(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】リハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するためのデバイス及び方法と、ベッドに接続されるリハビリテーション機構を動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20240222BHJP
A61G 7/08 20060101ALI20240222BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A61H1/02 Z
A61G7/08
A61H3/00 Z
(21)【出願番号】P 2021528406
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 DE2019101001
(87)【国際公開番号】W WO2020103983
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】102018129370.4
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518093178
【氏名又は名称】リアクティブ ロボティックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ケーニヒ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ペイル,ヘルフリート
(72)【発明者】
【氏名】シュラファー,ラモナ スザンナ
(72)【発明者】
【氏名】グロッセ-ダンカー,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】オシュワルド,ヘルムート
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-225264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
A61G 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リハビリテーション機構(30)をベッド(80
)に可逆的に接続するためのデバイス(1)であって、前記デバイス(1)は、少なくとも、
前記リハビリテーション機構(30)
に取り付けられ、前記リハビリテーション機構(30)を前記ベッド(80)に接続するための、少なくとも1つの接続要素(31)と、
前記ベッド(80)の側面に及び/または脚端(801)に配置
され、前記接続要素(31)と係合する、少なくとも1つの受容ユニット(12)と、
前記リハビリテーション機構(30)を前記ベッド(80)に向かうように及び前記ベッド(80)から離れるように搬送するための搬送手段(13)
と、を含み、
前記搬送手段(13)
は前記ベッド(80)の高さ
に合わせて位置を調節可能であり、
前記ベッド(80)の横側(81)において、接続フレーム(11)は、少なくとも、前記横側(81)の一部に沿って延在して配置され、
前記接続フレーム(11)は、前記1つ以上の受容ユニット(12)に対して旋回軸(113)を中心に旋回可能に搭載され、
前記少なくとも1つの受容ユニット(12)、または、いくつかの受容ユニット(12)がある場合、少なくとも1つの受容ユニット(12)は、前記接続フレーム(11)と接続するように構成され、前記少なくとも1つの受容ユニット(12)のロック及びロック解除を行う、ロックデバイス(121)を備え、
前記少なくとも1つの受容ユニット(12)と相互作用するための、または、いくつかの受容ユニット(12)がある場合、少なくとも1つの受容ユニット(12)と相互作用するための、前記搬送手段(13)に配置されるトリガ手段(134)を備え、
前記搬送手段(13)は、前記リハビリテーション機構(30)を
前記受容ユニット(12)に対して解放するために
、前記搬送手段(13)上に配置された前記トリガ手段(134)が前記ベッド(80)に近づくと、前記ベッド(80)上に配置された前記接続フレーム(11)に対して押し、前記リハビリテーション機構(30)を前記受容ユニット(12)に対して固定するために、前記搬送手段(134)が前記ベッド(80)から離れる間に、前記トリガ手段(134)によって前記ロックデバイス(121)に及ぼされる圧力が減少することによる、前記搬送手段(13)
と前記少なくとも1つの受容ユニット(12)と
の間の相互作用
を引き起こすように、または、いくつかの受容ユニット(12)がある場合、少なくとも1つの受容ユニット(12)と
の間の相互作用
を引き起こすように構成される
ことを特徴とするデバイス(1)。
【請求項2】
前記デバイスは、
前記リハビリテーション機構(30)
に取り付けられ、前記リハビリテーション機構(30)を前記ベッド(80)に接続するための、2つの接続要素(31)と、
前記ベッド(80)の
長手方向軸(85)
に対して対称な側に配置
される2つの受容ユニット(12)と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記接続フレーム(11)は2つの受容ユニット(12)を相互に堅固に接続す
ることを特徴とする、請求項1
または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記接続フレーム(11)は、
前記リハビリテーション機構(30)を前記受容ユニット(12)に対して固定するために、前記搬送手段(13)と前記少なくとも1つの受容ユニット(12)の前記相互作用を引き起こす、少なくとも1つのロックプレート(114)を備えることを特徴とする、請求項
1~3のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの受容ユニット(12)、または、いくつかの受容ユニット(12)がある場合、少なくとも1つの受容ユニット(12)は、前記リハビリテーション機構(30)
に取り付けられる前記接続要素(31)を受けるための開口(122
)を有することを特徴とする、請求項1~
4のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記開口(122)は床に向かって先細りになることを特徴とする、請求項5に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記ベッ
ドに向いてい
る前記開口(122)
の内面(1221)は、プラスチックから作られる及び/またはプラスチックでコーティングされることを特徴とする、請求項
5または6に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記ロックデバイス(121)は、少なくとも1つの
押圧要素(1211)及びバネ要素(1212)を含み、
前記
押圧要素(1211)は、前記リハビリテーション機構(30)の前記接続フレーム(11)に及び前記接続要素(31)
に接続するように設計され、
前記バネ要素(1212)は前記
押圧要素(1211)
に対抗力を与えるように設計されることを特徴とする、請求項
1~7のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの受容ユニット(12)は、
前記リハビリテーション機構(30)が前記少なくとも1つの受容ユニット(12)に適切に接続されている、または接続されていないかに関する情報をベッド(80)の垂直
移動機構と交換するための少なくとも1つの手段(123)を有し、前記少なくとも1つの手段(123)は、リハビリテーション機構(30)の接続要素(31)と
前記相互作用を引き起こすように構成されることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記搬送手段(13)は
、
前記リハビリテーション機構(30)を支持するための固定のまたは高さ調節可能な支持フレーム(133)と
、
を含むことを特徴とする、請求項1~
9のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記搬送手段(13)は
、
前記ベッド(80)に対して前記搬送手段(13)をセンタリングするための手段(135)と
、
を備えることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記搬送手段(13)は、
リハビリテーション機構(30)に取り付けられる傾斜防止デバイス(32)と係合する保持要素(132)と、
を備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
前記搬送手段(13)は、
制御信号を前記リハビリテーション機構(30)と交換するように構成される制御ユニット(131)と、
を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
リハビリテーション機構(30)をベッド(80
)に可逆的に接続するための、
リハビリテーション機構(30)の作動方法であって、前記方法では、
リハビリテーション機構(30)は搬送手段(13)に配置され、搬送位置(T)において、ベッド(80)に搬送され、
前記リハビリテーション機構(30)は、高さ調節可能な搬送手段(13)及び/または高さ調節可能なベッドを用いて、第1の接続位置(V1)に移動し、
前記リハビリテーション機構(30)は、前記搬送手段(13)及び/または前記高さ調節可能なベッド(80)を用いて、前記第1の接続位置(V1)から第2の接続位置(V2)まで移動し、
前記搬送手段(13)は少なくとも1つの受容ユニット(12)と相互作用し、前記受容ユニット(12)は、前記受容ユニット(12)をロック解除するために、前記ベッド(80)の側面に及び/または脚端(801)に配置でき、
前記リハビリテーション機構(30)は、前記高さ調節可能な搬送手段(13)及び/または前記高さ調節可能なベッド(80)を用いて、前記第2の接続位置(V2)から第3の接続位置(V3)まで移動し、
前記リハビリテーション機構(30)に配置される少なくとも1つの接続要素(31)は、前記少なくとも1つの受容ユニット(12)
と接続し、または、いくつかの受容ユニット(12)がある場合、少なくとも1つの受容ユニット(12)
と接続し、
前記高さ調節可能な搬送手段(13)及び/または前記高さ調節可能なベッド(80)は、前記第3の接続位置(V3)から前記搬送位置(T)まで移動し、
前記搬送手段(13)は前記ベッド(80)から離れて移動する、
リハビリテーション機構(30)の作動方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載のデバイス(1)
を用いた、ベッド(80
)に接続されるリハビリテーション機構(30)
の作動方法であって、
前記搬送手段(13)は、制御信号を前記リハビリテーション機構(30)と交換するように構成される少なくとも1つの制御ユニット(131)を備え、
前記少なくとも1つの受容ユニット(12)は、
前記リハビリテーション機構(30)が前記少なくとも1つの受容ユニット(12)に適切に接続されている、または接続されていないかに関する情報をベッド(80)の垂直
移動機構と交換するための少なくとも1つの手段(123)を有し、前記少なくとも1つの手段(123)は、前記リハビリテーション機構(30)の接続要素(31)と
前記相互作用を引き起こすように構成され、
前記方法では、前記リハビリテーション機構(30)は、
前記リハビリテーション機構(30)に配置される少なくとも1つの接続要素(31)と、前記ベッド(80)の前記側面に及び/または前記脚端(801)に配置できる少なくとも1つの受容ユニット(12)との間で直接結合を介して、制御データを前記ベッド(80)の垂直
移動機構と交換する、
あるいは、
前記リハビリテーション機構(30)に配置される少なくとも1つの接続要素(31)と、前記ベッド(80)の前記側面に及び/または前記脚端(801)に配置できる少なくとも1つの受容ユニット(12)との間で直接結合を介して、制御データを、前記ベッド(80)の垂直機構と及び前記搬送手段(13)に配置される制御ユニット(131)と交換する、
リハビリテーション機構(30)の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リハビリテーション機構をベッド(具体的には、垂直位置に運ぶことができる病院用ベッド)に可逆的に接続するためのデバイス及び方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、ベッド、好ましくは、垂直位置に運ぶことができるベッドによって接続されたリハビリテーション機構を動作させるための方法に関し、本方法は、搬送手段に配置される制御ユニットを使用する。
【背景技術】
【0003】
寝たきり患者(具体的には、意識的または無意識に関わらず、医学的な理由で、いずれかの時間の長さで患者自身によりベッドから降りることができない患者として、下文に理解される)のキネシオセラピーの自動化について、様々なデバイスは、後で、ロボットを用いて、患者の肢(具体的には、脚)を自動的に及び患者の体重の少なくともの一部の影響を受けながら移動させるために、寝たきり患者を水平位置から傾斜位置まで運ぶことを可能にする先行技術から既知である。例えば、国際公開第00/61069号では、高さ及び傾きが調節可能であり、患者の脚を移動させるための駆動機構を有する起立台が開示されており、その技術によって、集中訓練は、患者の脊髄の移動の中心をアクティブにするために実行できる。しかしながら、この種類の起立台を使用する前に、患者は、まず、ユーザの病院用ベッドから係るデバイス上に移送される必要があり、その手順は、具体的には、例えば、カテーテルまたはケーブル接続を介して他の医療装置に接続される集中治療患者の場合、時間がかかり、患者に不快感を生じさせる、または、さらに医療的に問題が生じ得る。さらに、独国特許発明第102015117596号明細書では、寝たきり患者のためのリハビリテーション機構、当該機構を制御するための方法、及びリハビリテーション機構を備えるベッドが開示されており、セラピストによってリハビリテーション機構をベッドに手動で固定し、再度、同様に取り外す必要がある。
【0004】
したがって、この問題に対抗するために、キネシオセラピーを実行するために従来型病院用ベッドまで運ぶことができ、再度、キネシオセラピーを実行した後に離れて移動できる、移動ロボットが開発されている。例えば、特開2005-334385号公報では、病院用ベッドの側面に押すことができる訓練デバイスが開示されている。対照的に、独国特許出願公開第4113135号明細書では、台車を用いて、脚を受動的に移動させるために、病院用ベッドの脚端まで移動する治療デバイスが開示されている。上記に説明したように、両方のデバイスでは、各々の移動ロボットは、キネシオセラピー中に各々の搬送手段に堅固に接続されたままであり、これにより、体重の影響を受けるキネシオセラピーに関連して、これらの移動ロボットの操作性に制限が課される。独国特許出願公開第102016115982号明細書では、ベッドの縦側の水平位置から傾斜位置までベッド、特に、病院用ベッドを移送させるためのデバイス、すなわち、従来式ベッドを垂直にするためのデバイスが開示されている。一実施形態では、本デバイスは、また、寝たきり患者と相互作用するためのリハビリテーション機構を提供し、一構成では、リハビリテーション機構は、搬送手段、特に、台車を用いて、本特許文献に開示されているデバイスの固定部まで搬送でき、当該固定部に動作可能に接続できる。ここでは、リハビリテーション機構は、ベッドに接続されないが、固定部の受容デバイスに接続される。結果として、独国特許出願公開第102016115982号明細書の教示に従ったリハビリテーション機構に接続されるベッドは、決してリハビリテーション機構と一緒に移動できないが、代わりに、デバイスの固定部に常に結合される不利点をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第00/61069号
【文献】独国特許発明第102015117596号明細書
【文献】特開2005-334385号公報
【文献】独国特許出願公開第4113135号明細書
【文献】独国特許出願公開第102016115982号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この説明を基に説明を進めると、本発明の目的は、移動ロボットの移動利用のためのデバイスを利用可能にすることであり、本デバイスを先行技術に対して改善し、具体的には、体重の影響を受けるキネシオセラピーに関連して、各々の移動ロボットの使用を可能にすることである。
【0007】
この目的は、まず第一に、独立項の請求項1及び独立項の請求項14の特徴を有する、リハビリテーション機構をベッド、特に、垂直位置に運ぶことができるのが好ましい病院用ベッドに可逆的に接続するためのデバイス及び方法を用いて、また、追加の独立項の請求項15の特徴を有する、係るデバイスによってベッド、好ましくは、垂直位置に運ぶことができるベッドに接続されるリハビリテーション機構を動作させるための方法によって達成される。個々にまたは相互に組み合わせて使用できるさらなる利点をもたらす実施形態及び開発は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従ったデバイスは、少なくとも、リハビリテーション機構に配置される少なくとも1つの接続要素と、ベッドの側面に及び/または脚端に配置できる少なくとも1つの受容ユニットであって、受容ユニットは接続要素に設計上対応する、少なくとも1つの受容ユニットと、リハビリテーション機構をベッドに向かうように及びベッドから離れるように搬送するための搬送手段であって、搬送手段及び/またはベッドの高さは調節可能であり、搬送手段は、リハビリテーション機構を解放及び固定するために、搬送手段が少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように構成される、搬送手段と、を含む。
【0009】
本発明に従ったデバイスは、従来型病院用ベッド、特に、垂直位置に運ぶことができ、具体的には、また、高さが調節可能でもあり得る病院用ベッドへのリハビリテーション機構の容易で、速い、可逆的な接続を可能にする利点をもたらす。したがって、多くの場合に購入するのに高価である移動ロボットまたはリハビリテーション機構は、1日の過程において異なるベッドでいくつかのキネシオセラピーセッションのために使用できる。また、既存のベッドは、本発明に従った受容ユニットを設置することによって、迅速に及びコスト効率良く据え付けでき、ひいては、ロボットシステムによって据え付けることもできる利点をもたらす。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、本デバイスは、リハビリテーション機構に配置される2つの接続要素と、ベッドの縦軸の異なる側に配置できるのが好ましい2つの受容ユニットと、を有し得ることで利点をもたらす。リハビリテーション機構に配置される2つの接続要素と、ベッドの縦軸の異なる側に配置できるのが好ましい2つの受容ユニットとの相互作用により、ベッドの横側の領域の力の均一分布を可能にする利点をもたらす。この場合、リハビリテーション機構に生じる力は、ベッド、特に、リハビリテーション機構のモータの近くの長い側の受容ユニットに大部分が直接導入できる利点をもたらし、この力は、望ましくないこの力の発生に対抗し、ベッドとリハビリテーション機構との間の接続を安定させるのに貢献する利点をもたらす。さらに、受容ユニットまたは接続要素の縦配列は、搬送手段、好ましくは、台車の重心の近くにリハビリテーション機構の受容と、また、リハビリテーション機構の重心の近くでベッドにリハビリテーション機構の配列との両方を可能にし、これにより、更に、動作状態の配列全体の安定性を向上させる利点をもたらす。
【0011】
さらに好ましい実施形態では、リハビリテーション機構をベッドに接続するために及び/またはリハビリテーション機構をベッドから取り外すために、搬送手段は少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように構成できる、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように構成できる。このように構成される搬送手段は、第三者によるさらなる介入の必要がなく、搬送手段と受容ユニットとの相互作用によって、少なくとも1つの受容ユニット、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットの1つ以上の接続要素の自動ロック及び自動ロック解除を可能にする利点をもたらし、ひいては、具体的には、接続手順中の動作の安全性を向上させる利点をもたらす。
【0012】
さらに、ベッドの横側において、接続フレームは横側の一部に沿って少なくとも延在して配置され、当該接続フレームは2つの受容ユニットを相互に堅固に接続し、及び/または当該接続フレームは1つ以上の受容ユニットに対して旋回軸を中心に旋回可能に搭載されることが好都合であることを証明している。
【0013】
接続フレームは、好ましくは接続フレームの縦方向に対して中央に、少なくとも1つのロックプレートを備える場合に利点がある。一方では、この種類の接続フレームは、2つの受容ユニットの場合、相互から設定距離にこれらを固定することを可能にする、それによって、例えば、全体的に各々のベッドに搭載できる従来型病院用ベッドを据え付けるために、自立構造ユニットを取得することが可能になる利点をもたらす。他方では、1つ以上の受容ユニットに対して旋回軸を中心に旋回可能に搭載される接続フレームは、搬送手段と接触することによって、搬送手段と1つ以上の受容ユニットとの間の相互作用を可能にする利点をもたらす。接続フレームが少なくとも1つのロックプレートも備える場合、搬送手段と1つ以上の受容ユニットとの間の相互作用により、ベッドに向かう搬送手段を移動させることによって及び/または搬送手段によってロックプレートに圧力をかけることによってトリガできる利点をもたらす。
【0014】
また、少なくとも1つの受容ユニット、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットは、接続フレームと動作接続するように構成されるロックデバイスを備えるのが好都合であることを証明している。受容ユニットがこの種類のロックデバイスを備える場合、受容ユニットのロック及びロック解除は、接続フレーム、特に、接続フレームのロックプレートにに作用することによってトリガできる利点をもたらす。
【0015】
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つの受容ユニット、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットは、リハビリテーション機構の接続要素を受けるための開口、好ましくは、床に向かって先細りになる開口を有することが好都合であることを証明している。この開口またはこれらの開口によって、リハビリテーション機構は、その接続要素または複数の接続要素を用いて、ベッドに、安定的に、ただし可逆的に接続できる。床に向かって先細りになる開口、ひいては、受容ユニットの上部で比較的幅広くなる開口は、リハビリテーション機構が搬送手段によって各々のベッドに向かって移動するとき、接続要素を受容ユニットに容易に「ねじ締め」することを可能にする利点をもたらし、リハビリテーション機構の配向の利点をもたらすさらなる許容差範囲は、横方向に及びいずれかの傾きがある場合(ベッドの横側が、リハビリテーション機構の横側に対して傾きがある場合)の両方で、接続手順中に生じる。また、開口または複数の開口を先細りにすることで、リハビリテーション機構のある種類の自己センタリング機構を提供することで利点をもたらし、ベッドに対してその機構の位置を定義することで利点をもたらし、それにより、ユーザにとって、接続手順をより容易にする。
【0016】
また、ベッドに向いている内面にある開口がプラスチックから作られる及び/またはプラスチックでコーティングされる場合に利点がある。この構成の開口の内壁は、接続手順中に、接続要素と受容ユニットとの間で摩擦を減らす利点をもたらし、それによって、さらなる潤滑油を必要とすることなく、構成要素の機械的摩耗を減らすことができる。さらに、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等のプラスチックでコーティングされる内壁またはポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等のプラスチックから形成された内壁は、接続手順中に、摩擦によって生じるいずれかのノイズを減らし、ひいては、慎重に行動するべき病院エリアで使用される本発明に従ったデバイスを事前に決める。
【0017】
また、ロックデバイスが少なくとも1つのスタンプ要素及びバネ要素を含む場合に利点があり、スタンプ要素は、リハビリテーション機構の接続フレームに及び接続要素に動作接続するように設計され、バネ要素はスタンプ要素と相互作用するように設計される。この種類のロックデバイスは、自動ロック式の「常時ロック式」機構を形成することで利点をもたらし、このロック式機構は、具体的には、ベッドが傾斜位置にあるとき、すなわち、垂直化中に、受容ユニットから滑り落ちないように、リハビリテーション機構を固定する。リハビリテーション機構によってベッドにかけられる力が1つ以上のスタンプ要素を介して方向転換するため、バネ要素は無負荷のままにできる利点をもたらす。
【0018】
本発明のさらなる実施形態では、少なくとも1つの受容ユニットは、情報をベッドの垂直機構と交換するための少なくとも1つの手段を有し、少なくとも1つの手段は、リハビリテーション機構の接続要素と直接的または間接的に相互作用するように構成されることが好都合なことを証明している。情報を交換するための手段は、ベッドの垂直機構に、リハビリテーション機構、特に、その接続要素と1つ以上の受容ユニットとの間の接続の状態を示すことができる利点をもたらし、ひいては、安定接続があるときだけ、ベッドの垂直移動を可能にし得る。これは、誤りを回避し、ひいては、患者の安全性を高める役割を果たす利点をもたらす。
【0019】
さらに、ある実施形態では、搬送手段は、リハビリテーション機構を解放及び固定するために、搬送手段が接続フレームと相互作用でき、具体的には、さらに、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用できる、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用できるように構成されることで好都合なことを証明している。このように利点をもたらすように構成される搬送手段は、安全に実行される接続手順または解放手順を保証するために、搬送手段がベッドに十分近くに移動しているときだけ、ロックデバイスのロック機構が作動することを確実にする。
【0020】
さらに好ましい実施形態では、搬送手段は、少なくとも、リハビリテーション機構を支持するための固定のまたは高さ調節可能な支持フレームと、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するための、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと直接的または間接的に相互作用するためのトリガ手段とを含み得るのが好ましい。高さ調節可能な支持フレームは、各々の病院用ベッドのどんなものでも、搬送手段によって高度差を補償することを可能にする利点をもたらす。各々の病院用ベッドはパッシブのままにでき、ベッドと搬送手段との間のいずれかの通信デバイスを節電する利点をもたらす。固定支持フレームは、いずれかのレバー機構を用いないで、搬送手段を提供することを可能にする利点をもたらし、それにより、コスト及び支出を削減する。いずれの場合、多くの病院用ベッドの高さが調節可能であるため、搬送手段はパッシブのままにでき、前述と同様に、ベッドと搬送手段との間のいずれかの通信デバイスを節電する利点をもたらす。最後に、しかしながら、搬送手段及びベッドの高さは、それぞれ、調節可能でもあるように設計できる。次に、ベッドと搬送手段との間の通信デバイスが、場合により、係る設計における追加要件を表し得る場合でさえ、前述と同様に、レバー機構に関する節電を可能にする高さが動く距離を分割できる利点をもたらす。
【0021】
最後に、本デバイスの実施形態は、搬送手段が、ベッドに対して搬送手段をセンタリングするための手段と、リハビリテーション機構の傾斜防止デバイスと相互作用するための保持要素と、及び/または制御信号をリハビリテーション機構と交換するように構成される制御ユニットと、を含むのが好ましいことで好都合であることを証明している。搬送手段をセンタリングするための手段は、接続手順に適切であるベッドの横側に対してベッドに向かう及びある位置へのリハビリテーション機構の急速の移動を容易にする利点をもたらす。保持要素は、具体的には、搬送手段の搬送中に、リハビリテーション機構が前方に傾斜することを防止する利点をもたらす。最後に、搬送手段が制御ユニットを備える場合、リハビリテーション機構は、さらなる制御デバイスの必要がなく、搬送手段から制御できる利点をもたらす。
【0022】
リハビリテーション機構をベッド、特に、垂直位置に運ぶことができる病院用ベッドに可逆的に接続するための本発明に従った方法は、以下の点で、該当の種類の他の方法と区別される。
-リハビリテーション機構は搬送手段に配置され、搬送位置において、ベッドに搬送する。
-リハビリテーション機構は、高さ調節可能な搬送手段及び/または高さ調節可能なベッドを用いて、第1の接続位置に移動する。
-リハビリテーション機構は、搬送手段及び/または高さ調節可能なベッドを用いて、第1の接続位置から第2の接続位置まで移動し、
-搬送手段は少なくとも1つの受容ユニットと相互作用し、受容ユニットは、受容ユニットをロック解除するために、ベッドの側面に及び/または脚端に配置できる。
-リハビリテーション機構は、高さ調節可能な搬送手段及び/または高さ調節可能なベッドを用いて、第2の接続位置から第3の接続位置まで移動し、
-リハビリテーション機構に配置される少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つの受容ユニットと動作接続する、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと動作接続する。
-高さ調節可能な搬送手段及び/または高さ調節可能なベッドは、第3の接続位置から搬送位置まで移動する。
-搬送手段はベッドから離れて移動する。
【0023】
本発明に従った方法は、従来型病院用ベッド、特に、垂直位置に運ぶことができる病院用ベッドへのリハビリテーション機構の容易で、速い、可逆的な接続を可能にする利点をもたらし、本方法の各ステップにおける、ユーザの可能である最高の安全性を確実にする。
【0024】
最後に、本発明は、また、上記に説明したデバイスによって、ベッド、特に、垂直位置に運ぶことができる病院用ベッドに接続されるリハビリテーション機構を動作させるための方法に関し、搬送手段は、制御信号をリハビリテーション機構(30)と交換するように構成される少なくとも1つの制御ユニットを備え、少なくとも1つの受容ユニットは、情報をベッドの垂直機構と交換するための少なくとも1つの手段を有し、少なくとも1つの手段は、リハビリテーション機構の接続要素と直接的または間接的に相互作用するように構成される。
【0025】
本発明に従った動作方法は、リハビリテーション機構が、リハビリテーション機構に配置される少なくとも1つの接続要素と、ベッドの側面に及び/または脚端に配置できる少なくとも1つの受容ユニットとの間で直接結合を介して、制御データをベッドの垂直機構と交換する点で、該当の種類の他の動作方法と区別される。代替として、本発明に従った動作方法は、リハビリテーション機構が、リハビリテーション機構に配置される少なくとも1つの接続要素と、ベッドの側面に及び/または脚端に配置できる少なくとも1つの受容ユニットとの間で直接結合を介して、制御データをベッドの垂直機構と及び搬送手段に配置される制御ユニットと交換する点で、該当の種類の他の動作方法と区別される。利点をもたらすように本発明に従った動作方法は、追加デバイスの必要がなく、搬送手段から直接、リハビリテーション機構の調整済のユーザが利用し易い制御、随意に、垂直機構の制御を可能にし、存在する場合、ベッドのリフト機構の制御を可能にする。
【0026】
本発明の追加の詳細及びさらなる利点は、添付の概略図と併せて、好ましい例示的な実施形態に基づいて下記に説明されるが、本発明はその実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】本発明に従ったデバイスの実施形態の側面図を示す。
【
図2】本発明に従った搬送手段の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】拡大斜視図で、
図2の搬送手段の支持フレームを示す。
【
図4a】2つの受容ユニットが配置される、接続フレームの実施形態の斜視図を示す。
【
図4b】
図4aの接続フレーム及び受容ユニットの平面図を示す。
【
図4c】
図4aの接続フレーム及び受容ユニットの背面図を示す。
【
図5b】
図5aの受容ユニットを通るA-Aに沿った断面を示す。
【
図5c】
図5a及び
図5bの受容ユニットを通るB-Bに沿った断面を示す。
【
図6】接続要素が配置される、リハビリテーション機構の実施形態の一部の側面図を示す。
【
図7a】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【
図7b】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【
図7c】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【
図7d】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【
図7e】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【
図7f】本発明に従ったリハビリテーション機構をベッドに可逆的に接続するための方法の第1の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明では、同一の引用符号は、同じまたは同等の構成要素を示す。
【0029】
図1aは、本発明に従ったデバイス1の実施形態の側面図を示す。
図1bは、
図1aのデバイスを斜視図で示す。デバイス1は、リハビリテーション機構30に配置される少なくとも1つの接続要素31(ここでは、例えば、接続ブレードとして示される)と、ベッド80の脚端801に配置できる少なくとも1つの受容ユニット12とを備え、受容ユニット12は接続要素31、特に、接続ブレードに対応して設計される。デバイス1は、また、リハビリテーション機構30に配置される2つの接続要素31と、ベッド80の縦軸85の異なる側に配置できるのが好ましい2つの受容ユニット12と、を備えるのが好ましい。
【0030】
さらに、本発明に従ったデバイス1は、リハビリテーション機構30をベッド80に向かうように及びベッド80から離れるように搬送するための少なくとも搬送手段13を含み、搬送手段及び/またはベッド80の高さが調節可能であるように設計でき、搬送手段13は、リハビリテーション機構を解放及び固定するために、搬送手段13が少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように、または、いくつかの受容ユニットがある場合、少なくとも1つの受容ユニットと相互作用するように構成される。搬送手段13は、例えば、台車として設計できる利点をもたらし、搬送手段13を用いて、リハビリテーション機構30を快適に及びかなり楽に移動できる。搬送手段13(具体的には、台車)は、高さ調節デバイス1331、好ましくは、伸縮自在デバイスを備え得ることで利点をもたらし、それによって、リハビリテーション機構30は、移動中、また、ベッド80から遠くに置かれているとき、床の近くに比較的低位置に運ぶことができる利点をもたらし、ひいては、搬送手段13及びリハビリテーション機構30から成るシステムでは、比較的低い重心が発生する可能性があり、それによって、システム全体の傾斜に対する安全性を向上させる利点をもたらす。代替として、搬送手段13または台車は、具体的には、高さ調節可能なベッド80と一緒に使用されるとき、固定設計でもあり得る。
【0031】
図2は、本発明に従った搬送手段13の実施形態の斜視図を示す。搬送手段13は、少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用することによって、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、接続フレーム11及び/もしくは少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用することによって、具体的には、リハビリテーション機構30を解放及び固定するために、少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用することによって、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用することによって、リハビリテーション機構30をベッド80に接続するように及び/またはリハビリテーション機構30をベッド80から取り外すように構成される場合に利点がある。この目的のために、トリガ手段134は、少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用するための、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12と直接的または間接的に相互作用するための搬送手段13に配置できるのが好ましい。
図2に示されるように、トリガ手段134は、搬送手段13の支持フレーム133の下に配置できる。さらに、搬送手段13は、ベッド80に対して搬送手段13をセンタリングするための手段135を含み得ることで利点をもたらし、手段135は、搬送手段13の支持フレーム133の下に配置されることも好ましく、V字形またはU字形の設計を有することで利点をもたらし、それにより、手段135はベッド80の一部と相互作用できる。さらに、搬送手段13に、リハビリテーション機構30の傾斜防止デバイス32と相互作用するための保持要素132と、及び/または制御信号をリハビリテーション機構30と交換するように構成される制御ユニット131とが配置されることでも利点をもたらし得る。
【0032】
図3は、
図2の搬送手段13の支持フレーム133の拡大斜視図を示す。ここで示される支持フレーム133(搬送中に少なくとも部分的にリハビリテーション機構30を支持できる)は、傾斜防止デバイス32の保持要素132を含むのが好ましく、保持要素132は、更に、リハビリテーション機構30に配置でき、リハビリテーション機構30の背面に配置できるのが好ましい(
図1参照)。
【0033】
図4a~
図4cでは、2つの受容ユニット12が配置される接続フレーム11の実施形態は、斜視図(
図4a)で、平面図(
図4b)で、及び背面図(
図4c)で示される。ここで示される接続フレーム11は、2つの受容ユニット12を相互に堅固に接続することで利点をもたらし、その結果として、ある種類のモジュールが形成される。さらに、接続フレーム11は、2つの受容ユニット12に対して旋回軸113を中心に旋回可能に搭載される。この代わりに、少なくとも1つの受容ユニット12もしくは2つの受容ユニット12または接続フレーム11は、また、ベッド80に個々に、好ましくは、ベッド80の側面に及び/または脚端801に配置できる(図示しない)。モジュール配置の場合、
図4a~
図4cに示されるように、モジュール全体は、ベッド80の横側81に配置できるのが好ましい。接続フレーム11は、少なくとも横側81の一部に沿って、好ましくは、横側81の全体に沿って延在することで利点をもたらす。具体的に
図4aに見られるように、接続フレーム11は、少なくとも1つのロックプレート114を備えることで利点をもたらし、ロックプレート114は、接続フレーム11の縦方向に対して中央に配置されるのが好ましい。さらに、1つ以上の翼要素115は、接続フレーム11の横側112の一方または両方に配置される場合に利点がある(
図4a参照)。
【0034】
図5a~
図5cは、側面図(
図5a)で、受容ユニット12を通るA-Aに沿った断面(
図5b)として、及び受容ユニット12を通るB-Bに沿った断面(
図5c)として、受容ユニット12の実施形態を示す。
【0035】
少なくとも1つの受容ユニット、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12は、リハビリテーション機構30の接続要素31を受けるための開口122、好ましくは、床に向かって先細りになる開口を有し得ることが分かる。好ましくはベッドに向いている内面1221にある開口122は、プラスチック、特に、テフロン(登録商標)から作ることができる、及び/またはプラスチック、特に、テフロン(登録商標)でコーティングできる。ここで示される受容ユニット12は、さらに、少なくとも1つのスタンプ要素1211及びバネ要素1212を有するロックデバイス121を備える。
図5cでは、スタンプ要素1211は、例えば、ほぼ長方形、好ましくは固体構成要素として設計でき、固体構成要素は、好ましくは受容ユニット12自体の開口122の方向に、具体的には、接続要素31、好ましくは、接続ブレードとして設計されるが通過できる細長開口を有することが分かる。このように、スタンプ要素1211は、接続要素31と動作接続できる利点をもたらす。さらに、スタンプ要素1211の一端、特に、ベッド80から離れる方向に向かう端は、受容ユニット12の遠くの横側開口を通って現れ得ることで利点をもたらし、ひいては、接続フレーム11、好ましくは、接続フレーム11の翼要素または複数の翼要素115に動作接続するようにアクセス可能である。さらに、スタンプ要素1211の他端において、好ましくは、ベッド80に向いている端において、スタンプ要素1211と相互作用するように設計されるバネ要素1212を配置できる利点をもたらし、好ましくは、対抗力がスタンプ要素1211に、ひいては、バネ要素1212にかけられないとき、スタンプ要素1211を受容ユニット12の横側開口から外に押すことが可能である事実によって利点をもたらす。
【0036】
少なくとも1つの受容ユニット12、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12は、さらに、情報をベッド80の垂直機構と交換するための少なくとも1つの手段123を有し得、手段123は、リハビリテーション機構30の接続要素31と直接的または間接的に相互作用するように構成される。情報交換のための係る手段123は、例えば、センサであり得、センサは、受容ユニット12の内側のスタンプ要素1211の位置を検出し、ベッド80に統合できる垂直機構に、リハビリテーション機構30が受容ユニット12に適切に接続される、または接続されないかに関する情報を独立して供給する。この情報は、垂直化手順の開始が制御されないことを防ぐことによって、患者の安全性を向上できる利点をもたらす。
【0037】
図6は、接続要素31が配置される、リハビリテーション機構30の実施形態の一部の側面図を示す。接続要素31は、ここでは、いわゆる接続ブレードとして設計され、各々の受容ユニット12の開口122に挿入でき、同様に、床に向かって先細りになる開口122の形状により、接続要素31自体が接続プロセス中に開口122の内側の適切な位置に実質的に移動する。また、ここに示される接続要素31は、具体的には「ロック」で、好ましくは形状に適合する係合によって、スタンプ要素1211との相互作用を増強する役割を果たす切り欠きを有する。
【0038】
最後に、
図7a~
図7fは、本発明に従ったリハビリテーション機構30をベッド80に可逆的に接続するための方法の例示的順序を示す一連のイメージを示す。
【0039】
第1の方法ステップでは、リハビリテーション機構30は高さ調節可能な搬送手段13に配置され、搬送位置Tにおいて、ベッド80に搬送される(
図7a)。この搬送位置Tの床からのリハビリテーション機構30の距離は小さくなるように選ばれるのが好ましく、これにより、リハビリテーション機構30及び搬送手段13から成るシステムの重心は可能な限り低く、すなわち、具体的には、床の近くにある。この搬送位置Tでは、リハビリテーション機構30は、支持フレーム133によって支えられるのが好ましく、リハビリテーション機構に配置される傾斜防止デバイス32に係合する搬送手段13に配置される保持要素132によって、搬送中に下向きになる傾斜に対して安定させる。
【0040】
さらなる方法ステップでは、リハビリテーション機構30は、高さ調節可能な搬送手段13を用いて、搬送位置Tから第1の接続位置V1に移動する(
図7b)。この目的のために、リハビリテーション機構30は、好ましくは高さ調節デバイス1331を用いて、具体的には、伸縮自在デバイスを用いて、ある高さに運ばれるのが好ましく、それにより、リハビリテーション機構30に配置される接続要素31は、ベッド80に配置される受容ユニット12に上から挿入できる。
【0041】
さらなる方法ステップでは、リハビリテーション機構30は、高さ調節可能な搬送手段13を用いて、第1の接続位置V1から第1の接続位置V2に移動する(
図7c)。ここでは、搬送手段13は少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用し、搬送手段13は、受容ユニット12をロック解除するように、ベッド80の側面に及び/または脚端801に配置でき、これは、搬送手段13に配置されるトリガ手段134がベッド80に近づくとき、搬送手段13は、ベッド80に配置される接続フレーム11に対して、特に、接続フレーム11に配置されるロックプレート114に対して押すという事実によって実現する。接続フレーム11に配置される翼要素15は、受容ユニット12のロックデバイス121、特に、ロックデバイス121のスタンプ要素1211と相互作用できる利点をもたらし、リハビリテーション機構30の接続要素31または複数の接続要素31に接続するための受容ユニット12を解放できる。
【0042】
さらなる方法ステップでは、リハビリテーション機構30は、高さ調節可能な搬送手段13を用いて、第2の接続位置V2から第3の接続位置V3に移動し、リハビリテーション機構30に配置される少なくとも1つの接続要素31は、少なくとも1つの受容ユニット12と動作接続する、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12と動作接続する(
図7d)。
【0043】
最後に、1つの方法ステップでは、高さ調節可能な搬送手段13は、第3の接続位置V3から搬送位置Tまで移動し(
図7e)、最後の方法ステップでは、高さ調節可能な搬送手段13はベッド80から離れて移動する(
図7f)。搬送手段13がベッド80から離れて移動している間、トリガ手段134によってロックデバイス121、特に、スタンプ要素1211にかけられる圧力も減少し、好ましくは受容ユニット12に配置されるバネ要素1212は、スタンプ要素1211をその開始位置(ロック位置)に戻すように移動でき、ひいては、リハビリテーション機構30を受容ユニットまたは複数の受容ユニット12に固定できる。リハビリテーション機構30をベッド80から外すために、説明される方法ステップは、逆の順序で実行できるのが好ましい。
【0044】
本発明に従ったリハビリテーション機構30をベッド80に可逆的に接続するための方法の順序の第2の例(ここでは明示的に示されない)では、代替として、または加えて、高さ調節可能なベッド80をある高さまで下げることが可能であり、それにより、リハビリテーション機構30に配置される接続要素31は、ベッド80に配置される受容ユニット12に上から挿入できる。高さ調節可能なベッドは、固定の、ひいては、コスト効果が高い搬送手段13の使用も可能にする利点をもたらす。
【0045】
この目的のために、1つの方法ステップでは、リハビリテーション機構30は搬送手段13に配置され、搬送位置Tにおいて、ベッド80に搬送できる。次に、高さ調節可能なベッド80は第1の接続位置V1まで移動できる。さらなる方法ステップでは、高さ調節可能なベッド80は、第1の接続位置V1から第2の接続位置V2まで移動でき、搬送手段13は少なくとも1つの受容ユニット12と相互作用し、受容ユニット12は、受容ユニット12をロック解除するように、ベッド80の側面に及び/または脚端801に配置できる。ここで、高さ調節可能なベッド80は、第2の接続位置V2から第3の接続位置V3まで移動でき、リハビリテーション機構30に配置される少なくとも1つの接続要素31は、少なくとも1つの受容ユニット12と動作接続し、または、いくつかの受容ユニット12がある場合、少なくとも1つの受容ユニット12と動作接続する。最後に、最後の方法ステップでは、高さ調節可能なベッド80は、第3の接続位置V3から搬送位置Tまで移動し、高さ調節可能な搬送手段13はベッド80から離れて移動できる。
【0046】
デバイス1を動作させるために、上記に説明したように可逆的に接続するための本発明に従った方法では、リハビリテーション機構30は、リハビリテーション機構30に配置される少なくとも1つの接続要素31と、ベッド80の側面に及び/または脚端801に配置できる少なくとも1つの受容ユニット12との間で直接結合によって、制御データを、ベッド80の垂直機構と及び/または搬送手段13に配置される制御ユニット131と交換することが可能である。データ交換は有線接続を介してまたは無線で行われ得る。
【0047】
本発明は、リハビリテーション機構30をベッド80、特に、垂直位置に運ぶことが可能であるように設計されるのが好ましい病院用ベッドに可逆的に接続するためのデバイス1及び方法に関する。デバイス1は、少なくとも、リハビリテーション機構30に配置される少なくとも1つの接続要素31と、ベッド80の側面に及び/または脚端801に配置できる少なくとも1つの受容ユニット12であって、受容ユニット12は接続要素31に設計上対応する、少なくとも1つの受容ユニット12と、リハビリテーション機構30を固定されたまたは好ましくは高さ調節可能なベッド80に向かうように及びベッド80から離れるように搬送するための固定されたまたは好ましくは高さ調節可能な搬送手段13と、を含む。本発明は、さらに、本発明に従ったデバイス1によって、ベッド80に接続されるリハビリテーション機構30を動作させるための方法に関する。本発明は、従来型病院用ベッド80、特に、垂直位置に運ぶことができる病院用ベッドへのリハビリテーション機構30の容易で、速い、可逆的な接続を可能にする利点をもたらす。本発明は、具体的には、キネシオセラピーのためのロボットシステムにより既存のベッド80を迅速に及び安価に据え付けるのにも適切である。
【符号の説明】
【0048】
1 デバイス
11 接続フレーム
111 接続フレーム11の縦側
112 接続フレーム11の横側
113 旋回軸
114 ロックプレート
115 翼要素
12 受容ユニット
121 ロックプレート
1211 スタンプ要素
1212 バネ要素
122 開口
1221 内面
123 情報をベッド80の垂直機構と交換するための手段
13 搬送手段(台車)
131 制御ユニット
132 傾斜防止デバイス32の保持要素
133 支持フレーム
1331 支持フレーム133の高さ調節器
134 トリガ手段
135 センタリング手段
30 リハビリテーション機構
31 接続要素
32 傾斜防止デバイス
80 ベッド(具体的には、介護ベッド、病院用ベッド、病床ベッド、また集中治療用ベッド)
801 脚端(ベッド80の端)
81 横側
82 縦側
85 縦軸