(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240222BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20240222BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20240222BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240222BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V21/03 456
F21V3/02 200
F21S8/04 130
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019225801
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 倖也
(72)【発明者】
【氏名】立花 光哉
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特許第5793270(JP,B1)
【文献】特開2017-091880(JP,A)
【文献】特開2005-243309(JP,A)
【文献】特開2001-216810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 21/03
F21V 3/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部を介して被取付面の被取付部材に取り付けられる照明装置であって、
前記被取付部材に着脱可能に装着される補助具と、
前記補助具の外周側に嵌合する嵌合部を有し且つ前記被取付面と反対側
の表側に光源ユニットを有する器具本体と
を別体で備え、
前記器具本体は、
ベースと取付ガイド部材とを有し、
前記ベースは、内周リブを有し、
前記取付ガイド部材は、前記被取付面と対向する対向壁
と、前記対向壁の内周縁から表側に延伸する内周壁とを有し、
前記嵌合部は、
前記内周壁により形成され且つ前記光源ユニット側に凹入する凹入部分により構成され、
前記取付部は、前記凹入部分の底部分に設けられ
、
前記凹入部分において、前記内周壁が前記内周リブよりも前記ベースの内周側に位置し、前記内周壁と前記内周リブとの間に段差がある
照明装置。
【請求項2】
前記補助具を前記器具本体側から見たときの前記補助具の外周面の形状と、前記嵌合部を前記補助具側から見たときの前記凹入部分の開口の形状とが円形状をしている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源ユニットは、
前記ベースの表面側に配され、
前記対向壁は、前記ベースに対して表裏方向に移動可能に支持され、
前記器具本体は、前記対向壁を裏側に付勢する付勢手段を備える
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、コイルばねであり、
前記コイルばねは、その伸縮方向の中間で前記対向壁に固定され、固定部分よりも裏側部分が前記対向壁から裏側に突出している
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
取付部を介して被取付面の被取付部材に取り付けられる照明装置であって、
前記被取付部材に着脱可能に装着される補助具と、
前記補助具の外周側に嵌合する嵌合部を有し且つ前記被取付面と反対側
の表側に光源ユニットを有する器具本体と
を別体で備え、
前記器具本体は、前記被取付面と対向する対向壁を有し、
前記嵌合部は、前記対向壁から
前記光源ユニット側に凹入する凹入部分により構成され、
前記取付部は、前記凹入部分の底部分に設けられ
、
前記光源ユニットは、ベースの表面側に配され、
前記対向壁は、前記ベースに対して表裏方向に移動可能に支持され、
前記器具本体は、前記対向壁を裏側に付勢する付勢手段を備え、
前記付勢手段は、コイルばねであり、
前記コイルばねは、その伸縮方向の中間で前記対向壁に固定され、固定部分よりも裏側部分が前記対向壁から裏側に突出し、
前記器具本体は、前記光源ユニットを覆い且つ裏側から見たときに前記ベースよりも大きい透光性カバーを有し、
前記ベースの裏面は前記凹入部分の底部分を構成し、
前記器具本体は、前記被取付部材への前記取付部の取り付け状態をロック及びロック解除するロックユニットを備え、
前記ロックユニットは、前記ロックを解除するための操作部を備え、
前記操作部は、前記透光性カバーの裏側を裏面に沿って設けられている
照明装置。
【請求項6】
前記ロックユニットは、表裏方向に移動可能に支持されたロック爪と、前記ロック爪を裏側に付勢する付勢手段と、前記ロック爪に連結され且つ前記ベースの中央から
前記ベースの外周へと延伸する延伸部材と、前記延伸部材に接続された前記操作部とを備え、
前記操作部を操作することで、前記延伸部材が径方向に移動すると共に前記ロック爪が
表側に移動し、
前記延伸部材は、前記ベースの溝部に収容されている
請求項5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付面の被取付部材に取り付けられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被取付部材への器具本体の取り付けを補助する部品として、例えば、「被取付部材に取り付けられる照明装置が前記被取付部材に取り付ける際に前記照明装置を前記被取付部材へと案内する取付用補助部品であって、前記被取付部材に取り付け可能な第1補助部品と、前記照明装置に取り付け可能な第2補助部品とを有し、前記照明装置は、中央に開口部を有する板状のベース部材と、前記照明装置が前記被取付部材に取り付けられる前の状態において前記ベース部材の開口部を塞ぐように前記開口部の周辺に固定され且つ前記被取付部材の一対の引掛刃嵌入孔に挿入される引掛刃を保持する引掛刃保持部材とを備える構造であり、前記第1補助部品は前記被取付部材を内部に収納する円筒状をし、前記第2補助部品は、前記引掛刃保持部材が前記ベース部材の開口部の周辺に固定される部位に固定可能な構造を有する固定部と、前記照明装置が前記被取付部材に取り付けられる際に前記引掛刃が前記引掛刃嵌入孔に挿入する前に前記第1補助部品の外周と嵌合する嵌合部とを有することを特徴とする取付用補助部品」が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の器具本体は、引掛刃保持部材が透光性材料で構成されているため、第1補助部品と第2補助部品との位置合わせが容易であった。
本発明は、器具本体の取り付けの際に、器具本体の引掛刃の位置を確認できない場合でも、容易に器具本体を被取付部材に取り付けることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る照明装置は、取付部を介して被取付面の被取付部材に取り付けられる照明装置であって、前記被取付部材に着脱可能に装着される補助具と、前記補助具の外周側に嵌合する嵌合部を有し且つ前記被取付面と反対側に光源ユニットを有する器具本体とを別体で備え、前記器具本体は、前記被取付面と対向する対向壁を有し、前記嵌合部は、前記対向壁から光源ユニット側に凹入する凹入部分により構成され、前記取付部は、前記凹入部分の底部分に設けられている。
【発明の効果】
【0006】
上述の構成によれば、器具本体を被取付部材に容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る照明装置を引掛ローゼットに補助具を介して取り付ける前の状態を示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図3】ベースから透光性カバーを取り外した分解状態の斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図4】ベースから取付ガイド部材と電源カバーとを取り外した分解状態を表側から見た斜視図である。
【
図5】ベースから取付ガイド部材と電源カバーとを取り外した分解状態を裏側から見た斜視図である。
【
図6】ベースから光源ユニットを外した分解状態を表側から見た斜視図である。
【
図7】(a)はベースの凹入部の拡大斜視図であり、(b)は(a)の状態からロックユニットを外した状態の拡大斜視図であり、(c)は引掛刃を表側からみた斜視図である。
【
図8】ロックユニットの斜視図と一部拡大図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図9】ベースの斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図10】透光性カバーの断面斜視図であり、(a)は裏カバーを表側から見た図であり、(b)は表カバーを裏側から見た図である。
【
図11】角型引掛シーリングを用いた斜視図であり、(a)は角型引掛シーリングに補助具と補助スペーサを取り付けた状態を表側から見た図であり、(b)分解状態を表側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る照明装置は、取付部を介して被取付面の被取付部材に取り付けられる照明装置であって、前記被取付部材に着脱可能に装着される補助具と、前記補助具の外周側に嵌合する嵌合部を有し且つ前記被取付面と反対側に光源ユニットを有する器具本体とを別体で備え、前記器具本体は、前記被取付面と対向する対向壁を有し、前記嵌合部は、前記対向壁から光源ユニット側に凹入する凹入部分により構成され、前記取付部は、前記凹入部分の底部分に設けられている。これにより、補助具と凹入部分とが、器具本体10を被取付部材に取り付ける際のガイドとなり、ベースに目視用の窓孔を設けたり、ベースを透光樹脂等で構成したり等を行わなくても、器具本体を被取付部材に取り付けできる。また、被取付部材と補助具は嵌合部内で嵌合するため、器具本体を被取付部材に取り付けた際に、被取付部材や補助具を見え難くできる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記補助具を前記器具本体側から見たときの前記補助具の外周面の形状と、前記嵌合部を前記補助具側から見たときの前記凹入部分の開口の形状とが円形状をしている。これにより、嵌合部の形状が、四角形などの他の形状に比べて、器具本体を回転させやすく、回転方向の向きによらずに位置決めができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記光源ユニットは、ベースの表面側に配され、前記対向壁は、前記ベースに対して表裏方向に移動可能に支持され、前記器具本体は、前記対向壁を裏側に付勢する付勢手段を備える。これにより、対向壁は、被取付面に対する緩衝材としても機能できる。また、対向壁と被取付面との間の隙間を小さくでき、器具本体を被取付部材に取り付けた際の意匠性を高めることができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記付勢手段は、コイルばねであり、前記コイルばねは、その伸縮方向の中間で前記対向壁に固定され、固定部分よりも裏側部分が前記対向壁から裏側に突出している。これにより、コイルばね自体が被取付面に対する緩衝材として機能できる。また、器具本体の取り付けの際に、被取付面、被取付部材、補助具等とコイルばねとの接触面積が、被取付面、被取付部材、補助具等と対向壁との接触面積よりも小さく、取り付けの際の摩擦抵抗の影響を小さくできる。
【0009】
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記器具本体は、前記光源ユニットを覆い且つ裏側から見たときに前記ベースよりも大きい透光性カバーを有し、前記ベースの裏面は前記凹入部分の底部分を構成し、前記器具本体は、前記被取付部材への前記取付部の取り付け状態をロック及びロック解除するロックユニットを備え、前記ロックユニットは、前記ロックを解除するための操作部を備え、前記操作部は、前記透光性カバーの裏側を裏面に沿って設けられている。これにより、被取付面に照明器具が取り付けられた状態において、操作部が使用者から見え難くなり、意匠性を高めることができる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記ロックユニットは、表裏方向に移動可能に支持されたロック爪と、前記ロック爪を裏側に付勢する付勢手段と、前記ロック爪に連結され且つ前記ベースの中央からベースの外周へと延伸する延伸部材と、前記延伸部材に接続された前記操作部とを備え、前記操作部を操作することで、前記延伸部材が径方向に移動すると共に前記ロック爪が裏側に移動し、前記延伸部材は、前記ベースの溝部に収容されている。これにより、操作部の操作時に、延伸部材に裏側への負荷が作用しても、延伸部材が溝部の底壁や側壁に支持されるため、折れ曲がるようなことを防止でき、スムーズな操作を行うことができる。
【0010】
<実施形態>
実施形態では、天井等の被取付面の被取付部材に取付部を介して取り付けられる照明装置の一例として、取付部として引掛刃を備えるシーリングライトについて説明する。
【0011】
1.全体
照明装置1は、
図1に示すように、器具本体10と、被取付部材の一例である引掛ローゼット(所謂、フル丸型ローゼットである)3への器具本体10の取り付けを補助する補助具5とを備える。なお、補助具5を利用することで器具本体10の引掛ローゼット3への取り付けを容易とするが、補助具5を利用しなくても器具本体10を引掛ローゼット3へ取り付けることは可能である。
照明装置1は、引掛ローゼット3に着脱可能に装着される補助具5と、補助具5の外周側に嵌合する嵌合部15を有する器具本体10とを別体で備える。
器具本体10は、
図1及び
図3に示すように、取付具の一例である引掛刃110を被取付面側に備えるベース100と、ベース100における被取付面側に設けられ且つ嵌合部15を構成するための取付ガイドユニット120と、ベース100における被取付面と反対側に設けられた光源ユニット130(
図3参照)と、光源ユニット130をその光出射側から覆う透光性カバー140とを備える。
器具本体10は、ベース100、取付ガイドユニット120、光源ユニット130及び透光性カバー140以外に、
図2及び
図4に示すように、光源ユニット130に点灯電力を供給するための電源回路150と、電源回路150を覆う電源カバー160とを備えてもよい。
ここで、光源ユニット130から光が出射される側を表側とし、被取付面側を裏側とする。器具本体10は、
図1に示すように、表側から見ると円形状をし、その中心を通って表裏方向に延伸する仮想線を中心軸とし、当該中心軸回りの方向を周方向とする。
以下、各ユニットや部材について説明する。
【0012】
2.器具本体
(1)光源ユニット
光源ユニット130は、
図6に示すように、基板131とLED素子133とを備える。ここでの基板131は、円形状をし、複数個のLED素子133が同心円状(例えば、3重円状)に配されている。なお、基板131は、ベース100に固定するための基板固定用欠け部131aや基板固定用貫通孔131b等を複数個有する。
【0013】
(2)電源回路
電源回路150は、
図6に示すように、光源ユニット130の基板131を利用している。つまり、引掛刃110から受電して点灯電力を生成するための複数個の電子部品151,153が基板131に実装されて回路構成されている。複数個の電子部品151,153は基板131の中央部分に実装されている。なお、電子部品151,153を実装する実装領域は、後述のベース100の凹入部102に対応している。
基板131は、大型の電子部品(例えばコンデンサ)153の本体部用の基板回路用貫通孔を有する。これらの電子部品(例えばコンデンサ)153のリード線を湾曲させることで、本体部の一部を基板回路用貫通孔に挿入でき、基板131からの電源回路の表方向の高さを低く(張り出し量を小さく)できる。(図示せず)
なお、基板131の中央部分には、電源回路150を覆う電源カバー160(
図4参照)を固定するためのねじ用の基板固定用貫通孔131b、後述の引掛刃110を保持する引掛刃保持部分102a用の引掛刃保持部分用貫通孔131d、ロックユニット170を保持するためのロックユニット保持部分102b用のロックユニット保持部分用貫通孔131e、ロックユニット170のロック爪171を支持するためロック爪用貫通孔131f等を有する。
【0014】
(3)引掛刃
引掛刃110は、ベース100に対して表側から裏側に突出するように、
図7の(a)に示すように、ベース100の凹入部102の引掛刃保持部分102aにより保持され他状態で、固定されている。
引掛刃110は、
図7の(c)に示すように、裏側端が屈曲する「L」字状の引掛刃部110aと、引掛刃部110aの表側端で屈曲する引掛固定部110bとを有する。引掛刃110は、引掛刃部110aが凹入部102の引掛刃用貫通孔102c(
図9の(b)参照)から延出する状態でねじ119により固定される。ねじ119は、引掛固定部110bの貫通孔を挿通して、ベース100の凹入部102から表側に延伸する引掛刃用ボス部分102dの引掛刃用ねじ孔102eに螺合する。
ここでは、引掛刃110の引掛固定部110bは、
図7の(a)に示すように、ベース100の引掛刃囲繞部分102fにより囲繞され、位置決めされている。なお、引掛刃110は2本あり、器具本体10の中心軸を挟んで対向する位置に設けられている。
【0015】
(4)ロックユニット
ロックユニット170は、引掛刃110が引掛ローゼット3の引掛溝31に挿入されて取り付けられた状態をロックしたり(つまり、引掛ローゼット3に対して器具本体10が回転して落下するのを防止したり)、器具本体10を引掛ローゼット3から外す際に引掛刃110が引掛溝31から外れるようにロック状態を解除したりする。ロックユニット170は、2本の引掛刃110に対応して2セットある。
ロックユニット170は、
図6及び
図7の(a)に示すように、ベース100の表側のロックユニット保持部分102bに保持されている。
ロックユニット170は、
図8に示すように、表裏方向に移動可能に支持されたロック爪171と、ロック爪171を裏側に付勢するロック付勢手段(174)と、ロック爪171を表側に移動させる操作部材173とを備える。ロックユニット170は、より具体的には、爪部171bを表側に有するロック爪171と、長尺状の延伸部材172と、延伸部材172に接続された操作部材173と、ロック付勢手段(174)とを備える。なお、操作部材173は、ロックユニット170の操作部として機能し、透光性カバー140の裏側を裏面に沿って設けられている。また、ここでのロック付勢手段はロック用コイルばね174を利用している。
【0016】
ロック爪171は、
図7に示すように、ベース100の爪支持部分102gにより、表裏方向に移動可能に支持される。ロック爪171は、
図8に示すように、本体部171aと、本体部171aから裏側に突出する爪部171bと、延伸部材172の当接板部172cと当接する爪側凸部171cと、ロック用コイルばね174と結合する付勢手段結合部171dとを有する。
ここでのロック爪171は、ベース100の爪支持部分102gのロック爪用ガイド溝102h,102j(
図7の(b)参照)に嵌合する突条部171e,171fを本体部171aに有する。
本体部171aは直方体状をし、裏面に爪部171bが、表面に付勢手段結合部171dが、第1方向に対向する側面に爪側凸部171cが、第2方向に対向する側面に突条部171e,171fが、それぞれ形成されている。これにより、ロック爪171は多くの機能を有するにも拘らず小型化できる。なお、第1方向は、表裏方向と、延伸部材172の延伸方向とに直交する方向であり、第2方向は延伸部材172の延伸方向(長手方向)である。
爪側凸部171cは横断面形状が円形状をしている。これにより、操作部材173の操作により、ロック爪171の表裏の移動を当接板部172cの傾斜面172dに沿ってスムーズに行うことができる。
付勢手段結合部171dは、ロック用コイルばね174の内側に挿入するように構成されている。ここでの付勢手段結合部171dは、段付き円柱状に裏側に延伸し、延伸先端が円錐状をしている。これにより、ロック用コイルばね174と容易に連結できる。
【0017】
延伸部材172は、全体として薄肉帯状をする帯状部172aと、帯状部172aにおけるベース100の中心側の端部に形成された開口172bと、開口172bにおける帯状部172aが延伸する方向と表裏方向とに直交する方向(第1方向である)に存在する周縁部から裏側に延伸してロック爪171の爪側凸部171cと当接する当接板部172cと、帯状部172aにおけるベース100の外周側の端部に形成されたねじ孔(図示省略)とを有する。
当接板部172cは一対の爪側凸部171cに対応して一対ある。当接板部172cの表側端面は、ベース100の中心に近づくにしたがって表側への延伸量が大きくなる傾斜面172dとなっている。
開口172bにはロック爪171の裏側が挿入され、この状態において、ロック爪171がロック用コイルばね174により裏側に付勢されて一対の爪側凸部171cが一対の当接板部172cの傾斜面172dに当接する。これにより、操作部材173を介して、延伸部材172を径方向に移動させることで、ロック爪171が表裏に移動する。
なお、通常、ロック爪171はロック用コイルばね174により付勢されており、操作部材173を径方向の外方へ引っ張ることにより、ロック爪171が表側に移動して、ロックが解除される。
操作部材173は、例えば、ねじ179により延伸部材172の端部に固定される。
図3及び
図4に示すように、延伸部材172はベース100内に収容され、操作部材173がベース100から径方向の外側に延出している。なお、操作部材173は、透光性カバー140の外側には張り出してない。操作部材173は、
図1の(b)及び
図2に示すように、透光性カバー140の裏側を裏面に沿うように設けられている。ここでの操作部材173は、透光性カバー140の裏カバー142の裏面に沿って湾曲している。これにより、器具本体10を引掛ローゼット3に取り付けた際に、操作部材173を見え難くできる。
引掛ローゼット3から器具本体10を外す際は、器具本体10の外周を持ちながら操作部材173を径方向の外側に引っ張ってロック爪171を解除させながら、器具本体10を回転させることにより、引掛刃110を外すことができる。また、このように、器具本体10(透光性カバー140)の裏側に操作部材173が位置するため、器具本体10を支持しながら、操作部材173を操作できる。このようにロックユニット170を構成することで、器具本体10の全体の意匠性を高めつつ操作性も高めることができる。
【0018】
(5)取付ガイドユニット
取付ガイドユニット120は、
図1に示すように、器具本体10を引掛ローゼット3に取り付ける際に、引掛ローゼット3の表面又は補助具5の底部52の表面と当接して、引掛ローゼット3と補助具5とが器具本体10の嵌合部15に挿入するのを案内する。引掛ローゼット3又は補助具5が嵌合部15に挿入すると、嵌合部15は補助具5の外周側に嵌合する。
嵌合部15が補助具5に嵌合し、引掛刃110が引掛ローゼット3の表面と当接する状態では、対向壁121a(正確には、ガイドユニット用コイルばね122の裏側端である)は被取付面と接触していない。一方、嵌合部15が補助具5に嵌合し、引掛刃110が引掛ローゼット3の引掛溝31内に進入している状態では、対向壁121a(正確には、ガイドユニット用コイルばね122の裏側端である)は被取付面と接触する。
取付ガイドユニット120は、器具本体10の嵌合部15をベース100とで構成する。取付ガイドユニット120は、
図4及び
図5に示すように、ベース100に対して表裏方向に移動可能に支持された取付ガイド部材121と、取付ガイド部材121を裏側に付勢する付勢手段(122)とを有する。これにより、器具本体10を被取付面の引掛ローゼット3に取り付けた際に、被取付面と器具本体10との間の隙間を小さくできる。なお、ここでの付勢手段は、ガイドユニット用コイルばね122を利用している。
【0019】
取付ガイド部材121は、
図4に示すように被取付面と対向する対向壁121aを有し、嵌合部15を形成するための開口121bを対向壁121aの中央に有する。ここでの開口121bは、補助具5の段付き筒部51の外周面の形状と同じ形状、つまり、円形状をしている。
取付ガイド部材121は、円環状の対向壁121aと、対向壁121aの内周縁から表側に延伸する内周壁121cと、対向壁121aの外周縁から表側に延伸する外周壁121dとを有する。取付ガイド部材121は、対向壁121aであって内周壁121cと外周壁121dとの間から表側に延伸する中周壁121eを全周に亘って有する。つまり、取付ガイド部材121は、円筒状の中周壁121eを有する。
ここでの取付ガイド部材121は、
図2に示すように、内周壁121cがベース100の内周リブ101eの内周側(ベース100の中心側)に、外周壁121dがベース100の外周壁部分103bの外側(ベース100の中心と反対側)に位置するように、ベース100に取り付けられる。これにより、内周壁121cとベース100の内周リブ101eとで構成する嵌合部(凹入部分)15の周壁部分が表側拡がりの段差となり、補助具5の受け入れをスムーズに行える。なお、ここでの中周壁121eは、ベース100の外周リブ101fの内側(ベース100の中心側)に位置する。
内周壁121c、外周壁121d及び中周壁121eは、
図4に示すように、表側から見ると円形状をしている。内周壁121cは、開口121bの形状に対応して円筒状に延伸し、補助具5と嵌合した状態で中心軸周りの回転を可能としている。
内周壁121c、外周壁121d及び中周壁121eは、ベース100におけるロックユニット170を収容するロック延伸部材収容溝101d(
図9参照)に合わせて欠き部121kを有している。これにより、取付ガイド部材121が表側に移動した際に、内周壁121c、外周壁121d及び中周壁121eがロック延伸部材収容溝101dと干渉するのを防止できる。
【0020】
取付ガイド部材121は、
図4に示すように、取付ガイド部材121の表裏方向の移動をガイドするためのガイド嵌合部121fを有している。ガイド嵌合部121fは、ベース100のガイドボス部101g(
図5参照)と嵌合する。ここでのガイド嵌合部121fは、円筒状又は円柱状のガイドボス部101gの外側に嵌合する筒状に構成されている。
取付ガイド部材121は、表裏方向に移動可能にベース100に固定されるためのガイド側固定部121gを有している。ガイド側固定部121gは、
図2の拡大図に示すように、対向壁121aの裏面から裏側に突出するガイドボス部分121mと、ガイドボス部分121mに形成されたガイドベース固定用ねじ孔121nにより構成される。
取付ガイド部材121は、ガイドユニット用コイルばね122の伸縮方向の中間部分を固定するためのコイル固定部121hを有している。コイル固定部121hは、ガイドユニット用コイルばね122の素線が挿通する貫通孔により構成されている。
【0021】
取付ガイド部材121は、コイル固定部121hを挿通するガイドユニット用コイルばね122を位置決めするためのコイル位置決め部121jを有している。コイル位置決め部121jは、対向壁121aの表側への凹部により構成され、凹部がガイドユニット用コイルばね122の内部へと進入する。
ガイドユニット用コイルばね122は、圧縮ばねであり、伸縮方向の中間よりも裏側部分が取付ガイド部材121の対向壁121aに固定され、固定部分よりも表側部分が対向壁121aから裏側に突出している。これにより、引掛ローゼット3又は補助具5とガイドユニット用コイルばね122とが接触する場合の接触面積を、取付ガイド部材121の対向壁121aが接触するよりも小さくできる。それにより、器具本体10を引掛ローゼット3に取付ける際に、器具本体10を回転させる力を小さくできる。
また、ガイドユニット用コイルばね122は取付ガイド部材121の対向壁121aの径方向の中央(外周と内周との間であってその中央)に固定されているため、器具本体10の取付状態で、ガイドユニット用コイルばね122を見え難くできる。
【0022】
(6)ベース
ベース100は、
図9に示すように、盤状をしている。ここでは、ベース100は円盤状をしている。ベース100は、絶縁性材料、例えば樹脂材料により構成されている。
ベース100の表面には、
図4に示すように、光源ユニット130と電源回路150とが設けられ、電源回路150を覆う電源カバー160がベース100に取り付けられる。
ベース100の中央部には、
図5に示すように、引掛刃110とロックユニット170のロック爪171とが突出するように設けられている。なお、ロック爪171のロック解除は、ロックユニット170の操作部材173を径方向に操作することで行われる。
ベース100の裏面には、取付ガイドユニット120の取付ガイド部材121とガイドユニット用コイルばね122とが設けられている。
器具本体10は、取付ガイドユニット120を備えなくても、引掛ローゼット3に取り付けることができるが、取付ガイドユニット120を備える方が容易に取り付けできる。これにより、例えば、器具本体10の引掛刃110が設けられているベース100は引掛刃110を介して被取付部(引掛ローゼット3、補助具5)を目視できない構造とすることができる。
以下詳細に説明する。
ベース100は、表面が平坦な平坦部101と、平坦部101の中央から裏側に凹入する凹入部102と、平坦部101の外周縁に設けられた環状の溝部103とを有する。
【0023】
(6-1)平坦部
平坦部101は、
図9に示すように、環状をしている。ここでは、平坦部101は円環状をしている。
図4に示すように、平坦部101には光源ユニット130の基板131が装着される。平坦部101は、基板131に多重円状に配された複数個のLED素子133の裏側に位置する。これにより、LED素子133の熱がベース100側に伝わり、当該ベース100から放出される。
平坦部101は、
図9に示すように、基板131を固定するための基板固定用ねじ孔101aを裏側に延伸する基板用ボス部分101bに有する。なお、基板用ボス部分101bは溝部103を構成する内周壁部分103aと連結されている。
平坦部101は、基板131を位置決めするための外鍔部分101cを有する。外鍔部分101cは、外周縁から表側に張り出し、基板131の周面と接触又は近接する。
平坦部101は、ロックユニット170の延伸部材172を径方向に移動可能に収容するためのロック延伸部材収容溝101dを表面に有する。なお、ここでの径方向は、ベース100の中心を通る方向だけでなく、ベース100の中心でない中央からベース100外側に向かう方向も含む。
【0024】
平坦部101は、
図9の(b)に示すように、裏側に延伸する円形状のリブを有している。ここでの平坦部101は、内周リブ101eと外周リブ101fとを2重状に有している。これによりベース100が補強される。なお、内周リブ101eと外周リブ101fとが径方向に延伸するロック延伸部材収容溝101dと交差するため補強効果を高めることができる。
平坦部101は、内周リブ101eと外周リブ101fとの間に、取付ガイド部材121の表裏方向の移動をガイドするガイドボス部101gを周方向に間隔をおいて複数個有している。ガイドボス部101gは裏側に筒状(円筒状)に延伸して、取付ガイド部材121のガイド嵌合部121f(
図4参照)の内側に嵌合する。
平坦部101は、取付ガイドユニット120のガイドユニット用コイルばね122を支持する取付ガイドユニット支持部分101kを有している。取付ガイドユニット支持部分101kは、ガイドユニット用コイルばね122の外周に沿って裏側に筒状に延伸する筒部分101hと、平坦部101の裏面であって筒部分101hの内側部分から突出してガイドユニット用コイルばね122の内部に嵌合する嵌合部分101jとから構成される。ここでは、筒部分101hは円筒状をし、嵌合部分101jは横断面形状が「+」状をしている。
【0025】
(6-2)凹入部
凹入部102は、
図4に示すように、光源ユニット130の基板131により表側から塞がれている。
凹入部102は、
図9の(a)に示すように、引掛刃110を保持する引掛刃保持部分102aと、ロックユニット170を保持するロックユニット保持部分102bとを有する。
【0026】
凹入部102は、引掛刃保持部分102aに対応して、引掛刃110(引掛刃部110a)を表側から裏側へと挿通させるための引掛刃用貫通孔102c(
図9の(b)参照)を有する。
引掛刃保持部分102aは、
図7に示すように、引掛刃110の引掛固定部110bを固定するための引掛刃用ねじ孔102eを引掛刃用ボス部分102dに有する。引掛刃用ねじ孔102eには、引掛固定部110bの貫通孔を挿通するねじ119が螺合する。
引掛刃保持部分102aは、凹入部102から引掛刃110(引掛固定部110b)に外周に沿って表側に延伸する引掛刃囲繞部分102fを有する。これにより、引掛刃110は、ベース100の中心に対して周方向への移動が規制される。
【0027】
凹入部102は、
図7の(b)に示すように、ロックユニット保持部分102bに対応して、ロック爪171(爪部171b)を表側から裏側へと挿通させるためのロック爪用貫通孔102kを有する。なお、凹入部102の裏面は、嵌合部15を構成する凹入部分の底部分に相当する。
ロックユニット保持部分102bは、
図7の(a)及び(b)に示すように、ベース100に保持された際に、ロックユニット170の延伸部材172の開口172bを挿通して表側に延伸する一対の爪支持部分102gと、各爪支持部分102gに形成された表裏方向に延伸するロック爪用ガイド溝102j、102hとを有している。一対の爪支持部分102gは、ロック爪用貫通孔102kに対して延伸部材172の延伸方向の両側に設けられている。ロック爪用ガイド溝102j,102hは、一対の爪支持部分102gの対向面に形成されている。ロック爪用ガイド溝102j,102hには、
図7の(a)及び
図8の(a)の拡大図に示すように、ロック爪171の突条部171e,171fが表側から挿入(嵌合)する。これにより、ロック爪171の表裏方向の移動がガイドされる。
なお、一対の爪支持部分102gが延伸部材172の開口172bに挿通(嵌合)することで、延伸部材172の延伸方向と表裏方向とに直交する方向(延伸部材172の短手方向であり、第1方向でもある)への延伸部材172に移動が規制される。また、開口172bは、一対の爪支持部分102gの延伸部材172の延伸方向の寸法より大きく構成されている。これにより、延伸部材172は、ロック爪171が開口172b内に位置する状態で、延伸方向に移動可能となる。
【0028】
ロックユニット保持部分102bは、延伸部材172の開口172bが設けられている端部側における延伸方向と直交する端面に沿って表側に延伸する延伸部材移動規制部102mを有している。延伸部材移動規制部102mは、表側から見ると「コ」字状をしている。延伸部材移動規制部102mは、
図7の(a)に示すように、延伸部材172がベース100の中心に向かって移動した際に、延伸部材172と当接する。これにより、延伸部材172の延伸方向(中心向き)への移動が規制される。
ロックユニット保持部分102bは、延伸部材172の延伸方向に沿って表側に延伸する延伸部材ガイド部102nを有している。延伸部材ガイド部102nは、リブ状をし、平坦部101のロック延伸部材収容溝101dsの側壁に連続状に接続されている。延伸部材ガイド部102nは、延伸部材172の延伸方向に沿う端面に対向して一対ある。これにより、延伸部材172が延伸方向と直交する方向の移動が規制され、使用者の操作部材173の操作に従って延伸部材172が移動できる。
【0029】
凹入部102は、
図9に示すように、電源回路150を覆う電源カバー160を固定するための電源カバー固定部102pを有している。電源カバー固定部102pは、表側に延伸する電源カバー用ボス部分102qと、電源カバー用ボス部分102qに形成された電源カバー固定用ねじ孔102rとから構成される。
ベース100は、電源カバー160を中心軸回りに回転するのを規制するための電源カバー位置決め部分102sを有している。電源カバー位置決め部分102sは、凹入部102の周壁部分102tから径方向の外方へと凹入すると共に中心軸に沿って延伸する溝状に設けられ、平坦部101の内周縁の一部が欠けている。
【0030】
(6-3)溝部
溝部103は、
図9に示すように、溝を構成する内周壁部分103aと外周壁部分103bと底壁部分103cとを有し、外周壁部分103bが底壁部分103cよりも裏側にと延伸する。
溝部103は、取付ガイド部材121を表裏方向に移動可能に固定するための取付ガイド部材用固定部分103dを有している。取付ガイド部材用固定部分103dは、
図2の拡大図に示すように、裏側に有蓋筒状に延伸する取付ガイド部材用ボス部分103eと、取付ガイド部材用ボス部分103eの蓋領域に形成された取付ガイド部材用貫通孔103fとから構成される。ガイドベース固定用ねじ孔121nには、取付ガイド部材用固定部分103d側からのねじ129が螺合する。なお、取付ガイド部材用固定部分103d(取付ガイド部材用ボス部分103e)は、
図9に示すように、底壁部分103cを貫通して、底壁部分103cの表裏に延伸するように設けられている。
取付ガイド部材用貫通孔103fは、取付ガイド部材121の円筒状のガイド側固定部121gの通過を許容し、ガイド側固定部121g側のねじ129の頭部の通過を許容しない。これにより、取付ガイド部材121が表裏に移動可能となる一方で、取付ガイド部材121の裏側への移動はねじ129の頭部が取付ガイド部材用ボス部分103eの蓋領域に当接することで規制される。なお、取付ガイド部材121の表側への移動は、取付ガイド部材121の対向壁121aが取付ガイド部材用ボス部分103eの蓋領域に当接することで規制される。
【0031】
溝部103は、透光性カバー140を固定するための透光性カバー固定部分103gを有している。透光性カバー固定部分103gは、底壁部分103cから表側に延伸する透光性カバー用ボス部分103hと、透光性カバー用ボス部分103hに形成された透光性カバー用ねじ孔103jとから構成される。
【0032】
(7)電源カバー
電源カバー160は、
図4及び
図5に示すように、平坦部161と傾斜部162とを有する。これにより、点灯中に電子部品151,153が透光性カバー140に影として映るのを防止できる。透光性カバー140は、LED素子133の存在が透光性カバー140の外部から目視できないように、光源ユニット130とから離した状態で表カバー141を備えている。このため、電源カバー160を備えていても、器具本体10が表裏方向い大型化することはない。
電源カバー160は、
図5に示すように、基板131のロック爪用貫通孔131fを貫通して、ロックユニット170の延伸部材172の近傍まで延伸するロックユニット対向部161aを平坦部161と傾斜部162との境界付近に有する。これにより、延伸部材172が操作部材173の操作により径方向に移動した際に、表側に湾曲するのを防止できる。また、ロックユニット対向部161aは、ベース100の中心を挟んだ2箇所に設けられ、基板131のロック爪用貫通孔131f(
図6参照)を貫通するため、基板131の周方向の移動が規制される。
【0033】
電源カバー160は、ロックユニット170のロック用コイルばね174(
図7参照)を表側から支持するコイルばね支持部161bを平坦部161に有する。コイルばね支持部161bは裏側に筒状に延伸する。ロック用コイルばね174は、コイルばね支持部161bの内側の挿入されることで、支持される。
電源カバー160は、ベース100に固定するための電源カバー固定部162aを傾斜部162に有する。電源カバー固定部162aは、ベース100(円形状の平坦部161)の中心を挟んで対向する2部位にある。電源カバー固定部162aは、傾斜部162から内側にボス状に凹入し、その底部分に電源カバー固定用貫通孔162bを有している。電源カバー固定用貫通孔162bを挿通するねじは、基板131の基板固定用貫通孔131b(
図6参照)を通過して、ベース100の凹入部102に設けられた電源カバー固定部102pの電源カバー固定用ねじ孔102r(
図9の(a)参照)に螺合する。
電源カバー160は、ベース100の平坦部101と凹入部102との境界に設けられた電源カバー位置決め部分102sに嵌合する棒状突起部分162cを有している。なお、棒状突起部分1262cは、光源ユニット130の基板131の貫通孔131k(
図6参照)を挿通する。
【0034】
(8)透光性カバー
透光性カバー140は、
図10に示すように、表側に位置する表カバー141と、裏側に位置する裏カバー143とを有し、表カバー141が裏カバー143に取り付けられ、裏カバー143がベース100に固定される。透光性カバー140は、裏側から見ると、ベース100よりも大きい。
表カバー141は、表側に球冠状に膨出する球冠状部141aと、球冠状部141aの周縁から裏側に延伸する表カバー側鍔部141bとを有する。表カバー141は、裏カバー143に固定するための表カバー側固定部141cを有する。
裏カバー143は、ベース100に固定される円環部143aと、円環部143aの外周縁から径方向の外方へ延伸する笠状部143bと、笠状部143bの外周縁から表側に延伸する裏カバー側鍔部143cとを有する。ここでの裏カバー側鍔部143cは、外周側に位置する裏カバー側外鍔部143dと、裏カバー側外鍔部143dに対して間隔をおいて内側に位置する裏カバー側内鍔部143eとを有し、裏カバー側外鍔部143dと裏カバー側内鍔部143eとの間の溝部分に、表カバー141の表カバー側鍔部141bが挿入される。
【0035】
裏カバー143は、表カバー141を固定するための裏カバー側固定部143fを有している。表カバー側固定部141cと裏カバー側固定部143fとの固定は係合構造が利用されている。ここでは、表カバー側固定部141cは凸部分により構成され、裏カバー側固定部143fは凹部分により構成され、互いに係合する。裏カバー側固定部143fは、裏カバー側外鍔部143dの内周面に形成され、裏カバー側内鍔部141eにおける裏カバー側固定部143fと対向する部位に欠け部143hを有する。欠け部143hより、表カバー141を裏カバー143に取り付ける際に、表カバー141の表カバー側固定部141cが径方向に変形できるようになり、表カバー141と裏カバー143とが一体化される。
裏カバー143は、ベース100に固定されるベース固定部143jを有している。ベース固定部143jは裏カバー貫通孔により構成され、当該裏カバー貫通孔を挿津するねじが、
図3に示すように、ベース100の透光性カバー固定部分103gの透光性カバー用ねじ孔103j(
図9の(a)参照)に螺合する。
【0036】
3.補助具
補助具5は、引掛ローゼット3に器具本体10を取り付ける際に、その補助を行う。具体的(一例である)には、引掛ローゼット3に補助具5を装着した状態で、器具本体10の嵌合部15に補助具5を嵌合させて、器具本体10を中心軸回りに回転することで、引掛刃110が自動的に引掛ローゼット3の引掛溝31に挿入する。なお、引掛刃110が引掛溝31の回転方向の端に達すると、裏側に付勢されているロック爪171が引掛溝31に進入し、器具本体10の取り付け状態がロック(固定)される。
器具本体10の引掛刃110が、透光性材料などでベース100等が構成されておらず取付者から目視できない状態でも、補助具5と器具本体10の嵌合部15との位置合わせは、引掛ローゼット3の引掛溝31に器具本体10の引掛刃110を補助具5なしで直接の挿入するよりも容易であり、補助具5を利用することで、器具本体10の取り付けが容易となる。このように器具本体10として引掛ローゼット3に固定できるので、従来のように、透光性カバー140を外す必要がなく、光源ユニット130を覆う保護カバーの構造を取る必要がなくなる。なお、従来の透光性カバーを外す例としては、引掛ローゼットに先に取り付けたアダプタに透光性カバーを外した器具本体を装着する場合、ベースにおける引掛刃を設けた部分を透明で構成して、透光性カバーを外した器具本体を透明部分から目視しながら装着する場合等がある。
【0037】
補助具5は、
図1に示すように、有底筒状をし、裏側拡がりの段付き筒部51と、円形状の開口52aを中央に有する底部52と、底部52の内周縁から裏側に屈曲する内鍔部53とを有する。段付き筒部51の外周面は、筒軸の延伸方向から見ると円形状をしている。
補助具5は、引掛ローゼット3に仮装着するための仮装着部51aを段付き筒部51の内周面に有する。仮装着部51aは、表裏方向に延伸するリブにより構成され、周方向に複数本ある。補助具5は、引掛ローゼット3の耳部32に対応して欠け部51bを段付き筒部51に有する。
【0038】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0039】
<変形例>
1.被取付部材及び補助具
実施形態では、耳部32付き引掛ローゼット3であったが、他のタイプの被取付部材であってもよい。他のタイプとしては、丸型引掛シーリング、丸型フル引掛シーリング、
図10の(a)に示す角型引掛シーリング4等がある。
角型引掛シーリング4を利用する場合、補助スペーサ6を利用することで、実施形態の引掛ローゼット3と同様な方法で器具本体10の引掛刃110を角型引掛シーリング4の引掛溝41に取り付けることができる。
補助スペーサ6は、
図10の(b)に示すように、補助具5の開口52aを構成する内鍔部53と嵌合(対向)する筒部61と、筒部61の表端縁を塞ぎ且つ角型引掛シーリング4に対応した矩形状の開口62aを有する底部62と、底部62の開口62aから裏側に延伸し且つ角型引掛シーリング4の周壁42と嵌合する内鍔部63とを有する。
筒部61は補助具5の補助スペーサ6に仮装着するための外仮装着部61aを有している。外仮装着部61aは、表裏方向に延伸するリブにより構成され、周方向に間隔をおいて複数本ある。
筒部61は補助スペーサ6を角型引掛シーリング4に仮装着するための内仮装着部63aを有している。内仮装着部63aは、表裏方向に延伸するリブにより構成され、周方向に間隔をおいて複数本ある。
【0040】
2.器具本体
(1)器具本体10は、対向壁121aを有する取付ガイド部材121を表裏方向に移動可能に有していたが、取付ガイド部材121を表裏方向に固定状態で有してもよい。固定する場合は、対向壁121aの裏面にスポンジ等の弾性体を備えてもよい。
(2)器具本体10は、付勢手段の一例である(ガイドユニット用)コイルばね122の裏側端が取付ガイド部材121から露出する状態で備えていたが、(ガイドユニット用)コイルばねを取付ガイド部材121内に収容する状態で備えてもよい。
(3)器具本体10は、ロックユニット170を備えていたが、ロックユニット170に着目していない発明の場合、ロックユニット170を備えなくてもよいし、他の構造のロックユニットを備えてもよい。
(4)ロックユニット170の構造に着目する場合、電源回路150を備えなくてもよいし、電源回路を光源ユニットの基板に備えなくてもよいし、電源回路を光源ユニットの基板の裏面に備えてもよいし、取付ガイドユニット120の対向壁121aを表裏方向に移動可能又は固定で備えてもよい。
ロックユニット170に着目する場合、ベースに透光性カバーが固定され、ベースの中央部の表側にロック解除の操作部を設けることができない器具本体に適用するのが好ましい。なお、ベースに透光性カバーを固定することで、LEDユニットを覆う保護カバーが不要となり、構造の簡易化、軽量、光取り出し効率の向上等を図ることができる。
【0041】
(5)ベース100は、表側から見ると、円形状をしていたが、例えば、矩形状、方形状、3又は5以上の多角形であってもよい。
(6)電源回路を構成する電子部品151,153は、光源ユニット130を構成する基板131に実装されているが、例えば、取付ガイドユニット120内に配された電源基板に実装するようにしてもよいし、電源基板と光源ユニットの(光源)基板とに実装するようにしてもよい。電子部品151,153は、光源ユニット130を構成する基板131の表面に実装されているが、裏面に実装されてもよいし、表裏面に実装されてもよい。なお、ここでは、電子部品151,153が光源ユニット130の基板131に実装されているとしているが、LED素子が、電子部品と基板とを備える電源ユニットの基板に実装されているとしてもよい。
(7)電源カバー160は、傾斜部162の外面(表面)を反射面として有してもよい。これにより、光源ユニット130からの光を有効に利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 照明装置
3 引掛ローゼット(被取付部材)
5 補助具
10 器具本体
15 嵌合部
100 ベース
110 引掛刃(取付部)
120 取付ガイドユニット
121a 対向壁
130 光源ユニット
140 透光性カバー
150 電源回路
160 電源カバー
170 ロックユニット