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特許7441211車両用ペダルアセンブリのためのペダル摩擦パッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】車両用ペダルアセンブリのためのペダル摩擦パッド
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/30 20080401AFI20240221BHJP
【FI】
G05G1/30 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021509927
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019048708
(87)【国際公開番号】W WO2020047189
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】62/725,930
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/553,933
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516220468
【氏名又は名称】シーティーエス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4925 Indiana Ave. Lisle, Illinois 60532 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ビヤード,クリストファー エム
(72)【発明者】
【氏名】ウーン,ミカエル エル
(72)【発明者】
【氏名】ホールバーグ,トーマス エー
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0193401(US,A1)
【文献】国際公開第2018/039098(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルハウジングと、
前記ペダルハウジング内に延びるドラムを含む回転可能なペダルであって、前記ドラムが摩擦接触面を有する、前記回転可能なペダルと、
前記ドラムの前記摩擦接触面に対面して対向するペダル摩擦面を含む、前記ハウジング内のペダル摩擦パッドであって、前記ペダル摩擦面が、前記ペダル摩擦面と、前記ペダルの前記ドラムの前記摩擦接触面の一部との間に線接触を提供するような形状及び位置にある、前記ペダル摩擦パッドと、
を備え、前記ペダル摩擦面が前記ペダルの前記ドラムに対面して対向する複数の摩擦面セグメントを含み、前記線接触が前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の前記複数の摩擦面セグメントのうちの1つのみと、前記ドラムの前記摩擦接触面の前記一部との間にある、車両用ペダルアセンブリ。
【請求項2】
前記線接触が、前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の前記複数の摩擦面セグメントの弧状セグメントの下側セグメントと、前記ドラムの前記摩擦接触面との間にある、請求項に記載の車両用ペダルアセンブリ。
【請求項3】
前記ペダル摩擦面の前記摩擦面セグメントが、前記ドラムの前記摩擦接触面に対面して対向する第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、前記第2の表面セグメント前記第1の表面セグメントと前記第3の表面セグメントとの間に延び、前記線接触が前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の前記第2の表面セグメントのみと、前記ドラムの前記摩擦接触面の前記一部との間にある、請求項に記載の車両用ペダルアセンブリ。
【請求項4】
ペダルハウジングと、
前記ペダルハウジング内に延びるドラムを含む回転可能なペダルであって、前記ドラムが摩擦接触面を有する、前記回転可能なペダルと、
前記ドラムの前記摩擦接触面と接触するペダル摩擦面を含む、前記ハウジング内のペダル摩擦パッドであって、前記ペダル摩擦面が、前記ペダル摩擦面と、前記ペダルの前記ドラムの前記摩擦接触面の一部との間に線接触を提供するような形状及び位置にある、前記ペダル摩擦パッドと、
を備え、前記線接触が前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の弧状セグメントと前記ドラムの前記摩擦接触面との間にあり、前記ペダル摩擦面が第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、前記弧状セグメントが前記第2の表面セグメントを規定し前記第1の表面セグメントと前記第3の表面セグメントとの間に延び、前記第1の表面セグメントが湾曲したセグメントであり、前記第3の表面セグメントが直線状のセグメントである、車両用ペダルアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の表面セグメントが、収束する湾曲したセグメントであり、前記第3の表面セグメントが、収束する直線状のセグメントである、請求項に記載の車両用ペダルアセンブリ。
【請求項6】
前記ドラムの前記摩擦接触面が、収束する直線状の表面である、請求項に記載の車両用ペダルアセンブリ。
【請求項7】
車両用ペダルのための摩擦パッドであって、前記摩擦パッドが、前記車両用ペダルと線接触している摩擦面を備え、前記摩擦面が、第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、前記第2の表面セグメントが、前記車両用ペダルと線接触している弧状セグメントにより規定され前記第1の表面セグメントと第3の表面セグメントとの間に延び、前記第1の表面セグメントが、収束する湾曲した表面セグメントであり、前記第3の表面セグメントが、直線状の収束する表面セグメントである、摩擦パッド。
【請求項8】
車両用ペダルのための摩擦パッドであって、前記摩擦パッドが、
前記車両用ペダルの摩擦接触面に対面して対向する第1の摩擦パッド表面と、
前記第1の摩擦パッド表面から延び、前記車両用ペダルの前記摩擦接触面に対面して対向し、前記車両用ペダルの前記摩擦接触面と線接触る、第2の弧状摩擦パッド表面と、
前記第2の弧状摩擦パッド表面から延び、前記車両用ペダルの前記摩擦接触面に対面して対向する第3の摩擦パッド表面とを備え前記第1の摩擦パッド表面が湾曲した収束する表面であり、前記第3の摩擦パッド表面が直線状の収束する表面である、
摩擦パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2018年8月31日に出願された、米国仮特許出願第62/725,930号の出願日の優先権及び利益を主張する。この文献の開示及び内容は、参照することにより、その全体が本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、車両用ペダルアセンブリに関連し、より詳細には、そのような車両用ペダルアセンブリのための新たなペダル摩擦パッドに関連する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、たとえば、Hallbergに対する米国特許第9,684,331号に開示のタイプの車両用ペダルアセンブリを対象としている。この車両用ペダルアセンブリは、ペダルに対してペダルヒステリシス力を発生させるために、ペダルのドラムと接触しているペダル摩擦パッドまたはレバーを含んでいる。
【0004】
現在利用可能であるペダル摩擦パッドには、ペダルドラムの摩擦面と面接触する(すなわち、摩擦パッドの接触面とペダルドラムの接触面との間で完全に面接触している)か、ペダルドラムの摩擦面と点接触する(すなわち、摩擦パッドの表面上のポイントと、ペダルドラムの表面上のポイントとの間でのポイントの面接触)か、するように、形状または方向が定められた接触摩擦面が含まれている。
【0005】
面接触の設計では、ペダルパッド表面と摩擦パッド表面との界面における圧力が低いことに起因して、接触するペダルパッド表面と摩擦パッド表面との間で摩耗及び耐久性が向上する。しかし、面接触の設計は、面接触の位置が潜在的に変化することに起因して、最初の力の一貫性が低下する。
【0006】
点接触の設計は、接触が単一の接触ポイントに制限されることから、最初の力の一貫性が向上する。しかし、点接触の設計は、単一の接触ポイントにおいてより高い圧力が集中することに起因して、摩耗及び耐久性が低下する。
【0007】
本発明は、面接触の設計に対して向上された摩耗及び耐久性、ならびに、点接触の設計に対して向上された最初の力の一貫性を与える、摩擦パッド表面とペダル表面との間の線形摩擦接触を提供する新たなペダル摩擦パッドを対象としている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、ペダルハウジングと、ペダルハウジング内に延びるドラムを含む回転可能なペダルであって、ドラムが摩擦接触面を有する、回転可能なペダルと、ドラムの摩擦接触面と接触するペダル摩擦面を含む、ハウジング内のペダル摩擦パッドであって、ペダル摩擦面が、ペダル摩擦面と、ペダルのドラムの摩擦接触面の一部との間に線形接触を提供するような形状及び位置にある、ペダル摩擦パッドと、を備えている、車両用ペダルアセンブリを対象としている。
【0009】
一実施形態では、線形接触は、ペダル摩擦パッドのペダル摩擦面の弧状セグメントと、ドラム接触面との間にある。
【0010】
一実施形態では、線形接触は、ペダル摩擦パッドのペダル摩擦面の弧状セグメントの下側セグメントと、ドラム接触面との間にある。
【0011】
一実施形態では、ペダル摩擦面は、第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、弧状セグメントが、第2の表面セグメントを規定するとともに、第1の表面セグメントと第3の表面セグメントとの間に延びている。
【0012】
一実施形態では、第1のセグメントは湾曲したセグメントであり、第3のセグメントは直線状のセグメントである。
【0013】
一実施形態では、第1のセグメントは、収束する湾曲したセグメントであり、第3のセグメントは、収束する直線状のセグメントである。
【0014】
一実施形態では、ドラムの摩擦接触面は、収束する直線状の表面である。
【0015】
本発明は、車両用ペダルのための摩擦パッドであって、摩擦パッドが、車両用ペダルと線形摩擦接触している摩擦面を備えている、摩擦パッドをも対象としている。
【0016】
一実施形態では、摩擦面は、車両用ペダルと線形摩擦接触している弧状セグメントを含んでいる。
【0017】
一実施形態では、摩擦面は、第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、弧状セグメントが、第2の表面セグメントを規定するとともに、第1の表面セグメントと第3の表面セグメントとの間に延びている。
【0018】
一実施形態では、第1の表面セグメントは、収束する湾曲した表面セグメントであり、第3のセグメントは、直線状の収束する表面セグメントである。
【0019】
本発明は、車両用ペダルのための摩擦パッドであって、摩擦パッドが、第1の摩擦パッド表面と、第1の摩擦面から延び、車両用ペダルと線形摩擦接触している、第2の弧状摩擦パッド表面と、第2の摩擦面から延びる第3の摩擦パッド表面と、を備えている、摩擦パッドをさらに対象としている。
【0020】
一実施形態では、第1の摩擦パッド表面は、湾曲した収束する表面であり、第3の摩擦面は、直線状の収束する表面である。
【0021】
一実施形態では、車両用ペダルは、摩擦パッドの第1の摩擦面と線形摩擦接触している、直線状の分岐する表面を含んでいる。
【0022】
一実施形態では、摩擦パッドは、オーバーモールド成型された摩擦部材を備え、第1の摩擦パッド表面、第2の摩擦パッド表面、及び第3の摩擦パッド表面が、オーバーモールド成型された摩擦部材上に形成されている。
【0023】
本発明の実施形態の以下の詳細な記載、図面、及び添付の特許請求の範囲から、より容易に明らかとなる本発明の他の利点及び特徴が存在する。
【0024】
添付図面は、本明細書の一部を形成し、また、添付図面において、同様の参照符号は、添付図面全体にわたって同様のパーツを示すために採用されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る、ペダル摩擦パッドを組み込んでいる車両用ペダルアセンブリの斜視図である。
図2図1の2-2線に沿って取られた、車両用ペダルアセンブリの破断された長手方向垂直断面図である。
図3図1の3-3線に沿って取られた、車両用ペダルアセンブリの横方向垂直断面図である。
図4】本発明に係るペダル摩擦パッドの拡大斜視図である。
図5】摩擦パッド表面とペダルドラム摩擦面との間の線接触を示す拡大破断斜視図である。
図6】摩擦パッド表面とペダルドラム摩擦面との間の線接触を示す、図5の6-6線に沿って取られた、拡大され、破断され、簡略化された、横方向垂直断面図である。
図7】摩擦パッド表面とペダルドラム摩擦面との間の線接触を示す、さらなる、拡大され、破断され、簡略化された、横方向垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図2、及び図3は、本発明に係る、ペダル摩擦パッド82を組み込んでいるアクセルの車両用ペダルアセンブリ10を示す図である。
【0027】
車両用ペダルアセンブリ10は、たとえば、Hallbergに対する、米国特許第9,684,331号に図示及び記載されるタイプである。この文献の開示及び内容は、本明細書に完全に説明されているかのように、参照することによって本明細書に明確に組み込まれる。
【0028】
車両用ペダルアセンブリ10は、たとえばナイロンなどの適切な成型プラスチック材料で形成され、概してフラットなベース14を含むペダルハウジング12と、両側の長手方向に延びるベース14の外周の下側の長手方向縁部から、一元的に、かつ通常は外向き及び上方に延びる、離間した平行な一対の側壁16及び18と、側壁16と側壁18とのそれぞれの、対向する長手方向の上側周縁部間で一元的に、この周縁部から通常は外向きに、ベース14の上方で、離間し、かつ対向する関係で延びる頂部湾曲壁15と、を備えている。
【0029】
ベース14及び壁15、16、18は、前方に開いたペダルハウジング開口20、内部の中空のペダルハウジングキャビティ21、及び後方に開いたペダルハウジング開口22を、ともに規定及び形成する。
【0030】
車両用ペダルアセンブリ10は、細長いペダル40をも備えている。このペダル40は、ペダルハウジング12と同じ成型プラスチック材料で形成される場合があり、かつ、概して筒状のドラム42で終端するとともに、このドラム42を規定する第1の遠位端と、オペレータのフットパッド44で終端する反対側の遠位端とを含んでいる。
【0031】
筒状ドラム42は、内部のペダルハウジングキャビティ21内にシャフト43を介して位置付けられるとともに、回転するように保持されている。このシャフト43は、ドラム42の内部を通って延び、ペダルハウジングの側壁16と側壁18とのそれぞれにおいて固定された両側の端部を含んでいる。ドラム42は、下側の正反対に対向するとともに離間した一対の摩擦接触壁46及び48を含んでいる。この一対の摩擦接触壁46及び48は、ペダルハウジング12のベース14の方向に、ドラム42の下側部分から外向きかつ下向きに延びている。
【0032】
壁46及び48は、それぞれの、直線状の内部の摩擦接触面または表面47及び49を含んでいる。この表面47及び49は、ペダルハウジング12のベース14の方向に分岐するとともに、互いから離れるようにスロープ状になっている。壁46及び48は、それらのそれぞれの内部の摩擦面または表面47及び49とともに、概してV形状の領域、または空隙51を、壁46と壁48との間に規定している。この空隙51は、ペダルハウジング12のベース14の方向に開いている。
【0033】
車両用ペダルアセンブリ10は、非接触のペダル位置検知アセンブリをさらに備えている。このアセンブリは、ペダル40のドラム42の前方から外向きに、後方ペダルハウジング開口22の方向に延びるとともに、内部ペダルハウジングキャビティ21内に位置している磁石60を含んでいる。
【0034】
非接触のペダル位置検知アセンブリは、センサ73をさらに含んでいる。センサ73は、後方ペダルハウジング開口22と磁石60との間で、内部のハウジングキャビティ21に位置する、プリント回路基板72の外面または表面に取り付けられている。
【0035】
プリント回路基板72は、次いで、電気コネクタ74の端部に結合されている。この電気コネクタ74は、後方ハウジング開口22とは別に、後方ハウジング開口22から外向きに突出している。センサ73は、たとえばホール効果タイプである場合があり、以下により詳細に記載するように、ペダル40の押下げ及び回転に応じて、ペダルハウジング12に対するドラム42及びペダル40の回転位置が変化することに応じた、磁石62によって生成される磁束の大きさまたは方向の変化を検知するように適合されている場合がある。
【0036】
車両用ペダルアセンブリ10はまた、ペダルの摩擦またはヒステリシスのアセンブリをさらに備えている。このアセンブリは、細長いペダルの摩擦またはヒステリシスのレバーまたは摩擦パッド82を含んでいる。摩擦パッド82は、適切な成型プラスチック材料で形成されている場合がある。摩擦パッド82は、以下により詳細に記載するように、ペダルドラム壁46及び48のそれぞれの摩擦接触面47及び49と係合し、かつ摩擦して当接するように適合された、外部にオーバーモールド成型された摩擦面のインサートまたは部材88を、その遠位端の1つに含んでいる。
【0037】
カップまたはレセプタクル90は、ペダル摩擦パッド82の反対側の遠位端に規定及び形成されており、入れ子状のらせんバネ84及び86の下側端部を受領するように適合されている。入れ子状のらせんバネ84及び86は、ペダル摩擦パッド82と、ペダル40の下側との間に延びており、ペダル40の下側に着座されるとともに当接する、それぞれの上側バネ端部を含んでいる。
【0038】
ペダル摩擦パッド82は、一対の同一直線上の、正反対であるとともに離間したトラニオンまたはピン83をも含んでいる。このピン83は、レバーまたはパッド82の両側の外部側面から一元的に外向きに突出するとともに、ペダルハウジング12に規定及び形成された、それぞれの、正反対であるとともに離間したチークまたは凹部(図示せず)に受領されるように適合されている。
【0039】
ピン83は、ハウジング12に対する、このハウジング12周りの、摩擦レバーまたはパッド82に関するシーソータイプの旋回軸を規定する。より具体的には、ペダルハウジング12のベース14に対する、このベース14周りの、ペダルの摩擦レバーまたはパッド82に関する旋回軸を規定する。ピン83、及びこのピン83によって規定された旋回軸は、摩擦レバー82の長手軸の方向に対して垂直な横断方向に延びる。
【0040】
ペダルフットパッド44に対し、下方に押し下げる力を印加することにより、ペダル40及びドラム42を、ペダルハウジング12及びペダルシャフト43に対して時計回りに回転させる。このことは、らせんバネ84及び86を圧縮させる。このことは、次いで、カップ90を有する摩擦レバーまたはパッド82の端部に、ピン83周りの、ペダルハウジング12のベース14に対するシーソータイプの下方の旋回を生じさせる。このことは、次いで、摩擦部材88を有する摩擦レバーまたはパッド82の端部を上向きに移動させる。このことは、次いで、摩擦部材88を、ペダル40のドラム42と摩擦して当接及び係合させ、また、ドラム42の外側表面に対する圧縮摩擦力を発揮する。より具体的には、ペダル40のドラム42のそれぞれの摩擦接触壁46及び48の、それぞれの摩擦接触面47及び49に対する圧縮摩擦力を発揮する。このことは、次いで、ペダル40、及び、車両(図示せず)のオペレータ(図示せず)の足(図示せず)に伝達されるヒステリシス力を発生させる。
【0041】
上述のようなハウジング12に対するペダル40の回転は、磁石62の回転にも繋がる。このことは、次いで、ホール効果センサ70によって検知される、磁石62によって生じる磁束の大きさ及び方向の変化に繋がり、ハウジング12に対するペダル40の位置の検出及び測定を可能にし、こうして、車両の加速及び減速を制御することが可能になる。
【0042】
本発明によれば、図4図5図6、及び図7により詳細に示すように、図示の実施形態では、パッド82とは別であり、かつパッド82の頂部に成型された、オーバーモールド成型されたインサートの形態である、ペダル摩擦パッド82の摩擦部材88は、以下により詳細に記載するように、摩擦部材88と、それぞれのペダルドラム摩擦接触壁46及び48のそれぞれの摩擦接触面47及び49との間で線形摩擦接触させるような構成及び形状である。
【0043】
具体的には、ペダルパッドの摩擦部材またはインサート88は、一対の正反対の収束する摩擦側面または面100及び102と、それらの間の直線上の水平中心表面または面104と、を含んでいる。表面100及び102は、表面104及びペダルドラム42の方向に、互いに向かって収束している。
【0044】
正反対である、収束する摩擦側面100及び102の各々は、次いで、上方に延びるとともにスロープ状になっており、かつ摩擦パッド82のベースから内側に収束する第1の下側の湾曲した表面または面セグメント110と、表面または面セグメント110の上端から、一元的に上方に、かつ内側に延びる、第2の曲線から成るか弧状の表面またはセグメント111と、曲線から成るか弧状の表面またはセグメント111の端部から上方に延びるとともに内向きに収束する、第3の上方の直線状表面または面セグメントまたは部分112と、を含んでいる。
【0045】
図示の実施形態では、上側部分112を含む第1の下側表面セグメント110は、曲線から成る形状であり、より具体的には、ペダル摩擦パッド82のベースから上方かつ内側に離れるように湾曲した表面セグメントである。図示の実施形態では、第2の曲線から成るか弧状の表面またはセグメント111は、ペダル摩擦パッド表面またはインサート88のそれぞれの表面100及び102の下側表面セグメント110と上側表面セグメント111との間に位置するとともに形成されている。図示の実施形態では、第3の直線状の水平な表面またはセグメント104は、両側の表面100及び102の上端間に延び、より具体的には、それぞれの表面100及び102のそれぞれの両側の上端セグメント112の端部間に延びている。
【0046】
摩擦パッドまたはレバー82の摩擦インサートまたは部材88のそれぞれの表面100及び102の表面セグメント110、111、及び112は、ペダル摩擦パッドまたはレバー82の摩擦部材88と、ペダルドラム42上のそれぞれの摩擦接触壁46及び48のそれぞれの摩擦接触面47及び49の部分またはセグメントとの間の、図6及び図7の断面図のポイント150、ならびに、図5の斜視図の湾曲した破線150によって概略的に示された湾曲した線形摩擦接触を可能にし、提供し、かつ規定するように、互いに対する形状、位置、及び向きが定められている。
【0047】
具体的には、図示の実施形態では、摩擦パッドまたはレバー82の摩擦インサートまたは部材88のそれぞれの表面100及び102の表面セグメント110、111、及び112は、それぞれの表面100及び102の曲線から成るか弧状の表面またはセグメント111の、下側の長手方向に延びるセグメントと、ペダル40のドラム42のそれぞれのドラム壁46及び48のそれぞれの表面47及び49の長手方向に延びるセグメントとの間で、摩擦接触の長手方向に延びるライン150を提供するように、互いに対する形状、位置、及び向きが定められている。
【0048】
さらにより具体的には、図5図6、及び図7に示す実施形態では、摩擦部材88とドラム42との間の摩擦接触線150が、摩擦パッドまたはレバー82の摩擦インサートまたは部材88のそれぞれの前縁部及び後縁部と、それぞれのドラム接触面47及び49との間に長手方向に延びている。
【0049】
本発明が、ペダル摩擦パッド82のそれぞれの摩擦面と、ペダルドラム42の摩擦接触壁46及び48の摩擦接触面47及び49との間の線形摩擦接触を提供する、ペダル摩擦部材88及び/またはペダルドラム表面の、任意の他の形状、または位置、または構成を包含することを当然理解されたい。
【0050】
たとえば、ペダルドラム42の摩擦壁46及び48の摩擦面47及び49の角度またはスロープは、ドラム42上で摩擦パッドまたはレバー82によって生成されたペダルヒステリシス力を調整または変化させるように変化または調整させることができることを理解されたい。
【0051】
たとえば、摩擦パッド82、及び/または摩擦パッド82のそれぞれの表面102及び104、及び/またはドラム42、及び/またはそれぞれの表面47及び49もしくは壁46及び48の向き、形状、構成、または位置は、接触線150の垂直方向または横方向の移動を生じるように変化され得ることも理解されたい。このことは、ペダルヒステリシス力を変化させるか調整するために、長手方向のパッド表面セグメント111に隣接するとともに概して平行であるものとして、パッド表面セグメント111に近接するか、パッド表面セグメント111から離れるとともに、パッド82のベースに近接する(すなわち、パッド表面セグメント110の長手方向に延びる接触線150の垂直方向または横方向の位置を調整する)ように、図5に示されている。
【0052】
上述のペダル摩擦パッド82及びそのペダル摩擦部材88の実施形態の多くの変形形態及び変更形態は、本発明の新規の特徴の精神及び範囲から逸脱することなく、有効とされる場合がある。本明細書に説明されるペダル摩擦パッドに関するいずれの限定も意図されていないか、推測されるべきではないことを、さらに理解されたい。当然、添付の特許請求の範囲内となるそのような変更のすべてが、特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
ペダルハウジングと、
前記ペダルハウジング内に延びるドラムを含む回転可能なペダルであって、前記ドラムが摩擦接触面を有する、前記回転可能なペダルと、
前記ドラムの前記摩擦接触面と接触するペダル摩擦面を含む、前記ハウジング内のペダル摩擦パッドであって、前記ペダル摩擦面が、前記ペダル摩擦面と、前記ペダルの前記ドラムの前記摩擦接触面の一部との間に線形接触を提供するような形状及び位置にある、前記ペダル摩擦パッドと、
を備えている、車両用ペダルアセンブリ。
<請求項2>
前記線形接触が、前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の弧状セグメントと、前記ドラム接触面との間にある、請求項1に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項3>
前記線形接触が、前記ペダル摩擦パッドの前記ペダル摩擦面の弧状セグメントの下側セグメントと、前記ドラム接触面との間にある、請求項2に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項4>
前記ペダル摩擦面が、第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、前記弧状セグメントが、前記第2の表面セグメントを規定するとともに、前記第1の表面セグメントと前記第3の表面セグメントとの間に延びている、請求項2に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項5>
前記第1のセグメントが湾曲したセグメントであり、前記第3のセグメントが直線状のセグメントである、請求項4に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項6>
前記第1のセグメントが、収束する湾曲したセグメントであり、前記第3のセグメントが、収束する直線状のセグメントである、請求項5に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項7>
前記ドラムの前記摩擦接触面が、収束する直線状の表面である、請求項6に記載の車両用ペダルアセンブリ。
<請求項8>
車両用ペダルのための摩擦パッドであって、前記摩擦パッドが、前記車両用ペダルと線形摩擦接触している摩擦面を備えている、前記摩擦パッド。
<請求項9>
前記摩擦面が、前記車両用ペダルと線形摩擦接触している弧状セグメントを含んでいる、請求項8に記載の摩擦パッド。
<請求項10>
前記摩擦面が、第1の表面セグメント、第2の表面セグメント、及び第3の表面セグメントを含み、前記弧状セグメントが、前記第2の表面セグメントを規定するとともに、前記第1の表面セグメントと前記第3の表面セグメントとの間に延びている、請求項9に記載の摩擦パッド。
<請求項11>
前記第1の表面セグメントが、収束する湾曲した表面セグメントであり、前記第3のセグメントが、直線状の収束する表面セグメントである、請求項10に記載の摩擦パッド。
<請求項12>
車両用ペダルのための摩擦パッドであって、前記摩擦パッドが、
第1の摩擦パッド表面と、
前記第1の摩擦面から延び、前記車両用ペダルと線形摩擦接触している、第2の弧状摩擦パッド表面と、
前記第2の摩擦面から延びる第3の摩擦パッド表面と、
を備えている、前記摩擦パッド。
<請求項13>
前記第1の摩擦パッド表面が、湾曲した収束する表面であり、前記第3の摩擦面が、直線状の収束する表面である、請求項12に記載の摩擦パッド。
<請求項14>
前記車両用ペダルが、前記摩擦パッドの前記第1の摩擦面と前記線形摩擦接触している、直線状の分岐する表面を含んでいる、請求項13に記載の摩擦パッド。
<請求項15>
前記摩擦パッド上のオーバーモールド成型された摩擦部材をさらに備え、前記第1の摩擦パッド表面、前記第2の摩擦パッド表面、及び前記第3の摩擦パッド表面が、前記オーバーモールド成型された摩擦部材上に形成されている、請求項14に記載の摩擦パッド。
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図7