(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20240221BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240221BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240221BHJP
H10K 59/179 20230101ALI20240221BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20240221BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 338
H10K59/123
H10K59/179
H10K59/65
(21)【出願番号】P 2022576253
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2021001677
(87)【国際公開番号】W WO2022157829
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩三
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111047967(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0024182(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第111554227(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0075697(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235398(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110767139(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む、表示装置であって、
前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第1データ信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向に沿って形成され、
前記第1データ信号線と最隣接し、かつ、前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第2データ信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向に沿って形成され、
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第1サブ画素回路及び第2サブ画素回路の一方は、前記第1データ信号線と電気的に接続されており、
前記第1サブ画素回路及び前記第2サブ画素回路の他方は、前記第2データ信号線と電気的に接続されている
、表示装置。
【請求項2】
前記第1サブ画素回路と前記第2サブ画素回路とは、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向を対称軸として、対称配置されている、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1サブ画素回路を平面上で180°回転させた場合、前記第2サブ画素回路と一致する、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記画素間引き領域においては、前記第1データ信号線と前記第2データ信号線とは、異なる層に形成されている、請求項
1から
3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む、表示装置であって、
前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第3データ信号線は、前記画素間引き領域においては、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成されており、
前記第3データ信号線は、前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成されている
、表示装置。
【請求項6】
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられた前記サブ画素回路の個数/前記画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む、表示装置であって、
前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第3データ信号線は、前記画素間引き領域においては、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成されており、
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第3サブ画素回路は、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3データ信号線と電気的に接続されており、
前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3データ信号線と前記第3サブ画素回路とを電気的に接続する第1配線は、前記表示領域に設けられた前記第3データ信号線とは異なる層に形成されている
、表示装置。
【請求項7】
前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成された前記第3データ信号線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数の走査信号線の一部と重畳する、請求項
5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1配線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数の走査信号線の一部と重畳する、請求項
6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画素間引き領域における前記第1データ信号線と前記第2データ信号線との間の距離は、前記表示領域における前記第1データ信号線と前記第2データ信号線との間の距離より小さい、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項10】
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられたサブ画素回路の個数/表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の個数/画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む、表示装置であって、
前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第1走査信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向に沿って形成され、
前記第1走査信号線と最隣接し、かつ、前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第2走査信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向に沿って形成され、
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第4サブ画素回路及び第5サブ画素回路の一方は、前記第1走査信号線と電気的に接続されており、
前記第4サブ画素回路及び前記第5サブ画素回路の他方は、前記第2走査信号線と電気的に接続されている
、表示装置。
【請求項11】
前記第4サブ画素回路と前記第5サブ画素回路とは、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向を対称軸として、対称配置されている、請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第4サブ画素回路を平面上で180°回転させた場合、前記第5サブ画素回路と一致する、請求項
10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記画素間引き領域においては、前記第1走査信号線と前記第2走査信号線とは、異なる層に形成されている、請求項
10から
12の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第3走査信号線は、前記画素間引き領域においては、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成されている、請求項
10から
13の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第3走査信号線は、前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成されている、請求項
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第6サブ画素回路は、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3走査信号線と電気的に接続されており、
前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3走査信号線と前記第6サブ画素回路とを電気的に接続する第2配線は、前記表示領域に設けられた前記第3走査信号線とは異なる層に形成されている、請求項
14または
15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成された前記第3走査信号線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数のデータ信号線の一部と重畳する、請求項
15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2配線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数のデータ信号線の一部と重畳する、請求項
16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記画素間引き領域における前記第1走査信号線と前記第2走査信号線との間の距離は、前記表示領域における前記第1走査信号線と前記第2走査信号線との間の距離より小さい、請求項
11または
12に記載の表示装置。
【請求項20】
前記画素間引き領域に形成された配線上の少なくとも一部には、遮光層が形成されている、請求項1から
19の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
撮像素子をさらに備え、
前記撮像素子は、平面視において前記画素間引き領域と重畳する、請求項1から
20の何れか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平面視において撮像素子と重畳する領域にも、表示画素を備え、被写体を撮影する際にも、前記領域に表示を行うことができる表示装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている表示装置は、平面視において撮像素子と重畳する領域の1行の一部または1列の一部に表示画素が備えられていない構成となっている。したがって、特許文献1に記載されている表示装置の場合、平面視において撮像素子と重畳する領域には、各行ごとに走査信号線を直線状に設ける必要があり、各列ごとにデータ信号線を直線状に設ける必要がある。よって、平面視において撮像素子と重畳する領域に設けられた直線状の複数の走査信号線の配線ピッチと直線状の複数のデータ信号線の配線ピッチとの影響、すなわち、これらの配線ピッチが可視光波長と近くなるので、回折光が発生してしまい、撮像素子によって分光(着色)された画像が撮像されてしまうという問題があった。さらに、回折効果により平面視において撮像素子と重畳する領域において透過率を向上できないという問題もあった。
【0005】
本開示の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、画素間引き領域に表示を行うことができるとともに、画素間引き領域における回折光の発生を低減し、画素間引き領域の透過率の向上及び着色の低減を実現した表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、前記の課題を解決するために、
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられたサブ画素回路の個数/表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の個数/画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様は、画素間引き領域に表示を行うことができるとともに、画素間引き領域における回折光の発生を低減し、画素間引き領域の透過率の向上及び着色の低減を実現した表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1の表示装置の概略的な構成を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す実施形態1の表示装置のA部分の部分拡大図である。
【
図3】
図1に示す実施形態1の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す断面図である。
【
図4】
図2に示す実施形態1の表示装置の部分拡大図のB部分の概略的な構成を示す断面図である。
【
図5】実施形態1の表示装置に備えられたサブ画素回路の一例の概略的な構成を示す図である。
【
図6】実施形態1の表示装置に備えられた他のサブ画素回路の一例の概略的な構成を示す図である。
【
図7】(a)は、
図6に示すサブ画素回路を2つ備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、(b)は、
図5に示すサブ画素回路と
図6に示すサブ画素回路とを備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【
図8】
図7の(b)に示すデータ信号線及び高電源電圧線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図9】(a)は、
図6に示すサブ画素回路を2つ備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳する場合を示す図であり、(b)は、
図5に示すサブ画素回路と
図6に示すサブ画素回路とを備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳する場合を示す図である。
【
図10】
図9の(b)に示すデータ信号線及び高電源電圧線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図11】
図6に示すサブ画素回路と
図12に示すサブ画素回路とを備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【
図12】実施形態1の表示装置に備えられたさらに他のサブ画素回路の一例の概略的な構成を示す図である。
【
図13】
図11に示すデータ信号線及び高電源電圧線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図14】
図6に示すサブ画素回路と
図12に示すサブ画素回路とを備え、データ信号線と高電源電圧線とが平面視において重畳する場合を示す図である。
【
図15】
図14に示すデータ信号線及び高電源電圧線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図16】実施形態2の表示装置の画素間引き領域の部分拡大図である。
【
図17】(a)は、
図5に示すサブ画素回路を2つ備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、(b)は、
図5に示すサブ画素回路と
図12に示すサブ画素回路とを備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【
図18】
図17の(b)に示す走査信号線及びエミッション制御線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図19】(a)は、
図5に示すサブ画素回路を2つ備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳する場合を示す図であり、(b)は、
図5に示すサブ画素回路と
図12に示すサブ画素回路とを備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳する場合を示す図である。
【
図20】
図19の(b)に示す走査信号線及びエミッション制御線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【
図21】(a)は、
図5に示すサブ画素回路と
図5に示すサブ画素回路を平面上で180°回転させたサブ画素回路とを備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、(b)は、(a)に示す走査信号線及びエミッション制御線上に、遮光層が形成されている場合を示す図であり、(c)は、
図5に示すサブ画素回路と
図5に示すサブ画素回路を平面上で180°回転させたサブ画素回路とを備え、走査信号線とエミッション制御線とが平面視において重畳する場合を示す図であり、(d)は、(c)に示す走査信号線及びエミッション制御線上に、遮光層が形成されている場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態について、
図1から
図21に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0010】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の表示装置1の概略的な構成を示す平面図である。
【0011】
表示装置1は、額縁領域NDAと、表示領域DAと、画素間引き領域MBRとを備えている。そして、平面視において画素間引き領域MBRと重畳するように、表示装置1の裏面に撮像素子であるカメラ(図示せず)が備えられている。
【0012】
なお、本実施形態においては、画素間引き領域MBRが表示装置1の中央部分に設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、画素間引き領域MBRは、例えば、表示装置1の端部近く、すなわち、表示領域DAの端部近くに設けられていてもよい。
【0013】
また、本実施形態においては、画素間引き領域MBRが四角形状で設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、画素間引き領域MBRの形状は、例えば、円形状や楕円形状などであってもよく、その形状は適宜決定することができる。
【0014】
表示装置1の表示領域DAには、複数の画素Pが備えられており、各画素Pは、それぞれ、赤色サブ画素と、緑色サブ画素と、青色サブ画素とを含む。本実施形態においては、1画素Pが、赤色サブ画素と、緑色サブ画素と、青色サブ画素とで構成される場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、1画素Pは、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素の他に、さらに他の色のサブ画素を含んでいてもよい。
【0015】
図1に示すように、画素間引き領域MBRの影響がない表示領域DA、すなわち、画素間引き領域MBRを通らずに走査信号線SCALk(kは1以上の自然数である)を表示領域DAの左端から右端まで直線状に形成できる領域と、画素間引き領域MBRを通らずにデータ信号線DALm(mは1以上の自然数である)を表示領域DAの上端から下端まで直線状に形成できる領域とには、従来の表示装置と同様に、複数の走査信号線SCALkのそれぞれがX方向XDに沿って直線状に形成されているとともに、複数のデータ信号線DALmのそれぞれが、Y方向YDに沿って直線状に形成されている。
【0016】
実施形態1の表示装置1においては、画素間引き領域MBRの影響がある表示領域DA、すなわち、画素間引き領域MBRの上下左右の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、以下のように、走査信号線SCALk及びデータ信号線DALmを形成した。
【0017】
本実施形態においては、画素間引き領域MBRの左側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの右側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、上述した画素間引き領域MBRの影響がない表示領域DAと同様に、複数の走査信号線SCALkのそれぞれをX方向XDに沿って直線状に形成したが、これに限定されることはない。
【0018】
一方、本実施形態においては、画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAには、表示領域DAの上端から画素間引き領域MBRの上端まで複数のデータ信号線DALmのそれぞれをY方向YDに沿って直線状に形成し、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAには、表示領域DAの下端から画素間引き領域MBRの下端まで複数のデータ信号線DALmのそれぞれをY方向YDに沿って直線状に形成したが、これに限定されることはない。
【0019】
画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAに形成された複数のデータ信号線DALmのそれぞれと、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAに形成された複数のデータ信号線DALmのそれぞれとは、後述する画素間引き領域MBR内に形成された複数のデータ信号線DALmによって電気的に接続される。
【0020】
複数のデータ信号線DALm及び複数の走査信号線SCALkは、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、チタン、銅の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成でき、複数のデータ信号線DALmのそれぞれと複数の走査信号線SCALkのそれぞれとは、異なる層に形成されている。なお、異なる層に形成されているとは、複数のデータ信号線DALmのそれぞれと複数の走査信号線SCALkのそれぞれとの間に、例えば、絶縁層が形成され、複数のデータ信号線DALmのそれぞれと複数の走査信号線SCALkのそれぞれとの間に絶縁性が確保されていることを意味する。
【0021】
なお、表示領域DAにおいては、複数のデータ信号線DALmのそれぞれと複数の走査信号線SCALkのそれぞれとの交点には、後述するサブ画素回路(図示せず)が設けられている。
【0022】
本実施形態においては、表示装置1の額縁領域NDAの下部に、データ信号源及びELVDD信号源であるデータ駆動回路DDRを設け、表示装置1の額縁領域NDAの右部に、走査信号源及びエミッション制御信号源である第1走査駆動回路SDR1を設け、表示装置1の額縁領域NDAの左部に、走査信号源及びエミッション制御信号源である第2走査駆動回路SDR2を設けた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0023】
図2は、
図1に示す表示装置1のA部分の部分拡大図である。
【0024】
なお、
図2においては、表示領域DA及び画素間引き領域MBRに設けられた直線状の複数の走査信号線は図示を省略している。
【0025】
図2に示すように、表示領域DAには、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとが比較的高密度に配置されている。一方、画素間引き領域MBRには、各色のサブ画素が一部間引かれ、赤色サブ画素RSP’と緑色サブ画素GSP’と青色サブ画素BSP’とが比較的低密度に配置されている。
【0026】
なお、表示領域DAの前記密度は、(表示領域DAに形成されたサブ画素の個数/表示領域DAの面積)から求めることができ、画素間引き領域MBRの前記密度は、(画素間引き領域MBRに形成されたサブ画素の個数/画素間引き領域MBRの面積)から求めることができる。
【0027】
本実施形態においては、表示領域DAに設けられる赤色サブ画素RSPのサイズ及び形状と、画素間引き領域MBRに設けられる赤色サブ画素RSP’のサイズ及び形状とが同一であり、表示領域DAに設けられる緑色サブ画素GSPのサイズ及び形状と、画素間引き領域MBRに設けられる緑色サブ画素GSP’のサイズ及び形状とが同一であり、表示領域DAに設けられる青色サブ画素BSPのサイズ及び形状と、画素間引き領域MBRに設けられる青色サブ画素BSP’のサイズ及び形状とが同一である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、表示領域DAに設けられるある特定色のサブ画素のサイズ及び形状の少なくとも一方と、画素間引き領域MBRに設けられる前記ある特定色のサブ画素のサイズ及び形状の少なくとも一方とは、異なってもよい。
【0028】
本実施形態においては、緑色サブ画素GSP’のサイズが、赤色サブ画素RSP’のサイズ及び青色サブ画素BSP’のサイズより小さいため、画素間引き領域MBRにおける配色を考慮し、緑色サブ画素GSP’の数が、赤色サブ画素RSP’の数と青色サブ画素BSP’の数とを合わせた数になるようにするとともに、1個の緑色サブ画素GSP’と1個の赤色サブ画素RSP’または青色サブ画素BSP’とが隣接するように配置しているが、これに限定されることはない。すなわち、画素間引き領域MBRに残す各色サブ画素の個数は、画素間引き領域MBRに設けられる各色サブ画素のサイズを考慮し、適宜決定すればよい。また、画素間引き領域MBRに設けられる各色サブ画素は、隣接して配置しなくてもよく、例えば、一定間隔で一つずつ設けてもよい。
【0029】
図2に示すように、データ信号線DALn-9及びデータ信号線DALn-10(nは、11以上の自然数である)は、画素間引き領域MBRの影響がない表示領域DAに設けられたデータ信号線の一例である。データ信号線DALn-9及びデータ信号線DALn-10は、表示領域DAの上端から下端までY方向YDに沿って直線状に形成されている。
【0030】
図2に示すように、画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向であるX方向XDまたは表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体が後述するサブ画素回路を含まない無画素領域を含む(本実施形態の場合には、表示装置1の画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む)。
【0031】
図2に示すように、例えば、データ信号線DALn+2・DALn-1~DALn-4・DALn-7・DALn-8(第3データ信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいて、表示領域DAに設けられたこれらのデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体が後述するサブ画素回路を含まない無画素領域となっている。
【0032】
図3は、表示装置1の表示領域DAの概略的な構成を示す断面図である。
【0033】
図3に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいては、下面フィルム10と、樹脂層12と、バリア層3と、トランジスタTRを含む各種絶縁層4と、発光素子5及び透明樹脂層(バンク)23と、封止層6と、機能フィルム39とが、下面フィルム10側からこの順に備えられている。
【0034】
図2及び
図3に示すように、表示装置1の表示領域DAには、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとが備えられている。赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPのそれぞれは、発光素子5を含む。赤色サブ画素RSPに含まれる発光素子5は、アノード22と、赤色発光層を含む機能層24と、カソード25とを含み、緑色サブ画素GSPに含まれる発光素子5は、アノード22と、緑色発光層を含む機能層24と、カソード25とを含み、青色サブ画素BSPに含まれる発光素子5は、アノード22と、青色発光層を含む機能層24と、カソード25とを含む。
【0035】
図2に示す画素間引き領域MBRに設けられた赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’のそれぞれは、表示領域DAに設けられた赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPのそれぞれと同様の構成であり、発光素子5を含む。
【0036】
図3に示すように、表示領域DAに設けられた赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPのそれぞれの下層は、トランジスタTRを含む各種絶縁層4となっており、図示してないが、画素間引き領域MBRに設けられた赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’のそれぞれの下層も、トランジスタTRを含む各種絶縁層4となっている。
【0037】
下面フィルム10は、例えば、PETフィルムなどである。
【0038】
樹脂層12の材料としては、例えばポリイミド等が挙げられる。
【0039】
本実施形態においては、表示装置1を可撓性表示装置とするため、表示装置1が下面フィルム10と樹脂層12とを備えている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。表示装置1を非可撓性表示装置とする場合には、例えば、下面フィルム10の代わりにガラス基板を用いてもよく、ガラス基板上に後述するバリア層3を直接設けてもよい。
【0040】
バリア層3は、水、酸素等の異物がトランジスタTR及び発光素子5に侵入することを防ぐ層であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。
【0041】
トランジスタTRを含む各種絶縁層4のトランジスタTR部分は、半導体膜と、無機絶縁膜16と、ゲート電極と、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、ソース電極及びドレイン電極と、平坦化膜21とを含み、トランジスタTRを含む各種絶縁層4のトランジスタTR以外の部分は、無機絶縁膜16と、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、平坦化膜21とを含む。
【0042】
半導体膜は、例えば、低温ポリシリコン(LTPS)あるいは酸化物半導体(例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体)で構成してもよい。本実施形態においては、トランジスタTRがトップゲート構造である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、トランジスタTRは、ボトムゲート構造であってもよい。
【0043】
ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極とは、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、チタン、銅の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成できる。
【0044】
無機絶縁膜16、無機絶縁膜18及び無機絶縁膜20は、例えば、CVD法によって形成された、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜または、これらの積層膜によって構成することができる。
【0045】
平坦化膜21は、例えば、ポリイミド、アクリル等の塗布可能な有機材料によって構成することができる。
【0046】
発光素子5は、平坦化膜21よりも上層のアノード22と、発光層を含む機能層24と、カソード25とを含む。なお、アノード22のエッジを覆う絶縁性の透明樹脂層(バンク)23は、例えば、ポリイミドまたはアクリルなどの有機材料を塗布した後にフォトリソグラフィー法によってパターニングすることで形成できる。
【0047】
発光層を含む機能層24は、例えば、アノード22側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。発光層を含む機能層24のうちの正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の1層以上を適宜省いてもよい。
【0048】
なお、発光素子5がOLED(有機発光ダイオード)である場合には、機能層24に含まれる発光層は、例えば、蒸着法によって形成された有機発光層であり、発光素子5がQLED(量子ドット発光ダイオード)である場合には、機能層24に含まれる発光層は、例えば、インクジェット法または塗布法で形成された量子ドットを含む発光層である。
【0049】
赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとに、島状のアノード22、機能層24及びカソード25を含む発光素子5が設けられている。各発光素子5を制御するトランジスタTRを含む制御回路が、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとにトランジスタTRを含む各種絶縁層4に設けられている。なお、詳しくは後述するが、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとに設けられているサブ画素回路は、トランジスタTRを含む制御回路と発光素子5とを含む。
【0050】
図3に示す発光素子5は、トップエミッション型であっても、ボトムエミッション型であってもよい。発光素子5が、下面フィルム10側から、アノード22と、発光層を含む機能層24と、カソード25とが、この順に形成された順積構造を有する場合には、アノード22よりカソード25が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、アノード22は可視光を反射する電極材料で形成し、カソード25は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、アノード22は可視光を透過する電極材料で形成し、カソード25は可視光を反射する電極材料で形成すればよい。一方、発光素子5が、下面フィルム10側から、カソード25と、発光層を含む機能層24と、アノード22とが、この順に形成された逆積構造を有する場合には、カソード25よりアノード22が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、カソード25は可視光を反射する電極材料で形成し、アノード22は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、アノード22は可視光を反射する電極材料で形成し、カソード25は可視光を透過する電極材料で形成すればよい。
【0051】
可視光を反射する電極材料としては、可視光を反射でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料または、前記金属材料の合金または、前記金属材料と透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)との積層体または、前記合金と前記透明金属酸化物との積層体などを挙げることができる。
【0052】
一方、可視光を透過する電極材料としては、可視光を透過でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)または、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料からなる薄膜などを挙げることができる。
【0053】
アノード22及びカソード25の成膜方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的蒸着(PVD)法、あるいは、化学的蒸着(CVD)法などを挙げることができる。また、アノード22及びカソード25のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的にはフォトリソグラフィー法やインクジェット法等を挙げることができる。
【0054】
封止層6は透光性膜であり、例えば、カソード25を覆う無機封止膜26と、無機封止膜26よりも上層の有機膜27と、有機膜27よりも上層の無機封止膜28とで構成することができる。封止層6は、水、酸素等の異物の発光素子5への浸透を防いでいる。
【0055】
無機封止膜26および無機封止膜28はそれぞれ無機膜であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。有機膜27は、平坦化効果のある透光性有機膜であり、例えば、アクリル等の塗布可能な有機材料によって構成することができる。有機膜27は、例えばインクジェット法によって形成してもよい。本実施形態においては、封止層6を、2層の無機膜と2層の無機膜の間に設けられた1層の有機膜とで形成した場合を一例に挙げて説明したが、2層の無機膜と1層の有機膜の積層順はこれに限定されることはない。さらに、封止層6は、無機膜のみで構成されてもよく、有機膜のみで構成されてもよく、1層の無機膜と2層の有機膜とで構成されてもよく、2層以上の無機膜と2層以上の有機膜とで構成されてもよい。
【0056】
機能フィルム39は、例えば、光学補償機能、タッチセンサ機能、保護機能の少なくとも1つを有するフィルムである。
【0057】
図4は、
図2に示す表示装置1の部分拡大図のB部分の概略的な構成を示す断面図である。
【0058】
なお、
図4においても、
図2と同様に、画素間引き領域MBRに設けられた直線状の複数の走査信号線は図示を省略している。
【0059】
図2に示す表示装置1の部分拡大図のB部分は、画素間引き領域MBRであって、赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’、青色サブ画素BSP’及びデータ信号線の何れも設けられていない領域である。なお、この領域は、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体がサブ画素回路を含まない無画素領域の一部でもある。
【0060】
図4に示すように、表示装置1の画素間引き領域MBRの無画素領域には、下面フィルム10と、樹脂層12と、バリア層3と、トランジスタTRを含まない各種絶縁層4と、透明樹脂層23と、封止層6とが、下面フィルム10側からこの順に備えられている。なお、本実施形態においては、表示装置1の画素間引き領域MBRの無画素領域に透明樹脂層23が設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、無画素領域に透明樹脂層23をもうけなくてもよい。
【0061】
表示装置1の画素間引き領域MBRの無画素領域には、赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’が形成されないので、発光素子5も形成される必要がなく、発光素子5を制御するトランジスタTRを含む制御回路も形成される必要がない。したがって、表示装置1の画素間引き領域MBRの無画素領域には、トランジスタTRを含む制御回路と発光素子5とを含むサブ画素回路が形成されない。
【0062】
図2、
図3及び
図4に示すように、表示装置1においては、表示領域DAに設けられた前記サブ画素回路の平均密度(表示領域DAに設けられた前記サブ画素回路の個数/表示領域DAの面積)は、画素間引き領域MBRに設けられた前記サブ画素回路の平均密度(画素間引き領域MBRに設けられた前記サブ画素回路の個数/画素間引き領域MBRの面積)より大きい。
【0063】
以上のように、表示装置1は、画素間引き領域MBRに、赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’を備えているので、画素間引き領域MBRに表示を行うことができる。また、表示装置1の画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向であるX方向XDまたは表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む(本実施形態の場合には、表示装置1の画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む)。したがって、画素間引き領域MBRの無画素領域には、データ信号線を形成しなくてもよく、複数のデータ信号線をまとめて形成することもできる。よって、表示装置1の画素間引き領域MBRにおいては、一定間隔で形成された直線状の複数のデータ信号線の配線ピッチの影響により回折光が発生するのを抑制でき、画素間引き領域MBRの透過率の向上及び着色の低減を実現できる。
【0064】
本実施形態においては、上述したように、画素間引き領域MBRにおいても、表示領域DAと同様に、複数の走査信号線のそれぞれをX方向XDに沿って直線状に形成しているが、
図2に示すように、例えば、データ信号線DALn-1~DALn-8・DALn+2・DALn+6・DALn+7(第3データ信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいて、表示領域DAに設けられたこれらのデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って直線状に形成されていない。
【0065】
図4に示すように、表示装置1は、平面視において画素間引き領域MBRと重畳するように、表示装置1の裏面である下面フィルム10側に撮像素子であるカメラCMを備えている。
【0066】
図2の点線Cに示すように、データ信号線DALn-1~DALn-8・DALn+2・DALn+6・DALn+7(第3データ信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいては、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている。一方、データ信号線DALn-1~DALn-8・DALn+2・DALn+6・DALn+7のそれぞれは、画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAにおいては、表示領域DAの上端から画素間引き領域MBRの上端までY方向YDに沿って直線状に形成されており、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAにおいては、表示領域DAの下端から画素間引き領域MBRの下端までY方向YDに沿って直線状に形成されている。
【0067】
本実施形態においては、全てのデータ信号線を、表示領域DAにおいては同一層である、例えば、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成した。そして、データ信号線DALn・DALn+1のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいても表示領域DAと同一層である
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成した。それから、例えば、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されているデータ信号線DALn-1~DALn-8・DALn+2・DALn+6・DALn+7のうちの一部のデータ信号線DALn-5・DALn-6・DALn+2・DALn+6・DALn+7(第3データ信号線)であって、画素間引き領域MBRにおいて、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5・DAL’n-6・DAL’’n-6・DAL’n+2・DAL’’n+2・DAL’n+6~DAL’’’’n+6・DAL’n+7~DAL’’’’n+7(何れも
図2において太線で図示)、すなわち、データ信号線DALn-5・DALn-6・DALn+2・DALn+6・DALn+7の画素間引き領域MBRの一部を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成した。
【0068】
特に、画素間引き領域MBRにおいて、データ信号線DALn+2・DALn+6・DALn+7のそれぞれは、データ信号線DALn・DALn+1のそれぞれと交差するので、上記構成とすることで、データ信号線DALn+2・DALn+6・DALn+7のそれぞれと、データ信号線DALn・DALn+1のそれぞれとの間の絶縁性を確保することができる。また、画素間引き領域MBRにおいて、データ信号線DALn-5・DALn-6のそれぞれも、他のデータ信号線のそれぞれと交差するので、上記構成とすることで、データ信号線DALn-5・DALn-6のそれぞれと、他のデータ信号線のそれぞれとの間の絶縁性を確保することができる。
【0069】
本実施形態においては、他のデータ信号線と交差するデータ信号線DALn-5・DALn-6・DALn+2・DALn+6・DALn+7の画素間引き領域MBRにおける一部である前記第1配線を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成したが、これに限定されることはない。例えば、データ信号線DALn-1~DALn-8・DALn+2・DALn+6・DALn+7の画素間引き領域MBRにおける一部である走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成してもよい。
【0070】
上述したデータ信号線DALn-5・DALn-6・DALn+2・DALn+6・DALn+7の画素間引き領域MBRの一部であって、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成され、かつ、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分は、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成され、かつ、X方向XDに沿って形成された図示していない複数の走査信号線の一部と重畳することが好ましい。
【0071】
図2に示すように、画素間引き領域MBRの左上側に設けられたサブ画素回路(第3サブ画素回路)、具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn-6(第3データ信号線)とは、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’n-6によって電気的に接続されている。データ信号線DALn-6の一部である第1配線DAL’n-6・DAL’’n-6は、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されているデータ信号線DALn-1~DALn-5・DALn+2・DALn+6~DALn+7と交差するので、本実施形態においては、データ信号線DALn-6の第1配線DAL’n-6・DAL’’n-6と、データ信号線DALn-6の第1配線DAL’n-6・DAL’’n-6以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、データ信号線DALn-6の第1配線DAL’n-6・DAL’’n-6を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、データ信号線DALn-6の第1配線DAL’n-6・DAL’’n-6以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの左下側に設けられた緑色サブ画素GSP’も同様に、第1配線DAL’’n-6によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn-6に電気的に接続されている。
【0072】
図2に示すように、画素間引き領域MBRの左上側に設けられたサブ画素回路(第3サブ画素回路)、具体的には、赤色サブ画素RSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn-5とは、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’n-5によって電気的に接続されている。データ信号線DALn-5の一部である第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5は、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されているデータ信号線DALn-1~DALn-4・DALn+2・DALn+6~DALn+7と交差するので、本実施形態においては、データ信号線DALn-5の第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5と、データ信号線DALn-5の第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、データ信号線DALn-5の第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、データ信号線DALn-5の第1配線DAL’n-5・DAL’’n-5以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの左下側に設けられた青色サブ画素BSP’も同様に、第1配線DAL’’n-5によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn-5に電気的に接続されている。
【0073】
図2の点線Fに示すように、画素間引き領域MBRの中央上側に設けられたサブ画素回路(第3サブ画素回路)、具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn+6とは、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’’n+6によって電気的に接続されている。データ信号線DALn+6の一部である第1配線DAL’n+6・DAL’’n+6・DAL’’’n+6・DAL’’’’n+6は、データ信号線DALn・DALn+1及び画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されているデータ信号線DALn+7と交差するので、本実施形態においては、データ信号線DALn+6の第1配線DAL’n+6・DAL’’n+6・DAL’’’n+6・DAL’’’’n+6と、データ信号線DALn+6の第1配線DAL’n+6・DAL’’n+6・DAL’’’n+6・DAL’’’’n+6以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、データ信号線DALn+6の第1配線DAL’n+6・DAL’’n+6・DAL’’’n+6・DAL’’’’n+6を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、データ信号線DALn+6の第1配線DAL’n+6・DAL’’n+6・DAL’’’n+6・DAL’’’’n+6以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの中央下側に設けられた緑色サブ画素GSP’も同様に、第1配線DAL’’’n+6によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn+6に電気的に接続されている。
【0074】
図2の点線Fに示すように、画素間引き領域MBRの中央上側に設けられたサブ画素回路(第3サブ画素回路)、具体的には、赤色サブ画素RSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn+7とは、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’’n+7によって電気的に接続されている。データ信号線DALn+7の一部である第1配線DAL’n+7・DAL’’n+7・DAL’’’n+7・DAL’’’’n+7は、データ信号線DALn・DALn+1と交差するので、本実施形態においては、データ信号線DALn+7の第1配線DAL’n+7・DAL’’n+7・DAL’’’n+7・DAL’’’’n+7と、データ信号線DALn+7の第1配線DAL’n+7・DAL’’n+7・DAL’’’n+7・DAL’’’’n+7以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、データ信号線DALn+7の第1配線DAL’n+7・DAL’’n+7・DAL’’’n+7・DAL’’’’n+7を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、データ信号線DALn+7の第1配線DAL’n+7・DAL’’n+7・DAL’’’n+7・DAL’’’’n+7以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの中央下側に設けられた青色サブ画素BSP’も同様に、第1配線DAL’’’n+7によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn+7に電気的に接続されている。
【0075】
図2に示すように、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されたデータ信号線DALn+2(第3データ信号線)は、走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って形成された部分を含む第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2含む。データ信号線DALn+2の一部である第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2は、データ信号線DALn・DALn+1と交差するので、本実施形態においては、データ信号線DALn+2の第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2と、データ信号線DALn+2の第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、データ信号線DALn+2の第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、データ信号線DALn+2の第1配線DAL’n+2・DAL’’n+2以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成することができる。
【0076】
上述したデータ信号線DALn+2の前記第1配線、データ信号線DALn-6の前記第1配線、データ信号線DALn-5の前記第1配線、データ信号線DALn+6の前記第1配線及びデータ信号線DALn+7の前記第1配線は、X方向XDに沿って形成された図示していない複数の走査信号線の一部と重畳することが好ましい。
【0077】
図5は、実施形態1の表示装置1に備えられたサブ画素回路PKの一例の概略的な構成を示す図である。なお、サブ画素回路PKは、n行n列目のサブ画素回路PKを示しているが、一部、n-1行n列目のサブ画素回路PKも含む。
【0078】
図5に示すサブ画素回路PKは、容量素子Cpと、高電源電圧線ELVDDnと駆動トランジスタT4の制御端子との間に接続され、かつ、ゲート端子が前段(n-1段)の走査信号線SCALn-1に接続される第1初期化トランジスタT1と、駆動トランジスタT4のドレイン領域Dと制御端子との間に接続され、かつ、ゲート端子が自段(n段)の走査信号線SCALnに接続される閾値制御トランジスタT2と、データ信号線DALnと駆動トランジスタT4のソース領域Sとの間に接続され、ゲート端子が自段(n段)の走査信号線SCALnに接続される書き込み制御トランジスタT3と、発光素子5の電流を制御する駆動トランジスタT4と、高電源電圧線ELVDDnと駆動トランジスタT4のドレイン領域Dとの間に接続され、かつ、ゲート端子が
エミッション制御線Emnに接続される電源供給トランジスタT5と、駆動トランジスタT4のソース領域Sと発光素子5のアノード電極22との間に接続され、かつ、ゲート端子が
エミッション制御線Emnに接続される発光制御トランジスタT6と、第2初期化電源線Ininと発光素子5のアノード電極22との間に接続され、かつ、ゲート端子が自段(n段)の走査信号線SCALnに接続される第2初期化トランジスタT7と、を含む。
【0079】
図5に示すサブ画素回路PKは、トランジスタT1~T7の配置位置に対して、左側にデータ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとを備えている。
【0080】
図6は、実施形態1の表示装置1に備えられた他のサブ画素回路PK’の一例の概略的な構成を示す図である。
【0081】
図6に示すサブ画素回路PK’は、トランジスタT1~T7の配置位置に対して、右側にデータ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとを備えている点において、
図5に示すサブ画素回路PKとは異なる。
【0082】
図5に示すサブ画素回路PK(第1サブ画素回路)と
図6に示すサブ画素回路PK’(第2サブ画素回路)とは、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(
図1及び
図2におけるY方向YD)を対称軸として、対称配置されている。すなわち、
図5に示すサブ画素回路PK(第1サブ画素回路)と
図6に示すサブ画素回路PK’(第2サブ画素回路)とは、左右対称である。
【0083】
図2の点線Hに示すように、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn(第1データ信号線)は、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(
図2中のY方向YD)に沿って形成されている。データ信号線DALn(第1データ信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn+1(第2データ信号線)は、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(
図2中のY方向YD)に沿って形成されている。
【0084】
図2の点線Hに示すように、画素間引き領域MBRの中央上側に設けられたサブ画素回路(第1サブ画素回路)と、データ信号線DALn(第1データ信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、データ信号線DALn(第1データ信号線)とは電気的に接続されている。また、画素間引き領域MBRの中央上側に設けられたサブ画素回路(第2サブ画素回路)と、データ信号線DALn+1(第2データ信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、青色サブ画素BSP’に関するサブ画素回路と、データ信号線DALn+1(第2データ信号線)とは電気的に接続されている。同様に、画素間引き領域MBRの中央下側に設けられたサブ画素回路(第1サブ画素回路)と、データ信号線DALn(第1データ信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、データ信号線DALn(第1データ信号線)とは電気的に接続されている。また、画素間引き領域MBRの中央下側に設けられたサブ画素回路(第2サブ画素回路)と、データ信号線DALn+1(第2データ信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、赤色サブ画素RSP’に関するサブ画素回路と、データ信号線DALn+1(第2データ信号線)とは電気的に接続されている。
【0085】
図7の(a)は、
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備え、データ信号線DALn・DALn+1と高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、
図7の(b)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図6に示すサブ画素回路PK’とを備え、データ信号線DALn・DALn+1と高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【0086】
上述したように、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn(第1データ信号線)と、データ信号線DALn(第1データ信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn+1(第2データ信号線)とを、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(
図2中のY方向YD)に沿って形成する場合には、以下の点を考慮することが好ましい。
【0087】
図7の(a)に示すように、
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成(または
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成)の場合、データ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとの間の配線ピッチW1やデータ信号線DALn+1と高電源電圧線ELVDDn+1との間の配線ピッチW1は、数μm程度であり、高電源電圧線ELVDDnとデータ信号線DALn+1との間の画素ピッチW2は、数十μm程度である。したがって、
図7の(a)に示すように、サブ画素回路PK’を2つ備えた構成(または
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成)の場合、配線ピッチW1及び画素ピッチW2による回折光が発生するため、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く光量が減少してしまう。
【0088】
図7の(b)に示すように、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(Y方向YD)を対称軸Yとして、対称配置されている
図5に示すサブ画素回路PKと
図6に示すサブ画素回路PK’とを備えた構成の場合、
図7の(a)に示す画素ピッチW2が約2倍になり、画素ピッチW2による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0089】
図7の(b)に示すような構成とすることで、
図2に示すように、画素間引き領域MBRに設けられたデータ信号線DALnとデータ信号線DALn+1との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0090】
図8は、
図7の(b)に示すデータ信号線DALn・DALn+1及び高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0091】
図8に示すように、データ信号線DALn・DALn+1及び高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1上に、遮光層41を設けることで、データ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとの間の配線ピッチW1、データ信号線DALn+1と高電源電圧線ELVDDn+1との間の配線ピッチW1及び高電源電圧線ELVDDnとデータ信号線DALn+1との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。なお、遮光層41のピッチは、
画素間引き領域MBRに設けられたサブ画素間のピッチ(数百μm程度)となり可視光波長とは遠くなるので、遮光層41のピッチの影響による回折光は大幅に低減する。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0092】
遮光層41は、可視光を遮光できる層であれば特に限定されないが、可視光を反射する電極材料で形成されるアノード22またはカソード25を形成する材料で遮光層41を形成することが好ましい。このようにすることで、アノード22またはカソード25と遮光層41とを一つの工程で形成することができる。
【0093】
また、
図2の点線Iに示すように、画素間引き領域MBRに形成された配線上の少なくとも一部には、遮光層41が形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、画素間引き領域MBRに形成された配線間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0094】
図2の点線Eに示すように、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn+12(第1データ信号線)と、データ信号線DALn+12(第1データ信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数のデータ信号線のうちの一つであるデータ信号線DALn+13(第2データ信号線)とは、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(
図2中のY方向YD)に沿って形成されている。
【0095】
画素間引き領域MBRにおいて、データ信号線DALn+12(第1データ信号線)と、データ信号線DALn+13(第2データ信号線)とは、異なる層に形成されていることが好ましい。例えば、画素間引き領域MBRにおいては、データ信号線DALn+12(第1データ信号線)を
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成し、データ信号線DALn+13(第2データ信号線)、具体的には、データ信号線DALn+13の一部DAL’n+13を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成することができる。
【0096】
図9の(a)は、
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備え、データ信号線DALn+12・DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13とが平面視において重畳する場合を示す図であり、
図9の(b)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図6に示すサブ画素回路PK’とを備え、データ信号線DALn+12・DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13とが平面視において重畳する場合を示す図である。例えば、画素間引き領域MBRにおいては、データ信号線DALn+12・DALn+13を
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成し、高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成することができる。
【0097】
図9の(a)に示すように、
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成(または
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成)の場合、データ信号線DALn+12と高電源電圧線ELVDDn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、データ信号線DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の画素ピッチW3は、数十μm程度である。したがって、
図9の(a)に示すように、サブ画素回路PK’を2つ備えた構成(または
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成)の場合、画素ピッチW3による回折光が発生するため、画素間引き領域MBRを介して、分光された被写体からの光(回折効果により着色した光)がカメラCMの受光部に導かれる。
【0098】
図9の(b)に示すように、表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向(Y方向YD)を対称軸Yとして、対称配置されている
図5に示すサブ画素回路PKと
図6に示すサブ画素回路PK’とを備えた構成の場合、
図9の(a)に示す画素ピッチW3が約2倍になり、画素ピッチW3による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0099】
図9の(b)に示すような構成とすることで、
図2に示すように、画素間引き領域MBRに設けられたデータ信号線DALn+12とデータ信号線DALn+13との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0100】
図10は、
図9の(b)に示すデータ信号線DALn+12・DALn+13及び高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0101】
図10に示すように、データ信号線DALn+12・DALn+13及び高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13上に、遮光層41を設けることで、
図9の(b)に示すデータ信号線DALn+12と高電源電圧線ELVDDn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、データ信号線DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0102】
図11は、
図6に示すサブ画素回路PK’と
図5に示すサブ画素回路PKの代わりに
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備え、データ信号線DALn・DALn+1と高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【0103】
図12は、実施形態1の表示装置に備えられたさらに他のサブ画素回路PK’’の一例の概略的な構成を示す図である。
【0104】
図12に示すサブ画素回路PK’’は、トランジスタT1~T7の配置位置に対して、左側にデータ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとを備えている点と、上側から走査信号線SCALnと走査信号線SCALn-1とがこの順に配置されている点とにおいて、
図6に示すサブ画素回路PK’とは異なる。
【0105】
図6に示すサブ画素回路PK’(第1サブ画素回路)を平面上で180°回転させた場合、
図12に示すサブ画素回路PK’’(第2サブ画素回路)と一致する。
【0106】
図11に示すように、
図6に示すサブ画素回路PK’と
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備えた構成の場合、
図7の(a)に示す画素ピッチW2を有さないので、画素ピッチW2による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0107】
図11に示すような構成とすることで、
図2に示すように、画素間引き領域MBRに設けられたデータ信号線DALnとデータ信号線DALn+1との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0108】
図13は、
図11に示すデータ信号線DALn・DALn+1及び高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0109】
図13に示すように、データ信号線DALn・DALn+1及び高電源電圧線ELVDDn・ELVDDn+1上に、遮光層41を設けることで、データ信号線DALnと高電源電圧線ELVDDnとの間の配線ピッチW1、データ信号線DALn+1と高電源電圧線ELVDDn+1との間の配線ピッチW1及び高電源電圧線ELVDDnとデータ信号線DALn+1との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。なお、遮光層41のピッチは、
画素間引き領域MBRに設けられたサブ画素間のピッチ(数百μm程度)となり可視光波長とは遠くなるので、遮光層41のピッチの影響による回折光は大幅に低減する。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0110】
図14は、
図6に示すサブ画素回路PK’と
図5に示すサブ画素回路PKの代わりに
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備え、データ信号線DALn+12・DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13とが平面視において重畳する場合を示す図である。
【0111】
図14に示すように、
図6に示すサブ画素回路PK’と
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備えた構成の場合、
図9の(a)に示すデータ信号線DALn+12と高電源電圧線ELVDDn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、データ信号線DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の画素ピッチW3(数十μm程度)が約2倍になり、画素ピッチW3による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0112】
図14に示すような構成とすることで、
図2に示すように、画素間引き領域MBRに設けられたデータ信号線DALn+12とデータ信号線DALn+13との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0113】
図15は、
図14に示すデータ信号線DALn+12・DALn+13及び高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0114】
図15に示すように、データ信号線DALn+12・DALn+13及び高電源電圧線ELVDDn+12・ELVDDn+13上に、遮光層41を設けることで、データ信号線DALn+12と高電源電圧線ELVDDn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、データ信号線DALn+13と高電源電圧線ELVDDn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0115】
本実施形態においては、上述したように、画素間引き領域MBRの左側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの右側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、複数の走査信号線のそれぞれをX方向XDに沿って直線状に形成した場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、例えば、画素間引き領域MBRの左側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの右側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、後述する実施形態2のような走査信号線の配置を適宜取り入れてもよい。
【0116】
〔実施形態2〕
次に、
図16から
図21に基づき、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の表示装置においては、画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとに、複数のデータ信号線のそれぞれをY方向YDに沿って直線状に形成している点において、実施形態1で説明した表示装置とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
図16は、実施形態2の表示装置の画素間引き領域MBRの部分拡大図である。
【0118】
なお、
図16においては、表示領域DA及び画素間引き領域MBRに設けられた直線状の複数のデータ信号線は図示を省略している。
【0119】
図16に示すように、表示領域DAには、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとが比較的高密度に配置されている。一方、画素間引き領域MBRには、各色のサブ画素が一部間引かれ、赤色サブ画素RSP’と緑色サブ画素GSP’と青色サブ画素BSP’とが比較的低密度に配置されている。
【0120】
図16に示すように、走査信号線SCALn-9及び走査信号線SCALn-10(nは、11以上の自然数である)は、画素間引き領域MBRの影響がない表示領域DAに設けられた走査信号線の一例である。走査信号線SCALn-9及び走査信号線SCALn-10は、表示領域DAの左端から右端までX方向XDに沿って直線状に形成されている。
【0121】
図16に示すように、画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向であるX方向XDまたは表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体がサブ画素回路を含まない無画素領域を含む(本実施形態の場合には、表示装置の画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む)。
【0122】
図16に示すように、例えば、走査信号線SCALn+2・SCALn-1~SCALn-4・SCALn-7・SCALn-8(第3走査信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいて、表示領域DAに設けられたこれらの走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿う1ライン全体がサブ画素回路を含まない無画素領域となっている。
【0123】
画素間引き領域MBRの無画素領域には、赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’が形成されないので、発光素子5も形成される必要がなく、発光素子5を制御するトランジスタTRを含む制御回路も形成される必要がない。したがって、画素間引き領域MBRの無画素領域には、トランジスタTRを含む制御回路と発光素子5とを含むサブ画素回路が形成されない。
【0124】
図16に示すように、本実施形態の表示装置においては、表示領域DAに設けられた前記サブ画素回路の平均密度(表示領域DAに設けられた前記サブ画素回路の個数/表示領域DAの面積)は、画素間引き領域MBRに設けられた前記サブ画素回路の平均密度(画素間引き領域MBRに設けられた前記サブ画素回路の個数/画素間引き領域MBRの面積)より大きい。
【0125】
以上のように、本実施形態の表示装置は、画素間引き領域MBRに、赤色サブ画素RSP’、緑色サブ画素GSP’及び青色サブ画素BSP’を備えているので、画素間引き領域MBRに表示を行うことができる。また、本実施形態の表示装置の画素間引き領域MBRは、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向であるX方向XDまたは表示領域DAに設けられたデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿う1ライン全体がサブ画素回路を含まない無画素領域を含む。したがって、画素間引き領域MBRの無画素領域には、走査信号線を形成しなくてもよく、複数の走査信号線をまとめて形成することもできる。よって、本実施形態の表示装置の画素間引き領域MBRにおいては、一定間隔で形成された直線状の複数の走査信号線の配線ピッチの影響により回折光が発生するのを抑制でき、画素間引き領域MBRの透過率の向上及び着色の低減を実現できる。
【0126】
本実施形態においては、上述したように、画素間引き領域MBRにおいても、表示領域DAと同様に、複数のデータ信号線のそれぞれをY方向YDに沿って直線状に形成しているが、
図16に示すように、例えば、走査信号線SCALn+7・SCALn+6・SCALn+2・SCALn-1~SCALn-8(第3走査信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいて、表示領域DAに設けられたこれらの走査信号線の延在方向であるX方向XDに沿って直線状に形成されていない。
【0127】
図16に示すように、走査信号線SCALn+7・SCALn+6・SCALn+2・SCALn-1~SCALn-8(第3走査信号線)のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいては、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている。一方、走査信号線SCALn+7・SCALn+6・SCALn+2・SCALn-1~SCALn-8のそれぞれは、画素間引き領域MBRの左側の表示領域DAにおいては、表示領域DAの左端から画素間引き領域MBRの左端までX方向XDに沿って直線状に形成されており、画素間引き領域MBRの右側の表示領域DAにおいては、表示領域DAの右端から画素間引き領域MBRの右端までX方向XDに沿って直線状に形成されている。
【0128】
本実施形態においては、全ての走査信号線を、表示領域DAにおいては同一層である、例えば、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成した。そして、走査信号線SCALn・SCALn+1のそれぞれは、画素間引き領域MBRにおいても表示領域DAと同一層である
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成した。それから、例えば、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている走査信号線SCALn+7・SCALn+6・SCALn+2・SCALn-1~SCALn-8のうちの一部の走査信号線SCALn-5・SCALn-6・SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7(第3走査信号線)であって、画素間引き領域MBRにおいて、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5・SCAL’n-6・SCAL’’n-6・SCAL’n+2・SCAL’’n+2・SCAL’n+6~SCAL’’’’n+6・SCAL’n+7~SCAL’’’’n+7(何れも
図16において太線で図示)、すなわち、走査信号線SCALn-5・SCALn-6・SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7の画素間引き領域MBRの一部は、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成した。
【0129】
特に、画素間引き領域MBRにおいて、走査信号線SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7のそれぞれは、走査信号線SCALn・SCALn+1のそれぞれと交差するので、上記構成とすることで、走査信号線SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7のそれぞれと、走査信号線SCALn・SCALn+1のそれぞれとの間の絶縁性を確保することができる。また、画素間引き領域MBRにおいて、走査信号線SCALn-5・SCALn-6のそれぞれも、他の走査信号線のそれぞれと交差するので、上記構成とすることで、走査信号線SCALn-5・SCALn-6のそれぞれと、他の走査信号線のそれぞれとの間の絶縁性を確保することができる。
【0130】
本実施形態においては、他の走査信号線と交差する走査信号線SCALn-5・SCALn-6・SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7の画素間引き領域MBRの一部である前記第2配線を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成したが、これに限定されることはない。例えば、走査信号線SCALn-1~SCALn-8・SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7の画素間引き領域MBRの一部であるデータ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成してもよい。
【0131】
上述した走査信号線SCALn-5・SCALn-6・SCALn+2・SCALn+6・SCALn+7の画素間引き領域MBRの一部であって、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成され、かつ、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分は、
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層で形成され、かつ、Y方向YDに沿って形成された図示していない複数のデータ信号線の一部と重畳することが好ましい。
【0132】
図16に示すように、画素間引き領域MBRの右上側に設けられたサブ画素回路(第6サブ画素回路)、具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn-6(第3走査信号線)とは、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線SCAL’n-6によって電気的に接続されている。走査信号線SCALn-6の一部である第2配線SCAL’n-6・SCAL’’n-6は、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている走査信号線SCALn-1~SCALn-5・SCALn+2・SCALn+6~SCALn+7と交差するので、本実施形態においては、走査信号線SCALn-6の第2配線SCAL’n-6・SCAL’’n-6と、走査信号線SCALn-6の第2配線SCAL’n-6・SCAL’’n-6以外部分とを、異なる層で形成した。例えば、走査信号線SCALn-6の第2配線SCAL’n-6・SCAL’’n-6を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、走査信号線SCALn-6の第2配線SCAL’n-6・SCAL’’n-6以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの左上側に設けられた緑色サブ画素GSP’も同様に、第2配線SCAL’’n-6によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn-6に電気的に接続されている。
【0133】
図16に示すように、画素間引き領域MBRの右上側に設けられたサブ画素回路(第6サブ画素回路)、具体的には、青色サブ画素BSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn-5とは、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線SCAL’n-5によって電気的に接続されている。走査信号線SCALn-5の一部である第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5は、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている走査信号線SCALn-1~SCALn-4・SCALn+2・SCALn+6~SCALn+7と交差するので、本実施形態においては、走査信号線SCALn-5の第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5と、走査信号線SCALn-5の第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、走査信号線SCALn-5の第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、走査信号線SCALn-5の第2配線SCAL’n-5・SCAL’’n-5以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの左上側に設けられた赤色サブ画素RSP’も同様に、第2配線SCAL’’n-5によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn-5に電気的に接続されている。
【0134】
図16に示すように、画素間引き領域MBRの中央右側に設けられたサブ画素回路(第6サブ画素回路)、具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn+6とは、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線SCAL’’n+6によって電気的に接続されている。走査信号線SCALn+6の一部である第2配線SCAL’n+6・SCAL’’n+6・SCAL’’’n+6・SCAL’’’’n+6は、走査信号線SCALn・SCALn+1及び画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成されている走査信号線SCALn+7と交差するので、本実施形態においては、走査信号線SCALn+6の第2配線SCAL’n+6・SCAL’’n+6・SCAL’’’n+6・SCAL’’’’n+6と、走査信号線SCALn+6の第2配線SCAL’n+6・SCAL’’n+6・SCAL’’’n+6・SCAL’’’’n+6以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、走査信号線SCALn+6の第2配線SCAL’n+6・SCAL’’n+6・SCAL’’’n+6・SCAL’’’’n+6を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、走査信号線SCALn+6の第2配線SCAL’n+6・SCAL’’n+6・SCAL’’’n+6・SCAL’’’’n+6以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの中央左側(
図16のK部分)に設けられた緑色サブ画素GSP’も同様に、第2配線SCAL’’’n+6によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn+6に電気的に接続されている。
【0135】
図16に示すように、画素間引き領域MBRの中央右側に設けられたサブ画素回路(第6サブ画素回路)、具体的には、青色サブ画素BSP’に関するサブ画素回路と、画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn+7とは、データ信号線の延在方向であるY方向YDに沿って形成された部分を含む第2配線SCAL’’n+7によって電気的に接続されている。走査信号線SCALn+7の一部である第2配線SCAL’n+7・SCAL’’n+7・SCAL’’’n+7・SCAL’’’’n+7は、走査信号線SCALn・SCALn+1と交差するので、本実施形態においては、走査信号線SCALn+7の第2配線SCAL’n+7・SCAL’’n+7・SCAL’’’n+7・SCAL’’’’n+7と、走査信号線SCALn+7の第2配線SCAL’n+7・SCAL’’n+7・SCAL’’’n+7・SCAL’’’’n+7以外の部分とを、異なる層で形成した。例えば、走査信号線SCALn+7の第2配線SCAL’n+7・SCAL’’n+7・SCAL’’’n+7・SCAL’’’’n+7を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成し、走査信号線SCALn+7の第2配線SCAL’n+7・SCAL’’n+7・SCAL’’’n+7・SCAL’’’’n+7以外の部分を、
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成することができる。なお、画素間引き領域MBRの中央左側(
図16のK部分)に設けられた赤色サブ画素RSP’も同様に、第2配線SCAL’’’n+7によって画素間引き領域MBRの縁部に沿って形成された走査信号線SCALn+7に電気的に接続されている。
【0136】
上述した走査信号線SCALn+2の前記第2配線、走査信号線SCALn-6の前記第2配線、走査信号線SCALn-5の前記第2配線、走査信号線SCALn+6の前記第2配線及び走査信号線SCALn+7の前記第2配線は、Y方向YDに沿って形成された図示していない複数のデータ信号線の一部と重畳することが好ましい。
【0137】
図16の点線Jに示すように、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn(第1走査信号線)は、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(
図16中のX方向XD)に沿って形成されている。走査信号線SCALn(第1走査信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)は、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(
図16中のX方向XD)に沿って形成されている。
【0138】
図16の点線Jに示すように、画素間引き領域MBRの中央右側に設けられたサブ画素回路(第4サブ画素回路)と、走査信号線SCALn(第1走査信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、走査信号線SCALn(第1走査信号線)とは電気的に接続されている。また、
図16の点線Jに示すように、画素間引き領域MBRの中央右側に設けられたサブ画素回路(第5サブ画素回路)と、走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、赤色サブ画素RSP’に関するサブ画素回路と、走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)とは電気的に接続されている。同様に、画素間引き領域MBRに設けられた中央左側に設けられたサブ画素回路(第4サブ画素回路)と、走査信号線SCALn(第1走査信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、緑色サブ画素GSP’に関するサブ画素回路と、走査信号線SCALn(第1走査信号線)とは電気的に接続されている。また、画素間引き領域MBRに設けられた中央左側に設けられたサブ画素回路(第5サブ画素回路)と、走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)とは電気的に接続されている。具体的には、青色サブ画素BSP’に関するサブ画素回路と、走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)とは電気的に接続されている。
【0139】
図17の(a)は、
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備え、走査信号線SCALn・SCALn+1とエミッション制御線Emn・Emn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、
図17の(b)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備え、走査信号線SCALn・SCALn+1とエミッション制御線Emn・Emn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図である。
【0140】
上述したように、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn(第1走査信号線)と、走査信号線SCALn(第1走査信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn+1(第2走査信号線)とを、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(
図16中のX方向XD)に沿って形成する場合には、以下の点を考慮することが好ましい。
【0141】
図17の(a)に示すように、
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成(または
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成)の場合、走査信号線SCALnとエミッション制御線Emnとの間の配線ピッチW4や走査信号線SCALn+1とエミッション制御線Emn+1との間の配線ピッチW4は、数μm程度であり、走査信号線SCALnとエミッション制御線Emn+1との間の画素ピッチW5は、数十μm程度である。したがって、
図17の(a)に示すように、サブ画素回路PKを2つ備えた構成(または
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成)の場合、配線ピッチW4及び画素ピッチW5による回折光が発生するため、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0142】
図17の(b)に示すように、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(X方向XD)を対称軸Xとして、対称配置されている
図5に示すサブ画素回路PKと
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備えた構成の場合、
図17の(a)に示す画素ピッチW5が約2倍になり、画素ピッチW5による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0143】
図17の(b)に示すような構成とすることで、
図16に示すように、画素間引き領域MBRに設けられた走査信号線SCALnと走査信号線SCALn+1との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0144】
図18は、
図17の(b)に示す走査信号線SCALn・SCALn+1及びエミッション制御線Emn・Emn+1上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0145】
図18に示すように、走査信号線SCALn・SCALn+1及びエミッション制御線Emn・Emn+1上に、遮光層41を設けることで、
図17の(a)に示す配線ピッチW4及び走査信号線SCALnと走査信号線SCALn+1との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。なお、遮光層41のピッチは、
画素間引き領域MBRに設けられたサブ画素間のピッチ(数百μm程度)となり可視光波長とは遠くなるので、遮光層41のピッチの影響による回折光は大幅に低減する。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0146】
また、
図16には図示してないが、画素間引き領域MBRに形成された配線上の少なくとも一部には、遮光層41が形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、画素間引き領域MBRに形成された配線間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0147】
図16の点線Lに示すように、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn+12(第1走査信号線)と、走査信号線SCALn+12(第1走査信号線)と最隣接し、かつ、表示領域DAに設けられた複数の走査信号線のうちの一つである走査信号線SCALn+13(第2走査信号線)とは、画素間引き領域MBRにも、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(
図16中のX方向XD)に沿って形成されている。
【0148】
画素間引き領域MBRにおいて、走査信号線SCALn+12(第1走査信号線)と、走査信号線SCALn+13(第2走査信号線)とは、異なる層に形成されていることが好ましい。例えば、画素間引き領域MBRにおいては、走査信号線SCALn+12(第1走査信号線)を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成し、走査信号線SCALn+13(第2走査信号線)、具体的には、走査信号線SCALn+13の一部SCAL’n+13を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成することができる。
【0149】
図19の(a)は、
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備え、走査信号線SCALn+12・SCALn+13とエミッション制御線Emn+12・Emn+13とが平面視において重畳する場合を示す図であり、
図19の(b)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備え、走査信号線SCALn+12・SCALn+13とエミッション制御線Emn+12・Emn+13とが平面視において重畳する場合を示す図である。例えば、画素間引き領域MBRにおいては、走査信号線SCALn+12(第1走査信号線)及び走査信号線SCALn+13(第2走査信号線)を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層で形成し、エミッション制御線Emn+12・Emn+13を
図3に示すトランジスタTRのゲート電極を形成する層と
図3に示すトランジスタTRのソース電極及びドレイン電極を形成する層との何れとも異なる配線層で形成することができる。
【0150】
図19の(a)に示すように、
図5に示すサブ画素回路PKを2つ備えた構成(または
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成)の場合、走査信号線SCALn+12とエミッション制御線Emn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、走査信号線SCALn+13とエミッション制御線Emn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の画素ピッチW6は、数十μm程度である。したがって、
図19の(a)に示すように、サブ画素回路PKを2つ備えた構成(または
図6に示すサブ画素回路PK’を2つ備えた構成)の場合、画素ピッチW6による回折光が発生するため、画素間引き領域MBRを介して、分光された被写体からの光(回折効果により着色した光)がカメラCMの受光部に導かれる。
【0151】
図19の(b)に示すように、表示領域DAに設けられた走査信号線の延在方向(X方向XD)を対称軸Xとして、対称配置されている
図5に示すサブ画素回路PKと
図12に示すサブ画素回路PK’’とを備えた構成の場合、
図19の(a)に示す画素ピッチW6が約2倍になり、画素ピッチW6による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0152】
図19の(b)に示すような構成とすることで、
図16に示すように、画素間引き領域MBRに設けられた走査信号線SCALn+12と走査信号線SCALn+13との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接するデータ信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0153】
図20は、
図19の(b)に示す走査信号線SCALn+12・SCALn+13及びエミッション制御線Emn+12・Emn+13上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0154】
図20に示すように、走査信号線SCALn+12・SCALn+13及びエミッション制御線Emn+12・Emn+13上に、遮光層41を設けることで、
図19の(b)に示す走査信号線SCALn+12とエミッション制御線Emn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、走査信号線SCALn+13とエミッション制御線Emn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0155】
図21の(a)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図5に示すサブ画素回路PKを平面上で180°回転させたサブ画素回路PK’’’とを備え、走査信号線SCALn・SCALn+1とエミッション制御線Emn・Emn+1とが平面視において重畳しない場合を示す図であり、
図21の(b)は、
図21の(a)に示す走査信号線SCALn・SCALn+1及びエミッション制御線Emn・Emn+1上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
図21(c)は、
図5に示すサブ画素回路PKと
図5に示すサブ画素回路PKを平面上で180°回転させたサブ画素回路PK’’’とを備え、走査信号線SCALn+12・SCALn+13とエミッション制御線Emn+12・Emn+13とが平面視において重畳する場合を示す図であり、
図21(d)は、
図21の(c)に示す走査信号線SCALn+12・SCALn+13及びエミッション制御線Emn+12・Emn+13上に、遮光層41が形成されている場合を示す図である。
【0156】
図21の(a)に示すように、
図5に示すサブ画素回路PKと
図5に示すサブ画素回路PKを平面上で180°回転させたサブ画素回路PK’’’とを備えた構成の場合、
図17の(a)に示す画素ピッチW5が約2倍になり、画素ピッチW5による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0157】
図21の(a)に示すような構成とすることで、
図16に示すように、画素間引き領域MBRに設けられた走査信号線SCALnと走査信号線SCALn+1との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接する走査信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0158】
図21の(b)に示すように、走査信号線SCALn・SCALn+1及びエミッション制御線Emn・Emn+1上に、遮光層41を設けることで、
図17の(a)に示す配線ピッチW4及び走査信号線SCALnと走査信号線SCALn+1との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。なお、遮光層41のピッチは、
画素間引き領域MBRに設けられたサブ画素間のピッチ(数百μm程度)となり可視光波長とは遠くなるので、遮光層41のピッチの影響による回折光は大幅に低減する。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0159】
図21の(c)に示すように、
図5に示すサブ画素回路PKと
図5に示すサブ画素回路PKを平面上で180°回転させたサブ画素回路PK’’’とを備え、走査信号線SCALn+12・SCALn+13とエミッション制御線Emn+12・Emn+13とが平面視において重畳する構成の場合、
図19の(a)に示す画素ピッチW6が約2倍になり、画素ピッチW6による回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。
【0160】
図21の(c)に示すような構成とすることで、
図16に示すように、画素間引き領域MBRに設けられた走査信号線SCALn+12と走査信号線SCALn+13との間のピッチを、表示領域DAに設けられた隣接する走査信号線間のピッチより小さくすることができる。
【0161】
図21の(d)に示すように、走査信号線SCALn+12・SCALn+13及びエミッション制御線Emn+12・Emn+13上に、遮光層41を設けることで、走査信号線SCALn+12とエミッション制御線Emn+12とが平面視において重畳する第1配線領域と、走査信号線SCALn+13とエミッション制御線Emn+13とが平面視において重畳する第2配線領域との間の配線ピッチによる回折光の発生を抑制できるので、画素間引き領域MBRを介して、被写体からの光をカメラCMの受光部に導く際の回折効果を低減させることができる。このように、遮光層41を設けた場合には、透過率の低下をさらに低減できる。
【0162】
本実施形態においては、上述したように、画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、複数のデータ信号線のそれぞれをY方向YDに沿って直線状に形成した場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、例えば、画素間引き領域MBRの上側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRの下側の表示領域DAと、画素間引き領域MBRとには、上述した実施形態1のようなデータ信号線の配置を適宜取り入れてもよい。
【0163】
〔まとめ〕
〔態様1〕
複数の走査信号線と、
複数のデータ信号線と、
前記複数の走査信号線及び前記複数のデータ信号線の交点の一部に配置され、それぞれがトランジスタを含む制御回路及び発光素子を含む複数のサブ画素回路と、を備え、
表示領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記表示領域に設けられたサブ画素回路の個数/表示領域の面積)は、画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の平均密度(前記画素間引き領域に設けられたサブ画素回路の個数/画素間引き領域の面積)より大きく、
前記画素間引き領域は、前記表示領域に設けられた前記走査信号線または前記データ信号線の延在方向に沿う1ライン全体が前記サブ画素回路を含まない無画素領域を含む、表示装置。
【0164】
〔態様2〕
前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第1データ信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向に沿って形成され、
前記第1データ信号線と最隣接し、かつ、前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第2データ信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向に沿って形成され、
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第1サブ画素回路及び第2サブ画素回路の一方は、前記第1データ信号線と電気的に接続されており、
前記第1サブ画素回路及び前記第2サブ画素回路の他方は、前記第2データ信号線と電気的に接続されている、態様1に記載の表示装置。
【0165】
〔態様3〕
前記第1サブ画素回路と前記第2サブ画素回路とは、前記表示領域に設けられた前記データ信号線の延在方向を対称軸として、対称配置されている、態様2に記載の表示装置。
【0166】
〔態様4〕
前記第1サブ画素回路を平面上で180°回転させた場合、前記第2サブ画素回路と一致する、態様2に記載の表示装置。
【0167】
〔態様5〕
前記画素間引き領域においては、前記第1データ信号線と前記第2データ信号線とは、異なる層に形成されている、態様2から4の何れかに記載の表示装置。
【0168】
〔態様6〕
前記表示領域に設けられた前記複数のデータ信号線のうちの一つである第3データ信号線は、前記画素間引き領域においては、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成されている、態様1から5の何れかに記載の表示装置。
【0169】
〔態様7〕
前記第3データ信号線は、前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成されている、態様6に記載の表示装置。
【0170】
〔態様8〕
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第3サブ画素回路は、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3データ信号線と電気的に接続されており、
前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3データ信号線と前記第3サブ画素回路とを電気的に接続する第1配線は、前記表示領域に設けられた前記第3データ信号線とは異なる層に形成されている、態様6または7に記載の表示装置。
【0171】
〔態様9〕
前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成された前記第3データ信号線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数の走査信号線の一部と重畳する、態様7に記載の表示装置。
【0172】
〔態様10〕
前記第1配線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数の走査信号線の一部と重畳する、態様8に記載の表示装置。
【0173】
〔態様11〕
前記画素間引き領域における前記第1データ信号線と前記第2データ信号線との間の距離は、前記表示領域における前記第1データ信号線と前記第2データ信号線との間の距離より小さい、態様3または4に記載の表示装置。
【0174】
〔態様12〕
前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第1走査信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向に沿って形成され、
前記第1走査信号線と最隣接し、かつ、前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第2走査信号線は、前記画素間引き領域にも、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向に沿って形成され、
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第4サブ画素回路及び第5サブ画素回路の一方は、前記第1走査信号線と電気的に接続されており、
前記第4サブ画素回路及び前記第5サブ画素回路の他方は、前記第2走査信号線と電気的に接続されている、態様1に記載の表示装置。
【0175】
〔態様13〕
前記第4サブ画素回路と前記第5サブ画素回路とは、前記表示領域に設けられた前記走査信号線の延在方向を対称軸として、対称配置されている、態様12に記載の表示装置。
【0176】
〔態様14〕
前記第4サブ画素回路を平面上で180°回転させた場合、前記第5サブ画素回路と一致する、態様12に記載の表示装置。
【0177】
〔態様15〕
前記画素間引き領域においては、前記第1走査信号線と前記第2走査信号線とは、異なる層に形成されている、態様12から14の何れかに記載の表示装置。
【0178】
〔態様16〕
前記表示領域に設けられた前記複数の走査信号線のうちの一つである第3走査信号線は、前記画素間引き領域においては、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成されている、態様12から15の何れかに記載の表示装置。
【0179】
〔態様17〕
前記第3走査信号線は、前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成されている、態様16に記載の表示装置。
【0180】
〔態様18〕
前記画素間引き領域に設けられた前記複数のサブ画素回路のうちの第6サブ画素回路は、前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3走査信号線と電気的に接続されており、
前記画素間引き領域の縁部に沿って形成された前記第3走査信号線と前記第6サブ画素回路とを電気的に接続する第2配線は、前記表示領域に設けられた前記第3走査信号線とは異なる層に形成されている、態様16または17に記載の表示装置。
【0181】
〔態様19〕
前記画素間引き領域の一部において、前記表示領域とは異なる層に形成された前記第3走査信号線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数のデータ信号線の一部と重畳する、態様17に記載の表示装置。
【0182】
〔態様20〕
前記第2配線は、平面視において前記画素間引き領域に形成された前記複数のデータ信号線の一部と重畳する、態様18に記載の表示装置。
【0183】
〔態様21〕
前記画素間引き領域における前記第1走査信号線と前記第2走査信号線との間の距離は、前記表示領域における前記第1走査信号線と前記第2走査信号線との間の距離より小さい、態様13または14に記載の表示装置。
【0184】
〔態様22〕
前記画素間引き領域に形成された配線上の少なくとも一部には、遮光層が形成されている、態様1から21の何れかに記載の表示装置。
【0185】
〔態様23〕
撮像素子をさらに備え、
前記撮像素子は、平面視において前記画素間引き領域と重畳する、態様1から22の何れかに記載の表示装置。
【0186】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明は、表示装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0188】
1 表示装置
4 各種絶縁層
5 発光素子
6 封止層
41 遮光層
PK、PK’、PK’’、PK’’’ サブ画素回路
SCALk、SCALn-10~SCALn+13 走査信号線
DALm、DALn-10~DALn+13 データ信号線
DAL’n-5、DAL’’n-5 第1配線
DAL’n-6、DAL’’n-6 第1配線
DAL’n+2、DAL’’n+2 第1配線
DAL’n+6~DAL’’’’n+6 第1配線
DAL’n+7~DAL’’’’n+7 第1配線
SCAL’n-5、SCAL’’n-5 第2配線
SCAL’n-6、SCAL’’n-6 第2配線
SCAL’n+2、SCAL’’n+2 第2配線
SCAL’n+6~SCAL’’’’n+6 第2配線
SCAL’n+7~SCAL’’’’n+7 第2配線
TR トランジスタ
CM カメラ
MBR 画素間引き領域
DA 表示領域
NDA 額縁領域
P 画素
RSP、GSP、BSP サブ画素
RSP’、GSP’、BSP’ サブ画素
XD X方向
YD Y方向