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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】満タン規制バルブ
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/035 20060101AFI20240221BHJP
   F16K 31/22 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B60K15/035 A
B60K15/035 B
F16K31/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022579341
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2021041092
(87)【国際公開番号】W WO2022168384
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2021015196
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三原 健太
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-927(JP,A)
【文献】特開2011-88457(JP,A)
【文献】特表2015-507727(JP,A)
【文献】特開平9-268959(JP,A)
【文献】米国特許第6035884(US,A)
【文献】特開2017-100641(JP,A)
【文献】特開2006-177164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/035
F16K 31/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切壁を介して、下方に燃料タンク内に連通する弁室、上方に燃料タンク外に連通する通気室が設けられ、前記仕切壁に前記弁室と前記通気室とを連通する開口部が形成された、ハウジングと、
前記弁室内に昇降可能に収容されて、前記燃料タンク内への給油時に燃料液面が所定高さに上昇したとき、前記開口部を閉塞するフロート弁と、
前記ハウジングの下部に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第1流通孔と、
前記ハウジングの、前記第1流通孔よりも上方に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第2流通孔と、
前記ハウジングの、前記第2流通孔よりも更に上方に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第3流通孔と、
前記第2流通孔に連通すると共に、前記弁室内で上方に延出し、前記第2流通孔よりも上方に開口を設けた筒状部とを有しており、
前記第2流通孔は、前記筒状部を通って前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させており、
給油時に前記燃料タンク内の燃料液面が上昇して、前記第1流通孔が液没したときに、前記フロート弁が上昇して前記開口部を閉じて連続給油が停止し、
追加給油によって前記燃料タンク内の燃料液面が更に上昇して、前記第2流通孔が液没したときに、追加給油が停止するように構成されていることを特徴とする満タン規制バルブ。
【請求項2】
前記フロート弁を付勢する付勢バネを更に有しており、
前記ハウジングには、前記付勢バネを支持するバネ支持座が形成されており、
前記筒状部の開口は、前記バネ支持座よりも上方に設けられている請求項1記載の満タン規制バルブ。
【請求項3】
前記ハウジングは底壁を有しており、前記筒状部は前記底壁から延出している請求項1又は2記載の満タン規制バルブ。
【請求項4】
前記ハウジングは周壁を有しており、前記筒状部は前記周壁から離間して延出した筒状をなしている請求項1~3のいずれか1つに記載の満タン規制バルブ。
【請求項5】
前記筒状部の開口の開口面積は、前記第2流通孔の開口面積よりも小さくなるように設定されている請求項1~4のいずれか1つに記載の満タン規制バルブ。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記弁室を第1弁室及び第2弁室に画成する隔壁を有しており、
前記開口部は、前記第1弁室及び前記通気室を連通する第1開口部、及び、前記第2弁室及び前記通気室を連通する第2開口部からなり、
前記フロート弁は、前記第1弁室内に昇降可能に収容され、燃料タンク内の液面が設定された満タン液面付近に達したときに、前記第1開口部を閉塞する第1フロート弁と、前記第2弁室内に昇降可能に収容され、燃料タンク内の液面が所定高さ以上に上昇したときに、前記第2開口部を閉塞する第2フロート弁とからなり、
前記ハウジングは底壁を有しており、前記ハウジングを軸方向から見たときに、前記第1弁室側の前記底壁であって、前記第1弁室内に配置された前記第1フロート弁の、前記隔壁に沿った両側部に、前記筒状部が設けられている請求項1~5のいずれか1つに記載の満タン規制バルブ。
【請求項7】
前記筒状部の上端開口縁部は、前記筒状部の周方向において、高さが高い部分と、高さが低い部分とを有している請求項1~6のいずれか1つに記載の満タン規制バルブ。
【請求項8】
前記筒状部の上端開口縁部の高さは、前記フロート弁の軸心から離れる方向に向かって低くなるように設定されている請求項7記載の満タン規制バルブ。
【請求項9】
前記筒状部の上端開口縁部は、前記筒状部の軸方向に対して傾斜した平面でカットされた形状をなしている請求項7又は8記載の満タン規制バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追加給油を可能とする満タン規制バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクには、燃料給油時の満タンを検知して閉弁し、過給油を防止する満タン規制バルブが設けられていることがある。
【0003】
この種のバルブとして、例えば、下記特許文献1には、燃料タンク内外を連通する弁口と、弁口下に形成される弁室と、弁室内に上下動可能に配されるフロートとを備え、弁室は、流体の通過部を持ったフロートの支持部の下方に開放端を位置させる構成となっていると共に、支持部にはオリフィスが形成されており、弁室に形成された割欠き部によって支持部よりも下方で且つ開放端よりも上方に、オリフィスに連絡するオリフィス用通気路の入り口を形成させてなる、燃料タンク用弁装置が記載されている。
【0004】
そして、燃料タンク内に燃料が給油され、弁室の開放端に燃料の液面レベルが達すると、フロートが上昇して弁口が塞がれて、一回目の満タン検知がなされ、給油が停止される。その後、燃料タンク内の圧力が低下し、フロートが下降して、燃料タンク内の気体が、オリフィス用通気路、オリフィス、弁口を順次流通することで、オリフィス用通気路の入り口に燃料の液面レベルが達するまで、追加給油がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-16210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の燃料タンク用弁装置では、一回目の満タン検知後に、タンク内圧力が低下して、フロートが下降した際に、弁室内の燃料によって、オリフィスが閉塞されている場合がある。この場合に追加給油がなされると、燃料で閉塞されたオリフィスを、気体が流通することになるので、その際の流通抵抗が大きく、追加給油をしにくいという不都合があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、満タン規制がなされた後、追加給油を迅速に行うことができる、満タン規制バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る満タン規制バルブは、仕切壁を介して、下方に燃料タンク内に連通する弁室、上方に燃料タンク外に連通する通気室が設けられ、前記仕切壁に前記弁室と前記通気室とを連通する開口部が形成された、ハウジングと、前記弁室内に昇降可能に収容されて、前記燃料タンク内への給油時に燃料液面が所定高さに上昇したとき、前記開口部を閉塞するフロート弁と、前記ハウジングの下部に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第1流通孔と、前記ハウジングの、前記第1流通孔よりも上方に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第2流通孔と、前記ハウジングの、前記第2流通孔よりも更に上方に形成され、前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させる第3流通孔と、前記第2流通孔に連通すると共に、前記弁室内で上方に延出し、前記第2流通孔よりも上方に開口を設けた筒状部とを有しており、前記第2流通孔は、前記筒状部を通って前記燃料タンク内と前記弁室内とを互いに連通させており、給油時に前記燃料タンク内の燃料液面が上昇して、前記第1流通孔が液没したときに、前記フロート弁が上昇して前記開口部を閉じて連続給油が停止し、追加給油によって前記燃料タンク内の燃料液面が更に上昇して、前記第2流通孔が液没したときに、追加給油が停止するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃料タンク内に燃料を給油する際、タンク内の燃料液面が上昇して第1流通孔が液没すると、弁室内に燃料が流入して弁室内の燃料液面が上昇し、フロート弁が上昇して仕切壁の開口部が閉じる。その結果、タンク内圧が高まって連続給油が停止する。その状態で、第3流通孔から燃料タンク内の空気が弁室内に流入することで、弁室内の燃料液面が下降するので、追加給油が可能となる。
【0010】
そして、追加給油によりタンク内の燃料液面が更に上昇して第2流通孔が液没すると、追加給油も停止するので、給油作業が終了することになる。この追加給油時に、燃料タンク内の気体が、第2流通孔から筒状部を通って弁室内に流入するので、弁室内に流入した燃料の液圧を受けにくくなり、燃料タンク内の気体を弁室内にスムーズに流入させることができ、追加給油を迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る満タン規制バルブの、一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】同満タン規制バルブの斜視図である。
図3図2のA-A矢視線における断面図である。
図4図3のB-B矢視線における断面図である。
図5】同満タン規制バルブのハウジングを構成する下部キャップの、拡大斜視図である。
図6】同満タン規制バルブのハウジングを構成する下部キャップの、図5とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。
図7】同満タン規制バルブのハウジングを構成する下部キャップの、平面図である。
図8】同満タン規制バルブのハウジングを構成する下部キャップの、底面図である。
図9】同満タン規制バルブにおいて、満タン規制及び追加給油をする際の、第1状態を示す断面説明図である。
図10図9の状態における満タン規制バルブ及び同満タン規制バルブを取付けた燃料タンクを含む周辺の状態を示す説明図である。
図11】同満タン規制バルブにおいて、満タン規制及び追加給油をする際の、第2状態を示す断面説明図である。
図12図11の状態における満タン規制バルブ及び同満タン規制バルブを取付けた燃料タンクを含む周辺の状態を示す説明図である。
図13】同満タン規制バルブにおいて、満タン規制及び追加給油をする際の、第3状態を示す断面説明図である。
図14図13の状態における満タン規制バルブ及び同満タン規制バルブを取付けた燃料タンクを含む周辺の状態を示す説明図である。
図15】同満タン規制バルブにおいて、満タン規制及び追加給油をする際の、第4状態を示す断面説明図である。
図16図15の状態における満タン規制バルブ及び同満タン規制バルブを取付けた燃料タンクを含む周辺の状態を示す説明図である。
図17】同満タン規制バルブにおいて、満タン規制及び追加給油をする際の、第5状態を示す断面説明図である。
図18】同満タン規制バルブにおいて、筒状部の第1変形例を示す部分拡大断面図である。
図19】同満タン規制バルブにおいて、筒状部の第2変形例を示す部分拡大断面図である。
図20】本発明に係る満タン規制バルブの、他の実施形態を示す斜視図である。
図21】同満タン規制バルブにおけるハウジングを構成する下部キャップを、図20とは異なる方向から見た場合の斜視図である。
図22】同満タン規制バルブの下部キャップの平面図である。
図23図20のD-D矢示線における断面図である。
図24図20のE-E矢示線における断面図である。
図25図24の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(満タン規制バルブの一実施形態)
以下、図面を参照して、本発明に係る満タン規制バルブの、一実施形態について説明する。
【0013】
図10に示すように、この満タン規制バルブ10は、燃料タンク1の上方に取付けられている。燃料タンク1の一側面からは、燃料を給油するための給油管2が、斜め上方に向けて延設されており、この給油管2の上端には、給油口2aが設けられている。この給油口2aに、給油ノズル9が差し込まれて、燃料タンク1内に燃料が給油される。
【0014】
また、給油管2の上方には、燃料タンク1に連通した循環チューブ3が連結されている。この循環チューブ3は、図10の矢印に示すように、燃料タンク1内の燃料蒸気を給油管2に返送して(すなわち、給油管2と燃料タンク1と循環チューブ3との間で、燃料蒸気を循環させる)、給油口2aからの外気巻き込みを抑制する。更に、燃料タンク1の内部には、燃料ポンプ4が設置されており、燃料タンク1の外部には、エンジン5やキャニスター6が配置されている。
【0015】
また、満タン規制バルブ10は、ベントチューブ7を介してキャニスター6に接続されている。更に、キャニスター6にはドレーンチューブ8が連結されている。燃料タンク1内の空気や燃料蒸気は、ベントチューブ7を流通してキャニスター6へと導かれて、空気の一部は、ドレーンチューブ8を介して排出され、燃料蒸気はキャニスター6によって吸着・保持される。
【0016】
図1~4に示すように、この実施形態における満タン規制バルブ10は、第1開口部26及び第2開口部27が形成された仕切壁21を介して、下方に燃料タンク内に連通する第1弁室V1及び第2弁室V2、上方に燃料タンク外に連通する通気室Rを設けた、ハウジング15と、第1弁室V1内に昇降可能に収容され、燃料タンク内の液面が設定された満タン液面付近に達したときに、第1開口部26を閉塞する第1フロート弁80と、第2弁室V2内に昇降可能に収容され、燃料タンク内の液面が所定高さ以上に上昇したときに、第2開口部27を閉塞する第2フロート弁85と、第1フロート弁80を付勢する第1付勢バネS1と、第2フロート弁85を付勢する第2付勢バネS2とから、主として構成されている。なお、第1フロート弁80が本発明における「フロート弁」をなし、第1付勢バネS1が本発明における「付勢バネ」をなしている。
【0017】
また、この実施形態のハウジング15は、ハウジング本体20と、ハウジング本体20の下方に装着される下部キャップ40と、ハウジング本体20の上方に装着される上部カバー70とを有している。
【0018】
また、図4に示すように、この満タン規制バルブ10は、ハウジング15の下部に形成され、燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させる第1流通孔55と、ハウジング15の、第1流通孔55よりも上方に形成され、燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させる第2流通孔63と、ハウジング15の、第2流通孔63よりも更に上方に形成され、燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させる第3流通孔33と、第2流通孔63に連通すると共に、第1弁室V1内で上方に延出し、第2流通孔63よりも上方に開口67を設けた筒状部(第2筒状部60)とを有している。
【0019】
なお、以下の説明において、「燃料」とは、液体の燃料(燃料の飛沫も含む)を意味し、「燃料蒸気」とは、蒸発した燃料を意味するものとする。また、以下の説明において、燃料タンク1内の燃料液面を「燃料液面L1」とし、弁室内の燃料液面を「燃料液面L2」とする(図11等参照)。
【0020】
まず、ハウジング本体20について、図1~3を参照して説明する。このハウジング本体20は、上方に仕切壁21を有し下方が開口した略筒状をなしている。また、ハウジング本体20は、周壁22と、ハウジング本体20の内側空間を、第1弁室V1及び第2弁室V2に画成する隔壁23とを有している(図3参照)。前記周壁22の上方に、上記仕切壁21が配置されている。更に、周壁22は、第1弁室V1の外周を形成する第1弁室形成壁24と、この第1弁室形成壁24とは異なる外郭形状で、第2弁室V2の外周を形成する第2弁室形成壁25とを有している(図2参照)。この実施形態では、第1弁室形成壁24が略半円形状をなす一方、第2弁室形成壁25は、第1弁室形成壁24の半円部分の両端から段状部24a(図2参照)を介して縮径した異形外郭形状をなしている。
【0021】
図1に示すように、周壁22の下方には、複数の第1係止爪22aが突設されており、上方には、複数の第2係止爪22bが突設されている。
【0022】
上記仕切壁21には、弁室と通気室Rとを連通する開口部が形成されている。この実施形態の場合、仕切壁21の所定箇所に、円形状の第1開口部26が形成されており、この第1開口部26を介して、第1弁室V1及び通気室Rが連通されている(図3参照)。また、図3に示すように、仕切壁21には、第1開口部26よりも小径の第2開口部27が形成されており、この第2開口部27を介して、第2弁室V2及び通気室Rが連通されている。
【0023】
更に周壁22の上方外周からは、フランジ部28が張り出している。このフランジ部28の内側には、リング装着溝28aが形成されており、このリング装着溝28aに、環状のシールリング28bが装着されるようになっている。
【0024】
また、仕切壁21の表側であって、前記第2開口部27の周縁からは、上方が開口した筒状壁29が突設されている。この筒状壁29の上方開口には、キャップ30が装着されている。図3に示すように、これらの内側には、圧力調整弁31が昇降可能に収容されており、燃料タンク内の圧力調整が可能となっている。
【0025】
また、図1に示すように、周壁22を構成する第1弁室形成壁24の上方に、燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させる第3流通孔33とを有している。
【0026】
上記第3流通孔33は、第1流通孔55や第2流通孔63よりも上方に配置されており、第1流通孔55や第2流通孔63よりも小さく形成されている。この第3流通孔33は、車両が横転したり反転したりした場合を除いて、燃料によって、第1流通孔55、第2流通孔63、第2筒状部60の開口67が液没しても、常に液没していない状態が維持されるようになっている。そして、第3流通孔33が液没しておらず、第1流通孔55及び第2筒状部60の開口67が液没した状態で、第1弁室V1内の燃料液面L2が燃料タンク1内の燃料液面L1より高ければ、第3流通孔33は、第1弁室V1内に燃料タンク1内の空気を流入させるように構成されている(図11の矢印参照)。
【0027】
なお、第3流通孔33における、上記の「液没していない状態」とは、液体の燃料によって、閉塞されずに開口し、燃料タンク内と弁室内とが連通した状態を意味し、「液没状態」とは、液体の燃料によって閉塞されて、燃料タンク内と弁室内との連通が遮断された状態を意味する。これらは、第1流通孔55、第2流通孔63、第2筒状部60の開口67でも同様の意味である。
【0028】
次に、ハウジング本体20の下方に装着される下部キャップ40について、図3~8を参照して説明する。
【0029】
ハウジング15を構成する下部キャップ40は、上方が開口し下方に底部41を有する有底キャップ状をなしている。また、下部キャップ40は、ハウジング本体20の周壁22に適合する形状をなし周壁43を有している。具体的には、この周壁43は、ハウジング本体20の周壁22の外周形状よりも一回り大きな相似形状をなしており、図2に示すように、ハウジング本体20の周壁22の外周に配置されるようになっている。また、この周壁43は、第1弁室V1の外周を形成する第1弁室形成壁44と、この第1弁室形成壁44とは異なる外郭形状で、第2弁室V2の外周を形成する第2弁室形成壁45とを有している。図7に示すように、第1弁室形成壁44が略半円形状をなす一方、第2弁室形成壁45は、第1弁室形成壁44の半円部分の両端から段状部44aを介して縮径した異形外郭形状をなしている。
【0030】
また、周壁43の下方に位置する底部41は、第1フロート弁80及び第2フロート弁85を支持する部分となっている。この底部41からは、下部キャップ40の内部空間を、第1弁室V1及び第2弁室V2に画成する隔壁46が立設されている。また、底部41は、前記隔壁46を介して、第1底壁47と第2底壁49とに分かれた構造となっている。なお、第1底壁47が本発明における「底壁」をなしている。また、隔壁46は、ハウジング本体20の下方に装着したときに、ハウジング本体20の隔壁23の下端部と重なるようになっている(図3参照)。
【0031】
更に、周壁43の外周には、複数の係止孔43aが形成されている。そして、図2に示すように、下部キャップ40の各係止孔43aに、ハウジング本体20の、対応する各第1係止爪22aをそれぞれ係止させることで、ハウジング本体20の下方に下部キャップ40が装着される。その結果、仕切壁21を介して、ハウジング下方に図示しない燃料タンク内に連通する第1弁室V1及び第2弁室V2が形成されるようになっている(図3参照)。なお、第1弁室V1及び第2弁室V2は、ハウジング本体20の隔壁23及び下部キャップ40の隔壁46を介して区画されて互いに独立した空間となっており、両弁室V1,V2どうしは連通しないようになっている。
【0032】
第2底壁49は、最も高さの低い最底壁50と、該最底壁50よりも高く配置された棚状壁51とを有している。最底壁50に、円形突起状をなしたバネ座50aが突設されており、第2付勢バネS2の下端部が支持される。また、周壁43、最底壁50、及び棚状壁51には、複数のスリット52aが形成されており、該スリット52aを介して、撓み変形可能な弾性片52が複数設けられている。
【0033】
また、ハウジング15を構成する下部キャップ40には、第1付勢バネS1を支持するバネ支持座47aが形成されている。具体的には、図6~8に示すように、第1底壁47の、各壁54a,54b,54cの内側には、複数のスリット57aが形成されており、該スリット57aを介して、第1底壁47の径方向中央部分に、バネ支持座47aが形成されている。すなわち、この実施形態においては、バネ支持座47aは、第1底壁47の内方に、スリット57aを介して形成されている。また、図7図8に示すように、ハウジング15の軸方向から見たときに、バネ支持座47aは、第2筒状部60とは、下部キャップ40の径方向に位置ずれしている、なお、この実施形態のバネ支持座47aは、第1底壁47に対して、ハウジング15の軸方向において同一高さに位置しているが、バネ支持座と底壁とを異なる高さに配置してもよい(バネ支持座を底壁よりも低く位置させたり或いは高く位置させたりしてもよく、いわばバネ支持座と底壁とが別々に設けられている、とも言える)。
【0034】
また、第1底壁47には、上記の複数のスリット57aを介して、撓み変形可能な弾性片57が複数設けられている。そして、図5に示すように、バネ支持座47aの表面中央からは、断面十字状をなした支軸56が所定高さで垂設されている。図3に示すように、この支軸56は、第1フロート弁80の筒状部81a内に挿入されて、第1フロート弁80の昇降動作をガイドする。なお、図7に示すように、ハウジング15を軸方向(ハウジング15の軸心Cに沿った方向を意味する)から見たときに、ここではハウジング15を構成する下部キャップ40を軸方向から見たときに、下部キャップ40の周壁43と第1筒状部54の側壁54cとの間には、所定広さのスペース58が形成されるようになっている。また、支軸56は、第1付勢バネS1内に挿入されて、バネ支持座47aが第1付勢バネS1の下端を支持するようになっている(図4参照)。
【0035】
また、図6に示すように、第1底壁47の裏面側からは、略筒状をなした第1筒状部54が垂設されている。図8に示すように、この第1筒状部54は、4つの壁で囲まれると共に下方が開口した筒状をなしている。第1筒状部54を構成する壁のうち、外壁54aは周壁43に適合する曲面状をなし、この外壁54aに対向する位置に、隔壁46に整合する平坦面状をなした内壁54bが配置されている。また、両壁54a,54bの端部どうしは、側壁54c,54cにより連結されるが、この側壁54cは、周壁43の外周よりも内側に配置された曲面状をなしている。図3及び図4に示すように、この第1筒状部54の下方開口が、第1流通孔55をなしている。
【0036】
上記第1流通孔55は、追加給油前の満タン規制を行う高さに配置され、液没していない状態で、燃料タンク1の内部空間と第1弁室V1の内部空間とを互いに連通させて、給油ノズル9からの連続給油を可能とするような開口面積で形成されている。また、第1流通孔55の液没状態では、給油ノズル9からの連続給油速度に対して、第2流通孔63や第3流通孔33からの空気流入速度が間に合わず、第1弁室V1内の燃料液面L2が上昇して、第1フロート弁80が第1開口部26が閉塞されて(図11参照)、給油ノズル9からの連続給油を停止するように構成されている。
【0037】
なお、第1流通孔55は、その開口面積が、第2流通孔63及び第3流通孔33の開口面積よりも大きくなっており、且つ、第2流通孔63及び第3流通孔33よりも、ハウジング15の軸方向において下方に位置している。
【0038】
そして、この満タン規制バルブ10は、第2流通孔63に連通すると共に、第1弁室V1内で上方に延出し、第2流通孔63よりも上方に開口67を設けた、第2筒状部60を有している。この実施形態では、下部キャップ40の第1弁室V1側の第1底壁47に、一対の第2筒状部60,60が設けられている。
【0039】
図4に示すように、各第2筒状部60は、第1底壁47の裏面側に設けられた下方筒状部61と、同下方筒状部61の内部空間に整合した位置であって、第1底壁47の表面側に設けられた上方筒状部62とから構成されている。
【0040】
図6図8に示すように、下方筒状部61は、第1筒状部54の両側壁54c,54cの外側に張り出した位置であって、ハウジング15の軸方向から見たときに互いにほぼ直交するように配置されると共に、第1底壁47の裏面側から下方に向けて、一対の外壁61a,61bが延出しており、これらの一対の外壁61a,61bの端部が第1筒状部54の側壁54cの所定箇所に連結されることで形成された略三角筒状をなしており(すなわち、側壁54cの一部も下方筒状部61を構成する壁の一つとなる)、その下方が開口した形状を呈している。図4に示すように、この下方筒状部61の下方開口が、第2流通孔63となっている。なお、図7図8に示すように、ハウジング15の軸方向から見たときに、第2筒状部60は、前記バネ支持座47aに対して径方向に位置ずれしている。
【0041】
また、図4に示すように、第1底壁47の、下方筒状部61の内部空間に整合する位置に、第1底壁47を貫通する円形孔状をなした通孔64が形成されており、この通孔64の表側周縁から略円筒状をなした上方筒状部62が、第1弁室V1内で上方に向けて(仕切壁21に向けて)延出している。なお、上方筒状部62は、その下端部65が通孔64の内周縁を囲むように第1底壁47の表面側に連結されて、通孔64を囲んで延びる形状をなしている、とも言える。また、上方筒状部62の先端部66の内側に開口67が設けられており、この開口67は前記通孔64に連通している。したがって、第2筒状部60は、第2流通孔63、下方筒状部61の内部空間、通孔64、上方筒状部62の内部空間、開口67を通じて、燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させる構成となっている。また、第2筒状部60の開口67は、バネ支持座47aよりも上方に設けられている(図4参照)。なお、この実施形態における下方筒状部61及び上方筒状部62は、第1底壁47の面方向に対して垂設されている。
【0042】
上記の第2筒状部60が、本発明における「筒状部」をなしている。そして、上記の第2流通孔63は、筒状部(第2筒状部60)を通って燃料タンク1内と第1弁室V1内とを互いに連通させるものとなっている。また、筒状部(ここでは第2筒状部60の上方筒状部62)の開口67の開口面積は、第2流通孔63の開口面積よりも小さくなるように設定されている。
【0043】
更に、この満タン規制バルブ10においては、ハウジング15は底壁を有しており、第2筒状部60は第1底壁47から延出している。この実施形態では、図4に示すように、ハウジング15は、下部キャップ40に第1底壁47を有しており、第2筒状部60の上方筒状部62が第1底壁47から延出した構成となっている。
【0044】
また、この満タン規制バルブ10においては、ハウジング15は周壁を有しており、第2筒状部60は前記周壁から離間して延出した筒状をなしている。ここでは、図4に示すように、下部キャップ40の第1底壁47の表裏両面から、上方筒状部62及び下方筒状部61がそれぞれ延出している。また、上方筒状部62は、下部キャップ40の周壁43から離間して延出した筒状をなしている。更に上方筒状部62は、ハウジング本体20の周壁22からも離間して延出している。
【0045】
また、図7に示すように、ハウジング15を軸方向から見たときに、第1弁室V1側の底壁であって、第1弁室V1内に配置された第1フロート弁80の、隔壁46に沿った両側部に、第2筒状部60が設けられている。この実施形態の場合、図7に示すようにハウジング15を軸方向から見たときに、第1弁室V1側に設けた第1底壁47であって、第1弁室V1内に配置された第1フロート弁80の、隔壁46に沿った両側部、すなわち、段落0037で説明した、下部キャップ40の周壁43と第1筒状部54の側壁54cとの間に形成されたスペース58,58に、一対の上方筒状部62,62がそれぞれ配置されている。
【0046】
また、上記の第2流通孔63は、追加給油規制を行う高さに配置され、液没していない状態で追加給油を可能とし(図13参照)、液没状態で追加給油を停止するように構成されている(図15参照)。なお、第2流通孔63は、その開口面積が、第1流通孔55の開口面積よりも小さく、第3流通孔33の開口面積よりも大きくなっており、且つ、ハウジング15の軸方向において第1流通孔55及び第3流通孔33の間に位置している。
【0047】
次に、このハウジング本体20の上方に装着される上部カバー70について、図1図3等を参照して説明する。
【0048】
この上部カバー70は、外周が略円形状をなした周壁71と、その上方に配置された天井壁72と、周壁71の下方側から外方に広がるフランジ部73とからなる、略ハット状をなしている。図3に示すように、周壁71には、燃料蒸気排出口74aが形成されており、その表側周縁から燃料蒸気排出管74が外径方向に延出している。この燃料蒸気排出管74には、キャニスター6に連結されるベントチューブ7が接続される。なお、上部カバー70のフランジ部73を、燃料タンク1の図示しない取付孔の表側周縁に溶着することで、燃料タンク1に満タン規制バルブ10全体が取付けられるようになっている。
【0049】
また、図1に示すように、フランジ部73の周方向所定箇所からは、下方に向けて複数の係止片75が延設されている。各係止片75には、ハウジング本体20に設けた第2係止爪22bが係止する、係止孔75aが形成されている。
【0050】
そして、図2に示すように、上部カバー70の各係止片75の係止孔75aに、ハウジング本体20の対応する第2係止爪22bをそれぞれ係止させることで、図3に示すように、リング装着溝28aに装着されたシールリング28bが、上部カバー70の周壁71の内周に当接した状態で、ハウジング本体20の上方に上部カバー70が装着される。その結果、仕切壁21を介して、その上方に燃料タンクの外部に連通する通気室Rが形成されるようになっている(図3参照)。
【0051】
図3に示すように、上記第1弁室V1内には、第1開口部26を開閉する第1フロート弁80が、下部キャップ40との間で、第1付勢バネS1を介在させた状態で、昇降可能に収容配置される。また、上記第2弁室V2内には、第2開口部27を開閉する第2フロート弁85が、下部キャップ40との間で、第2付勢バネS2を介在させた状態で、昇降可能に収容配置される。両フロート弁80,85は、燃料浸漬時に自身の浮力及び付勢バネS1,S2の付勢力で上昇し、燃料の非浸漬時に自重で下降する。
【0052】
図1図3に示すように、この実施形態の第1フロート弁80は、燃料浸漬時に浮力を発生させる、外周が円形状なしたフロート本体81と、該フロート本体81の上方に装着され、フロート本体81に対して相対的に昇降動作し、第1開口部26に接離するシール部材82とを有している。
【0053】
また、シール部材82の上方には、ゴムや弾性エラストマー等の弾性材料からなるシール弁体83が装着されている。シール弁体83の中央には、上方及び下方が開口した通気孔83aが貫通して形成されている(図3及び図4参照)。このシール弁体83が第1開口部26の裏側周縁部に接離して、第1開口部26を開閉することで、第1フロート弁80は満タン規制弁として機能する。
【0054】
更に、フロート本体81とシール部材82との間には、中間弁体84が傾動可能に支持されている(図3参照)。この中間弁体84は、常時はシール弁体83の下端部に当接して、通気孔83aを閉塞し(図3及び図4参照)、フロート本体81がシール部材82に対して下降したときに、通気孔83aを開くようになっている(図13参照)。
【0055】
また、フロート本体81内には、略円筒状をなした筒状部81aが垂設されている。この筒状部81a内に、下部キャップ40の支軸56が挿入されて、第1フロート弁80が昇降可能に支持されるようになっている(図3及び図4参照)。
【0056】
一方、第2フロート弁85は、外周が円形状をなしたフロート本体86と、その上方中央から突設した、上端が丸みを帯びた略三角錐状をなした弁頭87とを有している。この弁頭87が、第2開口部27の裏側周縁部に接離して、第2開口部27を開閉することで、第2フロート弁85は燃料流出防止弁として機能する。
【0057】
以上説明したハウジングや、ハウジングを構成するハウジング本体、下部キャップ、上部カバー、フロート弁等の形状や構造は、特に限定されるものではない。また、ハウジングとしては、ハウジング本体、下部キャップ、上部カバーの、3部品構成としなくてもよい。更に、この実施形態における第1フロート弁80は、フロート本体81やシール部材82等からなる多部品構成となっているが、フロート弁としては、例えば、上方に弾性材料からなるシール部材を装着した構成等であってもよく、開口部を開閉可能であれば、その形状や構造は特に限定されない。
【0058】
また、この実施形態においては、2つの弁室(第1弁室V1、第2弁室V2)や、2つの開口部(第1開口部26、第2開口部27)、2つのフロート弁(第1フロート弁80、第2フロート弁85)を有する構造となっているが、一つの弁室、開口部、フロート弁を有するバルブや、3つ以上の多数の弁室、開口部、フロート弁を有するバルブに適用してもよい。
【0059】
更に、この実施形態においては、本発明の「筒状部」をなす第2筒状部60を構成する上方筒状部62は、図4に示すように、下部キャップ40の第1底壁47から立設し、且つ、下部キャップ40の周壁43やハウジング本体20の周壁22から離間して延出し、その上端内側に開口67を設けた形状となっているが、この態様に限定されるものではない。
【0060】
例えば、図18には、ハウジング本体20の周壁22に第2流通孔63を形成しておき、この第2流通孔63を囲むように、且つ、ハウジング本体20の周壁22から離間して、筒状部60Aが延出する構成が記載されている。この筒状部60Aは、上方に開口67が設けられており、この開口67は第2流通孔63よりも上方に位置している。
【0061】
図19には、前記実施形態と同様に、下部キャップ40の第1底壁47に形成した通孔64を囲む下方筒状部61を設けて、その下方開口が第2流通孔63をなす一方、ハウジング本体20の周壁22に、下方が開口した筒状部60Bを連設しておき、この筒状部60Bの下方開口部によって、第1底壁47に形成した通孔64を囲んだ構成が記載されている。また、筒状部60Bの天井壁は閉塞されているが、同筒状部60Bの上部側方に、第2流通孔63よりも上方に位置する開口67が形成されている。
【0062】
更に、(1)ハウジング本体の周壁に第2流通孔を形成しておき、この第2流通孔を囲むように、且つ、ハウジング本体の周壁から離間せず一体的に、筒状部が延出する構成としたり、(2)下部キャップの底壁から周壁に離間して延びる筒状部の上方を閉塞すると共に、同筒状部の側方に開口を設けた構成としたり、(3)ハウジング本体の周壁に第2流通孔を形成し、且つ、ハウジング本体の周壁内面から弁室内方に向けて水平に延びる底壁を設けると共に、この底壁とハウジング本体の周壁との間に筒状部を設けた構成としたり(この場合、ハウジング本体の周壁からは離間しない筒状となる)してもよく、筒状部の形状や構造は特に限定はされない。
【0063】
そして、この満タン規制バルブ10においては、給油時に燃料タンク1内の燃料液面L1が上昇して、第1流通孔55が液没したときに、第1フロート弁80が上昇して第1開口部26を閉じて連続給油が停止し(図11参照)、追加給油によって燃料タンク1内の燃料液面L1が更に上昇して、第2流通孔63が液没したときに、追加給油が停止するように構成されている(図17参照)。以下、図9~17を参照して説明する。
【0064】
図4に示すように、燃料タンク1内に燃料が給油されても、第1フロート弁80が燃料に浸漬されていない場合は、第1フロート弁80は、その自重で下降して、第1開口部26が開いており、この第1開口部26を通じて第1弁室V1と通気室Rとが連通した状態となっている。この状態では、第1流通孔55、第2流通孔63、第3流通孔33の全てが液没しておらず開口している。また、第1フロート弁80の、シール弁体83の下端部が、中間弁体84に当接して、シール弁体83の通気孔83aが閉塞されている。
【0065】
そして、図9及び図10に示すように、燃料タンク1内に燃料が給油されていくと、燃料タンク1内の空気が、流通孔55,63,33を通過して、第1弁室V1内に流入する。ここでは図9の矢印に示すように、主として空気は、第1流通孔55を通過して第1弁室V1内に流入する。第1弁室V1内に流入した空気は、第1開口部26を通過して通気室R内に流入し、ベントチューブ7を介して燃料タンク1外のキャニスター6へと排出される。このようにして、燃料タンク1内の空気が、燃料タンク1外へ排出されることで、燃料タンク1内に燃料を給油(連続給油)可能となっている。
【0066】
その後、燃料が第1流通孔55に達すると、この第1流通孔55を通じて、第1弁室V1内に燃料が流入していき、この燃料にフロート本体81が浸漬されることで、第1フロート弁80が徐々に上昇する。
【0067】
そして、燃料によって第1流通孔55が液没すると、図11に示すように、第1弁室V1内において、燃料液面L2が一気に上昇すると共に、燃料が上方筒状部62内に流入して、第2筒状部60の開口67が液没する。この状態では第2流通孔63は液没せず開口しているが、第2流通孔63は第2筒状部60と連通しているので、第2流通孔63及び第2筒状部60を通じての燃料タンク1内と第1弁室V1との間の気体流通が遮断される。第1フロート弁80が更に上昇して、シール弁体83が第1開口部26の裏側周縁部に当接することで、同第1開口部26が閉塞される(図11参照)。その結果、第1開口部26を通じての、第1弁室V1と通気室Rとの気体流通(空気流通)が遮断される。すると、燃料タンク1内の燃料が給油管2を上昇して、給油ノズル9の図示しない満タン検知センサに燃料が接触して、満タンが検知されるので(図12参照)、燃料タンク1内への給油が停止されて満タン規制がなされる。
【0068】
上記のように、第1流通孔55及び第2筒状部60の開口67が液没した状態であっても、第3流通孔33は液没せずに開口している。このとき、第3流通孔33は、第1弁室V1内の燃料液面L2が燃料タンク1内の燃料液面L1よりも高ければ、第1弁室V1内に燃料タンク1内の空気を流入させるように構成されている。そのため、第3流通孔33から、図11の矢印に示すように、燃料タンク1内の空気が第1弁室V1内に流入する。
【0069】
すると、図13に示すように、第1弁室V1内に流入した空気によって、第1弁室V1内の燃料液面L2が押されて、同燃料液面L2が下降していき、フロート本体81に対する燃料の浸漬量が低下する。また、第2筒状部60の上方筒状部62内に流入して開口67を液没させた燃料も、上記空気によって押されて、通孔64や下方筒状部61を通過して、第2流通孔63から燃料タンク1内に排出される。すると、第2流通孔63を通じて、燃料タンク1内と第1弁室V1内とが連通する。
【0070】
また、第1開口部26の裏側周縁部に当接したシール弁体83は、第1開口部26に貼り付いた状態に維持されているため、シール弁体83が装着されたシール部材82に対して、フロート本体81が自重によって下降していく。すると、中間弁体84がシール弁体83から離反して、その通気孔83aが開口する(図13参照)。その結果、第1開口部26は、シール弁体83の通気孔83aを通して、第1弁室V1及び通気室Rに連通する。
【0071】
そのため、図13に示すように、第1流通孔55は液没状態が維持されるものの、第2流通孔63によって燃料タンク1内と第1弁室V1内とが連通し、第1開口部26を介して第1弁室V1内と通気室R内とが連通した状態となる。それによって、図13の矢印に示すように、燃料タンク1内の空気が、第2流通孔63から流入して、第2筒状部60(下方筒状部61、通孔64、上方筒状部62)を通過して、その開口67から第1弁室V1内へ流出される。更に、第1弁室V1内に排出された空気は、フロート本体81とシール部材82との間隙、シール弁体83の通気孔83a、第1開口部26、通気室R、燃料蒸気排出口74a、燃料蒸気排出管74、ベントチューブ7、キャニスター6を順次流通して、燃料タンク1外へ排出される。その結果、図14の矢印に示すように、燃料タンク1内の燃料蒸気が循環チューブ3を介して給油管2へと返送されて、給油管2内での燃料液面が下降するので、燃料タンク1内への追加給油が可能となる。
【0072】
その後、燃料タンク1内に追加給油をして、図15に示すように、燃料タンク1内の燃料液面L1が上昇して(図15の符号「L1´」参照)、第2流通孔63が液没して閉塞されると、第2流通孔63及び第2筒状部60を通じての、燃料タンク1内と第1弁室V1との間の気体流通が遮断されると共に、第1開口部26を通じての、第1弁室V1と通気室Rとの気体流通も遮断される。言い換えれば、燃料液面L1によって第2流通孔63が液没するまで、追加給油が可能となる。また、この実施形態では、図16の矢印に示すように、循環チューブ3を介して、燃料蒸気の給油管2への返送状態が維持されて、少量ずつ追加給油が可能となっている(図16の給油管2参照)。
【0073】
その後、第1弁室V1内の燃料液面L2が上昇し、フロート本体81が上昇すると、図17に示すように、中間弁体84がシール弁体83に当接し、その通気孔83aが閉塞される。その結果、第1開口部26を通じての、第1弁室V1と通気室Rとの気体流通(空気流通)が再度遮断される。すると、図12と同様に、燃料タンク1内の燃料が給油管2を上昇して、給油ノズル9の図示しない満タン検知センサに燃料が接触して、満タンが検知されて、燃料タンク1内への追加給油が停止される。
【0074】
(作用効果)
次に、上記構造からなる満タン規制バルブ10の作用効果について説明する。
【0075】
すなわち、図9図10に示すように、燃料タンク1内に燃料が給油されていくと、燃料が、第1流通孔55を通じて第1弁室V1内に流入し、第1流通孔55が液没する。すると、第1弁室V1内の燃料液面L2が一気に上昇して、第2筒状部60の開口67も液没すると共に、第1フロート弁80が上昇して、シール弁体83が第1開口部26の裏側周縁部に当接して、第1開口部26が閉塞される(図11参照)。その結果、第1開口部26を通じての、第1弁室V1と通気室Rとの気体流通が遮断されるので、満タン規制がなされる。
【0076】
その後、第3流通孔33から、図11の矢印に示すように、燃料タンク1内の空気が第1弁室V1内に流入して、第1弁室V1内の燃料液面L2が下降し、且つ、第2筒状部60内の燃料が第2流通孔63から流出されると共に、第1開口部26の裏側周縁部に貼り付いたシール弁体83が装着されたシール部材82に対して、フロート本体81が下降していく。
【0077】
すると、図13に示すように、第2流通孔63によって燃料タンク1内と第1弁室V1内とが連通し、第1開口部26によって第1弁室V1内と通気室R内とが連通した状態となる。その結果、燃料タンク1内の空気が、図13の矢印に示すように、第2流通孔63や、第2筒状部60の開口67、第1開口部26等を流通して、燃料タンク1外へと排出されるので、燃料タンク1内への追加給油が可能となる。
【0078】
そして、この満タン規制バルブ10においては、上記の追加給油時に、燃料タンク1内の気体が、第2流通孔63から第2筒状部60を通って第1弁室1V1内に流入するようになっているので、気体は第1弁室V1内の燃料の液圧を受けにくくなり、第1弁室V1内へとスムーズに流入するので、追加給油を迅速に行うことが可能となる。
【0079】
すなわち、第2流通孔63に連通する第2筒状部60を設けたことで、第2筒状部60の壁によって、燃料の液圧が受け止められるので、第2流通孔63から流入して第2筒状部60内を流通する気体への影響を少なくして、気体の流通抵抗を低減させることができる。その結果、気体を、第2筒状部60の開口67から第1弁室V1内へと、スムーズに流入させることができるので、追加給油を迅速に行うことができる。
【0080】
また、仮に第2筒状部60の開口67が液没して、第2筒状部60内に燃料が入り込んでいても、上記のように第2筒状部60内を流通する気体は、第1弁室V1内の燃料の液圧の影響を受けにくいため、この気体によって第2筒状部60内の燃料を押し上げて開口67から流出させることができるため、この場合も追加給油を迅速に行うことができる。
【0081】
また、図4に示すように、この実施形態における満タン規制バルブ10は、フロート弁(第1フロート弁80)を付勢する付勢バネ(第1付勢バネS1)を更に有しており、ハウジング15には、付勢バネを支持するバネ支持座47aが形成されており、筒状部(第2筒状部60)の開口67は、バネ支持座47aよりも上方に設けられている。
【0082】
この態様によれば、第2筒状部60の開口67は、バネ支持座47aよりも上方に設けられているので、第2筒状部60の開口67を、バネ支持座47aに支持される第1付勢バネS1や第1フロート弁80に影響の少ない位置に設けることができる。そのため、上記の段落0077,0078に記載したように、追加給油時における、第2筒状部60を介しての、燃料タンク1内の気体の、第2流通孔63から第1弁室1V1内への流入を確実に行わせることができる(バネ支持座47aよりも、筒状部の開口が下方に位置した場合には、付勢バネやフロート弁の位置によっては、筒状部の開口の一部又は全部が閉塞される可能性がある)。
【0083】
そして、この満タン規制バルブ10においては、上記の追加給油時に、燃料タンク1内の気体が、第2流通孔63から第2筒状部60を通って第1弁室1V1内に流入するようになっているので、気体は第1弁室V1内の燃料の液圧を受けにくくなり、第1弁室V1内へとスムーズに流入するので、追加給油を迅速に行うことが可能となる。
【0084】
また、この実施形態においては、図4に示すように、ハウジング15は底壁(ここでは下部キャップ40の第1底壁47)を有しており、第2筒状部60(ここでは上方筒状部62)は第1底壁47から延出している。
【0085】
上記態様によれば、第2筒状部60は第1底壁47から延出しているので、第2筒状部60の上方筒状部62を上方に延出させやすくすることができ、第2筒状部60内を流通する、気体の流通抵抗をより低減させやすくできる。
【0086】
また、第2筒状部60は第1底壁47から延出しているため、例えば、ハウジング15を構成する下部キャップ40の第1底壁47を成形する型に、ピン状の突部等を設けておき、下部キャップ40の第1底壁47の成形後の抜型時に、前記ピン状の突部等を併せて抜型することで、第2筒状部60の内側に、気体の流通路を成形することができ、成形性を高めることができる。
【0087】
更にこの実施形態においては、ハウジング15は周壁を有しており、第2筒状部60は前記周壁から離間して延出した筒状をなしている。この実施形態のように、例えば、ハウジング15が、周壁22を設けたハウジング本体20と、その下方に装着され第1底壁47及び周壁43を設けた下部キャップ40とを有する場合に、図4に示すように、ハウジング本体20の周壁22の下端部を、下部キャップ40の周壁43と第2筒状部60の上方筒状部62との間に挿入した状態で、ハウジング本体20の下方に下部キャップ40を装着することができ、ハウジング本体20と下部キャップ40との接合部分の接合強度やシール性を高めることができる。
【0088】
また、この実施形態においては、筒状部(ここでは第2筒状部60の上方筒状部62)の開口67の開口面積は、第2流通孔63の開口面積よりも小さくなるように設定されている。この態様によれば、第2流通孔63から第2筒状部60内に流入する気体によって、第2筒状部60内に入り込んだ燃料を押し上げやすくして、燃料タンク内の気体を第1弁室V1内へと、よりスムーズに流入させることができる。
【0089】
更に、この実施形態においては、図7に示すように、ハウジング15を軸方向から見たときに、第1弁室V1側の底壁であって、第1弁室V1内に配置された第1フロート弁80の、隔壁46に沿った両側部に、第2筒状部60が設けられている。この態様によれば、第1弁室V1内のスペース(下部キャップ40の周壁43と第1筒状部54の側壁54cとの間に形成されたスペース58)を有効活用して、第2筒状部60の上方筒状部62をそれぞれ設けることができる。
【0090】
(満タン規制バルブの他の実施形態)
図20~25には、本発明に係る満タン規制バルブの、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0091】
図20図23、及び図24に示すように、この実施形態の満タン規制バルブ10Aは、ハウジング本体20Aと、ハウジング本体20Aの下方に装着される下部キャップ40Aと、ハウジング本体20Aの上方に装着される上部カバー70Aとからなる、ハウジング15Aを有している。
【0092】
また、この満タン規制バルブ10Aにおける本発明の「筒状部」をなす第2筒状部60Cは、以下のような構成となっている。
【0093】
図24図25に示すように、この第2筒状部60Cは、第1底壁47の裏面側に設けられた下方筒状部61Cと、同下方筒状部61の内部空間に整合した位置であって、第1底壁47の表面側に設けられた上方筒状部62Cとから構成されている。また、図21図22に示すように、下部キャップ40Aの第1弁室V1側の第1底壁47であって、支軸56を挟んで、その両側の周壁43に近接した位置に、一対の第2筒状部60C,60Cが配置されている。
【0094】
そして、図25に示すように、筒状部60Cの上端開口縁部68(筒状部60Cの上端に位置する開口67の外周縁部を意味する)、この実施形態においては、筒状部60Cを構成する上方筒状部62Cの上端開口縁部68は、筒状部60Cの周方向において、高さが高い部分68a(以下、単に「高い部分68а」ともいう)と、高さが低い部分68b(以下、単に「低い部分68b」ともいう)とを有している。
【0095】
また、図21図25に示すように、上方筒状部62Cの上端開口縁部68は、筒状部60Cの軸方向(筒状部60Cの軸心J1に沿った方向)に対して傾斜した平面Hで、斜めにカットされた形状をなしている。それによって、上方筒状部62Cの上端開口縁部68に、高い部分68aと低い部分68bとが形成されるようになっている。この実施形態における、筒状部60Cの軸心J1に対する平面Hの傾斜角度θは、45°となっている。なお、筒状部60Cの軸心J1に対する平面Hの傾斜角度θは、5~70°であることが好ましい。
【0096】
更に図22図25に示すように、上方筒状部62Cの上端開口縁部68の高さは、フロート弁(第1フロート弁80)の軸心J2から離れる方向に向かって低くなるように設定されている。この実施形態では、上方筒状部62Cの上端開口縁部68の、高さが高い部分68aが、第1弁室V1の径方向内方に向けて配置されていると共に、上端開口縁部68の、高さが低い部分68bが、第1弁室V1の径方向外方に向けて配置されており、上端開口縁部68の高さが、第1フロート弁80の軸心J2から離れる方向に向かって次第に低くなる構造となっている。
【0097】
なお、上記の「高さ」とは、筒状部60Cの下端からの高さ、すなわち、筒状部60Cを構成する下方筒状部61Cの下端からの、筒状部60Cの軸方向の高さを意味する。
【0098】
また、図21図22に示すように、下部キャップ40Aの底部41には、溝41аが全周に亘って形成されている。図25に示すように、この溝41аには、ハウジング本体20Aの周壁22の下端部22аが入り込むようになっている。
【0099】
また、この実施形態における上方筒状部62Cの上端開口縁部68は、一つの平面Hで斜めにカットされた形状をなし、それによって高さの高い部分68aと低い部分68bとを設けた構造となっているが、筒状部の上端開口縁部の高低差を設ける構造としては、この態様に限定されない。例えば、筒状部の上端開口縁部を、(1)階段状の切り口でカットして高低差を設けたり、(2)角度の異なる複数の平面でカットして高低差を設けたり、(3)凹状の湾曲面でカットして高低差を設けたりしてもよい。更に、この実施形態では、筒状部60Cの上端開口縁部68の高さは、フロート弁の軸心J2から離れる方向に向かって低くなるように設定されているが、筒状部の配置としては、例えば、(1)高い部分を周壁43に近接する方向に向けて配置し、低い部分をフロート弁の軸心側に向けて配置したり、(2)高い部分を周壁43の円弧状部分側に向けて配置し、低い部分を隔壁46側に向けて配置したり、(3)低い部分を周壁43の円弧状部分側に向けて配置したり、高い部分を隔壁46側に向けて配置したりしてもよく、特に限定されない。
【0100】
(作用効果)
次に、上記構造からなる満タン規制バルブ10Aの作用効果について説明する。
【0101】
すなわち、この実施形態においては、図25に示すように、筒状部60Cの上端開口縁部68は、筒状部60Cの周方向において、高さが高い部分68aと、高さが低い部分68bとを有している。
【0102】
上記態様によれば、筒状部60Cの上端開口縁部68は、高さが高い部分68аと、高さが低い部分68bとでは、後者の、低い部分68bの方が、筒状部60Cの下端(ここでは筒状部60Cを構成する下方筒状部61Cの下端)からの距離が短いので、下端開口から筒状部60C内に流入した燃料は、上端開口縁部68の低い部分68bに至ると、当該低い部分68bから圧力が開放されて、この低い部分58bから燃料がより多く流出しようとする。その結果、車両の揺動等によって、燃料が、筒状部下端の第2流通孔63から筒状部60C内に流入して、上方の開口67から流出する際(燃料が筒状部60C内を吹き上がるように流通する際)、燃料は、図25の二点鎖線で示すように、上端開口縁部68の低い部分58bで、その進路を変えながら流出するので、ハウジング15Aの開口部(ここでは第1開口部26)に燃料を流入しにくくすることができる。
【0103】
また、この実施形態においては、図22図25に示すように、筒状部60Cの上端開口縁部68の高さは、フロート弁(ここでは第1フロート弁80)の軸心J2から離れる方向に向かって低くなるように設定されている。
【0104】
上記態様によれば、筒状部60Cの上端開口縁部68の高さは、第1フロート弁80の軸心J2から離れる方向に向かって低くなるように設定されているので、下端開口から筒状部60C内に流入し、上端開口から流出する燃料は、第1フロート弁80の外径方向へ向くように流出させることができる。その結果、ハウジング15Aの第1開口部26に、燃料をより流入しにくくすることができる。
【0105】
また、図21図25に示すように、この実施形態においては、筒状部60Cの上端開口縁部68は、筒状部60Cの軸方向に対して傾斜した平面Hで、斜めにカットされた形状をなしている。
【0106】
上記態様によれば、筒状部60Cの上端開口縁部68は、筒状部60Cの軸方向に対して傾斜した平面Hでカットされた形状をなしているので、筒状部60Cの上端開口縁部68の、高い部分68аと低い部分68bとを形成しやすくすることができると共に、下端開口から筒状部60C内に流入して、上端開口から流出する燃料の、進路を変えやすくすることができる。
【0107】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 燃料タンク
10,10A 満タン規制バルブ
15,15A ハウジング
20,20A ハウジング本体
21 仕切壁
26 第1開口部
27 第2開口部
40,40A 下部キャップ
47 第1底壁(底壁)
47a バネ支持座
54 第1筒状部
55 第1流通孔
60,60C 第2筒状部(筒状部)
61,61C 下方筒状部
62,62C 上方筒状部
63 第2流通孔
67 開口
68 上端開口縁部
68а 高さが高い部分
68b 高さが低い部分
70 上部カバー
80 第1フロート弁
85 第2フロート弁
R 通気室
S1 第1付勢バネ(付勢バネ)
S2 第2付勢バネ
V1 第1弁室
V2 第2弁室
図1
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