IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オリンピアの特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
  • 特許-遊技機 図9
  • 特許-遊技機 図10
  • 特許-遊技機 図11
  • 特許-遊技機 図12
  • 特許-遊技機 図13
  • 特許-遊技機 図14
  • 特許-遊技機 図15
  • 特許-遊技機 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 631
A63F5/04 661
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020064513
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021159340
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】山田 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】雪江 武史
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
(72)【発明者】
【氏名】位田 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔也
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 僚太
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196145(JP,A)
【文献】特開2018-134383(JP,A)
【文献】特開2019-000235(JP,A)
【文献】特開2017-205397(JP,A)
【文献】特開2009-233274(JP,A)
【文献】特開2016-209251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に関する演出を制御する副制御部と、
前記主制御部によって制御される主制御表示器と、
前記副制御部によって制御される副制御表示器と、を備え、
前記主制御部は、複数種類の役の内部抽選を行う内部抽選手段を有し、
前記内部抽選には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が抽選の対象に含まれ、
前記複数種類の第1当選態様は、複数種類の第1小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記複数種類の第2当選態様は、複数種類の第2小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記第1小役は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定され、
前記第2小役は、前記複数のストップボタンの押下タイミングによらず入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第1正解打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞し、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記第1正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞し、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記主制御部は、前記内部抽選の結果を当選役情報として前記副制御部に送信可能であり、
前記当選役情報には、特定当選役情報が含まれ、
前記特定当選役情報は、前記複数種類の第1当選態様のいずれかに当選した場合と、前記複数種類の第2当選態様のいずれかに当選した場合と、のいずれの場合にも、共通して送信される当選役情報であり、
前記主制御部は、通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第1状態は、前記第1正解打順及び前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記第2状態は、前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記主制御部は、前記第1正解打順と、前記第2正解打順と、に対応する正解打順情報を前記副制御部に送信可能であり、
前記補助遊技制御手段は、
前記第1当選態様に当選したことに基づき前記第1正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記第2当選態様に当選したことに基づき前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記副制御部は、
前記第1当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第2当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第1状態において前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第1態様で報知し、
前記第1状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、前記第1態様で報知し、
前記第2状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第2態様で報知し、
前記第1態様と前記第2態様とは、異なる態様である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に関する演出を制御する副制御部と、を備え、
前記主制御部は、複数種類の役の内部抽選を行う内部抽選手段を有し、
前記内部抽選には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が抽選の対象に含まれ、
前記複数種類の第1当選態様は、複数種類の第1小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記複数種類の第2当選態様は、複数種類の第2小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記第1小役は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定され、
前記第2小役は、前記複数のストップボタンの押下タイミングによらず入賞可能であり、かつ前記第1小役の配当よりも少ない配当に設定され、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第1正解打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞し、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記第1正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞し、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記主制御部は、前記内部抽選の結果を当選役情報として前記副制御部に送信可能であり、
前記当選役情報には、特定当選役情報が含まれ、
前記特定当選役情報は、前記複数種類の第1当選態様のいずれかに当選した場合と、前記複数種類の第2当選態様のいずれかに当選した場合と、のいずれの場合にも、共通して送信される当選役情報である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、内部抽選やメダルの払い出し等の遊技の進行に係る制御を実行する主制御基板と、主制御基板から送信される情報に基づき演出に係る制御を実行する副制御基板と、を有し、副制御基板による演出において、主制御基板から送信された当選役の情報に基づき、当選した小役を報知する演出を実行可能にする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-153588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、遊技機においては、ストップボタンの操作順序によって入賞可能となる小役として、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された小役に加え、高配当の小役とは異なる小役もストップボタンの操作順序によって入賞可能にする構成が知られている。このような遊技機においては、ストップボタンの操作順序によって入賞可能となる高配当の小役とは異なる小役を用いて、多様な遊技性を実現可能に構成されている。そのため、このような遊技機においては、ストップボタンの操作順序によって入賞可能となる小役が高配当の小役である場合と、高配当な小役とは異なる小役である場合と、で、異なる情報を主制御基板から副制御基板に送信するように構成した場合、仮に、副制御基板が不正に改造されてしまう不正行為が行われると、多様な遊技性が損なわれ、遊技性の低下をもたらす虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、不正行為によって遊技性が低下することを防止可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に関する演出を制御する副制御部と、
前記主制御部によって制御される主制御表示器と、
前記副制御部によって制御される副制御表示器と、を備え、
前記主制御部は、複数種類の役の内部抽選を行う内部抽選手段を有し、
前記内部抽選には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が抽選の対象に含まれ、
前記複数種類の第1当選態様は、複数種類の第1小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記複数種類の第2当選態様は、複数種類の第2小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記第1小役は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定され、
前記第2小役は、前記複数のストップボタンの押下タイミングによらず入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第1正解打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞し、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記第1正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞し、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記主制御部は、前記内部抽選の結果を当選役情報として前記副制御部に送信可能であり、
前記当選役情報には、特定当選役情報が含まれ、
前記特定当選役情報は、前記複数種類の第1当選態様のいずれかに当選した場合と、前記複数種類の第2当選態様のいずれかに当選した場合と、のいずれの場合にも、共通して送信される当選役情報であり、
前記主制御部は、通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第1状態は、前記第1正解打順及び前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記第2状態は、前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記主制御部は、前記第1正解打順と、前記第2正解打順と、に対応する正解打順情報を前記副制御部に送信可能であり、
前記補助遊技制御手段は、
前記第1当選態様に当選したことに基づき前記第1正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記第2当選態様に当選したことに基づき前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記副制御部は、
前記第1当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第2当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第1状態において前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第1態様で報知し、
前記第1状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、前記第1態様で報知し、
前記第2状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第2態様で報知し、
前記第1態様と前記第2態様とは、異なる態様である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不正行為によって遊技性が低下することを防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEを示す図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機における有利区間制御手段が制御する非有利区間及び有利区間と、指示機能制御手段が制御する指示機能状態と、に係る遷移図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機において非RT状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機においてRB成立状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機においてRBB成立状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機においてRBB作動中一般状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機においてRBB作動中RB成立状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図11】本発明の実施形態の遊技機において非RT状態における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を説明する図である。
図12】本発明の実施形態の遊技機においてRB成立状態における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を説明する図である。
図13】本発明の実施形態の遊技機においてRBB成立状態における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を説明する図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機においてRBB作動中一般状態における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を説明する図である。
図15】本発明の実施形態の遊技機においてRBB作動中RB成立状態における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を説明する図である。
図16】(A)は、本発明の実施形態の遊技機においてRB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」に当選した場合の主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を例示した図、(B)は、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル4」に当選した場合の主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を例示した図、(C)は、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役8」に当選した場合の主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作され、今回の遊技で当選した当選エリアがストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(打順)が特定の打順であることで特定役が入賞可能となる場合に、該特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の打順の情報(正解打順情報)に基づき作成される制御信号である正解打順コマンドに対応する表示である報知表示が表示される。また、主制御表示装置500では、報知表示の表示後において、第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了されるとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、正解打順コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの出玉率が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。ここで、出玉率とは、一時的な確率の偏りの影響を十分に無視できるだけの遊技回数である所定の遊技回数(例えば17500ゲーム)の遊技が実行された場合において、所定の遊技回数の遊技の間に投入されるメダルの総投入数に対する所定の遊技回数の遊技の間に獲得されるメダルの総払出数の割合であり、内部抽選で当選した役について、遊技機に設定されている入賞確率で入賞する状態で遊技される場合を想定した割合である。本実施形態では、出玉率が1以上となる場合、払出数から投入数を減算した純増枚数が3枚となる。
【0020】
また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0021】
本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3の正面視下部に、副制御部20(図2参照)によって制御される副制御表示器としての副制御表示装置350が設けられている。副制御表示装置350は、複数の7セグメント表示器から構成されており、それぞれストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3に対応した表示領域として構成されている。本実施形態の副制御部20は、主制御部10(図2参照)から送信される正解打順コマンドを受信した場合に、正解打順コマンドに基づきストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序を副制御表示装置350を用いて報知する入賞補助演出を実行する。副制御表示装置350を用いた入賞補助演出の詳細については後述する。
【0022】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0023】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0024】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての主制御部10によって制御される。主制御部10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250及び設定変更スイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0025】
また、主制御部10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、主記憶手段190、アシストタイム制御手段(AT制御手段)200、信号出力手段400及びフリーズ制御手段600を含む。主制御部10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0026】
設定変更手段100は、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UDが開放された状態で設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0027】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、主制御部10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0028】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0029】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0030】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0031】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0032】
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0033】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0036】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し第1リールR1~第3リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0037】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
【0038】
本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0039】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0040】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0041】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0042】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0043】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0044】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0045】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0046】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0047】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0048】
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び非AT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されている。
【0049】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、後述する演出制御手段180によって副制御表示装置350に正解打順に対応する表示を行う入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0050】
AT制御手段200は、有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間において、有利区間を開始してから、入賞補助が実行されることで、メダルの出玉率が1以上となる場合であって、入賞補助が実行される遊技までに区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助によってメダルの出玉率が1以上とならない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0051】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、第1有利区間カウンタ197aに初期値として値「1500」をセットし、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)から減算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0052】
本実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に減算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0053】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0054】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0055】
AT制御手段200は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化し、有利区間中において更新可能ないずれの情報もすべて初期化する。これにより、AT制御手段200は、有利区間を終了し通常区間を開始した場合、通常区間の直前の有利区間において用いられていた有利区間中において更新可能な情報について、通常区間中や次回の有利区間の開始時に引き継ぐことができないように構成されている。
【0056】
なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0057】
副制御部20は、主制御部10からの信号を受信可能で、かつ主制御部10には信号を送信不能となるように、単方向通信可能に主制御部10と通信接続されており、主制御部10から送信される各種信号(コマンド)に基づき、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置330、音響装置340を含む演出装置300等の出力手段の動作を制御する。副制御部20の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRWMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。本実施形態の副制御部20は、プロセッサとして、CPU(以下、副制御部20のCPUを「サブCPU」とも記載)を有している。また、副制御部20は、副制御部20のROM上に、演出制御手段180及び副記憶手段181を設けている。副制御部20を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段181に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0058】
演出制御手段180は、副記憶手段181に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出、副制御表示装置350を用いて行う入賞補助演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、副制御表示装置350に正解打順を表示することで遊技を補助するための演出等の制御を行う。また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。
【0059】
本実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0060】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図16を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0061】
<内部抽選手段>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
【0062】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスを「RB」とも記載)と、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)と、を備えている。スロットマシン1では、RBを含む当選エリアである当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれかに当選することで、RBが成立状態に設定され、RBBを含む当選エリアである当選エリア「RBB&全1枚役」に当選することでRBBが成立状態に設定される。
【0063】
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBに当選し、RBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるRB成立状態である場合と、非RT状態においてRBBに当選し、RBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるRBB成立状態である場合と、に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数がリプレイに対応付けられている。
【0064】
内部抽選テーブルCは、RBBが入賞し、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるRBB作動中一般状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役に当選する当選エリアと、RBBの作動中に作動するシフト役に当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられている。本実施形態のスロットマシン1では、シフト役としてRBを備えており、当選エリア「RB」に当選することでRBが成立状態に設定される。
【0065】
内部抽選テーブルDは、RBB作動中一般状態においてRBに当選し、RBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるRBB作動中RB成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルDは、内部抽選テーブルCにおいて小役に対応付けられていた乱数が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルCにおいてシフト役に対応付けられていた乱数がリプレイに対応付けられている。
【0066】
内部抽選テーブルEは、RBBの作動中においてRBが作動した場合に移行される遊技状態であるRBB作動中RB作動状態である場合に選択される。内部抽選テーブルEは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0067】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA~ベルF、1枚役A~1枚役F、特殊小役A~特殊小役F及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」と、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」と、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」と、当選エリア「RBB&全1枚役」と、当選エリア「全1枚役」と、当選エリア「全小役」と、が設定されている。ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0068】
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」は、ベルA~ベルFのいずれかと、1枚役Aと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」には、遊技状態がRB成立状態、RBB成立状態、RBB作動中一般状態又はRBB作動中RB成立状態である場合において、それぞれベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時で、かつ遊技状態がRB成立状態、RBB成立状態、RBB作動中一般状態又はRBB作動中RB成立状態である場合において、スロットマシン1では、第1正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、当選しているベルA~ベルFのいずれかが入賞し、第1正解打順とは異なる打順(第1不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1枚役Aが入賞する。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0069】
当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」は、ベルA~ベルFのいずれかと、1枚役Bと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」には、遊技状態がRB成立状態、RBB成立状態又はRBB作動中一般状態である場合において、それぞれベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時で、かつ遊技状態がRB成立状態、RBB成立状態又はRBB作動中一般状態である場合において、スロットマシン1では、第1正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、当選しているベルA~ベルFのいずれかが入賞し、第1正解打順とは異なる打順(第1不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、当選している1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0070】
当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」は、1枚役Cと、1枚役Dと、特殊小役A~特殊小役Fのいずれかと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」には、遊技状態がRBB成立状態である場合において、1枚役Cを入賞可能にする打順(第2正解打順)が設定されている。当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」の当選時で、かつ遊技状態がRBB成立状態である場合において、スロットマシン1では、第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1枚役Cが入賞し、第2正解打順とは異なる打順(第2不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが1枚役Dを入賞可能なタイミングである場合に、1枚役Dが入賞し、第2不正解打順でかつ押下タイミングが1枚役Dを入賞できないタイミングである場合に、成立状態に設定されているRBBが入賞可能となる。当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0071】
当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役6」は、それぞれ当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」と同じ小役に重複当選し、かつRBにも当選する当選エリアである。当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役6」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず1枚役Cが入賞する。当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役6」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0072】
当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」は、1枚役Eと、1枚役Fと、特殊小役A~特殊小役Fのいずれかと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」には、遊技状態がRB成立状態である場合において、1枚役Eを入賞可能にする打順(第2正解打順)が設定されている。当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」の当選時で、かつ遊技状態がRB成立状態である場合において、スロットマシン1では、第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1枚役Eが入賞し、第2正解打順とは異なる打順(第2不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが1枚役Fを入賞可能なタイミングである場合に、1枚役Fが入賞し、第2不正解打順でかつ押下タイミングが1枚役Fを入賞できないタイミングである場合に、成立状態に設定されているRBが入賞可能となる。当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0073】
当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」は、それぞれ当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」と同じ小役に重複当選し、かつRBにも当選する当選エリアである。当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」には、1枚役Eを入賞可能にする打順(第2正解打順)が設定されている。当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の当選時において、スロットマシン1では、第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1枚役Eが入賞し、第2正解打順とは異なる打順(第2不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが1枚役Fを入賞可能なタイミングである場合に、1枚役Fが入賞し、第2不正解打順でかつ押下タイミングが1枚役Fを入賞できないタイミングである場合に、RBが入賞可能となる。当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の当選時におけるリールの停止制御の詳細については、後述する。
【0074】
当選エリア「全1枚役」は、1枚役A~1枚役Fと、特殊小役A~特殊小役Fと、レア役と、に重複当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によらず入賞可能な1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞する。当選エリア「RBB&全1枚役」は、当選エリア「全1枚役」と同じ小役に重複当選し、かつRBBにも当選する当選エリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によらず入賞可能な1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞する。
【0075】
当選エリア「全小役」は、ベルA~ベルFと、1枚役A~1枚役Fと、特殊小役A~特殊小役Fと、レア役と、のすべての小役に重複当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によらず入賞可能なベルA~ベルFのいずれかが入賞する。当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
【0076】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
【0077】
当選エリア「通常リプレイ1」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルB、内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAに当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。
【0078】
当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルB、内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAと、リプレイBと、に重複して当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。
【0079】
当選エリア「レアリプレイ」は、レアリプレイに当選し、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルB、内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、リプレイを含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レアリプレイ」に当選する確率が、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレアリプレイとして構成されている。
【0080】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RB,RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRB又はRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRB又はRBBの抽選フラグの成立状態を、RB又はRBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RB又はRBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RB又はRBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRB又はRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0081】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0082】
<小役の配当>
本実施形態において、ベルA~ベルFの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役F、特殊小役A~特殊小役F及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
【0083】
<遊技状態移行制御手段>
図4は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0084】
図4に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0085】
RB成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれかに当選し、RBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。RB成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0086】
RB作動状態は、RBBが作動していない状態でRBが入賞しRBが作動することで移行される遊技状態である。RB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、小役が入賞した回数が予め定められた所定の入賞回数(例えば8回)になった場合と、RBが作動してから実行された遊技回数が予め定められた所定の遊技回数(例えば12ゲーム)になった場合と、に、作動しているRBを終了させ、遊技状態をRB作動状態から非RT状態に移行させる。RB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルEを用いた内部抽選を実行させる。
【0087】
RBB成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB&全1枚役」に当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。RBB成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0088】
RBB作動状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態であり、RBB作動状態においては、RBB作動中一般状態と、RBB作動中RB成立状態と、RBB作動中RB作動状態と、に移行可能に構成されている。遊技状態移行制御手段170は、RBB成立状態からRBB作動状態に遊技状態を移行する場合に、RBB作動状態のうちRBB作動中一般状態に移行させる。RBB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動中一般状態と、RBB作動中RB成立状態と、RBB作動中RB作動状態と、において払い出されたメダルの合計数によってRBB作動状態の終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでRBB作動状態を終了させて、遊技状態を非RT状態へ移行させる。
【0089】
RBB作動中一般状態は、RBB作動状態における複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態であり、シフト役が作動していないシフト役非作動状態である。RBB作動中一般状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、リプレイに乱数が対応付けられておらず、リプレイの当選確率が0に設定されている。
【0090】
RBB作動中RB成立状態は、RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「RB」に当選し、RBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態(シフト役成立状態)であり、シフト役が作動していないシフト役非作動状態である。RBB作動中RB成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が1/7.3に設定されている内部抽選テーブルDを用いた内部抽選を実行させる。
【0091】
RBB作動中RB作動状態は、RBBが作動している状態でRBが入賞しRBが作動することで移行される遊技状態(シフト役作動状態)である。RBB作動中RB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、小役が入賞した回数が予め定められた所定の入賞回数(例えば8回)になった場合と、RBが作動してから実行された遊技回数が予め定められた所定の遊技回数(例えば12ゲーム)になった場合と、に、作動しているRBを終了させ、遊技状態をRBB作動中RB作動状態からRBB作動中一般状態に移行させる。RBB作動中RB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルEを用いた内部抽選を実行させる。
【0092】
RB作動状態とRBB作動中RB作動状態との内部抽選テーブルEが用いられる遊技状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルEが選択されるRB作動状態とRBB作動中RB作動状態とにおいて当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDのいずれかが選択される遊技状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「全1枚役」に当選する確率、つまりRB作動状態及びRBB作動中RB作動状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルEにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
【0093】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、RBが作動するRB作動状態とRBB作動中RB作動状態とにおいて、RBの非作動時である非RT状態、RB成立状態、RBB成立状態、RBB作動中一般状態及びRBB作動中RB成立状態よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
【0094】
また、スロットマシン1は、RB作動状態とRBB作動中RB作動状態とにおいて、規定投入数よりも多い配当が設定されているベルA~ベルFを含む当選態様を得られる確率が、RB作動状態とRBB作動中RB作動状態と以外の遊技状態においてベルA~ベルFの少なくとも1つを含む当選態様を得られる確率よりも低くなっている。つまり、スロットマシン1では、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のそれぞれに当選する確率よりも高く、かつ、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0095】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA~ベルF)が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第1小役重複当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、RBが作動していない遊技状態(非RT状態、RB成立状態、RBB成立状態、RBB作動中一般状態、RBB作動中RB成立状態)において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、RBが作動している遊技状態(RB作動状態、RBB作動中RB作動状態)において、第1小役重複当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、RBが作動している遊技状態における内部抽選で第1小役重複当選態様に当選する確率は、RBが作動していない遊技状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、RBが作動している遊技状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、RBが作動していない遊技状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0096】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、RB作動状態とRBB作動中RB作動状態とについて、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0097】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」について、遊技状態に応じたリール停止制御が実行されることで、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役が、当選した際の遊技状態によって変更されるように構成されている。より詳しくは後述するが、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」について、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合にベルA~ベルFを入賞可能となる遊技状態を有するように構成されている。このような遊技状態においては、AT制御手段200による補助遊技が実行されることで、ベルA~ベルFの入賞確率を高めることができるように構成されている。
【0098】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA~ベルFの6種類を設定している。そして、RB作動状態とRBB作動中RB作動状態とにおいて特定役を含む当選態様が得られる確率を、RB作動状態とRBB作動中RB作動状態と以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を圧縮している。これにより、RBが作動する遊技状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0099】
<AT制御手段>
図5は、本実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0100】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0101】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0102】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0103】
本実施形態のAT制御手段200は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」、当選エリア「RBB&全1枚役」に当選した場合と、RB成立状態、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「全1枚役」に当選した場合と、に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0104】
有利区間において、AT制御手段200は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に補助遊技を実行しない非AT状態として、通常非AT状態と、CZ状態と、の複数種類の演出状態を有し、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に補助遊技を実行可能なAT状態を有している。ここで、本実施形態のAT制御手段200は、非AT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、補助遊技を実行可能に構成されている。また、AT制御手段200は、AT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合にも、補助遊技を実行可能に構成されている。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0105】
通常非AT状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、演出状態が通常非AT状態に移行した場合、通常非AT状態における遊技回数をカウントする通常非ATゲーム数カウンタ(不図示)に初期値として値「700」をセットする。AT制御手段200は、通常非AT状態において、遊技が実行される都度、通常非ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。そして、AT制御手段200は、通常非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、CZ状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常非AT状態からCZ状態に移行する。
【0106】
また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選する通常中AT抽選を実行する。通常中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、AT状態への移行条件(AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常非AT状態からAT状態に移行する。
【0107】
CZ状態は、遊技者にとって有利な特典である入賞補助が実行されるAT状態に移行する確率が通常非AT状態よりも高く、通常非AT状態よりも有利な演出状態である。AT制御手段200は、CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のCZゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、32ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0108】
AT制御手段200は、CZ状態が開始された遊技において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ中AT抽選を実行するように構成されている。CZ中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から32ゲームの遊技が実行された後に、演出状態をCZ状態からAT状態に移行する。一方、CZ中AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から32ゲームの遊技が実行された後に、CZ状態を終了する。AT制御手段200は、AT移行条件が成立していない状態でCZ状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0109】
CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、通常非AT状態において実行される通常中AT抽選よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能な抽選を実行する。また、CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアを参照して抽選テーブルを取得することで、内部抽選で当選した当選エリアによって「AT状態への移行」に当選する確率が変化するように構成されている。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能な抽選テーブルを取得する。
【0110】
このように、CZ状態は、開始時における遊技において、内部抽選の結果によらず「AT状態への移行」に当選可能なCZ中AT抽選が実行されるとともに、CZ中AT抽選について、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能に構成されており、当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に限り「AT状態への移行」に決定される可能性を有する通常非AT状態よりも、遊技者にとって有利な演出状態として構成されている。
【0111】
AT状態は、補助遊技として、ベルA~ベルFの入賞補助が実行される補助遊技を実行可能な状態である。AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の打順が第1正解打順である場合にベルA~ベルFが入賞可能となるリール停止制御が実行される遊技状態である場合と、内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選した場合と、内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」に当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の打順が第2正解打順である場合に1枚役C、1枚役Eが入賞可能となるリール停止制御が実行される遊技状態である場合と、において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助を実行可能に構成されている。ここで、入賞補助によって入賞する確率が上がる役(特定役)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時におけるベルA~ベルF、当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の当選時における1枚役E、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」の当選時における1枚役C、1枚役Eである。AT制御手段200は、入賞補助として、第1正解打順、第2正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。
【0112】
AT制御手段200は、AT状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(例えば、50ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0113】
また、AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、ATゲーム数カウンタの記憶値に抽選により決定された値を加算するか否かを決定することで、AT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行するように構成されている。
【0114】
AT制御手段200は、AT状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合と、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、に、AT状態の終了条件(AT終了条件)が成立したと判定し、AT状態を終了する。
【0115】
AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づきAT状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達したことに基づきAT状態を終了した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えたことに基づきAT状態を終了した場合と、において、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0116】
3.打順小役当選時に入賞可能となる役と遊技状態との詳細
次に、非RT状態、RB成立状態、RBB成立状態、RBB作動中一般状態、RBB作動中RB成立状態の各遊技状態において、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役)に当選した場合に入賞可能となる役について、図6図10を用いて説明する。
【0117】
図6は、非RT状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図6に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらずベルA~ベルFが入賞しないように構成されている。
【0118】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態において、規定投入数よりも多い配当に設定された小役が入賞しないため、非RT状態におけるメダルの獲得率の期待値が大幅に抑制されており、非RT状態が他の遊技状態よりも最もメダルの獲得率の期待値が低い遊技状態となっている。
【0119】
また、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役6」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Cが入賞するように構成されている。このため、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役6」に当選した場合に、重複当選しているRBが入賞することがなく、遊技状態が非RT状態からRB成立状態に移行するように構成されている。
【0120】
そして、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選した場合に、1枚役Eを入賞可能にする打順(第2正解打順)が各当選エリアに設定されている。スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選し、第2正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合において、1枚役Fを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Fが入賞し、1枚役Fを入賞できない押下タイミングで、かつRBを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、RBが入賞し、1枚役F及びRBを入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0121】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選し、かつ第2正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングがRBを入賞可能な押下タイミングである場合に、遊技状態が非RT状態からRB作動状態に移行する。このため、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RB&打順1枚役7」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選し、かつ第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作には、遊技状態が非RT状態からRB成立状態に移行するように構成されている。
【0122】
図7は、RB成立状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図7に示すように、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Aが入賞する。
【0123】
また、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Bが入賞する。なお、図7に示すように、RB成立状態においては、内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合における第1正解打順が、各当選エリアに対して複数(例えば、当選エリア「打順ベル7」の第1正解打順は打順1、打順2)設定されている。
【0124】
また、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Cが入賞するように構成されている。
【0125】
このため、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選した場合に、前回までの遊技で成立状態に設定され、抽選フラグが成立状態に維持されているRBが入賞することがなく、遊技状態がRB成立状態に維持されるように構成されている。
【0126】
そして、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、1枚役Eを入賞可能にする打順(第2正解打順)が各当選エリアに設定されている。スロットマシン1では、第2正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、1枚役Fを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Fが入賞し、1枚役Fを入賞できない押下タイミングで、かつRBを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、RBが入賞し、1枚役F及びRBを入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0127】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選し、かつ第2正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングがRBを入賞可能な押下タイミングである場合に、遊技状態がRB成立状態からRB作動状態に移行する。このため、スロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選し、かつ第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作には、遊技状態がRB成立状態に維持されるように構成されている。
【0128】
図8は、RBB成立状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図8に示すように、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Aが入賞する。
【0129】
また、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Bが入賞する。なお、図8に示すように、RBB成立状態においては、内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合における第1正解打順が、各当選エリアに対して複数(例えば、当選エリア「打順ベル7」の第1正解打順は打順1、打順2)設定されている。
【0130】
また、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Eが入賞するように構成されている。
【0131】
このため、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、前回までの遊技で成立状態に設定され、抽選フラグが成立状態に維持されているRBBが入賞することがなく、遊技状態がRBB成立状態に維持されるように構成されている。
【0132】
そして、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選した場合に、1枚役Cを入賞可能にする打順(第2正解打順)が各当選エリアに設定されている。スロットマシン1では、第2正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、1枚役Dを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Dが入賞し、1枚役Dを入賞できない押下タイミングで、かつRBBを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、RBBが入賞し、1枚役D及びRBBを入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0133】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選し、かつ第2正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングがRBBを入賞可能な押下タイミングである場合に、遊技状態がRBB成立状態からRBB作動状態に移行する。このため、スロットマシン1では、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選し、かつ第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作には、遊技状態がRBB成立状態に維持されるように構成されている。
【0134】
図9は、RBB作動中一般状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図9に示すように、スロットマシン1では、RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Aが入賞する。
【0135】
また、スロットマシン1では、RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Bが入賞する。
【0136】
また、スロットマシン1では、RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Cが入賞するように構成されている。
【0137】
そして、スロットマシン1では、RBB作動中一般状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Eが入賞するように構成されている。
【0138】
図10は、RBB作動中RB成立状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図10に示すように、スロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、ベルA~ベルFを入賞可能にする打順(第1正解打順)が各当選エリアに設定されている。RBB作動中RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」に当選し、第1正解打順と異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合には、1枚役Aが入賞する。
【0139】
また、スロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらずベルA~ベルFは入賞するように構成されている。
【0140】
また、スロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役6」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Cが入賞するように構成されている。
【0141】
そして、スロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず1枚役Eが入賞するように構成されている。
【0142】
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態における内部抽選において、小役又はリプレイに必ず当選するように構成されている。また、図10に示すように、スロットマシン1では、RBB作動中RB成立状態において当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合、規定投入数(3枚)よりも多い配当(10枚)に設定されたベルA~ベルFが、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず入賞するように構成されており、RBB作動中RB成立状態が、他の遊技状態よりもメダルの獲得率の期待値が高い有利な遊技状態として構成されている。
【0143】
このような構成により、スロットマシン1は、遊技状態がRBB作動中RB成立状態に移行し、内部抽選で打順小役に当選した場合、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序がいずれの場合にも、ベルA~ベルF、1枚役A、1枚役C、1枚役Eのいずれかの小役が入賞し、RBの入賞が回避されることで、遊技者の操作負担を軽減しつつ、小役又はリプレイに当選可能で、かつ当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時にストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらずベルA~ベルFが入賞可能なRBB作動中RB成立状態に長期に亘って滞在させることができる。
【0144】
4.打順小役当選時における主制御表示装置と副制御表示装置との表示態様の詳細
上述したように、本実施形態のAT制御手段200は、演出状態が非AT状態である場合、第2正解打順が設定されている当選エリアの当選時において、主制御表示装置500による入賞補助を実行するように構成されている。また、AT制御手段200は、演出状態がAT状態である場合、第1正解打順が設定されている当選エリアの当選時と、第2正解打順が設定されている当選エリアの当選時と、において、主制御表示装置500による入賞補助を実行するように構成されている。AT制御手段200は、入賞補助を実行する場合、内部抽選の結果と、遊技状態と、から、第1正解打順又は第2正解打順に対応する正解打順コマンドを作成し、正解打順コマンドに対応する表示を主制御表示装置500に実行するとともに、正解打順コマンドを副制御部20に向けて送信する。
【0145】
演出制御手段180は、AT制御手段200から送信される正解打順コマンドを受信した場合に、AT制御手段200によって制御されている演出状態と、受信した正解打順コマンドと、に基づく入賞補助演出を、副制御表示装置350を用いて実行する。
【0146】
演出制御手段180は、入賞補助演出を実行する場合において、演出状態が非AT状態である場合には、副制御表示装置350を構成する複数の7セグメント表示器を構成する各セグメントを選択的に点灯及び消灯することによってストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序を報知する表示(例えば、打順1が第2正解打順である場合には、「123」と遊技者が視認できるように各セグメントを点灯及び消灯させる表示)をするとともに、点灯させるセグメントについて、緑色で点灯するように構成されている。
【0147】
また、演出制御手段180は、入賞補助演出を実行する場合において、演出状態がAT状態である場合には、副制御表示装置350を構成する複数の7セグメント表示器を構成する各セグメントを選択的に点灯及び消灯することによってストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序を報知する表示(例えば、打順3が第1正解打順又は第2正解打順である場合には、「213」と遊技者が視認できるように各セグメントを点灯及び消灯させる表示)をするとともに、点灯させるセグメントについて、黄色で点灯するように構成されている。
【0148】
ここで、主制御部10のAT制御手段200から副制御部20の演出制御手段180に向けて送信される正解打順コマンドには、主制御表示装置500によって報知表示される打順に係る情報が含まれているものの、内部抽選で当選した役に関する情報は含まれていない。また、本実施形態において、内部抽選手段120は、内部抽選の結果を含む情報である当選役コマンド(当選役情報)を作成し、副制御部20に送信可能に構成されている。そして、内部抽選手段120は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれかに当選した場合に、いずれの当選エリアに当選した場合にも、共通した特定当選役コマンド(特定当選役情報)を作成するように構成されている。
【0149】
このような構成により、スロットマシン1は、内部抽選の結果が打順小役であった場合に、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれに当選したのかが判別できないようにグループ化した当選役コマンドとして、特定当選役コマンドを作成し、副制御部20に送信するように構成されており、副制御部20には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれに当選したのかを判別できる情報が送信されることがない。
【0150】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、仮に、副制御部20が不正に改造されてしまう不正行為が行われた場合であっても、副制御表示装置350によって報知されている打順がベルA~ベルFを入賞可能にする第1正解打順と、1枚役C、1枚役Eの入賞可能する第2正解打順と、のいずれであるかを判別することができないため、副制御表示装置350によって報知される第1正解打順には従うものの第2正解打順には従わない遊技が実行され、ベルA~ベルFの入賞を確保しつつ、RB成立状態からRB作動状態への移行やRBB成立状態からRBB作動状態への移行を実現可能にするような遊技が実行されてしまい、遊技性が低下してしまうことを防止することができる。
【0151】
図11は、非RT状態における打順小役の当選時における正解打順と、主制御表示装置500の表示態様と、副制御表示装置350の表示態様と、を示す図であり、図12は、RB成立状態における打順小役の当選時における正解打順と、主制御表示装置500の表示態様と、副制御表示装置350の表示態様と、を示す図であり、図13は、RBB成立状態における打順小役の当選時における正解打順と、主制御表示装置500の表示態様と、副制御表示装置350の表示態様と、を示す図であり、図14は、RBB作動中一般状態における打順小役の当選時における正解打順と、主制御表示装置500の表示態様と、副制御表示装置350の表示態様と、を示す図であり、図15は、RBB作動中RB成立状態における打順小役の当選時における正解打順と、主制御表示装置500の表示態様と、副制御表示装置350の表示態様と、を示す図である。
【0152】
図11図15に示すように、AT制御手段200は、第1正解打順又は第2正解打順が打順1である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「1」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順2である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「2」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順3である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「3」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順4である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「4」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順5である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「5」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順6である場合、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「6」と視認できるように選択的に点灯及び消灯する。
【0153】
AT制御手段200は、AT状態において、第1正解打順である場合と、第2正解打順である場合と、で、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序が共通している場合には、主制御表示装置500において共通の表示態様の報知表示を行う。具体的には、AT制御手段200は、図12に示すように、RB成立状態における内部抽選で第1正解打順が打順1に設定された当選エリア「打順ベル1」に当選した場合と、RB成立状態における内部抽選で第2正解打順が打順1に設定された当選エリア「打順1枚役7」に当選した場合と、の、いずれの場合にも、主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「1」と視認できるように選択的に点灯及び消灯する報知表示を行う。
【0154】
また、図7図8に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合と、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合と、について、各当選エリアに複数の第1正解打順が設定されている。AT制御手段200は、RB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合と、RBB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合と、において、複数の第1正解打順のうちいずれの第1正解打順を主制御表示装置500に表示するかを抽選により決定し、決定した第1正解打順に係る正解打順コマンドを作成し、作成した正解打順コマンドに基づく報知表示を主制御表示装置500を用いて行う。
【0155】
演出制御手段180は、第1正解打順又は第2正解打順が打順1である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「123」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順2である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「132」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順3である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「213」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順4である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「312」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順5である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「231」と視認できるように選択的に点灯及び消灯し、第1正解打順又は第2正解打順が打順6である場合、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「321」と視認できるように選択的に点灯及び消灯する。
【0156】
また、演出制御手段180は、副制御表示装置350を用いて第1正解打順又は第2正解打順を報知する入賞補助演出を実行する場合において、AT制御手段200によって制御される演出状態が非AT状態であれば、第1正解打順及び第2正解打順いずれの場合にも、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを緑色で選択的に点灯及び消灯し、AT制御手段200によって制御される演出状態がAT状態であれば、第1正解打順及び第2正解打順いずれの場合にも、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを黄色で選択的に点灯及び消灯する。
【0157】
本実施形態の演出制御手段180は、AT制御手段200から送信される正解打順コマンドと、AT制御手段200によって制御されている演出状態に関する情報と、に基づき、入賞補助演出を実行するように構成されている。また、上述した通り、正解打順コマンドには、当選した役の情報が含まれていない。
【0158】
このような構成であることから、演出制御手段180は、受信した正解打順コマンドから内部抽選の結果を判別することができず、受信した正解打順コマンドに基づく入賞補助演出が、第1正解打順の報知と、第2正解打順の報知と、のいずれであるかを判別することなく、AT状態であれば黄色の表示態様(第1態様)で入賞補助演出を実行し、非AT状態であれば緑色の表示態様(第2態様)と、AT状態における表示態様とは異なる表示態様で入賞補助演出を実行する。
【0159】
また、上述したように、AT制御手段200は、遊技状態がRB成立状態又はRBB成立状態であり、かつ演出状態がAT状態である状態で、内部抽選で当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の複数の打順が第1正解打順に設定された当選エリアに当選した場合に、複数の第1正解打順のうちいずれの第1正解打順を主制御表示装置500に表示するかを抽選により決定し、決定した第1正解打順に係る正解打順コマンドを作成するように構成されている。
【0160】
このため、演出制御手段180は、AT制御手段200による抽選によって決定された第1正解打順に対応する正解打順コマンドを受信して、受信した正解打順コマンドに基づく入賞補助演出を副制御表示装置350において行うため、例えば、AT状態中のRB成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル7」に当選した場合に、AT制御手段200から受信した正解打順コマンドが打順1に係る正解打順コマンドであれば、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「123」と視認できるように選択的に点灯及び消灯する入賞補助演出を実行し、AT制御手段200から受信した正解打順コマンドが打順2に係る正解打順コマンドであれば、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを「132」と視認できるように選択的に点灯及び消灯する入賞補助演出を実行する。
【0161】
図16は、本実施形態のスロットマシン1における主制御表示装置500による報知表示と副制御表示装置350による入賞補助制御との一例を示す図であり、図16(A)は、演出状態が非AT状態であり、かつ遊技状態がRB成立状態である場合において当選エリア「打順1枚役7」に当選した状態を示す図、図16(B)は、演出状態がAT状態であり、かつ遊技状態がRB成立状態である場合において当選エリア「打順ベル4」に当選した状態を示す図、図16(C)は、演出状態がAT状態であり、かつ遊技状態がRB成立状態である場合において当選エリア「打順1枚役8」に当選した状態を示す図である。
【0162】
図16(A)に示すように、スロットマシン1では、演出状態が非AT状態であることから、主制御表示装置500の区間報知部500Aが消灯した状態となっている。スロットマシン1では、第2正解打順が打順1であることから、主制御表示装置500を用いた報知表示として「1」と視認できるように主制御表示装置500を構成する7セグメント表示器の各セグメントが選択的に点灯及び消灯され、副制御表示装置350を用いた入賞補助演出として、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントが緑色で選択的に点灯及び消灯される。
【0163】
スロットマシン1では、副制御表示装置350を用いた入賞補助演出として、第2正解打順である打順1、つまりストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の順に押下し、第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3の順に停止させることを促すために、第1リールR1の近傍に「1」と視認できる表示と、第2リールR2の近傍に「2」と視認できる表示と、第3リールR3の近傍に「3」と視認できる表示と、を行う演出が実行される。
【0164】
図16(B)、図16(C)に示すように、スロットマシン1では、演出状態が非AT状態であることから、主制御表示装置500の区間報知部500Aが点灯した状態となっている。また、図16(B)、図16(C)に示すように、スロットマシン1では、副制御表示装置350による入賞補助演出において、非AT状態とは異なり、黄色の表示態様での入賞補助演出が実行される。また、図16(B)、図16(C)に示すように、スロットマシン1では、副制御表示装置350による入賞補助演出から、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役7」~当選エリア「打順1枚役12」のいずれに当選したのか判別できないようになっている。
【0165】
5.本実施形態のまとめ
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に第1正解打順が設定されている遊技状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に第1正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルA~ベルFが入賞し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が第1正解打順とは異なる打順で押下操作された場合に、ベルA~ベルFが入賞せず、1枚役A、1枚役Bが入賞するように構成されている。
【0166】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に第2正解打順が設定されている遊技状態において、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の当選時に第2正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1枚役C、1枚役EがストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が第2正解打順とは異なる打順で押下操作された場合に、1枚役C、1枚役Eが入賞せず、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングに応じて入賞可能な役(1枚役D、1枚役F、RB、RBB)が入賞する又はいずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0167】
この、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」が、本実施形態における第1当選態様を構成し、ベルA~ベルFが、本実施形態における第1小役を構成し、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」が、本実施形態における第2当選態様を構成し、1枚役C、1枚役Eが、本実施形態における第2小役を構成する。
【0168】
また、本実施形態において、内部抽選手段120は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれに当選した場合にも、内部抽選の結果に係る情報として、共通の特定当選役コマンドを副制御部20に送信するように構成されている。
【0169】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、仮に、副制御部20が不正に改造されてしまう不正行為が行われた場合であっても、副制御部20には内部抽選結果が当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれであるか判別可能な情報が送信されないため、副制御表示装置350によって報知されている打順がベルA~ベルFを入賞可能にする第1正解打順と、1枚役C、1枚役Eを入賞可能する第2正解打順と、のいずれであるかを判別することができず、副制御表示装置350によって報知される第1正解打順には従うものの第2正解打順には従わない遊技が実行され、ベルA~ベルFの入賞を確保しつつ、RB成立状態からRB作動状態への移行やRBB成立状態からRBB作動状態への移行を実現可能にするような遊技が実行されてしまい、遊技性が低下してしまうことを防止することができる。
【0170】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、第1正解打順を報知する場合と、第2正解打順を報知する場合と、で、いずれの場合においても、主制御表示装置500によって報知表示される打順に係る情報が含まれているものの、内部抽選で当選した役に関する情報は含まれていない正解打順コマンドを作成し、副制御部20に正解打順コマンドを送信するように構成されている。そして、演出制御手段180は、受信した正解打順コマンドと、AT制御手段200が制御する演出状態と、に基づき、副制御表示装置350を用いて第1正解打順又は第2正解打順を報知する入賞補助演出を実行する。
【0171】
このような構成であるため、副制御部20に含まれる演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選したことに基づきAT制御手段200が正解打順コマンドを作成及び送信した場合に、副制御表示装置350を用いた入賞補助演出を実行することで、第1正解打順を副制御表示装置350から報知し、内部抽選で当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」に当選したことに基づきAT制御手段200が正解打順コマンドを作成及び送信した場合に、副制御表示装置350を用いた入賞補助演出を実行することで、第2正解打順を副制御表示装置350から報知する。
【0172】
そして、演出制御手段180は、演出状態がAT状態である場合には、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを選択的に点灯させる際に、黄色の表示態様で点灯させ、演出状態が非AT状態である場合には、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを選択的に点灯させる際に、緑色の表示態様と、黄色とは異なる色で点灯させる。
【0173】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、非AT状態とAT状態とで、主制御表示装置500の表示態様は共通した態様であるものの、副制御表示装置350の表示態様は異なる態様に制御することができ、非AT状態とAT状態とで異なる演出態様を実現し、多様な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0174】
また、例えば、入賞補助演出における演出態様を非AT状態とAT状態とで共通化した場合、一般に、多様なBGMが流れるAT状態においてBGMによってかき消されない音量の打順を報知するSEを出力するように構成する必要があるが、このような構成にしてしまうと、BGMが流れない非AT状態においてもAT状態と共通した音量のSEで打順が報知されてしまい、演出のバランスが悪化する虞があるものの、本実施形態のスロットマシン1では、非AT状態とAT状態とで、主制御表示装置500の表示態様は共通した態様であるものの、副制御表示装置350の入賞補助演出における表示態様を異なる態様に制御することで、演出のバランスを適切に設定することができる。
【0175】
この、AT状態が、本実施形態における第1状態を構成し、非AT状態が、本実施形態における第2状態を構成し、AT制御手段200が、本実施形態における補助遊技制御手段を構成する。
【0176】
以上のように、本実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタン(B1,B2,B3)と、
遊技の進行を制御する主制御部(10)と、
遊技に関する演出を制御する副制御部(20)と、を備え、
前記主制御部は、複数種類の役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)を有し、
前記内部抽選には、複数種類の第1当選態様と、複数種類の第2当選態様と、が抽選の対象に含まれ、
前記複数種類の第1当選態様は、複数種類の第1小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記複数種類の第2当選態様は、複数種類の第2小役が互いに重複せずに当選し、かつ他の小役と重複当選する当選態様であり、
前記第1小役は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定され、
前記第2小役は、前記複数のストップボタンの押下タイミングによらず入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第1正解打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞し、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記第1正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞し、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが第2正解打順とは異なる打順で押下された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記主制御部は、前記内部抽選の結果を当選役情報として前記副制御部に送信可能であり、
前記当選役情報には、特定当選役情報が含まれ、
前記特定当選役情報は、前記複数種類の第1当選態様のいずれかに当選した場合と、前記複数種類の第2当選態様のいずれかに当選した場合と、のいずれの場合にも、共通して送信される当選役情報である。
【0177】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、仮に、副制御部20が不正に改造されてしまう不正行為が行われた場合であっても、副制御部20には内部抽選結果が当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」のいずれであるか判別可能な情報が送信されないため、副制御表示装置350によって報知されている打順がベルA~ベルFを入賞可能にする第1正解打順と、1枚役C、1枚役Eの入賞可能する第2正解打順と、のいずれであるかを判別することができず、副制御表示装置350によって報知される第1正解打順には従うものの第2正解打順には従わない遊技が実行され、遊技性が低下してしまうことを防止することができる。
【0178】
また、本実施形態の遊技機は、
前記主制御部によって制御される主制御表示器(500)と、
前記副制御部によって制御される副制御表示器(350)と、を備え、
前記主制御部は、通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段(200)を有し、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第1状態は、前記第1正解打順及び前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記第2状態は、前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知可能な状態であり、
前記主制御部は、前記第1正解打順と、前記第2正解打順と、に対応する正解打順情報を前記副制御部に送信可能であり、
前記補助遊技制御手段は、
前記第1当選態様に当選したことに基づき前記第1正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記第2当選態様に当選したことに基づき前記第2正解打順を前記主制御表示器から報知する場合に、前記正解打順情報に基づき前記主制御表示器を制御し、
前記副制御部は、
前記第1当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第2当選態様に当選した際に前記正解打順情報を前記主制御部から受信した場合に、前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知し、
前記第1状態において前記第1正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第1態様で報知し、
前記第1状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、前記第1態様で報知し、
前記第2状態において前記第2正解打順を前記副制御表示器から報知する場合に、第2態様で報知し、
前記第1態様と前記第2態様とは、異なる態様である。
【0179】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、非AT状態とAT状態とで、主制御表示装置500の表示態様は共通した態様であるものの、副制御表示装置350の表示態様は異なる態様に制御することができ、非AT状態とAT状態とで異なる演出態様を実現し、多様な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0180】
6.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、入賞補助演出として、入賞補助演出専用のデバイスである副制御表示装置350を備えるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、入賞補助演出を副制御部20によって制御される液晶表示器である演出表示装置330によって行うように構成されていてもよい。
【0181】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技状態に応じてリール停止制御を変更し、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の第1正解打順及び当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の第2正解打順が設定された遊技状態と、第1正解打順及び第2正解打順が設定されない遊技状態とを有するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、遊技状態によらず、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の第1正解打順と、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」の第2正解打順と、が設定されるように構成されていてもよい。
【0182】
また、本実施形態において、当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」は、重複当選する小役として、いずれも規定投入数よりも少ない1枚の配当に設定された1枚役C~1枚役Fのいずれかが重複当選するように構成されているが、これに限定されない。当選エリア「打順1枚役1」~当選エリア「打順1枚役12」、当選エリア「RB&打順1枚役1」~当選エリア「RB&打順1枚役12」は、第2小役として、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能に設定された小役を有していればよく、その配当について、規定投入数と同じ又は規定投入数よりも多い値に設定されていてもよい。また、第2小役と重複当選する小役についても略同様に、その配当について、規定投入数と同じ又は規定投入数よりも多い値に設定されていてもよい。
【0183】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、非AT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、第1正解打順が設定されている場合にも第1正解打順を報知しないように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、非AT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、第1正解打順が設定されている場合に、第1正解打順を報知するか否かを抽選により決定し、該抽選で第1正解打順を報知すると決定した場合には、主制御表示装置500を用いて第1正解打順を報知するように構成されていてもよい。
【0184】
このように構成された場合、演出制御手段180は、非AT状態においてAT制御手段200によって第1正解打順の報知が行われる場合、AT制御手段200が作成する正解打順コマンドに基づき、副制御表示装置350を用いた入賞補助演出を実行するとともに、該入賞補助演出においては、非AT状態であることから、副制御表示装置350を構成する7セグメント表示器の各セグメントを選択的に点灯させる際に、緑色の表示態様で点灯させるように構成されていればよい。
【0185】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、複数のリールとして、第1リールR1~第3リールR3の3本のリールを備えているが、これに限らず、例えば、4本のリールを備えるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0186】
1 スロットマシン(遊技機)
10 主制御部
20 副制御部
120 内部抽選手段
200 AT制御手段(補助遊技制御手段)
350 副制御表示装置(副制御表示器)
500 主制御表示装置(主制御表示器)
B1 ストップボタン
B2 ストップボタン
B3 ストップボタン
R1 第1リール
R2 第2リール
R3 第3リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16