44は、例えば、圧縮バネや弾性部材で構成されていてよい。ロッド42がシリンダ43から進出することによって裏当板41は進出方向D1へ移動する。ロッド42がシリンダ43へ後退することによって裏当板41は後退方向D2へ移動する。但し、進退移動アクチュエータ45の構成は上記に限定されず、ラックアンドピニオン及び電動モータなどの公知の直動アクチュエータが採用されてもよい。
【0037】
進退移動アクチュエータ45は、裏当板41を後退方向D2へ強制的に移動させて第2フラックスF2の押圧状態を一旦解除したのち、裏当板41を進出方向D1へ強制的に移動させて第2フラックスF2の押圧状態を復帰させる動作を行う。進退移動アクチュエータ45のこのような動作は、例えば、両面サブマージアーク溶接中に10秒ごとなどの所定周期で行われる。但し、進退移動アクチュエータ45の動作は上記に限定されない。進退移動アクチュエータ45は、上記に加えて、仮付けビードを溶接する際に、裏当板41を後退方向D2へ強制的に移動させて、裏当板41を後退方向D2に移動した状態を維持するように動作してもよい。
【0038】
〔両側サブマージアーク溶接方法〕
ここで、上記構成の両側サブマージアーク溶接装置1を用いた両側サブマージアーク溶接方法について説明する。
【0039】
初めに、板材7同士を上下に突き合わせるとともに、それら板材7の突合せ部にX状の開先8を形成する。
【0040】
次いで、先行電極20が第1側開先81内に挿入されるように、先行溶接トーチ23を配置する。同様に、後続電極30が第2側開先82に挿入されるように、後続溶接トーチ33を配置する。このとき、後続電極30は、先行電極20から所定距離だけ溶接進行方向Xの後方に位置する。また、裏当板41が先行電極20と板材7を介して反対側にあり、裏当板41と第2側開先82と対峙するか、裏当板41の少なくとも一部分が第2側開先82に挿入されている。更に、第1散布口28Aが先行電極20の溶接進行方向Xの前方にあり、第2散布口38Aが裏当板41の前部押圧面48bと第2側開先82との間の上方にある。
【0041】
上記のように板材7にセットされた両側サブマージアーク溶接装置1では、送り装置5によって先行溶接ユニット2、後続溶接ユニット3及びバッキング装置4が溶接線Lに沿って溶接進行方向Xへ移動しながら、先行溶接ユニット2及び後続溶接ユニット3によって板材7の両面から同時に溶接が行われる。
【0042】
第1側先行溶接領域A1では、第1フラックス供給装置25によって先行電極20の前方の第1側開先81へ第1フラックスF1が供給され、第1側開先81が第1フラックスF1で覆われる。第1側先行溶接領域A1と板材7を介して反対側の第2側先行溶接領域A2では、第2フラックス供給装置35によって第2側開先82へ第2フラックスF2が供給され、第2側開先82が第2フラックスF2で覆われる。
【0043】
第1側先行溶接領域A1では、第1フラックスF1で覆われた第1側開先81へ先行電極20となる第1溶接ワイヤ21が連続的に供給される。先行電極20及び板材7へ電圧が印加され、先行電極20と板材7との間にアークが発生する。アークにより板材7及び第1溶接ワイヤ21が溶融して、第1側開先81の底に初層が形成される。
【0044】
第1側先行溶接領域A1と板材7を介して反対側の第2側先行溶接領域A2では、裏当板41によって第2側開先82に第2フラックスF2が押し付けられて、第2フラックスF2が第2側開先82に加圧された状態で充填されている。第2側開先82に充填された第2フラックスF2によって、第1側開先81の溶接時に第1側開先81から第2側開先82への溶融金属の抜けが抑制される。また、第2側開先82に充填された第2フラックスF2の一部は第1側開先81の溶接時のアークによって溶融してスラグとなってもよい。スラグによって第2側開先82に露出した溶融金属が覆われることによって、この溶融金属の劣化(酸化など)が抑制される。
【0045】
先行溶接領域Aで第1側開先81の溶接が行われている間に、後続溶接領域Bで第2側開先82の溶接が行われる。後続溶接領域Bでは、第2フラックスF2で覆われた第2側開先82へ後続電極30となる第2溶接ワイヤ31が供給される。後続電極30及び板材7へ電圧が印加され、板材7との間にアークが発生する。アークにより板材7及び第2溶接ワイヤ31が溶融して、第2側開先82に初層が形成される。
【0046】
第1側開先81及び第2側開先82に初層が形成されていく間に、バッキング装置4の進退移動アクチュエータ45は、裏当板41を所定周期で第2側開先82から強制的に後退させたのち復帰させる動作を行う。
【0047】
以上によって、板材7の突合せ部の開先8に対し初層の両面同時サブマージアーク溶接が行われる。このように第1側開先81及び第2側開先82に初層が形成されたうえで、第1側開先81及び第2側開先82に多層溶接が行われて開先8が溶かされていくことにより、上下の板材7が接合される。
【0048】
以上に説明した通り、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接方法は、上下に突き合わされた板材7の第1主面に設けられた第1側開先81と第2主面に設けられ且つ第1側開先81にルート間隙83を通じて連通された第2側開先82とに同時に初層を形成する両側サブマージアーク溶接方法である。この両側サブマージアーク溶接方法は、先行溶接領域A及び当該先行溶接領域Aよりも溶接進行方向Xの後方に規定された後続溶接領域Bを両者の間隔を保持しながら溶接線Lに沿って溶接進行方向Xへ移動させ、先行溶接領域Aにおいて第1側開先81に第1フラックスF1を供給するとともに第2側開先82に第2フラックスF2を供給し、先行溶接領域Aにおいて裏当板41で第2側開先82へ第2フラックスF2を押し付けながら第1側開先81のアーク溶接を行うと同時に、後続溶接領域Bにおいて第2側開先82のアーク溶接を行うことを特徴としている。
【0049】
また、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1は、上下に突き合わされた板材7の第1主面に設けられた第1側開先81と第2主面に設けられ且つ第1側開先81にルート間隙83を通じて連通された第2側開先82とに同時に初層を形成するためのものであって、溶接時に第1側開先81が通る第1側先行溶接領域A1及び第2側開先82が通る第2側先行溶接領域A2からなる先行溶接領域Aと、先行溶接領域Aから溶接進行方向Xの後方へ離れ且つ溶接時に第2側開先82が通る後続溶接領域Bとが規定されている。この両側サブマージアーク溶接装置1は、第1側先行溶接領域A1へ先行電極20となる第1溶接ワイヤ21を供給する先行溶接トーチ23と、第1側先行溶接領域A1の先行電極20よりも溶接進行方向Xの前方へ第1フラックスF1を散布する第1散布口28Aを有する第1フラックス供給装置25と、後続溶接領域Bへ後続電極30となる第2溶接ワイヤ31を供給する後続溶接トーチ33と、第2側先行溶接領域A2の先行電極20よりも溶接進行方向Xの前方へ第2フラックスF2を散布する第2散布口38Aを有する第2フラックス供給装置35と、第2側先行溶接領域A2の第2フラックスF2を第1側先行溶接領域A1へ向けて押圧する裏当板41を有するバッキング装置4と、先行溶接トーチ23、第1フラックス供給装置25、後続溶接トーチ33、第2フラックス供給装置35、及びバッキング装置4を溶接線Lに沿って溶接進行方向Xへ移動する送り装置5とを備えることを特徴としている。この両側サブマージアーク溶接装置1では、先行溶接領域Aにおいて裏当板41が第2側先行溶接領域A2にある第2フラックスF2を第1側先行溶接領域A1へ向けて押圧することによって、板材7の第2側開先82に第2フラックスF2が押し付けられて、第2側開先82に第2フラックスF2が加圧された状態で充填される。
【0050】
このように、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1及び方法では、第1側開先81でアーク溶接が行われている間は、その反対側の第2側開先82に第2フラックスF2が加圧された状態で充填されている。これにより、第1側開先81からルート間隙83を通じて溶融金属が第2側開先82へ抜け出ることが阻止される。そして、第1側開先81が溶接された後の第2側開先82は、開先底部の酸化物除去や抜け出た金属の除去などのハツリ作業を行わずとも開先底部の形状が整えられた状態にあることから、第2側開先82が溶接されるときに健全な溶融金属が生成される。その結果、溶融金属の抜けに起因する溶接欠陥を抑制することができる。
【0051】
本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1において、裏当板41は、溶接進行方向Xと略直交し且つ第1側先行溶接領域A1へ向かう進出方向D1と、進出方向D1と反対の後退方向D2とへ変位可能に構成されている。
【0052】
この構成により、裏当板41は第2側開先82に対して進退移動可能である。裏当板41が進出方向D1へ進出することにより第2側開先82へ第2フラックスF2が押圧され、裏当板41が後退方向D2へ後退することにより第2側開先82への第2フラックスF2の押圧が解除される。このように裏当板41が進退移動することによって、第2側開先82への第2フラックスF2の押圧状態を調整することが可能となる。
【0053】
そして、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1において、バッキング装置4は、裏当板41を進出方向D1へ付勢する付勢部材44を有する。
【0054】
この構成により、裏当板41が第2側開先82へ向けて付勢される。これにより、第2側開先82と裏当板41の間の第2フラックスF2の量の変化、板材7の表面の段差や歪などに対して裏当板41を追従させ、裏当板41による第2側開先82への第2フラックスF2の押圧状態を保持することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1において、裏当板41の進出方向D1を向いた押圧面48は、溶接進行方向Xの後側部分の後部押圧面48aと、後部押圧面48aよりも溶接進行方向Xの前側部分の前部押圧面48bとを有し、前部押圧面48bが後部押圧面48aよりも後退するように、前部押圧面48bと後部押圧面48aとに進出方向D1の位置差が設けられている。
【0056】
この構成により、裏当板41が板材7に対して溶接進行方向Xへ進行することによって、第2フラックスF2が第2側開先82と前部押圧面48bとの間に良好に取り込まれ、更に裏当板41が溶接進行方向Xへ進行することによって、第2側開先82と後部押圧面48a及び前部押圧面48bとの間で第2フラックスF2が加圧される。これにより、第2フラックスF2が第2側開先82に均一に充填される。
【0057】
更に、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1において、第2散布口38Aは、前部押圧面48bの進出方向D1の前方に位置する。
【0058】
この構成により、第2フラックスF2は、前部押圧面48bの進出方向D1の前方、即ち、第2側開先82と前部押圧面48bとの間に散布される。これにより、第2フラックスF2が第2側開先82と裏当板41の押圧面48との間に良好に取り込まれ、効率的に第2フラックスF2を散布することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る両側サブマージアーク溶接装置1では、バッキング装置4は、裏当板41を後退方向D2と進出方向D1とへ移動させる進退移動アクチュエータ45を有する。そして、進退移動アクチュエータ45は、裏当板41を後退方向D2へ強制的に移動させて第2フラックスF2の押圧状態を一旦解除したのち、裏当板41を進出方向D1へ強制的に移動させて第2フラックスF2の押圧状態を復帰させる動作を行うように構成されている。
【0060】
これにより、裏当板41とフラックスベルト39との間に挟まった第2フラックスF2によって裏当板41の進退移動が阻害されることを防止できる。また、裏当板41による第2フラックスF2の押圧状態がリセットされるので、良好な押圧状態を維持することができる。
【0061】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明の思想を逸脱しない範囲で、上記実施形態の具体的な構造及び/又は機能の詳細を変更したものも本発明に含まれ得る。上記の構成は、例えば、以下のように変更することができる。
【0062】
例えば、上記実施形態において裏当板41は後部押圧面48aと前部押圧面48bとの二段の押圧面48を有する。但し、裏当板41の押圧面48は一段であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態においてバッキング装置4の進退移動アクチュエータ45は周期的に動作するように構成されているが、進退移動アクチュエータ45は任意のタイミングで動作するように構成されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態においてバッキング装置4は裏当板41を強制的に進退移動させる進退移動アクチュエータ45を備えるが、進退移動アクチュエータ45は省略されてもよい。この場合、例えば、裏当板41を手動で後退方向D2へ移動させ、裏当板41をバネなどの付勢部材によって進出方向D1へ移動させるように構成され得る。
【符号の説明】
【0065】
1 :両側サブマージアーク溶接装置
2 :先行溶接ユニット
3 :後続溶接ユニット
4 :バッキング装置
5 :送り装置
7 :板材
8 :開先
20 :先行電極
21 :第1溶接ワイヤ
23 :先行溶接トーチ
25 :第1フラックス供給装置
28A :第1散布口
30 :後続電極
31 :第2溶接ワイヤ
33 :後続溶接トーチ
35 :第2フラックス供給装置
38A :第2散布口
41 :裏当板
44 :付勢部材
45 :進退移動アクチュエータ
48 :押圧面
48a :後部押圧面
48b :前部押圧面
81 :第1側開先
82 :第2側開先
83 :ルート間隙
A :先行溶接領域
A1 :第1側先行溶接領域
A2 :第2側先行溶接領域
B :後続溶接領域
D1 :進出方向
D2 :後退方向
F1,F2:フラックス
L :溶接線
X :溶接進行方向
図1
図2