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特許7441499マッサージ調節構造およびマッサージ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】マッサージ調節構造およびマッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A61H7/00 323F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020074904
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2020192320
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】201910452174.4
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】唐 国雲
(72)【発明者】
【氏名】劉 朝軍
(72)【発明者】
【氏名】葉 麒泉
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205041730(CN,U)
【文献】登録実用新案第3187108(JP,U)
【文献】特開2012-239599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摺接部材を含むガイド機構と、
マッサージホルダーと、前記マッサージホルダーに接続されマッサージするために用いられるマッサージヘッドと、前記マッサージホルダーに接続された駆動ロッドと、を含み、前記マッサージホルダーは、第1の端および第2の端を有し、前記第1の端は、前記駆動ロッドにヒンジ接続され、前記第2の端には摺接溝が設けられており、前記摺接溝は、前記駆動ロッドの方向に延在し、前記摺接部材は、前記摺接溝内に摺接するマッサージ機構と、
前記駆動ロッドを円周運動させ、前記摺接部材を往復運動させるための駆動機構と、を含み、
前記駆動ロッドは、前記第1の端を円周運動させ、前記摺接部材は、前記第1の端が円周運動するときに前記摺接溝を介して前記第2の端を往復運動させ得て、前記往復運動する方向の一部は、前記第1の端円周運動する際に前記第1の端が通過する領域を通過しないことを特徴とする、マッサージ調節構造。
【請求項2】
前記マッサージホルダーは、摺動台と、前記摺動台に回動接続されたヒンジ接続軸と、前記ヒンジ接続軸に接続されたヒンジ接続台と、を含み、前記ヒンジ接続軸の回動軸線は、前記駆動ロッドの回動軸線に垂直であり、前記摺動台には、前記摺接溝が設けられ、前記駆動ロッドが接続されており、前記マッサージヘッドは、前記ヒンジ接続台に接続されており、前記ヒンジ接続台は、前記ヒンジ接続軸の回動軸線周りに回動し得ることを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ調節構造。
【請求項3】
前記ガイド機構は、前記摺接溝の延在方向に対して交差する方向に前記摺接部材を案内するスライドレールをさらに含み、
前記駆動機構は、前記駆動ロッドに接続された第1の伝動アセンブリと、前記摺接部材に接続された第2の伝動アセンブリと、前記第1の伝動アセンブリおよび前記第2の伝動アセンブリの動きを駆動するための駆動装置と、を含み、前記駆動装置は、前記第1の伝動アセンブリを介して前記駆動ロッドを円周運動させ、前記第2の伝動アセンブリを介して前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマッサージ調節構造。
【請求項4】
前記第1の伝動アセンブリは、第1の回転軸と、前記第1の回転軸に接続され前記駆動装置に接続された第1の伝動歯車と、を含み、前記駆動装置は、前記第1の伝動歯車を前記第1の回転軸の軸線周りに回動させ得て、前記駆動ロッドは、前記第1の伝動歯車に回動接続され、その軸線は前記第1の回転軸の軸線と平行であり、離間して設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のマッサージ調節構造。
【請求項5】
前記第2の伝動アセンブリは、第2の回転軸と、前記第2の回転軸に接続され前記駆動装置に接続された第2の伝動歯車と、前記第2の回転軸に接続され前記第2の回転軸の回動に伴い回動可能な回転部材と、前記回転部材に回動接続され前記摺接部材に接続された伝動ロッドと、を含み、前記駆動装置は、前記第2の伝動歯車を駆動して前記第2の回転軸を回動させ得て、前記伝動ロッドは、前記回転部材の回動に伴い前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させ得ることを特徴とする、請求項4に記載のマッサージ調節構造。
【請求項6】
前記回転部材は、円盤状であり、その円心からずれた偏心軸穴が設けられており、前記第2の回転軸は、前記偏心軸穴に挿設され、前記第2の回転軸は、前記回転部材を円周運動させ得て、前記スライドレールは、前記第2の回転軸の方向に延在し、前記伝動ロッドは、前記回転部材の円周運動に伴い前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させ得ることを特徴とする、請求項5に記載のマッサージ調節構造。
【請求項7】
前記第2の伝動アセンブリは、前記伝動ロッドに回動接続された補強ロッドをさらに含み、前記補強ロッドの一端は、前記第1の回転軸に回動接続され、その他端は、前記摺接部材に接続され、前記伝動ロッドは、前記第1の回転軸と前記摺接部材との間に接続されていることを特徴とする、請求項5または6に記載のマッサージ調節構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のマッサージ調節構造を含むマッサージ装置。
【請求項9】
請求項5に記載のマッサージ調節構造を含み、前記ガイド機構が2つ設けられており、前記マッサージ機構が2つ設けられており、前記第1の伝動アセンブリが2つ設けられており、前記第2の伝動アセンブリは、前記回転部材に回動接続された2つの前記伝動ロッドを含み、2つの前記マッサージ機構は、前記ガイド機構および前記第1の伝動アセンブリにそれぞれ接続され、2つの前記ガイド機構は、前記伝動ロッドにそれぞれ接続され、2つの前記伝動ロッドは、いずれも前記回転部材に回動接続されていることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項10】
前記第2の伝動アセンブリは、前記第2の回転軸に接続された2つの前記回転部材を含み、2つの前記回転部材は、交互配置され、2つの前記伝動ロッドは、前記回転部材にそれぞれ回動接続されていることを特徴とする、請求項9に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置の技術分野に属し、特にマッサージ調節構造およびマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ器は、一般的には、揉むことによって血液循環を促し、コリをほぐすことにより病気予防の目的を達成する。よく見られる肩頸部マッサージ器のマッサージ方式は、モーターが偏心カムを回動させ、偏心カムがさらにマッサージヘッドを回動させるため、マッサージの範囲が偏心カムの回転範囲内のみとなり、大きな範囲のマッサージを実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術におけるマッサージヘッドのマッサージ範囲が偏心カムの回転範囲内にしかなく、大きな範囲のマッサージを実現することができないという技術的課題を解決するために、マッサージ調節構造およびマッサージ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のとおりに実現される。
摺接部材を含むガイド機構と、マッサージホルダーと、前記マッサージホルダーに接続されマッサージするために用いられるマッサージヘッドと、前記マッサージホルダーに接続された駆動ロッドと、を含み、前記マッサージホルダーは、第1の端および第2の端を有し、前記第1の端は、前記駆動ロッドにヒンジ接続され、前記第2の端には摺接溝が設けられており、前記摺接溝は、前記駆動ロッドの方向に延在し、前記摺接部材は、前記摺接溝内に摺接するマッサージ機構と、前記駆動ロッドを円周運動させ、前記摺接部材を往復運動させるための駆動機構と、を含み、前記駆動ロッドは、前記第1の端を円周運動させ、前記摺接部材は、前記第1の端が円周運動するときに前記摺接溝を介して前記第2の端を往復運動させ得て、前記往復運動する方向の一部は、前記第1の端が円周運動する際に前記第1の端が通過する領域を通過しないマッサージ調節構造である。
【0005】
さらに、前記マッサージホルダーは、摺動台と、前記摺動台に回動接続されたヒンジ接続軸と、前記ヒンジ接続軸に接続されたヒンジ接続台と、を含み、前記ヒンジ接続軸の回動軸線は、前記駆動ロッドの回動軸線に垂直であり、前記摺動台には、前記摺接溝が設けられ、前記駆動ロッドが接続されており、前記マッサージヘッドは、前記ヒンジ接続台に接続されており、前記ヒンジ接続台は、前記ヒンジ接続軸の回動軸線周りに回動し得る。
【0006】
さらに、前記ガイド機構は、前記摺接溝の延在方向に対して交差する方向に前記摺接部材を案内するスライドレールをさらに含み、前記駆動機構は、前記駆動ロッドに接続された第1の伝動アセンブリと、前記摺接部材に接続された第2の伝動アセンブリと、前記第1の伝動アセンブリおよび前記第2の伝動アセンブリの動きを駆動するための駆動装置と、を含み、前記駆動装置は、前記第1の伝動アセンブリを介して前記駆動ロッドを円周運動させ、前記第2の伝動アセンブリを介して前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させる。
【0007】
さらに、前記第1の伝動アセンブリは、第1の回転軸と、前記第1の回転軸に接続され前記駆動装置に接続された第1の伝動歯車と、を含み、前記駆動装置は、前記第1の伝動歯車を前記第1の回転軸の軸線周りに回動させ得て、前記駆動ロッドは、前記第1の伝動歯車に回動接続され、その軸線は前記第1の回転軸の軸線と平行であり、離間して設けられている。
【0008】
さらに、前記第2の伝動アセンブリは、第2の回転軸と、前記第2の回転軸に接続され前記駆動装置に接続された第2の伝動歯車と、前記第2の回転軸に接続され前記第2の回転軸の回動に伴い回動可能な回転部材と、前記回転部材に回動接続され前記摺接部材に接続された伝動ロッドと、を含み、前記駆動装置は、前記第2の伝動歯車を駆動して前記第2の回転軸を回動させ得て、前記伝動ロッドは、前記回転部材の回動に伴い前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させ得る。
【0009】
さらに、前記回転部材は、円盤状であり、その円心からずれた偏心軸穴が設けられており、前記第2の回転軸は、前記偏心軸穴に挿設され、前記第2の回転軸は、前記回転部材を円周運動させ得て、前記スライドレールは、前記第2の回転軸の方向に延在し、前記伝動ロッドは、前記回転部材の円周運動に伴い前記摺接部材を前記スライドレールに沿って往復運動させ得る。
【0010】
さらに、前記第2の伝動アセンブリは、前記伝動ロッドに回動接続された補強ロッドをさらに含み、前記補強ロッドの一端は、前記第1の回転軸に回動接続され、その他端は、前記摺接部材に接続され、前記伝動ロッドは、前記第1の回転軸と前記摺接部材との間に接続されている。
【0011】
本発明は、上記マッサージ調節構造を含むマッサージ装置をさらに提供する。
【0012】
さらに、前記ガイド機構が2つ設けられており、前記マッサージ機構が2つ設けられており、前記第1の伝動アセンブリが2つ設けられており、前記第2の伝動アセンブリは、前記回転部材に回動接続された2つの前記伝動ロッドを含み、2つの前記マッサージ機構は、前記ガイド機構および前記第1の伝動アセンブリにそれぞれ接続され、2つの前記ガイド機構は、前記伝動ロッドにそれぞれ接続され、2つの前記伝動ロッドは、いずれも前記回転部材に回動接続されている。
【0013】
さらに、前記第2の伝動アセンブリは、前記第2の回転軸に接続された2つの前記回転部材を含み、かつ2つの前記回転部材は、交互配置され、2つの前記伝動部材は、1つの前記回転部材にそれぞれ回動接続されている。
【発明の効果】
【0014】
先行技術に対する本発明の技術的効果は、次のとおりである。本発明のマッサージ調節構造は、その摺接部材が摺接溝に摺接するため、摺接部材の往復運動によって、マッサージホルダーの摺接溝が設けられた第2の端を往復揺動させる。また、駆動ロッドの円周運動によって、マッサージホルダーの第1の端を円周運動させる。マッサージホルダーの第2の端の往復運動する部分の方向は、第1の端が円周運動する限定された領域を通過せず、このようにして、マッサージホルダーの第2の端が、第1の端に対して、この円周運動する限定された領域の周方向で揺動し、マッサージホルダーに比較的大きな動作範囲をもたせる。このようにすると、マッサージホルダーの両端がそれぞれ動かされ、マッサージホルダーが大きな範囲で動かされ、それに応じて、マッサージホルダー上のマッサージヘッドも大きな範囲で動かされることにより、大きな範囲のマッサージを実現する。摺接部材が駆動ロッドの周方向で摺動する過程で、第1の端の円周運動によって摺接部材が摺接溝内を往復摺動し、摺接溝は駆動ロッドの方向に延在している。これによって、マッサージ機構の第2の端がスライドレールの延在方向に沿って往復揺動するとともに、摺接溝の延在方向に沿って往復揺動し、マッサージ機構の動きの軌跡で3種類の動きの効果が結合され、ユーザは、より快適なマッサージ体験を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例の技術手法をより明晰に説明するために、次に本発明の実施例または先行技術の説明に対して用いられる図面について簡単に紹介する。次に説明する図面は、本発明の実施例の一部に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を行わない前提で、これらの図面に基づきその他の図面をさらに得られることは自明のことである。
【0016】
図1】本発明の実施例が提供する1つの視角でのマッサージ調節構造の立体構造図
図2】本発明の実施例が提供するもう1つの視角でのマッサージ調節構造の立体構造図
図3】本発明実施例が提供するマッサージ調節構造の分解図
図4】駆動ロッドは除去されている、本発明の実施例が提供するマッサージ機構の分解図
図5】本発明の実施例が提供するマッサージ装置の立体構造図
図6】本発明の実施例が提供するマッサージ装置の局所構造模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。前記実施例の例示は、図面において示し、始めから終わりまで同一または類似の記号で同一もしくは類似の要素または同一もしくは類似の機能を有する要素を表す。以下、図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明についての説明するに用いられることを目的としており、本発明に対する制限として理解されるべきではない。
【0018】
ここで、「第1」、「第2」などの用語は、説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を表すもしくは暗示するもの、または表す技術的特徴の数を暗示もしくは明示するものとして理解されるべきではない。そのため、「第1」、「第2」などによって限定された特徴は、1つまたは複数個の特徴を明示的または暗示的に含んでもよい。本発明の説明において、「複数」という用語の意味は、別段の明確で具体的な限定がある場合を除き、2つ以上である。
【0019】
本発明において、別段の明確な規定および限定がある場合を除き、「装着」、「つなぐ」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体化してもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接つないでもよく、中間的な媒体を介して間接的につないでもよく、2つの要素内部の連通であってもよく、2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0020】
本発明の目的、技術手法および長所をより明確にするため、以下、図面および実施例を合わせて、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0021】
図1から図3を参照し、本発明は、ガイド機構10と、マッサージ機構20と、駆動機構30と、を含むマッサージ調節構造を提供する。
【0022】
図1から図3を参照し、ガイド機構10は、帯状に延在するスライドレール11と、スライドレール11に摺接する摺接部材12と、を含む。本実施例では、摺接部材12は柱状である。
【0023】
図1から図3を参照し、マッサージ機構20は、マッサージホルダー21と、マッサージホルダー21の頂部に接続されマッサージするために用いられるマッサージヘッド22と、駆動機構30によって駆動され中心の周りを円周運動する駆動ロッド23と、を含む。図2および図4を参照し、マッサージホルダー21には、駆動ロッド23の方向に延在し摺接部材12と摺接する摺接溝201が設けられており、マッサージ機構20は、駆動ロッド23にヒンジ接続された第1の端と、摺接溝201が設けられた第2の端と、を有する。マッサージヘッド22は、複数設けることができ、摺接溝201の延在方向に沿って配列することができ、本実施例では、マッサージヘッド22は2つ設けられ、それぞれ第1の端および第2の端に位置し、マッサージヘッド22が最大範囲でのマッサージ効果を達成できるようにする。
【0024】
駆動機構30は、駆動ロッド23を円周運動させるために用いられ、駆動機構は、さらに摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させることができる。なお、駆動機構30は、1つのモーターを用いて2セットの減速歯車を介してそれぞれ駆動ロッド23および摺接部材12を動かしてもよく、2つのモーターを用いてそれぞれ駆動ロッド23および摺接部材12を動かしてもよい。
【0025】
スライドレール11は、摺接部材12を案内してその軌道内で往復運動させるために用いられる。摺接部材12は摺接溝201に摺接するため、摺接部材12の往復運動によって、マッサージホルダー21の摺接溝201が設けられた第2の端を往復揺動させる。また、駆動ロッド23の円周運動によって、マッサージホルダー21の第1の端を円周運動させる。マッサージホルダー21の第2の端の往復運動する方向の一部は、第1の端が円周運動する限定された領域を通過せず、このようにして、マッサージホルダー21の第2の端が、第1の端に対して、この円周運動する限定された領域の周方向で揺動し、マッサージホルダー21に比較的大きな動作範囲をもたせる。このようにして、マッサージホルダー21の両端がそれぞれ動かされ、マッサージホルダー21が大きな範囲で動かされ、それに応じて、マッサージホルダー21上のマッサージヘッド22も大きな範囲で動かされることにより、大きな範囲のマッサージを実現する。摺接部材12が駆動ロッド23の周方向で摺動する過程で、第1の端の円周運動によって摺接部材12が摺接溝201内を往復摺動し、摺接溝201は駆動ロッド23の方向に延在している。これによって、マッサージ機構20の第2の端がスライドレール11の延在方向に沿って往復揺動するとともに、摺接溝201の延在方向に沿って往復揺動し、マッサージ機構20の運動軌跡で3種類の動きの効果が結合され、ユーザは、より快適なマッサージ体験を得ることができる。
【0026】
なお、摺接部材12は、マッサージホルダー21の第2の端を揺動することができればよく、必ずしもスライドレール内に設ける必要はない。摺接部材12が伸縮シリンダーによって押し動かされる場合、摺接部材12自体がすでに往復運動することができ、さらにスライドレール11を別途設ける必要はない。
【0027】
図4を参照し、好ましくは、マッサージホルダー21は、摺動台211と、摺動台211に回動接続されたヒンジ接続軸212と、ヒンジ接続軸212に接続されたヒンジ接続台213と、を含む。ヒンジ接続軸212の回動軸線は、駆動ロッド23の回動軸線に垂直である。摺動台211には、摺接溝201が設けられ、駆動ロッド21が接続されている。マッサージヘッド22は、ヒンジ接続台213に接続されている。ヒンジ接続台213は、ヒンジ接続軸212の回動軸線の周りに回動することができる。摺動台211は、ヒンジ接続台213の回動に対して、回動範囲を制限する作用を奏する。マッサージ機構20がマッサージの動作を開始すると、人体のマッサージ部位が平らでないため、マッサージヘッド22と人体との接触面は、マッサージ中に傾斜し、高さが変化する。本発明は、ヒンジ接続軸212の周りを回動可能なヒンジ接続台213を設けることにより、マッサージヘッド22がマッサージ部位の高さの起伏につれてマッサージ面の傾斜角を調整できるようにし、マッサージヘッド22が常にマッサージ部位に接するようにする。よって、異なるユーザおよび異なるマッサージ部位の使用要求に適合しており、マッサージの快適さを高めることができる。
【0028】
図1から図2を参照し、駆動機構30は、駆動ロッド23に接続された第1の伝動アセンブリ32と、摺接部材12に接続された第2の伝動アセンブリ33と、第1の伝動アセンブリ32および第2の伝動アセンブリ33の動きを駆動するための駆動装置31と、を含む。駆動装置31は、第1の伝動アセンブリ32を介して駆動ロッド23を円周運動させ、第2の伝動アセンブリ33を介して摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させる。駆動装置31は、モーターまたはシリンダーなどの動力装置とすることができ、駆動装置31は、2つとし、それぞれ第1の伝動アセンブリ32および第2の伝動アセンブリ33を駆動してもよい。本実施例では、駆動装置31はモーターであり、モーターの回転軸にはウォームが接続され、モーターは、ウォームを介して、その運動エネルギーを同時に第1の伝動アセンブリ32および第2の伝動アセンブリ33に伝達することができ、第1の伝動アセンブリ32を駆動して駆動ロッド23を円周運動させ、第2の伝動アセンブリ33を駆動して摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させることができる。好ましくは、モーターは、少なくとも1つのウォームを有し、ウォームは、第1の伝動アセンブリ32と第2の伝動アセンブリ33の動きを同時に駆動するために用いられる。モーターの両端にはそれぞれ2つのウォームを有してもよく、第1の伝動アセンブリ32と第2の伝動アセンブリ33とが衝突することを防止するために、2つのウォームをそれぞれ第1の伝動アセンブリ32と第2の伝動アセンブリ33を駆動するように用いてもよい。
【0029】
図1から図3を参照し、具体的には、第1の伝動アセンブリ32は、第1の回転軸321と、第1の回転軸321に回転(回動)接続され駆動装置31に接続された第1の伝動歯車322と、を含む。第1の伝動歯車322には、ウォームの回転が第1の減速アセンブリ323を介して伝達され、駆動装置31は、第1の伝動歯車322を第1の回転軸321の軸線周りに回動させることができる。駆動ロッド23は、第1の伝動歯車322に回動接続され、その軸線は第1の回転軸321の軸線と平行であり、離間して設けられている。このようにして、駆動装置31が第1の伝動歯車322を第1の回転軸321周りに回動させると、第1の伝動歯車322が駆動ロッド23を動かし、第1の回転軸321を円心として円周運動させることができ、マッサージ機構20の第1の端のマッサージ効果を実現する。
【0030】
図1から図3を参照し、具体的には、第2の伝動アセンブリ33は、第2の回転軸331と、第2の回転軸331に固定接続されかつ駆動装置31に接続された第2の伝動歯車332と、第2の回転軸331に接続されかつ第2の回転軸331の回動に伴い回動可能な回転部材333と、回転部材333に回動接続されかつ摺接部材12に接続された伝動ロッド334と、を含む。第2の伝動歯車332は、ウォームと噛合してもよく、他の部材を介してウォームと間接的に接続してもよい。当該他の部材は、第1の伝動アセンブリであってもよい。駆動装置31は、第2の伝動歯車332を駆動して第2の回転軸331を回動させることができ、伝動ロッド334は、回転部材333の回動に伴い摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させることができる。このようにして、駆動装置31が第2の伝動歯車332を第2の回転軸331周りに回動させると、回転部材333が伝動ロッド334を往復運動させることができ、伝動ロッド334は、さらに摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させる。好ましくは、スライドレール11は、第2の回転軸331の方向に延在し、マッサージ機構20の第2の端の揺動を実現し、マッサージ機構20のマッサージ範囲を拡大する。
【0031】
選択可能に、回転部材333は、棒状であってもよく、その一端は第2の回転軸331に固定接続され、他端は伝動ロッド334に回動接続されていてもよい。このようにすると、伝動ロッド334と回転部材333との接続端が、回転部材333の回動に伴い円周運動することができる。
【0032】
好ましくは、図1から図3を参照し、本実施例において、回転部材333は円盤状または球状であり、その円心からずれた偏心軸穴が設けられており、すなわち、回転部材333は偏心カムである。第2の回転軸331は、偏心軸穴に挿設され、第2の回転軸331は、回転部材333を円周運動させることができ、伝動ロッド334は、回転部材333に被せられ、回転部材333の円周運動に伴い摺接部材12をスライドレール11に沿って往復運動させることができる。偏心カムは、回動の信頼性を高め、自体を回転軸として伝動ロッド334に接続することができるため、さらに回転軸を設ける必要がなく、空間を節約し、部品数を減らすことができ、取り付けに便利である。
【0033】
図1から図3を参照し、第2の伝動アセンブリ33は、伝動ロッド334に回動接続された補強ロッド335をさらに含み、補強ロッド335の一端は第1の回転軸321に回動接続され、他端は摺接部材12に接続されている。伝動ロッド334は、第1の回転軸321と摺接部材12との間に接続されており、すなわち、補強ロッド335の中央に接続されている。伝動ロッド334は、補強ロッド335を介して摺接部材12に接続されている。第1の回転軸321の位置が変わらないため、伝動ロッド334が往復運動する過程において、補強ロッド335は、第1の回転軸321の軸線を回動軸線として回動する。そのため、摺接部材12から第1の回転軸321までの距離が、伝動ロッド334と補強ロッド335との接続端から第1の回転軸321までの距離よりも大きくなり、すなわち、摺接部材12の回転半径が伝動ロッド334と補強ロッド335との接続端の回転半径よりも大きくなる。つまり、補強ロッド335の設置によって、摺接部材12の運動範囲が拡大され、マッサージ機構20でより大きなマッサージ範囲が得られるようになり、ユーザのマッサージ体験が増強される。
【0034】
図1から図3を参照し、好ましくは、第1の伝動アセンブリ32は、駆動装置31と第1の伝動歯車322とを接続するための第1の減速アセンブリ323と、駆動装置31と第2の伝動歯車332とを接続するための第2の減速アセンブリ336と、をさらに含む。第1の減速アセンブリ323は、駆動装置の出力動力を小さくし、第1の伝動歯車322の回転率を小さくするために用いられ、第2の減速アセンブリ336は、駆動装置の出力動力を小さくし、第2の伝動歯車332の回転率を小さくするために用いられる。第1の減速アセンブリ323および第2の減速アセンブリ336は、いずれもウォームと噛合する複数の歯車であり、第1の伝動歯車322は第1の減速アセンブリ323に噛合し、第2の伝動アセンブリ33は第2の減速アセンブリ336に噛合し、第1の減速アセンブリ323および第2の減速アセンブリ336はマッサージ機構20の運動速度を遅くする。このようにして、ユーザは、よりよいマッサージ体験を得ることができる。より好ましくは、本実施例において、第2の減速アセンブリ336は、第1の減速アセンブリ323を介してウォームに接続される。このようにすると、空間をさらに節約できるだけでなく、第2の伝動歯車332の運動速度をさらに遅くすることができ、すなわち、摺接部材12の運動速度をさらに遅くすることができ、マッサージ効果をよりよいものとすることができる。
【0035】
図1から図3を参照し、好ましくは、スライドレール11は、弧形を呈し、第1の回転軸321とは逆の方向に突出している。より好ましくは、第1の回転軸321は、スライドレール11に対応する円心に位置する。このようにすると、スライドレール11における摺接部材12の運動速度がより均一になり、突然速くなったり遅くなったりすることが回避され、ユーザのマッサージ体験がさらに増強される。
【0036】
図5から図6を参照し、本実施例は、ケーシング40と、ケーシング40に接続され上述した各実施例で提供するマッサージ調節構造と、を含むマッサージ装置をさらに提供する。このマッサージ調節構造は、上述した各実施例におけるマッサージ調節構造と同じ構造特徴を有し、奏する作用は同じであり、ここでは詳しく述べない。
【0037】
図6を参照し、本実施例では、ガイド機構10が2つ設けられており、マッサージ機構20が2つ設けられており、第1の伝動アセンブリ32が2つ設けられており、第2の伝動アセンブリ33は、回転部材333に回動接続された2つの伝動ロッド334を含み、2つのマッサージ機構20は、ガイド機構10および第1の伝動アセンブリ32にそれぞれ接続され、2つのガイド機構10は、伝動ロッド334にそれぞれ接続され、2つの伝動ロッド334は、いずれも回転部材333に回動接続されている。このようにすると、駆動装置31は、2つの第1の駆動アセンブリを同時に動かすことができ、取り付けスペースを節約することができる。2セットのマッサージ機構20を対称に設けることにより、ユーザの背中を同時にマッサージすることができ、よりよい動きの効果を達成することができる。
【0038】
図6を参照し、好ましくは、第2の伝動アセンブリ33は、第2の回転軸331に接続された2つの回転部材333を含み、2つの回転部材333は、交互配置され、2つの伝動部材は、1つの回転部材333にそれぞれ回動接続されている。このようにして、マッサージ機構20のマッサージ動作を対称にし、運動方向を逆にすることができ、取り付けスペースを節約し、部品の取り付けを減らすことができる。
【0039】
本発明のマッサージ装置は、2つのマッサージ機構20が同時に対称に動作することにより、ユーザの背中を対称にマッサージすることができ、ユーザのマッサージ体験をよりよいものとすることができ、マッサージ効果をより快適なものにすることができる。
【0040】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の趣旨および原則で行われるいかなる変更、均等の入れ替えおよび改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0041】
10 ガイド機構
11 スライドレール
12 摺接部材
20 マッサージ機構
201 摺接溝
21 マッサージホルダー
211 摺動台
212 ヒンジ接続軸
213 ヒンジ接続台
22 マッサージヘッド
23 駆動ロッド
30 駆動機構
31 駆動装置
32 第1の伝動アセンブリ
321 第1の回転軸
322 第1の伝動歯車
323 第1の減速アセンブリ
33 第2の伝動アセンブリ
331 第2の回転軸
332 第2の伝動歯車
333 回転部材
334 伝動ロッド
335 補強ロッド
336 第2の減速アセンブリ
40 ケーシング
図1
図2
図3
図4
図5
図6