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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】センサ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5755 20120101AFI20240221BHJP
   G01C 19/5726 20120101ALI20240221BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
G01C19/5755
G01C19/5726
H01L29/84 A
H01L29/84 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021067538
(22)【出願日】2021-04-13
(65)【公開番号】P2022162641
(43)【公開日】2022-10-25
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 史登
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 泰
(72)【発明者】
【氏名】丸藤 竜之介
(72)【発明者】
【氏名】平賀 広貴
(72)【発明者】
【氏名】増西 桂
(72)【発明者】
【氏名】加治 志織
(72)【発明者】
【氏名】小野 大騎
(72)【発明者】
【氏名】小川 悦治
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-187018(JP,A)
【文献】特開2014-178195(JP,A)
【文献】特開2019-45405(JP,A)
【文献】特開2008-32452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00-19/72
G01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基体領域及び第2基体領域を含む第1面を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1構造体と、
前記第2基体領域に設けられた第2構造体と、
制御装置と、
を備え、
前記第1構造体は、振動可能な第1可動部材を含み、前記第1可動部材の前記振動は、前記第1面に沿う第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差し前記第1面に沿う第2方向に沿う第2成分と、を含み、
前記第2構造体は、振動可能な第2可動部材を含み、
前記制御装置は、処理動作を実施可能な制御部を含み、
前記処理動作は、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記第1可動部材の第1回転角度を、前記第2可動部材の共振周波数に基づいて補正した第2回転角度を出力することを含む、センサ。
【請求項2】
第1筐体をさらに備え、
前記第1構造体及び前記第2構造体は、前記第1筐体のなかに設けられた、請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
第1面を含む第1基体領域に設けられた第1構造体と、
第2基体領域に設けられた第2構造体と、
第1筐体と、
制御装置と、
を備え、
前記第1構造体及び前記第2構造体は、前記第1筐体のなかに設けられ、
前記第1構造体は、振動可能な第1可動部材を含み、前記第1可動部材の前記振動は、前記第1面に沿う第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差し前記第1面に沿う第2方向に沿う第2成分と、を含み、
前記第2構造体は、振動可能な第2可動部材を含み、
前記制御装置は、処理動作を実施可能な制御部を含み、
前記処理動作は、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記第1可動部材の第1回転角度を、前記第2可動部材の共振周波数に基づいて補正した第2回転角度を出力することを含む、センサ。
【請求項4】
前記第1構造体は、
前記第1基体領域に固定された第1固定部と、
前記第1固定部に支持され前記第1可動部材と接続された第1接続部と、
を含み、
前記第2構造体は、前記第2基体領域に固定された第2固定部を含み、
前記第2固定部は、前記第2可動部材を支持し、
前記第2可動部材は、前記第1接続部に含まれる材料と同じ材料を含む、請求項1~3のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項5】
前記第2構造体は、
前記第2基体領域に固定された第2固定部と、
第2対向電極部材と、
を含み、
前記第2固定部は、前記第2可動部材を支持し、
前記第2対向電極部材は、前記第2可動部材と対向する、請求項1~4のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項6】
前記第2可動部材は、第1可動梁及び第2可動梁を含み、
前記第2可動部材の前記共振周波数は、前記第1可動梁の共振周波数と、前記第2可動梁の共振周波数と、の和を含む、請求項4または5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記第1構造体は、
前記第1可動部材と対向する第1対向電極部材と、
前記第1対向電極部材と電気的に接続された抵抗部材と、
を含み、
前記制御部は、第1動作を実施可能であり、
前記第1動作は、
前記第1成分及び前記第2成分を取得する第1取得動作と、
前記取得した前記第1成分の第1時定数と、前記取得した前記第2成分の第2時定数と、の第1差の第1絶対値、及び、前記取得した前記第1成分の第1共振周波数と、前記取得した前記第2成分の第2共振周波数と、の第2差の第2絶対値の少なくともいずれかが小さくなるように、前記抵抗部材の抵抗、及び、前記抵抗部材に印加される電圧の少なくともいずれかの値を変更する第1変更動作と、
を含む、請求項1記載のセンサ。
【請求項8】
前記第1対向電極部材は、
前記第1可動部材と対向する第1対向電極と、
前記第1可動部材と対向する第2対向電極と、
を含み、
前記第1可動部材から前記第2対向電極への方向は、前記第1可動部材から前記第1対向電極への方向と交差し、
前記抵抗部材は、
第1端部及び第1他端部を含む第1抵抗であって、前記第1他端部は前記第1対向電極と電気的に接続された、前記第1抵抗と、
第2端部及び第2他端部を含む第2抵抗であって、前記第2他端部は前記第2対向電極と電気的に接続された、前記第2抵抗と、
を含み、
前記制御部は、前記第1変更動作において、前記第1絶対値が小さくなるように、前記第1抵抗の抵抗値、前記第2抵抗の抵抗値、前記第1端部の第1電圧、及び、前記第2端部の第2電圧の少なくともいずれかの値を変更する、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記第1対向電極部材は、
前記第1可動部材と対向する第1対向導電部と、
前記第1可動部材と対向する第2対向導電部と、
を含み、
前記第1可動部材から前記第2対向導電部への方向は、前記第1可動部材から前記第1対向導電部への方向と交差し、
前記制御部は、前記第1変更動作において、前記第2絶対値が小さくなるように、前記第1対向導電部の第1対向導電部電圧、及び、前記第2対向導電部の第2対向導電部電圧の少なくともいずれかを変更する、請求項に記載のセンサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載のセンサと、
前記センサから得られる信号に基づいて回路を制御可能な回路制御部と、
を備えた電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロセンサなどのセンサがある。センサ及び電子装置において、検出精度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-187018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、精度を向上できるセンサ及び電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、センサは、第1基体領域及び第2基体領域を含む第1面を含む基体と、前記第1基体領域に設けられた第1構造体と、前記第2基体領域に設けられた第2構造体と、制御装置と、を含む。第1構造体は、振動可能な第1可動部材を含む。前記第1可動部材の前記振動は、第1面に沿う第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差し前記第1面に沿う第2方向に沿う第2成分と、を含む。前記第2構造体は、振動可能な第2可動部材を含む。前記制御装置は、処理動作を実施可能な制御部を含む。前記処理動作は、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記第1可動部材の第1回転角度を、前記第2可動部材の共振周波数に基づいて補正した第2回転角度を出力することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図2図2(a)~図2(d)は、第1実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図4図4(a)~図4(c)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図7図7(a)~図7(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図9図9(a)及び図9(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図11図11は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図12図12は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図13図13は、第2実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図14図14(a)~図14(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1(a)は、図1(b)のA1-A2線断面図である。図1(b)は、平面図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、実施形態に係るセンサ110は、基体60と、第1構造体60Aと、第2構造体60Bと、制御装置70と、を含む。
【0009】
センサ110は、第1筐体65をさらに含んでも良い。例えば、第1筐体65は、第1~第4部材65a~65dを含む。第1部材65aと第2部材65bとの間に、基体60、第1構造体60A及び第2構造体60Bが設けられる。第3部材65cと第4部材65dとの間に、基体60、第1構造体60A及び第2構造体60Bが設けられる。第1筐体65の内部が1気圧未満に減圧されて良い。制御装置70は、第1筐体65の内側または外側に設けられて良い。第2~第4部材65b~65dは、互いに連続して良い。第1部材65aは、例えば蓋である。図1(b)においては、第1筐体65は省略されている。
【0010】
基体60は、第1面60fを含む。第1面60fは、第1基体領域61及び第2基体領域62を含む。第1面60fは、例えば、上面である。
【0011】
この例では、基体60は、基板60a及び絶縁膜60bを含む。基板60aは、例えば、半導体基板で良い。基板60aは、例えば、シリコン基板で良い。絶縁膜60bは、例えば、酸化シリコンを含む。基板60aの上に絶縁膜60bが設けられる。例えば、絶縁膜60bの上面が、第1面60fに対応する。
【0012】
第1構造体60Aは、第1基体領域61に設けられる。第2構造体60Bは、第2基体領域62に設けられる。第1構造体60Aは、例えば、センサ素子である。第1構造体60Aは、例えば、「ジャイロ素子」である。第1構造体60Aは、例えば、RIG(Rate Integrating Gyroscope)である。
【0013】
第1構造体60Aは、第1可動部材10を含む。第1可動部材10は、振動可能である。第1可動部材10の振動は、第1成分及び第2成分を含む。第1成分は、第1方向D1に沿う成分である。第2成分は、第2方向D2に沿う成分である。第1方向D1は、第1面60fに沿う。第2方向D2は、第1方向D1と交差し、第1面60fに沿う。
【0014】
第1面60fをX-Y平面とする。X-Y平面内の1つの方向をX軸方向とする。X-Y平面に沿い、X軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。第1方向D1は、例えば、X軸方向である。第2方向D2は、例えば、Y軸方向である。
【0015】
第2構造体60Bは、第2可動部材50を含む。第2可動部材50は、振動可能である。第2可動部材50は、共振周波数fb1(図1(b)参照)を有する。
【0016】
制御装置70は、制御部74を含む。制御部74は、以下の処理動作を実施可能である。処理動作は、第1成分及び第2成分に基づいて得られた第1可動部材10の第1回転角度θv1を、第2可動部材50の共振周波数fb1に基づいて補正した第2回転角度θv2を出力することを含む。
【0017】
例えば、制御部74は、第1可動部材10の振動の第1成分の振幅及び第2成分の振幅を検出する。これらの振幅の比が、第1回転角度θv1に対応する。制御部74は、第1可動部材10の回転角度を導出する部分(例えば、回転角度導出部75c)を含む。回転角度導出部75cから、導出された第1回転角度θv1に関するデータが出力される。
【0018】
制御部74は、第2可動部材50の共振周波数fb1を検出する部分(例えば、共振周波数検出部75d)を含む。制御部74は、例えば、角度補正演算部75eを含む。共振周波数検出部75dは、共振周波数fb1を角度補正演算部75eに供給する。角度補正演算部75eは、検出された共振周波数fb1に基づいて、第1回転角度θv1を補正する。角度補正演算部75eは、補正により得られた第2回転角度θv2に対応する信号SOを出力可能である。
【0019】
例えば、第1可動部材10の振動の特性に基づいて、第1可動部材10の回転角度(第1回転角度θv1)が得られる。第1可動部材10の振動の特性が温度により変化する場合がある。実施形態においては、第2可動部材50の共振周波数fb1に基づいて第1可動部材10の回転角度(第1回転角度θv1)を補正する。これにより、より高い精度で、回転角度を検出することができる。実施形態によれば、精度を向上できるセンサが提供できる。
【0020】
制御部74は、コンピュータを含む。制御部74は、電子回路を含む。制御部74は、例えば、プロセッサを含む。制御部74に含まれる回転角度導出部75c、共振周波数検出部75d及び角度補正演算部75eは、例えばプロセッサの一部で良い。回転角度導出部75c、共振周波数検出部75d及び角度補正演算部75eは、プロセッサにおける機能ブロック要素で良い。回転角度導出部75c、共振周波数検出部75d及び角度補正演算部75eのそれぞれにおける処理は、1または複数のプロセッサで実施されて良い。
【0021】
実施形態において、第2基体領域62は、第1基体領域61と連続して良い。1つの基体60に、第1構造体60A及び第2構造体60Bが設けられることで、これらの構造体の温度が実質的に同じになり易い。これらの構造体の温度特性が同じであることで、より高い精度の温度補正が実施できる。より高い精度が得られる。
【0022】
実施形態において、例えば、基体60、第1構造体60A及び第2構造体60Bが、第1筐体65のなかに設けられる。これにより、第1構造体60Aの温度は、第2構造体60Bの温度と実質的に同じになり易い。高い精度の温度補正が可能になる。第1筐体65の内部が減圧されることで、例えば、外部の温度の変化の影響が抑制できる。より高い精度が得られる。
【0023】
図1(a)及び図1(b)に示すように、第1構造体60Aは、第1固定部10Fと、第1接続部10Sと、を含む。第1固定部10Fは、第1基体領域61に固定される。第1接続部10Sは、第1固定部10Fに支持される。第1接続部10Sは、第1可動部材10と接続される。この例では、X-Y平面において、第1可動部材10は、第1固定部10Fの周りに設けられる。第1可動部材10は、環状である。複数の第1接続部10Sにより、第1可動部材10が支持される。第1可動部材10と基体60との間に間隙g1が設けられる。第1接続部10Sは、例えば、折れ曲がり形状を有する。第1接続部10Sは、例えば、ミアンダ形状を有しても良い。第1接続部10Sは、例えば、ばね構造体である。第1接続部10Sは、変形可能である。
【0024】
第2構造体60Bは、第2固定部50Fを含む。第2固定部50Fは、第2基体領域62に固定される。第2固定部50Fは、第2可動部材50を支持する。第2可動部材50と第2基体領域62との間に間隙g2が設けられる。
【0025】
実施形態において、例えば、第2可動部材50は、第1接続部10Sに含まれる材料と同じ材料を含むことが好ましい。これにより、第2可動部材50及び第1接続部10Sの温度特性が、互いに実質的に同じになる。例えば、第2可動部材50及び第1接続部10Sは、シリコンを含む。例えば、第2可動部材50及び第1接続部10Sは、シリコンに加えて、不純物(例えば、ホウ素、リン及びヒ素よりなる群から選択された少なくとも1つ)を含んでも良い。第1接続部10Sの材料は、第1可動部材10の材料と実質的に同じで良い。
【0026】
実施形態において、例えば、第2可動部材50の弾性係数の温度に対する変化率は、第1接続部10Sの弾性係数の温度に対する変化率と実質的に同じであることが好ましい。例えば、第2可動部材50の弾性係数の温度に対する変化率は、第1接続部10Sの弾性係数の温度に対する変化率の0.99倍以上1.01倍以下である。弾性係数は、例えば、ヤング率(例えば縦弾性係数)で良い。
【0027】
第1可動部材10及び第1接続部10Sは、例えば、導電性である。第2可動部材50は、導電性で良い。
【0028】
図1(b)に示すように、この例では、複数の第2固定部50Fが設けられる。複数の第2固定部50Fの間に、第2可動部材50が設けられる。例えば、第2構造体60Bは、第2対向電極部材50Mを含む。この例では、複数の第2対向電極部材50Mが設けられる。これらの複数の第2対向電極部材50Mにより第2可動部材50の振動が制御されて良い。第2対向電極部材50Mに印加される電圧により、第2可動部材50の振動が制御されて良い。
【0029】
この例では、第2対向電極部材50Mは、電極51E及び電極52Eを含む。電極51Eと電極52Eとの間に、第2可動部材50の少なくとも一部が設けられる。この例では、電極52Eから電極51Eへの方向は、Y軸方向に沿う。第2可動部材50は、X軸方向に沿う。例えば、電極51Eと第2可動部材50との間に印加される電圧(例えば交流成分を含む電圧)により、第2可動部材50が振動する。この電圧は、制御装置70から供給されて良い。例えば、電極52Eと第2可動部材50との間に生じる電気信号が電極52Eにより検出される。この電気信号により、第2可動部材50の共振周波数fb1が検出されて良い。
【0030】
このように、第2構造体60Bは、複数の第2対向電極部材50Mを含んで良い。複数の第2対向電極部材50Mは、例えば、電極51E及び電極52Eなどに対応する。第2可動部材50の少なくとも一部は、複数の第2対向電極部材50Mの間にある。この例では、複数の第2固定部50Fが設けられる。複数の第2固定部50Fの1つから複数の第2固定部50Fの別の1つへの方向は、複数の第2対向電極部材50Mの1つ(例えば電極51E)から複数の第2対向電極部材50Mの別の1つ(例えば電極52E)への方向と交差する。電極51Eから電極52Eへの方向、及び、第2可動部材50の延びる方向は、任意である。
【0031】
第1面60fと交差する第3方向(例えばZ軸方向)を軸として、基体60が回転する場合がある。このような基体60の回転に対して、第2可動部材50の共振周波数fb1は変化しない。または、第3方向を軸とする基体60の回転に対する第2可動部材50の共振周波数fb1の変化率は、第3方向に沿う基体60の変位に対する第2可動部材50の共振周波数fb1の変化率以下である。このような特性を有する第2可動部材50の共振周波数fb1を用いて第1回転角度θv1を補正することで、より高い精度の検出が可能になる。
【0032】
図1(a)及び図1(b)に示すように、例えば、第1構造体60Aは、第1対向電極部材20Mを含む。この例では、複数の第1対向電極部材20Mが設けられる。これらの複数の第1対向電極部材20Mにより第1可動部材10の振動が制御されて良い。第1対向電極部材20Mに印加される電圧(例えば交流成分を含む電圧)により、第1可動部材10の振動が制御されて良い。電圧は、例えば、第1対向電極部材20Mと、第1可動部材10と、の間に印加される。
【0033】
図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。
図2(a)の横軸は、第1構造体60Aの温度Tmp1である。温度Tmp1は、第1可動部材10及び第1接続部10Sの温度に対応する。図2(a)の縦軸は、第1可動部材10に関して得られる第1回転角度θv1である。図2(a)に示すように、温度Tmp1が変化すると、第1回転角度θv1が変化する。
【0034】
図2(b)の横軸は、第1構造体60Aの温度Tmp1である。図2(b)の縦軸は、第1可動部材10の共振周波数fa1である。図2(b)に示すように、温度Tmp1が変化すると、共振周波数fa1が変化する。これは、温度Tmp1の変化に応じて、第1接続部10Sの特性(例えば弾性率)が変化することに起因すると考えられる。
【0035】
図2(c)の横軸は、第1構造体60Aの共振周波数fa1である。図2(c)の縦軸は、第1回転角度θv1である。図2(c)に示すように、共振周波数fa1が変化すると、第1回転角度θv1が変化する。これは、温度Tmp1の変化により、第1接続部10Sの特性(例えば弾性率)が変化し、これにより、第1可動部材10の振動特性が変化することに起因すると考えられる。
【0036】
図2(d)の横軸は、第2構造体60Bの温度Tmp2である。温度Tmp2は、第2可動部材50の温度に対応する。図2(d)の縦軸は、第2可動部材50の共振周波数fb1である。図2(d)に示すように、温度Tmp2が変化すると、共振周波数fb1が変化する。これは、温度Tmp2の変化に応じて、第2可動部材50の特性(例えば弾性率)が変化することに起因すると考えられる。
【0037】
実施形態においては、共振周波数fb1に基づいて第1回転角度θv1が補正される。これにより、より高い精度の回転角度が得られる。第1回転角度θv1の温度変化に起因するシフトが、第2可動部材50の共振周波数fb1を用いて補正される。例えば、温度が時間的に変化する場合などがある。このような場合においても高い精度の回転角度が安定して得られる。
【0038】
実施形態において、第2構造体60Bの温度と、第1構造体60Aの温度と、の差の絶対値の、第1構造体60Aの温度に対する比は0.05以下である。両者の温度が実質的に同じであることで、より高い精度の補正が可能になる。
【0039】
後述するように、第1可動部材10の回転角度(第1回転角度θv1)を取得する際に、第1可動部材10の振動の時定数または共振周波数に基づいて振動が制御されても良い。これにより、より高い精度で第1回転角度θv1が得られる。
【0040】
以下、第1構造体60Aの例について説明する。
図3は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図3に示すように、例えば、第1構造体60Aは、第1対向電極部材20M及び抵抗部材20Rを含む。第1対向電極部材20Mは、第1可動部材10と対向する。第1対向電極部材20Mとして、例えば、第1対向電極21E及び第2対向電極22Eが設けられる。抵抗部材20Rは、第1対向電極部材20Mと電気的に接続される。この例では、抵抗部材20Rとして、第1抵抗R1及び第2抵抗R2が設けられる。
【0041】
制御部74は、以下の第1動作を実施可能である。第1動作は、例えば、第1取得動作と、第1変更動作と、を含む。第1取得動作において、制御部74は、第1可動部材10の振動の第1成分及び第2成分を取得する。例えば、振動の第1成分の振幅と、振動の第2成分の振幅と、が取得される。
【0042】
第1変更動作において、制御部74は、取得した第1成分の第1時定数T1と、取得した第2成分の第2時定数T2と、の差(第1差ΔT)の第1絶対値、及び、取得した第1成分の第1共振周波数fr1と、取得した第2成分の第2共振周波数fr2と、の差(第2差ΔF)の第2絶対値の少なくともいずれかが小さくなるように、抵抗部材20Rの抵抗、及び、抵抗部材20Rに印加される電圧の少なくともいずれかの値を変更する。抵抗部材20Rの抵抗は、第1抵抗R1の抵抗、及び、第2抵抗R2の抵抗の少なくともいずれかを含む。電圧は、第1抵抗R1の端部に印加される電圧、及び、第2抵抗R2の端部に印加される電圧の少なくともいずれかを含む。
【0043】
第1方向D1に沿う第1成分と、第2方向D2に沿う第2成分と、において、時定数及び共振周波数の差が小さく制御されることで、より高い精度で第1可動部材10の第1回転角度θv1が検出できる。
【0044】
以下、第1変更動作の例について説明する。
図3に示すように、第1可動部材10は、複数の電極10Eを含む。複数の電極10Eの1つが、第1電極11Eに対応する。複数の電極10Eの別の1つが、第2電極12Eに対応する。
【0045】
第1構造体60Aは、複数の対向電極20Eを含む。複数の対向電極20Eは、第1対向電極部材20Mに含まれる。複数の対向電極20Eの1つが、第1対向電極21Eに対応する。複数の対向電極20Eの別の1つが、第2対向電極22Eに対応する。
【0046】
図3に示すように、第1構造体60Aにおいて、第1接続部10Sにより第1可動部材10が支持される。第1接続部10Sが変形可能であるため、第1可動部材10の位置は、変化可能である。第1可動部材10の位置の変化は、例えば、X-Y平面内での位置の変化を含む。位置の変化が、第1可動部材10の振動に対応する。振動は、X-Y平面内での位置の変化を含む。第1構造体60Aは、例えば、MEMS(micro electro mechanical systems)素子である。
【0047】
第1固定部10Fは、第1可動部材10のX-Y平面における中心部に設けられる。第1電極11Eから第1固定部10Fへの方向は、第2電極12Eから第1固定部10Fへの方向と交差する。第1電極11Eから、第1可動部材10のX-Y平面における中心部への方向は、第2電極12Eから、第1可動部材10のX-Y平面における中心部への方向と交差する。
【0048】
第1対向電極21Eは、第1電極11Eと対向する。第2対向電極22Eは、第2電極12Eと対向する。複数の対向電極20Eの1つは、複数の電極10Eの1つと対向する。対向の方向は、X-Y平面に沿う成分を含む。
【0049】
この例では、複数の対向電極20Eの1つ、及び、複数の電極10Eの1つを含むグループは、櫛歯電極状である。
【0050】
第1抵抗R1は、第1端部ep1及び第1他端部cp1を含む。第1他端部cp1は、第1対向電極21Eと電気的に接続される。例えば、第1端部ep1は、制御装置70と電気的に接続される。この例では、配線Lr1により、第1他端部cp1は、第1対向電極21Eと電気的に接続される。
【0051】
この例では、第1加算器SU1が設けられている。第1加算器SU1の複数の入力の1つに、配線Lc1の一端が接続される。配線Lc1の他端は、制御装置70に接続される。第1加算器SU1の複数の入力の別の1つに、後述する第1交流電圧Vac1(交流信号)が供給される。第1加算器SU1及び配線Lc1を介して、第1端部ep1は、制御装置70と電気的に接続される。
【0052】
第2抵抗R2は、第2端部ep2及び第2他端部cp2を含む。第2他端部cp2は、第2対向電極22Eと電気的に接続される。例えば、第2端部ep2は、制御装置70と電気的に接続される。この例では、配線Lr2により、第2他端部cp2は、第2対向電極22Eと電気的に接続される。
【0053】
この例では、第2加算器SU2が設けられている。第2加算器SU2の複数の入力の1つに、配線Lc2の一端が接続される。配線Lc2の他端は、制御装置70に接続される。第2加算器SU2の複数の入力の別の1つに、後述する第2交流電圧Vac2(交流信号)が供給される。第2加算器SU2及び配線Lc2を介して、第2端部ep2は、制御装置70と電気的に接続される。
【0054】
第1抵抗R1及び第2抵抗R2の少なくとも1つは、可変抵抗である。この例では、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の両方が可変抵抗である。第1抵抗R1に供給される制御信号SR1に応じて、第1抵抗R1の抵抗は、変化する。第2抵抗R2に供給される制御信号SR2に応じて、第2抵抗R2の抵抗は、変化する。
【0055】
第1抵抗R1及び第2抵抗R2として、例えば、集積回路が用いられても良い。第1抵抗R1及び第2抵抗R2は、例えば、第1固定部10Fが固定される基体60に形成されても良い。
【0056】
制御装置70は、制御部74を含む。制御部74は、例えば、演算部75及びドライバ部76を含む。例えば、演算部75における演算結果がドライバ部76に供給される。ドライバ部76は、演算結果に基づいて、各種の電圧などを出力する。各種の電圧は、電気信号を含む。
【0057】
この例では、ドライバ部76は、制御信号出力部DR1、制御信号出力部DR2、電圧出力部Ddc1及び、電圧出力部Ddc2を含む。制御部74(例えば、制御信号出力部DR1)は、第1抵抗R1に制御信号SR1を供給する。制御部74(例えば、制御信号出力部DR2)は、第2抵抗R2に制御信号SR2を供給する。制御部74(例えば、電圧出力部Ddc1)は、第1抵抗R1の第1端部ep1の第1電圧Vdc1を制御する。制御部74(例えば、電圧出力部Ddc2)は、第2抵抗R2の第2端部ep2の第2電圧Vdc2を制御する。第1電圧Vdc1及び第2電圧Vdc2は、直流成分を含む。
【0058】
例えば、第1電極11E及び第1対向電極21Eにより、容量素子が形成される。容量素子に第1抵抗R1が直列に接続される。第1電極11E、第1対向電極21E及び第1抵抗R1により、例えば、第1可変電気ダンパが形成される。例えば、第1電圧Vdc1により、第1電極11E及び第1対向電極21Eによる容量素子のキャパシタンスが変化しても良い。第1電極11E、第1対向電極21E、第1抵抗R1及び第1電圧Vdc1により、例えば、第1可変電気ダンパが形成される。
【0059】
例えば、第2電極12E及び第2対向電極22Eにより、容量素子が形成される。容量素子に第2抵抗R2が直列に接続される。第2電極12E、第2対向電極22E及び第2抵抗R2により、例えば、第2可変電気ダンパが形成される。例えば、第2電圧Vdc2により、第2電極12E及び第2対向電極22Eによる容量素子のキャパシタンスが変化しても良い。第2電極12E、第2対向電極22E、第2抵抗R2及び第2電圧Vdc2により、例えば、第2可変電気ダンパが形成される。
【0060】
これらの可変電気ダンパにより、第1可動部材10の振動特性を変化させることができる。
【0061】
既に説明したように、第1電極11Eから、第1可動部材10のX-Y平面における中心部への方向は、第2電極12Eから、第1可動部材10のX-Y平面における中心部への方向と交差する。例えば、第1電圧Vdc1が変化したときの第1可動部材10の変位の方向は、第2電圧Vdc2が変化したときの第1可動部材10の変位の方向と交差する。例えば、第1電圧Vdc1が変化したときに、第1可動部材10の位置は、X軸方向及びY軸方向の一方に沿って変化する。例えば、第2電圧Vdc2が変化したときに、第1可動部材10の位置は、X軸方向及びY軸方向の他方に沿って変化する。
【0062】
上記のような第1可変電気ダンパ及び第2可変電気ダンパにより、振動のX軸方向の成分の時定数、及び、振動のY軸方向の成分の時定数を制御できる。時定数が制御されることで、精度を向上できるセンサを提供できる。時定数の制御の例については、後述する。
【0063】
既に説明したように、この例では、第1加算器SU1に第1交流電圧Vac1が入力され、第2加算器SU2に第2交流電圧Vac2が入力される。例えば制御部74のドライバ部76に、交流電圧出力部Dac1及び交流電圧出力部Dac2が設けられる。
【0064】
交流電圧出力部Dac1から第1交流電圧Vac1が出力される。第1交流電圧Vac1は、第1加算器SU1を介して、第1抵抗R1の第1端部ep1に印加される。第1交流電圧Vac1は、第1抵抗R1を介して、第1対向電極21Eに印加される。第1対向電極21Eと第1電極11Eとの間に、第1交流電圧Vac1の交流成分が印加される。これにより、第1可動部材10は、第1交流電圧Vac1に応じて、例えば、1つの方向に沿って振動する。この振動の方向は、例えば、第1方向D1の成分を含む。
【0065】
交流電圧出力部Dac2から第2交流電圧Vac2が出力される。第2交流電圧Vac2は、第2加算器SU2を介して、第2抵抗R2の第2端部ep2に印加される。第2交流電圧Vac2は、第2抵抗R2を介して、第2対向電極22Eに印加される。第2対向電極22Eと第2電極12Eとの間に、第2交流電圧Vac2の交流成分が印加される。これにより、第1可動部材10は、第2交流電圧Vac2に応じて、例えば、別の1つの方向に沿って振動する。この振動の方向は、例えば、第2方向D2の成分を含む。
【0066】
このように、制御部74は、第1電極11Eと第1対向電極21Eとの間に第1交流電圧Vac1を印加し、第2電極12Eと第2対向電極22Eとの間に第2交流電圧Vac2を印加して、第1可動部材10を振動させる。第1可動部材10の振動の方向は、第1方向D1の成分、及び、第2方向D2の成分を含む。
【0067】
振動している第1可動部材10が外力などにより回転すると、振動状態が変化する。振動状態の変化を検出することで、回転角度θを検出することができる。例えば、制御部74は、第1可動部材10を軸方向に沿って振動させることが可能である。例えば、制御部74は、その軸方向を回転させることが可能である。
【0068】
図3に示すように、この例では、第1可動部材10は、第1検出用電極11sE及び第2検出用電極12sEを含む。例えば、第1電極11Eから第1検出用電極11sEへの方向(この例では、X軸方向)は、第2電極12Eから第2検出用電極12sEへの方向(この例では、Y軸方向)と交差する。
【0069】
一方、第1構造体60A(センサ素子)は、第1検出用対向電極21sE及び第2検出用対向電極22sEを含む。第1検出用対向電極21sEは、第1検出用電極11sEと対向する。第2検出用対向電極22sEは、第2検出用電極12sEと対向する。第1検出用対向電極21sE及び第1検出用電極11sEは、例えば、櫛歯電極状である。第2検出用対向電極22sE及び第2検出用電極12sEは、例えば、櫛歯電極状である。
【0070】
制御装置70は、第1検出部71及び第2検出部72を含む。第1検出部71は、第1検出用対向電極21sEと電気的に接続される。第2検出部72は、第2検出用対向電極22sEと電気的に接続される。第1検出部71及び第2検出部72は、検出部70sに含まれる。例えば、差動回路などを用いることで、1つの検出部により、第1検出部71及び第2検出部72における動作が行われても良い。以下では、説明を簡単にするために、2つの検出部が設けられる例について説明する。
【0071】
第1検出部71は、例えば、第1検出用対向電極21sEに第1検出電圧Vs1を印加する。第1検出用対向電極21sEと第1検出用電極11sEとの間の容量結合により、第1方向D1に沿う振動の振幅に応じた信号が検出される。第2検出部72は、例えば、第2検出用対向電極22sEに第2検出電圧Vs2を印加する。第2検出用対向電極22sEと第2検出用電極12sEとの間の容量結合により、第2方向D2に沿う振動の振幅に応じた信号が検出される。
【0072】
第1検出部71は、第1振幅を検出する。第1振幅は、第1可動部材10の振動の、第1方向D1に沿う第1成分の振幅である。第2検出部72は、第2振幅を検出する。第2振幅は、第1可動部材10の振動の、第2方向D2に沿う第2成分の振幅である。
【0073】
第1検出部71及び第2検出部72で検出された振幅が、制御部74の演算部75に供給される。演算部75は、例えば、回転角度θを導出する部分(例えば、回転角度導出部75c)を含む。回転角度導出部75cにより導出された回転角度θ(第1回転角度θv1)に関するデータが、制御装置70(例えば、制御部74)から、信号として出力される。
【0074】
制御部74は、振動の第1方向D1に沿う第1成分、及び、振動の第2方向D2に沿う第2成分に基づいて、第1可動部材10の第1回転角度θv1に対応する信号を出力可能である。
【0075】
既に説明したように、振動している第1可動部材10が外力などにより回転すると、振動状態が変化する。振動状態の変化は、例えば、コリオリ力の作用によると考えられる。例えば、第1可動部材10は、バネ機構(例えば第1接続部10S)により振動する。第1方向D1に振動している第1可動部材10に、回転の角速度Ωによるコリオリ力が作用する。これにより、第1可動部材10に第2方向D2に沿う振動の成分が生じる。第2検出部72は、第2方向D2に沿う振動の振幅を検出する。一方、第2方向D2に振動している第1可動部材10に、回転の角速度Ωによるコリオリ力が作用する。これにより、第1可動部材10に第1方向D1に沿う振動の成分が生じる。第1検出部71は、第1方向D1に沿う振動の振幅を検出する。例えば、第1方向D1の第1成分の振幅を「Ax」とし、第2方向D2の第2成分の振幅を「Ay」とする。回転角度θ(第1回転角度θv1)は、例えば、tan-1(-Ay/Ax)に対応する。
【0076】
制御部74は、第1検出部71から第1成分を取得し、第2検出部72から第2成分を取得する。制御部74における演算により、第1回転角度θv1に対応する信号が得られる。
【0077】
ここで、例えば、第1可動部材10が回転しないときにおいて、第1方向D1の第1成分と、第2方向D2の第2成分と、が実質的に同じ場合に、算出される回転角度θにおいて、高い精度が得られると考えられる。しかしながら、例えば、製造工程におけるばらつきなどに起因して、2つの方向に沿う振動の振幅は必ずしも均一ではない場合がある。さらに、温度変化などに伴って、振動の振幅が不均一になる場合が生じる。このよう場合に、検出精度が低くなる場合があると考えられる。
【0078】
実施形態においては、例えば、制御装置70の制御部74は、第1動作を実施する。第1動作は、例えば、補正動作である。第1動作により、例えば、第1可動部材10の振動が、X-Y平面内で均一になり易くなる。精度を向上できるセンサを提供できる。第1動作の少なくとも一部は、例えば、制御部74の演算部75の1つの部分(時定数調整部75a)などで実施される。
【0079】
第1取得動作において、制御部74は、第1可動部材10の振動の第1方向D1に沿う第1成分(振幅)、及び、第1可動部材10の振動の第2方向D2に沿う第2成分(振幅)を取得する。
【0080】
既に説明したように、制御部74は、取得した第1成分の第1時定数T1と、取得した第2成分の第2時定数T2と、の差(第1差ΔT)の第1絶対値、及び、取得した第1成分の第1共振周波数fr1と、取得した第2成分の第2共振周波数fr2と、の差(第2差ΔF)の第2絶対値の少なくともいずれかが小さくなるように、抵抗及び電圧の少なくともいずれかの値を変更する。1つの例において、制御部74は、時定数の差(第1差ΔT)の絶対値が小さくなるように、第1抵抗R1の抵抗値、第2抵抗R2の抵抗値、第1端部ep1の第1電圧Vdc1、及び、第2端部ep2の第2電圧Vdc2の少なくともいずれかを変更する。
【0081】
第1変更動作により、時定数の差(第1差ΔT)の絶対値が小さくなる。これにより、第1可動部材10の振動のX-Y面内の不均一性が抑制される。これにより、精度を向上できるセンサが提供できる。
【0082】
例えば、第1変更動作の後に、例えば、第1差ΔTが、定められたしきい値と比較されても良い。第1差ΔTが、しきい値未満のときは、終了する。第1差ΔTが、しきい値以上のときは、第1取得動作及び第1変更動作が繰り返されて良い。制御部74は、第1動作を繰り返して実施しても良い。例えば、第1動作は、クローズドループによる常時自動的な動作で良い。
【0083】
例えば、第1可動部材10の振動の第1方向D1に関する第1成分は、第1共振周波数と、第1時定数T1(第1減衰時定数)と、を有する。第1時定数T1は、振動の強度Ap1が、減衰前の状態における強度Ap1の1/eになるまでの時間である。「e」は、自然対数の底である。
【0084】
例えば、第1可動部材10の振動の第2方向D2に関する第2成分は、第2共振周波数と、第2時定数T2(第2減衰時定数)と、を有する。第2時定数T2は、振動の強度Ap2が、減衰前の状態における強度Ap2の1/eになるまでの時間である。
【0085】
第1時定数T1は、例えば、第1抵抗R1の値、または、第1電圧Vdc1により、変更できる。第2時定数T2、例えば、第2抵抗R2の値、または、第2電圧Vdc2により、変更できる。
【0086】
実施形態においては、第1抵抗R1の抵抗値、第2抵抗R2の抵抗値、第1端部ep1の第1電圧Vdc1、及び、第2端部ep2の第2電圧Vdc2の少なくともいずれかを変更する。これにより、第1差ΔTを小さくする。これにより、第1方向D1及び第2方向D2における振動の不均一性が抑制できる。実施形態によれば、検出の精度を向上できる。
【0087】
例えば、図3に例示した時定数調整部75aに、第1検出部71により検出された第1成分と、第2検出部72により検出された第2成分と、が供給される。時定数調整部75aにおいて、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第1電圧Vdc1、及び、第2電圧Vdc2の少なくともいずれかに関して、第1差ΔTが小さくなるような値が算出される。算出結果が、ドライバ部76に供給される。算出された値に基づいて、ドライバ部76から、第1抵抗R1の制御信号SR1、第2抵抗R2の制御信号SR2、第1電圧Vdc1、及び、第2電圧Vdc2が出力される。制御信号SR1、制御信号SR2、第1電圧Vdc1、及び、第2電圧Vdc2の少なくともいずれかは、第1差ΔTが小さくなるように算出された値に基づいて、変更されている。
【0088】
一方、第1成分は、第1共振周波数fr1を有し、第2成分は、第2共振周波数fr2を有する。第1共振周波数fr1と第2共振周波数fr2とは、必ずしも同じではない場合がある。第1共振周波数fr1と第2共振周波数fr2との差ΔFは、必ずしも0ではない。これらの共振周波数は、第1構造体60A(センサ素子)の製造ばらつきなどの影響を受ける。さらに、これらの共振周波数は、温度によっても変化する。
【0089】
実施形態において、第1共振周波数fr1と第2共振周波数fr2との差(第2差ΔF)が小さくなるような動作(例えば第2動作)が実施されても良い。第2動作の少なくとも一部は、例えば、制御部74の演算部75の1つの部分(共振周波数調整部75b、図3参照)などで実施される。以下、共振周波数の差を小さくする動作の例について説明する。
【0090】
例えば、図3に示すように、第1構造体60Aにおいて、第1対向電極部材20Mは、第1対向導電部21C及び第2対向導電部22Cをさらに含んでも良い。第1対向導電部21Cは、第1可動部材10と対向する。第2対向導電部22Cは、第1可動部材10と対向する。第1可動部材10から第2対向導電部22Cへの方向は、第1可動部材10から第1対向導電部21Cへの方向と交差する。
【0091】
図3に示すように、第1可動部材10は、第1導電部11C及び第2導電部12Cをさらに含んでも良い。第1対向導電部21Cは、第1導電部11Cと対向する。第2対向導電部22Cは、第2導電部12Cと対向する。この例では、第1対向導電部21C及び第1導電部11Cのグループは、平行平板電極ペアに対応する。第2対向導電部22C及び第2導電部12Cのグループは、平行平板電極ペアに対応する。
【0092】
例えば、ドライバ部76は、電圧出力部Dp1及び電圧出力部Dp2を含む。電圧出力部Dp1は、例えば、配線Lp1により、第1対向導電部21Cと接続される。電圧出力部Dp2は、例えば、配線Lp2により、第2対向導電部22Cと接続される。電圧出力部Dp1により、第1対向導電部21Cに第1対向導電部電圧Vp1が印加される。電圧出力部Dp2により、第2対向導電部22Cに第2対向導電部電圧Vp2が印加される。
【0093】
第1対向導電部電圧Vp1及び第2対向導電部電圧Vp2により、第1可動部材10の振動の共振周波数を制御できる。第1導電部11C、第1対向導電部21C及び第1対向導電部電圧Vp1により、例えば、第1可変電気ばねが形成される。第2導電部12C、第2対向導電部22C及び第2対向導電部電圧Vp2により、例えば、第2可変電気ばねが形成される。これらの可変電気ばねの方向は、互いに交差している。
【0094】
例えば、第1対向導電部電圧Vp1が変化したときの第1可動部材10の変位の方向は、第2対向導電部電圧Vp2が変化したときの第1可動部材10の変位の方向と交差する。複数の方向の変位に対応する複数の可変電気ばねにより、任意の方向における共振周波数を制御できる。
【0095】
既に説明したように、取得した第1成分は、第1共振周波数fr1を有し、取得した第2成分は、第2共振周波数fr2を有する。制御部74は、振動の振幅の第1方向D1に沿う第1成分、及び、振動の振幅の第2方向D2に沿う第2成分を取得する。制御部74は、取得した第1成分の第1共振周波数fr1と、取得した第2成分の第2共振周波数fr2と、の差(第2差ΔF)の絶対値(第2絶対値)が小さくなるように、第1対向導電部21Cの第1対向導電部電圧Vp1、及び、第2対向導電部22Cの第2対向導電部電圧Vp2の少なくともいずれかを変更する。
【0096】
これにより、共振周波数の面内方向の差(第2差ΔF)を小さくできる。精度をさらに向上できる。
【0097】
例えば、第2差ΔFが、定められたしきい値と比較されても良い。第2差ΔFが、しきい値未満のときは、終了する。第2差ΔFがしきい値以上のときは、上記の取得動作、及び、上記の第2差ΔFを小さくする動作に戻る。制御部74は、このような動作を繰り返して実施しても良い。例えば、第2差ΔFを小さくする動作は、クローズドループによる常時自動的な動作で良い。
【0098】
実施形態において、第1取得動作、及び、第1変更動作を含む第1動作は、繰り返して実施されて良い。例えば、第1差ΔTを小さくする制御動作と、第2差ΔFを小さくする制御動作と、が任意の順序で実施されて良い。例えば、第1差ΔTを小さくする制御動作の少なくとも一部、及び、第2差ΔFを小さくする制御動作の少なくとも一部が、同時に実施されても良い。
【0099】
実施形態において、第1回転角度θv1を第2可動部材50の共振周波数fb1に基づいて補正した第2回転角度θv2を導出する処理動作に加えて、上記の第1動作(第1差ΔTの第1絶対値、及び、第2差ΔFの第2絶対値の少なくともいずれかが小さくなるような制御)が実施されることで、より高い精度の検出が可能になる。
【0100】
例えば、第2可動部材50の振動は、第1面60fと交差する第3方向(例えばZ軸方向)の成分を含んで良い。
【0101】
例えば、第1差ΔTの第1絶対値、及び、第2差ΔFの第2絶対値の少なくともいずれかは、温度に応じて変化する。第2可動部材50の共振周波数fb1は、温度に応じて変化する。実施形態において、制御部74は、温度に応じて変化する第1絶対値及び第2絶対値の少なくともいずれかを、第2可動部材50の振動の共振周波数fb1に基づいて補正しても良い。補正したこれらの値により、補正した回転角度が導出されても良い。
【0102】
図4(a)~図4(c)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
これらの図は、第2構造体60Bを例示している。図4(a)に示すように、第2構造体60Bは、第2可動部材50、第2固定部50F及び第2対向電極部材50Mを含む。第2固定部50Fは、第2基体領域62に固定される。第2固定部50Fは、第2可動部材50を支持する。第2対向電極部材50Mは、第2可動部材50と対向する。この例では、第2固定部50Fの数は1である。
【0103】
図4(b)に示すように、第2構造体60Bは、複数の第2固定部50Fを含んでも良い。第2可動部材50の少なくとも一部は、複数の第2固定部50Fの間にある。複数の第2固定部50Fの1つから複数の第2固定部50Fの別の1つへの方向は、第2対向電極部材50Mから第2可動部材50への方向と交差する。
【0104】
図4(b)及び図4(c)に示すように、第2可動部材50は、複数の梁(梁50a及び梁50b)を含んでも良い。
【0105】
図5(a)、図5(b)、図6、及び、図7(a)~図7(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図5(a)は、平面図である。図5(b)は、図5(a)のX1-X2線断面図である。図6は、センサの一部を例示する平面図である。図7(a)は、図6のA1-A2線断面図である。図7(b)は、図6のB1-B2線断面図である。図7(c)は、図6のC1-C2線断面図である。
【0106】
図5(a)及び図5(b)に示すように、実施形態に係るセンサの第2構造体60Bの例において、第2可動部材50は、第2固定部50Fと、第1可動基部50Aと、第1可動接続部50Pと、第2可動基部50Bと、第1可動梁51と、第2可動梁52と、を含む。第2固定部50Fは、基体60に固定される。第1可動基部50Aは、第2固定部50Fに支持される。この例では、X軸方向において、第2固定部50Fと第2可動基部50Bとの間に第1可動基部50Aがある。X軸方向において、第1可動基部50Aと第2可動基部50Bとの間に第1可動接続部50Pがある。第1可動接続部50Pは、第2可動基部50Bを第1可動基部50Aと接続する。
【0107】
第1可動接続部50PのY軸方向に沿う長さは、第1可動基部50AのY軸方向に沿う長さよりも短い。第1可動接続部50PのY軸方向に沿う長さは、第2可動基部50BのY軸方向に沿う長さよりも短い。
【0108】
第1可動梁51の一部は、第1可動基部50Aの一部と接続される。第1可動梁51の他部は、第2可動基部50Bの一部と接続される。第2可動梁52の一部は、第1可動基部50Aの他部と接続される。第2可動梁52の他部は、第2可動基部50Bの他部と接続される。第1可動接続部50Pは、Y軸方向において、第1可動梁51と第2可動梁52との間にある。
【0109】
第1可動基部50A、第1可動接続部50P、第2可動基部50B、第1可動梁51及び第2可動梁52を含む構造体と、基体60と、の間に間隙g2が設けられる。
【0110】
この例では、第2可動部材50は、可動部50Xを含む。可動部50Xは、第2可動基部50Bと接続される。第2可動基部50B及び可動部50Xは、第1可動接続部50Pを中心にして、X-Y平面内で回転の変位が可能である。可動部50XのY軸方向に沿う長さは、第2可動基部50BのY軸方向に沿う長さよりも長い。可動部50Xは、可動マスである。
【0111】
例えば、第2可動部材50に加速度が加わり、可動部50Xが変位する。これにより、第1可動梁51に圧縮及び引張の一方の応力が加わる。第2可動梁52に圧縮及び引張の他方の応力が加わる。これにより、第1可動梁51の共振周波数において、上昇及び減少の一方が生じる。第2可動梁52の共振周波数において、上昇及び減少の他方が生じる。これらの共振周波数の差から、加速度を検出可能である。このような2つの可動梁が設けられることで、Z軸方向を軸とした回転の加速度を高い感度で検出できる。例えば、加速度の検出において、記憶部70M(図6参照)に記憶されたデータに基づいて補正が行われても良い。
【0112】
第1可動梁51の共振周波数と、第2可動梁52の共振周波数と、の和は、回転の影響を受けない。和は、温度依存性を有する。これらの共振周波数の和に基づいて、第1可動部材10の第1回転角度θv1を補正して第2回転角度θv2が導出できる。このような構成においても、精度を向上できる。
【0113】
図6に示すように、この例では、第2可動部材50は、可動部51a、可動部51b、可動部52a及び可動部52bを含む(図7(a)~図7(c)参照)。
【0114】
Y軸方向において、可動部51aと第1可動接続部50Pとの間に第1可動梁51がある。可動部51bは、可動部51aと第1可動梁51との間にある。可動部51bは、可動部51aを第1可動梁51と接続する。可動部51bのX軸方向に沿う長さは、可動部51aのX軸方向に沿う長さよりも短い。可動部51bのX軸方向に沿う長さは、第1可動梁51のX軸方向に沿う長さよりも短い。可動部51aは、第1可動梁51の変位に応じて変位可能である。
【0115】
Y軸方向において、可動部52aと第1可動接続部50Pとの間に第2可動梁52がある。可動部52bは、可動部52aと第2可動梁52との間にある。可動部52bは、可動部52aを第2可動梁52と接続する。可動部52bのX軸方向に沿う長さは、可動部52aのX軸方向に沿う長さよりも短い。可動部52bのX軸方向に沿う長さは、第2可動梁52のX軸方向に沿う長さよりも短い。可動部52aは、第2可動梁52の変位に応じて変位可能である。
【0116】
図6に示すように、この例では、複数の第2対向電極部材50Mとして、電極51E~54Eが設けられている。これらの電極により、第1可動梁51及び第2可動梁52を振動させることができる。これらの電極により、第1可動梁51及び第2可動梁52の共振周波数を検出することが可能である。
【0117】
図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図8(a)は、平面図である。図8(b)は、図8(a)のX1-X2線断面図である。図9(a)は、センサの一部を例示する平面図である。図9(b)は、図9(a)のY1-Y2線断面図である。
【0118】
図8(a)に示すように、実施形態に係るセンサの第2構造体60Bにおいて、第2可動部材50は、第2固定部50Fと、第1可動基部50Aと、第1可動接続部50Pと、第2可動基部50Bと、第1可動梁51と、第2可動梁52と、可動部50Xを含む。この例においては、可動部50Xは、X-Y平面内で突出する凹凸を含む。複数の第2対向電極部材50Mとして、電極51E~54Eに加えて、電極55E及び電極56Eが設けられている。可動部50Xの凹凸の一部は、電極55Eと櫛歯状電極を形成する。可動部50Xの凹凸の別の一部は、電極56Eと櫛歯状電極を形成する。可動部50Xに設けられる複数の凸部の一部は、第1可動接続部50Pを通る直線Dmr1に沿って並ぶ。可動部50Xに設けられる複数の凸部の別の一部は、第1可動接続部50Pを通る別の直線Dmr2に沿って並ぶ。直線Dmr1及び直線Dmr2は、X-Y平面に沿う。直線Dmr1及び直線Dmr2は、互いに交差する。電極55E及び電極56Eの電位が制御される。これにより、可動部50Xを第1可動接続部50Pを中心として回転させるように変位(または振動)させることができる。この例においても、加速度が検出できる。
【0119】
この例においても、第1可動梁51の共振周波数と、第2可動梁52の共振周波数と、の和に基づいて、第1可動部材10の第1回転角度θv1を補正して第2回転角度θv2が導出できる。このような構成においても、精度を向上できる。図6及び図9(a)の例において、制御装置70は、第2可動部材50の共振周波数の加速度に対する依存性と、第2可動部材50の共振周波数の温度に対する依存性と、を分離可能である。
【0120】
実施形態においては、例えば、第1方向D1、及び、第1方向と交差する第2方向D2に振動が可能な可動体(例えば第1可動部材10)と、可動体をこれらの方向に振動させるバネ機構(例えば第1接続部10S)と、が設けられる。制御部74(1つの検出部)は、第1方向D1に振動している可動体に働く回転の角速度Ωによるコリオリ力に基づく、可動体の第2方向の振動の振幅を検出することができる。制御部74(別の検出部)は、第2方向D2に振動している可動体に働く回転の角速度Ωによるコリオリ力に基づく、可動体の第1方向D1の振動の振幅を検出することができる。制御部74(回転角度取得部、または、回転角度導出部75c)は、第1方向D1の振動の振幅、及び、第2方向D2の振動の振幅に基づいて、可動体の回転角度を取得する。
【0121】
可変電気バネ及び可変電気ダンパが設けられる。可変電気バネは、例えば、振動体、それに付随する平行板電極、及び、平行板電極に印加される可変電圧により形成される。可変電気ダンパは、振動体、それに付随する櫛歯電極、櫛歯電極に接続される可変抵抗、及び、可変抵抗に印加される可変電圧により形成される。振動体と同じチップ内に配置された振動子、及び、振動子に付随する電極が設けられる。振動子の共振周波数を取得する共振周波数取得部が設けられる。
【0122】
上記の検出部で検出された振動の振幅に基づいて、第1方向D1の第1成分の共振周波数と、第2方向D2の第2成分の共振周波数の差(第2差ΔF)が検出される。制御部74は、第2差ΔFを小さくするように、可変電気バネをクローズループにより制御する。制御は、例えば、連続的に自動的に行われる。制御は、常時行われて良い。
【0123】
上記の検出部で検出された振動の振幅に基づいて、第1方向D1の第1成分の減衰時定数と、第2方向D2の第2成分の減衰時定数の差(第1差ΔT)が検出される。制御部74は、第1差ΔTを小さくするように、可変電気ダンパをクローズループにより制御する。制御は、例えば、連続的に自動的に行われる。制御は、常時行われて良い。
【0124】
例えば、制御部74は、第2差ΔF、第1差ΔT、回転角度取得部により得られる回転角度、及び、振動子から得られる共振周波数fb1に基づいて、補正された回転角を出力可能である。補正された回転角度は、可動体に加わる回転の角速度Ωに対応する回転角度である。より正確な回転角度が得られる。
【0125】
図10(a)及び図10(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図10(a)に示すように、実施形態に係るセンサ111は、複数の第2構造体60Bを含む。この例では、第1構造体60Aの少なくとも一部(例えば、第1可動部材10)は、複数の第2構造体60Bの間にある。
【0126】
図10(b)に示すように、実施形態に係るセンサ112においても、複数の第2構造体60Bが設けられる。複数の第2構造体60Bの1つから複数の第2構造体60Bの別の1つへの方向は、複数の第2構造体60Bのさらに別の1つから複数の第2構造体60Bのさらに別の1つへの方向と交差する。例えば、4つの第2構造体60Bの対角位置に、第1構造体60Aが設けられる。
【0127】
制御部74は、複数の第2構造体60Bから得られる信号(共振周波数fb1を含む信号)を取得し、平均化した共振周波数fb1を導出可能である。
【0128】
例えば、第1構造体60Aの位置において、基体60などにおける応力の分布がより均一化する。例えば、温度分布がより均一になる。例えば、電気的な接続のための配線のX-Y平面内における分布がより均一になる。例えば、電気的な特性(例えば、ノイズまたはカップリングなどの影響)がより均一化する。より高い精度の補正が可能になる。より高い精度の検出が可能である。
【0129】
図11は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図11に示すように、実施形態に係るセンサ120は、第1構造体60Aと第2構造体60Bと、第1筐体65と、制御装置70と、を含む。第1構造体60Aは、第1面60fを含む第1基体領域61に設けられる。第2構造体60Bは、第2基体領域62に設けられる。第1基体領域61は、1つ基体60に含まれる。第2基体領域62は、別の基体60に含まれても良い。第1構造体60A及び第2構造体60Bは、第1筐体65のなかに設けられる。センサ120における上記を除く構成は、センサ110などと同様で良い。
【0130】
例えば、センサ120において、第1構造体60Aは、振動可能な第1可動部材10を含む。第1可動部材10の振動は、第1面60fに沿う第1方向D1に沿う第1成分と、第1方向D1と交差し第1面60fに沿う第2方向D2に沿う第2成分と、を含む。第2構造体60Bは、振動可能な第2可動部材50を含む。制御装置70は、処理動作を実施可能な制御部74を含む。処理動作は、第1成分及び第2成分に基づいて得られた第1可動部材10の第1回転角度θv1を、第2可動部材50の共振周波数fb1に基づいて補正した第2回転角度θv2を出力することを含む。センサ120においても、精度を向上できるセンサを提供できる。
【0131】
センサ120において、第1構造体60A及び第2構造体60Bは、第1筐体65のなかに設けられることで、これらの構造体の温度が実質的に同じになる。高い精度の補正が可能である。センサ120の構成において、複数の第2構造体60Bが設けられても良い(図10(a)及び図10(b)参照)。
【0132】
図12は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図12に示すように、実施形態に係るセンサ125は、第2筐体66を含む。例えば、第2筐体66の中に、第1筐体65が設けられる。制御装置70は、第2筐体66の内側または外側に設けられて良い。第2筐体66は、例えばEMIシールドとして機能して良い。第2筐体66は、例えば、金属材料または磁性材料などを含んで良い。図12の例において、第2筐体66の中に、図11に例示した構造が設けられても良い。
【0133】
(第2実施形態)
第2実施形態は、電子装置に係る。
図13は、第2実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図13に示すように、実施形態に係る電子装置310は、実施形態に係るセンサと、回路制御部170と、を含む。図13の例では、センサとして、センサ110(またはセンサ装置210)が描かれている。回路制御部170は、センサから得られる信号S1に基づいて回路180を制御可能である。回路180は、例えば駆動装置185の制御回路などである。実施形態によれば、高精度の検出結果に基づいて、駆動装置185を制御するための回路180などを高精度で制御できる。
【0134】
図14(a)~図14(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
図14(a)に示すように、電子装置310は、ロボットの少なくとも一部でも良い。図14(b)に示すように、電子装置310は、製造工場などに設けられる工作ロボットの少なくとも一部でも良い。図14(c)に示すように、電子装置310は、工場内などの自動搬送車の少なくとも一部でも良い。図14(d)に示すように、電子装置310は、ドローン(無人航空機)の少なくとも一部でも良い。図14(e)に示すように、電子装置310は、飛行機の少なくとも一部でも良い。図14(f)に示すように、電子装置310は、船舶の少なくとも一部でも良い。図14(g)に示すように、電子装置310は、潜水艦の少なくとも一部でも良い。図14(h)に示すように、電子装置310は、自動車の少なくとも一部でも良い。電子装置310は、例えば、ロボット及び移動体の少なくともいずれかを含んでも良い。
【0135】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1基体領域及び第2基体領域を含む第1面を含む基体と、
前記第1基体領域に設けられた第1構造体と、
前記第2基体領域に設けられた第2構造体と、
制御装置と、
を備え、
前記第1構造体は、振動可能な第1可動部材を含み、前記第1可動部材の前記振動は、前記第1面に沿う第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差し前記第1面に沿う第2方向に沿う第2成分と、を含み、
前記第2構造体は、振動可能な第2可動部材を含み、
前記制御装置は、処理動作を実施可能な制御部を含み、
前記処理動作は、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記第1可動部材の第1回転角度を、前記第2可動部材の共振周波数に基づいて補正した第2回転角度を出力することを含む、センサ。
【0136】
(構成2)
前記第2基体領域は、前記第1基体領域と連続した、構成1記載のセンサ。
【0137】
(構成3)
第1筐体をさらに備え、
前記第1構造体及び前記第2構造体は、前記第1筐体のなかに設けられた、構成1または2に記載のセンサ。
【0138】
(構成4)
第1面を含む第1基体領域に設けられた第1構造体と、
第2基体領域に設けられた第2構造体と、
第1筐体と、
制御装置と、
を備え、
前記第1構造体及び前記第2構造体は、前記第1筐体のなかに設けられ、
前記第1構造体は、振動可能な第1可動部材を含み、前記第1可動部材の前記振動は、前記第1面に沿う第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差し前記第1面に沿う第2方向に沿う第2成分と、を含み、
前記第2構造体は、振動可能な第2可動部材を含み、
前記制御装置は、処理動作を実施可能な制御部を含み、
前記処理動作は、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記第1可動部材の第1回転角度を、前記第2可動部材の共振周波数に基づいて補正した第2回転角度を出力することを含む、センサ。
【0139】
(構成5)
前記第1面と交差する第3方向を軸とする前記基体の回転に対して前記第2可動部材の前記共振周波数は変化しない、または、前記第3方向を前記軸とする前記基体の前記回転に対する前記第2可動部材の前記共振周波数の変化率は、前記第3方向に沿う前記基体の変位に対する前記第2可動部材の前記共振周波数の変化率以下である、構成1~4のいずれか1つに記載のセンサ。
【0140】
(構成6)
前記第1回転角度は、前記第1可動部材の温度に応じて変化し、
前記第2可動部材の前記共振周波数は、前記第2可動部材の温度に応じて変化する、構成1~5のいずれか1つに記載のセンサ。
【0141】
(構成7)
前記第2構造体の温度と前記第1構造体の温度との差の絶対値の、前記第1構造体の前記温度に対する比は0.05以下である、構成1~5のいずれか1つに記載のセンサ。
【0142】
(構成8)
前記第1構造体は、
前記第1基体領域に固定された第1固定部と、
前記第1固定部に支持され前記第1可動部材と接続された第1接続部と、
を含み、
前記第2構造体は、前記第2基体領域に固定された第2固定部を含み、
前記第2固定部は、前記第2可動部材を支持し、
前記第2可動部材は、前記第1接続部に含まれる材料と同じ材料を含む、構成1~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【0143】
(構成9)
前記第2構造体は、
前記第2基体領域に固定された第2固定部と、
第2対向電極部材と、
を含み、
前記第2固定部は、前記第2可動部材を支持し、
前記第2対向電極部材は、前記第2可動部材と対向する、構成1~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【0144】
(構成10)
前記第2構造体は、複数の第2固定部を含み、
前記第2可動部材の少なくとも一部は、前記複数の第2固定部の間にあり、
前記複数の第2固定部の1つから前記複数の第2固定部の別の1つへの方向は、前記第2対向電極部材から前記第2可動部材への方向と交差した、構成9記載のセンサ。
【0145】
(構成11)
前記第2構造体は、複数の前記第2対向電極部材を含み、
前記第2可動部材の少なくとも一部は、前記複数の第2対向電極部材の間にあり、
前記複数の第2固定部の前記1つから前記複数の第2固定部の前記別の1つへの前記方向は、前記複数の第2対向電極部材の1つから前記複数の第2対向電極部材の別の1つへの方向と交差した、構成10記載のセンサ。
【0146】
(構成12)
前記第2可動部材は、複数の梁を含む、構成8~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0147】
(構成13)
前記第2可動部材は、第1可動梁及び第2可動梁を含み、
前記第2可動部材の前記共振周波数は、前記第1可動梁の共振周波数と、前記第2可動梁の共振周波数と、の和を含む、構成8~11のいずれか1つに記載のセンサ。
【0148】
(構成14)
前記第2可動部材は、第1可動基部と、第1可動接続部と、第2可動基部と、をさらに含み、
前記第1可動基部は、第2固定部に支持され、
前記第2固定部と第2可動基部との間に前記第1可動基部があり、
前記第1可動基部と前記第2可動基部との間に前記第1可動接続部があり、
前記第1可動接続部は、前記第2可動基部を前記第1可動基部と接続し、
前記第1可動梁の一部は、前記第1可動基部の一部と接続され、
前記第1可動梁の他部は、前記第2可動基部の一部と接続され、
前記第2可動梁の一部は、前記第1可動基部の他部と接続され、
前記第2可動梁の他部は、前記第2可動基部の他部と接続され、
前記第1可動接続部は、前記第1可動梁と第2可動梁との間にある、構成13記載のセンサ。
【0149】
(構成15)
前記第1構造体は、
前記第1可動部材と対向する第1対向電極部材と、
前記第1対向電極部材と電気的に接続された抵抗部材と、
を含み、
前記制御部は、第1動作を実施可能であり、
前記第1動作は、
前記第1成分及び前記第2成分を取得する第1取得動作と、
前記取得した前記第1成分の第1時定数と、前記取得した前記第2成分の第2時定数と、の第1差の第1絶対値、及び、前記取得した前記第1成分の第1共振周波数と、前記取得した前記第2成分の第2共振周波数と、の第2差の第2絶対値の少なくともいずれかが小さくなるように、前記抵抗部材の抵抗、及び、前記抵抗部材に印加される電圧の少なくともいずれかの値を変更する第1変更動作と、
を含む、構成1記載のセンサ。
【0150】
(構成16)
前記第1絶対値及び前記第2絶対値の少なくともいずれかは、温度に応じて変化し、
前記第2可動部材の前記共振周波数は、前記温度に応じて変化し、
前記制御部は、前記温度に応じて変化する前記第1絶対値及び前記第2絶対値の前記少なくともいずれかを補正する、構成15記載のセンサ。
【0151】
(構成17)
前記第1対向電極部材は、
前記第1可動部材と対向する第1対向電極と、
前記第1可動部材と対向する第2対向電極と、
を含み、
前記第1可動部材から前記第2対向電極への方向は、前記第1可動部材から前記第1対向電極への方向と交差し、
前記抵抗部材は、
第1端部及び第1他端部を含む第1抵抗であって、前記第1他端部は前記第1対向電極と電気的に接続された、前記第1抵抗と、
第2端部及び第2他端部を含む第2抵抗であって、前記第2他端部は前記第2対向電極と電気的に接続された、前記第2抵抗と、
を含み、
前記制御部は、前記第1変更動作において、前記第1絶対値が小さくなるように、前記第1抵抗の抵抗値、前記第2抵抗の抵抗値、前記第1端部の第1電圧、及び、前記第2端部の第2電圧の少なくともいずれかの値を変更する、構成15記載のセンサ。
【0152】
(構成18)
前記第1電圧が変化したときの前記可動部材の変位の方向は、前記第2電圧が変化したときの前記可動部材の変位の方向と交差する、構成17記載のセンサ。
【0153】
(構成19)
前記第1対向電極部材は、
前記第1可動部材と対向する第1対向導電部と、
前記第1可動部材と対向する第2対向導電部と、
を含み、
前記第1可動部材から前記第2対向導電部への方向は、前記第1可動部材から前記第1対向導電部への方向と交差し、
前記制御部は、前記第1変更動作において、前記第2絶対値が小さくなるように、前記第1対向導電部の第1対向導電部電圧、及び、前記第2対向導電部の第2対向導電部電圧の少なくともいずれかを変更する、構成15記載のセンサ。
【0154】
(構成20)
構成1~19のいずれか1つに記載のセンサと、
前記センサから得られる信号に基づいて回路を制御可能な回路制御部と、
を備えた電子装置。
【0155】
実施形態によれば、精度を向上できるセンサが提供できる。
【0156】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0157】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれる構造体、可動部材、電極及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0158】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0159】
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0160】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0161】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0162】
10…第1可動部材、 10E…電極、 10F…第1固定部、 10S…第1接続部、 11C、12C…第1、第2導電部、 11E、12E…第1、第2電極、 11sE、12sE…第1、第2検出用電極、 20E…対向電極、 20M…第1対向電極部材、 20R…抵抗部材、 21C、22C…第1、第2対向導電部、 21E、22E…第1、第2対向電極、 21sE、22sE…第1、第2検出用対向電極、 50…第2可動部材、 50A、50B…第1、第2可動基部、 50F…第2固定部、 50M…第2対向電極部材、 50P…第1可動接続部、 50X…可動部、 50a、50b…梁、 51、52…第1、第2可動梁、 51E~56E…電極、 51a、51b、52a、52b…可動部、 60…基体、 60A、60B…第1、第2構造体、 60a…基板、 60b…絶縁膜、 60f…第1面、 61、62…第1、第2基体領域、 65…第1筐体、 65a~65d…第1~第4部材、 66…第2筐体、 70…制御装置、 70M…記憶部、 70s…検出部、 71、72…第1、第2検出部、 74…制御部、 75…演算部、 75a…時定数調整部、 75b…共振周波数調整部、 75c…回転角度導出部、 75d…共振周波数検出部、 75e…角度補正演算部、 76…ドライバ部、 ΔF…第2差、 ΔT…第1差、 θ…回転角度、 θv1、θv2…第1、第2回転角度、 110、111、112、120、125…センサ、 170…回路制御部、 180…回路、 185…駆動装置、 210…センサ装置、 310…電子装置、 D1、D2…第1、第2方向、 DR1、DR2…制御信号出力部、 Dac1、Dac2…交流電圧出力部、 Ddc1、Ddc2…電圧出力部、 Dmr1、Dmr2…直線、 Dp1、Dp2…電圧出力部、 Lc1、Lc2、Lp1、Lp2、Lr1、Lr2…配線、 R1、R2…第1、第2抵抗、 S1…信号、 SO…信号、 SR1、SR2…制御信号、 SU1、SU2…第1、第2加算器、 Tmp1、Tmp2…温度、 Vac1、Vac2…第1、第2交流電圧、 Vdc1、Vdc4…第1、第2電圧、 Vp1、Vp2…第1、第2対向導電部電圧、 Vs1、Vs2…第1、第2検出電圧、 cp1、cp2…第1、第2他端部、 ep1、ep2…第1、第2端部、 fa1、fb1…共振周波数、 g1、g2…間隙
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