(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-20
(45)【発行日】2024-02-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20240221BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240221BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240221BHJP
A63F 13/67 20140101ALI20240221BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/55
A63F13/79 510
A63F13/67
(21)【出願番号】P 2023148129
(22)【出願日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野澤 智信
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/213468(WO,A1)
【文献】特開2021-159218(JP,A)
【文献】特開2021-036446(JP,A)
【文献】特開2020-198065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームを提供する情報処理システムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御するNPC制御部と、
ゲーム媒体に紐づけられた学習データとしての設定情報を取得する追加情報取得部と、
前記追加情報取得部が取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を
前記学習済みモデルに追加学習させた設定付き学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記NPC制御部が、前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を反映して前記ノンプレイヤキャラクタを制御する情報処理システム。
【請求項2】
前記設定付き学習済モデルが、ノンプレイヤキャラクタの会話に関連する制御情報を出力するモデルである請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記追加情報取得部は、プレイヤによる前記ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、該ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を取得する請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ゲーム情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記追加情報取得部は、前記ゲーム媒体が前記記憶部に登録された際に、該ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を取得する請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記NPC制御部は、プレイヤによる前記ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、前記設定情報を、ゲームにおける前記ノンプレイヤキャラクタの活動に反映させる請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータに、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行させるプログラムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づけられた学習データとしての設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を
前記学習済みモデルに追加学習させた設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
コンピュータが、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づけられた学習データとしての設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を
前記学習済みモデルに追加学習させた設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやゲーム端末等といったプレイヤ端末で実行可能なゲームとして、コンピュータによって制御されるノンプレイヤキャラクタ(NPC)を用いるゲームが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、プレイヤがゲーム内で登場するNPCと会話を行うことができるゲームを開示している。特許文献1のゲームにおいて、プレイヤとNPCとの間で交わされる会話の内容は、予めテキストデータとしてゲームシステムに記憶されており、プレイヤが台詞の選択肢の中から一の台詞を選択することで、NPCとの会話が進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゲームシステムでは、会話の進行度及びNPCの感情度に対応付けられた台詞が複数準備されており、プレイヤによる台詞の選択に応じて、次に展開される会話の内容や会話におけるNPCの感情を変化させることができる。ただし、特許文献1における会話内容の変化は、予め準備された台詞の選択肢の範疇に限られている。NPCの言動に関する表現を従来よりも多様化することができれば、ゲームに対する興趣の向上が期待できる。
【0006】
本開示における例示的な実施形態の目的は、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)を用いるゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係わる情報処理システムは、
ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームを提供する情報処理システムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御するNPC制御部と、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する追加情報取得部と、
前記追加情報取得部が取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記NPC制御部が、前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を反映して前記ノンプレイヤキャラクタを制御する。
【0008】
情報処理システムが上記の特徴を有することで、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる。
【0009】
本開示の一態様に係わるプログラムは、
コンピュータに、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行させるプログラムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータに実行させる。
【0010】
プログラムが上記の特徴を有することで、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる。
【0011】
本開示の一様態に係わる情報処理方法は、
コンピュータが、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータが実行する。
【0012】
情報処理方法が上記の特徴を有することで、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係わる情報処理システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバの機能上の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すプレイヤ端末の機能上の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すゲーム情報記憶部に記憶されているゲーム媒体情報の一例を示す概略図である。
【
図5A】
図5Aは、情報処理システムの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【
図5B】
図5Bは、情報処理システムの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【
図5C】
図5Cは、情報処理システムの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の一実施形態に係わる情報処理システム10を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は本実施形態を説明するための例示であり、各図面で示すシステム構成、ブロック図、及びフローチャートなどは、技術的に問題が生じない範囲内で改変したり、変更したりしてもよい。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0015】
本実施形態に係わる情報処理システム10は、インターネット網などのネットワークNを介してゲームに関する各種サービスを、プレイヤ3に提供するためのシステムである。
【0016】
図1に示すように、情報処理システム10は、少なくとも1つのサーバ20、及び、少なくとも1つのプレイヤ端末30、を主要構成として備える。これら主要構成は、ネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。この情報処理システム10では、事業者1に配備されているサーバ20が、画像、動画、音声等によって構成されるゲームに関する情報処理を、プレイヤ3が保有するプレイヤ端末30に実行させることによって、プレイヤ端末30にゲームを提供する。
【0017】
<サーバ装置の構成>
サーバ20は、ゲームサービスを運営及び管理する際に利用する情報処理装置であって、前述のとおり、ゲームサービスを提供する事業者1に配備されている。情報処理装置としてのサーバ20は、たとえば、ワークステーションもしくはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよく、クラウド・コンピューティング技術により論理的に構築されていてもよい。
【0018】
サーバ20は、サーバ20全体の制御を行う制御部21と、各種データ及びアプリケーションプログラムを記憶する記憶部22と、ネットワークNを介してプレイヤ端末30との間でデータを送受信するサーバ通信部23と、を有する。
【0019】
<制御部(サーバ)>
制御部21は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ20全体の制御を行う構成要素である。制御部21は、ゲームサービスの提供に必要な各種情報処理を実行する機能を有しており、制御部21の該機能は、CPU(Central Processing Unit)、及び/又は、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置が所定のストレージに格納されたデータ及びプログラムを読み出し、メモリの作業領域で各種プログラムを実行することによって実現される。
【0020】
制御部21は、実行する情報処理の種類に応じた複数の機能部を有する。たとえば、制御部21は、機能部として、ゲーム実行部210と、NPC制御部211と、追加情報取得部212と、モデル生成部213と、操作情報受信部214と、処理結果生成部215と、を備えていてもよい。
【0021】
ゲーム実行部210は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有する。情報処理システム10が提供するゲームのカテゴリは、特に限定されず、例えば、恋愛ゲーム、対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、ボードゲーム、レーシングゲームなどであってよい。
【0022】
また、ゲームには、例えば、所謂「インゲーム」と呼ばれる実際のゲームプレイに関する部分であって、ゲーム内のキャラクタなどを操作したり、パズルを操作したりなどしてステージ(クエスト)を進めたり、カードやレースなどで対戦相手と対戦したり、といったようにゲームを進行させるための「ゲーム進行パート」だけでなく、所謂「アウトゲーム」と呼ばれる、ゲーム内のキャラクタやアイテム等のゲーム媒体をプレイヤに抽選で付与する所謂「ガチャ」などの「抽選パート」、ゲーム内で使用するキャラクタ等のゲーム媒体を選択する「編成パート」、キャラクタやアイテム等を強化する「強化パート」等を含んでいてもよい。
【0023】
ゲーム実行部210が進行するゲームは、ノンプレイヤキャラクタ(以下、NPCと記す)を用いるゲームである。NPCは、プレイヤが操作しないキャラクタを意味し、例えば、NPCは、人工知能であるキャラクタAIにより操作される。ゲームにおけるNPCの用途は特に限定されず、例えば、対戦ゲームの場合には、プレイヤと協力する仲間のキャラクタとしてNPCを用いてもよいし、プレイヤと対戦する敵のキャラクタとしてNPCを用いてもよい。その他、恋愛ゲームの場合、恋愛対象のキャラクタとしてNPCを用いてもよいし、育成型のシミュレーションゲームの場合、育成対象のキャラクタとしてNPCを用いてもよい。ゲーム実行部210が進行するゲームでは、単一のNPCが用いられてもよいし、複数のNPCが用いられてもよい。
【0024】
また、ゲーム実行部210が進行するゲームは、少なくとも1つのゲーム媒体を用いるゲームである。ここで、「ゲーム媒体」とは、プレイヤ3がゲーム内で使用する電子データの総称である。例えば、カード、プレイヤ3の操作対象となるキャラクタ(以下、操作キャラクタと称する場合がある)、アバター、ゲーム内通貨などの消費媒体、及び、その他のアイテムなどがゲーム媒体に該当する。ゲーム実行部210が進行するゲームでは、プレイヤ3がゲーム空間内で活動するアバター又は操作キャラクタを操作することで、ゲームが進行されてもよい。また、ゲームで用いられるゲーム媒体として、武器、防具、衣装、及び、装飾品などのアイテムを、プレイヤ3の選択に応じて、プレイヤ3のアバターや操作キャラクタ、及び、NPCに装着させてもよい。その他にも、ゲームで用いられるゲーム媒体として、インテリアなどのアイテムを、プレイヤ3の選択に応じて、ゲーム空間に配置させ、ゲームを実行してもよい。
【0025】
NPC制御部211、追加情報取得部212、及び、モデル生成部213の機能が、キャラクタAIの機能に該当する。
【0026】
NPC制御部211は、ゲーム実行部210により制御されるゲームの実行時に、少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、NPCを制御する処理を実行する機能を有する。つまり、NPC制御部211がキャラクタAIの主要構成であって、NPC制御部211の処理で用いる学習済モデルは、NPCを自律的に活動させるための機械学習が施された、NPCの意思決定モデルである。NPC制御部211では、例えば、プレイヤ3がNPCに対して送るプロンプト、その他プレイヤ3の操作情報、ゲーム開始前にプレイヤ3により設定される情報(例えば、プレイヤ3の選択操作によって決定された、ゲームで使用するゲーム媒体の情報、実行するゲーム単位(クエスト、イベントなど)に関する情報など)、ゲーム進行中に収集されるゲーム状況に関する情報、及び、プレイヤ3による過去のゲーム履歴などから選択される少なくとも1つのデータを学習済モデルへの入力として用いる。NPC制御部211は、上記のようなデータを学習済モデルに入力し、ゲーム空間においてNPCが実行する活動(言葉、及び/又は、動作)を決定し出力する。NPC制御部211は、学習済モデルの出力であるNPCの制御情報(NPCに実行させる言葉(会話)、及び/又は、動作の情報など)を、後述する処理結果生成部215に伝達する。
【0027】
情報処理システム10では、ゲーム空間におけるNPCの活動を網羅的に制御する単一の学習済モデルを用いてもよいし、特定の制御項目に対応した複数の学習済モデルを組み合わせて用いてもよい(つまり、複数の学習済モデルを統合してNPCを制御してもよい)。例えば、NPC制御部211は、NPCの言葉(会話)、及び、NPCの動作の両方を出力する学習済モデルに基づいてNPCを制御してもよいし、NPCの言葉を出力する学習済モデルとNPCの動作を出力する学習済モデルとの組み合わせに基づいてNPCを制御してもよい。また、情報処理システム10では、NPCを制御するための学習済モデルとして、全てのプレイヤ3の利用に供する共通の学習済モデルを準備してもよいし、プレイヤ3ごとに、個々のプレイヤ3に紐づく情報を組み込んだ(学習させた)学習済モデルを準備してもよい。
【0028】
学習済モデルを構築するための機械学習は、NPCの自律的な活動を実現させるために、学習データ及び学習アルゴリズムを適宜選択して実行されればよく、機械学習の手法は特に限定されない。機械学習は、教師なし学習であってもよいし、教師あり学習であってもよいし、強化学習であってもよいし、深層学習(ディープラーニング)であってもよく、これらの機械学習を組み合わせて学習済モデルを構築してもよい。
【0029】
学習データは、所望の出力が得られるように適宜選択すればよく特に限定されない。学習済モデルでNPCの言葉を出力(会話を生成)する場合の学習データとしては、例えば、自然言語の文章を集約した大規模なコーパス、入力となる自然言語(プロンプト)と該入力に対して人が応答した自然言語(レスポンス)との組み合わせからなる会話データセット、及び、プロンプトに対するレスポンスの妥当性を人が評価した評価データセットなどが挙げられる。また、学習済モデルでNPCの会話と会話する際の動作との両方を出力する場合、上記のような学習データに加えて、自然言語と該自然言語を発話する際のジェスチャーのパターンとの組み合わせからなるデータセット、動作の妥当性を人が評価した評価データなどを用いてもよい。また、対戦ゲームなどにおけるNPCの動作を出力する場合、例えば、人がキャラクタを操作して実行した対戦ゲームのデータを学習データとして用いてもよい。上述したような学習データの他に、ゲームの仕様やゲーム内のルールなどのゲームに関する基本情報をモデルに学習させてもよい。
【0030】
学習アルゴリズムについても、所望の出力が得られるように適宜選択すればよく、特に限定されず、公知の学習アルゴリズムを採用することができる。例えば、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワークなどのニューラルネットワーク、RLFH(Reinforcement Learning from Human Feedback)、SFT(Supervised Fine-Tuning)などの強化学習のアルゴリズム、決定木、ランダムフォレスト、及び、主成分分析などから選択される1以上のアルゴリズムを活用してもよく、ニューラルネットワークを採用することが好ましい。
【0031】
本実施形態に係わる情報処理システム10では、NPCを操作するキャラクタAIへ情報を追加する処理を実行する。本実施形態では、NPCを制御する学習済モデルのうち、情報を追加する前の既存のモデルを「前身モデル」と称することとし、情報が追加された後のモデルを「設定付き学習済モデル」と称することとする。また、キャラクタAIに追加する情報を「追加情報」と称することとする。
【0032】
NPC制御部211は、後述するモデル生成部213で設定付き学習済モデルが生成された場合、設定付き学習済モデルに基づき、追加情報を反映してNPCを制御する処理を実行する。つまり、NPC制御部211は、設定付き学習済モデルが生成された場合に、NPCの制御を、前身モデルによる制御から、設定付き学習済モデルを利用する制御に変更する処理を実行する。追加情報を反映させた出力を実行する際に、NPC制御部211は、NPCの制御に利用する学習済モデル(以下、制御モデルと称する場合がある)を、前身モデルから設定付き学習済モデルに切り替える処理を実行してもよい。もしくは、NPC制御部211は、前身モデルと設定付き学習済みモデルとを併用してNPCを制御してもよい。
【0033】
以下の説明では、NPCが会話するシーンを含むゲームを主に想定して、キャラクタAIへの情報追加に関わる処理を例示することとする。つまり、設定付き学習済モデルなどの学習済モデルが、追加情報に基づきNPCの会話を生成する場合を主として例示することとする。ただし、設定付き学習済モデルなどの学習済モデルは、会話に関連する制御情報を出力するモデルに限定されず、ゲームにおけるNPCの活動に関連する制御情報を出力するモデルであればよい。例えば、設定付き学習済モデルは、NPCの戦闘活動に関する制御情報を出力するモデルであってもよい。なお、NPCの会話は、NPCがプレイヤ3と交わす会話であってもよく、一のNPCが他のNPCと交わす会話であってもよい。また、プレイヤ3とNPCとの会話は、プレイヤ3がアバターや操作キャラクタを介してNPCと交わす会話であってもよく、プレイヤ3がアバターや操作キャラクタなどの媒体を介することなくNPCと交わす会話であってもよい。設定付き学習済モデルが会話に関連する制御情報を出力するモデルの場合、設定付き学習済モデルには、プレイヤ3の会話が入力され(テキスト形式であってもよく、音声形式であってもよい)、その他にゲーム進行時に生成される情報などが入力されてもよい。
【0034】
追加情報取得部212は、ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する処理を実行する機能を有する。ゲーム媒体に紐づく設定情報は、NPCを操作するキャラクタAIに組み込む追加情報に該当する。つまり、本実施形態では、学習済モデルに追加で学習させるデータ(追加学習データ)を、プレイヤ3がゲームで使用可能なゲーム媒体に紐づけて管理する。なお、学習済モデルには、ゲーム媒体に紐づく設定情報の他に、ゲーム媒体のリスト、プレイヤ3による過去のゲーム履歴などのその他のゲーム関連情報を追加学習させてもよい。
【0035】
情報処理システム10で用いられるゲーム媒体には、追加学習データとなる設定情報の紐づけがあるゲーム媒体が含まれるとともに、追加学習データとなる設定情報の紐づけがないゲーム媒体が含まれていてもよい。以下の説明において、追加学習データとなる設定情報の有無を区別して表記する場合、追加学習データとなる設定情報が紐づけられているゲーム媒体を「第1ゲーム媒体」と称し、設定情報の紐づけがないその他のゲーム媒体を「第2ゲーム媒体」と称することとする。設定付き学習済モデルでNPCの会話を生成する場合には、キャラクタ(アバター、操作キャラクタ、NPCなど)に付帯させるアイテム、ゲーム空間に配置するアイテム、ゲーム進行時に消費するアイテム、及び、NPCなどのキャラクタそのもの等を、第1ゲーム媒体に設定してもよい。
【0036】
なお、情報処理システム10で提供するゲームにおいて、ゲーム媒体の獲得方法は、特に限定されない。例えば、ゲーム媒体は、ガチャなどの抽選手段、ゲームクリアによる報酬、ゲーム内で消費する有償もしくは無償の消費媒体との交換、及び、2以上のオブジェクトの合成、などの方法でプレイヤ3に付与されてもよい。プレイヤ3の操作対象とならないNPCも、上記のような方法でプレイヤ3に付与されてもよい。第1ゲーム媒体の獲得方法には、第2ゲーム媒体とは異なる特別の制限を課してもよい。例えば、第1ゲーム媒体は、期間限定ガチャ、又は、期間限定イベントの報酬などの方法でプレイヤ3に付与されてもよい。また、ゲームシステムの運用当初(ゲームの提供当初)から登録されているゲーム媒体を第2ゲーム媒体とし、ゲームシステムに後から追加するゲーム媒体を第1ゲーム媒体として、該ゲーム媒体に設定情報を紐づけてもよい。
【0037】
追加情報取得部212は、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得をトリガーとして、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する処理を実行してもよい。具体的に、追加情報取得部212は、プレイヤ3が第1ゲーム媒体を獲得したことを検知し、その検知をトリガーとして、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する。そして、取得した設定情報を、追加学習用のデータとして、後述するモデル生成部213に伝達する。
【0038】
追加情報取得部212の処理を開始するためのトリガーは、上述した第1ゲーム媒体の獲得に限定されない。例えば、追加情報取得部212は、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の使用をトリガーとして、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する処理を実行してもよい。プレイヤ3が、ゲーム実行前の準備過程、及び/又は、ゲーム進行過程で、所有ゲーム媒体のうちからゲームで使用するゲーム媒体(使用ゲーム媒体と称する)を選択した場合、追加情報取得部212は、プレイヤ3により選択された使用ゲーム媒体のうちから第1ゲーム媒体を特定し、その特定をトリガーとして、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得してもよい。そして、取得した設定情報を、追加学習用データとして、後述するモデル生成部213に伝達する。
【0039】
また、追加情報取得部212は、サーバ20から提供されるゲームシステムのアップデートをトリガーとして、追加情報を取得する処理を実行してもよい。システムのアップデートに伴い新規のゲーム媒体が記憶部22に登録された場合、追加情報取得部212は、新規に登録されたゲーム媒体のうちから第1ゲーム媒体を特定し、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得してもよい。そして、取得した設定情報を、追加学習用データとして、後述するモデル生成部213に伝達する。
【0040】
モデル生成部213は、追加情報取得部212が取得した第1ゲーム媒体に紐づく設定情報(追加情報)に基づいて、設定付き学習済モデルを生成する処理を実行する機能を有する。つまり、モデル生成部213は、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を、学習済モデルに追加学習させる処理を実行する。情報処理システム10に複数の学習済モデルが登録されている場合には、モデル生成部213は、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報に応じて、該設定情報を追加する学習済モデルを選択する処理を実行してもよい。
【0041】
モデル生成部213が実行する追加学習では、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報のみを学習済モデルに学習させてもよいし、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を学習済みデータと組み合わせて学習済モデルを再学習させてもよい。追加学習の手法は、特に限定されず、例えば、強化学習、ファインチューニング、又は、転移学習を採用してもよい。ファインチューニングで第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を追加する場合には、例えば、学習済モデルの一部又は全体を、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を含む学習データを使って再学習し、モデルのネットワーク全体の重みを更新する。一方、転移学習で第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を追加する場合には、学習済モデルのネットワークにおける出力層部分を対象として、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を含む追加情報を学習させ、出力層部分の重みを更新する。なお、ファインチューニング又は転移学習で利用する学習アルゴリズムは公知のものを採用してよい。また、設定付き学習済モデルの生成に際して、追加学習を行う前の前身モデルを残存させてもよいし、前身モデルを更新することで設定付き学習済モデルを生成してもよい。
【0042】
モデル生成部213によって設定付き学習済モデルが生成された場合、NPC制御部211は、NPCの制御を、前身モデルによる制御から、設定付き学習済モデルを利用する制御に変更する。この制御モデルの変更は、設定付き学習済モデルの生成に伴って自動的に実行されてもよい。もしくは、NPC制御部211が、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、その検知をトリガーとして、前記設定付き学習済みモデルを利用する制御への変更が実行されてもよい。つまり、NPC制御部211は、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を、ゲームにおけるNPCの活動に反映させてもよい。例えば、追加情報取得部212がゲームシステムのアップデートをトリガーとして、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得した場合は、NPC制御部211が、プレイヤ3による該第1ゲーム媒体の獲得又は使用をトリガーとして、制御モデルの変更を実行してもよい。また、追加情報取得部212がプレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得をトリガーとして、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得した場合は、NPC制御部211が、プレイヤ3による該第1ゲーム媒体の使用をトリガーとして、制御モデルの変更を実行してもよい。
【0043】
制御モデルの変更は、ユーザによる選択に基づいて実行されてもよい。例えば、ゲーム媒体に紐づく設定情報の追加学習により、方言による会話の生成が可能な設定付き学習済モデルが生成された場合、NPCの会話は、前身モデルに基づく標準語モードで制御されてもよく、設定付き学習済モデルに基づく方言モードで制御されてもよく、ユーザが標準語モードと方言モードのうちいずれか一方を選択することで、NPCの制御を切り替えてもよい。また、NPCの制御を、前身モデルによる制御から設定付き学習済モデルを利用する制御に変更した後、NPC制御部211は、ゲームの進行状況、ユーザによる使用ゲーム媒体の選択、又は、ユーザによる選択などに基づいて、NPCの制御を、前身モデルによる制御に戻す処理を実行してもよい。このように、前身モデルによる制御と、設定付き学習済モデルを利用する制御とを、所定のタイミングで、相互に切り替え可能にしてもよい。
【0044】
操作情報受信部214は、プレイヤ端末30より送信された操作情報を受信する機能を有する。受信した操作情報は、ゲーム実行部210によりゲームプログラムが処理されるための指示情報として用いられる。また、受信した操作情報は、NPC制御部211によりNPCの活動を制御する際の制御モデル(前身モデル、設定付き学習済モデル)への入力情報(プロンプト)として用いられる。
【0045】
処理結果生成部215は、ゲーム実行部210により実行されたゲームプログラムの処理結果を生成する処理を実行する機能を有している。ゲームプログラムの処理結果の生成に際して、処理結果生成部215は、NPC制御部211から送られてくるNPCの制御情報を受信し、その制御情報を反映させてゲームプログラムの処理結果を生成する。処理結果生成部215により生成された処理結果は、サーバ通信部23を介してプレイヤ端末30に送信され、プレイヤ端末30の表示部34により出力される。
【0046】
設定付き学習済モデルが、NPCの会話に関連する制御情報を出力する場合、該制御情報によって導出される表示部34における出力は、テキスト形式の出力であってもよく、NPCの発話などの音声形式の出力であってもよい。なお、会話に関連する制御情報は、言語情報のみならず、会話に伴うNPCの動作情報が含まれていてもよい。設定付き学習済モデルの出力(制御情報)が、会話に伴うNPCの動作情報を含む場合、NPCの動きが、該動作情報によって表示部34に出力されてもよい(例えば、NPCの台詞に合わせた口の動きが出力される、NPCの「よっしゃー!」という台詞に伴うガッツポーズの動きが出力される、など)。
【0047】
<記憶部(サーバ)>
記憶部22は、各種制御処理や制御部21内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するサーバ20の記憶領域であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部22は、サーバ20が通信を行った際に、サーバ20の通信内容を一時的に記憶する機能を有していてもよい。
【0048】
サーバ20の記憶部22は、記憶する情報の種類に応じて区画された複数の領域を有していてもよい。例えば、記憶部22は、ゲーム情報記憶部221、プレイヤ情報記憶部222、及び、モデル記憶部223を備えていてもよい。
【0049】
ゲーム情報記憶部221は、ゲームに関する基本的な情報を記憶し、格納している。ゲーム情報記憶部221に格納されるゲームに関する基本的な情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成され、特に限定されない。たとえば、ゲーム情報記憶部221には、ゲーム単位ごとの設定情報、ゲーム媒体の情報、背景画像などのゲーム空間に関連する情報、イベント情報などの情報が格納されていてもよい。なお、「ゲーム単位」とは、ゲームの一つのまとまりを意味し、「ゲーム単位」は、クエスト、イベント、ミッション、コース、ストーリー、シナリオ、チャプター、ダンジョン、ステージ、戦闘、及び、対戦などの用語で換言することができる。
【0050】
ゲーム情報記憶部221に格納されるゲーム媒体の情報には、各ゲーム媒体を一意に識別するための識別子としてID(以下、ゲーム媒体IDと称する)が付与されていてもよい。ゲーム情報記憶部221では、ゲーム媒体の情報として、ゲーム媒体の名称、画像データ、及び、獲得方法などが記憶されていてもよい。
【0051】
図4は、ゲーム情報記憶部221に記憶されている第1ゲーム媒体の情報を例示している。
図4では7つの第1ゲーム媒体を例示しており、そのうち、M-A001~M-A006のIDで示されている第1ゲーム媒体の種類がアイテムであり、M-C001のIDで示されている第1ゲーム媒体の種類がキャラクタである。
【0052】
図4に示すように、第1ゲーム媒体の情報には、ゲーム媒体IDと紐づけられた設定情報(追加学習データ)が含まれる。この第1ゲーム媒体に紐づけられた設定情報は、設定付き学習済モデルの構築に利用される追加学習用のデータであればよく、設定情報の詳細は特に限定されない。設定付き学習済モデルを会話に関連する制御情報を出力するモデルとする場合、設定情報は、以下の(1)~(7)に示すようなデータであってもよい(
図4参照)。第1ゲーム媒体には、(1)~(7)に示すデータの任意の組み合わせが、設定情報として紐づけられていてもよい。
【0053】
(1)アイテムに纏わるエピソード(シナリオ)
(2)キャラクタの経験又は経歴に関するデータ
(3)キャラクタのステータス(身分、地位、職業、立場など)に関するデータ
(4)キャラクタの性格に関するデータ(ビッグファイブ(Big Five Personality Traits)に基づくパラメータなど)
(5)キャラクタの嗜好に関するデータ
(6)キャラクタの話し方(イントネーション、アクセント、方言、語尾の表現など)に関わるデータ
(7)キャラクタ間の関係値を表すデータ
【0054】
上記(2)~(7)で例示するデータは、キャラクタである第1ゲーム媒体に紐づけるデータであってもよく、アイテムである第1ゲーム媒体に紐づけるデータであってもよい。(2)~(7)がアイテムに紐づけるデータの場合、(2)~(7)における「キャラクタ」は、アイテムを付帯させるキャラクタを意味し、該アイテムは、アバターや操作キャラクタなどのプレイヤ3の操作対象に付帯させてもよいし、NPCに付帯させてもよい。
【0055】
なお、上記の(1)~(7)に示すデータは、主に会話生成に関連する設定情報の例であるが、NPCの戦闘行動などの動作を主として生成する場合は、アイテムなどのゲーム媒体にNPCの動作に関連する設定情報を紐づけてもよい。例えば、武器のアイテムに所定の攻撃スキルに関する設定情報を紐づける、防具のアイテムに防衛動作の選択確率や攻撃回避の確率などを紐づける、などが考えられる。
【0056】
ゲーム情報記憶部221に記憶されている第1ゲーム媒体の情報には、追加学習させる対象の学習済モデルを特定するための情報が含まれていてもよい。例えば、
図4における「対象モデル」の列が、追加学習させる対象の学習済モデルを特定するための情報に該当する。対象モデルの列に示す「会話」は、会話生成用の学習済モデルを追加学習の対象に指定していることを意味し、「会話・動作」は、会話生成用の学習済モデル、動作生成用の学習済モデル、会話及び動作の両方を生成する学習済モデルのいずれか1つ以上を、追加学習の対象に指定していることを意味する。モデル生成部213が複数の学習済モデルのうちから設定情報を追加する学習済モデルを選択する場合には、第1ゲーム媒体に含まれる対象モデルを指定する情報に基づいて追加学習させる学習済モデルを決定してもよい。
【0057】
プレイヤ情報記憶部222は、ゲームサービスを利用する各プレイヤ3に関連付けられた情報を記憶する。たとえば、プレイヤ情報記憶部222には、プレイヤID(各プレイヤ3を特定するための識別子)と、プレイヤIDと紐づけられた、プレイヤ名、ゲームサービスへの登録日、プレイヤレベルなどの情報が格納されていてもよい。また、プレイヤ情報記憶部222には、各プレイヤ3がゲームサービスを利用することで蓄積されるプレイ履歴情報がプレイヤIDと関連付けられて格納されていてもよい。プレイ履歴情報には、たとえば、ログイン日時、ログイン回数、総プレイ時間、ゲーム単位ごとの実行回数、各ゲーム単位をクリアした際のデータ、プレイヤ3が所持するアイテムやキャラクタなどのゲーム媒体、有償又は無償のゲーム内通貨の所持額、課金額、課金回数、及び、抽選の実行回数などのデータが含まれていてもよい。
【0058】
モデル記憶部223は、NPCの制御に利用する前身モデルや設定付き学習済モデルなどの学習済モデルを記憶する。モデル記憶部223には、学習済モデルと共に、学習済モデルの構築や再学習に利用する学習データや学習済みデータが記憶されていてもよい。
【0059】
<サーバ通信部>
サーバ通信部23は、ネットワークNを介して、プレイヤ端末30の端末通信部35と接続されている。サーバ通信部23と、プレイヤ端末30の端末通信部35とは、互いに情報を送受信する。サーバ20では、サーバ通信部23を介してプレイヤ端末30から各種のコマンド(プロンプト、リクエストなど)を受信する。プレイヤ端末30から送信されてくる各種コマンドを基に、制御部21においてゲームプログラムによる処理を実行し、サーバ通信部23は、処理結果生成部215が生成したゲームプログラムの処理結果(例えば、ゲーム画像やゲーム音声等)をプレイヤ端末30に送信する。なお、上記ゲームプログラムの一部は、プレイヤ端末30に送信されてプレイヤ端末30上で実行されてもよい。
【0060】
<プレイヤ端末>
図3は、
図1に示すプレイヤ端末30の機能ブロック図である。プレイヤ端末30は、プレイヤ3が所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、ゲーム専用端末、その他コンピュータ等)である。プレイヤ端末30は、サーバ20から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画像出力、ゲーム音声出力等)することができる。プレイヤ端末30は、例えば、プレイヤ端末30全体の制御を行う制御部31と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部32と、プレイヤが操作入力を行うための入力部33と、ゲーム画面及び操作画面等を表示する表示部34と、サーバ20との間で情報通信を行う端末通信部35と、を有する。
【0061】
<制御部(プレイヤ端末)>
制御部31は、ディスプレイやカメラなどのプレイヤ端末30の各部を制御するために必要な機能を有しており、制御部31の各機能は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。プレイヤ端末30の制御部31は、例えば、操作情報受付部311と、ゲーム動作部312と、処理結果受信部313と、を備えていてもよい。
【0062】
操作情報受付部311は、プレイヤ3によって後述の入力部33に入力されたゲームに関する操作情報を受け付ける処理を実行する。また、操作情報受付部311は、受け付けたゲームに関する操作情報をゲーム動作部312に出力する処理を実行する。
【0063】
ゲーム動作部312は、ゲームアプリケーションを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部312は、後述の記憶部22に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、プレイヤによって後述の入力部23から入力されたゲームに関する操作情報に基づいてゲームを開始及び動作させる。ゲーム動作部312は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を表示部34に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部312は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声をプレイヤ端末30から出力させるための制御処理を行う。
【0064】
なお、ここでは、ネイティブアプリがWebアプリの機能を一部実行する、すなわち、プレイヤ端末30のゲーム動作部312がサーバ20の処理結果生成部215の機能を一部実行する構成について説明したが、プレイヤ端末30の制御部31はゲーム動作部312の機能を有していなくともよい。その場合、サーバ20の処理結果生成部215が処理結果として全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよい。また、サーバ20の処理結果生成部215の代わりに、プレイヤ端末30のゲーム動作部312が全てのゲーム用画像、音声を生成するように情報処理システム10を構成してもよい。
【0065】
制御部31がゲーム動作部312を有する場合、ゲーム動作部312が動作させるゲームにおける所定のパラメータはサーバ20にて管理される。例えば、ゲームにおけるレベルや、ゲーム内通貨といったパラメータが、サーバ20にて管理される。そのため、プレイヤ端末30のゲーム動作部312は、ゲームにおいてこれらの所定のパラメータの変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ20との通信を行うことにより、サーバ20が管理するパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部312は、更新後のパラメータをサーバ20から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。
【0066】
サーバ20が処理結果生成部215を有する場合には、プレイヤ端末30の処理結果受信部313は、サーバ20の処理結果生成部215により生成及び送信された処理結果を受信し、その処理結果を表示部34に出力させる処理を実行する。なお、プレイヤ端末30の制御部31は、上述した操作情報受付部311、ゲーム動作部312、及び、処理結果受信部313以外の機能部を有していてもよい。
【0067】
<記憶部(プレイヤ端末)>
プレイヤ端末30の記憶部32は、各種制御処理や制御部31内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部32は、プレイヤ端末30が通信を行った際には、プレイヤ端末30の通信内容を一時的に記憶する。記憶部32は、プレイヤ設定記憶部321を備えていてもよい。
【0068】
プレイヤ設定記憶部321は、決済手段に関する情報やアカウント情報などのプレイヤ設定情報を記憶する。このようなプレイヤ設定情報は、サーバ20のプレイヤ情報記憶部222に記憶させておいてもよい。
【0069】
<入力部>
入力部33は、プレイヤ3による入力操作を受け付けて、ゲームにおけるプレイヤ3の操作情報を生成する。プレイヤ3による入力操作としては、例えば、タッチパネルなどの表示面への接触による入力操作、プレイヤ端末30に備えられている物理ボタンを介した入力操作、キーボードを用いたテキストの入力操作、マイクを用いた音声の入力操作、プレイヤ端末30に内装されるジャイロセンサのようなセンサを利用してプレイヤ3がプレイヤ端末30を物理的に動かす(傾ける、振るなど)ことによる入力操作などが挙げられる。
【0070】
ゲームにおいてプレイヤ3がNPCと会話する際には、プレイヤ3は、表示面への接触、又は、キーボードを用いて、入力操作を行ってもよく、その場合は、テキストデータが操作情報として生成される。もしくは、プレイヤ3は、マイクを用いて入力操作を行ってもよく、その場合は、音声データ、又は、音声データから変換されたテキストデータが操作情報として生成される。プレイヤ3とNPCとの会話においては、上記のような操作情報が、設定付き学習済モデルなどの学習済モデルへの入力情報(プロンプト)として用いられてもよい。
【0071】
<表示部>
表示部34は、ゲームプログラムの処理結果が表示されるディスプレイであり、このディスプレイは、表示面への接触によりプレイヤ3の入力操作を受付可能なタッチパネルであってもよい。
【0072】
<端末通信部>
端末通信部35は、ネットワークNを介して、サーバ20のサーバ通信部23と接続されている。端末通信部35と、サーバ通信部23とは、互いに情報を送受信する。
【0073】
次に、キャラクタAIへの情報追加処理の概略を、
図5A~
図5Bに示すフローチャートに基づいて説明する。
【0074】
図5Aは、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得を契機として追加学習を実行するフローを例示している。
図5Aに示すように、ステップS1において、プレイヤ3が任意の方法(ガチャ、イベント報酬等)でゲーム媒体を獲得すると、追加情報取得部212が、プレイヤ3に付与されたゲーム媒体に、設定情報を有する第1ゲーム媒体が含まれているか否かを判定する(ステップS2)。当該判定により第1ゲーム媒体の獲得が検知されれば、次のステップS3に移行する。
【0075】
ステップS3では、追加情報取得部212が、プレイヤ3により獲得された第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得し、取得した設定情報をモデル生成部213に送信する。ステップS4では、モデル生成部213が、追加情報取得部212が取得した設定情報を、強化学習、ファインチューニング、又は、転移学習などの任意の手法により、学習済モデルに追加学習させる。この際、モデル生成部213は、追加学習の前に、第1ゲーム媒体に紐づく設定情報を含む追加学習用データを生成してもよい。このステップS4における追加学習により、設定付き学習済モデルを生成する。
【0076】
ステップS4の追加学習では、追加学習前にNPCの制御に利用されていた前身モデルをモデル記憶部223に残存させて、設定付き学習済モデルを生成してもよいし、前身モデルを更新して設定付き学習済モデルを生成してもよい。
【0077】
なお、
図5Aでは、情報追加処理のフローとして、2つの実施例を示しており、ステップS4の後、ステップS7に移行してもよいし(例1)、ステップS5及びステップS6を経て、ステップS7に移行してもよい(例2)。例1の場合、ステップS4で設定付き学習済モデルを生成した後、後述のステップS5及びS6を経ずに、ステップS7に移行し、生成した設定付き学習済モデルを利用したNPCの制御を実行してもよい。もしくは、以下に示すように、設定付き学習済モデルの生成後、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の使用を契機としてNPCの制御が切り替わるように、ステップS5及びステップS6の処理を実行してもよい。
【0078】
前身モデル及び設定付き学習済モデルを有効な状態で併存させる場合、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の使用を検知して制御モデルの切り替えを実行してもよい。例えば、ゲーム実行前の準備過程等でプレイヤ3がゲームで使用するゲーム媒体を選択した際に、NPC制御部211が、プレイヤ3により使用ゲーム媒体として選択されたゲーム媒体のうちに、追加学習させた設定情報を有する第1ゲーム媒体が含まれているか否か(すなわち、第1ゲーム媒体が使用されたか否か)を判定する(ステップS5)。当該判定により、第1ゲーム媒体の使用が検知された場合は、制御モデルを前身モデルから設定付き学習済モデルに切り替える処理を実行する(ステップS6)。ステップS6では制御モデルの切替を示しているが、モデルの切替という手順を踏まずに、設定付き学習済モデルが、第1ゲーム媒体の使用を検知して、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報をゲームにおけるNPCの活動に反映させることで、制御モデルの切替に相当する処理が実行されてもよい。
【0079】
ステップS7では、NPC制御部211の機能に基づき、設定付き学習済モデルを利用したNPCの制御を実行する。なお、「設定付き学習済モデルを利用したNPCの制御」とは、設定付き学習済モデルのみによる制御であってもよいし、設定付き学習済モデルと他の学習済モデル(前身モデルなど)とを併用する制御であってもよい。
【0080】
プレイヤ3とNPCとの会話では、プレイヤ3側の会話(問いかけ)が、入力部33に入力されるテキストデータ及び/又は音声データなどの形式で、設定付き学習済モデルへ入力される。そして、設定付き学習済モデルが、プレイヤ3側の会話に対するNPCの返答を決定し、その決定内容をNPCの制御情報として出力する。設定付き学習済モデルには、
図4に示すような第1ゲーム媒体に紐づく設定情報が反映されているため、NPCの会話に、追加学習前の会話とは異なる新たな興趣を創出することができる。
【0081】
例えば、
図4のアイテム「ペアリング」に示すような、アイテムに纏わるエピソードが追加情報として設定付き学習済モデルに組み込まれた場合、アイテム「ペアリング」を使用してゲームを実行することで、デートでの思い出話などの会話が展開される。アイテム「日記」の場合は、該アイテムを使用してゲームを実行することで、喪失していた記憶が蘇った設定でNPCの会話が展開される。アイテム「メイド服」の場合、該アイテムをNPCに装着させることで、NPCにメイドとしての振る舞い(言葉及び/又は動作)を実行させる。その他にも、アイテム「たこ焼きの図柄が入ったTシャツ」の場合は、該アイテムをNPCに装着させることで、NPCが大阪弁で話す会話が展開される。これらの例示のように、第1ゲーム媒体の獲得前又は使用前には展開されなかった新たな会話を創出でき、NPCの会話を伴うゲームにおけるプレイヤ3の興趣を向上させることができる。なお、上記の例示では、「会話生成」を主な制御対象としたが、キャラクタ動作の生成や画像生成などに対象としてもよい。
【0082】
図5Bは、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の使用を契機として、追加学習を実行するフローを例示している。
図5Bに示すように、ステップS1aにおいて、プレイヤ3がゲームで使用するゲーム媒体を選択すると、追加情報取得部212が、プレイヤ3により使用ゲーム媒体として選択されたゲーム媒体に、設定情報を有する第1ゲーム媒体が含まれているか否かを判定する(ステップS2a)。当該判定により第1ゲーム媒体の使用が検知されれば、次のステップS3に移行する。
図5BにおけるステップS3、S4、及びS7は、
図5Aと共通するため、説明を省略する。
【0083】
図5Cは、ゲームシステムのアップデートを契機として、追加学習を実行するフローを例示している。
図5Cに示すように、ステップS1bにおいて、アップデートによりゲーム情報記憶部221に新たなゲーム媒体が追加登録されると、追加情報取得部212が、新たに登録されたゲーム媒体に、設定情報を有する第1ゲーム媒体が含まれているか否かを判定する(ステップS2b)。当該判定により新たな第1ゲーム媒体がアップデートで追加されたことが検知されれば、次のステップS3に移行する。
【0084】
図5Cのステップ3及びステップS4は、
図5Aと共通のため説明を省略する。アップデートを契機として追加学習する場合においても、ステップS4の後、ステップS7に移行してもよい。また、
図5Cでも、
図5Aと同様に、2つのフローを示しており、ステップS4の後、ステップS5b及びステップS6を経て、ステップS7に移行してもよいし、ステップS4の後、ステップS5b、ステップS5c、及び、ステップS6を経て、ステップS7に移行してもよい。
【0085】
アップデートを契機として追加学習を実行する場合には、プレイヤ3による第1ゲーム媒体の獲得又は使用を契機として制御モデルを切り替える処理を実行してもよい。例えば、
図5CのステップS5bに示すように、設定付き学習済モデルの生成後、NPC制御部211が、アップデートによって新たに追加された第1ゲーム媒体をプレイヤ3が獲得したことを検知して、NPCの制御を前身モデルから設定付き学習済モデルを利用する制御に切り替える処理を実行(ステップS6)してもよい。また、ステップS5bでプレイヤ3が第1ゲーム媒体を獲得した後、ステップS5cにおいて、NPC制御部211が、プレイヤ3による該第1ゲーム媒体の使用を検知して、NPCの制御を前身モデルから設定付き学習済モデルを利用する制御に切り替える処理を実行(ステップS6)してもよい。
【0086】
なお、
図5CのステップS6では制御モデルの切替を示しているが、モデルの切替という手順を踏まずに、設定付き学習済モデルが、第1ゲーム媒体の獲得又は使用を検知して、該第1ゲーム媒体に紐づく設定情報をゲームにおけるNPCの活動に反映させることで、制御モデルの切替に相当する処理が実行されてもよい。
【0087】
<実施形態のまとめ>
本実施形態の情報処理システム10は、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)を用いるゲームを提供するゲームシステムである。この情報処理システム10は、少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、ノンプレイヤキャラクタを制御するNPC制御部211と、ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)に紐づく設定情報を取得する追加情報取得部212と、追加情報取得部212が取得したゲーム媒体に紐づく設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成するモデル生成部213と、を備える。NPC制御部211は、設定付き学習済モデルに基づき、ゲーム媒体に紐づく設定情報を反映してノンプレイヤキャラクタを制御する。
【0088】
情報処理システム10が上記の特徴を有することで、ゲームにおけるノンプレイヤキャラクタの活動を、プレイヤ3のゲーム媒体の所有状況に応じて、多様化させることができる。その結果、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームに対するプレイヤ3の興趣を向上させることができる。
【0089】
情報処理システム10において、追加情報取得部212は、プレイヤ3によるゲーム媒体の獲得又は使用を検知した際に、該ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得してもよい。その他、ゲームシステムのアップデートを契機として、追加情報取得部212は、ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得してもよい。
【0090】
情報処理システム10において、NPC制御部211は、プレイヤ3によるゲーム媒体の獲得又は使用を検知した際に、該ゲーム媒体に紐づく設定情報を、ゲームにおけるノンプレイヤキャラクタの活動に反映させてもよい。
【0091】
上記のように、プレイヤ3によるゲーム媒体の獲得を契機として、追加学習の実行、又は、制御の変更を行うことで、ゲーム媒体の獲得意欲向上が期待できる。また、プレイヤ3によるゲーム媒体の使用の選択を契機として、追加学習の実行、又は、制御の変更を行うことで、プレイヤ3が使用するゲーム媒体を選択するというプレイヤ3自身の意思に基づいて、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームに多様な展開を表出させることができる。
【0092】
設定付き学習済モデルは、ゲームにおけるノンプレイヤキャラクタの活動に関連する制御情報を出力するモデルであってもよく、特に、ノンプレイヤキャラクタの会話に関連する制御情報を出力するモデルであってもよい。
【0093】
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0094】
本開示は、以下の構成を備える。
(項目1)
ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームを提供する情報処理システムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御するNPC制御部と、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する追加情報取得部と、
前記追加情報取得部が取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記NPC制御部が、前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を反映して前記ノンプレイヤキャラクタを制御する情報処理システム。
(項目2)
前記設定付き学習済モデルが、ノンプレイヤキャラクタの会話に関連する制御情報を出力するモデルである項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記追加情報取得部は、プレイヤによる前記ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、該ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を取得する項目1又は2に記載の情報処理システム。
(項目4)
ゲーム情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記追加情報取得部は、前記ゲーム媒体が前記記憶部に登録された際に、該ゲーム媒体に紐づく前記設定情報を取得する項目1又は2に記載の情報処理システム。
(項目5)
前記NPC制御部は、プレイヤによる前記ゲーム媒体の獲得又は使用を検知し、前記設定情報を、ゲームにおける前記ノンプレイヤキャラクタの活動に反映させる項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目6)
コンピュータに、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行させるプログラムであって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータに実行させるプログラム。
(項目7)
コンピュータが、ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、前記ノンプレイヤキャラクタを制御することと、
ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得することと、
取得した前記ゲーム媒体に紐づく前記設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成することと、
前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を前記ノンプレイヤキャラクタの制御に反映させることと、を前記コンピュータが実行する情報処理方法。
【符号の説明】
【0095】
1 … 事業者
3 … プレイヤ
10 … ゲームシステム
20 … サーバ(情報処理装置)
21 … 制御部
210 … ゲーム実行部
211 … NPC制御部
212 … 追加情報取得部
213 … モデル生成部
214 … 操作情報受付部(サーバ側)
215 … 処理結果生成部
22 … 記憶部
221 … ゲーム情報記憶部
222 … プレイヤ情報記憶部
223 … モデル記憶部
23 … サーバ通信部
30 … プレイヤ端末
31 … 制御部(プレイヤ端末側)
311 … 操作情報受付部(プレイヤ端末側)
312 … ゲーム動作部
313 … 処理結果受信部
32 … 記憶部(プレイヤ端末側)
321 … プレイヤ設定記憶部
33 … 入力部
34 … 表示部
35 … 端末通信部
【要約】
【課題】ノンプレイヤキャラクタ(NPC)を用いるゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供すること。
【解決手段】ノンプレイヤキャラクタを用いるゲームを提供する情報処理システムであって、少なくとも1つの学習済モデルに基づいて、ノンプレイヤキャラクタを制御するNPC制御部と、ゲーム媒体に紐づく設定情報を取得する追加情報取得部と、該追加情報取得部が取得したゲーム媒体に紐づく設定情報に基づいて、設定付き学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備える。NPC制御部が、前記設定付き学習済モデルに基づき、前記設定情報を反映して前記ノンプレイヤキャラクタを制御する。
【選択図】
図5A