(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240222BHJP
B60K 35/10 20240101ALI20240222BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20240222BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240222BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240222BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240222BHJP
【FI】
G06F3/01 560
B60K35/10
B60K35/22
B60R16/02 630L
G06F3/041 480
G06F3/0482
(21)【出願番号】P 2020143146
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐賀 祐哉
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049432(JP,A)
【文献】国際公開第2020/161892(WO,A1)
【文献】特開2012-178103(JP,A)
【文献】特開2007-022226(JP,A)
【文献】特開2005-085201(JP,A)
【文献】特開2003-058321(JP,A)
【文献】特開2012-216156(JP,A)
【文献】特開2013-228886(JP,A)
【文献】特開2019-016285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
B60R 16/02
B60K 35/10
B60K 35/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に固定して設置される固定部と、
前記固定部に振動可能に支持された振動部と、
前記振動部に設けられたディスプレイと、
前記ディスプレイを覆い使用者の手指の接触を検出するタッチセンサと、
前記振動部を振動させる振動発生部と、
前記振動発生部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ディスプレイにタッチ操作可能な複数のメニューボタンが表示されているときに、前記タッチセンサにおける前記手指の接触が検出された位置と前記ディスプレイにおける各メニューボタンの表示位置との距離を第1の時点及びその後の第2の時点で求め、前記第2の時点における前記距離が前記第1の時点における前記距離よりも最も短くなっているメニューボタンを目標メニューボタンとして決定し、前記目標メニューボタンに向けて前記手指を誘導するように、前記振動発生部を制御して前記振動部を振動させることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記手指が前記目標メニューボタンに近づくと前記振動部の振動が強くなるように、前記振動発生部を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記制御部に制御される音声出力部を備え、
前記制御部は、前記目標メニューボタンの決定後に前記目標メニューボタンの機能を音声で説明するように、前記音声出力部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記制御部に制御される音声出力部を備え、
前記制御部は、前記複数のメニューボタンのいずれかが前記手指により長押しされると、長押しされたメニューボタンの機能を音声で説明するように、前記音声出力部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記メニューボタンの機能を音声で説明する際に、そのメニューボタンに固有の振動パターンで前記振動部が振動するように、前記振動発生部を制御することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者によるタッチ操作を振動で触覚フィードバックするハプティクス機能を備えた車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者によるタッチ操作を振動で触覚フィードバックするハプティクス機能を備えた車両用表示装置として、例えば特許文献1に記載の車両用操作ユニットが知られている。この車両用操作ユニットでは、操作面を備えるディスプレイアセンブリとして構成された操作要素が第1ばね及び第2ばねを介して筐体上で弾性的に支持されるとともに、アクチュエータの駆動要素が操作要素に機械的に連結され、触覚フィードバック時に操作要素が並進運動を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、使用者がディスプレイに表示されたメニューボタンをタッチ操作して所望の機能を実行しようとする場合、ディスプレイ上のメニューボタンの位置とそうでない位置との間に凹凸等がなく手探りの操作が難しい一方、使用者が運転者で車両の運転操作中であれば、メニューボタンを注視し難いことが多く、使用者が運転者又は同乗者で視覚障害を有する場合も、その手指を直ちにメニューボタンの位置に動かしてタッチ操作することが容易ではない。視覚障害者については、表示の大きさや配色によってはメニューボタンの配置の認識が難しく、思いどおりに操作ができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、使用者によるディスプレイに表示されたメニューボタンのタッチ操作を補助することができる車両用表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用表示装置は、車両に固定して設置される固定部と、前記固定部に振動可能に支持された振動部と、前記振動部に設けられたディスプレイと、前記ディスプレイを覆い使用者の手指の接触を検出するタッチセンサと、前記振動部を振動させる振動発生部と、前記振動発生部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ディスプレイにタッチ操作可能な複数のメニューボタンが表示されているときに、前記タッチセンサにおける前記手指の接触が検出された位置と前記ディスプレイにおける各メニューボタンの表示位置との距離を第1の時点及びその後の第2の時点で求め、前記第2の時点における前記距離が前記第1の時点における前記距離よりも最も短くなっているメニューボタンを目標メニューボタンとして決定し、前記目標メニューボタンに向けて前記手指を誘導するように、前記振動発生部を制御して前記振動部を振動させることを特徴とする。
【0007】
前記制御部は、前記手指が前記目標メニューボタンに近づくと前記振動部の振動が強くなるように、前記振動発生部を制御してもよい。
【0008】
また、本発明に係る車両用表示装置は、前記制御部に制御される音声出力部を備え、前記制御部は、前記目標メニューボタンの決定後に前記目標メニューボタンの機能を音声で説明するように、前記音声出力部を制御してもよく、あるいは、前記制御部は、前記複数のメニューボタンのいずれかが前記手指により長押しされると、長押しされたメニューボタンの機能を音声で説明するように、前記音声出力部を制御してもよい。
【0009】
さらに、前記制御部は、前記メニューボタンの機能を音声で説明する際に、そのメニューボタンに固有の振動パターンで前記振動部が振動するように、前記振動発生部を制御してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両用表示装置によれば、使用者によるディスプレイに表示されたメニューボタンのタッチ操作を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】発明を実施するための形態に係る車両用表示装置が設けられた車両のインストルメントパネルを示す説明図である。
【
図2】
図1の車両用表示装置の正面を示す説明図である。
【
図3】
図2のA-A線に沿った断面を示す説明図である。
【
図5】
図1の車両用表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1の車両用表示装置のディスプレイに表示されたメニューボタンを示す説明図である。
【
図7】
図6のメニューボタンが表示されたディスプレイで使用者の手指がメニューボタン以外の位置に接触した状態を示す説明図である。
【
図8】
図1の車両用表示装置における入力補助処理を示す流れ図である。
【
図9】
図6のメニューボタンが表示されたディスプレイで使用者の手指が
図7の位置から移動した状態を示す説明図である。
【
図10】
図6のメニューボタンが表示されたディスプレイで使用者の手指が
図9の位置から移動した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1乃至
図3に示すように、本実施の形態に係る車両用表示装置1は、車両2のインストルメントパネル3にワイドディスプレイとして設けられ、インストルメントパネル3に固定される固定部4と、固定部4に板ばね5を介して支持される振動部6と、振動部6の振動を制御する制御部7とを備える。
【0014】
固定部4は、車両2の運転席に座る運転者Dと略正対する平板状のセンター部8と、センター部8の左縁から前方に(固定部4がインストルメントパネル3に設置された状態では、車両2の後方側に向けて)起立し、さらに左方に折曲してセンター部8から遠ざかるにつれて前方に(センター部8に対して斜めに)延在するウイング部9と、センター部8の右縁から前方に起立し、さらに右方に折曲してセンター部8から遠ざかるにつれて前方に(センター部8に対して斜めに)延在するウイング部10とを有する。
【0015】
板ばね5は、
図4に示すように、帯状の金属板の長手方向の2か所が略直角に山折りと谷折りされてなり、取付片11,12と、取付片11,12を連結する連結片13とを備える。取付片11,12には、円形の挿通穴14,15がそれぞれ設けられている。
【0016】
振動部6は、板ばね5により固定部4に支持された基部16を備えるとともに、画像を表示する平面型のディスプレイ(フラットディスプレイ)17,18,19と、運転者D等の使用者によるタッチ操作を検出するタッチセンサ20が略全面に貼着され、ディスプレイ17,18,19を覆うカバーレンズ21と、基部16(ひいては振動部6)を振動させるアクチュエータ22が基部16に設けられている。
【0017】
基部16は、振動部6が固定部4に支持されたときに、センター部8の前方でセンター部8と略平行に配置される平板状のセンター部23と、ウイング部9の前方でウイング部9と略平行に配置される湾曲板状のウイング部24と、ウイング部10の前方でウイング部10と略平行に配置される湾曲板状のウイング部25と、センター部23、ウイング部24及びウイング部25の上下端、ウイング部24の左端、並びに、ウイング部25の右端から前方に延在する周壁部26とを有する。
【0018】
センター部23の背面には、左側に2つの板ばね5が上下対になって設けられるとともに、右側に2つの板ばね5が上下対になって設けられている。板ばね5の取付片11は、挿通穴14を挿通する図示を略すねじによりセンター部8にねじ止めされ、板ばね5の取付片12は、挿通穴15を挿通する図示を略すねじによりセンター部23にねじ止めされる。
【0019】
ウイング部24の背面には、2つの板ばね5が上下対になって設けられている。板ばね5の取付片11は、挿通穴14を挿通する図示を略すねじによりウイング部9にねじ止めされ、板ばね5の取付片12は、挿通穴15を挿通する図示を略すねじによりウイング部24にねじ止めされる。
【0020】
ウイング部25の背面には、左側に2つの板ばね5が上下対になって設けられるとともに、右側に2つの板ばね5が上下対になって設けられている。板ばね5の取付片11は、挿通穴14を挿通する図示を略すねじによりウイング部10にねじ止めされ、板ばね5の取付片12は、挿通穴15を挿通する図示を略すねじによりウイング部25にねじ止めされる。
【0021】
ディスプレイ17は、センター部23の正面側に設けられ、車両2のメーターパネルの画像を表示する。ディスプレイ18は、ウイング部24の正面側に設けられ、電子ドアミラーの画像等を表示し、ディスプレイ19は、ウイング部25の正面側に設けられ、CID(Center Information Display)として機能する。ディスプレイ17,18,19の表示は、車速その他の車両情報が入力される制御部7(
図5参照)により制御され、ディスプレイ19には、
図6に示すように、使用者が手指によりタッチ操作可能な複数のメニューボタン27a,27b,27c,27dが表示される。
【0022】
カバーレンズ21は、ここでは周壁部26の前端に固着されているが、基部16に直接設けられるのではなく、何らかの部材等を介して設けられてもよい。
【0023】
アクチュエータ22は、センター部23の背面側の四隅に4つ設けられ、使用者によるタッチ操作等をタッチセンサ20が検出すると、制御部7に駆動制御されて振動部6を左右方向に振動させる。
【0024】
制御部7は、
図5に示すように、ディスプレイ17,18,19及びタッチセンサ20に接続されるとともに、音声出力制御装置28に接続され、音声出力制御装置28を制御することにより、インストルメントパネル3、固定部4又は車両2のドア若しくはピラー等に設けられたスピーカー29から音声を出力する。
【0025】
制御部7は、使用者によるメニューボタン27a,27b,27c,27dのタッチ操作をタッチセンサ20が検出すると、アクチュエータ22を作動させて振動部6を振動させ、タッチ操作を受け付けたことを使用者に触覚フィードバックするとともに、タッチ操作されたメニューボタンについての機能を実行する。例えば、「AUDIO」についてのメニューボタン27aがタッチ操作されると、制御部7は、音楽を再生したりオーディオ操作用の詳細画面をディスプレイ19に表示したりする。
【0026】
また、
図7に示すように、使用者の手指Fの接触がディスプレイ19(及び、ディスプレイ19を覆うタッチセンサ20)におけるメニューボタン27a,27b,27c,27d以外の位置で検出されると、制御部7は、
図8に示す入力補助処理(使用者によるメニューボタン27a,27b,27c,27dのタッチ操作を補助する処理)を実行する。
【0027】
すなわち、制御部7は、まず、使用者の手指Fが接触した位置を第1の時点における第1の接触検出点として取得し(ステップ1(
図8において「S.1」と記載。以下同様。))、第1の接触検出点とメニューボタン27aの表示位置との距離La
1、第1の接触検出点とメニューボタン27bの表示位置との距離Lb
1、第1の接触検出点とメニューボタン27cの表示位置との距離Lc
1、及び、第1の接触検出点とメニューボタン27dの表示位置との距離Ld
1を算出する(ステップ2)。
【0028】
次に、制御部7は、T秒間(例えば、1?2秒間)待機して(ステップ3)、ディスプレイ19(及び、ディスプレイ19を覆うタッチセンサ20)上の手指Fの位置が第1の接触検出点からXミリメートル(例えば、10ミリメートル)以上移動したかどうかを判断し(ステップ4)、移動していなければ入力補助処理を終了し、
図9に示すように移動していれば(
図9では、破線で示す手指Fが実線のように移動している。)、その位置を第1の時点から所定時間経過後(つまり前記T秒経過後)の第2の時点における第2の接触検出点として取得する(ステップ5)。
【0029】
そして、制御部7は、第2の接触検出点とメニューボタン27aの表示位置との距離La2、第2の接触検出点とメニューボタン27bの表示位置との距離Lb2、第2の接触検出点とメニューボタン27cの表示位置との距離Lc2、及び、第2の接触検出点とメニューボタン27dの表示位置との距離Ld2を算出した上で(ステップ6)、メニューボタン27a,27b,27c,27dについて、第1の時点における距離と第2の時点における距離との差分(La1-La2、Lb1-Lb2、Lc1-Lc2、Ld1-Ld2)を比較し、第2の時点における距離が第1の時点における距離よりも最も短くなっているメニューボタンを目標メニューボタンとして決定する(ステップ7)。
【0030】
例えば
図9のように手指が
図9中、左側に移動する状況下において、説明を簡略化するために、距離La
1、距離Lb
1、距離La
2、距離Lb
2のみに着目し、距離La
1が20ミリメートル、距離Lb
1が15ミリメートル、距離La
2が12ミリメートル、距離Lb
2が8ミリメートルとなった場合、距離La
2は距離La
1に対して8ミリメートル減少し、距離Lb
2は距離Lb
1に対して7ミリメートル減少することから、第1の時点から第2の時点へと至るまでの距離の減少量(距離の差分)が最も大きいメニューボタン27aを目標メニューボタンとして決定するように構成される。このように
図9では、メニューボタン27aが目標メニューボタンと定まるが、もし目標メニューボタンが1つに定まらなければ(ステップ8)、制御部7は、デフォルトのフィードバック振動でアクチュエータ22を駆動することにより、目標メニューボタンが1つに定まらなかったことを使用者にフィードバックした上で(ステップ9)、第2の接触検出点を第1の接触検出点に代入して第2の接触検出点をゼロにリセットし(ステップ10)、ステップ3に戻る。
【0031】
目標メニューボタンが1つに定まると、制御部7は、その目標メニューボタンの機能をスピーカー29からの音声出力で説明する(ステップ11)。
図7及び
図9では、「AUDIO」についてのメニューボタン27aが目標メニューボタンと定まるので、制御部7は「オーディオボタンです。音楽を再生することができます。」のように音声出力する。
【0032】
さらに、制御部7は、目標メニューボタンに固有のフィードバック振動(メニューボタン27aが目標メニューボタンであれば、メニューボタン27aに固有の(メニューボタン27b,27c,27dとは異なる)フィードバック振動)でアクチュエータ22を駆動することにより、目標メニューボタンを使用者に触覚でも知らせる(ステップ12)。この振動は、引き続き使用者の手指Fを目標メニューボタンに誘導するもので、制御部7は、4つのアクチュエータ22を適宜駆動制御することにより、使用者の手指Fが目標メニューボタンに近づけば振動を強くし、目標メニューボタンから遠ざかれば振動を弱くして(この強弱は、手指Fと目標メニューボタンとの距離に反比例させてもよい。)、使用者が振動を感じる方に手指Fを動かすように働き掛ける。
【0033】
続いて、制御部7は、使用者の手指Fが目標メニューボタン上にあるかどうかを判断し(ステップ13)、
図10に示すように、まだ目標メニューボタン上になければ、ステップ10で接触検出点を更新してステップ3以降の処理を繰り返す。
【0034】
ステップ13で使用者の手指Fが目標メニューボタン上にあれば、制御部7は、使用者が目標メニューボタンを長押し(例えば、1秒以上の長押し)しているかどうかを判断し(ステップ14)、長押ししていなければステップ10に進み、長押ししていれば、目標メニューボタンに固有のフィードバック振動でアクチュエータ22を駆動するとともに(ステップ15)、目標メニューボタンの機能をスピーカー29からの音声出力で説明する(ステップ16)。ここで使用者が目標メニューボタンを短押しすれば、制御部7は、目標メニューボタンについての機能を実行する。
【0035】
本実施の形態に係る車両用表示装置1は、車両2に固定して設置される固定部4と、固定部4に振動可能に支持された振動部6と、振動部6に設けられたディスプレイ19と、ディスプレイ19を覆い使用者の手指Fの接触を検出するタッチセンサ20と、振動部6を振動させるアクチュエータ22と、アクチュエータ22を制御する制御部7とを備え、制御部7は、ディスプレイ19にタッチ操作可能な複数のメニューボタン27a,27b,27c,27dが表示されているときに、タッチセンサ20における手指Fの接触が検出された位置とディスプレイ19における各メニューボタンの表示位置との距離を第1の時点及びその後の第2の時点で求め、第2の時点における距離が第1の時点における距離よりも最も短くなっているメニューボタンを目標メニューボタンとして決定し、目標メニューボタンに向けて手指Fを誘導するように、アクチュエータ22を制御して振動部6を振動させるので、使用者がディスプレイ19を注視し難かったりメニューボタン27a,27b,27c,27dの配置を認識し難かったりして手指Fでメニューボタンの位置をうまくタッチすることができなくても、手指Fの遷移(手指Fの動き)から使用者が望むメニューボタンと推測される目標メニューボタンを決定して手指Fを目標メニューボタンに誘導する振動を発生させ、使用者が振動に合わせて手指Fを動かせば手指Fが目標メニューボタンの位置に到達することにより、使用者によるディスプレイ19に表示されたメニューボタン27a,27b,27c,27dのタッチ操作を補助することができる。手指Fの誘導に際し、制御部7は、手指Fが目標メニューボタンに近づくと振動部6の振動が強くなるようにアクチュエータ22を制御するので、使用者は手指Fをより振動を感じる方に直感的に動かすことができる。
【0036】
また、制御部7は、目標メニューボタンの決定後に目標メニューボタンの機能を音声で説明するように音声出力制御装置28を制御するので、使用者は、どのメニューボタンに誘導されているのかを聴覚的に知ることができる。
【0037】
さらに、制御部7は、複数のメニューボタン27a,27b,27c,27dのいずれかが手指Fにより長押しされると、長押しされたメニューボタンの機能を音声で説明するように音声出力制御装置28を制御するので、例えば、使用者は、目標メニューボタンに誘導された後も、どのメニューボタンに誘導されたのかを聴覚的に知ることができる。
【0038】
本実施の形態では、制御部7は、メニューボタンの機能を音声で説明する際に、そのメニューボタンに固有の振動パターンで振動部6が振動するようにアクチュエータ22を制御するので、使用者は、どのメニューボタンに誘導されているのか、あるいは、誘導されたのかを、聴覚的のみならず触覚的にも知ることができる。
【0039】
以上、本発明を実施するための形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
【0040】
例えば、制御部7は固定部4ではなく振動部6に設けられてもよく、ディスプレイ17又はディスプレイ18にメニューボタンが表示されてもよく、アクチュエータ22の数や配置も上述したものに限られない。
【0041】
また、目標メニューボタンの決定後に行われる目標メニューボタンの機能の音声による説明は、
図8のステップ11のように目標メニューボタンの決定直後に行われることが必須ではなく、その他
図8の入力補助処理を適宜変更することも任意である。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用表示装置
2 車両
4 固定部
6 振動部
7 制御部
17 ディスプレイ
18 ディスプレイ
19 ディスプレイ
20 タッチセンサ
22 アクチュエータ(振動発生部)
27a,27b,27c,27d メニューボタン
28 音声出力制御装置(音声出力部)
D 運転者(使用者)
F 手指