(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240222BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240222BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/792
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2019234892
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山川 雄太
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158813(JP,A)
【文献】特許第6595732(JP,B1)
【文献】特開2018-051219(JP,A)
【文献】特開2015-058157(JP,A)
【文献】特許第6505914(JP,B1)
【文献】特開2017-131325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部、
として機能させ
、
前記上限抽選実行処理部は、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
前記情報処理装置を、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する特典付与処理部、
としてさらに機能させ、
前記開始要求受付処理部は、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記上限抽選実行処理部は、
前記プレイヤが支払った前記第2の対価の量に基づいて前記上限値の決定の仕方を変動させるように、前記上限抽選を実行する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記上限抽選実行処理部は、
前記プレイヤが支払った前記第2の対価の量が多いほど前記上限値が所定のしきい値よりも低い値となる確率が高くなるように、前記上限抽選を実行する、
請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記上限抽選実行処理部は、
前記プレイヤが支払った前記第2の対価の量が多いほど前記規定値からの変動幅が大きくなるように、前記上限抽選を実行する、
請求項
1又は
2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
情報処理装置を、
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部、
として機能させ、
前記上限抽選実行処理部は、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
前記情報処理装置を、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する特典付与処理部、
としてさらに機能させ、
前記開始要求受付処理部は、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記特典付与処理部は、
所定の有効期間が設定された電子商品を購入するための前記第2の対価を支払った前記プレイヤに対して前記特典を付与し、
前記情報処理装置を、
前記上限抽選により決定した前記上限値の効力を前記有効期間の間持続させる効力持続処理部、
としてさらに機能させる、
ゲームプログラム。
【請求項5】
前記特典付与処理部は、
月単位で前記有効期間が設定された前記電子商品を購入した前記プレイヤに対して前記特典を付与する、
請求項
4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付けるステップと、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行するステップと、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与するステップと、
を有
し、
前記上限抽選を実行するステップは、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
前記ゲーム処理方法は、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与するステップをさらに有し、
前記開始要求を受け付けるステップは、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記上限抽選を実行するステップは、
前記プレイヤが支払った前記第2の対価の量に基づいて前記上限値の決定の仕方を変動させるように、前記上限抽選を実行する、
ゲーム処理方法。
【請求項7】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付けるステップと、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行するステップと、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与するステップと、
を有し、
前記上限抽選を実行するステップは、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
前記ゲーム処理方法は、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与するステップをさらに有し、
前記開始要求を受け付けるステップは、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記特典を付与するステップは、
所定の有効期間が設定された電子商品を購入するための前記第2の対価を支払った前記プレイヤに対して前記特典を付与し、
前記ゲーム処理方法は、
前記上限抽選により決定した前記上限値の効力を前記有効期間の間持続させるステップをさらに有する、
ゲーム処理方法。
【請求項8】
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部と、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部と、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部と、
を有
し、
前記上限抽選実行処理部は、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する特典付与処理部をさらに有し、
前記開始要求受付処理部は、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記上限抽選実行処理部は、
前記プレイヤが支払った前記第2の対価の量に基づいて前記上限値の決定の仕方を変動させるように、前記上限抽選を実行する、
情報処理装置。
【請求項9】
コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部と、
前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部と、
前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部と、
を有し、
前記上限抽選実行処理部は、
前記上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように前記上限抽選を実行し、
所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する特典付与処理部をさらに有し、
前記開始要求受付処理部は、
前記特典が使用された場合に前記開始要求を受け付け、
前記特典付与処理部は、
所定の有効期間が設定された電子商品を購入するための前記第2の対価を支払った前記プレイヤに対して前記特典を付与し、
前記上限抽選により決定した前記上限値の効力を前記有効期間の間持続させる効力持続処理部をさらに有する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された端末機器によりプレイされるいわゆるオンラインゲームにおいて、ゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等のコンテンツが、偶然性を利用してコンテンツの種類が決まる方法によってユーザに提供される、抽選ゲーム(いわゆるガチャ)が知られている。
【0003】
抽選ゲームの一例として、例えば特許文献1には、コンピュータ装置を、ユーザの操作に基づいて通常媒体抽選が要求されたことを契機として通常媒体抽選を行うとともに、通常媒体抽選が行われた回数が所定の天井回数となった場合に特別媒体抽選を行う抽選実行手段として機能させ、抽選実行手段は、通常媒体抽選が行われた回数が天井回数に到達するまでに通常媒体抽選にて所定媒体のうちのいずれかが当選した場合には、特別媒体抽選を行うことなく、つぎの天井回数を回数抽選で決定し、通常媒体抽選が行われた回数が天井回数に到達するまでに通常媒体抽選にて所定媒体が当選しなかった場合には、ユーザに付与する所定媒体を特別媒体抽選を行って決定するとともに、つぎの天井回数を回数抽選で決定するコンピュータプログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばプレイヤの欲するアイテムが期間限定で抽選ゲームのコンテンツとして提供されるような場合には、その期間にコンテンツを容易に取得できるようにしたいというニーズが生じる。しかしながら、上記従来技術では、プレイヤが望むタイミングで天井回数を決定する回数抽選を実行することはできないため、上記ニーズを満たすことはできなかった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤが望むタイミングで特定のコンテンツの取得を容易化することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部、前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部、前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付けるステップと、前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行するステップと、前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与するステップと、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、前記コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部と、前記開始要求を受け付けた場合に、前記上限抽選を実行する上限抽選実行処理部と、前記実行回数又は前記第1の対価の累積値が前記上限抽選により決定した前記上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、プレイヤが望むタイミングで特定のコンテンツの取得を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表す図である。
【
図2】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】上限抽選実行処理部による上限抽選の実行の一例を表す説明図である。
【
図4】上限抽選実行処理部による上限抽選の実行の他の例を表す説明図である。
【
図5】課金パックの選択画面の一例を表す図である。
【
図6】課金パックの購入画面の一例を表す図である。
【
図9】コンテンツ抽選の結果画面の一例を表す図である。
【
図10】交換アイテムの選択画面の一例を表す図である。
【
図11】サーバ装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図12】サーバ装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによって操作される複数の端末装置3(
図1では1つのみ図示)と、サーバ装置5を有する。端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、
図1ではサーバ装置5が単一のコンピュータで構成されているが、複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型電話機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで所望の操作入力を行う。
【0015】
タッチパネル7の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ、レバー、ジョイスティック等の入力部を備えてもよい。また、スピーカー等の音声出力部を備えてもよい。
【0016】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ装置5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0017】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0018】
<2.サーバ装置の機能的構成>
次に、
図2を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0019】
図2に示すように、サーバ装置5は、コンテンツデータベース9と、対価データベース11と、上限データベース13と、開始要求受付処理部15と、上限抽選実行処理部17と、累積処理部19と、上限到達判定処理部21と、報酬付与処理部23と、特典付与処理部25と、効力持続処理部27とを有する。
【0020】
コンテンツデータベース9には、サーバ装置5で実行される抽選ゲームごとに、当該抽選ゲームで提供される複数のコンテンツが複数の種別に分類されて格納されている。「コンテンツ」とは、各種のゲーム上で使用可能なゲームキャラクタ(キャラクターカード等を含む)やアイテム(例えば武器、防具、装具、ゲーム内通貨、各種効能を備えた物品、道具等)等である。「種別」とは、各コンテンツをゲーム内での価値(例えば稀少度、能力、効能値等)に応じて分類するために設定された種別のことであり、例えば「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」等の名称で呼称される。各種別には、当選確率100%が適宜の割合で配分される。なお、抽選ゲームは、それ自体が単独のゲームとして実行されてもよいし、例えばロールプレイングゲームやシミュレーションゲーム、アクションゲーム等、その他の種類のゲーム上にて実行されてもよい。また、コンテンツデータベース9には、プレイヤごとに保管庫(図示省略)が設定されており、当該保管庫にプレイヤが獲得したコンテンツが格納される。
【0021】
対価データベース11には、プレイヤごとに、各プレイヤが支払った対価に関する情報が登録されている。「対価」とは、例えば課金に応じて支払った現実のお金や、プレイヤが消費したゲーム内通貨やアイテム等のことをいう。なお、消費するゲーム内通貨やアイテムには、プレイヤが有償で取得したものと無償で取得したものが含まれる。本実施形態では、コンテンツ抽選の実行に伴って支払った対価を「第1の対価」といい、プレイヤが所定の電子商品等を購入するために支払った対価を「第2の対価」といい、これらを区別して記載する。「対価に関する情報」とは、例えば現実のお金の金額や、プレイヤが消費したゲーム内通貨やアイテム等の種類や消費量のことをいう。
【0022】
上限データベース13には、プレイヤごとに、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、コンテンツ抽選の実行に伴って支払われる第1の対価、の少なくとも一方の上限値が登録されている。なお、「実行回数」には、単なる回数だけでなく、回数と同等の内容を表す情報(例えばコンテンツ抽選を1回実行する毎に1ポイント付与されるポイント数等)も含まれる。「上限値」は、各プレイヤにおいて累積された実行回数又は第1の対価が当該上限値に到達した場合に、プレイヤに対して所定の報酬が付与されるように設定されたパラメータである(いわゆる天井値)。詳細は後述するが、上限値は予め設定された規定値(各プレイヤで共通の値)が上限抽選により変動するようになっており、上限データベース13には上限値の規定値に加えてプレイヤごとの変動値が記録されている。
【0023】
開始要求受付処理部15は、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける。本実施形態では、コンテンツを抽選して当選したコンテンツをプレイヤに提供することを「コンテンツ抽選」といい、当該コンテンツ抽選の実行回数やコンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価の上限値を抽選によって決定することを「上限抽選」といい、これらを区別して記載する。「開始要求」とは、プレイヤが上限抽選の開始を指示するために行う操作入力のことである。なお、開始要求は、ボタンを押す等のプレイヤの操作入力のみに限定されるものではない。例えば、プレイヤがオンラインゲームにログインしたタイミングで開始要求を受け付けたと判定してもよい。
【0024】
上限抽選実行処理部17は、上記開始要求受付処理部15により開始要求を受け付けた場合に、上限抽選を実行する。上限抽選実行処理部17は、上限値が予め設定されていない場合には、上限値を新たに設定するように上限抽選を実行する。また、上限値が予め規定値として設定されている場合には、上限値を規定値よりも低い値に決定するように上限抽選を実行する。本実施形態では、上限抽選により上限値を規定値よりも低い値に決定する場合について説明する。なお、「規定値」は、上限値として予め設定された各プレイヤに共通の値である。具体的には、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量に基づいて上限値の決定の仕方を変動させるように、上限抽選を実行する。例えば、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限値が所定のしきい値よりも低い値となる確率が高くなるように、上限抽選を実行してもよい。また、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど規定値からの変動幅が大きくなるように、上限抽選を実行してもよい。
【0025】
図3及び
図4に、上限抽選実行処理部17による上限抽選の実行例を示す。
図3及び
図4は、プレイヤが第2の対価として月課金パック(電子商品の一例)の購入金額を支払う場合の例であり、この例では月額料金が800円である課金パック1、月額料金が1500円である課金パック2、月額料金が3000円である課金パック3が用意されている。これらの月課金パックは、月単位(例えば購入日から30日、1か月、3か月、6か月、12か月等。暦上の月を含む)で有効期間が設定された、プレイヤに対する所定の特典をパッケージした電子商品である。また、
図3及び
図4に示す例では、上限値は、実行回数と同等の内容を表すポイント(例えばコンテンツ抽選を1回実行する毎に1ポイント付与される。図中では「P」と表記)で設定されており、規定値は例えば300ポイントに設定されている。以下では、ポイントで設定された上限値のことを適宜「上限ポイント」という。
【0026】
図3は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限ポイントが所定のしきい値(この例では250ポイント)よりも低い値となる確率が高くなるように、上限抽選を実行する場合の例である。
図3に示すように、プレイヤが課金パック1を購入した場合には、規定値が300ポイントである上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が80%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が15%、150ポイント~200ポイントの間でランダムに決定される確率が5%に設定されている。同様に、プレイヤが課金パック2を購入した場合には、上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が60%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が30%、150ポイント~200ポイントの間でランダムに決定される確率が10%に設定されている。同様に、プレイヤが課金パック3を購入した場合には、上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が40%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が40%、150ポイント~200ポイントの間でランダムに決定される確率が20%に設定されている。このように、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限ポイントが所定のしきい値(この例では250ポイント)よりも低い値となる確率が高くなるように設定されている。
【0027】
図4は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限ポイントの規定値からの変動幅が大きくなるように上限抽選を実行する場合の例である。
図4に示すように、プレイヤが課金パック1を購入した場合には、規定値が300ポイントである上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が80%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が20%に設定されている。課金パック1では、150ポイント~200ポイント及び100ポイント~150ポイントについては設定されていない。一方、プレイヤが課金パック2を購入した場合には、上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が60%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が25%、150ポイント~200ポイントの間でランダムに決定される確率が15%に設定されている。すなわち、課金パック2では、100ポイント~150ポイントについては設定されていないものの、150ポイント~200ポイントの変動幅が新たに設定されている。他方、プレイヤが課金パック3を購入した場合には、上限ポイントが250ポイント~300ポイントの間でランダムに決定される確率が40%、200ポイント~250ポイントの間でランダムに決定される確率が30%、150ポイント~200ポイントの間でランダムに決定される確率が20%、100ポイント~150ポイントの間でランダムに決定される確率が10%に設定されている。すなわち、課金パック3では、100ポイント~150ポイントの変動幅が新たに設定されている。このように、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限ポイントの規定値からの変動幅が大きくなるように設定されている。なお、
図4に示す例は、
図3と同様に、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限ポイントが所定のしきい値(この例では250ポイント)よりも低い値となる確率が高くなるようにも設定されている。
【0028】
図2に戻り、累積処理部19は、プレイヤがコンテンツ抽選を実行する毎に、その実行回数、又は、コンテンツ抽選の実行に伴って支払われた第1の対価、の少なくとも一方を累積する。なお、実行回数として前述のポイントを累積する場合には、例えば当選したコンテンツが「ノーマル」である場合には1枚につき4ポイント、「レア」である場合には1枚につき2ポイントといったように、コンテンツの種別に応じて、単純な回数とは異なるポイントを累積してもよい。また、累積処理部19は、後述の報酬付与処理部23により報酬を付与した場合には、累積値を例えば0に初期化(リセット)する。
【0029】
上限到達判定処理部21は、上記累積処理部19により累積された実行回数又は第1の対価が、上記上限抽選実行処理部17により決定された上限値に到達したか否かを判定する。
【0030】
報酬付与処理部23は、上記上限到達判定処理部21により実行回数又は第1の対価の累積値が上限抽選により決定した上限値に到達したと判定した場合に、当該到達したプレイヤに対して報酬を付与する。「報酬」は、例えば所望のゲームキャラクタやアイテム等、プレイヤがゲームを進める上で有利になるものであればよい。例えば、プレイヤが所有するゲームキャラクタやアイテム等のパラメータが有利となるように変化してもよい。本実施形態では、報酬として、例えばプレイヤは上限値に到達したポイントを所望のアイテムと交換することができる。
【0031】
特典付与処理部25は、所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する。「所定の第2の対価」とは、前述のようにプレイヤが所定の有効期間(例えば購入日から30日、1か月、3か月、6か月、12か月等。暦上の月を含む)が設定された電子商品を購入するための対価のことをいう。「所定の有効期間が設定された電子商品」とは、本実施形態では例えば月課金パックのことであるが、これ以外にも期間限定で販売される有料アイテム等が含まれてもよい。「特典」は、例えば所定のアイテムやゲームキャラクタ等、当該アイテムやゲームキャラクタを使用することで上限抽選の開始を要求できるものであればよい。本実施形態では、特典として、例えば上限抽選の抽選チケットがプレイヤに付与される。上記開始要求受付処理部15は、特典が使用された場合に開始要求を受け付ける。
【0032】
効力持続処理部27は、上限抽選により決定した上限値の効力を有効期間の間持続させる。「有効期間」は、上記電子商品に設定された所定の有効期間と同じ期間であり、例えば月課金パックであれば購入日から30日あるいは1か月等である。なお、月課金パックを継続して購入することにより、有効期間を3か月、6か月、12か月等に延長することが可能である。効力持続処理部27は、有効期間が経過すると上限値の効力を失効させ、上限値を規定値に初期化する。
【0033】
なお、「有効期間」は、電子商品に設定された有効期間と必ずしも同じである必要はなく、電子商品に設定された有効期間に対応する期間としてもよい。例えば、月課金パックの有効期間が月の途中までである場合に、上限抽選により決定した上限値の効力の有効期間を例えばその月の月末まで等としてもよい。
【0034】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(
図12参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0035】
<3.ゲーム画面>
次に、
図5~
図10を用いて、本実施形態に係るゲーム画面の一例について説明する。
【0036】
図5に、課金パックの選択画面の一例を示す。
図5に示す例では、課金パックの選択画面29に、選択入力部31と、選択された課金パックを購入するか否かを指示するための「はい」ボタン35及び「いいえ」ボタン37とが表示されている。
【0037】
選択入力部31には、複数種類の課金パック、例えば月額料金が800円である課金パック1、月額料金が1500円である課金パック2、月額料金が3000円である課金パック3が特典内容と共に表示されている。プレイヤは、選択入力部31において、例えばいずれかの課金パックのラジオボタン39を操作することで課金パックを選択する。
図5は、例えば課金パック1が選択された状態を示している。なお、例えばチェックボックスや、表示欄自体を選択ボタンとする等、ラジオボタン以外の選択手段としてもよい。
【0038】
プレイヤにより「はい」ボタン35が操作された場合には、選択入力部31で選択された課金パックの購入が実行される。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン37が操作された場合には、課金パックの購入は実行されず、選択入力部31による選択はキャンセルされる。
【0039】
図6に、課金パックの購入画面の一例を示す。なお、
図6に示す課金パックの購入画面41は、上記課金パックの選択画面29において課金パック1が選択された上で「はい」ボタン35が操作された場合に表示される。
図6に示す例では、課金パックの購入画面41に、特典表示部43と、特典を使用するか否かを指示するための「はい」ボタン47及び「いいえ」ボタン49とが表示されている。
【0040】
特典表示部43には、例えば課金パック1の購入により、上限抽選を実行することができる上限抽選チケット51(特典の一例)が特典として付与されたことが表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン47が操作された場合には、上限抽選チケット51が使用され、開始要求受付処理部15が開始要求を受け付けて、上限抽選実行処理部17が上限抽選を実行する。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン49が操作された場合には、上限抽選チケット51は使用されず、例えば保管庫に格納される。この場合、プレイヤは任意のタイミングで上限抽選チケット51を使用できるようにしてもよい。
【0041】
図7に、上限抽選の実行中に表示される実行画面の一例を示す。なお、
図7に示す上限抽選の実行画面53は、上記課金パックの購入画面41において「はい」ボタン47が操作された場合に表示される。
図7に示すように、上限抽選の実行画面53には、上限ポイントの規定値を確認するための確認メッセージ55と、抽選結果表示部57とが表示されている。
図7に示す例では、上限抽選の実行中は抽選結果表示部57に例えば「?」が表示されている。
【0042】
図8に、上限抽選の結果を表す結果画面の一例を示す。
図8に示すように、上限抽選の結果画面59には、上述した抽選結果表示部57と、抽選結果(決定した上限ポイント)の効力の有効期間を確認するための確認メッセージ61とが表示されている。
【0043】
抽選結果表示部57には、上限抽選を実行した結果、決定した上限ポイントが表示される。
図8に示す例では、例えば220ポイントに決定されている。
【0044】
確認メッセージ61には、抽選結果の効力の有効期間が例えば「何月何日」という形で表示されている。この有効期間は、購入された課金パックに設定された有効期間と同じ期間であり、例えば月課金パックの購入日から30日(あるいは1月)である。確認メッセージ61に表示された有効期間が経過すると、効力持続処理部27により上限ポイントの効力が失効し、上限ポイントは規定値(この例では300ポイント)に初期化される。
【0045】
図9に、コンテンツ抽選の結果を表す結果画面の一例を示す。なお、
図9は、コンテンツ抽選の実行により累積されたポイントが、上記上限抽選により決定された上限ポイント(この例では220ポイント)に到達した場合の結果画面を示している。
図9に示すように、コンテンツ抽選の結果画面63には、当選コンテンツ表示部65と、上限ポイントに到達したポイントをアイテムと交換するか否かを指示するための「はい」ボタン69及び「いいえ」ボタン71とが表示されている。
【0046】
当選コンテンツ表示部65には、コンテンツ抽選を実行した結果、当選したコンテンツが表示される。
図9に示す例では、例えば「ノーマル」に分類されたキャラクターカードN-59が当選し、プレイヤに提供されている。
【0047】
コンテンツ抽選の結果画面63において、プレイヤにより「はい」ボタン69が操作された場合には、後述する交換アイテムの選択画面に遷移し、プレイヤは交換するアイテムを選択することができる。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン71が操作された場合には、アイテムとの交換がキャンセルされる。
【0048】
図10に、交換するアイテムの選択画面の一例を示す。なお、
図10に示す交換アイテムの選択画面73は、上記コンテンツ抽選の結果画面63において「はい」ボタン69が操作された場合に表示される。
図10に示す例では、交換アイテムの選択画面73に、選択入力部75と、交換を実行するか否かを指示するための「はい」ボタン79及び「いいえ」ボタン81とが表示されている。
【0049】
選択入力部75では、アイテムごとにレア度(稀少度)が例えば星の数(五つ星、四つ星等)で表示されている。プレイヤは、所望のアイテムの「選択する」ボタン83を操作することにより、アイテムを選択することができる。なお、例えば五つ星のアイテムは1つしか交換できないが、四つ星のアイテムは2つ交換できる等、レア度に応じて交換可能な個数を異ならせてもよい。
【0050】
プレイヤにより「はい」ボタン79が操作された場合には、報酬付与処理部23により、220ポイントが消費されると共に、選択入力部75で選択されたアイテムがプレイヤに付与される。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン81が操作された場合には、選択入力部75で選択されたアイテムはキャンセルされ、アイテムとの交換は中止される。この場合、220ポイントは消費されず、プレイヤの保有ポイントとして保持される。この場合、その後コンテンツ抽選が実行された場合にはポイントが220ポイントからさらに累積されることになるが、プレイヤは任意のタイミングで220ポイント分を消費して所望のアイテムと交換できるようにしてもよい。
【0051】
<4.情報処理装置の処理手順>
次に、
図11を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例を説明する。
【0052】
ステップS5では、サーバ装置5は、対価データベース11を参照し、プレイヤにより所定の第2の対価が支払われたか否かを判定する。所定の第2の対価は、例えば月課金パックの購入金額である。所定の第2の対価が支払われない場合には(ステップS5:NO)、本フローチャートを終了する。一方、所定の第2の対価が支払われた場合には(ステップS5:YES)、次のステップS10に移る。
【0053】
ステップS10では、サーバ装置5は、特典付与処理部25により、所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する。特典は、例えば上限抽選の抽選チケット等である。
【0054】
ステップS15では、サーバ装置5は、開始要求受付処理部15により、上記ステップS10で付与された特典が使用されたか否かを判定する。具体的には、例えば課金パックの購入画面41において特典の使用を指示するための「はい」ボタン47が操作されたか否かを判定する。なお、特典の使用は、ボタンを押す等のプレイヤの操作を受け付ける場合に限定されるものではない。例えば、プレイヤが特典を所有している場合において、オンラインゲームにログインしたタイミングで特典が使用されて開始要求を受け付けたと判定してもよい。特典が使用されない場合には(ステップS15:NO)、本フローチャートを終了する。一方、特典が使用された場合には(ステップS15:YES)、次のステップS20に移る。
【0055】
ステップS20では、サーバ装置5は、開始要求受付処理部15により、上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける。
【0056】
ステップS25では、サーバ装置5は、上限抽選実行処理部17により上限抽選を実行し、上限値を規定値よりも低い値となるように決定する。
【0057】
ステップS30では、サーバ装置5は、累積処理部19により、プレイヤがコンテンツ抽選を実行する毎に、その実行回数、又は、コンテンツ抽選の実行に伴って支払われた第1の対価、の少なくとも一方を累積する。
【0058】
ステップS35では、サーバ装置5は、上記ステップS30で累積された実行回数又は第1の対価が、上記ステップS25で決定された上限値に到達したか否かを判定する。上限値に到達していない場合には(ステップS35:NO)、後述のステップS50に移る。一方、上限値に到達した場合には(ステップS35:YES)、次のステップS40に移る。
【0059】
ステップS40では、サーバ装置5は、報酬付与処理部23により、実行回数又は第1の対価の累積値が上限値に到達したプレイヤに対して報酬を付与する。報酬は、例えば上限値に到達したポイントを所望のアイテムと交換できる等である。
【0060】
ステップS45では、サーバ装置5は、累積処理部19により、上記ステップS30で累積した実行回数又は第1の対価の累積値を例えば0に初期化する。
【0061】
ステップS50では、サーバ装置5は、効力持続処理部27により、上限抽選により決定した上限値の効力の有効期間が経過したか否かを判定する。有効期間は、例えば月課金パックの購入日から30日あるいは1か月等である。有効期間が経過していない場合には(ステップS50:NO)、先のステップS30に戻る。これにより、プレイヤは、上限抽選により決定した上限値の効力の有効期間の間に、何度もコンテンツ抽選を実行して実行回数又は第1の対価が上限値に到達するのを狙うことができる。一方、有効期間が経過した場合には(ステップS50:YES)、次のステップS55に移る。
【0062】
ステップS55では、サーバ装置5は、効力持続処理部27により、上記ステップS25で決定した上限値を規定値に初期化する。以上により、本フローチャートを終了する。
【0063】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
【0064】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、サーバ装置5を、コンテンツを抽選するコンテンツ抽選の実行回数、又は、コンテンツ抽選の実行に伴って支払う第1の対価、の上限値を抽選によって決定する上限抽選の開始を要求する開始要求を受け付ける開始要求受付処理部15、開始要求を受け付けた場合に、上限抽選を実行する上限抽選実行処理部17、実行回数又は第1の対価の累積値が上限抽選により決定した上限値に到達した場合に、報酬を付与する報酬付与処理部23、として機能させる。
【0065】
本実施形態では、プレイヤが上限抽選の開始要求を行うと、上限抽選が実行されて上限値が決定される。そして、プレイヤがコンテンツ抽選を実行する度に実行回数又は第1の対価が累積され、その累積値が上限抽選により決定した上限値に到達した場合に、プレイヤに報酬が付与される。上限抽選により上限値が設定されることで、上限値が設定されていない場合に比べて、望むコンテンツを取得するためのプレイヤの負担(抽選ゲームの実行回数や対価)が少なくなり、望むコンテンツの取得が容易となる。そして、プレイヤは上限抽選の開始を好きなタイミングで要求することができる。したがって、プレイヤが望むタイミングで特定のコンテンツの取得を容易化することができる。その結果、例えばプレイヤの欲するアイテムが期間限定で抽選ゲームのコンテンツとして提供されるような場合に、その期間にコンテンツを容易に取得できるようにすること等が可能となる。
【0066】
また、本実施形態では特に、上限抽選実行処理部17は、上限値を予め定められた規定値よりも低い値に決定するように上限抽選を実行する。これにより、上限抽選により上限値は規定値よりも確実に低くなるので、プレイヤは安心して上限抽選を実行することができる。さらに、上限値が確実に低下するという確実性効果の作用により、上限値付近まで抽選ゲームを実行するプレイヤの増加が見込め、収益の増加につなげることができる。
【0067】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与する特典付与処理部25としてさらに機能させ、開始要求受付処理部15は、特典が使用された場合に開始要求を受け付ける。
【0068】
本実施形態では、所定の第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典が付与され、プレイヤは当該特典を使用することで上限抽選を実行することができる。これにより、普段対価の支払いをしないプレイヤに対しても、上限抽選を実行するために対価の支払いをしようとするきっかけを与えることができ、ゲームの活性化や収益の増加につなげることができる。
【0069】
また、本実施形態では特に、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量に基づいて上限値の決定の仕方を変動させるように、上限抽選を実行する。
【0070】
これにより、例えばプレイヤの支払った第2の対価の量が多いほど上限値を低い値に決定すること等が可能となる。したがって、プレイヤに第2の対価の大小に応じた不公平感が生じるのを抑制できる。また、プレイヤは支払う第2の対価の量を多くすることで、望むコンテンツをより容易に取得することが可能となる。さらに、プレイヤに対し支払う第2の対価の量を多くしようとするきっかけを与えることができるので、さらなるゲームの活性化や収益の増加につなげることができる。
【0071】
また、本実施形態では特に、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど上限値が所定のしきい値よりも低い値となる確率が高くなるように、上限抽選を実行する。
【0072】
本実施形態では、プレイヤの支払った第2の対価の量が多いほど上限値が低い値となる確率が高まる。したがって、プレイヤは支払う第2の対価の量を多くすることで、上限値をより低い値として、望むコンテンツをより容易に取得することが可能となる。さらに、プレイヤに対し支払う第2の対価の量を多くしようとするきっかけを与えることができるので、さらなるゲームの活性化や収益の増加につなげることができる。
【0073】
また、本実施形態では特に、上限抽選実行処理部17は、プレイヤが支払った第2の対価の量が多いほど規定値からの変動幅が大きくなるように、上限抽選を実行する。
【0074】
本実施形態では、プレイヤの支払った第2の対価の量が多いほど上限値の規定値からの変動幅が大きくなる。したがって、プレイヤは支払う第2の対価の量を多くすることで、上限値をより低い値として、望むコンテンツをより容易に取得することが可能となる。さらに、プレイヤに対し支払う第2の対価の量を多くしようとするきっかけを与えることができるので、さらなるゲームの活性化や収益の増加につなげることができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、特典付与処理部25は、所定の有効期間が設定された電子商品を購入するための第2の対価を支払ったプレイヤに対して特典を付与し、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、上限抽選により決定した上限値の効力を有効期間の間持続させる効力持続処理部27、としてさらに機能させる。
【0076】
本実施形態では、上限抽選により決定した上限値は、プレイヤが第2の対価を支払って購入した電子商品に設定された有効期間の間は効力が持続し、有効期間の経過後は効力を失う。これにより、プレイヤはその有効期間の間に集中的にコンテンツ抽選を実行することで、望むコンテンツを取得することが可能となる。
【0077】
また、例えば1つのゲームプログラム内に複数種類の抽選ゲームが組み込まれている場合において、プレイヤが第1の抽選ゲームの上限到達を目当てに第2の対価を支払った場合でも、上限値が低下している間に他の第2の抽選ゲームの上限到達も目指そうとするきっかけをプレイヤに対し与えることができるので、第2の対価の支払を活発化させ、ゲームを活性化することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態では特に、特典付与処理部25は、月単位で有効期間が設定された電子商品を購入したプレイヤに対して特典を付与する。
【0079】
本実施形態では、プレイヤは、月課金パックの購入時期や、月課金パックを継続する期間を調整する等によって、上限抽選により決定した上限値の有効期間を調整することができる。したがって、例えばプレイヤの欲するアイテムが期間限定で抽選ゲームのコンテンツとして提供されるような場合には、その提供期間に合わせて月課金パックを購入したり、その提供期間が含まれるように月課金パックを継続する期間を調整することで、当該アイテムの取得を容易化することができる。
【0080】
また、実行回数や第1の対価が上限値付近となるまでコンテンツ抽選を頻繁に実行するプレイヤ(いわゆるヘビーユーザー)にとっては、月課金パックの購入によって上限値に到達することが可能となる場合、購入価格以上に支出を抑えることが可能となる。さらに、例えば実行回数や第1の対価が上限値付近となるまでコンテンツ抽選を実行したプレイヤが、その後に月課金パックを購入した場合に、その購入の時点で実行回数や第1の対価が低下した上限値に到達した場合には、その時点で報酬を得ることが可能となる。すなわち、累積した実行回数や第1の対価が無駄になることがない。したがって、月課金パック自体は安価で様々な特典が得られることからライトユーザー向きであるものの、上限抽選を特典とすることにより月課金パックの購入層にヘビーユーザーを取り込むことが可能となる。
【0081】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0082】
例えば、月課金パックの継続期間が長くなるほど上限ポイントが低い値になり易くなるように、上限抽選を実行してもよい。これにより、プレイヤに対し月課金パックを長く継続しようとするきっかけを与えることができるので、さらなるゲームの活性化や収益の増加につなげることができる。
【0083】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0084】
<7.サーバ装置のハードウェア構成>
次に、
図12を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0085】
図12に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0086】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0087】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0088】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0089】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0090】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の開始要求受付処理部15、上限抽選実行処理部17、報酬付与処理部23等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0091】
また、CPU501は、各端末装置3からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0092】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0093】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 ゲームシステム
3 端末装置
5 サーバ装置(情報処理装置)
7 タッチパネル
9 コンテンツデータベース
11 対価データベース
13 上限データベース
15 開始要求受付処理部
17 上限抽選実行処理部
19 累積処理部
21 上限到達判定処理部
23 報酬付与処理部
25 特典付与処理部
27 効力持続処理部