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特許7441188業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240221BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021013675
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2021152881
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020048385
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 哲士
(72)【発明者】
【氏名】古川 良博
(72)【発明者】
【氏名】筒井 和也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える業務支援装置であって、
警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、
アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、
アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けて警告区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し、絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けてエラー区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し且つ発報処理を即時にリコンサイル業務の関係者へ向けて実行する照合手段
を備えること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、
前記情報処理装置は、
警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、
アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、
アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けて警告区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し、絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けてエラー区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し且つ発報処理を即時にリコンサイル業務の関係者へ向けて実行する照合ステップ
を含むこと、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項3】
リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、
前記情報処理装置は、
警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、
アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、
アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けて警告区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し、絶対値が閾値金額を超えていた場合において勘定科目に紐付けてエラー区分が設定されていたときは、比較結果に対応する記録を残し且つ発報処理を即時にリコンサイル業務の関係者へ向けて実行する照合ステップ
を含むこと、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、預金残高や貸付残高といった取引情報を仕訳情報と比較して取引情報または仕訳情報に誤りがないかチェックするリコンサイル業務を行うことがある。
【0003】
特許文献1には、株券電子化制度に対応し、株式等を担保として取得し、担保提供者の属性情報を管理することのできる担保株式管理システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-269333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しなしながら、従来は、人の目で帳簿残高や仕訳の内容をチェックすることでリコンサイル業務を行っていたため、担当者の知識レベルにより異常(エラー)の有無に関するチェックの精度・正確性にバラつきがあった。また、システム化がなされていても単純な突合しか行われていなかった。また、リコンサイル業務において、異常の一歩手前の警告となるような状況に対し明確な基準が定められていなかったため、関係者間で共通の課題認識を持つことができていない状況であった。このように、リコンサイル業務には、正確性・効率化・情報共有化という観点で改善の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リコンサイル業務の正確性向上・効率化およびリコンサイル業務における情報共有化の実現を図ることができる業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える業務支援装置であって、警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合は、勘定科目に紐付く警告区分またはエラー区分に応じた、リコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を、勘定科目単位で実行する照合手段を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る業務支援方法は、リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、前記情報処理装置は、警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合は、勘定科目に紐付く警告区分またはエラー区分に応じた、リコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を、勘定科目単位で実行する照合ステップを含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る業務支援プログラムは、リコンサイル業務を支援するための、制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、前記情報処理装置は、警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分と閾値金額との組み合わせを勘定科目ごとに保持するマスタと、アプリケーションソフトウェアである市場系システムで管理されている管理残高を勘定科目ごとに保持する第一残高データと、アプリケーションソフトウェアである会計システムで管理されている仕訳を基に作成された、勘定科目残高を勘定科目ごとに保持する第二残高データと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合は、勘定科目に紐付く警告区分またはエラー区分に応じた、リコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を、勘定科目単位で実行する照合ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リコンサイル業務の正確性向上・効率化およびリコンサイル業務における情報共有化の実現を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、区分マスタ106aの一例を示す図である。
図3図3は、管理残高データテーブル106bの一例を示す図である。
図4図4は、勘定科目残高データテーブル106cの一例を示す図である。
図5図5は、業務支援装置100で実行される照合処理の一例に関するフローチャートである。
図6図6は、管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値の一例を示す図である。
図7図7は、管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を比較した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成]
ここでは、本実施形態に係る業務支援装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
業務支援装置100は、例えば金融機関などにおけるリコンサイル業務を支援するための装置であり、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0019】
記憶部106には、例えば、区分マスタ106a、管理残高データテーブル106bおよび勘定科目残高データテーブル106cなどが格納される。
【0020】
図2は、区分マスタ106aの一例を示す図である。区分マスタ106aは、本発明のマスタに相当する。区分マスタ106aは、比較対象となる勘定科目を識別する勘定科目識別情報(例えば科目コードなど)と、警告を意味する警告区分またはエラーを意味するエラー区分を識別する区分識別情報(例えば、0:警告対象にもエラー対象にもしない、1:警告対象、2:エラー対象、のように数字などで示されるもの)と、閾値金額と、を含む。
【0021】
図3は、管理残高データテーブル106bの一例を示す図である。管理残高データテーブル106bは、本発明の第一残高データに相当する。管理残高データテーブル106bは、外貨単位を識別する外貨識別情報(例えば外貨の略称など)と、勘定科目識別情報と、取引先識別情報(例えば取引先コードや取引先の名称など)と、取引識別情報(例えば取引番号など)と、外貨で示した管理残高と、円貨で示した管理残高と、を含む。管理残高は、例えば、業務支援装置100を導入している例えば金融機関等に導入されている市場系システム(アプリケーションソフトウェア)で管理されているものである。管理残高は、例えば、市場系システムからの取引残高ファイルの連携を行うことにより得られたものでもよい。管理残高は、例えば、資金の残高(例えば簿価残高または元本)、国内債券の残高(例えば簿価金額または時価総額(約定))、外国債券の残高(例えば額面金額(受渡)、簿価金額、または時価総額(約定))、または担保残高(例えば差入担保残高または受入担保残高)などでもよい。管理残高データテーブル106bは、例えば、データ種類区分(例:「0」:日次、「1」:月次)、基準日(例えば、市場系システムで管理されている取引データに含まれる基準日など)、および連携分類(例:「3020」:資金、「3030」:国内債券、「3040」:外国債券、「3050」:担保残高)などを含んでもよい。
【0022】
図4は、勘定科目残高データテーブル106cの一例を示す図である。勘定科目残高データテーブル106cは、本発明の第二残高データに相当する。勘定科目残高データテーブル106cは、外貨識別情報と、勘定科目識別情報と、取引先識別情報と、外貨で示した勘定科目残高と、円貨で示した勘定科目残高と、を含む。勘定科目残高データテーブル106cは、例えば、業務支援装置100を導入している例えば金融機関等に導入されている会計システム(アプリケーションソフトウェア)で管理されている仕訳を基に作成されたものである。
【0023】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0024】
制御部102は、機能概念的に、本発明の照合手段に相当する照合部102aなどを備える。
【0025】
照合部102aは、1)管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合は、勘定科目に紐付く警告区分またはエラー区分に応じた、リコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を、勘定科目単位で実行する。
【0026】
例えば、照合部102aは、1)絶対値が閾値金額以下であった場合は、比較結果が「正常」であったことを記録(ログ)として残し、2)絶対値が閾値金額を超えていた場合において警告区分が設定されていたときは、比較結果が「警告」であったことを記録(ログ)として残し、3)絶対値が閾値金額を超えていた場合においてエラー区分が設定されていたときは、比較結果が「エラー」であったことを記録(ログ)として残し且つメール通知等での発報処理を即時に関係者へ向けて実行する。これにより、関係者は、記録を自発的に(例えば業務開始時などに)確認することで照合処理の結果を把握することができる。特に、エラーが発生したとき、関係者は、その旨に関する通知情報から照合処理の結果を即時に把握することができる。なお、記録として残すことや記録を確認することは、例えばOSがWindows(登録商標)である場合はイベントビューアという機能を利用して実現してもよい。
【0027】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0028】
[2.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される照合処理の具体例について、図5等を参照して説明する。図5は、業務支援装置100で実行される照合処理の一例に関するフローチャートである。なお、本説明では、図7に示す区分マスタ106a1~区分マスタ106a4のうちのいずれか一つ、図3に示す管理残高データテーブル106b、および図4に示す勘定科目残高データテーブル106cが予め記憶部106に格納されていることを前提とする。
【0029】
まず、照合部102aは、管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値と閾値金額の大小を、勘定科目単位で比較する(ステップS1)。
【0030】
本説明では、まず、図3に示す管理残高データテーブル106bに格納されているレコードおよび図4に示す勘定科目残高データテーブル106cに格納されているレコードを基に、科目名「外貨預け金(流動性)」の管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値を、外貨金額と円貨金額の両方で算出する。算出した絶対値は、図6に示すように、外貨差額「0」と円貨差額「9,862」である。図6は、管理残高の合計と勘定科目残高の差の絶対値の一例を示す図である。つぎに、算出した絶対値と、予め記憶部106に格納されている区分マスタ106aに格納されている閾値金額の大小を比較する(図7参照)。
【0031】
図7に記載した例1は、予め記憶部106に格納されている区分マスタ106aが区分マスタ106a1である場合の比較例である。図7に記載した例2は、予め記憶部106に格納されている区分マスタ106aが区分マスタ106a2である場合の比較例である。図7に記載した例3は、予め記憶部106に格納されている区分マスタ106aが区分マスタ106a3である場合の比較例である。図7に記載した例4は、予め記憶部106に格納されている区分マスタ106aが区分マスタ106a4である場合の比較例である。
【0032】
つぎに、照合部102aは、ステップS1での比較結果が、絶対値が閾値金額を超えているというものであった場合、勘定科目に紐付く警告区分またはエラー区分に応じた、リコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を、勘定科目単位で実行する(ステップS2)。
【0033】
図7に記載した例1および例3の場合、円貨差額「9,862」は、区分マスタ106a1(106a3)に格納されている金額幅「10,000」を超えていないため、照合部102aは「正常」という比較結果を記録として残す(例えばイベントビューア等を利用して記録を残す)ので、関係者は任意のタイミング(例えば出社時など)に所定のモニタリング画面(例えばイベントビューアで提供されるものなど)で結果を確認することができる。
【0034】
図7に記載した例2の場合、円貨差額「9,862」は、区分マスタ106a2に格納されている金額幅「1,000」を超えているため、照合部102aは「警告」を意味する分析区分「1」に応じて「警告」という比較結果を記録として残す(例えばイベントビューア等を利用して記録を残す)ので、関係者は任意のタイミング(例えば出社時など)に所定のモニタリング画面(例えばイベントビューアで提供されるものなど)で結果を確認することができる。そして、例えば警告内容内に異常発生懸念が無いかを関係部門で追跡調査することができる。
【0035】
図7に記載した例4の場合、円貨差額「9,862」は、区分マスタ106a4に格納されている金額幅「1,000」を超えているため、照合部102aは「エラー」を意味する分析区分「2」に応じて「エラー」という比較結果を記録として残し(例えばイベントビューア等を利用して記録を残し)、さらに照合部102aはエラー発生を例えばメール等で関係者に即時通知するので、関係者は結果を即時に知ることができる。そして、例えばデータ連携処理に異常が無いかを関係部門で確認し、もし異常が有った場合はシステム部門にて必要な対処を実施することができる。
【0036】
以上の処理の結果、市場系システムで管理されている管理残高と、会計システムで管理されている仕訳を基に作成された勘定科目残高とを勘定科目単位で比較し、その絶対値が所定の閾値金額を超えていた場合にリコンサイル業務の関係者間での情報共有に繋がる所定の処理を実行するので、リコンサイル業務の正確性向上・効率化およびリコンサイル業務における情報共有化の実現を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、帳簿残高が適切な状態かを異常・警告等のタイプを分けて自動判定できる。また、本実施形態によれば、例えば金融機関等における上流の市場系システムと会計システムとの仕訳のデータ連携する仕組みで仕訳自体に過不足がないか、懸念データがないかをチェックすることができる。また、本実施形態によれば、暗黙知となりやすく、また業務知識が必要となる会計残高のチェックポイントを、組織で共有できる形式知にできる。
【0038】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0041】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0042】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0043】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0044】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0045】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0046】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0047】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0048】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0049】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0050】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0051】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、SOX監査として、システム連携時のデータの整合性確認の業務フローへの組み込みが必要となる上場企業・金融業などといった様々な業種・業界、特に金融機関において有用である。
【符号の説明】
【0053】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 照合部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 区分マスタ
106b 管理残高データテーブル
106c 勘定科目残高データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7