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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】透析液収容装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
A61M1/28 100
A61M1/28 120
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020544235
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019053676
(87)【国際公開番号】W WO2019162185
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】102018103866.6
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーベル ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ベルリッヒ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブロイニンガー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュタウデ ビルギット
(72)【発明者】
【氏名】ラウ マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】チェルマン ズデニェク
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-055150(JP,A)
【文献】特表平11-513915(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19825568(DE,A1)
【文献】特開平02-182262(JP,A)
【文献】特開平10-211275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、透析液と当該装置を患者に繋げるラインへ接続することのできる医療用コネクタとを収容する装置であって、
前記装置が剛性の外側パッケージ内に配置された透析液を収容するための可撓性の内側バッグを有し、前記外側パッケージが直方体形状であり、
前記内側バッグは、前記外側パッケージが抜き取り開口部または抜き取り孔を有する状態で、前記医療用コネクタを備える透析液の抜き取りのための少なくとも1つの抜き取りポートを有し、前記抜き取りポート及び前記抜き取り開口部または前記抜き取り孔は、前記抜き取り開口部または前記抜き取り孔を通って前記抜き取りポートにアクセスすることができるように互いに対して配置され、
前記外側パッケージは角または側縁のところに吊り下げ装置を有し、前記抜き取りポートが前記外側パッケージの対角または側縁に接するように前記内側バッグは前記外側パッケージ内に配置されている、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記内側バッグは、前記外側パッケージの少なくとも1つの内壁に締結され、解除可能に接続することのできる対応している締結要素が1つまたは複数の前記内壁及び前記バッグに設けられるように作られて提供されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外側パッケージの少なくとも1つの可能な直立位置において前記抜き取りポートが前記バッグの最下点に配置されるように、前記内側バッグは前記外側パッケージ内に配置されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内側バッグを透析液で充填するための少なくとも1つの充填ポートを前記内側バッグが有し、前記外側パッケージが、充填開口部を有し、当該充填開口部を通して前記充填ポートにアクセスすることができるように前記充填ポート及び前記充填開口部が互いに対して配置されている、
請求項1ないし3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記外側パッケージは、少なくとも2つのコンパートメントを備え、前記内側バッグは2つのコンパートメントの一方に配置されている、
請求項1ないし4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記外側パッケージが、前記外側パッケージの内側スペースの開口部を解放するカバーを有している、
請求項1ないし5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記内側スペースが、前記カバーの開口部前の環境に対して無菌状態で閉じられている、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置を持ち運ぶための把持要素を有し、前記把持要素が前記内側バッグに締結され、前記外側パッケージの把持開口部を介して外側に伸びている、
請求項1ないし7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記外側パッケージは、所定の軸線に沿って折り畳むことで規定の方法で潰されることができるように構成されている、
請求項1ないし8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、滅菌可能な材料から製造されている、
請求項1ないし9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
環境に対して閉鎖され、透析液または抜き取りポート又は充填ポートを収容する前記装置の全ての内側スペースが滅菌されている、
請求項1ないし10の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容された透析液を輸送するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に腹膜透析の分野では、患者に適した透析液が充填された溶液バッグを患者に提供することが慣例である。次いで、患者は、腹膜に溶液を充填するために自分でまたは訓練された医療従事者の助けを借りて、これらの溶液バッグを注入ホース、即ち患者カテーテルに接続する。透析液は、典型的には、完全に準備された状態で患者の家に輸送されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、可能な限り少ない費用及び廃棄物産出で安全な輸送を確実にすることのできる透析液を輸送するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この背景において、本発明は、透析液とこの装置を患者に繋げるラインへ接続することのできる医療用コネクタとを収容する装置であり、剛性の外側パッケージ内に配置された透析液を収容するための可撓性の内側バッグを有する装置に関する。この装置の使用時、透析液は内側バッグ内に収容される。外側パッケージは、直方体形状のボックスが好ましい。
【0005】
このようなボックス内のパッケージは、典型的には使い捨て要素として形成されている内側バッグが、外側パッケージによって機械的影響から保護されるという利点を有する。溶液バッグ、即ち内側バッグの機械的頑健性は、公知の溶液に対してその重要性は低いため、材料の節約及びより少ない費用の設計が可能になる。溶液バッグは典型的には使い捨て製品であるので、費用削減及び廃棄物削減が特に問題である。外側パッケージは、より複雑に、オプションとしてリザーバまたは患者特定ラベルのような追加機能を更に加えて設計することができる。製造費用及び材料作業量は、複数回使用される可能性に起因してより重要でなくなる。一方で、例えば、費用を節約し環境に優しい方法で厚紙から外側パッケージを製造することができる。外側パッケージは、装置のスタッキングが最適化されるように設計されることができる。
【0006】
内側バッグは、典型的には、溶接継ぎ目に沿って互いに接続されているプラスチック製のフィルムで製造される。透析液はしばしば重炭酸塩緩衝剤を含有するので、ガス透過性の低い多層フィルムを使用するのが好ましい。
【0007】
直方体形状のボックスの外側パッケージは、剛性プラスチック製の材料、金属、または厚紙から製造するのが好ましい。
【0008】
一実施形態では、内側バッグは、外側パッケージの少なくとも1つの、好ましくは、複数の内壁に締結され、互いに反転して接続することのできる対応する締結要素が1つまたは複数の内壁及びバッグに設けられるように作られて提供されるのが好ましい。このような締結方法によって外側パッケージのバッグの位置を規定し安定させることができる。これらの例は、ラッチ接続、バッグに突起を有するプラグイン要素や、対応するフック及び受け具と同様の外側パッケージに対応する開口部またはガイドのような機械的接続を含む。反転して解除できる締結に加えて、接着剤結合または溶接のような非破壊的な方法で解除することができないものも考えられる。
【0009】
一実施形態では、内側バッグは、外側パッケージが抜き取り開口部または抜き取り孔を有する状態で、医療用コネクタを備える透析液の抜き取りのための少なくとも1つの抜き取りポートを有するのが好ましく、抜き取りポート及び抜き取り開口部または抜き取り孔は、抜き取り開口部または抜き取り孔を通って抜き取りポートにアクセスすることができるように互いに対して配置されているのが好ましい。内側バッグは、例えば、抜き取りポートが抜き取り開口部または抜き取り孔の真後ろまたは中に配置されるように外側パッケージに配置され、外側パッケージに固定されることができる。内側バッグ及び外側パッケージは、更に、抜き取り開口部または抜き取り孔に対して抜き取りポートの位置を固定するように抜き取りポートまたは抜き取り孔の領域内で互いに接続されている。抜き取り開口部自体は、例えば、抜き取りポートを無菌に保つために着脱可能なフィルムまたはフリップカバーによって閉鎖することができる。それに加えてまたはその代わりに、ポートは、無菌状態で着脱可能なキャップまたは着脱可能なカバーによって閉鎖することができるのが好ましい。
【0010】
一実施形態では、抜き取りポートがこのバッグの最下点で外側パッケージの少なくとも1つの可能な直立位置で配置されるように内側バッグが外側パッケージに配置されている。したがって、液体が内側バッグから完全に流出できることを確実にすることができる。例えば、直方体状の外側パッケージの少なくとも1つの側面にそれぞれの側面に対して斜めに延びる傾斜部を配置することができる。したがって、バッグをこの傾斜部上で傾斜して置くことができる。抜き取りポートは、側面に近接した傾斜部の端部に配置することができる。これに代えて、外側パッケージの内側に固定されたバッグの側面の反対側に配置されたバッグの片側が傾斜するようにバッグを形作ることができる。抜き取りポートは、傾斜部の端部に配置することができる。
【0011】
一実施形態では、外側パッケージが角または側縁のところに吊り下げ装置を有し、抜き取りポートが外側パッケージの対角または側縁に接するように、内側バッグは外側パッケージ内に配置されている。吊り下げ装置を使用して外側パッケージが適当なスタンドで吊り下げられると、そのとき、抜き取りポートは、液体が内側バッグから完全に流出できるように最下点にある。
【0012】
一実施形態では、内側バッグを透析液で充填するための少なくとも1つの充填ポートを内側バッグが有し、外側パッケージが、充填開口部を通して充填ポートにアクセスすることができるように充填ポート及び充填開口部が互いに対して配置されているように設けられている充填開口部を有するのが好ましい。したがって、既に外側パッケージ内に配置されているバッグの充填が可能となる。内側バッグは、例えば、充填ポートが充填開口部または抜き取り孔の真後ろまたは中に配置されるように外側パッケージに配置され、締結されることができる。内側バッグ及び外側パッケージは、更に、充填開口部に対して充填ポートの位置を固定するように充填ポート及び充填開口部の領域内で互いに接続されている。このような固定方法は、ラッチ接続、溶接接続、または接着接続によって行われるのが好ましい。
【0013】
一実施形態では、内側バッグは少なくとも2つのポート、内側バックに透析液を充填するための充填ポートと、透析液を抜き取るための抜き取りポートとを有する。充填ポートは、抜き取りポートと反対側に配置された装置の側部に配置することができる。
【0014】
一実施形態では、外側パッケージは少なくとも2つのコンパートメントを備え、内側バッグは2つのコンパートメントの一方に配置されている。他方のコンパートメントは空いており、チューブセットやグローブなどの他のアクセサリパーツを収容するために使用することができる。バッグコンパートメントは、充填されたバッグによって実質的に満たされるように寸法決めされるのが好ましい。
【0015】
代替の変形例では、内側バッグが外側パッケージを完全に満たす。チューブセット及びアクセサリパーツは、例えば、外側パッケージの外側のフィルムパッケージ内に配置することができる。
【0016】
一実施形態では、外側パッケージは、外側パッケージの内側スペースの開口部を解放するカバーを有する。このカバーは、例えば、バッグに配置されていないが、チューブセット及び/またはアクセサリパーツが配置されている内側スペースのコンパートメントへのアクセスができるように配置されることができる。このカバーは、例えば、点線によって分離された外側パッケージの仕切りによって形成されることができる。外側パッケージは、内側スペースが、このカバーの開口部前で環境に対して無菌状態が終わるように設計することができる。
【0017】
一実施形態では、装置は、装置を持ち運ぶための把持要素を有し、好ましくは、把持要素は内側バッグに締結され、外側パッケージの把持開口部を介して外側に伸びる。応力は、このような配置によって内側バッグに直接伝えられ、内側バッグは透析液を充填するため外側パッケージより重くなるのが典型的である。
【0018】
一実施形態では、外側パッケージは、所定の軸線に沿って折り畳むことで規定の方法で潰されることができるように設計されている。ボックスは、例えば、互いに対して折畳み可能な複数の面を有する規定された折畳み線または側面を有する。外側パッケージを外側から潰すことによって内側バッグに圧力をかけることができ、前者を完全に空にするのを助ける。潰された容器は、更に持ち運びがより容易であり、処分時にはより小さな廃棄量を有する。
【0019】
一実施形態では、外側パッケージが、内側バックの充填レベルを監視することのできる検査窓を有する。これは、例えば、内側バッグを空にした後に装置が使用済透析液の排出袋として使用されたときに利点となる。点検窓は、例えば、充填高さマークを備えることができる。
【0020】
一実施形態では、外側パッケージはガス密として設計されている。したがって重炭酸塩緩衝透析溶液の寿命を延ばす追加のガスバリアを提供することができる一方で、より薄い壁を有し、したがってより費用削減及び材料節約である内側バッグの設計を可能にする。
【0021】
一実施形態では、容器は滅菌可能な材料から製造されている。この材料は、透析液の熱殺菌のフレームワーク内の温度、即ち、例えば、約摂氏120度であり、慣例的に安定した形状である汚染物質を分解または放出しないような性質が好ましい。
【0022】
一実施形態では、環境に対して閉鎖され、薬液または薬品ポートを収容する容器の全ての内側スペースが滅菌されている。これは特に、内側バッグの内容量及び医療用コネクタに適用される
【0023】
本発明の更なる詳細及び利点は、図面を参照して後述される実施形態をもたらす。これらは図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】異なる使用ステージにおける本発明の第1実施形態の輸送ボックスを示す。
図2】溶液バッグを外側パッケージに締結するバリエーションである。
図3図1によるボックスの更なる図である。
図4】本発明による別の変形例の輸送ボックスである。
図5図4による輸送ボックスの考えられる更なる改良である。
図6図4による輸送ボックスの考えられる更なる改良である。
図7】本発明によるボックスの押しつぶし可能な変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のよる輸送ボックスの一実施形態を図1に示す。輸送ボックス1は、透析液のためのバッグインボックスパッキングの状態の二重パッケージを示す。それは、剛性の外側パッケージ20によって機械的に支持され保護された内側バッグ10を備える。ボックス1は、治療センターまたはオプションとして持ち運びが可能である自動出力機械ですぐ使用できる透析液で充填され、次いで患者によって自宅に輸送されるものである。
【0026】
左上の図では、ボックス1は患者に手渡される状態で示される。まずこの状態のボックス1について説明する。
【0027】
直方体形状の外側パッケージ20及び内側バッグ10の両方が、使い捨て製品として設計され、外側パッケージは、厚紙を備え、環境に優しい方法でリサイクルすることができ、非常に安価に製造することができる。内側バッグ10は、溶接継ぎ目に沿って互いに接続された多層プラスチックフィルムから製造される。しかしながら、内側バッグ10の機械的な頑健性は公知の溶液に対する重要性を失わせ、それにより、内側バッグ10の材料の節約及びより少ないコストの設計が可能になる。
【0028】
外側パッケージ20は、中間壁23によって分離された2つのコンパートメント21、22を備え、内側バッグ10は大きいバッグのコンパートメント21内に配置されている。チューブセット30は、小さいチューブコンパートメント22に収容され、グローブなどのような更なるアクセサリパーツ32と組み合わさって束を形成する。バッグコンパートメント21及び内側バッグ10は、内側バッグが実質的に完全に、即ち、ランプ状のカットアウト25を除いてバッグコンパートメント21を満たすように寸法決めされている。図示の実施形態では、バッグコンパートメント21のランプ状のカットアウト25は、内側バッグ10の特定形状及びバッグコンパートメント21の内壁への内側バッグ10の締結がもたらすものである。その代わりにバッグコンパートメント内の外側パッケージ20に属したランプの配置も考えられる。ランプ状のカットアウト25の機能の詳細を後述する。
【0029】
内側バッグ10は、透析液を抜き取るための抜き取りポート11を有する。内側バッグ10の抜き取りポート11は、中間壁23の抜き取り開口部24を通ってチューブコンパートメント22に到達し、患者が使用際にチューブセット30を抜き取りポート11に接続する必要がないようにチューブセット30に事前に接続されている。図1では詳細に認識できないが、内側バッグ10及び外側パッケージ20は、抜き取りポート11及び抜き取り開口部24の領域内で互いに接続されて、抜き取り開口部24内の抜き取りポート11の位置を固定する。
【0030】
内側バッグ10は、更に、中間壁23の反対側に配置されたバッグコンパートメント21の壁の複数の点に締結されている。対応する締結点は、参照番号40が付されている。
【0031】
締結部は、例えば、粘着性のドットまたは溶接として構成される。解除可能な実施形態は、図2aに示すように、溶液バッグ10が返し41を備え、外側パッケージ20の壁が収容穴42を備える解除可能な実施形態がさらに考えられる。
【0032】
図1に示す実施形態では、内側バッグは更に、側部のところで外側パッケージ20の壁に締結されることができ、外側パッケージ内でその位置を安定化させる。粘着性のスポットあるいは溶接による締結部または解除可能な締結部は、例えば、図2bに示す状態で、溶液バッグ10と外側パッケージ20の保持突起部43、44を対応させることが想定される。
【0033】
外側パッケージ20は、中間壁23の反対側に配置されチューブコンパートメント22を区切るカバー26を有する。カバー26は、外側パッケージ20の対応する側部全体をおおって伸び、外側パッケージ20の残りの部分と同様に、厚紙を含み、点線によって外側パッケージ20の残りの部分から分離される。
【0034】
患者宅でのボックス1の使用工程を概略的に図1の更なる図で説明する。
【0035】
図の左上の直立のボックス1は、まず、カバー26を点線に沿ってやぶり、次いでカバー26の開口部を折り畳むことによって、上方に配置されたチューブコンパートメント22に患者がアクセスできる。次いで、抜き取りポート11に接続されたチューブセット30及びアクセサリ31をチューブコンパートメント22から取り外す。次に、抜き取りポート11が底部になるようにボックスを180度回転させる。この位置では、ボックスは、例えば、上昇位置に配置される、または患者に対して上昇位置にあるようにスタンドに締結されることができる。この位置では、締結点40への締結によって内側バッグ10が外側パッケージ20からずれるのを防止する。抜き取りポートは、内側バッグ10の特定形状のため最下点にあり、ランプ状のカットアウト25を空のままにし、ここでバッグコンパートメント21の上向きに配置された側部への固定により治療中に内側バッグ10を重力によって完全に空にすることができる。
【0036】
図3は、図1を参照しながら既に説明したボックス1を再度示しており、ボックスのさらなる詳細はここで確認可能であり、即ち、抜き取りポート11の反対側に配置された内側バッグ10の側部、即ち、外側パッケージ20のバッグコンパートメント21の内壁に締結点40のところで固定される内側バッグ10の側部にある充填ポート12である。外側パッケージ20は、充填ポート12に対応する点に充填開口部27を有し、外側パッケージ20内に既に配置されている内側バッグ10の充填ができるように外部からそれを介して充填ポート12にアクセスすることができる。
【0037】
したがって、内側バッグ10は丁度2つのポート、即ち透析液を充填するための充填ポート11と、透析液を抜き取るための抜き取りポート12とを有する。充填ポート11は、内側バッグ10の側部または外側パッケージ20の側部、及びボックス1全体にも配置され、抜き取りポート12の反対側に配置されている。
【0038】
外側パッケージ20が内側バッグ10によってほぼ完全に満たされる1つのコンパートメントのみを有している本発明によるボックスの別の変形例を図4に示す。この変形例では、チューブコンパートメントがない。チューブセット30及びアクセサリ31は、代わりに外側パッケージ20の外側のフィルムパッケージ50に収容される。外側パッケージ20の抜き取り開口部24は、フィルムパッケージの下方に配置され、気密状態で覆われている。内側バッグ10の抜き取りポート11は、この抜き取り開口部24を通ってフィルムパッケージ50の内部空間に到達し、チューブセット30に予め接続され、患者は、ここでその後の使用時にフィルムパッケージを開けるだけでよく、チューブセット30を抜き取りポート11に接続する必要はない。
【0039】
ボックス1を持ち運ぶための把持要素13が、内側バッグ10に締結され、外側パッケージ20の把持開口部28を通って外側に伸びている本発明によるボックス1のさらなる変形例を図5に示す。このような構成によって持ち運ばれるとき、力が内側バッグ10に直接伝えられ、内側バッグは、典型的には透析液で充填されるので外側パッケージ20よりも重い。抜き取りポート11は、図4のように構成され、フィルムパッケージ50はもはや別体で示されていない。
【0040】
図4に示す本発明によるボックス1の変形例では、図1に示す変形例と比較して、ボックス1がその底部に平らに配置されたときに内側バッグ10がその抜き取りポート11に向かって動かないようにする、外側パッケージ25の内部空間の楔形凹部25はない。しかしながら、抜き取りポート11及び対応する抜き取り開口部24は、ボックス1の傾斜した位置で内側バッグが内側バッグの最下点に配置されるように外側パッケージ20の側縁の領域に配置されている。
【0041】
したがって図6aに示すように、ボックス12は、抜き取りポート11及び抜き取り開口部24の反対側に配置された外側パッケージ20の側縁に吊り下げタブ29を有することができ、ボックス1は、例えば図6bに示すように注入スタンド60のところで前記吊り下げタブによって吊り下げられることができる。吊り下げられた状態では、抜き取り開口部11は、次いで図6bに確認されることができるように、自動的にボックスの最下点となり、これにより内側バッグ10を完全に重力によって空にすることが可能となる。
【0042】
本発明による輸送ボックス1の変形例を図7に示し、ここでは、外側パッケージ20は、ボックスの上側に矢印Aの方向に圧力がかけられた場合に側壁を水平方向の軸線に沿って折り畳むことによって外側パッケージ20を潰すことができるように設計されている。内側バッグが抜き取り開口部11に向かって動かない場合でさえも内側バッグ10を完全に空にする工程を圧力がかかることによって促進させることができる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7