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特許7441146計画システム、計画方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】計画システム、計画方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240221BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 542
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020155345
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049239
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 陽
(72)【発明者】
【氏名】古賀 祐一
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 亮平
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-269867(JP,A)
【文献】特開2004-217340(JP,A)
【文献】特開平08-235263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元の拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得する計画情報取得部と、
同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う前記第一拠点をグループ化する仕分け条件を取得する仕分け情報取得部と、
前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分ける計画情報仕分け部と、
前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得する制約条件取得部と、
仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する計画部と、
を備え、
前記仕分け条件には、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる、
計画システム。
【請求項2】
前記計画部は、前記グループごとに前記配送・集荷計画の作成順序の設定と、前記グループと組み合わせて前記配送・集荷計画を作成することが許されるサブグループの設定とを受け付け、設定された前記作成順序に従って、前記グループおよび前記サブグループの範囲で配送・集荷計画を作成する、
請求項1に記載の計画システム。
【請求項3】
前記計画部は、前記サブグループに含まれる前記第一拠点だけを巡回する前記ルートが含まれる前記配送・集荷計画が作成された場合、前記配送・集荷計画から当該ルートを削除する、
請求項2に記載の計画システム。
【請求項4】
前記計画部は、前記サブグループを含む範囲の前記第一拠点について、前記配送・集荷計画を作成する場合、前記作成順序が先の前記グループと関連して作成された前記配送・集荷計画に含まれる前記サブグループに所属する前記第一拠点を除いて、前記配送・集荷計画の作成を行う、
請求項2または請求項3に記載の計画システム。
【請求項5】
前記計画部は、前記配送手段の制約が多い前記第一拠点を含む前記グループから順に前記配送・集荷計画を作成する、
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の計画システム。
【請求項6】
前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、前記計画部は、距離の上限値の設定を受け付け、前記グループに属する前記第一拠点からの前記配送手段の移動距離が前記距離の上限値を超えない範囲で前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する、
請求項2から請求項5の何れか1項に記載の計画システム。
【請求項7】
前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、 前記計画部は、経由数の上限値の設定を受け付け、前記グループに属する前記第一拠点から経由する、前記グループまたは前記サブグループに属する前記第一拠点の数が、前記経由数の上限値を超えない範囲で、前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する、
請求項2から請求項6の何れか1項に記載の計画システム。
【請求項8】
前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、前記計画部は、前記グループに属する前記第一拠点から経由する、前記グループまたは前記サブグループに属する前記第一拠点の数が、前記配送手段が積載可能な前記物品の個数を超えない範囲で、前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する。
請求項2から請求項7の何れか1項に記載の計画システム。
【請求項9】
計画システムが、
配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、
同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う前記第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる前記仕分け条件を取得し、
前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、
前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、
仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する、
計画方法。
【請求項10】
コンピュータに、
配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、
同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う前記第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる前記仕分け条件を取得し、
前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、
前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、
仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送・集荷計画を作成する計画システム、計画方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、全国の出荷オーダを一括して受注センタで受信し、異なる荷主からの同一届け先への出荷オーダを、その届け先を担当する配送拠点と、各荷主の出荷拠点と、受注荷物の運送手配を指示する共配サーバへ送信し、異なる荷主からの荷物を効率よく同一の届け先へ配送する計画を立案する広域型共同配送システムが開示されている。一般的な宅配便などの配送では、(A)小型製品が段ボール等で梱包され、他の荷物との積み合わせがしやすい為、比較的自由に複数の荷物を同一トラックに積載して配送することができる。また、(B)段ボール等で梱包された小型製品については、配送拠点への配送に関して制約が存在しない場合が多く、(C)届け先を担当する配送拠点までの配送計画を作成すればよい。
【0003】
これに対し、フォークリフト、過給機、航空機部品などの中型製品を配送する場合、(A)製品の長さ、重量等に加え、製品の形状を考慮して、1台のトラックへの製品の積載可否を判断しなければならない。(B)配送先についても、フォークリフト等の中型製品を荷下ろしできる設備の有無によって、設備が無い配送先へ輸送する場合には、クレーン車で搬送しなければならない等の制約が加わる。(C)中型製品は、サプライヤや配送先が広範囲にまたがって存在する。このため、地域ごとの配送拠点へ荷物を配送するのではなく、広範囲に点在する目的地(配送先、集荷元)を効率的に巡回する配送・集荷計画を作成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3875672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中型製品を対象とする配送・集荷計画の立案にあたっては、数理最適化手法やヒューリスティック手法を用いたシステムが開発されているが、(1)中型製品のように製品を直接積載する場合、積載可否、荷下ろし設備保有状況等の制約条件を考慮した計画の作成が難しい、(2)荷下ろし設備の保有状況がそれぞれに異なり、広範囲に存在する顧客や販売店まで直接製品を配送する必要があるため、配送先や配送ルートの組合せの数が膨大になり、現実的な計算時間で解を求めることが難しい等の課題がある。
【0006】
本開示は、上記課題を解決することができる計画システム、計画方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の計画システムは、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得する計画情報取得部と、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件を取得する仕分け情報取得部と、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分ける計画情報仕分け部と、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得する制約条件取得部と、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する計画部と、を備え、前記仕分け条件には、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる。
【0008】
また、本開示の計画方法は、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件と、が含まれる前記仕分け条件を取得し、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する。
【0009】
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件と、が含まれる前記仕分け条件を取得し、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上述の計画システム、計画方法およびプログラムによれば、効率の良い配送・集荷計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における計画システムの一例を示すブロック図である。
図2】一実施形態におけるネットワークモデルの一例を示す図である。
図3】一実施形態における仕分け処理について説明する第1の図である。
図4】一実施形態における仕分け処理について説明する第2の図である。
図5】一実施形態における配送・集荷計画作成処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図6】一実施形態における配送・集荷計画作成処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図7】一実施形態における配送・集荷計画作成処理の高速化について説明する図である。
図8】一実施形態における高速化された配送・集荷計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
図9】一実施形態における計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、各実施形態に係る作業管理システムについて、図1図9を参照しながら詳しく説明する。
(構成)
図1は、本開示の一実施形態における計画システムの一例を示すブロック図である。
本実施形態の計画システムは、例えば、1台又は複数台のPCやサーバ装置などのコンピュータによって構成される。コンピュータの構成例については後述する(図9)。計画システム10は、顧客や部品のサプライヤが広範囲に存在する中型製品について、様々な製品・部品の積み下ろしを行いながら、製品の配送先と部品の集荷元を効率よく巡回する配送・集荷計画を作成する。中型製品とは、例えば、フォークリフト、過給機、航空機などである。中型製品の配送には、配送の対象範囲が広範囲で、配送先が荷下ろし設備を保有しているか否かによって配送手段を択ばなければならない、1台の配送手段には少数の製品しか積載できないといった制約が存在する。計画システム10は、これらの制約下で効率の良い配送・集荷計画を作成する。具体的には、計画システム10は、以下の手順で配送・集荷計画を作成する。(1)出荷・集荷拠点などを点、拠点間を繋ぐルートを枝とし、ネットワークモデルを作成する。(2)各配送手段に積載する荷物の種類、拠点の経由順、拠点の出発・到着時刻などの設計変数を設定する。(3)配送・集荷計画の作成に必要な制約条件を設定する。(4)目的関数として、配送・集荷に要するコスト(例えば、ルート別に設定される輸送費の計算期間内の総和)を設定する。(5)制約条件を満たしつつ目的関数を最適化(コストを最小化する)巡回経路を算出する。これにより、効率の良い(コストの小さい)巡回経路、つまり、配送・集荷計画が作成される。
【0013】
図1に示すように、計画システム10は、計画情報取得部11と、仕分け情報取得部12と、計画情報仕分け部13と、出力部14と、記憶部15と、計画作成処理制御部16と、を備えている。
計画情報取得部11は、配送・集荷計画の作成に必要な情報(計画情報)を取得する。計画情報には、拠点、配送手段、ルート、配送・集荷のオーダの情報が含まれる。また、計画情報取得部11は、配送・集荷計画の作成に用いる制約条件を取得する。
【0014】
仕分け情報取得部12は、1つの配送手段に積み合せ可能な製品の配送・集荷を行う配送・集荷拠点をグループ化する仕分け条件を取得する。
計画情報仕分け部13は、仕分け条件に基づいて、巡回すべき配送・集荷拠点を複数のグループに仕分ける。
【0015】
出力部14は、計画作成処理制御部16が作成した配送・集荷計画を出力する。
記憶部15は、配送・集荷計画の作成に必要な諸々の情報を記憶する。
【0016】
計画作成処理制御部16は、配送・集荷計画を作成する。計画作成処理制御部16は、配送・集荷計画更新部161と、評価値算出部162と、を備えている。評価値算出部162は、計画情報取得部11が取得した計画情報に基づいて作成された配送・集荷計画の候補について評価値を算出する。配送・集荷計画更新部161は、評価値算出部162が算出した評価値に基づいて、最適な配送・集荷計画を更新する。つまり、現在の配送・集荷計画よりも評価値の良好な配送・集荷計画が算出された場合、最適な配送・集荷計画を、より良好な評価値が算出された配送・集荷計画で更新する。計画作成処理制御部16は、最も良好な評価値が算出された配送・集荷計画を最適な配送・集荷計画として選択する。
【0017】
(計画情報の詳細)
計画情報取得部11は、(a)拠点、(b)ルート、(c)配送手段、(d)オーダの情報などを取得し、記憶部15に書き込んで保存する。
(a)拠点には、配送手段が拠点に配送する製品を積載、または集荷した部品を荷下ろしする拠点である出荷拠点と、出荷した製品の配送先の拠点である配送先と、部品を集荷する拠点である集荷元と、製品等の配送・出荷のために経由する拠点を示す中継地とが存在する。計画情報取得部11は、これらの拠点に関する情報として、拠点ID、拠点名、拠点種類(出荷拠点、配送先、集荷元、中継地)、拠点が配置される地域、配送・集荷を受け付ける時間(対応可能時間)、荷下ろしに要する時間、荷下ろし設備の有無、大型車両侵入の可否などの情報を拠点ごとに取得する。
【0018】
(b)ルートは、配送手段が拠点間を移動する際の経路を示し、後述するネットワークモデルにおいて、2つの点(拠点)を結ぶ枝として表現される。計画情報取得部11は、ルートに関する情報として、ルートID、出発拠点ID、到着拠点ID、距離、コスト(当該ルートの移動に要するコスト)等の情報を、ルートごとに取得する。
【0019】
(c)配送手段とは、製品や部品を積載するトラック等である。配送手段には、クレーン車のように荷下ろし設備を備えたものと、製品等の搬送のみを行うものとがある。計画情報取得部11は、配送手段に関する情報として、配送手段ID、名称、配送業者、積載可能数上限、幅上限、長さ上限、高さ上限、重量上限、使用可能な仕分けグループID(後述)等の情報を、配送手段ごとに取得する。
【0020】
(d)オーダとは、配送または集荷のオーダである。オーダには、オーダID、配送または集荷を行う拠点の拠点ID、オーダ種類(配送または集荷)、配送または集荷に係る物品(製品または部品)の情報が含まれる。物品の情報には、その物品の品目ID、型式、数量、幅、長さ、高さ、重量などが含まれる。計画情報取得部11は、これらの情報をオーダごとに取得する。
【0021】
(制約条件の詳細)
計画情報取得部11は、最適化計算の際に必要となる制約条件について、以下の条件の設定を取得する。
(1)顧客の時間指定:顧客が指定した時間の範囲に配送・集荷を行う。例えば、配送先Aについては、10:00~12:00に配送するといった制約条件が課される。
(2)進入可能な配送手段のサイズ:配送手段のサイズを指定されたサイズ以下とする。例えば、配送先Aは、大型車両(11t)は進入不可といった制約条件が課される。
(3)拠点による車種指定:配送手段をその拠点で利用可能な種類に限定する。例えば、配送先Aへは、ハコ車、ウイング車のみ配送可能といった制約条件が課される。
(4)中継地点の指定:配送先のエリアに応じて特定の中継地を経由して配送・集荷する。例えば、関東に配送・集荷する場合には、必ず中継地Bを経由するといった制約条件が課される。
【0022】
(5)積載数:1つの配送手段に積載する製品の数が上限を超えない。例えば、配送業者1の配送手段には2台のみ積載可能、他の配送業者については3台以上積載可能といった制約条件が課される。
(6)重量制限:1つの配送手段に積載する製品の重量が上限を超えない。例えば、10トン平ボディ車は最大で9.4トンまで積載可能といった制約条件が課される。
(7)容量制限:1つの配送手段に積載する製品の容量の合計が上限を超えない。例えば、10トン平ボディ車は最大で7600mm長さまで積載可能といった制約条件が課される。
(8)高さ上限:配送手段の高さが指定された高さを超過しない。例えば、2695mm高さまで積載可能といった制約条件が課される。
(9)製品別の車種指定:製品によって車種を限定する。例えば、製品Cは、クレーンで地上に降ろすことが不可能なため、平ボディ車で配送する、といった制約条件が課される。
(10)納期に基づく配送の優先順位:当日中の配送が必須ではなく、車両に乗りきらない製品は翌日以降の配送とする。例えば、当日出荷計画を作成した際に、何らかの理由で運べない製品は、翌日以降の配送とするといった制約条件が課される。
【0023】
(11)車両移動距離:車両の移動距離が規定値を超えない。例えば、1台のトラックが1日に走行できる距離は300km以内といった制約条件が課される。
(12)拠点経由時の拠点間の距離制限:経由可能な拠点間距離を制限する。例えば、1拠点間の距離は100km以内といった制約条件が課される。
(13)帰還時間上限:帰還可能な時間の上限を設定する。例えば、関東、東北、甲信越、静岡の一部以外は、当日の19時までに出荷拠点に帰還するといった制約条件が課される。
(14)配送業者による中継地指定:配送業者によって中継可能な地点を制限する。例えば、配送業者Dは、中継地Bでのみ中継可能といった制約条件が課される。配送業者Dは、中継地Bから先の配送を担当する。
【0024】
(15)配送手段の優先順位:配送手段の割り当て優先順位をつける。例えば、平ボディ車よりもハコ車を優先して使用するといった制約条件が課される。
(16)配送手段の数:配送手段の数が規定値を超えない。例えば、地域Eは週2便といった制約条件が課される。
(17)経由順:配送手段は拠点を指定された順に経由する。例えば、出荷拠点から遠い順に拠点1,2,3が存在する場合、遠い順を指定すれば、拠点1,2,3の順に巡回するよう計画するといった制約条件が課される。
【0025】
図2は、本開示の一実施形態におけるネットワークモデルの一例を示す図である。
計画作成処理制御部16は、配送・集荷計画を、図2に例示する数理モデル(ネットワークモデル)に基づいて作成し、評価値を算出する。計画作成処理制御部16は、計画情報取得部11が取得した拠点とルートの情報に基づいて、拠点を点、ルートが点と点を結ぶ枝となるようにしてネットワークモデルを作る。図2の例ではP0は出荷拠点、P1~P3,P5~8は配送先、P4は集荷元、P9は中継地である。ネットワークモデルでは、P0~P9のうちの2つの点の間で枝が生成される。計画作成処理制御部16は、この枝の集合の中から適切な枝を選択して、配送・集荷のために経由する必要がある拠点を最適な順序で巡回する方法を探索する。P1~P9は、例えば、同じ日を納期とする複数のオーダに含まれている配送・集荷拠点である。1つのオーダには1拠点における配送・集荷に係る製品、納期などが定められている。計画作成処理制御部16は、各拠点の納期に間に合うようにP1~P9を巡回する計画を作成する。このとき、計画作成処理制御部16は、(A)製品の形状、大きさ、重量等の影響により積載できる製品の数に制約がある、(B)配送先の荷下ろし設備の保有状況、大型車両の侵入の可否などに応じて配送手段の制約を受ける、(C)広範囲を対象とする効率の良い配送・集荷計画の作成が要求される、といった中型製品に特有の制約を考慮して、巡回方法を探索しなければならない。例えば、(A)については、計画作成処理制御部16は、制約条件の積載数(5)、重量制限(6)、容量制限(7)と、オーダ情報に含まれる配送・集荷対象の物品に関する幅、長さ、高さ、重量の情報を用いて、拠点で積載する物品の幅、長さ、高さ、重量と、既に積載されている物品のそれらとの合計が、配送手段に関する重量制限(6)、容量制限(7)の何れかを超えるか、積載する製品の数が積載数(5)を超えると、その配送手段には、その物品を積載することができないと判断し、その拠点をあきらめ、経由先として他の点を検討する。このようにして、大きさ、重量等に加え、形状を考慮した製品の積載可否を判断する。計画作成処理制御部16は、制約条件(1)~(17)を満たすことを確認しながら、オーダで指定された全ての製品の配送、部品の集荷が可能な巡回経路、例えば、P0、P1、P2、P3、P4、P0、P5、P6、P0、P9、P7、P8、P9、P0の順に巡回する経路を探索する。計画作成処理制御部16は、1つの巡回経路を探索すると、各ルートに設定されたコストを合計して、探索した巡回経路を移動した場合のコストを算出する。上記の例であれば、P0とP1を結ぶルートを移動するコスト、P1とP2を結ぶルートを移動するコスト、P2とP3を結ぶルートを移動するコスト、・・・、P9とP0を結ぶルートを移動するコストを合計する。探索された巡回経路が配送・集荷計画であり、算出されたコストが評価値である。巡回経路の探索処理には、一般に提供されているソルバーを利用することができる。ソルバーに、計画情報取得部11が取得した計画情報、制約条件、目的関数(移動コストの最小化)を与えて、配送・集荷計画の実行を指示すると、ソルバーは、(A)1台の配送手段に積載できる製品の制約などを考慮して巡回経路を複数探索し、各巡回経路についてコストを演算する。計画作成処理制御部16は、ソルバーが算出した巡回経路の中からコストが最低の経路を選択して、この経路を最適な配送・集荷計画とする。
【0026】
更に、本実施形態では(B)、(C)の条件を満たす巡回経路を探索できるようにするために、上記説明したコストが最小となる巡回経路の探索を行う前に、配送先・集荷元の各拠点について仕分け処理を行う。次に図3図4を参照して仕分け処理について説明する。
図3にオーダに含まれる配送先又は集荷元の拠点P11~P24および出荷拠点P10を示す。拠点P11~16は関西に存在し、P17~18は中部に存在し、P19~24は関東に存在する。(C)への対策として、拠点P11~P24を、地域別(例えば、関東、中部、関西)にグループ化する。つまり、仕分け情報取得部12が、仕分け条件として「地域」を取得する。計画情報仕分け部13は、計画情報の拠点に関する「地域」を参照して、拠点P11~P24を、関西の拠点P11~16が属する仕分けグループB、関東の拠点P19~24が属する仕分けグループA、中部の拠点P17~18が属する仕分けグループCに仕分ける。
【0027】
また、(B)への対策として、仕分けグループA~Cを、さらに拠点が備える設備別にグループ化する。つまり、仕分け情報取得部12が、仕分け条件として「保有設備」を取得する。計画情報仕分け部13は、計画情報の拠点に関する「荷下ろし設備の有無」を参照して、仕分けグループBに属する拠点P11~16を更に荷下ろし設備の有無で仕分ける。例えば、P11~P13、P17~P18、P19~P21が荷下ろし設備を保有しているとすると、計画情報仕分け部13は、関西の荷下ろし設備を保有する拠点P11~P13を仕分けグループB1、関西の荷下ろし設備を保有しない拠点P14~P15を仕分けグループB2、関東の荷下ろし設備を保有する拠点P19~P21を仕分けグループA1、関東の荷下ろし設備を保有しない拠点P22~P24を仕分けグループA2、中部の荷下ろし設備を保有する拠点P17~P18を仕分けグループC1に仕分ける。
【0028】
なお、拠点の保有設備による仕分けに関して、荷下ろし設備の有無の他、車両進入可否(大型車の進入禁止など)によって拠点を仕分けるよう設定してもよい。
【0029】
計画情報仕分け部13は、仕分けグループA1、A2、B1、B2、C1の各々に仕分けグループIDを付与する。仕分けグループIDが付与されると、仕分けグループIDごとに、荷下ろし設備の保有の有無に従って、配送手段に関する「使用可能な仕分けグループID」に仕分けグループIDが設定される。例えば、荷下ろし設備を備えるクレーン車の「使用可能な仕分けグループID」には、仕分けグループA1、A2、B1、B2、C1の仕分けグループID、又は、荷下ろし設備を保有しない拠点であるグループA2、B2の仕分けグループIDが設定される。荷下ろし設備を備えないトラックの「使用可能な仕分けグループID」には、荷下ろし設備を保有しない拠点である仕分けグループA2、B2以外の仕分けグループIDが設定される。この設定は、仕分け結果に基づいて、ユーザが行ってもよいし、計画情報仕分け部13が行ってもよい。また、計画作成処理制御部16は、仕分けグループごとに、その仕分けグループが「使用可能な仕分けグループID」に設定されている配送手段を用いて、配送・集荷計画を作成する。これにより、関東、関西、中部ごとの配送・集荷計画が作成される為、「(C)広範囲を対象とする効率の良い配送・集荷計画の作成」の要求を満たす計画を作成することができる。また、荷下ろし設備を保有する拠点のグループ、荷下ろし設備を保有しない拠点のグループ別に配送・集荷計画が作成される為、「(B)配送先の荷下ろし設備の保有状況に応じて配送手段の制約を受ける」の条件を満たした配送・集荷計画を作成することができる。
【0030】
次に、ユーザが、仕分けグループごとに配送・集荷計画を作成する順序を設定する。例えば、関東、関西、中部の順序で配送・集荷計画を作成することを設定する。ここで、計画対象の仕分けグループと同じ配送手段に積み合せ可能な拠点が属する他の仕分けグループを同時に計画対象に加えることが可能である。前者をメイングループ、後者をサブグループと呼ぶ。例えば、オーダを地域別(関西、関東、中部)で仕分ける場合、距離を隔てた関東と関西を組み合わせることは不可能だが、隣接する関東と中部とを組み合わせることで、関東に近い中部の拠点や中部に近い関東の拠点を一度に巡回する効率の良い計画が作成できる可能性がある。このような場合、関東をメイン仕分けグループ、中部をサブ仕分けグループとして組み合わせる。同様に、メイン仕分けグループを関西、サブ仕分けグループを中部として組み合わせることができる。ユーザは、仕分けグループごとに、配送・集荷計画の作成順序と、サブ仕分けグループの設定を行う。例えば、今回の例の場合、ユーザは、以下の設定を行う。
(計画作成順序1)メイン仕分けグループ:関東の荷下ろし設備を保有しない拠点(仕分けグループA2)、サブ仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有しない拠点(該当なし)。
(計画作成順序2)メイン仕分けグループ:関東の荷下ろし設備を保有する拠点(仕分けグループA1)、サブ仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有する拠点(仕分けグループC1)。
(計画作成順序3)メイン仕分けグループ:関西の荷下ろし設備を保有しない拠点(仕分けグループB2)、サブ仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有しない拠点(該当なし)。
(計画作成順序4)メイン仕分けグループ:関西の荷下ろし設備を保有する拠点(仕分けグループB1)、サブ仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有する拠点(仕分けグループC1)。
(計画作成順序5)メイン仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有しない拠点(該当なし)、サブ仕分けグループ:なし
(計画作成順序6)メイン仕分けグループ:中部の荷下ろし設備を保有する拠点(仕分けグループC1)、サブ仕分けグループ:なし
仕分け情報取得部12は、この情報を取得し、計画作成順序の設定情報として記憶部15に書き込んで保存する。なお、メイングループと組み合わせるサブグループの数は特に制限しない。
【0031】
計画作成処理制御部16は、計画作成順序に従って、配送・集荷計画の作成を行う。計画作成処理制御部16は、まず、メイン仕分けグループA2に属する拠点の配送・集荷を対象に配送・集荷計画を作成し、次にメイン仕分けグループA1およびサブ仕分けグループC1に属する拠点の配送・集荷を対象に配送・集荷計画を作成する。これ以降も、計画作成処理制御部16は、計画作成順序に従って、メイン仕分けグループB2、メイン仕分けグループB1+サブ仕分けグループC1、サブ仕分けグループC1の順に計画の作成を行う。
【0032】
但し、メイン仕分けグループとサブ仕分けグループの複数の仕分けグループを組み合わせて配送・集荷計画を作成する場合、サブ仕分けグループ内でだけを巡回するルートは計画として採用しない。これは、サブ仕分けグループが他のメイン仕分けグループと組み合せられた場合、より最適な解を得ることが期待されるためである。図4を参照する。説明の便宜のため、図4では、仕分け条件に関東、関西、中部の地域の条件のみで仕分け、関東と中部、関西と中部、中部の順で計画を作成する例を示す。図4(a)は、メイン仕分けグループ:関東、サブ仕分けグループ:中部で計画を作成した結果を示す。図4(a)において、出荷拠点P10から配送を開始し、拠点P19~P24を巡回するルートについては、これらは全て関東に属する為、問題は無い。また、中部に属する拠点P18については、出荷拠点P10から中部の拠点P18、関東の拠点P19を経由して出荷拠点P10に戻るという巡回経路には、関東の拠点P19が含まれている為、この経路も有効とする。これに対し、中部に属する拠点P17について、出荷拠点P10から中部の拠点P17を経由して出荷拠点P10に戻るという巡回経路が算出されている。この経路には、メイン仕分けグループの関東の拠点が含まれていない。このような場合、計画作成処理制御部16は、このルートを無効とする。つまり、関東と中部の配送・集荷計画作成において、拠点P17に係る配送・集荷の計画は作成されなかったものとして扱う。
【0033】
次に計画作成処理制御部16は、関西と中部を対象に計画の作成を行う。このとき、中部に関しては、既に関東との組み合わせで計画が作成された拠点P18は除き、拠点P17のみを対象とする。図4(b)に計画作成処理制御部16が、関西と中部の拠点を対象に作成した計画の例を示す。図4(b)の計画では、拠点P17に関し、出荷拠点P10を出発して、中部の拠点P17、関西の拠点P15および拠点P16を経由して、出荷拠点P10に戻る巡回経路が計画されている。この巡回経路は関西と中部の拠点を含むので有効である。この段階で、未配送・未集荷の中部の拠点が残っていれば、計画作成処理制御部16は、最後に、残りの中部の拠点だけを対象として配送・集荷計画の作成を行うが、この例の場合には残拠点が存在しない為、計画の作成処理が終了する。図4(b)が最終的な配送・集荷計画である。
【0034】
図4の例では省略したが、仕分け条件には、配送先の設備の保有状況が含まれる。計画作成処理制御部16は、荷下ろし設備を保有しない配送先については、クレーン車等を引き当てて配送計画を作成する。このように本実施形態によれば、制約条件と、仕分け処理により、(A)積載できる製品の制約、(B)荷下ろし設備の保有状況に応じた配送手段の制約、(C)広範囲を対象とする効率の良い配送・集荷計画の作成といった中型製品の配送に伴う要求を満たす配送・集荷計画を作成することができる。(B)、(C)について、制約条件の設定ではなく、仕分けにより、仕分けグループ別に配送・集荷計画を作成するという方式を採用することにより、計算負荷を低減し、計算時間を短縮することができる。
【0035】
なお、仕分けの条件は、(1)地域と(2)拠点の保有設備に限定されない。例えば、以下のような仕分け条件を設定することができる。例えば、拠点に関するものとして、(3)都道府県で仕分けてもよい。製品に関する条件として、(4)製品番号、(5)機種型式グループ、(6)製品の性質(例えば、カラータイヤ、塗装内容別に仕分ける等)、(7)全重量下限(重量の下限を満たす製品別に仕分け)、(8)全重量上限(重量の上限を満たす製品別に仕分け)、(9)全高下限(高さの下限を満たす製品別に仕分け)、(10)全高上限(高さの上限を満たす製品別に仕分け)等で仕分けてもよい。配送方法に関する条件として、(11)中継地(配送先となる中継地で仕分け)、(12)客先直送(客先に直送するか否かで仕分け)、(13)当日着(製品を出荷当日に出荷拠点で積載するか前日に積載するかで仕分け)等で仕分けてもよい。同時に設定する仕分け条件の数は任意である。
【0036】
なお、計画作成順序の設定について、配送手段の制約が強い(多い)ものほど先に計画を作成するように順序を設定することが好ましい。例えば、仕分けグループA2は、荷下ろし設備を備えるクレーン車でなければ配送できないが、仕分けグループA1は、クレーン車でも、荷下ろし設備の無いトラックでも配送が可能である。この場合、仕分けグループA2の計画を先に作成し、仕分けグループA1の計画を後の作成するように順序を設定する。換言すれば、設備が無い拠点で構成される仕分けグループの計画を先に作成し、設備を保有する拠点で構成される仕分けグループの計画を後に作成する。これにより、仕分けグループA2について、クレーン車が十分に利用できる場合と比べて、クレーン車不足によってコストが高い配送・集荷計画しか作成できないといった問題を回避することができる。この考えに基づくと、例えば、ユーザが、計画作成順序として、地域の情報だけに基づき、順序1:関東(メイン)と中部(サブ)、順序2:関西(メイン)と中部(サブ)、順序3:中部とだけ設定し、設備の保有状況については順序を指定しない場合でも、計画作成処理制御部16が、順序1:関東(メイン)と中部(サブ)のうち荷下ろし設備を保有しない拠点のグループ、順序2:関東(メイン)と中部(サブ)のうち荷下ろし設備を保有する拠点のグループ、順序3:関西(メイン)と中部(サブ)のうち荷下ろし設備を保有しない拠点のグループ、順序4:関西(メイン)と中部(サブ)のうち荷下ろし設備を保有する拠点のグループ、順序5:中部(メイン)のうち荷下ろし設備を保有しない拠点のグループ、順序6:中部(メイン)のうち荷下ろし設備を保有する拠点のグループ、のように計画作成順序を自動的に構成し、この順序で配送集荷計画の作成処理を実行してもよい。
【0037】
(動作)
次に配送集荷計画の作成処理について説明する。
図5図6は、それぞれ、本開示の一実施形態における配送・集荷計画作成処理の一例を示す第1、第2のフローチャートである。
まず、計画情報取得部11が計画情報などを取得する(ステップS11)。例えば、計画情報取得部11は、ユーザが入力した、(a)拠点、(b)ルート、(c)配送手段、(d)オーダ等の情報、制約条件の説明で挙げた(1)~(17)の情報を取得し、これらの値を記憶部15に書き込んで保存する。
【0038】
次に仕分け情報取得部12が、仕分け条件などを取得する(ステップS12)。例えば、仕分け情報取得部12は、ユーザが入力した、関東、関西、中部といった地域の仕分け条件と、配送先の荷下ろし設備の有無の仕分け条件を取得し、これらの条件を記憶部15に書き込んで保存する。また、仕分け情報取得部12は、ユーザが設定した、仕分け後の仕分けグループの計画作成順序の設定と、サブ仕分けグループの設定を受け付け、これらの情報を記憶部15に書き込んで保存する。
【0039】
次に計画情報仕分け部13が、ステップS12で設定された仕分け条件に基づいて、オーダに係る配送先・集荷元の各拠点を仕分けグループに仕分ける(ステップS13)。
【0040】
次に計画作成処理制御部16が、記憶部15を参照して、計画作成順序が最も早いグループを特定し、その仕分けグループを計画の作成対象として選択する(ステップS14)。選択した仕分けグループについて、サブグループが設定されている場合には、計画作成処理制御部16は、サブグループも選択する。次に計画作成処理制御部16は、選択した仕分けグループを対象とする配送・集荷計画を作成する(ステップS15)。
【0041】
ステップS15の処理について図6を参照する。計画作成処理制御部16は、対象仕分けグループに関する計画情報を読み込む。計画作成処理制御部16は、ステップS11で取得されたオーダに関する情報のうち「拠点」が計画作成対象の仕分けグループまたはサブグループに該当するデータを読み出して、当該オーダに係る拠点およびノードに関する情報を読み込む(ステップS21)。また、計画作成処理制御部16は、配送手段に関する情報の「使用可能な仕分けグループID」に計画作成対象の仕分けグループのIDが設定されている配送手段の情報を読み込む。計画作成処理制御部16は、読み込んだ情報に基づいて配送・集荷モデルを構築する(ステップS22)。具体的には、計画作成処理制御部16は、図2等に例示するネットワークを構築する。次に計画作成処理制御部16は、配送・集荷モデルを用いて最適化計算を行う(ステップS23)。具体的には、計画作成処理制御部16は、ネットワークモデルと、上記した制約条件、上記した目的関数をソルバーに設定し、配送・集荷に要する配送手段の移動コストを最小化する巡回経路を探索させる。ソルバーは、製品等の積み合せと、拠点の経由順の変更を繰り返して(近傍探索)、制約条件を満たし、かつ目的関数が最小となる巡回経路を決定する。近傍探索の手順は、任意であってよい。ソルバーが巡回経路を探索すると、評価値算出部162は、目的関数の値を計算する。配送・集荷計画更新部161は、目的関数の値が小さい巡回経路が探索されると、その巡回経路を最適な巡回経路として設定する。次に更にコストが小さい巡回経路が探索されると、配送・集荷計画更新部161は、最適な巡回経路を新しく見つかった巡回経路で更新する。計画作成処理制御部16は、巡回経路の探索を所定回数以上繰り返す、目的関数の値が所定値よりも小さくなる等の終了条件に基づいて、ソルバーによる探索を終了する。計画作成処理制御部16は、探索終了時に設定されている最適な巡回経路を、今回計画対象の仕分けグループに対する配送・集荷計画作成処理の結果として出力する(ステップS24)。配送・集荷計画の結果には、巡回計画に関する情報と、評価値の情報を含み、それぞれ次のような情報が含まれている。巡回計画に関する情報には、配送手段ID、配送種類(配送、集荷)、ルートID、巡回順、オーダID、品目ID、数量、到着時刻、荷下ろし開始時刻、出発時刻、出荷拠点から本拠点までの総移動距離などが含まれる。評価値の情報には、目的関数の値(コスト)と計算時間などが含まれる。
【0042】
計画対象のグループに関して結果を出力すると、図5に戻り、計画作成処理制御部16は、全ての仕分けグループについて配送・集荷計画を作成したか否かを判定する(ステップS17)。計画が未作成の仕分けグループが存在する場合(ステップS17;No)、ステップS14以降の処理を繰り返す。例えば、全部で5つの仕分けグループが存在する場合、最初に選択した仕分けグループの配送・集荷計画の作成が完了すると、計画作成処理制御部16は、計画作成順序が2番目に設定された仕分けグループを選択し(ステップS14)、配送・集荷計画を作成する(ステップS15)。全ての仕分けグループについて配送・集荷計画が作成されると(ステップS17;Yes)、計画作成処理制御部16は配送・集荷計画の作成処理を終了する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、顧客やサプライヤが広範囲に存在する中型製品に特徴的な制約を満たす配送・集荷計画の作成が可能になり、配送集荷に要する輸送コストの削減を実現することができる。仕分け処理により、同一の配送手段に積み合せられないオーダ同士を同時に計画対象としないことで計画精度を向上し、計画修正にかかる工数を低減することができる。
【0044】
(計算の高速化)
計画作成処理制御部16による配送・集荷計画作成処理は、以下のようにして計算量を抑え、高速化することができる。この高速化手法は、複数の仕分けグループを組み合わせて配送・集荷計画を作成する場合(つまり、サブ仕分けグループが存在する場合)に適用可能であり、一度に計画対象とするオーダ数を削減し、問題の規模を小さくすることで高速化を実現する。メイン仕分けグループに所属するオーダの配送先・集荷元の拠点をメイン拠点、サブ仕分けグループに所属するオーダの配送先・集荷元の拠点をサブ拠点とする。次に、下記の(1)、(2)の何れかを満たすサブ拠点を計画対象外とする。
(1)メイン拠点から、拠点間の経由距離の上限を超過する拠点、
(2)メイン拠点から経由可能な拠点数を超える移動をしないと経由不可能な拠点
拠点間の経由距離の上限と、経由可能な拠点数はユーザが任意に設定可能である。ただし、経由可能な拠点数は、基本は配送手段の積載可能数を参考とする。例えば、配送手段に積載可能な製品が3台までならば、3拠点が経由可能な拠点数の上限として設定される。図7に計画対象外とするサブ拠点の例を示す。図7(a)に示すOPは出荷拠点、MPはメイン拠点、SP1~SP10はサブ拠点である。メイン拠点は優先的に配送・集荷を行う必要があるのに対し、サブ拠点は任意に選択することが可能である。
【0045】
図7(b)に、計画作成処理制御部16が本高速化手法を適用しつつ、巡回経路を探索する例を示す。例えば、経由可能な拠点数は2に設定されている。出荷拠点OPからメイン拠点MPへ移動後、サブ拠点SP1~SP10の何れかを巡回するかが問題となる。メイン拠点MPとサブ拠点SP5、SP10の距離が、経由距離の上限を超えている場合、計画作成処理制御部16は、サブ拠点SP5、SP10への配送・集荷に係るオーダを計画の対象外とする。また、メイン拠点MPから、サブ拠点SP2、SP1の順に巡回した場合、経由可能な拠点数を超える為、サブ拠点SP3へは巡回できない。従って、計画作成処理制御部16は、サブ拠点SP2、SP1の順に巡回する経路を探索した場合は、サブ拠点SP3に係るオーダを計画の対象外とする。また、メイン拠点MPから、サブ拠点SP9を経由して、サブ拠点SP10に至る場合、その移動距離の和が制限を超えるならば、計画作成処理制御部16は、サブ拠点SP9から更に移動する経路を探索する場合、サブ拠点SP10の配送・集荷に係るオーダを計画の対象外とする。他の例についても同様である。
【0046】
(動作)
高速化手法適用時の配送・集荷計画の作成処理について、図8を参照して説明する。
図8は、一実施形態における高速化された計画情報作成処理の一例を示すフローチャートである。
計画作成処理制御部16が備えるソルバーは、巡回経路の探索中以下の処理を行う。
計画作成処理制御部16は、対象拠点(メイン拠点)と比較対象拠点(サブ拠点)を選定する(ステップS31)。例えば、図7(b)でメイン拠点MPから次にサブ拠点SP5に移動する経路を検討する場合、計画作成処理制御部16は、メイン拠点MPとサブ拠点SP5を選択する。あるいは、サブ拠点SP1からサブ拠点SP3へ移動する経路を検討する場合、計画作成処理制御部16は、メイン拠点MPとサブ拠点SP3を選択する。次に計画作成処理制御部16は、選択した2つの拠点間の距離が拠点間移動距離の制限を超過しているか否かを判定する(ステップS32)。制限を超過している場合(ステップS32;Yes)、計画作成処理制御部16は、比較対象拠点を計画から除外し、ステップS35の判定に進む。制限を超過していない場合(ステップS32;No)、次に計画作成処理制御部16は、選択した比較対象の拠点を経由すると経由可能な拠点数の上限を超過するか否かを判定する(ステップS33)。上限を超過している場合(ステップS33;Yes)、計画作成処理制御部16は、比較対象拠点を計画から除外し、ステップS35の判定に進む。上限を超過していない場合(ステップS33;No)、計画作成処理制御部16は、選択した比較対象の拠点を計画対象とする(ステップS34)。つまり、計画作成処理制御部16は、比較対象の拠点を次に経由する拠点として定める。
【0047】
次に計画作成処理制御部16は、全拠点(未経由の全てのサブ拠点)の比較が完了したかどうかを判定する(ステップS35)。全拠点の比較が完了していない場合(ステップS35;No)、計画作成処理制御部16は、残りのサブ拠点の中から次の比較対象の拠点を選定し(ステップS36)、ステップS32以降の処理を繰り返す。全拠点の比較が完了した場合(ステップS35;Yes)、計画作成処理制御部16は、メイン仕分けグループに属する全てのメイン拠点について、上記の判定が完了したかどうかを判定する(ステップS37)、完了している場合(ステップS37;Yes)、図8のフローチャートの処理を終了する。完了していない場合(ステップS37;No)、計画作成処理制御部16は、残りもメイン拠点の中から次の対象拠点を選定し(ステップS38)、ステップS31からの処理を実行する。
【0048】
本高速化手法によれば、メイン仕分けグループとサブ仕分けグループを組み合わせて計画を作成する場合に、配送・集荷計画の作成要する時間を低減することができる。
【0049】
図9は、一実施形態における計画システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の計画システム10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0050】
なお、計画システム10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0051】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0052】
<付記>
各実施形態に記載の計画システム10、計画方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0053】
(1)第1の態様に係る計画システム10は、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得する計画情報取得部11と、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件を取得する仕分け情報取得部12と、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分ける計画情報仕分け部13と、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得する制約条件取得部(計画情報取得部11)と、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する計画部(計画作成処理制御部16)と、を備え、前記仕分け条件には、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる。
(a)配送先または集荷元となる拠点の地域の条件と、(b)拠点が保有する配送または集荷に関する設備の保有条件とを含む仕分け条件に基づいて拠点を複数のグループに分け、仕分けされたグループごとに、(c)配送手段の重量制限および容量制限の制約条件を満たすように配送集荷計画を作成するので、中型製品特有の条件を満たす配送集荷計画を作成することができる。より具体的には、(1)中型製品のように製品を直接積載する場合、積載可否、荷下ろし設備保有状況等の制約条件を考慮した計画を作成する必要があるという条件に対しては、(b)の観点で仕分けられたグループごとに、(c)の制約条件を満たすように配送・集荷計画を作成することで対応し、(2)荷下ろし設備の保有状況がそれぞれに異なり、広範囲に存在する顧客や販売店まで直接製品を配送する必要があるため、配送先や配送ルートの組合せの数が膨大になり、現実的な計算時間で解を求めることが難しいという条件に対しては、(a)、(b)の観点で仕分けられたグループごとに配送・集荷計画を作成することで対応する。これにより、中型製品に特有の条件を満たす配送・集荷計画を作成することができる。
【0054】
(2)第2の態様に係る計画システム10は、(1)の計画システム10であって、前記計画部は、前記グループごとに前記配送・集荷計画の作成順序の設定と、前記グループと組み合わせて前記配送・集荷計画を作成することが許されるサブグループの設定とを受け付け、指定された作成順序に従って、前記グループおよび前記サブグループの範囲で配送・集荷計画を作成する。
メイン仕分けグループとサブ仕分けグループを計画対象とすることで、メイン仕分けグループだけを対象とするよりも効率の良い(コストが安い)配送・集荷計画を作成することができる。また作成順序を適切に設定することで、効率の良い配送・集荷計画を作成することができる。
【0055】
(3)第3の態様に係る計画システム10は、(2)の計画システム10であって、前記計画部は、前記サブグループに含まれる前記第一拠点だけを巡回する前記ルートが含まれる前記配送・集荷計画が作成された場合、前記配送・集荷計画から当該ルートを削除する。
削除したルートに係る拠点については、作成順序が後のメイン仕分けグループと組み合わせることによって効率の良い配送集荷計画が作成できる可能性がある。
【0056】
(4)第4の態様に係る計画システム10は、(2)~(3)の計画システム10であって、前記計画部は、前記サブグループを含む範囲の前記第一拠点について、前記配送・集荷計画を作成する場合、前記作成順序が先の前記グループと関連して作成された前記配送・集荷計画に含まれる前記サブグループに所属する前記第一拠点に係る配送および集荷を除いて、前記配送・集荷計画の作成を行う。
優先度が高い(作成順序が早い)配送・集荷計画を尊重したうえで、効率の良い配送集荷計画を作成することができる。
【0057】
(5)第5の態様に係る計画システム10は、(1)~(4)の計画システム10であって、前記計画部は、前記配送手段の制約が多い拠点を含む前記グループから順に前記配送・集荷計画を作成する。
配送手段の制約が多い拠点に関する配送・集荷計画を先に作成し、どのような配送手段でも配送・集荷が可能な拠点に関する配送・集荷計画をその後で作成することで、無理のない配送・集荷計画、より最適化された配送・集荷計画を作成することができる。
【0058】
(6)第6の態様に係る計画システム10は、(2)~(5)の計画システム10であって、前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、前記計画部は、距離の上限値の設定を受け付け、前記グループに属する前記第一拠点からの前記配送手段の移動距離が前記距離の上限値を超えない範囲で前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する。
これにより、配送・集荷計画作成に要する計算時間を低減することができる。
【0059】
(7)第7の態様に係る計画システム10は、(2)~(6)の計画システム10であって、前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、前記計画部は、前記第一拠点の経由数の上限値の設定を受け付け、前記グループに属する前記第一拠点から経由する前記グループまたは前記サブグループに属する前記第一拠点の数が、前記経由数の上限値を超えない範囲で前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する。
これにより、配送・集荷計画作成に要する計算時間を低減することができる。
【0060】
(8)第8の態様に係る計画システム10は、(2)~(7)の計画システム10であって、前記配送・集荷計画の作成対象のグループに前記サブグループが設定されている場合、前記計画部は、前記グループに属する前記第一拠点から経由する前記グループまたは前記サブグループに属する前記第一拠点の数が、前記配送手段が積載可能な前記物品の個数を超えない範囲で前記サブグループに属する前記第一拠点についての前記配送・集荷計画を作成する。
これにより、配送・集荷計画作成に要する計算時間を低減することができる。
【0061】
(9)第9の態様に係る計画方法は、計画システムが、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる前記仕分け条件を取得し、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する。
【0062】
(10)第10の態様に係るプログラムは、コンピュータに、配送または集荷の対象の物品の情報と、前記物品の配送先または集荷元となる拠点である第一拠点の情報と、前記物品を配送または集荷する配送手段の情報と、前記配送手段が配送対象の前記物品を積載し、集荷した前記物品を荷下ろしする拠点である第二拠点の情報と、前記第一拠点および前記第二拠点のうち2つの拠点を結ぶルートの情報と、を取得し、同一の前記配送手段に積み合せ可能な前記物品の配送または集荷を行う第一拠点をグループ化する仕分け条件であって、前記第一拠点が存在する地域の条件と、前記第一拠点が保有する前記物品の配送または集荷に関する設備の保有状況の条件とが含まれる前記仕分け条件を取得し、前記仕分け条件に基づいて、前記第一拠点を複数のグループに仕分け、前記配送手段の重量制限および容量制限を含む制約条件を取得し、仕分けされた前記第一拠点の前記グループごとに、前記制約条件を満たす前記配送手段による前記物品の配送・集荷計画を作成する処理を実行させる。
【符号の説明】
【0063】
10・・・計画システム
11・・・計画情報取得部
12・・・仕分け情報取得部
13・・・計画情報仕分け部
14・・・出力部
15・・・記憶部
16・・・計画作成処理制御部
161・・・配送・集荷計画更新部
162・・・評価値算出部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2
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図4
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図9