(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-21
(45)【発行日】2024-03-01
(54)【発明の名称】米飯供給装置
(51)【国際特許分類】
G01G 13/08 20060101AFI20240222BHJP
G01G 17/00 20060101ALI20240222BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20240222BHJP
【FI】
G01G13/08 C
G01G17/00 C
A23L7/10 E
(21)【出願番号】P 2020057560
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸山 幸子
(72)【発明者】
【氏名】小田切 恵
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-237236(JP,A)
【文献】特開平06-301856(JP,A)
【文献】特開2018-116024(JP,A)
【文献】特開2019-047737(JP,A)
【文献】特開2016-019492(JP,A)
【文献】実開平01-084587(JP,U)
【文献】特開2002-080093(JP,A)
【文献】特表2018-522215(JP,A)
【文献】特開平07-019945(JP,A)
【文献】米国特許第05244020(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G,A23L,A47J,B67D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に供給される米飯の複数種類の重量メニューの中から複数が入力可能になった入力手段と、
前記入力手段により入力された順序で当該重量メニューを記憶する記憶手段と、
米飯貯留部に貯留されている米飯を計量して容器に供給する計量供給手段と、
前記記憶手段に記憶された順序の重量メニューに従って容器に米飯が供給されるように前記計量供給手段を駆動する制御を実行する制御手段と、
容器に供給中の重量メニューおよび1または複数の供給待機中の重量メニューを予約された順序で文字により表示する表示手段と、
を有することを特徴とする米飯供給装置。
【請求項2】
前記表示手段には、供給待機中の重量メニューを削除する削除部が設けられ、
前記記憶手段は、前記表示手段で削除された重量メニューを削除するとともに、後続の重量メニューを繰り上げる、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯供給装置。
【請求項3】
前記計量供給手段は、
前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能且つ米飯を蓄積可能に設けられた開閉カップと、
前記開閉カップに蓄積される米飯の重量を計測する計量手段と、
米飯が供給される容器が設置される容器設置部における容器の有無を検知する容器検知手段とを備え、
前記制御手段は、米飯の重量を計測するときには米飯が蓄積される閉鎖位置になり、米飯の重量計測が完了し且つ前記容器検知手段により容器が検知されたときには蓄積された米飯が容器に落下供給される開放位置になるように前記開閉カップを開閉させる、
ことを特徴とする
請求項1または2記載の米飯供給装置。
【請求項4】
前記計量供給手段は、
前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉カップと、
前記開閉カップに蓄積される米飯の重量を計測する計量手段と、
前記開閉カップに蓄積された米飯を容器に供給する指示を出す供給指示手段とを備え、
前記制御手段は、米飯の重量を計測するときには米飯が蓄積される閉鎖位置になり、米飯の重量計測が完了し且つ前記供給指示手段が操作されたときには蓄積された米飯が容器に落下供給される開放位置になるように前記開閉カップを開閉させる、
ことを特徴とする
請求項1または2記載の米飯供給装置。
【請求項5】
前記計量供給手段は、
前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉シャッタと、
容器設置部に設置された容器に供給される米飯の重量を計測する計量手段と、
前記容器設置部における容器の有無を検知する容器検知手段とを備え、
前記制御手段は、前記容器検知手段により容器が検知されたときには当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように前記開閉シャッタを開閉制御する、
ことを特徴とする
請求項1または2記載の米飯供給装置。
【請求項6】
前記計量供給手段は、
前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉シャッタと、
容器設置部に設置された容器に供給される米飯の重量を計測する計量手段と、
前記容器設置部に設置された容器に対する米飯の供給指示を出す供給指示手段とを備え、
前記制御手段は、前記供給指示手段が操作されたときには当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように前記開閉シャッタを開閉制御する、
ことを特徴とする
請求項1または2記載の米飯供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯供給装置に関し、特に、複数の容器に対する異なった重量での米飯の供給処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弁当や丼物等を作る場合、米飯を容器に供給するための米飯供給装置が従来より知られている。この米飯供給装置は、ホッパ(米飯貯留部)に米飯を貯留しておき、そこから米飯を搬送スクリュ(搬送手段)で適量搬送して計量することにより、複数種の重量メニュー(150,200gなど具体的な重量が規定されたメニュー、あるいは並盛、大盛など抽象的な重量が規定されたメニュー)に対応した複数のスイッチで構成された入力部で入力された重量メニューの米飯を自動的に容器に供給する装置である。
【0003】
このような米飯供給装置では、容器を所定位置にセットした後、所望の重量メニューのスイッチを押すと、ホッパ内の米飯が計量機能を有した計量カップ部へと供給され、計量カップ部にて計量される。そして、スイッチで入力した重量メニューの量目に達すると計量カップ部が開き、米飯が容器に盛り付けられる(米飯が容器に供給される)。
【0004】
なお、米飯を容器に供給する米飯供給装置としては、例えば、特許文献1(特開2018-186748号公報)や特許文献2(特開2016-019492号公報)に記載されたものが知られている。特許文献1では、食材の重量指定を行ってから、迅速に、容器に所定量の食材を供給するための技術が開示されている。また、特許文献2では、精度良く計量した食材を効率よく成形型に投入するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-186748号公報
【文献】特開2016-019492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のような従来の米飯供給装置では、入力部のスイッチを1回押すごとに米飯1杯が盛り付けられるようになっているため、作業者はスイッチを1回押した後、米飯供給装置が米飯の盛り付けが完了するまで、次の容器に盛り付けるための重量メニューのスイッチを押すことができない。
【0007】
すると、複数の注文が入った場合、作業者は注文内容に沿ったスイッチを押して米飯を盛り付け、それが終了したならば次の注文内容に沿ったスイッチを押して米飯を盛り付けるという作業を繰り返さなければならず、非常に手間がかかる。
【0008】
また、作業者は複数の注文内容を覚えている必要があるが、入った注文の点数が多い場合には注文違いが発生する原因になるし、これを防止するには、メモに書き留めておくという新たな煩雑な作業が必要になってしまう。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、複数の容器に対する異なった重量での米飯供給を、簡便且つ間違いなく実行することのできる米飯供給に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯供給装置は、容器に供給される米飯の複数種類の重量メニューの中から複数が入力可能になった入力手段と、前記入力手段により入力された順序で当該重量メニューを記憶する記憶手段と、米飯貯留部に貯留されている米飯を計量して容器に供給する計量供給手段と、前記記憶手段に記憶された順序の重量メニューに従って容器に米飯が供給されるように前記計量供給手段を駆動する制御を実行する制御手段と、容器に供給中の重量メニューおよび1または複数の供給待機中の重量メニューを予約された順序で文字により表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の本発明の米飯供給装置は、請求項1記載の発明において、前記表示手段には、供給待機中の重量メニューを削除する削除部が設けられ、前記記憶手段は、前記表示手段で削除された重量メニューを削除するとともに、後続の重量メニューを繰り上げる、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の本発明の米飯供給装置は、請求項1または2記載の発明において、前記計量供給手段は、前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能且つ米飯を蓄積可能に設けられた開閉カップと、前記開閉カップに蓄積される米飯の重量を計測する計量手段と、米飯が供給される容器が設置される容器設置部における容器の有無を検知する容器検知手段とを備え、前記制御手段は、米飯の重量を計測するときには米飯が蓄積される閉鎖位置になり、米飯の重量計測が完了し且つ前記容器検知手段により容器が検知されたときには蓄積された米飯が容器に落下供給される開放位置になるように前記開閉カップを開閉させる、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の本発明の米飯供給装置は、請求項1または2記載の発明において、前記計量供給手段は、前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉カップと、前記開閉カップに蓄積される米飯の重量を計測する計量手段とを備え、前記開閉カップに蓄積された米飯を容器に供給する指示を出す供給指示手段をさらに有し、前記制御手段は、米飯の重量を計測するときには米飯が蓄積される閉鎖位置になり、米飯の重量計測が完了し且つ前記供給指示手段が操作されたときには蓄積された米飯が容器に落下供給される開放位置になるように前記開閉カップを開閉させる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明の米飯供給装置は、請求項1または2記載の発明において、前記計量供給手段は、前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉シャッタと、容器設置部に設置された容器に供給される米飯の重量を計測する計量手段と、前記容器設置部における容器の有無を検知する容器検知手段とを備え、前記制御手段は、前記容器検知手段により容器が検知されたときには当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように前記開閉シャッタを開閉制御する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の本発明の米飯供給装置は、請求項1または2記載の発明において、前記計量供給手段は、前記米飯貯留部に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉シャッタと、容器設置部に設置された容器に供給される米飯の重量を計測する計量手段と、前記容器設置部に設置された容器に対する米飯の供給指示を出す供給指示手段とを備え、前記制御手段は、前記供給指示手段が操作されたときには当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように前記開閉シャッタを開閉制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容器に供給される米飯の複数種類の重量メニューの中から複数が入力可能になった入力手段で入力された複数の重量メニューが記憶手段において入力された順序で記憶されるようになっている。そして、記憶手段に記憶された順序の重量メニューに従って、米飯貯留部に貯留されている米飯を計量して容器に供給するようにしている。
【0020】
したがって、複数の容器に対する異なった重量での米飯供給を、簡便且つ間違いなく実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施の形態である米飯供給装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の米飯供給装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図である。
【
図4】本実施の形態の米飯供給装置の上部ホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め上方から示す斜視図である。
【
図5】本実施の形態の米飯供給装置のホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め下方から示す斜視図である。
【
図6】
図1の米飯供給装置を斜め下方から示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施の形態である米飯供給装置のブロック図である。
【
図8】本発明の一実施の形態である米飯供給装置に設けられた入力・表示部における立ち上がり時の画面を示す図である。
【
図9】本実施の形態の米飯供給装置における米飯の供給プロセスを示すフローチャートである。
【
図10】(a)~(d)は
図9のフローチャートに沿った米飯の供給プロセスで示される入力・表示部の画面を順を追って示す図である。
【
図11】(a)~(d)は
図9のフローチャートに沿った米飯の供給プロセスで示される入力・表示部の画面を、
図10(d)から続けて順を追って示す図である。
【
図12】本発明の変形例である米飯供給装置における米飯の供給プロセスを示すフローチャートである。
【
図13】
図12の米飯供給装置に設けられた入力・表示部における米飯の供給プロセスで表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態である米飯供給装置を示す斜視図、
図2は
図1の米飯供給装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図、
図3は
図1の米飯供給装置の断面図、
図4は本実施の形態の米飯供給装置の上部ホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め上方から示す斜視図、
図5は本実施の形態の米飯供給装置のホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め下方から示す斜視図、
図6は
図1の米飯供給装置を斜め下方から示す斜視図である。
【0024】
図1および
図2に示すように、本実施の形態の米飯供給装置Aは、正面板10および当該正面板10の背面に位置する背面板11、ならびにこれら正面板10および背面板11の両側に位置する側面板12を備え、上方に開いた開口部13が形成された本体部1を有している。また、本体部1には、開口部13を開閉するための上蓋14が、蝶番ユニット15を介して取り付けられている。なお、上蓋14は、開口部13を閉鎖したときに外側に位置する外蓋部14-1と、内側に位置する内蓋部14-2とで構成されている。
【0025】
図示するように、正面板10には、タッチパネル式の入力・表示部16が備えられている。入力・表示部16は、容器に供給される米飯の重量を入力したり供給処理内容などの情報を表示する画面であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されている。本体部1の背面側には、米飯供給装置Aの動作制御を行うための制御部(制御手段:
図7)30などの様々な電子部品が実装された基板17(
図3)が設置されている。なお、入力・表示部16の詳細については後述する。
【0026】
正面板10の下方には、米飯を盛り付けるときの容器が設置される容器設置部18が設けられ、正面板10と容器設置部18との間には、所定の奥行きおよび高さを有した凹部空間19が形成されている。この凹部空間19は容器を収容するに十分な空間となっており、その上方から米飯が落下して容器に供給される。また、容器設置部18には、容器が設置されているか否かを検知するための
図7に示す容器検知センサ(容器検知手段:計量供給手段の一部)34が設置されている。本実施の形態において、容器検知センサ34には、容器の有無を光学的に検知する光センサが用いられているが、容器設置部18に容器が載置された場合の重量変化で容器の有無を検知する重量センサなど、容器設置部18における容器の有無を検知可能な種々のセンサを適用することができる。
【0027】
図2および
図3に示すように、前述した開口部13内には、当該開口部13から投入された米飯が貯留されるホッパ(米飯貯留部)20が設置されている。また、
図3に示すように、ホッパ20の底面付近には、米飯を搬送(
図3においては、図面右側から斜め左上側に搬送)するための搬送スクリュ(搬送手段:計量供給手段の一部)21、およびホッパ20内の米飯を撹拌しながら搬送スクリュ21へ送る撹拌羽根(撹拌手段)25が設けられている。
【0028】
搬送スクリュ21における米飯の搬送方向の下流側には、搬送スクリュ21の回転によりホッパ20内を搬送された米飯を解すように取り崩して落下させるドラム型で外周に多数の爪22aが設けられた解しローラ(解し手段:計量供給手段の一部)22が配置されている。さらに、解しローラ22の直下には、当該解しローラ22から落下した米飯の落下経路を開閉する一対の開閉カップ(計量供給手段の一部)23が備えられている。
【0029】
解しローラ22の回転軸は搬送スクリュ21の回転軸と直交するような位置関係になっている。これにより、ホッパ20に貯留された米飯は、ホッパ20に設けられた搬送スクリュ21の回転により解しローラ22へと搬送される。そして、解しローラ22に搬送された米飯は、当該解しローラ22の回転に伴う爪22aの働きにより、解されながら落下する。
【0030】
なお、本実施の形態では、ホッパ20内の米飯が搬送スクリュ21により解しローラ22へと送り出され、解しローラ22により解されて落下する機構となっているが、ホッパ20内の米飯が落下する機構はこれに限定されるものではない。
【0031】
開閉カップ23は、前述した解しローラ22によって落下する米飯の落下経路上に位置している。この開閉カップ23は、米飯が蓄積可能なように下方に膨らんだ形状となっており、上部を支点に回動して開閉可能になった一対の部材で形成されている。そして、容器に米飯を供給する際には開閉カップ23が開き、供給を停止する際には閉じることにより、米飯の容器への供給動作と供給停止動作とが行われる。
【0032】
図3および
図5に示すように、ホッパ20は、上端および下端が開口した上部ホッパ20aと、上部ホッパ20aの下端の開口に嵌め込まれてホッパ20の底面を形成する下部ホッパ20bとで構成されている。
【0033】
上部ホッパ20aには、上方より下方へ向かって徐々に狭く形成されており、これによって上端が広口の開口とされるとともに、下端が狭口の開口とされている。
【0034】
図3~
図5において、下部ホッパ20bに形成された略半円形の収容溝20b-1(
図3,
図5)内には、前述した搬送スクリュ21が設置されている。搬送スクリュ21は、米飯の搬送方向に沿って延びる搬送軸21aと、この搬送軸21aの回りに設けられてホッパ20内の米飯を解しローラ22へと搬送する螺旋状のスクリュ21bとで構成されている。そして、搬送軸21aの一方の端部(解しローラ22と反対側の端部)は下部ホッパ20bの外部へ突出しており、当該突出端には減速機26を構成するギア26aが取り付けられている。
【0035】
前述した撹拌羽根25は、搬送スクリュ21と並列に設置されている。撹拌羽根25は、搬送スクリュ21による米飯の搬送方向に沿って配置されたシャフト25aと、シャフト25aの回転方向と交差する方向に延びるとともに相互に間隔を空けて設けられた複数の撹拌棒25bとで構成されている。そして、シャフト25aの一方の端部(解しローラ22と反対側の端部)も下部ホッパ20bの外部へ突出しており、同様に、突出端には減速機27を構成するギア27aが取り付けられている。なお、撹拌羽根25の構造は本実施の形態に示すものには限定されない。また、撹拌羽根25は設けられていなくてもよい。
【0036】
搬送軸21aに取り付けられたギア26aを含む減速機26、およびシャフト25aに取り付けられたギア27aを含む減速機27は、共にハウジング28内に格納されている。また、ハウジング28の裏側には、搬送スクリュ21を回転駆動するための搬送用モータM1、および撹拌羽根25を回転駆動するための撹拌用モータM2がそれぞれ固定されている。そして、搬送用モータM1の出力軸には減速機26を構成するギア26bが、撹拌用モータM2の出力軸には減速機27を構成するギア27bが、それぞれ取り付けられている。これにより、搬送用モータM1の回転力は、ギア26bから中継用のギア26cを介してギア26aに伝達され、搬送スクリュ21を回転させる。また、撹拌用モータM2の回転力は、ギア27bから中継用のギア27cを介してギア27aに伝達され、撹拌羽根25を回転させる。
【0037】
なお、ハウジング28の前面は、減速機26,27を保護するとともに、これらの減速機26,27の回転軸を支持するためのハウジングカバー28aで覆われている。
【0038】
さて、
図3において、米飯供給装置Aは、開閉カップ23に蓄積された米飯(つまり、容器設置部18に載置された容器に供給されることになる米飯)の計量を行う計量器(計量供給手段の一部)24を備えている。
【0039】
計量器24には、荷重を電気信号に変換するロードセルが用いられている。そして、閉鎖位置にある開閉カップ23に蓄積された米飯の計量値(計量器24による計量値)が目標計量値に到達する直前に搬送スクリュ21および解しローラ22の回転動作が停止し、最終的に目標計量値に到達したときに開閉カップ23が開放位置になって米飯が容器に落下供給される。
【0040】
なお、ホッパ20は、ヒータの取り付けられた保温容器32(
図3)内に収容されており、ホッパ20内の米飯が適温に維持されるようになっている。
【0041】
図6に示すように、装置底面の略四隅には、脚部29が取り付けられている。また、それぞれの脚部29内には、荷重計測のための歪みゲージ(図示せず)が設置されている。そして、各脚部29の歪みゲージで計測された荷重を合計することにより、米飯供給装置Aの総重量が計測される。したがって、ホッパ20に米飯を貯留していない状態での装置重量(空重量)を予め登録しておけば、制御部30において、4つの歪みゲージの合計で得られた装置重量(ホッパ20に米飯を貯留した状態での装置重量)と空重量との差を求めることにより、ホッパ20内の米飯の重量、つまり米飯の残量が計測される。
【0042】
さて、以上の構成を有する米飯供給装置Aのブロック図を
図7に示す。
【0043】
図示するように、本実施の形態の米飯供給装置Aは、装置の動作制御を行う制御部30を備えており、前述した入力・表示部16、計量器24、容器検知センサ34、搬送スクリュ21を回転駆動する搬送用モータM1、撹拌羽根25を回転駆動する撹拌用モータM2の他に、解しローラ22を回転駆動する解し用モータM3、開閉カップ23を開閉させるカップ用モータM4などを備えている。さらに、入力・表示部16により入力された順序で重量メニュー(後述する)を記憶するメモリ(記憶手段)33を備えている。
【0044】
なお、本実施の形態において示すブロック図は本発明に関連した機能ブロックを抽出して示しており、制御部30はこれらの機能ブロックに示された以外の部材等をも制御しているのはもちろんである。
【0045】
ここで、米飯供給装置Aに設けられた入力・表示部16の画面内容について、
図8を用いて説明する。
【0046】
図示するように、入力・表示部16は、入力エリア(入力手段)16aおよび表示エリア(表示手段)16bから構成されている。また、表示エリア16bの上部には、記憶されている重量メニューによる米飯供給が全て完了した際に、「記憶生産終了」との表示がされるようになっている。
【0047】
入力エリア16aは、容器に供給される米飯の複数種の重量メニューが入力可能になった領域である。図示する場合には、「小盛」、「並盛」、「大盛」、「特盛」、「半ライス」および「お子様」の6種類の重量メニューが表示されており、これらから選択した重量メニューが入力可能になっている。そして、入力エリア16aで入力された重量メニューは、前述したメモリ33に格納(記憶)される。
【0048】
そして、本実施の形態における米飯供給装置Aでは、米飯の容器への供給処理がどこまで進んでいるか(どの重量メニューの米飯が供給中か、あるいはどの重量メニューの米飯が供給終了なのか、など)とは無関係に、複数の重量メニューが連続して入力できるようになっている。そして、メモリ33では、入力エリア16aにより入力された順序で重量メニューが記憶される。したがって、例えば、最初に「並盛」を入力し、続いて「大盛」、「小盛」、「特盛」の順に入力したならば、メモリ33ではその順序で重量メニューが記憶される。
【0049】
なお、同じ重量メニューを連続して入力したり(例えば、「並盛」、「並盛」と入力)、同じ重量メニューを異なる重量メニューの前後に入力してもよい(例えば、「並盛」、「大盛」、「並盛」の順に入力)。また、時間を空けずに一度に複数の重量メニューを入力してもよく、時間を空けて複数の重量メニューを入力してもよい。さらに、メモリ33に記憶される重量メニューの数には、制限を設けてもよいし設けなくてもよい。
【0050】
なお、これら以外あるいはこれらの一部の重量メニューが表示されていてもよいことは言うまでもない。よって、重量メニューは6種類に限定されるものではなく、複数種類であればよい。さらに、本実施の形態のような抽象的な表現での重量メニューではなく、「100g」、「150g」などのように具体的な米飯の重さでの重量メニューでもよい。
【0051】
さらに、本実施の形態では、入力手段としてはタッチパネルでの入力エリア16aになっているが、入力形態はこれに限定されるものではなく、例えば各重量メニューが割り当てられた複数のスイッチやボタン、音声認識システムなどでもよく、さらには店舗の入り口に設置された券売機でもよい。
【0052】
また、表示エリア16bは、現在容器に供給中の重量メニューおよび供給待機中の重量メニューが表示される領域である。装置の動作が停止している状態では「停止中」と、所定(例えば「並盛」)の重量メニューを計量している場合には「計量中 並盛」と表示される。さらに、前述のように、メモリ33では入力エリア16aにより入力された順序で重量メニューが記憶されるようになっており、表示エリア16bにはこれから容器に供給が予定されている供給待機中の重量メニューが表示される。具体的には、前述のように、最初に「並盛」を入力し、続いて「大盛」、「小盛」、「特盛」の順に入力したならば、「並盛」については計量が開始されるので、待機メニューとして「1.大盛」、「2.小盛」、「3.特盛」と重量メニューが表示される(
図10(a)参照)。
【0053】
なお、表示エリア16bは設けられていなくてもよい。これは、最終的に容器に供給された米飯の量を見れば、どの重量メニューの米飯なのかが判断可能な場合が考えられるからである。とりわけ、重量メニューの種類が少ない場合(例えば、「小盛」、「並盛」、「大盛」の3種類など)には、判断が容易であると想定される。但し、表示エリア16bが設けられていた方が利便性が高くなることはもちろんである。
【0054】
制御部30は、メモリ33に記憶された順序の重量メニューに従って容器に米飯が供給されるように前述した各種の計量供給手段を駆動する。
【0055】
すなわち、ホッパ20に貯留された米飯が搬送スクリュ21によって解しローラ22へと搬送される。そして、解しローラ22では、当該解しローラ22の回転により外周設けられた多数の爪22aで米飯が解すように取り崩されて落下し、落下経路に配置されて閉鎖位置となった開閉カップ23に蓄積される。開閉カップ23に蓄積される米飯の重量は計量器24で逐次計量されており、前述のように、計量値が目標計量値に到達する直前に搬送スクリュ21および解しローラ22の回転動作が停止して残余の米飯が落下し、開閉カップ23には目標計量値である入力された重量メニューの米飯の蓄積が完了する。このとき、容器検知センサ34より容器設置部18に容器が設置されていることが検知されたならば、開閉カップ23が開放位置になって、当該開閉カップ23に蓄積された米飯が容器に落下供給される。
【0056】
なお、重量メニューの供給処理が終われば、待機している後続の重量メニューが順次繰り上がって同様に処理される。
【0057】
ここで、表示エリア16bには、作業者の誤操作や来店客の注文キャンセルなどを想定して、供給待機中の重量メニューを削除するための削除部16beが設けられている(
図10(a)参照)。本実施の形態では、削除部16beは重量メニューの横に付された「×」印であり、作業者が削除部16beにより所定の重量メニューを削除すると、これを受けたメモリ33においては、表示エリア16bで削除された重量メニューを削除するとともに、後続の重量メニューを繰り上げる処理が行われる。なお、繰り上げ対象となる後続の重量メニューがないとき(たとえば、削除されたのが待機している最後の重量メニューであったり、削除したら待機中の重量メニューがなくなるなど)には、繰り上げ処理が行われないのはもちろんである。
【0058】
なお、前述のように、メモリ33では、入力エリア16aにより入力された順序で重量メニューが記憶されることから、米飯供給処理開始後に入力エリア16aにおいて重量メニューが追加入力された場合には、メモリ33では、その追加された重量メニューが既に記憶されている重量メニューの末尾となるようにして記憶される。また、表示エリア16bには、追加された重量メニューが供給待機中の重量メニューの末尾に表示される。
【0059】
次に、本実施の形態の米飯供給装置Aにおける米飯の供給動作について、
図9~
図11を用いて説明する。ここで、
図9は本実施の形態の米飯供給装置における米飯の供給プロセスを示すフローチャート、
図10(a)~(d)および
図11(a)~(d)は
図9のフローチャートに沿った米飯の供給プロセスで示される入力・表示部の画面を順を追って示す図である。
【0060】
先ず、電源を入れたならば、上蓋14を開いておいて、炊き上がった米飯をホッパ20に投入し、上蓋14を閉める。なお、重量メニューを入力する前つまり立ち上がり時の入力・表示部16の画面(以下、単に「画面」という場合もある。)は既に示した
図8のようになっている。
【0061】
次に、タッチパネル式の入力・表示部16の入力エリア16aで6種類の重量メニューの中から所望の重量メニューを選択して入力する(ステップS01)。なお、重量メニューを入力する段階で容器に盛り付ける米飯の残量が不足すると分かった場合は、その旨の、警告音や画面表示にて作業者に知らせる報知手段を設け、米飯の補充を促すようにすることが望ましい。
【0062】
ステップS01で重量メニューの入力が行われたならば、メモリ33において、重量メニューが入力された順序で記憶され、それに沿って画面が更新される(ステップS02)。一例として、「並盛」、「大盛」、「小盛」、「特盛」の順に入力したときの画面を
図10(a)に示す。図示するように、最初に入力された「並盛」については、表示エリア16bの中央部に「計量中 並盛」と表示され、待機メニューとして、「1.大盛」、「2.小盛」、「3.特盛」と重量メニューが表示される。
【0063】
そして、メモリ33に記憶された先頭の重量メニューに対応した重量の米飯が前述した要領で計量されて、閉鎖位置となっている開閉カップ23内に蓄積される(ステップS03)。その後、計量が完了すると、
図10(b)に示すように、「並盛 計量完了 容器に盛り付ける」と処理完了報知ボタン16cが表示される(ステップS04)。
【0064】
次に、容器設置部18に容器が設置されているか否かが判断され(ステップS05)、容器検知センサ34により設置されていると判断されれば、開閉カップ23が開放位置になって蓄積された米飯が容器に落下供給される(ステップS06)。
【0065】
なお、ステップS05において容器が設置されていないと判断された場合には、設置されるまで待つ。このとき、容器設置部18に容器が設置されていない旨を、警告音や画面表示にて作業者に知らせる報知手段を設け、設置を促すようにすることが望ましい。
【0066】
さて、ステップS06において、容器への米飯供給が完了したならば、作業者が当該容器を撤去するとともに、メモリ33において、米飯供給処理済みの重量メニュー(ここでは、ステップS06で示した「並盛」の重量メニュー)が削除され(ステップS07)、未処理となっている後続の重量メニューの順序が一つずつ繰り上げられる。
【0067】
次に、作業者によって変更された重量メニュー(メニュー削除・メニュー追加)があるかどうかが判断され(ステップS08)、ないと判断されたならばステップS07で変更されたメモリ33の記憶内容に沿って画面が更新される(ステップS11)。また、あると判断されたならば(ステップS09・ステップS10)、メモリ33において変更が行われ、それに沿って画面が更新される(ステップS11)。
【0068】
すなわち、削除された重量メニューがある場合は、後続の重量メニューが繰り上げられ(ステップS09)、追加された重量メニューがある場合は、既に入力されている重量メニューの最後尾に新規の重量メニューが追加される(ステップS10)。
【0069】
次に、メモリ33に未処理の重量メニューがあるかが判断される(ステップS12)。そして、ステップS12において、未処理メニューがないと判断された場合には、一連の処理が終了して「記憶生産終了ボタン」が表示される(
図8参照)。
【0070】
また、ステップS12において、メモリ33に未処理の重量メニューがあると判断された場合には、前述したステップS03に移行して、次の重量メニューが処理される。本実施の形態では、前述のように、「並盛」、「大盛」、「小盛」、「特盛」の順に重量メニューが入力されているので、ステップS12からステップS03に移行して、「大盛」の重量メニューが処理されることになる。
【0071】
ここで、ステップS12から移行したステップS03での画面を
図10(c)に示す。ステップS07で「並盛」が削除されたので、残りの重量メニューが一つずつ繰り上がり、表示エリア16bの中央部に「計量中 大盛」と表示され、待機メニューとして、「1.小盛」、「2.特盛」と重量メニューが表示される。
【0072】
以下、ステップS12において、未処理の重量メニューがないと判断されるまで、これらの各ステップを繰り返し実行する。
【0073】
つまり、本実施の形態で入力された重量メニューに従って説明すると、ステップS03で「大盛」の重量メニューに対応した重量の米飯が開閉カップ23内に蓄積され、計量が完了すると、
図10(d)に示すように、「大盛 計量完了 容器に盛り付ける」と処理完了報知ボタン16cが表示される(ステップS04)。そして、ステップS05で容器設置部18に容器が設置されていると判断されたならば、開閉カップ23に蓄積された米飯が容器に落下供給される(ステップS06)。
【0074】
その後、ステップS07において、メモリ33に記憶された米飯供給処理済みの「大盛」の重量メニューが削除されて後続の重量メニューの順序が一つずつ繰り上げられ、ステップS08において、作業者による重量メニューの変更がないと判断され、ステップS11においてステップS07で変更されたメモリ33の記憶内容に沿って画面が更新される。次に、ステップ12において、メモリ33に未処理の重量メニューがあると判断され、ステップS03に移行して、
図11(a)に示すように、表示エリア16bの中央部に「計量中 小盛」と表示され、待機メニューとして、「1.特盛」と重量メニューが表示される。
【0075】
そして、ステップS03において、「小盛」の重量メニューに対応した重量の米飯が開閉カップ23内に蓄積され、計量が完了すると、ステップS04において、
図11(b)に示すように、「小盛 計量完了 容器に盛り付ける」と処理完了報知ボタン16cが表示される。そして、ステップS05で容器設置部18に容器が設置されていると判断されたならば、ステップS06において、開閉カップ23に蓄積された米飯が容器に落下供給される。
【0076】
続いて、ステップS07において米飯供給処理済みの「小盛」の重量メニューがメモリ33から削除されて後続の重量メニューの順序が一つずつ繰り上げられ、ステップS08において、作業者による重量メニューの変更がないと判断され、ステップS11においてステップS07で変更されたメモリ33の記憶内容に沿って画面が更新される。そして、ステップ12において、メモリ33に未処理の重量メニューがあると判断され、ステップS03に移行して、
図11(c)に示すように、表示エリア16bの中央部に「計量中 特盛」と表示され、これが入力された最後の重量メニューとなるために、待機メニューとしては何も表示されない。
【0077】
そして、ステップS03において、「特盛」の重量メニューに対応した重量の米飯が開閉カップ23内に蓄積され、計量が完了すると、ステップS04において、
図11(d)に示すように、「特盛 計量完了 容器に盛り付ける」と処理完了報知ボタン16cが表示される。そして、ステップS05で容器設置部18に容器が設置されていると判断されたならば、ステップS06において、開閉カップ23に蓄積された米飯が容器に落下供給される。
【0078】
続いて、ステップS07において米飯供給処理済みの「特盛」の重量メニューがメモリ33から削除されて後続の重量メニューの順序が一つずつ繰り上げられ、ステップS08において、作業者による重量メニューの変更がないと判断される。そして、ステップS11において画面更新の上、ステップ12において、メモリ33に未処理の重量メニューがないと判断されて、一連の処理が終了する。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態の米飯供給装置Aによれば、容器に供給される米飯の複数種類の重量メニューの中から複数が入力可能になった入力エリア16aで入力された複数の重量メニューがメモリ33において入力された順序で記憶されるようになっている。そして、メモリ33に記憶された順序の重量メニューに従って、ホッパ20に貯留されている米飯を計量して容器に供給するようにしている。
【0080】
したがって、複数の容器に対する異なった重量での米飯供給を、簡便且つ間違いなく実行することが可能になる。
【0081】
これにより、複数の注文が入った場合、作業者は一度にまとめて注文内容である各重量メニューを米飯供給装置Aに入力できるため、米飯供給装置Aが1回の米飯供給処理を完了するのを待って次の操作をするという作業を繰り返す手間がなくなる。
【0082】
また、入った複数の注文内容を作業者が覚えておく必要がなくなるので、注文違いが発生することがなく、また、注文違いを防止するためにメモに書き留めておく必要もない。
【0083】
また、選択された重量メニューが入力・表示部16に表示されているので、作業者は、当該重量メニューに対応する容器を間違いなく選択することができる。
【0084】
さらに、本実施の形態の米飯供給装置Aは、開閉カップ23に蓄積される米飯の重量を計測するいわゆる上計量タイプであるので、米飯を容器に供給したならば、次の容器を容器設置部18に設置しておかなくても、メモリ33に記憶されている次の重量メニューの米飯の計量を直ちに開始することができる。これにより、容器への米飯の盛付処理速度が向上して、来店客への提供スピードが速くなる。
【0085】
ここで、本実施の形態の米飯供給装置Aは、容器設置部18における容器の有無を検知する容器検知センサ34が備えられており、
図9のフローチャートのステップS04で説明したように、容器設置部18に容器が検知されたならば米飯が容器に供給されることになっているが、容器検知センサ34を省略することができる。つまり、
図9に示すステップS04を省略することができる。
【0086】
容器検知センサ34が備えられていない上計量タイプの米飯供給装置、つまり本発明の変形例である米飯供給装置における米飯の供給プロセスのフローチャートを
図12に示す。なお、
図12において、
図9と同一の符号で示した処理は同一の内容であるので、ここでの重複した説明は省略する。
【0087】
さて、
図12に示すように、容器検知センサ34が備えられていない装置の場合、ステップS03において、重量メニューに対応した重量の米飯が開閉カップ23内に蓄積・計量されたならば、
図13に示すように、計量完了を報知する「並盛 計量完了 容器に盛り付ける」という米飯供給指示ボタン(供給指示手段:計量供給手段の一部)16dが表示される。そして、容器設置部18に容器が設置されていることを作業者が確認して米飯供給指示ボタン16dが操作(タッチ)されたならば(ステップS13)、開閉カップ23が開放位置になって蓄積された米飯が容器に落下供給される(ステップS06)。なお、供給指示手段は、別途に設けられたスイッチなどでもよい。
【0088】
したがって、制御部30は、米飯の重量計測が完了し、且つ米飯供給指示ボタン16dが操作されたときに、蓄積された米飯が容器に落下供給される開放位置になるように開閉カップ23を開閉させることになる。
【0089】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0090】
例えば、以上の説明では、開閉カップ23に蓄積される米飯の重量を計測するいわゆる上計量の米飯供給装置Aが示されているが、容器設置部18に載置された容器に落下供給される米飯の重量を計測するいわゆる下計量の米飯供給装置であってもよい。
【0091】
下計量の米飯供給装置Aでは、前述の開閉カップ23に代えて、ホッパ20に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能に設けられた開閉シャッタが設けられる。また、米飯の重量を計測する計量器(計量供給手段の一部)24は、開閉カップ23に蓄積された米飯の計量を行うのではなく、容器設置部18に設置された容器に供給される米飯の計量を行う。なお、容器設置部18における容器の有無を検知するための容器検知センサ(容器検知手段:計量供給手段の一部)34を設けてもよく、当該容器検知センサ34に代えて、容器設置部18に設置された容器に対する米飯の供給指示を出す図示しない供給指示スイッチ(供給指示手段)を設けてもよい。
【0092】
そして、容器検知センサ34が設けられた下計量の米飯供給装置Aにおいては、制御部(制御手段)30は、容器検知センサ34により容器が検知されたとき(つまり、容器設置部18に容器が設置されているとき)には当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように開閉シャッタを開閉させるように制御する。
【0093】
一方、供給指示スイッチが設けられた下計量の米飯供給装置Aにおいては、制御部(制御手段)30は、供給指示スイッチが操作されたときには当該容器に米飯が供給される開放位置になり、米飯の重量計測が完了したときには容器への米飯の供給を遮断する閉鎖位置になるように開閉シャッタを開閉させるように制御する。
【0094】
また、以上の説明では、入力手段である入力エリア16aと表示手段である表示エリア16bは、入力・表示部16として一体に設けられているが、両者は別体になっていてもよい。
【0095】
さらに、本実施の形態では、搬送スクリュ21、解しローラ22、開閉カップ23、計量器24および容器検知センサ34で計量供給手段が構成されているが、ホッパ20に貯留されている米飯を計量して容器に供給することができれば足り、本計量供給手段の構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上の説明では、本発明を、米飯貯留部内の米飯を容器に落下供給する米飯供給装置に適用した場合が示されているが、米飯が供給される容器は特に限定されない。すなわち、容器としては、丼鉢、椀、トレイ、皿、弁当箱などがあり、特に形状や大きさなどは限定されず、米飯を供給することが可能な様々なものが適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
16 入力・表示部
16a 入力エリア(入力手段)
16b 表示エリア(表示手段)
16be 削除部
16c 処理完了報知ボタン
16d 米飯供給指示ボタン(供給指示手段:計量供給手段の一部)
18 容器設置部
20 ホッパ(米飯貯留部)
21 搬送スクリュ(搬送手段:計量供給手段の一部)
22 解しローラ(解し手段:計量供給手段の一部)
23 開閉カップ(計量供給手段の一部)
24 計量器(計量供給手段の一部)
25 撹拌羽根(撹拌手段)
30 制御部(制御手段)
33 メモリ(記憶手段)
34 容器検知センサ(容器検知手段:計量供給手段の一部)
A 米飯供給装置
M1 搬送用モータ
M2 撹拌用モータ
M3 解し用モータ
M4 カップ用モータ